JP5633665B2 - 防錆剤および表面処理金属材 - Google Patents

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Description

本発明は、防錆剤および表面処理金属材に関し、さらに詳しくは、自動車用電線における導体や端子などの金属表面に塗布するものとして好適な防錆剤と、これを用いた表面処理金属材に関するものである。
従来、様々な分野において金属材料が用いられており、産業上、金属材料は重要な役割を担っている。しかしながら、金属材料は、錆びやすい性質を有しており、長期にわたって安定してその役割を果たすためには、防錆処理を施す必要がある。そのため、従来より、種々の金属材料に対して、その金属種に応じた種々の防錆方法が提案されている。
金属材料の防錆方法としては、例えば、金属表面にめっきを施す方法や、金属表面を塗装する方法などが良く知られている。これらの方法は、金属表面に皮膜を形成し、金属表面を物理的に覆うことにより、水や酸素等といった錆びの原因となる因子の侵入を防ぎ、これにより防錆効果を発揮している。しかしながら、めっきや塗装は、大がかりな方法になりやすい。
これに対し、比較的簡易な防錆方法としては、防錆剤を金属表面に塗布する方法が知られている。例えば、各種ワセリンやグリース等を金属表面に塗布する方法が知られている。また、特許文献1には、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に防錆剤を塗布する方法であるが、特定のポリアミノ化合物を有機高分子樹脂マトリックスとした高分子キレート化剤による皮膜を金属表面に形成する方法が開示されている。
特開平11−166151号公報
しかしながら、従来の防錆剤で金属表面に塗布して用いるものは、いずれも金属表面に連続する皮膜を形成し、金属表面を物理的に覆うことにより、防錆効果を発揮する構成のものであった。そのため、金属表面から流出しやすかった。その結果、金属表面の欠陥部分などから局所的に腐食が起こり、錆が発生するおそれがあった。また、異種金属接触部においては、異種金属接触腐食が起こりやすくなり、錆が発生するおそれがあった。
さらに、従来の防錆剤で金属表面に塗布して用いるものにおいては、経時劣化を抑制し、長期にわたって防錆効果を維持するための改良が行なわれているものはなかった。
本発明が解決しようとする課題は、経時劣化を起こしにくく、長期にわたって優れた防錆効果を発揮できる防錆剤と、これを用いた表面処理金属材を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る防錆剤は、分子構造中に疎水基とキレート基とを有する化合物よりなる第一成分と、第一成分の疎水基と同一または類似の構造を有する化合物よりなる第二成分とを含有することを要旨とするものである。
第一成分の疎水基としては、炭素数が8〜30の範囲内にあるアルキル基が好ましい。第一成分のアルキル基は鎖状でも環状でも良い。第二成分は、第一成分のアルキル基と同一または類似のアルキル基を有する化合物よりなることが好ましい。第二成分は、第一成分のアルキル基と対応する鎖状または環状のアルキル基を有することが好ましく、第二成分のアルキル基は、炭素数が8〜30の範囲内にあることが好ましい。
また、第二成分は、第一成分の疎水基と同一または類似の構造を有するカルボン酸またはアルコールよりなることが好ましい。
本発明に係る防錆剤においては、さらに、第一成分の疎水基と相溶可能な、ワックスおよび/またはエチレン系共重合体よりなる第三成分を含有していても良い。
キレート基としては、ポリリン酸塩、アミノカルボン酸、1,3−ジケトン、アセト酢酸(エステル)、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、芳香族複素環式塩基類、フェノール類、オキシム類、シッフ塩基、テトラピロール類、イオウ化合物、合成大環状化合物、ホスホン酸、および、ヒドロキシエチリデンホスホン酸から選択された1種または2種以上のキレート配位子に由来するものを好適に示すことができる。
疎水基とキレート基とは、エステル結合、エーテル結合、チオエステル結合、チオエーテル結合、および、アミド結合から選択された1種または2種以上の結合を介して結合されていると良い。
第一成分は中性化合物であると良い。
本発明に係る防錆剤は、金属表面塗布用の防錆剤に好適である。
本発明に係る表面処理金属材は、上記防錆剤を金属材の表面に塗布してなることを要旨とするものである。
金属材としては、アルミニウム、鉄、銅、錫、金、ニッケル、クロム、亜鉛、アルミニウム合金、鉄合金、および、銅合金から選択された1種または2種以上の金属よりなるものを好適に示すことができる。金属材は、表面を、錫、金、ニッケル、クロム、亜鉛、および、銅から選択された1種または2種以上の金属によりめっきされたものであっても良い。
本発明に係る防錆剤は、分子構造中に疎水基とキレート基とを有する化合物よりなる第一成分と、この第一成分の疎水基と同一または類似の構造を有する化合物よりなる第二成分とを含有することにより、金属表面に強く密着して流出しにくく、また、経時劣化を起こしにくく、長期にわたって優れた防錆効果を発揮できる。
防錆剤の経時劣化が抑制できるのは、防錆剤中で第一成分と第二成分とが相互作用することにより、防錆剤全体が非晶質化あるいは結晶微細化され、金属表面上で防錆剤が緻密な膜として維持されるためと推察される。
本発明に係る防錆剤において、第一成分の疎水基が特定のアルキル基よりなると、金属表面に高い撥水性を付与できる。この高い撥水性により、防錆剤を塗布した金属表面への水の侵入がより一層抑えられる。したがって、キレート基による金属表面への密着性と相まって、長期にわたって優れた防錆効果を発揮できる。
本発明に係る防錆剤において、第二成分が、第一成分のアルキル基に対応する特定のアルキル基を有すると、金属表面上で防錆剤が緻密な膜として維持される効果に優れる。また、第二成分が、第一成分の疎水基と同一または類似の構造を有するカルボン酸またはアルコールよりなると、特に、第一成分と第二成分とが相互作用しやすく、金属表面上で防錆剤が緻密な膜として維持されやすい。
本発明に係る防錆剤が、さらに、第一成分の疎水基と相溶可能な、ワックスおよび/またはエチレン系共重合体よりなる第三成分を含有する場合には、柔軟性にも優れるため、例えば車載された電線の導体や端子などの金属部に用いた場合に、振動や冷熱サイクルによっても防錆剤の塗布表面に割れが生じにくい。これにより、車載環境下において、長期的に優れた防錆効果を維持できる。
本発明に係る防錆剤において、第一成分のキレート基が特定のキレート基よりなると、金属表面と結合する効果が高いため、防錆剤の密着性に優れる。これにより、長期的に優れた防錆効果を維持できる。そして、疎水基とキレート基とが特定の結合を介して結合されている場合には、合成が容易であり、汎用性に優れる利点がある。
本発明に係る防錆剤において、第一成分が中性化合物であると、例えば防錆剤が目的の塗布面以外の部分に付着したとしても、腐食あるいは人体への影響を抑えることができるため、安全性に優れる。また、中性であることから環境の影響も受けにくく、保存安定性にも優れる。
そして、本発明に係る表面処理金属材によれば、上記防錆剤を金属材の表面に塗布するため、長期間にわたって安定して防錆効果を発揮することができる。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明に係る防錆剤は、分子構造中に疎水基とキレート基とを有する化合物よりなる第一成分と、この第一成分の疎水基と同一または類似の構造を有する化合物よりなる第二成分とを含有するものからなる。
第一成分は、防錆能を発揮する防錆成分となる。第一成分において、キレート基は、防錆剤を塗布する金属表面と結合形成する部位である。キレート基が金属表面と結合することにより、防錆剤が熱や溶剤等により容易に揮発や溶出しないようになる。これにより、長期間にわたって安定して防錆効果を発揮することが可能である。キレート基が金属表面と結合形成してキレート結合に変化していることは、例えば多重全反射赤外吸収法(ATR−IR)や顕微IRなどで確認することができる。
第一成分において、疎水基は、金属表面と結合形成しているキレート基から外側に張り出すように配置される。疎水基は、金属表面への水の侵入を防ぐために、金属表面と結合形成しているキレート基の上に撥水性を持たせるものである。すなわち、単に金属表面を物理的に覆うことにより防錆効果を発揮するだけではなく、疎水基の撥水効果により金属表面への水の侵入を防ぐことによっても防錆効果を発揮する。
第一成分において、疎水基としては、アルキル基を挙げることができる。アルキル基の炭素数は、疎水性に優れるなどの観点から、8以上が好ましい。また、防錆剤を塗布する金属表面に対する親和性と疎水性とのバランスなどの観点から、30以下が好ましい。より好ましくは、金属表面に対する親和性と疎水性とのバランスの観点から、12〜26の範囲内である。さらに好ましくは、16〜24の範囲内である。
第一成分において、アルキル基としては、鎖状アルキル基でも良いし、環状アルキル基でも良い。鎖状アルキル基としては、直鎖状アルキル基でも良いし、分岐状アルキル基でも良い。第一成分は、鎖状アルキル基および環状アルキル基のいずれか一方を有していても良いし、両方を有していても良い。アルキル基としては、より好ましくは、疎水性に優れるなどの観点から、直鎖状アルキル基である。アルキル基中にフッ素原子が導入されている場合には、さらに撥水効果に優れる。
第一成分において、アルキル基としては、金属表面に対する親和性と疎水性とのバランスなどの観点から、特に好ましくは、オクタデシル基、ドコシル基である。
アルキル基は、鎖状あるいは環状のアルキル化合物を用いて導入可能である。アルキル化合物としては、例えば、アルキルカルボン酸や、アルキルカルボン酸エステル、アルキルカルボン酸アミドなどのアルキルカルボン酸誘導体、アルキルアルコール、アルキルチオール、アルキルアルデヒド、アルキルエーテル、アルキルアミン、アルキルアミン誘導体、アルキルハロゲンなどを例示することができる。これらのうち、キレート基を導入しやすい点などから、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸誘導体、アルキルアルコール、アルキルアミンが好ましい。
鎖状アルキル化合物としては、より具体的には、例えば、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸、テトラドコサン酸、ヘキサドコサン酸、オクタドコサン酸、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テトラドコサノール、ヘキサドコサノール、オクタドコサノール、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ドデシルカルボン酸クロリド、ヘキサデシルカルボン酸クロリド、オクタデシルカルボン酸クロリドなどを例示することができる。
これらのうち、入手が容易である点などにおいては、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、オクタデカノール、ドコサノール、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ドデシルカルボン酸クロリド、オクタデシルカルボン酸クロリドが好適である。
環状アルキル化合物としては、例えば、シクロアルキル化合物や、ステロイド骨格を有する化合物、アダマンタン骨格を有する化合物などを例示することができる。この際、これらの化合物には、キレート配位子との結合形成が可能であるなどの観点から、カルボン酸基、水酸基、酸アミド基、アミノ基、チオール基などが導入されていることが好ましい。
環状アルキル化合物としては、より具体的には、コール酸、デオキシコール酸、アダマンタンカルボン酸、アダマンタン酢酸、シクロヘキシルシクロヘキサノール、シクロペンタデカノール、イソボルネオール、アダマンタノール、メチルアダマンタノール、エチルアダマンタノール、コレステロール、コレスタノール、シクロオクチルアミン、シクロドデシルアミン、アダマンタンメチルアミン、アダマンタンエチルアミンなどを例示することができる。これらのうち、入手が容易である点などにおいては、アダマンタノール、コレステロールが好適である。
第一成分において、キレート基は、キレート配位子を用いて導入可能である。好ましいキレート配位子としては、1,3−ジケトン(β−ジケトン)や3−ケトカルボン酸エステル(アセト酢酸エステル等)などのβ−ジカルボニル化合物、ポリリン酸塩、アミノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、芳香族複素環式塩基類、フェノール類、オキシム類、シッフ塩基、テトラピロール類、イオウ化合物、合成大環状化合物、ホスホン酸、ヒドロキシエチリデンホスホン酸などを挙げることができる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
キレート配位子としては、より具体的には、ポリリン酸塩としては、トリポリリン酸ナトリウムやヘキサメタリン酸などを例示することができる。アミノカルボン酸としては、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、エチレンジアミン四酢酸、N−ヒドロキシメチルエチレンジアミン三酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジアミノシクロヘキシル四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸、ヘキサメチレンジアミンN,N,N,N−四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ポリ(p−ビニルベンジルイミノ二酢酸)などを例示することができる。
1,3−ジケトンとしては、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、テノイルトリフルオロアセトンなどを例示することができる。また、アセト酢酸エステルとしては、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸ヒドロキシプロピルなどを例示することができる。ヒドロキシカルボン酸としては、N−ジヒドロキシエチルグリシン、エチレンビス(ヒドロキシフェニルグリシン)、ジアミノプロパノール四酢酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などを例示することができる。ポリアミンとしては、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、トリアミノトリエチルアミン、ポリエチレンイミンなどを例示することができる。アミノアルコールとしては、トリエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ポリメタリロイルアセトンなどを例示することができる。
芳香族複素環式塩基としては、ジピリジル、o−フェナントロリン、オキシン、8−ヒドロキシキノリンなどを例示することができる。フェノール類としては、5−スルホサリチル酸、サリチルアルデヒド、ジスルホピロカテコール、クロモトロプ酸、オキシンスルホン酸、ジサリチルアルデヒドなどを例示することができる。オキシム類としては、ジメチルグリオキシム、サリチルアドキシムなどを例示することができる。シッフ塩基としては、ジメチルグリオキシム、サリチルアドキシム、ジサリチルアルデヒド、1,2−プロピレンジミンなどを例示することができる。
テトラピロール類としては、フタロシアニン、テトラフェニルポルフィリンなどを例示することができる。イオウ化合物としては、トルエンジチオール、ジメルカプトプロパノール、チオグリコール酸、エチルキサントゲン酸カリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジチゾン、ジエチルジチオリン酸などを例示することができる。合成大環状化合物としては、テトラフェニルポルフィリン、クラウンエーテル類などを例示することができる。ホスホン酸としては、エチレンジアミンN,N−ビスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸などを例示することができる。
キレート配位子には、適宜ヒドロキシル基やアミノ基などを導入することも可能である。キレート配位子は、塩として存在可能なものもある。この場合、塩の形態で用いても良い。また、キレート配位子またはその塩の水和物や溶媒和物を用いても良い。さらに、キレート配位子には、光学活性体のものも含まれているが、任意の立体異性体、立体異性体の混合物、ラセミ体などを用いても良い。
キレート配位子としては、より好ましくは、分子構造中に酸構造および塩基構造を有しておらず、中性化合物であり、安全性、保存安定性に優れるなどの観点から、1,3−ジケトンおよび3−ケトカルボン酸エステルなどのβ−ジカルボニル化合物である。
第一成分は、キレート基を有するものであるが、酸性、アルカリ性、中性のいずれであっても良い。好ましくは中性である。第一成分が中性化合物である場合には、例えば防錆剤が目的の塗布面以外の部分に付着したとしても、防錆剤による付着部分の腐食は発生しにくい。また、仮に防錆剤が人体の皮膚等に付着した場合にも、肌荒れ等の人体への影響も少ない。すなわち、安全性に優れる。さらに、酸性化合物やアルカリ性化合物と比較しても環境の影響を受けにくい。そのため、保存安定性にも優れる。
中性化合物としては、分子構造中に酸構造および塩基構造を有しない化合物(この場合には、キレート基中にも酸構造および塩基構造を有していない。)や、分子構造中に酸構造および塩基構造を有しているが、中性に保っている化合物などを挙げることができる。
中性化合物とは、pHが6〜8程度の範囲内にあるものとすることができる。化合物のpHは、一般的なpH測定器を用いて測定したものであっても良いし、pH試験紙を用いて測定したものであっても良い。pH測定条件は、通常の測定条件に従うことができる。
第一成分において、疎水基とキレート基とは、エステル結合、エーテル結合、チオエステル結合、チオエーテル結合、アミド結合などの結合を介して結合されていることが好ましい。これらの結合を介して疎水基とキレート基とが結合されている構造のものは、縮合反応等により容易に合成することができる。
本発明に係る防錆剤は、例えば、疎水基を有する化合物と、キレート基を有するキレート配位子とを接触させることにより得ることができる。より具体的には、疎水基を有する化合物と、キレート基を有するキレート配位子とを縮合反応させることにより得ることができる。
例えば、上記疎水基を有する化合物がカルボキシル基またはヒドロキシル基を有し、上記キレート配位子がヒドロキシル基またはカルボキシル基を有している場合には、上記疎水基とキレート基とがエステル結合を介して結合されているものを得ることができる。また、例えば、上記疎水基を有する化合物がカルボキシル基またはアミノ基を有し、上記キレート配位子がアミノ基またはカルボキシル基を有している場合には、上記疎水基とキレート基とがアミド結合を介して結合されているものを得ることができる。
第一成分の分子量としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、100〜1500の範囲内であり、より好ましくは、200〜800の範囲内である。
第一成分の一例を構造式で表すと、例えば、以下のようになる。
Figure 0005633665
ただし、式(1)において、Rは、上記鎖状アルキル基または上記環状アルキル基を示し、Xは、エステル結合部位、エーテル結合部位、チオエステル結合部位、または、アミド結合部位を示し、Yは、上記キレート基を示している。すなわち、上記鎖状アルキル基または上記環状アルキル基と上記キレート基とが、エステル結合、エーテル結合、チオエステル結合、または、アミド結合を介して結合されている。
第一成分のうち好適な化合物としては、より具体的には、例えば、tert−ブチルアセトアセテートとステアリルアルコールとの縮合反応生成物、tert−ブチルアセトアセテートとドコサノールとの縮合反応生成物、tert−ブチルアセトアセテートとオクタデシルアルコールとの縮合反応生成物、tert−ブチルアセトアセテートとコレステロールとの縮合反応生成物、tert−ブチルアセトアセテートと1−アダマンタノールとの縮合反応生成物、エチレンジアミン四酢酸二無水物とオクタデシルアルコールとの縮合反応生成物、ジエチレントリアミン五酢酸二無水物とドコサノールとの縮合反応生成物、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸とステアロイルクロライドとの縮合反応生成物、N−(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸とステアロイルクロライドとの縮合反応生成物、ジアミノプロパノール四酢酸とステアロイルクロライドとの縮合反応生成物、1−ヒドロキシエタン−1,1−ビスホスホン酸とステアロイルクロライドとの縮合反応生成物、エチレンジアミン四酢酸二無水物とコレステロールとの縮合反応生成物、ジエチレントリアミン五酢酸二無水物と1−アダマンタノールとの縮合反応生成物などを挙げることができる。
本発明において、第二成分は、第一成分の疎水基と同一または類似の構造を有する化合物よりなる。第一成分の疎水基が鎖状アルキル基である場合には、第二成分は鎖状アルキル基を有する化合物よりなる。第一成分の疎水基が環状アルキル基である場合には、第二成分は環状アルキル基を有する化合物よりなる。第一成分の疎水基が直鎖状アルキル基である場合には、第二成分は直鎖状アルキル基を有する化合物よりなる。第一成分の疎水基が分岐状アルキル基である場合には、第二成分は分岐状アルキル基を有する化合物よりなる。また、第一成分の疎水基が炭素数8〜30の範囲内にあるアルキル基である場合には、第二成分は炭素数8〜30の範囲内にあるアルキル基を有する化合物よりなる。
本発明に係る防錆剤は、第一成分と第二成分とを含有するものである。例えば第一成分のみからなる防錆剤の場合には、本発明に係る防錆剤と比較して、防錆効果の持続性に劣ることがある。その理由は、次のように推察される。
すなわち、第一成分のみからなる防錆剤の場合には、金属表面に塗布すると、塗布後、時間の経過とともにゆるやかに結晶化が始まり、粗大な結晶となりやすい。そうすると、結晶と結晶の界面に隙間が生じ、防錆剤により形成された膜の表面に細孔が発生する。この細孔は水分の侵入経路になり得るため、この侵入経路を通って金属表面に水分が達すると、腐食の発生が起こる。第一成分のみからなる防錆剤の場合には、このようにして経時劣化が起こるため、防錆効果の持続性に劣るものと推察される。
これに対し、本発明に係る防錆剤では、第一成分のみからなる防錆剤と比較して、経時劣化が起こりにくい。これは、防錆剤中で第一成分と第二成分とが相互作用することにより、防錆剤全体が非晶質化あるいは結晶微細化される結果、金属表面上で防錆剤が緻密な膜として維持されるためと推察される。
第二成分は、第一成分の疎水基と同一または類似の構造を有するカルボン酸またはアルコールよりなることが好ましい。この場合には、特に、第一成分と第二成分とが相互作用しやすく、金属表面上で防錆剤が緻密な膜として維持されやすい。
第二成分の含有量は、防錆能に優れるなどの観点から、第一成分100質量部に対して、1〜20質量部の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、第二成分の含有量は3〜10質量部の範囲内である。第二成分の含有量が1質量部未満では、金属表面上で防錆剤が緻密な膜として維持される効果が低下しやすい。第二成分の含有量が20質量部超では、第一成分の含有量が相対的に少なくなるため、防錆効果が低下しやすい。
本発明に係る防錆剤は、さらに、第一成分の疎水基と相溶可能な、ワックス、エチレン系共重合体よりなる第三成分を含有していても良い。第三成分としては、ワックスおよびエチレン系共重合体のどちらか一方であっても良いし、両方であっても良い。また、上記成分以外に、優れた防錆性能や長期にわたって防錆性を維持する効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分を適宜添加することができる。他の成分としては、例えば、粘着付与剤、酸化防止剤、導電性付与剤、色素、顔料などが挙げられる。
本発明に係る防錆剤において、第三成分は、防錆剤に柔軟性や増粘性などを付与する成分となる。これにより、熱による流出や、振動、冷熱サイクルによる割れを防止できる。さらに、塗布等しやすくするための性状を調整する役割も担うことができる。また、第一成分の疎水基と相溶するものであるため、第一成分との混ざりが良く、かつ、第一成分のキレート基との相互作用が抑制され、第一成分のキレート基の機能を妨げにくい。なお、第三成分自体には、防錆能があっても良いし、防錆能がなくても良い。
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素等を示すことができる。エチレン系共重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体等を示すことができる。これらは、1種のみ用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
第三成分の含有量は、5〜70質量%の範囲内であることが好ましい。第三成分がワックスとエチレン系共重合体の両方を含有する場合には、両者を併せた量が5〜70質量%の範囲内であることが好ましい。第三成分の含有量が5質量%未満では、防錆剤に柔軟性や増粘性を付与する効果が低下しやすい。第三成分の含有量が70質量%超では、防錆効果が低下しやすい。第三成分の含有量は、より好ましくは10〜50質量%の範囲内である。
粘着付与剤は、防錆剤に粘着性を付与する成分である。粘着付与剤により、防錆剤を塗布する金属表面との密着性を向上させることができる。また、防錆剤の柔軟性を高める効果もある。粘着付与剤は、ゴム、プラスチック等のポリマに粘着性を付与するために配合剤として用いられるものであればいずれであっても良い。具体的には、例えばロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂等を挙げることができる。これらは、1種のみ用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
粘着付与剤の含有量は、粘着付与剤を除く成分100質量部に対して1〜20質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、粘着付与剤を除く成分100質量部に対して5〜15質量部の範囲内である。粘着付与剤の含有量が1質量部未満では、金属表面との密着性を向上させる効果や防錆剤の柔軟性を高める効果が低くなりやすい。一方、粘着付与剤の含有量が20質量部超では、防錆効果が低下しやすい。
本発明に係る防錆剤は、例えば、金属材料の金属表面に塗布するものとして好適に用いることができる。金属材料としては、例えば、自動車等の車両における電線、ケーブル、コネクタ、ボディ等や、高圧電力ケーブル、電気・電子機器部品などを好適に示すことができる。特に、高温に曝されやすく、また、振動、冷熱サイクルが生じる車載環境下おいて用いられる自動車用の電線、ケーブル、コネクタなどの金属材料を好適に示すことができる。金属種としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、金、ニッケル、クロム、亜鉛、アルミニウム合金、鉄合金、銅合金などを例示することができる。これらは、1種のみであっても良いし、2種以上組み合わされたものであっても良い。また、金属材料は、表面を錫、金、ニッケル、クロム、亜鉛、銅等によりめっきされたものであっても良い。
本発明に係る防錆剤を、例えば金属表面に塗布して用いる場合には、上述する各成分の混合物を直接金属表面に塗布する。この際、塗布方法としては、塗布法、浸漬法、スプレー法等の任意の方法を採用できる。また、スクイズコーター等による塗布処理、浸漬処理またはスプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。塗布する場合、密着性、耐食性を向上させるため、必要に応じて加温または圧縮などの処理を施すことができる。
本発明に係る防錆剤は、熱等により容易に流出しないために、所定の粘度を有することが好ましい。例えば車載用の部材に塗布するものとしては、80℃における溶融粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。80℃における防錆剤の溶融粘度が1000mPa・s以上であるためには、第三成分の含有量は5〜70質量%の範囲内にあることが好ましい。また、粘着付与剤の含有量は1〜20質量部の範囲内にあることが好ましい。
本発明に係る防錆剤は、分子構造中に疎水基とキレート基とを有する化合物の化学的作用(キレート基による密着性や疎水基による撥水性など)と、塗布等により容易に形成できる厚膜の物理的作用により、例えば自動車用電線の端子圧着部のような複雑な構造においても優れた防錆効果を得ることができる。
次に、本発明に係る表面処理金属材について説明する。本発明に係る表面処理金属材は、上記本発明に係る防錆剤を金属材の表面に塗布したものからなる。金属材は、アルミニウム、鉄、銅、錫、ニッケル、金、クロム、亜鉛、アルミニウム合金、鉄合金、銅合金などの金属よりなるものであることが好ましい。金属材は、上記金属のうちの1種よりなるものであっても良いし、2種以上よりなるものであっても良い。また、金属材は、上記金属よりなる母材の表面を、錫、ニッケル、金、クロム、亜鉛、銅などの金属によりめっきされたものであっても良い。めっき材は、上記金属の1種であっても良いし、2種以上であっても良い。防錆剤の塗布方法としては、上記する塗布方法であれば良い。
本発明に係る表面処理金属材としては、例えば、自動車等の車両における電線、ケーブル、コネクタ、ボディ等の金属部分や、高圧電力ケーブル、電気・電子機器部品などの金属部分を好適に示すことができる。コネクタにおいては、例えば端子圧着部などを示すことができる。端子圧着部では、端子と電線とが同種の金属であっても良いし、異種の金属であっても良い。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(供試材料および製造元など)
本実施例および比較例において使用した供試材料を製造元、商品名などとともに示す。また、一部のものについては、実験室にて合成したものを用いた。合成品については、以下に、その合成方法と、構造式、および、同定データを示す。
(A)第一成分
・St−AA(式(2)の化合物)の合成
tert−ブチルアセトアセテート5g(31.6mmol)とステアリルアルコール8.5g(31.4mmol)をトルエン50mLに溶解し、攪拌しながら110℃まで加温し、副生成物のtert−ブタノールをDean−Starkトラップにて除きながら2時間反応させた。反応終了後、減圧濃縮し、白色のワックス状組成物を得た。そこに冷水20mLを加え固化させ、ろ取し目的物を得た(収率75%)。1H−NMR(CDCl)σppm(TMS):0.89(t,3H)、1.26(m,32H)、1.64(m,2H)、2.27(s,3H)、3.44(s,2H)、4.13(t,2H)。IR(cm−1):2924(C−H伸縮)、1745、1720(βジケトン、エノール体)、1642(βジケトン、エノール体)、1420(カルボン酸のC−O伸縮)。
Figure 0005633665
但し、R2はオクタデシル基である。
・DOC−AA(式(3)の化合物)の合成
ステアリルアルコールに代えて、ドコサノール10.3g(31.5mmol)を用いたこと以外、上記St−AAと同様にして合成した。(収率78%)。1H−NMR(CDCl)σppm(TMS):0.89(t,3H)、1.27(m,38H)、1.64(m,2H)、2.25(s,3H)、3.44(s,2H)、4.10(t,2H)。IR(cm−1):2922(C−H伸縮)、1745、1721(βジケトン、エノール体)、1650(βジケトン、エノール体)、1425(カルボン酸のC−O伸縮)。
Figure 0005633665
但し、R3はドコシル基である。
(B)第二成分
・ステアリン酸(試薬)
・ステアリルアルコール(試薬)
・ドコサノール(試薬)
・ドコサン酸(試薬)
(C)第三成分
・ワックス[三井化学社製、商品名「ハイワックス 2203A」]
・エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)[Aldrich社製、試薬]
(防錆剤の調製)
表1に記載の組成となるように、第一成分と、必要に応じて添加された第二成分、第三成分とを120℃加熱条件下で攪拌子を用いて15分間攪拌して混合した。これにより、防錆剤を調製した。なお、表1において、第二成分は、第一成分100質量部に対する割合(質量部)で示している。また、表1において、第一成分と第三成分は、質量%で示しており、両者を併せて100質量%となっている。
(防錆剤の塗布方法)
調製した各防錆剤6mgを、スズメッキを施した銅端子を圧着したアルミ電線(0.75mm)の端子圧着部に塗布した。110℃程度に加熱した端子圧着部に、防錆剤の塊を乗せて溶融し、塗布した。また、同様にして、黄銅板上(10mm×10mm)にも防錆剤を塗布した。
(防錆評価)
端子圧着部の防錆剤を塗布した部分に塩水噴霧試験を行ない、塩水噴霧試験前後における抵抗上昇により防錆評価を行なった。塩水噴霧試験条件としては、5%塩化ナトリウム水溶液を用い、35℃雰囲気下で96時間放置とした。
(表面観察方法)
黄銅板の防錆剤を塗布した表面を、レーザ顕微鏡を用いて観察した。観測された細孔の分布密度は、10mm×10mmの範囲内のものである。また、このときの細孔深さは、レーザ顕微鏡の表面形状測定機能を用いて測定した。
Figure 0005633665
参考例はいずれも第二成分を含まないものである。これに対し、実施例はいずれも第一成分と第二成分を含むものである。表1の表面観察結果から、実施例は、細孔の分布密度が小さく、細孔の深さが浅くなっており、金属表面上で防錆剤が緻密な膜として維持されていることが確認できた。これに対し、参考例は、実施例よりも細孔の分布密度が大きく、また、細孔の深さが深くなっている。
また、表1の防錆評価から、実施例は、抵抗上昇が小さく、防錆性能に優れるとともに時間経過による防錆性能の低下が抑えられていることが確認できた。これに対し、参考例は、実施例よりも抵抗上昇が大きくなっている。
また、実施例において、第二成分の含有量が第一成分100質量部に対して1〜20質量部の範囲内にあるものは、特に表面の分布密度が小さく、細孔の深さが浅くなっており、また、特に抵抗上昇が小さくなっている。そのため、第二成分の含有量がこの範囲内にあるものは、特に、金属表面上で防錆剤が緻密な膜として維持されやすく、また、防錆性能に優れるとともに時間経過による防錆性能の低下が抑えられやすいといえる。
さらに、実施例23〜26から、本発明に係る防錆剤は、柔軟成分を含んでいる場合にも、金属表面上で防錆剤が緻密な膜として維持され、また、防錆性能に優れるとともに時間経過による防錆性能の低下が抑えられることが確認できた。そして、このように柔軟成分を含んでいることから、例えば車載環境下において振動や冷熱サイクルが生じたときにも防錆剤表面に割れは発生しにくいと推察される。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (4)

  1. 炭素数8〜30の範囲内にある鎖状アルキルのアセト酢酸エステルよりなる第一成分と、
    炭素数8〜30の範囲内にある鎖状アルキルのカルボン酸またはアルコールよりなる第二成分とを含有し、
    アルミニウム、鉄、銅、アルミニウム合金、鉄合金、および、銅合金から選択された1種または2種以上の金属よりなる金属材の表面、または、表面を、錫、ニッケル、金、クロム、亜鉛および、銅から選択された1種または2種以上の金属によりめっきされた前記金属材の表面に塗布するものであることを特徴とする防錆剤。
  2. さらに、ワックスおよび/またはエチレン系共重合体よりなる第三成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の防錆剤。
  3. 請求項1または2に記載の防錆剤を、アルミニウム、鉄、銅、アルミニウム合金、鉄合金、および、銅合金から選択された1種または2種以上の金属よりなる金属材の表面に塗布してなることを特徴とする表面処理金属材。
  4. 前記金属材は、表面を、錫、ニッケル、金、クロム、亜鉛、および、銅から選択された1種または2種以上の金属によりめっきされたものであることを特徴とする請求項に記載の表面処理金属材。
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