JP5660236B1 - 電磁継電器の異常検出方法、電磁継電器の異常検出回路、及び、異常検出システム - Google Patents

電磁継電器の異常検出方法、電磁継電器の異常検出回路、及び、異常検出システム Download PDF

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Abstract

【課題】可動接点の動作異常を正しく検出する。【解決手段】乖離パルス信号を供給したときの励磁コイル(6)のコイル電流の乖離過渡応答信号と、吸着信号を供給している状態で、吸着パルス信号を供給したときのコイル電流の吸着過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、可動接点(9)の固定接点(10)に対する動作異常を検出する。【選択図】図2

Description

本発明は、励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器の異常検出方法、異常検出回路、及び異常検出システムに関する。
励磁コイルの中心軸方向に往復可能に設けられた駆動軸に可動鉄芯を固定し、前記励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って前記可動鉄芯に発生する電磁力によって、前記駆動軸に固定された可動接点を固定接点に吸着もしくは乖離するようにした電磁継電器の溶着検出方法が従来技術として知られている(特許文献1、特許文献2)。
上記電磁継電器では、可動接点が固定接点と乖離しているときと、吸着しているときとで、励磁コイルに対する可動鉄芯の位置が異なるので、励磁コイルのインダクタンスが変化する。このため、励磁コイルのインダクタンスを検出することにより可動接点と固定接点との溶着を検出する構成が知られている。
例えば特許文献2は、操作コイル(励磁コイル)に接続されたスイッチング素子にパルス信号によるオン・オフ動作を行わせ、操作コイルのコイル電流から直流成分及び低周波成分をカットして交流成分を抽出し、上記コイル電流の交流成分と判定値とに基づいて、電磁継電器の開閉動作不良を検出する構成を開示している。
特許文献1は、特許文献2の上記構成に加えて、ハイレベルとローレベルとに切り換わるステップ電圧、又は、周波数が十分に低いパルス電圧を励磁コイルに周期的に印加するとともに、検出コイルの両端電圧の過渡応答成分が所定の基準値を超えるまでの立ち上がり時間を検出することにより、接点部(可動接点)の開極と閉極を判別して電磁継電器の開閉状態を検出する構成を開示している。
特開2012-199115号公報(2012年10月18日公開) 特開2004-186052号公報(2004年07月02日公開)
しかしながら、上記特許文献1に記載のステップ電圧を印加する構成では、上記ステップ電圧がハイレベルとローレベルとに切り換えられるため、ステップ電圧の電圧幅をコントロールすることができないという問題がある。このようにステップ幅をコントロールすることができない為、励磁コイルと検出コイルとの2つのコイルが必要となり、コストがかかるという問題が生じる。もし励磁コイルと検出コイルとを共用して1つのコイルにしてしまうと、電磁継電器がオフのときに開閉状態を検出する目的でステップ電圧を上記コイルに印加しても電磁継電器がオンしてしまう為、電磁継電器の開閉状態を検出することができない。開閉状態が検出できるように上記ステップ電圧を下げると、今度は電磁継電器をオンする事ができなくなる。
また、上記特許文献2の構成では、励磁コイルの周囲温度が変化すると、電磁継電器の開閉動作不良を誤検出するおそれがあるという問題がある。図53は、従来の溶着検出システムの温度変化による課題を説明するためのグラフである。横軸は電磁継電器の周囲温度を示し、縦軸は励磁コイルのコイル電流の交流成分の振幅を示す。線IS1は、インダクタンスが標準よりも10%小さい励磁コイルを備えた電磁継電器の乖離状態におけるコイル電流の交流成分を示し、線IS2は、その吸着状態におけるコイル電流の交流成分の振幅を示している。線IM1は、インダクタンスが典型的な大きさの励磁コイルを備えた電磁継電器の乖離状態におけるコイル電流の交流成分の振幅を示し、線IM2は、その吸着状態におけるコイル電流の交流成分の振幅を示している。線IL1は、インダクタンスが標準よりも10%大きい励磁コイルを備えた電磁継電器の乖離状態におけるコイル電流の交流成分の振幅を示し、線IL2は、その吸着状態におけるコイル電流の交流成分の振幅を示している。上記スイッチング素子に供給されるパルス信号の周波数は100Hzであり、そのデューティは45%である。
励磁コイルのインダクタンスの個体差に起因して、乖離状態でのコイル電流の交流成分は線IS1、線IM1、及び線IL1に示されるようにばらつくし、吸着状態でのコイル電流の交流成分は線IS2、線IM2、及び線IL2に示されるようにばらつく。そして、電磁継電器の周囲温度の変化に起因して、乖離状態でのコイル電流の交流成分は線IS1、線IM1、及び線IL1に示されるように変化するし、吸着状態でのコイル電流の交流成分は線IS2、線IM2、及び線IL2に示されるように変化する。
従って、判定値(閾値)を設定しても、電磁継電器の周囲温度の変化によって、電磁継電器の開閉動作不良を誤検出するおそれがあるという問題がある。例えば、閾値を120mAに設定した場合、周囲温度が23℃、55℃のときは、すべてのタイプのインダクタンスに関するコイル電流の交流成分が、乖離状態では閾値よりも高く、吸着状態では閾値よりも低いので、電磁継電器の開閉動作不良を正しく検出できる。しかしながら、周囲温度が−10℃のときは、線IS2が閾値120mAを超えるので、インダクタンスが標準よりも10%小さい励磁コイルを備えた電磁継電器について、開閉動作不良を誤検出するおそれがあるという問題がある。
また、上記特許文献2の構成では、電源電圧が変動すると、上記コイル電流の交流成分の振幅が変化してしまうという問題がある。図54は、従来の溶着検出システムの電源電圧変動による課題を説明するためのグラフである。横軸は電磁継電器の電源電圧を示し、縦軸は電磁継電器に設けられた励磁コイルを流れるコイル電流の交流成分の振幅を示す。
線IS3はインダクタンスが標準よりも10%小さい励磁コイルを備えた電磁継電器の乖離状態におけるコイル電流の交流成分の振幅を示し、線IL3はインダクタンスが標準よりも10%大きい励磁コイルを備えた電磁継電器の吸着状態におけるコイル電流の交流成分の振幅を示す。上記パルス信号の周波数は100Hzであり、そのデューティは45%である。温度は23℃であり、電源電圧は、12V±10%である。
電磁継電器の電源電圧の変化に起因して、インダクタンスが標準よりも10%小さい励磁コイルの乖離状態におけるコイル電流の交流成分は、線IS3に示すように変化する。そして、インダクタンスが標準よりも10%大きい励磁コイルの吸着状態におけるコイル電流の交流成分は、線IL3に示すように変化する。
従って、判定値(閾値)を設定しても、電磁継電器の電源電圧の変化によって、電磁継電器の開閉動作不良を誤検出するおそれがあるという問題がある。
また、上記特許文献2の構成では、上記パルス信号の周波数を高くすると、吸着状態と乖離状態とを判別することができなくなるので、上記パルス信号の周波数を高くできず、上記パルス信号の周波数の選択が制限されるという問題がある。図55は、従来の溶着検出システムのパルス周波数による課題を説明するためのグラフであり、(a)はパルス周波数と交流成分との間の関係を示すグラフである。横軸は上記パルス信号の周波数を示しており、縦軸は励磁コイルのコイル電流の交流成分の振幅を示している。
線I4は乖離状態におけるコイル電流の交流成分の振幅を示しており、線I5は吸着状態におけるコイル電流の交流成分の振幅を示している。
図55(b)はパルス周波数と振幅減少率との間の関係を示すグラフである。横軸は上記パルス信号の周波数を示しており、縦軸は吸着状態におけるコイル電流の交流成分の振幅I5を乖離状態におけるコイル電流の交流成分の振幅I4により除算した振幅減少率を示している。
線I6に示すように、振幅減少率は周波数が約2kHzを超えると1に近づいている。従って、上記パルス信号の周波数が所定値(電磁継電器の品種に依存するが、図55(b)の例では約2kHz)を超えると、吸着状態と乖離状態とを判別することができなくなる。このため、パルス周波数を低く設定する必要があり、低周波成分と交流成分との周波数が近くなるため、低周波成分をカットする為のフィルタ設計が難しく高コスト化するという問題が生じて、実際上使いにくいという問題がある。
また、電磁継電器の可動接点が固定接点に溶着していない場合でも、電磁継電器に動作信号を供給したときに、固定接点から乖離していた可動接点が固定接点に吸着しないという動作異常を検出する必要がある。
本発明の目的は、励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器の可動接点の固定接点に対する吸着・乖離の動作異常を検出することができる電磁継電器の異常検出方法、電磁継電器の異常検出回路、及び、異常検出システムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電磁継電器の異常検出方法は、励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器の異常検出方法であって、前記可動接点を前記固定接点に対して動作させるための動作信号を供給していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記動作信号を供給している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出することを特徴とする。
前記動作信号を供給していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記第1過渡応答信号と、前記動作信号を供給している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記第2過渡応答信号とは、前記固定接点に対する可動接点の位置に応じて異なる値を示す。従って、前記第1過渡応答信号と前記第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出することができる。
本明細書において、「電磁継電器の動作」とは、動作信号を供給する前に固定接点と可動接点とが非導通である場合(乖離状態)は当該固定接点と可動接点とが導通すること(吸着状態)を意味し、動作信号を供給する前に固定接点と可動接点とが導通している場合(吸着状態)は、当該固定接点と可動接点とが非導通になること(乖離状態)を意味するものとする。また、「電磁継電器の復帰」とは、上記のように動作した電磁継電器が元の状態に戻ることを意味するものとする。
また、本明細書において、「動作信号」とは、固定接点と可動接点とが非導通である場合(乖離状態)に、当該固定接点と当該可動接点とを導通させ、さらにその導通状態を維持させるための信号、若しくは、固定接点と可動接点とが導通している場合(吸着状態)に、当該固定接点と当該可動接点とを非導通にさせ、さらにその非導通状態を維持させるための信号を意味するものとする。
また、本明細書において、「第1検出パルス信号の供給」とは、電磁継電器が動作しない範囲のデューティ比を有するパルス信号を励磁コイルに印加すること、または、前記印加しているパルス信号のデューティ比を電磁継電器が動作しない範囲で変更すること、または、前記パルス信号の印加を停止すること(デューティ比を零%にすること)を意味するものとする。
また、「第1過渡応答信号」とは、第1検出パルス信号の供給によって、励磁コイルに流れるコイル電流の過渡応答信号を意味するものとする。
そして、「第2検出パルス信号の供給」とは、電磁継電器が復帰しない範囲のデューティ比を有するパルス信号を励磁コイルに印加すること、または、前記印加しているパルス信号のデューティ比を電磁継電器が復帰しない範囲で変更すること、または、前記印加しているパルス信号を直流信号に変更すること(デューティ比を100%にすること)を意味するものとする。
また、「第2過渡応答信号」とは、第2検出パルス信号の供給によって、励磁コイルに流れるコイル電流の過渡応答信号を意味するものとする。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法では、前記励磁コイルに前記コイル電流を供給するためのスイッチング素子に前記第1検出パルス信号を印加して前記第1過渡応答信号を生成し、前記スイッチング素子に前記第2検出パルス信号を印加して前記第2過渡応答信号を生成し、前記第1検出パルス信号の周期は、前記第1過渡応答信号との関係で十分に短く、前記第2検出パルス信号の周期は、前記第2過渡応答信号との関係で十分に短いことが好ましい。
上記構成によれば、第1検出パルス信号のデューティと第2検出パルス信号のデューティとを制御することにより、前記第1過渡応答信号及び前記第2過渡応答信号を容易に生成することができる。
ここで、前記第1検出パルス信号の周期が前記第1過渡応答信号との関係で十分に短いとは、励磁コイルと、当該励磁コイルの内部抵抗、または、当該励磁コイルの内部抵抗と当該励磁コイルに接続された抵抗との和との時定数に比べて第1検出パルス信号の周期が十分に短いことを含み、また、励磁コイルに電流を供給してから当該励磁コイルに流れる電流が定常状態に達するまでの時間に比べて第1検出パルス信号の周期が十分に短いことを含む。
また、前記第2検出パルス信号の周期が前記第2過渡応答信号との関係で十分に短いとは、励磁コイルと、当該励磁コイルの内部抵抗、または、当該励磁コイルの内部抵抗と当該励磁コイルに接続された抵抗との和との時定数に比べて第2検出パルス信号の周期が十分に短いことを含み、また、励磁コイルに電流を供給してから当該励磁コイルに流れる電流が定常状態に達するまでの時間に比べて第2検出パルス信号の周期が十分に短いことを含む。
前記第1検出パルス信号のデューティ比は、電磁継電器が動作しない範囲内に設定される。前記第2検出パルス信号のデューティ比は、電磁継電器が復帰しない範囲内に設定される。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法では、前記第1過渡応答信号と前記第2過渡応答信号とに応じて設定した閾値に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出することが好ましい。
上記構成によれば、前記第1過渡応答信号と前記第2過渡応答信号とに応じて閾値を設定するので、電磁継電器の可動接点が動作するたびに閾値を設定することができる。従って、電磁継電器の励磁コイルのインダクタンスや抵抗値に個体差があっても、当該個体差に応じて電磁継電器ごとに閾値が設定される。この結果、電磁継電器の励磁コイルのインダクタンスに個体差があっても、可動接点の動作異常を正しく検出することができる。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法では、前記閾値と、第3検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第3過渡応答信号との大小関係に応じた時間幅に基づいて前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出することが好ましい。
上記構成によれば、動作異常の有無を確実に検出することができる。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法では、前記閾値と、第3検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第3過渡応答信号と、前記第1過渡応答信号と前記第2過渡応答信号との差分が最大になる時刻とに基づいて前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出し、又は、前記第3過渡応答信号及び前記閾値に基づく積分値の正負に基づいて前記動作異常を検出することが好ましい。
上記構成によれば、動作異常の有無を簡単な構成で検出することができる。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法では、所定時間ごとに前記第1過渡応答信号を繰り返し生成するか、又は、前記可動接点を前記固定接点に対して動作させるために外部から供給されたオン信号に応じて前記第1過渡応答信号を生成するか、又は、前記第2過渡応答信号を所定時間ごとに繰り返し生成して前記閾値を更新することが好ましい。
上記構成によれば、動作信号を供給する前に周囲温度が変化しても、変化した後の温度で第1過渡応答信号を生成することができ、また、動作信号を供給した後で周囲温度が変化しても、変化した後の温度で閾値を更新することができる。従って、電磁継電器の周囲温度が変化しても、電磁継電器の動作異常の有無を誤検出するおそれがない。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法では、前記第1検出パルス信号を供給する前の前記第1過渡応答信号の電流値と、前記第1検出パルス信号を供給した後に定常状態に落ち着いたときの前記第1過渡応答信号の電流値との差分が目標値となるように前記第1検出パルス信号のデューティを制御し、又は、前記第2検出パルス信号を供給する前の前記第2過渡応答信号の電流値と、前記第2検出パルス信号を供給した後に定常状態に落ち着いたときの前記第2過渡応答信号の電流値との差分が目標値となるように前記第2検出パルス信号のデューティを制御することが好ましい。
上記構成によれば、電源電圧や温度が変化しても検出パルス信号によるコイル電流の変化幅を一定に保つことができる。従って、電源電圧が変化しても、電磁継電器の動作異常の有無を誤検出するおそれがない。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法では、前記閾値を設定し、所定時間経過した後、第3検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第3過渡応答信号と前記閾値とに基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出することが好ましい。
上記構成によれば、インダクタンスの個体差と周囲環境とを加味した閾値を元に判定するため、動作信号を供給する前に可動鉄芯の位置を確実に判定することができる。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法では、前記第2過渡応答信号を生成し、所定時間経過後に前記第2検出パルス信号を供給して生成した他の第2過渡応答信号の値が前記閾値を超えたときに、前記電磁継電器の動作に異常が発生したと判定することが好ましい。
上記構成によれば、動作信号を供給しているにもかかわらず電磁継電器が復帰してしまう異常を検出することができる。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法では、前記励磁コイルに前記コイル電流を供給するためのスイッチング素子に対して前記励磁コイルと並列に接続された電流検出抵抗の接続されていない他のスイッチング素子に前記動作信号を供給して電磁継電器を動作させ、過渡応答信号を計測するときには前記他のスイッチング素子をオフすると共に前記スイッチング素子に動作信号を供給して、前記第2検出パルス信号を供給して前記第2過渡応答信号を生成することが好ましい。
上記構成によれば、電磁継電器を動作させているが過渡応答信号は計測していない間の電流検出抵抗による電力損失を回避することができる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電磁継電器の異常検出回路は、励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器の異常検出回路であって、前記可動接点を前記固定接点に対して動作させるための動作信号を供給していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記動作信号を供給している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出する制御回路を備えたことを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る異常検出システムは、励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器と、前記可動接点を前記固定接点に対して動作させるための動作信号を供給していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記動作信号を供給している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出する異常検出回路とを備えたことを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電磁継電器の異常検出方法は、励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器の異常検出方法であって、前記可動接点が前記固定接点に対して動作していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記可動接点が前記固定接点に対して動作している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出することを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電磁継電器の異常検出回路は、励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器の異常検出回路であって、前記可動接点が前記固定接点に対して動作していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記可動接点が前記固定接点に対して動作している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出する制御回路を備えたことを特徴とする。
本発明に係る異常検出システムは、励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器と、前記可動接点が前記固定接点に対して動作していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記可動接点が前記固定接点に対して動作している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出する異常検出回路とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る電磁継電器の異常検出方法は、前記可動接点を前記固定接点に対して動作させるための動作信号を供給していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記動作信号を供給している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出する。
前記動作信号を供給していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記第1過渡応答信号と、前記動作信号を供給している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記第2過渡応答信号とは、前記固定接点に対する可動接点の位置に応じて異なる値を示す。従って、前記第1過渡応答信号と前記第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出することができる。
実施の形態1に係る溶着検出システムの外観を示す模式図である。 上記溶着検出システムの構成を示す回路図である。 (a)は、上記溶着検出システムに設けられた電磁継電器の乖離状態を示す断面図であり、(b)はその吸着状態を示す断面図である。 上記溶着検出システムの動作を示すフローチャートである。 (a)は上記乖離状態の電磁継電器に関連するスイッチング素子に印加される乖離パルス信号を示す波形図であり、(b)は上記乖離パルス信号に基づいて生成される乖離過渡応答信号を示す波形図である。 (a)は上記乖離過渡応答信号から過渡応答成分を抽出した信号を示す波形図であり、(b)は上記乖離過渡応答信号から交流成分を抽出した信号を示す波形図であり、(c)は上記乖離過渡応答信号の具体的な波形を示す波形図である。 (a)は図6(a)に示す信号に対応するステップ信号を示す波形図であり、(b)は図6(b)に示す信号に対応する矩形波信号を示す波形図である。 (a)はステップ電圧信号と、当該ステップ電圧信号を印加した励磁コイルに流れる電流信号とを示す波形図であり、(b)は(a)におけるA部を拡大した波形図である。 (a)は乖離パルス電圧信号と、当該乖離パルス電圧信号を印加した励磁コイルに流れる乖離過渡応答信号とを示す波形図であり、(b)は(a)におけるB部を拡大した波形図である。 (a)は上記スイッチング素子に印加される吸着信号及び吸着パルス信号を示す波形図であり、(b)は上記吸着パルス信号に基づいて生成される吸着過渡応答信号を示す波形図である。 (a)は上記スイッチング素子に印加される他の吸着信号を示す波形図であり、(b)は上記他の吸着信号に基づいて生成される他の吸着過渡応答信号を示す波形図である。 (a)(b)は、それぞれ、図11(a)(b)の要部を拡大した波形図である。 実施の形態7に係る溶着検出システムの動作を説明するための波形図であり、(a)は乖離パルス信号を示す波形図であり、(b)は乖離過渡応答信号を示す波形図である。 実施の形態7に係る溶着検出システムの動作を説明するための波形図であり、(a)は吸着パルス信号を示す波形図であり、(b)は吸着過渡応答信号を示す波形図である。 上記乖離過渡応答信号と上記吸着過渡応答信号との比較方法を説明するための波形図である。 上記乖離過渡応答信号と上記吸着過渡応答信号とに基づいて、溶着有無を判定するための閾値を設定する方法を説明するための波形図である。 (a)は上記スイッチング素子に印加される検出パルス信号を示す波形図であり、(b)は上記閾値と上記検出パルス信号に基づいて生成される検出過渡応答信号とを示す波形図である。 (a)は上記スイッチング素子に印加される吸着信号及び吸着パルス信号を示す波形図であり、(b)は上記吸着パルス信号に基づいて生成される他の吸着過渡応答信号の関係を説明するための波形図である。 (a)は上記閾値と上記検出過渡応答信号とに基づいて上記溶着の有無を検出する方法を説明するための波形図であり、(b)は上記乖離過渡応答信号と上記吸着過渡応答信号との差分波形を示す波形図である。 上記溶着の有無を検出する他の方法を説明するための波形図である。 上記溶着の有無を検出するさらに他の方法を説明するための波形図である。 上記溶着の有無を検出するさらに他の方法を説明するための波形図である。 上記差分波形に基づいて有効時間範囲を設定する方法を説明するための波形図である。 上記閾値とノイズが重畳した上記検出過渡応答信号とに基づいて上記溶着の有無を検出する方法を説明するための波形図である。 上記閾値とノイズが重畳した上記検出過渡応答信号とに基づいて上記溶着の有無を検出する他の方法を説明するための波形図である。 上記閾値とノイズが重畳した上記検出過渡応答信号とに基づいて上記溶着の有無を検出するさらに他の方法を説明するための波形図である。 実施の形態2に係る溶着検出システムの動作を示すフローチャートである。 (a)は上記溶着検出システムに係る乖離パルス信号を示す波形図であり、(b)は上記乖離パルス信号に基づいて生成される乖離過渡応答信号を示す波形図である。 上記溶着検出システムの他の動作を示すフローチャートである。 (a)は上記他の動作における外部からのオン信号を示す波形図であり、(b)は上記他の動作における乖離パルス信号及び吸着信号を示す波形図であり、(c)は上記他の動作における乖離過渡応答信号及び吸着過渡応答信号を示す波形図である。 上記溶着検出システムのさらに他の動作を示すフローチャートである。 上記さらに他の動作における上記閾値の更新方法を説明するための波形図である。 (a)は上記さらに他の動作における吸着信号を示す波形図であり、(b)は上記さらに他の動作における吸着過渡応答信号を示す波形図である。 (a)は電磁継電器の動作経過時間と励磁コイルの抵抗値との間の関係を示すグラフであり、(b)は電磁継電器の周囲温度と動作信号の下限デューティとの間の関係を示すグラフである。 実施の形態3に係る溶着検出システムの解決課題を説明するための波形図であり、(a)は乖離パルス信号を示すグラフであり、(b)は上記乖離パルス信号に基づく乖離過渡応答信号が電源電圧の変動に応じて変化する態様を示すグラフである。 実施の形態3に係る乖離パルス信号のデューティを制御する方法を説明するためのグラフであり、(a)は電源電圧が高い時の乖離パルス信号を示す波形図であり、(b)は電源電圧が低いときの乖離パルス信号を示す波形図であり、(c)は乖離パルス信号のデューティを制御することにより電源電圧が高くても低くても検出パルス信号によるコイル電流の変化幅が一定になった乖離過渡応答信号を示す波形図である。 上記乖離パルス信号のデューティを制御する具体的方法を説明するためのグラフである。 (a)は上記乖離パルス信号に基づく乖離過渡応答信号が電源電圧の変動に応じて変化する態様を示すグラフであり、(b)は正規化された乖離過渡応答信号を示すグラフである。 実施の形態4に係る溶着検出システムの動作を示すフローチャートである。 実施の形態5に係る溶着検出システムの動作を示すフローチャートである。 上記溶着検出システムの電磁継電器の動作不良を検出する方法を説明するためのグラフである。 実施の形態6に係る溶着検出システムの動作を説明するための波形図であり、(a)は吸着信号を示す波形図であり、(b)は吸着過渡応答信号を示す波形図である。 実施の形態6に係る溶着検出システムの動作を示すフローチャートである。 実施の形態7に係る溶着検出システムの構成を示す回路図である。 上記回路図の溶着検出システムの変形例である。 上記回路図の溶着検出システムの他の変形例である。 上記回路図の溶着検出システムのさらに他の変形例である。 実施の形態7に係る他の溶着検出システムの構成を示す回路図である。 実施の形態7に係るさらに他の溶着検出システムの構成を示す回路図である。 実施の形態7に係るさらに他の溶着検出システムの構成を示す回路図である。 実施の形態7に係るさらに他の溶着検出システムに設けられた励磁コイルの構成を示す断面図である。 上記さらに他の溶着検出システムに設けられた他の電磁継電器の構成を示す断面図である。 従来の溶着検出システムの温度変化による課題を説明するためのグラフである。 従来の溶着検出システムの電源電圧変動による課題を説明するためのグラフである。 従来の溶着検出システムのパルス周波数による課題を説明するためのグラフであり、(a)はパルス周波数と電流振幅との間の関係を示すグラフであり、(b)はパルス周波数と振幅減少率との間の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施の形態1)
(溶着検出システム1の構成)
図1は実施の形態1に係る溶着検出システム(異常検出システム)1の外観を示す模式図であり、図2は上記溶着検出システム1の構成を示す回路図である。溶着検出システム1は、電磁継電器2と、上記電磁継電器2の溶着を検出する溶着検出モジュール3とを備えている。溶着検出モジュール3は、溶着検出回路4(異常検出回路)を有している。
図3(a)は、上記溶着検出システム1に設けられた電磁継電器2の乖離状態を示す断面図であり、(b)はその吸着状態を示す断面図である。電磁継電器2は、断面略コ字状のヨーク11と、ヨーク11の両端部に架け渡したヨーク12との間に設けられた励磁コイル6を備えている。ヨーク12には、固定鉄芯13が励磁コイル6の内側に突出するように設けられている。
励磁コイル6の中心軸方向に沿って駆動軸7が固定鉄芯13及びヨーク12を貫通して往復運動可能に設けられている。駆動軸7の一端には可動鉄芯8が、励磁コイル6に挿入されるように固定されている。可動鉄芯8と固定鉄芯13との間には復帰用コイルバネ16が設けられている。
駆動軸7の他端には、鍔部18が設けられ、さらに可動接点9が駆動軸7と直交するように設けられている。詳しくは、可動接点9は、駆動軸7に取り付けられた一対の座金14の間に、圧縮バネ19とともに設置されている。下側(図3基準)に設置される座金14はEリング15により駆動軸7に固定されている。可動接点9は、圧縮バネ19により、可動接点9の上面が上側(図3基準)の座金14の底面に当接され、上記上側の座金14の上面が鍔部18の底面に当接されることによって、駆動軸7に固定されている。電磁継電器2には、可動接点9を覆うように設けられたカバー17と、可動接点9と対向するようにカバー17に取り付けられた一対の固定接点10とが設けられている。可動鉄芯8と可動接点9とは、駆動軸7と一体に往復運動し、これにより、可動接点9が固定接点10と乖離または吸着するように構成されている。
再び図2を参照すると、溶着検出回路4は、励磁コイル6の一端に結合された電流検出抵抗R1と、電流検出抵抗R1の励磁コイル6と反対側に接続されたトランジスタ(スイッチング素子)TR1とを有している。トランジスタTR1の電流検出抵抗R1と反対側の端子は接地されている。励磁コイル6の他端は電源PWが接続されている。励磁コイル6の他端と電流検出抵抗R1のトランジスタTR1側の端子との間には、回生ダイオードD1が接続されている。電流検出抵抗R1の両端には、差動増幅器である増幅器Ampが接続されている。
溶着検出回路4は、制御回路5を有している。制御回路5は、トランジスタTR1のゲート端子に接続された端子Outと、増幅器Ampに接続された端子A/Dとを有している。
(溶着検出システム1の動作)
図4は、上記溶着検出システム1の動作を示すフローチャートである。まず、可動接点9が固定接点10から乖離している状態において、溶着検出回路4の電源PWをオンにする(STEP1)。
図5(a)は上記乖離状態の電磁継電器2に関連するトランジスタTR1に印加される乖離パルス信号S1を示す模式的に示す波形図であり、(b)は上記乖離パルス信号(第1検出パルス信号)S1に基づいて生成される乖離過渡応答信号S2(第1過渡応答信号)を模式的に示す波形図である。後述する波形図も、図8及び図9を除いて、実際の波形を模式的に示した波形図である。なお、乖離パルス信号S1は、5Vのパルス波形を示しているが、本発明はこれに限定されず、トランジスタTR1を駆動できる電圧であればよい。
制御回路5は、時刻t1に端子Outから乖離パルス信号S1をトランジスタTR1のゲート端子に印加する。すると、可動接点9が固定接点10から乖離した状態の励磁コイル6のコイル電流の乖離過渡応答信号S2が、増幅器Ampから制御回路5の端子A/Dに入力される(STEP2)。
上記乖離パルス信号S1のデューティは、可動接点9が動作しない範囲で設定する。過渡応答信号の計測中に可動鉄芯8が動くと、過渡応答信号の波形がくずれて誤検出の原因となるからである。励磁コイル6のコイル電流は、増幅器Ampからの計測データを電流検出抵抗R1で検出する。
図6(a)は上記乖離過渡応答信号S2から過渡応答成分を抽出した信号S20(第1過渡応答信号)を示す波形図であり、(b)は上記乖離過渡応答信号S2から交流成分を抽出した信号S21を示す波形図であり、(c)は上記乖離過渡応答信号S2の実際の波形を示す波形図である。図7(a)は図6(a)に示す信号S20に対応するステップ信号S22を示す波形図であり、図7(b)は図6(b)に示す信号S21に対応する矩形波信号S23を示す波形図である。図6(a)〜(c)は励磁コイル6に流れる電流を示しており、図7(a)及び(b)は励磁コイル6の両端に印加される電圧を示している。
図2に示す励磁コイル6を流れるコイル電流は、トランジスタTR1に印加される乖離パルス信号S1のデューティが一定のとき、例えば、トランジスタTR1に印加される乖離パルス信号S1のデューティが30%の場合、電源PWの電圧を30%に下げた状態でトランジスタTR1に直流信号5Vを印加しているとき(乖離パルス信号S1のデューティ100%のとき)に流れる電流と等価になることは周知のとおりである。
一方でトランジスタTR1に印加される乖離パルス信号S1のデューティがある値から別の値にステップ状に変化するとき、例えばデューティが0%から30%に変化する時、励磁コイル6の両端間の電圧は、図7(a)のステップ信号S22により表される電源電圧の30%の大きさのステップ電圧の成分と、図7(b)の矩形波信号S23により表される矩形波電圧の成分とに分けて把握することができ、乖離パルス信号S1の周波数を幾ら高くしても、矩形波信号S23の周波数が高くなるだけで、ステップ信号S22の成分は変化しないことを本発明者は発見した。さらに、当該ステップ信号S22の成分により得られる過渡応答信号は、励磁コイル6の抵抗値、電流検出抵抗R1と、励磁コイル6のインダクタンスとにより特定されるRL回路の時定数によって決定されることを本発明者は発見した。
従って、乖離パルス信号S1のデューティを変えることにより、ほぼデューティ比×電源電圧の大きさのステップ電圧(ステップ信号S22)を励磁コイル6の両端に印加したときに励磁コイル6に流れる電流波形(図6(a)の信号S20)と、パルス周波数の交流成分(矩形波信号S23)を励磁コイル6の両端に印加したときに励磁コイル6に流れる電流波形(図6(b)の信号S21)とが合成されたコイル電流波形(図6(c)の乖離過渡応答信号S2)が得られる。
パルス周波数の交流成分(矩形波信号S23)によって励磁コイル6に流れる交流成分(図6(b)の信号S21)をカットすれば、任意の大きさのステップ電圧(ステップ信号S22)に対応する過渡応答信号(図6(a)の信号S20)を得ることができる。例えば、ステップ信号S22を可動接点9が復帰(乖離)しない範囲の大きさにすることにより、可動接点が保持(吸着)されているときに過渡応答信号を得ることができる。なお、矩形波信号S23による交流成分(図6(b)の信号S21)をカットする方法は、後述する(パルス信号の周波数範囲)で説明する。
図8(a)はトランジスタTR1に印加するステップ電圧信号S24と、当該ステップ電圧信号S24を印加した励磁コイル6に流れる電流信号S25とを示す波形図であり、(b)は(a)におけるA部を拡大した波形図である。電流信号S25は、電源PWの電圧を3.6V(電源電圧12Vの30%)とし、ステップ電圧信号S24を印加したときに励磁コイル6に流れる電流波形を示している。
図9(a)は乖離パルス電圧信号S1と、当該乖離パルス電圧信号S1を印加した励磁コイル6に流れる乖離過渡応答信号S2とを示す波形図であり、図9(b)は(a)におけるB部を拡大した波形図である。乖離過渡応答信号S2は、電源PWの電圧を12Vとし、パルスのデューティを0%から30%に変化させた乖離パルス電圧信号S1を印加したときに励磁コイル6に流れる電流波形を示している。
乖離パルス電圧信号S1の周波数は、図9に示すように、励磁コイル6を流れる乖離過渡応答信号S2の時定数に比べて十分に短くなるように設定される。
回生ダイオードD1の特性の影響等でわずかに波形は異なるものの、図9の乖離過渡応答信号S2の電流波形と図8の電流信号S25の電流波形はほぼ一致する。
電磁継電器は、可動接点と固定接点とを吸着させて閉成させるために必要な電流よりも少ない電流により、電磁継電器の固定接点と可動接点との閉状態を保持することができる(省電力保持)。図10(a)は上記トランジスタTR1に印加される動作信号を、可動接点と固定接点とを吸着させて閉成させるために必要なデューティ比の部分である吸着信号S0と、電磁継電器の固定接点と可動接点との閉状態の保持が可能なデューティ比の部分である吸着パルス信号(第2検出パルス信号)S3とに分けて示した波形図であり、(b)は上記吸着パルス信号S3に基づいて生成される吸着過渡応答信号S6を示す波形図である。
次に、制御回路5が時刻t2に端子Outから吸着信号S0をトランジスタTR1のゲート端子に供給すると、可動接点9が固定接点10に吸着して電磁継電器2が動作する(STEP3)。そして、励磁コイル6のコイル電流の過渡応答信号S4が、増幅器Ampから制御回路5の端子A/Dに入力される。可動接点と固定接点とを吸着させて閉成する際に途中で可動鉄心8が動くことにより実際には過渡応答信号S4は途中で波形が崩れ得る。
その後、制御回路5が時刻t3において吸着信号S0のデューティを変更(吸着パルス信号S3を供給)すると、コイル電流の吸着過渡応答信号S6(第2過渡応答信号)が、増幅器Ampを介して制御回路5により計測される。
吸着パルス信号S3のデューティは、電磁継電器2が復帰しない範囲になるように変更する。このため、動作信号を供給して電磁継電器2が動作している時に過渡応答信号を計測することができる。
図10では、電磁継電器2が吸着信号S0によって動作した後に過渡応答信号を計測する例を示したが、本発明はこれに限定されない。図11に示すように、可動接点9を省電力で固定接点10に保持している間に第2過渡応答信号を計測してもよい。以下、可動接点9を省電力で保持している間に第2過渡応答信号を計測する例を説明する。また、図10、図11に示す例では、電磁継電器2の吸着信号S0は連続通電(デューティ100%)の波形を使用しているが、本発明はこれに限定されない。電磁継電器2を動作させることができれば、デューティ数十%の波形を使用してもよい。
図11(a)は上記トランジスタTR1に印加される他の吸着パルス信号S3を示す波形図であり、(b)は上記他の吸着パルス信号S3に基づいて生成される他の吸着過渡応答信号S8を示す波形図である。図12(a)(b)は、それぞれ、図11(a)(b)の要部を拡大した波形図である。
制御回路5が時刻t2に吸着信号S0をトランジスタTR1に供給すると、可動接点9が吸着して電磁継電器2が動作する(STEP3)。そして、励磁コイル6のコイル電流の過渡応答信号S4が、増幅器Ampから制御回路5の端子A/Dに入力される。
その後、制御回路5が時刻t3において吸着信号S0のデューティを変更(吸着パルス信号S3を供給)して可動接点9を省電力で保持すると、コイル電流の吸着過渡応答信号S6(第2過渡応答信号)が、増幅器Ampを介して制御回路5に供給される(STEP4)。時刻t4においてデューティを増大(吸着パルス信号S3を供給)すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8(第2過渡応答信号)が、増幅器Ampを介して制御回路5により計測される(STEP5)。
そして、時刻t5において、デューティを減少させるように変更(吸着パルス信号S3を供給)して可動接点9を省電力で保持すると、コイル電流の立下りの吸着過渡応答信号S12(第2過渡応答信号)が、増幅器Ampを介して制御回路5により計測される。
図13は、溶着検出システムの動作を説明するための波形図であり、(a)は乖離パルス信号S1を示す波形図であり、(b)は乖離過渡応答信号S2を示す波形図である。
制御回路5(図2)は、時刻t1に端子Outから乖離パルス信号S1をトランジスタTR1のゲート端子に印加する。すると、可動接点9が固定接点10から乖離した状態の励磁コイル6のコイル電流の乖離過渡応答信号S2(第1過渡応答信号)が、増幅器Ampから制御回路5の端子A/Dに入力される。乖離過渡応答信号S2の値は、可動接点9が固定接点10と乖離状態にあるか吸着状態にあるかによって異なり、予め定められた閾値ThAと乖離過渡応答信号S2とを比較することにより、可動接点9が固定接点10と乖離状態にあるか否かを判定することができる。
制御回路5は、時刻(t1+α)における予め定められた閾値ThAを図示しないメモリに記憶している。制御回路5は、時刻(t1+α)における乖離過渡応答信号S2の値と前記閾値ThAとを比較して、可動接点9が固定接点10と乖離状態にあるか否かを判断し、吸着状態にあれば動作不良と判定する。
図14は、溶着検出システムの動作を説明するための波形図であり、図14は図11の要部を拡大した図である。図14(a)は吸着パルス信号S3を示す波形図であり、(b)は吸着過渡応答信号S8を示す波形図である。
制御回路5が吸着信号S0をトランジスタTR1(図2)に供給すると、可動接点9が吸着して電磁継電器2が動作する。そして、制御回路5が吸着信号S0のデューティを下げると、固定接点10に吸着した可動接点9は省電力で保持される。次に、時刻T4において、デューティを増大させるように変更(吸着パルス信号S3を供給)すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8(第2過渡応答信号)が、増幅器Ampを介して制御回路5により計測される。吸着過渡応答信号S8の値は、可動接点9が固定接点10と乖離状態にあるか吸着状態にあるかによって異なり、予め定められた閾値ThBと吸着過渡応答信号S8とを比較することにより、可動接点9が固定接点10と吸着状態にあるか否かを判定することができる。
制御回路5は、時刻(t4+α)における予め定められた閾値ThBを図示しないメモリに記憶している。制御回路5は、時刻(t4+α)における吸着過渡応答信号S8の値と前記閾値ThBとを比較して、可動接点9が固定接点10と吸着状態にあるか否かを判断し、乖離状態にあれば動作不良と判定する。
上記図13及び図14に示す構成により、特許文献1で課題となっていた励磁コイルと検出コイルとの共用が可能となる。しかしながら、特許文献2で課題としているインダクタンスの個体差の影響に改善の余地がある。以下、上記を改善する閾値の設定方法を述べる。
図15は、上記乖離過渡応答信号S2と上記吸着過渡応答信号S8との比較方法を説明するための波形図である。図16は、上記乖離過渡応答信号S2と上記吸着過渡応答信号S8とに基づいて、溶着有無を判定するための閾値Thを設定する方法を説明するための波形図である。図15に示すように、数値計算により、乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8とのオフセットを合わせ、可動接点9が乖離した状態の乖離過渡応答信号S2と吸着した状態の吸着過渡応答信号S8とを比較する。
そして、図16に示すように、オフセットを合わせた乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8との間に、可動接点9と固定接点10との溶着の有無を判定するための閾値Thを設定する(STEP6)。
閾値Thは、例えば、以下の(式1)または(式2)により定められる。
Th=S8+((S2−S8)/2) …(式1)
または、
Th=S2−((S2−S8)/2) …(式2)
図17(a)は上記トランジスタTR1に印加される検出パルス信号(第3検出パルス信号)S9を示す波形図であり、(b)は上記閾値Thと上記パルス信号S9に基づいて生成される検出過渡応答信号(第3過渡応答信号)S10とを示す波形図である。
可動接点9を固定接点10から乖離させて電磁継電器2を復帰させるために、制御回路5がトランジスタTR1への吸着パルス信号S3の供給を停止する(STEPS7)。そして、制御回路5が時刻t6において電磁継電器が動作しない範囲のデューティ比を有するパルス信号S9をトランジスタTR1に供給すると、制御回路5は、増幅器Ampからの出力に基づいて、可動接点9の固定接点10への溶着の有無を検出するためのコイル電流の検出過渡応答信号S10を計測する(STEP8)。そして、制御回路5は、検出過渡応答信号S10と閾値Thとに基づいて、可動接点9の溶着の有無を検出する(STEP9)。図17(b)に示すように、検出過渡応答信号S10が閾値Thを下回っていれば、可動接点9が固定接点10に溶着していると制御回路5は判断する。検出過渡応答信号S10が閾値Th以上であれば、可動接点9が固定接点10から乖離していると制御回路5は判断する。
(吸着過渡応答信号S8の変形例)
図18(a)は上記トランジスタTR1に印加される吸着信号S0及び吸着パルス信号S3を示す波形図であり、(b)は上記吸着パルス信号S3に基づいて生成される吸着過渡応答信号S11の関係を説明するための波形図である。
図12〜図16では、立ち上がりの吸着過渡応答信号S8に基づいて閾値Thを設定する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図11に示すように、立下りの吸着過渡応答信号S6又はS12に基づいて閾値Thを設定してもよい。図18は図11の要部を拡大した図であり、この場合は、コイル電流αに対応する水平線Lに対して立下りの吸着過渡応答信号S6を反転させた立ち上がりの吸着過渡応答信号S11を生成し、当該吸着過渡応答信号S11と乖離過渡応答信号S2とのオフセットを合わせて、図16で前述したように閾値を設定すればよい。
(吸着有無の検出方法の変形例)
図19(a)は上記閾値Thと上記検出過渡応答信号S10とに基づいて上記溶着の有無を検出する方法を説明するための波形図であり、(b)は上記乖離過渡応答信号S2と上記吸着過渡応答信号S8との差分波形を示す波形図である。
制御回路5は、乖離過渡応答信号S2と上記吸着過渡応答信号S8との差分の波形を表す過渡応答差分波形S12Aが最大になる時刻tmaxを求める。時刻tmaxは、例えば、8msecである。そして、制御回路5は、当該時刻tmaxにおける検出過渡応答信号S10の値と閾値Thの値とに基づいて、可動接点9の溶着の有無を検出する。即ち、当該時刻tmaxにおける検出過渡応答信号S10の値が閾値Thの値以上であれば、可動接点9が固定接点10から乖離していると制御回路5は判断する。そして、当該時刻tmaxにおける検出過渡応答信号S10の値が閾値Thの値未満であれば、可動接点9が固定接点10に吸着していると制御回路5は判断する。
これにより、電磁継電器2の励磁コイル6のインダクタンスに個体差があっても、当該個体差に応じて閾値を設定するので、当該個体差をキャンセルすることができる。
図20は、上記溶着の有無を検出する他の方法を説明するための波形図である。制御回路5は、検出過渡応答信号S10から閾値Thを減算した結果を積分した積分値を算出して検出過渡応答信号S10と閾値Thとの間の面積を求める。そして、上記積分値がセロ以上であれば、可動接点9が固定接点10から乖離していると制御回路5は判断する。そして、上記積分値が負であれば、可動接点9が固定接点10に吸着していると制御回路5は判断する。
この構成によれば、所定の期間における積分値に基づいて判断するので、ノイズが検出過渡応答信号S10に重畳しても、溶着の有無を誤判定し難くなる。
図21は、上記溶着の有無を検出するさらに他の方法を説明するための波形図である。制御回路5は、検出過渡応答信号S10から閾値Thを減算した値がゼロ以上である時間幅が、検出過渡応答信号S10から閾値Thを減算した値が負である時間幅以上であれば、可動接点9が固定接点10から乖離していると判断する。そして、検出過渡応答信号S10から閾値Thを減算した値がゼロ以上である時間幅が、検出過渡応答信号S10から閾値Thを減算した値が負である時間幅未満であれば、可動接点9が固定接点10に吸着していると制御回路5は判断する。
この構成によれば、検出過渡応答信号S10と閾値Thとの大小関係に応じた時間幅に基づいて判断するので、ノイズが検出過渡応答信号S10に重畳しても、溶着の有無を誤判定し難くなる。
図22は、上記溶着の有無を検出するさらに他の方法を説明するための波形図である。図23は、上記差分波形に基づいて有効時間範囲を設定する方法を説明するための波形図である。制御回路5は、乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8との差分を表す過渡応答差分波形S12Aに基づいて時刻tA、時刻tBを定める。時刻tA、時刻tBは、例えば、過渡応答差分波形S12Aが、その最大値(図23のグラフの例では約18%)の2分の1(図23のグラフの例では約9%)を超える時間範囲を定める時刻であり、例えば、約2msecと約20msecであり得る。
制御回路5は、時刻tAから時刻tBまでの検出過渡応答信号S10から閾値Thを減算した積分値に基づいて、可動接点9の吸着の有無を判断する。制御回路5は、時刻tAから時刻tBまでの検出過渡応答信号S10から閾値Thを減算した値がゼロ以上である時間幅と、検出過渡応答信号S10から閾値Thを減算した値が負である時間幅とに基づいて、可動接点9の吸着の有無を判断してもよい。
この構成によれば、過渡応答差分波形S12Aに関連する時間幅に基づいて判断するので、瞬間的にノイズが検出過渡応答信号S10に重畳しても、溶着の有無を誤判定し難くなる。また、過渡応答差分波形S12Aの差分が小さい範囲は判定の対象から除外するので、ノイズにより誤判定しにくくなる。
次に、検出過渡応答信号S10にノイズが重畳したときの溶着の有無の判定動作を説明する。
図24は、上記閾値Thとノイズが重畳した上記検出過渡応答信号S10とに基づいて上記溶着の有無を検出する方法を説明するための波形図である。ノイズには周期性のあるノイズや瞬間的なノイズなど様々なノイズがあるが、ここでは瞬間的なノイズを例に挙げて説明する。他のノイズに対しても同様の効果が見込めるので説明は割愛する。
図19(b)で説明した過渡応答差分波形S12Aが最大になる時刻tmaxにおいて検出過渡応答信号S10が閾値Th以上であれば、可動接点9が固定接点10から乖離していると制御回路5は判断する。そして、時刻Tmaxにおいて検出過渡応答信号S10が閾値Th未満であれば、可動接点9が固定接点10に吸着していると制御回路5は判断する。
図25及び図26に示す構成によれば、検出過渡応答信号S10にノイズが重畳して閾値Thを超えるときがあっても、誤判定し難い。
図25は、上記閾値Thとノイズが重畳した上記検出過渡応答信号S10とに基づいて上記溶着の有無を検出する他の方法を説明するための波形図である。時刻tCから時刻tDまでの検出過渡応答信号S10から閾値Thを減算した積分値から、時刻0から時刻tCまでの閾値Thから検出過渡応答信号S10を減算した積分値と、時刻tDから時刻tENDまでの閾値Thから検出過渡応答信号S10を減算した積分値とを減算した値が0以上であれば、可動接点9が固定接点10から乖離していると制御回路5は判断する。そして、上記値が負であれば、可動接点9が固定接点10に吸着していると制御回路5は判断する。
図26は、上記閾値Thとノイズが重畳した上記検出過渡応答信号S10とに基づいて上記溶着の有無を検出するさらに他の方法を説明するための波形図である。時刻tCから時刻tDまでの検出過渡応答信号S10が閾値Th以上である時間幅K2から、時刻0から時刻tCまでの閾値Thが検出過渡応答信号S10以上である時間幅K1と、時刻tDから時刻tENDまでの閾値Thが検出過渡応答信号S10以上である時間軸K3とを減算した値が0以上であれば、可動接点9が固定接点10から乖離していると制御回路5は判断する。そして、上記値が負であれば、可動接点9が固定接点10に吸着していると制御回路5は判断する。
この構成によれば、時間幅で判定するので、ノイズのピークが大きい場合に誤判定しにくい。
(パルス信号の周波数範囲)
トランジスタTR1に印加するパルス信号の周波数は、過渡応答信号の過渡応答に要する時間よりも、十分に短い周期になるような高い周波数に設定する。パルス周波数が低くなるほど、コイル電流の交流成分が大きくなる。逆にパルス信号の周波数を高くするほど、コイル電流の交流成分が小さくなり、過渡応答信号のみが観測されるようになる。
なお、パルス信号の周波数の上限はスイッチング素子の性能に依存する。
パルス信号の周波数を下げるほど、トランジスタTR1のスイッチングロスが少なくなる為、電磁継電器を省電力保持している時と過渡応答信号を計測している時とでパルス信号の周波数を変えてもよい。
他にも、例えば電流検出抵抗R1と制御回路5の端子A/Dとの間にローパスフィルタを設ける、又は、FIRなどのソフトウエアフィルタ処理を行う等の設計手段により、コイル電流の交流成分を小さくすることが出来る。このため、設計の範囲でコストと効果のバランスを考えながらパルス周波数を決定する。
(効果)
以上のように実施の形態1によれば、同一の電磁継電器について、乖離状態の過渡応答信号と吸着状態の過渡応答信号とを計測して、吸着判定の閾値を設定する。このため、電磁継電器の個体に応じて閾値を設定することができる。この結果、電磁継電器の励磁コイルのインダクタンスに個体差(大小差)があっても、可動接点の溶着の有無を正しく検出することができる。
(実施の形態2)
(温度変化の影響)
実施の形態1で説明した乖離過渡応答信号、吸着過渡応答信号は、電磁継電器の周囲温度が上がったり、電磁継電器が動作してから時間が経過すると、電磁継電器の励磁コイルが熱くなり、励磁コイルの抵抗値が上昇する。このため、時定数が小さくなり、過渡応答信号が速くなる。このように、電磁継電器の励磁コイルの温度が変化すると、過渡応答信号が変化する。
実施の形態に係る溶着検出システムでは、電源PWをオンしてから(STEP1(図4))乖離過渡応答信号を計測するタイミング(STEP2)と、電磁継電器を動作させて(STEP3)から吸着過渡応答信号を計測するタイミング(STEP5)との間に時間が空く場合があり、その間に温度が変化する可能性がある。従って、乖離過渡応答信号を計測するタイミング(STEP2)での温度と、吸着過渡応答信号を計測するタイミング(STEP5)での温度と、検出過渡応答信号を計測するタイミング(STEP8)での温度とが異なる可能性がある。この場合、溶着の有無を検出するための検出マージンが少なくなり、当該検出マージンの点で改善の余地が残されている。
上記を改善するために、乖離過渡応答信号と吸着過渡応答信号とを温度差が無い状態で計測し、閾値を設定することが考えられる。電源PWをオンしてから電磁継電器が動作するまでの動作バリエーションを考えると、電源PWをオンすると自動的に電磁継電器を動作する場合は、外部信号の入力待ち(図示せず)をしないので、乖離過渡応答信号の計測タイミングと吸着過渡応答信号の計測タイミングとの間に時間差がほとんど生じない。このため、温度差による上記問題は生じない。しかしながら、外部信号に応答して電磁継電器を動作する場合は、外部信号の入力待ちが長時間に渡る可能性があるので、乖離過渡応答信号の計測タイミングと吸着過渡応答信号の計測タイミングとの間に温度差が生じるおそれがある。
(乖離過渡応答信号S2の繰り返し計測)
図27は、実施の形態2に係る溶着検出システム1の動作を示すフローチャートである。図28(a)は上記溶着検出システム1に係る乖離パルス信号S1を示す波形図であり、(b)は上記乖離パルス信号S1に基づいて生成される乖離過渡応答信号(第1過渡応答信号)S2を示す波形図である。実施の形態2に係る溶着検出システム1は、実施の形態1に係る溶着検出システム1と同じ構成を有する。後述する実施の形態の溶着検出システム1も同様である。
外部信号に応答して電磁継電器2を動作する場合は、電磁継電器2を動作するタイミングが未知であるので、温度変化に対応するため、乖離過渡応答信号S2を所定期間T1(例えば1分)ごとに計測し直す。
まず、可動接点9が固定接点10から乖離している状態において、溶着検出回路4の電源PWをオンにする(STEP1)。そして、制御回路5は、時刻t8に乖離パルス信号S1をトランジスタTR1に印加する。すると、コイル電流の乖離過渡応答信号S2が、制御回路5に入力される(STEP2)。
次に、外部信号の入力があるか否かを制御回路5は判断する(STEP10)。外部信号の入力が無いと判断したときは(STEP10でNO)、一定時間T1が経過するまで待機し(STEP11)、STEP2へ戻る。
外部信号の入力があると判断したときは(STEP10でYES)、制御回路5が吸着信号S0をトランジスタTR1に供給し、可動接点9が固定接点10に吸着して電磁継電器2が動作する(STEP3)。以下、図4で説明した動作(STEP4〜STEP9)と同様にして溶着の有無を判定する。
このように、一定時間ごとに乖離過渡応答信号S2を計測しなおして、乖離過渡応答信号S2を更新すると、乖離過渡応答信号S2の計測時の温度と、吸着過渡応答信号S8の計測時の温度との温度差を解消することができる。
(外部信号受信後の乖離過渡応答信号S2の計測)
図29は、上記溶着検出システム1の他の動作を示すフローチャートである。図30(a)は上記他の動作における外部信号S13を示す波形図であり、(b)は上記他の動作における乖離パルス信号S1、吸着信号S0及び吸着パルス信号S3を示す波形図であり、(c)は上記他の動作における乖離過渡応答信号(第1過渡応答信号)S2及び過渡応答信号S4を示す波形図である。
外部信号を受信してから電磁継電器2が動作するまでの反応時間が過渡応答信号計測に要する時間の分だけ長くても良い場合(概ね10m秒〜1秒程度)は、外部信号を受信した後に乖離過渡応答信号S2を計測し、電磁継電器2を動作させてもよい。乖離過渡応答信号S2の計測時と、吸着過渡応答信号S8の計測時との時間差が短縮できるので、乖離過渡応答信号S2の計測時の温度と、吸着過渡応答信号S8の計測時の温度との温度差を解消することができるからである。
まず、可動接点9が固定接点10から乖離している状態において、溶着検出回路4の電源PWをオンにする(STEP1)。次に、外部信号の入力があるか否かを制御回路5は判断する(STEP10)。外部信号の入力が無いと判断したときは(STEP10でNO)、STEP10へ戻る。
時刻t11において外部信号S13が制御回路5に入力されると、制御回路5は外部信号の入力があると判断し(STEP10でYES)、時刻t12において乖離パルス信号S1をトランジスタTR1に印加する。すると、コイル電流の乖離過渡応答信号S2が、制御回路5に入力される(STEP2)。
そして、時刻t13において制御回路5が吸着信号S0をトランジスタTR1に供給し、可動接点9が固定接点10に吸着して電磁継電器2が動作する(STEPS3)。その後、時刻t28において、制御回路5が吸着パルス信号S3を供給して可動接点9を省電力で保持すると、コイル電流の吸着過渡応答信号S7が、制御回路5に供給される(STEP4)。そして、時刻t29において、デューティを増大させる吸着パルス信号S3を供給すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8が、制御回路5により計測される(STEP5)。以下、図4で説明した動作(STEP6〜STEP9)と同様にして溶着の有無を判定する。
このように、外部信号を受信した後に乖離過渡応答信号S2を計測し、電磁継電器2を動作しても、乖離過渡応答信号S2の計測時の温度と、吸着過渡応答信号S8の計測時の温度との温度差を解消することができる。
(吸着過渡応答信号S8A〜S8Cの繰り返し計測)
図31は、上記溶着検出システム1のさらに他の動作を示すフローチャートである。図32は、上記さらに他の動作における上記閾値の更新方法を説明するための波形図である。図33(a)は上記さらに他の動作における吸着パルス信号S3を示す波形図であり、(b)は上記さらに他の動作における吸着過渡応答信号(第2過渡応答信号)S8A〜S8Cを示す波形図である。
吸着過渡応答信号の計測時と検出過渡応答信号の計測時との間が長時間になる場合がある(例えば、数時間以上)。このような場合にも、吸着過渡応答信号の計測時と検出過渡応答信号の計測時とで温度差が無い状態で計測するために、所定時間ごとに吸着過渡応答信号を計測して閾値を更新する。
まず、可動接点9が固定接点10から乖離している状態において、溶着検出回路4の電源PWをオンにする(STEP1)。そして、制御回路5は、乖離パルス信号S1をトランジスタTR1に印加する。すると、可動接点9が固定接点10から乖離した状態の励磁コイル6のコイル電流の乖離過渡応答信号S2が、制御回路5に入力される(STEP2)。
次に、制御回路5が吸着信号S0をトランジスタTR1に供給すると、可動接点9が固定接点10に吸着して電磁継電器2が動作する(STEP3)。その後、制御回路5が吸着信号S0のデューティを変更して可動接点9を省電力で保持すると、コイル電流の吸着過渡応答信号S7が、制御回路5に供給される(STEP4)。そして、時刻t14でデューティを増大させる吸着パルス信号S3を供給すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8Aが、制御回路5により計測される(STEP5)。そして、乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8Aとの間に閾値Thを設定する(STEP6)。
乖離過渡応答信号S2及び吸着過渡応答信号S8Aが同一個体に基づいており、温度が同じであれば、乖離過渡応答信号S2から吸着過渡応答信号S8Aを減算した波形は、インダクタンスの個体差、温度によって、殆ど変らない。一方、乖離過渡応答信号S2及び吸着過渡応答信号S8Aのそれぞれの波形を個別に観ると、インダクタンスの個体差、温度によって波形が変わる。例えば、異なる温度の乖離過渡応答信号S2同士を比較すると波形が異なるし、異なるインダクタの乖離過渡応答信号S2同士を比較しても波形が異なる。このため、例えば以下のようにして閾値Thを更新していく。
上記閾値Thは、
Th=S8A+((S2−S8A)/2) …(式3)
により設定する。
次に、制御回路5は、電磁継電器2を復帰するための外部信号が入力されたか否かを判断する(STEP13)。電磁継電器2を復帰するための外部信号が入力されていないと判断したときは(STEP13でNO)、STEP4に戻る。
そして、時刻t15で次の吸着過渡応答信号S8Bを計測すると(STEP5)、閾値を更新する(STEP6)。
上記閾値Thは、
Th=S8B+((S2−S8A)/2) …(式4)
により更新する。
所定時間経過後(STEP12)、上記信号が入力されていないと判断し(STEP13でNO)、可動接点9を省電力で保持し(STEP4)、時刻t16でさらに次の吸着過渡応答信号S8Cを計測したときは(STEP5)、
閾値Thは、
Th=S8C+((S2−S8A)/2) …(式5)
により更新する(STEP6)。
電磁継電器2を復帰するための外部信号が入力されたと判断したときは(STEP13でYES)、制御回路5がトランジスタTR1への吸着パルス信号S3の供給を停止することで、可動接点9は固定接点10から乖離して電磁継電器2が復帰する(STEP7)。
そして、制御回路5が検出パルス信号S9をトランジスタTR1に供給すると、制御回路5は、コイル電流の検出過渡応答信号S10を計測する(STEP8)。そして、制御回路5は、検出過渡応答信号S10と閾値Thとに基づいて、可動接点9の溶着の有無を検出する(STEP9)。
なお、STEP13の処理は、STEP4とSTEP5との間に追加してもよいし、STEP5とSTEP6との間、STEP6とSTEP12との間に追加してもよい。
図34(a)は電磁継電器2の動作経過時間と励磁コイル6の抵抗値との間の関係を示すグラフであり、(b)は電磁継電器2の周囲温度と動作信号の下限デューティとの間の関係を示すグラフである。
吸着過渡応答信号の計測時間間隔D2、D3(図33)は、温度変化による過渡応答信号の変化が閾値に対して許容できる範囲であれば、互いに異なっていてよい。図34 (a)の曲線C1に示すように、動作信号を供給している間、励磁コイル6には或る電流が流れ続ける為、励磁コイル6が発熱して温度が上がっていく。しかし、時間の経過とともに、励磁コイル6の発熱による温度変化は穏やかになっていき、いずれ定常状態に落ち着いていく。このため、閾値の更新時間間隔(吸着過渡応答信号の計測時間間隔)を、通電経過時間とともに長くしてもよい。例えば、D2<D3とする。
また、省電力保持の方法として、電流検出抵抗R1に流れる電流が一定になるようデューティをコントロールする定電流保持がある。この方法は、電源電圧や温度が変わった場合、励磁コイルに流れる電流を一定にする為にデューティをコントロールする。電源電圧を制御回路5で計測すれば、デューティの変化の要因(電源電圧変化と温度変化)の切り分けができるので、デューティの変化から温度変化を検出することが出来る。例えば、図32(b)の線C2、C3に示すように、可動接点9を固定接点10に保持する定電流保持のパルス信号のデューティが、温度及び電源電圧により変化することに着目し、定電流により可動接点9を固定接点10に保持しているときに、温度変化によってデューティが一定値以上変化したときに吸着パルス信号S3を供給して閾値を更新してもよい。
また、乖離過渡応答信号S2又は吸着過渡応答信号S8にノイズが重畳している場合は、ノイズが重畳した閾値になってしまうので、閾値の更新を行わずに初期閾値、前回更新したときの閾値を用いてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3は、過渡応答信号が電源電圧、励磁コイルの抵抗値の影響を受けて変動するという課題を解決する。上記電源電圧、励磁コイルの抵抗値の影響は、乖離過渡応答信号でも吸着過渡応答信号でも受ける。以下、乖離過渡応答信号の電源電圧の影響による変動の課題を例に挙げて説明するが、吸着過渡応答信号も乖離過渡応答信号と同様にして上記課題を解決することができるし、励磁コイルの抵抗値の影響による変動の課題も同様にして解決することができる。
(電源電圧変動の影響)
図35は、実施の形態3に係る溶着検出システム1の解決課題を説明するための波形図であり、(a)は乖離パルス信号S1を示すグラフであり、(b)は上記乖離パルス信号S1に基づく乖離過渡応答信号S2が電源電圧の変動に応じて変化する態様を示すグラフである。
乖離パルス信号S1のデューティが一定であれば、電源PWの電圧が増大すると、乖離過渡応答信号S2よりも大きい乖離過渡応答信号S2Aが生成される。そして、電源電圧が低下すると、乖離過渡応答信号S2よりも小さい乖離過渡応答信号S2Bが生成される。電源電圧が10%変化したとき、励磁コイル6に流れるコイル電流は10%変化する。このように、電源電圧が変動すると、コイル電流の過渡応答信号も変動するので、溶着の有無を検出するための検出マージンが少なくなり、当該検出マージンの点で改善の余地が残されている。
(パルス信号のデューティ制御)
図36は、実施の形態3に係る乖離パルス信号のデューティを制御する方法を説明するためのグラフであり、(a)は電源電圧が高い時の乖離パルス信号S1Aを示す波形図であり、(b)は電源電圧が低いときの乖離パルス信号S1Bを示す波形図であり、(c)は乖離パルス信号のデューティを制御することにより一定になった乖離過渡応答信号S2を示す波形図である。
電源電圧がより高い時は、デューティがより小さい乖離パルス信号S1Aにより乖離過渡応答信号S2を生成し、電源電圧がより低い時は、デューティがより大きい乖離パルス信号S1Bにより乖離過渡応答信号S2を生成する。
図37は、上記乖離パルス信号のデューティを制御する具体的方法を説明するためのグラフである。デューティを制御して定常状態から過渡応答を経た次の定常状態までのコイル電流の変化幅(目標電流)を一定にコントロールする方法を説明する。まず、時刻t26において電流値を計測しておく。次に、時刻t21において、制御回路5(図2)は、予め定められた低めのデューティに基づく乖離パルス信号をトランジスタTR1に印加する。すると、励磁コイル6のコイル電流の過渡応答信号S26が、増幅器Ampから制御回路5に入力される。そして、時刻t22において制御回路5は過渡応答後の定常状態の電流を増幅器Ampから取得する。次に、制御回路5は、時刻t26で取得した電流と前記取得した過渡応答後の時刻t22における定常状態の電流に基づいて、デューティを再設定する。
その後、時刻23において制御回路5は、設定した再デューティに基づく乖離パルス信号をトランジスタTR1に印加する。すると、励磁コイル6のコイル電流の過渡応答信号S27が、増幅器Ampから制御回路5に入力される。そして、時刻t24において制御回路5は過渡応答後の定常状態の電流を増幅器Ampから取得する。次に、制御回路5は、前記取得した過渡応答後の時刻t24における定常状態の電流と時刻t26で計測した電流の差分が、目標電流値に適しているか否かを判断する。
上記定常状態の電流が、目標電流値に適していないときは、制御回路5は、デューティを再設定し、過渡応答後の前記定常状態の電流が前記目標電流値に適するまで、前記手順を繰り返す。
上記の方法により、定常状態から過渡応答を経た次の定常状態までのコイル電流の変化幅を一定にするために、デューティをどれだけ変化させれば良いかが分かる。過渡応答信号を計測する方法としては、例えば制御回路5は、時刻t25において、デューティを逆方向に変化させた乖離パルス信号をトランジスタTR1に印加すれば励磁コイル6のコイル電流の過渡応答信号S28が計測できる。
例えば、
デューティ変化幅=目標電流÷Δ計測電流×Δ設定デューティ
により表される式で、乖離パルスのデューティを設定して過渡応答信号を計測する。
例えば、過渡応答させる前の時刻t26における設定デューティが0%で、この時0mAとする。ここから、100mA変化させたときの過渡応答を計測したい場合は、時刻t21においてデューティを0→10%に設定して、時刻t22における電流値が40mAとすると、
デューティ変化幅=(100−0)÷(40−0)×(10−0)=25%
となる。時刻t23においてデューティを10%から25%に設定変更して、時刻t24における電流値が100mAであれば、時刻t24における電流値と時刻t26における電流値との差分が100mAとなり、目標電流と一致するため、デューティを25%変化させたときの過渡応答信号S2を計測すればよい。
このように、定常状態から過渡応答を経た次の定常状態までのコイル電流の変化幅が一定になるように、パルス信号のデューティを制御することにより、電源電圧の変動に関わらず、コイル電流を一定にすることができる。このため、電源電圧の変動によるコイル電流の過渡応答信号の変動を解消することができる。
(過渡応答信号の正規化)
図38(a)は上記乖離パルス信号に基づく乖離過渡応答信号が電源電圧の変動に応じて変化する態様を示すグラフであり、(b)は正規化された乖離過渡応答信号を示すグラフである。
電源電圧が増大すると、乖離過渡応答信号S2よりも大きい乖離過渡応答信号S2Aが生成される。そして、電源電圧が低下すると、乖離過渡応答信号S2よりも小さい乖離過渡応答信号S2Bが生成される。
過渡応答後の定常状態の電流値を100%として数値計算によりコイル電流の過渡応答信号を正規化すると、電源電圧の変動によるコイル電流の過渡応答信号の変動を解消することができる。
(実施の形態4)
(可動接点9の位置検出)
図39は、実施の形態4に係る溶着検出システム1の動作を示すフローチャートである。実施の形態4は、電磁継電器2を動作させる前に可動接点9の位置を検出する。
実施の形態4は、周囲環境が変わっても、その周囲環境に応じて設定したn回目の閾値に基づいて、(n+1)回目の動作において電磁継電器2が動作する前に異常判定を行う。例えば、n回目の動作で溶着したが(電磁継電器2への動作信号の供給を停止しても吸着状態のままである)、メンテナンス(例えば、電磁継電器2の入れ替え)を行わず、次に動作させようとしたとき、(n+1)回目の動作において電磁継電器2を動作させる前に鉄芯の動作の異常を検出する。
なお、メンテナンスにより電磁継電器を入れ替えた後の(n+1)回目の動作では、入れ替え前の別の電磁継電器の閾値が残っている。このため、1回動作させて入れ替えた新しい電磁継電器の閾値に更新するか、または、前の閾値をリセットして初期閾値を設定する初期閾値設定モードを設けてもよい。
まず、図4で説明したように、乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8とに基づく閾値と、検出過渡応答信号S10とに基づいて可動接点9の溶着の有無を判定する(STEP1〜STEP9)。そして、電源PW(図1)をオフし、溶着検出システム1のn回目の動作を終了する(STEP15)。
その後、上記電源PWをオンして、(n+1)回目の動作を開始する(STEP1)。そして、制御回路5は、乖離パルス信号S1をトランジスタTR1に印加する。すると、励磁コイル6のコイル電流の乖離過渡応答信号S2(第2乖離過渡応答信号)が、制御回路5に入力される(STEP2)。
次に、制御回路5は、n回目の動作中のSTEP6で設定した閾値と、(n+1)回目の動作中のSTEP2で計測した乖離過渡応答信号S2とに基づいて、可動接点9が乖離しているか吸着しているかを判断する(STEP16)。
上記n回目の動作の閾値設定は、例えば、溶着検出システム1の出荷前に実施すればよい。また、溶着検出システム1を、電気自動車、蓄電池システム等の機器に組み込むときに、動作確認としてn回目の動作の閾値設定を実施しても良い。この場合は、機器に組み込んだ時の周囲環境を加味した閾値を設定することができる。さらに、電磁継電器交換時、定期検査時、改造時を含むメンテナンス時に、上記n回目の動作の閾値設定を実施しても、周囲環境を加味した閾値を設定することができる。
(実施の形態5)
(可動接点9の動作不良検出)
図40は、実施の形態5に係る溶着検出システム1の動作を示すフローチャートである。
実施の形態1〜4では、可動接点9の溶着を検出する例を説明した。しかしながら、本発明は溶着を検出する構成に限定されない。例えば、実施の形態4は、電磁継電器2に動作信号を供給しても可動接点9が動かない動作不良を検出する。
まず、溶着検出回路4の電源PWをオンにする(STEP1)。そして、制御回路5は、乖離パルス信号S1をトランジスタTR1に印加する。すると、励磁コイル6のコイル電流の乖離過渡応答信号S2が、制御回路5に入力される(STEP2)。次に、制御回路5が、電磁継電器2を動作させるために、吸着信号S0をトランジスタTR1に供給する(STEP3)。
その後、制御回路5が、可動接点9を省電力で保持するために、吸着信号S0のデューティを変更すると、コイル電流の吸着過渡応答信号S7が、制御回路5に供給される(STEP4)。そして、吸着信号S3のデューティを増大させるように変更すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8が、制御回路5により計測される(STEP5)。そして、乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8とに基づいて、溶着の有無を判定するための閾値Thを設定する(STEP6)。
図41は、上記溶着検出システムの電磁継電器の動作不良を検出する方法を説明するためのグラフである。乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8との差分を表す過渡応答差分波形S12Aの最大値が、予め定められた所定の値以上である場合に、電磁継電器2への動作信号の供給に応じて可動接点9が正常に動いて吸着したと判断する。そして、過渡応答差分波形S12Aの最大値が、上記所定の値未満である場合に、電磁継電器2への動作信号の供給に応じて可動接点9が動かず、動作不良と判断する。例えば、図41に示す過渡応答差分波形S12Bのように、差分がほとんどゼロである場合は、上記所定の値未満であることが明らかであり、電磁継電器2への動作信号の供給に応じて可動接点9が動かず、動作不良と判断する(STEP14)。
この可動接点9が動かない状態は、可動接点9が吸着したままの状態が継続している異常吸着状態(溶着)の場合と、可動接点9が乖離したままの状態が継続している異常乖離状態の場合とが想定される。前回の閾値に基づいて上記異常吸着状態と上記異常乖離状態と判別することが可能である。
例えば、図39で前述した方法により、電磁継電器を動作させるSTEP3よりも前の可動接点9の状態(乖離状態又は吸着状態)を判定することができる。そして、実施の形態5により可動接点9の動作(動くか動かないか)を判定することができる。このため、図40に示される異常吸着状態、異常乖離状態、及び正常状態を判別することができる。
また、過渡応答差分波形S12Aの積分値が予め定められた所定の値以上である場合に、電磁継電器2への動作信号の供給に応じて可動接点9が正常に動いて吸着したと判断し、過渡応答差分波形S12Aの積分値が、上記所定の値未満である場合に、電磁継電器2のオンに応じて可動接点9が動かず、動作不良と判断するようにしてもよい。さらに、検出過渡応答信号と閾値との大小関係に応じた時間幅に基づいて上記動作不良を検出するように構成してもよい。
(実施の形態6)
(可動接点9の乖離動作不良検出)
図42は、実施の形態6に係る溶着検出システム1の動作を説明するための波形図であり、(a)は吸着パルス信号(第2検出パルス信号)S3を示す波形図であり、(b)は吸着過渡応答信号S8A〜S8Cを示す波形図である。図43は、実施の形態6に係る溶着検出システム1の動作を示すフローチャートである。
実施の形態6は、電磁継電器2に動作信号を供給しているにもかかわらず、衝撃等により可動接点9が固定接点10から乖離して復帰する動作不良を検出する。
制御回路5が時刻t17において吸着信号S0のデューティを変更して可動接点9を省電力で保持すると、コイル電流の吸着過渡応答信号S7Aが、制御回路5に供給される。そして、時刻t14において吸着パルス信号S3のデューティを増大させるように変更すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8A(第2過渡応答信号)が、制御回路5により計測される(STEP5A)。その後、乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8Aとに基づいて、溶着の有無を検出するための閾値を設定する(STEP6A)。
閾値Thは、
Th=S8A+((S2−S8A)/2) …(式3)
により設定する。
次に、時刻t18において、吸着パルス信号S3のデューティを元に戻すように変更すると、可動接点9が省電力保持され、コイル電流の立ち下がりの吸着過渡応答信号S7Bが、制御回路5により計測される。そして、時刻t15において吸着パルス信号S3のデューティを増大させるように変更すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8B(他の第2過渡応答信号)が、制御回路5により計測される(STEP5B)。
その後、吸着過渡応答信号S8Bの値が上記閾値以下であるか否かを制御回路5が判断する(STEP17)。吸着過渡応答信号S8Bの値が上記閾値以下でないと判断されたときは(STEP17でNO)、電磁継電器2の動作中に可動接点9が固定接点10から乖離したと制御回路5は判定する(STEP19)。
吸着過渡応答信号S8Bの値が上記閾値以下であると判断されたときは(STEP17でYES)、乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8Bとに基づいて、溶着の有無を検出するための閾値を更新する(STEP6B)。
閾値Thは、
Th=S8B+((S2−S8A)/2) …(式4)
により更新する。
そして、時刻t19において吸着パルス信号S3のデューティを元に戻すように変更すると、可動接点9が省電力保持され、コイル電流の立ち下がりの吸着過渡応答信号S7Cが、制御回路5により計測される(STEP4B)。
次に、電磁継電器2を復帰するための外部信号を受信したか否かを判断する(STEP18)。上記信号を受信したと判断されたときは(STEP18でYES)、図4に示すSTEP7に移る。上記信号を受信したと判断されないときは(STEP18でNO)、時刻t16において吸着信号S3のデューティを増大させるように変更し、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8C(他の第2過渡応答信号)が、制御回路5により計測される(STEP5B)。
その後、吸着過渡応答信号S8Cの値が上記閾値以下であるか否かを制御回路5が判断する(STEP17)。吸着過渡応答信号S8Cの値が上記閾値以下でないと判断されたときは(STEP17でNO)、電磁継電器2の動作中に可動接点9が固定接点10から乖離したと制御回路5は判定し(STEP19)、処理を終了する。
吸着過渡応答信号S8Cの値が上記閾値以下であると判断されたときは(STEP17でYES)、乖離過渡応答信号S2と吸着過渡応答信号S8Cとに基づいて、溶着の有無を検出するための閾値を更新する(STEP6B)。
閾値Thは、
Th=S8C+((S2−S8A)/2) …(式5)
により更新する。
以下、省電力保持が実行され(STEP4B)、電磁継電器2を復帰するための外部信号を受信したか否かが判断され(STEP18)、前述と同様の処理が繰り返される。
なお、STEP18は、STEP5BとSTEP17との間に追加してもよいし、STEP17とSTEP6Bとの間、STEP6BとSTEP4Bとの間に追加してもよい。
(実施の形態7)
(溶着検出回路4の変形例)
図44は、実施の形態8に係る溶着検出システム1の構成を示す回路図である。図1で説明した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。後述する回路図も同様である。
前述した実施の形態1〜6では、図2に示す溶着検出回路4を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。図44の溶着検出回路4Aに示すように、電流検出抵抗R1を電磁継電器2と電源PWとの間に配置してもよい。なお、図44に示す溶着検出回路4は、実施の形態1〜6にも適用することができる。後述する図45〜図50に示す溶着検出回路も同様に実施の形態1〜6にも適用することができる。
図45は、上記回路図の溶着検出システム1の変形例である。電流検出抵抗R1に電流が流れたときでも、トランジスタTR1のゲート・ソース間電圧が設計として許容できる場合は、図45の溶着検出回路4Bに示すように、電流検出抵抗R1をトランジスタTR1とグランドGNDとの間に配置してもよい。この構成によれば、増幅器Ampに汎用増幅器を使用することができ、広いコモンモード電圧に対応できる増幅器を使用する必要がなくなる。
図45の溶着検出回路4Bに示すように、電流検出抵抗R1を回生ダイオードD1のループの外側に配置すると、電流検出抵抗R1が接続されたトランジスタTR1がオンしている間だけ励磁コイル6に流れる電流を計測することができる。従って、制御回路5は、流検出抵抗R1が接続されたトランジスタTR1のオンに同期してA/D端子による計測をすればよい。電流検出抵抗R1の抵抗値は、可動接点9の吸着保持中に過渡応答信号を取得できるように決定すればよい。後述する図46〜図48に示される溶着検出回路も同様である。電流検出抵抗R1を大きくすれば、増幅回路の増幅率を低減することができるか、図48の構成のように、増幅回路自体をなくすこともできる。
図46は、上記回路図の溶着検出システム1の他の変形例である。電流検出抵抗R1が、トランジスタTR1のオン抵抗よりも大きくトランジスタTR1のオン抵抗が誤差として許容できる場合は、図46の溶着検出回路4Cに示すように、電流検出抵抗R1を、回生ダイオードD1のループの外側に配置し、増幅器Ampに汎用増幅器を使用してもよい。
トランジスタTR1のオン抵抗が誤差として許容できない場合は、図47の溶着検出回路4Dに示すように、電流検出抵抗R1を、回生ダイオードD1のループの外側に配置し、電流検出抵抗R1の両側に差動増幅器である増幅器Ampを接続するように構成してもよい。
図48は、実施の形態7に係る他の溶着検出システム1の構成を示す回路図である。電磁継電器駆動回路21のトランジスタTR1(他のスイッチング素子)は、損失が少ない代わりに電流値を計測することができない。溶着検出回路4EのトランジスタTR2(スイッチング素子)は、電流検出抵抗R1が設けられているので損失が大きいが、電流値を計測することができる。
そこで、乖離過渡応答信号、吸着過渡応答信号を計測するとき、および、定電流保持中の電流値を計測するときは、トランジスタTR2を駆動し、それ以外の吸着パルス信号S3を印加するときはトランジスタTR1を駆動する。
図33を参照すると、制御回路5が時刻t17において吸着パルス信号S3のデューティを変更して電磁継電器駆動回路21のトランジスタTR1(他のスイッチング素子)に供給し、可動接点9を省電力で保持する時、トランジスタTR2はオフなので過渡応答信号S7は制御回路5に供給されない。そして、駆動するトランジスタをトランジスタTR1からトランジスタTR2に切り替えて時刻t14において吸着パルス信号S3のデューティを増大させるように変更すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8Aが、制御回路5により計測される。
次に、時刻t18において、トランジスタTR2からトランジスタTR1に切り替えて吸着パルス信号S3のデューティを元に戻すように変更すると、可動接点9が省電力保持されるが、トランジスタTR2がオフなのでコイル電流の立ち下がりの吸着過渡応答信号は、制御回路5により計測されない。そして、トランジスタTR1からトランジスタTR2に切り替えて時刻t15において吸着パルス信号S3のデューティを増大させるように変更すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8Bが、制御回路5により計測される。
そして、トランジスタTR2からトランジスタTR1に切り替えて時刻t19において吸着パルス信号S3のデューティを元に戻すように変更すると、可動接点9が省電力保持されるが、コイル電流の立ち下がりの吸着過渡応答信号が、制御回路5により計測されない。次に、トランジスタTR1からトランジスタTR2に切り替えて時刻t16において吸着パルス信号S3のデューティを増大させるように変更すると、コイル電流の立ち上がりの吸着過渡応答信号S8Cが、制御回路5により計測される。
この構成によれば、電磁継電器2が動作中で過渡応答信号を計測していないとき、電流検出抵抗R1による損失が発生しない。
図49は、実施の形態7に係るさらに他の溶着検出システムの構成を示す回路図である。図49の溶着検出回路4Fに示すように、トランジスタTR1を電磁継電器2と電源PWとの間に配置するハイサイドスイッチの構成にしてもよい。この構成によれば、増幅器Ampに汎用増幅器を使用することができ、広いコモンモード電圧に対応できる増幅器を使用する必要がなくなる。
図50は、実施の形態7に係るさらに他の溶着検出システムの構成を示す回路図である。図50の溶着検出回路4Gに示すように、図2の溶着検出回路4に対して、ツェナーダイオードD4、トランジスタTR3・TR4、抵抗R2・R3を追加すると、電磁継電器2の復帰時間を短くすることができる。
図51は、実施の形態8に係るさらに他の溶着検出システムに設けられた励磁コイルの構成を示す断面図である。前述した実施の形態では、図3に示すように1個の励磁コイル6を有する電磁継電器2を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。図49に示すように、電磁継電器2は、2個の励磁コイル6・6Aを有してもよいし、3個以上の励磁コイルを有していてもよい。
図52は、上記さらに他の溶着検出システムに設けられた他の電磁継電器2aの構成を示す断面図である。前述した図2、図51では、励磁コイル6の中心軸方向に往復可能に設けられた駆動軸7に可動鉄芯8を固定し、励磁コイル6への電流の供給又は遮断に伴って可動鉄芯8に発生する電磁力によって、駆動軸7に固定された可動接点9を固定接点10に吸着もしくは乖離するようにしたプランジャー型の電磁継電器2の例を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、図52に示すように、ヒンジ型の電磁継電器2aに対しても本発明を適用することができる。
電磁継電器2aは、一対の固定接点32・35の間に配置された可動接点31と、可動接点31に連結されたカード部材34と、カード部材34に連結された可動鉄片37と、励磁コイルに挿入された鉄心の吸着面33と、可動鉄片37を反時計回りに付勢するヒンジバネ36とを備えている。
図52に示すように、動作信号が供給されていない時、可動接点31は、固定接点(常閉接点)32と導通している。動作信号を供給して励磁コイルに電流を流すと、電磁力によって鉄心の吸着面33に可動鉄片37が吸着して回動し、カード部材34を押す。すると、可動接点31が固定接点32から離れて固定接点(常開接点)35と導通する。
動作信号の供給を停止すると電磁力が消滅し、ヒンジバネ36の付勢力により可動鉄片37が反時計回りに回動して鉄心の吸着面33から離れる。これにより、可動接点31は、固定接点35から離れて固定接点32と導通する。
このように、動作信号を供給したときに、可動接点31と固定接点35とは閉成し、可動接点31と固定接点32とは開成する。
鉄心の吸着面33に可動鉄片37が吸着したときと、吸着面33から可動鉄片37が離れたときとでは、励磁コイルの磁気特性が変化するので、励磁コイルのインダクタンスが変化する。このため、図52に示すヒンジ型の電磁継電器2aに対しても、図2、図51に示すプランジャー型の電磁継電器2と同様に本発明を適用することができる。
また、コイルに励磁入力を加えたとき動作し、励磁入力を除去したとき復帰するシングルステイブルリレー(単安定リレー)の例を示したが、本発明はこれに限定されない。コイルに励磁入力を加えたとき動作又は復帰し、励磁入力を除去した後もその状態を保つラッチングリレー(双安定リレー)に対しても本発明を適用することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器の異常検出方法、異常検出回路、及び、異常検出システムに利用することができる。
また、本発明は、電気自動車の車両側コネクタと車載バッテリとの間の充電用ラインに配置された電磁継電器、及び、蓄電池システムに配置された電磁継電器の異常検出方法、異常検出回路、及び、異常検出システムに利用することができる。
1 溶着検出システム(異常検出システム)
2 電磁継電器
3 溶着検出モジュール
4 溶着検出回路(異常検出回路)
5 制御回路
6 励磁コイル
7 駆動軸
8 可動鉄芯
9 可動接点
10 固定接点
S0 吸着信号(動作信号)
S1 乖離パルス信号(第1検出パルス信号)
S2 乖離過渡応答信号(第1過渡応答信号)
S3 吸着パルス信号(第2検出パルス信号)
S4 過渡応答信号
S6 吸着過渡応答信号(第2過渡応答信号)
S8 吸着過渡応答信号(第2過渡応答信号)
S9 検出パルス信号
S10 検出過渡応答信号(第3過渡応答信号)
S12A 過渡応答差分波形
S13 外部信号
TR1 トランジスタ(他のスイッチング素子)
TR2 トランジスタ(スイッチング素子)
Th 閾値

Claims (12)

  1. 励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器の異常検出方法であって、
    前記可動接点が前記固定接点に対して動作していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記可動接点が前記固定接点に対して動作している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出することを特徴とする電磁継電器の異常検出方法。
  2. 前記励磁コイルに前記コイル電流を供給するためのスイッチング素子に前記第1検出パルス信号を印加して前記第1過渡応答信号を生成し、
    前記スイッチング素子に前記第2検出パルス信号を印加して前記第2過渡応答信号を生成し、
    前記第1検出パルス信号の周期は、前記第1過渡応答信号との関係で十分に短く、
    前記第2検出パルス信号の周期は、前記第2過渡応答信号との関係で十分に短い請求項1に記載の電磁継電器の異常検出方法。
  3. 前記第1過渡応答信号と前記第2過渡応答信号とに応じて設定した閾値に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出する請求項1に記載の電磁継電器の異常検出方法。
  4. 前記閾値と、第3検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第3過渡応答信号との大小関係に応じた時間幅に基づいて前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出する請求項3に記載の電磁継電器の異常検出方法。
  5. 前記閾値と、第3検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第3過渡応答信号と、前記第1過渡応答信号と前記第2過渡応答信号との差分が最大になる時刻とに基づいて前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出し、又は、前記第3過渡応答信号前記閾値との差分の積分値の正負に基づいて前記動作異常を検出する請求項3に記載の電磁継電器の異常検出方法。
  6. 所定時間ごとに前記第1過渡応答信号を繰り返し生成するか、又は、前記可動接点を前記固定接点に対して動作させるために外部から供給されたオン信号に応じて前記第1過渡応答信号を生成するか、又は、前記第2過渡応答信号を所定時間ごとに繰り返し生成して前記閾値を更新する請求項3に記載の電磁継電器の異常検出方法。
  7. 前記第1検出パルス信号を供給する前の前記第1過渡応答信号の電流値と、前記第1検出パルス信号を供給している状態の前記第1過渡応答信号の電流の目標値との間の差分が一定となるように前記第1検出パルス信号のデューティを制御し、又は、前記第2検出パルス信号を供給する前の前記第2過渡応答信号の電流値と、前記第2検出パルス信号を供給している状態の前記第2過渡応答信号の電流の目標値との間の差分が一定となるように前記第2検出パルス信号のデューティを制御する請求項1に記載の電磁継電器の異常検出方法。
  8. 前記閾値を設定し、所定時間経過した後、第3検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第3過渡応答信号と前記閾値とに基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出する請求項3に記載の電磁継電器の異常検出方法。
  9. 前記第2過渡応答信号を生成し、所定時間経過後に前記第2検出パルス信号を供給して
    生成した他の第2過渡応答信号の値が前記閾値を超えたときに、前記電磁継電器の動作に異常が発生したと判定する請求項3に記載の電磁継電器の異常検出方法。
  10. 前記励磁コイルに前記コイル電流を供給するためのスイッチング素子に対して前記励磁コイルと並列に接続された他のスイッチング素子を駆動して前記可動接点を前記固定接点に対して動作させ、
    前記他のスイッチング素子をオフすると共に、前記第2検出パルス信号を前記スイッチング素子に印加して前記第2過渡応答信号を生成する請求項1に記載の電磁継電器の異常検出方法。
  11. 励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器の異常検出回路であって、
    前記可動接点が前記固定接点に対して動作していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記可動接点が前記固定接点に対して動作している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対する動作異常を検出する制御回路を備えたことを特徴とする電磁継電器の異常検出回路。
  12. 励磁コイルへの電流の供給又は遮断に伴って発生する電磁力によって可動接点と固定接点とが閉成もしくは開成する電磁継電器と、
    前記可動接点が前記固定接点に対して動作していない状態で、第1検出パルス信号を供給したときの前記励磁コイルのコイル電流の第1過渡応答信号と、前記可動接点が前記固定接点に対して動作している状態で、第2検出パルス信号を供給したときの前記コイル電流の第2過渡応答信号との少なくとも一方に基づいて、前記可動接点の前記固定接点に対
    する動作異常を検出する異常検出回路とを備えたことを特徴とする異常検出システム。
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