JP5631197B2 - バイオマス混焼ボイラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、主に火力発電に用いられる石炭焚ボイラに係わり、特に燃料として石炭とバイオマスとを混焼させるバイオマス混焼ボイラシステムに関するものである。
化石燃料の燃焼に伴って排出されるCOを削減する観点から、近年、既設の火力発電用石炭焚ボイラの燃料として、バイオマスを石炭と混焼させることが行われている。バイオマスとは、「化石資源を除いた生物由来の有機性資源で、再生可能なもの」の総称である。
バイオマスの種類には、廃棄物系バイオマスと、未利用バイオマスと、資源作物(エネルギーや製品の製造を目的に栽培される植物)と、がある。具体的には、廃棄物系バイオマスとして、廃棄される紙、家畜排せつ物、食品廃棄物、建設発生木材、製材工場残材、下水汚泥等が挙げられ、未利用バイオマスとしては、稲わら、麦わら、もみ殻等が挙げられ、資源作物としては、さとうきびやトウモロコシ、energy crop(牧草)等が挙げられる。
石炭の粉砕には竪型粉砕機(以下、ミルと称することもある)が用いられている。竪型粉砕機では、燃料の乾燥促進とボイラ効率の点から、粉砕された微粉炭を分級し、ボイラへ搬送するための搬送用気体として、空気予熱器(以下、エアヒータ、A/Hと称することもある)でボイラ燃焼排ガスと熱交換した高温空気が用いられる。一方、バイオマスも、燃焼に適した粒子に粉砕してボイラへ供給するため、粉砕する必要があり、既存設備を流用して有効に利用する観点から、竪型粉砕機が用いられる場合が多い。
石炭とバイオマスとを混合粉砕してボイラ火炉内で燃焼させる従来技術として、例えば特許文献1には、複数の竪型粉砕機の1台でバイオマスを粉砕し、他の竪型粉砕機で石炭を粉砕し、得られたバイオマス粉体と石炭粉体を独立した供給ラインによりボイラ火炉に供給してボイラ火炉内で混合して燃焼させることが提案されている。この引用文献1によると、石炭粉体の火炉への搬送には、空気予熱器によって加熱された高温空気が用いられ、バイオマス粉体の搬送には、ボイラ火炉出口からの一部の燃焼排ガスを用いている。
また、石炭とバイオマスの混合燃焼の従来技術として、例えば特許文献2には、バイオマスに含まれる水分を少なくしてバイオマス燃料とする乾燥方法が開示され、この乾燥方法では燃焼排ガスを利用して一次粉砕したバイオマスを乾燥し、微粉砕機でさらに粉砕してバイオマス燃料として火炉に供給することが提案されている。ここで、バイオマスの乾燥のためには、燃焼排ガスは高温であることが望ましいが、バイオマスの自然発火の危険性を考慮して400℃以下とすることが記載されている。
特開2008−82651号公報 特開2005−291526号公報
上記の背景技術欄で述べたように、バイオマスは着火性が高く、竪型粉砕機内では、通常の石炭粉砕時に用いられる高温の燃焼用空気(温度:200〜300℃、酸素濃度:21%)雰囲気下では爆発に至るおそれがあるため、十分な安全対策を講じる必要があり、バイオマスを従来のミルで安全に粉砕するには、搬送ガスに酸素濃度が低い燃焼排ガス(酸素濃度:2〜3%)を用い、着火性を低下させる必要がある。
ここで、注意しなければならないのが、ミル内での硫酸蒸気凝縮による酸露点腐食である。バイオマスの搬送用流体として用いられる燃焼排ガス中に含まれる硫酸蒸気は、酸露点以下で材料表面に凝縮するが、ミル内の雰囲気温度はこの酸露点以下となる。石炭焚きボイラでは、石炭中に含まれる硫黄分が燃焼時にSOに転換し、その一部はさらに酸化してSOとなる。生成するSOの濃度は炭種や雰囲気温度に依存するが、低硫黄分炭(硫黄分1%以下)の場合、ボイラ節炭器出口で10ppm以下、高硫黄分瀝青炭(硫黄分1〜4%)では、20〜60ppmにもなる。さらに、このSOは燃焼ガス中の水分と化合して硫酸蒸気となる。この硫酸蒸気が系内の低温部分に接触し、凝縮することで腐食が起こる。
本発明は、燃料として石炭とバイオマスとを混焼させるバイオマス混焼ボイラシステムにおいて、バイオマスを粉砕する竪型粉砕機の内部及び竪型粉砕機からボイラに至るバイオマスの搬送流路における酸露点腐食を低減することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
石炭を粉砕する石炭用竪型粉砕機と、バイオマスを含む固体燃料を粉砕するバイオマス用竪型粉砕機と、粉砕された前記石炭と前記固体燃料を燃焼させるボイラと、前記ボイラから排出された燃焼排ガス中の灰を除去するための集塵装置と、を備えたバイオマス混焼ボイラシステムにおいて、
前記集塵装置の燃焼排ガス流れ後流側から前記燃焼排ガスの一部を抜き出して前記バイオマス用竪型粉砕機へ導く排ガス投入ラインを設け、前記集塵装置で捕集された石炭灰と、脱硫部分としてのアルカリ塩と、を含んだ脱硫スラリを製造するスラリ製造装置を設け、前記脱硫スラリを前記バイオマス用竪型粉砕機へ導くスラリ供給ラインを設ける構成とする。さらに、前記バイオマス混焼ボイラシステムにおいて、前記脱硫成分としてのアルカリ塩は、別途設けられたアルカリ塩貯蔵部から供給されたものである構成とする。
また、石炭を粉砕する石炭用竪型粉砕機と、バイオマスを含む固体燃料を粉砕するバイオマス用竪型粉砕機と、粉砕された前記石炭と前記固体燃料を燃焼させるボイラと、前記ボイラから排出された燃焼排ガス中の灰を除去するための集塵装置と、を備えたバイオマス混焼ボイラシステムにおいて、
前記集塵装置の燃焼排ガス流れ後流側から前記燃焼排ガスの一部を抜き出して前記バイオマス用竪型粉砕機へ導く排ガス投入ラインを設け、前記集塵装置で捕集された石炭灰からなるスラリを製造するスラリ製造装置を設け、前記スラリを前記バイオマス用竪型粉砕機へ導くスラリ供給ラインを設け、別途設けられたアルカリ塩貯蔵部からアルカリ塩を前記バイオマス用竪型粉砕機へ供給するアルカリ塩供給ラインを設ける構成とする。さらに、前記アルカリ塩は、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物のうちいずれか1種類以上を含む構成とする。
本発明によれば、粉砕されたバイオマスのボイラへの搬送用気体として比較的低温の硫黄分を含んだ燃焼排ガスを利用する場合においても、脱硫成分としてのアルカリ塩を含んだスラリを用いることで、バイオマスを粉砕する竪型粉砕機の内部及び竪型粉砕機からボイラに至るバイオマスの搬送流路における酸露点腐食を低減することができる。
本発明の実施形態に係るバイオマス混焼ボイラシステムの全体構成を示す図である。 本実施形態に関するスラリ製造装置で製造するスラリの製造条件を決定する手順を示す図である。 本実施形態に関するバイオマス用ミルにスラリ投入ノズルを設置した構成を示す図である。 本実施形態に関するバイオマス用ミルに設置したスラリ投入ノズルの構造を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るバイオマス混焼ボイラシステムの全体構成を示す図である。
本発明の実施形態に係るバイオマス混焼ボイラシステムについて、図1〜図5を参照しながら以下説明する。図1は本発明の実施形態に係るバイオマス混焼ボイラシステムの全体構成を示す図である。まず、石炭燃焼ボイラシステムは、その一般的なシステム構成として、石炭用ミルである竪型粉砕機12、ボイラ1、脱硝装置2、エアヒータ(空気予熱器)3、集塵装置4、脱硫装置5、煙突6を備える。石炭燃焼における一連の流れとしては、石炭9を石炭ホッパ10へ貯蔵し、石炭重量フィーダ10へ搬送し、竪型粉砕機12で粉砕し、ボイラ1へ供給する流れがある。次いで、ボイラ1内で燃焼後、燃焼灰および排ガスは後流の脱硝装置2、エアヒータ3、集塵装置4、脱硫装置5を経由し、NOx、SOxを除去、除塵した後、煙突7より排出の流れとなる。
図1に示す本実施形態に係るバイオマス混焼ボイラシステムの概要は、バイオマス用ミル18を設け、爆発防止のために、ミル18内に低酸素濃度の排ガスを投入し、さらに、排ガス中の硫黄酸化物による酸露点腐食防止のために、ミル18内に脱硫剤として石炭灰含有スラリ(以下、脱硫スラリと称する)33を投入するものである。
本実施形態に係るバイオマス燃焼ボイラシステムは大きく分けて、(1)集塵装置4から石炭灰を抜き出し、スラリ製造装置32に投入する石炭灰供給ライン35、(2)抜き出した石炭灰23をスラリ化するスラリ製造装置32、(3)スラリ製造装置32にアルカリ塩を投入するアルカリ塩投入ライン31、(4)バイオマス用ミル18である竪型粉砕機に集塵装置4の後流から抜き出した排ガスを投入するためのガス再循環ファン(GRF)57を含む排ガス投入ライン60、(5)バイオマス用ミル18である竪型粉砕機内へスラリ製造装置32から抜き出した脱硫スラリを供給するスラリ供給ライン38、から構成される。
次に、本実施形態に係るバイオマス混焼ボイラシステムにおける運転フローについて説明する。竪型粉砕機(以下、ミルと称す)はバイオマス用ミル18と石炭用ミル12に分けられる。バイオマス15はバイオマスホッパ16に貯蔵後、バイオマス重量フィーダ17で重量を測定され、バイオマス用ミル18に投入される。通常、ミルにはFDF(Forced Draft Fan:押込通風機ファン)7から吸い込み空気をエアヒータ3で熱交換し、昇温した後投入するが、バイオマス用ミル18では、燃料の着火性が高く、爆発の恐れがあるため、集塵装置4出口からGRF(Gas Recirculation Fan:ガス再循環ファン)57で抜き出した排ガスを用いる。この排ガスは、PAF(Primary Air Fan:一次通風機ファン)8からの空気と混合されて、空気中酸素濃度を調整した後、バイオマス用ミル18に投入される。排ガス中の酸素濃度に関しては、爆発防止の観点から例えば10〜15%が望ましいとされる。
上述したように、排ガスが循環するバイオマス用ミル18内では酸露点腐食の発生が懸念されることから、脱硫剤として石炭灰含有スラリ(脱硫スラリ)33を用いるが、次に、スラリ製造ラインおよびバイオマス用ミル18へのスラリ供給ライン38について説明する。
スラリに用いる石炭灰としては、集塵装置4から採取した灰を用いる。集塵装置(EP)4からの採取灰は粒径が10μm以下と細かく、脱硫成分(例.Ca)を含む脱硫剤としての反応性が高い。また、スラリにする際に別途粉砕する必要がないため、設備コストの面でも有利である。
集塵装置4内のバグフィルタで空気と分離され、集塵装置4下部のホッパ部に堆積した灰は、スクリューコンベア22でスラリ製造装置32近傍まで運搬され、石炭灰重量フィーダ27付の石炭灰貯蔵ビン26に貯蔵される。貯蔵された石炭灰は石炭灰重量フィーダ27で所定の量を測り取り、スラリ製造装置32で水供給ライン36からの水と混合されて、脱硫スラリ33となる。
スラリ製造装置32には、石炭灰を供給するライン35と、水供給ライン36と、別途アルカリ塩供給ライン31と、製造したスラリを排出しバイオマス用ミル18に供給するスラリ供給ライン38と、が設けられている。アルカリ塩は脱硫効率が最も高い比率、たとえばCaであればCa/Sが2以上となるように、必要に応じて投入する(図2で後述するが、石炭灰23中に含まれる脱硫成分(例.Ca)の不足分としてアルカリ塩を補充する)。製造後の脱硫スラリ33は、スラリ排出ポンプ37を用いてバイオマス用ミル18に設置したスラリ投入ノズル39から粉砕部に供給する。
脱硫剤として用いられるアルカリ塩としては、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物がよく知られており、これらは硫黄と反応し、硫酸塩を形成することでガス中の硫黄分を捕捉する。スラリ中には水分が含まれているが、このスラリ中の水分の役割について説明すると、スラリ中の水分は燃料層を適度に湿らせることによって粉砕ローラの滑りを防ぎ、振動を抑止する効果がある。もともと、振動抑制効果を目的にミル内に水分を投入するシステムは、注水システムと呼ばれており、スラリ中の水分もこれと同じ効果を奏することができる。
次に、本実施形態に関するスラリ製造装置32で製造する脱硫スラリ33の製造条件を
決定する手順について、図2を用いて説明する。ミル内に供給する水分量は炭種にもよる
がミル振動抑制の観点から、石炭供給量の10%以内が最適とされる(図2に示す例では
、条件1として3%に設定している)。また、スラリ濃度としては、ノズル39でのスラ
リ流動性(スラリがノズル39で詰まりが生じないように流動性を確保する)を考慮して
、条件2として15%程度が望ましい(すなわち、水85%、石炭灰15%)。このこと
から、スラリを構成する水分量と石炭灰量が決まる。


一方、脱硫を効率良く行うには、灰中に含まれる脱硫成分(例:Ca)と石炭中のSの割合Ca/Sが2以上となるようにする必要がある。ただし、灰中のCa量は石炭の種類によって異なるため、Ca量が所定の量に未達となる場合がある。よって、この不足分はアルカリ塩を投入することで、脱硫性能の観点からの条件3として、Ca/Sが2以上を満足するように、石炭灰量、アルカリ塩量を調整する。
実際の運転においては、スラリ製造装置32に投入する石炭灰23とアルカリ塩、水36の量を個別に制御する制御手段、および製造した脱硫スラリ33中のアルカリ分を計測する手段(アルカリ濃度分析計44)を設け、ボイラ1に投入する石炭燃料中のS分(一般的には、0.1%〜2.0%)、バイオマス15の時間あたりの投入量、スラリ33中のアルカリ濃度のデータから必要とする石炭灰23、アルカリ塩、水の量、を随時算出し、これらの値をフィードバックする。
図1に示すバイオマス混焼ボイラシステムの構成を用いて具体的に説明すると、まず、スラリとして投入する水分量を、データロガー40で収録したバイオマス15の投入量から算出し(投入燃料量の10%以内)、制御盤41から、コントロールバルブ43で水供給量を調整するとともに(図2の条件1におけるミル振動抑制の観点から)、それぞれの重量フィーダ制御装置42により石炭灰およびアルカリ塩量を調整する。この際、アルカリ塩量と石炭灰量の比率は、脱硫スラリ33中のアルカリ量をアルカリ濃度分析系44で測定し、Ca/Sが2以上となるように、制御装置42により石炭灰重量フィーダ27を制御して石炭灰23の量で調整する。石炭灰23中のアルカリ分は炭種によって異なるため、図1に示したようにトラック25などで他缶からのアルカリ分の高い石炭灰を持ってきて使用してもよい。なお、スラリとして投入する水分量は、図2に示す条件2としてのスラリ濃度15%を満足させるような水分量でなければならないので、この条件2をも満足する水分量を確保する必要がある。
次に、本実施形態に関するバイオマス用ミル18にスラリ投入ノズル39を設置した構成とスラリ投入ノズル39自体の構造について、図3と図4を参照しながら以下説明する。まず、一般的なミルの構成を概説する。
図3において、15はバイオマス、33は脱硫スラリ、39はスラリ投入ノズル、45は粉砕テーブル、46は粉砕ローラ、47は微粉バイオマス送給管、48はノズル挿入孔、49はサポート、70は粉砕テーブル駆動用テーブル、71は粉砕テーブル用減速機、72は一次空気、73は粉砕部から上昇してくる固気二相流、74は粉砕テーブル曲面の中央線、75は微粉バイオマス、をそれぞれ表す。
バイオマス用ミル18は、粉砕テーブル45を回転駆動させる駆動部A、粉砕テーブル45と粉砕ローラ46のかみ込みにより燃料を粉砕する粉砕部B、粉砕部Bの上部に設置されて燃料を任意の粒度に分級する分級部C、及び分級部Cより送られてきた微粉をボイラ1に接続された複数の微粉バイオマス送給管47へ分配する分配部D、から構成されている。スラリ投入ノズル39は、竪型粉砕機の粉砕部B側壁に設けられたノズル挿入孔48から粉砕ローラ46間に挿入し、粉砕テーブル45の曲面の中央線74から竪型粉砕機の高さ方向へ垂直線上にスラリ投入孔が位置するように設置し、サポート49で固定した後、粉砕テーブル45に向かって脱硫スラリ33を投入する。ノズル挿入孔としては注水ノズルの挿入孔が代用できる。
図4にスラリ投入ノズル39の構造の一例を示す。スラリ投入ノズル39は内側にスラリを供給するスラリ流路50、外周に冷却水51の冷却水流路を設け、スラリ33のノズル先端での詰まりを防止するため、スラリ投入ノズル39の先端で両者を混合し、粉砕部B内に供給する構造とする。スラリ投入ノズル39を冷却するのは、バイオマス用ミル18内が100℃以上の高温となるため、スラリ33中の水分が蒸発し詰まりが発生するのを防ぐためである。詰まりが発生するのは主にスラリ投入ノズル39先端であるため、ノズル先端で冷却水とスラリを混合する先端混合で詰まりが抑制される。また、スラリ製造用の水、ノズルの冷却水にはプラント内の工業用水を用いるが、給水配管およびスラリ投入ノズル39内は錆が剥離してスラリ投入ノズル39の出口近傍を閉塞する可能性があるため、コスト的には不利になるが、ステンレス配管を用いることが望ましい。
次に、本発明の他の実施形態に係るバイオマス混焼ボイラシステムについて、図5を参照しながら以下説明する。図5は本発明の他の実施形態に係るバイオマス混焼ボイラシステムの全体構成を示す図である。
図5に示す本発明の他の実施形態は、図1に示す本発明の実施形態と異なる点として、アルカリ塩を固体のままバイオマス用ミル18に投入するとともに、石炭灰23を脱硫スラリ33としてバイオマス用ミル18に投入する、それぞれの投入系統を別に設けたボイラシステムである。この場合、スラリとして供給される脱硫剤の反応性(石炭灰)と固体として供給される脱硫剤の反応性(アルカリ塩)が異なるため、図1に示すように両者をスラリとして投入した場合に比べて、制御性が劣るため、若干過剰に脱硫剤を添加する必要がある。
図5に示す他の実施形態では、図1に示すアルカリ粉砕塩装置30が省略でき、ボイラシステムとしては図1のものよりも簡略化される。よって、いずれのボイラシステムを適用するかは、使用する石炭灰にもともと含まれるアルカリ分、脱硫剤のコストや設備コストを含めた評価で決めると良い。
本実施形態におけるバイオマス用ミル18内に投入された脱硫スラリ33による脱硫反応を式(1)に示す。この場合、石炭灰23中に含まれるCaOが水供給ライン36からの水と反応し、Ca(OH)になり、バイオマス用ミル18内で以下の脱硫反応が進行する。
Ca2++SO 2−+HO→CaSO・1/2HO+1/2HO …式(1)
ここで、式(1)の第1項目は、Ca(OH)がイオン化したものであり、第2項目は排ガス中に含まれる硫黄分がイオン化したものであり、第4項目は亜硫酸カルシュウムの1/2水和物(腐食を引き起こす硫酸蒸気が反応した結果の安定化物)である。
また、本実施形態では、排ガス中に脱硫成分として新たにCaやMg等のアルカリ土類金属を添加することもできる。この場合においては、未反応の脱硫剤の一部がバイオマス15とともに炉内に投入されるが、これらのアルカリ土類金属は炉内での脱硫反応に寄与することとなる。
なお、ボイラシステムにおいては、一般に複数のミルを設置し、ボイラ運転時に休止するミルを設定する場合もある。上述した実施形態では本発明に係るボイラシステム構成を説明するために、便宜上、バイオマス用ミル18と石炭用ミル12をそれぞれ別のミルとして表現しているが、これに限らず、一つのミルに両者の機能を合わせたものを設け、バイオマス用ミル18としての機能を発揮するミルと、石炭用ミル12としての機能を発揮するミルとに分けて使用してもよい。この場合、ミル単体として、例えば、図1又は図5のバイオマス用ミル18に石炭ホッパ10から石炭重量フィーダ11を介して石炭9が供給されるものがあればよい。
別に石炭用ミル12を設けること及びバイオマス用ミル18としての機能のみを発揮するミルを設けることは任意であり、複数のミルが全て、バイオマス用ミル18に石炭ホッパ10から石炭重量フィーダ11を介して石炭9が供給されるような両用のものであっても、一部のみであってもよく、それらの組み合わせは任意であり、これらは本発明の実施形態の範疇に属するものである。
以上説明したように、本発明の実施形態では、脱硫剤として安価な石炭灰を用いた脱硫スラリを製造し、それを地上高所の火炉上部ではなく、地上フロアに設置された竪型粉砕機の粉砕部に投入することで、脱硫剤コストが安くでき、スラリ搬送ポンプの動力を地上高所への揚程分だけ低減することで、供給設備コストを下げた脱硫システムとすることができる。
また、石炭灰を用いた付随効果として、バイオマス燃料においてスラリ投入ノズル39から追加した灰分が増えることによって、石炭灰に占める見掛け上の未燃分(石炭灰中の燃えなかった炭素量)を低減することができる。また、スラリ中の水分によって燃料粉砕に伴う振動を抑制するため、ボイラシステム全体の安定性に貢献する。
1:ボイラ、2:脱硝装置、3:エアヒータ(空気予熱器)、4:集塵装置、5:脱硫装置、6:煙突、7:FDF、8:PAF、9:石炭、
10:石炭ホッパ、11:石炭重量フィーダ、12:石炭用ミル、13:石炭搬送ライン、14:石炭バーナ、15:バイオマス、16:バイオマスホッパ、17:バイオマス重量フィーダ、18:バイオマス用ミル、19:バイオマス搬送ライン、
20:バイオマスバーナ、21:燃焼用空気ライン、22:スクリューコンベア、23:石炭灰、24:他缶からの石炭灰、25:トラック、26:石炭灰貯蔵ビン、27:石炭灰重量フィーダ、28:アルカリ塩貯蔵ビン、29:アルカリ塩重量フィーダ、
30:アルカリ塩粉砕装置、31:アルカリ塩供給ライン、32:スラリ製造装置、33:脱硫スラリ、34:攪拌機、35:石炭灰供給ライン、36:水供給ライン、37:スラリ排出ポンプ、38:スラリ供給ライン、39:スラリ投入ノズル、
40:データロガー、41:制御盤、42:重量フィーダ制御装置、43:コントロールバルブ、44:アルカリ濃度分析計、45:粉砕テーブル、46:粉砕ローラ、47:微粉バイオマス送給管、48:ノズル挿入孔、49:サポート、
50:スラリ流路、51:冷却水流路、57:GRF、60:排ガス投入ライン、
70:粉砕テーブル駆動用テーブル、71:粉砕テーブル用減速機、72:一次空気、73:粉砕部から上昇してくる固気二相流、74:粉砕テーブル曲面の中央線、75:微粉バイオマス、
A:駆動部、B:粉砕部、C:分級部、D:分配部、

Claims (8)

  1. 石炭を粉砕する石炭用竪型粉砕機と、バイオマスを含む固体燃料を粉砕するバイオマス用竪型粉砕機と、粉砕された前記石炭と前記固体燃料を燃焼させるボイラと、前記ボイラから排出された燃焼排ガス中の灰を除去するための集塵装置と、を備えたバイオマス混焼ボイラシステムにおいて、
    前記集塵装置の燃焼排ガス流れ後流側から前記燃焼排ガスの一部を抜き出して前記バイオマス用竪型粉砕機へ導く排ガス投入ラインを設け、
    前記集塵装置で捕集された石炭灰と、脱硫部分としてのアルカリ塩と、を含んだ脱硫スラリを製造するスラリ製造装置を設け、
    前記脱硫スラリを前記バイオマス用竪型粉砕機へ導くスラリ供給ラインを設ける
    ことを特徴とするバイオマス混焼ボイラシステム。
  2. 石炭とバイオマスとを含む燃料を粉砕する竪型粉砕機と、粉砕された前記燃料を燃焼させるボイラと、前記ボイラから排出された燃焼排ガス中の灰を除去するための集塵装置と、を備えたバイオマス混焼ボイラシステムにおいて、
    前記集塵装置の燃焼排ガス流れ後流側から前記燃焼排ガスの一部を抜き出して前記竪型粉砕機へ導く排ガス投入ラインを設け、
    前記集塵装置で捕集された石炭灰と、脱硫部分としてのアルカリ塩と、を含んだ脱硫スラリを製造するスラリ製造装置を設け、
    前記脱硫スラリを前記竪型粉砕機へ導くスラリ供給ラインを設ける
    ことを特徴とするバイオマス混焼ボイラシステム。
  3. 石炭を粉砕する石炭用竪型粉砕機と、バイオマスを含む固体燃料を粉砕するバイオマス用竪型粉砕機と、粉砕された前記石炭と前記固体燃料を燃焼させるボイラと、前記ボイラから排出された燃焼排ガス中の灰を除去するための集塵装置と、を備えたバイオマス混焼ボイラシステムにおいて、
    前記集塵装置の燃焼排ガス流れ後流側から前記燃焼排ガスの一部を抜き出して前記バイオマス用竪型粉砕機へ導く排ガス投入ラインを設け、
    前記集塵装置で捕集された石炭灰からなるスラリを製造するスラリ製造装置を設け、
    前記スラリを前記バイオマス用竪型粉砕機へ導くスラリ供給ラインを設け、
    別途設けられたアルカリ塩貯蔵部からアルカリ塩を前記バイオマス用竪型粉砕機へ供給するアルカリ塩供給ラインを設ける
    ことを特徴とするバイオマス混焼ボイラシステム。
  4. 石炭とバイオマスとを含む燃料を粉砕する竪型粉砕機と、粉砕された前記燃料を燃焼させるボイラと、前記ボイラから排出された燃焼排ガス中の灰を除去するための集塵装置と、を備えたバイオマス混焼ボイラシステムにおいて、
    前記集塵装置の燃焼排ガス流れ後流側から前記燃焼排ガスの一部を抜き出して前記竪型粉砕機へ導く排ガス投入ラインを設け、
    前記集塵装置で捕集された石炭灰からなるスラリを製造するスラリ製造装置を設け、
    前記スラリを前記竪型粉砕機へ導くスラリ供給ラインを設け、
    別途設けられたアルカリ塩貯蔵部からアルカリ塩を前記竪型粉砕機へ供給するアルカリ塩供給ラインを設ける
    ことを特徴とするバイオマス混焼ボイラシステム。
  5. 請求項1または2において、
    前記脱硫成分としてのアルカリ塩は、別途設けられたアルカリ塩貯蔵部から供給されたものと前記捕集された石炭灰に含まれたものとからなることを特徴とするバイオマス混焼ボイラシステム。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項において、
    前記アルカリ塩は、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物のうちいずれか1種類以上を含むことを特徴とするバイオマス混焼ボイラシステム。
  7. 請求項1または2において、
    前記スラリ製造装置に対して、前記石炭灰を供給する石炭灰供給ラインと、前記アルカリ塩を供給するアルカリ塩供給ラインと、水を供給する水供給ラインと、を設け、
    前記スラリ製造装置に投入する石炭灰、アルカリ塩、及び水のそれぞれの量をそれぞれ制御する制御手段を設け、
    製造した脱硫スラリ中のアルカリ分を計測する計測手段を設け、
    ボイラに投入する石炭燃料中の硫黄分、前記バイオマスの時間当たりの投入量、前記脱硫スラリ中のアルカリ濃度に基づいて、前記スラリ製造装置に投入する石炭灰、アルカリ塩、水のそれぞれの量を算出し、前記算出した値を基に前記制御手段により、投入する石炭灰、アルカリ塩、水のそれぞれの量を個別に制御する
    ことを特徴とするバイオマス混焼ボイラシステム。
  8. 請求項3または4において、
    前記スラリ製造装置に対して、前記石炭灰を供給する石炭灰供給ラインと、水を供給する水供給ラインと、を設け、
    前記スラリ製造装置に投入する石炭灰及び水のそれぞれの量をそれぞれ制御するとともに前記アルカリ塩供給ラインのアルカリ塩の量を制御する制御手段を設け、
    製造した脱硫スラリ中のアルカリ分を計測する計測手段を設け、
    ボイラに投入する石炭燃料中の硫黄分、前記バイオマスの時間当たりの投入量、前記脱硫スラリ中のアルカリ濃度に基づいて、前記スラリ製造装置に投入する石炭灰と水の量と、前記アルカリ塩供給ラインに投入するアルカリ塩の量をそれぞれ算出し、前記算出した値を基に前記制御手段により、投入する石炭灰、水、アルカリ塩のそれぞれの量を個別に制御する
    ことを特徴とするバイオマス混焼ボイラシステム。
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