JP5652028B2 - 熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ及び積層板 - Google Patents

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本発明は、接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性および誘電特性等に優れ、特に基板を加熱した時のそり量が極めて小さい特性を有する熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ及び積層板に関する。
近年の電子機器の小型化・高性能化の流れに伴い、プリント配線板では配線密度の高度化、高集積化が進展し、これにともなって、配線用積層板の耐熱性の向上による信頼性向上への要求が強まっている。このような用途においては、優れた耐熱性、低線膨張係数を兼備することが要求されている。特に近年、半導体用パッケージ基板では,小型化,薄型化に伴い,部品実装時やパッケージ組み立て時において,チップと基板との熱膨張係数の差に起因したそりが大きな課題となっている。
プリント配線板用積層板としては、エポキシ樹脂を主剤とした樹脂組成物とガラス織布とを硬化・一体成形したものが一般的である。エポキシ樹脂は、絶縁性や耐熱性、コスト等のバランスに優れるが、近年のプリント配線板の高密度実装、高多層化構成に伴う耐熱性向上への要請に対応するには、その耐熱性の上昇には限界がある。また、エポキシ樹脂は熱膨張率が大きいため、芳香環を有するエポキシ樹脂の選択やシリカ等の無機充填材を高充填化することで低熱膨張化を図っている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、無機充填材の充填量を増やすことは、吸湿による絶縁信頼性の低下や樹脂−配線層の密着不足、プレス成形不良を起こすことが知られている。
ビスマレイミド樹脂は、耐熱性は非常に優れており、高密度実装、高多層化積層板に広く使用されているものの、耐湿性が高く、接着性に難点がある。また、ビスマレイミド樹脂は、積層時にエポキシ樹脂に比べ高温、長時間を必要とし生産性が悪いという欠点もある。一般的に、エポキシ樹脂の場合180℃以下の温度で硬化可能であるが、ポリビスマレイミド樹脂を積層する場合は220℃以上の高温でかつ長時間の処理が必要である。
また、変性イミド樹脂組成物は耐湿性や接着性が改良されるものの、メチルエチルケトン等の汎用性溶剤への可溶性確保のため水酸基とエポキシ基を含有する低分子化合物で変性するので、得られる変性イミド樹脂の耐熱性がポリビスマレイミド樹脂と比較すると大幅に低下する(例えば、特許文献2参照)。
また、プリント配線板は、従来と比較し、さらなる高密度実装と高多層化が進展しているため、基板はより薄くなり、半導体チップとの熱膨張率の差から、そりを生じ、接触不良を起こし易くなっている。
特開平5−148343号公報 特開平6−263843号公報
本発明の目的は、以上のような状況から、接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性および誘電特性等に優れ、特に基板を加熱した時のそり量が極めて小さい特性を有する樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、及び積層板を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物として、特定のマレイミド化合物とアミン化合物を有機溶媒中で反応させて得られるN置換マレイミド基と酸性置換基とを有する硬化剤と、ビスフェノールF型フェノールノボラック型エポキシ樹脂(以下、BFPノボラック型エポキシ樹脂とも云う。)を含む樹脂組成物を使用することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板を提供する。
1.1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)と、下記一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミノ化合物(b)を反応させて製造される、N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A)と、ビスフェノールF型フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
Figure 0005652028
(式中、R1は各々独立に、酸性置換基である水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基を示し、R2は各々独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、xは1〜5の整数、yは0〜4の整数で、且つxとyの和は5である。)
2.N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A)が、下記の一般式(II)で表されるビスマレイミド誘導体である上記1の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 0005652028
(式中、Arは一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)又は(II−4)で表される残基であり、R1は各々独立に、酸性置換基である水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基、R2は各々独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、xは1〜5の整数、yは0〜4の整数で、且つxとyの和は5である。)
Figure 0005652028
(式中、R3は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、pは0〜4の整数である)
Figure 0005652028
(式中、A1は炭素数1〜5のアルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、又はスルフォニル基で表される残基、R4及びR5は各々独立に炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、q、rは各々独立に0〜4の整数である。)
Figure 0005652028
(式中、sは1〜10の整数である。)
Figure 0005652028
3.さらに、硬化促進剤(C)を含有する上記1又は2の熱硬化性樹脂組成物。
4.さらに、無機充填材(D)を含有する上記1〜3のいずれかの熱硬化性樹脂組成物。
5.さらに、難燃剤(E)を含有する上記1〜4のいずれかの熱硬化性樹脂組成物。
6.固形分換算による(A)成分と(B)成分の合計量100質量部当たり、(A)成分の含有量が20〜90質量部である上記1〜5のいずれかの熱硬化性樹脂組成物。
7.上記1〜6のいずれかの熱硬化性樹脂組成物を、シート状補強基材中に含浸又は塗工した後、Bステージ化したものであることを特徴とするプリプレグ。
8.絶縁樹脂層が、上記7のプリプレグを用いて形成されたものであることを特徴とする積層板。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、特定のマレイミド化合物とアミン化合物を有機溶媒中で反応させて得られるN置換マレイミド基と酸性置換基とを有する硬化剤(A)と、ビスフェノールF型フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)を含む樹脂組成物を含むことにより、接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性および誘電特性等に優れ、特に低熱膨張性を有し、基板を加熱した時のそり量が極めて小さい特性を有している。
従って、半導体パケージや多層プリント配線板の絶縁樹脂層に本発明の熱硬化性樹脂組成物を使用することにより優れた高信頼性を有する電子部品等が得られ、本発明の樹脂組成物は高密度実装、高多層化積層板の製造に好適に使用される。
製造例1で得られたN置換マレイミド基と酸性置換基とを有する硬化剤(A−1)のFT−IR測定チャートである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物とも云う)は、1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)と、下記一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミノ化合物(b)を反応させて得られる、N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A)と、ビスフェノールF型フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)を含有することを特徴とするものである。
Figure 0005652028
(R1は各々独立に、酸性置換基である水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基を示し、R2は各々独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、xは1〜5の整数、yは0〜4の整数で、且つxとyの和は5である)
1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)としては、例えば、(a)の1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物は、例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、下記一般式(III)で表されるポリフェニルメタンマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
これらの中で、反応率が高く、より高耐熱性化できるビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンが好ましく、溶剤への溶解性の点から、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンがより好ましく、安価である点からビス(4−マレイミドフェニル)メタンが特に好ましい。
Figure 0005652028
(式中、sは1〜10の整数である。)
前記一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(b)としては、例えば、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3,5−ジヒドロキシアニリン、3,5−ジカルボキシアニリン等が挙げられる。
これらの中で、溶解性や合成の収率の点からm−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、3,5−ジヒドロキシアニリンが好ましく、耐熱性の点からo−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノールがより好ましく、誘電特性や低熱膨張性、安価である点からp−アミノフェノールが特に好ましい。
マレイミド化合物(a)とアミン化合物(b)の反応は有機溶媒を使用することが好ましい。この反応で使用される有機溶媒は特に制限されないが、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチルエステルやγ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、溶解性の点からシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、ジメチルアセトアミドが好ましく、低毒性であることや揮発性が高く残溶剤として残りにくい点から、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルアセトアミドが特に好ましい。
ここで、マレイミド化合物(a)とのアミン化合物(b)の使用量は、その当量比が、マレイミド化合物(a)のマレイミド基当量に対し、−NH2基換算の酸性置換基を有するアミン化合物の当量が次式:
2.0≦(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)≦10.0
に示す範囲であることが望ましい。
この当量比を10.0以下とすることにより、溶剤への溶解性が不足したり熱硬化性樹脂の耐熱性が低下することがなく、2.0以上とすることによりゲル化を起こしたり、熱硬化性樹脂の耐熱性が低下することがない。
また、有機溶媒の使用量は、(a)成分と(b)成分の合計量100質量部当たり、10〜1000質量部とすることが好ましく、100〜500質量部とすることがより好ましく、200〜500質量部とすることが特に好ましい。有機溶剤の使用量が10質量部以上とすることにより溶解性が不足することがなく、また1000質量部以下とすることにより硬化剤(A)の製造に長時間を要することがない。
(a)成分と(b)成分の反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、さらに好ましくは70〜160℃である。反応時間は、好ましくは0.1〜10時間であり、さらに好ましくは1〜8時間、特に好ましくは1〜6時間である。例えば(a)成分と(b)成分を有機溶媒中で必要により加熱・保温しながら攪拌し、反応させることにより、N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A)が製造される。
なお、この反応には、必要により反応触媒を使用することができる。反応触媒の例としては、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミン等のアミン類、メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒等があげられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
(a)成分と(b)成分の反応による反応生成物としては下記の一般式(II)で表されるビスマレイミド誘導体を例示することができる。
Figure 0005652028
(式中、Arは一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)又は(II−4)で表される残基であり、R1は各々独立に、酸性置換基である水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基、R2は各々独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、xは1〜5の整数、yは0〜4の整数で、且つxとyの和は5である。)
Figure 0005652028
(式中、R3は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、pは0〜4の整数である)
Figure 0005652028
(式中、A1は炭素数1〜5のアルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、又はスルフォニル基で表される残基、R4及びR5は各々独立に炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、q及びrは各々独立に0〜4の整数である。)
Figure 0005652028
(式中、sは1〜10の整数である。)
Figure 0005652028
次に、 (B)成分のビスフェノールF型フェノールノボラック型エポキシ樹脂(BPFノボラック型エポキシ樹脂)は、下記一般式(IV)で表される。樹脂の軟化点温度は樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)や耐熱性を考慮すると65〜90℃が好ましい。
BPFノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、大日本インキ工業化学(株)製のEXA−7376シリーズ等が挙げられる。その製造方法は特に制限されないが、公知の方法で、ビスフェノールF型フェノールノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることで得ることができる。
Figure 0005652028
(式中、nは1以上の整数である。)
本発明の樹脂組成物における固形分換算の(A)成分及び(B)成分の質量比は、これらの合計量100質量部として、(A)成分を20〜90質量部とすることが好ましく、50〜80質量部とすることがより好ましい。(A)成分を20質量部以上とすることにより、必要とされる難燃性が得ることができ、また、90質量部以下とすることにより、必要とされる耐熱性及び接着性を得ることができる。
本発明の絶縁樹脂組成物には、(A)成分及び(B)成分に加えて、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の向上化のため硬化促進剤(C)を用いることが好ましい。
硬化促進剤(C)としては、イミダゾール類及びその誘導体、第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。その中でもイミダゾール類及びその誘導体が耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の点から好ましく、更に下記一般式(V)で表されるイミダゾール基がエポキシ樹脂によって置換された化合物や、下記一般式(VI)で表されるイソシアネート樹脂によって置換された化合物を用いることにより、200℃以下での比較的低温での硬化成形性とワニスやプリプレグの経日安定性に優れるためより好ましい。
また、硬化促進剤(C)として、下記一般式(VII)又は一般式(VIII)で表される化合物が少量の配合使用でよく、また商業的にも安価であることから特に好ましい。
Figure 0005652028
(式中、R6、R7、R8、R9は、各々独立に水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、フェニル基を示し、Bは、単結合、アルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、又はスルフォニル基である)
Figure 0005652028
(式中、R6、R7、R8、R9は、各々独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、又はフェニル基を示し、Dはアルキレン基、芳香族炭化水素基等のイソシアネート樹脂の残基である)
Figure 0005652028
Figure 0005652028
硬化促進剤(C)の含有量は、固形分換算の(A)成分と(B)成分の合計量100質量部当たり、0.1〜20質量部とすることが好ましく、0.1〜10質量部とすることがより好ましい。硬化促進剤の含有量を0.1質量部以上とすることにより、必要とされる耐熱性や難燃性、銅箔接着性等が得られ、また20質量部以下とすることにより、必要とされる耐熱性や経日安定性が得られる。
本発明の絶縁樹脂組成物には、低熱膨張率、高弾性率、耐熱性、難燃性を向上させる目的で、任意に無機充填剤(D)を含有させることができる。
無機充填材(D)としては、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、EガラスやTガラス、Dガラス等のガラス粉や中空ガラスビーズ等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、誘電特性、耐熱性、低熱膨張性の点からシリカが特に好ましい。シリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられ、乾式法シリカとしてはさらに、製造法の違いにより破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融球状シリカが挙げられる。これらの中で、低熱膨張性及び樹脂に充填した際の高流動性から溶融球状シリカが好ましい。
無機充填材として溶融球状シリカを用いる場合、その平均粒子径は0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜8μmであることがより好ましい。該溶融球状シリカの平均粒子径を0.1μm以上にすることで、樹脂に高充填した際の流動性を良好に保つことができ、さらに10μm以下にすることで、粗大粒子の混入確率を減らし粗大粒子起因の不良の発生を抑えることができる。ここで、平均粒子径とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、ちょうど体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
無機充填材の含有量は、樹脂組成物全体の10〜60体積%であることが好ましく、20〜50体積%であることがより好ましい。無機充填材の含有量を樹脂組成物全体の10〜60体積%にすることで、樹脂組成物の成形性と低熱膨張性を良好に保つことができる。
更に、本発明の熱硬化性樹脂組成物に、難燃性を向上させることを目的に、難燃剤(E)を含有させることができる。適切な難燃剤を併用することにより、耐熱性や銅箔接着性、高弾性率、低熱膨張率性等の諸特性の低下が少なく、高難燃性を付与することができる。
難燃剤(E)の例としては、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水和物、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、ホスファゼン、赤リン等のリン系難燃剤、三酸化アンチモン、モリブデン酸亜鉛等の無機難燃助剤等が挙げられる。臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤は、近年の環境問題から本発明の目的にそぐわない。
これらの難燃剤の中で、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水和物が、高いガラス転移温度や銅箔接着性を発現することができ、またリンを含有しないことから安全性や環境適応性もかなり高いので好ましい。
金属水和物の中でも、ベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)、あるいはギブサイト型水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕を熱処理によりその熱分解温度を300℃以上に調製した化合物、水酸化マグネシウム等の、熱分解温度が300℃以上である金属水和物は、優れた耐熱性を有するためより好ましい。特に、ベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)は、350℃以上の特に高い熱分解温度を有するため、難燃性と、特に高い耐熱性が両立することや、耐酸性等の耐薬液性、低吸水率性等に優れるため、特に好ましい。
難燃剤(E)を含有させる場合、その使用量は、難燃剤が金属水和物である場合は、固形分換算の(A)成分および(B)成分の合計量100質量部当たり、10〜300質量部とすることが好ましく、10〜250質量部とすることがより好ましく、50〜200質量部とすることが特に好ましい。10質量部以上であると難燃性が不足することがなく、300質量部以下であると耐めっき液性などの耐薬品性が低下することがない。
難燃剤(E)がリン系難燃剤である場合は、固形分換算のポリアゾメチンを有するビスマレイミド誘導体(A)100質量部当たり、リン原子の含有量が0.1〜10.0質量部となるように配合することが好ましく、1.0〜10.0質量部となるように配合することがより好ましく、1.0〜8.0質量%となるように配合することが特に好ましい。0.1質量%以上であると難燃性が不足することがなく、10.0質量部以下であると耐めっき液性などの耐薬品性や耐熱性、銅箔接着性が低下することがない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、任意に公知の熱可塑性樹脂、エラストマー、有機充填剤を含有させることができる。
熱可塑性樹脂の例としては、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
有機充填剤の例としては、シリコーンパウダー、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル等の有機物粉末等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に対して、任意に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び密着性向上剤等を含有させることも可能であり、特に限定されない。これらの例としては、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系やスチレン化フェノール等の酸化防止剤、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系等の光重合開始剤、スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、尿素シラン等の尿素化合物やシランカップリング剤等の密着性向上剤等が挙げられる。
なお、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、希釈溶剤として有機溶剤を任意に使用することができる。該有機溶剤は特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ等のアルコール系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
本発明のプリプレグは、前記の熱硬化性樹脂組成物を、シート状補強基材に含浸又は塗工した後、加熱等により半硬化(Bステージ化)したものである。以下、本発明のプリプレグについて詳述する。
本発明のプリプレグに使用されるシート状補強基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。その材質の例としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレン等の有機繊維、並びにそれらの混合物等が挙げられる。
これらのシート状補強基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。
シート状補強基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。該シート状補強基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90重量%となるように、シート状補強基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させることにより、本発明のプリプレグを得ることができる。
本発明の積層板は、前述の本発明のプリプレグを用いて、積層成形して、形成することができる。即ち、本発明のプリプレグを、例えば、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅及びアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより本発明の積層板を製造することができる。
金属箔は、電気絶縁材料用途で用いるものであれば特に制限されない。また、成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPa、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと内層用配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、各実施例及び比較例で得られた銅張積層板を用いて、以下の方法により性能を測定・評価した。
(1)銅箔接着性(銅箔ピール強度)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより1cm幅の銅箔を形成して評価基板を作製し、引張り試験機を用いて銅箔の接着性(ピール強度)を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板の熱膨張特性を観察することにより評価した。
(3)はんだ耐熱性
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5cm角の評価基板を作製し、平山製作所(株)製プレッシャー・クッカー試験装置を用いて、121℃、0.2MPaの条件で4時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、温度288℃のはんだ浴に、評価基板を20秒間浸漬した後、外観を観察することによりはんだ耐熱性を評価した。
(4)銅付き耐熱性(T−300)
銅張積層板から5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、300℃で評価基板の膨れが発生するまでの時間を測定することにより評価した。
(5)吸湿性(吸水率)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、平山製作所(株)製プレッシャー・クッカー試験装置を用いて、121℃、0.2MPaの条件で5時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、評価基板の吸水率を測定した。
(6)難燃性
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板から、長さ127mm、幅12.7mmに切り出した試験片を作製し、UL94の試験法(V法)に準じて評価した。
(7)誘電特性(比誘電率及び誘電正接)
得られた銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、Hewllet・Packerd社製比誘電率測定装置(製品名:HP4291B)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
(8)そり量
AKROMETRIX社製 サーモレイ PS200シャドーモアレ分析を用いて,基板の反り量を評価した。基板のサンプルサイズを40mm×40mm、測定エリアを36mm×36mmとした。室温から260℃まで加熱し、その後50℃まで冷却した時のそり量を測定した。
製造例1:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:412.50gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、還流させながら5時間反応させてN−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−1)の溶液を製造した。
また、得られた溶液をGPC〔東ソー(株)製、TSK gel Super HZ-L、Super HZ-2000、Super HZ-3000、溶離液:テトラヒドロフラン〕により分析した。その測定チャートを第1図に示す。
その結果、溶出時間が約19分付近に出現するp−アミノフェノールのピークが消失しており、付加反応物に由来するピーク(B)及び(C)が確認された。ここでピーク(A)は合成原料のビス(4−マレイミドフェニル)メタンであり、ピーク(B)は下記の化学式(IX)に示す反応生成物であり、ピーク(C)は下記の化学式(X)に示す副反応生成物である。
Figure 0005652028
Figure 0005652028
製造例2:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−2)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとm−アミノフェノール:54.50g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:412.5gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、還流させながら5時間反応させて、N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−2)の溶液を製造した。
製造例3:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−3)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとp−アミノ安息香酸:27.40g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:385.4gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=10.0となる比率で配合し、160℃で5時間反応させてN−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−3)の溶液を製造した。
製造例4:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−4)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積1リットルの反応容器に、m−フェニレンビスマレイミド:268.0gとm−アミノフェノール:109.0g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:377.0gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=2.0となる比率で配合し、140℃で5時間反応させてN−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−4)の溶液を製造した。
製造例5:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−5)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:496.5gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、還流させながら5時間反応させてN−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−5)の溶液を製造した。
製造例6:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−6)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0gとo−アミノフェノール:54.5g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:496.5gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、還流させながら5時間反応させてN−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−6)の溶液を製造した。
製造例7:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−7)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフォン:408.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:462.5gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、100℃で2時間反応させてN−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−7)の溶液を製造した。
製造例8:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−8)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル:360.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:414.5gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、100℃で2時間反応させてN−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−8)の溶液を製造した。
製造例9:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−9)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、2,2'−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン:570.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:624.5gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、120℃で2時間反応させてN−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−9)の溶液を製造した。
製造例10:N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−10)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド:282.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:336.5gを(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、120℃で2時間反応させてN−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A−10)の溶液を製造した。
実施例1〜18、比較例1〜3
希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して、下記の(A)〜(E)成分を第1表〜第4表に示す配合割合(質量部)で混合して樹脂分65質量%の均一な絶縁樹脂組成物ワニスを作製した。次に、得られたワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力2.5MPa、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。
得られた銅張積層板を用いて、前述の方法により、銅箔接着性(銅箔ピール強度)、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、吸湿性(吸水率)、難燃性、比誘電率(1GHz)、誘電正接(1GHz)、そり特性を測定・評価した。結果を第1表〜第4表に示す。
すなわち、
(1)酸性置換基と不飽和N−置換マレイミド基を有する硬化剤(A)として、
実施例1〜18および比較例2では製造例1〜10で得られた硬化剤、比較例1ではビス(4−マレイミドフェニル)メタン、比較例3では2,2'−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、
(2)BPFノボラック型エポキシ樹脂(B)として、実施例1〜3、5〜13、18および比較例1ではEXA−7376(DIC社製;商品名、エポキシ当量186)、実施例4、14〜17および比較例3ではEXA−7376H(DIC社製;商品名、エポキシ当量189)、比較例2ではビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート828,エポキシ当量186)、
(3)硬化促進剤(C)として、実施例1〜16および比較例1〜3ではP−200〔ジャパンエポキシレジン社製、商品名:前記の化学式(VII)に示す構造のビスフェノールA型エポキシ樹脂と2−フェニルイミダゾールの付加反応物〕、実施例17〜18ではG−8009L〔第一工業製薬(株)、商品名:下記の化学式(VIII)に示す構造のヘキサメチレンジイソシアネート樹脂と2−エチル−4−メチルイミダゾールの付加反応物〕
(4)無機充填材(D)として、溶融シリカ〔アドマテック(株)製、商品名:SO−25R〕、
(5)難燃剤(E)として、ベーマイト型水酸化アルミニウム〔AlOOH:河合石灰社製:商品名BMT−3L〕および水酸化マグネシウム〔Mg(OH)2:関東化学社製〕を使用した。
Figure 0005652028
Figure 0005652028
Figure 0005652028
Figure 0005652028
第1表〜第3表から明らかなように、本発明に係る実施例の熱硬化性樹脂組成物では、銅箔ピール強度、ガラス転移温度(Tg)、はんだ耐熱性、耐湿性(吸水率)、難燃性、銅付き耐熱性、低誘電特性、低誘電正接性,そり特性の全てに優れている。
一方、比較例は、銅箔ピール強度、ガラス転移温度(Tg)、はんだ耐熱性、耐湿性(吸水率)、難燃性、銅付き耐熱性、低誘電特性、低誘電正接性の全てを満たすものは無く、いずれかの特性に劣っている。
従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性および誘電特性に優れ、基板を加熱した時のそり量が極めて小さい特性を有していることが分かる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性および誘電特性等に優れ、基板を加熱した時のそり量が極めて小さい特性を有しており、高密度実装、高多層化積層板の絶縁樹脂層に好適に使用することができる。
従って、半導体パケージや多層プリント配線板の絶縁樹脂層に本発明の熱硬化性樹脂組成物を使用することにより優れた高信頼性を有する電子部品等が得ることができる。

Claims (7)

  1. 1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)と、下記一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミノ化合物(b)を反応させて製造される、N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A)と、ビスフェノールF型フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
    (A)成分の含有量が、固形分換算による(A)成分と(B)成分の合計量100質量部当たり、20〜90質量部であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0005652028
    (式中、R1は各々独立に、酸性置換基である水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基を示し、R2は各々独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、xは1〜5の整数、yは0〜4の整数で、且つxとyの和は5である。)
  2. N−置換マレイミド基と酸性置換基を有する硬化剤(A)が、下記の一般式(II)で表されるビスマレイミド誘導体である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0005652028
    (式中、Arは一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)又は(II−4)で表される残基であり、R1は各々独立に、酸性置換基である水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基、R2は各々独立に水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、xは1〜5の整数、yは0〜4の整数で、且つxとyの和は5である。)
    Figure 0005652028
    (式中、R3は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、pは0〜4の整数である。)
    Figure 0005652028
    (式中、A1は炭素数1〜5のアルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、又はスルフォニル基で表される残基、R4及びR5は各々独立に炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、q及びrは各々独立に0〜4の整数である。)
    Figure 0005652028
    (式中、sは1〜10の整数である。)
    Figure 0005652028
  3. さらに、硬化促進剤(C)を含有する請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、無機充填材(D)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. さらに、難燃剤(E)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を、シート状補強基材中に含浸又は塗工した後、Bステージ化したものであることを特徴とするプリプレグ。
  7. 絶縁樹脂層が、請求項に記載のプリプレグを用いて形成されたものであることを特徴とする積層板。
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