JP5661987B2 - 位置通知システム - Google Patents

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Description

本発明は、端末の位置を特定する技術に関する。
近年、携帯電話機やカーナビゲーションシステム等の端末装置において、GPS(Global Positioning System)を利用して自装置の位置を測位する、という技術が広く用いられている。この技術を利用して、例えば特許文献1には、携帯電話機を所持しているユーザ同士が互いの位置を知りたい場合に、表示画面に表示された地図上に自身の位置と相手の位置とをマーキングし、ユーザが互いの位置関係を容易に把握する仕組みが開示されている。
特開2002−262338号公報
しかし、GPSを用いた測位技術では、GPS衛星から発信されるGPS信号を良好に受信し得る位置に居る場合しか測位することができない。従って、例えば建物の中とか地下に居る場合には、GPS信号の受信環境が悪いため、測位精度が低いことがある。さらに、GPSでは、高さ方向の位置を特定することが難しいため、同一建物内の何階に居るのかといったことまでは分からず、測位の正確性を欠く。
そこで、本発明は、GPSを用いた技術では正確な測位ができないような場所に居る場合であっても、その位置を特定することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る位置通知システムは、音を表す音信号に対し、当該音が伝搬する建物の各階の空間領域に割り当てられた、当該空間領域が存在する階を示す領域識別情報を重畳する重畳手段と、前記建物の各階に設置されており、前記重畳手段によって前記音が伝搬する空間領域が存在する階毎に異なる前記領域識別情報が重畳された音信号に応じて、それぞれ前記空間領域に放音を行う複数の放音手段と、前記複数の放音手段によってそれぞれ放音された音のうち少なくともいずれかの音を収音する収音手段と、前記収音手段によって収音された音から前記領域識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記領域識別情報が示す前記空間領域が存在する階の情報を含む、当該領域識別情報が割り当てられた前記空間領域の位置を示す位置情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
発明に係る位置通知システムにおいて前記重畳手段は、楽曲または音声を含む音を表す前記音信号に対し前記領域識別情報を重畳してもよい
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。以下に説明する実施形態においては、建物であるデパート1内にいるユーザの位置を、デパート1の外部にいるユーザに通知するために、本発明の一実施形態に係る位置通知システムを用いる場合について説明する。
(1)実施形態の構成
まず、実施形態の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る位置通知システム100の全体構成を示すブロック図である。図1において、携帯電話網3は、多数の基地局や交換局からなる通信網である。携帯電話機10−1,10−2,10−3はそれぞれ、携帯電話網3を介して広域なエリアに跨って通信を行う通信端末である。また、携帯電話機10−1,10−2,10−3は、GPS衛星40から送信されてくるGPS信号を受信し、それに基づいて自身の所在地を測位する機能を有する。なお、ここでは図が煩雑になるのを防ぐために、3台の携帯電話機10−1,10−2,10−3のみを示したが、実際には、より多数の装置を備えるものである。また、これら携帯電話機10−1,10−2,10−3は全て同じ構成及び動作であるから、以下の説明においてそれぞれを区別する必要のないときは「携帯電話機10」と総称する。
測位装置20は携帯電話網3に接続されており、携帯電話機10の所在地や、その所在地におけるさらに詳細な位置を特定して、携帯電話機10に通知する。デパート1内には、音信号に応じた音を放音する複数の放音装置30が設けられている。この位置通知システム100では、上述したGPSを用いた測位と、これらの放音装置30による放音を利用した測位とを併用することで、GPSを用いた技術では正確な測位ができないような場所に居る場合であっても、その位置をより正確に特定し得るようになっている。
ここで、デパート1内における放音装置30の設置態様の一例について、図2を参照しつつ説明する。
放音装置30は、複数の(ここでは3つの)放音装置30−1,30−2及び30−3からなる。図2に示すように、デパート1は3階建ての建物であり、その「1階」の天井には放音装置30−1が設置され、「2階」の天井には放音装置30−2が設置され、「3階」の天井には放音装置30−3が設置されている。以下では、デパート1の1階の空間領域であって、放音装置30−1によって放音される音が伝搬する空間領域のことを、「空間領域SP1」という。また、デパート1の2階の空間領域であって、放音装置30−2によって放音される音が伝搬する空間領域のことを、「空間領域SP2」といい、3階の空間領域であって、放音装置30−3によって放音される音が伝搬する空間領域のことを、「空間領域SP3」という。
放音装置30−1,30−2及び30−3は、デパート1内に設けられたBGM再生装置2と有線乃至無線の通信路により通信可能に接続されている。BGM再生装置2は、例えば有線放送等の番組の中から所望の楽曲を選択して再生し、その楽曲を表すデジタル形式のデータ(音データ)を放音装置30−1,30−2及び30−3のそれぞれに提供する。放音装置30−1,30−2,30−3は、BGM再生装置2から楽曲を表す音データを受信すると、それぞれ後述する音声信号処理を行った後、空間領域SP1、空間領域SP2、空間領域SP3に向かって放音を行う。なお、これら放音装置30−1,30−2,30−3は全て同じ構成及び動作であるから、以下の説明においてそれぞれを区別する必要のないときは「放音装置30」と総称する。
図3は、携帯電話機10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯電話機10は、制御部11と、無線通信部12と、音声処理部13と、表示部14と、操作部15と、記憶部16と、測位部17とを備えている。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えており、携帯電話機10の各部を制御する。ROMには、CPUが各種制御を実行するための制御プログラムや、GPS衛星40から受信したGPS信号に基づいて制御部11が自装置の所在地の測位を行う測位プログラムが記憶されている。
無線通信部12は、アンテナ121や図示せぬ無線通信回路を備えている。この無線通信部12は、携帯電話網3の基地局から送信されてくる音声無線信号をアンテナ121によって受信すると、無線通信回路によってこれを復調する。復調された音声データは、音声処理部13によってD/A変換及び増幅が施された後に、スピーカ132から受話音声として放音される。一方、BGMやユーザの送話音声等の音は、マイクロホン131により収音されて音信号に変換され、音声処理部13による増幅及びA/D変換を経てデジタル形式の音データに変換される。そして変調及び周波数変換などがなされた後に、無線通信部12からアンテナ121を介して音声無線信号として送信される。また、無線通信部12は、携帯電話網3の基地局から送信されてくるデータ無線信号をアンテナ121によって受信すると、無線通信回路によってこれを復調して制御部11に供給する。さらに、無線通信部12は、制御部11から供給されてくるデータを搬送波で変調してアンテナ121からデータ無線信号として送信する。
表示部14は、例えば液晶ディスプレイや液晶駆動回路を備えており、制御部11からの指示に応じて、各種の情報や操作画面などを表示する。操作部15は、例えば「0」から「9」までのテンキーや、オンフックキー・オフフックキーのほか、操作画面上のカーソルを移動させるためのキーなどを備えており、ユーザによる操作に応じた信号を制御部11に供給する。制御部11は、この信号に基づき、ユーザの操作によって指示された内容を判断し、その判断結果に応じた処理を実行する。記憶部16は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリであり、自装置に対して割り当てられた識別情報である電話機IDの他に、ユーザ名や電話番号等が登録された電話帳や、制御部11によって実行される処理の手順が記述されたプログラムが記憶されている。
測位部17は、GPSアンテナ、周波数変換器、A/D変換器、周波数シンセサイザ、及びC/Aコード処理部等を備えている。GPSアンテナは、GPS衛星40から送信されてきたGPS信号を受信し、周波数変換器はこれを中間周波数帯域に変換し、A/D変換器はこれをアナログ信号からデジタルデータに変換し、C/Aコード処理部はC/Aコードを乗算させてコード相関処理を施す。測位部17は、このコード相関処理の結果得られたGPSデータを制御部11に供給する。制御部11は、測位部17から供給されたGPSデータと、ROMに記憶された測位プログラムとに基づいて、自装置の所在地の測位を行う。この測位によって、制御部11は自端末の所在地の経度及び緯度を算出する。
次に、図4は、測位装置20の構成を示すブロック図である。同図に示すように、測位装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備えている。
制御部21は、例えばCPUや各種メモリからなり、そのメモリや記憶部22に記憶された制御プログラムに記述された手順に従って測位装置20の全体を制御する。記憶部22は例えばハードディスク装置であり、地図情報記憶領域221を有する。地図情報記憶領域221は、緯度及び経度の座標に対応した、例えば日本全国の地図を表す地図情報を記憶している。また、記憶部22は領域特定テーブル222を記憶している。この領域特定テーブル222は、放音装置30による放音を利用した測位に利用される。通信部23は、携帯電話網3に接続されており、携帯電話機10と、携帯電話網3を介してデータの送受信を行うインタフェースである。
ここで、図5は、領域特定テーブル222の一例を示した図である。
図5に示すように、この領域特定テーブル222には、「領域ID」と、「領域名称」とが対応付けられて記述されている。「領域ID」は、上述したデパート1内の空間領域SP1、空間領域SP2、空間領域SP3などのように、放音装置30によって放音される音が伝搬する空間領域に対して割り当てられた識別情報である。同図の例では、空間領域SP1には領域ID「SP1」が割り当てられ、空間領域SP2には領域ID「SP2」が割り当てられ、空間領域SP3には領域ID「SP3」が割り当てられている。「領域名称」は、これらの空間領域に対して付けられた名称である。例えば、第1行に示すように、領域ID「SP1」が割り当てられた空間領域SP1には、領域名称「○○デパート1階」が対応付けられている。これは、「○○デパート」という名称のデパート1の1階の空間領域SP1には、領域ID「SP1」が割り当てられていることを意味している。同様に、第2行においては、領域ID「SP2」が割り当てられた空間領域SP2に領域名称「○○デパート2階」が対応付けられ、第3行においては、領域ID「SP3」が割り当てられた空間領域SP3に領域名称「○○デパート3階」が対応付けられている。また、第4行においては、領域ID「SP4」が割り当てられた空間領域に、領域名称「△△会社1階」が対応付けられている。
すなわち、この領域特定テーブル222においては、「○○デパート」や「△△会社」のように、領域IDが割り当てられた空間領域がある建物の名称とともに、「1階」や「2階」のように、建物内においてその空間領域がある詳細な位置を表す領域名称も含まれている。この領域特定テーブル222の内容は、放音装置30が建物に設置されてから、測位装置20の管理者によって記述され、必要に応じて更新される。
次いで、図6は、放音装置30の構成を示すブロック図である。同図に示すように、放音装置30は、通信部31と、音声処理部32と、増幅器33と、放音制御部34と、放音手段としてのスピーカ35とを備える。
通信部31は、BGM再生装置2によって提供されたデジタル形式の音データを受信する。音声処理部32は、D/A変換器等を有し、通信部31から供給されたデジタル形式の音データをアナログ形式の音信号に変換する。増幅器33は、音声処理部32から供給される音信号を増幅する。
放音制御部34は、CPUやメモリを有しており、増幅器33から供給された音信号に基づいて、スピーカ35に放音させる。この放音制御部34のメモリには、自装置に対して割り当てられた「領域ID」、つまり、放音装置30が放音する音が伝搬する空間領域に割り当てられた「領域ID」が記憶されている。上述した領域ID「SP1」が割り当てられた空間領域SP1に放音する放音装置30−1のメモリには、領域「SP1」が記憶されるし、領域ID「SP2」が割り当てられた空間領域SP2に放音する放音装置30−2のメモリには、領域「SP2」が記憶されるし、領域ID「SP3」が割り当てられた空間領域SP3に放音する放音装置30−3のメモリには、領域「SP3」が記憶される。放音制御部34は、増幅器33から音信号が供給されると、自身のメモリに記憶した領域IDに基づいて音信号を変調する。具体的には、放音制御部34は、領域IDを例えばASK(Amplitude Shift Keying)方式で変調した信号(以下、「領域変調信号」という)を生成し、音信号をこの領域変調信号に基づいて変調させてから、スピーカ35に放音させる。すなわち、放音制御部34は、音信号に対し領域IDを重畳する重畳手段であり、領域IDが重畳された音信号に応じた音をスピーカ35に放音させる。
ここで、放音制御部34が行う音声信号処理について、図7,8を参照しつつ説明する。
図7において、領域信号a1は、領域ID「SP2」を表す領域変調信号であり、同図で「01101・・・」という値で表され、同図に示す搬送波bは、特定の周波数及び振幅を有する正弦波を表している。この搬送波bの周波数帯域は、放音装置30によって放音される音とは重ならないように設定されており、その振幅は、オーディオデータの振幅と比較して小さくなっている。この搬送波bの周波数帯域や振幅は、放音制御部34のメモリに予め記憶されている。すなわち、この例では、まず、放音制御部34は、領域IDを表す領域信号a1と搬送波bとを乗算させて領域変調信号a2を生成する。このとき、領域変調信号a2において、領域IDの値が「1」である時間帯の波形は搬送波bと同じとなり、領域IDの値が「0」である時間帯においてはその振幅は「0」となっている。
続いて、放音制御部34は、増幅器33から取得した音信号に、前述したようにして生成した領域変調信号a2を重畳する。図8において、音信号c1は、増幅器33から取得した信号の波形を表している。放音制御部34は、この音信号c1に、同図に示す領域変調信号a2を乗算して音信号を変調することによって、領域IDを重畳した音信号c2を生成する。そして、放音制御部34は、この音信号c2に応じてスピーカ35に放音させる。図8においては、放音制御部34による音声信号処理の過程を分かりやすくするため、音信号c1の振幅と領域変調信号a2の振幅とをほぼ等しく図示しているが、実際には、上述したように搬送波bの振幅、及び領域信号a1の振幅は、音信号c1のそれに対して十分に小さいから、音信号c2に応じた放音がなされても、元の音信号c1に対する音質劣化はほとんどない。
(2)動作
次に、位置通知システム100の動作について説明する。
なお、以下の説明においては、携帯電話機10−1(第1の端末)を所持するユーザAが、携帯電話機10−2(第2の端末)を所持してデパート1の2階にいるユーザBの位置を要求するときの動作例について説明する。以下の動作の開始時においては、領域特定テーブル222の構成は、図5に示したとおりとする。
(2−1)放音装置30の動作
まず、放音装置30の動作について説明する。
放音装置30は、BGM再生装置2によって提供された音データに基づいて、上述したようにして領域IDを重畳した音信号を生成し、放音する。具体的には、例えば放音装置30−1の放音制御部34は、通信部31、音声処理部32、増幅器33を介して供給された音信号に領域ID「SP1」を重畳し、この音信号に応じた音をスピーカ35に放音させる。同様にして、放音装置30−2の放音制御部34は、領域ID「SP2」を重畳した音信号に応じた音をスピーカ35に放音させ、放音装置30−3の放音制御部34は、領域ID「SP3」を重畳した音信号に応じた音をスピーカ35に放音させる。以下に説明する動作時においても、放音装置30−1,30−2,30−3はこれらの音信号に応じて放音しているものとする。
次に、位置通知システム100が携帯電話機10−2の位置を携帯電話機10−1に通知するときの動作について説明する。ここで、図9は、位置通知システム100が実行する処理の流れを示すシーケンス図である。図9において、放音装置30−1,30−2,30−3は上述したように領域IDが重畳された音信号に応じた音を放音している。
(2−2)携帯電話機10−1が位置を要求するときの動作
最初に、携帯電話機10−1が携帯電話機10−2の位置を要求するときの動作について説明する。
まず、ユーザAは、自身が所持する携帯電話機10−1の表示部14にメニュー画面を表示させ、操作部15を操作して、携帯電話機10の位置通知を実行するモードである「位置通知モード」を起動させる。携帯電話機10−1の制御部11は、この操作に応じて位置通知モードを起動し(ステップS1)、ユーザAが位置を知りたい携帯電話機10のユーザを指定させる(ステップS2)。ここでは、ユーザAによって「ユーザB」が指定され、この指定内容に応じて、制御部11はユーザBが所持する携帯電話機10−2が位置通知の対象となることを特定する。このステップS2では、例えば、制御部11は、記憶部16に記憶された電話帳に基づいて、そこに登録されたユーザ名の一覧を表示部14に表示させ、所望のユーザ名を選択させるとよい。この選択操作に応じて、制御部11は、選択されたユーザ名に対応付けて電話帳に記憶している電話番号などの電話機IDを特定する。また、制御部11は、所望のユーザの電話番号などの電話機IDを直接、ユーザに入力させてもよい。
そして、携帯電話機10−1の制御部11は、特定した「ユーザB」が所持する携帯電話機10−2の位置の要求を、記憶部16に記憶された自装置の電話機IDとともに、指示信号として無線通信部12及びアンテナ121によって測位装置20に送信する(ステップS3)。
以上が、ユーザAが携帯電話機10−2の位置を要求するときの、携帯電話機10−1の動作である。
(2−3)位置の要求が行われてからの位置通知システム100の動作
次に、位置の要求が行われてからの位置通知システム100の動作について説明する。
測位装置20の制御部21は、携帯電話機10−1から送信されてきた上記要求、及び電話機IDを含む指示信号を通信部23によって受信すると、これらに基づいて携帯電話機10−1によって携帯電話機10−2の位置が要求されたことを特定する(ステップS4)。そして、制御部21は、通信部23によって、位置通知の対象となる携帯電話機10−2に対し、領域IDを要求するリクエスト信号を送信する(ステップS5)。
携帯電話機10−2の制御部11は、測位装置20から送信されてきたリクエスト信号(要求)をアンテナ121及び無線通信部12によって受信すると、この要求に応じて、自装置の位置通知のための処理を開始する。なお、このとき、携帯電話機10−2の制御部11は、ユーザBに対して測位を行うことを許可するか否かを問い合わせることが好ましい。そして、ユーザBによって測位を行うことを許可する旨の操作が行われた場合に、制御部11は以下に説明する処理を開始する。このようにすれば、見知らぬ者によって、ユーザBの位置が知られてしまうことを防止することができる。
まず、携帯電話機10−2の制御部11は、マイクロホン131によって収音を行い(ステップS6)、その音信号を取得する。ここでは、ユーザBはデパート1の2階にいるから、携帯電話機10−2の制御部11は、放音装置30−2によって空間領域SP2に放音された音を収音することになる。この結果、制御部11は、図8に示した音信号c2をマイクロホン131によって収音する。なお、ここでは、制御部11はリクエスト信号の受信をきっかけに収音を行ったが、常時又は定期的に行うようにしてもよい。
続いて、制御部11は、この収音された音信号に重畳されている領域IDを抽出する(ステップS7)。このステップS7において、まず、制御部11は、音信号に対し、搬送波bに用いられた周波数を中心とする所定幅の通過帯域を有する音声処理部13に設けられた図示せぬバンドパスフィルタを作用させて、これを通過した信号を抽出する。このようにして、制御部11は、領域変調信号a2を抽出することができる。そして、制御部11は、取得した領域変調信号a2を復調して領域信号a1を得ると、この領域信号a1に基づいて領域ID「SP2」を抽出する。すなわち、この領域IDの抽出に係る処理は、制御部11と音声処理部13との協働によって行われる。
続いて、制御部11は、測位部17によって自装置の所在地を測位する(ステップS8)。このとき、制御部11は、測位部17によってGPS信号を取得し、測位部17によって行われた演算結果であるGPSデータに基づいて、自装置の所在地を経度及び緯度を算出することによって測位する。なお、ここでは、制御部11は経度=Xo,緯度=Yoを算出したものとする。そして、制御部11は、抽出した領域ID「SP2」と、測位した所在地の経度Xo、緯度Yoとを、自身の電話機IDとともに測位装置20へ送信する(ステップS9)。
続いて、測位装置20の制御部21は、通信部23によって携帯電話機10−2からの送信内容に基づいて、携帯電話機10−2の位置を特定するための処理を開始する。
まず、制御部21は、領域ID「SP2」に対応付けて領域特定テーブル222に記憶されている「領域名称」を特定する(ステップS10)。図5に示すように、領域特定テーブル222の第2行において領域ID「SP2」に領域名称「○○デパート2階」が対応付けられている。これによって、制御部21は、携帯電話機10−2がある空間領域の領域名称として「○○デパート」の「2階」であることを特定する。
そして、制御部21は、位置情報としてステップS10で特定した空間領域の位置と、所在地として携帯電話機10−2から送信されてきた経度Xo及び緯度Yoとを、地図情報記憶領域221に記憶されている地図情報が表す地図上に表したデータを生成する(ステップS11)。ここでは、制御部21は、携帯電話機10−2の所在地の緯度Xo及び経度Yoに基づいて対応する地域の地図情報を読み出し、その地図上の緯度Xo及び経度Yoに該当する位置に「★」等の記号を用いてマーキングし、さらに、特定した空間領域の領域名称も「○○デパート2階」という具合に地図上に表す。また、制御部21は、経度Xo及び緯度Yoに基づいて住所を特定して地図情報に含める。そして、制御部21は、この位置情報を示した地図情報を、ステップS3で受信した電話機IDに従って、携帯電話機10−1に送信する(ステップS12)。このようにして、制御部21は、抽出された領域IDから得られる空間領域に付けられた名称と、測位部17によって測位された所在地とを、位置情報として携帯電話機10−1に通知する。
携帯電話機10−1の制御部11は、アンテナ121及び無線通信部12によってこれを受信すると、表示部14にこの地図情報が表す地図画像を表示させることにより、位置情報を出力する(ステップS13)。
図10は、ステップS13において、表示部14に表示される地図の一例を示す図である。同図に示すように、携帯電話機10−2の所在地(経度Xo、緯度Yo)に対応する地図上における位置に星印の記号「★」が示され、且つ、“**さんの所在地は、「東京都○○区△△1丁目」です。”というメッセージが示されている。また、地図上の「★」の近傍には、空間領域の位置を示した画像として、領域名称「○○デパート2階」が示されている。ユーザAはこれを見れば、経度及び緯度で特定されるユーザBの所在地のみならず、その所在地における詳細な位置である「○○デパート」の「2階」にユーザがいることを知ることができる。
以上説明した実施形態によれば、ユーザBが所持する携帯電話機10−2は、自端末がある空間領域において放音装置30によって放音された音を収音し、収音した音を表す音データから領域IDを抽出し、GPSを利用して特定した自装置の所在地とともに測位装置20に送信する。測位装置20は、携帯電話機10−2の所在地とともに、領域IDに基づいて特定した空間領域の領域名称を地図上に示し、この地図を表す地図情報を携帯電話機10−1に送信する。これにより、ユーザB(携帯電話機10−2)の位置を知りたい携帯電話機10−1のユーザAは、そこに表示出力された地図を見ることでユーザBのいる所在地、及びその場所における詳細な位置(空間領域)を知ることができる。この構成により、GPSを用いた技術では正確な測位ができないような場所にいる場合であっても、その位置を精密に特定することができる。また、放音装置30によって放音される音に領域IDを重畳しても、その音の音質にはほとんど影響を与えることがないから、ユーザがBGMとしての音を楽しみつつ、同時に測位を行うことが可能となる。
(3)変形例
なお、上記実施形態を次のように変形してもよい。具体的には、例えば以下のような変形が挙げられる。これらの変形は、各々を適宜に組み合わせることも可能である。
(3−1)変形例1
上述した実施形態では、位置を要求された携帯電話機10−2は、ステップS8でGPS信号に基づいて所在地の測位を行っていたが、測位部17に相当する構成を省略して、所在地の測位を行わないようにしてもよい。すなわち、ステップS9において、携帯電話機10−2は領域IDのみを測位装置20に送信する。この態様において、実施形態と同じように地図上に携帯電話機10−2の所在地と空間領域の位置とを示すために、測位装置20は領域特定テーブルにおいて、領域ID及び領域名称に対応付けて、建物がある所在地として記憶させておけばよい。管理者が領域特定テーブルの建物の領域名称を設定する場合、その建物の住所を知ることは容易であるから、例えば、領域特定テーブルに記述する所在地を住所とし、測位装置20がその住所に基づいて経度、緯度を算出して、地図上にその所在地を示すようにしてもよい。
かかる構成は、以下に説明する変形例においても採ることができる。
(3−2)変形例2
上述した実施形態では、測位装置20は、携帯電話機10−2によって抽出された領域IDを受信すると、領域特定テーブル222において、この領域IDに対応付けられている領域名称を特定していたが、領域IDが領域名称そのものを示すようにしてもよい。この態様においては、測位装置20は領域特定テーブルを記憶する必要はなく、携帯電話機10−2から取得した領域IDに基づいて領域名称を特定し、これを位置情報として送信する。
かかる構成は、以下に説明する変形例においても採ることができる。
(3−3)変形例3
上述した実施形態では、放音装置30をデパート1や会社等の建物の各階に設置する態様について説明したが、複数の放音装置30を、例えば電車の停車位置である駅に設置することにより、位置通知システムを以下のような態様とすることができる。
まず、本変形例の位置通知システムの構成について、実施形態と異なる点について説明する。本変形例では、BGMに代えて発車のアナウンスや発車ベルを放音する複数の放音装置30を、例えば各駅のプラットホームに設けておき、駅毎に異なる領域IDを、それぞれの放音装置30の放音制御部34のメモリに記憶させておく。ただし、同じ駅に複数の放音装置30が設けられている場合には、これらには同じ領域IDが記憶されるものとする。一方、測位装置20においては、空間領域の領域名称として、放音装置30が設置された駅の駅名を特定するようにし、領域特定テーブルにおいては領域IDに領域名称として駅名を対応付けておく。
続いて、本変形例の動作について実施形態と異なる点を主に説明する。
まず、この動作に先立って、ユーザが電車に乗る前又は後において、携帯電話機10に対して下車駅を設定しておく。この設定に応じて、携帯電話機10は自身の電話機ID、及び設定した下車駅を測位装置20に送信し、測位装置20はこの電話機IDと、下車駅に割り当てられた領域IDとを対応付けて記憶しておく。ここでは、測位装置20は、複数の停車位置のうち少なくともいずれか1の停車位置に割り当てられた領域IDを記憶することになる。
以降、携帯電話機10は、定期的にステップS6,S7と同じ、収音及び領域IDの抽出を行う。ユーザが電車に乗った後においては、電車が停車駅に到着して扉が開く度に、その駅に設置された放音装置30によって放音された音が電車内にも伝搬するから、携帯電話機10はこれを収音し、領域IDを抽出することになる。携帯電話機10は領域IDを抽出すると、これを電話機IDとともに測位装置20に送信する。そして、測位装置20は、この領域ID及び電話機IDを受信すると、この領域IDと、受信した電話機IDに対応付けて記憶している下車駅の領域IDとを比較する。
ここで、測位装置20は、受信した領域IDが、自身が記憶している領域IDに一致しないときには、その駅はユーザの下車駅ではないから、ここで処理を終了する。一方、自身が記憶している領域IDに一致したときには、測位装置20は、その駅がユーザの下車駅であるから、領域特定テーブルにおいてその領域IDに対応付けられている駅名を特定し、下車駅に到着した旨を携帯電話機10に通知する。この通知を受け取った携帯電話機10は、表示部14に「××駅に到着しました。下車してください。」というメッセージを表示させてユーザに対して下車駅に到着した旨を知らせる。この報知出力の態様としては、携帯電話機10がスピーカ132を用いて同様の内容を音声出力して報知してもよい。これ以外にも、携帯電話機10に設けられた図示せぬランプを点灯させたり、スピーカ132によってアラーム音を放音させることによって報知してもよい。ただし、これらの場合、特定した駅名を表示させなくてもユーザは下車駅に到着した旨を知ることができるから、位置情報として領域名称を記憶していなくてもよい。
また、ここでは電車の駅に放音装置30を設置する場合について説明したが、モノレールやバス等の人間を運ぶ移動体の停止位置(駅、停留所等の乗降場所)に設けてもよい。また、測位装置20はユーザに対して下車駅のみを報知するのではなく、すべての駅について到着した駅を通知してもよい。この場合、携帯電話機10や測位装置20が下車駅に関する処理を行わなくてよい。
(3−4)変形例4
また、複数の放音装置30が、複数の電車(移動体)のそれぞれに設けられるようにしてもよい。
この態様においては、放音装置30(又は電車)が、所在地を測位するための測位手段を備える。この測位手段は、例えばGPSなどを利用して所在地の測位を行う。また、放音装置30は定期的に測位手段によって自装置の現在位置(経度、緯度)の測位を行い、その測位結果に応じた領域IDを、車内アナウンス等の音を表す音信号に重畳して放音する。
一方で、測位装置20は、領域特定テーブルにおいて上記領域IDに対応付けて最寄りの駅名を記憶しておく。そして、携帯電話機10によって位置の要求が行われると、実施形態と同じようにして、測位装置20は電車内にいるユーザの携帯電話機10に領域IDを送信させる。次いで、測位装置20は、そこから送信されてきた領域IDに対応する駅名を領域特定テーブルから読み出し、携帯電話機10に対して、例えば「只今、**さんは○○駅付近を走行中です。」と表示させるよう、電車内の空間領域の位置情報を出力する。また、この態様において、測位装置20は、電車の走行方向や、現在位置と駅の所在地との関係等を利用すれば、「○○駅まであと△△分です。」のように、より詳細な位置を示す位置情報を出力することもできる。
また、この態様において、電車の走行路を所定距離毎に複数の区間に区切り、放音装置30は各区間に対応付けて領域IDを記憶し、測位手段による測位結果に応じた区間の領域IDを読み出して、音信号に重畳してもよい。つまり、放音装置30は、測位した位置に応じた領域IDを音信号に重畳するようにすればよい。
(3−5)変形例5
上述した実施形態では、デパート1内の各階に1ずつ放音装置30を設けていたが、各空間領域が重ならないように、放音装置30が複数設けられていても良い。この態様によれば、測位装置20は「○○デパート2階西館」や「○○デパート2階東館」のように、同一階を複数のブロックに分けて領域名称を特定することができるので、さらに詳細な位置(空間領域)を特定することができる。
また、位置通知システムをデパート1内のみで用いることのできるシステムとしてもよい。例えば、デパート1内における迷子探索専用に利用する場合があり、ユーザA及びユーザBが共にデパート1内にいることになる。この態様によれば、携帯電話機10がGPS信号に基づいて所在地を測位する構成は不要であるし、電波状況が不良であっても同じ建物内に設けられた通信ネットワーク等によって測位装置20と通信可能とすることにより、支障を来たすことなく、本位置通知システムを利用することができる。もちろん、遊園地やコンサート会場等の限られた領域内のみで適用するのであれば、本位置通知システムを利用する空間は前掲したものに限らない。
(3−6)変形例6
また、デパート1内の各階に複数の放音装置30を設ける場合において、前述したように各階に複数の空間領域が存在することになるが、装置間の距離が小さい等の場合には、各空間領域が互いに重なり合ってしまうことがある。そこで、本変形例では、これを利用して、位置通知システムが位置を特定する態様について説明する。本変形例の携帯電話機10においては、マイクロホン131を例えばステレオタイプのものとし、マイクロホン131a,131bを備えるものとする。
図11は、本変形例におけるデパート1の1階を上方から見た様子を模式的に表した図である。同図に示すように、デパート1の1階には破線を境界として西館及び東館に分けられており、西館の中心付近の天井には放音装置30−4が設けられ、東館の中心付近の天井には放音装置30−5が設けられている。放音装置30−4によって放音される音は空間領域SP11に伝搬され、放音装置30−5によって放音される音は空間領域SP12に伝搬されるものとする。また、測位装置20は、領域特定テーブルにおいて、空間領域SP11の領域IDに対応付けて「○○デパート1階西館」を記憶し、空間領域SP12の領域IDに対応付けて「○○デパート1階東館」を記憶しておく。
この場合、同図に示す実線で囲んだ空間領域SP13においては、放音装置30−4によって放音された音と、放音装置30−5によって放音された音の両方が伝搬されることになる。携帯電話機10−2を所持するユーザBが、例えばこの空間領域SP13内の位置P1にいる場合、放音装置30−4及び30−5によって放音された音が位置P1に伝搬するから、携帯電話機10−2は、マイクロホン131a及び131bによって放音装置30−4,30−5によって放音された音に含まれる領域IDを抽出する。このとき、携帯電話機10−2は、マイクロホン131a,131bによって収音された波形が異なる2つの音波から領域IDを抽出することによって、両者の領域IDを抽出すればよい。
そして、測位装置20は、領域特定テーブルに基づいて、領域名称を特定することになるが、ここでは、2つの領域IDを受信するから、○○デパート1階における東館と西館との境界付近であることを特定することができる。この構成によれば、複数の放音装置30によって放音される音が伝搬する空間領域が重なり合っても、これを利用して、測位装置20は、空間領域におけるさらに詳細な位置を特定することができる。
また、この態様において、携帯電話機10は収音した音の音量(すなわち、音信号の振幅)と、特定した複数の領域IDとに基づいて、測位装置20は、さらに詳細な携帯電話機10の位置を特定することもできる。
例えば、ユーザBが位置P1から図中左側に放音装置30−4側の位置P2に移動した場合、次第に携帯電話機10と放音装置30−4との距離が小さくなるからそこから到来する音の音量は大きくなるし、反対に、放音装置30−5からはその距離が大きくなるので、そこから到来する音の音量は小さくなる。よって、測位装置20は、放音装置30−4,30−5によって放音される音の音量を予め記憶しておき、マイクロホン131a,131bによって収音された音の音量と、領域IDに基づいて特定した空間領域の位置とに基づいて、特定した空間領域の位置と、携帯電話機10(マイクロホン131a,131b)との位置関係を求めてもよい。これにより、測位装置20は、携帯電話機10が放音装置30−4寄りにあるのか、又は放音装置30−5寄りにあるのかを特定し、その位置を位置情報として出力することができる。この場合、測位装置20は、「○○ビル1階中央から西館側におよそ○○メートル」のように、さらに詳細な空間領域内の位置を特定することもできる。
また、携帯電話機10がさらに多数のマイクロホンを備えるようにしてもよく、前述した原理と同様にして、3以上の空間領域が重なり合っても、空間領域内における詳細な位置を特定することができる。
一方、放音装置30−4及び30−5が放音する音の周波数帯域を異ならせれば、携帯電話機10は1つのマイクロホンでも複数の領域IDを抽出することができる。この態様において、放音装置30−4が放音する音の周波数帯域をf4とし、放音装置30−5が放音する音の周波数帯域をf5とし、両者が一致しないようにしておく。そして、携帯電話機10は音声処理部13内に、周波数帯域f4を通過帯域とし、周波数帯域f5を遮断領域とするバンドパスフィルタB1と、周波数帯域f5を通過帯域とし、周波数帯域f4を遮断領域とするバンドパスフィルタB2とを並列に接続した回路を備えるようにする。このようにすれば、携帯電話機10は、バンドパスフィルタB1を通過した音信号に基づいて、放音装置30−4によって放音された音のみから領域IDを抽出することができるし、バンドパスフィルタB2を通過した音信号に基づいて、放音装置30−5によって放音された音のみから領域IDを抽出することができる。また、携帯電話機10が、予め放音装置30−4及び30−5のそれぞれが放音に用いる周波数帯域を記憶しておき、それぞれの当該周波数帯域のみから領域IDを抽出するようにすれば、バンドパスフィルタB1、B2に相当する構成がなくても、両者の領域IDを抽出することができる。
また、この場合において、3つ以上の空間領域が重なり合う場合においても、同様の原理に基づいて、携帯電話機10は各々の空間領域に割り当てられた領域IDを抽出することができる。
(3−7)変形例7
上述した実施形態においては、予め放音装置30のそれぞれに領域IDが設定され、測位装置20がこれらの領域IDに対応付けて、領域名称を領域特定テーブル222に記憶しているというものであったが、放音装置30に対する領域IDの設定を、測位装置20側で行えるようにしてもよい。以下、この態様について具体的に説明する。なお、この態様においては、測位装置20と建物内に設置された各放音装置30とがインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。
例えば、放音装置30が新たに設置された場合において、測位装置20は、図示せぬ操作部を介してこの放音装置30に対応する空間領域の領域名称を管理者に入力させ、これを位置情報として取得する。続いて、測位装置20は、当該放音装置30に対して領域IDを割り当て、取得した位置情報と、この領域IDとを対応付けて領域特定テーブルに書き込んで記憶させる。このとき、すでに領域テーブルに書き込まれている領域IDと重複しないように、測位装置20は領域IDを生成する。続いて、測位装置20はここで生成した領域IDを、通信部23及びネットワークを介して放音装置30に通知する。放音装置30は、この領域IDが通知されたら、これを放音制御部34のメモリに記憶し、放音の際には、音信号にこの領域IDを重畳して放音する。
そして、位置が要求された際には、測位装置20は、携帯電話機10から領域IDを受信すると、この領域IDに対応付けて領域特定テーブルに記憶されている位置情報を、指定された宛先(すなわち、位置を要求した携帯電話機10)に送信する。
この構成によれば、新たに放音装置30が設置された場合であっても、領域IDや領域名称の設定を容易に行うことができる。
(3−8)変形例8
上述した実施形態では、測位装置20が領域特定テーブル222に基づいて領域名称を特定したが、携帯電話機10−1が測位装置20から領域特定テーブル222を取得し、自装置で特定してもよい。この場合、携帯電話機10−1は測位装置20を介することなく、携帯電話網3を介して携帯電話機10−2から領域IDを取得して、その位置を特定することになる。また、携帯電話機10自体が領域特定テーブルを記憶しておいてもよい。この態様は、特に位置通知システムが位置を通知する空間領域の数(すなわち、放音装置30の数)が少なく、扱う領域IDも少ない場合に効果的である。
(3−9)変形例9
また、実施形態では、携帯電話機10−1が携帯電話機10−2の位置通知を要求する場合について説明したが、他の携帯電話機10の位置通知を要求するだけでなく、自身の携帯電話機10−1の位置を確認することにも本発明を利用することもできる。例えば携帯電話機10−2が自身の位置を要求する場合には、携帯電話機10−2は、図9のステップS1〜S3と同じ処理を行って位置を要求すると、測位装置20からリクエスト信号が送信されてくるので、ステップS6〜S9を実行して領域IDを抽出して送信する。次いで、測位装置20の制御部21は、ステップS10,11を実行して、所在地及び空間領域の位置とを示した地図情報を生成する。そして、ステップS12において、測位装置20の制御部21は生成した地図情報を携帯電話機10−2に送信する。携帯電話機10−2の制御部11は、測位装置20から受信した地図情報が表す地図を、表示部14に表示させることにより、位置情報を出力する。
(3−10)変形例10
また、携帯電話機10は、放音装置30によって放音された音を収音する収音手段と、収音した音から領域IDを抽出する抽出手段と、抽出した領域IDを測位装置に送信する送信手段とを有していればいかなる端末装置でもよく、例えば、専用の端末でもよいし、PDA(Personal Digital Assistant)やモバイルコンピュータ等の種々の携帯型通信端末に本発明を適用してもよい。また、通信部31、音声処理部32、増幅器33、スピーカ35を外部構成とし、放音装置が、放音制御部34に相当する構成のみを有するようにしてもよい。この場合、放音装置は、外部装置から取得した音信号に対し領域IDを重畳して、これを外部装置であるスピーカに出力する装置として提供される。
また、デパート1内において、放音装置30が放音に用いる音データはいかなるものでもよく、例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体から読み出して生成した音データであってもよいし、店内アナウンスの音声を用いてもよい。また、BGM再生装置2がアナログ形式の音信号を提供する場合には、放音装置30は、音声処理部32に相当する構成は不要である。
また、携帯電話機10が測位するためにGPS信号を用いる手法に限らず、例えば電話局等が、携帯電話機10が利用した基地局に基づいて携帯電話機10の所在地を特定して、測位装置20に通知してもよい。
また、実施形態では、測位装置20は、携帯電話機10の所在地と空間領域の領域名称とを地図上に示した地図情報を送信し、携帯電話機10がその画像を表示していたが、これに代えて、経度・緯度や住所、領域名称等を文字によって表示出力してもよく、その出力の態様は前掲したものに限らない。
上述した実施形態における制御部11、制御部21及び放音制御部34によって実行される制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取り可能な記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
位置通知システムの全体構成を示すブロック図である。 デパート内における放音装置の設置態様の一例を示す図である。 携帯電話機の構成を示すブロック図である。 測位装置の構成を示すブロック図である。 領域特定テーブルの一例を示した図である。 放音装置の構成を示すブロック図である。 放音制御部が行う音声信号処理を説明する図である。 放音制御部が行う音声信号処理を説明する図である。 位置通知システムが実行する処理の流れを示すシーケンス図である。 表示部に表示される地図の一例を示す図である。 変形例6におけるデパートの1階を上方から見た様子を模式的に表した図である。
符号の説明
1…デパート、10,10−1,10−2,10−3…携帯電話機、100…位置通知システム、11…制御部、12…無線通信部、121…アンテナ、13…音声処理部、131…マイクロホン、132…スピーカ、14…表示部、15…操作部、16…記憶部、17…測位部、2…BGM再生装置、20…測位装置、21…制御部、22…記憶部、221…地図情報記憶領域,222…領域特定テーブル、23…通信部、3…携帯電話網、30,30−1,30−2,30−3,30−4,30−5…放音装置、31…通信部、32…音声処理部、33…増幅器、34…放音制御部、35…スピーカ、40…GPS衛星。

Claims (2)

  1. 音を表す音信号に対し、当該音が伝搬する建物の各階の空間領域に割り当てられた、当該空間領域が存在する階を示す領域識別情報を重畳する重畳手段と、
    前記建物の各階に設置されており、前記重畳手段によって前記音が伝搬する空間領域が存在する階毎に異なる前記領域識別情報が重畳された音信号に応じて、それぞれ前記空間領域に放音を行う複数の放音手段と、
    前記複数の放音手段によってそれぞれ放音された音のうち少なくともいずれかの音を収音する収音手段と、
    前記収音手段によって収音された音から前記領域識別情報を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記領域識別情報が示す前記空間領域が存在する階の情報を含む、当該領域識別情報が割り当てられた前記空間領域の位置を示す位置情報を出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする位置通知システム。
  2. 前記重畳手段は、
    楽曲または音声を含む音を表す前記音信号に対し前記領域識別情報を重畳する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位置通知システム。
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