JP5645201B2 - 粉砕装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粉砕装置に関し、特に高剪断力を発生することができて固体を微粉砕できる装置に関する。該粉砕装置は、乾燥したバガス、間伐材、稲藁、麦藁、青竹等を常温乾式もしくは高温熱水中における湿式で微粒子化させることが出来、また該粉砕装置に粗粉砕された褐炭を入れ、該粉砕装置を密閉した状態で150〜270℃での加熱下に粉砕処理を行うことによって、褐炭に含まれる水分を石炭組織外に出ることにより石炭水スラリーを得ることができる。
本発明者は、先に、「リグノセルロースまたはセルロースを含有する物質の処理方法」の発明に係るPCT特許出願PCT/JP2008/06378を出した。記載された強い剪断力を与えることが出来る内容量20リットルの攪拌羽根を持つ密閉容器中で、バガス、間伐材、稲藁、麦藁、青竹やトウモロコシの芯や軸等を0.1〜20MPaの高剪断力を用いて0.1〜3mmへ粉砕処理するために、投入口側にある送りスクリュー羽根のピッチ70mmよりも投入原料の大きさを縦横20〜35mm、厚さ5〜10mm程度に予め小さくし、且つ12時間ほど水に浸して軟らかくしておくことが好ましい。原料の大きさが羽根のピッチの半分よりも大きいと、図1にある前進スクリュー12と円筒形の容器20内部の間に原料が挟まり、装置が振動し極めて危険な状況となることがある。また、稲藁等の軟らかいものの場合、それが攪拌軸5に絡みつき円筒形の容器内壁との間でブレーキの働きをしてモーターの焼付きを起こす恐れがある。本発明者による「植物またはキノコからの有効成分の高効率抽出法」の発明に係るPCT特許出願PCT/JP2008/070328において、同様の装置を用いている。
特開2000-169274に有害微生物を死滅させた堆肥の製造方法及びこれに使用する加圧・混練処理装置が記載されている。そこの図2に示された内容積が200リットルの混練処理機を使用してバガス、間伐材、稲藁、麦藁、青竹やトウモロコシの芯や軸等を粉砕処理すると、スクリュー羽根のピッチより大きな試料は、固定翼14と送り翼11の間に溜まり、強い回転力によって圧縮され装置が振動し、最後には固定翼14を破損させた。この装置を用いる場合においても、被粉砕物をスクリューのピッチ(150mm)の半分以下の大きさに予め小さくし、且つ12時間ほど水に浸して軟らかくしたものでないと安全な粉砕をすることが出来なかった。
そこで本発明者は、乾いた状態の原料や送りのスクリューのピッチよりも大きな原料でも前処理が不要で安全に粉砕処理ができるように、羽根の改造研究を行い、本発明を完成させた。
なおまた、本発明者は、「含水石炭の脱水方法」の発明の特許出願(WO2005/007783)、「含水可燃性固体の脱水方法」の発明の特許出願(WO2006/030510)をした。そこには、含水石炭あるいは含水可燃性固体に0.10〜20MPの剪断力をかけることが記載されている。本発明者は、「スラリー反応法を用いる人工ゼオライトの製造方法」の発明を特許出願した(特開平11−236212号)。
PCT/JP2008/06378 PCT/JP2008/070328 特開2000-169274号公報 WO2005/007783 WO2006/030510 特開平11−236212号
本発明は、上記した問題が解決された粉砕装置を提供することを目的とする。特に、粉砕しようとする間伐材、青竹、稲藁等の試料に水分を加えずに高剪断力を用いて粉砕し、200μm以下への破砕が1段階ででき、従ってカッターミル等の粗粉砕設備が不要となり、且つ加圧できるように密閉した状態で、重量で0.5〜4倍量の水を加え、150〜270℃での加熱処理を行うことによって、20μm以下への微粉砕までが一度に出来る装置を提供することを目的とする。また特に、特開平11−236212号の「スラリー反応法を用いる人工ゼオライトの製造方法」において、屑瓦の粉砕物を2〜3規定の水酸化ナトリウム水でゼオライト化させる際に、反応終了後の乾燥時に未反応水酸化ナトリウムが製品の瓦ゼオライトと共に乾燥する際にバインダーとして働き、剪断力のむらで起きる偏流による攪拌羽へのこびりつきや塊状化を回避でき、且つ高剪断力を発生できる羽根を提供することである。また、本発明は、同様に固形物を生成する化学反応を行い、粉砕された生成物を得るのに適した装置を提供する。
本発明は、円筒状の外郭(2)、該外郭の両端部を閉じる二つの端部部材(3,3‘)、該円筒状の外郭(2)の軸方向中心に延在する回転軸部材(4)、および該回転軸部材に固定されたスクリュー(5)を有する粉砕装置(1)において、該スクリュー(5)は該回転軸部材が回転すると一方の端部(以下、A端と言う)から他方の端部(以下、B端と言う)に向かって前進する前進螺旋スクリュー(5’)と該B端から該A端に向かって後退する後退螺旋スクリュー(5’’)とから成り、該前進螺旋スクリュー(5’)の少なくも一部において前進螺旋スクリュー(5’)と回転軸部材(4)との間に、回転軸部材(4)の回転軸に直角の方向から見て回転軸を中心とする円形の空間(6)を与えるように該前進螺旋スクリュー(5’)が欠損しており、該空間(6)の中に後退螺旋スクリュー(5’’)が存在し、該空間(6)の直径はA端からB端に向かって漸増し、対応してスクリュー(5’’)の外径はB端からA端に向かって漸減することを特徴とする粉砕装置(1)である。
以下において、前進螺旋スクリューおよび後退螺旋スクリューを、夫々単に、前進スクリューおよび後退スクリューと言うことがある。
本発明の粉砕装置によれば、粉砕に多大なコストとエネルギーを消費する乾燥した間伐材、青竹、稲藁等の試料の100μm以下への1次粉砕が行え、重量で0.5〜4倍量の水を加え容器を密閉し、150〜270℃での加熱処理を行うことによって、20μm以下への2次粉砕が1つの反応器内で同時に簡便かつ安価に製造することができる。また、本発明の装置に、粗粉砕された褐炭を入れ、該装置を密閉した状態で150〜270℃での加熱下に粉砕処理を行うことによって、褐炭に含まれる水分を石炭組織外に出すことにより石炭水スラリーを得ることができる。また、固形物を生成する化学反応を本発明の粉砕装置内で行って、粉砕された生成物を得ることが出来る。
図1は、本発明の装置の概要を示す、一部を破断した見取図である。 図2は、図1のI-Iで切断した断面図である。 図3は、本発明の装置における前進スクリュー(5‘)及び後退スクリュー(5’’)から成るスクリュー(5)の見取図およびその断面図である。 図4は、本発明の装置の回転軸方向の断面において、前進スクリュー、後退スクリュー、および間隙の容積を示す概念図である。
図1において、円筒状の外郭(2)の両端部は、二つの端部部材(3,3‘)により閉じられている。該二つの端部部材の中央部を貫通して円筒状の外郭の軸方向に延在する回転軸部材(4)があり、該回転軸部材はモーター(9)によって回転される。該回転軸部材には、回転軸部材が回転すると一方の端部(以下、A端と言う)から他方の端部(以下、B端と言う)に向かって被処理物を前進させる前進スクリュー(5’)と、逆に該B端から該A端に向かって被処理物を後退させる後退スクリュー(5’’)が固定されている。該前進スクリュー(5’)の少なくも一部において、図1および図2に示すように、前進スクリュー(5’)と回転軸部材(4)との間に、回転軸部材(4)と直角の方向から見て回転軸部材を中心とする円形の空間(6)を与えるように、該前進スクリュー(5’)が欠損しており、該空間(6)の中に後退スクリュー(5’’)が存在する。以下では、この構成を、「前進スクリューの内側に後退スクリューが潜り込む」と表現することがある。該空間(6)の直径、従って後退スクリューの直径は、A端からB端に向かって漸増し、対応してスクリュー(5’’)の外径はB端からA端に向かって漸減することが、該装置の一つの特徴である。
後退スクリュー(5‘’)の翼の内径側は、回転軸部材(4)に例えば溶接によって固定されている。前進スクリュー(5‘)の内径側は、後退スクリュー(5‘’)の翼の外径側と例えば溶接によって固定されている。後退スクリュー(5‘’)のピッチと前進スクリュー(5‘)のピッチが同じならば、スクリューの1回転あたり2か所で後退スクリュー(5‘’)の翼の外径側と例えば溶接によって固定されることになる。
上記のように前進スクリューの内側に後退スクリューが潜り込む構成とすることによって、装置全体においてより均一な剪断力が得られる。
該前進スクリュー(5’)によりA端からB端に向かって運ばれる被処理物の送り量の計算値と、該後退スクリュー(5’’)によりB端からA端に向かって後退方向へと運ばれる被処理物の戻り量の計算値との比が1:(0.6〜0.9)、特に1:(0.65〜0.85)、より特には1:(0.7〜0.8)であることが好ましい。前進スクリュー(5’)と円筒状の外郭(2)との間隙を流れる物体の流速は、流量の多い方、つまり前進する流れの流速とほぼ同じとなり、間隙を流れる流量と後退スクリューによる流量の合計が、前進スクリューによる流量と同じであることが望ましい。
該前進スクリューと後退スクリューの送り量の比の計算方法について述べる。図4は、装置の断面において、前進スクリュー、後退スクリュー、および間隙の容積を示す概念図である。スクリューのピッチが前進、後退ともに同じである場合には、送り量Aは、円柱22の体積から後退スクリュー部分の円錐台23の体積を差し引いた値に比例する(スクリュー翼自体の体積は、比較的小さいので、無視する)。戻り量Bは、円錐台の体積から攪拌軸部(4)の体積を差し引いた値に比例する。この前進スクリューの送り量Aと戻り量の比、B/Aが、前進スクリューにより前進方向へと試料を運ぶ送り量の計算値と、該後退スクリューにより後退方向へと該試料を運ぶ戻り量の計算値との比として表される。ピッチが違う場合には、前進スクリューと後退スクリューのピッチの比で、上記の送り量Aと戻り量Bを規格化することによって送り量の比を求めることが出来る。該前進スクリュー(5’)のピッチと該後退スクリュー(5’’)のピッチとが同じでもよく、異なっていてもよい。いずれにしても、前進スクリュー(5’)と円筒状の外郭(2)との隙間を流れる流量(間隙を流れる物体の流速は、流量の少ないほうの流速とほぼ同じとなるので容積比で規格化した流量を用いる)と戻り量を加えた値と送り量の比がほぼ0.9〜1.1であることが望ましい。1.1以上では、前進スクリュー(5’)と円筒状の外郭(2)との間隙を被処理物が流れ易いので剪断力の掛かり方が少なく、0.9よりも小さい場合には、流れづらいので、剪断力が大きくなりすぎて、スクリューの回転が阻止されモーターの焼付き等のトラブルの原因となる。
好ましくは、図2に示すように、円筒状の外郭(2)と該前進スクリュー(5’)との間隙において、回転軸部材(4)の回転軸と平行な方向に延在するバッフル突起(7)が存在する。
一般に、間伐材、青竹、稲藁等の試料(縦横200〜500mm、厚さ5〜10mm)を粉砕機により20〜200μmに粉砕するためには多大なエネルギーと費用が必要である。そこで、国際特許出願(PCT/JP2008/06378)図1に記載された攪拌羽根を持つ1軸の20リットルの加圧・加熱型混練装置の羽根を改良し、1軸の前進スクリューに後退スクリューが潜り込むタイプのスクリューを開発した。これによって円筒容器の前進、後退翼が占める容積全体でほぼ均一な剪断力が掛かるようになり処理時間が短縮された。しかし、この新しい羽根においても、スクリューのピッチよりも大きく且つ海草類のように軟らかく滑りを持った試料では、共回りが起き、モーターの電流値が所定電流値を超えストップする事が度々起こった。そこでこのような試料に対しては、共回りの防止として円筒器内部には、投入口から取出し口方向に試料の共回りを防止するために、少なくとも1本のレール状の突起14(図1、図2参照)を取り付けたところ共回りが回避された。この新しい高温・高圧・高剪断力のニーダーを用いて、スクリューのピッチ(80mm)よりも大きい縦横150〜200mm、厚さ5〜10mmの乾燥した間伐材、青竹、稲藁、海草類等の試料を用いて、常温・常圧下で剪断処理を行ったところ、当該試料は粉砕され100μm以下の大きさとなった。この粉砕された試料に、重量で0.5〜4倍量の水を加え容器を密閉し、150〜270℃での加熱処理を行ったところ、間伐材、青竹、稲藁、海草類等の試料はさらに粉砕されて20μm以下の粒子となることを確認した。
さらに、特開平11−236212号の「スラリー反応法を用いる人工ゼオライトの製造方法」に示された方法を用いて、屑瓦の粉砕物(1重量部)を2〜3規定の水酸化ナトリウム水(1.2重量部)を加えてゼオライト化させる反応を本発明による装置を用いて実施した。この反応は、アルカリ濃度を一定に保つために蒸気を抜きながら反応させるために、反応終了後は乾燥状態となる。PCT/JP2008/06378に記載の装置では、未反応水酸化ナトリウムが製品の瓦ゼオライトと共に乾燥する際にバインダーとして働くために、剪断力のむらによって起きる偏流によって攪拌羽裏や前進スクリュー12を支えている後退スクリュー13上の固定用板14の下側へのこびりつきや塊状化を起こしていたが、本発明の装置ではこれらのトラブルを回避でき、且つ高剪断力によってより細かく粉砕されたゼオライトが得られることを確認した。
図1は、上記した構成を有する粉砕装置を稼働させるための付随部品をもしめす。被処理物投入口(10)から、被処理物が入れられる。粉砕された被処理物は排出口(11)から排出される。投入口(10)の近傍では、後退スクリュー(5’’)を設けずに、前進する方向の送り込みスクリュー(8)のみを設けることが好ましい。これは粉砕作用を有さないで単に被処理物を進め、後退スクリュー(5‘’)からの戻りを押し止めるために、そのピッチは前進スクリュー(5‘)のピッチと同じか、あるいはより大きくすることが好ましい。粉砕処理は、通常バッチ処理なので、被処理物を投入した後に被処理物投入用口(10)は閉じられ、排出口は閉じたままで、粉砕処理が行われ、処理が終了後に排出口が開けられて、製品が取り出される。例えば、バガス、間伐材、稲藁、麦藁および青竹から選ばれた被処理物を平均粒径100μm以下に粉砕した後に、被処理物に対して0.5〜4重量倍の水を加え、該装置を密閉した状態で150〜270℃での加熱下に粉砕処理を行う場合には、生成した蒸気あるいは生成ガスを逃してやるための気体排出口(12)を設けることができ、装置内の圧力をモニターするためのブルドン管圧力計(13)を設けることができる。装置内を加圧するために、加圧されたガス、例えば不活性ガスを導入するための加圧ライン(14)を設けることができる。粉砕作用をする区域の温度および圧力をモニターするために熱電対と圧力伝送器を一体化したモニター装置(15)、および熱電対とサニタリー型オイルフリー圧力センサーASG702を一体化したモニター装置(16)を設ける。国際特許出願(PCT/JP2008/06378)でも示したように、A端方向からの流れとB端方向からの流れがぶつかり合い攪拌装置外壁に向かって流れを作り、この流れの強さがモニター装置(16)の位置で圧力として検出できる。この検出された圧力値と軸トルクの測定値を用いて求めた剪断力が、株式会社山武のサニタリー型オイルフリー圧力センサーASG702を用いて測定した値と同じであることが分かった。そこで、当該センサーを剪断力測定に用いた。また、加熱するためのジャッケトが円筒状の外郭の外に備えられている(図示せず)。
本発明の粉砕装置(図1)を用いて1段階で100μm以下に粉砕処理されうる物質として、バガス、間伐材、稲藁、麦藁、青竹やトウモロコシの芯や軸などの廃棄物等が挙げられるが、これらに限定されない。また、ゼオライト化反応のように、脱水や反応によって固形化する製品を粉末の形で得る作ることが出来る反応器として本発明の粉砕装置(図1)を用いることができる。
国際特許出願(PCT/JP2008/06378)に示したように、前進スクリューにより試料を進める能力と、後退スクリューにより試料を後ろへ戻す能力とのバランスを故意に崩して、該前進スクリューにより前進方向へと該試料を運ぶ送り量の計算値と、該後退スクリューにより後退方向へと試料を運ぶ戻り量の計算値との比を1:0.6〜0.9、好ましくは1:0.65〜0.85、より好ましくは1:0.7〜0.8に設定する。これによって、試料の流れがかき乱されて、試料は激しく揉まれることになる。送り量と戻り量の比を上記と逆にしても同じことであるが、装置の設計上からは、上記のようにするのが容易である。この比を上記の範囲の外、例えば1:1にすると、本発明が意図するほどの100μm以下に微粉砕することを実現できない。その理由は、おそらく前進流と戻り流が比較的整然と流れるので、高い剪断力が生じないのであろう。
本発明において剪断力は、装置内の加圧によってさらに高められる。図1に示す装置において、送り量1.0に対して戻り量を0.6〜1.0とするいくつかの攪拌羽根を用いて、バガス、間伐材、稲藁、麦藁、青竹、とうもろこしの芯あるいは軸を常圧下で100μm以下に予備粉砕し、次に常温・常圧下でさらに1時間処理しても粒度に変化は見られなかった。そこで常温下で窒素ガスで1.5 MPaまで加圧し、さらに60分間の剪断処理をしたところ1〜10μmにまで粉砕された。このように加圧によって剪断力が増加することが観測された。
本発明に従う破砕時(及び予備粉砕時)の剪断力の上限は、20MPa、好ましくは10MPa、より好ましくは5MPa、更に好ましくは3MPaであり、下限は0.1MPa、好ましくは0.3MPa、より好ましくは0.5MPaである。上記上限を超えては、モーター動力負荷が大きくなり処理コストが嵩む、上記下限未満では、粉砕が不十分である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
実施例1において使用した試料は、下記の表1の性状を有する。
稲藁
大きさ 長さ150〜200mmに切断したもの
水分 3.1重量%
上記の水分は、株式会社ケット科学研究所製の赤外線水分計FD−720を用いて測定された。
攪拌装置として、内容量は、20リットルであり、5.5kWのモーターを備えた、図1に示されている攪拌装置を使用した。先ず、送り量の計算値と戻り量の計算値の比が1.0:0.8であるスクリューを使用し、撹拌羽根を20rpmで回転させながら、稲藁3kgと水9kgの混合物を常温常圧下で試料投入口10に入れた。投入完了時には圧力センサーASG702(図1の16)の指示は1.1MPa(ゲージ圧:以下同じ)を示した。次いで、羽根回転軸部材(4)の回転を20rpmに維持しつつ、内部の圧力を窒素で1.8MPaまで加圧後、加熱を開始し、内部の温度を220℃に調節した。該温度に達した後、被処理物投入口(10)側にある圧力計213はこの温度における飽和蒸気圧に近い3.0MPaを示していたが、中間位置の圧力センサー16の指示は3.25MPaであり、モーター電流値は、25.4アンペア(最大負荷の92.4%)であった。しかし時間経過に従って20μm以下への粉砕が進行し、スラリー状の被処理物の粘度低下に伴って圧力センサー16(剪断力を測定する)の指示が被処理物投入口(10)の圧力計13と同じ指示を示した。円筒状外郭内の温度及びモーター回転数を保持しつつ1時間処理を続行した。その後、環境温度まで冷却して生成スラリーを取り出した。生成スラリー中の粒子粒度は、電子顕微鏡観測においてほぼ100%が10μm以下であった。
実施例2
実施例2において使用した試料は、下記の性状を有する。
瓦の粉砕物
大きさ 30〜60メッシュ
水分 2.1重量%
特開平11−236212号の「スラリー反応法を用いる人工ゼオライトの製造方法」に当該装置を用いた。屑瓦の30〜60メッシュの粉砕物9kgに2規定の水酸化ナトリウム水10.8kg(重量比1.2)を加えてゼオライト化させる反応を行い、反応促進のためにアルカリ濃度を一定に保つために蒸気を抜きながら反応させた。また、比較のために国際特許出願(PCT/JP2008/06378)に記載の装置を用いて同じ実験を行った。比較実験では反応終了後、剪断力のむらによって起きる偏流で攪拌羽へのこびりつきや塊状化が起きているが、本発明による装置ではそれが起こらず、且つ高剪断力によって60メッシュ以下に細かく粉砕されたゼオライトが得られた。なお、比較実験で得られた瓦ゼオライトのCEC(吸着能力を表す指数)は110であったが、本発明による装置では、145と高かった。
実施例3
WO2005/007783「含水石炭の脱水方法」の実施例3と同じ褐炭(水分58.8%、灰分0.4%、揮発分22.2%)の30〜100メッシュ粉砕品を用い、同じ実験条件(処理温度200℃、処理時間1時間、剪断力1.0MPa)で処理したところ、得られたスラリーの粘度は、152cPとなり、実施例3の900cPよりも低粘度のスラリーが得られた。
実施例4
WO2006/030510「含水可燃性固体の脱水方法」の実施例2と同じ汚泥(水分52.1%、灰分16.8%、揮発分25.4%、固定炭素5.7%)を用い、剪断力を0.5MPaとなるよう試料投入量を少なくして、同じ処理温度の170℃で40分処理して得られたスラリーの粘度は、427cPとなり、処理時間が40分と2/3と短くなったが、実施例2の450cPよりも若干低粘度のスラリーが得られた。
これらの結果から、本発明による装置は、本発明者の上記した旧装置と比べて装置内の前進後退翼のある領域で均一に剪断力が発生していると言える。
1.粉砕装置
2.円筒状の外郭
3.端部部材(フランジ)
4.回転軸部材
5.剪断力を与えることが出来る撹拌羽根
6.円形の空間
7.バッフル突起(レール状)
8.送り込みスクリュー
9.モーター
10.試料投入口
11.試料排出口
12.気体排出口
13.ブルドン管圧力計
14.加圧ライン
15.熱電対と圧力伝送器を一体化したモニター装置
16.サニタリー型オイルフリー圧力センサーASG702と熱電対を一体化したモニター装置
産業上の利用可能性
従来では、バガス、間伐材、稲藁、麦藁、青竹やトウモロコシの芯や軸などの試料を微粉砕するためには、前処理としてカッターミル等の粗粉砕設備の導入が不可欠であった。本発明により、微粉砕しようとするバガス、間伐材、稲藁、麦藁、青竹やトウモロコシの芯や軸などの試料を乾燥状態で高剪断力を用いて100μm以下に1段階で粉砕できる装置を提供する。また、水を0.5〜4重量倍加えての高温・高圧・高剪断処理を行うことによって、20μm以下への微粉砕を行うことが出来る装置を提供するものである。あるいは、反応によって固化する生成物をあたえる反応を該装置で実施することによって、粉末状態の生成物を得ることが出来る。

Claims (10)

  1. 円筒状の外郭(2)、該外郭の両端部を閉じる二つの端部部材(3,3‘)、該円筒状の外郭(2)の軸方向中心に延在する回転軸部材(4)、および該回転軸部材に固定されたスクリュー(5)を有する粉砕装置(1)において、該スクリュー(5)は該回転軸部材が回転すると一方の端部(以下、A端と言う)から他方の端部(以下、B端と言う)に向かって前進する前進螺旋スクリュー(5’)と該B端から該A端に向かって後退する後退螺旋スクリュー(5’’)とから成り、該前進螺旋スクリュー(5’)の少なくも一部において前進螺旋スクリュー(5’)と回転軸部材(4)との間に、回転軸部材(4)の回転軸に直角の方向から見て回転軸を中心とする円形の空間(6)を与えるように該前進螺旋スクリュー(5’)が欠損しており、該空間(6)の中に後退螺旋スクリュー(5’’)が存在し、該空間(6)の直径はA端からB端に向かって漸増し、対応してスクリュー(5’’)の外径はB端からA端に向かって漸減することを特徴とする粉砕装置(1)。
  2. 該前進螺旋スクリュー(5’)によりA端からB端に向かって運ばれる被処理物の送り量の計算値と、該後退螺旋スクリュー(5’’)によりB端からA端に向かって後退方向へと運ばれる被処理物の戻り量の計算値との比が1:(0.6〜0.9)であるところの請求項1記載の粉砕装置。
  3. 該比が1:(0.65〜0.85)である、請求項1または2記載の粉砕装置。
  4. 該比が1:(0.7〜0.8)である、請求項1または2記載の粉砕装置。
  5. 前進螺旋スクリュー(5’)と円筒状の外郭(2)との隙間を単位時間に通過する物質の量に単位時間当たりの戻り量を加えた値と、単位時間当たりの送り量との比が0.9〜1.1である(量はいずれも設計計算値である)ところの請求項1から4のいずれか1項に記載の粉砕装置。
  6. 円筒状の外郭(2)と該前進螺旋スクリュー(5’)との間隙において、回転軸部材(4)の回転軸と平行な方向に延在するバッフル突起(7)を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉砕装置。
  7. 0.3〜10MPaの剪断力を発生する請求項1〜6項のいずれか1項記載の粉砕装置。
  8. 請求項1〜7項のいずれか1項記載の粉砕装置を用いて、バガス、間伐材、稲藁、麦藁、青竹、トウモロコシの芯もしくは軸、及び海草から選ばれた被処理物を平均粒径100μm以下に粉砕した後に、被処理物に対して0.5〜4重量倍の水を加え、該装置を密閉した状態で150〜270℃での加熱下に粉砕処理を行うことによって、平均粒径20μm以下への2次粉砕を行うところの固形物の粉砕方法。
  9. 請求項1〜7項のいずれか1項記載の粉砕装置に粗粉砕された褐炭を入れ、該装置を密閉した状態で150〜270℃での加熱下に粉砕処理を行うことによって、褐炭に含まれる水分を石炭組織外に出ることにより石炭水スラリーを得る方法。
  10. 固形物を生成する化学反応を請求項1〜7項のいずれか1項記載の粉砕装置内で行って、粉砕された生成物を得る方法。
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