以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾球遊技機の実施形態について詳細に説明する。
<1.構成の概要:図1、図2>
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、この普通図柄始動口37には通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その内部には、入賞球を検出する大入賞口センサ40a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置42の両側に一般入賞口43が計4つ配設されており、それぞれ内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
上記した上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、および一般入賞口43は、遊技球が流下する遊技領域内に配置された入賞手段であり、また、それぞれに設けられた特別図柄始動口センサ34a、35a、普通図柄始動口センサ37a、一般入賞口センサ43aは、上記入賞手段へ入球した遊技球を検出する入賞検出スイッチである。これらの入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、上述の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口40、および一般入賞口43などの遊技領域3aに設けられた入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34および下始動口35は3個、大入賞口40は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。なお上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合にはそのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34と下始動口35に対応させて2つ横に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDを二つ横に配置してなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LEDなど:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御部20(図3参照)において抽選で乱数が取得され、その乱数値に基づき大当りに関する抽選(大当り抽選と図柄抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)などで構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、連続予告演出やリーチ演出や演出モードの背景演出など)を現出させる。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、2個の7セグメント表示器が全て「7」の表示状態)で停止表示され、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態としての大当り遊技が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば、29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
また、遊技球がゲートの普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて2個のLED39により表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて、普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLED39の点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示するようになっている。普通図柄表示装置39での普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)にて停止表示させる。
そして補助当りとなった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通変動入賞装置ソレノイド41a(図3参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態となり、遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41(下始動口35)に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。
また、上記普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、始動条件が成立した場合には、この検出信号に基づいて大当り判定用乱数や転落判定用乱数などの遊技情報を取得し、これを保留データとして、あらかじめ定めた最大保留記憶個数まで始動条件の成立順に保留記憶する。そして、この保留記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた保留表示器、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。通常は、この保留記憶の発生順に、各保留記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記最大保留記憶個数と同数の4個を上限の所定個数として扱い、特別図柄、普通図柄に関する保留記憶をそれぞれ4個まで主制御部20のRAM203(図3参照)に記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。
(1−1.遊技状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、主制御部側20で管理される内部的な遊技状態として、通常遊技状態、確変状態、潜伏確変状態、時短状態などを含む複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。なお、特別図柄確変機能の作動開始条件およびその作動終了条件の詳細については、追って説明する。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。
(1−2.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が通常遊技状態よりも早まる「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、開放延長機能が作用する電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(電サポ無し状態)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(電サポ状態)’となる。
(1−3.大当りの種別)
次に、主制御部側で管理される大当りの種別について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当りの種別として、上記「確変状態」の移行契機となる確変大当りの「15R確変大当り」が一種類のみ設けられている。
15R確変大当りによる大当り遊技では、遊技者に有利な利益状態(当り遊技)の供与として、1回のラウンド遊技中の大入賞口40の開放時間が30秒に設定され、そのラウンド遊技数(大入賞口40の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われる。
そして上記大当り遊技終了後には、遊技状態が「確変状態」に移行され、その後は、転落抽選に当選しない限り「確変状態」が継続する、といった転落抽選付の確変状態に突入する。この転落抽選に当選した場合は、大当りの抽選確率が所定確率の低確率である低確率状態に転落し、遊技状態が「時短状態」に移行される。一方、転落抽選にハズレ続け、特別図柄の変動回数が所定回数(ここでは100回転)以内に大当りできないときは、開放延長機能の付加(いわゆる電チューサポート)が無くなるが、大当り抽選確率はそのまま高確率状態が継続される。具体的には、開放延長機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、および普通図柄時短機能の付加が無くなり、「潜伏確変状態」に移行する。本実施形態では「15R確変大当り」に当選した場合、大入賞口40の開放が15ラウンド行われた後、再び確変状態に突入することから、開放延長機能が付与されている上記100回の高ベース遊技状態中(確変状態中または時短状態中)に「15R確変大当り」に当選し続ける限り、次回もまた高ベース遊技状態下で15R確変大当り引く可能性を獲得できることになる。なお上記転落抽選に加え、所定の転落条件(たとえば、特別図柄の変動回数が所定回数(たとえば、100回転)以内に大当りしたかったことを条件に)の成立した場合にも、高確率状態から低確率状態に転落させても良い。
なお本実施形態では、上記大当りの種別として、確変大当りの「15R確変大当り」が一種類のみ設けられているものとして説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、(1)規定ラウンド数が異なる複数種類の確変大当り(規定ラウンド遊技数は適宜設定することができる(たとえば、1R〜15R))を含むことができる。
(2)また確変大当りには、「潜伏確変状態」の移行契機となる「潜伏確変大当り」を含むことができる(規定ラウンド遊技数は適宜設定することができる(たとえば、1R〜15R))。この潜伏確変大当りによる当り遊技終了後には、遊技状態が「潜伏確変状態」に移行され、その後は、転落抽選に当選しない限り「潜伏確変状態」が継続する、といった転落抽選付の「潜伏確変状態」とすることができる。この転落抽選に当選した場合は、大当りの抽選確率が所定確率の低確率である低確率状態に転落し、遊技状態が「通常遊技状態」に移行されることになる。なお転落抽選にハズレ続ける限り、「潜伏確変状態」を継続させても良いし、所定の転落条件(たとえば、特別図柄の変動回数が所定回数(たとえば、100回転)以内に大当りしたかったことを条件に)の成立に基づき、高確率状態から低確率状態に転落させても良い。
(3)また上記確変大当りの他、「確変状態」や「潜伏確変状態」のような高確率状態の移行契機とはならない「非確変大当り」をさらに含むことができる(規定ラウンド遊技数は適宜設定することができる)。この非確変大当りには、たとえば、その大当り遊技終了後の遊技状態を「時短状態」に移行させるものや、特典遊技状態を一切付与せずに「通常遊技状態」に移行させるものなどがある。
(4)また上述した大当りの他「小当り」を設けることができる。この「小当り」では、大入賞口40の開閉が複数回行われる当り状態(小当り遊技)を付与するものとなっている点は実質的に同じである。しかし、小当り遊技終了後は、小当りの当選時の遊技状態がそのまま継続されるようになっており、この点において、上記の特典遊技状態が発生しうる「大当り」とはその性質を異にする。たとえば、通常遊技状態中に「小当り」に当選した場合、その小当り遊技終了後の遊技状態は、小当り当選時の遊技状態である通常遊技状態がそのまま維持される。
上記の大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄またはハズレを報知する特別図柄もしくは小当りを報知する特別図柄が表示される。一方、液晶表示装置36には、装飾図柄と称される別の図柄を用いて特別図柄変動表示ゲームに対応する図柄ゲームが表示される。
(1−4.演出モード)
次に、演出モード、具体的には、演出制御部24側の遊技状態(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、主制御部20側で管理される現在の遊技状態(内部遊技状態)および/または将来的な遊技状態(将来移行される遊技状態)が高確率状態にあるか否かを暗示する演出の演出モードとして、遊技状態が高確率状態にある可能性が低い順に演出モードA、B、Cの三種類を有する(図7、図8参照)。「演出モードA」は遊技状態が高確率状態にある可能性が最も低く、したがって開放延長機能付きの高ベース状態であっても確変状態または時短状態の可能性は低く、開放延長機能付加なしの低ベース状態であれば通常遊技状態である可能性の方が高い演出である。「演出モードB」は遊技状態が高確率状態にある可能性が中程度で、したがって開放延長機能付きの高ベース状態であれば確変状態または時短状態の可能性について希望が持て、開放延長機能付加なしの低ベース状態であっても通常遊技状態である可能性は中程度と推測できる演出である。「演出モードC」は遊技状態が高確率状態にある可能性が最も高く、したがって開放延長機能付きの高ベース状態であれば確変状態または時短状態の可能性について確信が持て、開放延長機能付加なしの低ベース状態であっても通常遊技状態である可能性は薄いと推測できる演出モードである。
また保留内に大当りする保留記憶が存在すること(保留内大当り当選(大当り遊技終了直後に存在する保留内に大当りする保留記憶が存在する場合は、いわゆる「保留内連チャン」となる))を直接的に報せる演出をなす演出モードDと、開放延長機能が付加されている100回の変動回数以内に大当りする可能性が高い状態であることを報せる演出モードEとが設けられている(図7、図8参照)。
ここで上記各演出モードを分類すると、上記演出モードA〜C、Eは、現在の遊技状態に関する情報および/または将来的な遊技状態に関する情報を間接的に報知する演出モードであり、上記演出モードD中は、保留内に大当りする保留記憶が存在する旨を直接的に報知する演出モードとなっている。ここで「直接的に報知する」とは、遊技状態に関する情報を、たとえば、液晶表示装置36の画面上に「現在、確率変動中」や「保留内で‘大当り当選’確定(あるいは‘転落当選確定’)」という文字表示のような直接的な表現を用いて、その内容を遊技者に明確に伝える報知形態が該当する。これに対し「間接的に報知する」とは、遊技状態に関する情報を直接的な表現を用いて遊技者に明確に伝える性格のものではなく、たとえば、背景演出を変化させたり、特定のキャラクターを出現させたりして、特定の演出態様が現出された場合に、その内容を遊技者に暗示させうる報知形態が該当する。したがって、この間接的に報知する報知形態には、直接的な表現はしていないが、特定の演出態様が現出された場合、遊技状態に関する内容が一義的に理解できるものも含まれる。
<2.制御装置:図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御部20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御とを行う演出制御部24とを中心に構成される。そして、演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書において、演出手段といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
また、主制御部20には、主制御部20からの各種情報を遊技機外部に出力するための各外部端子を備えた外部集中端子基板21が接続されている。さらまた、主制御部20には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、主制御CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データなどを格納した主制御ROM202と、ワークエリアが形成される主制御RAM203を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能などを有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御部20はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御部20は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20は、遊技者に有利な特別遊技状態である大当り遊技を発生させる「大当り」、またはこの大当り遊技を発生させない「ハズレ」のいずれであったかに関し、大当り抽選をするとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された特別図柄の停止図柄に基づく特別図柄指定コマンドを作成して演出制御部24に送信する構成となっている。
主制御部20からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御部24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するためである。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データなどを格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶表示装置36の制御、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
演出制御部24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また、演出制御部24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせる。
また、演出制御部24には、演出介入操作手段となる枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、特別演出モードの停止ボタンチャンスゲームに遊技者が参加する場合などにおいて遊技者により操作される。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMとを有している。
また、演出制御部24には、液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMなども設けられている。
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数(保留記憶個数)、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄などに必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御部20から演出制御部24へと送信される。
演出制御部24側では、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドにより指示された演出シナリオに対応する演出パターンが、あらかじめ用意された多数の演出パターンの中から抽選により決定され、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が、演出制御部24から液晶表示装置36、音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られる。これにより、演出パターンに対応した液晶表示装置36での画像の再生と、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動とが実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU201により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
(2−3.保留先読み予告の表示系:図4)
図4は、主制御部20から上記演出制御コマンドの一つとして演出制御部24に送信される先読み判定結果の情報を含む保留加算コマンドと、この保留加算コマンドの先読み判定結果に関連する暗示情報を所定の演出手段により演出モードと連続予告演出にて報知する関係を概略的に示した図である。
保留加算コマンドの先読み判定結果が転落入賞であった場合、先読み判定結果に関連する暗示情報として遊技者に報知されるのは、その転落を明確に伝える性格のものではなく、その転落の可能性をそれとなしに知らせる、つまり暗示する性格のものである。本明細書では、現在の遊技状態が高確率状態にあるのか、または低確率状態に転落したかまたは転落しようとしているのかについて、それとなしに遊技者に与える刺激を「暗示情報」と称する。したがって、暗示情報には、その暗示する強弱によって、転落した旨をそれとなしに知らせる転落暗示情報と、転落していない旨をそれとなしに知らせる非転落暗示情報とが含まれる。
この実施形態の場合、上記暗示情報は2つの手段によって生み出される。暗示情報を付与する第1の手段は、抽選により実行される演出モードの移行について、その移行先である演出モードの種類(たとえば背景演出361の朝、昼、夕方、夜)の選択割合であり、たとえば特定の演出モードに移行し易いか否かの重み付けの相違により、転落の有無についての暗示(暗示情報)を付与することになる。
暗示情報を付与する第2の手段は、変動開始時変化系予告演出の継続性の度合、すなわち変動開始時変化系予告演出の保留を跨いで現出させる継続回数についての継続性ランクであり、予告演出(たとえば稲妻の予告画像362)が保留を跨いで連続する継続回数の多少が、転落の有無についての暗示(暗示情報)を付与することになる。ここで「継続性ランク」は、予告演出を保留を跨いで継続的に現出させる継続回数の多少関係を意味するが、その継続回数の多少を強調する予告演出の種類(たとえば稲妻予告を構成する稲妻画像についてその色やデンジャー柄などの種別)などもこれに付随する属性である。
ここで扱う「連続予告演出」には次の二種類がある。一つは、始動口34、35に遊技球が入賞して始動条件が成立した際(つまり入賞時または始動条件成立時)に生起させる入賞時変化系ないし始動時変化系の予告演出を、複数回の特別図柄変動表示動作に跨って連続して実行することによる連続予告演出であり、具体的には保留表示変化系の予告演出(色変化保留の出現)を連続させることにより行う連続予告演出である。他の一つは、図柄遊技の特別図柄変動表示動作を実行する際(つまり変動開始時)に生起させる変動開始時変化系の予告演出を、複数回の特別図柄変動表示動作に跨って連続して実行することによる連続予告演出であり、具体的には、特定の予告画像や音や可動体の出現を連続させることにより行う連続予告演出である。本実施形態の場合、変動開始時変化系の予告演出は、液晶表示装置36の画面360内に稲妻の予告画像362を図4の如く出現させる画像表示の予告演出により実現しているが、音や可動体の出現によって実現しても良い。
図4中、361は液晶表示装置36の画面360に表示される背景演出であり、演出モードA〜Eの移行先に応じて、この背景演出361が朝、昼、夕方、夜、夜+雨のいずれかに変化する。362は上記の変動開始時変化系の予告演出として、液晶表示装置36の画面360内に出現させる稲妻の予告画像である。
363は、液晶表示装置36の画面360内の一部に最大保留個数と同数(4個:a〜d)だけ設けた保留アイコンからなる保留表示器(保留表示手段)であり、保留表示変化系(始動時変化系)の演出手段として機能する。保留表示器363の保留アイコンa〜d上に付したアラビア数字は、特別図柄始動口(上始動口34、下始動口35)に入賞した遊技球についての保留記憶がなされ、かつ保留表示がされる順番を示しており、1、2、3、4は、1回目、2回目、3回目、4回目の図柄遊技(特別図柄変動表示ゲーム)を実行する権利の保留に対応することを意味する。また、これら保留表示器a、b、c、dの円形アイコン中に付したハッチングは、当該ハッチングを施したアイコンが点灯状態(作動状態)であることを示し、ハッチングを施していないアイコンは消灯状態(非作動状態)であることを示す。
これらの保留表示器a〜dは、通常は、先読み判定する際に存在する保留記憶個数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替えられるように制御され、したがって保留記憶個数を表示する手段として働く。しかし、先読み予告として連続予告演出を実行する場合は、保留表示器a〜dのうちの該当する一の保留表示器の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様に変更し、これにより連続予告演出を発生させる手段として働く。
すなわち、保留表示器a、b、c、dは、特別図柄始動口に入賞して始動条件が成立した場合の始動時変化系の演出手段、つまり保留表示変化系の演出手段363として機能する場合は、保留表示器a、b、c、dの保留アイコンのうちで、その先読み対象となった保留アイコンが、白色、青色、黄色、緑色、赤色、虹色などの特殊な表示態様に変化する。ここで保留アイコンの白色、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の表示は、この色の順に、大当りとなる期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの場合は、大当りとなることが確定することを遊技者に報知する。しかし、保留表示変化系の演出手段の表示態様としては、このような色変化予告に限らず、特殊なキャラクターを模したアイコンなどに変化するようにしてもよい。
主制御部20は、保留記憶個数(場合により保留球数と略す)と乱数を先読み判定した結果に応じた情報を、保留加算コマンドにより、演出制御部24に送信する。
この主制御部20から演出制御部24に送信される保留加算コマンドは、2バイトからなり、その上位バイトが保留球数情報を持ち、また下位バイトは、大当り判定用乱数や転落判定用乱数や変動パターン用乱数を先読み判定した結果の情報として、「転落」、「大当りの当否」や「変動パターン」の種別情報を持つ部分となっている。この例では、上位バイトがB6[H]、B7[H]、B8[H]またはB9[H]であることにより、保留1個入賞、保留2個入賞、保留3個入賞および保留4個入賞を、それぞれ指定する。また下位バイトが01[H]であることにより「先読み禁止」を、02[H]により高確率状態から低確率状態への「転落」を、03[H]〜33[H]により「ハズレ」変動を、そして34[H]〜71[H]により「当り」変動を、それぞれ種別情報として指定する。ただし下位バイトの01[H]による先読み禁止の種別情報については、演出制御部24側に送信されず、専ら主制御部20側において先読み禁止が必要となる場合に利用される。
上記種別情報の「転落」は、特別図柄の図柄遊技の実行に供された場合、高確率状態から低確率状態への転落が発生することとなる先読み結果情報であることを、「当り」変動は、特別図柄の図柄遊技の実行に供された場合、当りの変動表示動作が行われることとなる先読み結果情報であることを、また「ハズレ」変動は、図柄遊技の実行に供された場合、ハズレの変動表示動作が行われることとなる先読み結果情報であることを指定している。
(2−4.先読み連続予告:図5)
ここで演出モードの移行について説明する前に、用いる用語の説明を兼ねて、変動開始時変化系の予告演出による先読み連続予告演出の概要を先に説明する。
上記の「転落」であるとの先読み判定結果情報を得た場合、演出制御部24は、抽選により、上記の変動開始時変化系の予告演出として液晶表示装置36の画面360内に稲妻画像(上述の稲妻の予告画像362)および音響からなる予告演出(以下、単に稲妻予告362と言う)を出現させる。ここでは図5を参照して、稲妻予告362を保留記憶個数3個に対して、それより少ない数の2回だけ連続的に稲妻予告362を出現させる場合について説明する。この例は、稲妻予告362が先読み対象保留まで継続することなく終了しており、この点から、保留内に転落当選した保留記憶がある(保留内転落当選あり)との暗示を遊技者に与える一態様を示したものとなっている。
なお本明細書では、遊技球が入賞し保留記憶が発生した段階で行われる当該保留記憶のデータ(転落判定用乱数、大当り判定用乱数など)の先読み判定において、図柄変動表示動作に供された場合にそこでの転落抽選で転落当選していると判断されることとなる保留記憶を「転落入賞に係る保留記憶」と称し、また転落抽選で転落当選していないと判断されることとなる保留記憶を「非転落入賞に係る保留記憶」と称する。また、図柄変動表示動作に供された場合に、そこでの大当り抽選で当選していると判断されることとなる保留記憶を「大当り入賞に係る保留記憶」と、また大当り抽選でハズレと判断されることとなる保留記憶を「ハズレ入賞に係る保留記憶」と称する。
図5(a)は、主制御部20の遊技状態が高確率状態下で、現在「保留0」として示す保留記憶が図柄変動表示動作に供されている状態であって、上記「保留0」の図柄変動表示動作が実行されている間、ハズレ入賞に係る保留記憶「保留1」〜「保留2」が記憶されて2個の保留表示器a、b(保留1、保留2)が点灯している状態にあり、かつ、この状態下において新たに転落入賞(ハズレ)に係る保留記憶「保留3」が発生した状態にあることを示している。これらの「保留1」〜「保留3」として記憶された保留データは、その種別情報が先読みされている状態にある。
上記「保留3」は転落入賞に係る「先読み対象保留」である。この「保留3」の先読み対象保留が発生した場合、演出制御部24は、連続予告演出による先読み予告を行うか否かについての先読み予告抽選を行う。そして、この先読み予告抽選に当選した場合、一般的な先読み連続予告では当該先読み対象保留に係る保留3を含め、現存する保留記憶個数分と同一数の3回分を連続予告回数として設定するが、この図5の例では、当該先読み対象保留に係る保留3の手前の保留2までの2回分を、連続予告回数として設定する。これにより、その回数分(保留1〜保留2の2回分)の各図柄変動表示動作において稲妻予告362が出現して連続予告演出が実行されることとなり、遊技者は転落した旨をそれとなしに知らせる転落暗示情報を付与されることになる。
なお、転落入賞に係る「保留3」のように、保留記憶について転落抽選に当選したと先読み判定された場合、当該転落抽選の判断対象となった保留記憶の保留データよりも後に生じた保留記憶の保留データを先読み判定するに際しては、先読み基底状態設定部203a(図4参照)により、その先読み判定する際の基準状態(本明細書において「先読み基底状態」と称する)を低確率状態に置いて先読み判定するとよい。たとえば、仮に「保留3」に続いて新たな入賞に係る「保留4」の保留記憶が生じた場合には、「保留3」が実際に変動動作の実行に供される前であり遊技状態が高確率状態にある状態であっても、その「保留4」の保留記憶の当りまたはハズレの先読み判定については、高確率状態の当り判定テーブルではなく、低確率状態の当り判定テーブルを用いて判断する。このようにしないと、高確率状態の当り判定テーブル上での判断ではプレミアム大当りの保留4(虹色の点灯表示)が発生したが、その前に転落入賞に係る保留3が発生していた場合、当該保留3の変動動作(転落)が実行された際には、低確率状態の当り判定テーブル上でのハズレに該当して、プレミアム大当りの保留であったはずのもの(保留4)がハズレとなってしまう事象が発生することがあり、遊技者に不信感を与えるからである。
図5(b)は、上記「保留0」が消化された後、「保留1」の図柄変動表示動作が実行されている状態を示している。この「保留1」の当該変動において、連続予告演出の予告1回目が行われ、図5(b)の右側に示すように、液晶表示装置36の画面360に稲妻予告362が出現する。この稲妻予告362の出現により、遊技者は大当りの可能性が高まったと推測することになる。
同様に、図5(c)に示すように、上記「保留1」が消化された後、「保留2」が図柄変動表示動作の実行に供されると、「保留2」の当該変動において、稲妻予告362が出現して連続予告演出の予告2回目が行われる。同様に、図5(d)に示すように、上記「保留2」が消化された後、「保留3」が図柄変動表示動作の実行に供される。しかし、この「保留3」の当該変動においては、稲妻予告362による連続予告演出(予告3回目)は行われない。
一般的な連続予告演出では、先読み対象保留が転落入賞または非転落入賞に係る保留記憶であるか否かに関わらず、その先読み対象保留が図柄変動表示動作の実行に供されるまで、変動開始時変化系の予告演出(たとえば稲妻予告362)を出現させる。しかし本実施形態では、上記のように、先読み連続予告抽選に当選して先読み連続予告が行われる場合でも、その先読み対象保留まで必ず予告演出が継続されるとは限らず、その連続性が途中で途切れてしまうことがある。これは、稲妻予告362が先読み対象保留まで継続するのか、その手前で終了してしまうのかの違い、つまり、稲妻予告362の継続性ランクの相違により、転落当選と転落非当選の別に関する暗示情報として利用することを可能にするためである。
<3.演出モードの移行:図6〜図8>
上記暗示情報を付与する第1の手段は、具体的には、転落の有無、すなわち現在の遊技状態が高確率状態にあるのか、または低確率状態に転落したかまたは転落しようとしているのかについて、移行先である演出モードの種類(背景演出361の朝、昼、夕、夜、夜+雨)を、図柄変動表示動作が開始する際の変動開始時の遊技状態と関連づけて、重み付けすることで実現している。つまり転落していると移行し易い演出モード、換言すれば転落していないと移行し難い演出モードの出現傾向が、変動開始時の遊技状態により変わるようにしている。
図6および図7は、遊技状態が高確率状態に存在しているか否かについての高確率期待度が異なるものとして予め用意された複数種類の演出モードA〜Eのうち、いずれの演出モードに移行するかを示したものであり、図6および図7の両者が一体となって移行先モード振分テーブルを構成している。ここで「モード」とは演出モードの略称である。
この移行先モード振分テーブルは、モード移行契機が成立した場合に、遊技状態の高確率期待度が異なるものとして予め用意された複数種類の演出モードA〜Eのうちのいずれに移行させるかについて、その移行先を、少なくとも図柄変動表示動作が開始する変動開始時の遊技状態が高確率状態であるか否か、および保留内転落当選に係る保留記憶が存在するか否かに関係させて、移行先の演出モードA〜Eの選択割合が異なるように重み付けすることにより、遊技状態が低確率状態に在るかまたは保留内転落当選に係る保留記憶が存在する場合には、上記選択割合に応じて、上記演出モードA〜Eのうちから転落していると移行し易い演出モードが相対的に高い割合で選択されるように設定されている。
この移行先モード振分テーブルを構成するテーブルのうち、図6のテーブルは、4つの因子(確率状態の高低、電チューサポートの有無、保留内転落当選の有無、保留内連チャンの有無)の組合せにより定まる遊技状況の区分(以下、単に状態区分と言う)と、その各状態区分に対し、複数種類用意された演出モード移行抽選テーブルTa〜Tdの一つを割り付け、状態区分と演出モード移行抽選テーブルTa〜Tdとを関連付けをしたテーブル(以下、単に「状態区分関連付けテーブル」と称する)である。
また、図7は、図6の状態区分関連付けテーブルで状態区分に割り付けられた演出モード移行抽選テーブルTa〜Tdにより移行先として選択される演出モードA〜Eの選択割合(振り分け率)を例示したものである。
図8は上記演出モードA〜Eの具体例を示したものであり、演出モードA、B、C、D、Eは、それぞれ朝背景演出、昼背景演出、夕背景演出、夜背景演出、夜+雨背景演出となっている。これらの演出モードA〜Eのうち、演出モードA、B、C、Dはこの順序で高確率期待度が大きくなるように定められている。最も期待度の大きい夜背景の演出モードDは大当り確定モードとなっている。また夜+雨背景の演出モードEは、電チューサポート付状態(高ベース状態)下で大当りが期待できる演出モードであり、ここではチャンスタイム演出と称している。ここで電チューサポート付きとは、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長する開放延長機能が付与さている状態(高ベース状態)をいう。
(3−1.モード移行契機)
これらの演出モードA〜Eは、モード移行契機の成立を条件として、上記状態区分関連付けテーブル(図6)および演出モード移行抽選テーブル(図7)を通じて、そのいずれかへ移行することとなる。この演出モードA〜Eへのモード移行契機としては、(i)大当り遊技の終了または時短状態の終了といった所定の利益状態の終了、(ii)特定の変動パターン(たとえば、リーチ状態(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)を経由するリーチ演出指定用の変動パターン(リーチ変動パターン))に対応する演出制御コマンド(以下、「特定の演出制御コマンド」と称する)の受信、(iii)上記特定の演出制御コマンドの受信回数、(iV)演出モードを移行させるか否かを抽選するモード移行抽選に当選(このモード移行抽選が実行される条件としては、たとえば、特別図柄の変動回数(ハズレ変動回数)が所定回数に達した場合や、特定の変動パターンに対応する演出制御コマンドの受信、その受信回数などが挙げられる)、(V)ハズレ変動回数が予め定めた所定回数に達したこと、などがある。また本実施形態では、遊技状態が変化するのは、大当り遊技の終了または時短状態の終了といった所定の利益状態の終了が条件となるので、上記(ii)〜(V)に関し、この所定の利益状態が終了したことを条件に加えることが好ましい。たとえば、(ii−a)上記の所定の利益状態が終了した後、特定の変動パターンを指定する演出制御コマンドを受信した場合、(iii−a)上記の所定の利益状態が終了した後、上記特定の演出制御コマンドを所定回数受信した場合、(iV−a)上記の所定の利益状態が終了した後、所定のモード移行抽選に当選した場合、(V−a)上記の所定の利益状態が終了した後、ハズレ変動回数が予め定めた所定回数に達した場合、などである。
(3−2.状態区分関連付けテーブル:図6)
図6の状態区分関連付けテーブルは状態区分の特定と種類、およびこの状態区分に対する後述の演出モード移行抽選テーブルTa〜Td(図7参照)の割付けを定めている。
図6の状態区分関連付けテーブルにおいて、状態区分の決定には4つの因子が関与する。その第1因子は、モード移行契機が成立して特別図柄変動表示動作が開始する際の遊技状態が高確率状態または低確率状態のいずれであるか(確率状態の高低)であり、第2因子は、モード移行契機が成立して特別図柄変動表示動作が開始する際の遊技状態が、開放延長機能が付与されているか否か(電チューサポートの有無)である。モード移行契機が成立して特別図柄変動表示動作が開始する際の変動開始時の遊技状態は、この2つの因子の組合せにより定まる。したがって、変動開始時の遊技状態は、図6中にa〜dを付して示すように、(a)高確率状態+高ベース状態(電チューサポートあり)=確変状態、(b)高確率状態+低ベース状態(電チューサポートなし)=潜伏確変状態、(c)低確率状態+高ベース状態(電チューサポートあり)=時短状態、(d)低確率状態+低ベース状態(電チューサポートなし)=通常遊技状態、の4つに分類される。
状態区分の決定に関与する第3因子は、モード移行契機が成立した際に存在する保留内転落当選の有無、つまり4個を上限として記憶される保留記憶の中に、転落抽選に当選していると先読みされるもの(保留内転落当選)が存在するか否かである。したがって、上記した確変状態と潜伏確変状態は、それぞれ、保留内転落当選がある場合(e、g欄)と保留内転落当選がない場合(f、h欄)とに分類される。すなわち、確変状態で保留内転落当選がある場合(e欄)と、確変状態で保留内転落当選がない場合(f欄)と、潜伏確変状態で保留内転落当選がある場合(g欄)と、潜伏確変状態で保留内転落当選がない場合(h欄)とに分かれる。
そして状態区分の決定に関与する第4因子は、保留内大当り当選の有無、つまり4個を上限として記憶される保留記憶の中に、大当り抽選に当選していると先読みされるもの(保留内大当り当選)が存在するか否かである。したがって、上記した確変状態で保留内転落当選がある場合とない場合(e、f欄)は、それぞれ、さらに保留内大当り当選があるケースと保留内大当り当選がないケース(j、k;l、m欄)に分類され、また潜伏確変状態で保留内転落当選がある場合とない場合(g、h欄)は、それぞれ、さらに保留内大当り当選があるケースと保留内大当り当選がないケース(n、o;p、q欄)に分類される。
すなわち確変状態(a欄)については、確変状態で保留内転落当選ありで保留内大当り当選ありの場合(j欄:状態区分K1)と、確変状態で保留内転落当選ありで保留内大当り当選なしの場合(k欄:状態区分K2)と、確変状態で保留内転落当選なしで保留内大当り当選ありの場合(l欄:状態区分K3)と、確変状態で保留内転落当選なしで保留内大当り当選なしの場合(m欄:状態区分K2)とに分類される。また潜伏確変状態(b欄)については、潜伏確変状態で保留内転落当選ありで保留内大当り当選ありの場合(n欄:状態区分K5)と、潜伏確変状態で保留内転落当選ありで保留内大当り当選なしの場合(o欄:状態区分K6)と、潜伏確変状態で保留内転落当選なしで保留内大当り当選ありの場合(p欄:状態区分K7)と、潜伏確変状態で保留内転落当選なしで保留内大当り当選なしの場合(q欄:状態区分K8)とに分類される。
次に、時短状態(c欄)および通常遊技状態(d欄)の場合、遊技状態は既に低確率状態にあるので高確率状態からの転落という事象は存在しない。したがって保留内転落のi欄は空白となっている。よって、時短状態(c欄)と通常遊技状態(d欄)は、それぞれ、さらに保留内大当り当選があるケースと保留内大当り当選がないケース(r、s;t、u欄)に分類される。すなわち時短状態(c欄)については、時短状態で保留内大当り当選ありの場合(r欄:状態区分K9)と、時短状態で保留内大当り当選なしの場合(s欄:状態区分K10)とに分類される。また、通常遊技状態(d欄)については、通常遊技状態で保留内大当り当選ありの場合(t欄:状態区分K11)と、通常遊技状態で保留内大当り当選なしの場合(u欄:状態区分K12)とに分類される。
以上のように、上記した4つの因子の組合せにより定まる個々の状態区分K1〜K12には、それぞれ演出モード移行抽選テーブルTa〜Tdのうちの一つが割り付けられている。本実施形態の場合、状態区分K1〜K4、K9、K10には演出モード移行抽選テーブルTaが、状態区分K6、K12には演出モード移行抽選テーブルTbが、状態区分K5、K7、K11には演出モード移行抽選テーブルTcが、状態区分K8には演出モード移行抽選テーブルTdが割り付けられている。
(3−3.演出モード移行抽選テーブル:図7)
図7は、演出モード移行抽選テーブルTa〜Tdと演出モードA〜Eとの関係を示した演出モード移行抽選テーブル群を示したものである。演出モードA、B、C、Dはこの順序で高確率期待度が大きくなるように定められており、演出モードDは大当り確定モード、また演出モードEは高ベース状態下であり大当りが期待できるチャンス演出モードとなっている。
図示のように、演出モード移行抽選テーブルTa〜Tdには、それぞれ演出モードA〜Eに対する選択割合、つまり振り分け率の値(選択率値)が、所定の割り付け分布にて設定されている。図7には、演出用乱数を利用した抽選により、演出モードA〜Eがどのような選択割合で選択されるのかを百分率にて表記してある。
演出モードA〜Eの決定手順の詳細は、次のようになる。演出制御部24(演出モード移行制御手段)は、演出モード移行契機が到来すると、現在の演出モード移行制御情報を取得する。この「演出モード移行制御情報」には、上記第1因子〜第4因子に係る情報、すなわち、演出モード移行契機が到来した時における遊技状態(高確率状態または低確率状態のいずれであるか、および開放延長機能が付与されているか否か(電チューサポートの有無)などにより特定される遊技状態。ここでは、演出モード移行契機が到来時における遊技状態として、変動開始時の遊技状態を採用している)、保留内転落当選の有無、および保留内大当り当選の有無を特定可能とする情報が含まれる。なお上述の「演出モード移行制御情報」は、演出制御部24がその機能部を担う「演出制御情報管理手段」により管理される。この演出制御情報管理手段は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドにより各種の情報を把握し、これをRAM243の所定領域に格納し管理する。したがって、演出制御部24側で管理される上記の演出モード移行制御情報の内容は、主制御部20側で管理される遊技状態、保留内転落当選の有無、および保留内大当り当選の有無に関する内容と整合性を保った状態で管理することができるようになっている。
演出制御部24(演出モード移行制御手段)は、上記演出モード移行制御情報を取得すると、図6の状態区分関連付けテーブルを参照して、演出モード移行制御情報に対応した演出モード移行抽選テーブル(図7)を選択する(演出モード移行抽選テーブルTa〜Tdからいずれか一つの演出移行抽選テーブルを選択する)。そして、選択した演出モード移行抽選テーブルを参照し、演出モードA〜Eのいずれかを抽選により選択する。
この実施形態の場合、演出モード移行抽選テーブルTa〜Td毎に演出モードA〜Eに対する振り分け分布が次のように互いに異なっている。すなわち、演出モードA、B、C、D、Eの選択率値が、演出モード移行抽選テーブルTaでは0%、0%、0%、0%、100%、演出モード移行抽選テーブルTbでは60%、30%、10%、0%、0%、演出モード移行抽選テーブルTcは10%、30%、50%、10%、0%、また演出モード移行抽選テーブルTdでは10%、30%、60%、0%、0%となっている。
したがって、演出モード移行抽選テーブルは、高確率期待度が小さい演出モードの順(A〜C)と同じ順方向に演出モードA〜Cに対する選択割合が大きくなる第1の演出モード移行抽選テーブルTdと、高確率期待度が大きい演出モードの順(C〜A)とは逆方向に演出モードA〜Cに対する選択割合が大きくなる第2の演出モード移行抽選テーブルTbと、高確率期待度が小さい演出モードの順(A〜C)と同じ順方向に演出モードA〜Cに対する選択割合が大きくなり、かつ大当りが確定する演出モードに対する選択割合をも含んでいる第3の演出モード移行抽選テーブルTcとを有する。さらにまた100%の割合でチャンスタイム演出に移行する第4の演出モード移行抽選テーブルTaをも有する。
<4.保留内転落当選の有無と演出モードA〜Eとの関係:図6〜図7>
上述した、演出モード移行抽選テーブルTa〜Tdに基づき、演出モードA〜Eが選択される。
(4−1.状態区分K1〜K4=確変状態の場合)
図6を参照して、状態区分K1〜K4の場合、つまり変動開始時の遊技状態が高確率状態で電チューサポート付の「確変状態」(a欄)である場合は、保留内に転落当選があるケース(e欄)であるか、または保留内に転落当選がないケース(f欄)であるかを問わず、それらの状態区分K1〜K4に対して全て同じ「演出モード移行抽選テーブルTa」が選択される。
演出モード移行抽選テーブルTaは演出モードEを100%選択し、他の演出モードを選択しないように設定されたテーブルである(図7参照)。したがって、確変状態(状態区分K1〜K4)下でモード移行契機が成立すると、演出モード移行抽選テーブルTaにより演出モードEが選択され、高ベース状態下で大当りの可能性があるチャンスタイム演出モード(図8(e))が開始されることになる。
たとえば大当り遊技が終了して確変状態に突入したことにより(または特定のリーチ変動パターンを受信したことで)モード移行契機が成立したとすると、その特別図柄変動表示動作の開始と共に、チャンスタイム演出モード(演出モードE)が開始する。このチャンスタイム演出モードへの移行は、変動開始時に保留内転落当選や保留内大当り当選に係る保留記憶が存在するか否かに関係なく行われる。つまり確変状態下で演出モードの移行が発生する場合は、常に演出モードEのチャンスタイム演出モードから開始される。
(4−2.状態区分K5〜K8=潜伏確変状態の場合)
状態区分K5〜K8の場合、つまり変動開始時の遊技状態が高確率状態でかつ電チューサポートなしの「潜伏確変状態」(b欄)である場合は、モード移行契機が成立した際に、保留内に転落当選の保留記憶があるか否かの相違によって、選択される演出モード移行抽選テーブルの種類が異なる。
(4−2−1.状態区分K5〜K6=保留内転落当選ありの場合)
すなわち、潜伏確変状態で保留内転落当選ありの場合(g欄)は、演出モード移行抽選テーブルTcまたはTbが選択される(n欄、o欄)。ここで演出モード移行抽選テーブルTcは保留内大当り当選あり(状態区分K5)の場合に、また演出モード移行抽選テーブルTbは保留内大当り当選なし(状態区分K6)の場合に選択される。
演出モード移行抽選テーブルTcは演出モードA、B、C(図8(a)〜(c))に対する選択率値がこの順に大きくなるように設定され、大当り確定の演出モードD(図8(d))を選択する可能性も10%残るように設定されている。すなわち演出モードA、B、Cの選択率値は、高確率期待度が高くなっている順(演出モードA<B<C<D)に見て、高確率期待度が最低の演出モードA(選択率値10%)、高確率期待度が中程度の高い演出モードB(選択率値30%)、高確率期待度が最も高い演出モードC(選択率値50%)、高確率期待度が低いが大当りが確定する演出モードD(選択率値10%)となっている。そこで、遊技者に高確率状態に居て大当りの可能性があることを暗示する手段として、保留内転落当選ありで保留内大当り当選ありの場合(状態区分K5)には、演出モード移行抽選テーブルTcが選択されるように割り付けている。
一方、演出モード移行抽選テーブルTbは、演出モードA、B、C(図8(a)〜(c))に対する選択率値がこの順に小さくなるように設定され、大当り確定の演出モードD(図8(d))を選択する可能性は0%となるように設定されている。すなわち演出モードA、B、Cの選択率値は、高確率期待度が最低の演出モードA(選択率値60%)、高確率期待度が中程度の演出モードB(選択率値30%)、高確率期待度が最も高い演出モードC(選択率値10%)、高確率期待度が低いが大当りが確定する演出モードD(選択率値0%)となっている。保留内転落当選の可能性が高いことを遊技者に暗示情報により報知する手段として、保留内転落当選ありで保留内大当り当選なしの場合(状態区分K6)には、演出モード移行抽選テーブルTbが選択されるように割り付けている。
(4−2−2.状態区分K7〜K8=保留内転落当選なしの場合)
次に、潜伏確変状態で保留内転落当選なしの場合(h欄)は、演出モード移行抽選テーブルTcまたはTdが選択される(p欄、q欄)。ここで演出モード移行抽選テーブルTcは保留内大当り当選ありの場合(状態区分K7)に、また演出モード移行抽選テーブルTdは保留内大当り当選なしの場合(状態区分K8)に選択される。
演出モード移行抽選テーブルTc、Tdは共に、大当り期待度の大きくなる順である演出モードA、B、Cの順に選択率値が大きくなるように設定されており、違いは、演出モード移行抽選テーブルTcについては大当り確定の演出モードDを選択する可能性があり(可能性10%)、演出モード移行抽選テーブルTcについては大当り確定の演出モードDを選択する可能性がない(可能性0%)、という点である。そこで、潜伏確変状態で保留内転落当選なしの場合、遊技者に、まだ高確率状態に居る可能性のあること、および保留内大当り抽選に当選している可能性のあることを暗示情報により報知する手段として、保留内大当り当選ありの場合(状態区分K7)には、演出モード移行抽選テーブルTcが選択されるように割り付けている。また、同じく潜伏確変状態で保留内転落当選なしの場合であって、保留内大当り当選なしの場合(状態区分K8)には、まだ高確率状態に居る可能性のあることを暗示情報により報知する手段として、演出モード移行抽選テーブルTdが選択されるように割り付けている。
(4−2−3.状態区分K9〜K10=時短状態の場合)
他方、変動開始時の遊技状態が低確率状態の場合、その状態からさらに転落するという事象は起こり得ない(i欄:空白)。そこで、この場合は、保留内連チャンの有無だけが演出モード移行抽選テーブルの種類を選択する因子となる。
まず状態区分K9〜K10の場合、つまり変動開始時の遊技状態が低確率状態ではあるが電チューサポート付の高ベース状態(時短状態:c欄)である場合は、モード移行契機が成立した際、保留内に存在する保留記憶が大当り当選の保留記憶であるか否かに関わらず、演出モード移行抽選テーブルTaが選択される。したがって、この演出モード移行抽選テーブルTaにより、高ベース状態下で大当りの可能性がある演出モードEのチャンスタイム演出へ移行する。この演出モードEのチャンスタイム演出は高確率状態下の状態区分K1〜K4で選択されるチャンスタイム演出と同じであり区別がつかない。したがってチャンスタイム演出へ移行した場合、遊技者は、遊技機が高確率状態に居ることを期待することになる。
(4−2−4.状態区分K11〜K12=通常遊技状態の場合)
次に状態区分K11〜K12の場合、つまり低確率状態で電チューサポートなしの低ベース状態(通常遊技状態:d欄)である場合、保留内に大当りの保留記憶が存在すれば(t欄)(状態区分K11)、演出モード移行抽選テーブルTcが選択され、また保留内に大当りの保留記憶が存在しなければ(u欄)(状態区分K12)、演出モード移行抽選テーブルTbが選択される。この演出モード移行抽選テーブルTbは、演出モードA、B、Cの選択率値がこの順に小さくなるように設定され、大当り確定の演出モードDを選択する可能性は0%となるように設定されている。したがって保留内転落当選している可能性が高いことを遊技者に報知する手段として、保留内大当り当選なしの場合(状態区分K12)には、演出モード移行抽選テーブルTbが選択されるように割り付けている。
(4−3.演出モードの移行先振分けの特色)
上記した図6および図7からなる移行先モード振分テーブルには次のような特色がある。
(特色1)
保留内で転落している場合(状態区分K1〜K2、K5〜K6:e、g欄)よりも、保留内で転落していない場合(状態区分K3〜K4、K7〜K8:f、h欄)の方が、高確率期待度の高い演出モードに移行しやすい。
何故なら、保留内転落当選有りと無しの関係にあっても、状態区分K1〜K2(e欄)と状態区分K3〜K4(f欄)間では、演出モード移行抽選テーブルTaにより同じチャンスタイム演出モードEが選択されるため、差がない。また、同じく保留内転落当選有りと無しの関係にあっても、保留内大当りありの場合の、状態区分K5(g欄)と状態区分K7(h欄)間では、同じ演出モード移行抽選テーブルTcにより、同じ選択率分布で演出モードA〜Dの一つが選択されるため、差が存在しない。したがって保留内転落当選有りと無しの関係にあって、両者間に差が付けられているのは、状態区分K6(o欄)と状態区分K8(q欄)間だけである。すなわち、保留内大当り無しの場合の、状態区分K6(o欄)と状態区分K8(q欄)間では、前者では演出モード移行抽選テーブルTbが選択されるのに対して、後者では演出モード移行抽選テーブルTdが選択される。そして、この演出モード移行抽選テーブルTbとTdは内容が次のように異なっているからである。
一方において、演出モード移行抽選テーブルTbは、演出モードA、B、Cに対する選択率値が演出モードA、B、Cの順に低い選択率値となるように定められ、演出モードAへの選択率値が60%にも達する(図7)。しかし、高確率期待度の観点から見ると、演出モードA、B、C、Dの順に高確率期待度が高くなっているので、この選択率値の最も高い演出モードAが高確率期待度の最も低い演出モードである、という関係にある。他方において、演出モード移行抽選テーブルTdは、演出モードA、B、Cに対する選択率値の分布が演出モード移行抽選テーブルTbと逆であり、演出モードA、B、Cの順に高い選択率値となるように定められ、演出モードCへの選択率値が60%にも達する(図7)。また高確率期待度は演出モードA、B、C、Dの順に高くなるように定めてあるので、この選択率値の最も高い演出モードCが高確率期待度の最も高い演出モードである、という関係にある。
よって、これらの点から、保留内に転落抽選に当選している保留記憶がある場合(保留内転落当選ありの場合)よりも、保留内に転落抽選に当選している保留記憶がない場合(保留内転落当選なしの場合)の方が、高確率期待度の高い演出モードに移行しやすい、ということが判る。
(特色2)
また、演出モード移行抽選テーブルTc、Tdについては演出モードA、B、Cに対する選択率値の分布が類似しており、高確率期待度の高い演出モードに移行する割合が高いほど、保留内大当り抽選に当選している可能性も高くなっており、演出モード移行抽選テーブルTcにより演出モードDが選択されれば保留内大当りの当選が確定する。したがって、遊技者は、演出モードA、B、Cのうち、高確率期待度の高い演出モード(演出モードA、B、Cの順に高い)に移行する割合が高いほど、保留内大当り抽選に当選していると期待することになる。また演出モードDの夜背景演出に移行したときは、その夜背景演出が出現しただけで直ちに大当りとなることが遊技者に判るので、遊技者は、当該大当りと先読みされた保留記憶が変動表示動作に供されるまでの間、当該先読み対象保留の前に存在する保留記憶(消化順で見て順位が先のもの)が変動表示動作に供されて消化されるのを待ち、それらの変動表示動作で出現する予告演出(たとえば連続予告演出)について楽しむことになる。
<変形例1:図6の括弧書>
上記実施形態では電チューサポートがある場合(状態区分K1〜K4=確変状態、状態区分K9〜K10=時短状態の場合)、モード移行契機が成立すると、演出モード移行抽選テーブルTaにより演出モードEが選択され、高ベース状態下での演出モードであるチャンスタイム演出モードが開始されることにした。すなわち、電チューサポート有りの場合は、確率状態の高低、保留内転落の有無、保留内連チャンの有無に関わらず同一の演出モードEに移行するようにした。
しかし、図6中に示唆するように、保留内大当り当選のときは演出モード移行抽選テーブルTcが選択され、保留内大当り非当選のときは演出モード移行抽選テーブルTdが選択されるようにしてもよい。演出モード移行抽選テーブルTc、Tdは共に演出モードA、B、Cの順に選択率値が大きくなるように設定されているので、演出モード移行抽選テーブルTaを選択する場合と同様に、演出モード移行抽選テーブルTcまたはTdを選択するようにすると、まだ高確率状態に居るとの期待感を持続させることができる。
この変形例において、演出モード移行抽選テーブルTcが選択される場合について着目すれば、保留内大当り当選である場合、変動開始時の遊技状態および保留内転落当選の有無にかかわらず、演出モード移行抽選テーブルTcが選択されるようになっている。このことは、保留内当り当選に係る保留記憶が有る場合、他の演出モード移行制御情報(変動開始時の遊技状態および保留内転落当選の有無に関する情報)にかかわらず、高確率期待度が相対的に高い演出モードBまたは演出モードCが選択される可能性が高いことを意味する。特に本変形例では、高確率期待度が最も高まる演出モードCが選択される割合が一番高い。この場合、演出モード移行抽選テーブルTcが選択されるのは、すべての状態区分において保留内大当り抽選に当選しているときであるので(図6参照)、遊技者としては、たとえば高確率状態であったから大当り抽選に当選したのだ、と解することになる。本実施形態では、遊技者が転落時期を明確に把握できるわけではなく、現在の大当り抽選確率状態をある程度予測することができるに留めてある。このため、遊技者としては、高確率状態で大当りに当選したのか、低確率状態で大当りに当選したのかを予測する楽しみが生まれる。特に遊技者の中には、低確率状態中に大当りに当選すれば「今日はついている(運が良い)」と考え、また高確率状態中に大当りに当選しなければ「今日はついていない(運が悪い)」ということを考えながら遊技に興じる者も多く、遊技者に対して、高確率状態で大当りに当選したのか、低確率状態で大当りに当選したのかということを予測させることは、遊技の面白さを高める上で効果的であるといえる。
なお、保留内大当り当選の状態区分K1、K3、K9のときは演出モード移行抽選テーブルTcが選択され、保留内大当り非当選の状態区分K2、K4、K10のときは演出モード移行抽選テーブルTdが選択されるようにしたのは、演出モード移行抽選テーブルTcについては大当り確定の演出モードDを選択する可能性がある(可能性10%)が、演出モード移行抽選テーブルTcについては大当り確定の演出モードDを選択する可能性がない(可能性0%)、という違いを考慮して、使い分けたものである。
<変形例2:図7のTcの選択率値分布の変更>
上記実施形態の場合、演出モード移行抽選テーブルTcは、演出モードA、B、Cに対する選択率値の分布が演出モード移行抽選テーブルTbと逆であり、演出モードA、B、Cの順に高い選択率値となるように定められ、演出モードCへの選択率値が50%にも達する(図7)。しかし、保留内で転落している場合よりも、保留内で転落していない場合の方が、高確率期待度の高い演出モードに移行しやすい、という関係を維持しつつ、その選択率値分布を演出モード移行抽選テーブルTbと同様の傾向のものに変更することができる。たとえば、演出モード移行抽選テーブルTcの演出モードA、B、Cに対する選択率値の分布を、それぞれ演出モードA(40%)、演出モードB(30%)、演出モードC(20%)とすることができる。このように設定しても、演出モードAが選択される割合が60%から40%に小さくなっているので、演出モード移行抽選テーブルTbに比べ演出モード移行抽選テーブルTcの方が高確率期待度の高い演出モードを選択しやすい、という関係を維持することができる。この場合も、上述の変形例1と同じく、演出モード移行抽選テーブルTcが選択されるのは、すべての状態区分において保留内大当り抽選に当選しているときであるので(図6参照)、遊技者としては、たとえば高確率状態であったから大当り抽選に当選したのだ、と解することになる。
<変形例3:図7のTcの選択率値分布の変更>
本実施形態では、演出モード移行抽選テーブルTcには、演出モードA、B、Cの順に高い選択率値となるように定められていると説明したが本発明はこれに限らず、これとは反対の傾向となる選択率値の分布、すなわち演出モードA、B、Cの順に低い選択率値となるように定めることができる。この場合、たとえば、演出モード移行抽選テーブルTcの演出モードA、B、Cに対する選択率値の分布を、それぞれ演出モードA(60%)、演出モードB(20%)、演出モードC(10%)、演出モードD(10%)とすることができる。つまり、保留内当り当選に係る保留記憶が有るにもかかわらず、高確率期待度が最も低い演出モードAが60%と最も選択され易くするように定めることができる。このように設定した場合、高確率期待度の観点から見れば、一見して矛盾した演出モードが選択されうることになるが、次のような効果を奏することができる。演出モード移行抽選テーブルTcが選択され、演出モードが高確率期待度が最も低い演出モードAに移行された場合、遊技者の多くは、低確率状態に転落したと考え落胆してしまうことが予想される。しかし、演出モード移行抽選テーブルTcが選択されるのは、すべての状態区分において保留内大当り抽選に当選しているときであるので(図6参照)、その後の保留内で大当り当選となる。したがって遊技者としては、たとえば、低確率状態であったのに大当りに当選して運が良かった、と解することになる。つまり、低確率状態に転落したと思い込んでいる遊技者にとっては、意表をつかれた大当りとなるので、高確率状態中に大当りをしたときに比べ、感慨深い大当り当選となり感動が高まる。また「保留内当り当選に係る保留記憶が有れば、演出モード移行抽選テーブルTcが選択され、高確率期待度が最も低い演出モードAがされ易くなる」という事実を知っている遊技上級者に対しては、演出モードAへの移行により低確率状態に転落した可能性はあるが、保留内における大当り当選の可能性もある、という緊張感を与えることができるようになり、遊技に面白みが生まれる。なお本変形例において、演出モード移行抽選テーブルTcが他の演出モード移行抽選テーブルと比べ、演出モードAの選択率値が最も高くなるように定めても、上述と同様の効果を奏することができる。
<変形例4:図7のTcの選択率値分布の変更>
本実施形態では、演出モード移行抽選テーブルTcには、演出モードDの選択率値が最も低い選択率となるように定められていると説明したが本発明はこれに限らず、演出モードDの選択率値が最も高い、または保留内で転落している場合よりも、保留内で転落していない場合の方が、高確率期待度の高い演出モードに移行しやすい、という関係を維持しつつ、演出モードDの選択率値が最も高くなるように定めることができる。たとえば演出モード移行抽選テーブルTcの演出モードA、B、Cに対する選択率値の分布を、それぞれ「演出モードA(10%)、演出モードB(20%)、演出モードC(30%)、演出モードD(50%)」という関係で定めることができる。上記演出モードDは、保留内に大当りする保留記憶が存在すること直接的に報せる演出をなす演出モードであるのであり、演出モード移行抽選テーブルTcが選択されるのは、すべての状態区分において保留内大当り抽選に当選しているときであるので(図6参照)、本変形例のような選択率値の分布を採用することで、保留内に大当りする保留記憶が存在することをより明確に遊技者に報知することができる。
<5.モード移行後の転落当選状況に応じた連続予告:図9〜図12>
本実施形態では、連続予告の連続性ランクに関して保留記憶個数ごとに専用の予告選択テーブル(図9(a)〜(d)、図10(a)〜(d))が用意されており、この(a)〜(d)の中から保留記憶個数に対応する予告選択テーブルが選択され、当該予告選択テーブル上で、各演出モードに応じて連続予告演出の発生態様(発生の有無、発生回数パターンなど)が、転落の有無に応じて変わるように設定されている。なお、ここでは演出モード移行後の転落当選状況に応じた先読み連続予告の継続性について、変動開始から先読み予告を実行する場合つまり変動開始時変化系の連続予告演出を例にして説明する。
(5−1.転落前の予告選択テーブル:図9)
図9は、遊技状態が高確率状態にある場合、つまり転落前である場合に用いられる予告パターン選択テーブル(以下、「転落前の予告選択テーブル」と称する)である。この転落前の予告選択テーブルは、保留の記憶順と読出順に関する所定のルールの下で、読出順位が最先の保留記憶に係る図柄変動が開始された時点から予告演出を連続して現出させる予告演出の継続性ランク(予告なしの場合つまり継続回数0回の1種類と、継続回数の異なるα、β、γ、δの4種類とを合わせた計5種類)と、これらの継続性ランクを演出モードA、B、C、Dの各々が選択する選択割合とを示したものである。なお、保留の記憶順と読出順に関する所定のルールとしては、(i)上始動口34と下始動口35への入賞を区別せずに、入賞順に最大4個まで記憶される保留記憶が、保留記憶順(先入れ先出し順または先入れ後出し順)に図柄変動表示動作に供されて消化される読出ルールと、(ii)上始動口34への入賞と下始動口35への入賞とが区別され、上始動口34への入賞順に最大4個まで記憶される第1保留記憶群と、下始動口35への入賞順に最大4個まで記憶される第2保留記憶群とが形成され、その一方の保留記憶群が優先的に保留記憶順に読み出され、図柄変動表示動作に供されて消化される読出ルールなどがあるが、そのいずれあってもよい。
図9には、転落前の予告選択テーブルとして、変動開始時に減算された後の保留記憶個数(以下、単に保留数と称する)をパラメータとした複数種類のテーブル(a)〜(d)が示されている。図中の予告とは予告演出の略称である(以下同様である)。
なお、上始動口34への入賞と下始動口35への入賞とを区別せずに、入賞順に最大8個まで記憶される保留記憶群から保留記憶順に消化される読出ルールの下では、読出順位が最先の保留記憶に係る図柄変動が開始された時点から、予告演出を現出させる場合にも、同様に保留数0〜7をパラメータとした複数種類の予告選択テーブルを作成して、予告演出の継続性ランク(α、β・・・η、θ)を選択するように構成することができる。
演出モードA、B、C、Dの背景演出(朝、昼、夕、夜)中で発生させる予告演出の種類としては、その継続性ランクに着目すると、保留記憶個数が最大で4個であることを前提として、予告演出を1回だけ継続させる「1回予告α」、予告演出を2回継続させる「2回予告β」、予告演出を3回継続させる「3回予告γ」、予告演出を4回継続させる「4回予告δ」の4種類が用意されている。そして、これらの予告演出α、β、γ、δの間では、予告演出の継続回数が多いものほど、つまり継続性ランクの高いものほど、大当り期待度が高くなり、特に「4回予告δ」では大当りが確定して、先読み対象保留の図柄変動が実行された際には大当りが発生するようになっている。
図9の(a)は、新たな保留記憶が発生する前の保留記憶個数がゼロ(留個数0)である状況下で、非転落入賞に係る新たな保留記憶が発生したときに参照される転落前の予告選択テーブルである。この予告選択テーブル上で、非転落入賞に係る新たな保留記憶が発生し、当該先読み対象保留が図柄変動表示動作に供された際の当該変動で、予告演出を1回出現させるか、または予告演出なしとするかは、各演出モードA、B、C、Dについてそれぞれ定めた「予告なし」と「1回予告α」の選択率値により定まる。
同様に、図9の(b)(c)(d)は、新たな保留記憶が発生する前の保留記憶が1個、2個、3個の場合、つまり留個数1、留個数2、留個数3の状況下で、非転落入賞に係る新たな保留記憶が発生したときに参照される転落前の予告選択テーブルであり、演出モードA、B、C、Dの各々が、予告演出の継続ランクについて予告なし、1回予告α、2回予告β、3回予告γ、4回予告δを選択する選択割合を定めている。
これらの転落前の予告選択テーブルの特徴として、遊技機の遊技状態がまだ高確率状態にある状態下(転落前)では、この予告選択テーブル上で「予告なし」の継続ランク側が選択される選択割合よりも、予告演出ありの継続ランク側(1回予告α、2回予告β、3回予告γ、4回予告δ)が選択される選択割合の方が大きくなっている。したがって予告演出が発生せずに終わってしまう場合よりも、予告演出が1回以上継続して発生する場合の方が多くなっている。
また、この転落前の予告選択テーブルにおける他の特徴として、新たな入賞に係る保留記憶が発生して保留記憶個数が1個になる場合(保留数0:図9(a))であれば、これに対応する「1回予告α」が選択されて予告演出が1回継続される可能性があり、保留記憶個数が2個になった場合(保留数1:図9(b))であれば「2回予告β」が選択されて予告演出が2回継続される可能性があり、保留記憶個数が3個になった場合(保留数2:図9(c))であれば「3回予告γ」が選択されて予告演出が3回継続される可能性があり、そして保留記憶個数が4個になった場合(保留数3:図9(d))であれば「4回予告δ」が選択されて予告演出が4回継続される可能性がある。換言すれば、遊技状態が高確率状態(転落前)にある場合には、先読み対象の保留記憶についてその図柄変動が開始するまで、予告演出が続きやすい。
たとえば保留記憶個数が3個である場合は、保留数2の図9(c)の転落前の予告選択テーブルが用いられるため、演出モードがA〜Dのいずれであっても、この転落前の予告選択テーブル上で「3回予告γ」が選択されて、保留記憶個数に対応する3回の予告演出が現出する可能性がある。この3回の予告演出のうちで3回目の予告演出が出現するときは、先読み対象となった3番目の保留記憶について、その図柄変動が開始したときであるので、先読み対象の3番目の保留記憶についての図柄変動が開始するまで、予告演出が3回継続することになる。
そこで遊技者は、先読み対象の保留記憶まで予告演出が繰り返される、という予告演出の継続性ランクの高さから、あるいは、先読み対象の保留記憶まで予告演出が繰り返される事象の出現頻度の高さから、「予告演出が先読み対象の保留記憶まで続き易い」と認められるようであれば、遊技機の遊技状態が高確率状態にあると推測することが可能である。
(5−2.転落後の予告選択テーブル:図10)
図10は、遊技状態が既に低確率状態であるかまたは保留内の図柄変動で低確率状態となる場合、つまり転落後または転落時である場合に用いられる予告パターン選択テーブル(以下、「転落後の予告パターン選択テーブル」と称する)である。この転落後の予告選択テーブルの構成は、予告演出の継続回数パターンの種類α、β、γ、δを演出モードA、B、C、Dの各々が選択する選択割合の数値が異なっている点を除いて、図9の転落前の予告選択テーブルと同じである。そこで、この選択割合の点を中心に説明することとし、他の点は図9の説明をもって図10の説明に代える。
図10の(a)(b)(c)(d)に示す転落後の予告選択テーブルの特徴は、継続性ランクの「予告なし」の側が選択される選択割合の方が、予告演出ありの側(1回予告α、2回予告β、3回予告γ、4回予告δ)が選択される選択割合よりも大きくなっている(図9の場合と逆である)という点である。したがって遊技状態の転落後または転落時であれば、予告演出が発生せずに終わってしまうことが多く、何らかの予告演出が発生することの方が少ない。
また、この転落後の予告選択テーブルにおける他の特徴は、遊技状態が低確率状態(転落後)にある場合には、先読み対象の保留記憶について図柄変動が開始するまで予告演出が続かず、その先読み対象保留よりも前で予告演出が終了する割合が高い、という点である。すなわち、図10の(a)〜(d)については、次のように予告演出の選択割合が設定されている。
図10(a)の保留記憶個数が1個の場合(留個数0となる場合)であれば、何らかの予告演出が発生することは少なく、予告演出が発生せずに終わってしまうことが多い。すなわち大当り確定の演出モードDの場合を除き、演出モードA、B、Cにおいて「1回予告α」が選択される割合よりも「予告なし」が選択される割合の方が高く定められている。たとえば、継続回数1回の「1回予告α」が選択される割合は、演出モードA、B、Cにおいて20%、30%、40%である。これは、演出モードA、B、Cにおいて「予告なし」が選択される割合の80%、70%、60%よりも少ない。なお大当り確定の演出モードDの場合は、「1回予告α」と「予告なし」が選択される割合が同じ50%となっている。
図10(b)の保留記憶個数が2個の場合(保留数1となる場合)であれば、大当り確定の演出モードDの場合を含め、演出モードA、B、C、Dにおいて、先読み対象保留までの変動回数に対応する継続回数の「2回予告β」が選択される割合は、「1回予告α」が選択される割合よりも低く定められている。たとえば、「2回予告β」が選択される割合は、演出モードA、B、C、Dにおいて0%、5%、10%、15%であり、これは、演出モードA、B、C、Dにおいて「1回予告α」が選択される割合(30%、305%、40%、45%)よりも少ない。
図10(c)の保留記憶個数が3個の場合(保留数2となる場合)であれば、先読み対象保留までの変動回数に対応する継続回数の「3回予告γ」が選択される割合は、演出モードA、B、C、Dにおいて0%、0%、10%、20%である。これは、演出モードA、B、C、Dにおいて「1回予告α」が選択される割合(40%、30%、20%、10%)と「2回予告β」が選択される割合(0%、20%、30%、40%)の和よりも少ない。
図10(d)の保留記憶個数が4個の場合(保留数3となる場合)であれば、先読み対象保留までの変動回数に対応する継続回数の「4回予告δ」が選択される割合は、演出モードA、B、C、Dにおいて0%、0%、0%、5%である。これは、出モードA、B、C、Dにおいて「1回予告α」が選択される割合(30%、20%、10%、5%)と「2回予告β」が選択される割合(20%、30%、40%、50%)と、「3回予告γ」が選択される割合(0%、10%、20%、30%)との和よりも少ない。
上記のように選択割合が設定されているため、遊技状態が低確率状態(転落後)にある場合には、先読み対象保留についてその図柄変動が開始する前までに、予告演出が終了しやすい。
(5−3.転落前と転落後の予告選択テーブルの違い)
ここで図9と図10とを比較すると、次のような作用が働くことが判る。
一方において、遊技状態が高確率状態にあり、まだ低確率状態に転落していない場合(図9)は、予告演出を繰り返し出現させる回数の継続性に関して、先読み対象の保留記憶まで予告演出(稲妻予告362)が継続し易い。これに対し、遊技状態が低確率状態に転落しているか当該図柄変動で低確率状態に転落する場合(図10)は、予告演出を繰り返し出現させる回数の継続性に関して、先読み対象の保留記憶まで予告演出(稲妻予告362)が継続しにくい。
他方において、遊技状態が低確率状態に転落しているか当該図柄変動で低確率状態に転落する場合(図10)は、予告演出を繰り返し出現させる回数の継続性に関して、先読み対象の保留記憶よりも手前で予告演出が終了する割合が高い。これに対し、まだ低確率状態に転落していない場合(図9)は、予告演出を繰り返し出現させる回数の継続性に関して、先読み対象保留よりも手前で予告演出が終了してしまう割合が低い。
したがって、遊技者は、先読み対象の保留記憶まで予告演出の稲妻予告362が継続し易ければ、遊技機の遊技状態が高確率状態にあると推測し、先読み対象の保留記憶まで予告演出が継続しにくければ低確率状態にあると推測することが可能である。
(5−4.保留内転落当選なしの場合の連続予告例:図11)
図11に保留内転落当選なしの場合に発生する連続予告の具体例を示す。
図11の(a)は、次のような状況下にあることを示している。主制御部20の遊技状態が高確率状態下で、現在図8(c)に示す演出モードCに滞在していて、保留名称「保留0」の保留記憶が図柄変動表示動作に供されて図柄変動中であり、かつ、この「保留0」の図柄変動表示動作(下向き矢印にて示す)の開始時に減算された後の保留記憶個数が「保留1」〜「保留3」の3個であり、この状態下で、新たな入賞球が発生して転落判定用乱数や大当り判定用乱数などの保留データが取得され、当該入賞に係る「保留4」の保留データとして保留記憶された状況にある。
また、「保留4」の保留記憶が発生した段階で、この保留データに基づいて、「保留4」が図柄変動表示動作に供された場合にそこでの転落抽選で転落していると判断されるか否かと、図柄変動表示動作に供された場合に大当りと判断されるか否かについて、先読み判定が行われ、その先読み判定結果が記憶される。また「保留4」の保留記憶が発生した段階で、変動開始時変化系の予告演出を行うか否かの先読み予告抽選が行われて、その結果が記憶される。
この図11の例では、「保留4」が非転落入賞に係る保留記憶(転落非当選)であると先読み判定される一方、先読み予告抽選に当選して連続予告演出を発生させることとなった場合を扱っている。そして、この先読み予告抽選では、保留数3の場合の図9(d)に示す転落前の予告選択テーブルが参照され、この転落前の予告選択テーブル上で、予告演出が4回繰り返される「4回予告δ」が選択された、というケースを想定している。本例の場合、演出モードCに滞在していることを前提としているので、上記4回予告δが50%という高い割合で選択される。
この結果、「保留1」〜「保留4」が順次に図柄変動表示動作に供される度に予告演出の稲妻予告362が現出し、「保留1」の図柄変動から先読み対象保留の「保留4」の図柄変動まで、予告演出の稲妻予告362が計4回継続することになる。説明を補足すると次のようになる。
これらの「保留1」〜「保留4」として保留記憶された保留データは、転落の有無および大当りの有無についての種別情報が先読みされている状態にある。
また図11(a)は、ハズレ入賞に係る「保留1」〜「保留3」が保留記憶されて3個の保留表示器a、b、cが点灯している状態下において、新たに非転落入賞に係る保留記憶「保留4」が発生して4個目の保留表示器dが点灯した状態でもある。ここでは先読み対象保留の「保留4」が先読み予告抽選に当選して連続予告演出を発生させる場合を扱っているので、先読み対象保留の保留表示器dは通常色ではなく、他の所定の表示態様、たとえば他の所定の色や点滅あるいは別姿のアイコン等(この例では赤色点灯)により表示される。
上記「保留0」が消化された後、「保留1」の図柄変動表示動作が開始されると(図11(b))、この「保留1」の当該変動において、上記した図9(d)の転落前の予告選択テーブルを用いた先読み予告抽選の結果に従い、連続予告演出の「4回予告δ」における1回目の予告演出が行われ、図11(b)の右側に示すように、液晶表示装置36の画面360に稲妻予告362が出現する。この稲妻予告362の出現により、遊技者は大当りの可能性が高まったと推測することになる。なお保留表示器の点灯表示数および点灯位置は全体が一つ左にシフトし、入賞時変化系の予告演出を担う先読み対象保留(赤色保留)の表示位置は「4」から「3」に一つ順位が上がり、保留表示器cが赤色点灯する。
次いで、図11(c)に示すように「保留2」が図柄変動表示動作の実行に供されると、当該変動において、上記図9(d)の転落前の予告選択テーブルを用いた先読み予告抽選の結果に従い、連続予告演出の2回目の予告演出が行われ、稲妻予告362が出現する。次いで、図11(d)に示すように「保留3」が図柄変動表示動作の実行に供されると、当該変動において、同先読み予告抽選の結果に従い、稲妻予告362が出現して連続予告演出の3回目の予告演出が行われる。次いで、図11(e)に示すように先読み対象保留である「保留4」が図柄変動表示動作の実行に供されると、当該変動において、同先読み予告抽選の結果に従い、稲妻予告362が出現して連続予告演出の4回目の予告演出が行われる。なお、この間に、先読み対象保留(赤色保留)の表示位置は順に一つ順位が上がり、「保留4」が図柄変動表示動作の実行に供された時点では全て消灯する。
このように、先読み対象保留が非転落当選に係る保留記憶であり、その次の図柄変動表示動作の実行から変動開始時変化系の予告演出(たとえば稲妻予告362)が行われる場合は、先読み対象保留が図柄変動表示動作の実行に供されるまで予告演出が継続しやすい。
(5−5.保留内転落当選ありの場合の連続予告例:図12)
図12に保留内転落当選ありの場合に発生する連続予告の具体例を示す。
図12の(a)は、現在の遊技状態が高確率状態下で、かつ図8(c)に示す演出モードCに滞在していて、「保留0」が図柄変動表示動作に供されて図柄変動中であり、かつ、この「保留0」の図柄変動表示動作の開始時に減算された後の保留記憶個数が3個(保留1〜保留3)であり、この状態下で、新たな入賞球が発生して転落判定用乱数や大当り判定用乱数などの保留データが取得され、転落入賞に係る「保留4」として保留記憶された状況にある。
また、「保留4」が発生した段階で、「保留4」が転落入賞に係る保留記憶(転落当選)であると先読み判定される一方、先読み予告抽選に当選して連続予告演出を発生させることとなった場合を扱っている。そして、この先読み予告抽選では、保留数3の場合の図10(d)に示す転落後の予告選択テーブルが参照され、この転落後の予告選択テーブル上で、予告演出が2回繰り返される「2回予告β」が選択された、というケースを想定している。本例の場合、演出モードCに滞在していることを前提としているので、上記2回予告βが40%という高い割合で選択される。
この結果、「保留1」と「保留2」の計2回の図柄変動表示動作においてのみ予告演出の稲妻予告362が現出し、予告演出の稲妻予告362は計2回継続して終了することになる。つまり連続予告の継続性は「保留1」から先読み対象保留の「保留4」まで続くのではなく、前半の「保留1」と「保留2」の図柄変動だけで途切れてしまい、先読み対象保留の手前で終わってしまうことになる。
また図12(a)は、ハズレ入賞に係る「保留1」〜「保留3」が保留記憶されて3個の保留表示器a、b、cが点灯している状態下において、新たに転落入賞に係る保留記憶「保留4」が発生して4個目の保留表示器dが点灯した状態でもある。ここでは先読み対象保留の「保留4」が先読み予告抽選に当選して連続予告演出を発生させる場合を扱っているので、先読み対象保留の保留表示器dは通常色ではなく、他の所定の表示態様(この例では赤色点灯)により表示される。
次いで図12(b)に示すように「保留1」の図柄変動表示動作が実行されると、上記図10(d)の転落後の予告選択テーブルを用いた先読み予告抽選の結果に従い、当該変動において、連続予告演出の「2回予告β」における1回目の予告演出が行われ、図12(b)の右側に示すように、液晶表示装置36の画面360に稲妻予告362が出現する。この稲妻予告362の出現により、遊技者は大当りの可能性が高まったと推測することになる。なお保留表示器の点灯表示数および点灯位置は全体が一つ左にシフトし、入賞時変化系の予告演出を担う先読み対象保留(赤色保留)の表示位置は「4」から「3」に一つ順位が上がり、保留表示器cが赤色点灯する。
次いで、図12(c)に示すように「保留2」が図柄変動表示動作の実行に供されると、上記図10(d)の転落後の予告選択テーブルを用いた先読み予告抽選の結果に従い、当該変動において、稲妻予告362が出現して連続予告演出の「2回予告β」における2回目の予告演出が行われる。
次いで、図12(d)に示すように「保留3」が図柄変動表示動作の実行に供される。この場合、「2回予告β」における予告演出の継続性は上記2回で既に終了しているので、当該変動において稲妻予告362は出現しない。次いで、図12(e)に示すように先読み対象保留である「保留4」が図柄変動表示動作の実行に供される。この場合も、「2回予告β」における予告演出の継続性が上記2回で既に終了しているので、当該変動において稲妻予告362は出現しない。
なお、この間に、先読み対象保留(赤色保留)の表示位置は順に一つ順位が上がり、「保留4」が図柄変動表示動作の実行に供された時点で全て消灯する。
このように、先読み対象保留が転落当選に係る保留記憶であり、その次の図柄変動表示動作の実行から変動開始時変化系の予告演出(たとえば稲妻予告362)が行われる場合は、先読み対象保留が図柄変動表示動作の実行に供される手前で、予告演出の継続性が終了しやすい。
一般的な連続予告演出では、先読み対象保留が転落入賞または非転落入賞に係る保留記憶であるか否かに関わらず、その先読み対象保留が図柄変動表示動作の実行に供されるまで、変動開始時変化系の予告演出(たとえば稲妻予告362)が継続する。しかし本実施形態では、上記のように、先読み連続予告抽選に当選して先読み連続予告が行われる場合、その先読み対象保留まで必ず予告演出が継続されるとは限らず、その連続性が途中で途切れてしまうことがある。これは、稲妻予告362が先読み対象保留まで継続するのか、その手前で終了してしまうのかの違い、つまり、稲妻予告362の継続性の度合(継続性ランクの違い)を、転落当選と転落非当選に関する暗示情報として利用することを可能にするためである。
<変形例5>
上記において、「1回予告α」〜「4回予告δ」において現出させる個々の予告演出は、全て同じ内容のもの(たとえば同じ演出画像、音、光、可動体の落下などの出現)を扱っても良いし、全て異なる内容のもの(たとえば物語性のある演出の出現)を扱っても良い。また、「1回予告α」〜「4回予告δ」の相互間についても、1回予告α、2回予告β、3回予告γ、4回予告δの演出構成が全て同じ内容のもの(1回予告α=2回予告β=3回予告γ=4回予告δ)にしても良いし、これらの演出構成を相互に全て異なる内容のものにしても良い。また1回予告α、2回予告β、3回予告γ、4回予告δのうちの少なくとも2つを同一の演出構成にするなど、幾つかを同一内容の演出構成にしても良い。
上記した先読み対象の保留記憶は、遊技球の入賞により転落判定用乱数値および大当り判定用乱数値などが取得され記憶されることで発生する新たな保留記憶であり、その乱数値の当否等についての記憶内容が、当該入賞時を基準に先読み判定される保留記憶である。この先読み対象の保留記憶は、その図柄変動時においてリーチとなるものである必要はない。予告演出の継続回数の大小関係(継続性ランクの違い)から、遊技者に遊技状態が高確率状態にあるのか否かを推測させることが目的だからである。
<6.主制御側の処理:図13〜図33>
まず、図13〜図33を参照して、主制御部20側における処理内容を説明する。
(6−1.主制御側メイン処理:図13)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御CPU201が図13に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMの初期化処理として記憶エリアをクリアする。しかしRAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、次に電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。電源復旧の際には、チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
バックアップデータが有効である場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、ステップS107の処理に進む。バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリア情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
次に、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
ステップS101〜S107での電源初期投入後の処理を終えた後、正常動作時の処理(ステップS108〜S112)として、割込禁止(ステップS108)と割込許可(ステップS112)とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
乱数の更新処理として、Sステップ108の処理後、まず変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。この変動パターン用乱数値更新処理では、主として、特別図柄変動パターンコマンドを抽選に用いる変動パターン用乱数値を更新する。
続いて、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)と特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)を実行する普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)では、普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新(たとえば、カウンタのカウント値を更新する処理)し、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)では、上記特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する。
(6−2.主制御側タイマ割込処理:図14)
図14は、主制御側メイン処理に割り込んで、一定時間(4ms)ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、主制御CPU201は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS201)を実行する。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS202)。定期乱数更新処理では、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する各種乱数を定期的に更新する。
次いで、遊技動作に用いられるタイマを管理制御するためのタイマ管理処理を実行する(ステップS203)。遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値はここで更新される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS204)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を、図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する。各種センサによる検出情報とは、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON、OFF情報である。
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS205)。このエラー管理処理では、上記入力管理処理で読み込み格納したデータを把握してスイッチのチェックを行い、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、パチンコ遊技機1の異常を監視する。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS206)。この賞球管理処理では、遊技球払出装置19に払出し動作を行わせるための制御情報(賞球数を指定する賞球払出制御コマンド)を出力する。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS207)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したりする。
次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS208)。普通変動入賞装置管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS207)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、普通変動入賞装置41の可動翼片47の一連の動作を制御する。
次に、特別図柄管理処理を実行する(ステップS209)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選(大当り判定処理)を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。特別図柄管理処理の詳細は図15〜図25にて後述する。
次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技を実行制御する処理である。特別変動入賞装置管理処理の詳細は図26〜図33にて後述する。
主制御CPU201は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS211)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置39や特別図柄表示装置38への出力データを出力する処理である。後述する特別図柄表示データ更新処理(図15のステップS310)で作成される特別図柄の表示データは、このLED管理処理で出力される。
さらに主制御CPU201は、大当りの発生、特別図柄確定、普通図柄確定、図柄始動口の入賞球検出などの遊技状態を示す信号を、図示してない外部集中端子基板を通して、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータHCや島ランプなど、遊技機外部に対して出力する外部端子管理処理を行う(ステップS212)。
そして、上記のようにステップS202〜ステップS212の処理を実行した後、一時退避していたレジスタの内容を復帰させ(ステップS213)、タイマ割込処理を終了して、割り込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割り込みが発生するまで当該主制御側メイン処理を行う。
<7.特別図柄管理処理:図15>
次に、大当り抽選に係るステップS209の特別図柄管理処理について説明する。図15は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、まず始動口チェック処理(ステップS301)を行う。
(7−1.始動口チェック処理:図16)
始動口チェック処理では、保留球数(保留記憶個数)が上限値(最大保留記憶個数、ここでは4個)未満であることを条件に保留球数加算と各種乱数の取得を行う。
図16において、主制御CPU201は、まず上始動口34または下始動口35において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS311)。入賞球を検出した場合(ステップS311:YES)、入賞を示す特別図柄始動口入賞コマンド(上始動口34については上始動口入賞コマンド、下始動口35については下始動口入賞コマンド)を演出制御部24に送信する(ステップS312)。
続いてステップS313の処理に進み、特別図柄の保留球数(保留記憶個数)、正確には作動保留球数(以下、「特別図柄作動保留球数」と称する)が4以上となる場合であるか否か判断する(ステップS313)。特別図柄作動保留球数が4以上とはならない場合、つまり4未満の場合は(ステップS313:NO)、特別図柄作動保留球数を1加算する(ステップS314)。次いで始動条件が成立したことに基づいて、特別図柄抽選用乱数(大当り判定用乱数、小当り判定用乱数、転落判定用乱数、特別図柄判定用乱数)および変動パターン用乱数のカウンタの現在値を取得して、それぞれRAM203の保留記憶エリアに格納する(ステップS315)。このRAM203は、取得された大当り判定用乱数(第1の遊技情報)、転落判定用乱数(第2の遊技情報)、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数などの乱数値を、保留データとして、図柄遊技における特別図柄の変動表示動作に供されるまで、最大保留記憶個数を上限として、始動条件の成立順に保留記憶する保留記憶手段として働く。
次いで、上記の取得された乱数値が、転落、大当り、ハズレなどのいずれの種別情報に係るものであるかを先読み判定する始動口入賞時乱数判定処理を行う(ステップS316)。
(7−1−1.始動口入賞時乱数判定処理:図17)
図17に、この始動口入賞時乱数判定処理の詳細を示す。この始動口入賞時乱数判定処理では、まず現在の先読み基底状態フラグが高確率状態(図では高確率中として示す)であるか否かを判断する(ステップS321)。高確率状態中であれば(ステップS321:YES)、保留記憶エリアに保留データとして格納された転落判定用乱数の乱数値(種別情報)の先読み判定を行い(ステップS322)、転落抽選に当選するか否かを判断する(ステップS323)。この転落抽選に当選すると先読み判定された場合は(ステップS323:YES)、先読み基底状態フラグを低確率状態(図では低確率中として示す)に設定する(ステップS324)。そしてステップS325に進む。転落抽選に当選しないと先読み判定された場合は(ステップS323:NO)、先読み基底状態フラグを高確率状態に維持したままステップS325に進む。
またステップS321の判断において先読み基底状態フラグが低確率状態であれば(ステップS321:NO)、転落判定用乱数の先読み判定(ステップS322)を行わないでステップS325に進む。
そして保留記憶エリアに保留データとして格納された大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数および変動パターン用乱数の乱数値(種別情報)について先読み判定を行う(ステップS325〜S327)。これら各乱数の判定は入賞時の遊技状態に基づいて行う。すなわち、入賞時の先読み基底状態が低確率状態中の場合は低確率の抽選データに基づいて、また高確率状態中の場合は高確率の抽選データに基づいて判定を行う。
まず、ステップS325において、先読み基底状態に応じて大当り判定用乱数値を判定する(ステップS325)。すなわち先読み基底状態が高確率状態の場合は高確率用の大当り判定テーブルを用い、先読み基底状態が低確率状態の場合は低確率用の大当り判定テーブルを用いて、大当りの当否を先読み判定する(ステップS325)。
続いて、特別図柄判定用乱数の乱数値を判定し(ステップS326)、さらに変動パターン用乱数の乱数値を判定する(ステップS327)。
上記のステップS325は、保留記憶された大当り判定用乱数(第1の遊技情報)に基づき、抽選手段(図18のステップS338の当り判定処理)による大当り抽選の結果が当りとなるか否かを当該保留記憶が特別図柄の変動表示動作に供される前に先読み判定する第1の先読み判定手段として働く。また上記ステップS322〜S323は、保留記憶された転落判定用乱数(第2の遊技情報)に基づき、転落抽選手段(図18のステップS337の転落判定処理:図19のステップS352〜S353)による転落抽選において転落することになるか否かを当該保留記憶が特別図柄の変動表示動作に供される前に先読み判定する第2の先読み判定手段として働く。
ついで、それらの先読み判定結果と保留球数(保留記憶個数)に応じた保留加算コマンドを作成する(ステップS324)。この保留加算コマンドの構成は、既に図6で説明した通りであり、保留球数情報を持つ上位バイトと、転落、当否(当り、ハズレ)、変動パターンのいずれかの種別情報を持つ下位バイトとからなる。
そして図16のステップS316に戻ってステップS317に進み、保留球数および先読み判定結果に応じた保留加算コマンドを送信する(ステップS317)。この実施形態の場合、転落判定用乱数値の先読み判定結果と、大当り判定用乱数の先読み判定結果とを別の保留加算コマンドとして演出制御部24に送信しているが、同じ保留加算コマンドに含ませて送信することもできる。この保留加算コマンドは、液晶表示装置36に特別図柄の作動保留球数や保留変化を表示する際に利用される(図38のステップS821参照)。そして図15のステップS301に戻り、ステップS302〜S303の判断処理に進む。
上記ステップS311において入賞球の検出がないと判断された場合(ステップS311:NO)や、上記ステップS313において特別図柄作動保留球数が4以上と判断された場合には(ステップS313:YES)、上記のステップS312〜ステップS317の処理を行わずに、図15のステップS301に戻り、ステップS302〜S303の処理に進む。
図15のステップS302〜S303の処理に進むと、小当り中フラグまたは大当り中フラグが設定されているか否かを判断して、「小当り中」または「大当り中」であれば(ステップS302またはS303:YES)、特別図柄表示データの更新処理を行う(ステップS310)。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判断し、変動中であれば、0.5秒毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(特別図柄変動中データ)を作成する。また特別図柄が変動中でなければ、特別図柄が停止している態様のデータ(停止図柄データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図14のLED管理処理(ステップS211)で出力される。かくして、図15の特別図柄管理処理を終了し、図14のステップS210の特別変動入賞装置管理処理に移行することとなる。
一方、ステップS302またはS303の処理で「小当り中」または「大当り中」でないと判断された場合(ステップS302またはS303:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態(特別図柄動作ステータス)が「特別図柄待機中(01H)」「特別図柄変動中(02H)」「特別図柄停止中(03H)」のいずれであるかを順に判断し(ステップS304、ステップS306、ステップS308)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中(特別図柄確認時間中)であることを示している。
以下、上記処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」である場合の処理内容について順に説明していく。
(7−2.特別図柄変動開始処理:図18)
図18は、特別図柄管理処理(図15)で特別図柄待機中と判断された場合(ステップS304:YES)に移行する特別図柄変動開始処理の詳細を示す。
この図18の特別図柄変動開始処理においては、まず特別図柄の作動保留球数(保留記憶)がゼロかどうかを判断する(ステップS331)。特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS331:YES)、特別図柄が待機中でかつ保留記憶なしの状態となったのであり、この状態に突入したことを演出制御部24側に報せる必要がある。このため、本実施形態では待機演出コマンドの送信を行う(ステップS345)。
ただし、特別図柄作動保留球数がゼロの場合に条件なしに待機演出コマンドを送信すると、特別図柄作動保留球数がゼロである間は4msの周期で待機演出コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生する。そこで待機演出コマンドが未送信であるか否かを判断し(ステップS344)、待機演出コマンドが未送信の場合は(ステップS344:YES)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信し(ステップS345)、既に待機演出コマンドが送信済みである場合は(ステップS344:NO)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を終了する。
なお、ここでデモ演出を行なうべきデモ表示条件が成立しているか否かを判断し、デモ表示条件が成立している場合は、デモ表示コマンドを演出制御部24に送信してもよいが、本実施形態の遊技機では、この判断を演出制御部24に委ねることとし、デモ表示条件が成立しているか否かの判断は行わずに、この特別図柄管理処理を終了する。
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS331:NO)、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS332)、減少した保留球数に対応した保留数コマンド(ここでは保留減算コマンド)を送信する(ステップS333)。
次いで、特別図柄作動確認データをセットし、特別図柄の変動を開始させ、RAM203の取得数値記憶エリア(保留記憶エリア)をシフトする(ステップS334)。ここでは、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(たとえば、第1作動保留球記憶エリア)に格納されている各乱数値を読み出して、RAM203の所定の乱数記憶エリア(判定用乱数記憶エリア)に格納すると共に、保留記憶エリアn(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(第2保留球記憶エリア、第3保留球記憶エリア、第4保留球記憶エリア)に格納されている各乱数値を、保留球数=n−1に対応する保留記憶エリアに格納する。つまり、第1保留球記憶エリアの保留球に関する情報を判定用として判定用乱数記憶エリアにシフトするとともに、保留記憶エリアn=2以降の各保留球に関する情報を1つずつ下位側の番号(2→1、3→2、4→3)にそれぞれシフトして上書きし、空き領域を設ける。これにより、図柄遊技開始順番は、保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、保留球が生じたときに取得された乱数値がいずれの保留球に対応するのかが特定される。そして電チューサポートが付加される特別図柄の変動回数(電サポ回数と称する)として定められている100回転について、残り電サポ回数が有るか否かをチェックし(ステップS335)、残り電サポ回数が有る場合は(ステップS335:YES)、残り電サポ回数コマンドを送信(ステップS336)して、ステップS337の転落判定処理に進む。残り電サポ回数がない場合は(ステップS335:NO)、このコマンドの送信をせずにステップS337の転落判定処理に進む。
(7−2−1.転落判定処理:図19)
図19に、ステップS337の転落判定処理の詳細を示す。これは特別図柄変動表示動作が開始する際つまり変動開始時に行われる転落判定処理であり、当り判定処理(ステップS338)に先立って行われる。まず、現在の変動開始時の遊技状態が確変状態であるか否か、すなわち特図確率変動状態フラグがセット(=5A)されているか否かを判断する(ステップS351)。特図確率変動状態フラグがセットされている場合(ステップS351:=5A)は、ステップS315(図16)で取得した転落判定用乱数を判定テーブルで判定し(ステップS352)、図柄遊技の変動開始時の判断として、転落抽選に当選しているか否かを判断する(ステップS353)。
図柄遊技の変動開始時の判断として転落抽選に当選していると判断された場合は(ステップS353:YES)、「特図確率変動状態フラグ」をOFFするとともに、「特図確変時短状態フラグ」をOFFとし、報知LED出力番号を00Hにする(ステップS354)。この特図確変時短状態フラグは、大当り終了後に確変状態が維持される場合、後述する大当り終了処理(図32)のステップS468においてON状態に設定されるものである。なお、上記特図確率変動状態フラグがONからOFFになると、大当り抽選状態の判断ベースが高確率状態から低確率状態に移行(転落)することになる。
そしてステップS355に進み、主制御部20での制御のため転落コマンドを送信する(ステップS355)。この転落コマンドは、開放延長機能が作動して高ベース状態となっている電チューサポート中(電サポ中と略す)とそれ以外の状態に応じてコマンドを分けて送信する。そして処理を終了し、図18のステップS337に戻る。
一方、特図確率変動状態フラグがセットされていない場合(ステップS351:≠5A)は転落判定用乱数の判定を行わずに処理を終了し、また転落抽選に非当選であった場合(ステップS353:NO)は何もしないで処理を終了し、図18のステップS337に戻る。
(7−2−2.当り判定処理:図20)
次いで図18においてステップS338に進み、ステップS315(図16)で取得した乱数値が当りに属するか否かの判定(変動開始時の当り判定処理)を実行する(ステップS338)。
図20は、この当り判定処理の詳細を示したもので、小当り以外の大当り判定用乱数値を判定し、大当りならば「大当り判定フラグ」をONする(ステップS356)。この当り判定処理は、特図確率変動状態フラグの値に基づいて当り判定(当り抽選)を行う。その際、低確率状態中の場合は低確率の抽選データ(低確率状態用の判定テーブル)に基づいて、また高確率状態中の場合は高確率の抽選データ(高確率状態用の判定テーブル)に基づいて当り判定を行う。そして、高確率状態中に変動開始する場合でも、先の転落抽選で転落当選してしまったときは、低確率の抽選データで当り判定を行う。
次いで小当り判定用乱数値を判定し、小当りならば「小当り判定フラグ」をONする(ステップS357)。この大当り判定フラグと小当り判定フラグは、たとえば図25のステップS383やステップS386において、小当り以外の大当りであるか小当りであるかの判断に利用される。
(7−2−3.特別図柄停止図柄設定処理:図21)
次に、図18においてステップS339の特別図柄停止図柄設定処理に進み、特別図柄判定用乱数(特別図柄停止図柄用乱数)の値を判定し、停止図柄(特別図柄停止図柄)を決定する(ステップS339)。その際、低確率状態中の場合は低確率用の一の停止図柄を選択して、また高確率状態中の場合は高確率用の一の停止図柄を選択してセットする。
詳しくは、この特別図柄停止図柄設定処理では、図21に示すように、ステップS315(図16)で取得した特別図柄判定用乱数値を取得し(ステップS361)、図示してない特別図柄停止図柄テーブルを参照し、乱数値に対応する「特別図柄判定データ」と「特別図柄停止図柄番号」をセットする(ステップS362)。この特別図柄停止図柄番号は、主制御部20側において特定図柄の停止図柄を特定するのに利用されるが、大当り態様(たとえば、大当り遊技中のラウンド背景や楽曲)を定めるのに利用することもできる。
(7−2−4.遊技状態移行準備処理:図22)
次に、図18においてステップS340の遊技状態移行準備処理に進む。図22に詳細を示すように、大当り判定フラグ(図20のステップS356でセットされる)がONの状態であるか否かをチェックし(ステップS363)、ONの場合は(ステップS363:YES)、遊技状態移行テーブルを参照し、特別図柄判定データ(図21のステップS362でセットされる)に基づき、開放延長機能、普図時短機能、普図確変機能、特図時短機能、特図確変機能、電サポ回数カウンタの各移行状態バッファをセットする(ステップS364)。これにより、大当りの都度、その種類に応じて移行すべき遊技状態に必要とされる機能がセットされることになる。そして、この遊技状態移行準備処理を終了する。大当り判定フラグがOFFの場合は(ステップS363:NO)、これらのバッファをセットすることなく遊技状態移行準備処理を終了する。
ここで「電サポ」とは電チューサポートの略であり、「電チューサポート」とは、下始動口35に左右一対の可動翼片47が開閉可能に設けられたチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)に関して開放延長機能が付与された状態、つまり可動翼片47が頻繁に開閉して下始動口35に遊技球が入賞しやすくなる状態が、特別図柄の変動に付加されることをいう。「電サポ回数」とは、この電チューサポートが付加されている特別図柄の変動表示動作回数をいう。本実施形態の場合、電チューサポートは大当り終了後の特別図柄の変動表示動作回数に関し100回だけ付加される(図33参照)。
なお、弾球遊技機の種類によっては、上記したチューリップ型の電動役物と異なる、たとえばベロが出入りして始動口を開閉するベロ式の電動役物を備えるものがあるが、このように厳密にはチューリップ型とは言えないような電動役物(普通変動入賞装置41)をも含めて、電チューサポート(電サポ)、電サポ回数などと称することにする。
(7−2−5.特別図柄変動パターン設定処理:図23)
次に、図18においてステップS341の特別図柄変動パターンの設定処理に進む。
図23はこの特別図柄変動パターン設定処理の詳細を示したものである。この変動パターン設定処理では、現在の遊技状態、大当り判定フラグのON、OFF、および保留球数に応じて、抽選により1つの特別図柄変動パターンを選択し決定する(ステップS365)。したがって、低確率状態中の場合は低確率用の一の特別図柄変動パターンを選択して、また高確率状態中の場合は高確率用の一の特別図柄変動パターンを選択してセットする。これにより当該特別図柄変動パターンの図柄変動時間や当該特別図柄変動パターンが大当りまたはハズレのいずれに属するか等が決定される。
このようにして特別図柄の変動パターン(当りまたはハズレのいずれかに属する)が決定され、結果としてこの変動パターンに対応する変動時間が決定される。そこで、この決定した特別図柄変動パターンについての変動パターン指定コマンドを演出制御部24に送信した後(ステップS366)、この特別図柄の変動時間を特別図柄変動用タイマにセットし(ステップS367)、特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
(7−2−6.特別図柄指定コマンド送信処理)
図18においてステップ342の特別図柄指定コマンド送信処理に進み、特別図柄指定コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS342)。したがって特別図柄変動パターン指定コマンド(ステップS366)と特別図柄指定コマンド(ステップS342)がともに演出制御コマンドとして演出制御部24に送信されることになる。
次いで、処理状態(特別図柄動作ステータス)を「特別図柄変動中(02H)」に切り替えて(ステップS343)、特別図柄変動開始処理を終了する。そして図15のステップS305に戻り、ステップS310に進んで特別図柄表示データを更新する。これにより特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図14)に移行することになる。
(7−3.特別図柄変動中処理:図24)
図24は、特別図柄管理処理(図15)で特別図柄変動中と判断された場合(ステップS306:YES)に移行する特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示したものである。
この図24の特別図柄変動中処理においては、まず特別図柄変動用タイマを監視し(ステップS371)、図23のステップS367で特別図柄変動用タイマにセットした特別図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS371:NO)。特別図柄変動時間が経過した場合(ステップS371:YES)、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS372)。そして処理状態(特別図柄動作ステータス)を「特別図柄停止中(03H)」に切り替え、停止図柄を特別図柄表示装置38に表示させるための変動停止用時間(たとえば0.5秒)を変動停止用タイマに設定する(ステップS373)。これにより特別図柄変動中処理を終了して図15のステップS307に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。そして、特別変動入賞装置管理処理(図14)に移行する。
(7−4.特別図柄変動停止中処理:図25)
図25は、特別図柄管理処理(図15)で特別図柄動作ステータスが特別図柄停止中(03H)と判断された場合(ステップS308:YES)に移行する特別図柄変動停止中処理(ステップS309)の詳細を示す。
この図25の特別図柄変動停止中処理においては、まずステップS373(図24)で変動停止用タイマにセットした変動停止用時間(たとえば0.5秒)が経過するのを待つ(ステップS381:NO)。すなわち特別図柄の変動停止用時間が経過するまでは、何もしないで特別図柄変動停止中処理を抜ける。
(7−4−1.通常遊技状態の場合)
上記した変動停止用時間が経過した場合(ステップS381:YES)、特別図柄動作ステータスを「特別図柄待機中(01H)」に切り替える(ステップS382)。そして停止図柄が大当り図柄であるかハズレ図柄であるかを判断する。すなわち、当り判定処理(図20)のステップS356、S357でONされる大当り判定フラグと小当り判定フラグの内容を順にチェックして行く(ステップS383、S386)。そして両フラグが共にOFFであった場合(ステップS383:NO、S386:NO)、つまり停止図柄がハズレ図柄であった場合は、ステップS388に進み、電サポ回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する(ステップS388)。通常遊技状態のハズレ変動の場合、電サポ回数カウンタの値はゼロであるので、ステップS388の判断はYESとなり、特別図柄変動停止中処理を抜ける。図15に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。
(7−4−2.大当りの場合)
上記のステップS383において大当り判定フラグがON(小当りを除く大当り)であると判断された場合は(ステップS383:YES)、大当り判定フラグをOFFに戻した後「大当り中フラグ」をONに設定する(ステップS384)。また大当り終了時にステップS464(図32)でセットされる開放延長機能フラグ、普図時短機能、普図確変機能フラグ、特図時短機能フラグ、特図確変機能フラグの各々をOFFし、電サポ回数カウンタをクリアすると共に、時短状態フラグ、確変状態フラグ、潜確状態フラグの各々をOFFし(ステップS385)、特別図柄変動停止中処理を終了する。ここで「普図」とは普通図柄の略称、「特図」とは特別図柄の略称である。図15に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。
上記した大当り中フラグがONに設定されると、後述する特別変動入賞装置管理処理(図26)のステップS403の判断がYESとなり、遊技者に有利な特別遊技状態として特別変動入賞装置42が15ラウンドの開放動作を行う大当り遊技が付与される。この15ラウンドの開放動作は、本実施形態では30秒の開放(大入賞口40の開放)を15回(ラウンド)繰り返す15R確変大当りの1種類である(図33参照)。しかし、さらにラウンド数の異なる複数種類の大当り、たとえば30秒の開放を4回(ラウンド)または7回(ラウンド)繰り返す4R確変大当りや7R確変大当りを設けたり、同じく15ラウンドの開放動作を行う大当りであるが、その全ラウンド中の前半のたとえば7回が30秒の開放を行い、後半の8回が0.1秒の開放を行うなどの大当りの種類を設けてもよい。また場合によっては、潜伏確変状態となる大当り(たとえば、0.1秒の開放を15回(ラウンド)繰り返す15R潜伏確変大当り)を設けてもよい。なお0.1秒の開放は、遊技者に有利な特別遊技状態といっても実質的に出球が得られないことを意味する。
(7−4−3.小当りの場合)
上記のステップS383において大当り判定フラグがOFFであると判断された場合は(ステップS383:NO)、ステップS386に進む。このステップS386において小当り判定フラグがON(小当り)であると判断された場合は(ステップS386:YES)、小当り判定フラグをOFFに戻した後、「小当り中フラグ」をONに設定する(ステップS387)。
上記した小当り中フラグがONに設定されると、後述する特別変動入賞装置管理処理(図26)のステップS401の判断がYESとなり、特別遊技状態として特別変動入賞装置42が所定ラウンドの開放動作を行う大当り遊技が付与される。ただし、小当りの場合の当り中開放パターンは0.6秒の開放を2回(ラウンド)繰り返すものであり、したがって実質的に出球が殆ど得られない。
(7−4−4.電チューサポート付状態の場合)
15R確変大当りの場合は大当り遊技の終了後に転落抽選付の確変状態に移行し、途中で転落抽選に当選して高確率状態から低確率状態に転落するか否かに拘わらず、開放延長機能が作動する遊技状態、つまり電チューサポートが付与される遊技状態(本実施形態では、確変状態または時短状態。以下、確変状態または時短状態を「電チューサポート付状態」とも称する)が、所定回数(本実施形態では、100回)の図柄遊技(特別図柄の変動表示動作)が終了するまで行われる。ただし、この100回の図柄変動(正確には図柄変動表示動作)が行われる期間中は、各図柄変動が行われる毎に転落抽選が実施されるため、そのいずれかの図柄変動で転落抽選に当選した場合は、主制御部20の遊技状態が確変状態(高確率状態)から時短状態(低確率状態)に転落する。したがって転落抽選に当選するまでの電チューサポート付状態の期間は大当り抽選確率が高確率状態であり、その後の転落抽選に当選して上記100回に達するまでの電チューサポート付状態の期間は大当り抽選確率が低確率状態となる。なお、100回の図柄変動が行われる期間中に転落抽選に当選しなかった場合には、主制御部20の遊技状態が、確変状態から潜伏確変状態(いずれも高確率状態)に移行し、この潜伏確変状態中に転落抽選に当選した場合には当該潜伏確変状態(高確率状態)から通常遊技状態(低確率状態)に移行(転落)する。
上記のステップS388において判断される電サポ回数カウンタの値がゼロでない場合(ステップS388:NO)、すなわち特別図柄の変動回数がまだ上限の100回に達していない場合は、電チューサポート付状態を継続中であるので、電サポ回数カウンタの値を1減算し(ステップS389)、減算後の確変回数カウンタの値がゼロになったか否かを判断する(ステップS390)。本実施形態では、現在の遊技状態が確変状態であるかまたは時短状態であるかを問わず、必ず電チューサポート付状態が変動回数100回で終了する。そこで変動回数が100回までは電サポ回数カウンタの値がゼロでない状況にあるため、ステップS390の判断はNOとなり、特別図柄変動停止中処理を抜ける。図15に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。
その後、特別図柄の変動表示動作が1回実行される度に、この図25の特別図柄変動停止中処理において電サポ回数カウンタが1減算されて行く(ステップS389)。
電サポ回数カウンタの値がゼロになった場合(ステップS390:YES)、電チューサポート付状態が終了となるタイミングであるので、電サポ回数カウンタをクリアする(ステップS391)。また開放延長機能フラグ、普図時短機能、普図確変機能フラグ、特図時短機能フラグ、時短状態フラグの各々をOFFし(ステップS391)、特別図柄変動停止中処理を終了する。図15に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。
<8.特別変動入賞装置管理処理:図26>
図14に戻り、上記特別図柄管理処理(ステップS209)に次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技(特別遊技)を実行制御する処理である。
図26は、この特別変動入賞装置管理処理の詳細を示したものである。主制御CPU201は、まず小当り中フラグや大当り中フラグが設定(ON)されているか否かをチェックし(ステップS401、S403)、小当り中および大当り中でなければ(ステップS401:NO、S403:NO)何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。
(8−1.小当りの場合:図27)
小当り中フラグが設定(ON)されている場合は(ステップS401:YES)、ステップS402の小当り処理に進む。この「小当り処理」では、図27に示すように、特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放される前の所定時間(開始前所定時間)が経過したか否か判断する(ステップS411)。上記開始前所定時間が経過するまでの間は(ステップS411:NO)、何もしないでこの特別変動入賞装置作動開始前処理を抜ける。
上記開始前所定時間が経過した場合は(ステップS411:YES)、小当り遊技における特別変動入賞装置42の一連の動作(大入賞口40の開放動作2回)を制御するために、電動役物(特別変動入賞装置)動作ステータスに応じた処理を行う。ここでは電動役物動作ステータスが大当り開始処理中(00H)において小当り開始コマンドを送信し、特別変動入賞装置作動中(02H)において大入賞口開閉動作を設定し、特別変動入賞装置作動停止中(03H)において小当り終了コマンドの送信を実行する(ステップS413〜S415)。これによりたとえば、「0.6秒×2回」という速い当り中開放パターンで特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放される。
(8−2.大当りの場合:図28〜図33)
図26のステップ403の判断において、大当り中フラグが設定(ON)されている場合は(ステップS403:YES)、大当り遊技における特別変動入賞装置42の一連の動作(15回の開放動作)を制御するために、電動役物動作ステータスが00H〜04Hのいずれであるかに応じて、それぞれの状態に属する処理(ステップS405〜S409)を実行して行く。
電動役物動作ステータスが大当り開始処理中(00H)である場合は「大当り開始処理」(ステップS405)を行い、特別変動入賞装置作動開始前(01H)である場合は「特別変動入賞装置作動開始前処理」(ステップS406)を行い、特別変動入賞装置作動中(02H)である場合は「特別変動入賞装置作動中処理」(ステップS407)を行い、特別変動入賞装置作動停止中(03H)である場合は「特別変動入賞装置作動停止中処理」(ステップS408)を行い、大当り終了処理中(04H)である場合は「大当り終了処理」(ステップS409)を行う。なお、「特別変動入賞装置作動開始前」とは大当りして特別変動入賞装置42の動作が開始前状態であることを示し、「特別変動入賞装置作動中」とは特別変動入賞装置42が現在作動中であることを示し、「特別変動入賞装置作動停止中」とは特別変動入賞装置42が現在停止中であり継続判定中であることを示している。
(8−2−1.大当り開始処理:図28)
図28は、電動役物動作ステータスが大当り開始処理中(00H)である場合に行われる大当り開始処理(ステップS405)の詳細を示したものである。大当りした場合、この大当り開始処理において役物連続作動装置作動フラグをONにして「役物連続作動装置作動中」に切り替える(ステップS421)。ここで役物連続作動装置とは、特別変動入賞装置42の1ラウンド分の動作を所定回数連続して動作させるための機能部をいう。ついで電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動開始前(01H)」に切り替える(ステップS422)。そして最大ラウンド数(たとえば15回)、オープニング演出時間(たとえば10秒)をセットする(ステップS423)。ここでオープニング演出時間とは、ステップS373の変動停止用タイマ時間が経過して当りが確定した後、特別変動入賞装置42の動作が開始するまでのインターバル区間であってオープニング演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。そして大当り開始コマンドを送信して(ステップS424)、大当り開始処理を終了する。
(8−2−2.特別変動入賞装置作動開始前処理:図29)
図29は、電動役物動作ステータスが特別変動入賞装置作動開始前(01H)である場合に行われる「特別変動入賞装置作動開始前処理」(ステップS406)の詳細を示したものである。この特別変動入賞装置作動開始前処理においては、特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放される前の所定時間(開始前所定時間)が経過したか否かを判断する(ステップS431)。なお、ここでの開始前所定時間としては、初回のラウンドではステップS381の変動停止用タイマの特別図柄停止用時間が経過して当りが確定した後、特別変動入賞装置42の動作が開始するまでのオープニング演出時間(図28のステップS423で設定される)が監視されるが、2ラウンド目以降でこのステップS431を通過するときは、ラウンド間インターバル時間(図31のステップS455で設定される開放前インターバル時間)が監視される。
上記開始前所定時間が経過するまでの間は(ステップS431:NO)、何もしないでこの特別変動入賞装置作動開始前処理を抜ける。
上記開始前所定時間が経過した場合は(ステップS431:YES)、特別変動入賞装置の大入賞口開放時間(確変大当りの場合は30秒)をセットし、大入賞口入賞数カウンタをゼロにクリアする(ステップS432)。そして電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動中(02H)」に切り替える(ステップS433)。また特別変動入賞装置42の動作パターンにより開閉扉42bの動作パターンを設定し、これに基づいてソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、開放扉42bを作動させて大入賞口40を開放させる(ステップS434)。そして、この特別変動入賞装置作動開始処理を終了する。
(8−2−3.特別変動入賞装置作動中処理:図30)
図30は、電動役物動作ステータスが特別変動入賞装置作動中(02H)である場合に行われる「特別変動入賞装置作動中処理」(ステップS407)の詳細を示したものである。この特別変動入賞装置作動中処理においては、特別変動入賞装置の大入賞口40への入賞球が検出されたか否かを判断する(ステップS441)。
大入賞口40への入賞球が検出された場合は(ステップS441:YES)、「大入賞口入賞数」に1加算し(ステップS442)、その旨を示す大入賞口入賞コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS453)。そしてステップS444に進む。一方、大入賞口40への入賞球が検出されなかった場合はこれらの処理(ステップS442〜S443)を行わずにステップS444に進む。
ステップS444に進むと、加算後の大入賞口入賞数が最大入賞数となったか否かを判断する(ステップS444)。大入賞口入賞数が最大入賞数に至っていなければ(ステップS444:NO)、あらかじめ設定した大入賞口40が開いている時間(大入賞口開放時間:ステップS432で設定された30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS445)。そして、大入賞口入賞数が最大入賞数に至っておらず(ステップS444:NO)、かつ大入賞口開放時間が経過していなければ(ステップS445:NO)、何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。
大入賞口入賞数が最大入賞数に至った場合(ステップS444:YES)、大入賞口40を閉鎖し(ステップS446)、インターバルコマンドを送信する(ステップS447)。そして電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動停止中(03H)」に切り替える。また残存球の排出のために特別変動入賞装置を閉鎖しておく残存球排出時間(たとえば2秒)をセットする(ステップS449)。
また大入賞口入賞数が最大入賞数に至る前であっても、大入賞開放時間が経過した場合は(ステップS445:YES)、その時点で大入賞口40を閉鎖し、電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動停止中(03H)」に切り替える。そして、この特別変動入賞装置作動中処理を終了する。
(8−2−4.特別変動入賞装置作動停止中処理:図31)
図31は、電動役物動作ステータスが特別変動入賞装置作動停止中(03H)である場合に行われる「特別変動入賞装置作動停止中処理」(ステップS408)の詳細を示したものである。この特別変動入賞装置作動停止中処理においては、大入賞口40が閉鎖されて一定時間が経過したか否か、つまりステップS449で残存球排出時間としてセットされた閉鎖時間(2秒)が経過したか否かを判断する(ステップS451)。残存球排出時間が経過するまでの間は(ステップS451:NO)、何もしないでこの特別変動入賞装置作動停止中処理を抜ける。
残存球排出時間が経過した場合(ステップS451:YES)、特別変動入賞装置の作動回数(ラウンド数)があらかじめ定めた最大回数(ここでは15ラウンド)に至ったか否かを判断する(ステップS452)。最大ラウンド数である15ラウンドに至るまでの間は(ステップS452:NO)、電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動開始前(01H)」に切り替える(ステップS453)。そして「特別変動入賞装置作動回数」に1加算して(ステップS454)、ラウンド数の現在値を更新し、開放前インターバル時間をセットする(ステップS455)。
ステップS452の判断において最大ラウンド数に至ったときは(ステップS452:YES)、電動役物動作ステータスを「大当り終了処理中(04H)」に切り替える(ステップS456)。またエンディング演出時間(たとえば5秒)をセットし(ステップS457)、エンディング演出コマンドを送信して(ステップS458)、この特別変動入賞装置作動継続判定処理を終了する。
(8−2−5.大当り終了処理:図32〜図33)
図32は、電動役物動作ステータスが大当り終了処理(04H)である場合に行われる「大当り終了処理」(ステップS409)の詳細を示したものである。この大当り終了処理においては、上記最終ラウンドの特別変動入賞装置42の大入賞口40が閉鎖された後のインターバル区間である一定時間、つまりステップS457でセットされたエンディング演出時間(5秒)が経過したか否かを判断する(ステップS461)。エンディング演出時間(5秒)が経過するまでは、何もしないでこの大当り終了処理を抜ける(ステップS461:NO)。
一方、エンディング演出時間が経過した場合は(ステップS461:YES)、大当り中フラグをクリアすると共に役物連続作動装置作動フラグをOFFにして(ステップS462)、「役物連続作動装置作動停止中」に切り替える(ステップS463)。そして大当り終了時の各種設定として、遊技状態移行準備処理(図22)のステップS364でセットした各移行状態バッファの値を各状態フラグにセットする(ステップS464)。この処理は、大当り終了後の遊技状態を、所定の確変状態へ移行させるための遊技状態移行準備設定処理に相当する。
具体的には、図33に示す「大当り終了時遊技状態移行設定テーブル」に従い、開放延長機能フラグ、普図時短機能フラグ、普図確変機能フラグ、特図時短機能フラグ、特図確変機能フラグ、電サポ回数カウンタをセットする(ステップS364)。またこれらの情報に基づき把握される確変状態、時短状態について、特図確変状態フラグ(確変状態フラグ)、特図時短状態フラグ(時短状態フラグ)をセットする。
次に、先読み基底状態設定部203aの先読み基底状態フラグを「高確率状態(図には高確率中として示す)」に設定する(ステップS465)。
また、特図時短状態フラグおよび特図確変状態フラグが双方とも設定されている場合(ステップS466:YES、ステップS467:YES)には、「特図確変時短状態フラグ」をONにする(ステップS468)。そして、ステップSS469に進み、各移行状態バッファをクリアする。一方、特図時短状態フラグが設定されていない場合(ステップS466:NO)または特図確変状態フラグが設定されていない場合(ステップS467:NO)には、直接にステップSS469に進み、各移行状態バッファをクリアする。
その後、遊技状態報知情報を更新し(ステップS470)、この遊技状態報知情報を含む遊技状態コマンドとして大当り終了コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS471)。これにより、7セグメント表示器やランプなどにより大当り状態から確変状態などへ遊技状態が移行した旨が報知される。
この後は図26のステップS409に戻って上記の特別変動入賞装置管理処理を終了し、そして図14に戻り、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いでLED管理処理(ステップS211)、外部端子管理処理(ステップS212)を実行する。そして、タイマ割込処理を終了し、割込み処理ルーチンからメインルーチンに処理が戻ることになる。
<9.演出制御部側の処理:図34〜図41>
次に演出制御部側の処理(図34〜図41)について説明する。
(9−1.演出制御側メイン処理:図34)
遊技機本体に電源が投入され、電源基板31から電源投入信号を受信した演出制御部24は、図34に示す演出制御側メイン処理を開始する。この演出制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS501が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS502〜S505が行われる。
まず、演出制御基板24は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS501)。
次に、正常動作時の処理として演出用乱数更新処理を実行する(ステップS502)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS503)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS504)。そして、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS505)、電断が発生しない限り、ステップS502からステップS505の処理をループ処理にて実行する。
(9−2.コマンド受信割込処理:図35)
次に、上記した主制御部20からの演出制御コマンドを受信した場合に実行されるコマンド受信割込処理について説明する。
図35は、この演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図36)よりも優先的に実行される処理である。
演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドを受信した場合、まずレジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS506)、制御コマンドをRAM242の所定領域に格納する処理を行い(ステップS507)、レジスタを復帰(ステップS508)する。主制御部20から送られてくる各種制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、この受信割込処理にて、制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。
(9−3.演出制御側タイマ割込処理:図36)
図36は、演出制御基板24における演出制御側メイン処理において、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御CPU241は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を実行する(ステップS601)。次いでプログラム異常を監視しているウォッチドッグタイマをクリアして、タイマのカウントを再スタートさせる(ステップS602)。プログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、演出用CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。
次いで、定期更新処理を行う(ステップS603)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。上記各種タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。たとえば、特別図柄表示装置38に特別図柄が変動表示されている変動期間内(特別図柄の変動期間内)と実質的に同一期間内である液晶表示装置36の画面に装飾図柄が変動表示されている変動期間内(装飾図柄変動期間内)において、その時間軸上で、どのような演出パターンの演出内容を、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ45やスピーカ46や液晶表示装置36などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。
次いで、各種スイッチからの入力を監視する入力監視処理を行う(ステップS604)。枠演出ボタン13がON操作されたか否かもここで監視される。
次いで、演出決定管理処理として、コマンド解析処理(ステップS605)と演出シナリオ更新処理(ステップS606)を実行する。そして、演出出力管理処理としてステップS607〜S609を実行する。
まず受信した制御コマンドに基づいて演出のシナリオを決定するコマンド解析処理(ステップS605)を実行する。このコマンド解析処理では、主制御部20から制御コマンドを受信したか否か、つまりコマンド受信バッファに制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視する。たとえば変動パターン指定コマンドが受信され、変動パターン指定コードが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、この変動パターン指定コードを読み出し、図示してない演出パターンテーブルを参照して、対応する演出パターンを決定する。
次いで、演出シナリオ更新処理(ステップS606)を実行する。この演出シナリオ更新処理では、上記コマンド解析処理(ステップS605)において決定された上記演出シナリオの内容に基づいて、液晶表示装置36を作動させる制御信号(画像演出制御信号)の作成や、ランプやLEDやスピーカ46を作動させる制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の作成を行う。そして、作成した上記制御信号をRAM243の所定の格納領域に格納する。また、演出シナリオの進行に伴って上記画像演出制御信号を液晶表示装置36に対して出力するとともに、その画像演出に合わせて音とLEDのための制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の出力も行う。
上記ステップS606の処理に続いて、演出出力管理処理の内容として、上記所定のコマンド格納領域において再生する音データの音声制御信号が有るか否かを判断し(ステップS607)、再生する音データの音声制御信号が有る場合には(ステップS607:YES)、音の再生が必要なタイミングで、サウンドLSIの音声制御信号を入力し、音源ICを通じてスピーカ46から音を出力させる(ステップS608)。これにより、演出シナリオに沿った効果音がスピーカ46から発生される。
続いて、LED出力処理を実行する(ステップS609)。このLED出力処理は、上記音声制御信号がサウンドLSIに送信された場合、この情報を受け、対応する演出に伴い発光制御信号を装飾ランプ45やLEDなどに送信し点灯もしくは点滅させて光による演出を実現する。
そして、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS610)、これにより演出制御側タイマ割込処理を終了する。
<10.コマンド解析処理の内容:図37〜図41>
次にコマンド解析処理(ステップS605)の内容について具体的に説明する。
第37図はコマンド解析処理(ステップS605)の内容を示すフローチャートである。ここでは主制御部20から新たな制御コマンドを受信した場合(ステップS701:YES)、その受信データを演出制御RAM243(図3)内のコマンド受信バッファに格納する(ステップS502)。そして演出制御RAM243に格納された受信コマンドを読み出して、どのようなコマンドであるかを解析する。本発明との関係では、受信コマンドが演出モード移行契機の成立する制御コマンドであるか否か、図16のステップS317で送信される保留加算コマンドであるか否か、図18のステップS342で送信される特別図柄指定コマンドであるか否かを判断する(ステップS703、S705、S707)。これらの制御コマンドでない場合はステップS709に移行する。この図37のステップS709は、その他の受信コマンドを受信した場合に当該受信コマンドに基づいて実行指示設定する処理をまとめて示したものであり、後述する「変動パターン指定コマンドの受信処理(図示せず)」はここに含まれる。
(10−1.演出モード移行抽選処理:図38)
図37のコマンド解析処理においては、制御コマンドを受信した際に、演出モード移行契機が成立したか否かを判断する(ステップS703)。この例での演出モード移行契機は、(イ)ステップS471(図32)で送信される大当り終了コマンドを受信したこと、(ロ)特定の変動パターンコマンド(たとえば大当り期待度の重み付けが異なる3種類のスーパー(SP)リーチのうちの最も大当り期待度の大きい特定のスーパーリーチ変動パターンコマンド)を受信したこと、(ハ)上記特定の変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンド(たとえば上記3種類のSPリーチのうちで上記最も大当り期待度の大きい特定のSPリーチ以外のスーパーリーチ変動パターンあるいはノーマルリーチ変動パターンやハズレ変動パターンなどの非スーパーリーチ変動パターン)を受信し、かつ、演出制御部側で行う演出モード移行契機抽選に当選したこと、(ニ)ハズレ変動パターンコマンドを所定回数(たとえば30回)受信したこと、(ホ)電チューサポート終了コマンド(ステップS336(図18)で送信される残り電サポ回数がゼロである旨の残り電サポ回数コマンド)を受信したこと、などである。
上記いずれかの演出モード移行契機が成立した場合は(ステップS703:YES)、演出モード移行抽選処理に移行する(ステップS704)。
図37は演出モード移行抽選処理の詳細を示したもので、移行先モード振分テーブル(図6および図7)を参照し、移行先の演出モードを抽選する(ステップS801)。すなわち、図6の状態区分関連付けテーブルの4つの因子(確率状態の高低、電チューサポートの有無、保留内転落当選の有無、保留内連チャンの有無)の組合せにより定まる状態区分に応じ、かつ図7の演出モード移行抽選テーブルの選択割合に従い、図8に示した背景の演出モードA〜Eの一つを、移行先の演出モードとして決定する(ステップS801)。そして抽選された演出モードをセットする(ステップS802)。
(10−2.連続予告決定処理:図39)
図39は、始動口チェック処理(図16)のステップS317で送信される保留加算コマンドを受信した場合(ステップS705:YES)に実行される連続予告決定処理(ステップS706)の詳細を示す。
保留加算コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS811)、保留球数や先読み結果の種別情報が把握される。たとえば上位バイトがB8[H](保留3個入賞指定)で下位バイトが32[H](ハズレ変動)のハズレ入賞、上位バイトがB8[H](保留3個入賞指定)で下位バイトが70[H](当り変動)の当り入賞、上位バイトがB9[H](保留4個入賞指定)で下位バイトが02[H](転落)の転落入賞など、が把握される。
次いで、第1連続予告カウンタがゼロか否かを判断する(ステップS812)。第1連続予告カウンタがゼロでない場合(ステップS812:NO)、つまり連続予告演出中である場合は、何もしないでステップS821に進む。
ここで「第1連続予告カウンタ」は、次に述べる保留加算表示処理(図40)のステップS827で保留記憶個数に相当する数がセットされ、先読み対象保留が図柄変動表示動作に供されるまでの保留表示系の連続予告回数を計数するカウンタである。したがって、この第1連続予告カウンタは、先読み予告抽選に当選した場合(ステップS814:YES)、その当選時点で存在する保留記憶個数と同数の図柄変動回数を管理すべく、その当選時点において現存する保留球数(保留記憶個数)の値、たとえば3個の保留記憶がある場合は「3」がセットされ(ステップS827)、その後に図柄変動が行われる度に上記セット値が図40のステップS828で1減算されて行き、連続予告の最後の図柄変動において、ステップS828で1減算されてゼロとなる。ステップS812において第1連続予告カウンタがゼロか否かを判断する理由は、1回目の先読み予告抽選(ステップS813)が行われた後、その後に実施される最大回数の連続予告演出中に再び先読み予告抽選(2回目以降)を繰り返すことのないようにするためである。
次いで、第1連続予告カウンタがゼロの場合(ステップS812:YES)、ステップS813に進み、保留加算コマンドに応じて、変動開始時変化系(画像表示変化系)と入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告を実施するか否かについての先読み予告抽選を行う(ステップS813)。そして、これらの先読み予告抽選に当選したか否かについての判断をする(ステップS814)。
一方において、上記先読み予告抽選に当選しなかった場合は(ステップS814:NO)、何もしないでステップS821に進む。
他方において、上記先読み予告抽選に当選した場合は(ステップS814:YES)、ステップS815に進み、受信した保留加算コマンドの下位バイトの種別情報が「転落」であったか否かが判断される(ステップS815)。「転落」でない場合(ステップS815:NO)、つまり転落を伴わないハズレ変動または当り変動である場合は、図9の保留数に対応する転落前の予告選択テーブルをセットする(ステップS816)。また「転落」の場合(ステップS815:YES)、つまり転落を伴うハズレ変動である場合は、図10の保留数に対応する転落後の予告選択テーブルをセットする(ステップS817)。いずれの場合も、セットした予告選択テーブルを参照して、現在の演出モードで出現させる変動開始時変化系予告演出(稲妻予告362)の継続性ランクを抽選する(ステップS818)。ここでは継続性ランクとして、予告演出の継続回数の違いでクラス分けした予告演出の種類を抽選する。しかし、予告演出の継続回数の違いと予告演出の色やデンジャー柄などの違いとでクラス分けした予告演出の種類を抽選するようにしてもよい。
そして、抽選された予告演出の継続性ランクに応じた継続回数を第2連続予告カウンタにセットする(ステップS819)。ここで「第2連続予告カウンタ」は、変動開始時変化系予告演出の継続回数(この継続回数は先読み対象保留まで続かないことがある)を計数するカウンタであり、保留を跨いで継続する変動開始時変化系予告演出が実行される度に1減算されるカウンタ(図41のステップS833)である。その後、ステップS821の保留加算表示処理に進む。
(10−2−1.保留加算表示処理:図40)
図40に上記保留加算表示処理(図39、ステップS821)の詳細を示す。この保留加算表示処理は、主に、先読み予告抽選結果に基づく保留表示変化系の予告演出シナリオを、保留情報管理エリア(RAM243)にセットする処理である。この上記保留情報管理エリアは、保留球数に対応する第1(N=1)〜第4(N=4)保留情報管理エリアが設けられており、それぞれ保留表示に関する演出シナリオデータの格納領域を含んで構成されている。
上記保留情報管理エリアは必要に応じてシフトされる。これについて説明すると、図37のステップS709は「変動パターン指定コマンド受信処理(図示せず)」を含んでおり、変動パターン指定コマンドを受信した場合、RAM243に設けられた保留情報管理エリアをシフトする。すなわち、RAM243の保留球数=Nに対応する保留記憶エリア(第N保留情報管理エリア)を保留球数=N−1に対応する保留記憶エリア(第N−1保留情報管理エリア)にそれぞれシフトして上書きして空き領域を設け、この空き領域に該当する保留記憶エリアに存在した情報をクリアする。演出制御CPU241は、この保留情報管理エリア内にどのような予告演出シナリオが格納されている否かを参照して、何番目の保留球に対してどのような保留表示を行うかを特定できるようになっている。なお、上記した保留情報に関する保留記憶エリアのシフトや保留表示のシフトは、図18のステップS333で送信される保留減算コマンドを受信したことに基づいて行うようにしてもよい。
図40の保留加算表示処理では、まず、第1連続予告カウンタがゼロであるか否かを判断する(ステップS824)。第1連続予告カウンタがゼロでない場合(ステップS824:NO)、つまり連続予告演出中である場合は、ステップS828に進み、第1連続予告カウンタから1減算して、ステップS821に戻る。
次に、先読み予告抽選に当選しているか否かをチェックする(ステップS825)。先読み予告抽選に当選している場合は(ステップS825:YES)、専用保留表示演出シナリオの一つを抽選により選択し、その抽選結果に基づく専用保留表示演出シナリオを、今回入賞した保留球に対応する保留情報管理エリアにセットする(ステップS826)。たとえば、今回入賞した保留球に基づく保留加算コマンドが持つ保留球数の情報が3個を示すものであるならば、その演出シナリオを第3保留情報管理エリアにセットする。
そして、保留球数に対応する数値を第1連続予告カウンタにセットする(ステップS827)。その後、当該第1連続予告カウンタから1減算して(ステップS828)、保留加算表示処理を抜ける。したがって、最初に図40の保留加算表示処理に入って専用保留表示演出シナリオと第1連続予告カウンタの数値の設定(ステップS826、S827)が行われると、2度目からは、第1連続予告カウンタの内容がゼロでないと判断され(ステップS824:NO)、これらの設定処理(ステップS826、S827)を迂回してステップS828に進み、第1連続予告カウンタから1減算する処理だけが行われる。
この保留加算表示処理(図39のステップ821、詳細は図40)および上記ステップS708の予告演出抽選処理(図37、詳細は図41)は、連続予告実行判定手段を構成するステップS811〜S819により連続予告演出を実行可と判定された場合、所定の演出手段に対して連続予告演出を発生させる連続予告演出制御手段を構成する。
このうち上記保留加算表示処理(ステップS821)は、保留表示変化系(始動時変化系)の予告演出に係る処理をなすもので、上記所定の演出手段としては、最大保留個数と同数だけあらかじめ設けられ、先読み判定の際に現存する保留記憶個数と同数だけ作動状態に設定される保留表示手段である保留表示器a〜dを対象とし、これを次のように制御する。すなわち保留加算表示処理(ステップS821)は、上記連続予告実行判定手段(ステップS811〜S819)により連続予告演出を実行可と判定された場合(このときステップ825の判断はYESとなる)、保留表示器a〜dのうちの該当する一の保留表示器の保留表示態様を、上記選択された専用保留表示演出シナリオに従って、所定の先読み予告表示態様に変更する。そして、これを、現在変動表示動作中のものを除き、現存する保留記憶に跨って連続的に出現させることにより、上記連続予告演出を発生させる。
具体的には、ステップS821の保留加算表示処理は、保留表示変化系の予告演出として、当該保留記憶に係る保留表示態様を、あらかじめ定めた、たとえば青色、黄色、緑色、赤色のうちから一の色を抽選により選択し、保留色として表示させる。また先読み結果が当りである場合には、この選択対象となる色の中に虹色を含ませた全体から、抽選によりいずれかの色を選択し、保留色として表示させる。
他方、先読み予告抽選に当選していない場合は(ステップS825:NO)、通常保留表示演出シナリオを保留情報管理エリアにセットする(ステップS729)。これにより当該入賞の保留記憶に基づく保留表示が、通常の白色保留として表示される。
(10−3.予告演出抽選処理:図41)
図41は、特別図柄変動開始処理(図18)のステップS342で送信される特別図柄指定コマンドを受信した場合(ステップS707:YES)に実行される予告演出抽選処理(ステップS708)の詳細を示したものである。
この特別図柄指定コマンドを受信した場合、まず第2連続予告カウンタの値がゼロであるか否かを判断する(ステップS831)。第2連続予告カウンタの値がゼロである場合(ステップS831:YES)、図39のステップS818で抽選された継続性ランクの変動開始時変化系予告演出(稲妻予告362)をセットする(ステップS832)。これにより、演出手段(液晶表示装置36、ランプやLEDを含む光表示装置45a、スピーカ46を含む音響発生装置46a、可動体など)において、変動開始時変化系の予告演出(たとえば赤色の稲妻予告362)が継続性ランクに応じた継続回数だけ繰り返し現出されることになる。このとき稲妻予告の演出は、継続性ランクに応じた強調色や音響ないし可動体の挙動を伴うようにすることができる。
その後、第2連続予告カウンタから1減算し(ステップS833)、第2連続予告カウンタの値がゼロになったか否かを判断する(ステップS834)。また同時に第1連続予告カウンタの値がゼロになったか否かを判断する(ステップS835)。
第2連続予告カウンタの値がまだゼロでない場合(ステップS834:NO)は、変動開始時変化系予告演出による連続予告の途中であり、また第1連続予告カウンタの値がまだゼロでない場合は(ステップS835:NO)、保留表示変化系連続予告の途中であるので、そのまま当該予告演出抽選処理を抜けて図37のステップS708に戻る。
変動開始時変化系連続予告が所定回数だけ実行された場合であっても、まだ保留表示変化系連続予告が継続途中である場合もあり得る。そこで、第1連続予告カウンタの値がゼロとなった場合は(ステップS834:YES)、先読み対象保留が図柄変動表示動作に供されて第1連続予告カウンタの値がゼロとなる時点(ステップS835:YES)まで待ってから、変動パターンに応じた通常の予告演出を抽選により選択する(ステップS836)。その後、当該予告演出抽選処理を抜けて図37のステップS708に戻る。
<11−1.具体例1:図42)
図42に演出モード移行が行われる具体例1を示す。この具体例1は、図6の状態区分K1〜K4(確変状態)、K9〜K10(時短状態)で、括弧書の演出モード移行抽選テーブルTcまたはTdが選択される形態を扱ったものである。図中の時刻t1で15R確変大当りに当選し、その後、15Rの大当り遊技が終了した時刻t2から電チューサポート付の図柄変動表示動作が開始され、その100回目の図柄変動が到来する時刻teまでの間に、転落入賞が発生し(時刻t6)、かつ種々の演出モード移行契機が成立する(時刻t2〜t5、t7〜t8)という事例を示している。なお、説明を簡単にするため、大当り遊技中においては転落入賞に係る保留記憶が発生しないものとしている。
(イ)大当り終了コマンドを受信した場合(図42の時刻t2)
大当り遊技中で転落入賞に係る保留記憶が発生せず、図42の時刻t2で、大当り終了コマンドを受信してモード移行契機が成立した場合(ステップS703:YES)、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)に移行し、そこで移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。このときの遊技状況は図6の状態区分K4(高ベースの確変状態で、保留内転落当選なし、保留内大当り当選なし)に該当する。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの状態区分K4において演出モード移行抽選テーブルTdが選択され、この演出モード移行抽選テーブルTdが選択されたことに基づき、演出モードA、B、Cが10%、30%、60%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。
図42では60%の選択割合で演出モードC(図8の夕背景)が選択された場合を示している。これは、大当りが確定する演出モードDおよびチャンスタイム演出である演出モードEを除いて考えると、演出モードA〜Cのうちで、高確率期待度が最も高い演出モードC(図8の夕背景)が移行抽選されたことを意味する。この演出モードCがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の夕背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。したがって遊技者は、演出モードC(夕背景)に移行したことで、遊技状態が高確率状態にあると推測することになる。
なお、時刻t2において、保留内大当り抽選に当選している場合(状態区分K3)は、演出モード移行抽選テーブルTcが選択され、これにより演出モードA、B、C、Dが10%、30%、50%、10%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。すなわち高確率期待度に関しては、演出モード移行抽選テーブルTcもTdも同様の傾向(演出モードA、B、Cの順に高い)を示すが、演出モード移行抽選テーブルTcにより演出モードが選択される場合は、大当り確定の演出モードDが選択される可能性が出て来る。この関係は、後述する時刻t4、t5、t7、t8の場合も同様である。
(ロ)非転落入賞した場合(図42の時刻t3)
図42の時刻t3では、上記演出モードC下で非転落入賞に係る保留記憶が発生した場合を想定している。ここでは図11で説明したケース1(保留内転落当選なし)を例にして説明する。
図11(a)は、保留記憶個数が3個の状態下で、新たな入賞球が発生して「保留4」が発生し、その保留データが先読み判定された状況にある。なお「保留4」は非転落入賞に係る「先読み対象保留」である。
この「保留4」の先読み対象保留が発生した場合、演出制御部24は、連続予告演出による先読み予告を行うか否かについての抽選を行う(図39、ステップS813)。この先読み予告抽選に当選し、かつ転落抽選に非当選であると判断された場合(図39、ステップS814:YES、S815:NO)、保留数に対応する転落前の予告選択テーブルをセットする(図39、ステップS816)。この例では、保留数3に係る図9(d)の転落前の予告選択テーブルをセットする。そして、「保留1」の図柄変動が開始されて保留記憶個数が図11(b)の如く3個に減少した時点から、保留を跨いで継続される変動開始時変化系連続予告演出の継続性ランクについての抽選を行う(図39、ステップS818)。現在の遊技状態は演出モードCに在るので、図9(d)のテーブル上において、予告なし、1回予告α、2回予告β、3回予告γ、4回予告δが0%、10%、10%、30%、50%の選択割合で選択される。
この例では図9(d)のテーブル上において選択割合50%の4回予告δが選択されたものと仮定している。このため、当該非転落入賞に係る保留4(先読み対象保留)までの4回分を、連続予告回数として第2連続予告カウンタに設定する(ステップS819)。これにより、図11(b)〜(e)に示すように、保留1〜保留4の4回分の各図柄変動表示動作において稲妻予告362およびその効果音が出現して連続予告演出が実行されることとなる。
一方、入賞時変化系(保留表示変化系)の連続予告演出に関しては、「保留4」の保留記憶が発生して上記先読み予告抽選に当選したと判断された時点で、図40のステップS825の判断がYESとなるので、専用保留表示演出シナリオがセットされ(図40、ステップS826)、保留記憶個数に対応する「4」が第1連続予告カウンタにセットされる(図40、ステップS827)。これにより当該「保留4」の保留記憶位置がたとえば赤色に変化し、当該「保留4」の保留記憶が図柄変動表示動作に供されるまで順次表示位置をシフトしながら連続的に表示されることになる。
この図11のケース1では、変動開始時変化系連続予告演出の継続回数(稲妻予告362が保留を跨いで連続的に表示される回数)が上記入賞時変化系連続予告の継続回数(「保留4」の赤色保留位置が保留を跨いで連続的に表示される回数)と一致している。仮に遊技状態が低確率状態に転落した後あるいは保留内転落当選しているとすると、図10の転落後の予告選択テーブルが参照されることから、変動開始時変化系連続予告演出の継続回数と同じ継続回数に達する手前で終了してしまうことがある。しかし、この例では、演出モードC(夕背景)に移行している上に、さらに稲妻予告362による連続予告演出が「保留4」の赤色保留位置まで、つまり赤色保留の「保留4」が図柄変動表示動作に供されるまで継続している。したがって遊技者は、このことから遊技状態が低確率状態に転落していないと確信することになる。
(ハ)特定のスーパーリーチ変動パターンコマンドを受信した場合(図42の時刻t4)
図42の時刻t4で、特定のスーパーリーチ変動パターンコマンドを受信してモード移行契機が成立した場合(ステップS703:YES)、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)にて移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。このときの遊技状況は時刻t2のときと変わっておらず、図6の状態区分K4(高ベースの確変状態で、保留内転落当選なし、保留内大当り当選なし)にある。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの状態区分K4において演出モード移行抽選テーブルTdが選択され、これにより演出モードA、B、Cが10%、30%、60%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。図42では30%の選択割合で演出モードB(図8の昼背景)が選択された場合を示している。これは、演出モードA〜Cのうちで、高確率期待度が2番目に高い演出モードB(図8の昼背景)が移行抽選されたことを示している。この演出モードBがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の昼背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。したがって遊技者は、演出モードC(夕背景)から演出モードB(昼背景)に移行したことで、遊技状態が低確率状態に転落したのではないかと若干心配することになる。
(ニ)演出モード移行抽選に当選した場合(図42の時刻t5)
図42の時刻t5は、特定のスーパーリーチ変動パターン以外の変動パターンコマンドを受信し、かつ、演出制御部24側で行われる演出モード移行抽選に当選したことでモード移行契機が成立した場合(ステップS703:YES)を示す。
この場合も、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)に移行し、移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。このときの遊技状況は時刻t2のときと変わっておらず、図6の状態区分K4(高ベースの確変状態で、保留内転落当選なし、保留内大当り当選なし)にある。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの区分K4において演出モード移行抽選テーブルTdが選択され、これにより演出モードA、B、Cが10%、30%、60%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。図42では60%の選択割合で演出モードC(図8の夕背景)が選択された場合を示している。これは、演出モードA〜Cのうちで、高確率期待度が最も高い演出モードC(図8の夕背景)が移行抽選されたことを示している。この演出モードCがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の夕背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。したがって遊技者は、演出モードB(昼背景)から演出モードC(夕背景)に戻ったことで、遊技状態が低確率状態に転落していなかったと推測することになる。
(ホ)転落入賞した場合(図42の時刻t6)
図42の時刻t6では、上記演出モードC下で転落入賞に係る保留記憶が発生した場合を想定している。ここでは図12で説明したケース2(保留内転落当選あり)を例にして説明する。
図12(a)は、保留記憶個数が3個の状態下で、新たな入賞球が発生して「保留4」が発生し、その保留データが先読み判定された状況にある。なお「保留4」は転落入賞に係る「先読み対象保留」である。
この「保留4」の保留記憶が発生した場合、演出制御部24は、連続予告演出による先読み予告を行うか否かについての抽選を行う(図39、ステップS813)。この先読み予告抽選に当選し、かつ転落抽選に当選していると判断された場合(図39、ステップS814:YES、S815:YES)、保留数に対応する転落後の予告選択テーブルをセットする(図39、ステップS817)。この例では、保留数3に係る図10(d)の転落後の予告選択テーブルをセットする。そして、「保留1」の図柄変動が開始されて保留記憶個数が図12(b)の如く3個に減少した時点から、保留を跨いで継続される変動開始時変化系連続予告演出の継続性ランクについての抽選を行う(図39、ステップS818)。現在の遊技状態は演出モードCに在るので、図10(d)のテーブル上において、予告なし、1回予告α、2回予告β、3回予告γ、4回予告δが30%、10%、40%、20%、0%の選択割合で選択される。
この例では図10(d)のテーブル上において選択割合40%の2回予告βが選択されたものと仮定している。このため、当該非転落入賞に係る保留4(先読み対象保留)の手前の保留2までの2回分を、連続予告回数として第2連続予告カウンタに設定する(ステップS819)。これにより、図12(b)〜(e)に示すように、保留1〜保留2の2回分の各図柄変動表示動作において稲妻予告362およびその効果音が出現して連続予告演出が実行されることとなる。
しかし入賞時変化系(保留表示変化系)の連続予告演出に関しては、「保留4」の保留記憶が発生して上記先読み予告抽選に当選したと判断された時点で、図40のステップS825の判断がYESとなるので、専用保留表示演出シナリオがセットされ(図40、ステップS826)、保留記憶個数に対応する「4」が第1連続予告カウンタにセットされる(図40、ステップS827)。これにより当該「保留4」の保留記憶位置がたとえば赤色に変化し、当該「保留4」の保留記憶が図柄変動表示動作に供されるまで順次表示位置をシフトしながら連続的に表示されることになる。
この図12のケース2では、変動開始時変化系連続予告演出の継続回数(稲妻予告362が保留を跨いで連続的に表示される回数)が上記入賞時変化系連続予告の継続回数(「保留4」の赤色保留位置が保留を跨いで連続的に表示される回数)と一致していない。仮に遊技状態が低確率状態に転落した後あるいは保留内転落当選しているとすると、図11の転落後の予告選択テーブルが参照されることから、変動開始時変化系連続予告演出の継続回数と同じ継続回数に達する手前で終了してしまうことがある。この例においても、高確率期待度が最も高い演出モードC(夕背景)に移行してはいるものの、稲妻予告362による連続予告演出が「保留4」の赤色保留位置までは継続せず、その手前の「保留2」が変動表示動作に供された時点で終了している。したがって遊技者は、このことから遊技状態が低確率状態に保留内転落した可能性があると推測できることになる。
(ヘ)ハズレ変動表示動作の回数が所定回数続いた場合(図42の時刻t7)
図42の時刻t7は、ハズレ変動表示動作の回数が所定回数続いたことでモード移行契機が成立した(ステップS703:YES)と判断される場合を示す。この例では、演出制御部24側にハズレ変動回数カウンタを設け、同カウンタにより、受信したハズレ変動パターンコマンドの数を積算し、その積算値があらかじめ定めた所定回数の30回(図42には30回のn倍(n:1以上の整数))に達すると、モード移行契機が成立した(ステップS703:YES)と判断する。しかし、ハズレ変動表示動作の回数が所定回数の30回(図42には30回のn倍(n:1以上の整数))に達する毎に、ハズレ変動表示動作が30回に達した旨の情報を含む制御コマンドを主制御部20から送信し、演出制御部24がこれを受信したこで、ステップS703でモード移行契機が成立したと判断するように構成してもよい。
この時刻t7のケースでも、モード移行契機が成立したと判断された場合(ステップS703:YES)、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)に移行し、移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。このときの遊技状況は、転落入賞が発生した時刻t6より後であるので、図6の状態区分K10(高ベースの時短状態で保留内大当り当選なし)にある。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの状態区分K10において演出モード移行抽選テーブルTdが選択され、これにより演出モードA、B、Cが10%、30%、60%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。
図42では10%の選択割合で演出モードA(図8の朝背景)が選択された場合を示している。これは、演出モードA〜Cのうちで、高確率期待度が最も低い演出モードA(図8の朝背景)が移行抽選されたことを示している。この演出モードAがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の朝背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。したがって遊技者は、演出モードC(夕背景)から演出モードA(朝背景)に戻ったことで、遊技状態が低確率状態に転落した可能性があると推測することになる(実際には時刻t6で既に転落しているので、この推測は誤りである)。
(ト)さらにハズレ変動表示動作の回数が所定回数続いた場合(図42の時刻t8)
図42の時刻t8は、ハズレ変動表示動作の回数が所定回数続いたことでモード移行契機が成立した(ステップS703:YES)と判断される場合を示す。この例では、演出制御部24側にハズレ変動回数カウンタを設け、同カウンタにより、受信したハズレ変動パターンコマンドの数を積算し、その積算値が再びあらかじめ定めた所定回数の30回(図42には30×(n+1)回目として示す)に達すると、モード移行契機が成立した(ステップS703:YES)と判断する。
このときの遊技状況は時刻t7のときと変わっていない(状態区分K10)ので、この時刻t8のケースの動作は時刻t7の場合と同じになる。ただし、時刻t8では、演出モードA〜Cのうちで、高確率期待度が中ランクの演出モードB(図8の昼背景)が移行抽選されたケースを示している。この演出モードBがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の昼背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。したがって遊技者は、演出モードA(朝背景)から演出モードB(昼背景)に戻ったことで、遊技状態がまだ高確率状態にいる可能性があるとの期待を繋ぐことになる(実際には時刻t6で既に転落している)。
(チ)電チューサポートが終了した場合(図42の時刻te)
図42の時刻teは、電チューサポートが終了してモード移行契機が成立した場合(ステップS703:YES)を例示したものである。
図示していないが、演出制御部24は、特別図柄変動開始処理(図18)のステップS336で送信される残り電サポ回数コマンドを受信した場合、電チューサポートが終了となる電サポ残り回数(たとえば残り10回)をセットする。そしてステップS342(図18)で送信される特別図柄指定コマンドを受信する度に、上記の電サポ残り回数から1減算し、ゼロとなった時点、つまり電チューサポートが終了した時点で上記モード移行契機が成立したと判断する(ステップS703:YES)。
しかし別法として、たとえば電サポ回数カウンタがゼロとなったステップS391(図25)で電チューサポート終了コマンドを送信し、これを演出制御部24が受信した場合にモード移行契機が成立したと判断しても良い。
いずれにしても、電チューサポートが終了してモード移行契機が成立した場合(ステップS703:YES)、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)に移行し、移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。
このときの遊技状況は、転落入賞が発生した時刻t6より後であり、かつ電チューサポートが終了しているので、図6の状態区分K12(通常遊技状態で保留内大当り当選なし)にある。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの状態区分K12において演出モード移行抽選テーブルTbが選択され、これにより演出モードA、B、Cが60%、30%、10%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。
図42では30%の選択割合で演出モードB(図8の昼背景)が選択された場合を示している。これは、演出モードA〜Cのうちで、高確率期待度が2番目に高い演出モードB(図8の昼背景)が移行抽選されたことを示している。この演出モードBがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の昼背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。したがって遊技者は、演出モードB(昼背景)から演出モードB(昼背景)に続けて移行したことで、遊技状態がまだ高確率状態にいる可能性が低いと判断することになる(実際上も時刻t6で既に転落している)。
以上のように、図42の具体例1の場合、遊技者は、保留内転落抽選に当選した時刻t6において「継続性ランク」の低い2回予告βが選択されたこと(稲妻予告362が先読み対象保留まで継続しなかったこと)から高確率状態から低確率状態に転落したと判断し(この判断は結果的に正しい)、その後は高確率期待度が最高の演出モードC(図8の夕背景)に一度も移行していないことから、ほぼ転落したに違いないと判断することになる。
<11−2.具体例2:図43)
図43に演出モード移行が行われる具体例2を示す。この具体例2は、図6の状態区分K1〜K4(確変状態)、K9〜K10(時短状態)で、演出モード移行抽選テーブルTaが選択される形態を扱ったものである。図中の時刻t1で15R確変大当りに当選し、その後、15Rの大当り遊技が終了した時刻t2から電チューサポート付の図柄変動表示動作が開始され、その100回目の図柄変動が到来する時刻teまでの間では転落入賞が発生しないケースとなっている。15Rの大当り遊技が終了した時刻t2、100回目の図柄変動が到来した時刻teで演出モード移行契機が成立し、その後の期間において、転落入賞が発生し(時刻t6)、かつ種々の演出モード移行契機が成立する(時刻t3〜t5、t7〜t8)。なお、説明を簡単にするため、大当り遊技中においては転落入賞に係る保留記憶が発生しないものとしている。
(イ)大当り終了コマンドを受信した場合(図43の時刻t2)
大当り遊技中で転落入賞に係る保留記憶が発生せず、図43の時刻t2で、大当り終了コマンドを受信してモード移行契機が成立した場合(ステップS703:YES)、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)に移行し、そこで移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。このときの遊技状況は図6の状態区分K4(高ベースの確変状態で、保留内転落当選なし、保留内大当り当選なし)に該当する。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの状態区分K4において演出モード移行抽選テーブルTaが選択され、これにより演出モードA、B、C、D、Eが0%、0%、0%、0%、100%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。すなわち演出モードE(チャンスタイム演出)が100%の選択割合で選択される(図38のステップS801)。これは、大当りのチャンスがある演出モードE(図8の夜+雨背景)が移行抽選されたことを意味する。この演出モードEがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の夜+雨背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。したがって遊技者は、演出モードE(夜+雨背景)に移行したことで、遊技状態が高確率状態にあり大当りする可能性が高いと推測することになる。
(ロ)電チューサポートが終了した場合(図43の時刻te)
図43の時刻teは、電チューサポートが終了してモード移行契機が成立した場合(このモード移行契機の成立は具体例1と同じである)を例示したものである。
電チューサポートが終了してモード移行契機が成立した場合(ステップS703:YES)、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)に移行し、移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。このときの遊技状況は図6の状態区分K8(低ベースの潜伏確変状態で、保留内転落当選なし、保留内大当り当選なし)に該当する。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの状態区分K8において演出モード移行抽選テーブルTdが選択され、これにより演出モードA、B、Cが10%、30%、60%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。
図43では30%の選択割合で演出モードB(図8の昼背景)が選択された場合を示している。これは、高確率期待度が中ランクの演出モードB(図8の昼背景)が移行抽選されたことを意味する。この演出モードBがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の昼背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。したがって遊技者は、大当り抽選に当選せずに100回の電チューサポート付の演出モードE(チャンスタイム演出:夜+雨背景)が終了してしまい、演出モードB(図8の昼背景)に移行したので、遊技状態が低確率状態に転落したのではないかと心配するものの、遊技状態はまだ高確率状態にあるとの希望的可能性に期待することになる。
なお、時刻teにおいて、保留内大当り抽選に当選している場合(状態区分K7)は、演出モード移行抽選テーブルTcが選択され、これにより演出モードA、B、C、Dが10%、30%、50%、10%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。すなわち大当り確定の演出モードDが選択される可能性が出て来る。
(ハ)非転落入賞した場合(図43の時刻t3)
図43の時刻t3は、上記演出モードB下で非転落入賞に係る保留記憶が発生した場合を示しており、図11で説明したケース1(保留内転落当選なし)を想定している。
図11(a)は、保留記憶個数が3個の状態下で、新たな入賞球が発生して非転落入賞に係る先読み対象保留の「保留4」が発生し、その保留データが先読み判定された状況にある。
この「保留4」の先読み対象保留が発生し、連続予告演出による先読み予告を行うか否かについての先読み予告抽選に当選し、かつ転落抽選に非当選であると判断された場合(図39、ステップS814:YES、S815:NO)、転落前の予告選択テーブル(図9(d))をセットする(図39、ステップS816)。そして、「保留1」の図柄変動が開始されて保留記憶個数が図11(b)の如く3個に減少した時点から、保留を跨いで継続される変動開始時変化系連続予告演出の継続性ランクについての抽選を行う(図39、ステップS818)。現在の遊技状態は演出モードB(昼背景)に在るので、図9(d)のテーブル上において、予告なし、1回予告α、2回予告β、3回予告γ、4回予告δが10%、20%、20%、20%、30%の選択割合で選択される。
この例では図9(d)のテーブル上において選択割合10%の4回予告δが選択されたものと仮定している。このため、当該非転落入賞に係る保留4(先読み対象保留)までの4回分を、連続予告回数として第2連続予告カウンタに設定する(ステップS819)。これにより、図11(b)〜(e)に示すように、保留1〜保留4の4回分の各図柄変動表示動作において稲妻予告362およびその効果音が出現して連続予告演出が実行されることとなる。
一方、入賞時変化系(保留表示変化系)の連続予告演出に関しては、「保留4」の保留記憶が発生して上記先読み予告抽選に当選したと判断された時点で、図40のステップS825の判断がYESとなるので、専用保留表示演出シナリオがセットされ(図40、ステップS826)、保留記憶個数に対応する「4」が第1連続予告カウンタにセットされる(図40、ステップS827)。これにより当該「保留4」の保留記憶位置がたとえば赤色に変化し、当該「保留4」の保留記憶が図柄変動表示動作に供されるまで順次表示位置をシフトしながら連続的に表示されることになる。
この図11のケース1では、演出モードB(昼背景)に移行しているものの、稲妻予告362による連続予告演出は「保留4」の赤色保留位置まで、つまり赤色保留の「保留4」が図柄変動表示動作に供されるまで継続している。したがって遊技者は、このことから遊技状態が低確率状態に転落していないと判断することになる。
(ニ)特定のスーパーリーチ変動パターンコマンドを受信した場合(図43の時刻t4)
図43の時刻t4で、特定のスーパーリーチ変動パターンコマンドを受信してモード移行契機が成立した場合(ステップS703:YES)、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)にて移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。このときの遊技状況は時刻teのときと変わっておらず、図6の状態区分K8(低ベースの潜伏確変状態で、保留内転落当選なし、保留内大当り当選なし)にある。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの状態区分K8において演出モード移行抽選テーブルTdが選択され、これにより演出モードA、B、Cが10%、30%、60%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。
図43では60%の選択割合で演出モードC(図8の夕背景)が選択された場合を示している。これは、演出モードA〜Cのうちで、高確率期待度が最も高い演出モードC(図8の夕背景)が移行抽選されたことを意味する。この演出モードCがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の夕背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。したがって遊技者は、演出モードC(夕背景)に移行したことで、遊技状態が高確率状態にあると推測することになる。
なお、時刻t4において、保留内大当り抽選に当選している場合(状態区分K7)は、演出モード移行抽選テーブルTcが選択され、これにより演出モードA、B、C、Dが10%、30%、50%、10%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。すなわち高確率期待度に関しては、演出モード移行抽選テーブルTcもTdも同様の傾向(演出モードA、B、Cの順に高い)を示すが、演出モード移行抽選テーブルTcにより演出モードが選択される場合は、大当り確定の演出モードDが選択される可能性が出て来る。この関係は、後述する時刻t5、t7、t8の場合も同様である。
(ホ)演出モード移行抽選に当選した場合(図43の時刻t5)
図43の時刻t5は、特定のスーパーリーチ変動パターン以外の変動パターンコマンドを受信し、かつ、演出制御部24側で行われる演出モード移行抽選に当選したことでモード移行契機が成立した場合(ステップS703:YES)を示す。
この場合も、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)に移行し、移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。このときの遊技状況は時刻teのときと変わっておらず、図6の状態区分K8(低ベースの潜伏確変状態で、保留内転落当選なし、保留内大当り当選なし)にある。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの状態区分K8において演出モード移行抽選テーブルTdが選択され、これにより演出モードA、B、Cが10%、30%、60%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。図43では60%の選択割合で演出モードC(図8の夕背景)が選択された場合を示している。したがって遊技者は、演出モードC(夕背景)から演出モードC(夕背景)に移行したことで、遊技状態が高確率状態にあると推測することになる。
(ヘ)転落入賞した場合(図43の時刻t6)
図43の時刻t6では、上記演出モードC下で転落入賞に係る保留記憶が発生した場合として、図12で説明したケース2(保留内転落当選あり)を想定している。この場合の動作は図42の時刻t6で説明したところを同じであるので、説明を省略する。
この時刻t6では、高確率期待度が最も高い演出モードC(夕背景)に移行してはいるものの、稲妻予告362による連続予告演出が「保留4」の赤色保留位置までは継続せず、その手前の「保留2」が変動表示動作に供された時点で終了している。したがって遊技者は、このことから遊技状態が低確率状態に保留内転落した可能性があると推測することになる。
(ト)ハズレ変動表示動作の回数が所定回数続いた場合(図43の時刻t7)
図43の時刻t7は、ハズレ変動表示動作の回数が所定回数続いたことでモード移行契機(このモード移行契機の成立は具体例1と同じ)を例示したものである。
モード移行契機が成立したと判断された場合(ステップS703:YES)、演出モード移行抽選処理(ステップS704、詳細は図38のステップS801)に移行し、移行先モード振分けテーブルを参照し、状態区分に応じて、移行先の演出モードを抽選する(図38のステップS801)。このときの遊技状況は、転落入賞が発生した時刻t6より後であるので、図6の状態区分K12(通常遊技状態で保留内大当り当選なし)にある。そこで、図6の状態区分関連付けテーブルの状態区分K12において演出モード移行抽選テーブルTbが選択され、これにより演出モードA、B、Cが60%、30%、10%の選択割合で選択される(図7、図38のステップS801)。図43では60%の選択割合で演出モードA(図8の朝背景)が選択された場合を示している。これは、演出モードA〜Cのうちで、高確率期待度が最も低い演出モードA(図8の朝背景)が移行抽選されたことを示している。この演出モードAがセットされると(図38のステップS802)、液晶表示装置36の画面が図8の朝背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出用のBGMが流れる。
したがって遊技者は、時刻t6で稲妻予告362による連続予告演出が先読み対象保留までは継続しなかったことに加え、これに続く時刻t7で、演出モードC(夕背景)から演出モードA(朝背景)に移行したことで、遊技状態が低確率状態に転落したことがほぼ確定的であると推測することになる(実際上も時刻t6で既に転落しているので、この推測は正しい)。
(チ)さらにハズレ変動表示動作の回数が所定回数続いた場合(図43の時刻t8)
図43の時刻t8は、受信したハズレ変動パターンコマンドの数を計数するハズレ変動回数カウンタの積算値が、再びあらかじめ定めた所定回数の30回(図43には30×(n+1)回目として示す)に達して、モード移行契機が成立した(ステップS703:YES)場合を示す。このときの遊技状況は時刻t7のときと変わっていないので、この時刻t8のケースの動作は時刻t7の場合と同じになる。
ただし、時刻t8では、演出モードA〜Cのうちで、高確率期待度が中ランクの演出モードB(図8の昼背景)が移行抽選されたケースを示している。したがって遊技者は、演出モードA(朝背景)から演出モードB(昼背景)に戻ったことで、遊技状態がまだ高確率状態にいる可能性があるとの期待を繋ぐことになる(実際には時刻t6で既に転落している)。
<12.演出モード移行契機の成立時に保留内転落当選ありの場合>
上記実施例では転落入賞と演出モード移行契機の成立とが別々に生起する場合について述べているが、両者が同時に生起する場合もある。この場合は演出モード先および連続演出の継続性の両視点から同時期に高確率期待度を判断することになるため、遊技者はより正確に高確率状態にいるか否かを判断できることになる。
たとえば図42の時刻t6の演出モード移行契機が成立した時点において、転落入賞に係る保留記憶が発生して先読み予告抽選に当選した場合、それまでの演出モードCから他の演出モード(たとえば演出モードB)への移行が行われると同時に、保留を跨ぐ連続予告演出(稲妻予告362による変動開始時変化系の連続予告演出と保留表示変化系の連続予告演出)が発生することになる。
電チューサポートがある間(K1〜K4、K9〜K10)では、選択する演出モードA〜Cの選択割合(振分け)の傾向が類似する演出モード移行抽選テーブルTc、Td(または同じTa)を介在させて、抽選により移行先の演出モードA〜Cを選択するので、その演出モードの移行先から高確率期待度を推測することは困難である。しかし、電チューサポートなしの場合(K5〜K8、K11〜K12)では、上記Tc、Tdとは逆の選択割合(振分け)の傾向を持つ演出モード移行抽選テーブルTbにより移行先の演出モードA〜Cを抽選するので、この両者の相違から、つまり演出モードの移行先から高確率期待度を推測することが可能になる。
また、画像表示変化系の予告演出の継続回数が保留表示変化系の連続予告演出の継続回数よりも少なければ、保留内のいずれかの保留記憶において低確率状態に転落した可能性があると推測し、画像表示変化系の予告演出の継続回数が保留表示変化系の連続予告演出の継続回数と一致すればまだ高確率状態にあると推測することが可能である。したがって、仮に高確率期待度の最も低い演出モードAに移行しかつ画像表示変化系の予告演出の継続回数が保留表示変化系の連続予告演出の継続回数に満たなければ、高確率状態から低確率状態に転落したことがほぼ確実であると推測することになる。
<13.大当り直前の状況に応じた大当り中演出の変更>
図42および図43の時刻t1に示すように、大当り開始コマンドを受信した場合、その大当りが発生した時点における直前の遊技状況(保留内転落当選の有無、保留内大当りの有無)に応じて、大当り中に発生させる演出モード(大当り中演出)の種類、たとえばラウンド毎に現出させる演出画像や動画の種別を変更することができる。
<14.大当り中に生じた保留記憶も考慮した大当り終了後の演出モードの決定>
また大当り中に転落入賞に係る保留記憶が発生し、あるいは大当り入賞に係る保留記憶が発生することも考えられる。しかし、大当り中は遊技状態が低確率状態に移行しているので、その先読み判断が不可能または曖昧となる。そこで、大当り中に新たな入賞に係る保留記憶が発生しても、その先読み判断は大当り中においては実行せず、大当り遊技が終了した時点で判断する。たとえば図42または図43の時刻t2で大当り終了コマンドを受信した場合、この時点において、大当り中に発生した転落入賞に係る保留記憶あるいは大当り入賞に係る保留記憶の有無を判定する。そして、この判定結果を反映させて、図6の状態区分K1〜K4のいずれに属するかを決定し、該当する状態区分の下での演出モード移行抽選テーブルTcまたはTdによる選択割合の分布に従い、移行先を演出モードA〜Cのいずれとするかを抽選により決定しても良い。
<変形例6>
上記実施形態では、図6に示したように、確率状態の高低、電チューサポートの有無、保留内転落当選の有無、保留内連チャンの有無の4つの因子により状態区分K1〜K12が定まる形態について説明した。この形態の概要は次のようになる。
移行先モード振分テーブルは、変動開始時における遊技状況が、少なくとも遊技状態の確率状態の高低と、開放延長機能の付加の有無と、保留内転落当選に係る保留記憶の有無と、保留内当り当選に係る保留記憶の有無との相違による状態区分により特定され、その各状態区分に対し複数種類用意された演出モード移行抽選テーブル(Ta〜Td)の一つを割り付けた状態区分関連付けテーブル(図6)と、この演出モード移行抽選テーブル(Ta〜Td)により移行先として選択される演出モード(A〜D)の選択割合を定めた演出モード移行抽選テーブル(図7)とから構成されており、
演出モード移行抽選テーブル(Ta〜Td)は、高確率期待度が小さい演出モードの順(A〜C)と同じ順方向に演出モード(A〜C)に対する選択割合が大きくなる第1の演出モード移行抽選テーブル(Td)と、高確率期待度が大きい演出モードの順(C〜A)とは逆方向に演出モード(A〜C)に対する選択割合が大きくなる第2の演出モード移行抽選テーブル(Tb)と、高確率期待度が小さい演出モードの順(A〜C)と同じ順方向に演出モード(A〜C)に対する選択割合が大きくなり、かつ当りが確定する演出モードに対する選択割合をも含んでいる第3の演出モード移行抽選テーブル(Tc)と、を有し、
開放延長機能が付加されていない低ベース状態下(図6のb、d欄)であって、遊技状態が低確率状態に在るかまたは保留内転落当選に係る保留記憶が存在する場合(図6のg、i欄)には、保留内当り当選に係る保留記憶が無いことを条件として、選択割合に応じて第2の演出モード移行抽選テーブル(Tb)が選択され(図6のK6、K12)、保留内当り当選に係る保留記憶が有ることを条件として、選択割合に応じて第3の演出モード移行抽選テーブル(Tc)が選択され(図6のK5、K1)、
また、開放延長機能が付加された高ベース状態下(図6のa欄)であって、変動開始時の遊技状態が高確率状態に在りかつ保留内に保留内転落当選に係る保留記憶が存在しない場合(図6のf欄)には、保留内当り当選に係る保留記憶が無いことを条件として、選択割合に応じて、第1の演出モード移行抽選テーブル(Td)が選択され(図6のK4)、保留内当り当選に係る保留記憶が有ることを条件として、選択割合に応じて第3の演出モード移行抽選テーブル(Tc)が選択され(図6のK5、K1)、
また、開放延長機能が付加された高ベース状態下であって、変動開始時の遊技状態が低確率状態に在る場合(図6のc、i欄)には、保留内当り当選に係る保留記憶が無いことを条件として、選択割合に応じて、第1の演出モード移行抽選テーブル(Td)が選択され(図6のK10)、保留内当り当選に係る保留記憶が有ることを条件として、選択割合に応じて第3の演出モード移行抽選テーブル(Tc)が選択される(図6のK9)ように設定されている、構成とする。
しかし、確率状態の高低、保留内転落当選の有無の2つの因子により定まる状態区分K2、K4(またはK6、K8)、K10(またはK12)に演出モード移行抽選テーブルを対応付けた形態であってもよい。
この形態の場合、モード移行契機が成立した場合に、遊技状態の高確率期待度が異なるものとして予め用意された複数種類の演出モード(A〜E)のいずれに移行させるかについて、その移行先を、図柄変動表示動作が開始する変動開始時の遊技状態が高確率状態であるか否か、および保留内転落当選に係る保留記憶が存在するか否かに関係させて、移行先の演出モード(A〜E)の選択割合が異なるように重み付けした移行先モード振分テーブル(図6、図7)と、モード移行契機が成立した場合に、移行先モード振分テーブルを参照して、変動開始時に遊技状態が低確率状態に在るかまたは保留内転落当選に係る保留記憶が存在する場合には、選択割合に応じて、演出モードのうちから、転落していると移行し易い演出モードを選択して出現させ、また、変動開始時の遊技状況が高確率状態に在りかつ保留内に保留内転落当選に係る保留記憶が存在しない場合には、転落していないと移行し易い演出モードを出現させるように、演出モードの移行先を制御する演出モード移行制御手段(図4、240a)とを設けた構成にする。
確率状態の高低、保留内転落当選の有無の2つの因子により定まる状態区分K2、K4(またはK6、K8)、K10(またはK12)に演出モード移行抽選テーブルを対応付けた形態であってもよい。
<変形例7>
また、遊技状態の確率状態の高低と、開放延長機能の付加の有無と、保留内転落当選に係る保留記憶の有無との3つの因子により定まる状態区分K2、K4、K6、K8、K10、K12に演出モード移行抽選テーブルを対応付けた形態であってもよい。
この形態の場合は、移行先モード振分テーブルは、変動開始時における遊技状況が、少なくとも遊技状態の確率状態の高低と、開放延長機能の付加の有無と、保留内転落当選に係る保留記憶の有無との相違による状態区分により特定され、その各状態区分に対し複数種類用意された演出モード移行抽選テーブル(Ta〜Td)の一つを割り付けた状態区分関連付けテーブル(図6)と、この演出モード移行抽選テーブル(Ta〜Td)により移行先として選択される演出モード(A〜D)の選択割合を定めた演出モード移行抽選テーブル(図7)とから構成されており、
演出モード移行抽選テーブル(Ta〜Td)は、高確率期待度が小さい演出モードの順(A〜C)と同じ順方向に演出モード(A〜C)に対する選択割合が大きくなる第1の演出モード移行抽選テーブル(Td)と、高確率期待度が大きい演出モードの順(C〜A)とは逆方向に演出モード(A〜C)に対する選択割合が大きくなる第2の演出モード移行抽選テーブル(Tb)とを有し、
開放延長機能が付加されていない低ベース状態下(図6のb、d欄)であって、遊技状態が低確率状態に在るかまたは保留内転落当選に係る保留記憶が存在する場合(図6のg、i欄)には、選択割合に応じて第2の演出モード移行抽選テーブル(Tb)が選択され(図6のK6、K12)、
また、開放延長機能が付加された高ベース状態下(図6のa欄)であって、変動開始時の遊技状態が高確率状態に在りかつ保留内に保留内転落当選に係る保留記憶が存在しない場合(図6のf欄)には、選択割合に応じて、第1の演出モード移行抽選テーブル(Td)が選択されるように(図6のK4)設定され、
また、開放延長機能が付加された高ベース状態下であって、変動開始時の遊技状態が低確率状態に在る場合(図6のc、i欄)には、選択割合に応じて、第1の演出モード移行抽選テーブル(Td)が選択されるように(図6のK10)設定されている、構成とする。
<変形例8>
上記実施形態では、保留を跨いで継続される変動開始時変化系連続予告演出の継続性ランクについて抽選を行い、その継続性ランクに応じて連続予告の長短を決定する態様(図39、ステップS818)について説明した。しかし、保留を跨いで継続される入賞時変化系(保留表示変化系)の連続予告演出について、その継続性ランクの抽選が行われるように構成し、その継続性ランクの抽選結果が、保留内転落当選の有無に応じて変わるようにしても良い。
たとえば、始動口に遊技球が入賞した際(始動条件が成立した際)に生起させた保留表示変化系予告演出(色変化保留)の表示位置を順次シフトさせ、複数回の図柄変動表示動作に跨って連続的に出現させるに際し、現在の遊技状態が高確率状態にあるとして、(i)もしも保留内転落当選なしの場合には、当該先読み対象保留が図柄変動表示動作に供されるまで色変化保留が継続し易く設定し、(ii)また保留内転落当選ありの場合や低確率状態の場合には、当該先読み対象保留が図柄変動表示動作に供される手前で色変化保留の表示が通常色に変化して消失するように、色変化保留の継続性ランクの低い方に設定することができる。
<変形例9>
上記実施形態では、当り判定用乱数と転落判定用乱数とを別々に設けた例について説明したが、当り判定用乱数と転落判定用乱数とを一つにして、同一の乱数値に基づいて、当りと転落とを判別するように構成することもできる。