JP5651531B2 - 燃料電池車両 - Google Patents
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Description
[1−1.全体構成]
図1は、この発明の一実施形態に係る燃料電池車両10(以下「FC車両10」又は「車両10」という。)の概略構成図である。FC車両10は、車両電源システム12(以下「電源システム12」ともいう。)と、走行用のモータ14と、インバータ16とを有する。
モータ14は、FCユニット18及びバッテリ20から供給される電力に基づいて駆動力を生成し、当該駆動力によりトランスミッション26を通じて車輪28を回転する。また、モータ14は、回生を行うことで生成した電力(回生電力Preg)[W]をバッテリ20に出力する。回生電力Pregは、補機群(後述するエアポンプ36、ウォータポンプ68、エアコンディショナ140及び低電圧補機群144を含む。)に対して出力してもよい。
FCユニット18の燃料電池スタック32(以下「FCスタック32」又は「FC32」という。)は、例えば、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで両側から挟み込んで形成された燃料電池セル(以下「FCセル」又は「単セル」という。)を積層した構造を有する。FCスタック32には、水素タンク34とエアポンプ36が経路38、40を通じて接続されており、水素タンク34からは一方の反応ガスである水素(燃料ガス)が、エアポンプ36からは他方の反応ガスである圧縮空気(酸化剤ガス)が供給される。水素タンク34及びエアポンプ36からFCスタック32に供給された水素と空気がFCスタック32内で電気化学反応を起こすことにより発電が行われ、発電電力(FC電力Pfc)[W]がモータ14とバッテリ20に供給される。
バッテリ20は、複数のバッテリセルを含む蓄電装置(エネルギストレージ)であり、例えば、リチウムイオン2次電池、ニッケル水素電池又はキャパシタ等を利用することができる。本実施形態ではリチウムイオン2次電池を利用している。バッテリ20の出力電圧(以下「バッテリ電圧Vbat」という。)[V]は、電圧センサ70により検出され、バッテリ20の出力電流(以下「バッテリ電流Ibat」という。)[A]は、電流センサ72により検出され、それぞれECU24に出力される。バッテリ20の温度(以下「バッテリ温度Tbat」という。)は、バッテリ温度センサ76(以下「温度センサ76」ともいう。)により検出され、ECU24に出力される。なお、ECU24は、電圧センサ70からのバッテリ電圧Vbatと、電流センサ72からのバッテリ電流Ibatに基づいて、バッテリ20の残容量(以下「SOC」という。)[%]を算出する。
DC/DCコンバータ22は、FCユニット18からのFC電力Pfcと、バッテリ20から供給された電力(以下「バッテリ電力Pbat」という。)[W]と、モータ14からの回生電力Pregとの供給先を制御する。
ECU24は、通信線104を介して、モータ14、インバータ16、FCユニット18、バッテリ20及びDC/DCコンバータ22を制御する。当該制御に際しては、メモリ(ROM)に格納されたプログラムを実行し、また、電圧センサ42、46、70、90、96、電流センサ44、72、94、100、圧力センサ64、66、温度センサ76、102等の各種センサの検出値を用いる。
図1に示すように、車両10は、さらに、エアコンディショナ140を有する。エアコンディショナ140は、車両10内の温度を調整するものであり、ECU24からの指令に基づき作動し、その際の電力は、FC32、バッテリ20及びモータ14の少なくとも1つから得る。エアコンディショナ140としては、例えば、特開2009−046020号公報に記載のものを用いることができる。
図1に示すように、車両10は、さらに、ダウンバータ142(以下「DV142」ともいう。)と、低電圧補機群144とを有する。DV142からの出力は、図示しない低電圧バッテリに出力してもよい。DV142は、DC/DCコンバータ22の1次電圧V1を降圧し、低電圧補機群144に出力する。低電圧補機群144には、例えば、灯火類、各種センサ、ECU24が含まれる。
次に、ECU24における制御について説明する。
FC32の特性上、FC電圧Vfcは、基本的にDC/DCコンバータ22の2次電圧V2と等しくなる。このため、DC/DCコンバータ22により2次電圧V2を調整することにより、FC電圧Vfcを制御することが可能となる。また、FC32の電流−電圧(IV)特性上、FC電圧Vfcを制御することにより、FC電流Ifcを制御することができる。このため、本実施形態では、2次電圧V2の目標値(以下「目標2次電圧V2tgt」という。)を用いてFC電圧Vfc及びFC電流Ifcを制御する。
本実施形態では、FC32の発電に関する動作モード(発電モード)として、通常発電モードとアイドル停止モードを用いる。通常発電モードは、通常走行(アイドル停止モードではない走行)において用いるモードであり、ECU24の通常発電機能120により実現される。アイドル停止モードは、メインSW118(図1)がオンの状態においてFC32が積極的な発電を停止する(換言すると、FC32の発電を抑制する)モードであり、アイドル停止制御機能122により実現される。ここにいう積極的な発電(又は発電の抑制)とは、ECU24からの指令に基づき行うFC32の発電を指し、残留ガスによる発電を含まない。このため、反応ガス供給手段としてのFCユニット18(エアポンプ36、パージ弁58及び背圧弁60を含む。)の作動量はゼロとなる。なお、通常発電モードとアイドル停止モードの選択は、アイドル停止制御機能122により実行される。
図4は、アイドル停止の開始判定のフローチャートである。ステップS1において、ECU24は、バッテリ20のSOCとバッテリ温度センサ76からのバッテリ温度Tbatとに基づいてバッテリ20の可能出力(以下「バッテリ可能出力Pbat_e」という。)[W]を算出する。バッテリ可能出力Pbat_eは、現時点のSOC及びバッテリ温度Tbatにおいてバッテリ20が出力可能な電力を示す。
Pasi_e=バッテリ可能出力Pbat_e−エアコン消費量−DV消費量 ・・・(1)
図8は、アイドル停止の解除判定のフローチャートである。ステップS21〜S26は、図4のステップS1〜S6と同様である。
図10は、アシスト可能量Pasi_eの大小によるアイドル停止の開始判定及び解除判定に関するタイムチャートである。上記のように、アシスト上限値Pasi_limが高い場合、アイドル停止開始車速Vis及びアイドル停止解除車速Vifが高く設定され、アシスト上限値Pasi_limが低い場合、アイドル停止開始車速Vis及びアイドル停止解除車速Vifが低く設定される。また、アシスト上限値Pasi_limが同じ値の場合、アイドル停止解除車速Vifは、アイドル停止開始車速Visよりも高く設定され、ヒステリシス特性を有するように構成されている。
図11は、アイドル停止を行う車速V(以下「アイドル停止車速Vi」という。)と1回のアイドル停止モード中のアイドル停止時間との関係を示す図である。図12は、アイドル停止車速Viと、1回のアイドル停止モード中の燃費との関係を示す図である。図11及び図12では、アイドル停止開始車速Visとアイドル停止解除車速Vifとが同一の値(すなわち、アイドル停止車速Vi)とされている。図11からわかるように、アイドル停止車速Viが高いほど、アイドル停止時間は長くなる。従って、図12に示すように、アイドル停止車速Viが高いほど、燃費は改善する。
以上説明したように、本実施形態によれば、バッテリ可能出力Pbat_eに基づくアシスト可能量Pasi_eが相対的に大きい場合、より高い車速Vでアイドル停止を行うことができる(図4)。これにより、FC32の発電を抑制し、燃費を改善することが可能となる。また、アイドル停止の要否を車速閾値(アイドル停止開始車速Vis)により判定するため、FC32の発電状況にかかわらずアイドル停止を実現し、燃費の改善を確実に行うことが可能となる。
が相対的に小さいときに第1アイドル発電抑制機能126によりアイドル停止を実施し、アシスト可能量Pasi_eが相対的に大きいときに第2アイドル発電抑制機能128によりアイドル停止を実施する。これにより、第1アイドル発電抑制機能126と第2アイドル発電抑制機能128の選択、すなわち、アイドル停止を実施する車速閾値の切替えを、バッテリ可能出力Pbat_eとエアコン消費量及びDV消費量との差に基づいて行うことができる。エアコン消費量(エアコンディショナ140の電力消費量)を考慮することにより、バッテリアシスト量Pasiを精度よく判定することが可能となる。従って、アイドル停止を実施すべき車速閾値を適切に切り替えることが可能となる。
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
上記実施形態では、電源システム12をFC車両10に適用した例を示したが、これに限らず、電源システム12を別の対象に適用してもよい。例えば、電動アシスト自転車、船舶や航空機等の移動体に適用することもできる。
上記実施形態では、FC32とバッテリ20を並列に配置し、バッテリ20の手前にDC/DCコンバータ22を配置する構成としたが、これに限らない。例えば、図13に示すように、FC32とバッテリ20を並列に配置し、昇圧式、降圧式又は昇降圧式のDC/DCコンバータ150をFC32の手前に配置する構成であってもよい。或いは、図14に示すように、FC32とバッテリ20を並列に配置し、FC32の手前にDC/DCコンバータ150を、バッテリ20の手前にDC/DCコンバータ22を配置する構成であってもよい。或いは、図15に示すように、FC32とバッテリ20を直列に配置し、バッテリ20とモータ14の間にDC/DCコンバータ22を配置する構成であってもよい。
(4−3−1.アイドル停止モード)
上記実施形態では、目標FC電流Ifctgtをゼロとするアイドル停止モードを用いたが、FC32の発電を抑制するアイドル発電抑制モード(目標FC電流Ifctgtを抑制するモード)であれば、これに限らない。例えば、ゼロより大きい値を目標FC電流Ifctgtとして設定してもよい。換言すると、アイドル停止時は、反応ガス供給手段としてのFCユニット18の作動量はゼロでなくてもよい。
上記実施形態では、通常発電モードからアイドル停止モードに切り替える条件として、車速Vがアイドル停止開始車速Vis以下であること(図4のS8:YES)を用いたが、これに限らない。例えば、アクセル開度θが、アクセルペダル116の操作が行われていないことを示す閾値以下であるときに通常発電モードからアイドル停止モードに切り替えてもよい。
上記実施形態では、通常発電モードからアイドル停止モードに切り替える場合、及びアイドル停止モードから通常発電モードに切り替える場合それぞれについてアシスト上限値Pasi_limによる調整を行ったが、いずれか一方のみに当該調整を行ってもよい。
18…燃料電池ユニット(反応ガス供給手段)
20…バッテリ(蓄電装置) 22…DC/DCコンバータ
32…燃料電池スタック 76…バッテリ温度センサ
124…可能出力検出機能(可能出力検出手段)
126…第1アイドル発電抑制機能(第1アイドル発電抑制手段)
128…第2アイドル発電抑制機能(第2アイドル発電抑制手段)
130…アイドル発電抑制車速閾値変更機能(アイドル発電抑制車速閾値変更手段)
140…エアコンディショナ
Claims (6)
- 走行モータと、
前記走行モータに電力を供給する燃料電池と、
前記走行モータに電力を供給すると共に、前記走行モータからの回生電力を充電する蓄電装置と、
前記燃料電池に反応ガスを供給する反応ガス供給手段と、
車速を測定する車速測定手段と、
前記蓄電装置の可能出力を検出する可能出力検出手段と、
前記車速が第1車速閾値以下の場合に、前記反応ガス供給手段の作動量を通常運転時よりも少なくするアイドル発電抑制を実施する第1アイドル発電抑制手段と、
前記車速が前記第1車速閾値より高い第2車速閾値以下の場合に、前記アイドル発電抑制を実施する第2アイドル発電抑制手段と、
前記蓄電装置の可能出力が相対的に小さいときに前記第1アイドル発電抑制手段を用いて前記アイドル発電抑制を実施し、前記蓄電装置の可能出力が相対的に大きいときに前記第2アイドル発電抑制手段を用いて前記アイドル発電抑制を実施するアイドル発電抑制車速閾値変更手段と
を有する燃料電池車両。 - 請求項1記載の燃料電池車両において、
前記アイドル発電抑制車速閾値変更手段は、前記蓄電装置の可能出力からエアコンディショナの電力消費量を引いた差が相対的に小さいときに前記第1アイドル発電抑制手段により前記アイドル発電抑制を実施し、前記差が相対的に大きいときに前記第2アイドル発電抑制手段により前記アイドル発電抑制を実施する
ことを特徴とする燃料電池車両。 - 請求項1又は2記載の燃料電池車両において、
前記第2アイドル発電抑制手段が前記アイドル発電抑制を解除する車速は、前記第1アイドル発電抑制手段が前記アイドル発電抑制を解除する車速よりも高い
ことを特徴とする燃料電池車両。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池車両において、
前記蓄電装置の可能出力は、前記蓄電装置の残容量及び温度に基づいて算出する
ことを特徴とする燃料電池車両。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池車両において、
前記蓄電装置の出力電圧を変圧して前記燃料電池の出力電圧を制御するコンバータを備え、
前記蓄電装置の可能出力が前記コンバータの可能出力よりも大きい場合、前記アイドル発電抑制車速閾値変更手段は、前記コンバータの可能出力が相対的に小さいときに前記第1アイドル発電抑制手段により前記アイドル発電抑制を実施し、前記コンバータの可能出力が相対的に大きいときに前記第2アイドル発電抑制手段により前記アイドル発電抑制を実施する
ことを特徴とする燃料電池車両。 - 走行モータと、
前記走行モータに電力を供給する燃料電池と、
前記走行モータに電力を供給すると共に、前記走行モータからの回生電力を充電する蓄電装置と、
前記燃料電池に反応ガスを供給する反応ガス供給手段と、
車速を測定する車速測定手段と、
前記蓄電装置の可能出力を検出する可能出力検出手段と、
前記車速が第1車速閾値以上の場合に、前記反応ガス供給手段の作動量を通常運転時よりも少なくするアイドル発電抑制を解除する第1アイドル発電抑制解除手段と、
前記車速が前記第1車速閾値より高い第2車速閾値以上の場合に、前記アイドル発電抑制を解除する第2アイドル発電抑制解除手段と、
前記蓄電装置の可能出力が相対的に小さいときに前記第1アイドル発電抑制解除手段を用いて前記アイドル発電抑制を解除し、前記蓄電装置の可能出力が相対的に大きいときに前記第2アイドル発電抑制解除手段を用いて前記アイドル発電抑制を解除するアイドル発電抑制解除車速閾値変更手段と
を有する燃料電池車両。
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