JP5659482B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、基材と、前記基材上に、多孔質層と、プライマー層と、受容層とを有する熱転写受像シートに関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調節でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
この熱拡散型転写方式とは、色素(昇華性染料)を含有する熱転写インクシートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものである。このような熱拡散型転写方式が普及するなかで、印画速度の高速化が進んでおり、従来の熱転写インクシートと熱転写受像シートを用いて従来の熱エネルギーを印画しても十分な発色濃度を得られない等の問題が生じている。
さらに、熱拡散型転写方式では、その他の種々の問題も存在している。例えば、受像シートの離型性不足に起因して、印画の際にインクシートが受像シートの受容層表面に貼り付き、印画後にインクシートを画像受容層から剥離する際に、剥離音の発生、走行不良、および画像上の剥離線の発生等の問題が生じている。
一般的に、離型性を向上させるためには、樹脂のガラス転移温度(Tg)を上げる等の方法が存在するが、併せて濃度が低下するという問題が存在する。そこで、少なくとも一種のパラフィンワックス分散物および塩化ビニル系ラテックスを含有させた受容層を有する熱転写受像シートを用いることが提案されているが、印画物の画像濃度については評価が不十分であり、実用可能な画像濃度が得られているとは言い難い(例えば、特許文献1を参照)。
また、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上や製造コスト等の観点から、基材上に複数の層を同時重層塗布方式により形成することが行われてきた。このように複数の層を同時重層塗布方式により形成する場合、加工上の問題でゼラチンを各層に導入することが一般的であった(例えば、特許文献2)。このような同時重層塗布方式によって、受容層における印画物の濃度を向上する方法が検討されてきたが、現在までにこの課題を解決できる方法は提案されていない。
したがって、今尚、複数の層を同時重層塗布方式により形成する場合においても、塗工適性および離型性等の各種性能を維持しながら、印画物の画像濃度を向上できる、熱転写受像シートの開発が切望されている。
特開2008−6789号公報 特開2008−254386号公報
本発明者らは、上記の背景技術を検討した結果、新たに、熱転写受像シートの受容層に含有されるゼラチン量の過多により、受容層における印画物の濃度向上が妨げられるという問題を知見した。本発明は上記の背景技術および新たに知見した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の層を同時重層塗布方式により形成する場合においても、塗工適性および離型性等の各種性能を維持しながら、印画物の画像濃度を向上できる、熱転写受像シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の層構成を有する熱転写受像シートにおいて、受容層に含まれる親水性バインダーの含有量を特定量以下に低減することで上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
基材と、前記基材上に、多孔質層と、プライマー層と、受容層とを有する熱転写受像シートであって、
前記受容層が、樹脂および親水性バインダーを含み、前記受容層における親水性バインダーの含有量が、樹脂および親水性バインダーの総固形分質量に対して、0.1質量%以下であり、
前記多孔質層から前記受容層間を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式によって形成される、熱転写受像シートを提供するものである。
本発明の熱転写受像シートによれば、複数の層を同時重層塗布方式により形成する場合においても、塗工適性および離型性等の各種性能を維持しながら、印画物の画像濃度を向上することができる。
熱転写受像シート
本発明の熱転写受像シートは、基材と、該基材上に、多孔質層と、プライマー層と、受容層とをこの順に有するものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは中間層や離型層等のその他の層をさらに有してもよい。
基材
本発明における基材は、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RCペーパー(三菱製紙(株)製、商品名:STF−150)等が好ましい。なお、基材厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材の厚みは、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
多孔質層
本発明における多孔質層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。また、多孔質層は、中空粒子を含むものであり、親水性バインダーやその他の添加剤をさらに含んでもよい。好ましい態様によれば、多孔質層は2層以上からなるものであってもよい。多孔質層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備える。ここで、多孔質層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、多孔質層のクッション性の程度についても、例えば、多孔質層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。多孔質層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、多孔質層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
中空粒子
本発明で用いる中空粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の平均粒子径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を多孔質層に与えることができる。平均粒子径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒子径が大きすぎると、平滑な多孔質層を形成することが困難になるからである。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を多孔質層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、HP−1055、HP−91、およびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、ならびにMH−5055(日本ゼオン)等が好ましい。
なお、上記の「平均粒子径」は、「体積平均粒子径」であり、例えば、以下のようにして求めることができる。中空粒子を水中に分散させてなる水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)製)にて乾燥体における中空粒子をなす粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその外面側の直径(外径)を計測し、それらの値を平均して平均粒子径とした。また、「平均中空率」は以下のようにして求めることができる。中空粒子を水中に分散させてなる水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)製)にて乾燥体中における中空粒子をなす粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその内面側の直径(内径)を計測し、それらの値を平均して平均粒子内径とした。そして、平均粒子内径から中空部の体積を定めるとともに、その値を上記平均粒子径から粒子の見掛けの体積で除して100を乗じることで平均中空率を算出した。
プライマー層
本発明におけるプライマー層は、多孔層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の多孔質層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものであり、樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
アクリル系樹脂
本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
本発明の好ましい態様によれば、アクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であるのが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート等、好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、およびラウリルメタクリレート等を挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、好ましくは、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。本発明においては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を用いることが特に好ましい。上記のようなモノマーを共重合させることで、濃度および離型性を向上させることができる。なお、2種以上のアクリル系樹脂を混合して用いてもよい。
受容層
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。受容層の形成に用いる樹脂には、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に好ましいものは、アクリル系樹脂および/または塩化ビニル系樹脂である。また、受容層には、親水性バインダーが含まれてもよいが、少なければ少ない程良く、親水性バインダーの含有量は、樹脂および親水性バインダーの総固形分質量に対して、0.1質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下である。受容層に含まれる親水性バインダーの量を上記程度まで低減することで、印画時の画像濃度を改善することができる。また、受容層の乾燥時の膜厚は0.5〜5.0μmであることが好ましい。乾燥時の膜厚がこの範囲内であれば、塗工適性をさらに向上することができる。
なお、本発明はいかなる理論にも拘束されるものではないが、印画物の画像濃度向上のメカニズムとしては、およそ以下のようなものではないかと考えられる。もっとも、本発明が以下の説明によって限定されることがあってはならないことは言うまでもない。本発明で用いられる同時重層塗布では塗工液の状態で複数の層を積層するので、各層の塗工液に混ざり合いが生じて各層本来の性能を維持できない場合がある。このために、各層の塗工液には所定量以上の親水性バインダーを添加する必要があった。しかし、熱転写受像シートにおいては受容層に親水性バインダーを添加した場合には、十分な印画濃度を得る事が出来なくなるという新たな問題を知見した。そこで本発明者らは鋭意工夫した結果、本発明の特定の構成においては、受容層の親水性バインダーを特定量以下としても塗工液の混ざり合いが発生しない事を見出した。結果、発明者らは驚くべきことに、受容層に親水性バインダーが実質的に含まれていなくても熱転写受像シートの各層本来の性能を維持しながら、印画物の画像濃度を向上することに成功した。
親水性バインダー
本発明の好ましい態様によれば、上記の多孔質層、プライマー層、および受容層に含まれる親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、各層の層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、各塗工液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、およびCLV(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
離型剤
本発明における受容層に含まれる離型剤としては、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)、リン酸エステル系可塑剤、およびフッ素系化合物を挙げることができ、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン等の各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン、アミド変性シリコーン等を用い、これらを混合したり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。このような離型剤を用いることで、印画時に熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。本発明においては、ポリエーテル変性シリコーン型の離型剤を用いることが特に好ましい。ポリエーテル変性シリコーン型の離型剤を2種以上用いてもよく、その他の離型剤と併用しても良い。本発明においては、市販の離型剤を用いることもでき、例えば、KF615AおよびKF352A(信越化学工業(株)製)、ならびにFZ−2101(東レダウコーニング(株)製)等が好ましい。
離型層
本発明においては、上記の離型剤を受容層に添加せず、受容層上に別途離型層として設けても良い。
中間層
本発明においては、多孔質層とプライマー層の間やプライマー層と受容層の間に少なくとも1層の中間層を設けてもよい。中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
熱転写受像シートの製造方法
本発明の熱転写受像シートの製造には、公知の製造方法を用いることができる。熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、スライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。本発明においては、多孔質層から受容層間を構成する全ての層を、水系塗布および同時重層塗布方式により形成することで、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。
熱転写インクシート
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材上に熱拡散性色素を含むインク層を有するものである。このようなものであれば、公知の熱転写インクシートでよく、特に限定されるものではない。
画像形成方法
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
このような画像形成方法で用いることのできる熱転写記録装置としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。本発明においては、市販の熱転写記録装置を用いることができ、例えば、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。なお、表記の重量部は固形分で記載し、必要に応じて純水にて希釈した。
実施例1−1
熱転写受像シート1の作製
基材シートとしてRCペーパー(三菱製紙(株)製、商品名:STF−150)を用い、下記組成の、多孔質層1形成用塗工液、多孔質層2形成用塗工液、プライマー層形成用塗工液、および受容層形成用塗工液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥時の厚みがそれぞれ2μm、5μm、5μm、3μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:基材/多孔質層1/多孔質層2/プライマー層/受容層)を得た。
多孔質層1形成用塗工液の組成
・MH−5055(中空粒子、日本ゼオン(株)製、平均粒子径0.5μm)60重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 20重量部
・DM820(MBR、DIC(株)製) 20重量部
多孔質層2形成用塗工液の組成
・MH−5055(中空粒子、日本ゼオン(株)製、平均粒子径0.5μm)70重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 25重量部
・AP40(水性ポリウレタン、DIC(株)製) 5重量部
プライマー層形成用塗工液の組成
・MH−5055(中空粒子、日本ゼオン(株)製、平均粒子径0.5μm)70重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 15重量部
・NKJ300(メタクリル酸エステル・アクリル共重合体、新中村化学工業(株)製)
15重量部
受容層形成用塗工液1の組成
・VB900(塩化ビニル系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 9重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
比較例1−1
熱転写受像シート2の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1−1と同様にして熱転写受像シート2を作製した。
受容層形成用塗工液2の組成
・VB900(塩化ビニル系樹脂、日信化学工業(株)製) 95重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 5重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 9重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
実施例2−1
熱転写受像シート3の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1−1と同様にして熱転写受像シート3を作製した。
受容層形成用塗工液3の組成
・エマルジョン1(スチレン−アクリル系樹脂、新中村化学工業(株)製)100重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 9重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
比較例2−1
熱転写受像シート4の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1−1と同様にして熱転写受像シート4を作製した。
受容層形成用塗工液4の組成
・エマルジョン1(スチレン−アクリル系樹脂、新中村化学工業(株)製) 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 9重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
比較例2−2
熱転写受像シート5の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1−1と同様にして熱転写受像シート5を作製した。
受容層形成用塗工液5の組成
・エマルジョン1(スチレン−アクリル系樹脂、新中村化学工業(株)製) 95重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 5重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 9重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
比較例2−3
熱転写受像シート6の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1−1と同様にして熱転写受像シート6を作製した。
受容層形成用塗工液6の組成
・エマルジョン1(スチレン−アクリル系樹脂、新中村化学工業(株)製) 98重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 2重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 9重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
熱転写受像シートの評価
上記で作製した熱転写受像シート1〜6について、(1)画像濃度評価、(2)塗工適正評価、および(3)離型性評価を行った。
(1)画像濃度評価
昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)にて、作製した熱転写受像シートに、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し、光学濃度計(グレタグマクベス(株)製spectrolino)による光学反射濃度が最大となる値を測定した。
(2)塗工適正評価
熱転写受像シートの同時重層塗布適性を評価した。
・評価基準
○:問題なく生産機にて塗工できた。
×:生産機にて塗工できなかった。
(3)離型性評価
あらかじめヘッド温度が35℃となるまで暖めた昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)にて、作製した熱転写受像シートに黒ベタ画像を印画し、その際に剥離音が聞こえるかどうかを官能評価した。
・評価基準
○:剥離音が聞こえなかった、あるいは機械音にまぎれる程度であった。
△:剥離音が聞こえた。
×:印画できず、リボンと受像紙の貼りつきが発生した。
上記の各評価の結果を表1に示す。本発明の組成を満たす実施例1−1の熱転写受像シートは、比較例1−1の熱転写受像シートと比較して、塗工適性および離型性を維持しながら、画像濃度が向上していることがわかる。また、本発明の組成を満たす実施例2−1の熱転写受像シートは、比較例2−1〜2−3の熱転写受像シートと比較して、塗工適性および離型性を維持しながら、画像濃度が向上していることがわかる。なお、実施例1−1および比較例1−1と、実施例2−1および比較例2−1〜2−3とにおける画像濃度の差は、受容層を形成する樹脂本来の性能の差に起因するものであると考えられる。
Figure 0005659482

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材上に、多孔質層と、プライマー層と、受容層とをこの順に有する熱転写受像シートであって、
    前記プライマー層が、前記受容層に接し、かつ中空粒子、アクリル系樹脂、および親水性バインダーを含み、
    前記受容層が、樹脂を含み、前記受容層における親水性バインダーの含有量が、樹脂および親水性バインダーの総固形分質量に対して、0.1質量%以下である、熱転写受像シート。
  2. 前記多孔質層から前記受容層間を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式によって形成される、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記親水性バインダーが、ゼラチンである、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記受容層に含まれる樹脂が、アクリル系樹脂および/または塩化ビニル系樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  5. 前記受容層が、親水性バインダーを含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
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