JP5645741B2 - 電源装置及び照明装置 - Google Patents

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Description

この発明は、光源回路などの負荷回路に対して電力を供給する電源装置に関する。
力率改善回路と、電力変換回路との二段構成の電源装置が知られている。
力率改善回路は、電源装置の入力の力率を改善する回路であり、例えば昇圧コンバータ回路などが用いられる。
電力変換回路は、電源装置が出力する電力を調整するための回路であり、例えば、負荷回路を流れる電流を一定に保つ定電流駆動動作をする。電力変換回路には、例えばバックコンバータ回路やフライバックコンバータ回路、その他の直流直流変換回路(DC/DCコンバータ回路)などが用いられる。
特開平9−55296号公報 特開2010−40400号公報
例えば、負荷回路が、発光ダイオード(以下「LED」と呼ぶ。)や有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」と呼ぶ。)などの光源を有する光源回路である照明装置において、光源の明るさを調整する調光機能を有する場合など、電源装置が負荷回路に対して供給する電力を広い範囲で変えられる構成である場合、電源装置が負荷回路に対して供給する電力が小さくなると、力率改善回路による力率改善効果が小さくなり、電源装置の力率が低下する場合がある。
また、省エネルギーのため、電源装置における電力損失をできるだけ抑える必要がある。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、負荷回路に対して供給する電力が小さい場合でも、力率の低下を防ぎつつ、電源装置における電力損失を抑えることを目的とする。
この発明にかかる電源装置は、
力率改善回路と、制御回路とを有し、
上記力率改善回路は、交流電圧を入力し、入力した交流電圧を直流電圧に変換して、変換した直流電圧を出力するとともに、入力する交流電流の力率を高め、
上記制御回路は、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御し、上記力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さいほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くすることを特徴とする。
この発明にかかる電源装置によれば、上記力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さいほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くするので、負荷回路に対して供給する電力が小さい場合でも、力率の低下を防ぎつつ、電源装置における電力損失を抑えることができる。
実施の形態1における照明装置800の全体構成の一例を示す概要図。 実施の形態1における電源回路100などの詳細な構成の一例を示す回路図。 実施の形態1における力率改善回路110の特性の一例を示す特性図。 実施の形態1における力率改善回路110の特性の別の例を示す特性図。 実施の形態1における力率改善回路110の特性の更に別の例を示す特性図。 実施の形態2における制御回路140の構成の一例を示す回路図。 実施の形態2における入力電圧検出回路150の動作の一例を示す波形図。 実施の形態2における入力電圧検出回路150が出力する制御信号の電圧値の一例を示す図。 実施の形態2における可変抵抗回路162の構成の一例を示す回路図。 実施の形態2における可変抵抗回路162の特性の一例を示す特性図。 実施の形態2における制御回路140が決定する電圧目標値の一例を示す図。 実施の形態3における入力電圧検出回路150の構成の一例を示す回路図。 実施の形態4における電源回路100の構成の一例を示す回路図。 実施の形態5における制御回路140の構成の一例を示す構成図。 実施の形態5におけるレベル変換回路170の構成の一例を示す回路図。 実施の形態6における生成電圧検出回路160の構成の一例を示す回路図。 実施の形態7における入力電圧検出回路150の構成の一例を示す構成図。 実施の形態7における入力電圧検出回路150の構成の一例を示す回路図。 実施の形態7における入力電圧検出回路150の動作の一例を示す波形図。 実施の形態7における信号生成回路157の構成の一例を示す回路図。 実施の形態8における歪み量検出回路190の構成の一例を示す回路図。 実施の形態8における信号生成回路157の構成の一例を示す回路図。 実施の形態9における歪み量検出回路190の構成の一例を示す回路図。 実施の形態10における入力電圧検出回路150及び生成電圧検出回路160の構成の一例を示す回路図。 実施の形態11における照明装置800の全体構成の一例を示す概要図。 実施の形態11における制御回路140の構成の一例を示す構成図。 実施の形態11における調光検出回路199の構成の一例を示す回路図。
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図4を用いて説明する。
図1は、この実施の形態における照明装置800の全体構成の一例を示す概要図である。
照明装置800は、商用電源などの交流電源ACから交流電力の供給を受けて、LEDや有機ELなどの光源を点灯する。照明装置800が入力する交流電圧は、例えば周波数が50Hz〜60Hz、電圧実効値が85V〜265Vである。また、照明装置800は、調光器820が出力した調光信号を入力する。調光信号(供給電力指示信号)は、照明装置800の光源を点灯する調光度を指示する信号である。調光信号は、例えばパルス幅変調された矩形波信号であり、パルス幅が調光度を表わす。照明装置800は、入力した調光信号が指示する調光度にしたがって、光源を点灯する。照明装置800は、例えば、電源回路100(電源装置)と、光源回路810(負荷回路)とを有する。
光源回路810は、直流電流により点灯する光源(発光素子)を有する。光源回路810は、電源回路100が出力した直流電流を入力し、入力した直流電流により光源を点灯する。
電源回路100は、交流電源ACから供給された交流電圧を入力し、入力した交流電圧を光源回路810に対して供給する直流電流に変換して、変換した直流電流を出力する。電源回路100は、例えば、力率改善回路110と、電力変換回路130と、制御回路140と、調光信号入力回路180とを有する。
力率改善回路110は、交流電源ACから供給される交流電圧を直流電圧に変換して、変換した直流電圧を出力する。力率改善回路110は、制御回路140からの指示にしたがって、変換する直流電圧の電圧値(生成電圧)を調整するとともに、電源回路100の入力の力率を高め、1に近づける。
制御回路140(生成電圧設定回路)は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧値や力率改善回路110が出力する直流電流の電流値などに基づいて、力率改善回路110が変換する直流電圧の電圧目標値を決定し、決定した電圧目標値に力率改善回路110が生成する直流電圧の電圧値が一致するよう、力率改善回路110を制御する。
電力変換回路130は、力率改善回路110が出力した直流電圧を入力し、入力した直流電圧を降圧して電圧値の異なる直流電圧に変換し、変換した直流電圧を、電源回路100の出力電圧として出力する。電力変換回路130は、調光信号入力回路180からの指示にしたがって、電力変換回路130が出力する直流電流の電流値が、電流目標値に一致するよう調整する。
調光信号入力回路180(調光回路)は、調光器820が出力した調光信号を入力し、入力した調光信号が表わす調光度で光源を点灯するために光源回路810の光源に流すべき電流の目標値を決定し、決定した電流目標値を表わす信号を出力する。調光信号入力回路180が出力した信号は、電力変換回路130が入力し、入力した信号が表わす電流目標値に、変換する直流電流の電流値を一致させる。
これにより、電源回路100は、光源回路810を定電流駆動する。
図2は、この実施の形態における電源回路100などの詳細な構成の一例を示す回路図である。
光源回路810は、光源として、例えば複数のLEDを有する。複数のLEDは、例えば、互いに直列に電気接続している。このため、複数のLEDには、同じ電流が流れる。複数のLEDを調光信号入力回路180が決定した電流目標値の電流が流れることにより、複数のLEDが、調光信号が指示する調光度で点灯する。
力率改善回路110は、例えば、全波整流回路DB11と、アクロスザラインコンデンサC12と、昇圧回路120とを有する。
全波整流回路DB11(整流回路)は、交流電源ACから交流電圧を入力し、入力した交流電圧を全波整流して電圧波形を脈流に変換し、変換した脈流電圧を出力する。全波整流回路DB11は、例えば、4つの整流素子を有する。4つの整流素子は、例えば半導体ダイオードであり、ブリッジ接続されている。
アクロスザラインコンデンサC12は、静電容量が比較的小さい(例えば0.1μF)コンデンサであり、全波整流回路DB11の出力に接続されている。アクロスザラインコンデンサC12は、高周波ノイズをカットする。
昇圧回路120(狭義の力率改善回路、昇圧コンバータ回路)は、全波整流回路DB11が出力した脈流電圧を入力して、入力した脈流電圧を昇圧して直流電圧に変換し、変換した直流電圧を、力率改善回路110の出力電圧として出力する。また、昇圧回路120は、入力する脈流電流の電流値の包絡線の波形を、入力する脈流電圧の電圧値の波形に近似させることにより、電源回路100の入力の力率を高める。昇圧回路120の入力は、アクロスザラインコンデンサC12と並列に、全波整流回路DB11に電気接続している。昇圧回路120は、例えば、ブーストコンバータ回路であり、チョークコイルL21(トランス)と、スイッチQ22(スイッチング素子)と、整流素子D23と、平滑コンデンサC24と、電圧検出回路125と、電流検出回路126と、制御IC127と、グランド配線GNDとを有する。グランド配線GNDは、電源回路100のなかの基準電位を有する。スイッチQ22は、例えばMOSFETやバイポーラトランジスタなどの半導体スイッチやその他の電気的スイッチ、リレーなどの機械式スイッチ、その他の機構によるスイッチなどを有し、制御信号にしたがってオンオフする。整流素子D23は、例えば半導体ダイオードなどである。平滑コンデンサC24は、比較的静電容量の大きいコンデンサであり、例えば電解コンデンサなどの極性を有するコンデンサや、極性を有さないコンデンサである。
電圧検出回路125は、昇圧回路120の一対の入力端子の間の電位差(昇圧回路120の入力電圧)の瞬時値を検出して、検出した電圧の瞬時値を表わす信号(電圧検出信号)を出力する。電圧検出回路125は、例えば、互いに直列に電気接続した比較的抵抗値が大きい2つの抵抗(分圧抵抗)を有し、2つの抵抗の抵抗値の比によって定まる分圧比により、昇圧回路120の入力電圧を分圧した電圧を生成し、電圧検出信号として出力する。
電流検出回路126は、チョークコイルL21を流れる電流(昇圧回路120の入力電流)の瞬時値を検出して、検出した電流の瞬時値を表わす信号(電流検出信号)を出力する。電流検出回路126は、例えば、チョークコイルL21と同じコアに巻かれるなどして磁気結合した巻線を有し、チョークコイルL21と巻線との巻数比により、チョークコイルL21を流れる電流に比例する電圧を生成し、電流検出信号として出力する。
制御IC127は、例えば、集積回路やマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と呼ぶ。)であり、スイッチQ22のオンオフを制御する制御信号を生成する。
昇圧回路120の入力端子の一つと、チョークコイルL21の一端とが電気接続している。昇圧回路120のもう一つの入力端子と、スイッチQ22の一端と、グランド配線GNDと、平滑コンデンサC24の一端と、昇圧回路120の出力端子の一つとが電気接続している。昇圧回路120のもう一つの出力端子と、整流素子D23の一端と、平滑コンデンサC24のもう一端とが電気接続している。チョークコイルL21のもう一端と、スイッチQ22のもう一端と、整流素子D23のもう一端とが電気接続している。スイッチQ22は、制御IC127が生成した制御信号にしたがってオンオフする。整流素子D23の向きは、全波整流回路DB11の出力に対して順方向である。平滑コンデンサC24が極性を有するコンデンサである場合、平滑コンデンサC24の向きは、全波整流回路DB11の出力に対して順方向である。
制御IC127は、制御回路140による制御にしたがって、電圧検出回路125が出力した電圧検出信号と、電流検出回路126が出力した電流検出信号とに基づいて、スイッチQ22のオンオフを制御する。例えば、制御IC127は、制御回路140からの指示に基づいて、チョークコイルL21を流れる電流の基準値を調整する。力率改善回路110が生成した直流電圧の電圧値が目標電圧値より高い場合、制御IC127は、基準値を下げる。逆に、力率改善回路110が生成した直流電圧の電圧値が目標電圧値より低い場合、制御IC127は、基準値を上げる。制御IC127は、調整した基準値と、昇圧回路120の入力電圧の瞬時値に比例する係数との積を算出して、閾値とする。制御IC127がスイッチQ22をオンにすると、チョークコイルL21を流れる電流が増えていく。制御IC127は、チョークコイルL21を流れる電流が、算出した閾値に達したとき、スイッチQ22をオフにする。制御IC127は、チョークコイルL21を流れる電流が0になったとき、再びスイッチQ22をオンにする。制御IC127がこれを繰り返すことにより、チョークコイルL21を流れる電流は、比較的高い周波数(例えば数十kHz〜数百kHz)の三角波となり、その包絡線は、昇圧回路120の入力電圧の波形に近似した波形になる。チョークコイルL21を流れる電流により平滑コンデンサC24が充電され、昇圧回路120の入力電圧のピーク値よりも高い電圧が平滑コンデンサC24の両端に発生する。
電力変換回路130(降圧コンバータ回路)は、例えば、バックコンバータ回路であり、スイッチQ31と、整流素子D32(還流ダイオード)と、チョークコイルL33と、平滑コンデンサC34と、電流検出回路135と、比較器137と、制御IC139とを有する。電力変換回路130の一対の入力端子は、力率改善回路110(昇圧回路120)の一対の出力端子に電気接続している。スイッチQ31は、例えばMOSFETやバイポーラトランジスタなどの半導体スイッチやその他の電気的スイッチ、リレーなどの機械式スイッチ、その他の機構によるスイッチなどを有し、制御信号にしたがってオンオフする。なお、スイッチQ31は、制御信号の基準電位を変換するため、例えばパルストランスやフォトカプラなどの絶縁伝送回路を有する構成であってもよい。整流素子D32は、例えば半導体ダイオードである。平滑コンデンサC34は、比較的静電容量が大きいコンデンサであり、例えば電解コンデンサなどの極性を有するコンデンサや、極性を有さないコンデンサなどである。
電流検出回路135(帰還回路)は、電力変換回路130が出力する直流電流の電流値を検出して、検出した電流値を表わす信号(電流検出信号)を出力する。電流検出回路135は、例えば、光源回路810と直列に電気接続された比較的抵抗値が小さい抵抗(電流検出抵抗)を有し、抵抗を流れる電流に比例する電圧を生成し、電流検出信号として出力する。
比較器137(帰還回路)は、例えばエラーアンプ(誤差増幅器)やマイコンなどであり、電流検出回路135が出力した電流検出信号と、調光信号入力回路180が出力した信号とを入力し、電流検出回路135が検出した電流値と、調光信号入力回路180が決定した電流目標値とを比較して、どちらが大きいかを表わす信号を生成して、出力する。
制御IC139は、例えば集積回路やマイコンなどであり、スイッチQ31のオンオフを制御する制御信号を生成する。
電力変換回路130の入力端子の一つと、スイッチQ31の一端とが電気接続している。電力変換回路130のもう一つの入力端子と、整流素子D32の一端と、平滑コンデンサC34の一端と、電力変換回路130の出力端子の一つとが電気接続している。電力変換回路130のもう一つの出力端子と、チョークコイルL33の一端と、平滑コンデンサC34のもう一端とが電気接続している。スイッチQ31のもう一端と、整流素子D32のもう一端と、チョークコイルL33のもう一端とが電気接続している。整流素子D32の向きは、力率改善回路110の出力に対して逆方向である。平滑コンデンサC34が極性を有するコンデンサである場合、平滑コンデンサC34の向きは、力率改善回路110の出力に対して順方向である。
制御IC139は、比較器137が出力した信号に基づいて、スイッチQ31をオンにするオン時間を調整する。例えば、電力変換回路130が出力した直流電流の電流値が目標電流値より大きい場合、制御IC139は、オン時間を短くする。逆に、電力変換回路130が出力した直流電流の電流値が目標電流値より小さい場合、制御IC139は、オン時間を長くする。制御IC139がスイッチQ31をオンにすると、チョークコイルL33を流れる電流が増えていく。制御IC139は、スイッチQ31をオンにしてからの経過時間が、調整したオン時間に達したとき、スイッチQ31をオフにする。制御IC139は、スイッチQ31をオンにしてからの経過時間が、所定の時間に達したとき、スイッチQ31を再びオンにする。制御IC139は、これを比較的高い周波数(例えば数十kHz〜数百kHz)で繰り返す。チョークコイルL33を流れる電流により、平滑コンデンサC34が充電され、電力変換回路130の入力電圧よりも低い電圧が平滑コンデンサC34の両端に発生する。電力変換回路130が出力する直流電流の電流値が、電流目標値に一致するよう、平滑コンデンサC34の両端電圧(すなわち、電力変換回路130が出力する直流電圧の電圧値)が調整される。これにより、光源回路810を流れる電流の電流値が、電流目標値に一致するので、電源回路100は、定電流駆動回路として動作する。
例えば光源の周囲温度などの条件により光源の順方向降下電圧が変化するため、光源回路810に印加すべき光源電圧V(負荷電圧)は変化する。電力変換回路130は、光源回路810を流れる電流をフィードバックして、光源電圧Vを調整するので、電流目標値の電流が光源回路810を流れる。
調光信号入力回路180は、例えば、制御IC181と、絶縁伝送回路182と、全波整流回路DB83とを有する。
全波整流回路DB83は、調光器820が出力した調光信号を入力し、全波整流する。調光器820と電源回路100との間の配線により、調光信号の極性が逆になる場合があるので、これを正すためである。全波整流回路DB83は、例えば4つの整流素子を有する。4つの整流素子は、例えば半導体ダイオードであり、ブリッジ接続されている。
絶縁伝送回路182は、全波整流回路DB83が全波整流した調光信号を入力し、電気的に絶縁しつつ、調光信号を伝送する。調光器820のなかの基準電位と、電源回路100のなかの基準電位とが異なる可能性があるからである。絶縁伝送回路182は、例えば、フォトカプラやパルストランスなどである。
制御IC181は、例えば集積回路やマイコンなどである。制御IC181は、絶縁伝送回路182が伝送した調光信号を入力し、入力した調光信号に基づいて電流目標値を算出し、算出した電流目標値を表わす信号を出力する。制御IC181が出力する信号は、例えば、電圧値(平均値や実効値など)やデューティ比などにより、算出した電流目標値を表わす。例えば、制御IC181が出力する信号の電圧平均値が高いほど、電流目標値が大きいことを表わす。
制御回路140は、例えば、アナログ部品やデジタル部品などにより構成される回路や集積回路やマイコンなどである。制御回路140は、以下の条件を満たす範囲内で、力率改善回路110が生成する直流電圧の電圧目標値をなるべく低い値に決定する。力率改善回路110が生成する直流電圧の電圧値が低い方が、力率改善回路110や電力変換回路130の変換効率が高くなるからである。
第一の条件は、光源回路810に電流目標値の電流が流れたとき光源回路810の両端に生じる電圧(負荷電圧)よりも、電圧目標値が高いことである。電力変換回路130が出力する直流電圧の電圧値は、電力変換回路130が入力した直流電圧の電圧値よりも高くならないからである。例えば、光源回路810が、順方向降下電圧が3VのLEDを光源とし、50個の光源を直列に電気接続した回路である場合、負荷電圧は、150V(=3V×50個)である。なお、電流検出回路135における電圧降下がある場合には、その分も見込んで、電圧目標値を更に高くする必要がある。例えば、電流検出回路135における電圧降下が0.5Vであれば、電圧目標値は、150.5V(=150V+0.5V)より高い必要がある。
第二の条件は、力率改善回路110が入力した交流電圧の電圧ピーク値よりも、電圧目標値が高いことである。昇圧回路120が出力する直流電圧の電圧値を、昇圧回路120が入力する脈流電圧の電圧値より低くしようとすると、昇圧回路120がうまく動作せず、力率が悪くなるからである。商用電源から供給される交流電圧の電圧値は、例えば、日本の場合、100V(公称実効値。以下同じ。)と200Vとの2種類があり、海外も含めると、100V〜254Vの範囲である。実際の電圧値には、±10%程度の誤差が見込まれるので、電源回路100は、85V〜280Vの電圧実効値を有する交流電圧に対応できる必要がある。
第三の条件は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、電圧目標値を高くすることである。力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧値が高いと、力率改善回路110の変換効率は下がるが力率は良くなる。力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいと力率が悪くなるので、これを補うためである。
制御回路140は、力率改善回路110が出力した直流電圧の電圧値と、決定した電圧目標値とのうち、どちらが大きいかを表わす信号を生成し、生成した信号を出力する。例えば、制御回路140が生成する信号は、電圧値が所定の電圧基準値より高いか低いかによって、力率改善回路110が出力した直流電圧の電圧値が電圧目標値より大きいか小さいかを表わす。制御回路140が生成する信号の電圧値が所定の電圧基準値より高い場合は、力率改善回路110が出力した直流電圧の電圧値が電圧目標値より大きいことを表わし、制御回路140が生成する信号の電圧値が所定の電圧基準値より低い場合は、力率改善回路110が出力した直流電圧の電圧値が電圧目標値より小さいことを表わす。
制御IC127は、制御回路140が出力した信号にしたがって、制御回路140が生成する信号は、電圧値が所定の電圧基準値より高いか低いかを判断し、動作する。
なお、制御IC127、制御回路140、比較器137、制御IC139及び制御IC181がマイコンにより構成される場合、これらは独立している必要はなく、1つのマイコンで構成してもよい。
図3は、この実施の形態における力率改善回路110の特性の一例を示す特性図である。
横軸は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値を示す。縦軸は、制御回路140が決定する、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を示す。破線571は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最小値を表わし、例えば約120V(=85V×√2)である。破線572は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値を表わし、例えば約396V(=280V×√2)である。破線573は、光源回路810を流れる電流が電流目標値に一致するとき光源回路810の両端に発生する電圧の最大値を表わし、例えば約150Vである。破線574は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値と、制御回路140が決定する電圧目標値とが等しい場合を表わし、参考のために示している。実線511及び破線541は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値と、制御回路140が決定する電圧目標値との関係を表わす。実線511は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きい場合を表わし、破線541は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合を表わす。
例えば、制御回路140は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値と、光源回路810の両端電圧最大値とのうち大きいほうに、オフセット値を加えた値を、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値とする。オフセット値は、正の値であり、制御回路140は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、オフセット値を大きくする。
図4は、この実施の形態における力率改善回路110の特性の別の例を示す特性図である。
例えば、制御回路140は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値と、光源回路810の両端電圧最大値とのうち大きいほうに、係数を乗じた値を、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値とする。係数は、1以上の値であり、制御回路140は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、係数を大きくする。
図5は、この実施の形態における力率改善回路110の特性の更に別の例を示す特性図である。
破線579は、力率改善回路110が出力する直流電圧の目標電圧値の最大値を表わす。破線580は、照明装置800が入力する交流電圧の電圧ピーク値のうち、最も使用頻度が高い交流電圧の電圧ピーク値Vtgを表わす。
例えば、制御回路140は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値付近で、力率改善回路110が出力する直流電圧の目標電圧値を飽和させる。また、制御回路140は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値のうち、最も多く使用する電圧ピーク値Vtgの付近において、力率改善回路110が入力する入力ピーク値に対する、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値の変化量を小さくする。
例えば、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値が約359V(=254V×√2)、照明装置800が入力する交流電圧の電圧ピーク値のうち、最も多く用いる電圧Vtgが約283V(=200V×√2)である場合、制御回路140は、入力ピーク値359V付近で目標電圧値を飽和させ、入力ピーク値283V付近で目標電圧値の傾きを小さくする。
海外などの電圧が不安定な地域では、例えば電圧実効値280V以上といった、想定以上に高い交流電圧の電圧が、力率改善回路110に入力される可能性がある。力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値付近で、力率改善回路110が出力する直流電圧の目標電圧値を飽和させることにより、このような高い交流電圧の電圧が力率改善回路110に入力された場合であっても、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値が一定の電圧値以上にならないようにすれば、力率改善回路110の出力部分の電子部品の耐圧を下げることができ、部品コストを削減することができる。
また、商用電源から供給される交流電圧の電圧値には、±10%程度の誤差が見込まれ、負荷状況により電圧値が変動する。また、力率改善回路110が、例えば昇圧回路120を有するような構成の場合、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧値は、スイッチQ22のオン時間によって決まる。力率改善回路110が、例えば昇圧回路120を有するような構成の場合、スイッチQ22のオン時間あるいはオンデューティを急変させると、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧値が、増減させたい方向と逆方向に振れるもしくは不安定になるといった現象が生じる場合がある。力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧値のうち、最も多く用いる電圧値付近で、目標電圧値の変化量を小さくすることにより、交流電圧の電圧値に変動があった場合の、力率改善回路110の安定性を高めることができる。
調光信号入力回路180が入力する調光信号が表わす調光度が高く、電源回路100が出力する直流電流が大きい場合は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きくなる。その場合、制御回路140は、電圧目標値を小さくするので、電源回路100の効率が高くなる。
また、調光信号入力回路180が入力する調光信号が表わす調光度が低く、電源回路100が出力する直流電流が小さい場合は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さくなる。その場合、制御回路140は、電圧目標値を大きくするので、電源回路100の力率が低くなるのを防ぐことができる。
このように、制御回路140が、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を変えることにより、電源回路100の力率の低下を抑えつつ、電源回路100における電力損失を減らすことができる。
電源回路100は、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値より高い値にするので、電圧値の異なる交流電源ACに幅広く対応することができる。
電源回路100は、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を、光源回路810を流れる電流が電流目標値である場合における光源回路810の両端電圧より高い値にするので、光源回路810を定電流駆動することができる。
電源回路100は、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、高い値にするので、力率の低下、電流高調波の増加、制御動作異常による光源のちらつきなどを防ぐことができる。
電源回路100は、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を、上記条件を満たす範囲内でなるべく低い値にするので、力率改善回路110の昇圧比が低くなり、電力損失を抑えることができる。
昇圧回路120における電力損失には、例えば制御IC127の消費電力やスイッチQ22のスイッチング損失やチョークコイルL21における損失などがある。昇圧回路120の昇圧比(入力電圧の電圧実効値に対する出力電圧の電圧実効値の比)が大きいほど、チョークコイルL21が取り扱う電力が大きくなり、スイッチQ22のスイッチング損失やチョークコイルL21における損失が大きくなり、昇圧回路120の電力損失が大きくなる。
また、光源電圧(負荷電圧)は、光源回路810を構成する光源の光出力によってほぼ決まるため、昇圧回路120の出力電圧が大きいほど、電力変換回路130の降圧比(出力電圧の電圧実効値に対する入力電圧の電圧実効値の比)が大きくなる。そのため、昇圧回路120の出力電圧が大きいほど、チョークコイルL33が取り扱う電力が大きくなり、スイッチQ31やチョークコイルL33における損失が大きくなり、電力変換回路130の電力損失が大きくなる。
このため、力率の低下や光源のちらつきが発生しない範囲内で、昇圧回路120の出力電圧をなるべく低くすることにより、昇圧回路120の昇圧比及び電力変換回路130の降圧比が小さくなり、電力損失を低減することができる。
また、調光により光出力を減少させた場合に、昇圧回路120の出力電圧を高くするので、調光時に力率改善回路110に流れる電流を増加させることができる。これにより、昇圧回路120が間欠発振するなどの異常動作を防ぐことができ、光源のちらつきを防ぐことができる。
また、例えばLEDなどの光源が開放故障するなどして、光源回路810に電流が流れなくなった場合、電力変換回路130が光源回路810に電流を流そうとして、電力変換回路130が出力する直流電圧の電圧値が、電力変換回路130が生成できる最大電圧になる可能性がある。電力変換回路130は、降圧型回路なので、入力した直流電圧の電圧値より高い電圧を生成することはできない。このため、電力変換回路130が出力する直流電圧の電圧値は、昇圧回路120が出力する直流電圧の電圧値を超えることはない。
電源回路100は、力率の低下や光源のちらつきが発生しない範囲内で、昇圧回路120の出力電圧をなるべく低くするので、使用者および照明器具設置者に最も接近した部分である光源回路810の両端電圧が高くなるのを防ぐことができ、安全性が高まる。
制御回路140が、力率改善回路110が出力する直流電圧の目標電圧値を変えることにより、力率改善回路110が出力する直流電圧の目標電圧値を固定とした場合に比べ、昇圧回路120の昇圧比を低く抑えることができるので、チョークコイルL21を小型化することができ、部品コストの削減、実装面積の削減による電源回路基板の小型化などを行うことができる。
また、例えば図5のように、制御回路140が、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値付近で、力率改善回路110が出力する直流電圧の目標電圧値を飽和させることにより、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値が想定以上の高電圧となった場合であっても、力率改善回路110が出力する直流電圧の目標電圧値が、破線579で示した飽和電圧以下となるため、力率改善回路110の出力部分の電子部品の耐圧を下げることができ、部品コストを削減することができる。
また、例えば図5のように、制御回路140が、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値のうち、最も多く使用する電圧ピーク値Vtgの付近において、目標電圧値の傾き(変化率)を小さくすることにより、Vtg付近におけるスイッチQ22のオン時間あるいはオンデューティの変動を小さくすることができるため、交流電圧の電圧値に変動があった場合の、力率改善回路110の安定性を高めることができる。
この実施の形態における生成電圧設定回路(制御回路140)は、力率改善回路(110)が生成する直流電圧の電圧値として、上記力率改善回路が入力する入力電圧のピーク値よりも高い電圧を設定し、加えて、照明装置の消費電力が小さいほど、力率改善回路が生成する直流電圧値を高くする。
これにより、電源回路が広い範囲の電源電圧に対応できるよう構成する場合でも、力率改善回路の昇圧比を低く抑えることができ、電力損失を抑えることができる。また、調光時においても力率の向上、高調波の低減および調光時の光源ちらつき防止を行うことができる。
この実施の形態における照明装置(800)は、上記電源回路(100)と、光源回路(810)とを有する。
上記光源回路は、上記電源回路に対する負荷回路として上記電源回路に接続され、上記電源回路が生成した電圧により点灯する光源を有する。
これにより、電源回路が広い範囲の電源電圧に対応できるよう構成する場合でも、力率改善回路の昇圧比を低く抑えることができ、電力損失を抑えることができる。また、調光時においても力率の向上、高調波の低減および調光時の光源ちらつき防止を行うことができる。
実施の形態2.
実施の形態2について、図6〜図11を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、制御回路140の具体的な構成の一例について説明する。
図6は、この実施の形態における制御回路140の構成の一例を示す回路図である。
制御回路140は、例えば、入力電圧検出回路150と、生成電圧検出回路160とを有する。
入力電圧検出回路150は、昇圧回路120の入力電圧を検出する。入力電圧検出回路150は、例えば、3つの抵抗R51,R52,R55と、整流素子D53と、コンデンサC54とを有する。整流素子D53は、例えば、半導体ダイオードである。コンデンサC54は、例えば、電解コンデンサやその他のコンデンサである。
入力電圧検出回路150の入力端子は、昇圧回路120の入力端子の一つ(高電位側)に電気接続している。入力電圧検出回路150の入力端子と、抵抗R51の一端とが電気接続している。抵抗R51のもう一端と、抵抗R52の一端と、整流素子D53の一端とが電気接続している。整流素子D53のもう一端と、コンデンサC54の一端と、抵抗R55の一端と、入力電圧検出回路150の出力端子とが電気接続している。抵抗R52のもう一端と、コンデンサC54のもう一端と、抵抗R55のもう一端とは、グランド配線GNDに電気接続している。整流素子D53の向きは、2つの抵抗R51,R52の接続点からコンデンサC54のほうへ電流が流れる向きである。コンデンサC54が電解コンデンサなど極性を有するコンデンサである場合、コンデンサC54の向きは、整流素子D53を流れる電流によって充電される向きである。
生成電圧検出回路160は、昇圧回路120の出力電圧に基づいて、昇圧回路120の出力電圧(力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧値)と電圧目標値とのうち、どちらが大きいかを表わす信号を生成する。生成電圧検出回路160は、例えば、抵抗R61と、可変抵抗回路162とを有する。可変抵抗回路162は、制御信号にしたがって抵抗値が変化する回路である。
生成電圧検出回路160の入力端子は、昇圧回路120の出力端子の一つ(高電位側)に電気接続している。生成電圧検出回路160の出力端子は、昇圧回路120の制御IC127に電気接続している。生成電圧検出回路160の入力端子と、抵抗R61の一端とが電気接続している。抵抗R61のもう一端と、可変抵抗回路162の一端と、生成電圧検出回路160の出力端子とが電気接続している。可変抵抗回路162のもう一端は、グランド配線GNDに電気接続している。可変抵抗回路162が制御信号を入力する制御端子は、入力電圧検出回路150の出力端子に電気接続している。なお、抵抗R61と、可変抵抗回路162との接続順序を逆にして、可変抵抗回路162を生成電圧検出回路160の入力端子側に電気接続し、抵抗R61をグランド配線GND側に電気接続する構成であってもよい。
図7は、この実施の形態における入力電圧検出回路150の動作の一例を示す波形図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧を示す。実線512,513は、入力電圧検出回路150が入力する昇圧回路120の入力電圧を表わす。破線542,543は、入力電圧検出回路150が出力するコンデンサC54の両端電圧を表わす。なお、実線512,513と、破線542,543とでは、縦軸のスケールが異なる。実線512及び破線542は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きい場合を表わす。実線513及び破線543は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合を表わす。
力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合、アクロスザラインコンデンサC12に充電された電荷が完全に放電されず、昇圧回路120が入力する脈流電圧の電圧最小値が大きくなる。
2つの抵抗R51,R52は、昇圧回路120が入力する脈流電圧の電圧値を分圧する。分圧した電圧がコンデンサC54の両端電圧より高いと、整流素子D53がオンになり、整流素子D53を電流が流れて、コンデンサC54を充電する。抵抗R55には、コンデンサC54の両端電圧に比例する電流が流れて、コンデンサC54を放電する。コンデンサC54の両端電圧は、整流素子D53を流れる充電電流と、抵抗R55を流れる放電電流とが釣り合う電圧値で安定する。このため、力率改善回路110が入力する脈流電圧の電圧積分値が大きいほど、コンデンサC54の両端電圧は大きくなる。
力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きい場合、昇圧回路120が入力する脈流電圧の最小値が小さくなるので、力率改善回路110が入力する脈流電圧の電圧積分値が小さくなり、コンデンサC54の両端電圧は低くなる。これに対し、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合、昇圧回路120が入力する脈流電圧の最小値が大きくなるので、力率改善回路110が入力する脈流電圧の電圧積分値が大きくなり、コンデンサC54の両端電圧は高くなる。
抵抗R51,R52,R55それぞれの抵抗値をR,R,R、それぞれの両端電圧の瞬時値をv,v,v、それぞれを流れる電流の瞬時値をi,i,iとする。昇圧回路120の入力電圧の瞬時値をvとする。整流素子D53の順方向降下電圧をv、整流素子D53を流れる電流の瞬時値をiとする。
<v・R/(R+R)−vのとき、整流素子D53がオンになる。このとき、v=v+vだから、i=(v+v)/Rである。また、v=v−v=v−(v+v)だから、i=(v−v−v)/Rである。したがって、i=i−i=(v−v−v)/R−(v+v)/R=v/R−(v+v)・(1/R+1/R)である。
また、i=v/Rである。
例えば、R=680kΩ、R=7.5kΩに設定したとする。また、v=0.6Vとする。交流電源ACから供給される交流電圧の電圧実効値が85Vの場合、vの最大値は約120Vだから、vは、0.71V未満になる。また、交流電源ACから供給される交流電圧の電圧実効値が265Vの場合、vの最大値は約375Vだから、vは、3.49V未満になる。
図8は、この実施の形態における入力電圧検出回路150が出力する制御信号の電圧値の一例を示す図である。
電源電圧は、交流電源ACから供給される交流電圧の電圧実効値である。調光度は、調光信号入力回路180が入力する調光信号が表わす調光度である。調光度が高いほど、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きくなる。
交流電源ACから供給される交流電圧の電圧実効値が高いほど、入力電圧検出回路150が出力する制御信号の電圧値は高くなり、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、入力電圧検出回路150が出力する制御信号の電圧値は高くなる。
なお、整流素子D53は、コンデンサC54を放電する電流が、抵抗R51,R52などを流れるのを防ぐ働きをするものであり、特に、交流電源ACから供給される交流電圧の電圧瞬時値が0に近いとき、コンデンサC54を放電する電流によりアクロスザラインコンデンサC12が充電されるなどして力率改善回路110の動作に影響を与えるのを防ぐ。入力電圧検出回路150は、整流素子D53に代えて、例えばフォトカプラなど、同様の働きをする他の構成を有してもよい。
生成電圧検出回路160が昇圧回路120に対して出力する信号は、可変抵抗回路162の両端電圧であり、所定の電圧基準値より高いか低いかによって、昇圧回路120の出力電圧と電圧目標値とのうち、どちらが大きいかを表わす。可変抵抗回路162の両端電圧は、昇圧回路120が出力した直流電圧の電圧値を、抵抗R61と、可変抵抗回路162とで分圧した電圧である。可変抵抗回路162の抵抗値が変わると分圧比が変化する。可変抵抗回路162の抵抗値が小さいほど、昇圧回路120の出力電圧が大きくないと、可変抵抗回路162の両端電圧が電圧基準値に一致しない。すなわち、可変抵抗回路162の抵抗値が小さいほど、電圧目標値が高くなる。
可変抵抗回路162は、制御信号として入力するコンデンサC54の両端電圧が高いほど、抵抗値が小さくなる。
このため、力率改善回路110が入力する脈流電圧の電圧ピーク値が大きいほど、コンデンサC54の両端電圧が高くなるので、可変抵抗回路162の抵抗値が小さくなり、電圧目標値が高くなる。また、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、コンデンサC54の両端電圧が高くなるので、可変抵抗回路162の抵抗値が小さくなり、電圧目標値が高くなる。
なお、抵抗R61と可変抵抗回路162との接続順序を逆にして、可変抵抗回路162を高電位側、抵抗R61を低電位側に電気接続する構成の場合、可変抵抗回路162は、制御信号として入力するコンデンサC54の両端電圧が高いほど、抵抗値が大きくなる構成とする。
図9は、この実施の形態における可変抵抗回路162の構成の一例を示す回路図である。
可変抵抗回路162は、例えば、2つの抵抗R63,R64と、トランジスタQ65とを有する。トランジスタQ65は、制御信号にしたがって抵抗値が変化する。トランジスタQ65は、例えば、MOSFETやバイポーラトランジスタなどである。抵抗R64と、トランジスタQ65とは、互いに直列に電気接続している。抵抗R64とトランジスタQ65との直列回路と、抵抗R63とは、互いに並列に電気接続している。トランジスタQ65のゲート端子は、生成電圧検出回路160の制御入力端子に電気接続している。トランジスタQ65は、入力電圧検出回路150が出力した信号の電圧値にしたがって、抵抗値が変化する。
なお、可変抵抗回路162は、トランジスタQ65に代えて、ボリュームなど機械的な可変抵抗やその他の機構により、制御信号にしたがって抵抗値が変化する部品を有する構成であってもよい。また、抵抗R64とトランジスタQ65との接続順序は、逆である構成であってもよい。
図10は、この実施の形態における可変抵抗回路162の特性の一例を示す特性図である。
横軸は、電圧を示す。縦軸は、抵抗を示す。実線516は、可変抵抗回路162が入力する制御信号の電圧値と、可変抵抗回路162の抵抗値との関係を表わす。破線575は、抵抗R63の抵抗値を表わす。破線576は、2つの抵抗R63,R64の並列回路の合成抵抗値を表わす。破線577は、トランジスタQ65のカットオフ電圧を表わす。破線578は、トランジスタQ65の飽和電圧を表わす。
制御信号の電圧値がトランジスタQ65のカットオフ電圧より小さい場合(カットオフ領域)、トランジスタQ65がオフになるので、可変抵抗回路162の抵抗値は、抵抗R63の抵抗値とほぼ等しい。
制御信号の電圧値がトランジスタQ65の飽和電圧より大きい場合(飽和領域)、トランジスタQ65がオンになるので、可変抵抗回路162の抵抗値は、抵抗R63と抵抗R64との並列回路の合成抵抗値とほぼ等しい。
制御信号の電圧値がトランジスタQ65のカットオフ電圧より大きく飽和電圧より小さい場合(抵抗領域、線形領域)、制御信号の電圧値が大きいほどトランジスタQ65の等価抵抗値が小さくなるので、制御信号の電圧値が大きいほど、可変抵抗回路162の抵抗値が小さくなる。
入力電圧検出回路150は、出力する信号の電圧値の範囲が、トランジスタQ65が抵抗領域になる範囲と、少なくとも一部重なる範囲となるように、各素子の回路定数を設定しておく。これにより、入力電圧検出回路150が出力する信号の電圧値の変化に伴って、トランジスタQ65の等価抵抗値が連続的に変化する。
これにより、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の変化や力率改善回路110が出力する直流電流の電流値の変化に伴って、入力電圧検出回路150が出力する信号の電圧値が変化すると、それにしたがって、可変抵抗回路162の抵抗値が変化する。力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値が大きくなり、または、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さくなると、可変抵抗回路162の抵抗値が小さくなり、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値が大きくなる。これにより、電源回路100の力率の低下を抑えつつ、電源回路100における電力損失を減らすことができる。
力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値が最も小さくなるのは、可変抵抗回路162の抵抗値が最も大きいときである。トランジスタQ65がオフのとき、可変抵抗回路162の抵抗値は、最も大きくなり、抵抗R63の抵抗値とほぼ等しい値になる。抵抗R61及び抵抗R63の抵抗値の比は、このときの分圧比によって定まる電圧目標値が、光源回路810の両端電圧最大値より大きくなるように設定する。
例えば、抵抗R61の抵抗値を1MΩ、抵抗R63の抵抗値を15kΩ、抵抗R64の抵抗値を10kΩに設定する。また、生成電圧検出回路160が昇圧回路120に対して出力する信号の電圧基準値を2.5Vとする。その場合、可変抵抗回路162の抵抗値は、6kΩ〜15kΩの範囲内で変化するので、電圧目標値は、169V〜419Vの範囲内で変化する。
可変抵抗回路162の特性が、この図に示すような特性となるので、力率改善回路110の特性は、例えば、実施の形態1で説明した図5のような特性となる。ここで、Vtgは、例えば283V(=200V×√2)に設定する。また、電圧目標値は、例えば419Vで飽和するように設定する。
図11は、この実施の形態における制御回路140が決定する電圧目標値の一例を示す図である。
電源電圧は、交流電源ACから供給される交流電圧の電圧実効値およびピーク値(括弧内)である。調光度は、調光信号入力回路180が入力する調光信号が表わす調光度である。調光度が高いほど、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きくなる。
交流電源ACから供給される交流電圧の電圧実効値が高いほど、制御回路140が決定する電圧目標値は高くなり、常に、交流電源ACから供給される交流電圧のピーク値より大きい。また、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、制御回路140が決定する電圧目標値は高くなる。
このように、制御回路140が、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を変えることにより、電源回路100の力率の低下を抑えつつ、電源回路100における電力損失を減らすことができる。
また、制御回路140が、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を変えることにより、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を固定とした場合に比べ、昇圧回路120の昇圧比を低く抑えることができるので、チョークコイルL21を小型化することができ、部品コストの削減、実装面積の削減による電源回路基板の小型化などを行うことができる。
また、制御回路140が、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値付近で、力率改善回路110が出力する直流電圧の目標電圧値を飽和させることにより、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値が想定以上の高電圧となった場合であっても、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値が、破線579で示した飽和電圧以下となるため、力率改善回路110の出力部分の電子部品の耐圧を下げることができ、部品コストを削減することができる。
また、制御回路140が、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値のうち、最も多く使用する電圧ピーク値Vtgにおいて、目標電圧値の傾き(変化率)を小さくする場合、Vtg付近におけるスイッチQ22のオン時間あるいはオンデューティの変動を小さくすることができるため、交流電圧の電圧値に変動があった場合の、力率改善回路110の安定性を高めることができる。
また、制御回路140が、少数の受動部品(ディスクリート部品)で構成されているので、制御回路140の製造コスト(部品コストなど)を抑えることができる。
なお、制御回路140は、例えばオペアンプやマイコン等の集積回路を使って構成してもよい。
この実施の形態における電源回路(100)は、力率改善回路(110)と、調光回路(調光信号入力回路180)と、生成電圧設定回路(制御回路140)とを有する。
上記力率改善回路は、入力した入力電圧から直流電圧を生成するとともに、入力する入力電流の波形を制御して、入力の力率を高める。
上記調光回路は、光源の光出力の目標値を生成する。
上記生成電圧設定回路は、上記力率改善回路が入力する入力電圧の電圧情報に基づいて、上記力率改善回路が生成する直流電圧の電圧値を設定する。
なお、「入力電圧の電圧情報」とは、例えば、入力電圧の最大値、最小値、実効値、平均値、波形、入力電圧に含まれる高調波成分の大きさ、入力電圧に含まれる直流成分の大きさ、入力電圧に含まれる交流成分の大きさなど、入力電圧を観測することによって得られる情報のことである。
これにより、電源回路が広い範囲の電源電圧に対応できるよう構成する場合でも、力率改善回路の昇圧比を低く抑えることができ、電力損失を抑えることができる。また、調光時においても力率の向上、高調波ノイズの低減および調光時に光源が発する光がちらつくのを防止することができる。
実施の形態3.
実施の形態3について、図12を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、入力電圧検出回路150の具体的な構成の別の例について説明する。
図12は、この実施の形態における入力電圧検出回路150の構成の一例を示す回路図である。
生成電圧検出回路160は、実施の形態2で説明した構成と同様である。入力電圧検出回路150は、例えば、2つの抵抗R51,R52と、整流素子D53とを有する。実施の形態2で説明した入力電圧検出回路150と比較すると、入力電圧検出回路150は、コンデンサC54及び抵抗R55を有さない。
生成電圧検出回路160の制御入力端子の入力容量が大きい場合、これをコンデンサC54の代わりとして用いることができる。例えば、生成電圧検出回路160が図9で説明した構成であり、トランジスタQ65がMOSFETであって、ゲート端子の入力容量が大きい場合などである。
同様に、生成電圧検出回路160の制御入力端子の入力抵抗を、抵抗R55の代わりとして用いることができる。
抵抗R51及び抵抗R52の抵抗値は、生成電圧検出回路160の制御入力端子の入力容量及び入力抵抗に基づいて設定する。
このような構成とすることにより、電源回路100の部品数を削減できるので、電源回路100を小型化することができ、電源回路100の製造コスト(部品コストや組立てコストなど)を削減することができる。
なお、コンデンサC54及び抵抗R55の両方をなくすのではなく、いずれか一方を残す構成であってもよい。
これにより、コンデンサC54及び抵抗R56の削減による部品コストの削減、実装面積の削減による電源回路基板の小型化などを行うことができる。
実施の形態4.
実施の形態4について、図13を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、入力電圧検出回路150の具体的な構成の更に別の例について説明する。
図13は、この実施の形態における電源回路100の構成の一例を示す回路図である。
昇圧回路120の電圧検出回路125は、例えば、2つの抵抗R28,R29を有する。2つの抵抗R28,R29は、互いに直列に電気接続していて、2つの抵抗R28,R29の抵抗値によって定まる分圧比により昇圧回路120の入力電圧を分圧した電圧を生成して、電圧検出信号として出力する。
入力電圧検出回路150は、例えば、整流素子D53と、コンデンサC54と、抵抗R55とを有する。実施の形態2で説明した構成と比較すると、入力電圧検出回路150は、抵抗R51,R52を有さない。
電圧検出回路125の抵抗R28,R29は、実施の形態2における入力電圧検出回路150の抵抗R51,R52としての役割を兼ねている。2つの抵抗R28,R29の抵抗値の比が、実施の形態2における2つの抵抗R51,R52の抵抗値の比と同じであれば、このように、電圧検出回路125が生成した電圧検出信号を利用することができる。これにより、電源回路100の部品数を削減することができるので、電源回路100を小型化することができ、電源回路100の製造コスト(部品コスト及び組立てコスト)を削減することができる。
なお、実施の形態3と同様、コンデンサC54及び抵抗R55の両方あるいはそのうちのいずれかは、なくてもよい。
これにより、抵抗R51,R52の削減による部品コストの削減、実装面積の削減による電源回路基板の小型化などを行うことができる。
実施の形態5.
実施の形態5について、図14〜図15を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態4と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、制御回路140の構成の別の例について説明する。
図14は、この実施の形態における制御回路140の構成の一例を示す構成図である。
制御回路140は、入力電圧検出回路150と、生成電圧検出回路160と、レベル変換回路170とを有する。入力電圧検出回路150及び生成電圧検出回路160は、実施の形態2〜実施の形態4で説明した構成と同様である。レベル変換回路170は、入力電圧検出回路150が出力した信号のレベルを変換して、生成電圧検出回路160に対して伝達する。レベル変換回路170は、例えば、入力電圧検出回路150が出力した信号の電圧値から所定のシフト電圧値を差し引いた電圧値を有する信号を生成する。
図15は、この実施の形態におけるレベル変換回路170の構成の一例を示す回路図である。
レベル変換回路170は、例えば、定電圧素子Z71と、抵抗R72とを有する。定電圧素子Z71は、両端電圧が所定の電圧閾値に達するとオンになり、両端電圧がほぼ一定になる。定電圧素子Z71は、例えばツェナーダイオードである。
定電圧素子Z71の一端と、入力電圧検出回路150の出力端子とが電気接続している。定電圧素子Z71のもう一端と、抵抗R72の一端と、生成電圧検出回路160の制御入力端子とが電気接続している。抵抗R72のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。定電圧素子Z71の向きは、入力電圧検出回路150の側の電位が生成電圧検出回路160の側の電位よりも高くなる向きである。
入力電圧検出回路150が出力する信号の電圧値が、定電圧素子Z71の電圧閾値(ツェナー電圧)より大きくなると、定電圧素子Z71がオンになり、生成電圧検出回路160の制御入力端子の電位は、入力電圧検出回路150が出力した信号の電圧値から、定電圧素子Z71の電圧閾値を差し引いた電圧値になる。
なお、抵抗R72は、生成電圧検出回路160の制御入力端子の電位を安定させるためのプルダウン抵抗であり、比較的大きい抵抗値を有する。また、抵抗R72は、なくてもよい。
レベル変換回路170があることにより、可変抵抗回路162の抵抗値が連続的に変化する制御信号の電圧範囲と比べて、レベル変換回路170のシフト電圧値(例えば、定電圧素子Z71の電圧閾値)の分、入力電圧検出回路150の制御信号の電圧範囲を高く設定することができる。これにより、ノイズの影響などによる誤動作を防ぐことができる。
例えば、生成電圧検出回路160が、図9で説明した構成であり、トランジスタQ65が、カットオフ電圧が0.54V、飽和電圧が0.87Vである低電圧駆動FETであるとする。また、定電圧素子Z71の電圧閾値(レベル変換回路170のシフト電圧値)が4.7Vであるとする。実施の形態2〜実施の形態4で説明した構成では、入力電圧検出回路150が出力する信号の電圧範囲が例えば0.54V〜0.87Vの範囲となるよう、入力電圧検出回路150の回路定数を設定するところ、この実施の形態では、入力電圧検出回路150が出力する信号の電圧範囲が、それより4.7V大きい5.24V〜5.57Vの範囲となるよう、入力電圧検出回路150の回路定数を設定することができる。
入力電圧検出回路150が出力する信号の電圧範囲が異なる場合、レベル変換回路170のシフト電圧値を変えれば、生成電圧検出回路160が入力する制御信号の電圧範囲に合わせることができる。このため、トランジスタQ65の特性などによる拘束がなくなり、入力電圧検出回路150の設計自由度が高くなる。
また、レベル変換回路170を設けることにより、電圧検出回路125が生成する電圧検出信号の電圧レベルと、生成電圧検出回路160が入力する制御信号の電圧レベルとが異なる場合でも、入力電圧検出回路150を実施の形態4で説明した構成とすることができる。
これにより、トランジスタQ65に低電圧駆動FETなどの低い電圧で動作する素子を用いた場合などであっても、入力電圧検出回路150が出力する信号の電圧範囲(入力検出電圧)を高くすることができ、ノイズの影響を抑制することができる。
また、2つの抵抗R51,R52(入力分圧回路)の分圧比を任意に設定することができる。
実施の形態6.
実施の形態6について、図16を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態5と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、生成電圧検出回路160の具体的な構成の別の例について説明する。
図16は、この実施の形態における生成電圧検出回路160の構成の一例を示す回路図である。
入力電圧検出回路150は、実施の形態2〜実施の形態5で説明した構成と同様である。
生成電圧検出回路160は、例えば、2つの抵抗R61,R63と、比較器166とを有する。
2つの抵抗R61,R63は、互いに直列に電気接続していて、2つの抵抗R61,R63の抵抗値によって定まる分圧比により力率改善回路110の出力電圧を分圧した電圧を生成する。
比較器166は、例えばエラーアンプ(誤差増幅器)やマイコンなどであり、2つの抵抗R61,R63が生成した電圧と、入力電圧検出回路150が出力した信号の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを表わす信号を生成し、昇圧回路120に対する信号として出力する。
入力電圧検出回路150が生成する信号の電圧値と、2つの抵抗R61,R63が分圧した電圧とを比較器166が比較することにより、制御回路140は、力率改善回路110の出力電圧と電圧目標値とのうちどちらが大きいかを表わす信号を生成する。すなわち、入力電圧検出回路150は、電圧目標値に、2つの抵抗R61,R63の分圧比を乗じた値を電圧値とする信号を生成する。
入力電圧検出回路150が生成する信号の電圧値は、交流電源ACから供給される交流電圧の電圧値が大きいほど大きくなる。また、調光度が低く、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さくなると、昇圧回路120の入力電圧の最小値が大きくなるので、入力電圧検出回路150が生成する信号の電圧値が高くなる。これにより、電源回路100の力率の低下を抑えつつ、電源回路100における電力損失を減らすことができる。
また、比較器166の増幅度を変化させることにより、昇圧回路120の出力電圧を可変可能な範囲に対する、昇圧回路120の入力電圧(電圧ピーク値)の範囲(幅)を変化させることができる。これにより、例えば、より広い範囲の入力電圧に対して出力電圧を変化させることができる。
なお、制御回路140は、実施の形態5と同様に、入力電圧検出回路150と生成電圧検出回路160との間に、レベル変換回路170を有する構成であってもよい。
これにより、実施の形態2で説明した生成電圧検出回路160のトランジスタQ65の抵抗領域に対応するゲート−ソース間電圧の電圧幅などの拘束を受けることなく、電圧目標値が変化する昇圧回路120の入力電圧の範囲を変化させることができる。また、昇圧回路120の入力電圧のピーク値に対する電圧目標値の変化割合も任意に設定することができる。そのため、より広い入力電圧の範囲で電圧目標値を変化させることができ、昇圧回路120の入力電圧に対する、電圧目標値の変化割合を任意に設定することができる。
実施の形態7.
実施の形態7について、図17〜図20を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態6と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、入力電圧検出回路150の構成の別の例について説明する。
図17は、この実施の形態における入力電圧検出回路150の構成の一例を示す構成図である。
入力電圧検出回路150は、例えば、電圧値検出回路156と、歪み量検出回路190と、信号生成回路157とを有する。
電圧値検出回路156は、昇圧回路120の入力電圧の電圧値を検出して、検出した電圧値を表わす信号を出力する。電圧値検出回路156が検出する電圧値は、例えば、ピーク値、実効値、平均値などである。
歪み量検出回路190(歪み検出回路)は、昇圧回路120の入力電圧の歪み量を検出して、検出した歪み量を表わす信号を出力する。歪み量とは、昇圧回路120の入力電圧の波形が、正弦波を全波整流した波形から、どの程度離れているかを表わす指標である。
信号生成回路157(電圧加減算器)は、電圧値検出回路156が出力した信号と、歪み量検出回路190が出力した信号とに基づいて、生成電圧検出回路160に対する信号を生成する。信号生成回路157は、例えば、電圧値検出回路156が検出した電圧値が高いほど、電圧目標値が高くなる信号を生成し、歪み量検出回路190が検出した歪み量が大きいほど、電圧目標値が高くなる信号を生成する。
実施の形態2でも述べたように、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合、アクロスザラインコンデンサC12に充電された電荷が完全に放電されず、昇圧回路120が入力する脈流電圧の電圧最小値が大きくなる。このため、歪み量検出回路190が検出する歪み量が大きくなる。
すなわち、制御回路140は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧値が高いほど、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を高くし、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を高くする。
図18は、この実施の形態における入力電圧検出回路150の構成の一例を示す回路図である。
電圧値検出回路156は、例えば、抵抗R51,R52,R55と、整流素子D53と、コンデンサC54とを有する。なお、抵抗R51,R52は、歪み量検出回路190と共通の部品である。電圧値検出回路156の構成は、実施の形態2で説明した入力電圧検出回路150の構成と同様であるが、抵抗R55の抵抗値が、実施の形態2の入力電圧検出回路150よりも大きい。これにより、コンデンサC54を放電する電流が少なくなるので、電圧値検出回路156は、昇圧回路120の入力電圧のピーク値を検出する。電圧値検出回路156は、検出したピーク値に比例する電圧値を有する信号を出力する。
なお、電圧値検出回路156は、実施の形態3や実施の形態4で説明した入力電圧検出回路150の構成と同様の構成であってもよい。
歪み量検出回路190は、例えば、抵抗R51,R52,R95と、コンデンサC91,C94と、整流素子D92,D93とを有する。上述したように、抵抗R51,R52は、電圧値検出回路156と共通の部品である。2つの抵抗R51,R52の接続点と、コンデンサC91の一端とが電気接続している。コンデンサC91のもう一端と、整流素子D92の一端と、整流素子D93の一端とが電気接続している。整流素子D93のもう一端と、コンデンサC94の一端と、抵抗R95の一端とが電気接続している。整流素子D92のもう一端と、コンデンサC94のもう一端と、抵抗R95のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。整流素子D92の向きは、コンデンサC91を放電する電流が流れる向きである。整流素子D93の向きは、コンデンサC91,C94を充電する電流が流れる向きである。歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧のピーク−ピーク値を検出し、検出したピーク−ピーク値にほぼ比例する電圧値を有する信号を出力する。昇圧回路120の入力電圧の波形が正弦波を全波整流した波形と一致している場合、昇圧回路120の入力電圧のピーク−ピーク値は、昇圧回路120の入力電圧のピーク値に等しい。これに対し、昇圧回路120の入力電圧の波形が歪んで、昇圧回路120の入力電圧の最小値が大きくなると、その分、昇圧回路120の入力電圧のピーク−ピーク値は、小さくなる。したがって、この例における歪み量検出回路190が出力する信号は、電圧値が高いほど歪み量が小さく、電圧値が低いほど歪み量が大きいことを表わす。
なお、歪み量検出回路190は、コンデンサC91の一端を、抵抗R51,R52の接続点ではなく、昇圧回路120の入力端子の一つ(高電位側)や、実施の形態4の図13で説明した入力電圧検出回路150と同様に昇圧回路120の電圧検出回路125の抵抗R28,R29の接続点に接続する構成であってもよい。また、歪み量検出回路190は、入力電圧検出回路150の抵抗R51,R52とは別に分圧回路を設ける構成であってもよい。また、歪み量検出回路190は、整流素子D92を有しない構成であってもよい。また、歪み量検出回路190は、出力する信号を増幅する増幅器(例えば非反転増幅回路や差動増幅回路など)や、出力する信号を減衰させる減衰器(例えば分圧回路など)を有し、出力する信号の電圧範囲を調整する構成であってもよい。また、信号生成回路157の入力端子から逆流する電流が、歪み量検出回路190の動作に影響するのを防ぐため、整流素子や、フォトカプラなどの絶縁伝送回路が、歪み量検出回路190と信号生成回路157との間に介在する構成であってもよい。
信号生成回路157は、電圧値検出回路156が出力した信号の電圧値に所定の係数aを乗じた積と、歪み量検出回路190が出力した信号の電圧値に所定の係数bを乗じた積との合計値を算出し、算出した合計値を電圧値として有する信号を出力する。ただし、aは正の値であり、bは負の値である。したがって、昇圧回路120の入力電圧のピーク値が大きいほど、信号生成回路157が出力する信号の電圧値が高くなり、昇圧回路120の入力電圧の歪み量が大きいほど、信号生成回路157が出力する信号の電圧値が高くなる。
図19は、この実施の形態における入力電圧検出回路150の動作の一例を示す波形図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧を示す。実線512,513は、入力電圧検出回路150が入力する昇圧回路120の入力電圧を表わす。破線546,547は、抵抗R52の両端電圧を表わす。実線518,519は、整流素子D92の両端電圧を表わす。破線548,549は、歪み量検出回路190が出力するコンデンサC94の両端電圧を表わす。なお、実線512,513と、実線518,519及び破線546〜549とでは、縦軸のスケールが異なる。実線512,518及び破線546,548は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きい場合を表わす。実線513,519及び破線547,549は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合を表わす。
抵抗R52の両端電圧は、昇圧回路120の入力電圧に、2つの抵抗R51,R52の分圧比を乗じた値にほぼ等しい。ただし、昇圧回路120の入力電圧の最大値付近では、整流素子D93がオンになり、コンデンサC91,C94を充電する電流が流れる分、抵抗R52を流れる電流が減り、抵抗R52の両端電圧は低くなる。また、昇圧回路120の入力電圧の最小値付近では、整流素子D92がオンになり、コンデンサC91を放電する電流が流れる分、抵抗R52を流れる電流が増え、抵抗R52の両端電圧は高くなる。コンデンサC91の両端電圧は、整流素子D93がオンになったときに流れる充電電流と、整流素子D92がオンになったときに流れる放電電流とが釣り合う電圧値でほぼ安定する。整流素子D92の両端電圧は、抵抗R52の両端電圧から、コンデンサC91の両端電圧を差し引いた値であるから、整流素子D92の両端電圧の波形は、抵抗R52の両端電圧の波形を平行移動して、最小値をほぼ0にした波形となる。
コンデンサC94の両端電圧は、整流素子D93がオンになったときに流れる充電電流と、抵抗R95を介して流れる放電電流とが釣り合う電圧でほぼ安定する。抵抗R95の抵抗値が大きければ、抵抗R95を介して流れる放電電流が小さくなるので、コンデンサC94の両端電圧は、整流素子D92の両端電圧のピーク値にほぼ等しくなる。
このようにして、歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧のピーク−ピーク値にほぼ比例する電圧を生成する。歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧に含まれる交流成分の大きさを検出し、昇圧回路120の入力電圧に含まれる交流成分の大きさに応じた信号を出力する。
図20は、この実施の形態における信号生成回路157の構成の一例を示す回路図である。
信号生成回路157は、例えば、減算回路であり、4つの抵抗R76〜R79と、オペアンプ158とを有する。
電圧値検出回路156の出力端子と、抵抗R76の一端とが電気接続している。抵抗R76のもう一端と、抵抗R77の一端と、オペアンプ158の正入力端子とが電気接続している。抵抗R77のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。歪み量検出回路190の出力端子と、抵抗R78の一端とが電気接続している。抵抗R78のもう一端と、抵抗R79の一端と、オペアンプ158の負入力端子とが電気接続している。抵抗R79のもう一端と、オペアンプ158の出力端子と、生成電圧検出回路160の制御入力端子とが電気接続している。
抵抗R76〜R79の抵抗値を、それぞれR〜Rとし、電圧値検出回路156が出力する信号の電圧値をv、歪み量検出回路190が出力する信号の電圧値をv、オペアンプ158が出力する信号の電圧値をvとすると、
a = R/(R+R)・R/R
b = −R/R
= a・v + b・v
となる。
このように、昇圧回路120の入力電圧の電圧値を検出する回路とは別に、昇圧回路120の入力電圧の歪み量を検出する回路を設け、2つの回路の検出結果に基づいて、電圧目標値を決定するので、電圧目標値に対する歪み量の影響度合いを任意に設定することができる。これにより、電源回路100の力率の低下を抑えつつ、電源回路100における電力損失を減らすことができる。
なお、信号生成回路157は、オペアンプ158などを用いず、受動部品(ディスクリート部品)のみで構成してもよい。
この実施の形態における生成電圧設定回路(制御回路140)は、力率改善回路(昇圧回路120)が入力する入力電圧情報に基づき、上記力率改善回路が入力する入力電圧の歪み量が大きいほど、上記力率改善回路が生成する直流電圧の電圧値を高くする。
これにより、調光時においても力率の向上、高調波ノイズの低減、調光時に光源が発する光のちらつき防止を行うことができる。
電源回路100は、昇圧回路120の入力電圧の歪み量を、昇圧回路120の入力電圧の電圧値の高さとは独立して検出し、増幅または減衰することにより、入力電圧の電圧値の高さに対する電圧目標値の変化割合と、調光による光出力の減少量に対する電圧目標値の変化割合とを、それぞれ独立して設定することができる。
歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧の歪み量を検出して、増幅または減衰し、歪み量に応じた信号を出力する。昇圧回路120の入力電圧の歪み量は、調光により光出力を減少させるほど大きくなるため、昇圧回路120の入力電圧の歪み量が大きくなるほど力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を高くすることにより、調光時の高調波の増加、力率の低下、発光素子のちらつきを抑制することができる。
実施の形態8.
実施の形態8について、図21〜図22を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態7と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、歪み量検出回路190の具体的な構成の別の例として、昇圧回路120の入力電圧の最小値を検出する構成について説明する。
図21は、この実施の形態における歪み量検出回路190の構成の一例を示す回路図である。
歪み量検出回路190は、例えば、抵抗R51,R52,R95と、整流素子D93と、コンデンサC94とを有する。なお、抵抗R51,R52は、実施の形態7と同様、電圧値検出回路156と共通する部品であってもよいし、電圧値検出回路156とは別に設けたものであってもよい。
昇圧回路120の入力端子の一つ(高電位側)と、抵抗R51の一端と、抵抗R95の一端とが電気接続している。抵抗R51のもう一端と、抵抗R52の一端と、整流素子D93の一端とが電気接続している。整流素子D93のもう一端と、抵抗R95のもう一端と、コンデンサC94の一端と、信号生成回路157の入力端子とが電気接続している。抵抗R52のもう一端と、コンデンサC94のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。整流素子D93の向きは、コンデンサC94を放電する電流が流れる向きである。
コンデンサC94は、抵抗R95を介して流れる電流により充電される。コンデンサC94の両端電圧が、抵抗R51,R52の抵抗値によって定まる分圧比により昇圧回路120の入力電圧を分圧した電圧より高くなると、整流素子D93がオンになり、コンデンサC94を放電する電流が流れる。これにより、コンデンサC94の両端電圧は、昇圧回路120の入力電圧の最小値にほぼ比例する電圧値になる。すなわち、歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧の最小値を検出し、検出した最小値にほぼ比例する電圧値を有する信号を出力する。昇圧回路120の入力電圧の最小値が大きいほど歪み量が大きいので、この例における歪み量検出回路190が出力する信号は、電圧値が高いほど歪み量が大きく、電圧値が低いほど歪み量が小さいことを表わす。
図22は、この実施の形態における信号生成回路157の構成の一例を示す回路図である。
信号生成回路157は、例えば、非反転加算回路であり、抵抗R76〜R79と、オペアンプ158とを有する。
電圧値検出回路156の出力端子と、抵抗R76の一端とが電気接続している。歪み量検出回路190の出力端子と、抵抗R77の一端とが電気接続している。抵抗R76のもう一端と、抵抗R77のもう一端と、オペアンプ158の正入力端子とが電気接続している。抵抗R78の一端と、抵抗R79の一端と、オペアンプ158の負入力端子とが電気接続している。抵抗R79のもう一端と、オペアンプ158の出力端子と、生成電圧検出回路160の入力端子とが電気接続している。抵抗R78のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。
抵抗R76〜R79の抵抗値を、それぞれR〜Rとし、電圧値検出回路156が出力する信号の電圧値をv、歪み量検出回路190が出力する信号の電圧値をv、オペアンプ158が出力する信号の電圧値をvとすると、
a = R/(R+R)・(R+R)/R
b = R/(R+R)・(R+R)/R
= a・v + b・v
となる。
歪み量検出回路190が生成する信号は、電圧値が高いほど歪み量が大きいことを表わすので、信号生成回路157における係数bは、実施の形態7と異なり、正の値に設定する。これにより、歪み量が大きいほど、電圧目標値が高くなる。
このように、歪み量検出回路190が、昇圧回路120の入力電圧の最小値を検出する構成でも、実施の形態7と同様の効果を奏する。これにより、電源回路100の力率の低下を抑えつつ、電源回路100における電力損失を減らすことができる。
実施の形態9.
実施の形態9について、図23を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態8と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、歪み量検出回路190の具体的な構成の更に別の例として、昇圧回路120の入力電圧の高調波成分を検出する構成について説明する。
図23は、この実施の形態における歪み量検出回路190の構成の一例を示す回路図である。
歪み量検出回路190は、例えば、高調波検出回路196を有する。高調波検出回路196は、昇圧回路120の入力電圧の高調波成分を検出し、基本波成分に対する高調波成分の割合を表わす信号を出力する。
昇圧回路120の入力電圧の最小値が大きくなると、昇圧回路120の入力電圧の基本波成分は小さくなるが、高調波成分は、それほど小さくならない。このため、基本波成分に対する高調波成分の割合は、大きくなる。すなわち、昇圧回路120の入力電圧の歪み量が大きいほど、歪み量検出回路190が出力する信号が表わす基本波成分に対する高調波成分の割合が大きくなる。
このように、歪み量検出回路190が、昇圧回路120の入力電圧の高調波成分を検出する構成でも、実施の形態7や実施の形態8と同様の効果を奏する。これにより、電源回路100の力率の低下を抑えつつ、電源回路100における電力損失を減らすことができる。
以上のように、歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧の歪み量に対応して変化する量を検出することにより、歪み量を検出する。歪み量に対応して変化する量には、例えば、昇圧回路120の入力電圧の電圧波形の谷における電圧値の高さ、昇圧回路120の入力電圧の直流成分に対する交流成分の振幅の比、昇圧回路120の入力電圧に含まれる高調波の割合などがある。歪み量が大きいほど、昇圧回路120の入力電圧の電圧波形の谷における電圧値は高くなり、昇圧回路120の入力電圧の直流成分に対する交流成分の振幅の比は小さくなり、昇圧回路120の入力電圧に含まれる高調波の割合は大きくなる。歪み量検出回路190は、これらの量のうちいずれの量を検出する構成であってもよいし、昇圧回路120の入力電圧の歪み量に対応して変化するそれ以外の量を検出する構成であってもよい。あるいは、歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧の歪み量に対応して変化する複数の量を検出する構成であってもよい。また、昇圧回路120の入力電圧の歪み量に対応して変化する複数の量を、それぞれ検出する複数の歪み量検出回路190を設ける構成であってもよい。その場合、信号生成回路157は、複数の歪み量検出回路190が出力した信号の電圧値を、加算・減算して、生成電圧検出回路160に対する信号を生成する。
歪み量検出回路190が出力する信号は、検出した歪み量が大きいほど高い電圧値を有する信号であってもよいし、検出した歪み量が大きいほど低い電圧値を有する信号であってもよい。歪み量検出回路190が出力する信号の種類に応じて、信号生成回路157を、加算回路として構成し、あるいは、減算回路として構成すればよい。
実施の形態10.
実施の形態10について、図24を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態9と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、歪み量検出回路190が、検出した歪み量を、出力する信号の電圧値によって表わすのではなく、出力する信号の電流値によって表わす構成について説明する。
図24は、この実施の形態における入力電圧検出回路150及び生成電圧検出回路160の構成の一例を示す回路図である。
生成電圧検出回路160は、実施の形態2で説明した構成と同様である。
入力電圧検出回路150は、電圧値検出回路156と、歪み量検出回路190とを有する。実施の形態7で説明した構成と比較すると、信号生成回路157がない点が異なる。
電圧値検出回路156は、実施の形態7で説明した構成と同様である。
歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧の歪み量を表わす信号を出力する。歪み量検出回路190が出力する信号は、電圧値ではなく、電流値で歪み量を表わす。歪み量検出回路190が出力する電流が大きいほど、歪み量が小さいことを表わす。
歪み量検出回路190の出力端子は、生成電圧検出回路160の抵抗R61と可変抵抗回路162との接続点に電気接続している。歪み量検出回路190が出力した電流は、可変抵抗回路162を流れる。したがって、歪み量検出回路190が出力する電流が大きいほど、可変抵抗回路162の両端電圧が高くなる。
歪み量検出回路190が検出した歪み量が大きいほど、歪み量検出回路190が出力する電流が小さくなり、可変抵抗回路162の両端電圧が低くなるので、昇圧回路120が出力する直流電圧の電圧目標値は、大きくなる。
このように、歪み量検出回路190が出力する信号が、電流値により歪み量を表わす構成でも、実施の形態7〜実施の形態9と同様の効果を奏する。これにより、電源回路100の力率の低下を抑えつつ、電源回路100における電力損失を減らすことができる。また、調光時の高調波ノイズの増加、力率の低下、調光時に光源が発する光のちらつきなどを防止することができる。
また、実施の形態7〜実施の形態9で説明した信号生成回路157を設ける必要がないので、電源回路100の部品数を削減することができ、電源回路100を小型化し、製造コスト(部品コストや組立てコストなど)を抑えることができる。
同様に、電圧値検出回路156が、出力する信号の電流値により、検出した昇圧回路120の入力電圧の電圧値を表わす構成であってもよい。その場合、電圧値検出回路156の出力端子は、歪み量検出回路190と同様にして、生成電圧検出回路160に接続する。電圧値検出回路156及び歪み量検出回路190が、両方とも、電流値によって値を表わす構成である場合、可変抵抗回路162に代えて、抵抗値が固定された固定抵抗を設ける構成であってもよい。
これにより、昇圧回路120の入力電圧の歪み量を、昇圧回路120の入力電圧の電圧値の高さとは独立して検出し、増幅または減衰することにより、昇圧回路120の入力電圧の電圧値の高さに対する、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧値の変化割合と、調光による光出力の減少量に対する、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧値の変化割合とを、独立して設定することができる。
実施の形態11.
実施の形態11について、図25〜図27を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態10と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、電源回路100が、昇圧回路120が入力する脈流電圧の電圧波形ではなく、調光信号入力回路180が入力する調光信号が表わす調光度に基づいて、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を決定する構成について説明する。
図25は、この実施の形態における照明装置800の全体構成の一例を示す概要図である。
調光信号入力回路180は、入力した調光信号が表わす調光度に基づいて、調光度によって変化する値を表わす信号を生成して出力する。調光度によって変化する値は、調光度そのものであってもよいし、調光信号入力回路180が調光度に基づいて決定した電流目標値であってもよいし、その他の値であってもよい。調光信号入力回路180は、入力した調光信号をそのまま出力する構成であってもよいし、電力変換回路130に対して出力する信号(電流目標値を表わす信号)を流用する構成であってもよい。あるいは、調光信号入力回路180は、例えば、実施の形態1の図2で説明した全波整流回路DB83の出力電圧や、絶縁伝送回路182の出力電圧などを出力する構成であってもよい。
制御回路140は、調光信号入力回路180が出力した、調光度によって変化する値を表わす信号を入力する。制御回路140は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧値と、調光信号入力回路180が出力した信号が表わす値とに基づいて、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を決定する。調光度が小さい(光源が暗い)ほど、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値は小さくなる。制御回路140は、調光度が小さい(光源が暗い)ほど、電圧目標値を高くする。
図26は、この実施の形態における制御回路140の構成の一例を示す構成図である。
制御回路140は、例えば、入力電圧検出回路150と、生成電圧検出回路160とを有する。
生成電圧検出回路160は、実施の形態2〜実施の形態10で説明した構成と同様である。
入力電圧検出回路150は、電圧値検出回路156と、調光検出回路199と、信号生成回路157とを有する。電圧値検出回路156は、実施の形態7〜実施の形態10で説明した構成と同様である。
調光検出回路199は、調光信号入力回路180が出力した、調光度によって変化する値を表わす信号を入力し、入力した信号が表わす調光度に対応する電圧目標値の補正量を算出して、算出した補正量を表わす信号を生成し、出力する。調光検出回路199が算出する補正量は、例えば、正の値であり、調光度が大きい(明るい)ほど小さくなる。
信号生成回路157は、電圧値検出回路156が出力した信号と、調光検出回路199が出力した信号とに基づいて、生成電圧検出回路160に対する信号を生成する。信号生成回路157は、例えば、電圧値検出回路156が検出した電圧値が高いほど、電圧目標値が高くなる信号を生成し、調光検出回路199が算出した補正量が大きいほど、電圧目標値が高くなる信号を生成する。
なお、入力電圧検出回路150は、調光検出回路199を設けず、調光信号入力回路180が出力した信号を、そのまま、信号生成回路157が入力する構成であってもよい。
図27は、この実施の形態における調光検出回路199の構成の一例を示す回路図である。
調光検出回路199は、例えば、整流素子D93と、コンデンサC94と、抵抗R95とを有する。
調光信号入力回路180の出力端子と、整流素子D93の一端とが電気接続している。整流素子D93のもう一端と、コンデンサC94の一端と、抵抗R95の一端と、信号生成回路157の入力端子とが電気接続している。コンデンサC94のもう一端と、抵抗R95のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。整流素子D93の向きは、コンデンサC94を充電する電流が流れる向きである。
調光信号入力回路180が出力する信号の電圧値が、コンデンサC94の両端電圧より高くなると、整流素子D93がオンになり、コンデンサC94を充電する電流が流れる。また、抵抗R95を介して、コンデンサC94を放電する電流が流れる。コンデンサC94の両端電圧の平均値は、整流素子D93を介して流れる充電電流と、抵抗R95を介して流れる放電電流とが釣り合う電圧値になる。したがって、調光検出回路199は、調光信号入力回路180が出力した信号の電圧値(平均値、最大値など)にほぼ等しい電圧値を有する信号を出力する。
なお、調光検出回路199は、出力する信号を増幅する増幅器(例えば非反転増幅回路や差動増幅回路など)や、出力する信号を減衰させる減衰器(例えば分圧回路など)を有し、出力する信号の電圧範囲を調整する構成であってもよい。また、信号生成回路157の入力端子から逆流する電流が、調光検出回路199の動作に影響するのを防ぐため、整流素子や、フォトカプラなどの絶縁伝送回路が、調光検出回路199と信号生成回路157との間に介在する構成であってもよい。
調光検出回路199が入力する信号が、電圧値により電流目標値を表わす信号であり、電圧値が高いほど電流目標値が高いことを表わす場合、調光度が大きい(明るい)ほど、調光検出回路199が入力する信号の電圧値が高くなる。したがって、調光度が大きい(明るい)ほど、調光検出回路199が出力する信号の電圧値が高くなる。
信号生成回路157は、調光検出回路199が出力した信号の電圧値が高いほど、電圧目標値が低くなる信号を生成する。これにより、調光信号入力回路180が入力した調光信号が表わす調光度が小さく(暗く)、その結果として、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さくなる場合に、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値が大きくなる。調光により光出力を減少させるほど、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値が高くなるため、調光が深くなるほど力率改善回路110における消費電力が大きくなり、調光時の高調波ノイズの増加、力率の低下、調光時に光源が発する光のちらつきを防止することができる。
力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が変化した結果として、昇圧回路120が入力する脈流電圧の電圧波形に基づいて、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を決定する代わりに、このように、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が変化する原因である、調光信号入力回路180が入力した調光信号が表わす調光度に基づいて、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を決定する構成としても、実施の形態2〜実施の形態10で説明した構成と、同様の効果を奏する。これにより、電源回路100の力率の低下を抑えつつ、電源回路100における電力損失を減らすことができる。
なお、調光検出回路199が出力する信号は、電圧値により補正量を表わすのではなく、電流値により補正量を表わす構成であってもよい。その場合、調光検出回路199は、例えば、実施の形態10で説明した歪み量検出回路190と同様にして、生成電圧検出回路160に接続する。
また、入力電圧検出回路150は、実施の形態7〜実施の形態9で説明した歪み量検出回路190を有する構成であってもよい。
調光検出回路199は、調光情報を検出して増幅または減衰し、調光による光出力の減少量に応じた信号を出力する。調光により光出力が減少するほど、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を高くすることにより、調光時の高調波の増加、力率の低下、調光時に光源が発する光のちらつきを抑制することができる。
この実施の形態における電源回路(100)は、力率改善回路(110)と、調光回路(調光信号入力回路180)と、生成電圧設定回路(制御回路140)とを有する。
上記力率改善回路は、入力した入力電圧から直流電圧を生成するとともに、入力する入力電流の波形を制御して、入力の力率を高める。
上記調光回路は、光源の光出力の目標値を生成する。
上記生成電圧設定回路は、調光情報に基づいて、上記力率改善回路が生成する直流電圧の電圧値を設定する。
なお、「調光情報」とは、例えば、調光信号入力回路180の入力信号、出力信号、内部信号など、調光信号が表わす調光度によって変化する光源の光出力の減少量に応じて変化する量(電圧値、電流値など)のことである。
これにより、電源回路が広い範囲の電源電圧に対応できるよう構成する場合でも、力率改善回路の昇圧比を低く抑えることができ、電力損失を抑えることができる。また、調光時においても力率を向上し、高調波ノイズを低減し、調光時に光源が発する光のちらつきを抑制することができる。
上記生成電圧設定回路(制御回路140)は、上記力率改善回路(110)が生成する直流電圧の電圧値として、上記力率改善回路が入力する入力電圧のピーク値よりも高い電圧を設定し、加えて、調光により光出力を減少させるほど、力率改善回路が生成する直流電圧値を高くする。
これにより、電源回路が広い範囲の電源電圧に対応できるよう構成する場合でも、力率改善回路の昇圧比を低く抑えることができ、電力損失を抑えることができる。また、調光時においても力率を向上し、高調波ノイズを低減し、調光時に光源が発する光がちらつくのを防止することができる。
上記生成電圧設定回路(制御回路140)は、調光情報に基づき、調光により光出力を減少させるほど、上記力率改善回路(110)が生成する直流電圧の電圧値を高くする。
これにより、調光時においても力率の向上、高調波の低減及び光源のちらつき防止を行うことができる。また、調光情報を、昇圧回路120の入力電圧の電圧値の高さとは独立して検出し、増幅または減衰することにより、昇圧回路120の入力電圧の電圧値の高さに対する、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧値の変化割合と、調光による光出力の減少量に対する、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧値の変化割合とを、それぞれ独立して設定することができる。
以上、各実施の形態で説明した構成は一例であり、他の構成であってもよい。例えば、異なる実施の形態で説明した構成を組み合わせた構成であってもよいし、本質的でない部分の構成を、他の構成で置き換えた構成であってもよい。
以上説明した電源装置(電源回路100)は、力率改善回路(110)と、制御回路(140)とを有する。
上記力率改善回路は、交流電圧を入力し、入力した交流電圧を直流電圧に変換して、変換した直流電圧を出力するとともに、入力する交流電流の力率を高める。
上記制御回路は、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御し、上記力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さいほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くする。
これにより、力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さい場合における電源装置の力率の低下を防ぐことができる。
上記制御回路(140)は、上記力率改善回路(110)が入力する交流電圧の電圧値が高いほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くする。
これにより、力率改善回路を正常に動作させることができ、電源装置の力率の低下を防ぐことができる。
また、これにより、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を固定とした場合に比べ、昇圧回路120の昇圧比を低く抑えることができるので、チョークコイルL21を小型化することができ、部品コストの削減、実装面積の削減による電源回路基板の小型化などを行うことができる。
上記電源装置(電源回路100)は、更に、電力変換回路(130)を有する。
上記電力変換回路は、上記力率改善回路(110)が出力した直流電圧を入力し、入力した直流電圧を負荷回路に対して供給する電圧に変換して、変換した電圧を出力し、上記負荷回路に対して供給する電力を指示する供給電力指示信号を入力し、入力した供給電力指示信号に基づいて、出力する電流を調整する。
これにより、電源装置が出力する電力を調整することができる。
上記制御回路(140)は、上記電力変換回路(130)が入力する供給電力指示信号が指示する電力が少ないほど、上記力率改善回路(110)が出力する直流電圧の電圧値を高くする。
これにより、電源装置が負荷回路に対して供給する電力が小さく、力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さい場合における電源装置の力率の低下を防ぐことができる。
上記力率改善回路(110)は、全波整流回路(DB11)と、コンデンサ(アクロスザラインコンデンサC12)と、昇圧回路(120)とを有する。
上記全波整流回路は、上記交流電圧を全波整流して電圧波形が脈流の電圧に変換する。
上記コンデンサは、上記全波整流回路の出力に電気接続して、ノイズを除去する。
上記昇圧回路は、上記全波整流回路が変換した電圧を昇圧して直流電圧に変換する。
上記制御回路(140)は、上記コンデンサの両端電圧に基づいて、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御する。
これにより、力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さく、コンデンサの両端電圧波形が変化した場合における電源装置の力率の低下を防ぐことができる。
上記制御回路(140)は、例えば、力率改善回路(110)が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値(所定の電圧想定最大値)付近で、力率改善回路が出力する直流電圧の電圧目標値を飽和させる。
すなわち、上記制御回路は、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を、所定の電圧最大値より低い範囲内で制御する。
上記電圧最大値は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧ピーク値として想定される最大値より大きい値である。例えば、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧実効値として想定される標準値が最大254Vであり、誤差±10%が見込まれる場合、想定最大実効値は約280V(=254V×1.1)であるから、想定最大ピーク値は約395V(=280V×√2)である。この場合、電圧最大値は、例えば419Vとする。
これにより、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値が想定以上の高電圧となった場合であっても、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値が、一定電圧値(電圧最大値)以下となるため、力率改善回路110の出力部分の電子部品の耐圧を下げることができ、部品コストを削減することができる。
上記制御回路(140)は、例えば、力率改善回路(110)が入力する交流電圧の電圧ピーク値のうち、最も多く使用する電圧ピーク値Vtg付近(所定の電圧範囲内)において、力率改善回路が入力する入力ピーク値に対する、力率改善回路が出力する直流電圧の電圧目標値の変化量を小さくする。
すなわち、上記制御回路は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が所定の電圧範囲内である場合に、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が上記所定の電圧範囲と異なる電圧範囲内である場合よりも、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値の変化に対する、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値の変化率を小さくする。
上記所定の電圧範囲は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値として最も頻度が高いと想定される電圧値を基準とし、想定される誤差を乗じた電圧範囲を含む範囲である。例えば、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値として最も頻度が高いと想定される電圧実効値の標準値が200Vであり、想定される誤差が±10%である場合、上記所定の電圧範囲は、180V(=200V×0.9)〜220V(=200V×1.1)の電圧範囲を含み、例えば85V〜220V(実効値)とする。
また、上記所定の電圧範囲と異なる電圧範囲は、上記所定の電圧範囲よりも高い電圧値であって、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値として想定される最大値よりも低い電圧値を含む範囲である。例えば、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧実効値として想定される標準値が最大254Vであり、誤差±10%が見込まれる場合、想定最大実効値は約280V(=254V×1.1)である。この場合、所定の電圧範囲と異なる電圧範囲は、例えば220V〜250V(実効値)とする。
これにより、Vtg付近におけるスイッチQ22のオン時間あるいはオンデューティの変動を小さくすることができるため、交流電圧の電圧値に変動があった場合の、力率改善回路110の安定性を高めることができる。
以上説明した照明装置(800)は、
上記電源装置(電源回路100)と、
上記電源装置から供給される電力により点灯する光源を有する負荷回路(光源回路810)とを有する。
これにより、照明装置の力率の低下を防ぎつつ、照明装置の電力効率を向上し、光源を安定して点灯することができる。
100 電源回路、110 力率改善回路、120 昇圧回路、125 電圧検出回路、126,135 電流検出回路、127,139,181 制御IC、130 電力変換回路、137,166 比較器、140 制御回路、150 入力電圧検出回路、156 電圧値検出回路、157 信号生成回路、158 オペアンプ、160 生成電圧検出回路、162 可変抵抗回路、170 レベル変換回路、180 調光信号入力回路、182 絶縁伝送回路、190 歪み量検出回路、196 高調波検出回路、199 調光検出回路、511〜513,516〜519 実線、541〜549 破線、571〜580 破線、800 照明装置、810 光源回路、820 調光器、AC 交流電源、C12 アクロスザラインコンデンサ、C24,C34 平滑コンデンサ、C54,C91,C94 コンデンサ、D23,D32,D53,D92,D93 整流素子、DB11,DB83 全波整流回路、GND グランド配線、L21,L33 チョークコイル、Q22,Q31 スイッチ、Q65 トランジスタ、R28,R29,R51,R52,R55,R61,R63,R64,R72,R76,R77,R78,R79,R95 抵抗、Z71 定電圧素子。

Claims (7)

  1. 力率改善回路と、制御回路と、電力変換回路とを有し、
    上記力率改善回路は、交流電圧を入力し、入力した交流電圧を直流電圧に変換して、変換した直流電圧を出力するとともに、入力する交流電流の力率を高め、
    上記制御回路は、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御し、上記力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さいほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くし、
    上記電力変換回路は、上記力率改善回路が出力した直流電圧を入力し、入力した直流電圧を負荷回路に対して供給する電圧に変換して、変換した電圧を出力し、上記負荷回路に対して供給する電力を指示する供給電力指示信号を入力し、入力した供給電力指示信号に基づいて、出力する電流を調整することを特徴とする電源装置。
  2. 上記制御回路は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が高いほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くすることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 上記制御回路は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が所定の電圧範囲内である場合に、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が上記所定の電圧範囲と異なる電圧範囲内である場合よりも、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値の変化に対する、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値の変化率を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  4. 上記制御回路は、上記電力変換回路が入力する供給電力指示信号が指示する電力が少ないほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電源装置。
  5. 上記力率改善回路は、全波整流回路と、コンデンサと、昇圧回路とを有し、
    上記全波整流回路は、上記交流電圧を全波整流して電圧波形が脈流の電圧に変換し、
    上記コンデンサは、上記全波整流回路の出力に電気接続して、ノイズを除去し、
    上記昇圧回路は、上記全波整流回路が変換した電圧を昇圧して直流電圧に変換し、
    上記制御回路は、上記コンデンサの両端電圧に基づいて、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電源装置。
  6. 上記制御回路は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値付近で、上記力率改善回路が出力する直流電圧の目標電圧値を飽和させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電源装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の電源装置と、
    上記電源装置から供給される電力により点灯する光源を有する負荷回路とを有することを特徴とする照明装置。
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