JP5626769B2 - 磁気シールド体 - Google Patents
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Description
また、複数の磁性筒体の中の一部の磁性筒体の比透磁率であって、当該磁性筒体の筒軸方向であるz方向に沿った比透磁率、又は、当該z方向に直交する方向に沿った比透磁率の少なくとも一方を、複数の磁性筒体の中の他の磁性筒体における同一方向の比透磁率とは異なる比透磁率とすることにより、磁気誘導路を形成したので、印加領域と低減対象領域の位置関係に応じた所望の方向における比透磁率を調整することができ、様々な磁気シールド体において、低減対象領域から漏洩する磁気を低減することができる。
また、磁性筒体に、当該磁性筒体の外周部の一部のみを切り欠くことによって形成された切り欠き部であって、当該磁性筒体の側面及び角部に形成された切り欠き部であり、当該切り欠き部に直交する方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部がない同一形状の磁性角筒体における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部であり、当該比透磁率の所要の低減量に対応した長さ及び幅で形成された切り欠き部を設けることにより、磁性筒体の比透磁率を調整したので、所要の方向(垂直方向、水平方向、及び奥行き方向の3方向の中から任意に選択した一つ以上の方向)の比透磁率を所要の低減量だけ低減させることができ、磁性角筒体毎の各方向の比透磁率を容易に調整することができる。特に、切り欠き部を形成することで比透磁率を調整できるので、磁性角筒体の相互の間隔、切り欠き部以外の形状、厚み等を一定にできるので、磁性角筒体の製造や管理の労力の増加を招くことがなく、磁気シールド体の組み立ても容易であり、かつ、磁気シールド体の意匠性も低下させることがない。例えば、MRI室の磁気シールド体において、MRIの入れ替えに伴って磁場の方向や角度が変わった場合であっても、各磁性角筒体の高さ、幅、奥行きが同一であるため、同一の支持手段に対して、切り欠き部のみが異なる磁性角筒体を入れ替えることで対応することができる。
最初に、実施の形態1に係る磁気シールド体について説明する。この形態は、磁気シールド体の中央領域に大開口を形成した形態である。
まず、磁気シールド体の基本的な構成について説明する。図1は本実施の形態に係る磁気シールド体の立面図、図2は図1の磁性角筒体の要部斜視図(一部の磁性角筒体を分解斜視図として示す)である。以下、図1、2のZ方向の距離を「奥行き」、X方向の距離を「幅」、Y方向の距離を「高さ」と称する。これら図1、2に示すように、磁気シールド体1は、フレーム10により、複数の磁性角筒体20を相互に間隔を空けるように支持して構成されている。
このように構成された磁気シールド体1は、磁気誘導路40を備えている。図3は、磁気誘導路40を概念的に説明するための説明図であり、ここでは、磁気シールド体1の対称性を考慮して1/4領域のみを示している。この磁気誘導路40は、印加領域E1から低減対象領域E2以外の領域に磁気を誘導することにより、低減対象領域E2から外部への漏洩磁気を低減させるものである。
次に、このような磁気誘導路40を形成するための方法について説明する。この方法を説明するに際して、まず、磁性角筒体20の比透磁率を効率的に導出するための方法について説明する。本実施の形態では、実際の磁性角筒体20のモデル(以下、実モデル)を均質化手法にて均質化することによって作成された等価的なモデル(以下、均質化モデル)で置き換え、この均質化モデルの比透磁率を算定することにより、実際の磁性角筒体20の比透磁率を導出する。図4は、実際の磁性角筒体20の斜視図、図5は、均質化モデルの斜視図である。ここでは、概略的には、実モデルと均質化モデルのそれぞれに対して一様磁界を印加した場合における、これら実モデルと均質化モデルのそれぞれの磁気エネルギーを算定し、これらの磁気エネルギーが相互に一致することを条件として、均質化モデルの比透磁率の算定式を導出する。
次に、x方向の比透磁率=μxの調整方法について説明する。図6は、比透磁率μxが調整された磁性角筒体20(実モデル)の斜視図である。この磁性角筒体20は、切り欠き部30を備えて構成されている。この切り欠き部30は、磁性角筒体20の側部21、22の中で、x方向に沿った2つの側部21の各々に形成されたもので、x方向に直交する方向に沿って形成されている。
次に、y方向の比透磁率=μyの調整方法について説明する。図8は、比透磁率μyが調整された磁性角筒体20(実モデル)の斜視図である。この磁性角筒体20は、切り欠き部31を備えて構成されている。この切り欠き部31は、磁性角筒体20の側部21、22の中で、y方向に沿った2つの側部22の各々に形成されたもので、y方向に直交する方向に沿って形成されている。
次に、z方向の比透磁率=μzの調整方法について説明する。図10は、比透磁率μzが調整された磁性角筒体20(実モデル)の斜視図である。この磁性角筒体20は、切り欠き部32を備えて構成されている。この切り欠き部32は、磁性角筒体20の4つの角部23の各々に形成されたもので、z方向に直交する方向に沿って形成されている。
次に、複数方向の比透磁率を同時に調整する方法について説明する。図12は、比透磁率μy、μzが調整された磁性角筒体20(実モデル)の斜視図である。この磁性角筒体20は、図8、10にそれぞれ示したものと同じ切り欠き部31、32を備えて構成されている。
以上のように切り欠き部30〜32を形成することにより、比透磁率を調整することができる原理を説明する。一例として、y方向に沿った2つの側部22の各々において、y方向に直交する方向に沿って形成された切り欠き部31が形成された磁性角筒体20の内部における磁束の流れについて説明する。図14〜16は、切り欠き部31の形成状態が異なる複数の磁性角筒体20と、これら複数の磁性角筒体20の各々内部における磁束の流れを模式的に示した図であり、図14は、切り欠き部31が形成されていない磁性角筒体20に関する図、図15は、切り欠き部31が形成された磁性角筒体20に関する図、図16は、つなぎ長さWyを残さずに全て切った場合の磁性角筒体20に関する図である。ここでは、図示下方から上方に向かう磁束が入射した状態を想定する。
次に、このような磁性角筒体20の比透磁率調整方法について説明する。磁性角筒体20は、例えば、従来と同様の方法により、磁性材料の板状体を折り曲げて形成する(準備工程)。そして、この折り曲げ前の段階において、あるいは、折り曲げ後の段階において、板状体や磁性角筒体20の側部21、22や角部23にカッターを押し当てることで、スリット状の切り欠き部(切り込み部)30〜32を入れる(切り欠き部形成工程)。ただし、切り欠き部30〜32の形成は、この他の方法で行うこともでき、例えば、磁性角筒体20を鋳造で形成する場合には、切り欠き部30〜32も鋳造時に形成することができる。あるいは、磁性材料の板状体を折り曲げる前の段階や、磁性角筒体20を形成した後の段階で、打ち抜き加工を施すことで、切り欠き部30〜32を形成してもよい。また、切り欠き部30〜32の形成後に焼鈍を行うことで、切り欠き時に生じた歪みによる磁気特性の劣化を改善し、磁性角筒体20の各部の比透磁率を均質化することが好ましい。
次に、比透磁率調整の変形例1について説明する。x方向の比透磁率=μxと、y方向の比透磁率=μyの調整は、切り欠き部を形成する以外にも、磁性角筒体20の相互間の間隔を調整することで行うことができる。
次に、比透磁率調整の変形例2について説明する。z方向の比透磁率=μzの調整は、切り欠き部を形成する以外にも、磁性角筒体20の厚みを調整することで行うことができる。
次に、磁気シールド体1に対して磁気誘導路40を形成することの効果を、三次元磁気解析により検証した結果について説明する。ここでは、大開口を設けていない磁気シールド体1と、入室者の圧迫感を低減するために大開口を設けた磁気シールド体1について、それぞれ解析モデルを作成し、この解析モデルを用いて、磁気発生源から発生する磁気を印加した場合の評価面における漏洩磁束密度を、磁気誘導路40を形成しない場合(磁性体角筒の比透磁率を最適化しない場合)と、磁気誘導路40を形成した場合(磁性体角筒の比透磁率を最適化した場合)とについて、それぞれ求めた。
このように実施の形態1によれば、磁気シールド体1における領域の中で磁気発生源からの最も強い磁気が印加される印加領域E1から、磁気シールド体1における領域の中で外部への磁気漏洩を低減したい低減対象領域E2以外の領域に、磁気を誘導することにより、低減対象領域E2から外部への漏洩磁気を低減させる磁気誘導路40を備えるので、磁気発生源から磁気シールド体1に入射した磁気を、磁気誘導路40を介して低減対象領域E2以外の領域に誘導でき、低減対象領域E2に伝わる磁気を低減できるので、低減対象領域E2から漏洩する磁気を低減することができる。従って、低減対象領域E2に大開口を設けた場合であっても、大開口から漏洩する磁気を低減することができ、大開口を設けることで入室者の圧迫感を低減できると同時に、所要の磁気遮蔽性能を確保することができる。
次に、実施の形態2に係る磁気シールド体について説明する。この形態は、大開口を連続的に形成した形態である。ただし、特に説明なき構成については、実施の形態1の構成と同じであり、実施の形態1と同じ構成については、必要に応じて実施の形態1で使用したものと同じ符号を用いて、その説明を省略する。
図42は、本実施の形態に係る磁気シールド体の立面図である。この磁気シールド体2は、大開口化された磁性角筒体20Bを幅方向(x方向)に沿って連続的に並設して構成されている。
このように構成された磁気シールド体2は、磁気誘導路40を備えている。図43は、磁気誘導路40を概念的に説明するための説明図であり、ここでは、磁気シールド体2の対称性を考慮して1/4領域のみを示している。この磁気誘導路40は、印加領域E1から低減対象領域E2以外の領域に磁気を誘導することにより、低減対象領域E2から外部への漏洩磁気を低減させるものである。
次に、磁気シールド体2に対して磁気誘導路40を形成することの効果を、三次元磁気解析により検証した結果について説明する。図44は、磁気シールド体2の立面図である。この磁気シールド体2は、対称性を考慮して1/4領域のみを示している。この磁気シールド体2は、高さ=幅=奥行き=300mmの磁性体角筒に加えて、高さ=幅=600mm、奥行き=300mmの大開口の磁性体角筒を用いて構成されている。その他の条件は、図27と同じである。
このように実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。特に、大開口化された磁性角筒体20を幅方向に沿って連続的に並設して磁気シールド体2を構成しているので、実施の形態1の磁気シールド体1よりもさらに圧迫感を低減した磁気シールド体2を提供することができる。
次に、実施の形態3に係る磁気シールド体について説明する。この形態は、磁性筒体により構成される筒状遮蔽体と、磁性板状体により構成された板状遮蔽体とを、相互に接するように配置した形態である。ただし、特に説明なき構成については、実施の形態1の構成と同じであり、実施の形態1と同じ構成については、必要に応じて実施の形態1で使用したものと同じ符号を用いて、その説明を省略する。
図52は、本実施の形態に係る磁気シールド体の立面図である。この磁気シールド体3は、フレーム10を介して相互に間隔を空けて並設された複数の磁性角筒体20により構成される筒状遮蔽体50と、磁性板状体51により構成された板状遮蔽体52とを、相互に接するように配置して構成されている。筒状遮蔽体50については、実施の形態1の磁気シールド体1と同様に構成できるので、その基本的な説明を省略する。板状遮蔽体52とは、x方向を長手方向とする横長状の方向性ケイ素鋼板を複数並設して構成されている。これら複数の方向性ケイ素鋼板は、相互に溶接等にて接続されている。なお、意匠性を高めるために、この複数の方向性ケイ素鋼板の外側に、化粧板を固定してもよい。
このように構成された磁気シールド体3は、磁気誘導路40を備えている。図53は、磁気誘導路40を概念的に説明するための説明図であり、ここでは、磁気シールド体3の対称性を考慮して1/2領域のみを示している。この磁気誘導路40は、印加領域E1から低減対象領域E2以外の領域に磁気を誘導することにより、低減対象領域E2から外部への漏洩磁気を低減させるものである。
このように実施の形態3によれば、複数の磁性角筒体20により構成される筒状遮蔽体50と、磁性板状体51により構成された板状遮蔽体52とを、相互に接するように配置して構成され、板状遮蔽体52に磁気誘導路40を設け、磁気誘導路40により、当該板状遮蔽体52における印加領域E1から、筒状遮蔽体50以外の領域に、磁気を誘導するので、磁気発生源から板状遮蔽体52に入射した磁気を、磁気誘導路40を介して、筒状遮蔽体50以外の領域に誘導でき、筒状遮蔽体50に伝わる磁気を低減できるので、筒状遮蔽体50から漏洩する磁気を低減することができる。従って、筒状遮蔽体50に大開口を設けた場合であっても、大開口磁性角筒体20から漏洩する磁気を低減することができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
また、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
上記各実施の形態で示した形状や数値は例示であり、各寸法値は任意に変更することができる。例えば、磁気シールド体を構成するための磁性筒体としては、四角筒状の磁性角筒体20に代えて、特許文献1に記載されているような円筒状の磁性円筒体を使用してもよい。この場合、複数の磁性筒体の中の一部の磁性筒体の比透磁率であって、当該磁性筒体の筒軸方向であるz方向に沿った比透磁率、又は、当該z方向に直交する方向に沿った比透磁率の少なくとも一方を、複数の磁性筒体の中の他の磁性筒体における同一方向の比透磁率とは異なる比透磁率とすることにより、磁気誘導路40を形成すればよい。同様に、磁性筒体を角筒状とする場合であっても、三角筒状や六角筒状、様々な形状の磁性角筒体20を使用することもできる。
各実施の形態で説明した構成は相互に組み合わせてもよい。例えば、実施の形態3のように筒状遮蔽体50と板状遮蔽体52とから構成された磁気シールド体において、板状遮蔽体52には実施の形態3で説明したように磁気誘導路40を形成すると共に、筒状遮蔽体50には実施の形態1、2のように磁気誘導路40を形成してもよい。また、筒状遮蔽体50に磁気誘導路40を形成する場合、実施の形態1のように一部の磁性角筒体20に切り欠き部を設けることに加えて、実施の形態1の変形例1のように一部の磁性角筒体20の相互の間隔を変えたり、実施の形態1の変形例2のように一部の磁性角筒体20の厚みを変えることを組み合わせてもよい。
(付記)
上述した課題を解決し、目的を達成するため、付記1に記載の磁気シールド体は、支持手段を介して相互に間隔を空けて並設された複数の磁性筒体を備える磁気シールド体であって、当該磁気シールド体における領域の中で磁気発生源からの最も強い磁気が印加される印加領域から、当該磁気シールド体における領域の中で外部への磁気漏洩を低減したい低減対象領域以外の領域に、磁気を誘導することにより、前記低減対象領域から外部への漏洩磁気を低減させる磁気誘導路を備える。
付記2に記載の磁気シールド体は、付記1に記載の磁気シールド体において、前記複数の磁性筒体の中の一部の磁性筒体の比透磁率であって、当該磁性筒体の筒軸方向であるz方向に沿った比透磁率、又は、当該z方向に直交する方向に沿った比透磁率の少なくとも一方を、前記複数の磁性筒体の中の他の磁性筒体における同一方向の比透磁率とは異なる比透磁率とすることにより、前記磁気誘導路を形成した。
付記3に記載の磁気シールド体は、付記2に記載の磁気シールド体において、前記磁性筒体は、四角筒状の磁性角筒体であり、前記一部の磁性筒体の比透磁率のうち、前記z方向に沿った比透磁率、当該z方向に直交する方向であって前記磁性筒体の一側面に直交するx方向に沿った比透磁率、又は、当該z方向及び当該x方向に直交するy方向に沿った比透磁率の少なくとも一つを、前記他の磁性筒体における同一方向に沿った比透磁率とは異なる比透磁率とすることにより、前記磁気誘導路を形成した。
付記4に記載の磁気シールド体は、付記2又は3に記載の磁気シールド体において、前記印加領域から前記低減対象領域に至る最短の経路上の最短領域に配置された前記磁性筒体の比透磁率を、他の磁性筒体の比透磁率より小さくすることにより、当該最短領域以外の領域に前記磁気誘導路を形成した。
付記5に記載の磁気シールド体は、付記2から4のいずれか一項に記載の磁気シールド体において、前記低減対象領域に含まれる前記磁性筒体の前記z方向に沿った比透磁率に対して、前記低減対象領域の周囲の周囲領域に配置された他の磁性筒体における同一方向に沿った比透磁率を小さくすることにより、当該周囲領域以外の領域に前記磁気誘導路を形成した。
付記6に記載の磁気シールド体は、付記2から5のいずれか一項に記載の磁気シールド体において、前記低減対象領域に含まれる前記磁性筒体の前記z方向に沿った比透磁率に対して、前記低減対象領域を挟んで、前記印加領域とは反対側に位置する反対領域に含まれる他の磁性筒体における同一方向に沿った比透磁率を大きくすることにより、当該反対領域に前記磁気誘導路を形成した。
付記7に記載の磁気シールド体は、付記2から6のいずれか一項に記載の磁気シールド体において、前記磁性筒体には、当該磁性筒体の側面又は角部に形成された切り欠き部であって、当該切り欠き部に直交する方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部がない同一形状の磁性角筒体における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部であり、当該比透磁率の所要の低減量に対応した長さ及び幅で形成された切り欠き部を設けることにより、前記磁性筒体の前記比透磁率を調整した。
付記8に記載の磁気シールド体は、付記1に記載の磁気シールド体において、前記支持手段を介して相互に間隔を空けて並設された前記複数の磁性筒体により構成される筒状遮蔽体と、磁性板状体により構成された板状遮蔽体とを、相互に接するように配置して構成され、前記板状遮蔽体に前記磁気誘導路を設け、前記磁気誘導路により、当該板状遮蔽体における前記印加領域から、前記筒状遮蔽体以外の領域に、磁気を誘導する。
付記9に記載の磁気シールド体は、支持手段を介して相互に間隔を空けて並設された複数の磁性筒体を備える磁気シールド体であって、前記複数の磁性筒体のうち、一部の磁性筒体を、他の磁性筒体より大きな開口を有する大開口磁性筒体として形成し、当該磁気シールド体における領域の中で磁気発生源からの最も強い磁気が印加される印加領域から、当該磁気シールド体における領域の中で前記大開口磁性筒体以外の領域に、磁気を誘導することにより、前記大開口磁性筒体から外部への漏洩磁気を低減させる磁気誘導路を備える。
付記10に記載の磁気シールド体は、付記1から9のいずれか一項に記載の磁気シールド体において、前記支持手段を、導電性材料にて形成した。
(付記の効果)
付記1に記載の磁気シールド体によれば、磁気シールド体における領域の中で磁気発生源からの最も強い磁気が印加される印加領域から、磁気シールド体における領域の中で外部への磁気漏洩を低減したい低減対象領域以外の領域に、磁気を誘導することにより、低減対象領域から外部への漏洩磁気を低減させる磁気誘導路を備えるので、磁気発生源から磁気シールド体に入射した磁気を、磁気誘導路を介して低減対象領域以外の領域に誘導でき、低減対象領域に伝わる磁気を低減できるので、低減対象領域から漏洩する磁気を低減することができる。従って、低減対象領域に大開口を設けた場合であっても、大開口から漏洩する磁気を低減することができ、大開口を設けることで入室者の圧迫感を低減できると同時に、所要の磁気遮蔽性能を確保することができる。
付記2に記載の磁気シールド体によれば、複数の磁性筒体の中の一部の磁性筒体の比透磁率であって、当該磁性筒体の筒軸方向であるz方向に沿った比透磁率、又は、当該z方向に直交する方向に沿った比透磁率の少なくとも一方を、複数の磁性筒体の中の他の磁性筒体における同一方向の比透磁率とは異なる比透磁率とすることにより、磁気誘導路を形成したので、印加領域と低減対象領域の位置関係に応じた所望の方向における比透磁率を調整することができ、様々な磁気シールド体において、低減対象領域から漏洩する磁気を低減することができる。
付記3に記載の磁気シールド体によれば、磁性筒体は、四角筒状の磁性角筒体であり、一部の磁性筒体の比透磁率のうち、z方向に沿った比透磁率、当該z方向に直交する方向であって磁性筒体の一側面に直交するx方向に沿った比透磁率、又は、当該z方向及び当該x方向に直交するy方向に沿った比透磁率の少なくとも一つを、他の磁性筒体における同一方向に沿った比透磁率とは異なる比透磁率とすることにより、磁気誘導路を形成ので、磁性筒体を磁性角筒体として形成した場合においても、印加領域と低減対象領域の位置関係に応じた所望の方向における比透磁率を調整することができ、様々な磁気シールド体において、低減対象領域から漏洩する磁気を低減することができる。
付記4に記載の磁気シールド体によれば、印加領域から低減対象領域に至る最短の経路上の最短領域に配置された磁性筒体の比透磁率を、他の磁性筒体の比透磁率より小さくすることにより、当該最短領域以外の領域に磁気誘導路を形成したので、印加領域から低減対象領域に至る最短の経路に誘導される磁気を低減でき、低減対象領域に誘導される磁気を低減することができる。
付記5に記載の磁気シールド体によれば、低減対象領域に含まれる磁性筒体のz方向に沿った比透磁率に対して、低減対象領域の周囲の周囲領域に配置された他の磁性筒体における同一方向に沿った比透磁率を小さくすることにより、当該周囲領域以外の領域に磁気誘導路を形成したので、周囲領域からz方向に沿って磁気シールド体の外部に漏洩する磁気を低減でき、低減対象領域からz方向に沿って漏洩する磁気を低減することができる。
付記6に記載の磁気シールド体によれば、低減対象領域に含まれる磁性筒体のz方向に沿った比透磁率に対して、低減対象領域を挟んで、印加領域とは反対側に位置する反対領域に含まれる他の磁性筒体における同一方向に沿った比透磁率を大きくすることにより、当該反対領域に磁気誘導路を形成したので、反対領域からz方向に沿って磁気シールド体の外部に漏洩する磁気を増加させることが、低減対象領域からz方向に沿って漏洩する磁気を低減することができる。
付記7に記載の磁気シールド体によれば、磁性筒体に、当該磁性筒体の側面又は角部に形成された切り欠き部であって、当該切り欠き部に直交する方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部がない同一形状の磁性角筒体における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部であり、当該比透磁率の所要の低減量に対応した長さ及び幅で形成された切り欠き部を設けることにより、磁性筒体の比透磁率を調整したので、所要の方向(垂直方向、水平方向、及び奥行き方向の3方向の中から任意に選択した一つ以上の方向)の比透磁率を所要の低減量だけ低減させることができ、磁性角筒体毎の各方向の比透磁率を容易に調整することができる。特に、切り欠き部を形成することで比透磁率を調整できるので、磁性角筒体の相互の間隔、切り欠き部以外の形状、厚み等を一定にできるので、磁性角筒体の製造や管理の労力の増加を招くことがなく、磁気シールド体の組み立ても容易であり、かつ、磁気シールド体の意匠性も低下させることがない。例えば、MRI室の磁気シールド体において、MRIの入れ替えに伴って磁場の方向や角度が変わった場合であっても、各磁性角筒体の高さ、幅、奥行きが同一であるため、同一の支持手段に対して、切り欠き部のみが異なる磁性角筒体を入れ替えることで対応することができる。
付記8に記載の磁気シールド体によれば、複数の磁性筒体により構成される筒状遮蔽体と、磁性板状体により構成された板状遮蔽体とを、相互に接するように配置して構成され、板状遮蔽体に磁気誘導路を設け、磁気誘導路により、当該板状遮蔽体における印加領域から、筒状遮蔽体以外の領域に、磁気を誘導するので、磁気発生源から板状遮蔽体に入射した磁気を、磁気誘導路を介して、筒状遮蔽体以外の領域に誘導でき、筒状遮蔽体に伝わる磁気を低減できるので、筒状遮蔽体から漏洩する磁気を低減することができる。従って、筒状遮蔽体に大開口を設けた場合であっても、大開口磁性筒体から漏洩する磁気を低減することができる。
付記9に記載の磁気シールド体によれば、一部の磁性筒体を、他の磁性筒体より大きな開口を有する大開口磁性筒体として形成し、印加領域から大開口磁性筒体以外の領域に、磁気を誘導することにより、大開口磁性筒体から外部への漏洩磁気を低減させる磁気誘導路を備えるので、磁気発生源から磁気シールド体に入射した磁気を、磁気誘導路を介して、大開口磁性筒体以外の領域に誘導でき、大開口磁性筒体に伝わる磁気を低減できるので、大開口磁性筒体から漏洩する磁気を低減することができる。従って、大開口磁性筒体を設けた場合であっても、大開口磁性筒体から漏洩する磁気を低減することができ、大開口磁性筒体を設けることで入室者の圧迫感を低減できると同時に、所要の磁気遮蔽性能を確保することができる。
付記10に記載の磁気シールド体によれば、支持手段を、導電性材料にて形成したので、電磁波遮断効果を得ることができると共に、磁気発生源からの磁気が変動する場合においても、変動磁気を渦電流の効果により低減することができる。
10 フレーム
11 貫通孔
20、20A、20B 磁性角筒体
21、22 側部
23 角部
30〜32 切り欠き部
40 磁気誘導路
50 筒状遮蔽体
51 磁性板状体
52 板状遮蔽体
E1 印加領域
E2 低減対象領域
E3 最短領域
E4 周囲領域
E5 反対領域
Claims (7)
- 支持手段を介して相互に間隔を空けて並設された複数の磁性筒体を備える磁気シールド体であって、
当該磁気シールド体における領域の中で磁気発生源からの最も強い磁気が印加される印加領域であって前記複数の磁性筒体の一部の磁性筒体を含む印加領域から、当該磁気シールド体における領域の中で外部への磁気漏洩を低減したい低減対象領域であって前記複数の磁性筒体の他の一部の磁性筒体を含む低減対象領域以外の領域に、磁気を誘導することにより、前記低減対象領域から外部への漏洩磁気を低減させる、
あるいは、当該磁気シールド体における領域の中で磁気発生源からの最も強い磁気が印加される印加領域であって前記複数の磁性筒体の軸方向に対して非平行状に配置された磁性板状体の一部を含む印加領域から、当該磁気シールド体における領域の中で外部への磁気漏洩を低減したい低減対象領域であって前記複数の磁性筒体の一部の磁性筒体を含む低減対象領域以外の領域に、磁気を誘導することにより、前記低減対象領域から外部への漏洩磁気を低減させる、
磁気誘導路を備え、
前記複数の磁性筒体の中の一部の磁性筒体の比透磁率であって、当該磁性筒体の筒軸方向であるz方向に沿った比透磁率、又は、当該z方向に直交する方向に沿った比透磁率の少なくとも一方を、前記複数の磁性筒体の中の他の磁性筒体における同一方向の比透磁率とは異なる比透磁率とすることにより、前記磁気誘導路を形成し、
前記磁性筒体には、当該磁性筒体の外周部の一部のみを切り欠くことによって形成された切り欠き部であって、当該磁性筒体の側面及び角部に形成された切り欠き部であり、当該切り欠き部に直交する方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部がない同一形状の磁性角筒体における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部であり、当該比透磁率の所要の低減量に対応した長さ及び幅で形成された切り欠き部を設けることにより、前記磁性筒体の前記比透磁率を調整した、
磁気シールド体。 - 前記磁性筒体は、四角筒状の磁性角筒体であり、
前記一部の磁性筒体の比透磁率のうち、前記z方向に沿った比透磁率、当該z方向に直交する方向であって前記磁性筒体の一側面に直交するx方向に沿った比透磁率、又は、当該z方向及び当該x方向に直交するy方向に沿った比透磁率の少なくとも一つを、前記他の磁性筒体における同一方向に沿った比透磁率とは異なる比透磁率とすることにより、前記磁気誘導路を形成した、
請求項1に記載の磁気シールド体。 - 前記印加領域から前記低減対象領域に至る最短の経路上の最短領域に配置された前記磁性筒体の比透磁率を、他の磁性筒体の比透磁率より小さくすることにより、当該最短領域以外の領域に前記磁気誘導路を形成した、
請求項1又は2に記載の磁気シールド体。 - 前記低減対象領域に含まれる前記磁性筒体の前記z方向に沿った比透磁率に対して、前記低減対象領域の周囲の周囲領域に配置された他の磁性筒体における同一方向に沿った比透磁率を小さくすることにより、当該周囲領域以外の領域に前記磁気誘導路を形成した、
請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気シールド体。 - 前記低減対象領域に含まれる前記磁性筒体の前記z方向に沿った比透磁率に対して、前記低減対象領域を挟んで、前記印加領域とは反対側に位置する反対領域に含まれる他の磁性筒体における同一方向に沿った比透磁率を大きくすることにより、当該反対領域に前記磁気誘導路を形成した、
請求項1から4のいずれか一項に記載の磁気シールド体。 - 前記複数の磁性筒体のうち、一部の磁性筒体を、他の磁性筒体より大きな開口を有する大開口磁性筒体として形成し、
前記低減対象領域を、前記大開口磁性筒体を含む領域とした、
請求項1から5のいずれか一項に記載の磁気シールド体。 - 前記支持手段を、導電性材料にて形成した、
請求項1から6のいずれか一項に記載の磁気シールド体。
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