JP5659889B2 - 傾斜構造体及び分光センサーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、傾斜構造体及び分光センサーの製造方法に関する。
医療や農業、環境等の分野では、対象物の診断や検査をするために分光センサーが用いられている。例えば、医療の分野では、ヘモグロビンの光吸収を利用して血中酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターが用いられる。また、農業の分野では、糖分の光吸収を利用して果実の糖度を測定する糖度計が用いられる。
下記の特許文献1には、干渉フィルターと光電変換素子との間を光学的に接続する光ファイバーによって入射角度を制限することにより、光電変換素子への透過波長帯域を制限する分光イメージングセンサーが開示されている。しかし、従来の分光センサーにおいては、小型化が難しい。
特開平6−129908号公報
例えば、小型の分光センサーを作製するには、微小な傾斜構造体を形成することが求められる。しかし、従来の技術においては、微小な傾斜構造体を製造するのは困難であった。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様は、微小な傾斜構造体を製造可能な製造方法を提供することに関連している。
本発明の幾つかの態様において、傾斜構造体の製造方法は、基板の上方に第1の層を形成する工程(a)と、第1の層の上方に第2の層を形成する工程(b)と、第2の層に、基板の面と交差する方向の端面を形成する工程(c)と、第2の層の端面をエッチングすると同時に、第2の層の端面のエッチングによって露出した第1の層を順次エッチングする工程(d)と、を含む。
この態様によれば、半導体プロセスと親和性の高い工程によって、微小な傾斜構造体を容易に製造することができる。
上述の態様において、工程(d)では、基板の面方向における第2の層のエッチングレートは、第1の層のエッチングレートより大きいことが望ましい。
これによれば、傾斜角度が45[deg]より緩やかな傾斜構造体を容易に製造することができる。
上述の態様において、工程(b)と工程(c)との間、又は工程(c)と工程(d)との間に、第2の層に不純物のイオンを導入する工程(e)をさらに含むことが望ましい。
これによれば、第2の層の不純物濃度によってエッチングレートを調整することにより、傾斜構造体の傾斜角度を調整することができる。
上述の態様において、工程(e)は、第2の層に、互いに不純物濃度が異なる第1の領域及び第2の領域を形成し、工程(d)は、第1の領域内の上記端面と第2の領域内の上記端面とを同時にエッチングすることが望ましい。
これによれば、第2の層の不純物濃度によってエッチングレートを調整することにより、複数種類の傾斜角度を有する傾斜構造体を1回のエッチングで形成することができる。
上述の態様において、工程(b)と工程(c)との間に、第2の層の上方にレジスト層を形成する工程(f)をさらに含んでおり、工程(c)は、レジスト層をマスクとして第2の層の一部をエッチングすることによって上記端面を形成し、工程(d)は、第2の層の上面をレジスト層によって保護しつつ、第2の層の端面をエッチングすることが望ましい。
これによれば、第2の層の厚さが薄くても、傾斜構造体を製造することができる。
上述の態様において、工程(b)で形成される第2の層は、互いに厚さが異なる第3の領域及び第4の領域を有し、工程(f)は、第3の領域の上方及び第4の領域の上方に、レジスト層を形成し、工程(d)は、第3の領域内の上記端面と第4の領域内の上記端面とを同時にエッチングすることが望ましい。
これによれば、第2の層の厚さによってエッチングレートを調整することにより、複数種類の傾斜角度を有する傾斜構造体を1回のエッチングで形成することができる。
本発明の他の態様において、傾斜構造体の製造方法は、基板の第1の面に第1の層を形成する工程(a)と、第1の層の上方に第2の層を形成する工程(b)と、第2の層に、基板の第1の面と交差する方向の端面を形成する工程(c)と、第2の層の端面及び第1の層をエッチングする工程(d)と、を含む。そして、工程(d)では、基板の面方向における第2の層のエッチングレートは、第1の層のエッチングレートより大きく、工程(d)後の第1の層の基板の第1の面と交差する方向の端面が、基板の第1の面に対して、傾斜している。
この態様によれば、半導体プロセスと親和性の高い工程によって、微小な傾斜構造体を容易に製造することができる。
本発明の他の態様において、分光センサーの製造方法は、基板に受光素子を形成する工程と、受光素子の上方に、受光素子に向けて通過する光の入射方向を制限する角度制限フィルターを形成する工程と、角度制限フィルターの上方に、上述の方法によって傾斜構造体を形成する工程と、傾斜構造体の上方に多層膜を形成することにより、角度制限フィルターを通過できる光の波長を制限する分光フィルターを形成する工程と、を含む。
この態様によれば、半導体プロセスと親和性の高い工程によって、小型の分光センサーを製造することができる。
第1の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図。 第1の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図。 第1の実施形態でレジスト層を形成した状態を示す平面図及び断面図。 第2の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図。 第2の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図。 第3の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図。 第3の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図。 第4の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図。 第4の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図。 実施形態に係る傾斜構造体を用いた分光センサーの概略構成を示す断面図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。また同一の構成要素には同一の参照符号を付して説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図である。図3(A)は、第1の実施形態においてレジスト層を形成した状態を示す平面図であり、図3(B)は、図3(A)のB−B線断面図であり、図3(C)は、図3(A)のC−C線断面図である。なお、図1(F)は、図3(A)のF−F線断面を拡大した図に相当する。
<1−1.積層>
まず、図1(A)に示すように、基板10上に、傾斜構造体となる第1の層11を形成する。第1の層11としては、傾斜構造体に求められる性質に応じて、絶縁性材料或いは導電性材料を用いることができる。絶縁性材料としては、SiOF、PSG(phospho-silicate glass)、BPSG(boro-phospho-silicate glass)、SiO、SiN、有機膜等が挙げられる。導電性材料としては、Al、Au、Co、Cr、Cu、Mo、Ni、Pt、Ta、Ti、W、Al−Cu合金、Al−Si−Cu合金、Si、WSi、TiSi、CoSi、NiSi、CrSi、MoSi、TaSi、TaN、TiN等が挙げられる。第1の層11の厚さは、傾斜構造体に求められる傾斜面の高さに応じて設定される。なお、基板10上に第1の層11を直接形成する場合について説明したが、これに限らず、基板10と第1の層11との間に他の層が挟まれていても良い。
次に、図1(B)に示すように、第1の層11上に、犠牲層となる第2の層12を形成する。第2の層12としては、第1の層11と同様に、絶縁性材料或いは導電性材料を用いることができる。但し、第2の層12は、基板10の面方向におけるエッチングレートが、第1の層11のエッチングレートより大きい材料であることが望ましい。例えば、エッチング液として水で10倍に希釈した弗酸(HF)を用いる場合、第1の層11としてP−SiO(プラズマ化学気相成長法によって形成した酸化シリコン)を用い、第2の層12としてSOG(Spin on Glass)を用いることができる。また、第1の層11としてP−SiN(プラズマ化学気相成長法によって形成した窒化シリコン)を用い、第2の層12としてP−SiOを用いることができる。また、第1の層11としてTh−SiO(熱酸化によって形成した酸化シリコン)を用い、第2の層12としてP−SiOを用いることができる。
第2の層12の厚さは、第1の層11と後述のレジスト層13との間において、第2の層12の端面にエッチング液が作用する程度の厚さがあれば良く、第1の層11より薄いものとすることができる。
次に、図1(F)に示すように、第2の層12上の所定領域に、エッチング用マスクとなる所定形状のレジスト層13を形成する。図3に示すように、レジスト層13は、第1の層11及び第2の層12のほぼ全体を覆い、且つ第2の層12の一部が露出するように、開口13aを有している。
なお、第1の層11及び第2の層12は基板10上の全面に形成されていても良いし、図3に示すように所定形状にパターニングされていても良い。図3に示すように、第1の層11及び第2の層12を所定形状にパターニングし、その側面をレジスト層13等によって覆うことにより、後述のエッチング工程において図3(B)及び図3(C)の左右方向からエッチング液が浸入することを防止できる。
また、第1の層11及び第2の層12が基板10上の全面に形成されている場合でも、第1の層11及び第2の層12の側面を何らかの層で覆うことにより、エッチング液が侵入することを防止できる。
<1−2.エッチング>
次に、図2(G)〜図2(I)に示すように、第2の層12及び第1の層11のウェットエッチングを行う。このとき、まず図2(G)に示すように、第2の層12のレジスト層13によって上面を保護されていない露出部分からエッチングが始まる。第2の層12の露出部分がエッチングされると、第1の層11の一部(第2の層12のエッチングされた部分の下方部分)と、第2の層12の端面とが露出する。その後、露出した第1の層11と、第2の層12の端面とが同時にエッチングされる。
このとき、基板10の面方向における第2の層12のエッチングレートが第1の層11のエッチングレートより大きいので、図2(H)及び図2(I)に示すように、第2の層12の端面からのエッチングが早く進んでいく。第2の層12の端面がエッチングされると、第1の層11が順次露出するので、第1の層11のエッチングが順次開始される。従って、第2の層12の端面のエッチングを追いかけるようにして、第1の層11のエッチングが順次開始される。
ここで、図2(G)は時刻t=−tにおけるエッチングの進行状況を示し、図2(H)は時刻t=−tにおけるエッチングの進行状況を示し、図2(I)は時刻t=0におけるエッチングの進行状況を示すものとする。そして、図2(G)においては第1の層11と第2の層12との境界に位置する点gまでエッチングが進み、図2(H)において第1の層11と第2の層12との境界に位置する点hまでエッチングが進み、図2(I)において第1の層11と第2の層12との境界に位置する点Oまでエッチングが進んだものとする。
第2の層12のエッチングレート(エッチングの速さ)をvとすると、時刻t=−tから時刻t=0までの間に第2の層12において進むエッチングの距離(点gと点Oとの間の距離)は、(v×t)であり、時刻t=−tから時刻t=0までの間に第2の層12において進むエッチングの距離(点hと点Oとの間の距離)は、(v×t)である。
一方、点gにおける第1の層11のエッチングは、点gまで第2の層12のエッチングが進んだ時にスタートし、点hにおける第1の層11のエッチングは、点hまで第2の層12のエッチングが進んだ時にスタートする。従って、第1の層11のエッチングレートをvとすると、時刻t=−tから時刻t=0までの間に進む第1の層11のエッチング深さは、(v×t)であり、時刻t=−tから時刻t=0までの間に進む第1の層11のエッチング深さは、(v×t)である。
ここで、(v×t)と(v×t)との比は、(v×t)と(v×t)との比に等しい。このことから、本実施形態によれば、傾斜角度が一定の、曲面ではなく平面状の傾斜面を形成できることがわかる。
傾斜面が形成されたら、第1の層11の全体がエッチングされる前に、エッチング液から基板10を取り出し、エッチングを終了させる。
<1−3.レジスト層の除去>
最後に、図2(J)に示すように、レジスト層13を除去することにより、本実施形態の傾斜構造体が形成される。
第1の層11のエッチングレートに対する第2の層12のエッチングレートの比が十分に大きい場合には、傾斜構造体の傾斜角度は緩やかになり、第1の層11のエッチングレートに対する第2の層12のエッチングレートの比が小さくなるに従って、傾斜構造体の傾斜角度が急になる。これにより、傾斜構造体の傾斜角度を調整することができる。
<1−4.実施形態の効果>
以上の製造工程によれば、半導体プロセスとの親和性が高い成膜、エッチング等の技術を用いて傾斜構造体を製造できる。従って、1つのチップ上に傾斜構造体と半導体回路とを混載することも容易となる。
また、以上の製造工程によれば、傾斜構造体を製造するために、高価で摩耗しやすい金型を作成する必要がなく、傾斜構造体の形状を変更するために金型を作り直す必要もない。また、金型で作成可能な材料(樹脂等)だけでなく、種々の材料を用いて、微細な傾斜構造体を製造することができる。
また、以上の製造工程によれば、グレースケールマスクのような特殊なマスクを用いる必要もない。また、基板上の限られたスペースにも、必要な箇所に必要な傾斜面を形成することができる。
<2.第2の実施形態>
図4及び図5は、本発明の第2の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図である。第2の実施形態は、傾斜構造体を形成するために第1の層11と第2の層12とをエッチングするときに、第2の層12の上面を保護するレジスト層を有しない点で、第1の実施形態と異なる。
<2−1.積層>
第1の実施形態と同様に、まず、図4(A)に示すように、基板10上に、傾斜構造体となる第1の層11を形成する。
次に、図4(B)に示すように、第1の層11上に、犠牲層となる第2の層12を形成する。ここまでの工程は第1の実施形態と同様である。但し、第2の層12の厚さは、第2の層12の端面をエッチングしつつ第1の層11に所望の傾斜構造体を形成している間に、第2の層12の厚さが0にならない程度の厚さであることが望ましく、第1の層11より厚いものとすることができる。
次に、図4(C)に示すように、第2の層12上の所定領域に、エッチング用マスクとなる所定形状のレジスト層14を形成する。
次に、図4(D)に示すように、レジスト層14をマスクとして、第2の層12の異方性エッチング(ドライエッチング)を行うことにより、第2の層12を所定形状にパターニングする。これにより、第1の層11の上面の一部と、第2の層12の端面とが露出する。
次に、図5(E)に示すように、レジスト層14を除去する。これにより、第2の層12の上面全体が露出する。
<2−2.エッチング>
次に、図5(G)〜図5(I)に示すように、第2の層12及び第1の層11のウェットエッチングを行う。このとき、まず図5(G)に示すように、第1の層11の上面の露出した一部と、第2の層12の端面と、第2の層12の上面全体とが同時にエッチングされる。
このとき、基板10の面方向における第2の層12のエッチングレートが第1の層11のエッチングレートより大きいので、図5(G)〜図5(I)に示すように、第2の層12の端面のエッチングが早く進んでいき、第1の層11のエッチングがこれを追いかけるように進んでいく。これにより、本実施形態によれば、傾斜角度が一定の、曲面ではなく平面状の傾斜面を形成することができる。
第1の層11の上面がエッチングされることを防ぐため、本実施形態におけるエッチングは、第2の層12の厚さが0にならないうちに終了することが望ましい。
他の点については、第1の実施形態と同様である。
以上の工程により、本実施形態の傾斜構造体が形成される。
<3.第3の実施形態>
図6及び図7は、本発明の第3の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図である。第3の実施形態は、第2の層12の厚さによって傾斜構造体の傾斜角度を調整する点で、第1の実施形態と異なる。
<3−1.積層>
第1の実施形態と同様に、まず、図6(A)に示すように、基板10上に、傾斜構造体となる第1の層11を形成する。
次に、図6(B)〜図6(E)に示すように、第1の層11上に、犠牲層となる第2の層12を形成する。本実施形態においては、第2の層12として、互いに厚さの異なる複数の領域を形成しても良い。そのために、例えば、図6(B)に示すように、第2の層12の一部を薄く成膜した後、図6(C)に示すように、第2の層12上の所定領域に、エッチング用マスクとなる所定形状のレジスト層14を形成する。次に、図6(D)に示すように、レジスト層14をマスクとして、第2の層12の異方性エッチング(ドライエッチング)を行うことにより、第2の層12を所定形状にパターニングする。そして、図6(E)に示すように、レジスト層14を除去し、第2の層12の残りの一部を成膜する。これにより、図6(D)において第2の層12の一部を成膜した領域には厚い第2の層12が形成され、その他の領域には薄い第2の層12が形成される。
次に、図7(F)に示すように、第2の層12(厚い領域及び薄い領域)上の所定領域に、エッチング用マスクとなる所定形状のレジスト層13を形成する。
<3−2.エッチング>
次に、第1の実施形態と同様に、図7(G)〜図7(I)に示すように、第2の層12及び第1の層11のウェットエッチングを行う。このとき、第2の層12のエッチングレートは、第2の層12の厚い領域においては高く、第2の層12の薄い領域においては低い。これは、第2の層12がある程度の厚さ以下になると、第1の層11とレジスト層13との間の第2の層12の端面にエッチング液が入りにくくなることによるものと考えられる。
これによれば、第2の層12のエッチングレートを第2の層12の厚さによって調整することができる。従って、第2の層12を1種類の材料で形成した場合でも、領域ごとに第2の層12の厚さを変えることにより、異なる傾斜角度を有する傾斜構造体を同一基板上に一度に形成することができる。
<3−3.レジスト層の除去>
最後に、図7(J)に示すように、レジスト層13を除去することにより、本実施形態の傾斜構造体が形成される。
他の点については、第1の実施形態と同様である。
<4.第4の実施形態>
図8及び図9は、本発明の第4の実施形態に係る傾斜構造体の製造方法を示す断面図である。第4の実施形態は、第2の層12に不純物のイオンを注入することによって傾斜構造体の傾斜角度を調整する点で、第1の実施形態と異なる。
<4−1.積層>
第1の実施形態と同様に、まず、図8(A)に示すように、基板10上に、傾斜構造体となる第1の層11を形成する。
次に、図8(B)〜図8(E)に示すように、第1の層11上に、犠牲層となる第2の層12を形成する。本実施形態においては、第2の層12として、不純物濃度の異なる複数の領域を形成しても良い。そのために、例えば、図8(B)に示すように、第2の層12を成膜した後、図8(C)に示すように、第2の層12上の所定領域に、イオン注入用マスクとなる所定形状のレジスト層15を形成する。次に、図8(D)に示すように、レジスト層15をマスクとして、第2の層12にリン、ボロン、ヒ素等のイオンを注入する。そして、図8(E)に示すように、レジスト層15を除去する。これにより、図8(C)においてレジスト層15を成膜した領域には不純物が注入されていない(不純物濃度が低い)第2の層12が形成され、その他の領域には不純物が注入された(不純物濃度が高い)第2の層12が形成される。
次に、図9(F)に示すように、第2の層12(例えば、不純物濃度が低い領域及び高い領域)上の所定領域に、エッチング用マスクとなる所定形状のレジスト層13を形成する。
<4−2.エッチング>
次に、第1の実施形態と同様に、図9(G)〜図9(I)に示すように、第2の層12及び第1の層11のウェットエッチングを行う。このとき、第2の層12のエッチングレートは、不純物濃度の高い領域においては高く、不純物濃度の低い領域においては低い。これは、第2の層12への不純物の注入によって、結晶構造が壊れ、エッチングされ易くなることによるものと考えられる。
これによれば、第2の層12のエッチングレートを不純物の注入の有無又は不純物濃度によって調整することができる。従って、第2の層12を1種類の材料で形成した場合でも、領域ごとに第2の層12の不純物濃度を変えることにより、異なる傾斜角度を有する傾斜構造体を一度に形成することができる。
<4−3.レジスト層の除去>
最後に、図9(J)に示すように、レジスト層13を除去することにより、本実施形態の傾斜構造体が形成される。
他の点については、第1の実施形態と同様である。
なお、本実施形態においては、第2の層12に、不純物濃度が低い領域と不純物濃度が高い領域とを形成したが、第2の層12の全体を、不純物濃度が一様に高い領域にしても良い。第2の層12の不純物濃度を調整することにより、傾斜構造体の傾斜角度を調整することができる。
また、本実施形態においては、不純物を注入する工程の後に、第2の層12上にレジスト層13を形成してエッチングしたが、不純物を注入する工程の前又は後に、第2の層12をパターニングして第2の層12の端面を形成し、第2の実施形態において説明したように、第2の層12上にレジスト層13を形成せずにエッチングしても良い。
<5.分光センサー>
図10は、上述の実施形態に係る傾斜構造体を用いた分光センサーの概略構成を示す断面図である。図10に示す分光センサーは、受光素子を有する光学素子部50と、角度制限フィルター部60と、分光フィルター部70とを含んでいる。
光学素子部50は、シリコンなどの半導体で形成された基板10と、基板10に形成されたフォトダイオード51を含んでいる。さらに基板10には、フォトダイオード51に所定の逆バイアス電圧を印加したり、フォトダイオード51において発生した光起電力に基づく電流を検知し、当該電流の大きさに応じたアナログ信号を増幅してデジタル信号に変換したりする電子回路(図示せず)が形成されている。
<5−1.角度制限フィルター部>
角度制限フィルター部60は、基板10の上方に形成されている。角度制限フィルター部60においては、遮光体61によって光路壁が形成され、この光路壁に囲まれた酸化シリコン等の透光体62によって光路が形成されている。遮光体61は、フォトダイオード51によって受光しようとする波長の光を実質的に透過しない材料によって構成される。遮光体61は、基板10上に、例えば格子状の所定パターンで複数層にわたって連続的に形成されることにより、基板10の面に垂直な方向に光路を形成する。
角度制限フィルター部60によって、光路内を通過する光の入射角度が制限される。すなわち、光路内に入射した光が、光路の向きに対して所定の制限角度以上に傾いている場合には、光が遮光体61に当たり、一部が遮光体61に吸収され、残りが反射される。光路を通過するまでの間に反射が繰り返されることによって反射光は弱くなる。従って、角度制限フィルター部60を通過できる光は、実質的に、光路に対する傾きが所定の制限角度未満で入射した光に制限される。
<5−2.分光フィルター部>
分光フィルター部70は、角度制限フィルター部60上に形成された傾斜構造体71と、傾斜構造体71上に形成された多層膜72とを有している。多層膜72は、酸化シリコン等の低屈折率の薄膜と、酸化チタン等の高屈折率の薄膜とを、基板10に対して僅かに傾斜させて多数積層したものである。
低屈折率の薄膜及び高屈折率の薄膜は、それぞれ例えばサブミクロンオーダーの所定膜厚とし、これを例えば計60層程度にわたって積層することにより、多層膜72全体で例えば6μm程度の厚さとする。
多層膜72の基板10に対する傾斜角度は、フォトダイオード51によって受光しようとする光の設定波長に応じて、例えば0[deg]以上、30[deg]以下に設定する。多層膜72を基板10に対して傾斜させるために、角度制限フィルター部60上に透光性を有する傾斜構造体71を形成し、その上に多層膜72を形成する。傾斜構造体71としては、上述の製造方法によって製造した傾斜構造体を用いることができる。
以上の構成により、分光フィルター部70は、角度制限フィルター部60に所定の制限角度範囲内で入射する光の波長を制限する。
すなわち、分光フィルター部70に入射した入射光は、低屈折率の薄膜と高屈折率の薄膜との境界面において、一部は反射光となり、一部は透過光となる。そして、反射光の一部は、他の低屈折率の薄膜と高屈折率の薄膜との境界面において再度反射して、上述の透過光と合波する。このとき、反射光の光路長と一致する波長の光は、反射光と透過光の位相が一致して互いに強め合い、反射光の光路長と一致しない波長の光は、反射光と透過光の位相が一致せずに互いに弱め合う(干渉する)。
ここで、反射光の光路長は、入射光の向きに対する多層膜72の傾斜角度によって決まる。従って、上述の干渉作用が、例えば計60層に及ぶ多層膜72において繰り返されると、入射光の入射角度に応じて、特定の波長の光のみが分光フィルター部70を透過し、所定の出射角度(例えば、分光フィルター部70への入射角度と同じ角度)で分光フィルター部70から出射する。
角度制限フィルター部60は、所定の制限角度範囲内で角度制限フィルター部60に入射した光のみを通過させる。従って、分光フィルター部70と角度制限フィルター部60とを通過する光の波長は、多層膜72の基板10に対する傾斜角度と、角度制限フィルター部60が通過させる入射光の制限角度範囲とによって決まる所定範囲の波長に制限される。
フォトダイオード51によって受光しようとする光の設定波長に応じて、異なる傾斜角度を有する傾斜構造体71を予め形成しておくことにより、多層膜72は、フォトダイオード51によって受光しようとする光の設定波長によらず、同一の膜厚で、共通の工程により成膜することができる。
<5−3.光学素子部>
光学素子部50に含まれるフォトダイオード51は、分光フィルター部70及び角度制限フィルター部60を通過した光を受光して光起電力を発生させる。フォトダイオード51は、半導体によって構成された基板10に、イオン注入等を行うことによって形成された不純物領域を含んでいる。
分光フィルター部70及び角度制限フィルター部60を通過してきた光がフォトダイオード51において受光され、光起電力が発生することにより、電流が発生する。この電流を、電子回路(図示せず)によって検知することにより、光を検知することができる。
<5−4.分光センサーの製造方法>
ここで、分光センサーの製造方法について簡単に説明する。分光センサーは、まず基板10にフォトダイオード51を形成し、次に、フォトダイオード51上に角度制限フィルター部60を形成し、次に、角度制限フィルター部60の上に分光フィルター部70を形成することによって製造される。
本実施形態によれば、分光センサーを半導体プロセスによって一貫して製造することができ、所望の傾斜角度を有する傾斜構造体を用いた分光センサーを容易に形成することができる。
なお、ここでは入射光が分光フィルター部70を透過して光学素子部50に到達する透過型の分光センサーについて述べたが、入射光が分光フィルター部70において反射して光学素子部に到達する反射型の分光センサーでも良い。
また、傾斜構造体を用いた素子として、分光センサーについて述べたが、傾斜構造体を他の素子として用いても良い。例えば、光ファイバーの中継デバイスにおいて所定波長の光信号を中継するため、プリズムやミラー等の光学素子として用いても良い。
10…基板、11…第1の層(傾斜構造体)、12…第2の層(犠牲層)、13…レジスト層(ウェットエッチング用マスク)、13a…開口、14…レジスト層(ドライエッチング用マスク)、15…レジスト層(イオン注入用マスク)、50…光学素子部、51…フォトダイオード、60…角度制限フィルター部、61…遮光体、62…透光体、70…分光フィルター部、71…傾斜構造体、72…多層膜。

Claims (7)

  1. 基板の上方に第1の層を形成する工程(a)と、
    前記第1の層の上方に第2の層を形成する工程(b)と、
    前記第2の層に、前記基板の面と交差する方向の端面を形成する工程(c)と、
    前記第2の層の上面を露出させる工程(g)と、
    前記露出した前記第2の層の上面と前記第2の層の端面をウェットエッチングすると同時に、前記第2の層の端面のウェットエッチングによって露出した前記第1の層を順次ウェットエッチングする工程(d)と、
    を含み、
    前記工程(d)では、前記基板の面方向における前記第2の層のエッチングレートは、前記第1の層のエッチングレートより大きい傾斜構造体の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記工程(b)と前記工程(c)との間、又は前記工程(c)と前記工程(d)との間に、前記第2の層に不純物のイオンを導入する工程(e)をさらに含む傾斜構造体の製造方法。
  3. 請求項において、
    前記工程(e)は、前記第2の層に、互いに不純物濃度が異なる第1の領域及び第2の領域を形成し、
    前記工程(d)は、前記第2の層の前記第1の領域内の端面と前記第2の領域内の端面とを同時にエッチングする傾斜構造体の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項において、
    前記工程(b)と前記工程(c)との間に、前記第2の層の上方にレジスト層を形成する工程(f)をさらに含んでおり、
    前記工程(c)は、前記レジスト層をマスクとして前記第2の層の一部をエッチングすることによって前記端面を形成し、
    前記工程(g)は、前記レジスト層を除去することで前記第2の層の上面を露出させる工程である傾斜構造体の製造方法。
  5. 請求項において、
    前記工程(b)で形成される前記第2の層は、互いに厚さが異なる第3の領域及び第4の領域を有し、
    前記工程(f)は、前記第2の層の前記第3の領域の上方及び前記第4の領域の上方に、前記レジスト層を形成し、
    前記工程(d)は、前記第2の層の前記第3の領域内の端面と前記第4の領域内の端面とを同時にエッチングする傾斜構造体の製造方法。
  6. 基板の第1の面に第1の層を形成する工程(a)と、
    前記第1の層の上方に第2の層を形成する工程(b)と、
    前記第2の層に、前記基板の第1の面と交差する方向の端面を形成する工程(c)と、
    前記第2の層の上面を露出させる工程(g)と、
    前記露出した前記第2の層の上面、前記第2の層の端面及び前記第1の層をウェットエッチングする工程(d)と、
    を含み、
    前記工程(d)では、前記基板の面方向における前記第2の層のエッチングレートは、前記第1の層のエッチングレートより大きく、
    前記工程(d)後の前記第1の層の前記基板の第1の面と交差する方向の端面が、
    前記基板の第1の面に対して、傾斜している傾斜構造体の製造方法。
  7. 基板に受光素子を形成する工程と、
    前記受光素子の上方に、前記受光素子に向けて通過する光の入射方向を制限する角度制限フィルターを形成する工程と、
    前記角度制限フィルターの上方に、請求項1〜請求項の何れか一項記載の方法によって傾斜構造体を形成する工程と、
    前記傾斜構造体の上方に多層膜を形成することにより、前記角度制限フィルターを通過できる光の波長を制限する分光フィルターを形成する工程と、
    を含む分光センサーの製造方法。
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