JP5629989B2 - カラーフィルタ、当該カラーフィルタを備えた有機el表示装置およびカラーフィルタの形成方法 - Google Patents

カラーフィルタ、当該カラーフィルタを備えた有機el表示装置およびカラーフィルタの形成方法 Download PDF

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Description

本発明はカラーフィルタに係り、とりわけ、入射された光を効率的に利用することができるカラーフィルタ、およびその形成方法に関する。また本発明は、当該カラーフィルタを備えた有機EL表示装置に関する。
従来、平面ディスプレイとして液晶表示装置や有機EL表示装置などが実用化されている。これらの表示装置は一般に、光源からの光の色純度を向上させるため、または光源からの光の波長を変換するため、カラーフィルタを備えている。
従来のカラーフィルタは、透明基材と、透明基材上に設けられ、各々が表示装置の単位画素に対応する複数の着色樹脂層と、各着色樹脂層間に設けられたブラックマトリクス層とを有している。このように従来のカラーフィルタにおいては、ブラックマトリクス層を各着色樹脂層間に設けることにより、各画素間における光の漏れが発生するのを防いでいる。
しかしながら従来のカラーフィルタにおいて、ブラックマトリクス層に入射した光は、カラーフィルタから取り出されることなく、ブラックマトリクス層により吸収される。このため光の利用効率が悪いという課題がある。このような課題を解決するため、例えば特許文献1においては、各着色樹脂層間に遮光層を設けるとともに、遮光層の側面を反射層によって覆っている。この場合、カラーフィルタに入射した光のうち遮光層に到達した光を反射層で全反射させ、このことにより光を表示面側に取り出し、これによって光の利用効率を向上させることが図られている。
特開2005−322623号公報
しかしながら、特許文献1に記載のカラーフィルタにおいては、遮光層が印刷法により形成されており、このため、遮光層の側面が十分に平滑になるよう遮光層を形成するのは困難であると考えられる。従って、このような遮光層の側面に設けられた反射層によっては、光を適切に全反射させることができないと考えられる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、入射された光を効率的に利用することができるカラーフィルタ、およびその形成方法を提供することを目的とする。また本発明は、当該カラーフィルタを備えた有機EL表示装置を提供することを目的とする。
本発明によるカラーフィルタは、一側の面に仕切り壁を残して複数の溝が形成されたカラーフィルタ用基材と、カラーフィルタ用基材の各溝内に設けられたカラーフィルタ層とを備え、一側からカラーフィルタ層内に入射した光が、カラーフィルタ層と仕切り壁との間の境界で全反射されることを特徴とする。
本発明によるカラーフィルタにおいて、各仕切り壁の表面に反射層が設けられ、一側の面からカラーフィルタ層内に入射した光が、当該反射層で全反射されてもよい。
本発明によるカラーフィルタにおいて、各溝内に、前記カラーフィルタ層が空間を残して充填され、一側の面から溝内に入射した光が、前記反射層で全反射されてもよい。
本発明によるカラーフィルタは、前記カラーフィルタ用基材の一側の面の外周に設けられた周縁枠体をさらに備えていてもよい。
本発明によるカラーフィルタにおいて、前記周縁枠体の内面に反射層を設けてもよい。
本発明による有機EL表示装置は、上記記載のカラーフィルタと、当該カラーフィルタの一側に配置されて、このカラーフィルタを支持するガラス基板と、ガラス基板上に設けられるとともに、陽極と、陰極と、陽極と陰極の間に設けられた有機発光層とを有する有機EL層とを備えたことを特徴とする。
本発明によるカラーフィルタの形成方法は、素材を準備する工程と、素材の一側の面に仕切り壁を残して複数の溝を形成し、これによってカラーフィルタ用基材を形成する工程と、仕切り壁の表面に、溝内に入射した光を全反射させる反射層を形成する工程と、各溝の底面にカラーフィルタ層を形成する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、カラーフィルタは、一側の面に仕切り壁を残して複数の溝が形成されたカラーフィルタ用基材と、カラーフィルタ用基材の各溝内に設けられたカラーフィルタ層とを備えており、このため、一側からカラーフィルタに入射した光がカラーフィルタの他側から取り出されるよう、カラーフィルタ層と仕切り壁との間の境界において光を適切に全反射させることができる。これによって、従来はカラーフィルタ内で吸収されている光をカラーフィルタから取出すことができ、このことにより、カラーフィルタにおける光利用効率を向上させることができる。
また本発明によれば、有機EL表示装置は、上記記載のカラーフィルタと、当該カラーフィルタの一側に配置されて、このカラーフィルタを支持するガラス基板と、ガラス基板上に設けられるとともに、陽極と、陰極と、陽極と陰極の間に設けられた有機発光層とを有する有機EL層とを備えている。このため、一側からカラーフィルタに入射した光がカラーフィルタの他側から取り出されるよう、カラーフィルタの仕切り壁において光を全反射させることができる。これによって、従来はカラーフィルタ内で吸収されている光をカラーフィルタから取り出すことができ、このことにより、有機EL表示装置における効率を向上させることができる。
また本発明によれば、カラーフィルタの形成方法は、素材を準備する工程と、素材の一側の面に仕切り壁を残して複数の溝を形成し、これによってカラーフィルタ用基材を形成する工程と、仕切り壁の表面に、溝内に入射した光を全反射させる反射層を形成する工程と、各溝の底面にカラーフィルタ層を形成する工程とを備えている。このため、カラーフィルタ用基材の溝を深くかつ平滑に形成することにより、光の入射方向に沿って十分な長さを有するとともに、平滑な表面を有する反射層を形成することができる。このことにより、一側からカラーフィルタに入射した光がカラーフィルタの他側から取り出されるよう、反射層において光を適切に全反射させることができ、これによって、光の利用効率を向上させることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態における有機EL表示装置を示す縦断面図。 図2(a)は、本発明の第1の実施の形態における有機EL表示装置を示す縦断面図、図2(b)は、図2(a)に示す有機EL表示装置のカラーフィルタを矢印Aから見た図、図2(c)は、図2(a)に示す有機EL表示装置の有機EL層を矢印Bから見た図。 図3は、本発明の第1の実施の形態において、カラーフィルタ層とカラーフィルタ用基材の境界で光が全反射される様子を示す図。 図4(a)(b)(c)(d)は、本発明の第1の実施の形態において、カラーフィルタ用基材にカラーフィルタ層用の複数の溝を形成する工程を示す図。 図5(a)(b)(c)は、本発明の第1の実施の形態において、カラーフィルタ用基材の仕切り壁の表面に反射層を形成する工程を示す図。 図6は、第1の比較例としての有機EL表示装置を示す縦断面図。 図7は、第2の比較例としての有機EL表示装置を示す縦断面図。 図8は、本発明の第1の実施の形態の変形例におけるカラーフィルタを示す図。 図9は、本発明の第1の実施の形態のその他の変形例におけるカラーフィルタを示す図。 図10は、本発明の第2の実施の形態における有機EL表示装置を示す図。 図11(a)(b)(c)は、本発明の第2の実施の形態において、周縁枠体を形成する工程を示す図。 図12は、本発明の第3の実施の形態における有機EL表示装置を示す図。
第1の実施の形態
以下、図1乃至図9を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず図1により、本実施の形態における有機EL表示装置40全体について説明する。
有機EL表示装置
図1に示すように、有機EL表示装置40は、カラーフィルタ10と、カラーフィルタ10の一側に配置されて、このカラーフィルタ10を支持するガラス基板47と、ガラス基板47上に設けられた有機EL層44とを備え、このうち有機EL層44は、陽極41と、陰極43と、陽極41と陰極43の間に設けられた有機発光層42とを有している。なお本実施の形態における有機EL表示装置40はいわゆるトップエミッション型であり、図1において符号(1)〜(4)で示すように、有機EL層44からの発光がカラーフィルタ10の他側から取り出される。
また、カラーフィルタ10の後述するカラーフィルタ用基材20とガラス基板47との間に接着剤30が介在されており、これによってカラーフィルタ10とガラス基板47とが接着されている。
本実施の形態におけるガラス基材47は、有機EL層44を支持するとともに、外気を遮断することができるものであれば特に限定されるものではないが、安定性、耐久性等が良好なことから、ガラスや透明ポリマーであることが好ましい。
陽極41としては、効率良く正孔を注入できる材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等を使用することが好ましい。
一方、陰極43は、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材料が用いられており、例えば酸化リチウム、炭酸セシウム等が用いられる。
有機発光層42としては、所定の電圧を印加することにより発光する蛍光性有機物質を含有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。
なお、陽極41から注入された正孔を有機発光層42に効率的に輸送するため、陽極41と有機発光層42との間に正孔輸送層(図示せず)を設けてもよい。正孔輸送層の構成材料として、例えばテトラフェニルベンジジンが挙げられる。さらに、陽極41と正孔輸送層との間に正孔注入層(図示せず)を設けてもよい。また、有機発光層42と陰極43との間に、電子注入層(図示せず)や電子輸送層(図示せず)を設けてもよい。
また図1に示すように、ガラス基板47上に設けられた有機EL層44は、水分を遮蔽するバリア膜45により覆われている。このバリア膜45は、複数、例えば20の層を積層して形成されており、バリア膜45の各層の材料としては、珪素、アルミニウム、亜鉛またはスズの酸化物または酸窒化物等が挙げられる。しかしながら、有機EL層44を覆うバリア膜45は必ずしも設けなくてもよい。
さらに図1に示すように、カラーフィルタ10とガラス基板47の間に、有機EL表示装置40内の水蒸気を吸着する乾燥剤46が、有機EL層44からの発光を妨害しないよう配置されている。乾燥剤46の材料としては、バリウムまたはカルシウムの酸化物等が挙げられる。しかしながら、乾燥剤46は必ずしも設けなくてもよい。
なお、有機EL層44上にハーフミラー層(図示せず)を設けてもよい。ハーフミラー層を設けることにより、有機EL層44からの光を透過させるとともに、後述するように、カラーフィルタ10からの戻り光を全反射させることができる。ハーフミラー層としては、金属薄膜からなる金属ハーフミラーなどを用いることができる。しかしながら、ハーフミラー層は必ずしも設けなくてもよい。ハーフミラー層が設けられていない場合であっても、カラーフィルタ10からの戻り光を、有機発光層42と陽極41の境界において陽極41により全反射させることができる。
接着剤30としては、カラーフィルタ10のカラーフィルタ用基材20とガラス基板47とを良好に接着させる機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の一種単独または二種以上の組合わせからなる接着機能を有する樹脂等を使用することが好ましい。
カラーフィルタ
次に、カラーフィルタ10について詳述する。図1に示すように、カラーフィルタ10は、一側の面20aに仕切り壁16を残して複数の溝17が形成されたカラーフィルタ用基材20と、カラーフィルタ用基材20の各溝17内に、空間を残して充填されたカラーフィルタ層11とを備えている。また、各仕切り壁16の表面には、光を全反射する反射層18が設けられている。このため後述するように、一側の面20aからカラーフィルタ用基材20の溝17内に入射した光のうち仕切り壁16に到達する光は、仕切り壁16の表面に設けられた反射層18により全反射される。なお本実施の形態においては、カラーフィルタ用基材20の一側の面20aに対して垂直な方向(図1において矢印Vで示す方向)が鉛直方向となっている。
図2(a)(b)(c)において、図2(a)は、本実施の形態における有機EL表示装置40を示す図であり、図2(b)は、図2(a)において矢印Aから見た場合の有機EL表示装置40のカラーフィルタ10を示す図であり、図2(c)は、図2(a)において矢印Bから見た場合の有機EL表示装置40の有機EL層44を示す図である。図2(c)に示すように、有機EL層44は、各々が有機EL表示装置40の単位画素に対応する複数の単位有機EL層44aからなり、各単位有機EL層44aには駆動用配線48が接続されている。そして図2(b)に示すように、カラーフィルタ用基材20の溝17は、各単位有機EL層44aと各溝17とが一対一に対応するよう形成されている。溝17および単位有機EL層44aにおいて、各々の長さs、sは例えば300μmとなっており、各々の幅s、sは例えば100μmとなっている。
カラーフィルタ用基材
次に、カラーフィルタ10の構成要素について各々詳述する。はじめにカラーフィルタ用基材20について詳述する。
カラーフィルタ用基材20の材料は、有機EL層44の発光を外部に取り出すことができ、かつ水分および酸素を効率的に遮断することができる限り特に限定されるものではない。ただし、溝17を形成する際の加工性、接着剤30との接着性、および光透過性、安定性や耐久性等を考慮すると、ガラスやポリマー等を使用することが好ましい。本実施の形態においては、カラーフィルタ用基材20の材料としてガラスを用いており、その屈折率は例えば1.5となっている。
カラーフィルタ層
次にカラーフィルタ層11について詳述する。カラーフィルタ層11は、有機EL層44からの光を補正し、または色純度を高めるものである。本実施の形態において、カラーフィルタ層11は、図1に示すように、カラーフィルタ用基材20の溝17の底面17aに積層されている。
本実施の形態において、カラーフィルタ層11は、有機EL層44の所定の単位有機EL層44aに対応して設けられた赤色着色層、青色着色層および緑色着色層のいずれかからなる。赤色着色層、青色着色層および緑色着色層は、各色の顔料や染料等の着色剤を感光性樹脂中に分散または溶解させて形成された層である。
このうち赤色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
このような赤色着色層、青色着色層および緑色着色層のいずれかからなるカラーフィルタ層11の屈折率は、一般に1.5〜1.7の範囲内となっており、本実施の形態においては例えば1.7となっている。また前述のように、カラーフィルタ用基材20の屈折率は1.5となっている。ここで図3に示すように、カラーフィルタ層11内に入射した光がカラーフィルタ用基材20の溝17の底面17aに到達するときの入射角をθとする。この場合、θが臨界角(この場合は62度)よりも大きいと、スネルの法則に従い、底面17aに到達した光が、カラーフィルタ用基材20内に入射することなく底面17aにおいて全反射される。すなわち、カラーフィルタ層11内に入射した光が、カラーフィルタ層11とカラーフィルタ用基材20の境界において全反射される。
なお本実施の形態において、カラーフィルタ層11およびカラーフィルタ用基材20の屈折率が特に限定されることはなく、カラーフィルタ層11内に入射した光のうち所定範囲内の入射角を有する光がカラーフィルタ層11とカラーフィルタ用基材20の境界において全反射されるよう、カラーフィルタ層11およびカラーフィルタ用基材20の屈折率を適宜設定することができる。
なおカラーフィルタ層11若しくはカラーフィルタ用基材20の一側の面20aを、カラーフィルタ層11を保護するためのオーバーコート層(図示せず)により覆ってもよい。またカラーフィルタ層11若しくはカラーフィルタ用基材20の一側の面20aを、カラーフィルタ層11から放出される水分が有機EL層44に入り込むのを遮蔽するバリア膜(図示せず)により覆ってもよい。カラーフィルタ層11を覆うバリア膜は、有機EL層44を覆うバリア膜45と同様に、複数、例えば20の層を積層して形成されており、当該バリア膜の各層の材料としては、珪素、アルミニウム、亜鉛またはスズの酸化物または酸窒化物等が挙げられる。
反射層
次に仕切り壁16の表面に形成される反射層18について詳述する。反射層18の材料は、光を反射できるものであれば特に限定されないが、例えば各種金属材料、特にアルミニウム、ニッケル、クロムなどを挙げることができる。仕切り壁16の表面に形成される反射層18の厚さは、十分な反射強度を得ることができるとともに、仕切り壁16の表面から剥離しない程度の厚さであれば特に限定されないが、好ましくは0.05〜1μmの範囲内となっており、さらに好ましくは0.12〜0.13μmの範囲内となっている。反射層18の形成方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、無電界めっき溶液法、電界めっき溶液法、コーティング法、イオンプレーティング法などを用いることができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、はじめに、カラーフィルタ10および有機EL表示装置40の形成方法について説明し、次に、有機EL層44からの光をカラーフィルタ10により効率的に取り出す作用について説明する。
カラーフィルタの形成方法
まず図4(a)(b)(c)(d)を参照して、一側の面20aに仕切り壁16を残して複数の溝17が形成されたカラーフィルタ用基材20を形成する方法について説明する。はじめに、カラーフィルタ用基材20を形成するための素材26を準備する。この素材26は、10cm×10cmの幅を有するガラスからなる。
次に、図4(a)に示すように、素材26にサンドブラストへの耐性を有する耐ブラストレジスト31を設ける。その後、カラーフィルタ用基材20の溝17に対応するパターンが形成されたマスク(図示ぜず)を耐ブラストレジスト31上に載せ、そして露光および現像を行う。これによって、図4(b)に示すように、溝17に対応する開口部31aが形成された耐ブラストレジスト31が得られる。
次に、サンドブラストにより、素材26のうち耐ブラストレジスト31の開口部31aに対応する部分を削り取る。これによって、図4(c)に示すように複数の溝17が形成される。その後、耐ブラストレジスト31を除去することにより、図4(d)に示すように、一側の面20aに仕切り壁16を残して複数の溝17が形成されたカラーフィルタ用基材20が得られる。この場合、サンドブラストを用いることにより、深くかつ平滑な溝17を形成することが可能であり、各溝17の深さ(鉛直方向における長さ)sは例えば20μmとなっている。
次に図5(a)(b)(c)を参照して、各溝17の仕切り壁16の表面に反射層18を形成する方法について説明する。はじめに図5(a)に示すように、カラーフィルタ用基材20の一側の面20aにおいて、各溝17の底面17aのうち後の工程においてカラーフィルタ層11が形成される領域、および一側の面20aのうち後の工程において接着剤30が塗布される領域にマスキング材32を設ける。
次に、図5(b)に示すように、カラーフィルタ用基材20の一側の面20a上にめっき法により反射層18を形成する。その後、マスキング材32を除去することにより、図5(c)に示すように、各溝17の仕切り壁16の表面に反射層18を形成することができる。この場合、上述のように溝17が深くかつ平滑に形成されており、このため、鉛直方向において十分な長さを有するとともに、平滑な表面を有する反射層18を仕切り壁16の表面に形成することができる。鉛直方向における反射層18の長さは、例えば20μmとなっている。
その後、各溝17の底面17aに、フォトリソグラフィー法によりカラーフィルタ層11を積層させる。これによって、図1に示すカラーフィルタ10が得られる。この場合、鉛直方向におけるカラーフィルタ層11の厚さは、例えば3μmとなっている。
有機EL表示装置の形成方法
上述のようにしてカラーフィルタ10を製造した後、有機EL層44が設けられたガラス基板47を準備する。次に、カラーフィルタ用基材20の一側の面20aの外周に接着剤30を塗布した後、ガラス基板47とカラーフィルタ10とを接着させる。このようにして、図1に示す有機EL表示装置40が得られる。この場合、カラーフィルタ用基材20の一側の面20aとガラス基板47との間のセルギャップsは例えば20μmとなっている。
なお、ガラス基板47とカラーフィルタ10とを接着する前に、図1に示すように、有機EL層44をバリア膜45により覆ってもよく、カラーフィルタ層11をオーバーコート層(図示せず)およびバリア膜(図示せず)により覆ってもよい。また、ガラス基板47とカラーフィルタ10の間に乾燥剤46を配置してもよい。
カラーフィルタによる光の取り出し
次に図1を参照して、有機EL層44からの光をカラーフィルタ10により効率的に取り出す作用について説明する。ここでは、カラーフィルタ10の一側から入射して他側から出射する光の経路のうち4つの経路について説明する。
はじめに、図1において符号(1)で示す経路について説明する。この場合、光がカラーフィルタ10の一側に鉛直方向に沿って入射しており、この光は、カラーフィルタ層11およびカラーフィルタ用基材20を透過してカラーフィルタ10の他側から出射する。
次に、図1において符号(2)で示す経路について説明する。この場合、光がカラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射しており、溝17内に入射した光は仕切り壁16の表面に到達する。この場合、仕切り壁16の表面には反射層18が設けられており、このため、光が反射層18により全反射される。その後、光は、カラーフィルタ層11およびカラーフィルタ用基材20を透過してカラーフィルタ10の他側から出射する。このように、仕切り壁16の表面に反射層18を設け、この反射層18で光を全反射させることにより、カラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光を、カラーフィルタ10の他側から適切に取り出すことができる。
次に、図1において符号(3)で示す経路について説明する。この場合、光がカラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射しており、溝17内に入射した光は、カラーフィルタ層11内に入射した後に仕切り壁16の表面に到達する。この場合、仕切り壁16の表面には反射層18が設けられており、このため、光が反射層18により全反射される。その後、光は、カラーフィルタ層11およびカラーフィルタ用基材20を透過してカラーフィルタ10の他側から出射する。このように、仕切り壁16の表面に反射層18を設け、この反射層18で光を全反射させることにより、カラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光を、カラーフィルタ10の他側から適切に取り出すことができる。
次に、図1において符号(4)で示す経路について説明する。この場合、光がカラーフィルタ10の一側に鉛直方向からさらに傾斜して入射しており、仕切り壁16の表面において反射層18により全反射された光が、カラーフィルタ層11とカラーフィルタ用基材20の境界においてさらに全反射される。カラーフィルタ層11とカラーフィルタ用基材20の境界において全反射された光は、図1に示すように、有機EL層44側に戻された後、有機EL層44上に設けられたハーフミラー層(図示せず)により全反射され、このため光が再びカラーフィルタ10の一側に入射する。その後、光は、反射層18において全反射した後、カラーフィルタ層11およびカラーフィルタ用基材20を透過してカラーフィルタ10の他側から出射する。このように、仕切り壁16の表面に反射層18を設け、さらに、カラーフィルタ層11内に入射した光のうち所定範囲内の入射角を有する光がカラーフィルタ層11とカラーフィルタ用基材20の境界において全反射されるようカラーフィルタ層11およびカラーフィルタ用基材20の屈折率を設定し、さらに、有機EL層44上にハーフミラー層を設けることにより、カラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光を、カラーフィルタ10の他側から適切に取り出すことができる。
このように本実施の形態によれば、カラーフィルタ10は、一側の面20aに仕切り壁16を残して複数の溝17が形成されたカラーフィルタ用基材20と、カラーフィルタ用基材20の各溝17内に、空間を残して充填されたカラーフィルタ層11とを備えている。また、各仕切り壁16の表面には反射層18が設けられており、このため、一側の面20aからカラーフィルタ用基材20の溝17内に入射した光がカラーフィルタ10の他側から取り出されるよう、反射層18において光を全反射させることができる。このことにより、カラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光を、カラーフィルタ10の他側から適切に取り出すことができ、これによって、カラーフィルタ10および有機EL表示装置40における光の利用効率を向上させることができる。
また本実施の形態によれば、カラーフィルタ10の形成方法は、素材26を準備する工程と、素材26の一側の面にサンドブラストにより、仕切り壁16を残して複数の溝17を形成し、これによってカラーフィルタ用基材20を形成する工程と、仕切り壁16の表面に、溝17内に入射した光を全反射させる反射層18を形成する工程と、各溝17の底面17aにカラーフィルタ層11を形成する工程とを備えている。このため、カラーフィルタ用基材20の溝17を深くかつ平滑に形成することができ、このことにより、鉛直方向において十分な長さを有するとともに、平滑な表面を有する反射層18を仕切り壁16の表面に形成することができる。このため、一側からカラーフィルタ10に入射した光がカラーフィルタ10の他側から取り出されるよう、反射層18において光を適切に全反射させることができ、これによって、光の利用効率を向上させることができる。
次に、本願発明の効果を第1の比較例と比較して説明する。第1の比較例として、図6に、カラーフィルタ用ガラス基板51と、カラーフィルタ用ガラス基板51に設けられたカラーフィルタ層11と、カラーフィルタ層11間に設けられたブラックマトリクス層52とを備えたカラーフィルタ53、および当該カラーフィルタ53を備えた有機EL表示装置50を示す。この場合、ブラックマトリクス層52は、フォトリソグラフィー法によりカラーフィルタ用ガラス基板51上に形成されており、このブラックマトリクス層52は光を吸収する性質を有している。このため図6において符号(2’)または(3’)で示すように、カラーフィルタ53の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光は、ブラックマトリクス層52により吸収される。
また図6に示す第1の比較例において、ブラックマトリクス層52はフォトリソグラフィー法により形成されており、このため、その厚さtは2μm程度である。このため図6において符号(4’)で示すように、有機EL層44の一の単位有機EL層44bからの光は、カラーフィルタ層11のうちの一の単位有機EL層44bに対応するカラーフィルタ層11bには入射せず、カラーフィルタ層11bに隣接するカラーフィルタ層11cに入射し、その後、カラーフィルタ53の他側から出射する。すなわち、単位画素間における光の回りこみが生じている。このように、ブラックマトリクス層52の厚さtが不足しているため、光の回りこみを確実に防ぐことができない。
これに対して本願発明によれば、上述のように、カラーフィルタ10は、一側の面20aに仕切り壁16を残して複数の溝17が形成されたカラーフィルタ用基材20と、カラーフィルタ用基材20の各溝17内に、空間を残して充填されたカラーフィルタ層11とを備えている。また、各仕切り壁16の表面には反射層18が設けられており、このため、一側の面20aからカラーフィルタ用基材20の溝17内に入射した光がカラーフィルタ10の他側から取り出されるよう、反射層18で全反射させることができる。このことにより、カラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光を、カラーフィルタ10の他側から適切に取り出すことができ、これによって、カラーフィルタ10および有機EL表示装置40における光の利用効率を向上させることができる。
また本願発明によれば、カラーフィルタ用基材20の各溝17はサンドブラストにより形成されている。このため、溝17を深くかつ平滑に形成することができ、このことにより、鉛直方向において十分な長さ、例えば20μmの長さを有するとともに、平滑な表面を有する反射層18を仕切り壁16の表面に形成することができる。このことにより、単位画素間における光の回りこみをより確実に防ぐことができ、これによってカラーフィルタ10および有機EL表示装置40における光の利用効率を向上させることができる。
次に、本実施の形態の効果を第2の比較例と比較して説明する。第2の比較例として、図7に、カラーフィルタ用ガラス基板61と、カラーフィルタ用ガラス基板61に設けられたカラーフィルタ層11と、カラーフィルタ層11間に設けられた遮光層62と、遮光層62の側面に設けられた反射層63とを備えたカラーフィルタ64、および当該カラーフィルタ64を備えた有機EL表示装置60を示す。この場合、遮光層62は印刷法により形成されている。このため遮光層62の側面は起伏に富んでおり、この結果、遮光層62の側面に設けられた反射層63において、その表面の平滑性は乏しいと考えられる。このため図7において符号(2’’)で示すように、反射層63に到達した光が、全反射の場合とは異なる角度で反射される場合があると考えられる。このように第2の比較例においては、適切な全反射の場合とは異なる角度で反射が生じることにより、単位画素間における光の回りこみが生じることが考えられる。
これに対して本願発明によれば、カラーフィルタ用基材20の各溝17はサンドブラストにより形成されている。このため、カラーフィルタ用基材20の溝17を深くかつ平滑に形成することができ、このことにより、鉛直方向において十分な長さを有するとともに、平滑な表面を有する反射層18を仕切り壁16の表面に形成することができる。このため、一側からカラーフィルタ10に入射した光がカラーフィルタ10の他側から取り出されるよう、反射層18において光を適切に全反射させることができ、これによって、光の利用効率を向上させることができる。
なお本実施の形態において、カラーフィルタ用基材20の各溝17がサンドブラストにより形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、様々な方法により、深く、かつ平滑な溝17を形成することができる。例えば、機械切削やウェットエッチングなどによりカラーフィルタ用基材20の各溝17を形成してもよい。
また本実施の形態において、図1乃至図5に示すように、カラーフィルタ用基材20に、略鉛直方向に延びる仕切り壁16を残して複数の溝17が形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、カラーフィルタ用基材20に、鉛直方向から傾斜して延びる仕切り壁16を残して複数の溝17を形成してもよい。この場合、仕切り壁16の傾斜の程度を、溝17の寸法やカラーフィルタ10とガラス基板47との間のセルギャップなどに応じて適宜設定することができる。
また本実施の形態において、カラーフィルタ用基材20の各溝17が、各単位有機EL層44aと各溝17とが一対一に対応するよう形成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図8または図9に示すように、各溝17を、各溝17が複数の単位有機EL層44aと対応するよう形成してもよい。この場合、図8または図9に示すように、各溝17内に、各々が単位有機EL層44aと対応する複数のカラーフィルタ層11が設けられ、各カラーフィルタ層11には、光を遮蔽するブラックマトリクス層13が設けられる。ブラックマトリクス層13の材料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色着色剤を含有する樹脂組成物等が挙げられる。この樹脂組成物に用いられる樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂を使用することができる。
また本実施の形態において、カラーフィルタ層11が、有機EL層44の所定の単位有機EL層44aに対応して設けられた赤色着色層、青色着色層および緑色着色層のいずれかからなる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、カラーフィルタ層11を、有機EL層44の発光特性に応じて適宜設計することができる。例えば、有機EL層44の有機発光層42として青色発光の有機発光層が用いられる場合、カラーフィルタ層11は、青色光を緑色蛍光や赤色蛍光に変換する色変換蛍光体層(図示せず)を有していてもよい。
第2の実施の形態
次に図10および図11を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。ここで図10は、本発明の第2の実施の形態における有機EL表示装置を示す図であり、11(a)(b)(c)は、本発明の第2の実施の形態において、カラーフィルタ用基材の仕切り壁の表面に反射層を形成する工程を示す図である。
図10および図11に示す第2の実施の形態は、カラーフィルタが、カラーフィルタ用基材の一側の面の外周に設けられた周縁枠体をさらに備えている点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と略同一である。図10および図11に示す第2の実施の形態において、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示すように、カラーフィルタ10は、カラーフィルタ用基材20の一側の面20aの外周に設けられた周縁枠体22をさらに備えている。この場合、周縁枠体22はカラーフィルタ用基材20と一体に形成されており、また周縁枠体22の高さsは例えば14μmとなっている。
一般に、有機EL層44の有機発光層42は周囲に存在する水分および酸素の影響を受けやすく、このため有機EL表示装置40内に水分および酸素が入り込むと、有機EL表示装置40の発光性能が劣化する虞がある。本実施の形態においては、カラーフィルタ用基材20の一側の面20aの外周に周縁枠体22を設けることにより、図10に示すように、周縁枠体22が設けられていない場合に比べて、カラーフィルタ10とガラス基板47との間に介在される接着剤30の厚さを減らすことができる。このことにより、接着剤30を透過して有機EL表示装置40内に入り込む水分および酸素の量を減らすことができ、これによって有機EL表示装置40の信頼性を向上させることができる。
また図10に示すように、周縁枠体22の内面22aには、カラーフィルタ用基材20の仕切り壁16の表面と同様に反射層18が設けられている。このため後述するように、有機EL層44からの光のうち周縁枠体22の内面22aに到達する光が、内面22aに設けられた反射層18により全反射される。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、はじめに、カラーフィルタ10および有機EL表示装置40の製造方法について説明し、次に、有機EL層44からの光をカラーフィルタ10により効率的に取り出す作用について説明する。
カラーフィルタの形成方法
まず図11(a)(b)(c)(d)を参照して、周縁枠体22を形成する方法について説明する。はじめに、10cm×10cmの幅を有するガラスからなる素材26を準備する。
次に、図11(a)に示すように、素材26にサンドブラストへの耐性を有する耐ブラストレジスト33を設ける。その後、図11(b)に示すように、周縁枠体22に対応する部分にのみ耐ブラストレジスト31が残るよう、露光および現像を行う。
次に図11(c)に示すように、サンドブラストにより、素材26のうち周縁枠体22に対応する部分以外の部分を削り取る。その後、耐ブラストレジスト33を除去することにより、図11(d)に示すように、一側の面26aの外周に周縁枠体22が設けられた素材26を得ることができる。
次に、素材26の一側の面26aに、仕切り壁16を残して複数の溝17を形成する。これによって、その一側の面20aの外周に周縁枠体22が設けられたカラーフィルタ用基材20を得ることができる。複数の溝17を形成する方法は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態において説明した方法と同様であるので、詳細な説明は省略する。
その後、各溝17の仕切り壁16の表面、および周縁枠体22の内面22aに反射層18を形成し、そして、各溝17の底面17aにカラーフィルタ層11を形成する。これによって、図10に示すカラーフィルタ10を得ることができる。
有機EL表示装置の形成方法
上述のようにしてカラーフィルタ10を製造した後、有機EL層44が設けられたガラス基板47を準備する。次に、カラーフィルタ10の周縁枠体22の一側の面22bに接着剤30を塗布した後、ガラス基板47とカラーフィルタ10とを接着させる。このようにして、図10に示す有機EL表示装置40が得られる。この場合、カラーフィルタ用基材20の一側の面20bの外周に周縁枠体22を設けることにより、周縁枠体22が設けられていない場合に比べて、カラーフィルタ10とガラス基板47との間に介在される接着剤30の厚さを低減することができ、接着剤30の厚さは例えば6μmとなっている。
カラーフィルタによる光の取り出し
次に図10を参照して、有機EL層44からの光をカラーフィルタ10により効率的に取り出す作用について説明する。ここでは、有機EL層44からの光のうち周縁枠体22の内面22aに設けられた反射層18により全反射される光(図10において符号(5)で示す経路)について説明する。
図10において符号(5)で示す経路において、光がカラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射しており、カラーフィルタ10に入射した光は周縁枠体22の内面22aに到達する。この場合、周縁枠体22の内面22aには反射層18が設けられており、このため、光が反射層18により全反射される。その後、光は、カラーフィルタ層11およびカラーフィルタ用基材20を透過してカラーフィルタ10の他側から出射する。このように、周縁枠体22の内面22aに反射層18を設け、この反射層18で光を全反射させることにより、カラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光を、カラーフィルタ10の他側から適切に取り出すことができる。
このように本実施の形態によれば、カラーフィルタ10は、カラーフィルタ用基材20の一側の面20aの外周に設けられた周縁枠体22をさらに備えている。このため、周縁枠体22が設けられていない場合に比べて、カラーフィルタ10とガラス基板47との間に介在される接着剤30の厚さを減らすことができる。このことにより、接着剤30を透過して有機EL表示装置40内に入り込む水分および酸素の量を減らすことができ、これによって、有機EL表示装置40の信頼性を向上させることができる。
また本実施の形態によれば、周縁枠体22の内面22aに反射層18が設けられている。このため、カラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光のうち、周縁枠体22の内面22aに到達する光を、反射層18により適切に全反射させることができる。このことにより、カラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光を、カラーフィルタ10の他側から適切に取り出すことができ、これによって、カラーフィルタ10および有機EL表示装置40における光の利用効率を向上させることができる。
なお本実施の形態において、素材26のうち周縁枠体22に対応する部分以外の部分をサンドブラストによって削り取ることにより、一側の面26aの外周に周縁枠体22が設けられた素材26が得られる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、様々な方法、例えば機械切削やウェットエッチングなどによっても、素材26のうち周縁枠体22に対応する部分以外の部分を削り取り、これによって、一側の面26aの外周に周縁枠体22が設けられた素材26を形成することができる。
また本実施の形態において、周縁枠体22が、カラーフィルタ用基材20と一体に形成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、カラーフィルタ用基材20とは別体の周縁枠体22を、ガラスフリットなどを介してカラーフィルタ用基材20の一側の面20bの外周に接続してもよい。この場合、周縁枠体22は、カラーフィルタ用基材20と同一の材料から形成されていてもよく、または、カラーフィルタ用基材20とは異なる材料から形成されていてもよい。
また本実施の形態において、図10に二点鎖線で示すように、周縁枠体22の一側の面22bに、周縁枠体22全周に延びて接着剤30を収納する接着剤30用の溝22cを形成してもよい。溝22cの深さは、好ましくは1μm以上であり、さらに好ましくは1μm以上かつ30μm以下であり、例えば5μmとなっている。また溝22cの幅は、好ましくは1μm以上であり、例えば5μmとなっている。これによって、ガラス基板47と周縁枠体22との間の強固な接着を保ちながら、接着剤30の厚さをより薄くすることができ、このことにより、接着剤30を透過して有機EL表示装置40内に入り込む水分および酸素をより低減することができる。
第3の実施の形態
次に図12を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。ここで図12は、本発明の第3の実施の形態における有機EL表示装置を示す図である。
図12に示す第3の実施の形態は、各仕切り壁の表面に反射層が設けられていない点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と略同一である。図12に示す第3の実施の形態において、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図1乃至図9に示す第1の実施の形態において説明したように、カラーフィルタ層11の屈折率は例えば1.7となっており、カラーフィルタ用基材20の屈折率は例えば1.5となっている。このため図12において符号(2)〜(4)で示すように、一側からカラーフィルタ層11内に入射した光のうち、臨界角よりも大きな入射角で仕切り壁16の表面に到達する光を、カラーフィルタ層11と仕切り壁16との境界において全反射させることができる。このことにより、カラーフィルタ10の一側に鉛直方向から傾斜して入射した光を、カラーフィルタ10の他側から適切に取り出すことができ、これによって、カラーフィルタ10および有機EL表示装置40における光の利用効率を向上させることができる。
このように本実施の形態によれば、カラーフィルタ10は、一側の面20aに仕切り壁16を残して複数の溝17が形成されたカラーフィルタ用基材20と、カラーフィルタ用基材20の各溝17内に設けられたカラーフィルタ層11とを備えており、このため、一側からカラーフィルタに入射した光がカラーフィルタ10の他側から取り出されるよう、カラーフィルタ層11と仕切り壁16との間の境界において光を適切に全反射させることができる。これによって、従来はカラーフィルタ10内で吸収されている光をカラーフィルタ10から取出すことができ、このことにより、カラーフィルタ10における光利用効率を向上させることができる。
なお上記各実施の形態において、カラーフィルタ10を備えた有機EL表示装置40が得られる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、本実施の形態におけるカラーフィルタ10を、液晶表示装置またはその他の表示装置において用いてもよい。光利用効率の高い表示装置を提供することができる。
10 カラーフィルタ
11 カラーフィルタ層
13 ブラックマトリクス層
16 仕切り壁
17 溝
17a 溝の底面
18 反射層
20 カラーフィルタ用基材
20a カラーフィルタ用基材の一側の面
22 周縁枠体
22a 周縁枠体の内面
22b 周縁枠体の一側の面
22c 周縁枠体の溝
26 素材
26a 素材の一側の面
30 接着剤
31 耐ブラストレジスト
31a 耐ブラストレジストの開口部
32 マスキング材
33 耐ブラストレジスト
40 有機EL表示装置
41 陽極
42 有機発光層
43 陰極
44 有機EL層
44a 単位有機EL層
45 有機EL層用のバリア膜
46 乾燥剤
47 ガラス基板
48 駆動用配線
50 有機EL表示装置
51 カラーフィルタ用ガラス基板
52 ブラックマトリクス層
53 カラーフィルタ
60 有機EL表示装置
61 カラーフィルタ用ガラス基板
62 遮光層
63 反射層
64 カラーフィルタ

Claims (1)

  1. カラーフィルタの形成方法において、
    素材を準備する工程と、
    素材の一側の面に仕切り壁を残して複数の溝を形成し、これによってカラーフィルタ用基材を形成する工程と、
    仕切り壁の表面に、溝内に入射した光を反射させる反射層を形成する工程と、
    各溝の底面にカラーフィルタ層を形成する工程と、を備え、
    前記カラーフィルタ用基材は、前記仕切り壁が前記カラーフィルタ用基材の面に対して垂直な方向に延びるよう形成され
    素材の一側の面に仕切り壁を残して複数の溝を形成し、これによってカラーフィルタ用基材を形成する工程が、サンドブラストによって実施されることを特徴とするカラーフィルタの形成方法。
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