JP5661169B2 - 光源装置 - Google Patents

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本発明は、レーザ装置から放射されるレーザビームによって点灯される、露光装置等に適用するに好適な光源装置に関する。
レーザ装置からのレーザビームを発光ガスを封入した発光管に照射して、ガスを励起させて発光させるようにした光源装置が知られている(特許文献1参照)
特許文献1に開示されるものは、連続あるいはパルス状のレーザ光を発振するレーザ発振器からのビームを、レンズなどの集光用光学系部品で集光させて発光ガス(発光元素)を封入した発光管に照射し、発光管内の発光ガスを励起させて発光させるものである。
特許文献1の2頁目の右上欄の上から16〜18行目には上記レーザー発振器は封入ガスの放電励起に十分な強度の連続またはパルス状のレーザー光を発振すると記載されている。
特開昭61−193358号公報
発光管に封入した発光ガスを励起させるレーザビームとしては、特許文献1に記載されるように、連続あるいはパルス状のレーザビームが考えられるが、いずれのレーザビームを用いても、以下のような問題があることがわかった。
(イ)パルス状のレーザー光の場合、「封入ガスの放電励起に十分な強度のパルス状のレーザー光を発振する」ので点灯は開始されるが、図18(a)に示すように、封入ガスに断続的にレーザー光が入射されるので、高温プラズマ状態はレーザ光が断ち切れるときに、共に断ち切れてしまう場合があり、常時、高温プラズマ状態を維持することが困難であった。すなわち、放電維持が不安定であるという問題があった。
(ロ)連続のレーザー光の場合、封入ガスの放電開始に十分な強度の連続のレーザー光を発振すれば、点灯は開始されるが、図18(b)に示すように高温プラズマ状態を維持するときも点灯開始時と同じエネルギーを入力すると、管球が加熱されてしまい、この熱によって管球にひずみが生じ破損するものがあった。すなわち点灯寿命が短いという問題があった。
また、放電開始に必要なレーザ光のパワーは数十から数百kWとなるが、このような大出力のレーザ光を連続して出力するレーザ装置は大型でコストも高く、実用的でない。
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、発光元素を封入した発光管にレーザビームを照射して発光させる光源装置において、大きなパワーのレーザビームを照射することなく、点灯開始後の高温プラズマ状態を安定に維持して、発光を安定に維持させることができ、また発光管の加熱による点灯寿命の低下を抑制することができる光源装置を提供することである。
パルス状のレーザビームはピークパワーが大きいので、比較的小さなレーザ装置の出力で、発光管に封入されたガスを励起することが可能である。一方、連続波レーザビームは、パルス状のレーザビームのように断ち切れることがないので、高温プラズマ点灯状態にある発光管に連続波レーザビームを照射することで発光を維持することが可能である。
以上のことから、本発明者はパルスレーザビームと連続波レーザビームの両方を用いて発光元素を封入した発光管を点灯させることを試みた。その結果、発光元素を封入した発光管にパルスレーザビームを照射して点灯を開始させ、それと同時に連続波レーザビームを照射して点灯を維持させることで、比較的小さなパワーのレーザ装置を用いて、確実に発光管の点灯を開始させ、点灯開始後、安定に点灯を維持することが可能であることが確認された。
ここで、発光を維持させるには、パルスレーザビームにより形成される高エネルギー状態の領域と、連続波レーザビームにより形成される高エネルギー状態の領域が発光管内で重なっていることが必要である。
そこで、パルスレーザビームの光路と連続波レーザビームの光路が発光管内の全領域において重なるようにレーザ装置を配置すれば、パルスレーザビームと連続波レーザビームらより形成される高エネルギー状態の領域を発光管内で容易にかつ確実に重ね合わせることができる。
また、連続波レーザビームを励起光として利用して、パルスレーザビームを発生させることで、比較的簡単な構成で、連続波レーザビームに光路が重なるパルス状レーザビームを発生させることができる。
以上に基づき、本発明においては、前記課題を次のように解決する。
(1)光源装置を、発光元素を封入した発光管と、該発光管に向かってパルスレーザビーム放射するパルスレーザ発振部と、該発光管に向かって連続波レーザビームを放射する連続波レーザ発振部で構成し、前記連続波レーザビームを前記パルス状レーザビームよりも小さい強度とする。
(2)上記(1)において、前記パルス状レーザビームは上記発光管を発光させる際、発光の始動時にのみ照射され、発光後は、前記パルス状レーザビームの照射を停止し、前記連続波レーザビームのみを照射する。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)光源装置を、発光元素を封入した発光管と、該発光管に向かってパルスレーザビーム放射するパルスレーザ発振部と、該発光管に向かって連続波レーザビームを放射する連続波レーザ発振部で構成したので、パルス状レーザビームで高温プラズマ状態を作り、連続ビームで高温プラズマ状態を維持することができ、高温プラズマ状態が断ち切れを抑制でき、放電状態を安定させることができる。
また、連続波レーザビームの輝度は、高温プラズマ状態を維持するに必要な強度でよく、比較的小さなパワーのレーザ発振部を用いることができるので、発光管が加熱されず長寿命とすることができる。
また、パルス状のレーザビームはピークパワーが大きいので、平均出力が比較的小さなレーザ装置で高温プラズマ状態を作ることが可能であり、また、連続波レーザ発振部も比較的小さな出力の発振部を用いることができるので、装置が大型化することがない。
(2)パルスレーザ発振部からビームの光路と、前記連続波レーザ発振部からのビームの光路が、少なくとも発光管内の全領域において重なるように構成することで、発光管の内部で、パルス状レーザビームと連続波レーザビームの高エネルギー状態の領域を確実に重ね合わせることができる。このため、高温プラズマ状態の生成と、高温プラズマ状態の維持を確実に行うことができ、高温プラズマ状態が断ち切れを抑制し、安定に放電させることができる。
(3)パルスレーザ発振部を、連続波レーザ発振部からのビームの一部を励起光として利用して、該パルスレーザ発振部内のレーザ結晶を励起させ、パルスレーザビームを放射するように構成することで、装置構成を簡単化することができる。また、パルス状レーザビームと連続波レーザビームの光路を確実に重ね合わせることができ、高温プラズマ状態の生成と高温プラズマ状態の維持を確実に行うことができる。
(4)連続波レーザビームを前記パルス状レーザビームよりも小さい強度とすることで、形成された高温プラズマ状態が断ち切れることを抑制し、高温プラズマを安定に維持することができる。
さらに、パルス状レーザビームを発光の始動時にのみ照射し、発光後、パルス状レーザビームの照射を停止することにより、高温プラズマがパルス状のビームの衝撃波で断ち切られてしまうことを防ぐことができる。
(5)パルスレーザビームと連続波レーザビームの光路の途中に集光手段を設けてパルスレーザビームと連続波レーザビームを発光管内で集光させるとともに、前記レーザビームの少なくとも一方の光路の途中に光学手段を設けることで、パルスレーザビームにより形成される高エネルギー状態の領域と、連続波レーザビームにより形成される高エネルギー状態の領域が確実に重なるようすることができる。
また、上記のように光学手段を設けることで、パルスレーザビームと連続波レーザビームの波長が異なっていても、その違いによる色収差を補正することができ、パルスレーザビームにより形成される高エネルギー状態の領域と、連続波レーザビームにより形成される高エネルギー状態の領域が確実に重なるようすることができる。
本発明の光源装置を露光装置に適用した場合の構成例を示す図である。 本発明に係る光源装置の第1の実施例を示す図である。 発光管内部におけるパルス状のビームと連続波のビームの模式図である。 発光管内部における連続波ビームとパルス状ビームの状態を説明する図である。 本発明に係る光源装置の第2の実施例を示す図である。 本発明に係る光源装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る光源装置の第4の実施例を示す図である。 本発明に係る光源装置の第5の実施例を示す図である。 本発明に係る光源装置の第6の実施例を示す図である。 本発明に係る光源装置の第7の実施例を示す図である。 本発明に係る光源装置の第8の実施例を示す図である。 本発明に係る光源装置の第9の実施例を示す図である。 色収差を説明する図である。 本発明に係る光源装置の第10の実施例を示す図である。 色収差を抑制するための光学手段の配置例を示す図である。 本発明に係る光源装置の第11の実施例を示す図である。 パルス状のビームにより集光点の手前側で高温プラズマ状態が形成される場合を説明する図である。 パルス状レーザビーム、連続波レーザビームの模式図である。
図1は本発明に係る光源装置を、その用途の1例である露光装置に適用した場合の構成例を示す図、図2は本発明に係る光源装置の第1の実施例を示す図である。
まず、図1により本発明の光源装置を備えた露光装置について説明する。
露光装置は、光を出射する光源装置10を備える。この光源装置10は、図2を用いて詳述するので、ここでは簡単に説明する。
光源装置10は、レーザ発振部2と、該レーザ発振部2からの光を集光する集光手段3と、該集光手段3で集光された光が入射される発光管1とを備える。図1ではレーザ発振部2が一つしか示されていないが、後述するようにレーザ発振部2は、パルス状のレーザビームを出力するパルスレーザ発振部と、連続波のレーザビームを出力する連続波レーザ発振部から構成される。
レーザ発振部2から集光手段3までのビームの光路上にはメカニカルシャッタ7とミラー8が設けられ、シャッタ7を開閉することでビームの出射・不出射を制御する。
発光管1は、回転楕円の反射面を有するミラー11aに略取り囲まれる。ミラー11aには、レーザ発振部2からの光を入射する一方の貫通孔111と、発光管1を通過した光を出射する他方の貫通孔112とを有する。
ミラー11aと発光管1は、ランプハウス11に収納される。
ランプハウス11には、光源装置10を構成する集光手段3が設けられる。また、ランプハウス11には、集光ミラー11aの他方の貫通孔112から出射された光を集光する集光手段11bも設けられる。
ランプハウス11の外部には、集光手段11bからの光が入射し、入射光を減衰させ、ランプハウス内に戻さないようにするビームダンパー12aが配置される。
発光管1には、レーザ発振部2からのビームが入射され、発光管内部の発光ガスが励起されて、励起光が生じる。この励起光は、ミラー11aで集光されて、図1においては紙面下方に向かって出射され、ダイクロイックミラー13に届く。ダイクロイックミラー13は露光に必要な波長の光を反射し、それ以外の光を透過させる。ダイクロイックミラー13の背面には、ビームダンパー12bが配置され、ダイクロイックミラー13を透過した光は、ここで集光され終端する。
ダイクロイックミラー13で反射された光は、集光ミラー11aでの集光により焦点を結び、この焦点位置に配置されたフィルタ14のアパーチャ部14aを通過する。このとき、光はアパーチャ部14aの形状に成形される。
アパーチャ部14aを通過した光は、広がりながら進み途中に配置された集光手段15aによって集光され、略平行な光となる。
この光がインテグレータレンズ16に入射され、出射側に配置された集光手段15bによって集光される。インテグレータレンズ16の各セルレンズから出射された光が、集光手段15bによって集光されることで、短い距離で重畳されて、照度の均一化が図られる。
集光手段15bから出射された光は、重畳しつつ、ミラー17で反射されてコリメータレンズ18に入射される。コリメータレンズ18から出射された光は、平行光にされて、マスク19を通り、シリコンウエハなどの被照射物Wを照射する。このように、光源装置からの光は、被照射物Wを照射し処理する。
次に、図2を用いて、本発明の第1の実施例に係る光源装置について説明する。
なお、以下に説明する第1〜4の実施例では、連続波レーザー発振部25からのビームの光路とパルスレーザ発振部21からのビームの光路とが異なり、最終的に発光管1の内部で重ね合わさって集光される場合を示している。
本発明の第1の実施例である図2に示す光源装置は、内部に発光ガスが封入された発光管1と、該発光管1の内部で焦点を結ぶ回折光学素子31(DOE:Diffractive Optical Element)と、該回折光学素子31にパルス状のビームを入射させるパルスレーザ発振部21と、該回折型光学素子31に連続波のビームを入射させる連続波レーザ発振部25とを備える。各レーザ発振部21,25からのレーザビームの波長は、この実施例では同一である。なお、以下では連続波のビームをCWビームともいい、連続波レーザ発振部をCWレーザ発振部ともいう。また、パルス状のビームをパルスビームともいう。
発光管1は、各レーザ発振部21,25からのビームを透過し、且つ、発光元素の励起光を透過する部材(例えば石英ガラス)で構成される。
発光管1の形状は、発光元素を封入できる形状であれば良い。ただし、発光元素を高圧(大気圧より大きい気圧)で封入するときは、その内面形状が回転楕円面や球面であれば、発光管1の内面に圧力が略均一にかかるので、耐久性という面で良好である。
発光管1の内部には、発光元素が封入されるが、その用途によって、様々な発光元素が用いられる。例えば、露光用の光源としては、発光元素として水銀が用いられる。また、例えば、映写機用の光源としては、発光元素としてキセノンガスが用いられる。
各レーザ発振部21,25は、図示しない電源装置から給電される。
パルスレーザ発振部21からは、パルス状のビームが出力され、連続波レーザ発振部25からは、連続波のビームが出力される。この両者は、回折光学素子31(DOE)に対して、同一角度(同図の場合は平行)で入射されるので、通過後に発光管1の内部で重ね合わされて焦点を結ぶ。このとき、発光管1の内部では、図3(a)に示すように、パルス状のビームと連続波のビームとが重なり合う。
発光管1の内部に封入された発光元素は、高温プラズマ状態を形成するために、大きなエネルギーが必要である。パルス状のビームは、断続的であるが高エネルギーを形成することが可能であるので、このビームによって発光元素が高温プラズマ状態に形成されると推測される。
高温プラズマ状態を形成後、この状態を維持するのに必要なエネルギーは、高温プラズマ状態を形成するときよりも小さくてよく、また連続的に供給されることが必要である。 連続のビームは、発光管1の内部において、パルス状ビームが入射された位置に重ね合わされ、且つ、パルス状のビームに対して小さなエネルギーである(図3(a)の縦軸がエネルギーの相対値を示している)と共に連続的であるので、高温プラズマ状態を維持できる。
このように、パルスレーザ発振部21は高温プラズマ状態を開始させる点火源として、連続波レーザ発振部25は、高温プラズマ状態を加熱する加熱源として機能する。
以上のように本発明の光源装置は、以下の(1)及び(2)の特徴を有する。
(1)パルス状のレーザビームと連続波のレーザビームとを発光管1の内部で重ね合わせている。
(2)連続波のレーザビームは、パルス状のレーザビームより小さな強度(エネルギー)である。
これにより、点灯開始時に、パルス状のビームによって、高温プラズマ状態形成を可能とする。さらに、この高温プラズマ状態が形成された位置に、パルス状のビームより強度の小さな連続波のビームを重ね合わされることで、高温プラズマ状態が断ち切れることを抑制し、高温プラズマ状態を安定に維持できる。
その上、連続波のビームは、パルス状のビームより強度が小さいので、発光管の内部に入力されるエネルギーは大きくなく、発光管が加熱されてひずみが生じることを抑制でき、これにより、点灯寿命を長寿命にすることができる。
また、連続波レーザ発振部は、高温プラズマ状態を形成できるほどに、大きなエネルギーを出力する必要がないので、現状で実用化されているレーザ装置を用いて実現することができる。
なお、高温プラズマ状態は、高密度なエネルギーの領域を形成することで、形成しやすくなる。このため、発光管の内部に焦点を有するように、集光することが好ましい。
連続波のレーザビームがパルス状のビームより小さなエネルギーでよいことを確認するため、キノセンを10気圧封入した発光管(石英ガラス)を用意し、パルス状のレーザビーム(527nm)と連続波レーザビーム(1070nm)を光学手段(凸レンズ)で集光して発光管の内部で重ね合わせ、発光管の発光を調べた。その結果、例えば以下の入力条件で、発光管が連続発光することが確認された。
・パルス状のレーザビームの入力条件例
繰り返し周波数:1000Hz
エネルギー:5mJoule/ ショット
パルス幅:80ns
平均パワー:5W
ピークパワー:62.5kW
・連続波レーザビームの入力条件例
パワー:200W
上記例では、連続波のレーザビームのパワーは、パルス状のレーザビームのパワーの0.03%ほどである。このように、連続波レーザビームのパワーは、パルスレーザ状のレーザビームのパワーより、各段に小さくても発光管を点灯させることが可能である。
連続波レーザビームのパワーがパルスレーザ状のレーザビームのパワーより小さくてもよい理由は以下通りであると考えられる。
発光管内は、点灯開始時、高エネルギーが発光管内に入力されることで高温プラズマ状態が形成される。一度形成された高温プラズマには、外部からエネルギーが入力されることで、高温プラズマが励起されて光を放射する。
ところが、外部から高エネルギーで且つパルス状のビームが入力されると、形成された高温プラズマ状態がパルスレーザによるプラズマが生成される時の衝撃波により吹き飛ばされてしまい、高温プラズマ状態にエネルギーを入力し励起させるということができなくなってしまう。
このように、点灯開始時に必要なエネルギーとは、高温プラズマ状態を形成するためのエネルギーであり、点灯開始後に必要なエネルギーとは、高温プラズマ状態を励起させるエネルギーであり、両者の少なくとも必要なエネルギーを比較すると、高温プラズマ状態を励起させるエネルギーの方が断然低くてかまわない。
このため、高温プラズマ状態を励起させる連続波のビームのパワーは、パルス状のビームのパワーに比べ、0.03%のような極めて低いエネルギーで十分である。また、必要以上にパワーを入力してしまうと、発光管の壁を加熱し破損させるという従来の課題が生じてしまうため、連続波のビームのパワーは0.03%のような低いエネルギーである必要がある。
上述したように、パルス状のビームは、点灯開始時には必ず必要であるが、点灯維持には、連続のビームのエネルギーが十分である場合、長時間パルスを続けると逆にせっかく連続点灯した高温プラズマをパルス状のビームの衝撃波で断ち切ってしまうこともある。 このため、点灯開始後は、図3(b)に示すように、パルス状のビームの入力を無くすことが好ましいと考えられる。
以上のように本発明の光源装置は、高温プラズマ状態を維持でき、点灯寿命が長寿命であるので、この光源装置を備える、例えば、図1に示す露光装置においては、継続的に、且つ、長期間、被照射物を照射することができる。
なお、本発明に係る光源装置は、図1で示した露光装置の光源としての用途に用いることもできるし、発光管内の発光元素を変更すれば、発光管からの出射光を様々な波長の光に変更することができ、例えば可視光光源である映写機(プロジェクタ)用の光源としても用いることができる。これは、従来知られている発光管の内部に一対の電極を対向配置させた、いわゆるランプと呼ばれる光源が、様々な用途で使用されているが、本発明に係る光源装置は、このランプの代替手段として用いることができ、ランプと同様の様々な用途に用いることができる。
以下に上記第1の実施例における数値例及び部材例を示す。
・発光管の部材:石英ガラス
・発光管の外径:30mm
・発光管の内径:26mm
・発光管内に封入した発光元素:キセノン
・キセノンガスの封入圧又は封入量:10気圧、
・パルスレーザ発振部のレーザ結晶:YAG結晶
・連続波レーザ発振部のレーザ結晶:YAG結晶
・パルスレーザ発振部への入力電力の条件:
・パルスレーザ発振部からのビームの波長:1064nm
・連続波レーザ発振部からのビームの波長:1064nm
・パルスレーザ発振部からのビームの出力:1〜100mJ
パルスの繰り返し周波数: 0.01〜10kHz
・連続波レーザ発振部からのビームの出力:20〜10kW
なお、本発明では、パルス状のビームと連続のビームとを発光管の内部で重ね合わせている。パルス状のビームによって発光管の内部に生じる高温プラズマ状態は、ビームのエネルギー密度が発光元素を電離する閾値以上であり、且つ、電離された発光元素が高密度であることで生じる。
このため、集光用光学系部品によってビームを集光することで、ビームのエネルギー密度を高め、発光元素を電離する閾値以上にする。
このとき、パルス状のビームは、そのエネルギー密度が連続のビームのエネルギー密度よりも大きいので、発光元素を電離させる閾値以上の領域(高エネルギー状態の領域)が連続のビームに比べて長く大きくなってしまう。このため、図4に示すように連続波のレーザビーム(CWビーム)は、パルス状のビームによって長くなった閾値以上の領域の中心近傍に照射されることが望ましく、これにより、高温プラズマ状態の継続が良好に行なわれて、点灯性を良好にすることができる。
次に本発明の第2の実施例について、図5を用いて説明する。
図5に示す光源装置は、前記図2に示したDOE31に換えて凸レンズを用いたものであり、内部に発光ガスが封入された発光管1と、該発光管1の内部で、パルス状のビームと連続波のビームが焦点を結ぶように配置された凸レンズ32から構成される。なお、図5において、「CW or パルス」、「パルス or CW」として示したビームは連続波レーザビーム又はパルス状レーザビームのいずれかを意味し、一方のビームが連続波レーザビームの場合、他方はパルス状レーザビームである(以下の実施例でも同じ)。
発光管の内部で焦点を結べる光学手段であれば、上記のように凸レンズ32を用いることもでき、この場合、各ビームは、凸レンズ32に対して同一角度で入射される。
本実施例においても、第1の実施例の光源装置と同様、高温プラズマ状態を安定に維持でき、また、連続波のビームは、パルス状のビームより強度が小さいので、発光管が加熱されてひずみが生じることを抑制でき、これにより、点灯寿命を長寿命にすることができる。さらに、連続波レーザ発振部として、現状で実用化されているレーザ装置を用いて実現することができる。
本発明の第3の実施例について、図6を用いて説明する。
図6に示すものは、図2や図5に示したDOE31、凸レンズ32に換えて、発光管1を取り囲み、且つ、発光管1の内部で焦点を結ぶ位置に放物面鏡33を配置したものである。
この場合、パルスレーザ発振部からのパルス状のビームの光路(光軸)と連続波レーザ発振部からの連続波のビームの光路(光軸)は互いに平行にし、放物面鏡33の反射面に入射される。このとき、反射面に反射されたビームは、発光管の内部に向かって焦点を結ぶように集光される。
本実施例においても、上記実施例の光源装置と同様、高温プラズマ状態を安定に維持でき、また、連続波のビームは、パルス状のビームより強度が小さいので、発光管が加熱されてひずみが生じることを抑制でき、これにより、点灯寿命を長寿命にすることができる。さらに、連続波レーザ発振部として、現状で実用化されているレーザ装置を用いて実現することができる。
本発明の第4の実施例について、図7を用いて説明する。
図7に示すものは、図6に示した放物面鏡33に換えて、発光管1を取り囲むように、楕円鏡34を配置したものである。
この楕円鏡34は、その第1焦点は、発光管1の内部に位置するようにし、第2焦点は発光管1の外部に位置するように配置される。
各レーザ発振部は、各ビームが第2焦点を通過するように配置される。各ビームの光路上には、第2焦点で集光する集光手段3(凸レンズ又はDOE)が配置される。
各ビームは楕円鏡34の第2焦点で集光されて楕円鏡34の反射面に反射される。第2焦点で集光された光は第1焦点においても集光されるので、発光管1の内部では各ビームが焦点を結ぶように集光される。
本実施例においても、上記実施例の光源装置と同様、高温プラズマ状態を安定に維持でき、また、点灯寿命を長寿命にすることができる。さらに、連続波レーザ発振部として、現状で実用化されているレーザ装置を用いて実現することができる。
上述した第1〜4の実施例では、各ビームが異なる光路を辿って、最終的に発光管の内部で重なり合っている。このように異なる光路を辿って所望な位置で重なり合わせることは技術的に難しい。例えば、発光管内の同じ位置に集光するように、ビームの光路を設定し、光学手段を配置しても、例えば温度が上昇するなど環境が変わると、屈折率などが変化し、集光位置がずれる可能性がある。
以下に説明する第5〜9の実施例は、少なくとも発光管内の全領域において各ビームの光路が重なるように構成したものである。このように構成することで、例えば温度が上昇し、屈折率などが変化しても、パルス状のビームと連続波のビームの集光位置は大きくずれることはない。
第5の実施例について、図8を用いて説明する。
図8に示す例は、ダイクロイックミラー4を用いてパルス状のビームと連続波のビームの光路が重なるようにし、集光手段3(凸レンズ又はDOE)で集光させるように構成したものであり、その他の構成は図2に示したものと同様である。
図8においては、パルス状のビームと連続波のビームの波長が相違しており、このためダイクロイックミラー4に入射したビームの一方が反射されて、他方が透過される。
これを利用して、本実施例ではダイクロイックミラー4から発光管1の間で、各ビームの光路を重なり合わせている。
例えば、一方のビーム(太線で示している)は波長1064nmであるとし、他方のビーム(実線で示している)は波長532nmであるとする。
ダイクロイックミラー4は532nmの光は反射するが、1064nmの光は透過するので、これにより、ダイクロイックミラー4によって反射された532nmのビームの光路に、透過させた1064nmのビームを重ね合わせることができる。すなわち、光路を同軸上に位置させることができる。
なお、高温プラズマ状態は、高密度なエネルギーを形成することで形成しやすい。このため、図8に示すように、発光管1の内部に焦点を有するように、集光手段3(凸レンズやDOE)で集光することが好ましい。
このように、発光管1に至る経路で各ビームの光路を重ね合わせることにより、発光管の内部でも、両者を重ね合わせることができ、これにより、発光管の内部で、各ビームの高エネルギー状態の領域を確実に重ね合わせることができる。このため、高温プラズマ状態の生成と、高温プラズマ状態の維持を確実に行うことができ、安定に放電させることができる。
また、前記実施例の光源装置と同様、連続波レーザビームのパワーは小さくてよいので、発光管が加熱されてひずみが生じることを抑制でき、点灯寿命を長寿命にすることができる。また、連続波レーザ発振部として、現状で実用化されているレーザ装置を用いて実現することができる。
第6の実施例について、図9を用いて説明する。
図9では、図8に示したダイクロイックミラーに換えて偏光ミラー5を配置したものであり、その他の構成は図8と同様である。
偏光ミラー5は、同一波長における偏光光(P偏光とS偏光)によって反射・透過を行なうものであり、これを利用して、偏光ミラー5から発光管1の間で、各ビームの光路が重なり合わせることができる。
例えば、一方のビーム(太線で示している)は波長1064nmのP偏光光であり、他方のビーム(実線で示している)も波長1064nmであるがS偏光光であるとし、偏光ミラー5が1064nmの光においてP偏光を透過させ、S偏光を反射させるとする。
これにより、偏光ミラー5によって反射されたS偏光のビームの光路に、透過させたP偏光のビームを重ね合わせることができる。すなわち、光路を同軸上に位置させることができる。
このように、発光管1に至る経路で各ビームの光路を重ね合わせることにより、第5の実施例と同様、発光管の内部で、各ビームの高エネルギー状態の領域を確実に重ね合わせることができ、高温プラズマ状態の生成と、高温プラズマ状態の維持を確実に行うことができる。
また、前記実施例の光源装置と同様、連続波レーザビームのパワーは小さくてよいので、発光管が加熱されてひずみが生じることを抑制でき、点灯寿命を長寿命にすることができる。また、連続波レーザ発振部として、現状で実用化されているレーザ装置を用いて実現することができる。
次に、パルスレーザ発振部の種火として、連続波レーザー発振部からのビームの一部を利用するようにした本発明の第7〜9の実施例について説明する。
図10は本発明の第7の実施例を示す図である。
図10は、パルスレーザ発振部22を連続波レーザ発振器(図示せず)からのビームの光路上に配置したものであり、その他の構成は、前記実施例と同様である。
本実施例において、パルスレーザ発振部22は、連続波レーザ発振部からの連続波ビーム(CWビーム)の一部を励起光として利用し、パルスレーザ発振部22内のレーザ結晶を励起させる。
すなわち、図10に示すように、図示しない連続波レーザ発振部から出射するCWビームの経路中にパルスレーザ発振部22を配置する。パルスレーザ発振部22は、CWビームを励起光として動作しパルス状のビームを出力する。このパルス状のビームは上記CWビームの光路と重ね合わさって、集光手段3(凸レンズ、DOEなど)を介して発光管1内で集光する。
このように構成することで、パルスレーザ発振部22からのビームの光路は、連続波レーザのビームの光路に重ね合わされることになり、発光管1の内部でも重ね合わされる。 本実施例では、発光管1に至る経路で各ビームの光路を重ね合わせているので、前記実施例と同様、発光管の内部で、各ビームの高エネルギー状態の領域を確実に重ね合わせることができ、高温プラズマ状態の生成と、高温プラズマ状態の維持を確実に行うことができる。
また、前記実施例の光源装置と同様、連続波レーザビームのパワーは小さくてよいので、発光管が加熱されてひずみが生じることを抑制でき、点灯寿命を長寿命にすることができる。また、連続波レーザ発振部として、現状で実用化されているレーザ装置を用いて実現することができる。
さらに、パルスレーザ発振部22が、励起光に連続波レーザからのビームを利用するので、第1〜6の実施例に示したパルスレーザ発振部用のレーザ発振部分の一部を省略することができ、装置全体を簡便な構造にし、光源装置全体を小型化できる。
図11は、本発明の第8の実施例を示す図であり、上記第7の実施例と同様、CWレーザを励起光としてパルスレーザ発振部を発振させる構成例を示している。
図11に示すように、図示しない連続波レーザ発振部から出射するCWビームの一部を部分反射ミラー23aで反射させてパルスレーザ発振部23に入射させる。パルスレーザ発振部23は、CWビームを励起光として動作しパルス状のビームを出力する。このパルス状のビームは、ダイクロイックミラー4に入射して上記CWビームの光路と重ね合わさって、集光手段3(凸レンズ、DOEなど)を介して発光管1内で集光する。
ここでは、連続波レーザビームの波長が808nm、パルスレーザビームの波長が1064nmであるとして、上記パルスレーザ発振部23における動作について説明する。
部分反射ミラー23aは、波長808nmのビームの一部を反射し、残りを透過する。 この部分反射されたビームは集光レンズ23bで集光されて、全反射ミラー23cに入射される。
全反射ミラー23cは、背面から入射されたビームを透過し、正面から入射されたビームを反射する。このため、集光レンズ23bで集光されたビームは全反射ミラー23cの背面側から入射して透過し、レーザ結晶23dに照射される。レーザ結晶23dには、例えばYAG結晶やNdガラスが用いられ、レーザ結晶23dに波長808nmの光が透過されることで、励起される。
Qスイッチ23eが閉じている状態では、レーザ結晶23dは、連続的にビームが照射されてることで励起されていきエネルギーを蓄えていく。
所望のエネルギーとなったら、Qスイッチ23eを開き、レーザ結晶23dからの励起光を出射ミラー23fで反射させ、全反射ミラー23cと出射ミラー23fとの間で共振を起こさせる。これにより、波長1064nmのパルス状のレーザビームが出射ミラー23fを透過して、ミラー23g、23hを介してダイクロイックミラー4に入射する。
ダイクロイックミラー4は、波長1064nmのビームを反射し、波長808nmのビームを透過させるので、上記1064nmのパルス状のビームは、808nmの連続波のビームと重ね合わされる。このビームは集光手段3で集光され、発光管1の内部に向かう。上記パルス状のレーザビームのパルス幅、周期は上記Qスイッチ23eの開口時間によって決まる。
なお、図11において点線で示されている光学手段6は、パルス状のビームとCWビームの波長が異なることにより生ずる色収差を抑制するためのものであり、色収差の抑制については後述する。
本実施例においても、前記第7の実施例と同様の効果を得ることができ、高温プラズマ状態の生成と、高温プラズマ状態の維持を確実に行うことができ、また、連続波レーザビームのパワーは小さくてよいので、発光管が加熱されてひずみが生じることを抑制でき、点灯寿命を長寿命にすることができる。また、連続波レーザ発振部として、現状で実用化されているレーザ装置を用いて実現することができる。
さらに、パルスレーザ発振部23が、励起光に連続波レーザからのビームを利用するので、第1〜6の実施例に示したパルスレーザ発振部における種火用のレーザ発振部分を省略することができ、装置全体を簡便な構造にし、光源装置全体を小型化できる。
図12は、本発明の第9の実施例を示す図であり、上記第7の実施例と同様、CWレーザを励起光としてパルスレーザ発振部を発振させる構成例を示している。
図12に示すように、図示しない連続波レーザ発振部から出射するCWビームの一部を、部分反射ミラー且つダイクロイックミラー24dで反射させてパルスレーザ発振部24に入射させる。パルスレーザ発振部24は、CWビームを励起光として動作しパルス状のビームを出力する。このパルス状のビームは、上記CWビームの光路と重ね合わさって、集光手段3(凸レンズ、DOEなど)を介して発光管1内で集光する。
ここでは、連続波レーザのビームの波長を808nmとし、パルスレーザのビームの波長を1064nmとして、パルスレーザ発振部24における動作について説明する。
ダイクロイックミラー4は、前述のように、ある波長は反射し、別の波長は透過する。ここでは、波長1064nmのビームを反射し、波長808nmのビームを透過する。
また、パルスレーザ発振部24の出力側に設けられ部分反射ミラー且つダイクロイックミラー24dは、ある波長の一部を反射し、別の波長は透過する。ここでは、1064nmのビームの一部を反射し、808nmの光を透過するものとする。
レーザ結晶24cは、例えばYAG結晶やNdガラスが用いられ、1064nmのビームが透過されることでその一部を吸収して励起し、発振する。
Qスイッチとして機能するEOスイッチ24aが閉じている状態では、レーザ結晶24cは、連続的にビームが照射されて励起されていきエネルギーを蓄えていく。
所望のエネルギーとなったら、EOスイッチ24aを開き、レーザ結晶24cからの励起光を全反射ミラー24bで反射させ、部分反射ミラー且つダイクロイックミラー24dとの間で共振を起こさせる。これにより、波長1064nmのパルス状のレーザビームが部分反射ミラー且つダイクロイックミラー24dを一部透過して、連続波のビームと重ね合わされる。このパルス状のビームと連続波のビームは、集光手段3を介して、発光管1の内部に向かう。上記パルス状のレーザビームのパルス幅、周期は上記EOスイッチ24aの開口時間によって決まる。
なお、図12において点線で示されている光学手段6は、パルス状のビームとCWビームの波長が異なることにより生ずる色収差を抑制するためのものであり、色収差の抑制については後述する。
本実施例においても、前記第8の実施例と同様の効果を得ることができ、高温プラズマ状態の生成と、高温プラズマ状態の維持を確実に行うことができ、また、連続波レーザビームのパワーは小さくてよいので、発光管が加熱されてひずみが生じることを抑制でき、点灯寿命を長寿命にすることができる。また、連続波レーザ発振部として、現状で実用化されているレーザ装置を用いて実現することができる。
さらに、パルスレーザ発振部22が、励起光に連続波レーザからのビームを利用するので、第1〜6の実施例に示したパルスレーザ発振部における種火用のレーザ発振部分を省略でき、装置全体を簡便な構造にすることができる。
前述のように、発光管1の内部で高温プラズマ状態を形成するには、高密度なエネルギーを形成することが好ましく、このため、集光手段3によって発光管1の内部に焦点を有するように、集光することが考えられる。
集光手段3として、凸レンズ等を用いた場合、各ビームの波長が同一の波長のときは同一位置で焦点を結ぶが、各ビームの波長が異なる波長のときは、図13の実線と点線で示すように異なる位置で焦点を結ぶ色収差が生じる。
この色収差が生じると、パルス状のビームで作った高温プラズマ状態の領域に、連続波のビームの焦点が入らない場合が生じ、高温プラズマ状態を連続のビームで維持することができないことがある。
この色収差を抑制する手段について、以下、第10及び第11の実施例で説明する。
第10の実施例について、図14を用いて説明する。
図14は、前記図5に示した第2の実施例において、パルス状のビームと連続波のビームの波長が異なる場合に、色収差を抑制するための光学手段6a,6bを個別に配置したものであり、その他の構成は図5に示したものと同じである。
図14においては、各ビームの両者が重なり合うまでの光路上に、それぞれ光学手段6a,6bを設けたものであり、この光学手段の機能やその位置は、以下の(1)〜(3)のいずれかとすることができる。
(1)図15(a)に示すように、パルス状のレーザビームの光路途中に一方の光学手段6aを設け、該一方の光学手段とは異なる焦点距離を有した他方の光学手段6bを連続波レーザ発振部の光路途中に設け、一方の光学手段6aから各ビームの重なり位置までの距離と、該他方の光学手段6bから各ビームの重なり位置までの距離とを同一とする。
(2)図15(b)に示すように、パルスレーザ発振部の光路途中に一方の光学手段6aを設け、該一方の光学手段6aとは異なる焦点距離を有した他方の光学手段6bを、連続波レーザ発振部の光路途中に設け、該一方の光学手段6aから各ビームの重なり位置までの距離と、該他方の光学手段6bから各ビームの重なり位置までの距離とを相違させる。(3)図15(c)に示すように、パルスレーザ発振部の光路途中に一方の光学手段6aを設け、該一方の光学手段6aと同一の焦点距離を有した他方の光学手段6bを、連続波レーザ発振部の光路途中に設け、該一方の光学手段6aから各ビームの重なり位置までの距離と、該他方の光学手段6bから各ビームの重なり位置までの距離とを相違させる。
各ビームの光路上に、各ビームの色収差を無くす光学手段を個別に設け、上記(1)〜(3)のように構成することで、各ビームの波長の相違による色収差を抑制でき、高温プラズマ状態を良好に維持することができる。
(1)の場合、光学手段の焦点距離f1とf2との違いにより色収差が抑制される。
(2)の場合、光学手段の焦点距離f1とf2との違いと、各光学手段と重なり位置までの距離とで、色収差が抑制される。
(3)の場合、各光学手段と重なり位置までの距離とで、色収差が抑制される。
なお、図15は模式図であり、実際には光学手段6aと6bを通った各ビームは、凸レンズ32等の集光手段に入射するまでに光軸が一致する。
第11の実施例について、図16を用いて説明する。
図16は、前記図8に示した第5の実施例において、パルス状のビームと連続波のビームの波長が異なる場合に、色収差を抑制するため、各ビームの色収差を無くす光学手段6を少なくとも一方の光路上に設けたものであり、その他の構成は図8に示したものと同じである。
図16に示したものはダイクロイックミラー4を用いてパルス状のビームと連続波のビームの光路が重なるようにし、集光手段3で集光させるように構成したものであるが、パルス状のビームと連続波のビームの波長が異なることにより生ずる色収差を抑制するための光学手段6をダイクロイックミラー4の入射側に配置している。
本実施例においても、光学手段6の焦点距離や位置を適宜選定することで、色収差を抑制することができる。
なお、色収差の問題は、異なる波長の各ビームが共通の集光手段である凸レンズ等で集光される場合に生じるため、前述の図5,図8〜図12において生じる可能性ある。このため、第10及び11の実施例で説明した技術は、図5、図8〜図12に用いることができる。
図8〜図10では各ビームの光路が重ね合うまでに上述の光学手段を設けることで、色収差を抑制することができる。また、図11では同図中の点線で示した位置に光学手段6a、及び/または光学手段6bを配置することで、また、図12では同図中の点線で示した位置に光学手段6を配置することで色収差を抑制することができる。
なお、ここでは色収差を抑制する光学手段として凸レンズを示したが、焦点距離を変えられるものであれば、その他の光部品を用いることもでき、例えば凹レンズやDOEを用いることもできる。
上記色収差は、パルス状のレーザビームと、連続波のレーザビームの波長が異なる場合に生ずるが、波長の差が小さい場合には、色収差を抑制する手段をあえて設ける必要はなく、以下に説明するように、概ね波長が2倍以上異なる場合に、色収差を補正する手段を設けることが望ましい。
例えば、焦点距離f=100mmのときの溶融石英での焦点位置の差は、波長によって次のようになる。
連続波のレーザビームの波長が1064nmの場合、集光点の位置は、114.5mmであり、パルス状のレーザビームの波長が532nmでの集光点の位置は111.8mmであり、この場合、両者の焦点位置の差は2.7mmある。
高温プラズマの領域は極めて小さく、例えば直径0.5mmの領域となり、焦点位置が上記のように2.7mmも離れてしまうと、高温プラズマを励起させるエネルギーが供給できず、定常点灯を行なうことができない。
特にパルスレーザによる高温プラズマは、パルスエネルギーが大きいために焦点よりも手前側にできやすく、さらに手前に位置がずれてしまう。このため、上記のように波長が2倍も異なる場合は、色収差を補正する集光手段が必要となる。
なお、光学手段の材質によって焦点位置の差は変わり、さらに高温プラズマ状態の領域も、入力されるエネルギーによってその範囲が0.5mm以外になる場合もあり、上記は一例を示したものであり、これに限られるものではない。
ところで、前述したように発光管1の内部で高温プラズマ状態を形成するには、高密度なエネルギー状態の領域を形成することが好ましく、このため、集光手段3によって発光管1の内部に焦点を有するように、集光することが考えられる。
しかし、レーザビームのエネルギー密度が発光元素を電離する閾値以上のとき高温プラズマ状態が形成されるので、高温プラズマ状態が形成される位置は、レーザビームの集光点になるとは限らない。すなわち、レーザビームのエネルギーが大きいときは、集光点に至る前にエネルギー密度が閾値を超えてしまい、この場合には、集光点の手前でプラズマ状態が形成される。
図17により、パルス状のビームのパワーが連続波のビームのパワーより大きく、パルス状のビームにより集光点の手前側で高温プラズマ状態が形成される場合について説明する。
図17(a)に示すように、集光手段3として、凸レンズ等を用いた場合、各ビームの波長が同一の波長のときは同一位置に焦点を結ぶ。
ここで、パルス状のビームのパワーが大きいと、図17(a)に示すように集光手段3によって集光されていく途中で、エネルギー密度が高くなって高温プラズマ状態を形成し始める。しかし、焦点に近づくにつれ、パルス状のビームのパワーが高温プラズマ形成に使われていき、焦点に至ったときには、そのパワーが殆んど無くなってしまう。すなわち、パルス状のビームにより高温プラズマ状態Aが形成される位置は、同図に示すように集光点の手前になる。
一方、連続波のビームはパワーが小さいので、集光手段3によって集光されることで、焦点位置(同図のB)で、高温プラズマ状態を維持するエネルギー密度を形成する。
そうすると、図17(a)に示すように、パルス状のビームが高温プラズマ状態を形成する領域A(高エネルギー状態の領域)と、連続波のビームが高温プラズマ状態を維持する領域B(高エネルギー状態の領域)とが異なり、高温プラズマ状態を連続波のビームで維持することができないことがある。
この両領域の位置を調整する位置調整手段としては、色収差を抑制する手段で説明した光学手段6を用いることができる。
例えば、前記図16で示したように、光学手段6を少なくとも一方の光路上に設ける。このように光学手段6を配置すると、発光管1に入射するビームは図17(b)に示すように、連続波のビームが光学手段6によって集光され、集光手段3に入射し、さらに集光される。これにより、パルス状のビームが高温プラズマ状態を形成する領域A’に、連続波のビームの高温プラズマ状態を維持する領域B’が集光されて、両者が重なり合い、高温プラズマ状態を維持することができる。
すなわち、図17(c)に示すように、パルス状のビームのエネルギへ密度(同図の実線)が、高温プラズマ状態を形成する閾値(同図の一点鎖線)を超える領域と、連続波ビームのエネルギへ密度(同図の破線)が高温プラズマ状態を形成する閾値(同図の二点鎖線)を超える領域とが重なり、確実に高温プラズマ状態が維持される。
なお、上記では波長が同一のビームを同一の集光手段で集光させた場合について説明したが、波長が異なる場合であっても、色収差の問題と、高温プラズマ状態を形成する領域と高温プラズマ状態を維持する領域とが相違する問題とが相俟って、高温プラズマ状態を維持できない問題が生じることがある。
このため、波長が異なるビームを同一の光学手段で集光させた場合においても、上記の解決手段は有効に機能する。
1 発光管
2 レーザ発振部
21,22,23,24 パルスレーザ発振部
25 連続波レーザ発振部
3 集光手段
31 回折光学素子(DOE)
32 凸レンズ
33 放物面鏡
34 楕円鏡
4 ダイクロイックミラー
5 偏光ミラー
6,6a,6b 光学手段(色収差抑制用)
7 メカニカルシャッタ
8 ミラー
10 光源装置
11 ランプハウス
11a ミラー(回転楕円の反射面)
11b 集光手段
111,112 貫通孔
12a,12b ビームダンパー
13 ダイクロイックミラー
14 フィルタ
14a アパーチャ部
15a,15b 集光手段
16 インテグレータレンズ
17 ミラー
18 コリメータレンズ
19 マスク
W 被照射物

Claims (2)

  1. 発光元素を封入した発光管と、該発光管に向かってパルスレーザビーム放射するパルスレーザ発振部と、
    該発光管に向かって連続波レーザビームを放射する連続波レーザ発振部とを備えた光源装置であって、
    前記連続波レーザビームは前記パルス状レーザビームよりも小さい強度である
    ことを特徴とする光源装置。
  2. 前記パルス状レーザビームは、前記発光管の発光の始動時にのみ照射され、発光後は前記パルス状レーザビームは照射を停止し、前記連続波レーザビームのみを照射する
    ことを特徴とする請求項1の光源装置。
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