JP5660372B2

JP5660372B2 - 密封装置

Info

Publication number: JP5660372B2
Application number: JP2010232264A
Authority: JP
Inventors: 干城下原
Original assignee: Nok Corp
Current assignee: Nok Corp
Priority date: 2010-10-15
Filing date: 2010-10-15
Publication date: 2015-01-28
Anticipated expiration: 2030-10-15
Also published as: JP2012087814A

Description

本発明は、例えば泥水等外部（大気側）の環境が厳しい農機、建機等の軸封部に用いられ、外部からの泥水やダストの浸入を防止すると共に、内部シール対象物の漏れを防止する密封装置に関するものである。

従来、この種密封装置としては、図３に示す構造のものが知られている。（特許文献１）
すなわち、ハウジング１００と、このハウジング１００を貫通して伸びる回転軸２００との間隙をシールする密封装置であって、ハウジング１００側に保持されたシール部材３００と、回転軸２００側に保持された金属材製のスリーブ部材４００とにより構成されている。

そして、スリーブ部材４００は、回転軸２００の外周面に嵌合される内側円筒部４１０と、この内側円筒部４１０の軸方向一端（図上右端）から径方向外側に伸びる鍔部４２０とを備えている。
また、シール部材３００は、ハウジング１００に嵌合される筒状部３１１０と、この筒状部３１１０の軸方向一端から径方向内側伸びる鍔状部３１２０とより成る金属材製の補強環３１０と、鍔状部３１２０に一体成形されたゴム状弾性材製のリップ部３２０とを備えている。

そして、このリップ部３２０は、内部Ａ側に向かって伸びると共に、内側円筒部４１０の外周面と摺接するメインリップ３２１０と、径方向外側に向かって伸びると共に、鍔部４２０と摺接する端面リップ３２２０とを備えている。
また、鍔部４２０の径方向端部と、筒状部３１１０の内周面との間隙は、狭間隙であるラビリンス間隙Ｘを構成している。

しかし、この種密封装置は、泥水等外部（大気側）の環境が厳しい農機、建機等の軸封部に、長期間用いると、外部からの泥水やダストの浸入を許容してしまう問題を惹起した。
そこで、他のシール部材を追加して、耐泥水性を高める試みがなされたが、取付スペースに限界がある為、新たにシール部材を追加することにより、外部からの泥水やダストの浸入を阻止する性能を高めることは困難であった。

実開平６−８７７８１号公報

そこで、本発明が前述の状況に鑑み、限られたスペースにおいて、泥水等外部（大気側）の環境が厳しい農機、建機等の軸封部に、長期間用いたとしても、外部からの泥水やダストの浸入を効果的に阻止出来る密封装置を提供することを目的としている。

上記目的を達成するために本発明にあっては、ハウジングと、前記ハウジングを貫通して伸びる回転軸との間隙をシールする密封装置であって、前記ハウジング側に保持されたシール部材と、前記回転軸側に保持された金属材製のスリーブ部材とにより構成され、前記スリーブ部材は、前記回転軸の外周面に嵌合される内側円筒部と、前記内側円筒部の軸方向一端から径方向外側に伸びる鍔部とより成り、前記シール部材は、前記ハウジングに嵌合される筒状部と、前記筒状部の軸方向一端から径方向内側に伸びる鍔状部とより成る金属材製の補強環と、前記鍔状部に一体成形されたゴム状弾性材製のリップ部とより成り、前記リップ部が、内部側に向かって伸びると共に、前記内側円筒部の外周面と摺接するメインリップと、径方向外側に向かって伸びると共に、前記鍔部と摺接する端面リップとより成る密封装置において、
前記スリーブ部材は、前記鍔部の端部より前記筒状部の内周面と間隙を有して、前記鍔状部に向かって伸びる外側円筒部と、前記外側円筒部の外周面から径方向外側であって、外部側に向かって伸びると共に、前記筒状部の内周面と摺接するゴム状弾性材製の第１のダストシールリップ部とを有し、前記リップ部は、径方向外側であって、内部側に向かって伸びると共に、前記外側円筒部内周面と摺接する第２のダストシールリップ部を有することを特徴とする。

本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項１記載の発明の密封装置によれば、限られたスペースにおいて、泥水等外部（大気側）の環境が厳しい農機、建機等の軸封部に、長期間用いたとしても、外部からの泥水やダストの浸入を効果的に阻止出来る。
また、請求項２記載の発明の密封装置によれば、シール部材とハウジングとの間の嵌合力とシール性を維持しつつ、第１のダストシールリップの取付スペースを確保することが出来る。

更に、請求項３記載の発明の密封装置によれば、より確実に外部からの泥水やダストの浸入を阻止出来る。
また、請求項４記載の発明の密封装置によれば、泥水やダストの内側への浸入を効果的に阻止する為、メインリップの損傷を防ぎ、内部シール対象物の漏出を効果的に防止出来る。

また、請求項５記載の発明の密封装置によれば、リップ部側への泥水やダストの浸入を効果的に阻止する為、リップ部のシール性能を長期間維持出来る。

第１の実施形態に係る密封装置の断面図。第２の実施形態に係る密封装置の断面図。従来技術に係る密封装置の断面図。

以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図１に基づき発明を実施するための形態について説明する。

本発明に係る密封装置は、ハウジング１と、このハウジング１を貫通して伸びる回転軸２との間隙をシールする密封装置である。
そして、この密封装置は、ハウジング１側に保持されたシール部材３と、回転軸２側に保持された金属材製のスリーブ部材４とにより構成されている。

このスリーブ部材４は、回転軸２の外周面に嵌合される内側円筒部４１と、内側円筒部４１の軸方向一端（図上右端）から径方向外側に伸びる鍔部４２とを備えている。
また、シール部材３は、ハウジング１に嵌合される筒状部３１１と、この筒状部３１１の軸方向一端（図上左端）から径方向内側伸びる鍔状部３１２とより成る金属材製の補強環３１と、鍔状部３１２に一体成形されたゴム状弾性材製のリップ部３２とを備えている。
また、リップ部３２は、内部Ａ側（図上左側）に向かって伸びると共に、内側円筒部４１の外周面と摺接するメインリップ３２１と、径方向外側に向かって伸びると共に、鍔部４２と摺接する端面リップ３２２とを備えている。

更に、スリーブ部材４は、鍔部４２の径方向端部（図上上側）より筒状部３１１の内周面と間隙を有して、鍔状部３１２に向かって伸びる外側円筒部４３と、この外側円筒部４３の外周面から径方向外側（図上上側）であって、外部Ｂ側（図上右端）に向かって伸びると共に、筒状部３１１の内周面と摺接するゴム状弾性材製の第１のダストシールリップ部３２３とを有している。

更に、リップ部３２は、径方向外側であって、内部Ａ側に向かって伸びると共に、外側円筒部４３内周面と摺接する第２のダストシールリップ部３２４を有している。
この様に、限られたスペース（空間）の中に、従来のリップ部に加え、第１のダストシールリップ部３２３及び第２のダストシールリップ部３２４を追加する事が出来た為、泥水等外部（大気側）の環境が厳しい農機、建機等の軸封部に、長期間用いたとしても、外部からの泥水やダストの浸入を効果的に阻止出来る。

更に、リップ部３２は、径方向内側であって、外部Ｂ側に向かって伸びる共に、筒状部３１１外周面と摺接する補助リップ３２６、３２７を有している。
この為、この補助リップ３２６、３２７が、泥水やダストの内側への浸入を効果的に阻止する為、メインリップ３２１の損傷を防ぎ、内部シール対象物の漏出を効果的に防止出来る。

更に、筒状部３１１外周面は、リップ部３２を構成するゴム状弾性材の一部により形成されたゴム嵌合層３１１１と、ゴム状弾性材が存在しない金属嵌合層３１１２とにより形成されている。
この為、この筒状部３１１は、シール部材とハウジングとの間の嵌合力とシール性を維持しつつ、第１のダストシールリップ３２３が形成されている筒状部３１１の領域には、ゴム嵌合層３１１１が存在せず、この領域における筒状部３１１の径方向厚みを、他に比べ薄く出来る為、第１のダストシールリップ３２３の取付スペースを確保することが出来る。

また、外側円筒部４３の軸方向端部外周面と、筒状部３１１内周面との間隙がラビリンス間隙Ｘを形成している。
この為、リップ部３２側への泥水やダストの浸入を効果的に阻止する為、リップ部３２のシール性能を長期間維持出来る。

また、メインリップ３２１の外周側には、メインリップ３２１を内側円筒部４１の外周面に押圧するガータースプリング３２１１が配置されている。
この事により、メインリップ３２１の良好な緊迫力が、長期間維持出来る。

また、内側円筒部４１の内周面には、ゴム状弾性材層が形成されている。
この事により、内側円筒部４１と回転軸２との間の良好なシール性が維持出来る。
また、鍔部４２の外部Ｂ側にも、ゴム状弾性材層が形成されている。
この事により、鍔部４２が、泥水等により腐食される事を防止出来る。

ついで、第２の実施形態に係る密封装置を図２に基づき説明する。
上述した第１の実施形態と相違する点は、筒状部３１１が、筒状部３１１の端部（図上右端）より径方向外側（図上上側）に伸びるフランジ部３１３を備えると共に、スリーブ部材４側から径方向外側に向かって伸びると共に、フランジ部３１３に摺接するゴム状弾性材製の第３のダストシールリップ部３２５を設ける構成とした点である。
この事により、第１の実施形態に比べ、より確実に外部からの泥水やダストの浸入を阻止する密封装置と出来る。

大気側が泥水等の厳しい条件で使用される耕耘機、建設機械等の軸封部をシールする密封装置として好適に用いられる。

また、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。

１ハウジング
２軸
３シール部材
４スリーブ部材
３１補強環
３２リップ部
４１内側円筒部
４２鍔部
４３外側円筒部
３１１筒状部
３１２鍔状部
３１３フランジ部
３２１メインリップ
３２２端面リップ
３２３第１のダストリップ
３２４第２のダストリップ
３２５第３のダストリップ
３２６補助リップ
３２７補助リップ

Claims

ハウジング（１）と、前記ハウジング（１）を貫通して伸びる回転軸（２）との間隙をシールする密封装置であって、前記ハウジング（１）側に保持されたシール部材（３）と、前記回転軸（２）側に保持された金属材製のスリーブ部材（４）とにより構成され、前記スリーブ部材（４）は、前記回転軸（２）の外周面に嵌合される内側円筒部（４１）と、前記内側円筒部（４１）の軸方向一端から径方向外側に伸びる鍔部（４２）とより成り、前記シール部材（３）は、前記ハウジング（１）に嵌合される筒状部（３１１）と、前記筒状部（３１１）の軸方向一端から径方向内側に伸びる鍔状部（３１２）とより成る金属材製の補強環（３１）と、前記鍔状部（３１２）に一体成形されたゴム状弾性材製のリップ部（３２）とより成り、前記リップ部（３２）が、内部（Ａ）側に向かって伸びると共に、前記内側円筒部（４１）の外周面と摺接するメインリップ（３２１）と、径方向外側に向かって伸びると共に、前記鍔部（４２）と摺接する端面リップ（３２２）とより成る密封装置において、
前記スリーブ部材（４）は、前記鍔部（４２）の端部より前記筒状部（３１１）の内周面と間隙を有して、前記鍔状部（３１２）に向かって伸びる外側円筒部（４３）と、前記外側円筒部（４３）の外周面から径方向外側であって、外部（Ｂ）側に向かって伸びると共に、前記筒状部（３１１）の内周面と摺接するゴム状弾性材製の第１のダストシールリップ部（３２３）とを有し、前記リップ部（３２）は、径方向外側であって、内部（Ａ）側に向かって伸びると共に、前記外側円筒部（４３）内周面と摺接する第２のダストシールリップ部（３２４）を有することを特徴とする密封装置。
前記筒状部（３１１）外周面は、前記リップ部（３２）を構成するゴム状弾性材の一部により形成されたゴム嵌合層（３１１１）と、ゴム状弾性材が存在しない金属嵌合層（３１１２）とにより形成され、前記第１のダストシールリップ部（３２３）が金属嵌合層（３１１２）の内周面に摺接していることを特徴とする請求項１記載の密封装置。
前記筒状部（３１１）は、前記筒状部（３１１）の端部より径方向外側に伸びるフランジ部（３１３）を備えると共に、前記スリーブ部材（４）側から径方向外側に向かって伸びると共に、前記フランジ部（３１３）に摺接するゴム状弾性材製の第３のダストシールリップ部（３２５）を有していることを特徴とする請求項１または２記載の密封装置。
前記リップ部（３２）は、径方向内側であって、外部（Ｂ）側に向かって伸びると共に、前記内側円筒部（４１）外周面と摺接する補助リップ（３２６）、（３２７）を有していることを特徴とする請求項１〜３いずれか一項に記載の密封装置。
前記外側円筒部（４３）の軸方向端部外周面と、前記筒状部（３１１）内周面との間隙がラビリンス間隙（Ｘ）を形成していることを特徴とする請求項１〜４いずれか一項に記載の密封装置。