JP5630430B2 - 粉末冶金用金属粉末および焼結体 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末冶金用金属粉末および焼結体に関するものである。
粉末冶金法では、金属粉末とバインダーとを含む組成物を、所望の形状に成形して成形
体を得た後、成形体を脱脂・焼結することにより、焼結体を製造する。このような焼結体
の製造過程では、金属粉末の粒子同士の間で原子の拡散現象が生じ、これにより成形体が
徐々に緻密化することによって焼結に至る。
例えば、特許文献1には、ステンレス鋼粉末と熱可塑性バインダーとを混合・混練して
なる混合物を、射出成形して成形体を得た後、この成形体を脱脂・焼結して焼結体を得る
ステンレス鋼粉末の焼結方法が開示されている。
ところが、金属粉末の組成によっては、粒子間における原子拡散の速度が遅い場合があ
る。このような場合、焼結性が著しく低下し、焼結体の緻密化が十分に進行しないおそれ
がある。
具体的には、例えば用いる金属粉末が、焼結温度において原子配列が面心立方格子とな
るような組成の粉末である場合、焼結温度において、各原子が緻密な面心立方格子構造に
配列することにより、焼結の進行が阻害され、緻密化が進み難い。このため、このような
金属粉末は、特許文献1に記載の方法によって焼結体を得たとしても、得られた焼結体は
緻密化が不十分なものとなってしまい、機械的特性が低い。
また、金属粉末の組成によらず、低温領域での焼成では、焼結体の緻密化が進み難く、
得られた焼結体の機械的特性を高めることができない。これに対し、機械的特性を高める
べく焼成温度を高めた場合、温度ムラができ易いので、緻密化の進行が不均一になり易く
、機械的特性の十分な向上が期待できない。その上、焼結体の寸法精度が低下するととも
に、焼成に要する時間やコストも大幅に増加してしまう。
特開平6−10088号公報
本発明の目的は、焼結性に劣る組成であっても、または、低温領域で焼成した場合でも
、高密度で機械的特性に優れた焼結体を容易に製造することができる粉末冶金用金属粉末
、および、かかる粉末冶金用金属粉末を用いて製造された緻密な焼結体を提供することに
ある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の粉末冶金用金属粉末は、
ZrおよびSiを以下の(A)および(B)の条件を満たすように含み、その残部が、
Fe、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属材料および不
可避元素で構成されていることを特徴とする。
(A)Zrの含有率をa[質量%]とし、Siの含有率をb[質量%]としたとき、a
/bは0.03以上0.3以下である
(B)bは0.35質量%以上1.5質量%以下である
これにより、焼結性に劣る組成であっても、または、低温領域で焼成した場合でも、高
密度で機械的特性に優れた焼結体を容易に製造することができる粉末冶金用金属粉末が得
られる。
本発明の粉末冶金用金属粉末では、前記Zrの含有率aは0.015質量%以上0.3
質量%以下であることが好ましい。
これにより、Zrの絶対的な量が最適化されるため、ZrとSiとの相乗的な作用はも
ちろん、Zr単体による作用も得られる。
本発明の粉末冶金用金属粉末では、さらに、C(炭素)を含み、Cの含有率をc[質量
%]としたとき、
c/bは0.001以上3以下であることが好ましい。
これにより、金属材料の緻密化が進行する。また、Cの含有量を前記範囲内にすること
により、ZrやSiに対するCの相対的な量が最適化され、ZrおよびSiによる相乗効
果をより確実に得ることができる。
本発明の粉末冶金用金属粉末では、前記Cの含有率cは0.001質量%以上2.5質
量%以下であることが好ましい。
これにより、Cの絶対的な量が最適化されるため、C、ZrおよびSiによる相乗効果
がより確実に発揮される。
本発明の粉末冶金用金属粉末では、前記金属材料は、Fe基合金であり、かつ、
aは0.03質量%以上0.1質量%以下であり、かつ、
bは0.5質量%以上0.8質量%以下であり、かつ、
cは0.1質量%以上0.7質量%以下であることが好ましい。
これにより、Zr、SiおよびCの量がそれぞれ最適化されるため、最も優れた相乗効
果が得られ、特に緻密な焼結体を製造可能な粉末冶金用金属粉末が得られる。
本発明の粉末冶金用金属粉末では、前記金属材料は、オーステナイト系ステンレス鋼で
あることが好ましい。
これにより、とりわけ機械的特性および化学的特性に優れたステンレス鋼焼結体を製造
可能な粉末冶金用金属粉末が得られる。
本発明の粉末冶金用金属粉末では、前記金属材料の組成は、焼結温度において原子配列
が面心立方格子になる組成であることが好ましい。
これにより、原子の充填率が高くなるため、機械的特性および化学的特性に優れた焼結
体を製造可能な粉末冶金用金属粉末が得られる。
本発明の粉末冶金用金属粉末では、前記金属材料と、前記ZrおよびSiとは、合金ま
たは金属間化合物を形成していることが好ましい。
これにより、金属粉末の各粒子において、金属材料と添加物(ZrおよびSi)とが均
一に分布したものが得られる。その結果、添加物の作用が金属粉末全体で均等に発揮され
ることとなり、最終的に、焼結ムラの発生を防止することができる。
本発明の粉末冶金用金属粉末では、平均粒径が1μm以上30μm以下であることが好
ましい。
これにより、成形時の圧縮性の低下を避けつつ、最終的に十分に緻密な焼結体を製造可
能な粉末冶金用金属粉末が得られる。
本発明の粉末冶金用金属粉末では、当該粉末冶金用金属粉末は、アトマイズ法により製
造されたものであることが好ましい。
これにより、粒径の揃った粉末冶金用金属粉末を得ることができる。また、真球に比較
的近い球形状をなしている粒子が得られるため、バインダーに対する分散性や流動性に優
れたものとなる。このため、このような金属粉末を含む組成物を成形型に充填して成形す
る際に、その充填性を高めることができ、最終的により緻密な焼結体を得ることができる
本発明の焼結体は、本発明の粉末冶金用金属粉末を所定の形状に成形し、得られた成形
体を焼結してなることを特徴とする。
これにより、焼結性に劣る組成であっても、または、低温領域で焼成した場合でも、高
密度で機械的特性に優れた焼結体が得られる。
本発明の焼結体では、相対密度が96%以上であることが好ましい。
これにより、目的とする形状に限りなく近い形状を有するにもかかわらず、溶製材に匹
敵する優れた機械的特性を有し、後加工を施すことなく各種の機械部品等に適用可能な焼
結体が得られる。
実施例3Dおよび各比較例2D〜7Dで得られた焼結体について、焼成温度ごとの焼結体の相対密度を示すグラフである。
以下、本発明の粉末冶金用金属粉末および焼結体について、添付図面を参照しつつ詳細
に説明する。
(粉末冶金用金属粉末)
まず、本発明の粉末冶金用金属粉末について説明する。
粉末冶金では、粉末冶金用金属粉末とバインダーとを含む組成物を、所望の形状に成形
した後、脱脂・焼結することにより、所望の形状の焼結体を得ることができる。このよう
な粉末冶金技術によれば、その他の冶金技術に比べ、複雑で微細な形状の焼結体をニアネ
ット(最終形状に近い形状)で製造することができるという利点を有する。
粉末冶金に用いられる粉末冶金用金属粉末としては、従来、種々の組成の金属粉末が用
いられてきた。しかしながら、用いる金属粉末の組成によっては、焼結性が低いために、
焼結体の緻密化が不十分になるという問題があった。このような問題は、粉末冶金用の金
属粉末として、焼結温度において原子配列が面心立方格子となるような組成の粉末を用い
た場合や、Fe、CoおよびNiのいわゆる鉄族元素の粉末を用いた場合に顕著であった
また、焼成温度を高めることにより、焼結体の密度は向上するが、この場合、焼結体中
に温度勾配が生じ易く、緻密化の進行が不均一になり易い。その結果、焼結体の密度が不
均一になり、機械的特性を十分に高めることができなかった。
上記のような問題に鑑み、本発明者は、焼結性が低い組成であっても、または、低温領
域で焼成した場合でも、優れた焼結性を示し、良好な焼結体を得るための条件について鋭
意検討した。その結果、本発明の粉末冶金用金属粉末を完成するに至った。
以下、本発明の粉末冶金用金属粉末についてさらに詳述する。
本発明の粉末冶金用金属粉末の主成分である金属材料は、Fe、CoおよびNiからな
る群から選択される少なくとも1種を含む金属材料である。このような金属材料から得ら
れる焼結体は、機械的特性および電磁気的特性に優れていることから、種々の構造部品や
電磁気用部品等に広範囲にわたって好適に用いられるものである。したがって、これらの
金属材料を主成分とする粉末冶金用金属粉末は、緻密であり機械的特性や電磁気的特性が
特に良好な構造部品や電磁気用部品を製造するための原料粉末として好適である。
このような金属材料としては、例えば、フェライト系、オーステナイト系またはマルテ
ンサイト系のステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、高合金
鋼、低合金鋼、機械構造用鋼、強靭鋼、工具鋼、高硬度鋼、耐熱鋼、低炭素鋼、超合金、
パーマロイ等のFe基合金、インコネル等のNi基合金、Co−Cr系合金、Co−Cr
−Mo系合金等のCo基合金が挙げられる。
なお、ステンレス鋼および耐熱鋼は、主にFe、Ni、Cr等の成分を含む鋼種である

このうち、オーステナイト系ステンレス鋼としては、JIS G 4303〜4309
等に規定のステンレス鋼のうち、例えば、SUS301、SUS302、SUS303、
SUS304、SUS305、SUS309、SUS310、SUS316、SUS31
7、SUS321、SUS347、SUS384等が挙げられる。
また、オーステナイト系耐熱鋼としては、JIS G 4311〜4312等に規定の
耐熱鋼のうち、例えば、SUH31、SUH35、SUH36、SUH37、SUH38
、SUH309、SUH310、SUH330、SUH660、SUH661等が挙げら
れる。
一方、フェライト系ステンレス鋼としては、例えば、SUS405、SUS410L、
SUS429、SUS430、SUS434、SUS436L、SUS444、SUS4
47J1等が挙げられる。
さらに、マルテンサイト系ステンレス鋼としては、例えば、SUS403、SUS41
0、SUS416、SUS420、SUS431、SUS440等が挙げられる。
このようなステンレス鋼および耐熱鋼の高密度焼結体は、いずれも構造部品等として優
れた性能を発揮し得るものとなる。
また、クロムモリブデン鋼としては、例えば、SCM430、SCM415、SCM4
20等が挙げられる。
また、ニッケルクロムモリブデン鋼としては、例えば、JIS G 4053等に規定
の機械構造用合金鋼鋼材等が挙げられる。
また、低合金鋼としては、例えば、Fe2Ni、Fe2NiC、Fe8Ni、Fe8N
iC等が挙げられる。
また、低炭素鋼は、一般に、炭素含有率が0.02質量%以上0.3質量%以下程度の
炭素鋼を指す。
また、パーマロイとしては、例えば、JIS C 2531等に規定の鉄ニッケル軟質
磁性材料等が挙げられ、インコネルとしては、例えば、JIS G 4901、4902
に規定の耐食耐熱超合金等が挙げられる。
また、Co−Cr−Mo系合金は、人工関節等の医療用デバイス(インプラント)に好
適に用いられる。
Co−Cr−Mo系合金は、CrとMoとを含むCo基合金であるが、具体的には、C
rの含有率は、26質量%以上30質量%以下程度であるのが好ましく、27質量%以上
29質量%以下程度であるのがより好ましい。また、Moの含有率は、4.5質量%以上
7質量%以下程度であるのが好ましく、5質量%以上6.5質量%以下程度であるのがよ
り好ましい。このような組成のCo−Cr−Mo系合金は、機械的強度に優れたものとな
るため、前述したような医療用デバイスの構成材料として、特に好適に用いられるものと
なる。
このうち、金属材料としては、焼結温度において原子配列が面心立方格子となるような
組成のものが好ましく用いられる。このような組成としては、例えば、オーステナイト系
ステンレス鋼、オーステナイト系耐熱鋼のようなオーステナイト系のFe基合金が挙げら
れる。これらは、面心立方格子における原子(陽イオン)の充填率が相対的に高いため、
各種特性に優れた材料である。すなわち、この材料を用いることにより、引張強度や硬度
、靭性等の機械的特性や、耐食性等の化学的特性に優れた焼結体が得られる。
また、本発明の粉末冶金用金属粉末には、不可避元素を含んでいてもよい。「不可避元
素」とは、粉末冶金用金属粉末を構成する各成分の抽出、製造に際して、精製によっても
残存してしまい、不可避的に含まれる元素のことを言う。このような不可避元素としては
、例えば、Be、B、N、O、Si、P、S、Ti、Mn、W等の各種元素が挙げられる
が、これらの含有率は、粉末冶金用金属粉末において1質量%以下であるのが好ましい。
なお、粉末冶金用金属粉末における上記金属材料および上記不可避元素の含有率は、後
述する添加物の残部であるが、金属材料の含有率は、好ましくは95質量%以上とされ、
より好ましくは97質量%以上とされる。含有率が前記範囲内であれば、粉末冶金用金属
粉末において、金属材料が有する特性が十分に支配的となる。
一方、添加物(ZrおよびSi)は、主成分である金属材料よりも少ない含有率で粉末
冶金用金属粉末に含まれるものである。このため、粉末冶金用金属粉末の特性は、金属材
料が有する特性が支配的になっており、前述した添加物の含有率は、この主成分が有する
特性を損なわない程度に設定されている。
このような添加物は、その含有率を、前述した(A)および(B)の条件で規定される
含有率とすることにより、添加物が主成分の特性を損なうことなく、粉末冶金用金属粉末
の焼結性を十分に高めるよう作用する。
ここで、添加物のZrの作用について説明する。
(I)Zrは、金属材料との間で固溶し低融点相を形成するが、この低融点相は焼結工
程における速やかな原子拡散をもたらす。そして、この原子拡散が駆動力となって金属粉
末の粒子間距離が急速に縮まり、粒子間にネックを形成する。その結果、成形体の緻密化
が進行し、速やかに焼結する。
また、金属材料の主要元素であるFe、CoおよびNiのいわゆる鉄族元素の各原子半
径は、互いに非常に近いものであるが、Zrの原子半径に対して若干小さいものである。
具体的には、鉄族元素の原子半径は約0.115〜0.117nm程度と互いに接近して
いるが、Zrの原子半径は約0.145nmである。
ここで、2元系の固溶体において、鉄族元素の原子半径をαとし、Zrの原子半径をβ
とする場合、|α−β|/αが15%を超えると、主成分と副成分とは固溶し難いことが
一般的に示唆されている(ヒューム・ロザリーの法則)。
一方、本発明の場合、|α−β|/αの値が約24%となるため、鉄族元素とZrとは
固溶し難いと考えられる。したがって、Zrは各金属粒子の表面に偏析し易くなり、金属
粒子の表面に、前述した低融点相が形成されると考えられる。そして、この低融点相は、
金属粒子の内部に影響を及ぼすことなく、前述したように粒子間距離を短縮する駆動力と
なり得る。したがって、Zrを添加しても主成分の物性が損なわれず、主成分の物性を維
持した緻密な焼結体を得ることができると考えられる。なお、Zrにおける|α−β|/
αの値は、15%超であるものの、さほど離れていない(30%未満である)ため、Zr
は、粒子の内側から表面に向かって緩やかな濃度勾配を持ちつつ偏析すると考えられる。
したがって、鉄族元素とZrとがわずかに固溶することにより、粒子間が確実に接合され
、最終的に得られる焼結体の機械的特性が向上すると考えられる。
また、金属材料が鉄族元素を含む合金である場合も、上記のメカニズムがほぼ変わらず
、焼結性が向上する。
(II)また、Zrは、フェライト生成元素であるため、粉末冶金用金属粉末が焼結する
際に、Fe、CoおよびNiを含む金属材料とZrとにより、原子が体心立方格子を構築
するよう配列した相(以下、省略して「体心立方格子相」ともいう。)を析出させる。こ
の体心立方格子相は、他の結晶格子相、例えば面心立方格子相や最密六方格子等に比べて
焼結性に優れている。これは、体心立方格子相と他の結晶格子相との間の、原子配列の充
填性の差に伴う柔軟性の違いによるものと考えられる。このような理由から、Zrを添加
することにより、粉末冶金用金属粉末の焼結性が向上する。
(III)また、Zrは、粉末冶金用金属粉末が焼結する際に、金属材料の酸化物として
微量に含まれた酸素を除去する脱酸剤として作用する。ここで、金属材料の酸化物は、粉
末冶金用金属粉末の焼結を阻害し、焼結性低下の一因となっているが、Zrが脱酸剤とし
て作用することにより、焼結の阻害要因である酸化物を除去することができる。これによ
り、粉末冶金用金属粉末の焼結性が向上する。
以上のような(I)〜(III)の少なくとも1つの作用により、粉末冶金用金属粉末の
焼結性が向上すると考えられる。
次に、添加物のSiの作用について説明する。
Siは、フェライト生成元素であり、かつ脱酸剤としても作用する。このため、Zrと
同様に、体心立方格子相を析出させ、かつ、焼結の阻害要因である酸化物を除去し、粉末
冶金用金属粉末の焼結性を向上させる。
しかしながら、これらの元素は、それぞれ単独では十分な効果をもたらさないことが明
らかになってきた。特に金属材料が焼結温度において面心立方格子相を析出するような材
料である場合は、その傾向が顕著である。また、鉄族元素を多く含む金属材料を焼結する
場合、高温での焼成が必要であり、寸法精度の向上や焼成にかかるコストを低減する観点
から、焼結温度を下げることが求められていた。
これらの課題に対し、本発明者は、ZrおよびSiからなる添加物を以下の条件(A)
および(B)を満たすように添加し、残部を前記金属材料および前記不可避元素とする粉
末冶金用金属粉末であれば、その焼結性を飛躍的に向上させ得ることを見出した。
(A)粉末冶金用金属粉末におけるZrの含有率をa[質量%]とし、Siの含有率を
b[質量%]としたとき、a/bは0.03以上0.3以下である
(B)bは0.35質量%以上1.5質量%以下である
このような粉末冶金用金属粉末によれば、ZrおよびSiが金属材料の焼結性を高める
よう相乗的に作用する。このため、本発明の粉末冶金用金属粉末とバインダーとを含む組
成物を成形した後、脱脂・焼結してなる焼結体は、緻密化が十分に進行したものとなる。
そして、得られた焼結体は、相対密度や機械的特性、化学的特性等に優れたものとなる。
なお、ZrおよびSiが前述した相乗効果をもたらす理由は明らかになっていないが、
ZrおよびSiのイオン半径が適度に異なっていることが理由の1つであると推察される
。支配的であると考えられるZr4+イオンとSi4+イオンの各半径を比較すると、約2倍
の差がある。このため、このように半径が2倍程度異なるイオンが粉末冶金用金属粉末中
に共存していると、主成分である金属材料の結晶格子の隙間にイオンが入り込む際に、Z
rイオンとSiイオンとが対になることで結晶格子の歪みを相殺するため、より多くのZ
rイオンやSiイオンを含んだとしても結晶格子の構造を保持することができる。換言す
れば、ZrイオンやSiイオンをそれぞれ単独で添加した場合には、結晶格子を構成する
イオンと添加物のイオンとの半径差に基づいて、結晶格子に歪みが蓄積され、焼結性が低
下するとともに、焼結体の機械的特性も低下する。
これに対し、本発明によれば、ZrとSiとを所定の割合で組み合わせて添加すること
で、結晶格子に歪みをもたらすことなく、より多くの添加物を添加することができるので
、金属材料の隅々までZrおよびSiが作用し、金属材料に対して特に顕著な焼結性の向
上がもたらされる。すなわち、面心立方格子相のような充填性の高い結晶格子相であって
も、高い焼結性が得られると考えられる。
このような理由に基づき、両者を所定の割合で含むことにより、焼結に至る温度が特に
低下して、低温での焼成であっても焼結密度を十分に高めることができる。
ここで、a/bが前記下限値を下回る場合、Siに対するZrの相対的な量が著しく少
なくなるため、ZrとSiとのバランスが崩れてしまい、相乗的な作用が失われる。一方
、a/bが前記上限値を上回る場合、今度はSiに対するZrの相対的な量が著しく多く
なるため、やはりZrとSiとのバランスが崩れてしまう。
また、bが前記下限値を下回る場合、粉末冶金用金属粉末中におけるSiの量が絶対的
に少なくなるため、ZrとSiとによる相乗的な作用が失われてしまう。一方、bが前記
上限値を上回る場合、Siの量が絶対的に多くなり、特に焼結体の靭性等の機械的特性が
低下する。
なお、条件(A)において、a/bは好ましくは0.05以上0.25以下程度とされ
、より好ましくは0.1以上0.2以下程度とされる。
一方、条件(B)において、bは好ましくは0.5以上0.8以下程度とされる。
また、aは、0.015質量%以上0.3質量%以下であるのが好ましく、0.03質
量%以上0.1質量%以下であるのがより好ましい。aが前記下限値を下回る場合、粉末
冶金用金属粉末中におけるZrの量が絶対的に少なくなるため、ZrとSiとの相乗的な
作用はもちろん、Zr単体による作用も失われてしまうおそれがある。一方、aが前記上
限値を上回る場合、余剰のZrが生じるため、かえって良好な焼結を阻害するおそれがあ
る。
また、本発明の粉末冶金用金属粉末は、添加物として、ZrおよびSi以外にC(炭素
)を含むのが好ましい。Cは、オーステナイト生成元素であり、かつそのイオン半径は非
常に小さい。このため、金属材料の結晶格子の隙間に非常に入り易く、結晶格子の歪みを
より緩和するとともに、焼結完了後の緻密化に寄与する。さらには、金属粒子表面に金属
酸化物が残存している場合には、この金属酸化物がCにより還元されるため、焼結の阻害
要因である金属酸化物が除去され、金属材料の緻密化が進行する。
すなわち、Cは、ZrおよびSiとともに、前述した相乗効果をもたらし、粉末冶金用
金属粉末の焼結性をさらに高めることができる。なお、支配的であると考えられるCのイ
オン(C4+)は、半径がSiの半分程度であることから、このCイオンが結晶格子の隙間
に入り込み易いことが、上記相乗効果をもたらすにあたって有効である。
粉末冶金用金属粉末におけるCの含有率をc[質量%]としたとき、c/bは0.00
1以上3以下程度であるのが好ましく、0.05以上2以下程度であるのがより好ましく
、0.1以上1以下程度であるのがさらに好ましい。このような粉末冶金用金属粉末は、
ZrやSiに対するCの相対的な量が最適化され、前述した相乗効果をより確実に得るこ
とができる。
なお、c/bが前記下限値を下回る場合、ZrおよびSiに対するCの相対的な量が著
しく少なくなるため、相乗効果が得られないおそれがある。一方、c/bが前記上限値を
上回る場合、Cの相対的な量が多くなり過ぎて、やはり相乗効果が得られないおそれがあ
る。
また、cは0.001質量%以上2.5質量%以下であるのが好ましく、0.01質量
%以上1.5質量%以下であるのがより好ましく、0.1質量%以上0.7質量%以下で
あるのがさらに好ましい。
なお、cが前記下限値を下回る場合、粉末冶金用金属粉末中におけるCの量が絶対的に
少なくなるため、前述したCによる作用が発現しないおそれがある。一方、cが前記上限
値を上回る場合、Cの量が絶対的に多くなるため、粉末冶金用金属粉末において金属材料
の特性が低下し、焼結体の各種特性が損なわれるおそれがある。
また、粉末冶金用金属粉末の平均粒径は、特に限定されないが、1μm以上30μm以
下程度であるのが好ましく、1μm以上20μm以下程度であるのがより好ましい。この
ような粒径の粉末冶金用金属粉末は、成形時の圧縮性の低下を避けつつ、最終的に十分に
緻密な焼結体を製造可能なものとなる。
なお、平均粒径が前記下限値未満である場合、粉末冶金用金属粉末が凝集し易くなり、
成形時の圧縮性が著しく低下するおそれがある。一方、平均粒径が前記上限値を超える場
合、粉末の粒子間の隙間が大きくなり過ぎて、最終的に得られる焼結体の緻密化が不十分
になるおそれがある。
また、本発明の粉末冶金用金属粉末のタップ密度は、3.5g/cm3以上であるのが
好ましく、4g/cm3以上であるのがより好ましい。このようにタップ密度が大きい粉
末冶金用金属粉末であれば、成形体を得る際に、粒子間の充填性が特に高くなる。このた
め、最終的に、特に緻密な焼結体を得ることができる。
また、本発明の粉末冶金用金属粉末の比表面積は、特に限定されないが、0.1m2
g以上であるのが好ましく、0.2m2/g以上であるのがより好ましい。このように比
表面積の広い粉末冶金用金属粉末であれば、表面の活性(表面エネルギー)が高くなるた
め、より少ないエネルギーの付与でも容易に焼結することができる。したがって、成形体
を焼結する際に、より低温でかつ短時間で焼結することができる。
このような粉末冶金用金属粉末は、例えば、いかなる方法で製造されたものでもよいが
、例えば、アトマイズ法(水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ
法等)、還元法、カルボニル法、粉砕法等の方法により製造されたものを用いることがで
きる。
このうち、粉末冶金用金属粉末には、アトマイズ法により製造されたものを用いるのが
好ましい。アトマイズ法によれば、前記したような微小な平均粒径の金属粉末を効率よく
製造することができる。また、粒径のバラツキが少なく、粒径の揃った金属粉末を得るこ
とができる。
また、アトマイズ法で製造された粉末冶金用金属粉末は、真球に比較的近い球形状をな
しているため、バインダーに対する分散性や流動性に優れたものとなる。このため、この
ような金属粉末を含む組成物を成形型に充填して成形する際に、その充填性を高めること
ができ、最終的により緻密な焼結体を得ることができる。
さらには、各金属粒子間で、組成のバラツキが少なくなるという利点もある。
また、本発明の粉末冶金用金属粉末において、金属材料および添加物は合金化または金
属間化合物を形成しているのが好ましい。このような金属粉末は、各粒子において、金属
材料と添加物とが均一に分布したものとなる。その結果、添加物の作用が金属粉末全体で
均等に発揮されることとなり、最終的に、焼結ムラの発生を防止することができる。
なお、このような粉末や、例えばアトマイズ法により製造することができる。アトマイ
ズ法では、前述した金属材料および添加物を溶解して溶融金属とした後、この溶融金属を
、高速で噴射させた流体(液体または気体)に衝突させることにより、溶融金属を微粉化
するとともに冷却して、金属粉末を製造する。このため、金属材料および添加物は合金化
または金属間化合物を形成し易く、均質な粒子が得られる。
(焼結体の製造方法)
次に、このような本発明の粉末冶金用金属粉末を焼結してなる焼結体(本発明の焼結体
)について説明する。
焼結体を製造する方法は、[A]焼結体製造用の組成物を用意する組成物調製工程と、
[B]成形体を製造する成形工程と、[C]脱脂処理を施す脱脂工程と、[D]焼成を行
う焼成工程とを有する。以下、各工程について順次説明する。
[A]組成物調製工程
まず、本発明の粉末冶金用金属粉末と、バインダーとを用意し、これらを混練機により
混練し、混練物(組成物)を得る。
この混練物(コンパウンド)中では、粉末冶金用金属粉末が均一に分散している。
バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等
のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリ
エステル、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはこれらの
共重合体等の各種樹脂や、各種ワックス、パラフィン、高級脂肪酸(例:ステアリン酸)
、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド等の各種有機バインダーが挙
げられ、これらのうち1種または2種以上を混合して用いることができる。
このうち、バインダーとしては、ポリオレフィンを主成分とするものが好ましい。ポリ
オレフィンは、還元性ガスによる分解性が比較的高い。このため、ポリオレフィンをバイ
ンダーの主成分として用いた場合、より短時間で確実に成形体の脱脂を行うことができる
また、バインダーの含有率は、混練物全体の2質量%以上20質量%以下程度であるの
が好ましく、5質量%以上10質量%以下程度であるのがより好ましい。バインダーの含
有率が前記範囲内であることにより、成形性よく成形体を形成することができるとともに
、密度を高め、成形体の形状の安定性等を特に優れたものとすることができる。また、こ
れにより、成形体と脱脂体との大きさの差、いわゆる収縮率を最適化して、最終的に得ら
れる焼結体の寸法精度の低下を防止することができる。
また、混練物中には、必要に応じて、可塑剤が添加されていてもよい。この可塑剤とし
ては、例えば、フタル酸エステル(例:DOP、DEP、DBP)、アジピン酸エステル
、トリメリット酸エステル、セバシン酸エステル等が挙げられ、これらのうちの1種また
は2種以上を混合して用いることができる。
さらに、混練物中には、粉末冶金用金属粉末、バインダー、可塑剤の他に、例えば、酸
化防止剤、脱脂促進剤、界面活性剤等の各種添加物を必要に応じ添加することができる。
なお、混練条件は、用いる粉末冶金用金属粉末の金属組成や粒径、バインダーの組成、
およびこれらの配合量等の諸条件により異なるが、その一例を挙げれば、混練温度:50
℃以上200℃以下程度、混練時間:15分以上210分以下程度とすることができる。
また、混練物は、必要に応じ、ペレット(小塊)化される。ペレットの粒径は、例えば
、1mm以上15mm以下程度とされる。
なお、混練物に代えて、造粒粉末を製造するようにしてもよい。
[B]成形工程
次に、混練物を成形して、目的の焼結体と同形状の成形体を製造する。
成形体の製造方法(成型方法)としては、特に限定されず、例えば、圧粉成形(圧縮成
形)法、金属粉末射出成形(MIM:Metal Injection Molding)法、押出成形法等の各
種成形法を用いることができる。
このうち、圧粉成形法の場合の成形条件は、用いる粉末冶金用金属粉末の組成や粒径、
バインダーの組成、およびこれらの配合量等の諸条件によって異なるが、成形圧力が20
0MPa以上1000MPa以下(2t/cm2以上10t/cm2以下)程度であるのが
好ましい。
また、金属粉末射出成形法の場合の成形条件は、諸条件によって異なるものの、材料温
度が80℃以上210℃以下程度、射出圧力が50MPa以上500MPa以下(0.5
t/cm2以上5t/cm2以下)程度であるのが好ましい。
また、押出成形法の場合の成形条件は、諸条件によって異なるものの、材料温度が80
℃以上210℃以下程度、押出圧力が50MPa以上500MPa以下(0.5t/cm
2以上5t/cm2以下)程度であるのが好ましい。
このようにして得られた成形体は、金属粉末の複数の粒子の間隙に、バインダーが一様
に分布した状態となる。
なお、作製される成形体の形状寸法は、以降の脱脂工程および焼成工程における成形体
の収縮分を見込んで決定される。
[C]脱脂工程
次に、得られた成形体に脱脂処理(脱バインダー処理)を施し、脱脂体を得る。
具体的には、成形体を加熱して、バインダーを分解することにより、成形体中からバイ
ンダーを除去して、脱脂処理がなされる。
この脱脂処理は、例えば、成形体を加熱する方法、バインダーを分解するガスに成形体
を曝す方法等が挙げられる。
成形体を加熱する方法を用いる場合、成形体の加熱条件は、バインダーの組成や配合量
によって若干異なるものの、温度100℃以上750℃以下×0.1時間以上20時間以
下程度であるのが好ましく、150℃以上600℃以下×0.5時間以上15時間以下程
度であるのがより好ましい。これにより、成形体を焼結させることなく、成形体の脱脂を
必要かつ十分に行うことができる。その結果、脱脂体の内部にバインダー成分が多量に残
留してしまうのを確実に防止することができる。
また、成形体を加熱する際の雰囲気は、特に限定されず、水素のような還元性ガス雰囲
気、窒素、アルゴンのような不活性ガス雰囲気、大気のような酸化性ガス雰囲気、または
これらの雰囲気を減圧した減圧雰囲気等が挙げられる。
一方、バインダーを分解するガスとしては、例えば、オゾンガス等が挙げられる。
なお、このような脱脂工程は、脱脂条件の異なる複数の過程(ステップ)に分けて行う
ことにより、成形体中のバインダーをより速やかに、そして、成形体に残存させないよう
に分解・除去することができる。
また、必要に応じて、脱脂体に対して切削、研磨、切断等の機械加工を施すようにして
もよい。脱脂体は、硬度が比較的低く、かつ比較的可塑性に富んでいるため、脱脂体の形
状が崩れるのを防止しつつ、容易に機械加工を施すことができる。このような機械加工に
よれば、最終的に寸法精度の高い焼結体を容易に得ることができる。
[D]焼成工程
前記工程[C]で得られた脱脂体を、焼成炉で焼成して焼結体を得る。
この焼結により、粉末冶金用金属粉末は、粒子同士の界面で拡散が生じ、焼結に至る。
この際、前述したようなメカニズムによって、脱脂体が速やかに焼結される。その結果、
全体的に緻密な高密度の焼結体が得られる。
焼成温度は、成形体および脱脂体の製造に用いた粉末冶金用金属粉末の組成や粒径等に
よって異なるが、本発明では、金属材料の融点の70%以上95%以下の温度に設定する
。このような温度は、従来の焼成温度に比べてかなり低い温度である。このため、従来の
粉末冶金用金属粉末では、このような低温領域で焼成したとしても、焼結が十分に進行せ
ず、焼結体の密度を高めることができなかった。
これに対し、本発明の金属粉末を用いることにより、添加物の作用で焼結性が著しく向
上するため、前述したような低温で焼成したとしても、焼結が十分に促進され、高密度の
焼結体を得ることができる。
また、焼成温度は、好ましくは主成分の融点の75%以上90%以下程度とされる。
例えば、金属材料としてオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS316Lを用いた
場合、粉末冶金用金属粉末の脱脂体の焼成温度は、SUS316Lの融点が約1400℃
であることから、980℃以上1330℃以下程度とされる。また、好ましくは1050
℃以上1260℃以下程度とされる。
また、焼成時間は、0.2時間以上7時間以下とされるが、好ましくは1時間以上4時
間以下程度とされる。
焼成条件をこのような範囲に設定することにより、焼結が進み過ぎて過焼結となり、結
晶組織が肥大化するのを防止しつつ、脱脂体全体を十分に焼結させることができる。その
結果、高密度であり、かつ特に機械的特性に優れた焼結体を得ることができる。
また、焼成温度が比較的低温であることから、焼成炉による加熱温度を一定に制御し易
く、したがって、脱脂体の温度も一定になり易い。その結果、より均質な焼結体を製造す
ることができる。
さらには、前述したような焼成温度は、一般的な焼成炉で十分に実現可能な焼成温度で
あるため、安価な焼成炉が利用可能であるとともに、ランニングコストも抑えることがで
きる。換言すれば、前記焼成温度を超える場合には、特殊な耐熱材料を用いた高価な焼成
炉を利用する必要があり、しかもランニングコストも高くなるおそれがある。
また、焼成の際の雰囲気は、特に限定されないが、金属粉末の酸化を防止することを考
慮した場合、水素のような還元性ガス雰囲気、アルゴンのような不活性ガス雰囲気、また
はこれらの雰囲気を減圧した減圧雰囲気等が好ましく用いられる。
このようにして得られた焼結体は、比較的低温で焼成したにもかかわらず、相対密度の
高いものとなる。
すなわち、本発明の粉末冶金用金属粉末とバインダーとを含む組成物を、成形した後、
脱脂・焼結して製造された焼結体は、前述した添加物を含まない金属粉末を焼結してなる
焼結体に比べて相対密度が高くなる。よって、本発明であれば、従来であれば焼結密度の
高い焼結体を得ることができなかったような組成の金属材料についても、焼結性を考慮す
ることなく、金属材料の電磁気的特性や化学的特性等を優先して材料を選択することがで
きる。したがって、本発明によれば、金属材料の組成の幅を広げることができ、電磁気的
特性や化学的特性に富んだ焼結体を容易に実現することができる。
なお、具体的には、焼結体の相対密度は、粉末冶金用金属粉末の組成によって若干異な
るものの、上記添加物を添加することで2%以上の相対密度の向上が期待できる。
その結果、得られた焼結体の相対密度は、96%以上になることが期待できる(好まし
くは97%以上)。このような範囲の相対密度を有する焼結体は、粉末冶金技術を利用す
ることで目的とする形状に限りなく近い形状を有するものであるにもかかわらず、溶製材
に匹敵する優れた機械的特性を有するものとなるため、後加工を施すことなく各種の機械
部品等に適用可能なものとなる。
また、本発明の粉末冶金用金属粉末とバインダーとを含む組成物を、成形した後、脱脂
・焼結して製造された焼結体は、その引張強さや0.2%耐力が、前記した添加物を含ま
ない金属粉末を焼結してなる焼結体の引張強さや0.2%耐力よりも大きくなる。これは
、添加物を添加したことにより、金属粉末の焼結性を高め、これにより機械的特性が向上
したためと考えられる。
具体的には、粉末冶金用金属粉末の組成によって若干異なるものの、5%以上の引張強
さの向上、5%以上の0.2%耐力の向上がそれぞれ期待できる。その結果、例えばSU
S316Lの焼結体の場合、引張強さが500MPa以上、0.2%耐力が160MPa
以上である、機械的特性に優れた焼結体が得られる。
以上のことから、本発明の粉末冶金用金属粉末を用いることにより、この金属粉末が焼
結性に劣る組成であっても、または、低温領域で焼成した場合であっても、焼結における
緻密化を図ることができる。その結果、高密度で機械的特性に優れた焼結体を容易に製造
することができるようになる。
以上、本発明の粉末冶金用金属粉末および焼結体について、好適な実施形態に基づいて
説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の実施例について説明する。
1.SUS316L系ステンレス鋼の焼結体の製造
(実施例1A)
[1]まず、水アトマイズ法により製造された表1に示す組成のSUS316L系粉末
(エプソンアトミックス社製)を用意した。なお、このSUS316L系粉末の平均粒径
は9.87μm、タップ密度は4.38g/cm3、比表面積は0.24m2/gであった
。また、SUS316L材料の融点は、約1400℃である。
また、表1に示す粉末の組成は、誘導結合高周波プラズマ発光分析法(ICP法)によ
り同定した。また、ICP分析には、(株)リガク製、ICP装置(CIROS120型
)を用いた。
Figure 0005630430
[2]次に、有機バインダーを水(溶媒)に溶解してバインダー溶液を調製した。
なお、バインダー溶液における有機バインダーの量は、金属粉末1kg当たり10gと
した。また、バインダー溶液における水の量は、有機バインダー1g当たり50gとした

[3]次に、金属粉末を、造粒装置の処理容器内に投入した。そして、処理容器内の金
属粉末に向けて、造粒装置のスプレーノズルからバインダー溶液を噴霧しつつ、金属粉末
を転動・造粒し、造粒粉末を得た。
[4]次に、得られた造粒粉末を用い、以下の成形条件で成形し、成形体を得た。
<成形条件>
・成形方法:圧粉成形
・成形圧力:600MPa(6t/cm2
[5]次に、この成形体を以下の脱脂条件で脱脂し、脱脂体を得た。
<脱脂条件>
・加熱温度 :470℃
・加熱時間 :1時間
・加熱雰囲気:アルゴン雰囲気
[6]次に、得られた脱脂体を、以下の焼成条件で焼成し、焼結体を得た。
<焼成条件>
・加熱温度 :1100℃(融点の79%)
・加熱時間 :3時間
・加熱雰囲気:アルゴン雰囲気
(実施例2A〜7A)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表1に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Aと同様にして焼結体を得た。
(比較例1A〜4A)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表1に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Aと同様にして焼結体を得た。
2.SCM415系クロムモリブデン鋼の焼結体の製造
(実施例1B)
まず、水アトマイズ法により製造された表2に示す組成のSCM415系粉末(エプソ
ンアトミックス社製)を用意した。なお、このSCM415系粉末の平均粒径は9.74
μmであった。
次に、実施例1Bと同様にして焼結体を得た。なお、焼成時の加熱温度は、SCM41
5材料の融点の87%とした。
Figure 0005630430
(実施例2B〜4B)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表2に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Bと同様にして焼結体を得た。
(比較例1B〜4B)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表2に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Bと同様にして焼結体を得た。
3.SNCM439系ニッケルクロムモリブデン鋼の焼結体の製造
(実施例1C)
まず、水アトマイズ法により製造された表3に示す組成のSNCM439系粉末(エプ
ソンアトミックス社製)を用意した。なお、このSNCM439系粉末の平均粒径は10
.12μmであった。
次に、実施例1Cと同様にして焼結体を得た。なお、焼成時の加熱温度は、SNCM4
39材料の融点の85%とした。
Figure 0005630430
(実施例2C〜8C)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表3に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Cと同様にして焼結体を得た。
(比較例1C〜4C)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表3に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Cと同様にして焼結体を得た。
4. 2%Ni−Fe系低合金鋼の焼結体の製造
(実施例1D)
まず、水アトマイズ法により製造された表4に示す組成の2%Ni−Fe系粉末(エプ
ソンアトミックス社製)を用意した。なお、この2%Ni−Fe系粉末の平均粒径は9.
74μmであった。
次に、実施例1Dと同様にして焼結体を得た。なお、焼成時の加熱温度は、2%Ni−
Fe材料の融点の81%とした。
Figure 0005630430
(実施例2D〜4D)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表4に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Dと同様にして焼結体を得た。
(比較例1D〜7D)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表4に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Dと同様にして焼結体を得た。
5. 8%Ni−Fe系低合金鋼の焼結体の製造
(実施例1E)
まず、水アトマイズ法により製造された表5に示す組成の8%Ni−Fe系粉末(エプ
ソンアトミックス社製)を用意した。なお、この8%Ni−Fe系粉末の平均粒径は9.
84μmであった。
次に、実施例1Eと同様にして焼結体を得た。なお、焼成時の加熱温度は、8%Ni−
Fe材料の融点の84%とした。
Figure 0005630430
(実施例2E〜6E)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表5に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Eと同様にして焼結体を得た。
(比較例1E〜5E)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表5に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Eと同様にして焼結体を得た。
6.Co−Cr−Mo系合金の焼結体の製造
(実施例1F)
まず、水アトマイズ法により製造された表6に示す組成のCo−Cr−Mo系粉末(エ
プソンアトミックス社製)を用意した。なお、このCo−Cr−Mo系粉末の平均粒径は
9.93μmであった。
次に、実施例1Fと同様にして焼結体を得た。なお、焼成時の加熱温度は、Co−Cr
−Mo材料の融点の72%とした。
Figure 0005630430
(実施例2F、3F)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表6に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Fと同様にして焼結体を得た。
(比較例1F〜3F)
粉末冶金用金属粉末の組成を、表6に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例
1Fと同様にして焼結体を得た。
7.焼結体の評価
7.1 焼結密度の測定
各実施例および各比較例で得られた焼結体について、それぞれの焼結密度を測定した。
なお、焼結密度の測定は、アルキメデス法(JIS Z 2501に規定)に準じた方法
により行った。
また、測定された焼結密度と、各実施例および各比較例で用いた金属材料の真密度とか
ら、各実施例および各比較例で得られた焼結体の相対密度を算出した。
7.2 引張強さの測定
各実施例および各比較例で得られた焼結体の一部について、それぞれの引張強さを測定
した。なお、引張強さの測定は、JIS Z 2241に規定の方法に準じて行った。
以上、7.1の測定結果を表1〜6に示す。また、7.2の測定結果を表4に示す。
表1〜6から明らかなように、各実施例では、いずれも、比較例に比べて高密度の焼結
体が得られた。これにより、ZrおよびSiを所定の割合で含む粉末冶金用金属粉末は、
その焼結性を高め得ることが明らかとなった。
特に、ZrおよびSiに対して、さらにCを所定の割合で添加することにより、粉末冶
金用金属粉末の焼結性をさらに高め得ることが認められた。
また、各実施例で得られた焼結体は、比較例で得られた焼結体に比べて引張強さが高く
、機械的特性に優れていることが認められた。
8.低温焼成による焼結体の評価
次に、実施例3Dおよび各比較例2D〜7Dで得られた粉末冶金用金属粉末について、
それぞれ焼成温度1100℃および焼成温度1300℃において焼結体を製造した。なお
、焼成時間はそれぞれ3時間とし、焼成雰囲気はそれぞれアルゴン雰囲気とした。
次いで、得られた焼結体の焼結密度をそれぞれ測定した。測定した焼結密度から算出し
た相対密度を表7に示す。
Figure 0005630430
また、実施例3Dおよび各比較例2D〜7Dで得られた焼結体について、焼成温度ごと
の焼結体の相対密度をグラフとして図1に示す。
図1から明らかなように、実施例で得られた粉末冶金用金属粉末を用いた場合、110
0℃という低温で焼成しても、96.5%以上の高密度の焼結体を得ることができた。こ
のような低温での焼成でも十分な密度が得られれば、特殊な耐熱材料を用いない安価な焼
成炉でも高品質の焼結体を製造することができる。また、熱による寸法変化が抑えられる
ため、焼結体の寸法精度が高くなる。その結果、後加工が不要になり、製造工程の簡略化
および低コスト化が図られる。
また、同じ組成の粉末冶金用金属粉末について、同じ温度で焼成したとしても、粒径に
よって焼結後の焼結体の相対密度が変化する。
なお、2%Ni−Feの粉末冶金用金属粉末については、平均粒径3μm、5μm、1
5μm、25μmの粉末についても、表4と同様の組成の粉末を用いて焼結体の評価を行
った。その結果、粒径を変えても焼結性の傾向は表4の場合と変わらなかった。一方、粒
径が小さいほど、相対密度が高くなる傾向が認められた。
一方、各比較例で得られた粉末冶金用金属粉末を用いた場合、焼成温度1100℃では
、十分な焼結密度を得ることができなかった。また、1300℃で焼成しても、実施例で
得られた粉末冶金用金属粉末を1100℃で焼成して得られた焼結体の密度さえ上回るこ
とはできなかった。

Claims (9)

  1. Zr、SiおよびC(炭素)を以下の(A)、(B)および(C)の条件を満たすように含み、その残部が、最大含有率元素としてのFeと、0.21質量%以上0.26質量%以下の含有率のMoと、CrおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素と、からなる金属材料および不可避元素で構成されていることを特徴とする粉末冶金用金属粉末。
    (A)Zrの含有率をa[質量%]とし、Siの含有率をb[質量%]とし、Cの含有率をc[質量%]としたとき、a/bは0.03以上0.3以下であり、かつc/bは0.001以上3以下である
    (B)bは0.5質量%以上0.8質量%以下である
    (C)cは0.1質量%以上0.7質量%以下である
  2. 前記Zrの含有率aは0.015質量%以上0.3質量%以下である請求項1に記載の粉末冶金用金属粉末。
  3. aは0.03質量%以上0.1質量%以下であり、かつ、
    bは0.5質量%以上0.8質量%以下であり、かつ、
    cは0.1質量%以上0.7質量%以下である請求項1または2に記載の粉末冶金用金属粉末。
  4. 前記金属材料の組成は、焼結温度において原子配列が面心立方格子になる組成である請求項1ないし3のいずれかに記載の粉末冶金用金属粉末。
  5. 前記金属材料と、前記ZrおよびSiとは、合金または金属間化合物を形成している請求項1ないし4のいずれかに記載の粉末冶金用金属粉末。
  6. 平均粒径が1μm以上30μm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の粉末冶金用金属粉末。
  7. 当該粉末冶金用金属粉末は、アトマイズ法により製造されたものである請求項1ないし6のいずれかに記載の粉末冶金用金属粉末。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の粉末冶金用金属粉末を所定の形状に成形し、得られた成形体を焼結してなることを特徴とする焼結体。
  9. 相対密度が96%以上である請求項8に記載の焼結体。
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