JP5638060B2 - エレクトロクロミック材料とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フルカラー発色が可能な表示装置に有用なエレクトロクロミック材料、及びそのエレクトロクロミック材料を製造する方法に関する。
従来、発光型素子を光源として表示を行うタイプであるブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等のいわゆるアクティブ表示は、明るくて見やすいという特徴を有している。しかし、これらの各種表示は、発光源である発光型素子を直視するため、長時間使用すると視覚的な疲労を引き起こすという問題を有していた。さらに、例えば携帯電話等のモバイル機器は、屋外で使用される場合が多く、太陽光下では、発光が相殺されて視認性が悪化するという問題も有していた。また、LCDは、発光型素子の中でも特に需要が拡大しており、大型や小型の様々なディスプレイ用途に用いられている。しかし、LCDは視野角が狭く、見やすさの観点から他の発光型素子に比較すると改善すべきであるという課題を有していた。
近年、明るく色純度に優れ、かつ低消費電力でフルカラー表示が容易な反射型ディスプレイへの要望が高まってきている。
一方、コンピュータの普及により、文書の保存や伝達用に使用される紙の量は減少してきているが、デジタル情報を紙に印刷して読む傾向は依然として根強い。したがって、一時的に使用するだけで破棄される紙の量は、近年増加する傾向にある。また、書籍・雑誌・新聞等に日々消費される紙の量は、資源確保・環境保全の観点から脅威であり、これらは媒体が変わらない限り減少する見込みはない。しかし、人間の情報認識方法や思考方法を考慮するとCRTや透過型液晶に代表されるような「ディスプレイ」に対する「紙」の優位性も無視することはできない。
そこで紙に代わる電子媒体として、紙の長所とデジタル情報をそのまま扱えるディスプレイの長所とを融合した電子ペーパーの実現が期待されている。電子ペーパーに要求される特性としては、反射型の表示素子であること、高白反射率・高コントラスト比を有すること、高精細な表示が出来ること、表示にメモリ効果があること、低電圧で駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること等が挙げられる。
電子ペーパーの表示方式としては、反射型液晶方式、電気泳動方式、2色ボール方式、エレクトロクロミック(EC)方式等がある。
反射型液晶方式には、二色性色素を用いたG−H型液晶方式や、コレステリック液晶方式等がある。この反射型液晶方式は、従来の発光型液晶と比較して、バックライトを使用しないために低消費電力であるという利点を有している。しかし、視野角依存性があり、また光反射効率も低いため、必然的に画面が暗くなるという問題を有している。
電気泳動方式は、白色顔料や黒色トナー等が、電界の作用によって電極上に移動する電気泳動という現象を利用したものである。2色ボール表示方式は、半分が白色、半分が黒色等の2色に塗り分けられた球体からなり、電界の作用による回転を利用したものである。どちらの方式も低消費電力で、視野角依存性がないという利点を有している。しかし、これらの方式では、粒状体が入り込める隙間が必要であり、最密に充填できないことから高コントラストを得ることは難しい。また、フルカラー表示の場合には、カラーフィルターを利用する並置混合法を適用するため、反射率が低下し、必然的に画面が暗くなるという問題を有している。
一方、EC方式は、電界印加によって可逆的な酸化還元反応を起こし、それに伴って生じる発色/消色を利用したものである。自動車の調光ミラーや、時計等にEC表示素子が汎用されている。このEC表示素子による表示は、偏光板等が不要であり、視野角依存性が無く、受光型で視認性に優れ、構造が簡易でかつ大型化も容易で、更には、材料の選択によって多様な色調の発色が可能であるという利点を有している。
EC表示素子でフルカラー表示を行うために、減法混色に用いられるシアン(以下、Cと略記する)、マゼンタ(以下、Mと略記する)、イエロー(以下、Yと略記する)の発色が可能な色素を適用し、C、M、Y発色層を並列配置、又は積層配置した構成とする方法が知られている。これにより、フルカラー発色が可能な表示装置が得られる。例えば、黒色は、C、M、Yを混色することにより表示できる。そして、白色は、各色素を消色状態として透明にし、背景色を白色にすることにより表示できる。このようにEC表示素子はカラーフィルターを使用しないで電気的に発色/消色を繰り返すことができる反射型の表示素子であるため、その他の表示方式に対して、目に与える負担の点やコントラストの点等において優れている。
この発色層を構成する材料の1つとして、π電子系共役重合体が知られている。π電子系共役重合体は、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン等の様々な種類があり、ポリマー発光ダイオード、薄膜ディスプレイ、固体照明、有機光電池、メモリデバイス、有機電界効果トランジスタ、印刷エレクトロニクス、導体、レーザー、センサー、固体コンデンサ等を構成する材料として有望である。このπ電子系共役重合体の中にはエレクトロクロミック特性を示すものがある。C、M、Yの発色/消色によってフルカラー発色の可能なEC表示素子を得るためには、π電子系共役重合体のエレクトロクロミックがそれぞれC、M、Yの発色状態から無色状態に変化するものでなくてはならない。しかし、一般的なπ電子系共役重合体のエレクトロクロミック特性は発色状態間の色変化を示すものが殆どであり、発色状態から無色状態に色変化する材料は極めて限定されていた。
発色状態から無色に近い状態に色変化する材料の代表的なものとして、ポリ(エチレン−3,4−ジオキシチオフェン)が知られている。しかし、この材料はCに近い濃紺色の発色状態から薄い青色の消色状態へ色変化をするπ電子系共役重合体であり、MやYから無色状態に色変化する材料は知られていない。
特許文献1及び非特許文献1には、2−アルキルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール等を構成単位として有する重合体や、チオフェン等とを構成単位として有する共重合体や2−ノニルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールのモノマー化合物及びその重合体を製造する方法について記載されている。しかし、2−アルキルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールや2−ノニルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール等の化合物2分子の間が芳香族化合物等により連結されたモノマー化合物については何ら記載されておらず、更にこれを用いて得られる重合体及びこの重合体のエレクトロクロミック特性についても何ら記載されていなかった。
特表2009−501240号公報
ジョンヨル イ(Jung Youl Lee)ら、ポリマー プレプリンツ(PolymerPreprints)、2003年、44巻、1号、p.1163
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、所望の発色状態から消色状態へ変化するπ電子系共役重合体を含有するエレクトロクロミック材料及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
前記の目的を達成するためになされた、エレクトロクロミック材料の製造方法は、例えば下記化学式(1)
Figure 0005638060
(式中、各Xは夫々、−S−、−O−、−Se−及び−Te−から選ばれる何れかであり、各Yは夫々、水素原子及び炭素数1〜20の有機基から選ばれる何れかであり、Wは、アリーレン基又は2価の複素芳香環基であり、nは、2〜1000の数であり、それの繰返構造がランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブロックコポリマー及び/又はデンドリマーの構造を成している)で示されるπ電子系共役重合体して、それを含むエレクトロクロミック材料に、するものである
特許請求の範囲の請求項に記載のエレクトロクロミック材料の製造方法は、エレクトロクロミック材料を製造するものであって、下記化学式(2)
Figure 0005638060
(式中、Xは、−S−、−O−、−Se−及び−Te−から選ばれる何れかであり、Yは、水素原子及び炭素数1〜20の有機基から選ばれる何れかである)で示される化合物をハロゲン化して、得られた下記化学式(3)
Figure 0005638060
(式中、X、Yは、前記と同じであり、Qはハロゲン原子である)で示される化合物と、下記化学式(4)
−W−Q ・・・(4)
(式中、Wは、アリーレン基又は2価の複素芳香環基であり、Qは、−MgCl、−MgBr、−MgI、−ZnCl、−ZnBr、−ZnI、−Sn(R(Rは、夫々独立して炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基である)、ボロン酸基及びボロン酸エステル基から選ばれる1種である)で示される化合物とを、クロスカップリング反応させる工程、又は、塩基存在下で、下記化学式(2)
Figure 0005638060
(式中、X、Yは、前記と同じ。)で示される化合物と、MgCl、MgBr、MgI、ZnCl、ZnBr、ZnI、Sn(RCl、Sn(RBr、Sn(RI(Rは、夫々独立して炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基である)、ボロン酸及びボロン酸エステルから選ばれる1種とを、反応させることにより、下記化学式(5)
Figure 0005638060
(式中、X、Yは、前記と同じであり、Qは、−MgCl、−MgBr、−MgI、−ZnCl、−ZnBr、−ZnI、−Sn(R(Rは、夫々独立して炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基である)、ボロン酸基及びボロン酸エステル基から選ばれる1種である)で示される化合物を得たのち、下記化学式(6)
−W−Q ・・・(6)
(式中、Wは、前記と同じであり、Qは、夫々独立してハロゲン原子である)
で示される化合物とクロスカップリング反応させる工程によって、下記化学式(7)
Figure 0005638060
(式中、各Xは夫々、−S−、−O−、−Se−及び−Te−から選ばれる何れかであり、各Yは夫々、水素原子及び炭素数1〜20の有機基から選ばれる何れかであり、Wは、アリーレン基又は2価の複素芳香環基である)で示されるモノマー成分を調製した後、重合して、前記化学式(1)で示されるπ電子系共役重合体にして、それを含む前記エレクトロクロミック材料にするというものである。
請求項に記載のエレクトロクロミック材料の製造方法は、請求項に記載されたものであって、溶媒中において、前記モノマー成分を、ポリアニオン及び酸化剤の存在下又は接触下で化学重合させることにより、前記重合させて、前記π電子系共役重合体にし、又は、前記モノマー成分と電解質とを含有する混合物に、電流を供給して電解重合させることにより、前記重合させて前記電子系共役重合体にするというものである。
本発明のπ電子系共役重合体を含有するエレクトロクロミック材料は、脱ドーピング時に発色状態であったものからドーピング時に可視域に吸収極大を持たない消色状態へ変化する特性を有する。したがって、所望の発色状態から消色状態へ変化するエレクトロクロミック材料として好適に用いることができる。
本発明のエレクトロクロミック材料の製造方法によれば、π電子系共役重合体が含まれた組成物を、塗布、蒸着、成形、溶解、浸漬、充填から選ばれる手法を、任意の条件に合わせて選択的に行うことでエレクトロクロミック材料を簡便に製造することができる。
本発明のエレクトロクロミック材料の製造方法によれば、モノマー成分を適宜選択し、所望のπ電子系共役重合体を得ることができ、高純度で所望のエレクトロクロミック材料を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のエレクトロクロミック材料は、下記化学式(1)で示されるπ電子系共役重合体を含有するものである。
Figure 0005638060
このπ電子系共役重合体は、前記化学式(1)に示されるように、式中のXは、−S−、−O−、−Se−及び−Te−から選ばれる何れかであり、Yは、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜20の有機基から選ばれる何れかであり、Wは、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよい2価の複素芳香環基である。また、その数平均分子量は300〜500,000である。
Yは、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜20の有機基である。置換基を有してもよい炭素数1〜20の有機基としては、その構造中にエーテル結合、エステル結合、アミド結合、スルホニル結合、ウレタン結合、チオエーテル結合等の炭素−炭素結合以外の結合が含まれていてもよく、また、二重結合、三重結合、脂環式炭化水素、複素環、芳香族炭化水素、複素芳香環等が含まれていてもよい。置換基を有してもよい炭素数1〜20の有機基としては、例えば、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルキルシリル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい複素芳香環基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプタニル基、シクロオクタニル基、シクロノナニル基、シクロデカニル基、シクロウンデカニル基、シクロドデカニル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、ドデカノイル基、ピバロイル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
アルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基とは、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
複素芳香環基としては、例えば、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基等が挙げられる。
また、Wは、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよい2価の複素芳香環基である。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、2,3−ジアルキルフェニレン基、2,5−ジアルキルフェニレン基、2,3,5,6‐テトラアルキルフェニレン基、2,3−アルコキシフェニレン基、2,5-アルコキシフェニレン基、2,3,5,6‐テトラアルコキシフェニレン基、2−(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニレン基、2,5−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニレン基、2,3−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニレン基、p−フェニレンオキシド基、p−フェニレンスルフィド基、p−フェニレンアミノ基、p−フェニレンビニレン基、フルオレニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、テトラセニレン基、ペンタセニレン基、ヘキサセニレン基、ヘプタセニレン基、ナフチレンビニレン基、ペリナフチレン基、アミノピレニレン基、フェナントレニレン基等が挙げられ、これらから選ばれる1種が好適に用いられる。
また、2価の複素芳香環基は、複素芳香環誘導体から誘導される2価の複素芳香環含有基である。その複素芳香環誘導体としては、例えば、N−アルキルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラジン、キノリン、プリン等のピリジン誘導体;3‐アルキルフラン等のフラン誘導体;N−アルキルピロール、エチレン−3,4−ジオキシピロール、プロピレン−3,4−ジオキシピロール等のピロール誘導体;チオフェンビニレン、アルキルチオフェン、エチレン−3,4−ジオキシチオフェン、プロピレン−3,4−ジオキシチオフェン、チエノチオフェン、チエノフラン、チエノピラジン、イソチアナフテン等のチオフェン誘導体;オキサジアゾール、チアジル、セレノフェン、テルロフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール等の複素環誘導体等が挙げられ、これらから選ばれる1種が好適に用いられる。
これらのかかる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜20のアルキル基やアルコキシ基が挙げられる。
このようなπ電子系共役重合体は、下記化学式(7)で示されるモノマー成分を構成単位としている。
Figure 0005638060
このπ電子系共役重合体の構造の結合配列は、位置規則的にヘッド−テイル繰返構造が配列したものであってもよく、ヘッド−ヘッド繰返構造、及び/又はテイル−テイル繰返構造が配列したものであってもよい。
エレクトロクロミック材料に含有されるπ電子系共役重合体は、以下の製造方法により得られる。
π電子系共役重合体は、前記化学式(7)で示されるモノマー成分を、電気化学的又は化学酸化的に重合することで、前記化学式(1)で示されるπ電子系共役重合体としたものである。その製造方法を具体的に説明する。
まず、モノマー成分を得る工程を、下記反応式(I)に示す。
Figure 0005638060
前記反応式(I)に示されるように、モノマー成分(7)は、化合物(3)及び化合物(4)、又は化合物(5)及び化合物(6)のクロスカップリング反応により、得られる。クロスカップリング反応としては、例えば、Suzuki反応、Yamamoto反応、Heck反応、Stille反応、Sonogashira−Hagihara反応、Kumada−Corriu反応、Riecke反応、McCullogh反応等が好適に採用される。
化合物(2)をハロゲン化して化合物(3)を得る工程は、化合物(2)におけるチオフェン環基のSの隣りの炭素、例えばXのα位の1箇所に、ハロゲン原子を導入することにより化合物(3)を得る反応である。ハロゲン原子を導入する方法としては、N−ブロモスクシンイミド等を極性溶媒中で用いて擬イオン的に反応させる方法が好適に採用される。また、ハロゲン原子を導入する際に、N−ブロモスクシンイミド等の反応試薬の添加量を必要量以上に用いると、チオフェン環基のSの両隣りの炭素の2箇所へ同時にハロゲン原子が導入されたものが得られることとなり、分離精製工程を別途設ける必要があり工程が煩雑となるおそれがある。したがって、N−ブロモスクシンイミド等の反応試薬の添加量は化合物(2)に対して、1〜1.2当量であることが好ましい。
ハロゲン化反応は、溶媒の存在下で行われることが好ましい。かかる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、キシレン、エチルトルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの中でも、エーテル又は非プロトン性極性溶媒を用いることが好ましく、具体的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドを使用することが好ましい。溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。かかる溶媒の使用量は、化合物(2)の1mmolに対して、1〜100mlであることが好ましく、2〜50mlであることがより好ましい。
化合物(5)を得る工程は、化合物(2)におけるチオフェン環基のSの隣りの炭素、例えばXのα位の1箇所をリチオ化した後、Q基を導入することにより化合物(5)を得る反応である。具体的には、化合物(2)と塩基性物質とを反応させた後、得られた反応物とQ基を導入させる化合物である金属ハロゲン化物とをさらに反応させる事で行う。具体的には化合物(3)と塩基性物質との反応後の反応液に金属ハロゲン化物を添加することにより行うことができる。
基を導入させる化合物は、金属ハロゲン化物に限られず、トリアルキルスズハロゲン化物や、ボロン酸エステル等が挙げられる。また、Q基を導入させる化合物にハロゲン元素を用いた場合、後にZnやMgの金属と反応させる必要がある。
塩基性物質に特に制限は無いが、例えば、有機リチウム化合物であることが好ましい。有機リチウム化合物の具体例としては、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム化合物;フェニルリチウム等のアリールリチウム化合物;ビニルリチウム等のアルケニルリチウム化合物;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド等のリチウムアミド化合物等を挙げることができる。これらの中でも塩基性物質はアルキルリチウム化合物であることが好ましい。塩基性物質は不活性ガス雰囲気下、基質となる化合物(2)に対して1〜1.5当量、より好ましくは1.05〜1.2当量を、その化合物(2)に徐々に添加することが好ましい。塩基性物質を添加する際には、化合物(2)を予め溶媒に希釈しておくことが好ましい。当該溶媒の種類には、特に制限はないが、エーテル系の溶媒、特にテトラヒドロフランが好ましい。塩基性物質を添加する前において当該溶媒を含む反応液中における化合物(2)の濃度に特に制限はないが、1〜100ml/mmolの範囲内であることが好ましく、2〜10ml/mmolの範囲内であることがより好ましい。前記化合物(2)と塩基性物質とを反応させる際の温度に特に制限はないが、−200〜30℃の範囲内であることが好ましく、−80〜10℃の範囲内であることがより好ましい。
クロスカップリングする反応は溶媒の存在下で行われることが好ましい。かかる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン等の飽和脂肪族又は脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、キシレン、エチルトルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。前記溶媒は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、当該溶媒はエーテル及び/又は芳香族炭化水素であることが好ましく、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、及び/又はトルエンであることがより好ましい。当該溶媒の使用量は、化合物(3)及び化合物(5)の1mmolに対して、1〜100mlの範囲内であることが好ましく、2〜50mlの範囲内であることがより好ましい。
前記反応のより具体的な例としては、クロスカップリングすべき2種の化合物に加えて、触媒としてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムやトランス−ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム触媒を添加後、反応系を加熱することにより行うことができる。
このようにして得られたモノマー成分の構造の結合配列は、位置規則的にヘッド−テイル繰返構造が配列したものであってもよく、ヘッド−ヘッド繰返構造、及び/又はテイル−テイル繰返構造が配列したものであってもよい。
π電子系共役重合体は、このようにして得られたモノマー成分を、電気化学的又は化学酸化的に重合することで得られる。
このπ電子系共役重合体は、2つの複素環構造の間がスペーサー基Wにより連結された構成単位を有するため、前記化学式(7)で示されるモノマー成分を選択して、そのWの種類を適宜変更することにより、所望の発色状態を示すπ電子系共役重合体とすることができる。したがって、所望の発色状態から無色の消色状態へと色変化するπ電子系共役重合体を提供することが可能となり、当該π電子系共役重合体はEC表示素子の発色層を構成する素材として好適に用いることができる。
π電子系共役重合体を得る重合反応は、特に限定されないが、電気化学的に重合する電解重合としては、例えば、重合原料となるモノマー成分を溶媒に溶解させた溶液か、これにさらに支持電解質を溶解させること等により電解液を作製し、この溶液又は電解液を介して電極間に電圧印加することにより、陽極酸化された重合物として、目的の重合体を陽極上に得る方法が好適に採用される。当該重合体は通常フィルム状の形態を有する。このように、電解重合により、EC表示素子を構成するための材料として好適なフィルムを形成することができ、EC表示素子を高い生産性で製造することが可能となる。また、電解重合を採用することによりπ電子系共役重合体を含む層と電極とが一体となった部材を直接製造することができ、このような部材はそのままEC表示素子の構成部材として用いることができるため、EC表示素子の製造が容易となる利点も有する。
電解重合において用いることができる溶媒としては、例えば、ニトロメタン、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、ニトロベンゼン、シアノベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルエーテル、水等が挙げられる。電解液に用いる支持電解質としては、例えば、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属類のイオンや四級アンモニウムイオンといったカチオンと、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化リンイオン、ハロゲン原子イオン、六フッ化ヒ素イオン、六フッ化アンチモンイオン、硫酸イオン、硫酸水素イオンといったアニオンとの組み合わせからなる支持塩が挙げられる。また電解液としては、例えば、陽イオンとして、イミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類等のアンモニウム系イオン;ホスホニウム系イオン;無機系イオン;ハロゲン系イオン等を用い、一方、陰イオンとして、フッ化物イオンやトリフラート等のフッ素系イオン等を用いて、これらの陽イオンと陰イオンとを組み合わせたイオン液体に前記化学式(7)で示されるモノマー成分を溶解させたものを用いることもできる。
溶液又は電解液における前記化学式(7)で示されるモノマー成分の含有率としては、採用する重合反応条件等により適宜設定することができるが、好ましくは0.001〜10mol/lの範囲内であり、より好ましくは0.01〜0.1mol/lの範囲内である。また、前記電解液における支持電解質の含有率としては、好ましくは0.01〜10mol/lの範囲内であり、より好ましくは0.1〜5mol/lの範囲内である。
電極材料としては、特に限定はされないが、例えば、白金、金、ニッケル、銀等の金属;導電性高分子;セラミック;半導体;炭素、導電性ダイヤモンド等の導電性炭化物;ITO(インジウムスズ酸化物)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、ZnO等の金属酸化物等を用いることができる。
電圧印加する際の電圧としては、採用する重合反応条件等により適宜設定することができるが、銀/塩化銀参照電極に対して−3〜3Vの範囲内であることが好ましく、−1.5〜1.5Vの範囲内であることがより好ましい。電圧印加する際の温度としては、0〜80℃の範囲内であることが好ましく、15〜40℃の範囲内であることがより好ましい。
化学酸化的に重合する化学酸化重合としては、例えば、溶媒中において前記化学式(7)に示されるモノマー成分と、塩化第二鉄(FeCl)、過塩素酸鉄、過塩素酸銅等に代表される遷移金属塩からなる酸化剤と、ポリアニオンとを混合し、その酸化剤によりモノマー成分から脱水素して、化学酸化により重合して、π電子系共役重合体を生成する方法が挙げられる。
この化学酸化重合において、用いられる溶媒は、特に制限されず、例えば、水;脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族カルボン酸エステル、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素、脂肪族ニトリル、脂肪族スルホキシド、脂肪族スルホン、脂肪族カルボキサミド、アルアリファチックエーテル、それらの水溶液及びそれらの組み合わせが挙げられる。
用いられるポリアニオンは、特に制限されず、例えば、好適なポリアニオンは、ポリカルボン酸、具体的に、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スルホン化フッ素樹脂及びポリマレイン酸、並びに高分子量のスルホン酸、具体的に、ポリスチレンスルホン酸及びポリビニルスルホン酸の群に由来する要素を少なくとも1つ含むことができる。また、前記ポリカルボン酸及びポリスルホン酸は、他のモノマー(例えば、アクリレート及びスチレン)と、ビニルカルボン酸及びビニルスルホン酸とのコポリマーであってもよい。ポリアニオンを供給する酸の分子量は、通常、約1,000〜約500,000、多くは約2,000〜約500,000の範囲であり、そして通常、約70,000である。ポリアニオンを誘導する酸は、市販されているものであってもよく、又は公知の方法により生成させたものであってもよい。
用いられる酸化剤は、特に制限されず、例えば、好適な酸化剤は、鉄(III)塩、具体的に、FeCl、Fe(ClO;有機酸の鉄(III)塩;有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩;H;KCr;アルカリ又は過硫酸アンモニウム;アルカリパーボレート;過マンガン酸カリウム及び銅塩、具体的に、テトラフルオロほう酸銅の群に由来する要素を少なくとも1つ含むことができる。さらに、ヨウ素、空気及び酸素を、酸化剤として用いてもよい。過硫酸塩及び有機酸の鉄(III)塩及び有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩が有用である。これらは、例えば、ITO、又はアルミニウム、タンタル若しくはニオブの酸化物で形成された基板に対して腐食性を有しないため有用である。
有機酸の鉄(III)塩の例は、炭素数1〜30のアルキルスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸又はドデカンスルホン酸;脂肪族炭素数1〜20のカルボン酸、例えば、2−エチルヘキシルカルボン酸;脂肪族パーフルオロカルボン酸、例えば、トリフルオロ酢酸及びパーフルオロオクタン酸;脂肪族ジカルボン酸、例えば、シュウ酸;及び所望により炭素数1〜20のアルキル置換化された芳香族スルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸のFe(III)塩、並びに前記有機酸のFe(III)塩の混合物の群に由来する要素を少なくとも1つ含むことができる。有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の例は、炭素数1〜20のアルカノールの硫酸モノエステルの鉄(III)塩、例えば、ラウリルスルフェートのFe(III)塩の群に由来する要素を少なくとも1つ含むことができる。
化学酸化重合は、水を含む水性相の酸化重合と、実質的に水を含まない油性相の酸化重合とに大別することができ、それぞれ異なる反応条件により実施される。
水性相の酸化重合の典型的な反応条件は、約0℃〜約100℃の範囲の温度を含む。その重合は、所望の重合度に影響を与える当該反応が完了するまでの間続けられる。重合度は、本発明の重要な要素ではないが、最終用途によって適宜選択できる。所望の重合度は、最終用途によって決まり、過度の実験を行うことなく、当業者により簡潔に決定される。当該重合時間は、数分から最大約48時間の範囲であり、そして重合に利用する反応器のサイズ、重合温度、及び重合法に利用する酸化剤を含む多くの要因に応じて適宜決められる。
水性相中の酸化重合に用いるべきポリアニオン及び酸化剤の量は、任意に選択でき、そして過度の実験を行うことなく、所与の重合が起こるように適宜決められる。例えば、所望のポリアニオンに対するモノマー成分の質量比は、典型的には、約0.001〜約10、好ましくは約0.05〜約1.0の範囲である。所望の酸化剤に対するモノマー成分の質量比は、典型的には、約0.01〜約10、好ましくは約0.1〜約2.0の範囲である。硫酸第二鉄の場合には、用いられる量は、モノマー成分の約0.1質量%〜約5質量%の範囲である。更に別の例示をすると、モノマー成分の酸化重合において、1モルのモノマー成分あたり、約2〜約2.5当量の酸化剤が、理論上要求されるが、実際には、その酸化剤は、一定の過剰量、例えば、1モルのモノマー成分あたり、約0.1〜約2当量の過剰量で適用される。
実質的に水を含まない油性相中の前記のモノマー成分の酸化重合は、用いられる酸化剤及び所望の反応時間にもよるが、通常、約20℃〜約250℃の温度、好ましくは約20℃〜約200℃の温度で実施される。水性相で実施される反応と同様に、追加して別なモノマーを供給することにより、コポリマーを形成させることができる。
モノマーや酸化剤を溶解するのに用いることができる好適な溶媒は、特に、前記反応条件下で一般的に不活性であり、そして下記の群に由来する要素を少なくとも1つ含むことができる。用いられる溶媒としては、具体的に、脂肪族アルコール、例えば、メタノール、エタノール及びi−プロパノール;脂肪族ケトン、例えば、アセトン及びメチルエチルケトン;脂肪族カルボン酸エステル、例えば、エチルアセテート及びブチルアセテート;芳香族炭化水素、例えば、トルエン及びキシレン;脂肪族炭化水素、例えば、ヘキサン、ヘプタン及びシクロヘキサン;塩素化炭化水素、例えば、ジクロロメタン及びジクロロエタン;脂肪族ニトリル、例えば、アセトニトリル;脂肪族スルホキシド及びスルホン、例えば、ジメチルスルホキシド及びスルホラン;脂肪族カルボキサミド、例えば、メチルアセトアミド及びジメチルホルムアミド;アルアリファチックエーテル、例えば、ジエチルエーテル及びアニソール等が挙げられる。
これらの重合反応により得られたπ電子系共役重合体を含有する組成物を、塗布、蒸着、成形、溶解、浸漬、充填することで、エレクトロクロミック材料として形成することができる。例えば、EC表示素子の発色層を構成する素材として好適に使用することができる。
EC表示素子は、一対の電極を少なくとも有しており、通常、当該電極における各電極間に前記のπ電子系共役重合体を含む層が配置されている。電極の形状に特に限定はなく、所望とするEC表示素子に応じて適宜設計することができるが、例えば、板状である電極を用いることができる。電極を構成する素材についても特に限定はなく、金属、導電性高分子、セラミック、半導体、導電性炭化物等を用いることができるが、観察者が一方の電極を通して発色層を視認する方式のEC表示素子においては、当該一方の電極は透明であることが好ましい。このような透明な電極を構成する素材としては、例えば、ITO、ATO、AZO、ZnO等の金属酸化物;SWCNT(シングルウォールカーボンナノチューブ)、DWCNT(ダブルウォールカーボンナノチューブ)等の導電性炭化物;PEDOT(ポリ(エチレン−3,4−ジオキシチオフェン))、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体等の導電性高分子等が挙げられる。
前記のπ電子系共役重合体を含む層は、当該π電子系共役重合体のみから構成されていてもよいが、EC表示素子としての性能等を妨げない範囲内で、他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、SWCNT、DWCNT、フラーレン等のπ電子共役炭化物;ビオローゲン又はその誘導体、プルシアンブルー又はその誘導体、酸化タングステン又はその誘導体等の酸化還元によりクロミック特性を示す化合物等が挙げられる。前記のπ電子系共役重合体を含む層における当該π電子系共役重合体の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
またEC表示素子には、電極を保護する等の目的で両電極のうちの少なくとも一方の外側、好ましくは両方の電極の外側にそれぞれ絶縁基板を有していることが好ましい。絶縁基板を構成する素材としては、例えば、石英ガラス、通常のガラス等のガラス;セラミック;紙;木材;合成樹脂等が挙げられる。当該合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;酢酸セルロース等のセルロースエステル;ポリフッ化ビニリデン、ポリ(テトラフルオロエチレン−co−ヘキサフルオロプロピレン)等のフッ素系重合体;ポリオキシメチレン等のポリエーテル;ポリアセタール;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド等が挙げられる。また、前記のように、観察者が一方の電極を通して発色層を視認する方式のEC表示素子においては、透明である一方の電極の外側に配置される絶縁基板も透明なものであることが好ましい。絶縁基板の全光線透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。このような透明な絶縁基板を構成する素材としては、例えば、石英ガラス、通常のガラス等のガラス;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子等が挙げられる。
前記のπ電子系共役重合体を含む発色層に電圧を印加すると当該π電子系共役重合体は電子を放出/受容してキノイド構造と呼ばれる構造を有する重合体に変化する。これにより、当該π電子系共役重合体における電子の共役長が変わって光の吸収波長が変化し、エレクトロクロミック特性が発現する。このキノイド構造を有する重合体に変化させることをドーピングという。キノイド構造は電荷を帯びた単位であるため、電荷の中性を保つために電解質が解離してなるイオン種がキノイド構造を有する状態のπ電子系共役重合体近傍に通常存在することになる。このイオン種はドーパントと呼ばれる。一般に、ドーピングによってπ電子系共役重合体の吸収波長は長波長側にシフトすることが知られているが、前記のπ電子系共役重合体を用いることにより、脱ドーピング時における発色状態から、ドーピングによって、可視光領域に大きな吸収を示さない消色状態へ変化するEC表示素子用の膜である発色層を形成することが可能となる。
用いられるドーパントとしては特に限定されず、例えば、PF 、SbF 、AsF 等の5B族元素のハロゲン化アニオン;BF 等の3B族元素のハロゲン化アニオン;I(I )、Br、Cl等のハロゲンアニオン;ClO 等のハロゲン酸アニオン;AlCl 、FeCl 、SnCl 等の金属ハロゲン化物アニオン;NO で示される硝酸アニオン;SO 2−で示される硫酸アニオン;p−トルエンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、CHSO 、CFSO 等の有機スルホン酸アニオン;CFCOO、CCOO等のカルボン酸アニオン;及び前記のアニオン種を主鎖又は側鎖に有する変性ポリマー等が挙げられる。ドーパントは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ドーパントの添加の形態は特に限定されず、例えば、EC表示素子において、前記のπ電子系共役重合体を含む層に対してドーパントを含有する電解質層を隣接させ、EC表示素子の作動時に電圧の印加によって、ドーパントを前記のπ電子系共役重合体の近傍に移動させる方法や、前記のπ電子系共役重合体を含む層中に予めドーパントを含有させておく方法等が挙げられる。当該電解質層は、固体状のものでも、ゲル状のものでも、液体状のものでもよい。また、後述するように、電解重合により陽極である電極上に重合された前記のπ電子系共役重合体を当該電極から取り除かずに、電極とともにEC表示素子の構成部材として用いる場合には、電解重合の際に使用した支持電解質由来のアニオンをそのままドーパントとして用いることができる。一方、化学酸化重合により重合させる場合には、用いられる酸化剤由来のアニオンをそのままドーパントとして用いることができる。
EC表示素子において、前記一対の電極間の少なくとも一部にスペーサーを配置することが電極間の距離を保持し、短絡を防止することができることから好ましい。スペーサーを構成する素材としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂;無機酸化物;又はそれらのハイブリッド材料等が挙げられる。
EC表示素子の製造方法に特に限定はない。例えば、前記のπ電子系共役重合体を含む層、電極、絶縁基板、電解質層、スペーサー等の各構成部材をそれぞれ個別に用意し、これを組み立ててEC表示素子を製造することができるが、電極上に前記のπ電子系共役重合体を含む層を予め形成し、当該層と電極とが一体となった部材を用いてEC表示素子を製造する方法が好ましい。より簡便にEC表示素子を製造することができることから、電解重合によって陽極である電極上で前記化学式(7)で示されるモノマー成分を重合し、得られた前記のπ電子系共役重合体を当該電極から取り除かずに電極とともにEC表示素子の構成部材として用いて、EC表示素子を製造することがより好ましい。
本発明の製造方法により得られる前記化学式(7)で示される化合物をモノマー成分として用いて製造したπ電子系共役重合体は、EC表示素子を構成する素材としての用途以外の他の用途に用いることもでき、例えば、フィルム、繊維、固体コンデンサ、有機光電変換素子、防錆塗料、メモリデバイス、有機電界効果トランジスタ等の成形体として各種用途に用いることができる。また、前記π電子系共役重合体をドーピングして、ドーパントが近傍に存在するキノイド構造を有する重合体とした場合には、バンドギャップの低い導電性ポリマーとなるので、導電性の高いイオン性ポリマーとして、特に導電性が要求される用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
チオアセトアミドと2−クロロアセト酢酸エチルとを用いた下記化学式(8)に示されるエチル2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの合成を以下に示す。以下式中のエチル基をEtと略記する。
Figure 0005638060
チオアセトアミド126mmolを378mlのテトラヒドロフランに溶解させたところに、2−クロロアセト酢酸エチル120mmolを36mlのテトラヒドロフランに溶解させた溶液を氷浴で温度を0〜10℃に保ちながら徐々に滴下していき、滴下終了後、室温で1時間攪拌した後、80℃に加熱して3時間反応させた。反応液を1晩室温で静置し、再結晶された固体をフィルタリングして、50mlの水に溶解させた。ここに炭酸水素ナトリウムを水溶液がpH8〜9になる程度まで添加し、酢酸エチルを用いて生成物を有機層に分液抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートし、エチル2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを得た。
エチル2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定におけるH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(8)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:4.30(2H,dd)、2.69(3H,s)、2.67(3H,s)、1.36(3H,t)
次に、エチル2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートをハロゲン化することによる、下記化学式(9)に示されるエチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
エチル2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを10mmol、四塩化炭素30mlに溶解させたところに、N−ブロモスクシンイミド11mmolを、温度を20〜30℃に保ちながら徐々に添加していき、添加終了後、アゾビスイソブチロニトリルを0.5mmol、徐々に添加した。その後、室温で30分攪拌した後、80℃に加熱して3時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、析出した固体をフィルタリング除去して、ろ液を30mlの水で洗浄した後、有機層を分液抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートし、エチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを得た。
エチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(9)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:4.91(2H,s)、4.35(2H,dd)、2.71(3H,s)、1.38(3H,t)
次に、エチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートをチオール化することによる、下記化学式(10)に示されるエチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
エチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを5mmol、エタノール50mlに溶解させたところに、チオアセトアミド5.5mmolを添加した後、95℃に加熱して4時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、エタノールをエバポレートさせ、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、エチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを得た。
エチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(10)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:4.33(2H,dd)、4.16(2H,d)、2.69(3H,s)、2.20(1H,t)、1.37(3H,t)
次に、エチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを部分還元することによる、下記化学式(11)に示される4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルバルデヒドの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
t−ブトキシナトリウム105mmolを100mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解させたところに、1.0M水素化ジイソブチルアルミニウム/ヘキサン溶液100mlを氷浴で温度を0〜10℃に保ちながら徐々に添加していき、添加終了後、室温で2時間反応させて、0.5Mのナトリウム ジイソブチル−t−ブトキシアルミニウムハイドライド(SDBBA)溶液を調製した。
エチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート10mmolを、乾燥テトラヒドロフラン100mlに溶解させたところに、0.5MのSDBBA溶液を42ml、温度−30〜−20℃に保ちながら徐々に添加していき、添加終了後、−20℃で4時間反応させた。その後、20mlの水を反応系中に添加することで反応停止させ、有機層を分離した。残った水相に炭酸水素ナトリウムを水相がpH8〜9になる程度まで添加し、酢酸エチルを用いて生成物を有機層に分液抽出し、先の有機層と合一したものを硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートし、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルバルデヒドを得た。
4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルバルデヒドのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(11)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:9.87(1H,s)、4.07(2H,s)、2.77(3H,s)、2.20(1H,t)
次に、4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルバルデヒドを用いることによる、下記化学式(12)に示される2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−チアゾール−5−カルバルデヒドを5mmol、エタノール50mlに溶解させたところに、酢酸50mmolを添加し、室温で1時間攪拌した後、80℃に加熱して4時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、溶媒をエバポレートさせ、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールを得た。
2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(12)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:7.45(1H,d)、7.16(1H,d)、2.73(3H,s)
13C−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:173.46、159.94、134.62、109.73、109.34、21.21
次に、2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールを用いることによる、下記化学式(13)に示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
前記化学式(12)に示される2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールを1mmol、10mlのテトロヒドロフランに溶解させ、ドライアイス冷却メタノールバス中で−78℃に保った。ここに、1.05mmolのN−ブロモスクシンイミドを5mlのテトラヒドロフランに溶解させた溶液を徐々に滴下していき、2時間反応させた後、飽和塩化ナトリウム水溶液を過剰量加えて反応停止させた。この反応液を水洗した後、有機層を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートさせ、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、前記化学式(13)に示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールを得た。
6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(13)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:7.15(1H,s)、2.73(3H、s)
化学式(13)に示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールと3,6−ジトリブチルスズ−9−メチル−9H−カルバゾールとを用いたスティルクロスカップリング反応による下記化学式(14)に示される9−メチル−3,6−ビス(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−9H−カルバゾールの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
3,6−ジブロモ−9−メチル−9H−カルバゾールを2ml/mmolの乾燥テトラヒドロフランに溶解させ、ドライアイス冷却メタノールバス中で−78℃に保った。アルゴンガス雰囲気下、1.6規定のn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液を3,6−ジブロモ−9−メチル−9H−カルバゾールに対して1.1等量徐々に滴下し、30分間反応させた後、塩化トリブチルスズを1.0等量加えて1時間反応させた。その反応系に、同じく1.6規定のn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液の前記と同量を徐々に滴下し、さらに30分間反応させた後、同じく塩化トリブチルスズの前記と同量を加えてさらに1時間反応させた後に、飽和塩化ナトリウム水溶液を過剰量加え、反応を停止させた。飽和塩化ナトリウム水溶液を用いて3回洗浄し、反応液からヘキサンを用いて、生成物を有機層に分液抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートさせて、3,6−ジトリブチルスズ−9−メチル−9H−カルバゾールを得た。
3,6−ジトリブチルスズ−9−メチル−9H−カルバゾールに対して、2.0等量の化学式(13)で示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール、5ml/mmolの乾燥1,4−ジオキサン、0.2等量のトランス−ジクロロビストリフェニルフォスフィンパラジウムを加え、アルゴンガス雰囲気下、130℃で40時間還流させ反応進行させた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を過剰量加えて反応停止させた。得られた反応液から酢酸エチルを用いて、生成物を有機層に分液抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートさせて、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、前記化学式(14)で示される9−メチル−3,6−ビス(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−9H−カルバゾールを得た。
9−メチル−3,6−ビス(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−9H−カルバゾールのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(14)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:7.05(2H,s)、8.76(2H,d)、8.26(2H,d)、7.47(2H,s)3.90(3H,s)、2.82(6H,s)
(実施例2)
化学式(13)で示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールと5,7−ジトリブチルスズ−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンとを用いたスティルクロスカップリング反応による、下記化学式(15)に示される2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]チアゾールの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンを2ml/mmolの乾燥テトラヒドロフランに溶解させ、ドライアイス冷却メタノールバス中で−78℃に保った。アルゴンガス雰囲気下、1.6規定のn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液を2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンに対して1.1等量徐々に滴下し、30分間反応させた後、塩化トリブチルスズを1.0等量加えて1時間反応させた。その反応系に、同じく1.6規定のn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液の前記と同量を徐々に滴下し、さらに30分間反応させた後、同じく塩化トリブチルスズの前記と同量を加えてさらに1時間反応させた後に、飽和塩化ナトリウム水溶液を過剰量加え、反応を停止させた。飽和塩化ナトリウム水溶液を用いて3回洗浄し、反応液からヘキサンを用いて、生成物を有機層に分液抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートさせて、5,7−ジトリブチルスズ−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンを得た。
5,7−ジトリブチルスズ−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンに対して、2.0等量の化学式(13)で示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール、5ml/mmolの乾燥1,4−ジオキサン、0.2等量のトランス−ジクロロビストリフェニルフォスフィンパラジウムを加え、アルゴンガス雰囲気下、130℃で40時間還流させ反応進行させた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を過剰量加えて反応停止させた。得られた反応液から酢酸エチルを用いて、生成物を有機層に分液抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートさせて、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]チアゾールを得た。
2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]チアゾールのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(15)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:7.36(2H,s)、4.37(2H,m)、4.29(2H,m)、2.74(6H,s)
(実施例3)
アセトアミドと2−クロロアセト酢酸エチルとを用いることによる、下記化学式(16)に示されるエチル2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
アセトアミド800mmol、2−クロロアセト酢酸エチル400mmolを146gの無水酢酸に溶解させ、130℃に加熱して10時間反応させた。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性に傾向させた後、酢酸エチルを用いて、生成物を有機相に抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートし、黒色液体を得た。その黒色液体に6規定塩酸水溶液を添加し、塩基性に傾向させた後、上部の水相を回収した。この水相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性に傾向した後、酢酸エチルを用いて、生成物を有機相に抽出した。得られた固体をヘキサンに溶解させ、不溶分を除去し、溶媒をエバポレートすることで、黄白色固体であるエチル2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートを得た。収率は30%であった。
エチル2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(16)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:4.38(2H,dd)、2.49(3H,s)、2.43(3H,s)、1.39(3H,t)
次に、エチル2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートをハロゲン化することによる、下記化学式(17)に示されるエチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
エチル2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートを10mmol、四塩化炭素30mlに溶解させたところに、N−ブロモスクシンイミド11mmolを、温度を20〜30℃に保ちながら徐々に添加していき、添加終了後、アゾビスイソブチロニトリルを0.5mmol、徐々に添加した。その後、室温で30分攪拌した後、80℃に加熱して3時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、析出した固体をフィルタリング除去して、ろ液を30mlの水で洗浄した後、有機相を分液抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートし、エチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートを得た。
エチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(17)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:4.64(2H,s)、4.41(2H,dd)、2.53(3H,s)、1.42(3H,t)
次に、エチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートをチオール化することによる、化学式(18)で示されるエチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
エチル 4−(ブロモメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートを5mmol、エタノール50mlに溶解させたところに、チオアセトアミド5.5mmolを添加した後、95℃に加熱して4時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、エタノールをエバポレートさせ、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、エチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートを得た。収率は95%であった。
エチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(18)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:4.40(2H,dd)、3.90(2H,d)、2.52(3H,s)、2.09(1H,t)、1.40(3H,t)
次に、エチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレートを部分還元することによる、化学式(19)で示される4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルバルデヒドの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
t−ブトキシナトリウム105mmolを100mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解させたところに、1.0M水素化ジイソブチルアルミニウム/ヘキサン溶液100mlを氷浴で温度を0〜10℃に保ちながら徐々に添加していき、添加終了後、室温で2時間反応させて、0.5MのSDBBA溶液を調製した。
エチル 4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレート10mmolを、乾燥テトラヒドロフラン100mlに溶解させたところに、0.5MのSDBBA溶液を42ml、温度−30〜−20℃に保ちながら徐々に添加していき、添加終了後、−20℃で4時間反応させた。その後、20mlの水を反応系中に添加することで反応停止させ、有機層を分離した。残った水相に炭酸水素ナトリウムを水相がpH8〜9になる程度まで添加し、酢酸エチルを用いて生成物を有機層に分液抽出し、先の有機層と合一したものを硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートし、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルバルデヒドを得た。
4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルバルデヒドのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(19)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:9.84(1H,s)、3.89(2H,d)、2.56(3H,s)、2.20(1H,t)
次に、4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルバルデヒドを用いることによる、下記化学式(20)で示される2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
4−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルバルデヒドを5mmol、エタノール50mlに溶解させたところに、酢酸50mmolを添加し、室温で1時間攪拌した後、80℃に加熱して4時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、溶媒をエバポレートさせ、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールを得た。
2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(20)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:6.98(1H,d)、6.69(1H,d)、2.70(3H,s)
次に、2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールを用いることによる、下記化学式(21)に示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールを1mmol、10mlのテトロヒドロフランに溶解させ、ドライアイス冷却メタノールバス中で−78℃に保った。ここに、1.05mmolのN−ブロモスクシンイミドを5mlのテトラヒドロフランに溶解させた溶液を徐々に滴下していき、2時間反応させた後、飽和塩化ナトリウム水溶液を過剰量加えて反応停止させた。この反応液を水洗した後、有機層を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートさせ、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、化学式(21)に示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールを得た。
6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(21)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:6.68(1H,s)、2.70(3H,s)
化学式(21)で示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールと5,7−ジトリブチルスズ−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンとを用いたスティルクロスカップリング反応による、下記化学式(22)に示される2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールの合成を以下に示す。
Figure 0005638060
2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンを2ml/mmolの乾燥テトラヒドロフランに溶解させ、ドライアイス冷却メタノールバス中で−78℃に保った。アルゴンガス雰囲気下、1.6規定のn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液を2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンに対して1.1等量徐々に滴下し、30分間反応させた後、塩化トリブチルスズを1.0等量加えて1時間反応させた。その反応系に、同じく1.6規定のn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液の前記と同量を徐々に滴下し、さらに30分間反応させた後、同じく塩化トリブチルスズの前記と同量を加えてさらに1時間反応させた後に、飽和塩化ナトリウム水溶液を過剰量加え、反応を停止させた。飽和塩化ナトリウム水溶液を用いて3回洗浄し、反応液からヘキサンを用いて、生成物を有機層に分液抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートさせて、5,7−ジトリブチルスズ−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンを得た。
5,7−ジトリブチルスズ−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンに対して、2.0等量の化学式(21)で示される6−ブロモ−2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾール、5ml/mmolの乾燥1,4−ジオキサン、0.2等量のトランス−ジクロロビストリフェニルフォスフィンパラジウムを加え、アルゴンガス雰囲気下、130℃で40時間還流させ反応進行させた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を過剰量加えて反応停止させた。得られた反応液から酢酸エチルを用いて、生成物を有機層に分液抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートさせて、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたカラム分離による精製工程を経て、2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールを得た。
2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールのH−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、化学式(22)で示す構造を支持する。
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS)δ:6.89(2H,s)、4.37(2H,m)、4.29(2H,m)、2.71(6H,s)
(実施例4)
実施例1で得られた9−メチル−3,6−ビス(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−9H−カルバゾールを0.1Mテトラブチルアンモニウムパークロレート/プロピレンカーボネート溶液に0.01Mの濃度で溶解させ、モノマー含有電解液を調整した。
陽極となるITO電極(ジオマテック株式会社製)及び陰極となる白金電極(株式会社ニラコ製)を用いて、参照電極となる銀/塩化銀電極に対して、−0.5〜1.40Vの範囲で100mV/secの挿引速度で電圧を印加し、電気化学的に重合させることにより、ITO電極上に当該化合物からなる重合体の膜を形成させた。次にITO電極に電圧が印加されている状態から電圧を−0.5Vとした。この時を発色時、つまり脱ドーピング時とした。さらにITO電極に1.4Vの電圧を印加した時を消色時、つまりドーピング時とした。発色時及び消色時のそれぞれにおいてUV−Visスペクトル(紫外可視吸収スペクトル)を測定することにより、当該重合体のエレクトロクロミック特性を評価した。
発色時である脱ドーピング時には500nm付近に吸収極大を持つマゼンタ色を呈し、消色時であるドーピング時には可視光領域に吸収極大を持たないことが確認された。
(実施例5)
実施例2で得られた2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]チアゾールを用いて、前記実施例4の手法と同様にして、発色時及び消色時のそれぞれにおいてUV−Visスペクトルを測定することにより、当該重合体のエレクトロクロミック特性を評価した。
発色時である脱ドーピング時には650nm付近に吸収極大を持つシアン色を呈し、消色時であるドーピング時には可視光領域に吸収極大を持たないことが確認された。
(実施例6)
実施例3で得られた2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]オキサゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]オキサゾールを用いて、前記実施例4の手法と同様にして、発色時及び消色時のそれぞれにおいてUV−Visスペクトルを測定することにより、当該重合体のエレクトロクロミック特性を評価した。
発色時である脱ドーピング時には750nm付近に吸収極大を持つ薄いシアン色を呈し、消色時であるドーピング時には可視光領域に吸収極大を持たないことが確認された。
(実施例7)
実施例1で得られた9−メチル−3,6−ビス(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−9H−カルバゾールを0.36mmolと、10mlのイオン交換水中の18%ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液を830mgとを室温下、攪拌しているところに、113.0mg(0.48mmol)の(NH及び2mgのFe(SOを添加した。1時間を超えて、酸化重合を実施した。重合後、当該水溶液を、イオン交換カラムにより精製して、π電子系共役重合体/ポリ(スチレンスルホン酸)水性分散液を得た。得られた水性分散液を用いて、1,000rpmにおいてジオマテック株式会社製のITOガラス基板上にπ電子系共役重合体/ポリ(スチレンスルホン酸)混合物をスピンコーティングすることにより、エレクトロクロミック特性評価のためのフィルムを調製した。
このフィルムを堆積させたITO電極を陽極として、株式会社ニラコ製の白金電極を用いて陰極、銀/塩化銀電極を用いて参照電極として、エレクトロクロミック評価用セルを組み立てた。次に当該セルに対して、ITO電極に印加されている電圧を−0.5Vとした。この時を発色時、つまり脱ドーピング時とした。さらにITO電極に1.4Vの電圧を印加した時を消色時、つまりドーピング時とした。発色時及び消色時のそれぞれにおいてUV−Visスペクトルを測定することにより、当該重合体のエレクトロクロミック特性を評価した。
発色時である脱ドーピング時には500nm付近に吸収極大を持つマゼンタ色を呈し、消色時であるドーピング時には可視光領域に吸収極大を持たないことが確認された。
(実施例8)
実施例2で得られた2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]チアゾールを用いて、前記実施例7の手法と同様にして、発色時及び消色時のそれぞれにおいてUV−Visスペクトルを測定することにより、当該重合体のエレクトロクロミック特性を評価した。
発色時である脱ドーピング時には650nm付近に吸収極大を持つシアン色を呈し、消色時であるドーピング時には可視光領域に吸収極大を持たないことが確認された。
(比較例1)
化学式(12)で示される2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールを用いて、前記実施例4の手法と同様にして、発色時及び消色時のそれぞれにおいてUV−Visスペクトルを測定することにより、当該重合体のエレクトロクロミック特性を評価した。
発色時である脱ドーピング時には800nm付近に吸収極大を持つ薄いシアン色を呈し、消色時であるドーピング時には可視光領域に吸収極大を持たないことが確認された。
このことから、化学式(12)で示される2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールのみを構成単位とするπ電子系共役重合体はエレクトロクロミック材料として用いるには発色が不鮮明であり、前記化学式(7)で示されるように、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよい2価の複素芳香環基を構成単位と含むことにより、前記実施例のように鮮明なマゼンタやシアンのような種々の色を調整することが可能となる事が示された。
(比較例2)
化学式(12)で示される2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールと9−メチル−9H−カルバゾールとを、モル比で1:1として混合し、その混合物を0.1Mテトラブチルアンモニウムパークロレート/プロピレンカーボネート溶液に0.01Mの濃度で溶解させ、モノマー含有電解液を調整した。当該モノマー含有電解液を用いて前記実施例4の手法と同様にして、発色時及び消色時のそれぞれにおいてUV−Visスペクトルを測定することにより、当該重合体のエレクトロクロミック特性を評価した。
発色時である脱ドーピング時には800nm付近に吸収極大を持つ薄いシアン色を呈し、消色時であるドーピング時には可視光領域に吸収極大を持たないことが確認された。
このことから、化学式(12)で示される2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールのみを構成単位とするπ電子系共役重合体が生成したことが明白であり、前記化学式(14)で示される9−メチル−3,6−ビス(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−9H−カルバゾールが生成しているわけではないことが示された。つまり、本発明において、前記化学式(7)で示されるような、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよい2価の複素芳香環基を予め構成単位として含むモノマーを準備することにより、前記実施例のように鮮明なマゼンタやシアンのような種々の色を調整することが可能となる事が示された。
(比較例3)
化学式(12)に示される2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾールと2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシンとを、モル比で1:1として混合し、その混合物を0.1Mテトラブチルアンモニウムパークロレート/プロピレンカーボネート溶液に0.01Mの濃度で溶解させ、モノマー含有電解液Aを調整した。一方、前記化学式(15)に示される2−メチル−6−[7−(2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル]チエノ[3,4−d][1,3]チアゾールを0.1Mテトラブチルアンモニウムパークロレート/プロピレンカーボネート溶液に0.01Mの濃度で溶解させ、モノマー含有電解液Bを調整した。
これらの溶液と陽極となるITO電極(ジオマテック株式会社製)及び陰極となる白金電極(株式会社ニラコ製)とを用いて、0V、0.5V、1.0V、1.5Vの各電位で1分間通電し、電気化学的に重合させることにより、ITO電極(陽極)上に当該化合物からなる重合体の膜を形成させた。次にITO電極(陽極)に電圧が印加されている状態から電圧を−0.5Vとした。この時を発色時(脱ドーピング時)とした。さらにITO電極(陽極)に1.3Vの電圧を印加した時を消色時(ドーピング時)とした。発色時及び消色時のそれぞれにおいて目視で確認することにより、当該重合体のエレクトロクロミック特性を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005638060
表1中、ITO電極上に重合体が形成されたものをaとし、ITO電極上に重合体が形成されなかったもの又は極薄い膜であったため視認困難であったものをbとする。
表1に示すように、モノマー含有電解液Aとモノマー含有電解液Bとでは電気化学的に重合させる電位の違いによって発色−消色時の色に差異が見られた。これはおそらく、モノマー含有電解液Aの場合、2−メチルチエノ[3,4−d][1,3]チアゾール(以下、Tと略記する)と2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン(以下、Eと略記する)の混合溶液を用いて重合しているため、TとEの重合開始電位が異なることにより、電気化学的に重合された膜の組成が異なっているためと考えられる。具体的には例えば、T−E−T−E…のような繰返しパターンもあれば、T−E−E−T…や、T−E−E−E−T…などの繰返しパターンも生成している可能性が高いと考えられる。このようにモノマー含有電解液Aのように異なるモノマーの混合物に対して電気化学的に重合した場合、製膜時の重合電位によって、生成した膜の色調が大きく変化してしまうため制御しにくく、EC材料としては不適である。一方、モノマー含有電解液Bのように、具体的には例えば本発明の特徴であるT−E−Tのように予め制御されたモノマーユニットを用いている場合、重合電位による色調の変化は見られず、EC材料としては非常に好適である。また、モノマー含有電解液Aのように異なるモノマーの混合物の場合、Tとの組合せはEのように重合性をもつユニットである必要があるが、モノマー含有電解液Bのように、具体的には例えばT−E−Tのように予め制御されたモノマーユニットを用いている場合、Eの部分がそれ単独で重合性を有する必要はないため、色調の調整に用いることができるユニットの選択肢が拡がり、この点においてもEC材料としては非常に好適である。
本発明のエレクトロクロミック材料は、EC表示素子でフルカラー発色が可能な表示装置に有用であって、電子ペーパーや反射型ディスプレイに用いられる。

Claims (2)

  1. 下記化学式(2)
    Figure 0005638060
    (式中、Xは、−S−、−O−、−Se−及び−Te−から選ばれる何れかであり、Yは、水素原子及び炭素数1〜20の有機基から選ばれる何れかである)
    で示される化合物をハロゲン化して、得られた下記化学式(3)
    Figure 0005638060
    (式中、X、Yは、前記と同じであり、Qはハロゲン原子である)
    で示される化合物と、下記化学式(4)
    −W−Q ・・・(4)
    (式中、Wは、アリーレン基又は2価の複素芳香環基であり、Qは、−MgCl、−MgBr、−MgI、−ZnCl、−ZnBr、−ZnI、−Sn(R(Rは、夫々独立して炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基である)、ボロン酸基及びボロン酸エステル基から選ばれる1種である)
    で示される化合物とを、クロスカップリング反応させる工程、
    又は、
    塩基存在下で、下記化学式(2)
    Figure 0005638060
    (式中、X、Yは、前記と同じ。)
    で示される化合物と、MgCl、MgBr、MgI、ZnCl、ZnBr、ZnI、Sn(RCl、Sn(RBr、Sn(RI(Rは、夫々独立して炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基である)、ボロン酸及びボロン酸エステルから選ばれる1種とを、反応させることにより、下記化学式(5)
    Figure 0005638060
    (式中、X、Yは、前記と同じであり、Qは、−MgCl、−MgBr、−MgI、−ZnCl、−ZnBr、−ZnI、−Sn(R(Rは、夫々独立して炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基である)、ボロン酸基及びボロン酸エステル基から選ばれる1種である)
    で示される化合物を得たのち、下記化学式(6)
    −W−Q ・・・(6)
    (式中、Wは、前記と同じであり、Qは、夫々独立してハロゲン原子である)
    で示される化合物とクロスカップリング反応させる工程によって、
    下記化学式(7)
    Figure 0005638060
    (式中、各Xは夫々、−S−、−O−、−Se−及び−Te−から選ばれる何れかであり、各Yは夫々、水素原子及び炭素数1〜20の有機基から選ばれる何れかであり、Wは、アリーレン基又は2価の複素芳香環基である)
    で示されるモノマー成分を調製した後、重合して、下記化学式(1)
    Figure 0005638060
    (式中、各Xは夫々、−S−、−O−、−Se−及び−Te−から選ばれる何れかであり、各Yは夫々、水素原子及び炭素数1〜20の有機基から選ばれる何れかであり、Wは、アリーレン基又は2価の複素芳香環基であり、nは、2〜1000の数であり、それの繰返構造がランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブロックコポリマー及び/又はデンドリマーの構造を成している)で示されるπ電子系共役重合体にして、それを含むエレクトロクロミック材料にすることを特徴とするエレクトロクロミック材料の製造方法。
  2. 溶媒中において、前記モノマー成分を、ポリアニオン及び酸化剤の存在下又は接触下で化学重合させることにより、前記重合させて、前記π電子系共役重合体にし、
    又は、
    前記モノマー成分と電解質とを含有する混合物に、電流を供給して電解重合させることにより、前記重合させて前記電子系共役重合体にすることを特徴とする請求項に記載のエレクトロクロミック材料の製造方法。
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