JP5640778B2 - 非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池に関する。さらに詳しくは、非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法ならびに非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコンなどの小型電子機器の普及に伴い、充放電可能な電源として、非水系電解質二次電池の需要が急激に伸びている。かかる非水系電解質二次電池として、小型かつ軽量でありしかも高いエネルギー密度を有することから、リチウムイオン二次電池が注目されている。
リチウムイオン二次電池は、負極、正極、電解液などで構成され、負極および正極の活物質として、リチウムを脱離および挿入することが可能な材料が用いられている。
例えば、リチウムイオン二次電池の正極活物質には、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、コバルトよりも安価なニッケルが用いられたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物粒子(LiMn24)などを使用することができる。
ところで、リチウムコバルト複合酸化物は、合成が比較的容易である一方、主成分となるコバルトは、その埋蔵量が少ないため高価でありかつ供給不安定で価格の変動も大きいという問題点がある。
また、リチウムマンガン複合酸化物は、熱安定性ではリチウムコバルト複合酸化物に比べて優れているという特徴がある。しかし、リチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として製造されたリチウムイオン二次電池は、充放電容量が他の材料に比べて非常に小さく、かつ電池寿命を示す充放電サイクル特性も非常に短いという問題点がある。
一方、リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として製造されたリチウムイオン二次電池は、リチウムコバルト複合酸化物を正極活物質とする二次電池に比べて大きな充放電容量を示す。しかも、コバルトに比べてニッケルは安価である。このため、リチウムニッケル複合酸化物は、高エネルギー密度でありつつ安価な電池を製造することができる正極活物質として期待されている。
リチウムニッケル複合酸化物は、リチウム源となる水酸化リチウムなどのリチウム化合物と水酸化物、炭酸化物、酸化物などのニッケルを含む金属化合物とを混合し、この混合物から合成される。この混合物を調製する際には、混合物中におけるニッケルその他の遷移金属元素、2族元素、および13族元素などの他の金属とリチウムの原子数比が、リチウムニッケル複合酸化物中におけるリチウムと他の金属の原子数比(Li/Me比)と一致するように調整される。そして、リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として使用した二次電池において、所定の電池特性を満たすためには、リチウムニッケル複合酸化物中の両者の原子数比(Li/Me比)を所定の範囲内に精度よく制御することが必要である。
例えば、Li/Me比が低下すると、層状構造のリチウムサイトにおけるリチウム以外の金属元素のサイト占有率が高くなるため、電池の容量が十分に得られず、出力特性も低下する。
また、Li/Me比が高くなり過ぎた場合においては、リチウムニッケル複合酸化物粒子表面に存在する余剰のリチウムが多くなるため、電池特性の低下が起きるとともに十分な熱安定性が得られない。
したがって、良好な特性を有するリチウムニッケル複合酸化物を得るためには、最適なLi/Me比に制御することが必要となる。
ここで、混合物を形成する際において、混合物中における他の金属とリチウムの原子数比の調整は、混合する各化合物の質量に基づいて調整される。このように、混合する各化合物の質量によって混合物中の原子数比を調整するには、各化合物の質量に基づいて、各化合物中の金属やリチウムのモル数を把握可能となっていなければならない。
しかるに、上述したリチウム源となる水酸化リチウムには、工業的には、一般的に、1水和物の水酸化リチウムが用いられる。しかし、ハンドリングの問題上、水酸化リチウムは過乾燥になっている場合が多く、1水和物と無水和物の混合状態になっている場合が多い。すると、1水和物の水酸化リチウム中のリチウムの含有量は、理論上のリチウム含有量(16.54質量%)と一致しない。すると、混合物中におけるリチウムと他の金属の原子数比は、目的とする原子数比からズレてしまい、リチウムニッケル複合酸化物中における両者の原子数比(Li/Me比)が所定の範囲内から外れてしまう可能性がある。
とくに、工業的にリチウムニッケル複合酸化物を合成する場合には、混合物を形成する際に、数100kg単位でフレキシブルコンテナなどに梱包された水酸化リチウムを大量に使用する必要がある。すると、フレキシブルコンテナ毎で1水和物と無水和物の混合状態には大きなばらつきがあるため、各フレキシブルコンテナにおける1水和物と無水和物の平均的な混合割合、つまり、各フレキシブルコンテナについて、水酸化リチウム全体の代表となるリチウム含有量(以下、リチウム代表値という)を把握しなければ、混合物中におけるリチウムと他の金属の原子数比が、目的とする原子数比から大きくズレてしまう。
各フレキシブルコンテナについて、水酸化リチウムのサンプルを採取してリチウム含有量を把握すれば、各フレキシブルコンテナのリチウム代表値を把握することも可能である。
例えば、水酸化リチウムなどの化合物に含有されているリチウムの量を分析する方法として、原子吸光法、炎光法、中和滴定法、ICP発光分析法が一般的に知られており、精度の高い分析法としてイオンクロマトグラフ法も報告されているので(特許文献1および2参照)、これらの方法を使用して、採取したサンプル中のリチウム含有量を把握すれば、リチウム代表値を把握することができる可能性がある。
しかるに、上述したような分析方法では、1回の分析に使用できる試料の量が0.1〜1.0gと少ないため、その試料中のリチウム含有量は正確に測定できるものの、リチウム代表値からは大きくずれている可能性が高い。すると、上述したような分析方法を用いて得られたリチウム含有量を基準として混合物中の原子数比を調整した場合には、実際の混合物中の原子数比は、目的とする原子数比からズレてしまう可能性が高くなる。
以上のごとき事情もあり、他の金属とリチウムの原子数比が所定の値に調整されたリチウムニッケル複合酸化物を製造することは難しいので、リチウムと他の金属の原子数比(Li/Me比)が所定の値に調整されたリチウムニッケル複合酸化物が望まれている。そして、かかるリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として採用することによって高容量と優れた熱安定性を両立させることができる非水電解質二次電池が望まれている。
特開平11−287793号公報 特開2010−25791号公報
本発明は上記事情に鑑み、電池の正極に用いた場合に、高容量と優れた熱安定性を両立させることができる非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、高エネルギー密度でありつつ安価な非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
(非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法)
第1発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、一般式(I):
LiNi1-aMaO2 (I)
(式中、0.01≦a≦0.5、Mは、Ni以外の遷移金属元素、2族元素および13族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を示す)
で表わされるリチウムニッケル複合酸化物の粒子からなる正極活物質を製造する方法であって、前記正極活物質の原料として当該正極活物質における金属の原子比に対応する金属の原子比を有し、ニッケル化合物および水酸化リチウムを配合した金属化合物を用い、当該金属化合物を焼成する前に、
配合前の水酸化リチウム原料から採取した試料20〜500gを加熱乾燥させたときの質量減少割合に基づいて算出した当該試料のリチウム含有量を当該水酸化リチウム原料のリチウム含有量とし、当該水酸化リチウム原料のリチウム含有量に基づいて前記金属化合物に配合する当該水酸化リチウム原料の量を調整する
ことを特徴とする。
第2発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、第1発明において、前記水酸化リチウムから採取した試料を150℃〜300℃に加熱乾燥することを特徴とする。
第3発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、第1または第2発明において、前記金属化合物を、酸素雰囲気中において、650〜850℃の温度範囲で焼成することを特徴とする。
第4発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、第1、第2または第3発明において、前記金属化合物に含まれるリチウムと、リチウム以外の全ての金属との原子数比(リチウムの原子数比/リチウム以外の全ての金属の原子数比の和)を1.00/1〜1.10/1に調整することを特徴とする。
第5発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、第1、第2、第3または第4発明において、前記金属化合物が、ニッケル水酸化物および/またはニッケル水酸化物を焙焼して得られるニッケル酸化物を含んでおり、前記ニッケル水酸化物は、加温した反応槽中に、ニッケルと、ニッケル以外の遷移金属元素、2族元素および13族元素から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む金属化合物の水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを供給して調製されたものであり、該ニッケル水酸化物を調製する際に、アルカリ金属水酸化物の水溶液が、前記反応槽中の水溶液がアルカリ性に維持されるように添加することを特徴とする。
第6発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、第1、第2、第3または第4発明において、前記金属化合物が、ニッケルオキシ水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物を焙焼して得られるニッケル酸化物を含んでおり、前記ニッケルオキシ水酸化物は、加温した反応槽中に、ニッケルと、ニッケル以外の遷移金属元素、2族元素および13族元素から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む金属化合物の水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを供給した後、酸化剤を添加して調製されたものであり、該ニッケルオキシ水酸化物を調製する際に、アルカリ金属水酸化物の水溶液を、前記反応槽中の水溶液がアルカリ性に維持されるように添加することを特徴とする。
(非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法)
第1発明によれば、水酸化リチウム中のリチウムの量を正確に把握できるので、金属化合物におけるリチウムと他の金属との原子数比を正確に調整することができる。すると、金属化合物を大量に調製する場合でも、金属化合物に含有されるリチウムと他の金属との原子数比の調整が容易になるから、目的とする原子数比に対して、金属化合物を焼成して得られる正極活物質中のリチウムと他の金属との原子数比のズレを小さくできる。すると、製造される非水電解質二次電池用正極活物質(リチウムニッケル複合酸化物)の品質のばらつきを小さくすることができるので、この非水電解質二次電池用正極活物質を電池に用いたときに、初期放電容量および内部抵抗のばらつきが小さい電池を実現することができる。また、一回の測定に使用する試料の量が多いので、複数回の測定を行う場合でも、試料間の結晶水分量の変動を小さくできる。このため、試料を加熱乾燥した際の質量減少割合に基づいて算出される水酸化リチウムのリチウム含有量と、水酸化リチウム全体の代表となるリチウム含有量(以下、リチウム代表値という)との誤差を小さくすることができる。したがって、金属化合物を大量に調製する場合でも、金属化合物に含有されるリチウムと他の金属との原子数比の調整を正確に行うことができる。
第2発明によれば、水酸化リチウムを分解させることなく結晶水を除去できるので、水酸化リチウムのリチウム含有量を正確に求めることができる。
第3発明によれば、650〜850℃の温度で酸素雰囲気中で焼成するので、粒子中にリチウムを十分に拡散させることができるとともに、粒子形態を球状に維持することができかつ均一に化学量論の組成を実現する。したがって、製造された正極活物質によって形成された正極を有する電池を製造した場合、高容量の電池を実現することができる。
第4発明によれば、得られた前記正極活物質を用いて正極を形成した場合、内部抵抗を小さくすることができるとともに、初期放電容量が低下することを防ぐことができる。
第5発明によれば、ニッケル水酸化物および/またはニッケル水酸化物を焙焼して得られるニッケル酸化物を、正極活物質として好適な高嵩密度な球状粒子として形成することができる。
第6発明によれば、ニッケルオキシ水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物を焙焼して得られるニッケル酸化物を、正極活物質として好適な高嵩密度な球状粒子として形成することができる。
2032型のコイン電池の概略構造を表す図である。 内部抵抗値評価に使用した等価回路の概略説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(非水電解質二次電池用正極活物質)
以下、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質を説明する。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、 一般式(I):
LiNi1−a (I)
(式中、0.01≦a≦0.5、Mは、Ni以外の遷移金属元素、2族元素および13族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を示す)
で表わされるリチウムニッケル複合酸化物の粒子からなる正極活物質である。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、電池に用いたときに、高容量で安全性が高くかつ、初期放電容量および内部抵抗のばらつきが小さい電池を実現することができる。
また、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、質量%で表されるリチウム組成比の分析を5回以上繰り返して得られるリチウム組成比の標準偏差が、0.6以下であることが好ましい。標準偏差がこの範囲であれば、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、二次電池の正極に使用したときに、初期放電容量および内部抵抗のばらつきがより小さい電池を実現することができる。
(本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法)
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、一般式(I)の組成で表わされるリチウムニッケル複合酸化物の粒子における金属の原子比に対応する金属の原子比を有する金属化合物を焼成して製造する。
(金属化合物)
金属化合物は、ニッケル化合物と、水酸化リチウムとを混合したものである。ニッケル化合物には、ニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物と、このニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物を焙焼したニッケル酸化物と、が含まれる。
(水酸化リチウム)
上記金属化合物の調製に使用する水酸化リチウムは、工業的に一般的に使用される1水和物の水酸化リチウムであって、1水和物と無水和物の混合状態になっているものである。
(ニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物)
上記金属化合物の調製に使用するニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物はとくに限定されないが、ニッケル以外の遷移金属元素、2族元素および13族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含むものを使用することが好ましい。
(ニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物の製造方法)
上記金属化合物の調製に使用するニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物を製造する方法はとくに限定されない。晶析法を用いて製造したニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物を用いれば、合成されるリチウムニッケル複合酸化物の粒子は、正極活物質として好適な高嵩密度な球状粒子となる。すると、このリチウムニッケル複合酸化物の粒子からなる正極活物質を用いて正極を形成した場合、二次電池の内部抵抗を小さくすることができるとともに、初期放電容量が低下することを防ぐことができる。また、正極活物質の電極への充填性も向上させることができる。
晶析法では、公知となっている種々の条件により、ニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物を製造することができるが、以下の条件で製造すれば、より高嵩密度の粒子を得ることができるので、好適である。
まず、晶析法では、加温した反応槽中に、金属化合物の水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを供給(例えば、滴下)して、ニッケル水酸化物を調製する。金属化合物は、ニッケルと、ニッケル以外の遷移金属元素、2族元素および13族元素から選ばれる少なくとも1種の元素と、を含む金属化合物である。
このときに、反応槽中の水溶液の温度は、40〜60℃、好ましくは45〜55℃に加温した状態に維持される。水溶液の温度が60℃を超えると、液中で核生成の優先度が高まり結晶成長が進まずに微細な粉末しか得られない。温度が40℃未満では、液中で核の発生が少なく、粒子の結晶成長が優先的となるため、電極作製時に凹凸が発生するほどの非常に大きい粒子が生成するかまたは反応液中の金属イオンの残存量が高くなり反応効率が非常に悪い。
また、反応槽中の水溶液のpHは、pH10〜13.6、好ましくはpH11〜13.2に維持される。pHが13.6を超えると、液中で核生成の優先度が高まり結晶成長が進まずに微細な粉末しか得られない。pHが10未満では、液中で核の発生が少なく、粒子の結晶成長が優先的となるため、電極作製時に凹凸が発生するほどの非常に大きい粒子が生成するか又は反応液中の金属イオンの残存量が高く反応効率が非常に悪い。
なお、反応槽中の水溶液のpHを上記pH(つまりアルカリ性)に維持する方法はとくに限定されないが、アルカリ金属水酸化物の水溶液を添加して調整すれば、pHのみを容易に調整できる点で好ましい。
また、ニッケルオキシ水酸化物を製造する方法はとくに限定されないが、上記晶析法によってニッケル水酸化物を製造する工程において、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液を供給(例えば、滴下)した後、酸化剤を添加して調製することが好ましい。この方法により製造すると、高嵩密度のニッケルオキシ水酸化物の粒子を合成できるので、非水電解質二次電池用の正極活物質に用いるリチウムニッケル複合酸化物の原料として好適である。
なお、水溶液に添加する酸化剤はとくに限定されず、例えば、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素水などが挙げられるが、上方法で使用することができる酸化剤は、かかる例示にのみ限定されるものではない。
(アンモニウムイオン供給体)
アンモニウムイオン供給体において、アンモニウムイオンは、錯化剤として作用する。
アンモニウムイオン供給体としては、例えば、アンモニア水溶液、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニウムなどが挙げられるが、本発明で使用することができるアンモニウムイオン供給体は、かかる例示にのみ限定されるものではない。
(その他)
また、上述したニッケル水酸化物やニッケルオキシ水酸化物とともに、または、ニッケル水酸化物やニッケルオキシ水酸化物に代えて、上記ニッケル水酸化物やニッケルオキシ水酸化物を焙焼したニッケル酸化物を、ニッケル化合物として使用してもよい。ニッケル酸化物には不安定な結晶水が存在しないため、金属化合物に含まれるリチウムの原子数と、リチウム以外の全ての金属の原子数との比(リチウムの原子数/リチウム以外の全ての金属の原子数の和、以下、Li/Me比という)を安定させることができる。
ニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物を焙焼してニッケル酸化物を製造する条件は特に限定されるものではないが、大気雰囲気において、500〜1100℃で焙焼することが好ましく、900〜1000℃で焙焼することがより好ましい。
焙焼温度が500℃未満では、ニッケル水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物のニッケル酸化物への転換が十分でない粒子が残ってしまう。すると、かかる粒子を含むニッケル酸化物を用いて得られたリチウムニッケル複合酸化物は、その品位の安定が難しく、合成時に組成の不均一が起こりやすい。また、焙焼温度が1100℃を超えると、ニッケル酸化物粒子を構成する一次粒子が急激に粒成長を起こす。このため、次工程の焼成において、ニッケル酸化物側の反応面積が小さすぎることからリチウムと反応することができずにニッケル酸化物と溶融状態のリチウム化合物が分離してリチウムニッケル複合酸化物が不均一となる。
したがって、ニッケル水酸化物またはニッケルオキシ水酸化物を焙焼する条件は、大気雰囲気において、500〜1100℃で焙焼することが好ましく、900〜1000℃で焙焼することがより好ましい。
なお、ニッケル水酸化物またはニッケルオキシ水酸化物を焙焼する条件は大気雰囲気に限られず、ニッケル水酸化物またはニッケルオキシ水酸化物の脱水が進む条件であればよい。とくに、還元雰囲気ではニッケル水酸化物またはニッケルオキシ水酸化物が還元されてしまうため、非還元性雰囲気であることが好ましい。
(混合比)
金属化合物における、上記ニッケル化合物と水酸化リチウムの混合比は、ニッケル化合物中の遷移金属元素(ニッケルを含む)、2族元素、および13族元素の原子数の合計量(Me)に対してリチウム化合物中のリチウムの原子数(Li)が、原子数比(Li/Me比)で、1.00/1〜1.10/1、好ましくは、1.00/1〜1.05/1となるように調整する。
Li/Me比が1.00未満では、得られる正極活物質であるリチウムニッケル複合酸化物粉末の結晶性が非常に悪く、充放電サイクル時の電池容量の大きな低下を引き起こす要因となる。
一方、Li/Me比が1.10を超えると、得られるリチウムニッケル複合酸化物粒子の表面に余剰のリチウム化合物が多量に存在する。表面に余剰に存在するリチウム化合物は、水洗することで除去できるが、多量に存在した場合には、これを水洗で除去するのが難しくなる。このため、表面に余剰のリチウム化合物が存在した状態で正極活物質として用いると、電池の充電時にガスが多量に発生されるばかりでなく、高pHを示す粉末であるため電極作製時に使用する有機溶剤などの材料と反応してスラリーがゲル化して不具合を起こす要因となる。
なお、ニッケル化合物と水酸化リチウムの混合には、Vブレンダー等の乾式混合機または混合造粒装置等が用いることができるが、複合水酸化物粒子などの形骸が破壊されない程度で、ニッケル化合物とリチウムを含有する物質とがと十分に混合できるものであればよい。例えば、一般的な混合機である、シェーカーミキサー、レーディゲミキサー、ジュリアミキサーなども使用することが可能である。
(焼成)
前記金属化合物を酸素雰囲気中において焼成すると、前記一般式(I)の組成で表わされるリチウムニッケル複合酸化物の粒子が合成される。
(焼成温度)
上記焼成温度は、650〜850℃、好ましくは700〜780℃である。
650℃未満の場合、合成されるリチウムニッケル複合酸化物の結晶が未発達で構造的に不安定であり、充放電による相転移などにより容易に構造が破壊されてしまう。850℃を超えると、層状構造が崩れ、リチウムイオンの挿入、脱離が困難となる場合があり、分解によりニッケル酸化物などが生成されてしまうことがある。
なお、水酸化リチウムの結晶水などを取り除いた上で、結晶成長が進む温度領域で均一に反応させる上では、400〜600℃の温度で1時間以上、続いて650〜850℃の温度で5時間以上の2段階で焼成することが好ましい。
また、金属化合物を焼成する方法はとくに限定されない。例えば、酸素雰囲気、除湿及び除炭酸処理を施した乾燥空気雰囲気等の酸素濃度20質量%以上のガス雰囲気に調整した電気炉、キルン、管状炉、プッシャー炉等の焼成炉を挙げることができる。
(加熱質量減少割合によるリチウム純分測定法)
上述した本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法では、金属化合物における上記ニッケル化合物と水酸化リチウムとの比が、Li/Me比で、1.00/1〜1.10/1、好ましくは、1.00/1〜1.05/1となるように調整する。
しかし、上述したように、水酸化リチウムは1水和物と無水和物の混合状態になっているので、1水和物の水酸化リチウム中のリチウムの含有量は、水酸化リチウムにおける理論上のリチウム含有量(16.54質量%)と一致しない。したがって、金属化合物において上記のようなLi/Me比とする上では、水酸化リチウムの質量から、正確なリチウム含有量を推定する必要がある。
そこで、本発明の本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法では、フレキシブルコンテナなどに梱包されている水酸化リチウムから試料を採取分析して、1水和物と無水和物の混合状態になっている水酸化リチウム中のリチウム純分を測定する。
すると、フレキシブルコンテナなどに梱包されている全水酸化リチウムの代表値となるリチウム純分を推定でき、このリチウム純分を用いて、必要なリチウムが含有されている水酸化リチウムの質量を算出できるので、金属化合物を大量に調製する場合でも、金属化合物に含有されるリチウムと他の金属との原子数比の調整が容易になる。このため、目的とする原子数比に対する金属化合物を焼成して得られる正極活物質中のリチウムと他の金属との原子数比(Li/Me比)のズレを小さくできるので、製造される非水電解質二次電池用正極活物質(リチウムニッケル複合酸化物)の品質のばらつきを小さくすることができる。したがって、この非水電解質二次電池用正極活物質を電池に用いたときに、初期放電容量および内部抵抗のばらつきが小さい電池を実現することができる。
以下、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法で採用したリチウム純分の測定方法を説明する。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法で採用したリチウム純分の測定方法(以下、単にリチウム純分の測定方法という)では、フレキシブルコンテナなどに梱包されている水酸化リチウムから試料を採取し、この試料を加熱乾燥し、加熱乾燥前後での質量減少割合に基づいて水酸化リチウムのリチウム含有量を算出している。
例えば、リチウム純分の測定方法では、以下のようにしてリチウム含有量を算出する。
まず、ガラス製のシャーレの質量をグラム単位で小数点下2桁を有する天秤を用いて測定し、その質量をW0とする。このシャーレに20g以上の試料を加えて精密に秤量する。この質量をW1とする。
試料を入れたシャーレを真空乾燥機に入れ230℃にて1時間加熱して乾燥させた後、真空状態を保持して自然冷却して無水水酸化リチウムを得る。冷却後、被測定粉体を入れたシャーレの質量を測定し、この重量をW2とする。
下記式1を用いて加熱質量減少割合A(質量%)を求めた後、式2を用いて水酸化リチウム(無水および一水和物の混合物)中のリチウム純分L(質量%)を求める。
[数1]
A=[(W1−W2)/(W1−W0)]×100 式1
[数2]
L=L1/(L2+ (L2×A×0.01)/(1−A×0.01)))×100 式2
L1:6.941(リチウム原子量)
L2:23.949(無水水酸化リチウム分子量)
上記測定方法によって得られたリチウム純分を使用すれば、必要とするリチウム量を除することで、水酸化リチウムが1水和物と無水和物の混合状態となっていても、ニッケル化合物と混合する水酸化リチウム量を正確に求めることができるから、工業的に容易にかつ高精度でLi/Me比を制御することが可能となる。
(試料の採取量)
1回に採取分析される試料の質量はとくに限定されないが、20g以上であることが好ましい。試料の質量を20g以上とすることで、フレキシブルコンテナなどに梱包されている大量の水酸化リチウム全体を代表するリチウム純分を正確に求めることができる。
なお、試料の質量が20g未満の場合、試料間の結晶水分量の変動により、水酸化リチウム全体を代表するリチウム純分が得られない場合あるし、測定誤差も大きくなるため好ましくない。
一方、試料は、測定単位で4桁以上測定できれば特に限定されないが、500gを超えて試料を採取しても水酸化リチウムが無駄になるだけであるので、試料の採取量は、20〜500gが好ましい。
また、加熱前後における水酸化リチウムの秤量は、測定単位の小数点下2桁まで、すなわち測定単位で4桁以上行うことが好ましい。小数点下2桁まで精秤することでリチウム純分の精度が高くなり、正確にLi/Me比を制御することが可能となる。
(加熱条件)
試料の加熱は、炭酸ガスが存在しない雰囲気で加熱することが必要である。大気雰囲気中等の炭酸ガスが含まれる雰囲気中では、加熱中に水酸化リチウムが炭酸化して質量変化が生じるため、正確に質量減少割合よるリチウム純分を求めることができないからである。炭酸ガスが存在しない雰囲気としては、真空雰囲気またはAr、Heガスなどの不活性ガス雰囲気をあげることができるが、これらの条件に限定されるものではない。
(加熱温度)
また、試料を加熱する温度は、150〜300℃とすることが好ましい。加熱温度が150℃未満では、水酸化リチウムからの結晶水の除去が十分でなく、正確なリチウム純分を求めることができないことがある。また、300℃を超えると、水酸化リチウムが分解するため、結晶水除去による質量減少量を測定することが困難となる。
(非水系電解質二次電池)
本発明の非水系電解質二次電池は、上述したリチウムニッケル複合酸化物からなる正極活物質で形成された正極を有する。本発明の非水系電解質二次電池には、前記正極が用いられていることから、高容量で安全性に優れている。
まず、本発明の非水系電解質二次電池の構造を説明する。
本発明の非水系電解質二次電池(以下、単に本発明の二次電池という)は、正極の材料に上述したリチウムニッケル複合酸化物からなる正極活物質(以下、単に本発明の正極活物質という)を用いたこと以外は、一般的な非水系電解質二次電池と実質的に同等の構造を有している。
具体的には、本発明の二次電池は、ケース、このケース内に収容された正極、負極、非水系電解液およびセパレータを備えている。より具体的には、セパレータを介して正極と負極とを積層させて電極体とし、得られた電極体に非水系電解液を含浸させ、正極の正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、および負極の負極集電体と外部に通ずる負極端子との間をそれぞれ集電用リードなどで用いて接続し、ケースを密閉することにより、本発明の二次電池が形成される。なお、本発明の二次電池の構造は、前記で例示されたものに限定されるものではなく、その外形として筒形、積層形などの種々の形状を採用することができる。
(二次電池の各部の構造)
つぎに、本発明の二次電池の各部の構造を説明する。
(正極)
まず、本発明の二次電池の特徴である正極について説明する。
正極は、シート状の部材であり、本発明の正極活物質を含有する正極合材ペーストを、集電体の表面に塗布し、乾燥させることによって形成されている。
なお、正極は、使用する電池にあわせて適宜加工される。例えば、目的とする電池の大きさに応じて適当な大きさに形成する裁断処理や、電極密度を高めるためにロールプレスなどによる加圧圧縮処理などが行われる。
(正極合材ペースト)
前記正極合材ペーストは、正極合材に、溶剤を添加して混練することによって得られる。また、正極合材は、粉末状の本発明の正極活物質と導電材と結着剤とを混合することによって得られる。
(正極導電材)
導電材は、電極に適当な導電性を与えるために用いられる。導電材は、電池内で化学的に安定な電子伝導性材料であればよく、とくに限定されない。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛および膨張黒鉛などの黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラックおよびサーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維および金属繊維などの導電性繊維類、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛およびチタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料、フッ化カーボン等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、正極合剤に添加される導電材の添加量は、特に限定されないが、正極合剤に含まれる正極活物質100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましく、1〜15重量部がさらに好ましい。
(正極結着剤)
結着剤は、正極活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすものである。この正極合材に使用される結着剤はとくに限定されない。例えば、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を使用することができるが、熱可塑性樹脂が加圧圧縮処理などの電極形成時の加工が容易である点で好ましい。
結着剤に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレン―ブタジエンゴム(SBR)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、フッ素ゴム、エチレン―プロピレン―ジエンゴム、セルロース、ポリアクリル酸などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは、Naイオンなどによる架橋体であってもよい。
なお、正極合材には、活性炭などを添加してもよい。活性炭などを添加することによって正極の電気二重層容量を増加させることができる。
溶剤は、結着剤を溶解させ、正極活物質、導電材、活性炭などを結着剤中に分散させるために用いられる。この溶剤はとくに限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤が挙げられる。
また、正極合材ペーストに用いられる各成分の混合比は、とくに限定されない。例えば、溶剤を除いた正極合材の固形分100質量部あたり、一般の非水系電解質二次電池の正極と同様に、正極活物質の量を60〜95質量部、導電材の量を1〜20質量部、結着剤の量を1〜20質量部とすることができる。
(正極集電材)
正極合材ペーストが塗布される集電体は、電池内で化学的に安定な電子伝導体であればよく、とくに限定されない。例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などからなる箔またはシートを用いることができる。とくに、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔が、酸化環境に耐え、導電性に優れ、かつ薄膜状に加工し易い点で好ましい。
また、箔またはシートの表面には、カーボンまたはチタンの層を形成したり、酸化物層を形成したりしてもよい。
また、箔またはシートの表面には、凹凸を付与することもできる。箔またはシートの表面に凹凸を付与する方法はとくに限定されない。例えば、箔またはシートをプレス加工などして、その表面に凹凸を付与してもよい。また、箔またはシートとして、ネット状のものやパンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群成形体などの構造を有する材料を使用した場合も、箔またはシートの表面に凹凸を付与することができる。
集電体の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、1〜500μmが好ましく、15〜20μmが後工程での巻き取りへの対応や、電池容量を高める点でより好ましい。
(負極)
負極は、銅などの金属箔集電体の表面に負極合材ペーストを塗布し、乾燥させることによって形成されたシート状の部材である。この負極は、負極合材ペーストを構成する成分、集電体の素材などが正極とは異なるが、実質的に前記正極と同様の方法によって製造することができ、正極と同様に、必要に応じて各種処理が行われる。
以下、負極を形成する各部材を説明するが、実質的に正極と同じ材料や構造を有する部材(負極合材ペーストにおける導電材、結着剤、集電体)については、説明を割愛する。
(負極合材ペースト)
負極合材ペーストは、負極活物質と結着剤とを混合した負極合材に、適当な溶剤を加えてペースト状にしたものである。
負極活物質として、リチウムを電気化学的に充放電し得る材料であればよい。例えば、金属リチウムやリチウム合金等のリチウムを含有する物質を採用することができる、リチウム合金としては、とくにケイ素、スズ、アルミニウム、亜鉛及びマグネシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む合金が高容量の電池が作成できる点で好ましい。
また、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵および脱離することができる吸蔵物質を用いることができる。この吸蔵物質はとくに限定されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛およびフェノール樹脂などの有機化合物の焼成体、コークスなどの炭素物質の粉状体等を挙げることができる。
吸蔵物質を負極活物質に用いた場合には、正極と同様に、結着剤として、ポリフッカビニルデン(PVDF)などのフッ素樹脂を用いることができる。負極活物質を結着剤中に分散させるために溶剤を用いることができる。溶剤として、例えば、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤が挙げられる。
前記負極活物質の平均粒径は、特に限定されるものではなく、例えば、1〜30μmが好ましい。
(非水系電解液)
非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。
有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネ−ト(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、トリフルオロプロピレンカーボネート(TFPC)などの環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類;1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類;エチルメチルスルホンやブタンスルトンなどの硫黄化合物;リン酸トリエチルやリン酸トリオクチルなどのリン化合物;ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられるが、本発明はかかる例示にのみ限定されるものではない。これらの有機物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合でも、とくに、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒、または環状カーボネートと鎖状カーボネートと脂肪族カルボン酸エステルとの混合溶媒が高い電気伝導率の電解液を得られる点で好ましい。
支持塩であるリチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCl、LiCFSO、LiCFCO、Li(CFSO、LiAsF、LiN(CFSO、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、リチウムイミド塩およびそれらの複合塩を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。とくに、LiPFを用いれば、電気伝導率が優れる点で好ましい。
非水系電解液中のリチウム塩濃度は、特に限定されないが、0.2〜2mol/Lが好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましい。
なお、非水系電解液には、電池の充放電特性を改良するために、種々の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ピリジン、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、クラウンエーテル類、第四級アンモニウム塩、エチレングリコールジアルキルエーテルなどを挙げることができる。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極との間に挟み込んで配置されるものであり、正極と負極とを分離し、電解質を維持する機能を有している。かかるセパレータは、上記機能を有するものであれば、とくに限定されないが、大きなイオン透過度と所定の機械的強度を持ち、かつ絶縁性である微多孔性薄膜が好ましい。
微多孔性薄膜としては、一定温度以上で孔を閉塞し、抵抗を上昇させる機能を持つものが電池の安全性確保の点で好ましい。微多孔性薄膜の材質はとくに限定されないが、耐有機溶剤性に優れ、疎水性を有するポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンが好ましく、ガラス繊維等から作製されたシート、不織布、織布なども使用することができる。微多孔性薄膜の孔径および空孔率は、一般的には、孔径0.01〜1μm、空孔率30〜80%が好ましいが、とくに限定されない。
セパレータの厚みはとくに限定されないが、正負極間で短絡を防止して十分な活物質充填量の確保を考慮すれば、10〜300μmが好ましく、15〜50μmがより好ましい。
また、専用のセパレータを設けずに、非水電解液および非水電解液を維持するポリマー材料からなるポリマー電解質を正極または負極と一体化させて、このポリマー電解質をセパレータとして機能させてもよい。かかるポリマー材料としては、非水電解液を維持することができるものであればよいが、とくにフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体が好ましい。
(本発明の二次電池の用途)
本発明の二次電池は、高容量で安全性に優れているので、常に高容量を要求される小型携帯電子機器(ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話端末など)の電源に用いることができる。
(実施例)
以下に、本発明の製造方法によって製造された非水電解質二次電池用正極活物質で形成された正極を有する本発明の非水系電解質二次電池(実施例1)と、他の製造方法によって製造された非水電解質二次電池用正極活物質で形成された正極を有する非水系電解質二次電池(比較例1、2)について、初期放電容量および内部抵抗を比較した。
本実施例では、水酸化ニッケルおよび水酸化リチウムを原料としてリチウムニッケル複合酸化物を合成し、合成されたリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として非水系電解質二次電池を製造した。
リチウムニッケル複合酸化物は、水酸化ニッケルと水酸化リチウムの混合物を調製し、この混合物を焼成して合成した。混合物は、混合物中におけるニッケルを含むリチウム以外の全ての金属の原子数とリチウムの原子数との比が、目的とするリチウムニッケル複合酸化物(Li1.02Ni0.82Co0.15Al0.03)中におけるニッケルを含むリチウム以外の全ての金属の原子数とリチウムの原子数の比(1.02/1.00)と一致するように調整した。
なお、実施例1および比較例1、2において、リチウムニッケル複合酸化物中の金属の分析、水分率および比表面積は、以下の方法で測定した。
(1)金属の分析:ICP発光分析法により測定した。
(実施例1)
リチウムニッケル複合酸化物からなる正極活物質は、(1)ニッケル酸化物を調製する工程、(2)水酸化リチウムにおけるリチウム純分の測定、(3)ニッケル酸化物と水酸化リチウムを混合して焼成する工程(焼成工程)、によって合成した。
なお、正極活物質は、異なる10梱包の水酸化リチウムを原料として、それぞれ合成した。
(1)水酸化ニッケルを調製する工程
まず、硫酸ニッケル六水和物(和光純薬製)、硫酸コバルト七水和物(和光純薬製)、および硫酸アルミニウム(和光純薬製)を混合して混合試薬を調製し、この混合試薬を水に溶かして水溶液を調製した。
なお、各試薬は、混合試薬における各金属成分の原子数比が、Ni:Co:Al=0.82:0.15:0.03となるように各試薬を秤量した。
この水溶液を、25質量%アンモニア水(和光純薬製)および25質量%苛性ソーダ水溶液(和光純薬製)と同時に水が充填された吐出口付攪拌反応槽中に滴下し、反応晶析法により水酸化ニッケルを製造した。なお、吐出口付攪拌反応槽は、その内部の水溶液の温度が50℃、pHを11.5、滞留時間が11時間となるよう制御した。
得られた水酸化ニッケルは、走査型電子顕微鏡(SEM)により、1次粒子が凝集した球状の2次粒子であることが確認された。2次粒子の平均粒径をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製 マイクロトラックHRA)により測定したところ、10.2μmであった。
(2)水酸化リチウムリチウム純分の測定
梱包されている水酸化リチウム一水和物から30gの試料を採取し、試料をガラス製のシャーレに乗せてシャーレとともに小数点下2桁まで秤量器(ザルトリウス メカトロニクス ジャパン製 ELT202)により精秤した。なお、上記シャーレの質量は、試料を載せる前に小数点下2桁まで同様に精秤して求めた。
シャーレとともに試料を真空乾燥機(東京理化器械株式会社製、型式VOS-451SD)に入れ、230℃にて1時間加熱乾燥した後、真空状態で4時間静置して自然冷却を行った。冷却後、試料を入れたシャーレを加熱乾燥前と同様に秤量器で精秤した。
精秤により得られた加熱乾燥前後の質量から、上記式1および式2を用いてリチウム純分を求めた。
(3)焼成工程
(1)で得られた水酸化ニッケルに、水酸化リチウム一水和物(和光純薬製)を添加え、Vブレンダーを用いて混合して、混合物(金属化合物)を調製した。添加する水酸化リチウム一水和物の量は、混合物中の各金属成分の原子数比がNi:Co:Al:Li=0.82:0.15:0.03:1.02となるように、(2)で測定した水酸化リチウム一水和物のリチウム純分に基づいて調整した。
得られた混合物を、電気炉を用いて酸素濃度30%以上の雰囲気中において500℃で3時間仮焼した後、760℃で20時間焼成した。その後、室温まで炉内で冷却した後、解砕処理を行って正極活物質を得た。得られたそれぞれの正極活物質間におけるLi品位の標準偏差を表1に示す。
(二次電池の製造)
10梱包の水酸化リチウムからそれぞれ得られた正極活物質を用いてそれぞれ二次電池を製造した。製造された二次電池は、図1に示す2032型コイン電池(以下、コイン型電池1という)である。
コイン型電池1は、図1に示すように、ケース2と、このケース2内に収容された電極3とから構成されたものである。
ケース2は、中空かつ一端が開口された正極缶2aと、この正極缶2aの開口部に配置される負極缶2bとを有しており、負極缶2bを正極缶2aの開口部に配置すると、負極缶2bと正極缶2aとの間に電極3を収容する空間が形成されるように構成されている。
電極3は、正極3a、セパレータ3cおよび負極3bとからなり、この順で並ぶように積層されており、正極3aが正極缶2aの内面に接触し、負極3bが負極缶2bの内面に接触するようにケース2に収容されている。
なお、ケース2はガスケット2cを備えており、このガスケット2cによって、正極缶2aと負極缶2bとの間が非接触の状態を維持するように相対的な移動が固定されている。また、ガスケット2cは、正極缶2aと負極缶2bとの隙間を密封してケース2内と外部との間を気密液密に遮断する機能も有している。
(二次電池の製造)
上記のごときコイン型電池1は、以下のようにして製作した。
まず、正極活物質粉末90重量部に、アセチレンブラック5重量部およびポリ沸化ビニリデン5質量部を混合し、n−メチルピロリドンを加えペースト化して、正極合材ペーストを製造した。
これを20μm厚のアルミニウム箔に塗布し、120℃で真空乾燥を行い、その後、これより直径1cmの円板状に打ち抜いて正極とした。なお、正極合材ペーストは、乾燥後の活物質質量が0.05g/cmなるようにアルミニウム箔に塗布した。
負極には、リチウム金属を使用し、電解液には1MのLiClOを支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合溶液を用いた。
また、ポリエチレンからなるセパレータに電解液を染み込ませ、露点が−80℃に管理されたArガス雰囲気のグローブボックス中で、上記正極、負極、電解液、セパレータを用いて、図1の2032型のコイン電池を作製した。
製造したコイン型電池1の性能を評価する、初期放電容量は以下のように定義した。また、内部抵抗値は以下の方法で測定した。
(初期放電容量の定義)
初期放電容量は、以下のように定義した。
図1に示すコイン型電池を製作してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(open circuit voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.1mA/cm2としてカットオフ電圧4.2Vまで充電した。1時間の休止後、カットオフ電圧2.5Vまで放電したときの容量を初期放電容量とした。
(内部抵抗Rctの測定)
内部抵抗Rctは、以下のようにして測定した。
図1に示すコイン型電池を製作してから24時間程度放置し、OCVが安定した後、正極に対する初期電流密度0.5mA/cmで電圧4.0VまでCCCV充電を行った。その後、充電状態のコイン電池について、インピーダンス装置(ソーラートロン社製インピーダンスアナライザ1255B)を用いてインピーダンス測定を行った。測定では、電圧10mV条件下で周波数10kHz〜0.1Hzまで走査して、インピーダンスを測定した。
(比較例1)
実施例1の水酸化リチウムにおけるリチウム純分の測定方法を、水酸化リチウム水溶液について中和滴定法(JIS K1200−2に準拠)を用いて測定する方法に変更した以外は実施例1と同様に行い、正極活物質を得て、得られた正極活物質を用いて二次電池を製造した。
なお、中和滴定に使用する水酸化リチウム水溶液は、純水100mlに水酸化リチウム一水和物1gを溶解した溶液について行った。
(比較例2)
実施例1の水酸化リチウムにおけるリチウム純分の測定方法を、水酸化リチウム水溶液についてICP発光分析法を用いて測定する方法に変更した以外は実施例1と同様に行い、正極活物質を得て、得られた正極活物質を用いて二次電池を製造した。
なお、ICP発光分析に使用する水酸化リチウム水溶液は、純水100mlに水酸化リチウム一水和物1gを溶解した溶液について行った。
(実験結果)
実施例1および比較例1、2で得られた二次電池について、初期放電容量および内部抵抗を測定した結果を表1に示す。
なお、各例における表1の数値は、各例で得られた複数の二次電池における初期放電容量および内部抵抗の標準偏差を示している。
また、表1における比較例1、2の内部抵抗値Rctは、測定後の第2円弧(図2参照)から算出された内部抵抗値について、実施例1を100とした相対値として表記したものである。
Figure 0005640778
表1より、実施例1では、正極活物質のLi品位、電池における初期放電容量および内部抵抗Rctの標準偏差(RSD)は小さく、安定した正極活物質が得られていることがわかる。つまり、均一な正極活物質を工業的に安定して提供することができることが確認できる。
これに対して、比較例1〜2では、従来の分析方法でリチウム純分を測定して正極活物質を得たため、Li品位、電池における初期放電容量および内部抵抗Rctの標準偏差はいずれも大きく、均一な正極活物質を工業的に安定して供することは困難であることが確認できる。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、高容量と優れた熱安定性を両立させることができる非水電解質二次電池の正極活物質に適している。
1 コイン型電池
2 ケース
3 電極
3a 正極
3b 負極
3c セパレータ

Claims (6)

  1. 一般式(I):
    LiNi1-aMaO2 (I)
    (式中、0.01≦a≦0.5、Mは、Ni以外の遷移金属元素、2族元素および13族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を示す)
    で表わされるリチウムニッケル複合酸化物の粒子からなる正極活物質を製造する方法であって、前記正極活物質の原料として当該正極活物質における金属の原子比に対応する金属の原子比を有し、ニッケル化合物および水酸化リチウムを配合した金属化合物を用い、当該金属化合物を焼成する前に、
    配合前の水酸化リチウム原料から採取した試料20〜500gを加熱乾燥させたときの質量減少割合に基づいて算出した当該試料のリチウム含有量を当該水酸化リチウム原料のリチウム含有量とし、当該水酸化リチウム原料のリチウム含有量に基づいて前記金属化合物に配合する当該水酸化リチウム原料の量を調整する
    ことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記水酸化リチウムから採取した試料を150℃〜300℃に加熱乾燥する
    ことを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記金属化合物を、酸素雰囲気中において、650〜850℃の温度範囲で焼成する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記金属化合物に含まれるリチウムと、リチウム以外の全ての金属との原子数比(リチウムの原子数比/リチウム以外の全ての金属の原子数比の和)を1.00/1〜1.10/1に調整する
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記金属化合物が、
    ニッケル水酸化物および/またはニッケル水酸化物を焙焼して得られるニッケル酸化物を含んでおり、
    前記ニッケル水酸化物は、
    加温した反応槽中に、ニッケルと、ニッケル以外の遷移金属元素、2族元素および13族元素から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む金属化合物の水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを供給して調製されたものであり、
    該ニッケル水酸化物を調製する際に、アルカリ金属水酸化物の水溶液を、前記反応槽中の水溶液をアルカリ性に維持するように添加する
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記金属化合物が、
    ニッケルオキシ水酸化物および/またはニッケルオキシ水酸化物を焙焼して得られるニッケル酸化物を含んでおり、
    前記ニッケルオキシ水酸化物は、
    加温した反応槽中に、ニッケルと、ニッケル以外の遷移金属元素、2族元素および13族元素から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む金属化合物の水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを供給した後、酸化剤を添加して調製されたものであり、
    当該ニッケルオキシ水酸化物を調製する際に、アルカリ金属水酸化物の水溶液を、前記反応槽中の水溶液をアルカリ性に維持するように添加する
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
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