JP5626155B2 - クリノプチロライト及びそれを用いた窒素吸着剤 - Google Patents

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本発明は、優れた窒素吸着特性を有するクリノプチロライトに関するものである。
クリノプチロライトは天然に存在するゼオライトの一種であり、気体の吸着剤や混合ガスの吸着分離材等の利用が検討されている。しかしながら、天然に産出するクリノプチロライトは組成が不均一,低純度等の問題を有しているために吸着特性が低かった(特許文献1〜2)。
一方、天然クリノプチロライトの有する問題点を改善するため、合成クリプチノライトおよびその製造方法が提案されている。
非特許文献1には、コロイダルシリカを使用して調製したSiO/Alモル比8または10の混合物に水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムのアルカリ源を加え、120〜195℃の範囲で加熱して得られたクリノプチロライトが報告されている。しかしながら、開示されたクリノプチロライトは純度が低く、吸着特性が低いものであった。
また、引用文献3には、微細無定形シリカ、アルミナ源、アルカリおよびクリノプチロライト種晶からなる(2.1±0.5)NaO・Al・(10.0±2.0)SiO・(110.1±50.0)HOの組成の混合物を約100〜200℃で約240時間以内加熱して得られたクリノプチロライトが開示されている。しかしながら、開示された合成クリノプチロライトは結晶化度が低く、やはり吸着特性が低かった。
更に、一般式、x(Na,K)O・Al・ySiO・zHO(但し、式中,x=0.8〜1.2,y=8.0〜12.0,z≧0)で表され、かつ、K/(K+Na)=0.20〜0.95で表現され、しかも板状結晶を有し、クリノプチロライト結晶相の含有率が90%以上のクリノプチロライトが開示されている(特許文献4)。しかしながら、開示されたクリノプチロライトは窒素吸着特性が十分ではなかった。
これら従来のクリノプチロライトのカチオンをアルカリ土類金属でイオン交換した場合、窒素の吸着量をある程度増大することはできるが、十分でなく、また吸着性能がイオン交換率によって大きく変化し、安定な吸着性能が得られないという問題があった。
この様に、これまで窒素の吸着特性に優れたクリノプチロライトは得られていなかった。
特開昭62−132727号公報 特開昭62−162519号公報 米国特許第4,623,529号 特許第3677807号
Nature,vol.304,21July,P255,1983
本発明は、窒素の吸着特性に優れたクリノプチロライトを提供する。
本発明者は、窒素の吸着特性に優れたクリノプチロライトについて検討した結果、特定のクリノプチロライトをCa又はMgでイオン交換した場合、Ca又はMgのイオン交換量の変化に対して窒素吸着特性の変化がなく、なおかつ高い窒素吸着量を有することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
以下、本発明のクリノプチロライトについて説明する。
本発明のクリノプチロライトは、Ca又はMgでイオン交換されたクリノプチロライト及びその基材として用いられるクリノプチロライトである。
本発明のCa又はMg交換クリノプチロライトは、25℃,0mmHg〜5500mmHgでの窒素の最大平衡吸着量が30NmL/g以上であり、31NmL/gであることが好ましい(NmLは気体の標準状態(1気圧、25℃)における体積)。
本発明のCa又はMg交換クリノプチロライトは、Ca又はMgがイオン交換サイトの40%以上、特に45%以上であることが好ましい。イオン交換サイトに占めるCa又はMgが多くなるほど吸着特性は向上し、Ca又はMgが40%以上であれば窒素の吸着特性が向上しやすい。一方、80%を越えても窒素吸着特性の大幅な上昇はない。そのため、イオン交換サイト中のCa又はMgは80%以下で十分である。
本発明のCa又はMg交換クリノプチロライトの基材に用いられるクリノプチロライトは、クリノプチロライト結晶相の含有率は90%以上であることが好ましく、95%以上であることが好ましい。クリノプチロライト結晶相の含有率が90%以上の場合、吸着剤や触媒等の用途に用いた場合、目的とする成分以外の吸着や副反応が生じにくくなる。
本発明のCa又はMg交換クリノプチロライト及びその基材であるクリノプチロライトが粉体である場合、圧縮度が15%以上40%以下であることが好ましく、特に好ましくは15%以上30%以下、15%以上25%以下であることがさらに好ましい。
ここでの圧縮度とは粉体の流動性を示す指標であり、圧縮度が小さいほど粉体の流動性は良好になる。そのため、圧縮度が40%を越えるクリノプチロライトを使用した場合、粉体を充填した状態で保管したときにクリノプチロライトが自重で潰れて凝集する、いわゆる架橋現象が生じて、粉体の流動性が低下して排出が極めて困難となる。一方、圧縮度が小さいほど流動性は良好になるが、15%以上であればハンドリングが十分容易となる。
なお、圧縮度は以下の式で求めることができる。
C=()/×100 ・・・(1)
C:圧縮度
P:かさ密度(g/cm
A:タップ密度(g/cm
本発明のCa又はMg交換クリノプチロライト及びその基材であるクリノプチロライトは、粉体の場合に、かさ密度が0.20g/cm以上0.40g/cm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.25g/cm以上0.40g/cm以下、更には0.30g/cm以上0.40g/cm以下であることが好ましい。かさ密度をこの範囲とすることで充填性が向上する。
同様な理由により、本発明のCa又はMg交換クリノプチロライト及びその基材であるクリノプチロライトのタップ密度は、タップ密度が0.30g/cm以上0.45g/cm以下であることが好ましい。
ここで、発明におけるかさ密度とは、軽装かさ密度ともいわれる値であり、粉体を自然落下させて充填した状態の粉体密度であり、タップ密度とは、重装かさ密度ともいわれる値であり、試料を充填した容器を一定の高さからタッピングさせて充填した状態の粉体の密度である。
本発明のCa又はMg交換クリノプチロライト及びその基材であるクリノプチロライトが粉体の場合、その平均二次粒子径(凝集粒子径)は、15μm以上であることが好ましく、特に好ましくは30μm以上、さらには40μm以上であることが好ましい。平均粒子径が15μm以上であることで、粉体の凝集性が抑制され、流動性が向上する。
平均二次粒子径は、SEM観察による平均粒子径、体積分布によるメジアン径などを採用することができるが、体積分布によるメジアン径(D50)であることが好ましい。
本発明のCa又はMg交換クリノプチロライト及びその基材であるクリノプチロライトの二次粒子径分布は、5μm以上15μm以下、及び30μm以上100μm以下の2つのピークを有することが好ましい。このような、いわゆるバイモーダルな二次粒子径分布を有することで充填性が高くなりやすい。
二次粒子径分布において5μm以上15μm以下のピークの割合は粒子径分布の3%以上50%以下であることが好ましく、特に好ましくは3%以上30%以下である。これにより、粉体の充填性がさらに高くなる。
粉体の二次粒子径分布は、レーザー回析・光散乱法により測定した粒子径分布であることが好ましい。
本発明のCa又はMg交換クリノプチロライト及びその基材であるクリノプチロライトが含有する粒子形状は、板状粒子が凝集した粒状の凝集粒子であることが好ましい。これにより、粉体としてのハンドリング特性が向上する。
次に、本発明のCa又はMg交換クリノプチロライト及びその基材クリノプチロライトの製造方法について説明する。
本発明のCa又はMg交換クリノプチロライトは、例えば、ケイ酸アルカリとアルミニウム塩から得られた無定形アルミノシリケートゲル、水、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムから、モル比で、
SiO/Al=8〜20
OH/SiO=0.25〜0.50
K/(K+Na)=0.20〜0.80
O/SiO=10〜100
からなる混合物(以下、原料混合物という)を得、攪拌下に100〜200℃に加熱した後に、Ca又はMgを含む溶液でイオン交換して製造することが好ましい。
ケイ酸アルカリとしては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、シリカゾル等の水溶液用いること好ましい。さらに、固体状のシリカ源である無定形シリカ、シリカゲル、カオリナイト、珪藻土等は、アルカリ成分で溶解して用いることが好ましい。
アルミニウム塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミニウムの塩化物、硝酸塩、硫酸塩等の水溶液を用いることが好ましい。さらに、水酸化アルミニウム等の固体状のアルミニウム源は、鉱酸やアルカリ成分で溶解して使用することが好ましい。
ケイ酸アルカリの水溶液とアルミニウム含有水溶液を混合し、無定形アルミノシリケートゲルを得ることが好ましい。混合条件は特に限定されないが、混合時の温度を室温〜100℃とすることが例示できる。
また、必要に応じて水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのアルカリ成分、硫酸、塩酸等の酸成分を加えることが好ましい。
得られた無定形アルミノシリケートゲルは、必要に応じて濾過洗浄等を行い、副生塩を除去することが好ましい。
次に、水、水酸化ナトリウム及び/または水酸化カリウム、得られた無定形アルミノシリケートゲルから原料混合物を得ることが好ましい。
原料混合物の組成は、モル比で
SiO/Al=8〜20
OH/SiO=0.25〜0.50
K/(K+Na)=0.20〜0.80
O/SiO=10〜100
であることが好ましい。
OH/SiOモル比をこの範囲内にすることで、クリノプチロライト以外のゼオライト、またはゼオライト以外の鉱物(副生物)が生成しにくくなる。同様に、K/(K+Na)モル比を0.20以上0.80以下とすることでクリノプチロライト以外のゼオライトの生成を抑制することができる。
得られた原料混合物は加熱して結晶化する。
結晶化温度は、100℃以上200℃以下であることが好ましい。結晶化温度が100℃以上だと結晶化の進行が促進されやすい。一方、結晶化温度が高いほど結晶化速度が速くなりしやすいが、200℃以下であれば十分な結晶化速度を有する。そのため、高温高圧型の反応容器等の特別な反応容器を必要としない結晶化温度として200℃以下であることが好ましい。
結晶化時間は、結晶化が進行する時間であれば特に制限はないが、例えば、1〜15日間程度とすることが好ましい。
結晶化操作は、撹拌下で行うことが好ましい。攪拌下で結晶化を行った場合、結晶化速度が速くなるだけでなく、クリノプチロライト単一相が得られやすくなる。
また、結晶化においては、種晶を添加することが好ましい。原料混合物に種晶を添加することによって結晶化時間を大幅に短縮することができる。種晶は、クリノプチロライトであることが好ましく、天然クリノプチロライト、合成クリノプチロライトのいずれをも使用することができる。種晶の量は、原料混合物の1%以上20重量%以下であることが好ましい。種晶の量が1重量%以上で結晶化時間の短縮効果が得られ、20重量%以下であれば得られる結晶化時間の短縮効果が十分である。
結晶化が完了した後、生成した結晶を母液と分離し、水洗し、乾燥して結晶粉末を得ることで基材となるNa,K型のクリノプチロライトを得ることができる。
得られるNa,K型のクリノプチロライトは以下の式で表されることが好ましい。
x(K,Na)O・Al・ySiO・zH
(但し、x=0.8〜1.2,y=7.0〜12.0,z≧0,K/(K+Na)=0.
20〜0.95)
上記一般式において、y(SiO/Alモル比)は7.0〜12.0である。
7以上であるとクリノプチロライトの耐熱性が向上し、12.0以下であれば、クリノプチロライトの単一相が得られやすい。
上記一般式において、K/(K+Na)=0.20〜0.95であることが好ましく、
K/(K+Na)=0.5〜0.7であることが特に好ましい。
上記の製造方法により、上述した粉体物性(圧縮度、かさ密度、タップ密度、二次粒径等)を満足するクリノプチロライトが得られ、その様な粉体物性を満足するクリノプチロライトでは高い窒素の吸着性能が発揮される。
得られたK,Na型のクリノプチロライトは、イオン交換するCa2+又はMg2+を含む溶液で処理するなどの公知の方法を用いて、K又はNaの一部をCa2+、Mg2+などにイオン交換し、その後、活性化してCa又はMg型のクリノプチロライトを得ることができる。Ca又はMg交換クリノプチロライトの粉体物性は、K,Na型のクリノプチロライトの粉体物性を維持したものとなる。
本発明のクリノプチロライトは、高い窒素の吸着性能を有し、かつ、Ca又はMgのイオン交換量によって窒素吸着量が変化しにくいため、高い吸着能を安定して発揮できる吸着材である。
実施例1で得られたクリノプチロライトの粒子径分布 実施例1で得られたクリノプチロライトのX線回折図 実施例1で得られたCa交換クリノプチロライトの窒素の平衡吸着量 比較例1で得られたクリノプチロライトの粒子径分布 比較例1で得られたCa交換クリノプチロライトの窒素の平衡吸着量
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
(組成分析)
試料をフッ酸溶液及び硝酸にて溶解し、ICP−AES(使用装置 PERKIN ELMER社製 OPTIMA3000DV)で測定した。
(クリノプチロライトの結晶含有率)
クリノプチロライトの結晶含有率の測定は、X線回折により行った。測定は、X線回折装置(マックサイエンス社製MXP3)を使用して2θ=3〜40°の回折ピークを測定した。得られたX線回折図から、クリノプチロライトのピークと不純物相のピークの比より求めた。なお、クリノプチロライトの同定は、COLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITES 、Fifth Revised Edition 2007、ELSEVIA のページ206〜207に記載されているHEU型ゼオライトのX線回折データを使用して行った。
(粒子径分布および平均粒子径)
試料の粒子径分布および平均粒子径は、粒子径分布測定装置(マイクロトラックHRA(日機装(株)))を使用して測定した。純水を循環させながら試料を所定量投入し、レーザー回折法で体積分布の測定を行い、粒子径分布および平均粒子径(D50)を求めた。
(電子顕微鏡観察)
得られたクリノプチノライト粉体の凝集状態および粒子形態は、電子顕微鏡(SEM;
日本電子株式会社製JSM−6390LV型電子顕微鏡)を使用して観察した。
(かさ密度)
かさ密度の測定に先立ち、試料を25℃、水分80%の状態で水和処理を行い、クリノプチロライト粉体の水分吸着量を一定量とした。
かさ密度は、水分吸着量を一定量にした後の試料について、パウダーテスター PT−R型(ホソカワミクロン社製)を用いて測定した。測定は試料を自然落下させて、正確に100mlとなるように容器に測りとり、その際の試料の重量および、容積(100ml)からかさ密度(P)を求めた。
(タップ密度)
タップ密度の測定は、かさ密度の測定と同様に水分吸着量を一定にした試料について、
パウダーテスター PT−R型(ホソカワミクロン社製)を用いて測定した。測定は試料を自然落下させた後、ストローク長さ18mmで、180回タッピングをした後、正確に100mlとなるように容器に測りとり、その際の試料の重量を容積(100ml)で割ってタップ密度(A)を求めた。
(圧縮度)
測定したかさ密度(P)、タップ密度(A)から、下記の式に基づき、圧縮度(C)(%)を求めた。
C=()/×100 ・・・(1)
C:圧縮度
P:かさ密度(g/cm
A:タップ密度(g/cm
(平衡吸着量)
窒素の平衡吸着量はBELLSORP HP(日本ベル株式会社製)を用いて、吸着温度25℃において、0mmHgから5500mmHgの各圧力における平衡吸着量を測定した。
(BET比表面積)
BET比表面積は、BELLSORP 28SA(日本ベル株式会社製)を測定した。
実施例1
純水、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、ケイ酸ソーダと硫酸アルミから調製した無定形アルミノシリケートゲルを下記の組成となるように混合し、原料混合物を得た。
SiO/Al=12
OH/SiO=0.34
K/(K+Na)=0.65
O/SiO=20
得られた原料混合物に種晶として天然クリノプチロライトを、原料混合物の重量に対して2%加え、攪拌しながら150℃で72時間加熱した。冷却後、濾過、洗浄、乾燥してクリノプチロライトを得た。
得られたクリノプチロライトは、SiO/Al=9.6、(Na,K)O/
Al=0.97、K/(K+Na)=0.88であった。
SEM観察の結果、得られたクリノプチロライトは板状の粒子が凝集した粒状の粉体形状であった。また、平均二次粒子径は46.3μmであり、かつ、二次粒子の粒子径分布は9μmと50μmにピークを有し、いわゆるバイモーダルの粒子径分布であり、9μmのピークは粒子径分布の13%であった。
また、X線回折の結果、クリノプチロライト以外に帰属できるピークはなく、クリノプチロライトの結晶含有率は100%であった。結果を表1、二次粒子の粒子径分布を図1、X線回折図を図2に示した。
得られたクリノプチロライトは流動性に優れており、ハンドリングおよび保存期間中での架橋現象は生じなかった。
得られたクリノプチロライト5gに5〜20倍当量のCaCl溶液200mLを添加し、60℃、2時間攪拌する操作を1〜2回行ってイオン交換を行い、350℃、2時間減圧下で活性化してCa型のクリノプチロライトを得た。
得られたクリノプチロライトのイオン交換サイト中のCaの割合および25℃,0〜5500mmHgにおける窒素の最大平衡吸着量を表2に示す。Ca交換率が49.0%における窒素の最大平衡吸着量は31.9NmL/g、Ca交換率が66.9%における窒素の最大平衡吸着量は31.6NmL/gであり、Ca交換率による最大平衡吸着量の変化はほとんど無かった。
Ca交換率が66.9%のクリノプチロライトにおける25℃,0〜5500mmHgでの窒素の平衡吸着量を図3に示す。
比較例1
特許文献4に記載に従ってクリノプチロライトを製造した。水酸化ナトリウムと水酸化カリウムと水酸化アルミニウムの混合物、純水、ホワイトカーボン(東ソーシリカ工業製ニップシールVN3)を下記の組成となるように混合して原料混合物を得た。
SiO/Al=11
OH/SiO=0.30
K/(K+Na)=0.50
O/SiO=25
得られた原料混合物をオートクレーブに入れ、撹拌しながら150℃で144時間加熱した。冷却後、濾過、洗浄、乾燥してクリノプチロライト粉体を得た。
得られたクリノプチロライトは、SiO/Al=8.4、(Na,K)O/
Al=0.73、K/(K+Na)=1.0であった。
純度をX線回折により求めたところ、クリノプチロライト以外に帰属できるピークはなく、クリノプチロライトの結晶含有率は100%であった。SEM観察の結果、得られたクリノプチロライトは板状の粒子が個々に分散し、不定形の粉体形状であった。また、平均二次粒子径は10.9μmであり、かつ、二次粒子径分布は10μmにピークを持ちモノモーダルな粒子径分布であった。結果を表1、粒子径分布を図4に示した。
比較例1のクリノプチロライトは、保存中に架橋現象が生じて粒子形状が変化し、粉体の流動性が低かった。
得られたクリノプチロライト5gに5〜20倍当量のCaCl溶液200mLを添加し、60℃で2時間攪拌する操作を1〜2回行ってイオン交換を行い、350℃、2時間減圧下で活性化してCa型のクリノプチロライトを得た。
得られたクリノプチロライトのCa交換率および25℃,0〜5500mmHgにおける窒素の最大平衡吸着量を表2に示す。Ca交換率が46.5%における窒素の最大平衡吸着量は29.8NmL/g、Ca交換率が60.2%における窒素の最大平衡吸着量は27.7NmL/g、Ca交換率が66.9%における窒素の最大平衡吸着量は21.6NmL/gであり、Ca交換率の増加に伴い、最大平衡吸着量が著しく減少した。
Ca交換率が66.9%のクリノプチロライトにおける25℃,0〜5500mmHgでの窒素の平衡吸着量を図5に示す。
Figure 0005626155
Figure 0005626155
本発明のクリノプチロライトは、窒素を吸着する吸着剤として使用することができる。

Claims (3)

  1. 圧縮度が15%以上40%以下、かさ密度が0.20g/cm以上0.40g/cm以下、なおかつタップ密度が0.30g/cm以上0.45g/cm以下であるクリノプチロライト。
  2. 平均二次粒子径が15μm以上、なおかつ二次粒子径分布が5μm以上15μm以下、及び30μm以上100μm以下の2つのピークを有する請求項に記載のクリノプチロライト。
  3. 板状粒子が凝集した粒状の凝集粒子である請求項又はに記載のクリノプチロライト。
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