JP5642718B2 - 競技用計時システム、および、計時機器 - Google Patents

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Description

本発明は、競技用計時システム、計時機器および計時方法に関する。特に、陸上競技等に適用され、競技者のタイムを正確に求めることのできる競技用計時システム、計時機器および計時方法に関する。
近年、陸上競技等において、送信機を備えた無線タグ(トランスポンダ)を競技者個々に保持させ、この無線タグの送信機から送られる情報により、競技タイム(競技者のタイム)を正確に測定する試みがなされている。
このような無線タグを使用する競技タイムの計時方法の一例について説明する。競技者が計時ライン(フィニッシュライン等)へ到達した際の競技タイムを計時する場合、例えば、計時ライン上に、単ループのコイルにより上から見て楕円形状の磁界を発生させ、この楕円の中心線が計時ラインと重なるようにする。そして、磁界検出器と送信機とを備えた無線タグを競技者に保持させる。この無線タグを保持した競技者が、計時ラインに到達すると、無線タグの磁界検出器が磁界を検出する。この磁界の検出に応答して、無線タグの送信機は所定のID(識別番号等)を複数回送信する。複数回のIDの送信のうち、最初のIDの送信時刻(以下、時刻STという)、又は最後の送信時刻(以下、時刻ETという)或いは最初と最後の送信時刻の和の1/2の値に相当する時刻(以下、時刻MTという)のいずれかを競技タイムとして算出する。
かかる無線タグを使用する計時システムに関して、受信したIDの受信回数から、競技者の周回数をカウントする技術(特許文献1)や、無線タグの送信機をUHF帯の微弱送信機とすることで、送信機の通信距離の拡大を図る技術(特許文献2)が開示されている。
特開2003−141497号公報 特開2004−125765号公報
しかしながら、上記した計時システムでは、競技タイムを正確に計時できない場合があった。具体的には、上述した時刻ST又は時刻ETを競技タイムとする場合、次のような問題点があった。
(1)磁界のエリアが上から見て楕円形をしている。このため、コイルの中心付近での磁界の検出位置とコイルの端部付近での磁界の検出位置とに誤差が生じる。
(2)無線タグを複数使用する場合、無線タグ個々の磁界検出能力にばらつきがあるため、コイル上の磁界に対して同じ検出位置になるとは限らない。
(3)コイルに流す電流を制御すると、磁界が変化するため、磁界(楕円の中心線)をフィニッシュラインに重なるようにするのが困難である。
これらの問題点のため、従来の計時システムでは、時刻ST、時刻ET、時刻MTのいずれにも誤差が生じてしまい、競技タイムを正確に計時することができないという問題があった。
本願発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、競技者のタイムを正確に求めることのできる競技用計時システム、計時機器および計時方法を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る競技用計時システムは、
競技者に保持される計時機器と、走路上に電磁場を発生させる電磁場発生機器と、を含む競技用計時システムであって、
前記電磁場発生機器は、
略8の字形状に形成され、走路上の計時ラインに重ねて配置されたアンテナと、
前記アンテナに所定周波数の発振信号を供給する発振手段と、を備え、前記アンテナと前記発振手段とにより、隣接した2つの電磁場を前記計時ラインを挟むように生成し、
前記計時機器は、
競技において基準となる時刻を計時する計時手段と、
前記計時ラインを挟むように生成されている前記2つの電磁場、及び、当該2つの電磁場の切れ間となるスリットを、検出信号の立ち上がり及び立ち下がりによって検出する検出手段と、
競技者の速度を算定する算定手段と、
前記算定手段により算定された前記速度に基づいて、前記スリットの検出を打ち切るためのタイムアウト時間を前記スリットの時間幅よりも長くなるように設定する設定手段と、
前記検出手段が1回目の電磁場の検出を終えてから、前記設定手段により設定されたタイムアウト時間が経過するまでの間に、2回目の電磁場を検出した場合に、前記スリットの両端部にて計時された時刻の和を2で除算することにより競技タイムを計測し、当該2回目の電磁場を検出しないまま前記タイムアウト時間が経過した場合に、前記検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、前記競技タイムを計測する計測手段と、を備える、
ことを特徴とする。
この発明によれば、電磁場発生機器は、アンテナと発振手段とにより、隣接した2つの電磁場を計時ラインを挟むように生成する。
競技者に保持される計時機器では、計時手段が、競技において基準となる時刻(例えば、ランニングタイム等)を計時する。また、検出手段は、計時ラインを挟むように生成されている2つの電磁場、及び、当該2つの電磁場の切れ間となるスリットを、検出信号の立ち上がり及び立ち下がりによって検出する。また、算定手段は、競技者の速度を算定する。また、設定手段は、算定された速度に基づいて、スリットの検出を打ち切るためのタイムアウト時間をスリットの時間幅よりも長くなるように設定する。そして、計測手段は、検出手段が2つの電磁場の切れ間となるスリットを検出したか否かに応じて、異なる手法で競技タイムを計測する。これは、種々の要因からスリット幅が細くなってしまい、検出手段がスリットを検出できないことも、現実には起こり得るためである。
すなわち、計測手段は、検出手段が1回目の電磁場の検出を終えてから、タイムアウト時間が経過するまでの間に、2回目の電磁場を検出した場合に、スリットの両端部にて計時された時刻の和を2で除算することにより競技タイムを計測する。一方、検出手段が当該2回目の電磁場を検出しないままタイムアウト時間が経過した場合に、検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、競技タイムを計測する。
この結果、競技者のタイムを正確に求めることができる。
前記計時機器は、
前記計測手段が計測した前記競技タイムを、近傍の受信機器に向けて送信する通信手段を更に備え、
前記設定手段は、前記通信手段による前記受信機器への通信が行える通信可能エリアに基づいて、前記通信手段が前記競技タイムを送信することが可能となる、前記1回目の電磁場の検出を終えてからの上限時間を更に設定し、
前記計測手段は、前記検出手段が前記1回目の電磁場の検出を終えてから、前記タイムアウト時間が経過する前であっても、前記2回目の電磁場の検出しないまま前記上限時間が経過した場合に、前記検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、前記競技タイムを計測し、
前記通信手段は、前記計測手段が前記上限時間の経過を契機に前記競技タイムを計測しても、通信可能エリアから逸脱しない範囲で、前記競技タイムを前記受信機器に向けて送信してもよい。
すなわち、計測手段は、タイムアウト時間が経過する前であっても、2回目の電磁場を検出することなく上限時間が経過してしまえば、スリットを検出しなかったと強制的に判別して、2つの電磁場の中間の時刻を競技タイムとして計測する。そして、通信手段は、通信可能エリアから逸脱しない範囲で、競技タイムを受信機器に向けて送信する。
この結果、競技者のタイムを正確に求めることができ、また、そのタイムの送信を通信可能エリア内にて適切に行うことができる。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る計時機器は、
競技者に保持される計時機器であって、
競技において基準となる時刻を計時する計時手段と、
走路上の計時ラインを挟み隣接して生成されている2つの電磁場、及び、当該2つの電磁場の切れ間となるスリットを、検出信号の立ち上がり及び立ち下がりによって検出する検出手段と、
競技者の速度を算定する算定手段と、
前記算定手段により算定された前記速度に基づいて、前記スリットの検出を打ち切るためのタイムアウト時間を前記スリットの時間幅よりも長くなるように設定する設定手段と、
前記検出手段が1回目の電磁場の検出を終えてから、前記設定手段により設定されたタイムアウト時間が経過するまでの間に、2回目の電磁場を検出した場合に、前記スリットの両端部にて計時された時刻の和を2で除算することにより競技タイムを計測し、当該2回目の電磁場を検出しないまま前記タイムアウト時間が経過した場合に、前記検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、前記競技タイムを計測する計測手段と、
を備えることを特徴とする。
この発明によれば、計時手段は、競技において基準となる時刻(例えば、ランニングタイム等)を計時する。また、検出手段は、計時ラインを挟むように生成されている2つの電磁場、及び、当該2つの電磁場の切れ間となるスリットを、検出信号の立ち上がり及び立ち下がりによって検出する。また、算定手段は、競技者の速度を算定する。また、設定手段は、算定された速度に基づいて、スリットの検出を打ち切るためのタイムアウト時間をスリットの時間幅よりも長くなるように設定する。そして、計測手段は、検出手段が2つの電磁場の切れ間となるスリットを検出したか否かに応じて、異なる手法で競技タイムを計測する。これは、種々の要因からスリット幅が細くなってしまい、検出手段がスリットを検出できないことも、現実には起こり得るためである。
すなわち、計測手段は、検出手段が1回目の電磁場の検出を終えてから、タイムアウト時間が経過するまでの間に、2回目の電磁場を検出した場合に、スリットの両端部にて計時された時刻の和を2で除算することにより競技タイムを計測する。一方、検出手段が当該2回目の電磁場を検出しないままタイムアウト時間が経過した場合に、検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、競技タイムを計測する。
この結果、競技者のタイムを正確に求めることができる。
前記計測手段が計測した前記競技タイムを、近傍の受信機器に向けて送信する通信手段を更に備え、
前記設定手段は、前記通信手段による前記受信機器への通信が行える通信可能エリアに基づいて、前記通信手段が前記競技タイムを送信することが可能となる、前記1回目の電磁場の検出を終えてからの上限時間を更に設定し、
前記計測手段は、前記検出手段が前記1回目の電磁場の検出を終えてから、前記タイムアウト時間が経過する前であっても、前記2回目の電磁場の検出しないまま前記上限時間が経過した場合に、前記検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、前記競技タイムを計測し、
前記通信手段は、前記計測手段が前記上限時間の経過を契機に前記競技タイムを計測しても、通信可能エリアから逸脱しない範囲で、前記競技タイムを前記受信機器に向けて送信してもよい。
すなわち、計測手段は、タイムアウト時間が経過する前であっても、2回目の電磁場を検出することなく上限時間が経過してしまえば、スリットを検出しなかったと強制的に判別して、2つの電磁場の中間の時刻を競技タイムとして計測する。そして、通信手段は、通信可能エリアから逸脱しない範囲で、競技タイムを受信機器に向けて送信する。
この結果、競技者のタイムを正確に求めることができ、また、そのタイムの送信を通信可能エリア内にて適切に行うことができる。
本発明によれば、競技者のタイムを正確に求めることのできる競技用計時システム、計時機器および計時方法を実現できる。
本発明の実施形態に係る競技用計時システムの構成の一例を示す模式図である。 (a)が走路上に配置された単ループLFマットアンテナの一例を示す模式図であり、(b)が単ループLFマットアンテナ上に生成される電磁場の一例を示す模式図である。 (a)が走路上に配置された8の字LFマットアンテナの一例を示す模式図であり、(b)が8の字LFマットアンテナ上に生成される電磁場の一例を示す模式図であり、(c)が電磁場に重畳される地点情報の一例を示す模式図である。 トランスポンダの構成の一例を示すブロック図である。 (a)が単ループLFマットアンテナ上における電磁場の検出の様子を説明するための模式図であり、(b)が8の字LFマットアンテナ上における電磁場の検出の様子を説明するための模式図である。 (a)〜(e)共に、電磁場の検出とタイムアウト時間等との関係を説明するための模式図である。 本発明の実施形態に係るタイム計測処理を説明するためのフローチャートである。
本願発明の実施の形態に係る競技用計時システムについて、以下、図面を参照して説明する。なお、一例として、本願発明の競技用計時システムがマラソン競技に適用された場合について説明する。このマラソン競技においては、競技タイム(競技者のタイム)を、ゴール地点(フィニッシュ地点)だけでなく、途中の中継地点等においても計測を行う。競技タイムを計測するこれらの各地点を、以下では、便宜的にまとめてタイム計測地点として説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る競技用計時システムの具体的な構成の一例を示す模式図である。
図示するように、この競技用計時システムは、タイマ機器10、時刻配信用LF発信機20、単ループLFマットアンテナ21、タイム計測用LF発信機30、8の字LFマットアンテナ31、RF受信機40、処理装置50、及び、トランスポンダ60を含んで構成されている。
なお、タイマ機器10〜処理装置50は、タイム計測地点に適宜配置されており、また、トランスポンダ60は、競技者RNに保持されており、競技者RNの走行方向Dは、矢印で示した方向である。
タイマ機器10は、マラソン競技における基準時刻となるランニングタイムを計時する。
例えば、タイマ機器10は、競技のスタート予定時刻までダウンカウントし、スタート予定時刻からランニングタイムをアップカウントする。
なお、マラソン競技では、予定時刻通りに競技が開始されない場合もある。そのため、実際に競技が開始されると、タイマ機器10は、正確なランニングタイムを計時している他のタイマ機器(例えば、スタータのピストルからスタート信号が供給され、それを契機にランニングタイムを計時しているタイマコンソール等)との間で、所定の時刻同期処理を行うようになっている。
時刻配信用LF(Low Frequency)発信機20は、競技が行われる走路の沿道等に配置されており、走路上に配置されている単ループLFマットアンテナ21にLF信号を供給して、時刻配信用の電磁場を発生させる。
具体的に時刻配信用LF発信機20は、所定周波数(一例として、125kHz)のLF信号を発生させる信号発生回路と、タイマ機器10が計時しているランニングタイム(データ)を順次取得するデータ取得回路と、取得したランニングタイムに従ってLF信号を変調させる変調回路と、変調されたLF信号(ランニングタイムが重畳された変調LF信号)を増幅して単ループLFマットアンテナ21に供給する電力増幅回路とを含んで構成される。
すなわち、時刻配信用LF発信機20は、単ループLFマットアンテナ21上に、ランニングタイムを重畳させた電磁場を生成することで、その上を通過する競技者RNのトランスポンダ60に向けてランニングタイムを配信する。
単ループLFマットアンテナ21は、例えば、所定の大きさの矩形外周に沿って形成されたコイルであり、競技が行われる走路上に配置されている。この単ループLFマットアンテナ21は、8の字LFマットアンテナ31よりも手前側(タイム計測地点に向かっている競技者RN側)に配置されている。
具体的な単ループLFマットアンテナ21について、図2(a),(b)を参照して説明する。なお、図2(a)は、走路(地表)を上から見た平面図(x−y方向)であり、一方、図2(b)は、走路を横から見た側面図(x−z方向)である。
単ループLFマットアンテナ21は、図2(a)に示すように、競技者RNの走行方向Dに対して直交するように延びる直線bを中心線として、平行に所定距離だけ隔てた直線a、cに沿って略矩形に形成されている。そして、1辺に給電点sが設けられており、この給電点sから矢印方向に電流が流れるようになっている。
この単ループLFマットアンテナ21は、時刻配信用LF発信機20から給電点sを通じて変調LF信号が供給されると、コイル上に交流電磁場を生成する。具体的には、図2(b)に示すような電磁場210を生成する。この電磁場210には、一例として、OOK(On-Off-Keying)等の振幅変調方式にてランニングタイムが重畳されている。
なお、後述するように、トランスポンダ60は、このような変調された電磁場210を検出すると、スリープモード(低消費電力モード)からアクティブモード(通常動作モード)に移行し、配信されたランニングタイムを受信できるようになっている。
図1に戻って、タイム計測用LF発信機30は、競技が行われる走路の沿道等に配置されており、走路上に配置されている8の字LFマットアンテナ31にLF信号を供給してタイム計測用の電磁場を発生させる。
具体的にタイム計測用LF発信機30は、所定周波数のLF信号を発生させる信号発生回路と、地点情報(例えば、タイム計測地点を示す識別情報等)に従ってLF信号を変調させる変調回路と、変調されたLF信号(地点情報が重畳された変調LF信号)を増幅して8の字LFマットアンテナ31に供給する電力増幅回路とを含んで構成される。
8の字LFマットアンテナ31は、所定の間隔を空けて並べた2つの矩形(所定の大きさの矩形)の外周を略8の字状に沿って形成されたコイルであり、計測ラインL上に適宜重ねて配置されている。
具体的な8の字LFマットアンテナ31について、図3(a),(b)を参照して説明する。なお、図3(a)は、走路(地表)を上から見た平面図(x−y方向)であり、一方、図3(b)は、走路を横から見た側面図(x−z方向)である。
8の字LFマットアンテナ31は、図3(a)に示すように、矩形のコイル部が競技者RNの走行方向Dに2つ連なった8の字状となっている。つまり、走行方向Dに対して直交するように延びる直線bを一辺(各一辺)とし、直線bと平行に所定距離だけ隔てた直線a、cをそれぞれの他方の辺とする2つのコイル部を有する8の字状に形成されている。なお、8の字LFマットアンテナ31は、この直線bが上述した計測ラインLと重なるように配置されている。
また、8の字LFマットアンテナ31は、8の字順方向巻きとなっており、8の字の中心(中点)、すなわち交差部に給電点sが設けられており、この給電点sから矢印方向に電流が流れるようになっている。
この8の字LFマットアンテナ31は、タイム計測用LF発信機30から給電点sを通じて変調LF信号が供給されると、各コイル部上に交流電磁場を生成する。具体的には、図3(b)に示すように、一方のコイル部上に第1の電磁場310aを生成するとともに、他方のコイル部上に第2の電磁場310bを生成する。これら第1の電磁場310aと第2の電磁場310bとは、走行方向Dに沿って隣接しており、この隣接する直線b付近では電磁界の方向が互いに異なっている。そのため、この直線b上(つまり、計測ラインL上)において、電磁力が打ち消し合われて、電磁場の切れ間(スリット)が生じることになる。
なお、後述するように、トランスポンダ60は、このようなスリット等を検出することによって、競技タイムを計測できるようになっている。
また、これら第1の電磁場310a及び、第2の電磁場310bには、例えば、OOK等の振幅変調方式にて地点情報が重畳されている。一例として、図3(c)に示すように、1パケットが、7mS(ミリ秒)のプリアンブル(無変調)、1mSのスタートギャップ(信号停止)、及び、24mSの地点情報(変調されたデータ)から構成され、32mSサイクルで繰り返し出力される。
図1に戻って、RF(Radio Frequency)受信機40は、8の字LFマットアンテナ31の近傍に配置されており、8の字LFマットアンテナ31上を通過した競技者RNのトランスポンダ60から送られるRF信号を受信する。このRF信号には、計測ラインL上にて計測(算出)された競技タイム、及び、トランスポンダ60(競技者RN)を識別するためのトランスポンダID等が含まれている。
なお、後述するように、トランスポンダ60は、他のトランスポンダ60とのコリジョン(衝突)の発生を考慮して、ランダムな間隔で複数回に亘ってRF信号を送信する。
そして、RF受信機40は、このようなRF信号を受信して競技タイム等を取得し、取得した競技タイム等を処理装置50に供給する。
処理装置50は、RF受信機40の近傍に配置されたパーソナルコンピュータ等からなり、各競技者RNの競技タイム等を集計する。
例えば、処理装置50は、RF受信機40から供給される競技タイム等を取得すると、所定の記憶部(ハードディスク等)に記憶する。そして、所定のタイミングで、集計した競技タイム等を図示せぬ記録室(遠隔地に存在するデータセンタ等)に送信する。一例として処理装置50は、通信回線(電話回線等)を通じて、集計した競技タイム等を記録室に送信する。
一方、競技者RNに保持されるトランスポンダ60は、例えば、競技者RNの胸ゼッケンに取り付けられる計時機器であり、競技者RNと共に走路上を移動して、競技タイムを計時する。
つまり、競技者RNの移動に伴い、トランスポンダ60は、単ループLFマットアンテナ21上にてランニングタイムを取得し、また、8の字LFマットアンテナ31上にて競技タイムを計測する。
以下、このトランスポンダ60の詳細を、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るトランスポンダ60の具体的な構成の一例を示す模式図である。
図4に示すように、トランスポンダ60は、LFアンテナ61と、増幅回路62と、検出回路63と、復調回路64と、制御部65と、計時部66と、記憶部67と、通信回路68と、RFアンテナ69とを含んで構成される。
LFアンテナ61は、例えば、平面コイル状のアンテナ等からなり、電磁信号を効率的に電圧信号に変換する。具体的には、トランスポンダ60が競技者RNに取り付けられた状態で、走路に対して垂直方向の電磁場を検出できるように、検出面が水平方向に設定されており、単ループLFマットアンテナ21、及び、8の字LFマットアンテナ31上に生成される電磁場を検出し、変調されたLF信号を受信する。
そして、受信アンテナ61は、受信したLF信号(電圧信号)を増幅回路62に供給する。
増幅回路62は、LFアンテナ61から供給されるLF信号を適宜増幅する。例えば、LF信号のプリアンブルを基準としてAGC(Automatic Gain Control)により増幅率を自動的に調節し、増幅後のLF信号を検出回路63及び復調回路64に供給する。
検出回路63は、増幅回路62から供給されるLF信号(電磁界強度)に基づいて、電磁場の有無を示す検出信号を生成し、制御部65等に供給する。
例えば、単ループLFマットアンテナ21上において、検出回路63は、図5(a)に示すように、LF信号(電磁場210の電磁界強度)が閾値を超えると検出信号をHi(High)とし、一方、LF信号が閾値以下になると検出信号をLo(Low)とする。
つまり、走行方向Dに沿って競技者RNが移動すると、検出信号をLoにしていた検出回路63は、電磁場210の電磁界強度が閾値を超えた時刻Taにて検出信号をHiに変化させる。その後、検出信号をHiにしていた検出回路63は、電磁場210の電磁界強度が閾値以下となった時刻Tbにて検出信号をLoに変化させる。
同様に、8の字LFマットアンテナ31上において、検出回路63は、図5(b)に示すように、LF信号(第1の電磁場310a,第2の電磁場310bの電磁界強度)が閾値を超えると検出信号をHiとし、一方、LF信号が閾値以下になると検出信号をLoとする。
つまり、走行方向Dに沿って競技者RNが移動すると、検出信号をLoにしていた検出回路63は、まず、第1の電磁場310aの電磁界強度が閾値を超えた時刻Taにて検出信号をHiに変化させる。その後、検出信号をHiにしていた検出回路63は、第1の電磁場310aの電磁界強度が閾値以下となった時刻Tbにて検出信号をLoに変化させる。続いて、検出回路63は、第2の電磁場310bの電磁界強度が閾値を超えた時刻Tcにて検出信号をHiに変化させる。その後、検出信号をHiにしていた検出回路63は、第2の電磁場310bの電磁界強度が閾値以下となった時刻Tdにて検出信号をLoに変化させる。
このような、8の字LFマットアンテナ31上おける時刻Tbから時刻Tcの間、すなわち、検出信号の1回目の立ち下がり(HiからLo)から、2回目の立ち上がり(LoからHi)までが、スリット(電磁場の切れ間)として検出される。
上述したように、第1の電磁場310aと第2の電磁場310bとの境界となる直線bが計測ラインL上となるように8の字LFマットアンテナ31が配置されているため、このようなスリットの中間の時刻、つまり、(時刻Tb+時刻Tc)/2が、計測ラインL上の競技タイムとなる。
それでも、以下のような要因から、スリット幅が細く(狭く)なる場合もある。
・競技者RNの上下動
・ゼッケンがたわんだ状態で取り付けられることによるトランスポンダ60のばたつき
・トランスポンダ60(ゼッケン)の位置が基準よりも低い
・LF受信感度のばらつき
このような要因からスリット幅が細くなると、LF信号のスタートギャップとの関係で、スリットが検出できない状況も起こり得る。つまり、上述した図3(c)に示すように、LF信号のスタートギャップが1mSであるため、それ以上のスリット幅が必要となることろ、上述した要因によりスリット幅がこの1mSよりも細くなると、検出回路63にてスリットが検出できないことになる。
そのため、後述するように、制御部65では、このようなスリットが検出できない場合も考慮して、競技タイムを計測する。
図4に戻って、復調回路64は、変調されたLF信号を復調する。例えば、検出回路63の検出信号がHiの場合に、増幅回路62から供給されるLF信号を復調する。
具体的に復調回路64は、単ループLFマットアンテナ21上において、LF信号を復調してランニングタイムを得る。同様に、8の字LFマットアンテナ31上において、LF信号を復調して地点情報を得る。
復調回路64は、復調したデータ(ランニングタイムや地点情報)を制御部65に供給する。
制御部65は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)/RAM(Random Access Memory)等のメモリとを含んで構成され、トランスポンダ60全体を制御する。なお、ROMには、後述するタイム計測処理等を実行するためのプログラムが予め記憶されている。すなわち、ROM内のプログラムが読み出されてCPUにて実行されることにより、制御部65として機能する。また、RAMには、処理に必要な種々の情報が記憶される。
この制御部65は、電力消費を抑えたスリープモードと、実際の動作を行うアクティブモードとの何れかに切り替え可能となっている。
例えば、競技開始前に所定動作の確認を終えると、制御部65は、スリープモードに移行する。その後、競技が開始され、競技者RNが単ループLFマットアンテナ21上に到達すると、制御部65は、スリープモードからアクティブモードに移行する。そして、制御部65は、配信されるランニングタイムを復調回路64を介して取得すると、このライニングタイムを計時部66にセットする(時刻同期させる)。
つまり、制御部65は、単ループLFマットアンテナ21上にて変調されたLF信号を検出することにより、スリープモードからアクティブモードに移行する。そして、LF信号に重畳されたランニングタイムを受信して時刻同期を行う。
また、制御部65は、競技者RNが8の字LFマットアンテナ31上に到達すると、上述したLF信号のスリットを検出して、競技者RNのタイムを計測する。
具体的に制御部65は、図6(a)に示すように、スリットの中間となる競技タイムTmを、以下の数式1により算出する。
[数1]
Tm = (Tb+Tc)/2
Tm:競技タイム
Tb:1回目の立ち下がり時刻
Tb:2回目の立ち上がり時刻
なお、上述したように、種々の要因によりスリット幅が細くなると、検出回路63にてスリットが検出できない場合も生じ得る。そのため、制御部65は、1回目の立ち下がり(つまり、時刻Tb)を検出すると、スリットの検出を打ち切るためのタイムアウト時間Toの計時を開始する。このタイムアウト時間Toが経過するまでに、2回目の立ち上がり(つまり、時刻Tc)が得られなければ、スリットが検出できなかったと判別する。そのような場合、制御部65は、Hi期間の中間の時刻を、競技タイムとして算出する。
具体的に制御部65は、タイムアウト時間Toが経過し、スリットが検出できなかった場合、図6(b)に示すように、Hi期間の中間となる競技タイムTmを、以下の数式2により算出する。
[数2]
Tm = (Ta+Tb)/2
Tm:競技タイム
Ta:1回目の立ち上がり時刻
Tb:1回目の立ち下がり時刻
なお、このタイムアウト時間Toを一定値とするのは適切でない。例えば、競技者RNの速度が遅い場合には、図6(c)に示すように、2回目の立ち上がり(つまり、時刻Tc)を得る前に、タイムアウト時間Toが経過してしまうことも起こり得る。この場合、本来の競技タイムTm(スリットの中間の時刻)ではなく、誤った競技タイムTm’(Hi期間の中間の時刻)が計測されてしまうという不都合が生じてしまう。
そのため、制御部65は、競技者RNの速度に応じて、タイムアウト時間Toの長さを調整する。すなわち、競技者RNの速度が遅い場合には、図6(d)に示すように、タイムアウト時間Toが長く設定され、時刻Tcを得る前に、タイムアウト時間Toが経過してしまうことを防止する。これにより、競技者RNの速度が遅い場合でも、制御部65は、スリットの中間の時刻である競技タイムTmを適切に求めることができる。
また、制御部65は、タイムアウト時間Toが長く設定された場合の弊害にも対応している。この弊害とは、例えば、競技者RNの速度が遅く、かつ、スリットが検出できなかった場合に生じ得る。この場合、図6(e)に示すように、Hi期間の中間の時刻である競技タイムTmを適切に求めることについては、何ら問題ない。それでも、競技タイムTmを計測(算出)するためには、タイムアウト時間Toが経過するのを待つ必要があり、その間に、競技者RNがRF通信の通信可能エリアから逸脱してしまうことも起こり得る。
そのため、制御部65は、図6(e)のように、通信可能エリア内で通信処理に切り替えるための上限時間TLMを設け、タイムアウト時間Toが経過する前であってもこの上限時間TLMを経過すると、直ちに、Hi期間の中間の時刻である競技タイムTmを、上記の数式2により算出する。そして、その競技タイムTmの送信を、RF通信の通信可能エリアから逸脱しない範囲で行える様にしている。
また、制御部65は、上述したように、変調されたLF信号を検出することにより、スリープモードからアクティブモードに移行する。そのため、何らかの原因により、単ループLFマットアンテナ21上の電磁場を検出できなかったり、若しくは、何らかの制約により、単ループLFマットアンテナ21自体を配置できなかった場合でも、制御部65は、8の字LFマットアンテナ31上にてスリープモードからアクティブモードに移行できる。
この他にも、ランニングタイムの時刻同期を行った後にスリープモードへ戻るように設定(プログラミング)した場合でも、制御部65は、同様に、8の字LFマットアンテナ31上にてスリープモードからアクティブモードに移行できる。
このように、8の字LFマットアンテナ31上にてスリープモードからアクティブモードに移行した場合、制御部65は、復調した地点情報から、8の字LFマットアンテナ31上に到達したことを判別し、上記と同様に、競技タイムを計測することができる。
そして、制御部65は、後述するようにタイム情報(競技タイム及びトランスポンダID等)を送信すると、再び、スリープモードへ戻る。
図4に戻って、計時部66は、制御部65により適宜補正(設定)され、競技において基準となるランニングタイムをトランスポンダ60内にて計時する。つまり、単ループLFマットアンテナ21上にてランニングタイムが配信されると、制御部65により時刻同期処理が行われ、計時するランニングタイムが適宜補正される。
なお、計時部66は、高安定水晶発振器を備えており、補正後のランニングタイムの計時を安定して維持することが可能となっている。
記憶部67は、例えば、不揮発性メモリ等からなり、制御部65により計測された競技タイムと地点情報(8の字LFマットアンテナ31上にて取得されたもの)とを組にして記憶する。
この記憶部67には、例えば、全てのタイム計測地点分の記憶エリアが設けられており、各タイム計測地点(各8の字LFマットアンテナ31上)にて計測した競技タイム及び地点情報をそれぞれ別の記憶エリアに格納可能となっている。そのため、競技終了後に、各タイム計測地点における競技タイムを再度集計することもできる。
なお、記憶部67は、更に別のエリアに、トランスポンダ60を識別するための識別情報(一例として、トランスポンダID)を予め記憶している。
通信回路68は、制御部65が競技タイムを計測すると、その競技タイム、及び、トランスポンダIDを含むタイム情報を、上述したRF受信機40に向けて送信する。
例えば、通信回路68は、このようなタイム情報を315MHzのRF信号に重畳して、RFアンテナ69を介して送信する。
なお、他のトランスポンダ60とのコリジョンを考慮し、通信回路68は、ランダムな間隔でタイム情報を複数回送信する。
RFアンテナ69は、通信回路68によってタイム情報が重畳されたRF信号を所定の出力で空中に放出する。
以下、上述した構成の競技用計時システムの動作について、図7を参照して説明する。図7は、トランスポンダ60の制御部65が実行するタイム計測処理を説明するためのフローチャートである。このタイム計測処理は、一例として、トランスポンダ60(胸ゼッケン)が競技者RNに配布された時点から開始される(配布時には、スリープモードで待機している)。
なお、図7の処理では、競技タイムを計測して送信した後だけでなく、ランニングタイムの時刻同期を行った後も、トランスポンダ60がスリープモードに移行する場合を一例として説明する。
まず、制御部65は、スリープモードで待機し(ステップS101)、LF信号を検出するまで待機する(ステップS102)。つまり、LF信号の検出を所定のタイミング毎に判別し、LF信号を検出していない(ステップS102;No)場合に、ステップS101に処理を戻す。つまり、スリープモードで待機し続ける。
一方、LF信号を検出すると(ステップS102;Yes)、制御部65は、アクティブモードに移行し(ステップS103)、検出したLF信号が時刻配信用LF信号であるか否かを判別する(ステップS104)。
例えば、制御部65は、復調回路64がランニングタイムを復調した場合に、そのLF信号が時刻配信用LF信号であると判別する。つまり、単ループLFマットアンテナ21上に到達したと判別する。
制御部65は、検出したLF信号が時刻配信用LF信号であると判別すると(ステップS104;Yes)、計時部66のランニングタイムを補正する(ステップS105)。
すなわち、制御部65は、配信されたライニングタイムを計時部66にセットする(時刻同期させる)。
そして、制御部65は、上述したステップS101に処理を戻す。つまり、再び、スリープモードに移行する。
一方、検出したLF信号が時刻配信用LF信号でないと判別した場合に(ステップS104;No)、制御部65は、今度は、LF信号がタイム計測用LF信号であるか否かを判別する(ステップS106)。
例えば、制御部65は、復調回路64が地点情報を復調した場合に、そのLF信号がタイム計測用LF信号であると判別する。つまり、8の字LFマットアンテナ31上に到達したと判別する。
制御部65は、検出したLF信号がタイム計測用LF信号であると判別すると(ステップS106;Yes)、時刻Taを保存する(ステップS107)。
すなわち、制御部65は、検出回路63の検出信号の立ち上がり、つまり、1回目の立ち上がり(LoからHi)に応答して、計時部66にて計時されたランニングタイムを、時刻Taとして自己のRAMに記憶する。
なお、検出したLF信号がタイム計測用LF信号でもないと判別した場合に(ステップS106;No)、制御部65は、上述したステップS101に処理を戻す。つまり、ノイズ等による誤検出であると判別し、再び、スリープモードに移行する。
制御部65は、1回目の立ち下がり(HiからLo)を検出するまで待機する(ステップS108)。つまり、検出回路63の検出信号がHiである間(ステップS108;No)、そのまま待機する。
そして、検出信号がHiからLoに変化すると(ステップS108;Yes)、制御部65は、時刻Tbを保存する(ステップS109)。
すなわち、制御部65は、検出信号の1回目の立ち下がりに応答して、計時部66にて計時されたランニングタイムを、時刻Tbとして自己のRAMに記憶する。
制御部65は、競技者RNの速度を算出し、タイムアウト時間To及び上限時間TLMを設定する(ステップS110)。
例えば、制御部65は、図3(b)に示す第1の電磁場310aの幅(つまり、a−b間)を、時刻Taと時刻Tbとの差分の時間で移動したと仮定し、競技者RNの速度V1を算出する。そして、算出した速度V1に応じて上述したタイムアウト時間Toを調整して設定する。
一方、制御部65は、図3(b)に示す第1の電磁場310a+第2の電磁場310bの幅(つまり、a−c間)を、時刻Taと時刻Tbとの差分の時間で移動したと仮定し、競技者RNの速度V2を算出する。そして、算出した速度V2に応じて上述した上限時間TLMを調整して設定する。つまり、スリットが検出されない場合を想定して、cからRF通信が可能となる境界(予め測定されている境界)まで、速度V2にて移動した場合に掛かる時間を求めて、上限時間TLMに設定する。
すなわち、制御部65は、競技者RNの速度V1が速ければ、それに連れてタイムアウト時間Toの長さを短く調整し、逆に、競技者RNの速度V1が遅ければ、それに連れてタイムアウト時間Toの長さを長く調整する。また、RF通信の範囲内で通信を終えることができるように、競技者RNの速度V2に応じて上限時間TLMも適宜調整する。
なお、これらの調整を行うと同時に、タイムアウト時間Toや上限時間TLMの経過を判断するための計時も開始する。
制御部65は、タイムアウト等が発生したか否かを判別する(ステップS111)。すなわち、タイムアウト時間Toが経過したか、若しくは、上限時間TLMが経過したかどうかを判別する。
制御部65は、タイムアウト等が発生していないと判別した場合(ステップS111;No)、2回目の立ち上がり(LoからHi)を検出したか否かを判別する(ステップS112)。つまり、検出回路63の検出信号がLoからHiに変化したかどうかを判別する。
制御部65は、検出信号がLoのままであると判別すると(ステップS112;No)、上述したステップS111に処理を戻す。
すなわち、制御部65は、タイムアウト等の発生、若しくは、検出信号の立ち上がりの何れかを待機する。
ここで、検出信号がLoからHiに変化すると(ステップS112;Yes)、制御部65は、時刻Tcを保存する(ステップS113)。
すなわち、制御部65は、検出信号の2回目の立ち上がりに応答して、計時部66にて計時されたランニングタイムを、時刻Tcとして自己のRAMに記憶する。
そして、制御部65は、競技タイムTmを算出する(ステップS114)。すなわち、スリットが検出できたため、上述した図6(a)や図6(d)に示すようなスリットの中間となる競技タイムTmを、上記の数式1により算出する。
一方、タイムアウト等が発生した場合に(ステップS111;Yes)、制御部65は、競技タイムTmを算出する(ステップS115)。すなわち、スリットが検出できなかったと判別し、上述した図6(b)や図6(e)に示すようなHi期間の中間となる競技タイムTmを、上記の数式2により算出する。
制御部65は、このような競技タイムTmを含んだタイム情報を送信する(ステップS116)。
つまり、ステップS114若しくは、ステップS115にて計測(算出)した競技タイムTm及び、トランスポンダIDを含んだタイム情報を、通信回路68により、上述したRF受信機40に向けて送信する。その際、通信回路68は、他のトランスポンダ60とのコリジョンを考慮し、ランダムな間隔でタイム情報を複数回送信する。
そして、上述した処理装置50は、RF受信機40を介してタイム情報を受信すると、各競技者RNの競技タイム等を集計する。
制御部65は、タイム情報の送信を終えると、上述したステップS101に処理を戻す。つまり、再び、スリープモードに移行する。
このようなタイム計測処理により、トランスポンダ60は、競技タイムTmを正確に求めることができる。
すなわち、8の字LFマットアンテナ31上にてスリットが検出されたならば、上述したステップS114にて、競技タイムTmを適切に算出できる。その際、タイムアウト時間Toが競技者RNの速度に応じて調整されているため、例えば、競技者RNの速度が遅い場合であっても、上述した図6(d)に示すように、2回目の立ち上がり(つまり、時刻Tc)を検出する前にタイムアウト時間Toが経過することがない。つまり、図6(c)のような誤った競技タイムTm’を算出することなく、図6(d)に示すような正確な競技タイムTmを算出することができる。
一方、8の字LFマットアンテナ31上にてスリットが検出されなかった場合でも、上述したステップS115にて、競技タイムTmを適切に算出できる。その際、上限時間TLMも競技者RNの速度に応じて適宜調整されているため、例えば、タイムアウト時間Toが長く設定されていた場合でも、タイム情報の送信が行えるタイミングが、通信の範囲外となることがない。つまり、上述した図6(e)に示すように、通信可能範囲を考慮した上限時間TLMが設けられており、タイムアウト時間Toが経過する前であっても上限時間TLMを超えると、直ちに競技タイムTmが算出されるため、RF通信の範囲内でタイム情報を送信することができる。
以上説明したように、本願発明によれば、競技者のタイムを正確に求めることができる。
(他の実施形態)
上記の実施形態では、本願発明の競技用計時システムがマラソン競技に適用された場合について説明したが、本願発明は、このようなマラソン競技に限られず、他の陸上競技等にも適宜適用可能である。例えば、トラック競技においても、同様に競技者のタイム(ラップタイムやフィニッシュタイム)を正確に求めることができる。
以上説明したように、本発明によれば、競技者のタイムを正確に求めることのできる競技用計時システム、計時機器および計時方法を実現することができる。
10 タイマ機器
20 時刻配信用LF発信機
21 単ループLFマットアンテナ
30 タイム計測用LF発信機
31 8の字LFマットアンテナ
40 RF受信機
50 処理装置
60 トランスポンダ

Claims (4)

  1. 競技者に保持される計時機器と、走路上に電磁場を発生させる電磁場発生機器と、を含む競技用計時システムであって、
    前記電磁場発生機器は、
    略8の字形状に形成され、走路上の計時ラインに重ねて配置されたアンテナと、
    前記アンテナに所定周波数の発振信号を供給する発振手段と、を備え、前記アンテナと前記発振手段とにより、隣接した2つの電磁場を前記計時ラインを挟むように生成し、
    前記計時機器は、
    競技において基準となる時刻を計時する計時手段と、
    前記計時ラインを挟むように生成されている前記2つの電磁場、及び、当該2つの電磁場の切れ間となるスリットを、検出信号の立ち上がり及び立ち下がりによって検出する検出手段と、
    競技者の速度を算定する算定手段と、
    前記算定手段により算定された前記速度に基づいて、前記スリットの検出を打ち切るためのタイムアウト時間を前記スリットの時間幅よりも長くなるように設定する設定手段と、
    前記検出手段が1回目の電磁場の検出を終えてから、前記設定手段により設定されたタイムアウト時間が経過するまでの間に、2回目の電磁場を検出した場合に、前記スリットの両端部にて計時された時刻の和を2で除算することにより競技タイムを計測し、当該2回目の電磁場を検出しないまま前記タイムアウト時間が経過した場合に、前記検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、前記競技タイムを計測する計測手段と、を備える、
    ことを特徴とする競技用計時システム。
  2. 前記計時機器は、
    前記計測手段が計測した前記競技タイムを、近傍の受信機器に向けて送信する通信手段を更に備え、
    前記設定手段は、前記通信手段による前記受信機器への通信が行える通信可能エリアに基づいて、前記通信手段が前記競技タイムを送信することが可能となる、前記1回目の電磁場の検出を終えてからの上限時間を更に設定し、
    前記計測手段は、前記検出手段が前記1回目の電磁場の検出を終えてから、前記タイムアウト時間が経過する前であっても、前記2回目の電磁場の検出しないまま前記上限時間が経過した場合に、前記検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、前記競技タイムを計測し、
    前記通信手段は、前記計測手段が前記上限時間の経過を契機に前記競技タイムを計測しても、通信可能エリアから逸脱しない範囲で、前記競技タイムを前記受信機器に向けて送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の競技用計時システム。
  3. 競技者に保持される計時機器であって、
    競技において基準となる時刻を計時する計時手段と、
    走路上の計時ラインを挟み隣接して生成されている2つの電磁場、及び、当該2つの電磁場の切れ間となるスリットを、検出信号の立ち上がり及び立ち下がりによって検出する検出手段と、
    競技者の速度を算定する算定手段と、
    前記算定手段により算定された前記速度に基づいて、前記スリットの検出を打ち切るためのタイムアウト時間を前記スリットの時間幅よりも長くなるように設定する設定手段と、
    前記検出手段が1回目の電磁場の検出を終えてから、前記設定手段により設定されたタイムアウト時間が経過するまでの間に、2回目の電磁場を検出した場合に、前記スリットの両端部にて計時された時刻の和を2で除算することにより競技タイムを計測し、当該2回目の電磁場を検出しないまま前記タイムアウト時間が経過した場合に、前記検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、前記競技タイムを計測する計測手段と、
    を備えることを特徴とする計時機器。
  4. 前記計測手段が計測した前記競技タイムを、近傍の受信機器に向けて送信する通信手段を更に備え、
    前記設定手段は、前記通信手段による前記受信機器への通信が行える通信可能エリアに基づいて、前記通信手段が前記競技タイムを送信することが可能となる、前記1回目の電磁場の検出を終えてからの上限時間を更に設定し、
    前記計測手段は、前記検出手段が前記1回目の電磁場の検出を終えてから、前記タイムアウト時間が経過する前であっても、前記2回目の電磁場の検出しないまま前記上限時間が経過した場合に、前記検出信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にて計時された時刻の和を2で除算することにより、前記競技タイムを計測し、
    前記通信手段は、前記計測手段が前記上限時間の経過を契機に前記競技タイムを計測しても、通信可能エリアから逸脱しない範囲で、前記競技タイムを前記受信機器に向けて送信する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の計時機器。
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