JP5654271B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検眼の波面収差を測定する測定光学系を備える眼科装置に関する。
従来より、眼底に向けて測定光を投光し、その反射光を波面センサにより受光して眼の波面収差を検出する眼収差計が知られている。さらに、波面センサの検出結果に基づいて波面補償デバイスを制御し、波面補償後の眼底画像を細胞レベルで撮影する眼底撮影装置が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
特表2001−507258号公報
ところで、従来より知られた眼収差計は、被検眼を正面方向に固視させた状態で収差を測定するものである。そして、本発明者は、上記波面補償付眼底撮影装置において、眼を周辺方向に固視させ、眼の周辺部の収差測定及び眼底撮影を試みた。しかしながら、眼底上で反射率が高い部分(例えば、乳頭)に測定光が達し、波面センサへの入射光量が過多となってしまうため、正確な収差測定を行うことが出来なかった。このため、周辺撮影に関し、鮮明な眼底像を得ることができなかった。
本発明は、上記問題点を鑑み、眼の周辺部における収差測定を好適に行うことができる眼科装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検眼眼底に向けて測定光を投光しその反射光を波面センサにより受光する波面収差検出光学系と、前記波面センサからの検出信号に基づいて制御される波面補償デバイスを有し、被検眼の波面収差を補償した状態で被検眼の眼底像を撮像するための撮像光学系と、撮像の部位に応じた輝度レベルを予め設定する設定手段と、前記設定手段によって予め設定された前記輝度レベルとなるように、前記波面収差検出光学系を制御し、前記波面センサから出力される検出信号における反射光の輝度レベルを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼科装置において、前記設定手段は、固視灯位置に応じて前記輝度レベルを予め設定することを特徴とする。
眼の周辺部における収差測定を好適に行うことができる。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の眼底撮影装置の光学系を示した模式図である。本実施形態の眼底撮影装置は、大別して、被検眼の眼底からの反射光に基づいて被検眼の眼底を撮像する第1眼底撮像光学系(以下、眼底撮像光学系と記載する。)100と、被検眼の波面収差を検出するための波面センサ73を有し、被検眼眼底に測定光を投光し、その反射光を波面センサ73にて指標パターン像として受光する波面収差検出光学系(以下、収差検出光学系と記載する。)110と、被検眼の収差を補正するために眼底撮像光学系100に配置された収差補正ユニット10,72と、眼底撮像光学系100で得られる眼底画像(以下、第1眼底画像と記す)の撮影位置を指定するための眼底の観察画像(以下、第2眼底画像と記す)を得るための第2撮影ユニット200、撮影される被検眼Eの固視微動等による位置ずれの経時変化を検出し、移動位置情報を得るトラッキング用ユニット(位置検出部)300、を備える。ここで、眼底撮像光学系100は、被検眼Eの眼底を高解像度(高分解能)・高倍率で撮影する。また、収差補正ユニットは、被検眼の低次収差(視度:例えば、球面度数)を補正するための視度補正部10と、被検眼の高次収差を補正するための高次収差補正部(波面補償デバイス)72と、固視標呈示光学系40と、大別される。
眼底撮像光学系100は、被検眼Eに照明光(照明光束)を照射し眼底を2次元的に照明する第1照明光学系100aと、眼底に照射された照明光の反射光(反射光束)を受光して第1眼底画像を得るための第1撮影光学系100bと、収差補正部72と、を備える。眼底撮像光学系100は、例えば、共焦点光学系を用いた走査型レーザ検眼鏡の構成とされる。
第1照明光学系100aは、眼底を照明するための照明光を出射する光源1(第1光源),照明光(スポット光)を眼底上で2次元的に走査する走査部20を有する。光源1は、被検眼に視認されにくい近赤外域の照明光を出射する。本実施形態では光源1は、波長840nmのSLD(Super Luminescent Diode)光源が用いられる。なお、光源としては、収束性の高い特性を持つスポット光を出射するものであればよく、例えば、半導体レーザ等であってもよい。
はじめに、第1照明光学系100aを説明する。光源1から眼底に到るまでの光路には、レンズ2、ビームスプリッタ3、偏光板4、レンズ5、ビームスプリッタ71、レンズ6、波面補償デバイス72、レンズ7、ビームスプリッタ75が配置される。そしてさらに、レンズ8、走査部20、ダイクロイックミラー46、レンズ9、2次元状に走査される照明光の走査位置を補正するための偏向部400、2枚のプリズムからなる視度補正部10、レンズ11、第2撮影ユニット200等の光路を第1照明光学系と略同軸にするビームスプリッタ90が配置される。なお、ビームスプリッタ3は、本実施形態では、ハーフミラーとされている。
光源1から出射された照明光は、レンズ2により平行光とされた後、ビームスプリッタ3を介し、本実施形態では偏光板4によりS偏光成分のみの光束とされる。偏光板4を経た照明光は、レンズ5により一旦集光し、ビームスプリッタ71を介してレンズ6により平行光束とされ、波面補償デバイス72に入射する。波面補償デバイス72にて反射した照明光は、レンズ7、レンズ8によりリレーされ、走査部20に向かう。
走査部20は、照明光を眼底上で2次元的に走査する構成とされ、ここでは、図示するように、眼底でXY方向に照明光を走査する。本実施形態では、照明光を眼底にて水平方向(X方向)に偏向させ走査するための偏向部材となるレゾナントミラーと、水平方向の走査方向に対して垂直方向(Y方向)に偏向させ走査するための偏向部材となるガルバノミラーと、各ミラーを駆動する駆動部を備える。走査部20を経た照明光は、ダイクロイックミラー46を介して、レンズ9にて再び集光される。偏向部400は、走査部20を経た照明光を水平方向及び垂直方向に対して所定量だけさらに偏向させる役目を持ち、本実施形態では2枚のガルバノミラーにより構成されている。偏向部400を経た照明光は、視度補正部10、レンズ11、ビームスプリッタ90を経て被検眼Eの眼底に集光し、走査部20によって眼底上を2次元的に走査することとなる。なお、視度補正部10は、駆動部10aを有し、一方のプリズムが図示する矢印方向に移動することにより、光路長を変えることができ、視度補正の役目を果たしている。なお、視度補正部10は、駆動部と、駆動部の駆動によって光軸方向に移動可能なレンズからなる構成であってもよい。また、ビームスプリッタ90は、本実施形態ではダイクロイックミラーであり、後述する第2撮影ユニット200、及びトラッキング用ユニット300からの光束を反射させ、光源1及び後述する光源76からの光束を透過させる特性を持つ。なお、光源1及び光源76の出射端と被検眼Eとは共役とされている。このようにして、照明光を眼底に2次元的に照射する第1照明光学系が形成される。
次に、第1撮影光学系100bを説明する。第1撮影光学系100は、第1照明光学系100aにて説明したビームスプリッタ90からビームスプリッタ3までの光路を共通とし、さらにレンズ51、眼底と共役な位置に置かれるピンホール板52、集光レンズ53、受光素子54を含む。なお、本実施形態では、受光素子54はAPD(アバランシェフォトダイオード)が用いられている。
光源1から出射された照明光における眼底からの反射光は、前述した第1照明光学系100aを逆に辿り、偏光板4にてS偏光の光だけ透過された後、ビームスプリッタ3により一部の光束が反射される。この反射光は、レンズ51を介してピンホール板52のピンホールに焦点を結ぶ。ピンホールにて焦点を結んだ反射光は、レンズ53を経て受光素子54に受光される。
このようにして、第1撮影光学系100bが形成される。第1撮影光学系100bで受光された処理された画像が第1眼底画像となる。なお、眼底撮像光学系100で取得する眼底画像(眼底像)の画角が所定の角度となるように走査部20におけるミラーの振れ角(揺動角度)を定める。ここでは、眼底の所定の範囲を高倍率で観察、撮影する(ここでは、細胞レベルでの観察等をする)ために、画角を1度〜5度程度とする。本実施形態では、1.5度とする。被検眼の視度等にもよるが、第1眼底画像の撮影範囲は、500μm角程度とされる。
次に、第2撮影ユニット200を説明する。第2撮影ユニット200は、眼底に向けて照明光束を光源210より出射する照明光学系、眼底からの反射光を受光素子251により受光する受光光学系、を有し、第2眼底撮像光学系として用いられる。そして、第2撮影ユニット200は、撮像光学系100よりも広画角の眼底画像(第2眼底画像)を取得するために用いられる。そして、眼底撮像光学系100は、第2眼底撮像光学系により撮像された眼底像のある範囲に向けて照明光束を出射する。第2眼底画像は、前述した狭画角の第1眼底画像を得るための位置指定、及び位置確認用の画像として用いられる。
このような第2眼底画像を取得するための第2撮影ユニット200は、被検眼Eの眼底画像を観察用として広画角(例えば20度〜60度程度)でリアルタイムに取得できればよい。したがって第2撮影ユニット200は、既存の眼底カメラの観察・撮影光学系や走査型レーザー検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)の光学系、及び制御系を用いることができる。
次に、収差検出光学系110について説明する。前述のように、収差検出光学系110は、一部の光学素子を第1照明光学系100aの光路上に持ち、第1照明光学系100aと光路を一部共用している。収差検出光学系110は、波面センサ73、偏光板74、光源76、レンズ77、偏光板78、レンズ79、を含み、第1照明光学系の光路上に置かれるビームスプリッタ71からビームスプリッタ90までの光学部材を共用することにより構成されている。なお、波面センサ73は、例えば、多数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイと、マイクロレンズアレイを透過した光束を受光させるための二次元撮像素子73a(2次元受光素子)からなる。また、収差検出用光源(第3光源)である光源76は、光源1と異なる赤外域の光を発する光源とされる。本実施形態では光源76は波長780nmのレーザ光を出射するレーザダイオードを用いている。光源76から出射したレーザ光は、レンズ77により平行光束とされ、偏光板78により光源1からの照明光と直交する偏光方向(P偏光)とされ、ビームスプリッタ75により第1照明光学系の光路に導かれる。なお、レンズ7、8の間に眼底共役位置があり、光源76の出射端はこの眼底共役位置と共役な関係とされる。なお、ビームスプリッタ75は、本実施形態ではハーフミラーとされている。偏光板78は、眼底へと照射される第3光源の光を所定の偏光方向とする役割を持ち、波面補償部が備える第1偏光手段の役割を持つ。
この場合、収差検出光学系110の測定光は、第1照明光学系100aとの共通光路を介して眼底に照射される。そして、眼底照明光束の照射位置の変更に同期して、測定光の照射位置が変更される。
ビームスプリッタ75により反射したレーザ光は、第1照明光学系100aの光路を経て被検眼Eの眼底に集光される。眼底で反射されたレーザ光は、第1照明光学系100aの各光学部材を経て波面補償デバイス72にて反射し、ビームスプリッタ71により第1照明光学系100aの光路から外れ、レンズ79、S偏光成分のみを通す偏光板74を経て波面センサ73へと導かれる。偏光板74は、波面補償部に備えられた第2偏光手段であり、眼底へと照射される第3光源の光が持つ偏光方向(P偏光光)を遮断し、この偏光方向に直交する偏光方向(S偏光光)を透過し、波面センサ73へと導光する役割を持つ。なお、ビームスプリッタ71は、光源1の波長の光(840nm)を透過し、収差検出用の光源76の波長の光(780nm)を反射する特性とされる。従って、波面センサ73では、照射したレーザ光の眼底での散乱光のうちS偏光成分を持つ光が検出される。このようにして、角膜や光学素子で反射される光が波面センサ73に検出されることを抑制している。また、走査部20、波面補償デバイス72の反射面、及び波面センサ73のマイクロレンズアレイは、被検眼の瞳と略共役とされる。また、波面センサ73の受光面は被検眼Eの眼底と略共役とされる。波面センサ73には、低次収差及び高次収差を含む波面収差が検出できる素子、例えば、ハルトマンシャック検出器や光強度の変化を検出する波面曲率センサ等を用いる。
また、波面補償デバイス72は、例えば、液晶空間光変調器とし、反射型のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等を用いるものとしている。そして、波面補償デバイス72は、眼底撮像光学系100の光路中に配置され、入射光の波面を制御して被検眼の波面収差を補償する。
なお、本実施例においては、波面補償デバイス72は、液晶変調素子とし、反射型のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等を用いるものとしているが、これに限るものではない。反射型の波面補償デバイスであればよい。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の一形態であるデフォーマブルミラーを用いてもよい。また、反射型の波面補償デバイスではなく、眼底からの反射光を透過させて波面収差を補償するような透過型の波面補償デバイスを用いることもできる。
なお、以上の説明では、収差検出用光源として、第1光源とは異なる波長の照明光を出射する光源を用いたが、第1光源を収差検出用光源として用いてもよい。
なお、収差検出光学系100の測定光は、走査部20及び偏向部400を介して眼Eに投光される。このため、眼底上における測定光の照射位置は、高倍率の眼底観察光と同じ位置となる。
なお、以上説明した本実施形態では、波面センサ及び波面補償デバイスを被検眼の瞳共役としたが、被検眼の前眼部の所定部位と略共役な位置であればよく、例えば、角膜共役であってもよい。
固視標呈示光学系40は、7つのLEDで構成される赤色の光源41、リレーレンズ42を備え、ダイクロイックミラー46で反射され、第1照明光学系100aにて説明したレンズ9からビームスプリッタ90までの光路を共用する。光源41からの光束は、被検眼眼底に集光される。
固視標呈示光学系40は、眼底中心部を撮影する標準位置と眼底周辺部を撮影する周辺位置とに固視標の呈示位置を変更可能な構成となっている。すなわち、図2に示されるように、7つのLEDで構成される光源41の内、固視標位置43aに対応する光源41aは、眼底後極部付近を撮影するときに使用するものであり、この固視標位置43aが標準位置とされる。そして、その他の光源41b〜41gに対応する固視標位置43b〜43gが周辺撮影用の位置とされる。固視位置は、図無き固視位置切換スイッチによって切換え可能であり、検者により選択された固視位置に対応する光源が点灯される。
次に、眼底撮影装置の制御系を説明する。図3は、本実施形態の眼底撮影装置の制御系を示したブロック図である。装置全体の制御を行う制御部80には、光源1、走査部20、固視光源41、受光素子51、波面補償デバイス72、波面センサ73、光源76、第2撮影ユニット200、光源210、受光素子251、トラッキング用ユニット300、偏向部400、偏向部410、視度補正部10、が接続される。また、メモリ81、コントロール部82、画像処理部83、モニタ85、が接続される。画像処理部83は受光素子51、第2撮影ユニット200にて受光した信号に基づきモニタ85に画角の異なる被検眼眼底の画像、つまり、第1眼底画像及び第2眼底画像を形成する。メモリ81には種々の設定情報や撮影画像が保存される。なお、モニタ85には、例えば、外部のパ−ソナルコンピューターのモニタや装置に備えられているモニタが考えられる。モニタ85には、所定のフレームレートにて更新される眼底画像(第1眼底画像、及び第2眼底画像)が表示される。フレームレートとしては、例えば、10〜100Hzとされる。このようにして、動画として眼底画像が表示される。本実施形態では、制御部80は、モニタ85の表示制御部80、偏向部400、410の駆動制御部、光源1、41、76等の出射制御部の機能を兼ねる。
以上のような構成の眼底撮影装置において、その動作を説明する。検者は、固視標を用いて被検眼Eを固視させ、被検眼Eに対して図示なきジョイスティック等を用いて装置をアライメントする。このとき、コントロール部82の操作により視度補正部10を駆動し、被検眼Eの視度補正を行う。アライメントでは、第2撮影ユニット200による第2眼底画像がモニタ85の所定領域に表示されており、検者はモニタ85の観察画面枠に表示される観察画像(第2眼底画像)を見ながら、アライメントを完了させる。アライメント完了後、検者はコントロール部82を用いてトラッキング用ユニット300を動作させる指令信号の入力を行う。
制御部80はトラッキング開始の指令信号を受けて、トラッキング用ユニット300、偏向部400,410を駆動させて被検眼Eのトラッキングを開始する。
アライメントが完了し、検者により所定のトリガ信号が出力されると、制御部80により、視度補正部10を用いて視度補正が行われ、次いで、収差補正に必要な波面検出(収差検出)を行う。
収差検出は、ハルトマン像の検出結果に基づいて行われる。光源76からの測定光が眼底に投光され、その反射光が波面センサ73のレンズアレイを通過し、二次元撮像素子73aに受光されると、複数の点の集合からなるハルトマン像が撮像素子73a上に撮像される。そして、このハルトマン像の点像の位置や点像の間隔に基づいて、収差が検出される。なお、光源76の出射光量及び撮像素子73aの感度の初期設定は、正面固視において良好なハルトマン像が得られるように予め実験等により決定されている。
図4(a)は、低倍率の眼底画像を示す例であり、図4(b)は、図4(a)のラインRにおける輝度分布(0〜255階調)を示す図である。すなわち、乳頭周辺部は、他の眼底部位と比較して反射率が高い。
図5は、低倍率眼底画像、ハルトマン像、ハルトマン像の輝度分布を示す図であり、図5(a)は眼底中心撮影時、図5(b)は乳頭撮影時である。フレームFは高倍率眼底像の撮影領域を表す。
図5(a)に示すように、中心部が撮影されるとき、光源41aが点灯され、固視標位置43aに設定される。そして、眼Eの視線は正面方向に誘導される。このとき、収差測定に適した輝度を持つハルトマン像37が得られる。例えば、ハルトマン像37における輝度のピーク35は、飽和していない。なお、乳頭以外での撮影においては、ほぼ同様のハルトマン像が得られる。
図5(b)に示すように、乳頭部が撮影されるとき、右眼であれば光源43fが点灯され、左眼であれば光源43cが点灯される。このとき、反射率の高い乳頭部に測定光が投光されるため、その反射光の光量が過多となり、輝度が飽和したハルトマン像38が得られる。例えば、ハルトマン像38における輝度のピーク36は飽和している。この場合、ハルトマン像38の位置を正確に検出できないので、収差の測定精度が低下してしまう。
すなわち、固視標呈示光学系40によって眼底上における測定光束の照射位置が変更された場合、制御部80は、これに対応するために、収差検出光学系110を制御し、波面センサ73から出力される検出信号における反射光の輝度レベルを制御する。
<過飽和判定及び光量(ゲイン)調整>
以下に反射光の輝度レベルの制御について具体的に説明していく。図6は過飽和判定及び光量(ゲイン)調整の一例を示すフローチャートである。制御部80は、撮像素子73aに受光されたハルトマン像における輝度分布情報を検出し、その検出結果に基づいて、波面センサ73に受光された反射光の輝度レベルがある許容レベルを超えているか否かを判定する。そして、制御部80は、その判定結果に基づいて収差検出光学系110を制御し、光源76の投光光量又は波面センサ73の撮像素子73aの感度(ゲイン)を調整する。
より具体的に説明していく。制御部80は、波面センサ73によって取得されたハルトマン像を二次元的に走査することにより、ハルトマン像における各画素毎の輝度値を計測し、その計測結果に基づいてハルトマン像全体の輝度分布を検出する。
次いで、制御部80は、ハルトマン像全体の輝度分布における輝度値がもっとも高い値をピーク値として検出し、ピーク値が閾値Sを超えているか判定する。そして、判定結果に基づいて、光量調整を行う。
なお、本実施例においては、100%の輝度値に到達せず、収差測定に影響しない輝度値として、閾値S(本実施例においては、255階調における80%の輝度値とする)を設定した。なお、本実施例においては、閾値Sとして輝度値を80%と設定したが、ハルトマン像を精度良く検出できれば、これに限るものではない。例えば、輝度値100%が閾値として設定されてもよい。また、反射率が最も少ない部位の輝度値(黄斑部での輝度値)と、反射率が最も高い部位の輝度値(乳頭部での輝度値)との、中間値付近に閾値Sが設定されてもよい。
ここで、図5(b)に示されるように、ピーク値36が閾値Sを超えている場合、制御部80は、ハルトマン像(反射光)の輝度が許容レベルを超えている(飽和している)と判定し、反射光の輝度レベルが下がるように、収差検出光学系110を制御する。すなわち、光源76の光量を所定量低下させる。そして、光量を低下させた後、再度、ピーク値36が閾値Sを超えているか判定を行う。以上のように制御部80は、ピーク値36が閾値S以下となるまで、上記のような制御を繰り返す。
このような制御により、図7に示すように、ピーク値36が閾値Sを下回り、適正な輝度のハルトマン像39が取得されるようになる。そこで、ピーク値36が閾値S以下となると、制御部80は、ハルトマン像の輝度が許容レベルであると判定し、光源76の光量の調整を止める。そして、制御部80は、ハルトマン像39の像位置を検出し、眼Eの波面収差を測定する。
また、ピーク値35が初めから閾値S以下である場合、制御部80は、収差測定に直接移行する。すなわち、反射率が高い部位でなければ、過飽和に対応する光量調整は行われず、通常通り収差が測定される。
<収差測定>
制御部80は、波面センサ73におけるハルトマン像の検出信号(検出結果)に基づいて被検眼Eの波面収差を検出し、波面補償デバイス72を制御する。以上のようにして波面収差が補償され、所定のトリガ信号が出力されると、眼底の細胞像が動画像又は静止画像として撮影される。
以上のような構成により、眼底上の撮影部位に応じた光量に変更させることが可能となるため、眼底上で反射率が高い部分(例えば、乳頭)を撮影する場合においても、正確な収差測定を行うことができる。そして、これにより、周辺撮影に関し、鮮明な眼底像を得ることができる。
なお、光源76の光量を調整するか否かを判定する場合、上記手法に限るものではない。例えば、各画素毎の輝度値を積算させた積算値(各画素毎の輝度値の総和)が許容範囲内であるか否かを判定するようにしてもよいし、各画素毎の輝度値の総和を画素数で割ったときの平均値(全輝度の加重平均)が許容範囲内であるか否かを判定するようにしてもよい。すなわち、ハルトマン像における二次的な輝度分布に基づいて、反射光が収差測定に影響を及ぼす程度の入射光量であるかどうかを判定できるような判定基準であればかまわない。
なお、本実施例においては、光源76の調整によって、光量を調整するものとしたがこれに限らない。例えば、光源76から眼Eまでの光路中に光量調整フィルタや光減衰器を設けるようにしてもよい。また、制御部80は、波面センサ73の制御をしてもよい。例えば、波面センサ73の撮像素子73aから出力される撮像信号の感度(ゲイン)を調整するようにしてもよい。また、撮像素子73aにおける露光時間、ハルトマン像の加算回数、等を制御するようにしてもよい。また、制御部80は、投光系と受光系の制御を組み合わせてもよい。
なお、上記手法の他、光源76の投光光量又は波面センサ73のゲインを撮影部位(測定部位)毎に予め設定しておき、制御部80は、撮影部位に応じて設定を変更するようにしてもよい。例えば、眼底中心部を撮影するためや、乳頭周辺部を撮影するための各撮影部位に対応したモードを設ける。そして、各モードに対する光量と固視灯位置が予め設定される。
なお、本実施例において、点灯させる固視標位置の変更により、固視方向を変化させ、撮影部位を変更させたがこれに限るものではない。例えば、眼底上における撮影光束及び測定光束の照射位置が走査部20によって移動される場合であっても、本発明の適用は可能である。また、撮影装置本体を被検眼の瞳孔中心を基準に移動させるといったチルト機構や顎台を駆動させるといった顔支持ユニットの移動機構を用いて、撮影部位を変更させる構成としてもかまわない。このような構成を用いる場合、固視標位置の変更により撮影領域を変更させる場合よりも、撮影領域を変更する際の変更可能な領域が広くなる。
なお、本発明は、乳頭部のような反射率の高い部位の撮影の際に、光量を調節するものととしたがこれに限らない。例えば、黄斑のように、反射光が少ない部位の撮影の場合にも、本発明の適用は可能である。この場合、下限の閾値を設け、光量のピーク値が閾値以下である場合には、投光光量を増加させるようにしてもよい。なお、輝度レベルの判定において、黄斑部位に対応した下限の閾値と、乳頭に対応した上限の閾値とを設定し、これらの許容範囲を超えたとき、光量を制御してもよい。
なお、以上の説明においては、眼底撮像光学系100として、被検眼眼底と略共役な位置に配置された共焦点開口を介して被検眼眼底で反射した光束を受光して被検眼眼底の共焦点正面画像を撮影する共焦点光学系(SLO光学系)を用いるものとしたが、これに限るものではない(例えば、特表2001−507258号公報参照)。
例えば、被検眼眼底で反射した光束を二次元撮像素子により受光して被検眼の眼底正面画像を撮影する眼底カメラ光学系であってもよい。また、被検眼眼底で反射した光束と参照光による干渉光を受光して被検眼の断層画像を撮影する光干渉光学系(OCT光学系)であってもよい。
なお、以上の説明においては、眼底撮影装置を例にとって説明したが、眼底上における測定光束の照射位置を変更して眼Eの波面収差を測定する装置であれば、本発明の適用が可能である。これにより、周辺固視時における眼Eの波面収差を好適に撮影できる。
なお、眼底に向けて測定光を投光しその反射光を受光素子により受光して眼の状態(例えば、波面収差、眼屈折力、視度、眼軸長、眼底に対するフォーカス状態)を検出する検出光学系を持つ眼科装置であれば、本発明の適用が可能である。このような装置において、眼底上における測定光束の照射位置が変更された場合、検出光学系を制御し、受光素子から出力される検出信号における反射光の輝度レベルを制御すればよい。このようにすれば、眼底上での照射位置に関わらず、眼特性の測定が可能となり、眼の周辺部に関する測定が可能となる。もちろん前述の検出光学系と上記眼底撮像光学系との複合装置であってもよい。
本実施形態の眼底撮影装置の光学系を示した模式図である。 本実施形態における固視標を示した図である。 本実施形態の眼底撮影装置の制御系を示したブロック図である。 低倍率の眼底画像と眼底画像における輝度分布を示す図である。 低倍率眼底画像、ハルトマン像、ハルトマン像の輝度分布を示す図である。 過飽和判定及び光量調整を示すフローチャートである。 光量調整後のハルトマン像及びその輝度分布を示す図である。
20 走査部
40 固視標呈示光学系
72 波面補償デバイス
73 波面センサ
80 制御部
85 モニタ
100 第1眼底撮像光学系
110 波面収差検出光学系
200 第2撮影ユニット
300 トラッキング用ユニット
400、410 偏向部

Claims (2)

  1. 被検眼眼底に向けて測定光を投光しその反射光を波面センサにより受光する波面収差検出光学系と、
    前記波面センサからの検出信号に基づいて制御される波面補償デバイスを有し、被検眼の波面収差を補償した状態で被検眼の眼底像を撮像するための撮像光学系と、
    撮像の部位に応じた輝度レベルを予め設定する設定手段と、
    前記設定手段によって予め設定された前記輝度レベルとなるように、前記波面収差検出光学系を制御し、前記波面センサから出力される検出信号における反射光の輝度レベルを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼科装置。
  2. 請求項1の眼科装置において、
    前記設定手段は、固視灯位置に応じて前記輝度レベルを予め設定することを特徴とする眼科装置。
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