JP5645741B2 - 電源装置及び照明装置 - Google Patents
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Description
力率改善回路は、電源装置の入力の力率を改善する回路であり、例えば昇圧コンバータ回路などが用いられる。
電力変換回路は、電源装置が出力する電力を調整するための回路であり、例えば、負荷回路を流れる電流を一定に保つ定電流駆動動作をする。電力変換回路には、例えばバックコンバータ回路やフライバックコンバータ回路、その他の直流直流変換回路(DC/DCコンバータ回路)などが用いられる。
また、省エネルギーのため、電源装置における電力損失をできるだけ抑える必要がある。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、負荷回路に対して供給する電力が小さい場合でも、力率の低下を防ぎつつ、電源装置における電力損失を抑えることを目的とする。
力率改善回路と、制御回路とを有し、
上記力率改善回路は、交流電圧を入力し、入力した交流電圧を直流電圧に変換して、変換した直流電圧を出力するとともに、入力する交流電流の力率を高め、
上記制御回路は、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御し、上記力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さいほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くすることを特徴とする。
実施の形態1について、図1〜図4を用いて説明する。
光源回路810は、直流電流により点灯する光源(発光素子)を有する。光源回路810は、電源回路100が出力した直流電流を入力し、入力した直流電流により光源を点灯する。
力率改善回路110は、交流電源ACから供給される交流電圧を直流電圧に変換して、変換した直流電圧を出力する。力率改善回路110は、制御回路140からの指示にしたがって、変換する直流電圧の電圧値(生成電圧)を調整するとともに、電源回路100の入力の力率を高め、1に近づける。
制御回路140(生成電圧設定回路)は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧値や力率改善回路110が出力する直流電流の電流値などに基づいて、力率改善回路110が変換する直流電圧の電圧目標値を決定し、決定した電圧目標値に力率改善回路110が生成する直流電圧の電圧値が一致するよう、力率改善回路110を制御する。
電力変換回路130は、力率改善回路110が出力した直流電圧を入力し、入力した直流電圧を降圧して電圧値の異なる直流電圧に変換し、変換した直流電圧を、電源回路100の出力電圧として出力する。電力変換回路130は、調光信号入力回路180からの指示にしたがって、電力変換回路130が出力する直流電流の電流値が、電流目標値に一致するよう調整する。
調光信号入力回路180(調光回路)は、調光器820が出力した調光信号を入力し、入力した調光信号が表わす調光度で光源を点灯するために光源回路810の光源に流すべき電流の目標値を決定し、決定した電流目標値を表わす信号を出力する。調光信号入力回路180が出力した信号は、電力変換回路130が入力し、入力した信号が表わす電流目標値に、変換する直流電流の電流値を一致させる。
これにより、電源回路100は、光源回路810を定電流駆動する。
全波整流回路DB11(整流回路)は、交流電源ACから交流電圧を入力し、入力した交流電圧を全波整流して電圧波形を脈流に変換し、変換した脈流電圧を出力する。全波整流回路DB11は、例えば、4つの整流素子を有する。4つの整流素子は、例えば半導体ダイオードであり、ブリッジ接続されている。
アクロスザラインコンデンサC12は、静電容量が比較的小さい(例えば0.1μF)コンデンサであり、全波整流回路DB11の出力に接続されている。アクロスザラインコンデンサC12は、高周波ノイズをカットする。
昇圧回路120(狭義の力率改善回路、昇圧コンバータ回路)は、全波整流回路DB11が出力した脈流電圧を入力して、入力した脈流電圧を昇圧して直流電圧に変換し、変換した直流電圧を、力率改善回路110の出力電圧として出力する。また、昇圧回路120は、入力する脈流電流の電流値の包絡線の波形を、入力する脈流電圧の電圧値の波形に近似させることにより、電源回路100の入力の力率を高める。昇圧回路120の入力は、アクロスザラインコンデンサC12と並列に、全波整流回路DB11に電気接続している。昇圧回路120は、例えば、ブーストコンバータ回路であり、チョークコイルL21(トランス)と、スイッチQ22(スイッチング素子)と、整流素子D23と、平滑コンデンサC24と、電圧検出回路125と、電流検出回路126と、制御IC127と、グランド配線GNDとを有する。グランド配線GNDは、電源回路100のなかの基準電位を有する。スイッチQ22は、例えばMOSFETやバイポーラトランジスタなどの半導体スイッチやその他の電気的スイッチ、リレーなどの機械式スイッチ、その他の機構によるスイッチなどを有し、制御信号にしたがってオンオフする。整流素子D23は、例えば半導体ダイオードなどである。平滑コンデンサC24は、比較的静電容量の大きいコンデンサであり、例えば電解コンデンサなどの極性を有するコンデンサや、極性を有さないコンデンサである。
電圧検出回路125は、昇圧回路120の一対の入力端子の間の電位差(昇圧回路120の入力電圧)の瞬時値を検出して、検出した電圧の瞬時値を表わす信号(電圧検出信号)を出力する。電圧検出回路125は、例えば、互いに直列に電気接続した比較的抵抗値が大きい2つの抵抗(分圧抵抗)を有し、2つの抵抗の抵抗値の比によって定まる分圧比により、昇圧回路120の入力電圧を分圧した電圧を生成し、電圧検出信号として出力する。
電流検出回路126は、チョークコイルL21を流れる電流(昇圧回路120の入力電流)の瞬時値を検出して、検出した電流の瞬時値を表わす信号(電流検出信号)を出力する。電流検出回路126は、例えば、チョークコイルL21と同じコアに巻かれるなどして磁気結合した巻線を有し、チョークコイルL21と巻線との巻数比により、チョークコイルL21を流れる電流に比例する電圧を生成し、電流検出信号として出力する。
制御IC127は、例えば、集積回路やマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と呼ぶ。)であり、スイッチQ22のオンオフを制御する制御信号を生成する。
昇圧回路120の入力端子の一つと、チョークコイルL21の一端とが電気接続している。昇圧回路120のもう一つの入力端子と、スイッチQ22の一端と、グランド配線GNDと、平滑コンデンサC24の一端と、昇圧回路120の出力端子の一つとが電気接続している。昇圧回路120のもう一つの出力端子と、整流素子D23の一端と、平滑コンデンサC24のもう一端とが電気接続している。チョークコイルL21のもう一端と、スイッチQ22のもう一端と、整流素子D23のもう一端とが電気接続している。スイッチQ22は、制御IC127が生成した制御信号にしたがってオンオフする。整流素子D23の向きは、全波整流回路DB11の出力に対して順方向である。平滑コンデンサC24が極性を有するコンデンサである場合、平滑コンデンサC24の向きは、全波整流回路DB11の出力に対して順方向である。
電流検出回路135(帰還回路)は、電力変換回路130が出力する直流電流の電流値を検出して、検出した電流値を表わす信号(電流検出信号)を出力する。電流検出回路135は、例えば、光源回路810と直列に電気接続された比較的抵抗値が小さい抵抗(電流検出抵抗)を有し、抵抗を流れる電流に比例する電圧を生成し、電流検出信号として出力する。
比較器137(帰還回路)は、例えばエラーアンプ(誤差増幅器)やマイコンなどであり、電流検出回路135が出力した電流検出信号と、調光信号入力回路180が出力した信号とを入力し、電流検出回路135が検出した電流値と、調光信号入力回路180が決定した電流目標値とを比較して、どちらが大きいかを表わす信号を生成して、出力する。
制御IC139は、例えば集積回路やマイコンなどであり、スイッチQ31のオンオフを制御する制御信号を生成する。
電力変換回路130の入力端子の一つと、スイッチQ31の一端とが電気接続している。電力変換回路130のもう一つの入力端子と、整流素子D32の一端と、平滑コンデンサC34の一端と、電力変換回路130の出力端子の一つとが電気接続している。電力変換回路130のもう一つの出力端子と、チョークコイルL33の一端と、平滑コンデンサC34のもう一端とが電気接続している。スイッチQ31のもう一端と、整流素子D32のもう一端と、チョークコイルL33のもう一端とが電気接続している。整流素子D32の向きは、力率改善回路110の出力に対して逆方向である。平滑コンデンサC34が極性を有するコンデンサである場合、平滑コンデンサC34の向きは、力率改善回路110の出力に対して順方向である。
例えば光源の周囲温度などの条件により光源の順方向降下電圧が変化するため、光源回路810に印加すべき光源電圧VL(負荷電圧)は変化する。電力変換回路130は、光源回路810を流れる電流をフィードバックして、光源電圧VLを調整するので、電流目標値の電流が光源回路810を流れる。
全波整流回路DB83は、調光器820が出力した調光信号を入力し、全波整流する。調光器820と電源回路100との間の配線により、調光信号の極性が逆になる場合があるので、これを正すためである。全波整流回路DB83は、例えば4つの整流素子を有する。4つの整流素子は、例えば半導体ダイオードであり、ブリッジ接続されている。
絶縁伝送回路182は、全波整流回路DB83が全波整流した調光信号を入力し、電気的に絶縁しつつ、調光信号を伝送する。調光器820のなかの基準電位と、電源回路100のなかの基準電位とが異なる可能性があるからである。絶縁伝送回路182は、例えば、フォトカプラやパルストランスなどである。
制御IC181は、例えば集積回路やマイコンなどである。制御IC181は、絶縁伝送回路182が伝送した調光信号を入力し、入力した調光信号に基づいて電流目標値を算出し、算出した電流目標値を表わす信号を出力する。制御IC181が出力する信号は、例えば、電圧値(平均値や実効値など)やデューティ比などにより、算出した電流目標値を表わす。例えば、制御IC181が出力する信号の電圧平均値が高いほど、電流目標値が大きいことを表わす。
第一の条件は、光源回路810に電流目標値の電流が流れたとき光源回路810の両端に生じる電圧(負荷電圧)よりも、電圧目標値が高いことである。電力変換回路130が出力する直流電圧の電圧値は、電力変換回路130が入力した直流電圧の電圧値よりも高くならないからである。例えば、光源回路810が、順方向降下電圧が3VのLEDを光源とし、50個の光源を直列に電気接続した回路である場合、負荷電圧は、150V(=3V×50個)である。なお、電流検出回路135における電圧降下がある場合には、その分も見込んで、電圧目標値を更に高くする必要がある。例えば、電流検出回路135における電圧降下が0.5Vであれば、電圧目標値は、150.5V(=150V+0.5V)より高い必要がある。
第二の条件は、力率改善回路110が入力した交流電圧の電圧ピーク値よりも、電圧目標値が高いことである。昇圧回路120が出力する直流電圧の電圧値を、昇圧回路120が入力する脈流電圧の電圧値より低くしようとすると、昇圧回路120がうまく動作せず、力率が悪くなるからである。商用電源から供給される交流電圧の電圧値は、例えば、日本の場合、100V(公称実効値。以下同じ。)と200Vとの2種類があり、海外も含めると、100V〜254Vの範囲である。実際の電圧値には、±10%程度の誤差が見込まれるので、電源回路100は、85V〜280Vの電圧実効値を有する交流電圧に対応できる必要がある。
第三の条件は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、電圧目標値を高くすることである。力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧値が高いと、力率改善回路110の変換効率は下がるが力率は良くなる。力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいと力率が悪くなるので、これを補うためである。
制御IC127は、制御回路140が出力した信号にしたがって、制御回路140が生成する信号は、電圧値が所定の電圧基準値より高いか低いかを判断し、動作する。
横軸は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値を示す。縦軸は、制御回路140が決定する、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を示す。破線571は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最小値を表わし、例えば約120V(=85V×√2)である。破線572は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値を表わし、例えば約396V(=280V×√2)である。破線573は、光源回路810を流れる電流が電流目標値に一致するとき光源回路810の両端に発生する電圧の最大値を表わし、例えば約150Vである。破線574は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値と、制御回路140が決定する電圧目標値とが等しい場合を表わし、参考のために示している。実線511及び破線541は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧ピーク値と、制御回路140が決定する電圧目標値との関係を表わす。実線511は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きい場合を表わし、破線541は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合を表わす。
破線579は、力率改善回路110が出力する直流電圧の目標電圧値の最大値を表わす。破線580は、照明装置800が入力する交流電圧の電圧ピーク値のうち、最も使用頻度が高い交流電圧の電圧ピーク値Vtgを表わす。
また、調光信号入力回路180が入力する調光信号が表わす調光度が低く、電源回路100が出力する直流電流が小さい場合は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さくなる。その場合、制御回路140は、電圧目標値を大きくするので、電源回路100の力率が低くなるのを防ぐことができる。
電源回路100は、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を、光源回路810を流れる電流が電流目標値である場合における光源回路810の両端電圧より高い値にするので、光源回路810を定電流駆動することができる。
電源回路100は、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、高い値にするので、力率の低下、電流高調波の増加、制御動作異常による光源のちらつきなどを防ぐことができる。
電源回路100は、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を、上記条件を満たす範囲内でなるべく低い値にするので、力率改善回路110の昇圧比が低くなり、電力損失を抑えることができる。
また、光源電圧(負荷電圧)は、光源回路810を構成する光源の光出力によってほぼ決まるため、昇圧回路120の出力電圧が大きいほど、電力変換回路130の降圧比(出力電圧の電圧実効値に対する入力電圧の電圧実効値の比)が大きくなる。そのため、昇圧回路120の出力電圧が大きいほど、チョークコイルL33が取り扱う電力が大きくなり、スイッチQ31やチョークコイルL33における損失が大きくなり、電力変換回路130の電力損失が大きくなる。
このため、力率の低下や光源のちらつきが発生しない範囲内で、昇圧回路120の出力電圧をなるべく低くすることにより、昇圧回路120の昇圧比及び電力変換回路130の降圧比が小さくなり、電力損失を低減することができる。
電源回路100は、力率の低下や光源のちらつきが発生しない範囲内で、昇圧回路120の出力電圧をなるべく低くするので、使用者および照明器具設置者に最も接近した部分である光源回路810の両端電圧が高くなるのを防ぐことができ、安全性が高まる。
上記光源回路は、上記電源回路に対する負荷回路として上記電源回路に接続され、上記電源回路が生成した電圧により点灯する光源を有する。
実施の形態2について、図6〜図11を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、制御回路140の具体的な構成の一例について説明する。
入力電圧検出回路150は、昇圧回路120の入力電圧を検出する。入力電圧検出回路150は、例えば、3つの抵抗R51,R52,R55と、整流素子D53と、コンデンサC54とを有する。整流素子D53は、例えば、半導体ダイオードである。コンデンサC54は、例えば、電解コンデンサやその他のコンデンサである。
入力電圧検出回路150の入力端子は、昇圧回路120の入力端子の一つ(高電位側)に電気接続している。入力電圧検出回路150の入力端子と、抵抗R51の一端とが電気接続している。抵抗R51のもう一端と、抵抗R52の一端と、整流素子D53の一端とが電気接続している。整流素子D53のもう一端と、コンデンサC54の一端と、抵抗R55の一端と、入力電圧検出回路150の出力端子とが電気接続している。抵抗R52のもう一端と、コンデンサC54のもう一端と、抵抗R55のもう一端とは、グランド配線GNDに電気接続している。整流素子D53の向きは、2つの抵抗R51,R52の接続点からコンデンサC54のほうへ電流が流れる向きである。コンデンサC54が電解コンデンサなど極性を有するコンデンサである場合、コンデンサC54の向きは、整流素子D53を流れる電流によって充電される向きである。
生成電圧検出回路160の入力端子は、昇圧回路120の出力端子の一つ(高電位側)に電気接続している。生成電圧検出回路160の出力端子は、昇圧回路120の制御IC127に電気接続している。生成電圧検出回路160の入力端子と、抵抗R61の一端とが電気接続している。抵抗R61のもう一端と、可変抵抗回路162の一端と、生成電圧検出回路160の出力端子とが電気接続している。可変抵抗回路162のもう一端は、グランド配線GNDに電気接続している。可変抵抗回路162が制御信号を入力する制御端子は、入力電圧検出回路150の出力端子に電気接続している。なお、抵抗R61と、可変抵抗回路162との接続順序を逆にして、可変抵抗回路162を生成電圧検出回路160の入力端子側に電気接続し、抵抗R61をグランド配線GND側に電気接続する構成であってもよい。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧を示す。実線512,513は、入力電圧検出回路150が入力する昇圧回路120の入力電圧を表わす。破線542,543は、入力電圧検出回路150が出力するコンデンサC54の両端電圧を表わす。なお、実線512,513と、破線542,543とでは、縦軸のスケールが異なる。実線512及び破線542は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きい場合を表わす。実線513及び破線543は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合を表わす。
2つの抵抗R51,R52は、昇圧回路120が入力する脈流電圧の電圧値を分圧する。分圧した電圧がコンデンサC54の両端電圧より高いと、整流素子D53がオンになり、整流素子D53を電流が流れて、コンデンサC54を充電する。抵抗R55には、コンデンサC54の両端電圧に比例する電流が流れて、コンデンサC54を放電する。コンデンサC54の両端電圧は、整流素子D53を流れる充電電流と、抵抗R55を流れる放電電流とが釣り合う電圧値で安定する。このため、力率改善回路110が入力する脈流電圧の電圧積分値が大きいほど、コンデンサC54の両端電圧は大きくなる。
力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きい場合、昇圧回路120が入力する脈流電圧の最小値が小さくなるので、力率改善回路110が入力する脈流電圧の電圧積分値が小さくなり、コンデンサC54の両端電圧は低くなる。これに対し、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合、昇圧回路120が入力する脈流電圧の最小値が大きくなるので、力率改善回路110が入力する脈流電圧の電圧積分値が大きくなり、コンデンサC54の両端電圧は高くなる。
v3<vi・R2/(R1+R2)−vDのとき、整流素子D53がオンになる。このとき、v2=v3+vDだから、i2=(v3+vD)/R2である。また、v1=vi−v2=vi−(v3+vD)だから、i1=(vi−v3−vD)/R1である。したがって、iD=i1−i2=(vi−v3−vD)/R1−(v3+vD)/R2=vi/R1−(v3+vD)・(1/R1+1/R2)である。
また、i3=v3/R3である。
交流電源ACから供給される交流電圧の電圧実効値が高いほど、入力電圧検出回路150が出力する制御信号の電圧値は高くなり、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、入力電圧検出回路150が出力する制御信号の電圧値は高くなる。
このため、力率改善回路110が入力する脈流電圧の電圧ピーク値が大きいほど、コンデンサC54の両端電圧が高くなるので、可変抵抗回路162の抵抗値が小さくなり、電圧目標値が高くなる。また、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、コンデンサC54の両端電圧が高くなるので、可変抵抗回路162の抵抗値が小さくなり、電圧目標値が高くなる。
なお、可変抵抗回路162は、トランジスタQ65に代えて、ボリュームなど機械的な可変抵抗やその他の機構により、制御信号にしたがって抵抗値が変化する部品を有する構成であってもよい。また、抵抗R64とトランジスタQ65との接続順序は、逆である構成であってもよい。
横軸は、電圧を示す。縦軸は、抵抗を示す。実線516は、可変抵抗回路162が入力する制御信号の電圧値と、可変抵抗回路162の抵抗値との関係を表わす。破線575は、抵抗R63の抵抗値を表わす。破線576は、2つの抵抗R63,R64の並列回路の合成抵抗値を表わす。破線577は、トランジスタQ65のカットオフ電圧を表わす。破線578は、トランジスタQ65の飽和電圧を表わす。
制御信号の電圧値がトランジスタQ65の飽和電圧より大きい場合(飽和領域)、トランジスタQ65がオンになるので、可変抵抗回路162の抵抗値は、抵抗R63と抵抗R64との並列回路の合成抵抗値とほぼ等しい。
制御信号の電圧値がトランジスタQ65のカットオフ電圧より大きく飽和電圧より小さい場合(抵抗領域、線形領域)、制御信号の電圧値が大きいほどトランジスタQ65の等価抵抗値が小さくなるので、制御信号の電圧値が大きいほど、可変抵抗回路162の抵抗値が小さくなる。
交流電源ACから供給される交流電圧の電圧実効値が高いほど、制御回路140が決定する電圧目標値は高くなり、常に、交流電源ACから供給される交流電圧のピーク値より大きい。また、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、制御回路140が決定する電圧目標値は高くなる。
なお、制御回路140は、例えばオペアンプやマイコン等の集積回路を使って構成してもよい。
上記力率改善回路は、入力した入力電圧から直流電圧を生成するとともに、入力する入力電流の波形を制御して、入力の力率を高める。
上記調光回路は、光源の光出力の目標値を生成する。
上記生成電圧設定回路は、上記力率改善回路が入力する入力電圧の電圧情報に基づいて、上記力率改善回路が生成する直流電圧の電圧値を設定する。
実施の形態3について、図12を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、入力電圧検出回路150の具体的な構成の別の例について説明する。
同様に、生成電圧検出回路160の制御入力端子の入力抵抗を、抵抗R55の代わりとして用いることができる。
抵抗R51及び抵抗R52の抵抗値は、生成電圧検出回路160の制御入力端子の入力容量及び入力抵抗に基づいて設定する。
実施の形態4について、図13を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、入力電圧検出回路150の具体的な構成の更に別の例について説明する。
入力電圧検出回路150は、例えば、整流素子D53と、コンデンサC54と、抵抗R55とを有する。実施の形態2で説明した構成と比較すると、入力電圧検出回路150は、抵抗R51,R52を有さない。
実施の形態5について、図14〜図15を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態4と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、制御回路140の構成の別の例について説明する。
制御回路140は、入力電圧検出回路150と、生成電圧検出回路160と、レベル変換回路170とを有する。入力電圧検出回路150及び生成電圧検出回路160は、実施の形態2〜実施の形態4で説明した構成と同様である。レベル変換回路170は、入力電圧検出回路150が出力した信号のレベルを変換して、生成電圧検出回路160に対して伝達する。レベル変換回路170は、例えば、入力電圧検出回路150が出力した信号の電圧値から所定のシフト電圧値を差し引いた電圧値を有する信号を生成する。
定電圧素子Z71の一端と、入力電圧検出回路150の出力端子とが電気接続している。定電圧素子Z71のもう一端と、抵抗R72の一端と、生成電圧検出回路160の制御入力端子とが電気接続している。抵抗R72のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。定電圧素子Z71の向きは、入力電圧検出回路150の側の電位が生成電圧検出回路160の側の電位よりも高くなる向きである。
なお、抵抗R72は、生成電圧検出回路160の制御入力端子の電位を安定させるためのプルダウン抵抗であり、比較的大きい抵抗値を有する。また、抵抗R72は、なくてもよい。
また、レベル変換回路170を設けることにより、電圧検出回路125が生成する電圧検出信号の電圧レベルと、生成電圧検出回路160が入力する制御信号の電圧レベルとが異なる場合でも、入力電圧検出回路150を実施の形態4で説明した構成とすることができる。
また、2つの抵抗R51,R52(入力分圧回路)の分圧比を任意に設定することができる。
実施の形態6について、図16を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態5と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、生成電圧検出回路160の具体的な構成の別の例について説明する。
生成電圧検出回路160は、例えば、2つの抵抗R61,R63と、比較器166とを有する。
2つの抵抗R61,R63は、互いに直列に電気接続していて、2つの抵抗R61,R63の抵抗値によって定まる分圧比により力率改善回路110の出力電圧を分圧した電圧を生成する。
比較器166は、例えばエラーアンプ(誤差増幅器)やマイコンなどであり、2つの抵抗R61,R63が生成した電圧と、入力電圧検出回路150が出力した信号の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを表わす信号を生成し、昇圧回路120に対する信号として出力する。
実施の形態7について、図17〜図20を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態6と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、入力電圧検出回路150の構成の別の例について説明する。
電圧値検出回路156は、昇圧回路120の入力電圧の電圧値を検出して、検出した電圧値を表わす信号を出力する。電圧値検出回路156が検出する電圧値は、例えば、ピーク値、実効値、平均値などである。
歪み量検出回路190(歪み検出回路)は、昇圧回路120の入力電圧の歪み量を検出して、検出した歪み量を表わす信号を出力する。歪み量とは、昇圧回路120の入力電圧の波形が、正弦波を全波整流した波形から、どの程度離れているかを表わす指標である。
信号生成回路157(電圧加減算器)は、電圧値検出回路156が出力した信号と、歪み量検出回路190が出力した信号とに基づいて、生成電圧検出回路160に対する信号を生成する。信号生成回路157は、例えば、電圧値検出回路156が検出した電圧値が高いほど、電圧目標値が高くなる信号を生成し、歪み量検出回路190が検出した歪み量が大きいほど、電圧目標値が高くなる信号を生成する。
すなわち、制御回路140は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧値が高いほど、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を高くし、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さいほど、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を高くする。
なお、電圧値検出回路156は、実施の形態3や実施の形態4で説明した入力電圧検出回路150の構成と同様の構成であってもよい。
なお、歪み量検出回路190は、コンデンサC91の一端を、抵抗R51,R52の接続点ではなく、昇圧回路120の入力端子の一つ(高電位側)や、実施の形態4の図13で説明した入力電圧検出回路150と同様に昇圧回路120の電圧検出回路125の抵抗R28,R29の接続点に接続する構成であってもよい。また、歪み量検出回路190は、入力電圧検出回路150の抵抗R51,R52とは別に分圧回路を設ける構成であってもよい。また、歪み量検出回路190は、整流素子D92を有しない構成であってもよい。また、歪み量検出回路190は、出力する信号を増幅する増幅器(例えば非反転増幅回路や差動増幅回路など)や、出力する信号を減衰させる減衰器(例えば分圧回路など)を有し、出力する信号の電圧範囲を調整する構成であってもよい。また、信号生成回路157の入力端子から逆流する電流が、歪み量検出回路190の動作に影響するのを防ぐため、整流素子や、フォトカプラなどの絶縁伝送回路が、歪み量検出回路190と信号生成回路157との間に介在する構成であってもよい。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧を示す。実線512,513は、入力電圧検出回路150が入力する昇圧回路120の入力電圧を表わす。破線546,547は、抵抗R52の両端電圧を表わす。実線518,519は、整流素子D92の両端電圧を表わす。破線548,549は、歪み量検出回路190が出力するコンデンサC94の両端電圧を表わす。なお、実線512,513と、実線518,519及び破線546〜549とでは、縦軸のスケールが異なる。実線512,518及び破線546,548は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が大きい場合を表わす。実線513,519及び破線547,549は、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さい場合を表わす。
コンデンサC94の両端電圧は、整流素子D93がオンになったときに流れる充電電流と、抵抗R95を介して流れる放電電流とが釣り合う電圧でほぼ安定する。抵抗R95の抵抗値が大きければ、抵抗R95を介して流れる放電電流が小さくなるので、コンデンサC94の両端電圧は、整流素子D92の両端電圧のピーク値にほぼ等しくなる。
このようにして、歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧のピーク−ピーク値にほぼ比例する電圧を生成する。歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧に含まれる交流成分の大きさを検出し、昇圧回路120の入力電圧に含まれる交流成分の大きさに応じた信号を出力する。
電圧値検出回路156の出力端子と、抵抗R76の一端とが電気接続している。抵抗R76のもう一端と、抵抗R77の一端と、オペアンプ158の正入力端子とが電気接続している。抵抗R77のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。歪み量検出回路190の出力端子と、抵抗R78の一端とが電気接続している。抵抗R78のもう一端と、抵抗R79の一端と、オペアンプ158の負入力端子とが電気接続している。抵抗R79のもう一端と、オペアンプ158の出力端子と、生成電圧検出回路160の制御入力端子とが電気接続している。
a = R6/(R6+R7)・R9/R8
b = −R9/R8
v3 = a・v1 + b・v2
となる。
実施の形態8について、図21〜図22を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態7と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、歪み量検出回路190の具体的な構成の別の例として、昇圧回路120の入力電圧の最小値を検出する構成について説明する。
昇圧回路120の入力端子の一つ(高電位側)と、抵抗R51の一端と、抵抗R95の一端とが電気接続している。抵抗R51のもう一端と、抵抗R52の一端と、整流素子D93の一端とが電気接続している。整流素子D93のもう一端と、抵抗R95のもう一端と、コンデンサC94の一端と、信号生成回路157の入力端子とが電気接続している。抵抗R52のもう一端と、コンデンサC94のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。整流素子D93の向きは、コンデンサC94を放電する電流が流れる向きである。
電圧値検出回路156の出力端子と、抵抗R76の一端とが電気接続している。歪み量検出回路190の出力端子と、抵抗R77の一端とが電気接続している。抵抗R76のもう一端と、抵抗R77のもう一端と、オペアンプ158の正入力端子とが電気接続している。抵抗R78の一端と、抵抗R79の一端と、オペアンプ158の負入力端子とが電気接続している。抵抗R79のもう一端と、オペアンプ158の出力端子と、生成電圧検出回路160の入力端子とが電気接続している。抵抗R78のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。
a = R7/(R6+R7)・(R8+R9)/R8
b = R6/(R6+R7)・(R8+R9)/R8
v3 = a・v1 + b・v2
となる。
実施の形態9について、図23を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態8と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、歪み量検出回路190の具体的な構成の更に別の例として、昇圧回路120の入力電圧の高調波成分を検出する構成について説明する。
昇圧回路120の入力電圧の最小値が大きくなると、昇圧回路120の入力電圧の基本波成分は小さくなるが、高調波成分は、それほど小さくならない。このため、基本波成分に対する高調波成分の割合は、大きくなる。すなわち、昇圧回路120の入力電圧の歪み量が大きいほど、歪み量検出回路190が出力する信号が表わす基本波成分に対する高調波成分の割合が大きくなる。
実施の形態10について、図24を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態9と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、歪み量検出回路190が、検出した歪み量を、出力する信号の電圧値によって表わすのではなく、出力する信号の電流値によって表わす構成について説明する。
生成電圧検出回路160は、実施の形態2で説明した構成と同様である。
入力電圧検出回路150は、電圧値検出回路156と、歪み量検出回路190とを有する。実施の形態7で説明した構成と比較すると、信号生成回路157がない点が異なる。
電圧値検出回路156は、実施の形態7で説明した構成と同様である。
歪み量検出回路190は、昇圧回路120の入力電圧の歪み量を表わす信号を出力する。歪み量検出回路190が出力する信号は、電圧値ではなく、電流値で歪み量を表わす。歪み量検出回路190が出力する電流が大きいほど、歪み量が小さいことを表わす。
歪み量検出回路190の出力端子は、生成電圧検出回路160の抵抗R61と可変抵抗回路162との接続点に電気接続している。歪み量検出回路190が出力した電流は、可変抵抗回路162を流れる。したがって、歪み量検出回路190が出力する電流が大きいほど、可変抵抗回路162の両端電圧が高くなる。
歪み量検出回路190が検出した歪み量が大きいほど、歪み量検出回路190が出力する電流が小さくなり、可変抵抗回路162の両端電圧が低くなるので、昇圧回路120が出力する直流電圧の電圧目標値は、大きくなる。
また、実施の形態7〜実施の形態9で説明した信号生成回路157を設ける必要がないので、電源回路100の部品数を削減することができ、電源回路100を小型化し、製造コスト(部品コストや組立てコストなど)を抑えることができる。
実施の形態11について、図25〜図27を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態10と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態では、電源回路100が、昇圧回路120が入力する脈流電圧の電圧波形ではなく、調光信号入力回路180が入力する調光信号が表わす調光度に基づいて、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を決定する構成について説明する。
制御回路140は、調光信号入力回路180が出力した、調光度によって変化する値を表わす信号を入力する。制御回路140は、力率改善回路110が入力する交流電圧の電圧値と、調光信号入力回路180が出力した信号が表わす値とに基づいて、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値を決定する。調光度が小さい(光源が暗い)ほど、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値は小さくなる。制御回路140は、調光度が小さい(光源が暗い)ほど、電圧目標値を高くする。
生成電圧検出回路160は、実施の形態2〜実施の形態10で説明した構成と同様である。
入力電圧検出回路150は、電圧値検出回路156と、調光検出回路199と、信号生成回路157とを有する。電圧値検出回路156は、実施の形態7〜実施の形態10で説明した構成と同様である。
調光検出回路199は、調光信号入力回路180が出力した、調光度によって変化する値を表わす信号を入力し、入力した信号が表わす調光度に対応する電圧目標値の補正量を算出して、算出した補正量を表わす信号を生成し、出力する。調光検出回路199が算出する補正量は、例えば、正の値であり、調光度が大きい(明るい)ほど小さくなる。
信号生成回路157は、電圧値検出回路156が出力した信号と、調光検出回路199が出力した信号とに基づいて、生成電圧検出回路160に対する信号を生成する。信号生成回路157は、例えば、電圧値検出回路156が検出した電圧値が高いほど、電圧目標値が高くなる信号を生成し、調光検出回路199が算出した補正量が大きいほど、電圧目標値が高くなる信号を生成する。
調光信号入力回路180の出力端子と、整流素子D93の一端とが電気接続している。整流素子D93のもう一端と、コンデンサC94の一端と、抵抗R95の一端と、信号生成回路157の入力端子とが電気接続している。コンデンサC94のもう一端と、抵抗R95のもう一端と、グランド配線GNDとが電気接続している。整流素子D93の向きは、コンデンサC94を充電する電流が流れる向きである。
調光信号入力回路180が出力する信号の電圧値が、コンデンサC94の両端電圧より高くなると、整流素子D93がオンになり、コンデンサC94を充電する電流が流れる。また、抵抗R95を介して、コンデンサC94を放電する電流が流れる。コンデンサC94の両端電圧の平均値は、整流素子D93を介して流れる充電電流と、抵抗R95を介して流れる放電電流とが釣り合う電圧値になる。したがって、調光検出回路199は、調光信号入力回路180が出力した信号の電圧値(平均値、最大値など)にほぼ等しい電圧値を有する信号を出力する。
なお、調光検出回路199は、出力する信号を増幅する増幅器(例えば非反転増幅回路や差動増幅回路など)や、出力する信号を減衰させる減衰器(例えば分圧回路など)を有し、出力する信号の電圧範囲を調整する構成であってもよい。また、信号生成回路157の入力端子から逆流する電流が、調光検出回路199の動作に影響するのを防ぐため、整流素子や、フォトカプラなどの絶縁伝送回路が、調光検出回路199と信号生成回路157との間に介在する構成であってもよい。
信号生成回路157は、調光検出回路199が出力した信号の電圧値が高いほど、電圧目標値が低くなる信号を生成する。これにより、調光信号入力回路180が入力した調光信号が表わす調光度が小さく(暗く)、その結果として、力率改善回路110が出力する直流電流の電流値が小さくなる場合に、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値が大きくなる。調光により光出力を減少させるほど、力率改善回路110が出力する直流電圧の電圧目標値が高くなるため、調光が深くなるほど力率改善回路110における消費電力が大きくなり、調光時の高調波ノイズの増加、力率の低下、調光時に光源が発する光のちらつきを防止することができる。
また、入力電圧検出回路150は、実施の形態7〜実施の形態9で説明した歪み量検出回路190を有する構成であってもよい。
上記力率改善回路は、入力した入力電圧から直流電圧を生成するとともに、入力する入力電流の波形を制御して、入力の力率を高める。
上記調光回路は、光源の光出力の目標値を生成する。
上記生成電圧設定回路は、調光情報に基づいて、上記力率改善回路が生成する直流電圧の電圧値を設定する。
上記力率改善回路は、交流電圧を入力し、入力した交流電圧を直流電圧に変換して、変換した直流電圧を出力するとともに、入力する交流電流の力率を高める。
上記制御回路は、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御し、上記力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さいほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くする。
上記電力変換回路は、上記力率改善回路(110)が出力した直流電圧を入力し、入力した直流電圧を負荷回路に対して供給する電圧に変換して、変換した電圧を出力し、上記負荷回路に対して供給する電力を指示する供給電力指示信号を入力し、入力した供給電力指示信号に基づいて、出力する電流を調整する。
上記全波整流回路は、上記交流電圧を全波整流して電圧波形が脈流の電圧に変換する。
上記コンデンサは、上記全波整流回路の出力に電気接続して、ノイズを除去する。
上記昇圧回路は、上記全波整流回路が変換した電圧を昇圧して直流電圧に変換する。
上記制御回路(140)は、上記コンデンサの両端電圧に基づいて、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御する。
すなわち、上記制御回路は、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を、所定の電圧最大値より低い範囲内で制御する。
上記電圧最大値は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧ピーク値として想定される最大値より大きい値である。例えば、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧実効値として想定される標準値が最大254Vであり、誤差±10%が見込まれる場合、想定最大実効値は約280V(=254V×1.1)であるから、想定最大ピーク値は約395V(=280V×√2)である。この場合、電圧最大値は、例えば419Vとする。
すなわち、上記制御回路は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が所定の電圧範囲内である場合に、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が上記所定の電圧範囲と異なる電圧範囲内である場合よりも、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値の変化に対する、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値の変化率を小さくする。
上記所定の電圧範囲は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値として最も頻度が高いと想定される電圧値を基準とし、想定される誤差を乗じた電圧範囲を含む範囲である。例えば、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値として最も頻度が高いと想定される電圧実効値の標準値が200Vであり、想定される誤差が±10%である場合、上記所定の電圧範囲は、180V(=200V×0.9)〜220V(=200V×1.1)の電圧範囲を含み、例えば85V〜220V(実効値)とする。
また、上記所定の電圧範囲と異なる電圧範囲は、上記所定の電圧範囲よりも高い電圧値であって、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値として想定される最大値よりも低い電圧値を含む範囲である。例えば、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧実効値として想定される標準値が最大254Vであり、誤差±10%が見込まれる場合、想定最大実効値は約280V(=254V×1.1)である。この場合、所定の電圧範囲と異なる電圧範囲は、例えば220V〜250V(実効値)とする。
上記電源装置(電源回路100)と、
上記電源装置から供給される電力により点灯する光源を有する負荷回路(光源回路810)とを有する。
Claims (7)
- 力率改善回路と、制御回路と、電力変換回路とを有し、
上記力率改善回路は、交流電圧を入力し、入力した交流電圧を直流電圧に変換して、変換した直流電圧を出力するとともに、入力する交流電流の力率を高め、
上記制御回路は、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御し、上記力率改善回路が出力する直流電流の電流値が小さいほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くし、
上記電力変換回路は、上記力率改善回路が出力した直流電圧を入力し、入力した直流電圧を負荷回路に対して供給する電圧に変換して、変換した電圧を出力し、上記負荷回路に対して供給する電力を指示する供給電力指示信号を入力し、入力した供給電力指示信号に基づいて、出力する電流を調整することを特徴とする電源装置。 - 上記制御回路は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が高いほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くすることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
- 上記制御回路は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が所定の電圧範囲内である場合に、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値が上記所定の電圧範囲と異なる電圧範囲内である場合よりも、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧値の変化に対する、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値の変化率を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
- 上記制御回路は、上記電力変換回路が入力する供給電力指示信号が指示する電力が少ないほど、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を高くすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電源装置。
- 上記力率改善回路は、全波整流回路と、コンデンサと、昇圧回路とを有し、
上記全波整流回路は、上記交流電圧を全波整流して電圧波形が脈流の電圧に変換し、
上記コンデンサは、上記全波整流回路の出力に電気接続して、ノイズを除去し、
上記昇圧回路は、上記全波整流回路が変換した電圧を昇圧して直流電圧に変換し、
上記制御回路は、上記コンデンサの両端電圧に基づいて、上記力率改善回路が出力する直流電圧の電圧値を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電源装置。 - 上記制御回路は、上記力率改善回路が入力する交流電圧の電圧ピーク値の最大値付近で、上記力率改善回路が出力する直流電圧の目標電圧値を飽和させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電源装置。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の電源装置と、
上記電源装置から供給される電力により点灯する光源を有する負荷回路とを有することを特徴とする照明装置。
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