JP5632871B2 - 測定対象気体の測定方法及び測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象気体の測定方法及び測定システムに関する。
例えば、半導体等の電子デバイスの生産工程において、エッチング、製膜、洗浄等の作業で使用するガスは高い清浄度を維持することが要求されている。また、かかる電子デバイスの生産設備が設置されるクリーンルーム等についても、空気中に不純物元素が存在しないことが重要となっている。そのため、今日では、ガス中に微量に含まれる不純物元素を精度良く測定する方法が求められている。
従来、ガス中に微量に存在する元素の測定では、ガス中に浮遊するエアロゾルに含有されている多元素を高感度にリアルタイムでモニタリングする技術が開発されている。このような技術としては、例えば、高周波誘導結合プラズマ質量分析装置を用いて試料ガスに含まれる金属元素を直接分析する方法が発案されている(特許第4315348号公報、特許第4462575号公報参照)。
上記公報所載の方法は、高周波誘導結合プラズマ質量分析装置における測定精度を高めるべく、ガス置換装置によって試料ガスの気体成分と置換ガスとを置換している。そして、置換ガス中に含まれている微粒子(試料ガス中に含まれていた微粒子)を高周波誘導結合プラズマ質量分析装置によって分析し、微粒子に含まれる金属元素を測定している。
しかし、上記公報所載の方法は、試料ガス中に含まれる気体成分は上記ガス置換装置によって置換ガスに置換されてしまう。このため、アルシン(AsH)、ジボラン(B)、ホスフィン(PH)、ゲルマン(GeH)等の気体は上記公報所載の方法では的確に測定することができなかった。
特許第4315348号公報 特許第4462575号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、試料ガス中に含まれる気体成分も測定対象物とすることができる測定対象気体の測定方法及び測定システムを提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、
試料ガス中に含まれる気体状態の測定対象物を測定するための測定対象気体の測定方法であって、
試料ガスに反応ガスを加えることで測定対象物を固体状態又は液体状態の反応物とする工程と、
試料ガスに凝集用ガスを加えることで上記反応物を含有する凝集物を生成する工程と、
この凝集物を測定する工程と
を有することを特徴とする測定対象気体の測定方法である。
当該測定方法は、気体状態の測定対象物が反応ガスと反応することで固体状態又は液体状態の反応物となるので、従来の微粒子内の元素の測定装置等を用いて測定対象気体を測定することが可能となる。また、上記反応物が極めて微小な微粒子であっても、凝集用ガスによって凝集されるので、上記微粒子よりも大きな粒子(凝集物)とすることができ、上記測定装置による測定が容易且つ確実に行うことができる。
当該測定方法にあっては、上記凝集用ガスとして、上記反応ガスと反応することで凝集用粒子を生成可能なガスを用いることが好ましい。これによって、反応ガスと凝集用ガスとが反応して生成される凝集用粒子によって上記反応物を凝集物に凝集させることができる。このため、凝集用ガスと反応して凝集用粒子を生成するための他のガス等を用いる必要がなく、比較的簡単な構成で気体状態の測定対象物を凝集物とすることができる。
上記構成を採用した場合には、反応ガスとしてオゾンが用いられ、凝集用ガスとしてアンモニアが用いられることが好ましい。これによって、気体状態の測定対象物をオゾンによって酸化して固体状態又は液体状態の反応物とすることができる。また、オゾンとアンモニアとが反応することによって、凝集用粒子を生成することができる。そして、上記のように測定対象気体が酸化されて形成された反応物と凝集用粒子とが凝集して凝集物が生成され、この凝集物を測定することで、試料ガス中の測定対象気体を容易且つ確実に測定することができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
試料ガス中に含まれる気体状態の測定対象物を測定するための測定対象気体の測定システムであって、
試料ガスが流動する流路と、
この流路に測定対象物を固体状態又は液体状態の反応物にする反応ガスを加えるための反応ガス供給路と、
上記流路に上記反応物を含有する凝集物を生成可能な凝集用ガスを加えるための凝集用ガス供給路と、
上記凝集物を測定する測定手段と
を備えることを特徴とする測定対象気体の測定システムである。
当該測定システムは、試料ガスが流動する流路にある気体状態の測定対象物が反応ガス供給路から供給される反応ガスと反応することで固体状態又は液体状態の反応物となるので、従来の微粒子内の元素の測定装置等を用いて測定対象気体を測定することが可能となる。また、上記反応物が極めて微小な微粒子であっても、凝縮用ガス供給路から供給される凝集用ガスによって凝集されるので、上記微粒子よりも大きな粒子(凝集物)とすることができ、上記測定装置による測定が容易且つ確実に行うことができる。
当該測定システムにあっては、上記凝集用ガス供給路より供給される凝集用ガスとして、上記反応ガス供給路から供給される反応ガスと反応することで凝集用粒子を生成可能なガスを用いることが好ましい。これによって、反応ガスと凝集用ガスとが反応して生成される凝集用粒子によって上記反応物を凝集物に凝集させることができる。このため、凝集用ガスと反応して凝集用粒子を生成するための他のガス等を用いる必要がなく、比較的簡単な構成で気体状態の測定対象物を凝集物とすることができる。
上記構成を採用した場合には、反応ガス供給路から供給される反応ガスとして、オゾンが用いられ、凝集用ガス供給路から供給される凝集用ガスとしてアンモニアが用いられることが好ましい。これによって、気体状態の測定対象物をオゾンによって酸化して固体状態又は液体状態の反応物とすることができる。また、オゾンとアンモニアとが反応することによって、凝集用粒子を生成することができる。そして、上記のように測定対象気体が酸化されて形成された反応物と凝集用粒子とが凝集して凝集物が生成され、この凝集物を測定することで、試料ガス中の測定対象気体を容易且つ確実に測定することができる。
以上説明したように、当該測定対象気体の測定方法及び測定システムは、気体状態の測定対象物を固体状態又は液体状態の反応物とし、さらにこの反応物を凝集させることによって、容易且つ確実に試料ガス中の気体成分を測定することができる。
本発明の一実施形態に係る測定対象気体の測定システムを示すブロック図である。 図1の凝集物生成装置を示す模式図である。 図1の測定システムにおける測定対象気体の測定方法を示すフロー図である。 図1の測定システムとは異なる実施形態に係る測定システムを示すブロック図である。 本発明の実施例及び比較例で得られたアルシンの濃度とヒ素の信号強度を示すグラフである。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
〈測定システム1〉
図1の測定システム1は、試料ガスaに含まれる気体状態の測定対象物bを測定するための測定システムである。測定システム1は、凝集物生成装置2と、測定手段とを備え、この測定手段は、ガス置換装置3と分析装置4とを有している。測定システム1で測定する測定対象物bとしては、特に限定されないが、例えばアルシン(AsH)が挙げられる。
(凝集物生成装置2)
凝集物生成装置2は、凝集物を生成する装置であり、図2に示すように、主として流路5と、反応ガス供給路6と、凝集用ガス供給路7と、反応器8とを有している。
流路5は、試料ガスaを流動させる導管である。流路5の上流側には、試料ガスaを導入するためのポンプ9が連結されている。また、流路5の下流側には、反応器8が連結されている。ポンプ9としては、流路5に試料ガスaを導入できるものである限り特に限定されないが、ダイアフラムポンプが好適に用いられる。流路5の形成材料としては、種々のものが採用可能であり、例えばガラス管、テフロン(登録商標)等が用いられる。
反応ガス供給路6は、流路5に測定対象物bを固体状態の反応物にする反応ガスcを供給する導管である。ここで、反応ガスとしては、例えばオゾンが用いられる。反応ガス供給路6の一端は、流路5に連結されている。また、反応ガス供給路6の他端は、反応ガス供給装置10に連結されている。これにより、反応ガス供給路6は、反応ガス供給装置10から反応ガスcを流路5に供給することができる。なお、反応ガス供給路6の形成材料としては、種々のものが採用可能であり、流路5の形成材料と同様のものを用いることが可能である。
上記反応ガス供給装置10としては、反応ガスを貯留する例えばガスボンベ等の反応ガス貯留装置を採用可能である。また、反応ガス供給装置10としては、反応ガスを発生する反応ガス発生装置から構成することも可能であり、例えば酸素と低圧水銀ランプとを用いてオゾンを発生させるオゾン発生装置から構成することも可能である。
また、上記反応ガス供給路6には、反応ガスの流量を測定する流量計6aが配設されている。ここで、この流量計6aが反応ガスの流量を調整可能に設けられていることも可能であり、また上記反応ガス供給装置10が反応ガスの供給量を調節可能に設けられていることも可能である。
凝集用ガス供給路7は、流路5に反応物を含有する凝集物を生成可能な凝集用ガスdを供給する導管である。ここで、凝集ガスとしては、例えばアニモニアが用いられる。凝集用ガス供給路7の一端は、流路5に連結されている。ここで、凝集用ガス供給路7は、反応ガス供給路6よりも上流側で流路5に連結されている。また、凝集用ガス供給路7の他端は、凝集用ガス供給装置11と連結されている。これにより、凝集用ガス供給路7は、凝集用ガス供給装置11から凝集用ガスdを流路5に供給することができる。凝集用ガス供給路7の形成材料としては、特に限定されないが、流路5の形成材料と同様のものが挙げられる。
上記凝集用ガス供給装置11としては、凝集用ガスを貯留する例えばガスボンベ等の凝集用ガス貯留装置を採用可能である。また、凝集用ガス供給装置11としては、凝集用ガスを発生する凝集用ガス発生装置から構成することも可能である。
また、上記凝集用ガス供給路7には、凝集用ガスの流量を測定する流量計7aが配設されている。ここで、この流量計7aが凝集用ガスの流量を調整可能に設けられていることも可能であり、また上記凝集用ガス供給装置11が反応ガスの供給量を調節可能に設けられていることも可能である。
反応器8は、試料ガス中の測定対象物b、反応ガスc及び凝集用ガスdを反応させる筒体である。反応器8の上流側には上述のように流路5に連結され、反応器8の下流側にはガス置換装置3が連結されている。反応器8は、内部の温度を上昇可能な加熱手段、内部の湿度を上昇可能な加湿手段、紫外線照射手段等を有するものを採用可能である。また、反応器8の形成材料としては、特に限定されないが、流路5の形成材料と同様のものが挙げられる。反応器8の内部の形状としては、特に限定されないが、例えば円柱状又は多角柱状に形成されている。反応器8の平均内径としては、特に限定されないが、例えば4mm以上、100mm以下とすることが好ましい。また、反応器8の内部の長さは、特に限定されないが、例えば30mm以上、1000mm以下とすることが好ましい。反応器8は、このような平均径及び長さに形成されることによって、測定対象物b、反応ガスc及び凝集用ガスdを反応させて、一定以上の粒径の凝集粒子(凝集物)を容易且つ確実に生成することができる。
この反応器8では、例えば試料ガス中のアルシンがオゾンによって酸化されることで、反応物として三酸化二ヒ素(As)又は五酸化二ヒ素(As)のナノ粒子が生成される。また、反応器8においては、オゾンとアンモニアとが反応することで、凝集用粒子として硝酸アンモニウム(NHNO)の凝集用粒子が生成される。そして、この凝集用粒子とナノ粒子(反応物)とが凝集し、この凝集粒子(凝集物)が含まれる試料ガスが反応器8から排出される。なお、試料ガス中に測定対象気体が含まれない場合には、上記ナノ粒子は生成されず、凝集粒子には測定対象気体に関する成分は含有されない。
(ガス置換装置3)
ガス置換装置3は、凝集物生成装置2から試料ガスが導入され、この試料ガスの気体成分を置換ガスに置換する。このガス置換装置3は、多孔性隔壁によって区画される内側流路と外側流路とを有している(図示省略)。この多孔性隔壁は、平均孔径が0.001μm以上0.8μm以下の多数の孔を有している。
このガス置換装置3は、試料ガスaを内側流路に導入するとともに、置換ガスeを外側流路に導入している。ここで、置換ガスeは、上記内管における試料ガスの流動方向の逆方向に流動するよう、外側流路に導入されている。その結果、ガス置換装置3の内側流路に導入された試料ガスの気体成分は、多孔性隔壁に形成された複数の孔から外側流路に排出される。一方、試料ガス中の凝集物は、上記気体成分と比較して拡散速度が非常に遅く、また多孔性隔壁によって外側流路への流出が妨げられる。よって、この凝集粒子と置換ガスeとが分析装置4へ導出される。なお、置換ガスeとしては、分析装置4による分析に適したものである限り特に限定されないが、例えばアルゴンガス(Ar)、窒素ガス(N)、ヘリウムガス(He)等が挙げられ、特にアルゴンガスが好適に用いられる。なお、このガス置換装置3としては、特許第4315348号公報に所載のものを用いることが可能である。
(分析装置4)
分析装置4は、凝集粒子に含まれる測定対象物bに関する成分を測定する装置である。分析装置4は、例えば凝集粒子に含まれるヒ素成分を測定することで、試料ガス中に含まれていたアルシンの濃度等を算出する。この分析装置4としては、従来公知の分析装置を採用可能である。この分析装置4としては、例えば高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)を用いることが可能であり、その他、高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)、マイクロ波誘導プラズマ質量分析装置(MIP−MS)、マイクロ波誘導プラズマ発光分光分析装置(MIP−AES)等を用いることも可能である。
上記高周波誘導結合プラズマ質量分析装置にあっては、例えば高周波によって置換ガスeのアルゴン原子同士の衝突が起こり、高エネルギーのアルゴンプラズマが生成される。そして、凝集粒子に含まれる測定対象物bに関する成分(例えばヒ素)は、アルゴンプラズマ内で分解され原子化され、イオン化される。その後、原子化、イオン化された測定対象物bに関する成分は、分析装置4内の質量分析器に送られ、その質量数に応じて分析され、その信号強度により上記成分の量が測定される。そして、この成分の量に基づいて、試料ガス中に含まれる気体成分の測定対象物(アルシン)の濃度等が算出される。
〈測定方法〉
次に、図3を参照して、当該測定システム1によって、気体状態の測定対象物bを測定する測定対象物の測定方法について説明する。当該測定方法は、試料ガス中に含まれる気体状態の測定対象物をナノ粒子(反応物)とする反応物生成工程と、このナノ粒子を含有する凝集粒子(凝集物)を生成する凝集物生成工程と、この凝集粒子を測定する測定工程とを有している。なお、以下、測定対象としてアルシンを例にとり説明する。
(反応物生成工程)
反応物生成工程(S1)は、試料ガスaに反応ガスcを加えることで測定対象物bを固体状態のナノ粒子とする工程である。なお、反応物生成工程(S1)は、凝集物生成装置2によって行われる。この反応ガスcとしては、例えばオゾンが用いられる。
この反応物生成工程(S1)では、まず試料ガスaがポンプ9によって流路5に導入される。この反応物生成工程(S1)では、反応ガス供給路6から流路5に反応ガスが供給される。そして、反応物生成工程(S1)では、反応器8においてアルシンがオゾンによって酸化されることで固体状態のナノ粒子(酸化物(三酸化二ヒ素又は五酸化二ヒ素))が生成される。
(凝集物生成工程)
凝集物生成工程(S2)は、試料ガスaに凝集用ガスdを加えることで、上記反応物を含有する凝集粒子(凝集物)を生成する工程である。
この凝集物生成工程(S2)は、凝集用ガスdと反応ガスcとを反応させて凝集用粒子を生成させる凝集用粒子生成工程(S21)、及び反応物生成工程(S1)で生成されたナノ粒子と凝集用粒子とを凝集させる凝集工程(S22)とを有している。
上記凝集用粒子生成工程(S21)では、凝集用ガス供給路7から流路5に凝集用ガスが供給される。この凝集用ガスとしては、例えばアンモニアが用いられる。そして、この凝集用粒子生成工程(S21)では、反応器8においてアンモニアがオゾンと反応することで凝集用粒子(硝酸アンモニウム(NHNO))が生成される。
上記凝集工程(S22)では、反応器8において上記凝集用粒子と上記ナノ粒子とが凝集することで、一定以上の粒径の凝集粒子が生成される。この凝集粒子の粒径は、供給するオゾンやアンモニアの濃度や、反応器8内の流速等によって制御可能である。この凝集粒子の粒径(平均粒径)は、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。また、この凝集粒子の粒径(平均粒径)は、10μm以下とすることが好ましい。
なお、上記反応物生成工程(S1)、上記凝集用粒子生成工程(S21)及び凝集工程(S22)は、同時進行で行われ、つまり、反応器8においてナノ粒子の生成、微粒子の生成、及び凝集粒子の凝集が同時進行で行われている。
また、上記反応物生成工程(S1)及び上記凝集用粒子生成工程(S21)は、常温で行うことも可能であるが、反応器8内の加熱、加湿、紫外線照射等を行って、各反応速度を制御することも可能である。
(測定工程)
測定工程(S3)は、凝集物生成工程(S2)で生成された凝集粒子を測定する工程である。この凝集物測定工程(S3)は、ガス置換工程(S31)と分析工程(S32)とを有している。
ガス置換工程(S31)は、試料ガスの気体成分を置換ガスeに置換する工程である。この置換ガスeとしては、例えばアルゴンガスが用いられ、上記ガス置換装置3によって行われる。
分析工程(S32)は、凝集粒子を分析する工程である。この分析工程(S32)では、凝集粒子に含まれる測定対象物bに関する成分が測定され、この成分の量に基づいて試料ガス中に含まれる気体成分の測定対象物の濃度等が算出される。
<利点>
当該測定システム及び測定方法は、気体状態の測定対象物(アルシン)が反応ガス(オゾン)と反応することで固体状態の反応物(三酸化二ヒ素又は五酸化二ヒ素)となるので、上記従来公知の測定装置を用いて測定対象気体を測定することが可能となる。また、上記反応物が極めて微小なナノ粒子であっても、凝集用ガス(アンモニア)によってナノ粒子よりも大きな凝集粒子(凝集物)とすることができ、上記測定装置による測定が容易且つ確実に行うことができる。
また、上記凝集用ガス(アンモニア)として、反応ガス(オゾン)と反応することで凝集用粒子(硝酸アンミニウム)を生成可能なガスを用いているので、他のガス等を用いることなく、上記反応物を凝集物に容易且つ確実に凝集させることができる。
さらに、試料ガスを当該測定システムに取り込んで、この試料ガス中に凝集物を生成し、この凝集物を含む試料ガスの気体成分を置換ガスに置換し、その後置換ガスに含まれる凝集物を測定することかできるので、ユースポイントにおいてリアルタイムに測定対象気体を測定することができる。
〔その他の実施形態〕
なお、本発明の測定対象気体の測定方法及び測定システムは上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
つまり、上記実施形態においては、測定対象物が反応ガスと反応することにより固体状態の反応物が得られるものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではく、例えば液体状態の反応物が得られるものも本発明の意図する範囲内である。
また、上記実施形態においては、凝集用ガスが反応ガスと反応して凝集用粒子を生成するものについて説明したが、本発明はこれに限定されない。つまり、たとえば上記のように液体状態の反応物と反応することで、反応物を含む凝集用粒子を生成するものも本発明の意図する範囲内である。
本発明の凝集物生成装置は、必ずしも、凝集用ガス供給路が反応ガス供給路よりも上流で流路に連結されている必要はなく、凝集用ガス供給路が反応ガス供給路よりも下流で流路に連結されてもよい。
さらに、凝集用ガスとして、複数のガスを採用し、この複数のガスが凝集用粒子を生成し、上記反応物と凝集するものを採用することも可能である。
また、測定対象物bとしては、上記アルシンのほか、ジボラン(B)、ホスフィン(PH)、ゲルマン(GeH)、ヨウ素(I)、テトラカルボニルニッケル(Ni(CO))、気体状態の放射性核種等を対象とすることができる。
反応ガスとしては、測定対象物の化学的性質に基づいて選択することができ、例えば測定対象物と、酸化、還元、中和、加水分解等の化学反応を起こすものが使用可能である。
さらに、当該測定システムにおいて、凝集物生成装置2は必ずしも反応器8を有していなくてもよく、流路5において凝集物を生成することも可能である。
また、当該測定システムにおいて、凝集物生成装置よりも上流側に、試料ガスから固体状の異物を除去するためのフィルタを配設することも可能である。測定対象気体の測定がより容易且つ確実に行うことができる。
また、測定対象気体の測定システムにおいて、ポンプを設けることは必ずしも必要ではなく、例えば図4に示すようにアスピレータを有する構成を採用することも可能である。なお、この図4に示す測定システムは、ガス置換装置の下流側にアスピレータが配設されており、このアスピレータには、ガス置換装置に接続される置換ガス供給装置とは別に置換ガス供給装置が接続されている。
(実施例)
当該測定システム及び測定方法の具体的実施例を以下説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本実施例で用いる測定システムとしては、既述の第一実施形態のシステムを用いた。また、反応ガスcとしてオゾンガス、凝集用ガスdとしてアンモニアガスを用い、アルシン(測定対象気体)の測定を行った。ここで、オゾンガスの導入量とアンモニアガスの導入量とはいずれも0.5ml/分とした。ガス置換装置3には特許文献1記載のガス置換装置((株)ジェイ・サイエンス・ラボ製気体試料導入装置GE−A21型)を使用した。置換ガスeとしてアルゴンガスを用い、アルゴンガスの導入量は2000ml/分とした。分析装置4には高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Xシリーズ2型)を用いた。
試料ガスa中のアルシンの濃度を0ppb(parts par billion)、1ppb、2ppb、4ppbとして、それぞれ測定を行った。アルシンを含む試料ガスaを凝集物生成装置2に導入し、分析装置4の分析結果よりアルシンの検量線を作成し、ヒ素の質量数75の信号強度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005632871
(比較例)
前記実施例における図1の測定システム中の凝集物生成装置2を、その効果を検証するために取り外した。それ以外は前記実施例と同様のシステムを用いて、実施例と同様のアルシンの濃度の試料ガスaを測定した。実施例と同様の質量分析装置を用い、アルシンの検量線を作成し、ヒ素の質量数75の信号強度を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 0005632871
(評価)
図5は、試料ガス中のアルシンの濃度と、測定装置のヒ素の信号強度との関係を、実施例と比較例とを対比して示したグラフである。この図5を見れば、実施例の信号強度は、比較例の信号強度に比べてどの濃度においても著しく顕著であることが明らかである。
この実施例と比較例との結果の差異は以下の理由からであると考えられる。つまり、比較例では、導入した試料ガスa中の気体成分であるアルシン(AsH)はガス置換装置3で試料ガスaと共に除去され、その殆どが分析装置4に導入されなかった。そのため信号強度が著しく低くなった。一方、実施例では、気体成分であるアルシンに含まれるヒ素(As)は凝集物生成装置2によって凝集物となった。よって、次のガス置換装置3で殆ど除去されることなく分析装置4に導入された。その結果、極めて高感度で高精度な検量線を作成でき、著しく大きな信号強度を得ることが出来た。
以上のように、本発明の測定対象気体の測定方法及び測定システムは、試料ガス中に気体成分となっている測定対象物を、当該測定対象物を含む凝集物にすることで容易且つ確実に測定することができる。従って、本発明の測定方法及び測定システムは、半導体等の電子デバイスの生産工程で使用されるガスの気体成分となっている不純物の測定やクリーンルームなどの空気中に気体成分となっている不純物の測定などに好適に使用できる。
1 測定システム
2 凝集物生成装置
3 ガス置換装置
4 分析装置
5 流路
6 反応ガス供給路
7 凝集用ガス供給路
8 反応器
9 ポンプ
10 反応ガス供給装置
11 凝集用ガス供給装置
12 測定対象気体の測定システム(アスピレータを使用)
a 試料ガス
b 測定対象物
c 反応ガス
d 凝集用ガス
e 置換ガス

Claims (6)

  1. 試料ガス中に含まれる気体状態の測定対象物をリアルタイムに測定するための測定対象気体の測定方法であって、
    試料ガスに反応ガスを加えることで測定対象物を固体状態又は液体状態の反応物とする工程と、
    試料ガスに凝集用ガスを加えることで上記反応物を含有する凝集物を生成する工程と、
    上記凝集物を含む試料ガスの気体成分を置換ガスに置換し、凝集物を分析する測定工程と
    を有することを特徴とする測定対象気体の測定方法。
  2. 上記凝集用ガスとして、上記反応ガスと反応することで凝集用粒子を生成可能なガスを用いる請求項1に記載の測定対象気体の測定方法。
  3. 上記反応ガスとしてオゾンが用いられ、上記凝集用ガスとしてアンモニアが用いられている請求項2に記載の測定対象気体の測定方法。
  4. 試料ガス中に含まれる気体状態の測定対象物をリアルタイムに測定するための測定対象気体の測定システムであって、
    試料ガスが流動する流路と、
    この流路に測定対象物を固体状態又は液体状態の反応物にする反応ガスを加えるための反応ガス供給路と、
    上記流路に上記反応物を含有する凝集物を生成可能な凝集用ガスを加えるための凝集用ガス供給路と、
    上記凝集物を含む試料ガスの気体成分を置換ガスに置換し、凝集物を分析する測定手段と
    を備えることを特徴とする測定対象気体の測定システム。
  5. 上記凝集用ガスとして、上記反応ガスと反応することで凝集用粒子を生成可能なガスが用いられている請求項4に記載の測定対象気体の測定システム。
  6. 上記反応ガスとしてオゾンが用いられ、上記凝集用ガスとしてアンモニアが用いられている請求項5に記載の測定対象気体の測定システム。
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