JP5645226B2 - 真空積層装置および真空積層装置の制御方法 - Google Patents

真空積層装置および真空積層装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能な真空チャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体または弾性板を前記真空チャンバ内に突出または膨出させて積層成形品を加圧する真空積層装置および真空積層装置の制御方法に関するものである。
従来、上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能な真空チャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体を前記真空チャンバ内に膨出させて積層成形品を加圧する真空積層装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1では、加圧膜内を真空から圧空に切換えるとき、加圧膜内を一旦大気に連通させる工程を設けて、空気圧を段階的に変化させて加圧膜の局部的な跳ね上がりを防止することが記載されている。しかし特許文献1では、チャンバ内の真空度については、所定の真空度に達したときに電気信号を発すると記載されるのみである。すなわち従来の真空積層装置では、チャンバ内を必要な真空度にすることの可能な真空ポンプが選定され、真空ポンプは何ら制御されることなく連続運転を行っているのが実態である。また特許文献1では、真空センサが設定した所定値に到達したときに、加圧膜内への真空吸引を停止することも記載されている。しかしこれについても真空ポンプは何ら制御されることなく、バルブを開閉することにより加圧膜内への真空吸引を停止しているに過ぎない。
また特許文献2は、弾性膜体を真空チャンバ内に膨出させて積層成形品を加圧する真空積層装置に関するものではなく、真空ホットプレスに関するものであるが、真空ポンプの制御について記載されている。特許文献2は、予め設定した所定幅のヒステリシスに基づいて真空チャンバに接続された真空ポンプを起動・停止する。
特開2002−225061号公報(0008、0009、図1) 特開2009−298007号公報(請求項1、図2)
しかしながら特許文献2は、真空ポンプを起動・停止して、真空度を所定値に制御するものに留まり、真空度が多段階に変更制御可能なものではない。そして特許文献2については、真空ポンプの起動と停止を繰り返す際にポンプの負荷が大きいので、ポンプの故障を招いたり、ポンプの寿命を短くする場合があった。また真空ポンプを短時間で起動と停止を繰り返した場合については、起動時の電力消費量が大きくて、狙っているほどの省エネルギー化に繋がらない場合があった。更に特許文献2については、成形工程における各種の要請に応じて最適の真空度を選択することができないものであった。
そこで本発明は、上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能な真空チャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体または弾性板を前記真空チャンバ内に突出または膨出させて積層成形品を加圧する真空積層装置および真空積層装置の制御方法において、成形工程における各種の要請に応じて真空度を制御することができる真空積層装置とその制御方法を提供することを目的とする。または真空ポンプの回転数を制御するものにおいては、真空ポンプに過大な負荷をかけることなく省エネルギー化を実現することができる真空積層装置とその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の真空積層装置は、加熱可能な上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能な真空チャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体を加圧気体供給装置により前記真空チャンバ内に膨出させて積層成形品を加圧する真空積層装置において、1成形中の弾性膜体による加圧前および加圧中の前記真空チャンバ内の真空度が多段階に変更可能に設けられたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の真空積層装置は、請求項1において、真空ポンプは回転数を制御可能なインバータにより制御可能なモータまたはサーボモータにより回転数が制御されることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の真空積層装置の制御方法は、加熱可能な上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能な真空チャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体を加圧気体供給装置により前記真空チャンバ内に膨出させて積層成形品を加圧する真空積層装置の制御方法において、
1成形中の弾性膜体による加圧前および加圧中の前記真空チャンバ内の真空度が多段階に変更されることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の真空積層装置の制御方法は、請求項3において、1成形中の真空ポンプの回転数の制御は、オープン制御とクローズド制御の両方により制御されることを特徴とする。
本発明の真空積層装置は、加熱可能な上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能な真空チャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体を加圧気体供給装置により前記真空チャンバ内に膨出させて積層成形品を加圧する真空積層装置において、1成形中の弾性膜体による加圧前および加圧中の前記真空チャンバ内の真空度が多段階に変更可能に設けられているので、成形工程における各種の要請に応じて真空度を制御することができる。また真空ポンプの回転数を制御するものにおいては、真空ポンプに過大な負荷をかけることなく省エネルギー化を実現できる。
本実施形態の真空積層装置の概略説明図である。 本実施形態の真空積層装置の制御方法に関する全体図である。 本実施形態の真空積層装置の制御方法に関する部分図である。 本実施形態の真空積層装置のオープンループ制御時の操作量に関する図である。 本実施形態の真空積層装置の制御方法に関するブロック図である。
本実施形態の真空積層装置11について、図1を参照して説明する。本実施形態の真空積層装置11は、積層成形品Mを構成する積層材と被積層材を真空積層装置11の一側からキャリアフィルムFとともに搬入して真空積層装置11内にて加圧して積層成形し、前記真空積層装置11の他側から搬出して後工程に移送するものである。真空積層装置11は、上盤12と下盤13を閉鎖されて真空ポンプ14により真空吸引可能な真空チャンバCが形成され、少なくともいずれか一方の盤12,13に設けられた弾性膜体15を前記真空チャンバC内に膨出させて積層成形品を加圧する。
より具体的には、上盤12に対して下盤13が相対向して設けられており、図示しない油圧シリンダにより上盤12に対して下盤13が近接離間移動可能となっている。そして下盤13が前記油圧シリンダにより上昇され上盤12と下盤13が閉鎖された際に真空ポンプ14に連通される所定容積の真空チャンバCが形成されるようになっている。なお真空チャンバCを形成するための上盤12や下盤13の動作については他の方式でもよい。そして上盤12の下面と下盤13の上面の中央には加熱可能な熱板16と熱板17がそれぞれ取付けられている。下盤13の上面のうちの周辺部分の熱板17が設けられていない部分と、熱板17の上面を覆う形で弾性膜体15(シリコンゴム等の耐熱ゴムからなるダイアフラム)が取付けられている。そして弾性膜体15における下盤13と当接する部分の上には、枠状の側壁部18が固定され、弾性膜体15は側壁部18と下盤13との間に挟まれて固定されている。また前記側壁部18の上面の上盤12と対向する面にはOリング挿入用の溝が形成されシール部材であるOリング19が挿入されている。Oリング19は平面視した際に真空チャンバCを取り囲むように設けられる。
上盤12についても下盤13側の側壁部18と対向する所定幅の周辺部分には、一段と高い(下盤13に向けて突出した)側壁部12aが設けられている。そして側壁部12aにおける下盤13側と対向する面が、Oリング19との当接面となっている。従って上盤12と下盤13が当接された際に、側壁部18および側壁部12aを加えた高さにより真空チャンバCの高さが形成される。ただし真空チャンバCの内部には熱板16,17等が設けられる。また上盤12の熱板16の表面(下面)にもシリコンゴム等の耐熱ゴムからなる弾性板20が貼着され固定されている。本実施形態では下盤13の弾性膜体15のみが真空チャンバC内に膨出されるようになっているが、上盤12に膜体の裏面側に加圧空気を供給可能な弾性膜体を設け、上盤12側の弾性膜体だけが真空チャンバC内に膨出されるようにしてもよく、上盤12と下盤13にそれぞれ設けた弾性膜体が真空チャンバC内に膨出されるようにしてもよい。
次に真空チャンバC内を真空吸引する機構と弾性膜体15を作動させる機構について説明する。真空積層装置11には、上盤12と下盤13の間に形成された真空チャンバC内を真空吸引可能な真空ポンプ14が設けられている。本実施形態で使用されるポンプは、インバータ21から周波数がモータ22(三相交流式誘導モータ)へ送られることにより、モータ22の回転数が変更制御されるものである。なお回転数を制御可能な真空ポンプ14のモータは、インバータ21により回転数が制御されるものに限定されず、サーボモータにより回転数が制御されるもの等でもよい。また本実施形態では真空ポンプ14は、スクリュ式のドライポンプが使用される。しかしルーツ式のドライポンプを用いたものでもよく、他の種類の真空ポンプであってもよい。また真空ポンプの数についても限定されない。例えば粗引き真空ポンプと使用真空域で用いる真空ポンプを併用するようにしてもよい。
真空ポンプ14からは、真空チャンバCに向けて管路23が設けられている。管路23は、上盤12と下盤13の少なくとも一方に接続されるように設けていればよいが、本実施形態では弾性膜体15が取付けられていない上盤12の連通孔24に接続されている。また連通孔24の数も限定されない。そして前記管路23の途中には管路23を開閉可能な三方切換弁25が設けられている。そして三方切換弁25における真空チャンバCと連通可能なもう一方のポート(大気に連通される側)には真空チャンバC内を真空破壊する際に使用されるサイレンサ26が取付けられている。
また管路23には、真空度を測定する真空センサ27が設けられている。そして真空センサ27は真空積層装置11の制御装置37に接続されている。本実施形態の制御装置37については、真空ポンプ14の回転数の制御の他、真空積層装置11の各制御を行う。また管路23から分岐して、下盤13の弾性膜体15の下方に向けて管路28が分岐している。そして管路28には該管路28を開閉可能な三方切換弁29が設けられている。
真空積層装置11には、真空チャンバC内で弾性膜体15を膨出させるために弾性膜体15の下方に加圧空気を送るための加圧気体供給装置30が設けられている。本実施形態において加圧気体供給装置30は、大気を加圧して送る一般的なコンプレッサが設けられているが、特殊なガスなどを利用するものや圧力がクローズドループ制御可能なものでもよい。そして加圧気体供給装置30からの管路31は、前記の真空ポンプ14からの管路28と合流して、下盤13の連通孔38に接続されている。また管路31には管路31を開閉可能な開閉弁32が設けられている。更に管路31または三方切換弁29よりも連通孔38側の管路28には空気圧センサ33が設けられている。更に管路31から大気へ連通される管路34が分岐され、管路34の途中には管路34を開閉する開閉弁35が設けられ、管路34の端部にはサイレンサ36が取付けられている。更に場合によっては、管路31に空気圧を制御するレギュレータを取付けるようにしてもよい。なお真空積層装置11の真空回路または加圧回路については、三方切換弁29の使用に替えて開閉弁を使用するなど、上記に限定されない。また真空センサの場所も真空チャンバCの側と弾性膜体15の側とに別個に設けるなどしてもよく限定されない。更には真空レギュレータを設けたものでもよい。
そして弾性膜体15の下方の熱板17については、表面に一定深さの溝が十字に形成されていて、その中央付近の溝の何本かに、連通孔38が接続されるようになっている。従って弾性膜体15の裏面に対する吸引または加圧は、ほぼ同時に近く弾性膜体15全体に及ぼされるようになっている。なお管路28が接続される熱板17の形状や連通孔38の数については上記に限定されない。
また本発明にとって弾性膜体15を膨出させる手段についても上記に限定されない。弾性膜体15により加圧を行うための媒体は、加圧空気の他、別のガスや水や油などの液体であってもよい。更には真空チャンバに対して、弾性膜体の下方に常圧の大気を送ることによっても相対的な圧力差により弾性膜体を膨出させて加圧を行うことができる。また真空積層装置についても上記に限定されず、平滑なプレス板に貼着された弾性板を油圧シリンダやサーボモータ等により前記真空チャンバ内に突出させて他の弾性板との間で積層成形品を加圧するものでもよい。
次に真空積層装置11の制御方法について図2,3,4を中心に説明する。本発明では真空積層装置11による積層成形品Mの積層成形は、バッチ式により行われ、1成形サイクル毎に真空チャンバCの形成と開放が行われる。真空積層装置11の最初の状態は、上盤12に対して下盤13が下方に移動されて、真空チャンバCが開放された状態である。この状態でキャリアフィルムFにより未成形の積層成形品Mの真空積層装置11内への搬入され、同時に成形が完了した積層成形品Mが真空積層装置11から外部へ搬出される。
この際に並行して、弾性膜体真空吸引工程t1を行う。弾性膜体真空吸引工程t1では、三方切換弁25により真空ポンプ14と真空チャンバCの間の閉鎖した状態で、三方切換弁29により真空ポンプ14と弾性膜体15の下方の間を連通させて、弾性膜体15の下方の熱板17との間の部分を真空吸引する。本実施形態では、この真空吸引における設定値は、一例として50hPaである。この際真空ポンプ14の制御は、図3に示されるように最初はオープン制御により制御される。本実施形態のオープン制御は、図4に示されるように、予め真空センサ14によって検出された検出値に対応した操作量(制御装置37からインバータ21へ送られる電圧指令値)が定められており、インバータ21では前記操作量に基づいて真空ポンプ14のモータ22へ周波数を送り、真空ポンプ14を所定の回転数で回転させる。即ち、真空センサ27による検出値が低真空状態のときはモータ22の操作量(回転数)も相対的に低く、高真空となるにつれてモータ22の操作量(回転数)が相対的に高くなるように制御カーブが予め定められている。
そして図3に示されるように弾性膜体15の下方の真空度(真空センサ27の検出値)が予め設定した真空度に近づいてきて、真空センサ27が所定の応差を見込んだ切替圧力p1を検出すると、図5のブロック図に示されるように真空ポンプ14の制御をオープンループ制御からクローズドループ制御に変更する。本実施形態のクローズドループ制御については、真空ポンプ14を停止するわけではないので、真空センサ27により検出された真空度に対応した操作量(フィードバック制御の回転数)に対して、一定の操作量(フィードフォーワード制御の回転数)を加算して、真空ポンプ14のモータ22の回転数の制御信号を生成し、インバータ21へ送る。インバータ21では前記制御信号に基づいてモータ22の回転数を直接制御するための周波数をモータ22へ送る。
このクローズドループ制御におけるフィードバック制御は、PID制御により行われ、PIDのゲインや外乱除去フィルタの値等がそれぞれ設定されるようになっている。これらの制御値は、オープンループ制御同様に、真空センサ27により検出される真空度により異なるので、真空度に応じてTABLE1、TABLTE2、TABLE3というようにそれぞれ異なるPIDゲイン等が設定されるようになっている。
またクローズドループ制御の区間については、設定値に対して所定の真空監視幅を有する閾値が設けられている。そして何らかの理由により真空センサ27が閾値を超えた場合は、エラー表示して成形を一旦終了する。なお上限の閾値を超えた際には真空ポンプ14を停止し、または下限の閾値を超えた際には監視幅に入るまでは真空ポンプ14の回転数の上限で回転するなどしてもよい。
そして次に積層成形品Mの真空積層装置11への搬入が完了後に、下盤13が上昇されて上盤12と下盤13の間にOリング19により周囲がシールされた真空チャンバCが形成される(この際までは真空チャンバC内は当然大気圧である)と、真空チャンバ内真空工程t2を開始する。まず三方切換弁29を作動させて真空ポンプ14と弾性膜体15の下方の間の管路28を閉鎖し、次に三方切換弁25を作動させて真空ポンプ14と真空チャンバCの間の管路23を連通させる。そのことにより真空チャンバC内の大気が管路23内に流入し、真空ポンプ14側に設けられている真空センサ27の検出値は、一旦大気圧近くまで上昇する。そして弾性膜体真空吸引工程t1と同様に、真空チャンバ内真空工程t2についても当初は、図3に示されるように、真空ポンプ14はオープンループ制御により制御される。そして多段階制御のうちの最初の真空設定1の真空設定値(これに限定されないが一例として40hPa)が近づいて切換圧力pnが検出されると、真空ポンプ14の制御は、クローズドループ制御(フィードフォーワード制御を含む)に切替えられる。そして真空センサ27により検出される真空度に対応するTABLEのPIDゲインによりインバータ21を介して真空ポンプ14のモータ22の回転数の制御が行われる。また真空チャンバCおよび管路23が一定の減圧状態となると、再び三方切換弁29を作動させて管路28を連通させ、弾性膜体15の下方の真空吸引も行う。そのことにより、真空チャンバCの真空度と弾性膜体15の下方の真空度がほぼ等しくなるので意図しない弾性膜体15の浮き上がりが防止される。
そして制御装置37のタイマによりクローズドループ制御における真空設定1の時間が完了すると、次に真空設定2(これに限定されないが一例として10hPa)に移行する。その際に真空設定1と真空設定2の真空設定値の差が小さい場合は、クルーズループ制御は継続するもののその設定値を真空設定2に変更してポンプの回転数のクローズドループ制御を行う。しかし真空設定1と真空設定2で真空設定値の差が大きい場合は、その間でオープンループ制御を行うようにしてもよい。そして次の真空設定2の途中で三方切換弁29を作動させて管路28の真空ポンプ14と弾性膜体15の間の管路28を閉鎖し、開閉弁32を開放して、加圧気体供給装置30と弾性膜体15の下方を連通する。そのことにより真空チャンバ内真空工程t2から加圧工程t3へ移行する。なお加圧工程t3において用いられる加圧気体供給装置30については、常時作動しているか、または少なくとも開閉弁32の開放までに作動させる。そのことにより弾性膜体15の下方に加圧空気が供給され、弾性膜体15が真空チャンバC内に膨出され、積層成形品Mが前記弾性膜体15と上盤12の弾性板20との間で押圧される。
なおこの際まで真空チャンバC内を真空化しておいて、積層成形品Mの加圧を遅らせている第1の理由は、積層成形品Mに対して上盤12の熱板16と下盤13の熱板17から熱を伝達して、積層成形品Mの積層材(樹脂)を溶融状態または半溶融状態に変化させるためである。また別の理由としては、大気状態から搬入された積層成形品Mの内部や積層成形品MとキャリアフィルムFの間から脱気を行うためである。従って積層成形品Fに熱を伝達するだけの目的の場合は、真空チャンバ内真空工程t2における真空チャンバCの真空度をさほど上昇させる必要がない場合もあり、その場合は真空ポンプ14の回転数を低下させることにより省エネルギー化を図ることができる。
そして制御装置37のタイマにより真空設定2の時間が完了すると、次に真空設定3(これに限定されないが真空設定値は一例として1hPa)に移行する。この場合も前記同様に真空設定2と真空設定3の真空度の設定値の差が小さい場合は、継続してクローズドループを行うが、真空度の設定値の差が大きい場合は、その間でオープンループ制御を行うようにしてもよい。これらの真空チャンバCにおける真空度の設定を多段階に行うための真空設定1、真空設定2、真空設定3については、いずれも弾性膜体真空吸引工程と同様に真空監視幅が設定されている。
なお本実施形態において1サイクルを意味する1成形中の真空度の設定は、真空設定1、真空設定2、真空設定3の3段階からなり、後半ほど真空度の設定値が高くなっているが、後半が真空度が高くなるものに限定されない。また真空ポンプ14を制御して1成形中の真空チャンバC内の真空度が多段階に変更可能に設けられたものにおいては、その段数は限定されるものではなく、真空度が所定の傾斜やカーブを描く制御も多段階の一つに含まれる。
真空ポンプ14の回転数を変化させて真空度を変更制御する理由としては、省エネルギー化のほかに真空ポンプ14の部品の長寿命化の目的もある。即ち必要以上の回転数でポンプを回転させ続けることを防止して真空ポンプ14の寿命を延ばすことが可能となる。更には積層成形品Mの成形性の向上のためにも望ましい場合も考えられる。即ち真空度を調整することは、同じ圧力で弾性膜体15を加圧していても、相対的に弾性膜体15からの加圧力が変更されることに繋がり、加圧力の制御が可能となる。更には成形時に真空吸引されることにより積層成形品Mから有用な成分が外部へ吸引される場合は、最適な吸引力で吸引することにより、有用な成分の流出が防止または減少させることができる。
また本発明において、真空ポンプ14の制御方法については、上記のパターンに限定されない。1成形サイクルの全ての工程をオープンループ制御にて行うようにしてもよい。この場合、各種の要請に応じて、予め多段に回転数を設定しておくことができる。操作量に対応する真空ポンプ14の回転数で達成される真空チャンバCの真空度は、予め実験によりある程度把握可能であるので、省エネルギー化やポンプの保護等を目的として、必要最低限の真空度で積層成形を行うこともできる。また。1成形サイクルの全ての工程をクローズドループ制御にて行うようにしてもよい。この場合大気圧から急激に真空度を上げていく区間は、真空センサによる検出が出来ないと実質的にオープンループ制御に近くなってしまう。また急激に真空度を上げる必要のある区間の制御についてはオープンループ制御のほうが結果的に早く真空度が上がる場合もある。
更にはクローズドループ制御においても、上記の実施形態のようにフィードフォーワード制御の要素を加えない制御を行うようにしてもよい。この場合は原則としては真空センサ27の検出値が設定値に到達すると真空ポンプ14のモータ22の回転が停止され、真空センサ27の検出値が設定値から低下すると再度真空ポンプ14のモータ22が回転される。ただしPIDゲインを調整することにより、制御が過敏とならず、なるべく真空ポンプ14のモータが停止しないように制御することが望ましい。
そして加圧工程t3が終了すると開閉弁32が閉鎖されて弾性膜体15の下方への加圧空気の供給が断たれる。そして開閉弁35が開放され、弾性膜体15の下方の加圧空気が大気に放出される。またほぼ同時に三方切換弁25を作動させて、真空チャンバC内を大気に連通させて真空チャンバCの真空破壊を行う。そして真空チャンバC内が大気圧となると、図示しない油圧シリンダを作動させて下盤13を下降させ、真空チャンバCを大きく開放する。そして上述のようにキャリアフィルムFを移動させて積層成形された積層成形品Mを真空積層装置から取出す。またほぼ同時に開閉弁35を閉鎖し次に三方切換弁29を作動させて再び真空ポンプ14により弾性膜体15の下方の真空吸引を行う。
また図示はしないが別の実施形態として、真空レギュレータを用いて1成形中の真空チャンバCの真空度を多段階に変更するようにしてもよい。その場合、上記した真空ポンプ14の回転数の制御と、真空レギュレータの制御を組合せるようにしてもよい。また真空ポンプ14は一定回転数または最大回転数で回転させ、真空度の制御は真空レギュレータのみにより行うようにしてもよい。ただし真空レギュレータを使用する場合は、真空ポンプ14の回転数のみを制御する場合と比較して、省エネルギー化に繋がらない場合がほとんどである。
本発明については、一々列挙はしないが、上記した本実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。本発明の真空積層装置11は、ビルドアップ基板を含む各種の回路基板の他、液晶装置、半導体、太陽電池等、各種成形品に用いられる。
11 真空積層装置
12 上盤
13 下盤
14 真空ポンプ
15 弾性膜体
21 インバータ
22 モータ
27 真空センサ
37 制御装置
C 真空チャンバ
M 積層成形品

Claims (4)

  1. 加熱可能な上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能な真空チャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体を加圧気体供給装置により前記真空チャンバ内に膨出させて積層成形品を加圧する真空積層装置において、
    1成形中の弾性膜体による加圧前および加圧中の前記真空チャンバ内の真空度が多段階に変更可能に設けられたことを特徴とする真空積層装置。
  2. 真空ポンプは回転数を制御可能なインバータにより制御されるモータまたはサーボモータにより回転数が制御されることを特徴とする請求項1に記載の真空積層装置。
  3. 加熱可能な上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能な真空チャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体を加圧気体供給装置により前記真空チャンバ内に膨出させて積層成形品を加圧する真空積層装置の制御方法において、
    1成形中の弾性膜体による加圧前および加圧中の前記真空チャンバ内の真空度が多段階に変更されることを特徴とする真空積層装置の制御方法。
  4. 1成形中の前記真空ポンプの回転数は、オープン制御とクローズド制御の両方により制御されることを特徴とする請求項3に記載の真空積層装置の制御方法。
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