JP5641422B2 - 合成樹脂製壜体 - Google Patents
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Description
普段内容液を収納して使用する、比較的厚肉で注出口に計量機能部を付帯させる等した容器(以下、継続使用容器とする。)は継続使用するものとし、補充する内容液は安価な詰替え容器に収納し、継続使用容器に移し替えて使用する。
従来、パウチ容器から継続使用容器への内容液の詰め替えに際しては、液跳ねや、液ダレ等により周囲を汚してしまうことがあったが、特許文献1に記載のあるパウチ容器は、注出口となるノズル受け部を配設し、このノズル受け部を、継続使用容器の注出ノズルに外嵌組付けして内容液を移し替えることができるようにしたものであり、内容液がノズル受け部と注出ノズルを通して詰め替えられるので、内容液の液跳ねや液ダレをなくすことができる。
口筒部とテーパー筒状の肩部と筒状の胴部と底部を有するブロー成形による合成樹脂製壜体において、
胴部の周壁は壜体内部の減圧化に伴って減容変形が進行可能な薄肉に形成され、
また、この周壁は、山折状に縦方向に等間隔に形成される3本の稜線を有し、隣接する稜線を3ケのパネル壁で連結した構成であり、
各パネル壁には一方の稜線の上端部と他方の稜線の下端部を対角線状に連結する谷折状の折り目線を形成し、3本の折れ目線が周方向に並列状に傾斜するように構成する、
と云うものである。
このため、パウチ容器のように注出に伴う容器の横倒れの心配もないので、手で支えてやる必要もなく、安心して詰替え操作を実施することができる。
内容液の注出に伴って、内部と外部の圧力差により壜体の周壁全体に押圧力が作用するが、胴部の周壁の各パネル壁に傾斜状に谷折り状、すなわち陥没状に形成される3本の折り目線が、壜体の中心軸に近づくように変位して減容変形が進行する。この際、各パネル壁は折り目線を起点として、折り目線に沿って折り畳まれるようにして陥没状に変形する。
この際、各稜線は折り目線に沿ったパネル壁の陥没変形の進行に従って傾斜状に変位する。
そしてその結果、前述したように胴部の周壁が捩れ状に変形すると共に胴部が高さ方向に縮小する。
なお、周壁の肉厚の下限値については壜体の自立性等の点から適宜設定することができる。
ここで、この傾斜角度が小さすぎると、すなわち折れ目線が縦方向に向きすぎると、捩れ状の変形における捩れ角度を大きくすることはできるが、3本の折れ目線が相互に当接し、その結果高さ方向の縮小が不十分となる。
一方、傾斜角度が大きすぎると、すなわち折れ目線が横方向に向きすぎると、捩れ状の変形における捩れ角度を大きくすることができず、この場合も高さ方向の縮小が不十分となる。
すなわち、本発明の主たる構成を有する壜体にあっては、
詰替え容器として利用することを想定すると、内容液の注出の進行に伴って、肩部や底部はほぼ元の形状を保持しながら、比較的薄肉に形成され陥没変形の起点となる谷折り状の折れ目線が形成された胴部の周壁が捩れ状に変形すると共に高さ方向に縮小しながら、初期の形状からその倒立姿勢を略真直ぐに保持しつつ壜体の減容変形が進行する。
このため、パウチ容器のように注出に伴う容器の横倒れの心配もないので、手で支えてやる必要もなく、安心して詰替え操作を実施することができる。
図1〜5は本発明の壜体の一実施例を示すものであり、図1は正面図、図2(a)は側面図、図2(b)は背面図(図2では口筒部を図示省略している)、図3は平面図、図4は底面図、そして図5は図1中のA−A線に沿った平断面図である。
この壜体1はポロプロピレン樹脂製の2軸延伸ブロー成形品であり、口筒部2、半球殻状でテーパー筒状の肩部3、筒状の胴部4、有底短円筒状の底部5を有し、全高さ125mm、横幅70mmで、容量300mlの壜体である。
そして、底部5の側周壁5sは短円筒状で、底面の中央部には底面壁を壜体の内部方向に陥没させて陥没部5aが形成されており、その周縁にはリング状の周縁部5pが配設されている。
また、各パネル壁11には一方の側端に位置する稜線12の上端部と他方の側端に位置する稜線12の下端部を対角線状に連結する谷折状の折り目線13(13ab、13bc、13ca)を形成し、これら3本の折れ目線13が周方向に並列状に傾斜するようにしている(図1、2では右斜め上から左斜め下に傾斜している。)。
なお、変形の態様がわかり易いように、各図面では稜線12を、12a、12b、12cと云うように3本の稜線が区別できるように示し、図面間で相互に対応が取れるようにした。パネル壁11と折り目線13についても同様である。
また、本実施例の壜体1では、図1に見られるように、隣接する稜線12間の距離Lと稜線13の高さHの比である、L/Hの値は略1であり、折り目線13の中心軸Axに対する傾斜角度Dを約45°程度としている。この傾斜角度は、壜体の形状や、内容液のスムーズな注出性に係る胴部4の周壁の減容変形の態様を考慮して適宜に決めることができるものであるが、L/Hの値は0.6〜1.7の範囲(中心軸Axに対する傾斜角度Dでは30°〜60°の範囲)とするのが好ましい。
図6は図1の壜体1を倒立姿勢で継続使用容器Bに装着した状態を示す正面図、図7は図6中の減容変形した壜体の斜視図、図8は図6中の減容変形した壜体の平面図、そして図9は図6の減容状態から壜体をさらに押潰した状態を示す正面図である。
結合蓋20は壜体1の口筒部2に螺合状に組付き固定する組付き筒21を有し、組付き筒21の頂壁の開口縁から円筒状の嵌合筒22が起立設し、この嵌合筒22の上端開口部には係合周条23を利用して、図中二点鎖線で示されるように中栓24が配設されている。
本体キャップ40は容器本体30の口筒31内に嵌入する嵌入筒41を有し、この嵌入筒41の底板42には注出開口43が形成され、その開口縁からは前述した結合蓋20の嵌合筒22に外嵌する平断面形状がC状の注出筒片44が起立設されている。
この際、押上げ体48の押上げ片49により中栓24が嵌合筒22内に押上げられ、開口K、さらに注出開口43を通して壜体1内の内容液が自重により継続使用容器Bの容器本体30内に流入する。
概略的にみると、壜体1からの内容液の注出の進行に伴って、図6〜8に示されるように、肩部3や底部5はほぼ元の形状を保持しながら、比較的薄肉に形成され、陥没変形の起点となる折り目線13が形成された胴部4の周壁が捩れ状に変形すると共に高さ方向に縮小しながら、図6中二点鎖線で示した初期の形状からその倒立姿勢を略真直ぐに保持しつつ壜体1の減容変形が進行する。
ここで、底部5は、壜体の中心軸Ax回りに口筒部2に対して相対的に回動変位する(図7、8中の白抜き矢印参照)と共に下降変位する。
また、壜体1の初期の形状では図3、4に示されるように肩部3の下端部及び底部5の平面形状は円形であるが、図8の状態では捻り変形に伴う力が作用して、それぞれが3本の稜線12の上端を頂点とした3角形あるいは下端を頂点とした3角形に近い形状に変化している。
この3角形状は、4角形状やさらなる多角形状に比較して横方向の力が作用しても扁平に変形し難く、壜体1の倒立姿勢を安定して保持することが可能となる。
内部の減圧化が進行すると、壜体1の周壁全体に押圧力が作用するが、肩部3は半球殻状で底部5は胴部4に比較して厚肉であるので、胴部4を構成する比較的薄肉で陥没変形の起点となる谷折り状の折れ目線13が形成された各パネル壁11の陥没変形が進行する。
また、図8では底部5が口筒部2に対して60°程度回動した状態が記載されているが、図9のように壜体1を押し潰す際には、強制的に120°程度まで回動させ、三角形状の底部5の頂点を三角形状の肩部3の隣の頂点にまで変位させて底部5と肩部3の三角形状の形状が一致するようにすることにより、底部5を半球殻状の肩部3の中に埋め込むようにして、十分に押し潰すと共にこの押し潰し状態を安定して維持することができ、十分に押し潰した状態を維持しながら廃棄することができる。
なお、この場合も内容液を注出した後は、前述したように押圧力を強制的に作用させて押し潰した状態で廃棄することができる。
底部5の形状をさらに詳述すると、胴部4に形成される3本の稜線12a、12b、12cを底部5の側周壁5sにまで延設し、この3本の稜線12を図11の平断面図に示されるのと同様に円弧状に連結して側周壁5sを3角筒状とし、底部5を有底短3角筒状としている。
図10〜12に示される実施例の壜体1は、底部6の形状を予め3角形状とすることにより、図8に示されるような捻り変形をスムーズに進行させ、壜体1の減容変形をよりスムーズに進行させるようにしたものである。
なお、先の実施例では底部5の形状を図4に示されるように円形状とし、上記実施例では図12に示されるように3角形状としたが、底部5の形状は特に限定されるものではなく、さらに多角形状とすることもでき、外観デザインや、減容変形時の壜体の、姿勢の保持性や捩れ変形性を考慮して適宜選択することができる。
壜体の容量は300ml程度のものに限定されるものではないし、ポリプロピレン樹脂製の2軸延伸ブロー成形の壜体に限らず、PET樹脂製の2軸延伸ブロー成形壜体、あるいはポリエチレン樹脂製のダイレクトブロー成形壜体と、さまざまな樹脂製のブロー成形品を使用することができる。
また、上記実施例では詰替え容器として利用する例を説明したが、本発明の壜体は前述したように使用後は高さ方向に十分に押し潰して、その押し潰し形状を維持した状態で廃棄可能なものであり、省資源、易廃棄性と云う特徴を生かして壜体単体としても使用することができる。
2 ;口筒部
2a;周条
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
5a;陥没部
5s;(底部の)側周壁
5p;周縁部
11(11ab、11bc、11ca);パネル壁
12(12a、12b、12c);稜線
13(13ab、13bc、13ca);折り目線
A ;詰替え容器
20;結合蓋
21;組付き筒
22;嵌合筒
23;係合周条
24;中栓
B ;継続使用容器
30;容器本体
31;口筒
40;本体キャップ
41;嵌入筒
42;底板
43;注出開口
44;注出筒片
47;係合リブ
48;押上げ体
49;押上げ片
50;梁片
51;組付きリング
K ;開口
Claims (6)
- 口筒部(2)とテーパー筒状の肩部(3)と筒状の胴部(4)と底部(5)を有するブロー成形による合成樹脂製壜体において、胴部(4)の周壁は壜体内部の減圧化に伴って減容変形が進行可能な薄肉に形成され、また、前記周壁には山折状に縦方向に等間隔に形成される3本の稜線(12)を有し、隣接する該稜線(12)を3ケのパネル壁(11)で連結した構成であり、前記の各パネル壁(11)には一方の稜線(12)の上端部と他方の稜線(12)の下端部を対角線状に連結する谷折状の折り目線(13)を形成し、該3本の折れ目線(13)が周方向に並列状に傾斜するように構成したことを特徴とする合成樹脂製壜体。
- 胴部(4)の周壁の肉厚の平均値を0.2mm以下とする請求項1記載の合成樹脂製壜体。
- 隣接する稜線(11)間の距離(L)と稜線(11)の高さ(H)の比である、距離(L)/高さ(H)の値を0.6〜1.7の範囲とした請求項1または2記載の合成樹脂製壜体。
- 肩部(4)を半球殻状、底部(5)を有底短円筒状とした請求項1、2または3記載の合成樹脂製壜体。
- 3本の稜線(12)を底部(5)の側周壁(5s)にまで延設し、底部(5)を前記3本の稜線(12)により有底短3角筒状とした請求項1、2または3記載の合成樹脂製壜体。
- 底部(5)の底面の中央部に、底面壁を壜体の内部方向に陥没させて形成した陥没部(5a)を形成した請求項1、2、3、4または5記載の合成樹脂製壜体。
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