JP5628750B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いて作製した空気入りタイヤに関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりから、自動車に対して低燃費化の要求が強くなっており、自動車用タイヤに用いるゴム組成物に対しても、低燃費性に優れることが求められている。
低燃費性を改善する方法として、充填剤を減量し、ゴム組成物の発熱を抑制する方法が知られている。しかしながら、充填剤を減量すると、ゴム組成物の硬度が低下して操縦安定性が悪化するおそれがあり、また、耐摩耗性やウェットグリップ性能が悪化するおそれもある。したがって、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く改善する方法が求められている。
特許文献1では、アミノ基及びアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物で変性されたジエン系ゴムを配合することにより、低燃費性を改善できることが開示され、特許文献2には、無水シリカ及び含水シリカを併用することにより、ウェットグリップ性能を改善できることが開示されている。しかし、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く改善する点については、未だ改善の余地がある。
特開2000−344955号公報 特開2003−192842号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く改善できるゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、窒素吸着比表面積が100m/g以下であるシリカ(1)と、窒素吸着比表面積が180m/g以上であるシリカ(2)とを含有し、上記ゴム成分100質量%のうち、共役ジエンに基づく構成単位と下式(I)で表される構成単位とを有し、下式(II)で表される基及び/又は下式(III)で表される基を有するケイ素化合物によって重合体の少なくとも一端が変性されてなる共役ジエン系重合体の含有量が5質量%以上であり、上記ゴム成分100質量部に対する上記シリカ(1)及び(2)の合計含有量が30〜150質量部であるゴム組成物に関する。
Figure 0005628750
[式中、X、X及びXは、それぞれ独立に、下式(Ia)で表される基、水酸基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つが、下式(Ia)で表される基又は水酸基である。]
Figure 0005628750
[式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R及びRは結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。]
Figure 0005628750
式(Ia)のR及びRが炭素原子数1〜6のヒドロカルビル基であることが好ましい。
式(I)のX、X及びXの2つが式(Ia)で表される基又は水酸基であることが好ましい。
ケイ素化合物が下式(IV)で表される基を有することが好ましい。
Figure 0005628750
[式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R、R及びRの少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基である。]
ケイ素化合物が下式(IIa)で表わされる基を有することが好ましい。
Figure 0005628750
[式中、mは1〜10の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R、R及びRの少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基である。]
共役ジエン系重合体のビニル結合量が、共役ジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、10モル%以上80モル%以下であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、天然ゴム及び/又はブタジエンゴムを含有することが好ましい。
シリカ(1)の含有量及びシリカ(2)の含有量が以下の式を満たすことが好ましい。
[シリカ(1)の含有量]×0.2≦[シリカ(2)の含有量]≦[シリカ(1)の含有量]×6.5
上記ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、特定の共役ジエン系重合体と、窒素吸着比表面積が特定の範囲内である2種のシリカとを配合したゴム組成物であるので、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供できる。
本発明のゴム組成物は、共役ジエンに基づく構成単位及び下式(I)で表される構成単位を有し、下式(II)で表される基及び/又は下式(III)で表される基を有するケイ素化合物によって重合体の少なくとも一端が変性されてなる共役ジエン系重合体と、窒素吸着比表面積が100m/g以下であるシリカ(1)と、窒素吸着比表面積が180m/g以上であるシリカ(2)とを含有する。
Figure 0005628750
[式中、X、X及びXは、それぞれ独立に、下式(Ia)で表される基、水酸基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つが、下式(Ia)で表される基又は水酸基である。]
Figure 0005628750
[式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R及びRは結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。]
Figure 0005628750
共役ジエンに基づく構成単位の共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどをあげることができ、これらは1種でもよく、2種以上でもよい。入手容易性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
式(I)で表される構成単位の式(I)のX、X及びXは、それぞれ独立に、式(Ia)で表される基、水酸基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つは、式(Ia)で表される基又は水酸基である。
式(Ia)のR及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R及びRは結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。
本明細書では、ヒドロカルビル基は炭化水素残基を表す。ここで、炭化水素残基とは、炭化水素から水素を除いた1価の基を表す。置換ヒドロカルビル基は、炭化水素残基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロキシル基の水素原子がヒドロカルビル基で置換されている基を表し、置換ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロカルビルオキシ基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。また、置換シリル基は、シリル基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。
及びRの炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などをあげることができる。
及びRの炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基としては、窒素原子を有する基、酸素原子を有する基及びケイ素原子を有する基からなる基群から選ばれる少なくとも1種の基を置換基として有する置換ヒドロカルビル基をあげることができる。窒素原子を有する基を置換基として有する基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基などのジアルキルアミノアルキル基をあげることができ、酸素原子を有する基を置換基として有する基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基をあげることができ、ケイ素原子を有する基を置換基として有する基としては、トリメチルシリルメチル基などのトリアルキルシリルアルキル基などをあげることができる。
及びRの置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基などをあげることができる。
及びRが結合した基としては、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が1〜12の2価の基があげられる。例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基;オキシジエチレン基、オキシジプロピレン基などのオキシジアルキレン基;−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基などの含窒素基などをあげることができる。
及びRが結合した基としては、含窒素基が好ましく、−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基がより好ましい。
及びRのヒドロカルビル基としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が更に好ましく、エチル基、n−ブチル基が特に好ましい。R及びRの置換ヒドロカルビル基としては、アルコキシアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。R及びRの置換シリル基としては、トリアルキルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基がより好ましい。
及びRとしては、好ましくは、アルキル基、アルコキシアルキル基、置換シリル基又はR及びRが結合した含窒素基であり、より好ましくは、アルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、より更に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基である。
式(Ia)で表される基としては、非環状アミノ基、環状アミノ基をあげることができる。
該非環状アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基などのジ(アルコキシアルキル)アミノ基;ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ基などのジ(トリアルキルシリル)アミノ基などをあげることができる。
該環状アミノ基としては、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−ヘプタメチレンイミノ基、1−オクタメチレンイミノ基、1−デカメチレンイミノ基、1−ドデカメチレンイミノ基などの1−ポリメチレンイミノ基をあげることができる。また、環状アミノ基としては、1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基、1−イミダゾリジニル基、1−ピペラジニル基、モルホリノ基などもあげることができる。
式(Ia)で表される基としては、経済性及び入手容易性から、好ましくは、非環状アミノ基であり、より好ましくは、ジアルキルアミノ基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基であり、より更に好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基である。
式(I)のX〜Xのヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基をあげることができる。また、置換ヒドロカルビル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基をあげることができる。
〜Xのヒドロカルビル基としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、X〜Xの置換ヒドロカルビル基としては、アルコキシアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。
〜Xのヒドロカルビル基及び置換ヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基又はアルコキシアルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基又は炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、より更に好ましくは、メチル基又はエチル基である。
式(I)のX、X及びXの少なくとも1つは、式(Ia)で表される基又は水酸基である。好ましくは、X、X及びXの2つ以上が、式(Ia)で表される基又は水酸基であり、より好ましくは、X、X及びXの2つが、式(Ia)で表される基又は水酸基である。また、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性を高次元でバランス良く得られるという点から、X、X及びXの少なくとも1つが水酸基であることが好ましく、X、X及びXの2つ以上が水酸基であることがより好ましく、X、X及びXの2つが水酸基であることが更に好ましい。
低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、式(I)で表される構成単位としては、X、X及びXの2つが非環状アミノ基又は水酸基である構成単位が好ましい。X、X及びXの2つが非環状アミノ基である構成単位としては、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシラン単位が好ましく、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン単位、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン単位、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)メチルビニルシラン単位、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシラン単位がより好ましい。X、X及びXの2つが水酸基である構成単位としては、ジヒドロキシアルキルビニルシラン単位が好ましく、ジヒドロキシメチルビニルシラン単位がより好ましい。
共役ジエン系重合体中の式(I)で表される構成単位の含有量は、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、重合体単位質量あたり、好ましくは、0.001mmol/g重合体以上0.1mmol/g重合体以下である。より好ましくは、0.002mmol/g重合体以上0.07mmol/g重合体以下である。更に好ましくは、0.003mmol/g重合体以上0.05mmol/g重合体以下である。
上記共役ジエン系重合体は、下式(II)で表される基及び/又は下式(III)で表される基を有するケイ素化合物によって重合体の少なくとも一端が変性されてなる重合体である。
Figure 0005628750
式(II)で表される基を有する基としては、アミド基、カルボン酸エステル基、メタクリロイル基、アクリロイル基などがあげられる。また、式(III)で表される基を有する基としては、オキシジメチレン基、オキシジエチレン基などのオキシジアルキレン基;エポキシ基、テトラヒドロフラニル基などのアルキレンオキシド基などがあげられる。
なお、本明細書において、アルキレンオキシド基は、環状エーテル化合物の環から水素原子を除いた1価の基を表す。
ケイ素化合物としては、下式(IV)で表される基を有することが好ましい。
Figure 0005628750
[式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R、R及びRの少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基である。]
式(IV)において、R、R及びRのヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基などをあげることができる。また、R、R及びRのヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基をあげることができる。
、R及びRのヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基である。また、R、R及びRのヒドロカルビルオキシ基としては、好ましくは、アルコキシ基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルコキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。
、R及びRとしては、低燃費性を高める観点から、好ましくは、R、R及びRの少なくとも2つがヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、R、R及びRの3つがヒドロカルビルオキシ基である。
式(II)で表わされる基及び式(IV)で表わされる基を有するケイ素化合物としては、下式(IIa)で表わされる基を有するケイ素化合物があげられる。
Figure 0005628750
[式中、mは1〜10の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R、R及びRの少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基である。]
mは、1〜10の整数を表す。低燃費性を高める観点から、好ましくは2以上であり、製造時の経済性を高める観点から、好ましくは4以下である。特に好ましくは3である。
、R及びRについて、例示される基及び好ましい基は、式(IV)のR、R及びRについて上記した例示される基及び好ましい基と同じである。
式(IIa)で表わされる基を有するケイ素化合物としては、下式(IIb)又は下式(IIc)で表わされる化合物をあげることができる。
Figure 0005628750
[式中、nは1〜10の整数を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R11、R12及びR13の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、R14及びR15は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜10のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜10の置換ヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜10のヒドロカルビルオキシ基又は炭素原子数が1〜10の置換ヒドロカルビルオキシ基を表し、R14及びR15は結合していてもよい。]
Figure 0005628750
[式中、p、q及びrは、それぞれ独立に、1〜10の整数を表し、R21〜R29は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R21、R22及びR23の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、R24、R25及びR26の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、R27、R28及びR29の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基である。]
式(IIb)のnは、1〜10の整数を表す。低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、好ましくは2以上であり、製造時の経済性を高める観点から、好ましくは4以下である。特に好ましくは3である。
式(IIb)において、R11、R12及びR13のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基などをあげることができる。また、R11、R12及びR13のヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基をあげることができる。
11、R12及びR13のヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基である。また、R11、R12及びR13のヒドロカルビルオキシ基としては、好ましくは、アルコキシ基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルコキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。
11、R12及びR13としては、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、好ましくは、R11、R12及びR13の少なくとも2つがヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、R11、R12及びR13の3つがヒドロカルビルオキシ基である。
14及びR15のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基をあげることができる。
14及びR15の置換ヒドロカルビル基としては、窒素原子を有する基、酸素原子を有する基及びケイ素原子を有する基からなる基群から選ばれる少なくとも1種の基を置換基として有する置換ヒドロカルビル基をあげることができる。窒素原子を有する基を置換基として有する基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基などのジアルキルアミノアルキル基をあげることができ、酸素原子を有する基を置換基として有する基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基をあげることができ、ケイ素原子を有する基を置換基として有する基としては、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基などのトリアルキルシリルアルキル基などをあげることができる。
14及びR15のヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基をあげることができる。また、R14及びR15の置換ヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基などのアルコキシアルコキシ基をあげることができる。
14及びR15が結合した基としては、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が2〜12の2価の基があげられる。例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基;オキシジエチレン基、オキシジプロピレン基などのオキシジアルキレン基;−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基などの含窒素基などをあげることができる。
14としては、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素数が1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基及びエチル基である。
15としては、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素数が1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基及びエチル基である。
式(IIc)のp、q及びrは、それぞれ独立に、1〜10の整数を表す。低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、好ましくは2以上であり、製造時の経済性を高める観点から、好ましくは4以下である。特に好ましくは3である。
式(IIc)において、R21〜R29のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基などをあげることができる。また、R21〜R29のヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基をあげることができる。
21〜R29のヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基である。また、R21〜R29のヒドロカルビルオキシ基としては、好ましくは、アルコキシ基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルコキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。
21、R22及びR23としては、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、好ましくは、R21、R22及びR23の少なくとも2つがヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、R21、R22及びR23の3つがヒドロカルビルオキシ基である。R24、R25及びR26としては、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、好ましくは、R24、R25及びR26の少なくとも2つがヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、R24、R25及びR26の3つがヒドロカルビルオキシ基である。また、R27、R28及びR29としては、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、好ましくは、R27、R28及びR29の少なくとも2つがヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、R27、R28及びR29の3つがヒドロカルビルオキシ基である。
式(IIb)で表わされる化合物としては、
N−メチル−N−(トリメトキシシリルメチル)−アセトアミド、
N−メチル−N−(トリエトキシシリルメチル)−アセトアミド、
N−メチル−N−(2−トリメトキシシリルエチル)−アセトアミド、
N−メチル−N−(2−トリエトキシシリルエチル)−アセトアミド、
N−メチル−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−アセトアミド、
N−メチル−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−アセトアミド
などのN−アルキル−N−トリアルコキシシリルアルキル−アセトアミド;
N−メチル−N−(トリメトキシシリルメチル)−プロピオンアミド、
N−メチル−N−(トリエトキシシリルメチル)−プロピオンアミド、
N−メチル−N−(2−トリメトキシシリルエチル)−プロピオンアミド、
N−メチル−N−(2−トリエトキシシリルエチル)−プロピオンアミド、
N−メチル−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−プロピオンアミド、
N−メチル−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−プロピオンアミド
などのN−アルキル−N−トリアルコキシシリルアルキル−プロピオンアミド等、
N−アルキル−N−トリアルコキシシリルアルキル置換カルボン酸アミドをあげることができる。
式(IIb)で表わされる化合物として、好ましくは、
N−アルキル−N−トリアルコキシシリルアルキル置換カルボン酸アミドであり、
より好ましくは、
N−アルキル−N−トリアルコキシシリルアルキル−プロピオンアミドであり、
更に好ましくは、
N−メチル−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−プロピオンアミド、
N−メチル−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−プロピオンアミドである。
式(IIc)で表わされる化合物としては、
1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルメチル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルメチル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルエチル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルエチル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート
などの1,3,5−トリス(トリアルコキシアルキル)イソシアヌレートをあげることができる。
式(IIc)で表わされる化合物として、好ましくは、
1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレートである。
式(III)で表わされる基及び式(IV)で表わされる基を有するケイ素化合物としては、下式(IIIa)で表わされるケイ素化合物があげられる。
Figure 0005628750
[式中、sは1〜10の整数を表し、R31、R32及びR33は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R31、R32及びR33の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、R34は、炭素原子数が1〜10のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜10の置換ヒドロカルビル基を表す。]
式(IIIa)のsは、1〜10の整数を表す。低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、好ましくは2以上であり、製造時の経済性を高める観点から、好ましくは4以下である。特に好ましくは3である。
式(IIIa)において、R31、R32及びR33のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基などをあげることができる。また、R31、R32及びR33のヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基をあげることができる。
31、R32及びR33のヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基である。また、R31、R32及びR33のヒドロカルビルオキシ基としては、好ましくは、アルコキシ基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルコキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。
31、R32及びR33としては、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く高める観点から、好ましくは、R31、R32及びR33の少なくとも2つがヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、R31、R32及びR33の3つがヒドロカルビルオキシ基である。
34のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基などをあげることができる。
34の置換ヒドロカルビル基としては、窒素原子を有する基、酸素原子を有する基及びケイ素原子を有する基からなる基群から選ばれる少なくとも1種の基を置換基として有する置換ヒドロカルビル基をあげることができる。窒素原子を有する基を置換基として有する基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基などのジアルキルアミノアルキル基をあげることができ、酸素原子を有する基を置換基として有する基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基;グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基などのアルキレンオキシドアルキル基をあげることができ、ケイ素原子を有する基を置換基として有する基としては、トリメチルシリルメチル基などのトリアルキルシリルアルキル基などをあげることができる。
なお、本明細書において、アルキレンオキシドアルキル基は、アルキル基の1つ以上の水素原子がアルキレンオキシド基で置換されている基を表す。
34としては、好ましくは、アルキレンオキシドアルキル基であり、より好ましくは、グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基である。
式(IIIa)で表わされる化合物としては、
34がアルキル基である化合物として、
3−(メトキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(エトキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(n−プロポキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(イソプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(n−ブトキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(sec−ブトキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(t−ブトキシ)プロピルトリメトキシシラン
などの3−(アルコキシ)プロピルトリアルコキシシランをあげることができる。
34がアルキレンオキシドアルキル基である化合物として、
2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
などのグリシドキシアルキルトリアルコキシシラン;
2−テトラヒドロフルフリロキシエチルトリメトキシシラン、
3−テトラヒドロフルフリロキシプロピルトリメトキシシラン、
2−テトラヒドロフルフリロキシエチルトリエトキシシラン、
3−テトラヒドロフルフリロキシプロピルトリエトキシシラン
などのテトラヒドロフルフリロキシアルキルトリアルコキシシランをあげることができる。
34がアルコキシアルキル基である化合物として、
3−(メトキシメトキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(メトキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(エトキシメトキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(エトキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(メトキシメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(メトキシエトキシ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(エトキシメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(エトキシエトキシ)プロピルトリエトキシシラン
などの3−(アルコキシアルコキシ)プロピルトリアルコキシシランをあげることができる。
式(IIIa)で表わされる化合物として、好ましくは、R34がアルキレンオキシドアルキル基である化合物であり、より好ましくは、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
3−テトラヒドロフルフリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−テトラヒドロフルフリロキシプロピルトリエトキシシランである。
式(II)で表わされる基、式(III)で表わされる基及び式(IV)で表わされる基を有するケイ素化合物としては、3−アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシランをあげることができる。
3−アクリロキシアルキルトリアルコキシシランとしては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの3−アクリロキシプロピルトリアルコキシシランをあげることができる。
3−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシランとしては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランをあげることができる。
また、式(II)で表わされる基、式(III)で表わされる基及び式(IV)で表わされる基を有するケイ素化合物としては、トリアルコキシシリルアルキル無水コハク酸、トリアルコキシシリルアルキル無水マレイン酸をあげることができる。
トリアルコキシシリルアルキル無水コハク酸としては、3−トリメトキシシリルプロピル無水コハク酸、3−トリエトキシシリルプロピル無水コハク酸などの3−トリアルコキシシリルプロピル無水コハク酸をあげることができる。
トリアルコキシシリルアルキル無水マレイン酸としては、3−トリメトキシシリルプロピル無水マレイン酸、3−トリエトキシシリルプロピル無水マレイン酸などの3−トリアルコキシシリルプロピル無水マレイン酸をあげることができる。
上記共役ジエン系重合体は、共役ジエンに基づく構成単位(共役ジエン単位)に加え、さらに、他の単量体に基づく構成単位を有していてもよい。該他の単量体としては、芳香族ビニル、ビニルニトリル、不飽和カルボン酸エステルなどがあげられる。芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンを例示することができる。また、ビニルニトリルとしては、アクリロニトリルなどを、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチルなどを例示することができる。これらの中では、芳香族ビニルが好ましく、スチレンがより好ましい。
上記共役ジエン系重合体は、耐摩耗性の観点から、芳香族ビニルに基づく構成単位(芳香族ビニル単位)を有していることが好ましく、芳香族ビニル単位の含有量としては、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位との総量を100質量%として、好ましくは10質量%以上(共役ジエン単位の含有量は90質量%以下)であり、より好ましくは15質量%以上(共役ジエン単位の含有量は85質量%以下)である。また、低燃費性の観点から、芳香族ビニル単位の含有量は、好ましくは50質量%以下(共役ジエン単位の含有量は50質量%以上)であり、より好ましくは45質量%以下(共役ジエン単位の含有量は55質量%以上)である。
上記共役ジエン系重合体のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、低燃費性の観点から、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下である。また、ウェットグリップ性能の観点から、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上であり、更に好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは40モル%以上である。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より求められる。
上記共役ジエン系重合体の分子量分布は、低燃費性の観点から、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜2である。分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、MwをMnで除すことにより求められる。
上記共役ジエン系重合体の好適な製造方法としては、下記工程A及びBを有する製造方法をあげることができる。
(工程A):炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンと下式(V)で表されるビニル化合物とを含む単量体を重合させ、共役ジエンに基づく単量体単位と下式(V)で表されるビニル化合物に基づく単量体単位とを有する重合体鎖の少なくとも一端に、該触媒由来のアルカリ金属を有する重合体を得る工程。
Figure 0005628750
[式中、X、X及びXは、それぞれ独立に、下式(Va)で表される基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つが、下式(Va)で表される基である。]
Figure 0005628750
[式中、R及びR10は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R及びR10は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。]
(工程B):工程Aで得られた重合体と下式(II)で表される基及び/又は下式(III)で表される基を有するケイ素化合物とを反応させる工程。
Figure 0005628750
(工程A)で用いられるアルカリ金属触媒としては、アルカリ金属、有機アルカリ金属化合物、アルカリ金属と極性化合物との錯体、アルカリ金属を有するオリゴマーなどをあげることができる。該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどをあげることがでる。該有機アルカリ金属化合物としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリチウム、ジメチルアミノプロピルリチウム、ジエチルアミノプロピルリチウム、t−ブチルジメチルシリロキシプロピルリチウム、N−モルホリノプロピルリチウム、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、1,4−ジリチオ−2−ブテン、ナトリウムナフタレニド、ナトリウムビフェニリド、カリウムナフタレニドなどをあげることができる。また、アルカリ金属と極性化合物との錯体としては、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウム−ジエトキシエタン錯体などをあげることができ、アルカリ金属を有するオリゴマーとしては、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩をあげることができる。これらの中でも、有機リチウム化合物又は有機ナトリウム化合物が好ましく、炭素原子数が2〜20の有機リチウム化合物又は有機ナトリウム化合物がより好ましい。
(工程A)で用いられる炭化水素溶媒は、有機アルカリ金属化合物触媒を失活させない溶媒であり、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素などをあげることができる。該脂肪族炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセンなどをあげることができる。また、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンをあげることができ、脂環族炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどがあげられる。これらは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。これらの中では、炭素原子数が2〜12の炭化水素が好ましい。
(工程A)では、共役ジエンと式(V)で表されるビニル化合物とを含む単量体を重合させ、上述のアルカリ金属触媒由来のアルカリ金属を重合体鎖末端に有する共役ジエン系重合体を製造する。該共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンをあげることができ、これらは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。中でも、入手容易性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
式(V)のX、X及びXは、それぞれ独立に、式(Va)で表される基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つは、式(Va)で表される基である。
式(Va)のR及びR10は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R及びR10は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。
及びR10の炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などをあげることができる。
及びR10の炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基としては、窒素原子を有する基、酸素原子を有する基及びケイ素原子を有する基からなる基群から選ばれる少なくとも1種の基を置換基として有する置換ヒドロカルビル基をあげることができる。窒素原子を有する基を置換基として有する基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基などのジアルキルアミノアルキル基をあげることができ、酸素原子を有する基を置換基として有する基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基をあげることができ、ケイ素原子を有する基を置換基として有する基としては、トリメチルシリルメチル基などのトリアルキルシリルアルキル基などをあげることができる。
及びR10の置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基などをあげることができる。
及びR10が結合した基としては、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が1〜12の2価の基があげられる。例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基;オキシジエチレン基、オキシジプロピレン基などのオキシジアルキレン基;−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基などの含窒素基などをあげることができる。
及びR10が結合した基としては、含窒素基が好ましく、−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基がより好ましい。
及びR10のヒドロカルビル基としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が更に好ましく、エチル基、n−ブチル基が特に好ましい。R及びR10の置換ヒドロカルビル基としては、アルコキシアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。R及びR10の置換シリル基としては、トリアルキルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基がより好ましい。
及びR10としては、好ましくは、アルキル基、アルコキシアルキル基、置換シリル基又はR及びR10が結合した含窒素基であり、より好ましくは、アルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、より更に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基である。
式(Va)で表される基としては、非環状アミノ基、環状アミノ基をあげることができる。
該非環状アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基などのジ(アルコキシアルキル)アミノ基;ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ基などのジ(トリアルキルシリル)アミノ基などをあげることができる。
該環状アミノ基としては、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−ヘプタメチレンイミノ基、1−オクタメチレンイミノ基、1−デカメチレンイミノ基、1−ドデカメチレンイミノ基などの1−ポリメチレンイミノ基をあげることができる。また、環状アミノ基としては、1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基、1−イミダゾリジニル基、1−ピペラジニル基、モルホリノ基などもあげることができる。
式(Va)で表される基としては、経済性及び入手容易性から、好ましくは、非環状アミノ基であり、より好ましくは、ジアルキルアミノ基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基であり、より更に好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基である。
式(V)のX〜Xのヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基をあげることができる。また、置換ヒドロカルビル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基をあげることができる。
〜Xのヒドロカルビル基としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、X〜Xの置換ヒドロカルビル基としては、アルコキシアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。
〜Xのヒドロカルビル基及び置換ヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基又はアルコキシアルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基又は炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、より更に好ましくは、メチル基又はエチル基である。
式(V)のX、X及びXの少なくとも1つは、式(Va)で表される基である。好ましくは、X、X及びXの2つ以上が、式(Va)で表される基であり、より好ましくは、X、X及びXの2つが、式(Va)で表される基である。
(工程A)で用いられる式(V)で表されるビニル化合物としては、X〜Xの1つが式(Va)で表される非環状アミノ基であり、2つがヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である化合物として、(ジアルキルアミノ)ジアルキルビニルシラン、{ジ(トリアルキルシリル)アミノ}ジアルキルビニルシラン、(ジアルキルアミノ)ジアルコキシアルキルビニルシランなどをあげることができる。
(ジアルキルアミノ)ジアルキルビニルシランとしては、(ジメチルアミノ)ジメチルビニルシラン、(エチルメチルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジメチルビニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)ジメチルビニルシラン、(エチルイソプロピルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジ(n−プロピル)アミノ)ジメチルビニルシラン、(ジイソプロピルアミノ)ジメチルビニルシラン、(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジ(n−ブチル)アミノ)ジメチルビニルシラン、
(ジメチルアミノ)ジエチルビニルシラン、(エチルメチルアミノ)ジエチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジエチルビニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)ジエチルビニルシラン、(エチルイソプロピルアミノ)ジエチルビニルシラン、(ジ(n−プロピル)アミノ)ジエチルビニルシラン、(ジイソプロピルアミノ)ジエチルビニルシラン、(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ジエチルビニルシラン、(ジ(n−ブチル)アミノ)ジエチルビニルシラン、
(ジメチルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(エチルメチルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(エチルイソプロピルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(ジ(n−プロピル)アミノ)ジプロピルビニルシラン、(ジイソプロピルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(ジ(n−ブチル)アミノ)ジプロピルビニルシラン、
(ジメチルアミノ)ジブチルビニルシラン、(エチルメチルアミノ)ジブチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジブチルビニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)ジブチルビニルシラン、(エチルイソプロピルアミノ)ジブチルビニルシラン、(ジ(n−プロピル)アミノ)ジブチルビニルシラン、(ジイソプロピルアミノ)ジブチルビニルシラン、(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ジブチルビニルシラン、(ジ(n−ブチル)アミノ)ジブチルビニルシランなどをあげることができる。
{ジ(トリアルキルシリル)アミノ}ジアルキルビニルシランとしては、{ジ(トリメチルシリル)アミノ}ジメチルビニルシラン、{ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ}ジメチルビニルシラン、{ジ(トリメチルシリル)アミノ}ジエチルビニルシラン、{ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ}ジエチルビニルシランなどをあげることができる。
(ジアルキルアミノ)ジアルコキシアルキルビニルシランとしては、(ジメチルアミノ)ジメトキシメチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジメトキシエチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジエトキシメチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジエトキシエチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジメトキシメチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジメトキシエチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジエトキシメチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジエトキシエチルビニルシランなどをあげることができる。
〜Xの2つが式(Va)で表される非環状アミノ基であり、1つがヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である化合物として、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシラン、ビス{ジ(トリアルキルシリル)アミノ}アルキルビニルシラン、ビス(ジアルキルアミノ)アルコキシアルキルビニルシランなどをあげることができる。
ビス(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシランとしては、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジイソプロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(n−ブチル−n−プロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシラン、
ビス(ジメチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(エチルメチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジイソプロピルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(n−ブチル−n−プロピルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)エチルビニルシラン、
ビス(ジメチルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(エチルメチルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)プロピルビニルシラン、ビス(ジイソプロピルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(n−ブチル−n−プロピルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)プロピルビニルシラン、
ビス(ジメチルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(エチルメチルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)ブチルビニルシラン、ビス(ジイソプロピルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)ブチルビニルシランなどをあげることができる。
ビス{ジ(トリアルキルシリル)アミノ}アルキルビニルシランとしては、ビス{ジ(トリメチルシリル)アミノ}メチルビニルシラン、ビス{ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ}メチルビニルシラン、ビス{ジ(トリメチルシリル)アミノ}エチルビニルシラン、ビス{ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ}エチルビニルシランなどをあげることができる。
ビス(ジアルキルアミノ)アルコキシアルキルビニルシランとしては、ビス(ジメチルアミノ)メトキシメチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メトキシエチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)エトキシメチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)エトキシエチルビニルシラン、
ビス(ジエチルアミノ)メトキシメチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メトキシエチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)エトキシメチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)エトキシエチルビニルシランなどをあげることができる。
〜Xの3つが式(Va)で表される非環状アミノ基である化合物として、トリ(ジアルキルアミノ)ビニルシランなどをあげることができる。
例えば、トリ(ジメチルアミノ)ビニルシラン、トリ(エチルメチルアミノ)ビニルシラン、トリ(ジエチルアミノ)ビニルシラン、トリ(エチルプロピルアミノ)ビニルシラン、トリ(ジプロピルアミノ)ビニルシラン、トリ(ブチルプロピルアミノ)ビニルシランなどをあげることができる。
〜Xの2つが式(Va)で表される環状アミノ基であり、1つがヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である化合物として、ビス(モルホリノ)メチルビニルシラン、ビス(ピペリジノ)メチルビニルシラン、ビス(4,5−ジヒドロイミダゾリル)メチルビニルシラン、ビス(ヘキサメチレンイミノ)メチルビニルシランなどをあげることができる。
、X及びXの2つが式(Va)で表される基である式(V)で表されるビニル化合物として、好ましくは、X、X及びXの2つが非環状アミノ基であるビニル化合物であり、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性の観点から、より好ましくは、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシランであり、更に好ましくは、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシランである。中でも、化合物の入手性の観点からは、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシランが好ましい。
(工程A)では、共役ジエンと式(V)で表されるビニル化合物とに、他の単量体とを組み合わせて重合を行ってもよい。他の単量体としては、芳香族ビニル、ビニルニトリル、不飽和カルボン酸エステルなどがあげられる。芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンを例示することができる。また、ビニルニトリルとしては、アクリロニトリルなどを、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチルなどを例示することができる。これらの中では、芳香族ビニルが好ましく、スチレンがより好ましい。
(工程A)の重合は、共役ジエン単位のビニル結合量を調整する剤、共役ジエン系重合体鎖中での共役ジエン単位と共役ジエン以外の単量体に基づく構成単位の分布を調整する剤(以下、総称して「調整剤」と記す。)などの存在下で行ってもよい。このような剤としては、エーテル化合物、第三級アミン、ホスフィン化合物などをあげることができる。該エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどの脂肪族ジエーテル;ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテルなどがあげられる。該第三級アミンとして、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンなどをあげることができる。また、該ホスフィン化合物として、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどをあげることができる。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(工程A)での重合温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃である。より好ましくは50〜80℃である。重合時間は、通常10分〜5時間である。
(工程B)において、工程Aで調製された重合体に接触させる式(II)で表される基及び/又は式(III)で表される基を有するケイ素化合物の量は、該ケイ素化合物中のケイ素原子、特に、式(IV)で表される基を有するケイ素原子のモル換算として、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1モルあたり、通常、0.1〜3モルであり、好ましくは、0.5〜2モルであり、より好ましくは、0.6〜1.5モルである。
(工程B)において、工程Aで調製された重合体と式(II)で表される基及び/又は式(III)で表される基を有するケイ素化合物とを接触させる温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃である。より好ましくは50〜80℃である。接触させる時間は、通常、60秒〜5時間であり、好ましくは5分〜1時間であり、より好ましくは15分〜1時間である。
本発明の製造方法においては、必要に応じて、アルカリ金属触媒による単量体の重合開始から重合停止において、共役ジエン系重合体の炭化水素溶液にカップリング剤を添加してもよい。カップリング剤としては、下式(VI)で表される化合物をあげることができる。
41 ML4−a(VI)
(式中、R41はアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基または芳香族残基を表し、Mはケイ素原子またはスズ原子を表し、Lはハロゲン原子またはヒドロカルビルオキシ基を表し、aは0〜2の整数を表す。)
ここで、芳香族残基は、芳香族炭化水素から芳香環に結合している水素を除いた1価の基を表す。
式(VI)で表されるカップリング剤としては、四塩化珪素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、四塩化スズ、メチルトリクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、トリメチルクロロスズ、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエトキシジエチルシランなどをあげることができる。
カップリング剤の添加量は、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1モル当たり、共役ジエン系重合体の加工性の観点から、好ましくは0.03モル以上であり、より好ましくは0.05モル以上である。また、低燃費性の観点から、好ましくは0.4モル以下であり、より好ましくは0.3モル以下である。
共役ジエン系重合体は、公知の回収方法、例えば、(1)共役ジエン系重合体の炭化水素溶液に凝固剤を添加する方法、(2)共役ジエン系重合体の炭化水素溶液にスチームを添加する方法によって、共役ジエン系重合体の炭化水素溶液から回収することができる。回収した共役ジエン系重合体は、バンドドライヤーや押出型ドライヤーなどの公知の乾燥機で乾燥してもよい。
また、上記共役ジエン系重合体の製造方法においては、加水分解などにより、重合体の式(Ia)で表される基を水酸基に置換させる処理を行うことが好ましい。該処理は、重合体単独の状態で行ってもよく、後述のような組成物の状態で行ってもよい。加水分解する方法としては、例えば、スチームストリッピングによる方法等の公知の方法が挙げられる。上記処理により、式(I)のX〜Xを水酸基とすることができ、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をよりバランスよく向上できる。
上記共役ジエン系重合体は、ゴム成分として本発明のゴム組成物に用いることができ、他のゴム成分や添加剤などと併用することが好ましい。
他のゴム成分としては、従来のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ブチルゴムなどをあげることができる。また、天然ゴム(NR)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体などもあげることができる。これらのゴム成分は、2種以上組み合わせて用いてもよい。中でも、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く改善できるという点から、NR及び/又はBRを使用することが好ましく、NR及びBRの両成分を使用することがより好ましい。
ゴム成分100質量%中の上記共役ジエン系重合体の含有量は、5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。上記共役ジエン系重合体の含有量が5質量%未満であると低燃費性の改善効果が得られにくい傾向がある。上記共役ジエン系重合体の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。上記共役ジエン系重合体の含有量が90質量%を超えると、耐摩耗性が低下するとともに、高コストになる傾向がある。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、耐摩耗性が低下する傾向がある。上記NRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。70質量%を超えると、ウェットグリップ性能が低下する傾向がある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、耐摩耗性が低下する傾向がある。上記BRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、ウェットグリップ性能が低下する傾向がある。
ゴム成分100質量%中のNR及びBRの合計含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。10質量%未満であると、耐摩耗性が低下する傾向がある。上記合計含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。70質量%を超えると、ウェットグリップ性能が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、窒素吸着比表面積が100m/g以下であるシリカ(1)と、窒素吸着比表面積が180m/g以上であるシリカ(2)とを含有する。シリカ(1)及び(2)を上記共役ジエン系重合体とともに配合することで、シリカ(1)及び(2)が良好に分散し、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性を高次元でバランスよく改善することができる。
シリカ(1)の窒素吸着比表面積(NSA)は、100m/g以下、好ましくは80m/g以下、より好ましくは60m/g以下である。100m/gを超えると、シリカ(1)及び(2)の併用による効果が充分に得られないおそれがある。また、シリカ(1)のNSAは、好ましくは20m/g以上、より好ましくは30m/g以上である。20m/g未満では、破壊強度が低下したり、耐摩耗性や操縦安定性を充分に改善できなくなるおそれがある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカ(1)としては、窒素吸着比表面積が100m/g以下のシリカであれば特に限定されず、例えば、デグッサ社製のウルトラジル360、ローディア社製のZ40、ローディア社製のRP80などを使用できる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ(1)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、低燃費性を充分に改善できないおそれがある。また、シリカ(1)の含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。80質量部を超えると、低燃費性は良好であるが、破壊強度が低下する傾向がある。
シリカ(2)のNSAは、180m/g以上、好ましくは190m/g以上、より好ましくは200m/g以上である。シリカ(2)のNSAが180m/g未満では、シリカ(1)及び(2)の併用による効果が充分に得られないおそれがある。また、シリカ(2)のNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは240m/g以下である。シリカ(2)のNSAが300m/gを超えると、加工性が悪化したり、低燃費性を充分に改善できなくなるおそれがある。
シリカ(2)としては、窒素吸着比表面積が180m/g以上のシリカであれば特に限定されず、例えば、ローディア社製のゼオシル1205MPなどを使用できる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ(2)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、充分な操縦安定性が得られないおそれがある。また、シリカ(2)の含有量は、好ましくは90質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。90質量部を超えると、操縦安定性は良好であるが、加工性が悪化する傾向がある。
シリカ(1)及び(2)の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、30質量部以上、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。30質量部未満では、シリカ(1)及び(2)の配合による充分な補強効果が得られないおそれがある。また、該合計含有量は、150質量部以下、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、シリカ(1)及び(2)を均一に分散することが困難となり、加工性や低燃費性が悪化する傾向がある。
シリカ(1)及び(2)とカーボンブラックとの合計100質量%中のシリカ(1)及び(2)の合計含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは85質量%以上であり、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。上記範囲内であれば、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性を高次元でバランス良く改善することができる。
シリカ(1)の含有量及びシリカ(2)の含有量は、以下の式を満たすことが好ましい。これにより、シリカ(1)及び(2)をより良好に分散できる。
[シリカ(1)の含有量]×0.2≦[シリカ(2)の含有量]≦[シリカ(1)の含有量]×6.5
シリカ(2)の含有量は、シリカ(1)の含有量に対して、好ましくは0.2倍以上、より好ましくは0.3倍以上、更に好ましくは0.4倍以上である。0.2倍未満では、操縦安定性が低下するおそれがある。また、シリカ(2)の含有量は、シリカ(1)の含有量に対して、好ましくは6.5倍以下、より好ましくは5倍以下、更に好ましくは4倍以下である。6.5倍を超えると、低燃費性が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、シリカ(1)及び(2)とともに、シランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤としては、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドを使用することが好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカの合計含有量100質量部に対して、好ましくは4質量部以上、より好ましくは8質量部以上である。4質量部未満では、破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。15質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
添加剤としては、公知のものを用いることができ、硫黄などの加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤などの加硫促進剤;ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫活性化剤;有機過酸化物;カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;伸展油、滑剤などの加工助剤;老化防止剤を例示することができる。
上記カーボンブラックとしては、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFのようなファーネスブラック(ファーネスカーボンブラック);アセチレンブラック(アセチレンカーボンブラック);FT及びMTのようなサーマルブラック(サーマルカーボンブラック);EPC、MPC及びCCのようなチャンネルブラック(チャンネルカーボンブラック);グラファイトなどをあげることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性を高次元でバランス良く改善できるという点から、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは5m/g以上、より好ましくは30m/g以上、更に好ましくは50m/g以上、特に好ましくは70m/g以上であり、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下、更に好ましくは150m/g以下である。また、カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、好ましくは5ml/100g以上、より好ましくは80ml/100g以上であり、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは180ml/100g以下である。カーボンブラックのNSAやDBP吸収量が上記範囲の下限未満では、補強効果が小さく耐摩耗性が低下する傾向があり、上記範囲の上限を超えると、分散性が悪く、ヒステリシスロスが増大し低燃費性が低下する傾向がある。該窒素吸着比表面積は、ASTM D4820−93に従って測定され、該DBP吸収量は、ASTM D2414−93に従って測定される。市販品としては、東海カーボン社製商品名シースト6、シースト7HM、シーストKH、エボニックデグッサ社製商品名CK3、SpecialBlack4A等を用いることができる。
上記伸展油としては、アロマチック系鉱物油(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900〜1.049)、ナフテン系鉱物油(V.G.C.値0.850〜0.899)、パラフィン系鉱物油(V.G.C.値0.790〜0.849)などをあげることができる。伸展油の多環芳香族含有量は、好ましくは3質量%未満であり、より好ましくは1質量%未満である。該多環芳香族含有量は、英国石油学会346/92法に従って測定される。また、伸展油の芳香族化合物含有量(CA)は、好ましくは20質量%以上である。これらの伸展油は、2種以上組み合わされて用いられてもよい。
上記加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤をあげることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜3質量部である。
上記共役ジエン系重合体に、他のゴム成分や添加剤などを配合してゴム組成物を製造する方法としては、公知の方法、例えば、各成分をロールやバンバリーのような公知の混合機で混練する方法を用いることができる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を配合する場合、混練温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜30分である。
加硫剤、加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理を行って用いられる。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
本発明のゴム組成物は、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性のバランスに優れており、これらの性能の顕著な改善効果を得ることができる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に好適に用いることができ、特にトレッドに好適に用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明の空気入りタイヤを製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ(重荷重用タイヤ)として好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明を説明する。
物性評価は次の方法で行った。
1.ビニル結合量(単位:モル%)
赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より重合体のビニル結合量を求めた。
2.スチレン単位の含量(単位:質量%)
JIS K6383(1995)に従って、屈折率から重合体のスチレン単位の含量を求めた。
3.分子量分布(Mw/Mn)
下記の条件(1)〜(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。そして、測定したMw、Mnから重合体の分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(1)装置:東ソー社製HLC−8020
(2)分離カラム:東ソー社製GMH−XL(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
4.転がり抵抗
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定した。そして、比較例1の転がり抵抗指数を100とし、以下に示す計算式により、各配合の転がり抵抗を指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1の転がり抵抗)/(各配合の転がり抵抗)×100
5.ウェットグリップ性能
製造した試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着させ、湿潤アスファルト路面にて、初速度100km/hからの制動距離を測定した。そして、比較例1のウェットグリップ性能指数を100とし、以下に示す計算式により、各配合のウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)を指数表示した。数値が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(比較例1の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
6.耐摩耗性
製造した試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して実車走行させ、30000km走行前後のトレッドパターンの溝深さの変化を測定した。そして、比較例1の耐摩耗性指数を100とし、以下に示す計算式により、各配合の溝深さの変化を指数表示した。数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(比較例1の溝深さの変化)/(各配合の溝深さの変化)×100
7.操縦安定性
製造した試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して実車走行させ、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。評価は、比較例1を6点とし、10点満点で相対評価を行った。操縦安定性の評点が大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
製造例1(重合体1の合成)
内容積20リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン(比重0.68g/cm)10.2kg、1,3−ブタジエン547g、スチレン173g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル5.0mlを重合反応器内に投入した。次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン16.0mmol及びn−ブチルリチウム18.5mmolを、それぞれ、シクロヘキサン溶液及びn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は821g、スチレンの供給量は259gであった。
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート4.0mmolを添加し、15分間撹拌した。重合体溶液にメタノール0.80mlを含むヘキサン溶液20mlを加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製、商品名:スミライザーGM)1.8g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学(株)製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、スチームストリッピングによって重合体溶液から重合体1を回収した。重合体1の評価結果を表1に示す。なお、重合反応器内への原料の投入量及び供給量から計算した重合体中の式(I)で表される構成単位の含有量は、重合体単位質量あたり0.009mmol/g重合体であった。
製造例2(重合体2の合成)
内容積20リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン(比重0.68g/cm)10.2kg、1,3−ブタジエン547g、スチレン173g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル5.0mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム17.3mmolをn−ヘキサン溶液として投入し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を1時間行った。重合中、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給した。
該1時間の重合後、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン14.4mmolをシクロヘキサン溶液として、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃の条件下で、重合反応器内に投入した。
次に、重合反応器内に連続的に単量体を供給し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を0.5時間行った。重合中、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とした。
該0.5時間の重合後、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン14.4mmolをシクロヘキサン溶液として、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃の条件下で、重合反応器内に投入した。
次に、重合反応器内に連続的に単量体を供給し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を0.5時間行った。重合中、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とした。
該0.5時間の重合後、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン14.4mmolをシクロヘキサン溶液として、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃の条件下で、重合反応器内に投入した。
次に、重合反応器内に連続的に単量体を供給し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を0.5時間行った。重合中、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とした。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は821g、スチレンの供給量は259gであった。
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート3.6mmolを添加し、15分間撹拌した。重合体溶液にメタノール0.80mlを含むヘキサン溶液20mlを加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製、商品名:スミライザーGM)1.8g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学(株)製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、スチームストリッピングによって重合体溶液から重合体2を回収した。重合体2の評価結果を表1に示す。なお、重合反応器内への原料の投入量及び供給量から計算した重合体中の式(I)で表される構成単位の含有量は、重合体単位質量あたり0.024mmol/g重合体であった。
製造例3(重合体3の合成)
内容積20リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン(比重0.68g/cm)10.2kg、1,3−ブタジエン547g、スチレン173g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル5.0mlを重合反応器内に投入した。次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン16.0mmol及びn−ブチルリチウム18.5mmolを、それぞれ、シクロヘキサン溶液及びn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は821g、スチレンの供給量は259gであった。
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート4.0mmolを添加し、15分間撹拌した。重合体溶液にメタノール0.80mlを含むヘキサン溶液20mlを加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製、商品名:スミライザーGM)1.8g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学(株)製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体3を得た。重合体3の評価結果を表1に示す。なお、重合反応器内への原料の投入量及び供給量から計算した重合体中の式(I)で表される構成単位の含有量は、重合体単位質量あたり0.009mmol/g重合体であった。
製造例4(重合体4の合成)
内容積20リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン(比重0.68g/cm)10.2kg、1,3−ブタジエン547g、スチレン173g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル5.0mlを重合反応器内に投入した。次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン16.0mmol及びn−ブチルリチウム18.5mmolを、それぞれ、シクロヘキサン溶液及びn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は821g、スチレンの供給量は259gであった。
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、3−(メトキシ)プロピルトリメトキシシラン4.0mmolを添加し、15分間撹拌した。重合体溶液にメタノール0.80mlを含むヘキサン溶液20mlを加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製、商品名:スミライザーGM)1.8g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学(株)製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、スチームストリッピングによって重合体溶液から重合体4を回収した。重合体4の評価結果を表1に示す。なお、重合反応器内への原料の投入量及び供給量から計算した重合体中の式(I)で表される構成単位の含有量は、重合体単位質量あたり0.009mmol/g重合体であった。
製造例5(重合体5の合成)
内容積20リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン(比重0.68g/cm)10.2kg、1,3−ブタジエン547g、スチレン173g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル5.0mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム18.5mmolをn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は821g、スチレンの供給量は259gであった。
次に、重合体溶液にメタノール0.80mlを含むヘキサン溶液20mlを加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製、商品名:スミライザーGM)1.8g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学(株)製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、スチームストリッピングによって重合体溶液から重合体5を回収した。重合体5の評価結果を表1に示す。なお、重合体5は合成時に式(V)で表される化合物を使用しなかったため、式(I)で表される構成単位を含有していなかった。
Figure 0005628750
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
天然ゴム:RSS#3
ブタジエンゴム:宇部興産(株)製のウベポールBR150B
重合体1〜5:上記製造例1〜5
シリカ1:デグッサ社製のウルトラシル360(NSA:50m/g)
シリカ2:ローディア社製のゼオシル1205MP(NSA:200m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi75
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN339(NSA:96m/g、DBP吸収量:124ml/100g)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルAH−25
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン3C
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:住友化学(株)製のソクシノールCZ
加硫促進剤2:住友化学(株)製のソクシノールD
(実施例及び比較例)
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成した後、160℃で20分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
得られた試験用タイヤを使用して、上記試験方法により評価を行った。それぞれの試験結果を表2に示す。
Figure 0005628750
表2に示すように、共役ジエンに基づく構成単位及び上記式(I)で表される構成単位を有し、かつ上記式(II)で表される基及び/又は上記式(III)で表される基を有するケイ素化合物によって末端が変性された重合体(重合体1〜4)と、窒素吸着比表面積が特定の範囲内である2種のシリカ(シリカ1、2)とを併用した実施例は、比較例に比べて、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性が相乗的に改善し、これらの性能が高次元でバランス良く得られた。

Claims (10)

  1. ゴム成分と、
    窒素吸着比表面積が100m/g以下であるシリカ(1)と、
    窒素吸着比表面積が180m/g以上であるシリカ(2)とを含有し、
    前記ゴム成分100質量%のうち、共役ジエンに基づく構成単位と下式(I)で表される構成単位とを有し、下式(II)で表される基及び/又は下式(III)で表される基を有するケイ素化合物によって重合体の少なくとも一端が変性されてなる共役ジエン系重合体の含有量が5質量%以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカ(1)及び(2)の合計含有量が30〜150質量部であることを特徴とするゴム組成物。
    Figure 0005628750
    [式中、X、X及びXは、それぞれ独立に、下式(Ia)で表される基、水酸基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つが、下式(Ia)で表される基又は水酸基である。]
    Figure 0005628750
    [式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R及びRは結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。]
    Figure 0005628750
  2. 式(Ia)のR及びRが炭素原子数1〜6のヒドロカルビル基であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 式(I)のX、X及びXの2つが式(Ia)で表される基又は水酸基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. ケイ素化合物が下式(IV)で表される基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
    Figure 0005628750
    [式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R、R及びRの少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基である。]
  5. ケイ素化合物が下式(IIa)で表わされる基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
    Figure 0005628750
    [式中、mは1〜10の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R、R及びRの少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基である。]
  6. 共役ジエン系重合体のビニル結合量が、共役ジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、10モル%以上80モル%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 天然ゴム及び/又はブタジエンゴムを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. シリカ(1)の含有量及びシリカ(2)の含有量が以下の式を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
    [シリカ(1)の含有量]×0.2≦[シリカ(2)の含有量]≦[シリカ(1)の含有量]×6.5
  9. トレッド用ゴム組成物として用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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