JP5639303B1 - 盗難防止機構付きキーセット - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作性が優れた盗難防止機構付きキーセットを提供すること。【解決手段】 キー挿入穴22aを有するシリンダー22とシャッター部23を備えたシリンダー装置20と、鍵30で盗難防止機構付きキーセットAを構成した。シャッター部23に、シリンダー22の***作側面22b側に回転可能に配置されキー挿入穴22aに穴形状を一致させて連通できるキー挿通穴24aを有するシャッター24と、シャッター24に対向して配置されたカバー部材26と、シャッター24に設けられた収容凹部24bと、その内部に配置された磁石27とコイルバネ27aおよびカバー部材26に設けられた係合凹部26cとからなるロック部を設けた。鍵30に、鍵本体31の操作面側に設けられ磁石27に接近したときに磁石27を収容凹部24bの奥側に付勢する磁石36と、鍵本体31の操作面から進退可能なメインキー34とを設けた。【選択図】 図4

Description

本発明は、自動二輪車、小型水上滑走艇等に設けられるシリンダー装置と、そのシリンダー装置を操作するための鍵を備えた盗難防止機構付きキーセットに関する。
例えば、自動二輪車には、エンジンを始動させるためのイグニッションコイルを備えたシリンダー装置が設けられており、自動二輪車を使用する際には、シリンダー装置のキー挿入穴に、鍵のメインキーを挿入して回転する操作が行われる。このようなシリンダー装置の中に、盗難防止のためにシリンダー装置を操作できなくするロック機構を備えたものがあり、このロック機構を備えたシリンダー装置と鍵で盗難防止機構付きキーセットが構成されている(例えば、特許文献1参照)。
この盗難防止機構付きキーセットのシリンダー装置は、シリンダボディの内部にロータ(シリンダー)を回転可能に設置するとともに、ロータの上面にシャッターを回転可能に設置して構成されている。ロータの中央には上方から見た形状が長方形のキー孔(キー挿入穴)が上下方向に形成されている。また、ロータの上面における外周側部分には、4つの凹部が円周に沿うように間隔をおいて形成され、それぞれの凹部にバネによって上方に付勢された4つの磁石が上下に移動可能に設けられている。シャッターは、ロータの上部を覆っており、中央に平面視がキー孔と同形の孔形状が形成され、下面における外周側部分には、ロータの4つの磁石と同じ配置で4つの凹部が形成されている。この凹部には、それぞれ磁石が係合可能になっており、凹部に磁石が係合したときに、孔形状はキー孔と位置ずれした状態になる。
シリンダー装置を操作するためのイグニッションキー(鍵)は、把持部から下方に延びるキー部(メインキー)と、把持部の上部に設けられたマグネットキーを備えている。マグネットキーは、内部に2つの磁石が設けられた一対の膨出部と、シャッターの孔形状に係合可能な突出部を備えており、膨出部の磁石は、ロータの磁石と同じ配置で対向する部分が同極になるように設置されている。また、突出部を孔形状に係合させたとき、膨出部の磁石とロータの磁石は対向するよう配置されている。このため、突出部を孔形状に係合させると、ロータの磁石は膨出部の磁石の反発力によって下方に移動して凹部から後退するため、シャッターはロータに対して回転可能になる。その状態でマグネットキーを回転することにより、孔形状とキー孔の穴形状を一致させて連通させることができる。
キー部は、穴形状を一致させて連通した孔形状とキー孔に挿し込むことができ、孔形状とキー孔に挿し込んだ状態で回転操作することにより、ロータを回転させて、自動二輪車のエンジンを始動することができる。このように、この盗難防止機構付きキーセットでは、自動二輪車を使用しないときには、シャッターでキー孔を塞ぐことで盗難防止ができ、自動二輪車を使用するときには、マグネットキーで、孔形状とキー孔の位置を一致させたのちに、キー部でロータを回転させることができる。
特開2012−12762号公報
しかしながら、前述した従来の盗難防止機構付きキーセットでは、イグニッションキーの上部にマグネットキーが設けられ、イグニッションキーの下部にキー部が設けられている。このため、イグニッションキーを上下に反転させながらマグネットキーとキー部を操作しなければならず、操作性が良くないという問題がある。すなわち、まず、マグネットキーを用いてシャッターを回転させ、孔形状とキー孔の穴形状を一致させたのちに、マグネットキーをシャッターから外し、再度、キー部を孔形状を介してキー孔に挿入することが必要であるため、キー部をキー孔に挿入する操作がし難くなる。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、操作性が優れた盗難防止機構付きキーセットを提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記の目的を達成するため、本発明に係る盗難防止機構付きキーセットの構成上の特徴は、***作側面(22b)に開口するキー挿入穴(22a)を有する回転可能なシリンダー(22)とシリンダーを回転操作できなくするロック機構(23)とを備えたシリンダー装置(20)と、シリンダーを回転操作するための鍵(30)とを備えた盗難防止機構付きキーセットであって、ロック機構に、シリンダーの***作側面側に回転可能に配置され、キー挿入穴に穴形状を一致させて連通できるキー挿通穴(24a)を有するシャッター(24)と、シャッターに対向して配置された係止部(26)と、シャッターと係止部の一方に設けられた収容凹部(24b)とその内部に配置された弾性部材(27a)および係合磁石(27)と、シャッターと係止部の他方に設けられた係合凹部(26c)からなり、収容凹部が係合凹部に対向したときに、弾性部材の押圧力により係合磁石を係合凹部に係合させてシャッターを回転できなくし、係合磁石に所定の反発力または吸引力が付加されると弾性部材の押圧力に抗して係合磁石が収容凹部内に後退してシャッターを回転可能な状態にするロック部とが備わり、鍵に、操作面を備えた鍵本体(31)と、鍵本体の操作面側に設けられ、係合磁石に接近したときに、係合磁石を収容凹部の奥側に付勢する係合解除磁石(35)と、操作面から進退可能な状態で鍵本体内に設けられ、キー挿通穴がキー挿入穴に穴形状を一致させて連通したときに操作面から突出させると、キー挿通穴を挿通してキー挿入穴に入り、シリンダーを回転できるようになるメインキー(34)とが備わっていることにある。
本発明に係る盗難防止機構付きキーセットでは、シリンダー装置に、回転することによりシリンダーのキー挿入穴に穴形状を一致させて連通できるキー挿通穴を備えたシャッターを設けて、キー挿通穴とキー挿入穴の穴形状を一致させたり、キー挿入穴の一部または全部を塞いだりすることができるようにしている。また、シャッターに対向する係止部を設けるとともに、シャッターと係止部にロック部を設けているため、係止部に対してシャッターを回転可能にしたり、回転不可にしたりできる。この場合、シャッターが回転不可のときには、シャッターがキー挿入穴の少なくとも一部を塞ぐようにすることが好ましい。これによって、キー挿入穴に、ドライバーやピンなどを挿入し難くなり、シリンダー装置が取り付けられる、例えば、自動二輪車が盗難にあうことを防止できる。
また、ロック部は、シャッターと係止部の一方に設けられた収容凹部とその内部に配置された弾性部材および係合磁石と、シャッターと係止部の他方に設けられ弾性部材の押圧力によって係合磁石が係合できる係合凹部とからなっており、係合磁石に所定の反発力または吸引力が付加されると弾性部材の押圧力に抗して係合磁石が収容凹部内に後退するように構成されている。この場合、シャッターと係止部の位置関係および、収容凹部と係合凹部をシャッターと係止部のいずれの方に設けるかで、係合磁石に付加する力を反発力にするか吸引力にするかが異なってくる。
例えば、係止部をシャッターの表面側に配置して、シャッターに、収容凹部、弾性部材および係合磁石を設けるとともに、係止部に係合凹部を設けて、弾性部材の押圧力によって係合磁石を係合凹部に係合させる場合には、鍵本体の操作面側に、反発力により弾性部材を収縮させて係合磁石を収容凹部の奥側に付勢する係合解除磁石を設ける。この場合、係合磁石と係合解除磁石は、対向する部分が同極になるように設置して、係合磁石と係合解除磁石に反発力が生じるようにする。これによると、鍵本体の操作面を係止部の表面に接近させると係合磁石が弾性部材に抗して収容凹部の奥側に移動して係合磁石と係合凹部の係合が解除される。
また、係止部をシャッターの表面側に配置して、係止部に、収容凹部、弾性部材および係合磁石を設け、シャッターに係合凹部を設ける場合には、鍵本体の操作面側に設置される係合解除磁石と係止部に設置される係合磁石との対向する部分が互いに異極になるようにする。これによると、鍵本体の操作面を係止部の表面に接近させると係合解除磁石が係合磁石を吸引して係合磁石は弾性部材に抗して収容凹部の奥側に移動し係合磁石と係合凹部の係合が解除される。
さらに、係止部をシャッターよりもシリンダー側に配置して、係止部に、収容凹部、弾性部材および係合磁石を設け、シャッターに係合凹部を設ける場合には、鍵本体の操作面側に設置される係合解除磁石と係止部に設置される係合磁石の対向する部分が同極になるようにする。これによると、鍵本体の操作面をシャッターの表面に接近させると、係合磁石は、係合解除磁石に対する反発力によって弾性部材に抗して収容凹部の奥側に移動し係合磁石と係合凹部の係合が解除される。
また、係止部をシャッターよりもシリンダー側に配置して、シャッターに、収容凹部、弾性部材および係合磁石を設け、係止部に係合凹部を設ける場合には、鍵本体の操作面側に設置される係合解除磁石とシャッターに設置される係合磁石の対向する部分が異極になるようにする。これによると、鍵本体の操作面をシャッターの表面に接近させると、係合解除磁石が係合磁石を吸引するため、係合磁石が弾性部材に抗して収容凹部の奥側に移動し係合磁石と係合凹部の係合が解除される。
また、本発明では、鍵本体内に設けたメインキーを操作面から進退可能にしている。このため、メインキーを後退させて係合磁石に係合解除磁石を対向させたままの状態で鍵とシャッターを回転させて、キー挿通穴とキー挿入穴を一致した状態で連通させると、メインキーを突出させてキー挿通穴とキー挿入穴に挿入することができる。これによって、シリンダーの回転操作が可能になる。このように、本発明によると、シャッターを回転させて、キー挿通穴とキー挿入穴を一致させた状態で連通させる操作と、メインキーを突出させてキー挿通穴とキー挿入穴に挿入する操作が、鍵の操作面をシリンダー装置の所定の部分に対向させたままの状態で行える。
このため、従来の盗難防止機構付きキーセットのように、鍵を持ち代えて上下に反転しながら前述した両操作を行う必要がなくなり、メインキーのキー挿入穴への挿入が容易で、操作性に優れた盗難防止機構付きキーセットが得られる。さらに、本発明によると、鍵を使用しないときには、メインキーを鍵本体内に後退させることによって、鍵を小さくして衣服のポケットや小物入れに収容することができる。
なお、本発明において、弾性部材は、コイルばね、伸縮可能な棒状部材や板状部材などで構成することができる。また、係止部は、ロック部を介してシャッターを回転できない状態にしたり、回転可能な状態にしたりするためのもので、シャッターの表面側または裏面側に配置された板状の部材や、シリンダーの***作側面の一部で構成することができる。なお、係止部をシャッターの表面側に配置された部材で構成するときには、窓穴などを備えて鍵によるシャッターの回転操作を妨げない構造のものを用いる。また、係止部をシャッターよりもシリンダー側に配置する場合は、係止部がメインキーのキー挿入穴への挿入を妨げないように挿通穴を備えたものにする。
さらに、鍵のメインキーは、所定の機構を用いて鍵本体から進退できるようにしてもよいし、鍵の自重や手の操作で鍵本体から進退できるようにしてもよい。手の操作でメインキーを鍵本体から進退させる場合には、鍵本体に内部から外部に貫通する溝を設けるとともに、メインキーに溝を貫通して外部に突出する突出片を設け、この突出片を溝に沿って移動させることによりメインキーを鍵本体から進退させるようにすることができる。また、キー挿通穴とキー挿入穴は、直接重なって連通できるものでもよいし、間に他の部材の穴を介して連通できるものであってもよい。
本発明に係る盗難防止機構付きキーセットの他の構成上の特徴は、鍵本体に、メインキーを操作面から突出させる鍵側弾性部材(37)と、鍵側弾性部材の押圧力に抗してメインキーを鍵本体内に後退させた状態にメインキーを保持する保持部(36,36a,32c)と、保持部によるメインキーの保持を解除させる解除部(38)を設けたことにある。
本発明によると、メインキーを使用しないときには、鍵側弾性部材に抗してメインキーを鍵本体内に後退させてその状態を保持部で保持することができ、シャッターのキー挿通穴をシリンダーのキー挿入穴に重ねてメインキーをキー挿通穴とキー挿入穴に挿し込むときには、解除部を操作することにより、鍵側弾性部材の押圧力でメインキーを操作面から突出させることができる。このため、メインキーを鍵本体内に後退させてその状態を保持するための操作と、メインキーを突出させるための操作の双方が容易になる。
なお、鍵側弾性部材は、前述したロック部の弾性部材と同様、コイルばね、伸縮可能な棒状部材や板状部材などで構成することができる。保持部は、例えば、メインキーの周面から突出する弾性突出部と、鍵本体におけるメインキーを収容する収容部の周面に形成され弾性突出部が係合できる穴部で構成し、解除部は鍵本体の外周に設けられ押圧されることにより、弾性突出部をメインキーの内部に後退させる押圧部で構成することができる。また、保持部を、鍵本体におけるメインキーを収容する収容部の開口を開閉するように移動できる蓋部で構成し、解除部を押圧操作により蓋部を開放側に移動させる操作ボタンで構成することもできる。
本発明に係る盗難防止機構付きキーセットのさらに他の構成上の特徴は、鍵に係合部(33a)を設けるとともに、シャッターに係合部と係合可能な被係合部(24c)を設け、係合部が被係合部に係合しているときに、係合解除磁石が係合磁石を収容凹部の奥側に付勢するようにしたことにある。
本発明によると、鍵本体の係合部がシャッターの被係合部に係合したときに、ロック部によるシャッターのロックが解除されるため、係合部を被係合部に係合させたまま、鍵を回転させて、シャッターのキー挿通穴をシリンダーのキー挿入穴に一致させて連通させることができる。このため、シャッターの回転操作が容易、かつ確実に行えるようになる。この場合の係合部と被係合部は、鍵を回転させたときに、シャッターが鍵とともに回転するように係合することが好ましく、例えば、シャッターの表面に凸部または凹部を設け、鍵本体の操作面にシャッターの凸部または凹部に係合可能な凹部または凸部を設けることで構成できる。また、メインキーが鍵本体内に後退したときに、メインキーの先端がキー挿通穴に挿通できるがキー挿入穴には届かないようにして、メインキーとキー挿通穴で係合部と被係合部を構成してもよい。
本発明に係る盗難防止機構付きキーセットのさらに他の構成上の特徴は、ロック部を複数設けたことにある。
本発明によると、係止部に対するシャッターのロックを解除するための係合磁石と係合解除磁石の組み合わせを増やせるため、より効果的な盗難防止が可能になる。例えば、シリンダー装置にロック部が1つ設けられている場合には、メインキーと同形のキーまたはピンなどと磁石を用いて盗みを試みる者が、磁石のS極とN極の2つの部分を係止部またはシャッターに近づける2回の操作のいずれかで、係止部に対するシャッターのロックを解除することができるが、ロック部を複数設けることにより、係止部に対するシャッターのロックを解除することがより困難になる。
例えば、シリンダー装置にロック部を2つ設けた場合には、その2つのロック部の位置の組み合わせに加えて2つの係合磁石のS極とN極の組み合わせが4通りでき、盗みを試みる者が、複数の磁石を用いても、この2つのロック部に対応する配置を見つけ出すことはかなり困難になる。さらに、ロック部を3つ以上設けると、係止部に対するシャッターのロックを解除することはさらに難しくなる。このため、例えば、ロック部を3つまたは4つ設けてそれらの位置を、シャッターの回転中心点からの距離がそれぞれ異なるように配置すると、シリンダー装置を破壊することなく、係止部に対するシャッターのロックを解除することは殆ど不可能になる。
本発明に係る盗難防止機構付きキーセットのさらに他の構成上の特徴は、係止部を、シャッターの表面におけるキー挿通穴以外の部分を覆うカバー部材(26)で構成し、カバー部材に係合凹部を設け、シャッターに収容凹部、弾性部材および係合磁石を設けたことにある。本発明によると、シャッターをカバー部材からなる係止部で保護できるため、シャッターが破損し難い盗難防止機構付きキーセットを得ることができる。なお、本発明において、シャッターの表面におけるキー挿通穴以外の部分とは、シャッターの回転操作により、キー挿通穴が移動する範囲以外の部分であり、その一部であっても全部であってもよい。
本発明に係る盗難防止機構付きキーセットのさらに他の構成上の特徴は、係止部をシリンダーに設け、シリンダーの係止部に、収容凹部、弾性部材および係合磁石を設け、シャッターに係合凹部を設けて、収容凹部が係合凹部に対向したときに、シャッターがキー挿入穴の少なくとも一部を塞ぐようにしたことにある。
本発明によると、部品点数が少なく構造が簡単な盗難防止機構付きキーセットを得ることができる。なお、収容凹部が係合凹部に対向したときに、ロック部によって、シャッターのシリンダーに対する回転ができなくなっても、メインキーをキー挿通穴とキー挿入穴に挿入してシリンダーをシャッターとともに回転させることができるが、本発明では、このような場合には、シャッターがキー挿入穴の少なくとも一部を塞いでメインキーをキー挿入穴に挿入できないようにしているため、盗難防止が可能になる。
本発明に係る盗難防止機構付きキーセットのさらに他の構成上の特徴は、***作側面(42b)に開口するキー挿入穴(42a)を有する回転可能なシリンダー(42)とシリンダーを回転操作できなくするロック機構とを備えたシリンダー装置(40)と、シリンダーを回転操作するための鍵とを備えた盗難防止機構付きキーセットであって、ロック機構に、シリンダーの表面に配置され、シリンダーの***作側面におけるキー挿入穴以外の部分を覆う係止部(46)と、シリンダーと係止部の一方に設けられた収容凹部(42c)とその内部に配置された弾性部材(27a)および係合磁石(27)と、シリンダーと係止部の他方に設けられた係合凹部(46d)からなり、収容凹部が係合凹部に対向したときに、弾性部材の押圧力により係合磁石を係合凹部に係合させてシリンダーを回転できなくし、係合磁石に所定の反発力または吸引力が付加されると弾性部材の押圧力に抗して係合磁石が収容凹部内に後退してシリンダーを回転可能な状態にするロック部とが備わり、鍵に、操作面を備えた鍵本体と、鍵本体の操作面側に設けられ、係合磁石に接近したときに、係合磁石を収容凹部の奥側に付勢する係合解除磁石と、操作面から突出するメインキーとが備わっていることにある。
本発明によると、鍵本体の操作面を係止部に近づけてロック部によるシリンダーの固定を解除する操作と、メインキーをキー挿入穴に挿入する操作を同時に行えるため、操作性に優れた盗難防止機構付きキーセットが得られる。また、盗難防止機構付きキーセットの部品点数を少なくして簡単な構成にすることができる。なお、本発明では、メインキーは、操作面から常時突出したものであってもよいし、進退可能なものであってもよい。
本発明の第1実施形態に係る盗難防止機構付きキーセットを備えた自動二輪車の要部を示した斜視図である。 盗難防止機構付きキーセットを示した斜視図である。 盗難防止機構付きキーセットを示した平面図である。 図3の4−4断面図である。 盗難防止機構付きキーセットのシャッター部を示した斜視図である。 シャッター部の分解図である。 図6に示したシャッター部を下方から見た状態を示した分解図である。 鍵を示しており、(a)はメインキーが後退した状態の斜視図、(b)はメインキーが突出した状態の斜視図である。 鍵の分解図である。 鍵の下面図である。 メインキーを後退させた状態の鍵を示した断面図である。 メインキーを突出させた状態の鍵を示した断面図である。 シャッターがロックされた状態のシリンダー装置を示した平面図である。 図13のシリンダー装置に鍵を当てた状態を示した断面図である。 図14の鍵とシャッターを90度回転してオフにした状態を示した断面図である。 鍵、シャッターおよびシリンダーをオン側に回転した状態のシリンダー装置を示した平面図である。 図16の17−17断面図である。 鍵、シャッターおよびシリンダーをロック側に回転した状態のシリンダー装置を示した平面図である。 図18の19−19断面図である。 本発明の第3実施形態に係る盗難防止機構付きキーセットのシリンダー装置を示した断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る盗難防止機構付きキーセットAを備えた自動二輪車10の前部を示している。自動二輪車10は、車体11の下部の前後に前輪と後輪を設けるとともに、車体11の中央上部に運転者が座るためのシートを設けて車両本体が構成されており、車体11の前側上部に、アクセルグリップ12とブレーキレバー13とを備えたハンドル部14が設けられている。そして、ハンドル部14の中央上部に各種のメータを備えた表示部15が設けられ、車体11の前部におけるハンドル部14の下方右側部分に盗難防止機構付きキーセットAが設けられている。
盗難防止機構付きキーセットAは、図2ないし図4に示したように、シリンダー装置20と鍵30で構成されている。なお、以下の説明において、盗難防止機構付きキーセットAの前後、左右および上下の各方向は、図3,4に基づいたものとし、図3における上方が前方で、下方が後方とする。シリンダー装置20は、イグニッション21の上方に本発明に係るロック機構を構成するシャッター部23を設置して構成されている。イグニッション21は、シリンダー装置20の本体を構成しており、上下に延びる円筒部21aを備えた基部の円筒部21a内に、軸方向を合わせて略円筒状のシリンダー22を軸周り方向に回転可能に設置して構成されている。
また、イグニッション21には、ハンドル部14をロックするためのロック装置のロックバー(図示せず)が連結されている。シリンダー22は、円筒部21a内で回転することにより、エンジンを始動させたり、停止させたりする他、ロック装置を作動させてハンドル部14をロックする。シリンダー22の内部には、上下に延びるキー挿入穴22aが形成されており、キー挿入穴22aの上端は、シリンダー22の上端の***作側面22bに開口している。キー挿入穴22aの上端開口は細い長方形に形成されている。このキー挿入穴22aには、後述する鍵30のメインキー34を挿入することができ、メインキー34をキー挿入穴22aに挿入した状態で、鍵30を回転することにより、シリンダー22を回転できる。
シャッター部23は、図5ないし図7に示したように、略円板状のシャッター24、シャッター24を収容するケース部材25とカバー部材26、それぞれ3個の磁石27とコイルバネ27aおよび、それぞれ1個のボール28とコイルバネ28aを備えている。シャッター24の中央には、上下に貫通するキー挿通穴24aが形成されており、このキー挿通穴24aの平面視による形状および大きさはシリンダー22のキー挿入穴22aよりも僅かに大きくなっている。
また、シャッター24の上面におけるキー挿通穴24aの周囲には、4つの円形の収容凹部24bが左右前後に間隔を保って形成されている。各収容凹部24bは、シャッター24の上面における中心点からの距離がそれぞれ異なるように配置されている。そして、シャッター24の上面におけるキー挿通穴24aの中央部の少し前方に、本発明に係る被係合部を構成する凸部24cが形成されている。また、シャッター24の下面における外周後側部分には、ボール28とコイルバネ28aを収容できるボール用凹部24dが形成されている。
磁石27は、本発明に係る係合磁石を構成するもので、収容凹部24bに軸を揃えて収容できる円柱状に形成されている。コイルバネ27aは、本発明に係る弾性部材を構成するもので、収容凹部24bに軸を揃えて収容できる大きさに形成されている。各磁石27と各コイルバネ27aは、それぞれ一組となって、4つの収容凹部24bのうちの3つの収容凹部24b内に設置されており、収容凹部24bの奥側にコイルバネ27aが位置し、収容凹部24bの開口側に磁石27が位置している。また、外部からコイルバネ27aを収縮させる力が加わらないときには、磁石27の上端部は、収容凹部24bの開口から上方に突出する。コイルバネ28aは、上端がボール用凹部24dの天井面に支受されてボール用凹部24d内に伸縮可能に設置されており、下端部にボール28が位置している。ボール28は、回転可能な状態でコイルバネ28aによって下方に付勢されている。
ケース部材25は、円板状の底面25aと、円板状の底面25aの周縁部から上方に延びる周壁25bと、周壁25bの外周面から下方に延びる略矩形の取付片25cを備えている。そして、底面25aにおける中心と前端部の間に、上下に貫通する穴部25dが形成されている。この穴部25dの直径は、キー挿通穴24aの長手方向の長さと略同じに設定されている。また、底面25aの上面における穴部25dの周囲には曲面状の凹部24e90,24eON,24eOFF,24eLが周方向に間隔を保って形成され、底面25aの左右両側にそれぞれ上下に貫通するネジ挿通穴25fが形成されている。さらに、底面25aの下面における穴部25dの周囲から円筒状のシリンダー収容筒25gが下方に延びている。
カバー部材26は、ケース部材25の内部に嵌合できる肉厚の円板状に形成されており、その下面における前部にシャッター24を収容できる円形の凹部26aが形成され、凹部26aの上方に、凹部26aと中心を合わせて上下に貫通する操作穴26bが形成されている。この操作穴26bの直径は、ケース部材25の穴部25dの直径と同じになっている。また、凹部26aの天井面における操作穴26bの周囲には、前後左右に間隔を保って一対の係合凹部26cが4組、計8つ形成され、カバー部材26の下面における左右両側にはそれぞれネジ穴26dが形成されている。そして、カバー部材26の上面における操作穴26bの周囲には、キー操作の位置を示す「ON」、「OFF」、「LOCK」の文字が表示されている。
このカバー部材26は、凹部26a内にシャッター24を回転可能に収容した状態でケース部材25に組み付けられ、2個のネジ29をネジ挿通穴25fに通し、ネジ穴26dに螺合させることによって、ケース部材25に固定されている。このように構成されたシャッター部23では、ケース部材25の穴部25d、シャッター24のキー挿通穴24aおよびカバー部材26の操作穴26bが上下に重なるように配置されている。また、シャッター24は、磁石27の上端をカバー部材26の下面に対向させた状態で凹部26a内に収容されており、磁石27の上部が係合凹部26cに嵌合すると回転できず、磁石27を下方に付勢してコイルバネ27aを収縮させると回転可能になる。
また、カバー部材26の8つの係合凹部26cは、シャッター24が90度回転するごとに、3個の磁石27がいずれかの係合凹部26cに係合できるように配置されている。さらに、ボール28は、コイルバネ28aによって、ケース部材25の底面25aに押し付けられており、シャッター24の回転によりキー挿通穴24aの長手方向が前後方向に向いたときに、凹部24e90に嵌合する。また,キー挿通穴24aの一方の端部がカバー部材26の上面の「ON」の文字に向いたときに凹部24eONに嵌合し、「OFF」の文字に向いたときに凹部24eOFFに嵌合し、「LOCK」の文字に向いたときに凹部24eLに嵌合する。
さらに、シャッター24のキー挿通穴24aの端部が「OFF」または「LOCK」の位置にあるときに、キー挿入穴22aとキー挿通穴24aは穴形状を一致させて連通する。このように構成されたシャッター部23は、シリンダー収容筒25g内にシリンダー22の上部を入れた状態でシリンダー収容筒25gの下端部を円筒部21aの上端部に合わせ、取付片25cを円筒部21aに固定することによってイグニッション21に組み付けられている。なお、シャッター24の収容凹部24bに設置した磁石27とコイルバネ27aおよびカバー部材26に形成された係合凹部26cで本発明に係るロック部が構成される。
鍵30は、図8(a),(b)に示したように、鍵本体31からメインキー34を進退可能にして構成されている。鍵30は、図9に示したように、鍵本体31を構成する一対の外カバー31a、メインキー34、スライダー34a、3個の磁石35、一対のボール36、ボール押圧用の一対のコイルバネ36a、キー突出用のコイルバネ37、一対のスイッチ38および4個のネジ39を備えている。一対の外カバー31aは、曲面状の外面31bと平面状の内面31cを備えた縦長板状の略同じもので構成されており、内面31cを対向させて組み付けられている。外カバー31aの内面31cにおける中央部分には上下に延びる縦溝31dが形成され、内面31cにおける縦溝31dの上方にはバネ支持穴31eが形成され、内面31cにおける縦溝31dの下方には下端が開放された進退口31fが形成されている。
また、内面31cの上部両側には、縦溝31dの上端側部分を挟むようにして、一対の摺動溝32が形成されている。この摺動溝32は、外カバー31aの側面から内部に向かって外側溝32a、ガイド溝32b、ボール係止穴32cを順に配置して形成されており、上下方向の幅が外側溝32aよりもガイド溝32bが長く、外側溝32aよりもボール係止穴32cが短くなっている。また、ボール係止穴32cの先端は縦溝31dに連通しており、ボール係止穴32cの先端部分はボール36が係合できる曲面に形成されている。そして、内面31cの下部における縦溝31dの両側にも、ボール係止穴32cと同様のボール係止穴32dが形成されている。ただし、ボール係止穴32dは凹部で構成され外部に連通していない。
外カバー31aの下面には、図10に示したように、一対で略円筒状になり、内部に進退口31fが位置する操作凸部33が形成されている。この操作凸部33は、カバー部材26の操作穴26bに嵌合できる大きさに設定されており、下面には、シャッター24の凸部24cに係合できる凹部33aが形成されている。この凹部33aは、本発明に係る係合部を構成する。また、外カバー31aの下面における操作凸部33の周囲には、シャッター24の4つの収容凹部24bに対向できるように4つの固定凹部33bが左右前後に間隔を保って形成されている。
また、4つの固定凹部33bのうち、磁石27とコイルバネ27aがそれぞれ設置された3つの収容凹部24bに対向する3つの固定凹部33b内に、磁石35が固定されている。この磁石35は、本発明の係合解除磁石を構成するもので、磁石27の上端部とそれに対向する磁石35の下端部が、互いに同極になって反発するように配置されている。この外カバー31aの下面と操作凸部33の下面で、本発明に係る操作面が構成される。また、一対の外カバー31aのうちの一方(図9の右側の外カバー31a)における縦溝31dの両側の上下部分にそれぞれ前後に貫通するネジ挿通穴31gが形成され、他方の外カバー31aの内面における4つのネジ挿通穴31gに対向する部分には、それぞれネジ穴(図示せず)が形成されている。
スライダー34aはメインキー34の上部に連結されており、鍵本体31の縦溝31d内で上下にスライドすることにより、メインキー34を進退口31fを介して進退させる。このスライダー34aは、縦溝31d内をがたつくことなく摺動できる矩形の部材で構成されており、左右両側にそれぞれ収容凹部34bが形成され、上面に円板状のバネ支受部34cが形成されている。各収容凹部34bには、コイルバネ36aによって外部側に付勢された状態でボール36が収容されている。このボール36は、スライダー34aの上下移動にともなって、縦溝31dの内面に押圧された状態で上下移動し、ボール係止穴32c,32dに対向したときに、ボール係止穴32c,32dに係合してスライダー34aの移動を抑制する。
コイルバネ37は、上端部がバネ支持穴31eの天井面に当接し、下部がバネ支受部34cを外嵌した状態で設置されて、外カバー31aに対してスライダー34aを下方に付勢する。そして、コイルバネ37は、スライダー34aを上方に押し上げる力が加わると収縮してバネ支持穴31e内に収まる。このとき、ボール36がボール係止穴32cに係合して、コイルバネ37は収縮した状態に維持される。ボール36とボール係止穴32cの係合が解除されると、コイルバネ37は伸長してスライダー34aを縦溝31dの下端まで移動させる。このとき、ボール36がボール係止穴32dに係合して、コイルバネ37は伸長した状態に維持される。
スイッチ38は、摺動溝32に設置されてボール36を押圧操作するためのもので、外側溝32a内に位置し一部が外部に突出する操作部38aと、ガイド溝32b内に位置し所定の幅で左右に移動可能になったスライド部38bと、ボール36を押圧して収容凹部34b内に後退させる押圧部38cで構成されている。このように、一対の外カバー31aに、メインキー34、スライダー34a、磁石35、ボール36、コイルバネ36a,37およびスイッチ38をそれぞれ設置した状態で、一方の外カバー31aの各ネジ挿通穴31gにネジ39を通し、他方の外カバー31aの各ネジ穴に螺合させることにより、鍵30が組み付けられている。
この鍵30では、図11に示したように、ボール36がボール係止穴32cに係合して、コイルバネ37が収縮した状態に維持されているときに、一対のスイッチ38をそれぞれ摺動溝32の奥側に押し込むと、ボール36とボール係止穴32cの係合が解除されて、コイルバネ37の弾性によってメインキー34が進退口31fから外部に突出する。この場合、図12に示したように、ボール36はボール係止穴32dに係合する。
また、図12の状態から、コイルバネ37の弾性に抗してメインキー34を外カバー31a内に押し込むと、ボール36とボール係止穴32dの係合が解除されて、メインキー34はスライダー34aとともに上昇してボール36とボール係止穴32cが係合する。すなわち、コイルバネ37で本発明に係る鍵側弾性部材が構成され、ボール36、コイルバネ36aおよびボール係止穴32cで本発明に係る保持部が構成され、スイッチ38で本発明に係る解除部が構成される。
つぎに、自動二輪車10を使用する際の盗難防止機構付きキーセットAの操作について説明する。自動二輪車10を駐車させている場合、3つの磁石27が3つの係合凹部26cに係合して、シャッター24はカバー部材26に対して回転できない状態になっている。この磁石27が係合凹部26cに係合するときのシャッター24の位置は、キー挿通穴24aの長手方向が左右方向を向いているときと、前後方向を向いているときであり、シャッター24は90度回転する毎にロックされる。ここでは、図13に示したように、キー挿通穴24aの長手方向が前後方向に向いてシャッター24はロックされているとする。
図13の状態のシリンダー装置20に、まず、鍵30の下面である操作面を近づけて、操作凸部33を操作穴26bに嵌合させるとともに、凸部24cと凹部33aを係合させる。この場合、磁石35の下面は、カバー部材26の上面に接してもよいし、接していなくてもよい。これによって、盗難防止機構付きキーセットAは、図14の状態になる。このとき、磁石27は、磁石35から反発力を受けて収容凹部24b内に入るため、シャッター24は回転可能であるが、キー挿通穴24aの長手方向が前後方向に向いているのに対し、キー挿入穴22aの開口の長手方向は左右方向に向いているため、メインキー34はキー挿通穴24aには挿入できてもキー挿入穴22aには挿入できない。このため、メインキー34を後退させたままの状態で、鍵30をシャッター24とともに、キー挿通穴24aの端部が「OFF」の位置(図3の状態)を向くまで回転させる。
これによって、図15に示したように、キー挿通穴24aの長手方向が左右方向に向い、キー挿入穴22aとキー挿通穴24aは穴形状を一致させて連通した状態になる。つぎに、一対のスイッチ38をそれぞれ押圧操作して、メインキー34を進退口31fから突出させる。これによって、図4に示したように、メインキー34の下部は、キー挿通穴24aを通ってキー挿入穴22a内に入る。そして、図16および図17に示したように、鍵30の平面視による長手方向の端部が「ON」の位置を向くまで、鍵30を回転すると、鍵30とともに、シャッター24とシリンダー22が回転して、エンジンが始動する。その状態で、アクセルグリップ12やブレーキレバー13等を操作して自動二輪車10を走行させることができる。また、メインキー34がキー挿入穴22a内に入った状態で、シャッター24とシリンダー22を回転させるときには、外カバー31aの下面がカバー部材26の上面から多少離れていてもよい。
また、自動二輪車10を停止させて、鍵30の平面視による長手方向の端部が「OFF」の位置を向くまで鍵30を回転するとエンジンは停止する。さらに、図18および図19に示したように、鍵30の平面視による長手方向の端部が「LOCK」の位置を向くまで、鍵30を回転すると、ハンドル部14はロックされて回転操作できなくなる。なお、メインキー34は、鍵30の平面視による長手方向の端部が「OFF」の位置を向いているときと、「LOCK」の位置を向いているときに、キー挿入穴22aから抜き取ることができる。
鍵30の平面視による長手方向の端部が「OFF」の位置を向いているときに、メインキー34をキー挿通穴24aから抜き取ると、シャッター24はロックされて回転できない状態に維持される。また、キー挿通穴24aの端部が「LOCK」の位置を向いているときに、メインキー34をキー挿通穴24aから抜き取ると、シャッター24は回転可能な状態になっているが、回転によりキー挿通穴24aの長手方向が左右方向または前後方向に向いたときにロックされて回転できなくなる。なお、自動二輪車10の駐車時に、キー挿通穴24aの長手方向が左右方向に向いた状態にしておくこともできるが、防犯上から、キー挿通穴24aの長手方向が前後方向に向いた図13の状態にしておくことが好ましい。
このように、本実施形態に係る盗難防止機構付きキーセットAでは、シリンダー装置20に、シリンダー22のキー挿入穴22aに穴形状を一致させて連通できるキー挿通穴24aを備えたシャッター24を設けるとともに、カバー部材26に対してシャッター24を回転可能にしたり、回転不可にしたりできるロック部を設けている。一方、鍵30には、磁石27に対して反発力を与える磁石35を鍵本体31の操作面である下面に設けるとともに、メインキー34を鍵本体31の下面から進退可能にしている。
このため、磁石27に磁石35を対向させた状態で鍵30をシャッター24とともに回転させて、キー挿通穴24aをキー挿入穴22aに一致した状態で連通させると、メインキー34を突出させてキー挿通穴24aとキー挿入穴22aに挿入することができる。これによって、シリンダー22の回転操作が可能になる。このように、シャッター24を回転させて、キー挿通穴24aをキー挿入穴22aに一致させた状態で連通させる操作と、メインキー34を突出させてキー挿通穴24aとキー挿入穴22aに挿入する操作が、鍵30を持ち換えることなく、鍵30の操作面をシャッター24の上面に当てたままの状態で行える。このため、メインキー34のキー挿入穴22aへの挿入が容易になる。
また、シャッター24に凸部24cを設けるとともに、鍵本体31に凹部33aを設けて、凸部24cと凹部33aが係合しているときに、磁石27と磁石35が対向してシャッター24が回転可能になるようにしている。このため、凸部24cと凹部33aを係合させたまま、鍵30を回転させて、キー挿通穴24aとキー挿入穴22aを一致させて連通させることができる。この結果、シャッター24の回転操作が容易かつ確実になる。さらに、ロック部を複数設けたため、より効果的な盗難防止が可能になる。すなわち、盗難防止機構付きキーセットAでは、4つの収容凹部24bに対して、3組の磁石27とコイルバネ27aを用いているため、磁石27の配置パターンをさらに増やすことができる。
さらに、盗難防止機構付きキーセットAでは、シャッター24の下面にボール用凹部24dを形成してその内部にコイルバネ28aによって下方に付勢されたボール28を設置するとともに、ケース部材25の底面25aに凹部24e90,24eON,24eOFF,24eLを形成している。そして、シャッター24の回転によりキー挿通穴24aの長手方向が前後方向に向いたとき、キー挿通穴24aの端部がカバー部材26の上面の「ON」、「OFF」、「LOCK」にそれぞれ向いたときに、ボール28が凹部24e90,24eON,24eOFF,24eLのうちの対応する部分に係合するようにしている。このため、キー操作したときにクリック感が生じ、キー操作の状態を視覚だけでなく、触覚によっても得られる。また、シャッター24を、キー挿通穴24aの端部が「ON」、「OFF」、「LOCK」に正確に向いた適正位置に停止させることができる。
前述した第1実施形態の変形例として、カバー部材に磁石とコイルバネを設け、シャッターに係合凹部を設けてもよい。この場合、カバー部材の厚みを厚くして、シャッターの厚みを薄くする。また、鍵に設ける磁石は、カバー部材の磁石を吸引するように両磁石の対向する端部どうしが異極になるように設置する。さらに、前述した第1実施形態の他の変形例として、ケース部材に磁石とコイルバネを設け、シャッターに係合凹部を設けてもよいし、シャッターに磁石とコイルバネを設け、ケース部材に係合凹部を設けてもよい。これらの場合も、ケース部材とシャッターの厚み、および、鍵に設ける磁石の配置は適宜設定する。
(第2実施形態)
図示は省略するが、本発明の第2実施形態として、シリンダーの上面に収容凹部を形成して、その内部に、コイルバネによって上方に付勢された磁石を設置し、シャッターの下面に磁石が係合できる係合凹部を設けることもできる。この場合、収容凹部が係合凹部に対向したときに、シャッターがキー挿入穴の少なくとも一部を塞ぐようにしてメインキーをキー挿入穴に挿入できないようにする。また、鍵は前述した鍵30と同様のものを使用する。本実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図20は、本発明の第3実施形態に係る盗難防止機構付きキーセットに備わったシリンダー装置40を示している。このシリンダー装置40では、シリンダー42の内部に形成されたキー挿入穴42aの上端は***作側面42bに開口しており、***作側面42bにおけるキー挿入穴42aの開口の周囲に、4つの収容凹部42c(2つしか図示せず)が形成されている。そして、4つの収容凹部42cのうちの3つの収容凹部42cに、コイルバネ27aによって上方に付勢された状態で磁石27が設置されている。
そして、シリンダー42の上方に係止部46が設置されている。この係止部46は、操作穴46bが形成された円板状の基部46aの下面における操作穴46bの周囲に下方に延びるシリンダー収容筒46e形成するとともに、基部46aの下面とシリンダー収容筒46eの周面にかけての部分に略矩形の取付片46cを形成して構成されている。そして、基部46aの下面における4つの収容凹部42cに対向する部分に、それぞれ係合凹部46dが形成されている。このシリンダー装置40のそれ以外の部分の構成は、前述したシリンダー装置20と同じである。すなわち、シリンダー装置40にはシャッターが備わっていない。
また、盗難防止機構付きキーセットの鍵としては、前述した鍵30を用いてもよいが、鍵30からメインキー34を鍵本体31から進退させる機構を除いてメインキー34を突出した状態に固定したものを用いてもよい。本実施形態によると、突出したメインキー34を操作穴46bとキー挿入穴42aに挿入しながら鍵本体31の操作面を係止部46に近づけて、磁石27を収容凹部42c内に押し込むことにより、磁石27と係合凹部46dの係合を解除することができる。このため、そのまま鍵30を操作してシリンダー42を回転させることができる。
このように、本実施形態によると、ロック部によるシリンダー42の固定を解除する操作と、メインキー34をキー挿入穴42aに挿入する操作を同時に行えるため、操作性に優れた盗難防止機構付きキーセットが得られる。また、盗難防止機構付きキーセットの部品点数を少なくして簡単な構成にすることもできる。なお、本実施形態では、シリンダー42に設けられた収容凹部42c、磁石27およびコイルバネ27aと、係止部46に設けられた係合凹部46dで本発明に係るロック部が構成され、係止部46とロック部でロック機構が構成される。
また、前述した第3実施形態の変形例として、係止部に磁石とコイルバネを設け、シリンダーに係合凹部を設けてもよい。この場合、鍵に設ける磁石は、係止部の磁石を吸引するように両磁石の対向する端部どうしが異極になるように設置する。
本発明に係る盗難防止機構付きキーセットは、前述した各実施形態に限るものでなく、本発明の技術的範囲内で適宜変更することができる。例えば、前述した実施形態では、盗難防止機構付きキーセットを自動二輪車10に設けているが、本発明に係る盗難防止機構付きキーセットは、自動二輪車10の他、他の車両、産業機器、船舶などに用いることもできる。また、盗難防止機構付きキーセットを構成する各部材の形状についても適宜変更が可能である。
20,40…シリンダー装置、22,42…シリンダー、22a,42a…キー挿入穴、22b,42b…***作側面、23…シャッター部、24…シャッター、24a…キー挿通穴、24b,42c…収容凹部、24c…凸部、26…カバー部材、26c,46d…係合凹部、27,35…磁石、27a,36a,37…コイルバネ、30…鍵、31…鍵本体、32c…ボール係止穴、33a…凹部、34…メインキー、34b…収容凹部、36…ボール、38…スイッチ、46…係止部、A…盗難防止機構付きキーセット。

Claims (7)

  1. ***作側面に開口するキー挿入穴を有する回転可能なシリンダーと前記シリンダーを回転操作できなくするロック機構とを備えたシリンダー装置と、前記シリンダーを回転操作するための鍵とを備えた盗難防止機構付きキーセットであって、
    前記ロック機構に、
    前記シリンダーの***作側面側に回転可能に配置され、前記キー挿入穴に穴形状を一致させて連通できるキー挿通穴を有するシャッターと、
    前記シャッターに対向して配置された係止部と、
    前記シャッターと前記係止部の一方に設けられた収容凹部とその内部に配置された弾性部材および係合磁石と、前記シャッターと前記係止部の他方に設けられた係合凹部からなり、前記収容凹部が前記係合凹部に対向したときに、前記弾性部材の押圧力により前記係合磁石を前記係合凹部に係合させて前記シャッターを回転できなくし、前記係合磁石に所定の反発力または吸引力が付加されると前記弾性部材の押圧力に抗して前記係合磁石が前記収容凹部内に後退して前記シャッターを回転可能な状態にするロック部と
    が備わり、
    前記鍵に、
    操作面を備えた鍵本体と、
    前記鍵本体の操作面側に設けられ、前記係合磁石に接近したときに、前記係合磁石を前記収容凹部の奥側に付勢する係合解除磁石と、
    前記操作面から進退可能な状態で前記鍵本体内に設けられ、前記キー挿通穴が前記キー挿入穴に穴形状を一致させて連通したときに前記操作面から突出させると、前記キー挿通穴を挿通して前記キー挿入穴に入り、前記シリンダーを回転できるようになるメインキーと
    が備わっていることを特徴とする盗難防止機構付きキーセット。
  2. 前記鍵本体に、前記メインキーを前記操作面から突出させる鍵側弾性部材と、前記鍵側弾性部材の押圧力に抗して前記メインキーを前記鍵本体内に後退させた状態に保持する保持部と、前記保持部による前記メインキーの保持を解除させる解除部を設けた請求項1に記載の盗難防止機構付きキーセット。
  3. 前記鍵に係合部を設けるとともに、前記シャッターに前記係合部と係合可能な被係合部を設け、前記係合部が前記被係合部に係合しているときに、前記係合解除磁石が前記係合磁石を前記収容凹部の奥側に付勢するようにした請求項1または2に記載の盗難防止機構付きキーセット。
  4. 前記ロック部を複数設けた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の盗難防止機構付きキーセット。
  5. 前記係止部を、前記シャッターの表面における前記キー挿通穴以外の部分を覆うカバー部材で構成し、前記カバー部材に前記係合凹部を設け、前記シャッターに前記収容凹部、前記弾性部材および前記係合磁石を設けた請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の盗難防止機構付きキーセット。
  6. 前記係止部を前記シリンダーに設け、前記シリンダーの係止部に、前記収容凹部、前記弾性部材および前記係合磁石を設け、前記シャッターに前記係合凹部を設けて、前記収容凹部が前記係合凹部に対向したときに、前記シャッターが前記キー挿入穴の少なくとも一部を塞ぐようにした請求項1ないし5のうちのいずれか一つに記載の盗難防止機構付きキーセット。
  7. ***作側面に開口するキー挿入穴を有する回転可能なシリンダーと前記シリンダーを回転操作できなくするロック機構とを備えたシリンダー装置と、前記シリンダーを回転操作するための鍵とを備えた盗難防止機構付きキーセットであって、
    前記ロック機構に、
    前記シリンダーの表面に配置され、前記シリンダーの***作側面における前記キー挿入穴以外の部分を覆う係止部と、
    前記シリンダーと前記係止部の一方に設けられた収容凹部とその内部に配置された弾性部材および係合磁石と、前記シリンダーと前記係止部の他方に設けられた係合凹部からなり、前記収容凹部が前記係合凹部に対向したときに、前記弾性部材の押圧力により前記係合磁石を前記係合凹部に係合させて前記シリンダーを回転できなくし、前記係合磁石に所定の反発力または吸引力が付加されると前記弾性部材の押圧力に抗して前記係合磁石が前記収容凹部内に後退して前記シリンダーを回転可能な状態にするロック部と
    が備わり、
    前記鍵に、
    操作面を備えた鍵本体と、
    前記鍵本体の操作面側に設けられ、前記係合磁石に接近したときに、前記係合磁石を前記収容凹部の奥側に付勢する係合解除磁石と、
    前記操作面から突出するメインキーと
    が備わっていることを特徴とする盗難防止機構付きキーセット。
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JP2012012762A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Asahi Denso Co Ltd イグニッションスイッチ装置

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