JP5648571B2 - 内燃機関の可変圧縮比装置 - Google Patents

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Description

この発明は、機械的可変圧縮比機構を用いた内燃機関の可変圧縮比装置、特に圧縮比制御のために可変圧縮比機構の制御部材を動かす油圧アクチュエータの改良に関する。
内燃機関の圧縮比を可変制御するために、機械的可変圧縮比機構の一つとして、例えば複リンク式ピストン−クランク機構を利用した複リンク式可変圧縮比機構が知られている。これは、内燃機関のピストンとクランクシャフトとが複数のリンク部材を介して連結されているとともに、これらのリンク部材の自由度を制限するコントロールリンクを備え、このコントロールリンクの基端の位置(揺動支点位置)を変更することで、ピストン位置を相対的に上下に変位させ、圧縮比を変更する構成となっている。上記コントロールリンクの揺動支点位置の変更には、コントロールリンク基端が連結される偏心軸を備えた制御軸が用いられ、この制御軸の回転位置を例えば直線運動するアクチュエータによって変化させる構成となっている。
そして、特許文献1には、制御軸を低圧縮比側へ変位させる方向に作用する燃焼荷重を利用して、負荷に応じて変化するこの燃焼荷重による付勢力とスプリングの付勢力との大小関係から、油圧ピストンの位置(つまり圧縮比)を変化させるようにした油圧アクチュエータが開示されている。このものでは、油圧ピストンの両側に画成される油室は、主に、油圧ピストンの位置(つまり圧縮比)を保持するために用いられ、従って、比較的低い油圧で、圧縮比制御が可能である。
特開2010−174762号公報
上記の特許文献1の構成にあっては、低圧縮比側へ向かう燃焼荷重に対抗するスプリングの付勢力が常に高圧縮比側へ作用しているので、内燃機関の停止中は最大圧縮比状態となる。従って、その後、内燃機関を始動した際に、最大圧縮比でもって機関の運転が開始され、プレイグニッションやノッキングなどの不正燃焼が生じる懸念がある。
この発明は、内燃機関のピストンとクランクシャフトとが機械的可変圧縮比機構を介して連結されており、上記機械的可変圧縮比機構の制御部材の位置に応じて圧縮比が変化する内燃機関の可変圧縮比装置を前提としている。上記制御部材は、低圧縮比側へ変位するように燃焼荷重を受け、この制御部材の位置を油圧アクチュエータによって動かす構成となっている。
ここで、上記油圧アクチュエータは、油圧シリンダ内に摺動可能に配設され、かつ上記制御部材に連係した油圧ピストンと、この油圧ピストンによって上記油圧シリンダ内に画成された第1,第2油室と、上記油圧ピストンに高圧縮比側へ向かう付勢力を付与するための機械的スプリング手段と、を備えている。そして、上記機械的スプリング手段は、上記油圧ピストンの最低圧縮比位置から所定の中間圧縮比位置の範囲で上記油圧ピストンを高圧縮比側へ付勢する。
本発明によれば、所定の中間圧縮比位置よりも高圧縮比側では油圧ピストンに機械的スプリング手段による付勢力が作用しないため、内燃機関の停止中は、油圧ピストンの位置ひいては可変圧縮比機構の圧縮比が中間圧縮比となる。従って、始動時に過度に高い圧縮比とならず、不正燃焼を招来することがない。
本発明が適用される複リンク式可変圧縮比機構の構成説明図。 油圧アクチュエータの第1実施例を示す構成説明図。 油圧ピストンが最低圧縮比位置にあるときの構成説明図。 可動スプリングシートが後退していて油圧ピストンが最大圧縮比位置にあるときの構成説明図。 可動スプリングシートが後退していて油圧ピストンが最低圧縮比位置にあるときの構成説明図。 油圧アクチュエータの第2実施例を示す構成説明図。 油圧ピストンが付勢力を受ける限界の中間圧縮比位置にあるときの構成説明図。 油圧ピストンが最大圧縮比位置にあるときの構成説明図。 油圧アクチュエータの第3実施例を示す構成説明図。 可動スプリングシートが後退していて油圧ピストンが最低圧縮比位置にあるときの構成説明図。 油圧ピストンが最大圧縮比位置にあるときの構成説明図。
図1は、本発明の油圧アクチュエータが適用される複リンク式可変圧縮比機構の基本的な構成の一例を示しており、図示するように、シリンダブロック5に形成されたシリンダ6内に、ピストン1が摺動可能に配設されており、このピストン1に、アッパリンク11の一端がピストンピン2を介して揺動可能に連結されている。このアッパリンク11の他端は、第1連結ピン12を介してロアリンク13の一端部に回転可能に連結されている。このロアリンク13は、その中央部においてクランクシャフト3のクランクピン4に揺動可能に取り付けられている。なお、ピストン1は、その上方に画成される燃焼室から燃焼圧力を受ける。また、クランクシャフト3は、クランク軸受ブラケット7によってシリンダブロック5に回転可能に支持されている。
上記ロアリンク13の他端部には、コントロールリンク15の一端が第2連結ピン14を介して回転可能に連結されている。このコントロールリンク15の他端は、内燃機関本体の一部に揺動可能に支持されており、かつ、圧縮比の変更のために、その揺動支点16の位置が内燃機関本体に対して変位可能となっている。具体的には、制御部材として、クランクシャフト3と平行に延びた制御軸18を備えており、この制御軸18に偏心して設けられた偏心軸19に上記コントロールリンク15の他端が回転可能に嵌合している。上記制御軸18は、上記のクランク軸受ブラケット7と制御軸受ブラケット8との間に回転可能に支持されている。
従って、圧縮比の変更のために、後述する油圧アクチュエータにより制御軸18を回転駆動すると、コントロールリンク15の揺動支点16となる偏心軸19の中心位置が機関本体に対して移動する。これにより、コントロールリンク15によるロアリンク13の運動拘束条件が変化して、クランク角に対するピストン1の行程位置が変化し、ひいては機関圧縮比が変更されることになる。
なお、本発明は、図示したような複リンク式可変圧縮比機構に限定されるものではなく、制御部材の位置によって圧縮比が定まるとともに、この制御部材に燃焼荷重が低圧縮比側への付勢力として伝達され得る種々の形式の可変圧縮比機構に適用することが可能である。
図2〜図5は、この発明の要部である油圧アクチュエータ21の第1実施例を示している。この油圧アクチュエータ21は、円筒状のハウジング22内に互いに直列に配置された油圧ピストン部23とスプリング可変部24とから大略構成されている。上記油圧ピストン部23は、上記ハウジング22の内周面により構成される油圧シリンダ25内に摺動可能に配設された油圧ピストン26と、この油圧ピストン26によって上記油圧シリンダ25内にそれぞれ画成された第1油室27および第2油室28と、上記第1油室27の油圧導入通路29および上記第2油室28の油圧導入通路30にそれぞれ設けられた第1逆止弁31および第2逆止弁32と、上記第1油室27の油圧排出通路33および上記第2油室28の油圧排出通路34にそれぞれ設けられた第1電磁弁35および第2電磁弁36と、を備えている。
上記油圧ピストン26は、ハウジング22の端部壁22aならびに第1油室27を貫通して延びるピストンロッド26aを有し、このピストンロッド26aの先端が、制御軸18に固定されたアーム37の先端に例えば中間リンク38を介して連係している。これにより、油圧ピストン26が図の左右に移動することで制御軸18が回転し、圧縮比が変化する。より具体的には、油圧ピストン26が油圧シリンダ25の図左端に位置するときに最大圧縮比となり、油圧シリンダ25の図右端に位置するときに最低圧縮比となる。図2は、油圧ピストン26が最大圧縮比位置にある状態を示しており、中間の隔壁39との間に生じる第2油室28の容積が最大限に拡大している。機関の運転中には、上記制御軸18に低圧縮比側へ変位するように燃焼荷重が作用し、従って、油圧ピストン26には、図の右側へ向かって付勢力が作用する。なお、この付勢力は、厳密にはアーム37の角度等の影響を受け、かつクランク角360°の中で周期的に変動(交番荷重として負となる期間もある)するものであるが、全体的な傾向としては、図の右側(低圧縮比側)へ向かって作用し、かつ内燃機関の負荷が大きいほど大きな付勢力となる。
上記スプリング可変部24は、上記ハウジング22の内周面により形成される補助シリンダ41内に摺動可能に配設された有底円筒状の可動スプリングシート42と、この可動スプリングシート42の内周面に摺動可能に嵌合した同じく有底円筒状のプッシュロッド43と、上記可動スプリングシート42の底壁42aと上記プッシュロッド43の先端壁43aとの間に圧縮状態で配設されたコイルスプリングからなるメインスプリング44と、を備えている。上記可動スプリングシート42は、一種の油圧ピストンとして機能するものであり、該可動スプリングシート42の底壁42aとハウジング22の端部壁22bとの間に、第3油室46が画成されている。この第3油室46の油圧導入通路47には第3逆止弁48が設けられており、この第3油室46の油圧排出通路49には第3電磁弁50が設けられている。
上記プッシュロッド43は、先端側の部分が中間の隔壁39を貫通して第2油室28内に突出しており、かつ上記メインスプリング44によってその突出方向に付勢されている。また、上記プッシュロッド43は、その基端部に、ステップ状に大径となったストッパ部43bを備えており、このストッパ部43bが可動スプリングシート42先端のシート側ストッパ部42bと係合することで、隔壁39からの最大突出量が制限されている。ここで、このプッシュロッド43の最大突出量は、油圧ピストン26の所定の中間圧縮比位置に対応した突出量に制限されており、従って、油圧ピストン26は、この中間圧縮比位置から最低圧縮比位置の範囲でのみメインスプリング44の付勢力を受ける。そして、シート側ストッパ部42bを備えた可動スプリングシート42が軸方向に移動すると、これに応じて、上記最大突出量つまり油圧ピストン26がプッシュロッド43から付勢力を受ける中間圧縮比位置が変化する。つまり、この実施例では、機械的スプリング手段としてメインスプリング44を具備し、その変位がストッパ部43b,42bからなるストッパ機構によって制限される。
なお、プッシュロッド43のストッパ部43bを、可動スプリングシート42のストッパ部42bではなく、隔壁39と係合させるように構成することもでき、この場合は、油圧ピストン26がプッシュロッド43から付勢力を受ける中間圧縮比位置が、可動スプリングシート42の軸方向位置に応じて変化することはない。
上記各油室27,28,46の油圧導入通路29,30,47は、油圧源、例えば内燃機関の潤滑油用油圧ポンプに接続されており、各々の逆止弁31,32,48によって、作動油の導入方向の流れのみが許容されている。また各油室27,28,46の油圧排出通路33,34,49は、いずれも低圧のドレン通路に連通している。従って、油圧源が作動している状態において、各油室27,28,46の油圧排出通路33,34,49にそれぞれ設けられた電磁弁35,36,50が閉となると、各油室27,28,46の油圧が高くなり、また各電磁弁35,36,50が開放されると、各油室27,28,46の油圧が低下する。なお、この油圧アクチュエータ21にあっては、油圧ピストン26の移動に、燃焼荷重による付勢力とメインスプリング44の付勢力とが併用され、各油室27,28,46内の作動油は主に油圧ピストン26の位置の保持に寄与するので、各油室27,28,46へ導入する油圧は比較的低いもので足りる。
上記電磁弁35,36,50は、勿論個々に独立したものであってもよいが、適宜に一体化した構成とすることができる。1つの実施例では、第1電磁弁35と第2電磁弁36とが、実質的に1つの電磁弁として構成されており、例えば1つのスプールによって、いずれか一方が開のときに他方が閉となる関係となっている。より詳しくは、非通電時には、第2電磁弁36に相当するポートが開となる構成が好ましい。そして、第3電磁弁50は、常閉型電磁弁であることが好ましい。
なお、各油室27,28,46に対する弁機構としては、上記実施例の構成に限定されず、例えば油圧導入通路29,30,47側も電磁弁によって開閉するなど、種々の態様が可能である。
上記のように構成された油圧アクチュエータ21においては、第3油室46の拡張・縮小状態に拘わらず、プッシュロッド43が油圧ピストン26の中間の圧縮比位置まで突出可能であり、この状態の下で、第1電磁弁35および第2電磁弁36を用いた圧縮比制御がなされる。
図2,図3は、第3油室46が拡張している状態であり、図2では油圧ピストン26が最大圧縮比位置にあり、図3では油圧ピストン26が最低圧縮比位置にある。図2に示す範囲S1においてメインスプリング44の付勢力が油圧ピストン26に作用する。
図4,図5は、内燃機関の停止中などの第3油室46が収縮している状態であり、図4では油圧ピストン26が最大圧縮比位置にあり、図5では油圧ピストン26が最低圧縮比位置にある。図4に示すように、この場合は、図2の範囲S1よりも狭い範囲S2においてメインスプリング44の付勢力が油圧ピストン26に作用する。
ここで、この可変圧縮比装置の目標圧縮比は、基本的に内燃機関の負荷に対応して高負荷域ほど低い圧縮比となるように設定される。従って、内燃機関の負荷が高く圧縮比を低下させようとする際には、第1電磁弁35が閉、第2電磁弁36が開となり、これにより第1油室27の方が相対的に高い油圧となる。同時に、内燃機関の負荷が高いことに関連して、低圧縮比側へ向かって制御軸18から比較的大きな付勢力が入力されるので、図3あるいは図5に示すように、例えば最低圧縮比まで油圧ピストン26が速やかに移動する。つまり、ある圧縮比よりも低圧縮比側でメインスプリング44の付勢力が作用するが、高負荷域では燃焼荷重による付勢力が大となるので、メインスプリング44の付勢力に抗して最低圧縮比とすることが可能である。ここで、最大圧縮比から所定の中間圧縮比まではメインスプリング44の付勢力が作用しないので、例えば内燃機関の急加速時に、少なくとも中間圧縮比までは速やかに圧縮比を低下させることができ、過渡的なノッキングの回避の上で有利となる。
一方、内燃機関の負荷が低く圧縮比を上昇させようとする際には、第1電磁弁35が開、第2電磁弁36が閉となり、これにより第2油室28の方が相対的に高い油圧となる。そして、制御軸18側から入力される付勢力は相対的に小さくなり、これにより、油圧ピストン26は徐々に高圧縮比側へ移動し、例えば図2あるいは図4に示すような最大圧縮比状態となる。このとき、プッシュロッド43の所定の突出量まではメインスプリング44の付勢力が高圧縮比側へ作用するので、内燃機関の負荷(つまり低圧縮比側への付勢力)がある程度高い領域においても、確実に高圧縮比側へ制御することができる。またメインスプリング44の付勢力によって、運転条件の変化に伴い高圧縮比化する際の応答性(少なくとも中間圧縮比までの応答性)が高くなり、燃費の上で有利となる。
なお、実際に制御されている圧縮比(例えば制御軸18の回転位置)をセンサで検出して第1,第2電磁弁35,36をフィードバック制御することで、図2に示す最低圧縮比位置と図3に示す最大圧縮比位置との間で任意の目標圧縮比に制御することが可能である。
そして、内燃機関の停止中は、第1電磁弁35が閉、第2電磁弁36が開に保持される。従って、機関停止直前の燃焼荷重による付勢力あるいは機関停止直前・直後の油圧によって、油圧ピストン26はプッシュロッド43と当接する中間圧縮比位置ないしこれよりも低圧縮比側の位置に保持される。そのため、内燃機関を次に始動した際に、過度に高い圧縮比のまま始動することがなく、プレイグニッションやノッキングといった不正燃焼を回避できる。
第3油室46は、第3電磁弁50によって拡張・縮小を制御することができ、これによってメインスプリング44の付勢力が作用し始める中間圧縮比位置を変化させることができる。このような第3電磁弁50を介した中間圧縮比位置の可変制御は、機関運転条件に応じて行われ、例えば図2,図3のようにプッシュロッド43の突出量が大きければ、比較的高い圧縮比まで高圧縮比側への動作をアシストすることができ、逆に図4,図5のようにプッシュロッド43の突出量が小さければ、比較的低い圧縮比まで低圧縮比側への動作の応答性を高く得ることができる。
また、好ましくは、機関停止中は、図4,図5のように、第3油室46が縮小した状態に保持される。この状態では、可動スプリングシート42が後退しているため、プッシュロッド43の突出量の減少に加えて、油圧ピストン26に作用するメインスプリング44の付勢力が小さなものとなる。従って、機関停止直前の燃焼荷重による付勢力あるいは機関停止直前・直後の油圧によって、油圧ピストン26はより低圧縮比側の位置、例えば図5に示す最低圧縮比位置ないしこれに近い低圧縮比位置に保持される。そのため、内燃機関を次に始動した際に、プレイグニッションやノッキングといった不正燃焼を確実に回避できる。
ここで、上記のような停止中の状態とするために、第3電磁弁50を機関停止の間、開放し続けるようにしてもよいが、望ましくは、機関停止の直前に第3電磁弁50を開として第3電磁弁50を縮小した後、機関停止中は第3電磁弁50を閉として、振動等による可動スプリングシート42の動きを抑制するとよい。
次に、図6〜図8に基づいて、第2実施例の油圧アクチュエータ121を説明する。なお、第1実施例の油圧アクチュエータ21の各部に対応する部分には同じ参照符号を用い、特に変わらない部分の説明は省略する。
この第2実施例は、前述した実施例のスプリング可変部24を具備しない、より簡素化した構成としたものであって、第2油室28内に単にメインスプリング44が配設されている。このメインスプリング44は、基端がハウジング22の端部壁22bに固定されており、かつその自由長が、油圧ピストン26の所定の中間圧縮比位置に対応した長さとなっている。従って、前述した実施例と同様に、油圧ピストン26は、図6に示す最低圧縮比位置から図7に示す中間圧縮比位置までの範囲でメインスプリング44の付勢力を受け、図7に示す中間圧縮比位置から図8に示す最大圧縮比までの範囲ではメインスプリング44の付勢力を受けない。なお、図示例では、メインスプリング44が油圧ピストン26に直接に当接するが、前述した第1実施例と同様に有底円筒状のプッシュロッド43を介在させるようにしてもよい。また、油圧ピストン26の最低圧縮比位置は、前述した実施例の隔壁39に相当するストッパ部39Aによって規定されている。
次に、図9〜図11に基づいて、第3実施例の油圧アクチュエータ221を説明する。
この第3実施例は、前述した第1実施例と同じく、油圧ピストン部23とスプリング可変部24とが直列に配置されたものであって、基端が可動スプリングシート42に支持されたメインスプリング44は、油圧ピストン26の最低圧縮比位置から最大圧縮比位置までの全範囲に亘って油圧ピストン26に圧接し続けるように、その寸法が設定されている。なお、図では、プッシュロッド43を省略してあるが、第1実施例と同様に、プッシュロッド43を設けるようにしてもよい。そして、このメインスプリング44の付勢力に対抗するように油圧ピストン26を低圧縮比側へ付勢する圧縮コイルスプリングからなるバイアススプリング61が第1油室27内に設けられている。つまり、この実施例は、機械的スプリング手段としてメインスプリング44とバイアススプリング61とを含んでいる。
図9は、第3油室46が拡張していて可動スプリングシート42が図左方へ前進している状態を示しており、特に、第1,第2電磁弁35,36の双方が開となって油圧ピストン部23のいずれの方向にも油圧が作用していない状態を示している。この図9に示すように、油圧が作用していない自由状態では、メインスプリング44およびバイアススプリング61の双方の付勢力は、油圧ピストン26が図示するような中間圧縮比位置にあるときに互いに釣り合う。つまり、メインスプリング44およびバイアススプリング61は、両者の付勢力の和として、油圧ピストン26が最低圧縮比位置から中間圧縮比位置までの範囲にあるときに該油圧ピストン26を高圧縮比側へ付勢しており、上記中間圧縮比位置から最大圧縮比位置までの範囲では、逆に低圧縮比側へ付勢力が作用する。
従って、内燃機関の停止中は、基本的に、この中立位置となる所定の中間圧縮比位置に保持されることとなり、内燃機関を次に始動した際に、過度に高い圧縮比のまま始動することがなく、プレイグニッションやノッキングといった不正燃焼を回避できる。
また、第3油室46を縮小して可動スプリングシート42を後退させた状態とすれば、油圧ピストン26に油圧が作用していない場合に、図10に示すように、油圧ピストン26が最低圧縮比位置ないしその近傍にあるときにメインスプリング44およびバイアススプリング61の付勢力が互いに釣り合う。従って、より確実に低い圧縮比位置で内燃機関の始動を行うことができる。
なお、第1電磁弁35および第2電磁弁36を実質的に1つの電磁弁として連動させた場合には、いずれかの油室27,28が密閉されるため、メインスプリング44およびバイアススプリング61の付勢力による油圧ピストン26の移動は抑制されたものとなるが、基本的な中立位置の特性は、上記と変わりがない。
また上記第3実施例では、中間圧縮比位置よりも高圧縮比側では両スプリング44,61の付勢力の和が低圧縮比側へ向かって作用するが、前述した第1実施例と同様に、燃焼荷重が比較的小さな機関低負荷時に油圧ピストン部23の油圧によって図11に示すように最大圧縮比位置とすることが可能である。
以上のように、第1〜第3実施例のいずれも、油圧ピストン26を高圧縮比側へ戻そうとするスプリング反力が所定の中間圧縮比位置において0となるので、内燃機関の始動時に過度に高圧縮比となることがなく、プレイグニッションやノッキングといった不正燃焼を回避できる。そして、同時に、最大圧縮比から中間圧縮比までの圧縮比低減の応答性が高くなり、過渡時のノッキングの回避の上で有利となる。
ところで、上記のようにスプリング反力を中間圧縮比までに限定すると、低圧縮比側へ向けて作用する燃焼荷重との関係で、中間圧縮比から最大圧縮比までの圧縮比上昇動作が種々の条件によっては緩慢となり、電磁弁35,36に過度に長時間通電することとなって燃費が悪化する懸念がある。そのため、例えば、油圧ポンプによる供給油圧が低い条件下や、機関の負荷が所定値以上のとき、あるいは目標圧縮比まで高圧縮比化し得る見込みがない場合、などは高圧縮比化を禁止するようにしてもよい。あるいは、高圧縮比化が容易となるように、機関の減速時(吸入負圧が燃焼荷重と逆向きに作用するため高圧縮比化が容易となる)に高圧縮比化を実行するようにしたり、車両変速機を積極的に変速して内燃機関の回転速度を高める(ピストン慣性力によって高圧縮比化が容易となる)ことなども有効である。
18…制御軸
21,121,221…油圧アクチュエータ
26…油圧ピストン
27…第1油室
28…第2油室
35…第1電磁弁
36…第2電磁弁
42…可動スプリングシート
43…プッシュロッド
44…メインスプリング
46…第3油室
50…第3電磁弁
61…バイアススプリング

Claims (6)

  1. 内燃機関のピストンとクランクシャフトとが機械的可変圧縮比機構を介して連結されており、上記機械的可変圧縮比機構の制御部材の位置に応じて圧縮比が変化するように構成されているとともに、上記制御部材は低圧縮比側へ変位するように燃焼荷重を受け、この制御部材の位置を油圧アクチュエータによって動かす内燃機関の可変圧縮比装置において、
    上記油圧アクチュエータは、
    油圧シリンダ内に摺動可能に配設され、かつ上記制御部材に連係した油圧ピストンと、
    この油圧ピストンによって上記油圧シリンダ内に画成された第1,第2油室と、
    上記油圧ピストンに高圧縮比側へ向かう付勢力を付与するための機械的スプリング手段と、
    を備え、
    上記機械的スプリング手段は、上記油圧ピストンの最低圧縮比位置から所定の中間圧縮比位置の範囲で上記油圧ピストンを高圧縮比側へ付勢することを特徴とする内燃機関の可変圧縮比装置。
  2. 上記機械的スプリング手段は単一のスプリングからなり、所定の中間圧縮比位置よりも高圧縮比側では付勢力が油圧ピストンに作用しないように、該スプリングの変位がストッパ機構により制限されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  3. 上記機械的スプリング手段は、油圧ピストンを高圧縮比側へ付勢するメインスプリングと、該メインスプリングの付勢力に抗して油圧ピストンを低圧縮比側へ付勢するバイアススプリングと、を有し、両者の付勢力の和として、上記油圧ピストンの最低圧縮比位置から所定の中間圧縮比位置の範囲で上記油圧ピストンを高圧縮比側へ付勢することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  4. 上記油圧ピストンに付勢力が作用する限界となる中間圧縮比位置を可変制御できることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  5. 上記機械的スプリング手段は単一のスプリングからなり、所定の中間圧縮比位置よりも高圧縮比側では付勢力が油圧ピストンに作用しないように、該スプリングの変位がストッパ機構により制限されるとともに、このストッパ機構による制限位置が変更可能であることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  6. 上記機械的スプリング手段は、
    油圧ピストンを高圧縮比側へ付勢するメインスプリングと、
    該メインスプリングの付勢力に抗して油圧ピストンを低圧縮比側へ付勢するバイアススプリングと、
    上記油圧ピストンの軸方向に沿って移動可能に構成され、上記メインスプリングの基端もしくは上記バイアススプリングの基端を支持する可動スプリングシートと、
    を有し、両スプリングの付勢力の和として、上記油圧ピストンの最低圧縮比位置から所定の中間圧縮比位置の範囲で上記油圧ピストンを高圧縮比側へ付勢するとともに、上記可動スプリングシートの移動によって上記中間圧縮比位置が変化することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
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