JP5650084B2 - 熱伝導性基板及び熱伝導性ポリイミドフィルム - Google Patents
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Description
前記フィラー含有ポリイミド樹脂層における熱伝導性フィラーの含有率が5〜80wt%の範囲にあり、前記フィラー含有ポリイミド樹脂層におけるポリイミド樹脂が、下記の一般式(1)及び(2)で表される構成単位を有するポリイミドシロキサンにおける前記ケトン基に、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物のアミノ基が反応してC=N結合を形成していることにより、前記ポリイミドシロキサンが前記アミノ化合物によって架橋された構造を有するポリイミド樹脂であることを特徴とする。
本発明の一実施の形態の熱伝導基板は、ポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散されたフィラー含有ポリイミド樹脂層を少なくとも1層有する。絶縁層は、フィラー含有ポリイミド樹脂層を少なくとも1層有していればよい。絶縁層の片面又は両面には金属層を有する。フィラー含有ポリイミド樹脂層は、下記特定のポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが含有されている。フィラー含有ポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂は、アミノ化合物とのC=N結合による架橋構造を有している。この架橋構造の架橋形成率(硬化の度合い)が制御されたフィラー含有ポリイミド樹脂層による絶縁層を、金属層の片面に有するものは、樹脂層が接着性を有するものとすることが可能であり、例えば樹脂付銅箔として、すなわち熱伝導性樹脂付銅箔として他の基材と接着して用いることができる。
絶縁層は、ポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散されたフィラー含有ポリイミド樹脂層を少なくとも1層有していればよく、フィラー含有ポリイミド樹脂層以外に、これに積層された他のポリイミド樹脂層を備えていてもよい。この場合、フィラー含有ポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂と、絶縁層中の他のポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂とは、同種のポリイミド樹脂でもよいし、異種のポリイミド樹脂でもよい。フィラー含有ポリイミド樹脂層以外の他のポリイミド樹脂層として異種のポリイミド樹脂を使用する場合のポリイミド樹脂の種類は特に問われるものではない。ただし、熱伝導性基板の放熱特性を高める観点から、絶縁層の全体がフィラー含有ポリイミド樹脂層により形成されていることが好ましい。この場合、フィラー含有ポリイミド樹脂層は単層に限らず、複数層が積層されたものでもよい。
フィラー含有ポリイミド樹脂層中の熱伝導性フィラーの含有割合は、5〜80wt%の範囲内であることが必要であり、10〜60wt%の範囲内が好ましい。熱伝導性フィラーの含有割合が5wt%に満たないと、回路基板等の電子部品とした際の放熱特性が十分でなく、80wt%を超えると耐折性や耐屈曲性の低下が顕著となり、また、ポリイミド樹脂層の強度も低下する。
フィラー含有ポリイミド樹脂層を形成するためのポリイミド樹脂は、上記一般式(1)及び(2)で表される構成単位を有するポリイミドシロキサンにおける基Ar及び/又は基R2中のケトン基に、少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物を反応させてC=N結合を形成させることにより、ポリイミドシロキサンがアミノ化合物によって架橋された構造を有するものである。上記一般式(1)及び(2)中の基Arは芳香族テトラカルボン酸無水物から誘導される4価の芳香族基であり、基R1はジアミノシロキサンから誘導される2価のジアミノシロキサン残基であり、基R2は芳香族ジアミン及び/又は脂肪族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基である。樹脂中の式(1)で表される構成単位の存在量は40モル%〜100モル%の範囲内、好ましくは80モル%〜100モル%の範囲内である。
一般式(1)及び(2)で表わされる構成単位を有するポリイミドシロキサンは、上記芳香族テトラカルボン酸無水物と、ジアミノシロキサン並びに芳香族ジアミン及び/又は脂肪族ジアミンとを溶媒中で反応させ、前駆体樹脂であるポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、酸無水物成分とジアミン成分をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。
本発明において、上記式(1)及び(2)で表される構成単位を有するポリイミドシロキサンのケトン基と反応させる相手方の、少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物としては、(I)芳香族ジアミン、(II)ジアミノシロキサン、(III)脂肪族アミン、(IV)ジヒドラジド化合物等を例示することができる。
芳香族ジアミンとしては、例えば以下の式(12)、(13)で表されるものを挙げることができる。
ジアミノシロキサンとしては、下記一般式(14)で表されるジアミノシロキサン又はそのオリゴマーが好ましく挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン等のジアミノアルカン類、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、ジエチレントリアミン、N−メチル−2,2’−ジアミノジエチルアミン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン等の窒素原子を含有するアミン類、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン等の酸素原子を含有するアミン類、2,2’−チオビス(エチルアミン)等の硫黄原子を有するアミン類等を挙げることができる。
ジヒドラジド化合物としては、下記一般式(15)で表されるものを挙げることができる。
フィラー含有ポリイミド樹脂は、上記一般式(1)及び(2)で表される構成単位を有するポリイミドシロキサンを含む樹脂溶液に、熱伝導性フィラーを混合して均一に分散させた後、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物を加えて、ポリイミドシロキサンのケトン基とアミノ化合物の第1級アミノ基とを縮合反応させることにより製造される。この縮合反応により、ポリイミドシロキサンに架橋構造が形成され、硬化して硬化物となる。この場合、アミノ化合物の添加量は、ケトン基1モルに対し、第1級アミノ基が合計で0.004モル〜1.5モル、好ましくは0.005モル〜1.2モル、より好ましくは0.03モル〜0.9モル、特に好ましくは0.04モル〜0.5モルである。ケトン基1モルに対して第1級アミノ基が合計で0.004モル未満となるようなアミノ化合物の添加量では、アミノ化合物によるポリイミドシロキサンの架橋が十分ではないため、ポリイミド樹脂と熱伝導性フィラーとを含む樹脂組成物を硬化させた後の硬化物において半田耐熱性が発現しにくい傾向となり、アミノ化合物の添加量が1.5モルを超えると未反応のアミノ化合物が熱可塑剤として作用し、同硬化物において半田耐熱性を低下させたり、高温での長期耐熱性を低下させたりする傾向がある。
(a)ポリイミドシロキサンの合成(イミド化)に引き続き、アミノ化合物及び熱伝導性フィラーを添加して加熱すること、
(b)ジアミン成分として予め過剰量のアミノ化合物を仕込んでおき、ポリイミドシロキサンの合成(イミド化)に引き続き、熱伝導性フィラーを添加した後、イミド化(若しくはアミド化)に関与しない残りのアミノ化合物とともにポリイミドシロキサンを加熱すること、又は、
(c)アミノ化合物及び熱伝導性フィラーを添加したポリイミドシロキサンの組成物を所定の形状に加工した後(例えば任意の基材に塗布した後やフィルム状に形成した後)に加熱すること、
等によって行うことができる。
本発明の熱伝導性基板における金属層としては、例えば銅、アルミニウム、鉄、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、亜鉛及びそれらの合金等の導電性金属箔を挙げることができ、これらの中でも銅箔又は銅を90%以上含む合金銅箔やアルミ箔が好ましく用いられる。金属層の好ましい厚み範囲は、熱伝導性基板の用途に応じて設定できるが、電子機器、照明機器などの基板材料として使用する場合は、例えば5〜2000μmの範囲内とすることが好ましい。金属層の厚みが5μmに満たないと、製造工程における搬送時にシワが入るなどの不具合が生じるおそれがあり、反対に2000μmを超えると加工性が低下する場合がある。
次に、熱伝導性基板(金属張積層体)の製造方法の一例について説明する。熱伝導性基板は、ポリイミドシロキサンに熱伝導性フィラーを均一に分散させ、さらにアミノ化合物を混合したフィラー含有ポリイミド樹脂の溶液を、金属層となる金属基材上に直接塗布し、乾燥して塗布膜を形成する工程と、この塗布膜を加熱し、ポリイミドシロキサンにおけるケトン基の少なくとも一部にアミノ化合物のアミノ基を反応させてC=N結合を形成させることにより、フィラー含有ポリイミド樹脂層を形成する工程と、を含む方法によって製造することができる。この場合、フィラー含有ポリイミド樹脂層上に、さらに同様の方法で、フィラー含有ポリイミド樹脂層を積層形成してもよいし、他のポリイミド樹脂層を積層形成してもよい。ここで、金属基材としては、放熱基板や回路基板の導体層となる上記した銅箔等の金属箔を用いることができる。また、上記のとおり、フィラー含有ポリイミド樹脂層は、架橋形成が完了した硬化状態でもよいし、架橋形成が完了していない半硬化状態でもよい。
まず、熱伝導性基板の金属層を構成する銅箔などの金属箔を準備する。この金属箔上に、熱伝導性フィラー及びアミノ化合物を含有するポリイミド樹脂溶液を塗布し、例えば120℃以下の温度で乾燥し一定量の溶媒を除去する。その後、更に高温で熱処理してアミノ化合物による架橋反応を生じさせる。これにより、フィラー含有ポリイミド樹脂層の片面に金属層を有する熱伝導性基板とすることができる。ここで、アミノ化合物との架橋形成のための熱処理の時間は、目的とする架橋形成率に応じて設定することができる。片面金属熱伝導性基板は樹脂付銅箔として使用する場合、後からフィラー含有ポリイミド樹脂層に例えば金属箔、セラミック基板、その他の材質の部材を接着することを想定して架橋形成率を低くしておくことが好ましいため、その場合の熱処理時間は、上記温度範囲において、例えば3〜60分間の範囲内とすることが好ましく、5〜30分間の範囲内とすることがより好ましい。
両面金属熱伝導性基板は、上記の方法で得られた片面金属熱伝導性基板のフィラー含有ポリイミド樹脂層に金属箔を熱圧着することによって製造できる。金属箔を熱圧着する場合の条件は、例えば加熱温度は120〜180℃の範囲内、圧力は2〜4MPaの範囲内、プレス時間は0.1〜24時間の範囲内とすることが好ましい。
一般式(1)及び(2)で表される構成単位を有するポリイミドシロキサンのケトン基とアミノ化合物の第1級アミノ基との反応は、脱水縮合反応であり、ポリイミドシロキサン中のケトン基の炭素原子と第1級アミノ基の窒素原子がC=N結合を形成する結果、鎖状のポリイミドシロキサンがアミノ化合物によって架橋されて網目状の高分子を形成するものと考えられる。通常、ポリイミドシロキサンは分子間相互作用を生じにくいため、ポリイミドシロキサンの配向制御は困難であるが、架橋構造が生じると、ポリイミドシロキサンにおける見かけ上の高分子量化のみならず、ポリイミドシロキサンの分子同士をある程度拘束することが可能になるので、ポリイミド樹脂の耐熱性が向上し、極めて優れた半田耐熱性が得られると考えられる。また、C=N結合における窒素原子近傍が立体的に嵩高くなることにより、ポリイミド樹脂中に含まれる極性基への銅原子の求核能を低下させることによって、銅配線からの銅の絶縁層への拡散を抑制することができ、高温環境での使用における接着強度の低下を抑制する効果が得られるものと考えられる。このような理由により、本発明で使用するアミノ化合物は、少なくとも2つのアミノ基を有する必要があり、アミノ基の数は好ましくは2〜5、より好ましくは2〜3である。また、アミノ基を3つ以上有するアミノ化合物では、2つのアミノ基がC=N結合を形成した後の架橋構造体が立体的に嵩高くなるために、残りの未反応のアミノ基がケトン基と反応しにくくなることから、アミノ基の数は2であることが特に好ましい。さらに、上記のとおりポリイミド樹脂の架橋形成による硬化時間を短縮するという観点では、アミノ化合物としてジヒドラジド化合物を用いることが最も好ましい。
本実施の形態の熱伝導性ポリイミドフィルムは、ポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散されたフィラー含有ポリイミド樹脂層を備えた熱伝導性ポリイミドフィルムである。このフィラー含有ポリイミド樹脂層における熱伝導性フィラーの含有率は5〜80wt%の範囲にあり、前記フィラー含有ポリイミド樹脂層におけるポリイミド樹脂が、上記一般式(1)及び(2)で表される構成単位を有するポリイミドシロキサンにおける前記ケトン基に、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物のアミノ基が反応してC=N結合を形成していることにより、ポリイミドシロキサンがアミノ化合物によって架橋された構造を有している。このポリイミド樹脂は架橋反応が完了した硬化状態でもよいし、架橋形成の余地が残された半硬化状態であってもよい。ここで、フィラー含有ポリイミド樹脂層は、上記熱伝導性基板における絶縁層の一部分もしくは全部を構成するフィラー含有ポリイミド樹脂層と同様の構成である。本実施の形態のフィラー含有ポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂や熱伝導性フィラーは、上記の熱伝導性基板において説明したものを使用できる。
熱伝導性基板の銅箔層を幅1.0mm、長さ180mmの長矩形にパターンエッチングし、そのパターンが中央になるように、幅20mm、長さ200mmに試験片を切り抜き、IPC−TM−650.2.4.19(東洋精機製)により180°引剥し試験を行った。
熱伝導性ポリイミドフィルムを20mm×20mmのサイズに切り出し、白金による蒸着、黒化処理を行った後、レーザーフラッシュ法による厚み方向の熱拡散率(NETZSCH社製キセノンフラッシュ アナライザー LFA 447 Nanoflash)、DSCによる比熱、水中置換法による密度をそれぞれ測定し、これらの結果をもとに熱伝導率(W/m・K)を算出した。なお、熱伝導性ポリイミドフィルムは、測定時に厚さ100μmのサンプルを作製して、使用した。
熱伝導性ポリイミドフィルムを5cm×5cmのサイズでカットし、JIS C2110に基づき、KIKUSUI製TOS 5101装置にて、段階昇圧法により絶縁油中にて耐電圧を測定した。0.2kV刻みで電圧をステップ上昇させ、各電圧において20秒保持し、漏れ電流8.5mAとし、破壊した電圧の一つ前の値を初期耐電圧とした。電極のサイズは2cmφである。
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー株式会社製、HLC−8220GPCを使用)により測定した。標準物質としてポリスチレンを用い、展開溶媒にN,N−ジメチルアセトアミドを用いた。
熱伝導性基板の銅箔層を所定形状にパターニングして回路加工を行い、300℃を上限として各温度の半田浴に10秒浸漬して、接着状態を観察して、発泡、ふくれ、剥離などの不具合の有無を確認した。耐熱性は不具合が生じない上限の温度を半田耐熱性とした。例えば「300℃」は、300℃の半田浴中で評価して、不具合が認められないことを意味する。
CCLカール(最大反り量):
金属/樹脂の積層体を50mm×50mmのサイズに切り出し、恒温恒湿環境下(23±3℃、50±5%RH)で24時間放置後に、ノギスを用いて4隅の反り量の測定を実施した。この際、樹脂面側もしくは金属側へ反っている場合は、最も反り量の大きいところをCCL最大反り量とした。最大反り量の絶対量が5mm以下である場合を○(良好)とし、5mm以上である場合を×(不良)と判断した。
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物
BAPP:2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン
DAPE:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
m−TB:2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル
(m1の数平均値は1〜20の範囲内であり、重量平均分子量は740である)
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
1000mlのセパラブルフラスコに、71.850gのPSX(0.0971モル)、7.474gのBAPP(0.0182モル)、1.568gのN−12(0.0061モル)、39.109gのBTDA(0.1214モル)、168gのN−メチル−2−ピロリドン及び112gのキシレンを装入し、室温で1時間良く混合して、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液を190℃に昇温し、20時間加熱、攪拌し、イミド化を完結したポリイミド溶液aを得た。得られたポリイミド溶液aにおけるポリイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は90,000であった。このときの全ジアミン成分に対するジアミノシロキサン成分のモル%は80%である。
合成例1で得られたポリイミド溶液aを63.88g秤量し、2.56gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、別の容器に溶剤NMPを38.4g秤量し、N−12を1.096g添加して、N−12が溶けるまで攪拌した。このN−12のNMP溶液を上記のアルミナを含有するポリイミド溶液に入れて、再度均一になるまで遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように、厚さ18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に塗布し、80℃で30分間加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、120℃で5分、160℃で60分かけて加熱して、上記圧延銅箔上にポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散した絶縁層を形成し、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。この絶縁層における熱伝導性フィラーであるアルミナの含有量は10wt%である。続いて、この熱伝導性基板のポリイミド絶縁層の上に厚さ18μmの圧延銅箔を置き、温度160℃、圧力2MPa、時間2時間の条件でプレスし、両面に金属層を有する熱伝導性基板を得た。
合成例1で得られたポリイミド溶液aを47.99g秤量し、17.28gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、別の容器に溶剤NMPを28.81g秤量し、N−12を0.82g添加して、N−12が溶けるまで攪拌した。このN−12のNMP溶液を上記のアルミナを含有するポリイミド溶液に入れて、再度均一になるまでに遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように、厚さ18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に塗布し、80℃で30分間加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、120℃で5分、160℃で60分かけて加熱して、上記圧延銅箔上にポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散した絶縁層を形成し、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。この絶縁層における熱伝導性フィラーであるアルミナの含有量は50wt%である。続いて、この熱伝導性基板のポリイミド絶縁層の上に厚さ18μmの圧延銅箔を置き、温度160℃、圧力2MPa、時間2時間の条件でプレスし、両面に金属層を有する熱伝導性基板を得た。続いて、実施例1と同じように評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
合成例1で得られたポリイミド溶液aを47.88g秤量し、17.24gの窒化アルミニウム(平均粒径1.1μm、トクヤマ製)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、別の容器に溶剤NMPを15.6g秤量し、N−12を0.82g添加して、N−12が溶けるまで攪拌した。このN−12のNMP溶液を上記の窒化アルミニウムが入ったポリイミド溶液に入れて、再度均一になるまで遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように、厚さ18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に塗布し、80℃で30分間加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、120℃で5分、160℃で60分かけて加熱して、上記圧延銅箔上にポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散した絶縁層を形成し、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。この絶縁層における熱伝導性フィラーである窒化アルミニウムの含有量は50wt%である。続いて、この熱伝導性基板のポリイミド絶縁層の上に厚さ18μmの圧延銅箔を置き、温度160℃、圧力2MPa、時間2時間の条件でプレスし、両面に金属層を有する熱伝導性基板を得た。続いて、実施例1と同じように評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
1000mlのセパラブルフラスコに、71.30gのPSX(0.0964モル)、9.89gのBAPP(0.0241モル)、38.66gのBTDA(0.120モル)、168gのN−メチル−2−ピロリドン及び112gのキシレンを装入し、室温で1時間良く混合して、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液を190℃に昇温し、20時間加熱、攪拌し、イミド化を完結したポリイミド溶液bを得た。得られたポリイミド溶液bにおけるポリイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は122,000であった。このときの全ジアミン成分に対するジアミノシロキサン成分のモル%は80%(m値=0.8)である。なお、「m値」は、得られたポリイミド樹脂中に含まれる、上記一般式(1)で表される構成単位の存在モル比を意味する。
合成例2で得られたポリイミド溶液bを400.24g秤量し、16.34gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、別の容器に溶剤NMPを97.4g秤量し、N−12を4.2g添加して、N−12が溶けるまで攪拌した。このN−12のNMP溶液を上記のアルミナが入ったポリイミド溶液に入れて、再度均一になるまで遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように、厚さ18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に塗布し、80℃で30分間加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、120℃で5分、160℃で2時間かけて加熱して、上記圧延銅箔上にポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散した絶縁層を形成し、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。この絶縁層における熱伝導性フィラーであるアルミナの含有量は10wt%である。続いて、この熱伝導性基板のポリイミド絶縁層の上に厚さ18μmの圧延銅箔を置き、温度160℃、圧力2MPa、時間2時間の条件でプレスし、両面に金属層を有する熱伝導性基板を得た。続いて、実施例1と同じように評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
合成例2で得られたポリイミド溶液bを400g秤量し、147.0gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、別の容器に溶剤NMPを97.3g秤量し、N−12を4.2g添加して、N−12が溶けるまで攪拌した。このN−12のNMP溶液を上記のアルミナが入ったポリイミド溶液に入れて、再度均一になるまで遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように、厚さ18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に塗布し、80℃で30分間加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、120℃で5分、160℃で2時間かけて加熱して、上記圧延銅箔上にポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散した絶縁層を形成し、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。この絶縁層における熱伝導性フィラーであるアルミナの含有量は50wt%である。続いて、この熱伝導性基板のポリイミド絶縁層の上に厚さ18μmの圧延銅箔を置き、温度160℃、圧力2MPa、時間2時間の条件でプレスし、両面に金属層を有する熱伝導性基板を得た。続いて、実施例1と同じように評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
攪拌装置を備えた500mlセパラブルフラスコ中の255gのDMAcに、28.9050gのBAPPを窒素気流下で攪拌しながら加えて溶解させた後、攪拌を維持したまま、15.0281gのPMDAを加え、10分後、1.0669gのBPDAを加えた。その後、室温で4時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体となる粘稠なポリアミド酸溶液cを得た。
合成例3で得られたポリアミド酸溶液cを78.7g秤量し、1.3gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、溶剤DMAcを15.7g追加して、再度均一になるまでに遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを10wt%含有するポリアミド酸溶液を得た。次に、厚み18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に、このポリアミド酸溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように塗布し、120℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、130〜340℃の温度範囲で、段階的に20分かけて昇温加熱して、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。続いて、この熱伝導性基板のポリイミド絶縁層の上に厚さ18μmの圧延銅箔を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、160℃で加熱圧着を試みた。しかし、160℃では接着できなかったので、160℃、270℃で30分ずつ加熱してから、面圧19.1MPaで温度360℃まで昇温し、プレス時間25分の条件で加熱圧着して、両面に金属層を有する熱伝導性基板を得た。続いて、実施例1と同じように評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
合成例3で得られたポリアミド酸溶液cを69.6g秤量し、10.4gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、溶剤DMAcを13.9g追加して、再度均一になるまでに遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを50wt%含有するポリアミド酸溶液を得た。次に、比較例1と同様に操作して、熱伝導性基板を得た。続いて、実施例1と同じように評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
攪拌装置を備えた500mlセパラブルフラスコ中の255gのDMAcに、20.7283gのm−TBを窒素気流下で攪拌しながら加えて溶解させた後、攪拌を維持したまま、11.5380gのPMDAを加え、10分後、12.7337gのBPDAを加えた。その後、室温で4時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体となるポリアミド酸溶液dの粘稠な溶液を得た。
比較例1のポリアミド酸溶液cの代わりに、合成例4で得られたポリアミド酸溶液dを用いて、比較例1と同様に操作して加熱圧着を試みたが接着できなかったため、比較例1における360℃のプレス温度を380℃として加熱圧着し、比較例3の熱伝導性基板を得た。続いて、実施例1と同じように評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
比較例2のポリアミド酸溶液cの代わりに、合成例4で得られたポリアミド酸溶液dを用いて、比較例2と同様に操作して加熱圧着を試みたが接着できなかったため、比較例1における360℃のプレス温度を380℃として加熱圧着し、比較例4の熱伝導性基板を得た。続いて、実施例1と同じように評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
実施例1のアルミナを添加しないことを除いては、実施例1と同様に操作して、比較例5の両面金属積層体を得た。続いて、実施例1と同じように評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
合成例1で得られたポリイミド溶液aを63.89g秤量し、86.56gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、別の容器に溶剤NMPを35.06g秤量し、N−12を1.096g添加して、N−12が溶けるまで攪拌した。このN−12のNMP溶液を上記のアルミナを含有するポリイミド溶液に入れて、再度均一になるまで遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように、厚さ18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に塗布し、80℃で15分間加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、120℃で5分、160℃で60分かけて加熱して、上記圧延銅箔上にポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散した絶縁層を形成し、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。この絶縁層における熱伝導性フィラーであるアルミナの含有量は79wt%である。
合成例1で得られたポリイミド溶液aを63.89g秤量し、53.69gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、別の容器に溶剤NMPを35.06g秤量し、N−12を1.096g添加して、N−12が溶けるまで攪拌した。このN−12のNMP溶液を上記のアルミナを含有するポリイミド溶液に入れて、再度均一になるまで遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように、厚さ18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に塗布し、80℃で15分間加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、120℃で5分、160℃で10分かけて加熱して、上記圧延銅箔上にポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散した絶縁層を形成し、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。この絶縁層における熱伝導性フィラーであるアルミナの含有量は70wt%である。続いて、実施例6と同じように評価を行った。その結果を表3に示した。また、この片面に金属層を有する熱伝導性基板のポリイミド樹脂層に熱圧着させた圧延銅箔について、金属/樹脂間の1mm180°ピール強度(圧着面接着強度)を測定したところ、0.6[kN/m]以上であった。
実施例7において、120℃で5分、160℃で10分かけて加熱したことの替わりに、120℃で5分、160℃で60分かけて加熱した以外は実施例7と同様にして、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。続いて、実施例6と同じように評価を行った。その結果を表3に示した。また、この片面に金属層を有する熱伝導性基板のポリイミド樹脂層に熱圧着させた圧延銅箔について、金属/樹脂間の1mm180°ピール強度(圧着面接着強度)を測定したところ、0.6[kN/m]以上であった。
合成例1で得られたポリイミド溶液aを63.89g秤量し、2.56gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、別の容器に溶剤NMPを35.06g秤量し、N−12を1.096g添加して、N−12が溶けるまで攪拌した。このN−12のNMP溶液を上記のアルミナを含有するポリイミド溶液に入れて、再度均一になるまで遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように、厚さ18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に塗布し、80℃で15分間加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、120℃で5分、160℃で10分かけて加熱して、上記圧延銅箔上にポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散した絶縁層を形成し、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。この絶縁層における熱伝導性フィラーであるアルミナの含有量は10wt%である。また、この片面に金属層を有する熱伝導性基板のポリイミド樹脂層に熱圧着させた圧延銅箔について、金属/樹脂間の1mm180°ピール強度(圧着面接着強度)を測定したところ、0.7[kN/m]以上であった。
実施例9において、120℃で5分、160℃で10分かけて加熱したことの替わりに、120℃で5分、160℃で60分かけて加熱した以外は実施例9と同様にして、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。続いて、実施例6と同じように評価を行った。その結果を表3に示した。また、この片面に金属層を有する熱伝導性基板のポリイミド樹脂層に熱圧着させた圧延銅箔について、金属/樹脂間の1mm180°ピール強度(圧着面接着強度)を測定したところ、0.7[kN/m]以上であった。
合成例1で得られたポリイミド溶液aを63.89g秤量し、23.01gのアルミナ(平均粒径1.5μm、住友化学製、商品名:AA−1.5)を添加して、均一になるまで遠心攪拌機で混合した。続いて、別の容器に溶剤NMPを35.06g秤量し、N−12を1.096g添加して、N−12が溶けるまで攪拌した。このN−12のNMP溶液を上記のアルミナを含有するポリイミド溶液に入れて、再度均一になるまで遠心攪拌機で混合し、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように、厚さ18μmの圧延銅箔(Ra=0.7μm)上に塗布し、80℃で15分間加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、120℃で5分、160℃で10分かけて加熱して、上記圧延銅箔上にポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散した絶縁層を形成し、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。この絶縁層における熱伝導性フィラーであるアルミナの含有量は50wt%である。続いて、実施例6と同じように評価を行った。その結果を表3に示した。また、この片面に金属層を有する熱伝導性基板のポリイミド樹脂層に熱圧着させた圧延銅箔について、金属/樹脂間の1mm180°ピール強度(圧着面接着強度)を測定したところ、0.7[kN/m]以上であった。
実施例11において、120℃で5分、160℃で10分かけて加熱したことの替わりに、120℃で5分、160℃で60分かけて加熱した以外は実施例11と同様にして、片面に金属層を有する熱伝導性基板を作製した。続いて、実施例6と同じように評価を行った。その結果を表3に示した。また、この片面に金属層を有する熱伝導性基板のポリイミド樹脂層に熱圧着させた圧延銅箔について、金属/樹脂間の1mm180°ピール強度(圧着面接着強度)を測定したところ、0.7[kN/m]以上であった。
実施例7で作製した片面に金属層を有する熱伝導性基板のポリイミド絶縁層の上に厚さ18μmの圧延銅箔を置き、温度160℃、圧力2MPa、時間2時間の条件でプレスし、両面に金属層を有する熱伝導性基板を得た。得られた熱伝導性基板を所定パターンに加工して、接着強度、半田耐熱性及びカールの測定を行った。その結果を表4に示した。
Claims (8)
- ポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散されたフィラー含有ポリイミド樹脂層を少なくとも1層有する絶縁層の片面又は両面に金属層を有する熱伝導性基板において、前記フィラー含有ポリイミド樹脂層の熱伝導性フィラーの含有率が5〜80wt%の範囲にあり、前記フィラー含有ポリイミド樹脂層におけるポリイミド樹脂が、下記の一般式(1)及び(2)で表される構成単位:
を有するポリイミドシロキサンにおける前記ケトン基に、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物のアミノ基が反応してC=N結合を形成していることにより、前記ポリイミドシロキサンが前記アミノ化合物によって架橋された構造を有するポリイミド樹脂であることを特徴とする熱伝導性基板。 - 前記アミノ化合物が、ジヒドラジド化合物である請求項1に記載の熱伝導性基板。
- 熱伝導性フィラーがシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素及びマグネシアから選ばれる少なくとも1種のフィラーである請求項1又は2に記載の熱伝導性基板。
- 熱伝導性フィラーが、平均粒子径が0.5〜10μmの範囲にある球状アルミナである請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性基板。
- 上記ポリイミドシロキサンが、水素結合を可能とする官能基を有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性基板。
- 前記ポリイミドシロキサン、前記熱伝導性フィラー及び前記アミノ化合物を混合したフィラー含有ポリイミド樹脂の溶液を、前記金属層となる金属基材上に塗布し、乾燥して塗布膜を形成する工程と、
前記塗布膜を加熱し、前記ポリイミドシロキサンにおける前記ケトン基の少なくとも一部に、前記アミノ化合物のアミノ基を反応させてC=N結合を形成させることによりフィラー含有ポリイミド樹脂層を形成する工程と、
を含む方法によって製造されるものである請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性基板。 - 前記フィラー含有ポリイミド樹脂層が、半硬化状態である請求項6に記載の熱伝導性基板。
- ポリイミド樹脂中に熱伝導性フィラーが分散されたフィラー含有ポリイミド樹脂層を備えた熱伝導性ポリイミドフィルムであって、
前記フィラー含有ポリイミド樹脂層における熱伝導性フィラーの含有率が5〜80wt%の範囲にあり、前記フィラー含有ポリイミド樹脂層におけるポリイミド樹脂が、下記の一般式(1)及び(2)で表される構成単位:
を有するポリイミドシロキサンにおける前記ケトン基に、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物のアミノ基が反応してC=N結合を形成していることにより、前記ポリイミドシロキサンが前記アミノ化合物によって架橋された構造を有するポリイミド樹脂であることを特徴とする熱伝導性ポリイミドフィルム。
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