以下,本実施の形態について,図を用いて説明する。
図1は,本実施の形態によるスケジュール管理装置の構成例を示す図である。
図1に示すスケジュール管理装置10は,コンピュータにより利用者のスケジュール管理の支援を行う装置である。スケジュール管理装置10は,スケジュール情報・電力情報統合部11,コンセント情報記憶部12,ユーザ情報記憶部13,スケジュール情報・電力情報DB(DataBase)14,学習部15,規則情報記憶部16,照合判定部17,通知部18を備える。
スケジュール情報・電力情報統合部11は,スケジュール情報と電力情報とを取得し,互いに関連するスケジュール情報と電力情報との紐付けを行う。スケジュール情報は,利用者ごとのスケジュールに関する情報である。電力情報は,利用者が使用する電気機器の消費電力に関する情報である。スケジュール情報・電力情報統合部11は,スケジュール情報取得部111,電力情報取得部112を備える。
スケジュール情報取得部111は,利用者のスケジュール情報を取得する。図1に示すスケジュール情報取得部111は,各利用者のスケジュール情報を,スケジューラ20から取得する。スケジュール情報を取得するタイミングや,スケジュール情報の取得単位は,任意である。例えば,スケジュール情報取得部111は,10分ごとに,その日1日分のスケジュール情報を取得する。
スケジューラ20は,利用者のスケジュールを管理するアプリケーションである。スケジューラ20は,例えば,各利用者がそれぞれに使用する情報機器のスケジューラ20である。このとき,スケジュール情報取得部111は,各情報機器のスケジューラ20が管理するスケジュール情報の記憶部から,それぞれの利用者のスケジュール情報を取得する。また,例えば,企業のサーバで従業員である利用者のスケジュールを集中管理している場合などには,スケジューラ20は,複数の利用者のスケジュールを管理するサーバのスケジューラ20である。このとき,スケジュール情報取得部111は,サーバのスケジューラ20が管理するスケジュール情報の記憶部から,利用者のスケジュール情報を取得する。
電力情報取得部112は,利用者が使用する電気機器の消費電力の情報である電力情報を取得する。図1に示す電力情報取得部112は,電力情報を,電力供給部であるコンセント30から収集する。電力情報を取得するタイミングや,電力情報の取得単位は,任意である。例えば,電力情報取得部112は,10秒ごとに,その時点で計測された消費電力の情報を取得する。
図1に示すコンセント30は,電力をセンシングする電力センサが取り付けられたコンセントである。コンセント30に取り付けられた電力センサは,電力供給部であるコンセント30から供給された電力,すなわち使用された電気機器の消費電力を計測する。電力センサ付きのコンセント30は,例えばEthernetやUSB,無線などの通信機能を持つ。それらの通信機能を使用して,電力情報取得部112は,各コンセント30から電力情報を収集する。電力センサ付きのコンセント30を備える機器としては,例えば,複数のコンセント30を持つ電源タップなどが考えられる。
また,近年,オフィスなどにおける省電力化が重要視されるようになってきている。そのため,オフィスなどで使用される電気機器の消費電力を監視して電力の使用状況を把握し,無駄に使用されている電力の削減を行う技術の開発が行われている。
例えば,このような電力監視の技術が導入されたオフィスでは,オフィス内の電力情報を集中管理するサーバが,オフィス内に設置された電力センサ付きの各コンセント30から電力情報を収集して保持するケースが考えられる。このようなケースでは,電力情報取得部112は,各コンセント30における電力情報を,オフィス内の電力を集中管理するサーバから取得することもできる。
なお,例えば,電力センサを電気機器側に備えさせ,電気機器の消費電力を電気機器自身で計測させて,電気機器の通信機能を用いて計測された消費電力の情報を収集することも可能である。ただし,ありとあらゆる電気機器に,電力の計測機能や通信機能を持たせることは困難である。コンセント30などの電力供給部で消費電力を計測させ,その電力情報を収集することにより,電力の計測機能や通信機能を持たない電気機器についての消費電力の情報を収集することが可能となる。すべての電気機器に電力の計測機能や通信機能を持たせることに比べると,各電器機器が共通に使用する電力供給部に電力の計測機能や通信機能を持たせる方が容易である。
スケジュール情報・電力情報統合部11は,コンセント情報記憶部12に記憶されたコンセント情報と,ユーザ情報記憶部13に記憶されたユーザ情報とを参照し,取得されたスケジュール情報と電力情報とを紐付けする。本実施の形態では,スケジュール情報・電力情報統合部11は,取得されたスケジュール情報と電力情報とを,利用者ごと,日付ごとに紐付けする。
コンセント情報記憶部12は,コンセント情報を記憶する,コンピュータがアクセス可能な記憶部である。コンセント情報は,各コンセント30に関する情報である。本実施の形態では,利用者ごとに,消費電力を計測する対象のコンセント30が割り当てられている。コンセント情報には,コンセント30ごとに,割り当てされた利用者の情報や,電源接続する電気機器の情報などが記録されている。
ユーザ情報記憶部13は,ユーザ情報を記憶する,コンピュータがアクセス可能な記憶部である。ユーザ情報は,各利用者に関する情報である。ユーザ情報には,利用者ごとに,利用者のスケジュールを識別する情報や,通知先の情報などが記録されている。
スケジュール情報・電力情報統合部11は,取得したスケジュール情報,取得した電力情報,スケジュール情報と電力情報とを紐付けした情報を,スケジュール情報・電力情報DB14に記憶する。
スケジュール情報・電力情報DB14は,スケジュール情報,電力情報,紐付け管理情報等の情報を記憶する,コンピュータがアクセス可能な記憶部である。スケジュール情報・電力情報DB14は,スケジュール情報記憶部141,電力情報記憶部142,紐付け管理情報記憶部143を備える。
スケジュール情報記憶部141は,スケジュール情報を記憶する,コンピュータがアクセス可能な記憶部である。図1に示すスケジュール情報記憶部141では,スケジュール情報が,利用者ごと,日付ごとに,1つのデータとして管理されている。
スケジュール情報は,利用者のスケジュール変更によって,随時変更されている。本実施の形態では,例えば,その日のスケジュール情報が,スケジュール情報取得部111により10分ごとに取得され,それに応じてスケジュール情報記憶部141の該当利用者,該当日付のスケジュール情報が更新される。
電力情報記憶部142は,電力情報を記憶する,コンピュータがアクセス可能な記憶部である。図1に示す電力情報記憶部142では,電力情報が,コンセント30ごと,日付ごとに,1つのデータとして管理されている。
本実施の形態では,例えば,その時点の消費電力についての電力情報が,電力情報取得部112により10秒ごとに取得され,取得された電力情報は,電力情報記憶部142の該当コンセント,該当日付の電力情報に追加される。
紐付け管理情報記憶部143は,紐付け管理情報を記憶する,コンピュータがアクセス可能な記憶部である。紐付け管理情報は,スケジュール情報と電力情報との紐付けを示す情報である。図1に示す紐付け管理情報には,利用者ごと,日付ごとのスケジュール情報と電力情報との紐付けを示す情報が記録されている。
学習部15は,利用者ごとに,利用者が使用した電気機器の過去に計測された消費電力の情報と,利用者の過去のスケジュール情報とを用いた統計から,利用者のスケジュールにおける予定と利用者が使用した電気機器の消費電力の状況との対応についての規則性を求める。学習部15は,求めた規則性の情報を,規則情報記憶部16に記憶する。
規則情報記憶部16は,規則情報を記憶する,コンピュータがアクセス可能な記憶部である。規則情報は,学習部15により求められた,利用者ごとの,スケジュールにおける予定と使用した電気の消費電力の状況との対応についての規則性を示す情報である。
例えば,学習部15が,ある利用者について,スケジュールにおける予定と使用した電気機器の消費電力の状況との対応についての規則性を求めるものとする。学習部15は,紐付け管理情報記憶部143に記憶された紐付け管理情報から,該当利用者の過去のスケジュール情報と過去の電力情報との紐付け関係の情報を得る。学習部15は,紐付けされた該当利用者のスケジュール情報と電力情報とを,それぞれスケジュール情報記憶部141,電力情報記憶部142から取得する。
学習部15は,紐付けされた該当利用者の過去のスケジュール情報と過去の電力情報とから,該当利用者のスケジュールの予定と,その予定の時間に該当利用者が使用した電気機器の消費電力の状況とを収集する。学習部15は,収集されたスケジュールの予定と消費電力の状況との関係を統計し,該当利用者についての,スケジュールにおける予定と使用した電気機器の消費電力の状況との対応についての規則性を求める。学習部15は,求めた規則性の情報を,規則情報記憶部16に記憶する。
学習部15は,このような規則性の学習を所定のタイミングで実行する。例えば,学習部15は,日付が変わったタイミングで規則性の学習を実行する。このとき,学習対象の過去のスケジュール情報と電力情報との範囲は,任意である。例えば,学習部15は,近傍の1か月分のスケジュール情報と電力情報とを,規則性の学習対象とする。
照合判定部17は,利用者のスケジュール情報から得られた現在の予定と,利用者が使用した電気機器の計測された現在の消費電力の状況との対応が,規則情報記憶部16に記憶された規則性に一致するかを判定する。
例えば,照合判定部17が,ある利用者について,現在のスケジュールにおける予定と計測された現在の消費電力の状況との対応が,該当利用者の規則性に一致するかを判定するものとする。照合判定部17は,紐付け管理情報記憶部143に記憶された紐付け管理情報から,該当利用者の現在のスケジュール情報と現在の電力情報との紐付け関係の情報を得る。照合判定部17は,紐付けされた該当利用者の現在のスケジュール情報と現在の電力情報とを,それぞれスケジュール情報記憶部141,電力情報記憶部142から取得する。また,照合判定部17は,規則情報記憶部16に記憶された規則情報から,該当利用者についての規則性の情報を取得する。
照合判定部17は,取得された現在のスケジュール情報から,該当利用者の現在の予定を抽出する。また,照合判定部17は,取得された現在の電力情報から,計測された現在の消費電力を取得する。一般に,現在という時間表現には,ある程度の時間の範囲が許されている。例えば,照合判定部17は,現在の予定や消費電力として,5分前の予定や消費電力を抽出してもよい。また,例えば,照合判定部17は,現在の消費電力として直前の1分間に計測された消費電力の平均値を求めるなどしてもよい。
照合判定部17は,抽出された現在の予定と抽出された現在の消費電力の状況との対応が,取得された規則性に一致するかを判定する。照合判定部17は,例えば,現在の予定と抽出された現在の消費電力の状況との対応が,規則性に基づいた所定の条件を満たした場合に,一致すると判定する。
通知部18は,照合判定部17により一致しないと判定された場合に,該当利用者が使用する情報機器40に対して,スケジュールの予定に関する通知を行う。利用者の情報機器40は,例えば,利用者が使用するPC(Personal Computer )や携帯電話機などである。ユーザ情報記憶部13に記憶されたユーザ情報には,利用者ごとに,通知先の情報機器40のメールアドレスやIP(Internet Protocol )アドレスなどが記録されている。スケジュールの予定に関する通知は,例えば,予定を忘れている可能性があることを知らせる通知や,スケジュールへの予定の入力を忘れている可能性があることを知らせる通知などである。
図2は,本実施の形態によるスケジュール管理装置を実現するハードウェアの構成例を示す図である。
図1に示す本実施の形態のスケジュール管理装置10は,例えば,CPU(Central Processing Unit )2,主記憶となるメモリ3,記憶装置4,通信装置5,媒体読取・書込装置6,入力装置7,出力装置8等を備えるコンピュータ1によって実現される。記憶装置4は,例えばHDD(Hard Disk Drive )などである。媒体読取・書込装置6は,例えばCD−R(Compact Disc Recordable )ドライブやDVD−R(Digital Versatile Disc Recordable )ドライブなどである。入力装置7は,例えばキーボードやマウスなどである。出力装置8は,例えばディスプレイなどである。
図1に示すスケジュール管理装置10およびスケジュール管理装置10が備える各機能部は,コンピュータ1が備えるCPU2,メモリ3等のハードウェアと,ソフトウェアプログラムとによって実現することが可能である。コンピュータ1が実行可能なプログラムは,記憶装置4に記憶され,その実行時にメモリ3に読み出され,CPU2により実行される。
コンピュータ1は,可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り,そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また,コンピュータ1は,サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに,逐次,受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。さらに,このプログラムは,コンピュータ1で読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
図3は,本実施の形態によるコンセント情報記憶部に格納されるデータの構成例を示す図である。
図3に示すコンセントデータ120は,コンセント情報記憶部12に記憶されたコンセント情報の一例である。コンセントデータ120は,コンセントID,ユーザID,電気機器などの情報を持つ。
コンセントIDは,電力供給部であるコンセント30を一意に識別する識別情報である。図3のコンセントデータ120にデータが記録されたコンセント30には,電源接続された電気機器に供給する電力,すなわち電気機器の消費電力を計測する電力センサが取り付けられている。
ユーザIDは,利用者を一意に識別する識別情報である。図3のコンセントデータ120におけるユーザIDは,該当コンセント30の使用が割り当てられた利用者のユーザIDである。本実施の形態では,利用者が使用する電気機器の消費電力を特定できるようにするために,利用者が使用する電気機器を電源接続する1または複数のコンセント30が,あらかじめ利用者ごとに割り当てられている。
図3に示すコンセントデータ120において,電気機器は,該当コンセント30に接続される電気機器を示す。学習部15では,過去にコンセント30で計測された消費電力の状況に基づいた規則性が求められる。そのため,利用者は,可能な限り同じコンセント30に同じ電気機器を接続して使用する。図3に示すコンセントデータ120には,あらかじめ利用者が使用する電気機器と,その電気機器を接続するコンセント30との対応が登録されている。
図4は,本実施の形態によるユーザ情報記憶部に格納されるデータの構成例を示す図である。
図4に示すユーザデータ130は,ユーザ情報記憶部13に記憶されたユーザ情報の一例である。ユーザデータ130は,ユーザID,スケジュールID,通知先(アドレス)などの情報を持つ。
ユーザIDは,利用者を一意に識別する識別情報である。スケジュールIDは,スケジュールを一意に識別する識別情報である。図4のユーザデータ130におけるスケジュールIDは,該当利用者のスケジュールを特定するスケジュールIDである。通知先は,該当利用者の通知先として登録された情報機器40のメールアドレスである。
図5は,本実施の形態による利用者のスケジュールの例を示す図である。
図5に示すスケジュールは,例えば,図4に示すユーザデータ130において,ユーザIDが“user01”である利用者が,スケジューラ20に登録したスケジュールであるものとする。図5に示すスケジュールをデータ化したものがスケジュール情報であり,ユーザID“user01”の利用者のスケジュールを識別するスケジュールIDが,図4に示すユーザデータ130におけるスケジュールID“schedule01”である。
図5に示すスケジュールにおいて,ハッチングされた出勤時間9:00〜退勤時間20:00までの時間が利用者の在勤時間である。図5に示すスケジュールには,3度の打合せの予定が登録されている。ここでは,スケジュールにおける打合せは,社内の自席以外の場所で行う話し合いの予定を示す。
図6は,本実施の形態のコンセントで計測された消費電力のグラフの例を示す図である。
図6(A)に示す消費電力のグラフは,例えば,図3に示すコンセントデータ120において,コンセントIDが“outlet01”であるコンセント30で計測された消費電力のグラフである。また,図6(B)に示す消費電力のグラフは,例えば,図3に示すコンセントデータ120において,コンセントIDが“outlet02”であるコンセント30で計測された消費電力のグラフである。
なお,図3のコンセントデータ120に示すように,コンセントID“outlet01”,“outlet02”のコンセント30は,ユーザID“user01”の利用者に割り当てられたコンセント30である。
図3のコンセントデータ120に示すように,コンセントID“outlet01”のコンセント30には,電源接続する電気機器としてノートPCが登録されている。ユーザID“user01”の利用者は,可能な限り,コンセントID“outlet01”のコンセント30を,ノートPCの電源接続専用のコンセント30として使用する。図6(A)に示す消費電力のグラフは,ある1日に,ユーザID“user01”の利用者が使用したノートPCの消費電力の変遷を示すグラフとなる。
また,図3のコンセントデータ120に示すように,コンセントID“outlet02”のコンセント30には,電源接続する電気機器としてLCD(Liquid Crystal Display)が登録されている。ユーザID“user01”の利用者は,可能な限り,コンセントID“outlet02”のコンセント30を,LCDの電源接続専用のコンセント30として使用する。図6(B)に示す消費電力のグラフは,ある1日に,ユーザID“user01”の利用者が使用したLCDの消費電力の変遷を示すグラフとなる。
図6に示す各グラフをそれぞれデータ化したものが,電力情報記憶部142に記憶される電力情報となる。
図7は,本実施の形態による紐付け管理情報記憶部に格納されるデータの構成例を示す図である。
図7に示す紐付け管理データ145は,紐付け管理情報記憶部143に記憶された紐付け管理情報の一例である。紐付け管理データ145は,ユーザID,日付,対象スケジュール情報,対象電力情報(コンセントID)などの情報を持つ。
ユーザIDは,利用者を一意に識別する識別情報である。日付は,紐付けするスケジュール情報や電力情報の日付である。図7に示す紐付け管理データ145では,利用者ごと,日付ごとに,それぞれ1日分のスケジュール情報と電力情報とが紐付けされている。
対象スケジュール情報は,該当利用者の該当日付におけるスケジュール情報を特定する情報である。スケジュール情報を特定する情報としては,例えば該当スケジュール情報のファイル名や,該当スケジュール情報が記憶された領域を示す情報などがある。図7に示す紐付け管理データ145では,例えば,スケジュール情報を特定する情報が,該当スケジュール情報のファイル名で示されている。
各対象電力情報(コンセントID)は,該当利用者の該当日付において,コンセントIDで示されたコンセント30で計測された消費電力についての電力情報を特定する情報である。電力情報を特定する情報としては,例えば該当電力情報のファイル名や,該当電力情報が記憶された領域を示す情報などがある。図7に示す紐付け管理データ145では,例えば,電力情報を特定する情報が,該当電力情報のファイル名で示されている。
図3のコンセントデータ120に示すように,1人の利用者に対して複数のコンセント30が割り当てられていることも多い。そのため,図7の紐付け管理データ145に示すように,1つのスケジュール情報に対して,複数の電力情報が紐付けされている。
スケジュール情報・電力情報統合部11は,スケジュール情報や電力情報を取得し,スケジュール情報・電力情報DB14に記憶する際に,図7に示す紐付け管理データ145に,対象スケジュール情報や対象電力情報などの情報の記録を行う。
図8は,本実施の形態による規則情報記憶部に格納されるデータの構成例を示す図である。
図8に示す規則データ160は,規則情報記憶部16に記憶された規則情報の一例である。規則データ160は,ユーザID,予定,コンセント電力状況等の情報を持つ。
ユーザIDは,ユーザを一意に識別する識別情報である。予定は,該当利用者がスケジュールで使用する予定である。コンセント電力状況は,該当利用者に割り当てられた各コンセント30で計測される消費電力の状況を示す情報である。コンセント電力状況には,“コンセントID”で示される各コンセント30について,学習結果となる“消費電力状況”が記録されている。
図8に示す規則データ160において,予定とコンセント電力状況との対応が,学習により得られた,該当利用者のスケジュールにおける予定と計測される消費電力の状況との対応の規則性となる。
ここで,スケジュールにおける予定と計測される消費電力の状況との対応の規則性を学習する例を説明する。
ここでは,図5に示すユーザID“user01”の利用者のスケジュールと,図6に示すユーザID“user01”の利用者に割り当てられた各コンセント30で計測された消費電力のグラフは,すべて同日のものであるとする。すなわち,図5に示すスケジュールの時間と,図6に示す各消費電力のグラフの時間とは,同日同時刻で一致する。
なお,上述したように,図6(A)に示すグラフは,ノートPCが電源接続されたコンセント30で計測された消費電力のグラフである。すなわち,図6(A)に示すグラフは,利用者が使用したノートPCの消費電力の時間変遷を示している。また,上述したように,図6(B)に示すグラフは,LCDが電源接続されたコンセント30で計測された消費電力のグラフである。すなわち,図6(B)に示すグラフは,利用者が使用したLCDの消費電力の時間変遷を示している。
図5に示すスケジュールでは,9:00に出勤となっている。この利用者は,出勤後にノートPCとLCDとを接続し,それぞれの電源を投入する。図6(A)に示すノートPCのグラフを見ると,9:00ごろまでほぼ0WであったノートPCの消費電力が,9:00過ぎに20W程度まで上がっている。また,図6(B)に示すLCDのグラフを見ると,9:00ごろまでほぼ0WであったLCDの消費電力が,9:00過ぎに25W程度まで上がっている。
図5に示すスケジュールでは,9:40〜11:00,13:30〜15:00,16:00〜17:00に,それぞれ打合せの予定が入っている。この利用者は,打合せ時に,ノートPCを打合せ場所に持っていくことにしている。
図6(A)に示すノートPCのグラフを見ると,打合せの時間に合わせて,消費電力がほぼ0となっている。これは,利用者が,ノートPCの電源プラグをコンセント30から外したことを表している。また,図6(B)に示すLCDのグラフを見ると,打合せの時間に合わせて,消費電力が大幅にダウンして,4W程度となっている。これは,利用者が,LCDの電源をコンセント30から抜かずに,ノートPCとLCDの接続を外したため,LCDの画面が消え,LCDが信号待ちの待機状態に入ったことを表している。
図6(A)に示すノートPCのグラフを見ると,スケジュールにおける打合せの時間以外では,ノートPCの消費電力は,不安定ながらも20W程度となっている。これは,利用者が自席でノートPCを通常に使用している状態を示している。すなわち,ノートPCの通常使用電力は,少し幅が広い20W前後となる。また,図6(B)に示すLCDのグラフを見ると,スケジュールにおける打合せの時間以外では,LCDの消費電力は,ほぼ安定した25W程度となっている。これは,利用者が自席でLCDを通常に使用している状態を示している。すなわち,LCDの通常使用電力は,25W程度となる。
図5に示す利用者のスケジュールでは,20:00に退勤となっている。この利用者は,退勤時にノートPCやLCDの電源プラグをコンセント30から外す。図6(A)に示すノートPCのグラフを見ると,20:00ごろまで20W程度であったノートPCの消費電力が,20:00過ぎにほぼ0Wまで下がっている。また,図6(B)に示すLCDのグラフを見ると,20:00ごろまで25W程度であったLCDの消費電力が,20:00過ぎにほぼ0W程度まで下がっている。
このように,利用者のスケジュールにおける予定と,利用者が使用する電気機器による消費電力の状況との関係に,一定の規則性が見られるケースがある。学習部15は,過去のスケジュール情報と電力情報との関係を統計を用いて解析することで,利用者のスケジュールにおける予定と,利用者が使用する電気機器による消費電力の状況との間の規則性を見つけ出す。
ここでは,学習部15が,ユーザID“user01”の利用者のスケジュールにおける予定と,その利用者が使用する電気機器による消費電力の状況との対応の規則性を求めるものとする。
このとき,学習部15は,紐付け管理情報記憶部143に記憶された紐付け管理情報を参照し,該当利用者における学習の対象となる過去の日付のスケジュール情報と電力情報との対応を確認する。学習の対象となる情報は,例えば,近傍の過去2週間分の情報などである。
学習部15は,対応するスケジュール情報と電力情報とをつき合わせ,例えば,スケジュールにおける予定ごとに,その予定の時間において各コンセント30で計測された消費電力の状況を抽出する。ここでは,学習部15は,あらかじめ設定された特定の予定ごとに,各コンセント30で計測された消費電力の状況を抽出する。スケジュールにおけるすべての予定について,規則性を求めるようにしてもよいが,利用者は,必ずしもすべての予定について注意喚起の警告を望んでいるとは限らない。
ここでは,スケジュールにおける打合せの予定について,コンセント30で計測された消費電力の状況を抽出するものとする。
図9は,スケジュールの予定に対応する消費電力の状況の抽出の例を説明する図である。
図9に示すスケジュールは,図5に示すスケジュールである。図9に示す消費電力のグラフは,図6(B)に示すLCDの消費電力のグラフである。図9では,図5に示すスケジュールと,図6(B)に示すLCDの消費電力のグラフとが,時刻が対応するように並べられている。
学習部15は,スケジュール情報から,スケジュールにおける打合せの時間を抽出する。図9に示すスケジュールでは,9:40〜11:00,13:30〜15:00,16:00〜17:00に,それぞれ打合せの予定が入っている。
学習部15は,スケジュール情報に紐付けされた電力情報から,各打合せの時間の消費電力の状況を抽出する。
学習部15は,例えば,図9に示すLCDの消費電力のグラフにおいて,打合せの時間9:40〜11:00における消費電力を切り出す。図9に示すように,打合せの時間9:40〜11:00におけるLCDの消費電力は,25W程度の通常使用電力から4W程度に下がっている。
ここでは,消費電力が通常使用電力から所定の割合以上に下がっているが,0W付近ではない状況を,“大幅ダウン”の状況とする。学習部15は,切り出された消費電力の区間において,消費電力が通常使用電力から所定の割合以上に下がっている状況が続いている場合に,消費電力の状況が“大幅ダウン”の状況であると判断する。
なお,通常使用電力については,例えば,コンセントデータ120に記録されたコンセント30に接続された電気機器の情報から,特定することができる。例えば,LCDの仕様から,LCDの通常使用電力を特定することができる。また,電力情報から,通常使用電力を推定することも可能である。例えば,図9に示すLCDの消費電力のグラフにおいて,高い位置で安定した消費電力が,LCDの通常使用電力であると推定できる。
図9において,切り出された9:40〜11:00におけるLCDの消費電力は,25W程度の通常使用電力から4W程度に下がった状態が,最も長く続いている。このとき学習部は,打合せの時間9:40〜11:00におけるLCDの消費電力の状況が,大幅ダウンの状況であると判断する。
学習部15は,ユーザID“user01”の利用者に割り当てられた,LCDが電源接続されたコンセントID“outlet02”のコンセント30以外のコンセント30で計測された消費電力についても,同様に,消費電力の状況を抽出する。
本実施の形態では,学習部15は,ユーザID“user01”の利用者に割り当てられたすべてのコンセント30ごとの打合せの時間9:40〜11:00における消費電力の状況を組み合わせて,その打合せの予定における消費電力の状況の抽出結果とする。
学習部15は,学習の対象となるすべてのスケジュール情報と電力情報との対応から,各スケジュールにおけるすべての打合せの予定に応じた消費電力の状況を収集する。学習部15は,収集された消費電力の状況の統計を取り,スケジュールにおける該当予定と消費電力の状況との対応の規則性を求める。
図10は,収集された消費電力の状況の統計からスケジュールにおける予定と消費電力の状況との対応の規則性を求める例を説明する図である。
図10は,スケジュールにおける打合せの予定について,コンセント30ごとの消費電力状況の組合せを集計した例を示す。例えば,収集された,打合せの予定におけるコンセント30ごとの消費電力状況の組合せについて,それぞれの組合せの出現回数が,図10に示す通りであったものとする。なお,図10に記載された4つの組合せ以外の組合せについては,出現回数が1回以下であるものとする。
図10に示すように,出現回数が最大の組合せは,出現回数が15回の組合せ#2である。ここでは,学習部15は,多数決で,組合せ#2を,打合せの予定における消費電力の状況の規則性として採用する。
なお,スケジュールにおける予定と消費電力の状況との対応の規則性を求める統計の手法は,ここで説明した手法に限らず,任意の手法を用いることが可能である。
学習部15は,求められた規則性の情報を規則情報記憶部16に記憶された規則情報に記録する。ここでは,学習部15は,スケジュールの打合せの予定に対応するコンセント電力状況として,図10で決定されたコンセントごとの消費電力の状況の組合せを登録する。図8の規則データ160に示すように,ユーザID“user01”の打合せの予定に対応するコンセント電力状況として,図10の組合せ#2に示す情報が登録される。
例えば,ユーザID“user01”の利用者は,在席の作業から打合せに移るときに,ノートPCはLCDとの接続を外して打合せに持っていき,LCDは電源を切らずにノートPCとの接続のみを外し,デスクトップPCは電源を切り,携帯電話は打合せに持参するものとする。このとき,スケジュールにおける打合せの予定に対して,LCDの消費電力の状況が通常使用電力から大幅ダウンとなり,他の電気機器の消費電力の状況は0となるという利用者の行動に見合った規則性が得られる。
図3に示すコンセントデータ120を見ると,この利用者のコンセントID“outlet01”,“outlet02”,“outlet03”,“outlet04”の各コンセント30は,それぞれノートPC,LCD,デスクトップPC,携帯電話が電源接続されるコンセント30である。図8に示すように,この利用者については,打合せの予定に対して,コンセントID“outlet02”のコンセント30についての消費電力が大幅ダウンとなり,他のコンセント30についての消費電力の状況が0となるという規則性が,規則データ160に登録されている。
また,例えば,ユーザID“user01”の利用者は,仕事で外出するときに,ノートPCは電源を外して外出先に持っていき,LCDは電源を切り,デスクトップPCは電源を入れて外部からのリモート操作に備え,携帯電話は外出に持参するものとする。このとき,スケジュールにおける打合せの予定に対して,デスクトップPCは消費電力の状況が通常使用電力となり,他の電気機器の消費電力の状況は0となるという利用者の行動に見合った規則性が得られる。図8に示すように,この利用者については,打合せの予定に対して,コンセントID“outlet03”のコンセント30についての消費電力の状況が通常使用電力となり,他のコンセント30についての消費電力の状況が0となるという規則性が,規則データ160に登録されている。
このように,スケジュールにおける各予定について,利用者が使用する電気機器の消費電力のパターンに応じた規則性の情報が,学習によって得られる。
また,定期的な学習によって随時規則性が自動更新されるので,コンセント30ごとの電源接続される電気機器の対応関係の変更や,利用者による電気機器の使用パターンの変更にも,十分に対応可能である。
図11は,本実施の形態の学習部による学習処理フローチャートである。
図11に示すフローチャートは,ある1人の利用者について,スケジュールにおける各特定の予定ごとに消費電力の状況の規則性を求める処理の例である。学習部15は,すべての利用者について,図11のフローチャートに示す学習処理を行う。
学習部15は,特定の予定を1つ選択する(ステップS10)。
学習部15は,紐付け管理情報記憶部143に記憶された紐付け管理情報で,該当利用者のスケジュール情報と各電力情報との対応を確認する(ステップS11)。
学習部15は,対応するスケジュール情報と各電力情報とから,スケジュールにおける選択された特定の予定の時間帯の,各コンセント30における消費電力の状況を収集する(ステップS12)。
学習部15は,収集された各コンセント30における消費電力の状況の統計をとり,その統計結果から,選択された特定の予定と消費電力の状況との対応の規則性を求める(ステップS13)。
学習部15は,求めた規則性の情報を,規則情報記憶部16に記憶された規則情報に記録する(ステップS14)。
学習部15は,あらかじめ決められたすべての特定の予定について,処理が終了したかを判定する(ステップS15)。すべての特定の予定について処理が終了していなければ(ステップS15のNO),学習部15は,ステップS10の処理に戻って,次の特定の予定についての処理に移る。すべての特定の予定について処理が終了していれば(ステップS15のYES),学習部15は,学習処理を終了する。
次に,学習により得られた規則性を用いて,利用者がスケジュールの予定通りに行動しているかを判定する例を説明する。
照合判定部17は,例えば,10分おきなどの所定のタイミングで,利用者の現在の予定と計測された現在の消費電力の状況との対応が,規則情報記憶部16に記憶された規則情報の規則性に一致するかを判定する。
照合判定部17は,該当利用者について,スケジュールにおける現在の予定と,該当利用者に割り当てられたコンセント30で計測された現在の消費電力の状況とを取得する。例えば,照合判定部17は,紐付け管理情報記憶部143に記憶された紐付け管理情報を参照し,該当利用者における現在のスケジュール情報と,各コンセント30の現在の電力情報とを確認する。照合判定部17は,現在のスケジュール情報から,該当利用者のスケジュールにおける現在の予定を取得し,各コンセントの現在の電力情報から,各コンセント30で計測された現在の消費電力の状況を取得する。
照合判定部17は,取得された現在の予定と計測された現在の消費電力の状況との対応が,規則情報記憶部16に記憶された規則情報に記録された,該当利用者の規則性のいずれかに一致するかを判定する。例えば,照合判定部17は,取得された現在の予定に応じた規則性,または取得された現在の消費電力の状況に応じた規則性を,規則情報記憶部16に記憶された規則情報から取得する。照合判定部17は,取得された現在の予定と計測された現在の消費電力の状況との対応が,取得された規則性に一致するかを判定する。
通知部18は,照合判定部17による判定で一致しないと判定された場合に,該当利用者が使用する情報機器40に対して,スケジュールの予定に関する通知を行う。例えば,通知部18は,照合判定部17による判定で一致しないと判定された場合に,ユーザ情報記憶部13に記憶されたユーザ情報を参照し,該当利用者の通知先として指定された情報機器40の情報を取得する。通知部18は,該当利用者の通知先として指定された情報機器40に対して,スケジュールの予定について利用者に対する注意喚起の通知を送る。
具体的な例を説明する。ここでは,照合判定部17は,ユーザID“user01”の利用者について判定を行うものとする。なお,特定の予定についての学習によって,図8に示す規則データ160がすでに得られているものとする。
照合判定部17は,ユーザID“user01”の利用者について,スケジュールにおける現在の予定を取得する。ここでは,現在の予定として,特定の予定“打合せ”が得られたものとする。また,照合判定部17は,ユーザID“user01”の利用者について,各コンセント30で計測された現在の消費電力の状況を取得する。ここでは,現在の消費電力の状況として,各コンセントID“outlet01”,“outlet02”,“outlet03”,“outlet04”の各コンセント30について,それぞれ,“通常使用電力”,“通常使用電力”,“通常使用電力”,“0”が得られたものとする。
照合判定部17は,図8に示す規則データ160から,ユーザID“user01”の利用者について,取得された特定の予定“打合せ”に応じた規則性を取得する。“打合せ”の予定に応じた規則性における消費電力の状況として,各コンセントID“outlet01”,“outlet02”,“outlet03”,“outlet04”の各コンセント30について,それぞれ,“0”,“大幅ダウン”,“0”,“0”が取得される。この規則性における消費電力の状況は,上記の各コンセント30で計測された現在の消費電力の状況と異なる。照合判定部17は,現在の予定と計測された現在の消費電力の状況との対応が,規則性に一致しないと判定する。
この例では,利用者のスケジュールに打合せの予定があるが,各コンセント30で計測された消費電力の状況,すなわち利用者が使用する電気機器の消費電力の状況が,規則性において打合せの予定に対応する消費電力の状況ではない。このケースでは,利用者がスケジュールに打合せの予定があるのを忘れてしまっている可能性がある。
通知部18は,図4に示すユーザデータ130から,ユーザID“user01”の利用者が使用する情報機器40のメールアドレス“
[email protected] ”を取得する。通知部18は,利用者が使用する情報機器40に対して,利用者が打合せの予定を忘れている可能性がある旨を警告する通知を送る。
これにより,利用者が自分のスケジュールに書き込まれた予定を忘れることを防止することが可能となる。
また,別の例として,照合判定部17による現在の予定の取得で,特定の予定が得られなかったものとする。照合判定部17は,ユーザID“user01”の利用者について,各コンセント30で計測された現在の消費電力の状況を取得する。ここでは,現在の消費電力の状況として,各コンセントID“outlet01”,“outlet02”,“outlet03”,“outlet04”の各コンセント30について,それぞれ,“0”,“大幅ダウン”,“0”,“0”が得られたものとする。
照合判定部17は,図8に示す規則データ160から,ユーザID“user01”の利用者について,取得された各コンセント30で計測された現在の消費電力の状況に応じた規則性を取得する。上記の各コンセント30で計測された現在の消費電力の状況に応じた規則性における特定の予定として,“打合せ”が取得される。照合判定部17は,現在の予定と計測された現在の消費電力の状況との対応が,規則性に一致しないと判定する。
この例では,各コンセント30で計測された消費電力の状況,すなわち利用者が使用する電気機器の消費電力の状況が,規則性において打合せの予定に対応する消費電力の状況であるのに対して,利用者のスケジュールにおける予定が打合せではない。このケースでは,利用者がスケジュールに打合せの予定を書き込むことを忘れてしまっている可能性がある。
通知部18は,図4に示すユーザデータ130から,ユーザID“user01”の利用者が使用する情報機器40のメールアドレス“
[email protected] ”を取得する。通知部18は,利用者が使用する情報機器40に対して,利用者が打合せの予定をスケジュールに入力し忘れている可能性がある旨を警告する通知を送る。
これにより,利用者によるスケジュールへの予定の書き込み忘れを防止することが可能となる。
図12は,本実施の形態の照合判定部および通知部による照合判定・通知処理フローチャートである。
図12に示すフローチャートは,ある利用者についての照合判定・通知処理の例である。照合判定部17および通知部18は,すべての利用者について,図12のフローチャートに示す照合判定・通知処理を行う。
照合判定部17は,所定のタイミングであるかを判定する(ステップS20)。
所定のタイミングであれば(ステップS20のYES),照合判定部17は,該当利用者のスケジュールにおける現在の予定を取得する(ステップS21)。また,照合判定部17は,該当利用者に割り当てられたコンセント30で計測された,利用者が使用した電気機器の現在の消費電力の状況を取得する(ステップS22)。
照合判定部17は,取得された現在の予定が,あらかじめ決められた特定の予定であるかを判定する(ステップS23)。
取得された現在の予定が特定の予定であれば(ステップS23のYES),照合判定部17は,規則情報記憶部16に記憶された規則情報から,取得された現在の予定に応じた規則性を取得する(ステップS24)。照合判定部17は,取得された現在の消費電力の状況が,取得された規則性に一致するかを判定する(ステップS25)。
取得された現在の消費電力の状況が取得された規則性に一致すると判定されれば(ステップS25のYES),照合判定部17は,ステップS20に戻って,次のタイミングを待つ。ここでは,特定の予定と消費電力の状況との対応が規則性に一致するときには,利用者への無用な通知が行われない。
取得された現在の消費電力の状況が取得された規則性に一致すると判定されなければ(ステップS25のNO),通知部18は,利用者への通知を行う(ステップS29)。ここでは,利用者が使用する情報機器40に対して,利用者が特定の予定を忘れている可能性がある旨を警告する通知を送る。照合判定部17は,ステップS20に戻って,次のタイミングを待つ。
取得された現在の予定が特定の予定でなければ(ステップS23のNO),照合判定部17は,規則情報記憶部16に記憶された規則情報で,取得された現在の消費電力の状況に応じた規則性を探索する(ステップS26)。照合判定部17は,規則情報記憶部16に記憶された規則情報に,取得された現在の消費電力の状況に応じた規則性があるかを判定する(ステップS27)。
取得された現在の消費電力の状況に応じた規則性がなければ(ステップS27のNO),照合判定部17は,ステップS20に戻って,次のタイミングを待つ。
取得された現在の消費電力の状況に応じた規則性があれば(ステップS27のYES),照合判定部17は,規則情報記憶部16に記憶された規則情報から,取得された現在の消費電力の状況に対応する特定の予定を取得する(ステップS28)。
通知部18は,利用者への通知を行う(ステップS29)。ここでは,利用者が使用する情報機器40に対して,利用者が取得された特定の予定をスケジュールに入力し忘れている可能性がある旨を警告する通知を送る。照合判定部17は,ステップS20に戻って,次のタイミングを待つ。
以上説明した本実施の形態のスケジュール管理装置10によって,利用者がスケジュールの予定に基づいて的確に行動できるように支援することが可能となる。
スケジュールに予定があるときの利用者の行動状況が,利用者が使用する電気機器の消費電力の状況から推定されるので,スケジュールの予定に対する利用者の行動を柔軟に推定することが可能である。
また,例えば,電力センサ付のコンセント30をマルチタップを用いて複数の電気機器で共有する場合でも,コンセント30で計測される消費電力にそれらの複数の電気機器のオン/オフのパターンが反映されるので,様々なケースに対して柔軟に対応することが可能である。
また,スケジュールの予定と利用者の行動が対応しないと推定される消費電力の状況でのみ通知が行われるので,すでにスケジュールの予定に応じた行動を起こしている利用者に対して無用な通知を行わないで済む。
また,省電力化を図るためにコンセント30の消費電力を監視するシステムが導入されている場合には,そのシステムを利用して消費電力の状況を取得して利用者の行動を推定できる。人感センサなどの人の行動を計測するためだけの装置を無駄に設置する必要がないため,本実施の形態によるスケジュール管理の実現コストが安く済む。
以上,本実施の形態について説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
例えば,本実施の形態では,スケジュール管理装置10が,取得したスケジュール情報や電力情報を,自身が管理する記憶部であるスケジュール情報記憶部141や電力情報記憶部142に記憶して保存している。スケジュール管理装置10が,自らスケジュール情報や電力情報の記憶保存を行わずに,他が管理する記憶部で管理されているスケジュール情報や電力情報を,必要なときに必要な分だけ取得するようにしてもよい。
例えば,スケジューラ20が,過去の分も含めて,スケジュール情報をまとめて管理・保持しているものとする。また,消費電力の監視システムが,過去の分も含めて,各コンセント30で計測された消費電力の電力情報をまとめて管理・保持しているものとする。スケジュール管理装置10と,スケジューラ20,消費電力の監視システムとは,互いに連携して動作可能であるものとする。
このとき,例えば,スケジュールにおける予定と計測される消費電力との対応の規則性を求める際に,スケジュール管理装置10は,スケジューラ20から必要な分の過去のスケジュール情報を取得し,消費電力の監視システムから必要な分の過去の電力情報を取得する。また,例えば,現在のスケジュールの予定と計測された現在の消費電力の状況との対応とを判定する際に,スケジュール管理装置10は,スケジューラ20から現在のスケジュール情報を取得し,消費電力の監視システムから現在の電力情報を取得する。
また,本実施の形態では,利用者に割り当てられたすべてのコンセント30ごとの消費電力の状況を組み合わせた情報で統計を行っているが,コンセント30ごとに消費電力の統計を取ってから,コンセント30ごとの統計結果を組み合わせてもよい。このとき,規則性が見られるコンセント30についてのみ消費電力の状況を登録し,規則性が見られないコンセント30については,任意の消費電力の状況を示す情報を登録することもできる。
例えば,スケジュールの打合せの予定時に,ノートPCが電源接続されたコンセント30とLCDが電源接続されたコンセント30については,規則性が見られるが,デスクトップPCが接続されたコンセント30には規則性が見られないという可能性もある。このとき,規則性が見られるコンセント30についてのみ,統計で得られた消費電力の状況を規則情報に記録し,規則性が見られないコンセントについては,任意の消費電力の状況を示す値を規則情報に記録する。照合判定部17による判定では,統計で消費電力の状況に規則性が見られたコンセント30についてのみ,照合を行うようにする。
また,本実施の形態では,消費電力の状況が“通常使用電力”,“大幅ダウン”,“0”の3段階で表現されているが,消費電力の状況をさらに細かく表現してもよい。例えば,統計手法を用いて該当コンセント30の該当予定における最も確からしい消費電力の値を求め,その値を消費電力の状況として規則情報に登録してもよい。例えば,図9に示す例を含む統計結果から,打合せの予定時における,LCDの最も確からしい消費電力として4Wが得られたものとする。このとき,学習部15は,規則情報の打合せの予定に対応するコンセントID“outlet02”のコンセント30の消費電力状況として,得られた4Wの値を登録する。照合判定部17による判定では,現在の打合せの予定に対して,コンセントID“outlet02”のコンセント30の消費電力が,規則情報に記録された4Wの近傍の所定範囲の値である場合に,そのコンセント30については,規則性と一致すると判断できる。