JP5656280B2 - 後処理用燃料添加装置 - Google Patents
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Description
ここで、後処理用燃料添加装置の配管、特に、内燃機関の排気系に連通する配管にススが固着すると、後処理用燃料添加装置の配管の流路断面積が減少する。
当該配管の流路断面積の減少は、後処理用燃料の供給を阻害して、DPFの強制再生が適正に行われなくなる。
近年、ブレーキ性能の向上策に伴う圧縮エアの消費増大や、各種デバイスの動力源としての高圧エア需要の増大が顕著になっている。高圧エアの消費量が増加すれば、高圧エアを発生させるコンプレッサの稼動が頻繁となる。コンプレッサの稼動が頻繁となれば、内燃機関の消費馬力は増大し、その結果、燃費を悪化させ、ひいてはCO2排出量も増加する。このような観点からも高圧エアの消費は極力抑制し、以って、CO2排出量を減少したい。
しかし、配管内に堆積したススを除去するため、当該配管内へ頻繁に高圧エアを噴射することは、高圧エアの消費を抑制すること及びCO2排出量を減少することに逆行する。
しかし、係る従来技術(特許文献1)は、排気ガスの圧力を正確に計測することを目的としており、上述した様に、後処理用燃料添加装置の配管にススが固着することを防止するものではない。
或いは、内燃機関排気系(3)の圧力を計測する計測装置は、排気系(3)を流れる排気ガス中の有害微粒子成分を捕集するフィルタ(DPF:2)の上流側(内燃機関側)圧力と大気圧との差圧を計測する差圧センサ(60)で構成されているのが好ましい。
ここで、排気系(3)を流れる排気ガス中の有害微粒子成分を捕集するフィルタ(DPF2)の上流側(内燃機関側)圧力は、後処理用燃料噴射機構(4)の内部圧力(Pa)に等しい。
その結果、排気系(3)を流れる排気ガス中の有害微粒子成分を捕集するフィルタ(DPF:2)を強制再生する場合に、燃料供給系統(Lf)から強制再生に必要な目標量の燃料が、確実に内燃機関排気系(3)へ供給される。
そのため、加圧空気が排気系(3)に漏出する量が少なく、加圧空気が浪費される恐れがない。
そのため、排気系(3)の圧力(Pe)が上昇しても、後処理用燃料噴射機構(4)の配管(特にラインLg)におけるススの堆積量が低減する状態が維持される。
内燃機関(1)が停止しているため排気系(3)の圧力(Pe)が低下しており、且つ、運転直後は後処理用燃料噴射機構(4)の配管(特にラインLg)も昇温して、そこに付着したススも昇温して、除去し易い状態になっているからである。
図1において、全体を符号100で示す後処理用燃料添加装置は、後処理用燃料噴射機構4、ノズル5、排気系圧力センサ6、制御装置10を有している。
ここで、後処理用燃料噴射機構4は、DPFの再生の際に、排気系に燃料を噴射する機能を有する部分であり、いわゆる「インジェクタ」を構成する装置である。
排気系圧力センサ6は、排気管3におけるDPF2の前後の排気ガス圧(差圧)をライン7、ライン8によって検知している。
ノズル5は、その噴射孔5hを排気管3におけるエンジン1とDPF2との間の領域に開口しており、後処理用燃料噴射機構4から供給される空気或いは燃料を、排気管3におけるDPF2の上流側に噴射するように構成されている。
圧縮エア供給ラインLaは、高圧エア供給源と合流点Gとを連通して、高圧エア供給源側に開閉弁(エア・パージ・バルブ)Vaを介装し、合流点G側に逆止弁41を介装している。
合流点Gとノズル5とは、ラインLgによって接続されている。ここで、ラインLgは、後処理用燃料噴射機構4における配管の中で、最もススが堆積する配管(ライン)である。
ここで、第2の開閉バルブVf2が開放されていれば、圧力センサ43で計測された圧力が、後処理用燃料噴射機構4の内部圧力となる。
そして、圧縮エア供給ラインLaの開閉バルブVaを制御して、後処理用燃料噴射機構4内の圧力Paが排気管3の圧力Pe(図示の実施形態では、排気管内圧力Peを直接計測するセンサは図示せず:センサ6、60で計測した差圧と他の圧力との和により、排気管3内の圧力Peを特定する)以上となる様に制御する機能を有している。後処理用燃料噴射機構4内の圧力Paを排気管3の圧力Pe以上とすることにより、排気ガスの後処理用燃料噴射機構4側への逆流を阻止して、ラインLgにススを堆積させないためである。
ここで、PWM制御は、バルブのオン、オフ制御であって、オンとなる時間と、オフとなる時間が適宜設定される制御である。
開閉バルブVaをPWM制御することにより、後処理用燃料噴射機構4内の圧力Paを、必要以上に高圧力(例えば、排気管3の圧力Peよりも遥かに高圧に)してしまうことなく、後処理用燃料噴射機構4内の圧力Paが排気管圧力Peよりも僅かに上回るようにして、圧縮エアの消費を抑制するためである。
開閉バルブVaを開放状態にすることにより、後処理用燃料噴射機構4内の圧力Paを高圧に維持し、ラインLgにおけるススの体積を低減させるためである。そして、第2の開閉バルブVf2を閉鎖することにより、(開閉バルブVaを開放することによって発生した)圧縮エア供給ラインLa側の高圧が燃料供給ラインLf側に逃げてしまうことが防止される。
後処理用燃料噴射機構4からDPF2の強制再生に必要な燃料を、確実に排気管3側に供給するためである。
エンジン1が停止しているため排気管3の圧力Peが低下し、且つ、エンジン1の停止直後は後処理用燃料噴射機構4のラインLgも昇温しているため、そこに付着したススの温度も上昇して、当該ススを除去し易い状態になっている。その状態で圧縮エア供給ラインLaの開閉バルブVaを開放することにより、ラインLgに堆積したススを、圧縮エアによって排気管3側に排出することが出来る。
異常時に後処理用燃料噴射機構4内のバルブを全て閉鎖することにより、異常の連鎖を防止し、燃料供給源や圧縮空気源にまで異常が発生するという事態が生じない様にするためである。
図3のステップS1において、制御装置10は、キースイッチがONとなっているか否かを判断する。
キースイッチがONとなっていれば(ステップS1がYES)、ステップS2に進む。
この時、エンジン1は、停止しているため、排気管3の排気圧力Peは低下している。また、運転直後は供給系統(Lg)も昇温し、ラインLgに堆積したススも昇温して、ラインLgからススが剥がれ易い状態となっている。そのため、圧縮エア供給ラインLaから圧縮エアが供給されると、ラインLgに溜まったススは容易にラインLgの管壁から剥離して、ノズル5を介して排気管3側に排出される。
ステップS7では、所定時間が経過したか否か、すなわち、所定時間だけアフターランエアパージが行なわれたか否かを判断する。所定時間だけアフターランエアパージが行なわれたならば、ステップS1に戻る。
後処理用燃料噴射機構4による燃料が添加が行なわれない(非作動)のであれば、すなわちDPF2の強制再生を行なわないのでなければ(ステップS2がYES)、ステップS3に進む。
後処理用燃料噴射機構4による燃料添加モード(ステップS8)においては、燃料供給ラインLfの第1の開閉バルブVf1、第2の開閉バルブVf2は、共に開放される(ステップS9)。第1の開閉バルブVf1、第2の開閉バルブVf2が開放されると、ノズル6から排気管3に燃料が噴射され、その燃料が酸化して、DPF2に溜まったススが燃焼する(DPF2の強制再生)。
第1の開閉バルブVf1、第2の開閉バルブVf2が所定時間だけ開放され、DPF2が必要な時間だけ強制再生されたならば、ステップS1に戻る。
ステップS9において、燃料添加中は開閉バルブVaを閉鎖し、空気の供給は行なわない。燃料添加の前後では、適宜、空気を供給する場合がある。
排気圧が高圧ではなく、DPF2の差圧Peが閾値以下であれば(ステップS3がYES)、排気管3から後処理用燃料噴射機構4内へ排気ガスが逆流する危険性は高くはないと判断して、ステップS4に進む。
一方、DPF2の差圧Peが閾値を超えていれば、すなわち、排気管3の排気圧が高圧である場合(ステップS3がNO)は、排気管3内の高圧に対抗するため後処理用燃料噴射機構4を全開パージモードに切り替える(ステップS10)。これにより、以って、排気ガスが後処理用燃料噴射機構4に逆流して、排気ガス中のススが後処理用燃料噴射機構4内の配管に付着することを防止するべく、ステップS11に進む。
圧縮エア供給ラインLaの開閉バルブVaを開放することにより、後処理用燃料噴射機構4内の圧力Paは高圧となり、排気管3の圧力Peが上昇しても、排気管3内の圧力が後処理用燃料噴射機構4側に流入して、供給ラインLgにおけるススが堆積することが防止される。
また、燃料供給ラインLfの第2の開閉バルブVf2を閉鎖することにより、開閉バルブVaを開放して得た高圧が、燃料供給ラインLf側に逃げてしまうことを防止するためである。
ステップS11の後、ステップS1まで戻り、ステップS1以降を繰り返す。
ここで、エンジン1が稼働中には、DPF2の差圧は、排気系の圧力センサ6が計測している。一方、第2の開閉バルブVf2が開放されていれば、圧力センサ43で計測した圧力を、後処理用燃料噴射機構4の内部圧力とみなすことが出来る。
そして、ステップS5では、圧力センサ43で計測した圧力Pa(後処理用燃料噴射機構4内の圧力とみなされる圧力)と、排気管3の排気圧(圧力センサ6で計測した差圧と大気圧との和)を比較して、後処理用燃料噴射機構4内の圧力とみなされる圧力Paが排気管3の排気圧(圧力センサ6で計測した差圧と大気圧との和)以上となる様に、圧縮エア供給ラインLaの開閉バルブVaをPWM制御する。
ステップS5の後、ステップS1まで戻る。
何らかの異常が生じた場合には、バルブVa、Vf1、Vf2を閉鎖して、燃料源や圧縮エア源に以上が伝播するような事態を防止するためである。
その結果、DPF2を強制再生する場合に、後処理用燃料噴射機構4から強制再生に必要な目標量の燃料が、確実に排気管3へ供給される。
そのため、圧縮エアが排気管3に排出される量が節約され、圧縮エアが浪費される恐れがなくなり、圧縮エアの発生源であるエアコンプレッサの稼働率が下がる。
エアコンプレッサの稼働率が下がることにより、補機駆動に消費される燃料が抑制され、その結果、省燃費に貢献する。
そのため、排気管3の圧力Peが上昇しても、後処理用燃料噴射機構4のラインLgにおけるススの堆積量が低減する状態が維持される。
これにより、供給された燃料が酸化し、DPF2の温度が上昇して、DPF2内で堆積したススが燃焼する。そして、再生運転が良好に行なわれる。
この場合、エンジン1が停止しているため、排気管3の圧力Peは低下している。そして、エンジン1停止後、時間がさほど経過していないので、後処理用燃料噴射機構4のラインLgも昇温して、ススも昇温して剥がれ易くなっている。そのような状態に圧縮エア供給ラインLaの開閉バルブVaを開放することにより、ラインLgに堆積したススは容易に除去される(排気管3側に排出される)。
図1の実施形態では、排気管の圧力センサ(差圧センサ)6は、DPF2の前後の排気管3から圧力をライン7、ライン8経由で検知している。
それに対して図4の変形例では、DPFの差圧センサ60が、DPF2の入口側の排気圧力をライン7経由で検知し、大気圧をライン9経由で検知し、その差圧を求めるように構成されている。
図1において、DPF2の後方の排気管における排気抵抗は、概略大気圧に等しい。従って、図4において、大気圧をライン9経由で検知しても、図1の場合と同様に、排気管3内の圧力Peを求めることが出来る。
図4の変形例における上述した以外の構成と作用効果は、図1〜図3の実施形態と同様である。
例えば、図示の実施形態では、後処理用燃料添加装置100の後処理用燃料噴射機構4の内部圧力Paがエンジン1の排気管3の圧力Pe以上にするために、開閉弁(エア・パージ・バルブ)VaをPWM制御しているが、ソレノイドバルブやバタフライバルブを使用して、後処理用燃料添加装置100の後処理用燃料噴射機構4の内部圧力Paがエンジン1の排気管3の圧力Pe以上にする制御を行なうことも可能である。
2・・・フィルタ/DPF
3・・・排気管
4・・・後処理用燃料噴射機構
5・・・ノズル
6・・・排気系の圧力センサ/差圧センサ
10・・・制御装置
41・・・圧縮エア供給ラインの逆止弁
42・・・燃料供給ラインの逆止弁
43・・・空気/燃料供給機構内の圧力センサ
La・・・圧縮エア供給ライン
Lf・・・燃料供給ライン
Va・・・開閉弁
Vf1・・・第1の開閉バルブ
Vf2・・・第2の開閉バルブ
Claims (6)
- 内燃機関と排気ガス中の有害微粒子成分を捕集するフィルタとの間の内燃機関排気系に空気供給系統からの高圧エアと燃料供給系統からの燃料とをノズルから供給する後処理用燃料噴射機構を有する後処理用燃料添加装置において、前記燃料供給系統には燃料供給源から第1の開閉バルブと第2の開閉バルブとを介して空気供給系統との合流点に接続され、前記空気供給系統には燃料供給源から第3の開閉バルブを介して前記合流点に接続され、前記合流点はラインを介して前記ノズルに接続され、前記第1の開閉バルブと第2の開閉バルブとの間の燃料供給系統の内部の圧力を計測する第1の計測装置と、フィルタの上流側とフィルタの下流側又は大気圧との差圧を計測する第2の計測装置と、前記第1の計測装置と第2の計測装置とからの計測結果に基づいて、前記第1、第2および第3の開閉バルブを開閉する制御装置とを設け、前記制御装置は、内燃機関排気系の圧力を計測する第2の計測装置からの計測結果と第1の計測装置の計測結果に基づいて、内燃機関排気系を流れる排気ガス中の有害微粒子成分を捕集するフィルタを強制再生していない場合には、前記燃料供給系統の内部圧力が内燃機関排気系の圧力以上となる様に制御する機能を有することを特徴とする後処理用燃料添加装置。
- 前記制御装置は内燃機関排気系を流れる排気ガス中の有害微粒子成分を捕集するフィルタを強制再生していない場合には、燃料供給系統の内部圧力が内燃機関排気系の圧力以上となる様に、第3の開閉バルブをオンとなる時間と、オフとなる時間が適宜設定される機能を有する請求項1記載の後処理用燃料添加装置。
- 前記制御装置は、内燃機関排気系を流れる排気ガス中の有害微粒子成分を捕集するフィルタを強制再生しておらず、且つ、内燃機関排気系の圧力がしきい値よりも大きい場合には、燃料供給系統の第2の開閉バルブを閉鎖して、空気供給系統の第3の開閉バルブを開放状態に維持する機能を有する請求項1、2のいずれかに記載の後処理用燃料添加装置。
- 前記制御装置は、内燃機関排気系を流れる排気ガス中の有害微粒子成分を捕集するフィルタを強制再生する場合には、燃料供給系統の第1の開閉バルブ及び第2の開閉バルブを開放して、内燃機関排気系に燃料を供給する機能を有する請求項3記載の後処理用燃料添加装置。
- 前記制御装置は、内燃機関が停止してから所定期間に亘って、燃料供給系統の第1の開閉バルブ及び第2の開閉バルブを閉鎖し、且つ、空気供給系統の第3の開閉バルブを開放する機能を有する請求項3、4のいずれかに記載の後処理用燃料添加装置。
- 前記制御装置は、異常が生じた場合には、空気供給系統の第3の開閉バルブ、燃料供給系統の第1の開閉バルブ及び第2の開閉バルブを閉鎖する機能を有する請求項3〜5のいずれかに記載の後処理用燃料添加装置。
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