JP5625244B2 - 二次電池の容量推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池の容量推定装置に関するものである。
二次電池の制御装置として、所定の電池モデル式中のパラメータ(内部抵抗、時定数)を、適応デジタルフィルタを用いて推定し、推定したパラメータと、二次電池の電流および端子電圧の計測値とから、二次電池の開路電圧を推定し、予め実験等によって求めた開路電圧−充電率の関係と推定した開路電圧とを用いて二次電池の充電率を推定する制御装置が知られている(特許文献1参照)。
特許第3714246号公報
しかしながら、上記従来技術においては、適応デジタルフィルタにより演算を行う際における、開路電圧の推定精度は、二次電池に供給される電流の波形に依存するため、供給される電流がほぼ一定である場合や、所定の周波数で電流が供給される場合には、二次電池の総容量(満充電時の容量)を適切に推定することができないという課題があった。
本発明が解決しようとする課題は、二次電池の総容量を適切に推定することができる二次電池の容量推定装置を提供することである。
本発明は、充電電流に所定パターンの検出用電流を重畳させ、検出用電流を重畳させた際における二次電池の電流および端子電圧の計測値から、適応デジタルフィルタを用いて、二次電池の開路電圧および充電率を推定し、これに基づき、二次電池の総容量推定を行うものであり、この際において、充電電流に重畳させる検出用電流の振幅を、充電開始時における二次電池の充電率、二次電池の温度、および二次電池について推定された総容量の前回値から選択される少なくとも1つに基づいて設定することにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、充電電流に所定パターンの検出用電流を重畳させた際における二次電池の電流および端子電圧から、適応デジタルフィルタを用いて、二次電池の開路電圧および充電率の推定を行い、これに基づき、二次電池の総容量を推定するため、二次電池の総容量の推定精度の向上が可能となる。
図1は、本実施形態に係る二次電池の制御システムの構成を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る電子制御ユニット30の機能ブロック図である。 図3は、二次電池の電池モデルを示す等価回路モデルを示す図である。 図4は、二次電池の開路電圧−充電率特性の一例を示す図である。 図5は、二次電池の充電方法の一例を示すタイムチャートである。 図6は、二次電池の充電方法の他の例を示すタイムチャートである。 図7は、充電電流に、検出用電流パターンDI(k)を重畳した場合における電流の変化を示すプロファイルおよび適応デジタルフィルタ演算の同定誤差の変化を示すプロファイルの一例を示す図である。 図8は、第1実施形態における総容量推定値Cap^(k)の算出処理方法を示すフローチャートである。 図9は、充電率算出処理方法を示すフローチャートである。 図10は、第1実施形態における充電率SOCの推定のシミュレーション結果を示す図である。 図11は、第2実施形態に係る電子制御ユニット30の機能ブロック図である。 図12は、第2実施形態における総容量推定値Cap^(k)の算出処理方法を示すフローチャートである。 図13は、第2実施形態における充電率SOCの推定およびパラメータdの推定のシミュレーション結果を示す図である。
《第1実施形態》
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る二次電池の制御システムの構成を示す図である。図1に示す制御システムは、たとえば、プラグインHEVや電気自動車などの電動車両を、充電設備20に接続し、電動車両に備えられた二次電池10に充電を行う際に、充電中の二次電池10に対して、本発明に係る容量推定装置を適用した例である。
本実施形態に係る二次電池の制御システムは、図1に示すように、電動車両に搭載された二次電池10と充電設備20とを接続することにより、充電設備20により二次電池10に対して充電を行うとともに、充電設備20に備えられた電子制御ユニット30により、二次電池10の総容量(満充電時の容量)を推定するものである。
二次電池10は、複数の単位電池を直列に接続してなるものであり、二次電池10を構成する単位電池としては、たとえば、リチウムイオン二次電池などのリチウム系二次電池などが挙げられる。また、図示していないが、二次電池10近傍には、二次電池10の温度を測定するための温度センサが備えられている。そして、この温度センサにより測定された電池温度は、充電設備20の電子制御ユニット30に送出されるようになっている。
充電設備20は、電子制御ユニット30、電源40、電流計50および電圧計60を備える。電源40は、電子制御ユニット30からの指令に基づいて、充電電流を出力し、二次電池10への充電電流の供給を行う。電流計50は、二次電池10に流れる充放電電流を検出するセンサであり、電流計50により検出された信号は、電子制御ユニット30へ送出される。また、電圧計60は、二次電池10の端子電圧を検出するセンサであり、電圧計60により検出された信号は、電子制御ユニット30へ送出される。
電子制御ユニット30は、充電設備20を制御する制御ユニットであり、プログラムを演算するCPU、プログラムや演算結果を記憶するROMおよびRAMから構成されるマイクロコンピュータと電子回路等で構成される。図2に、電子制御ユニット30の機能ブロック図を示す。図2に示すように、電子制御ユニット30は、電源40から二次電池10へ供給する充電電流を制御する充電電流制御部310と、電流計50および電圧計60から信号に基づいて、二次電池10の総容量を推定する総容量推定部320と、を備える。
充電電流制御部310は、図2に示すように、電源40から二次電池10へ供給する充電電流の電流値である基準充電電流設定値I(k)を設定する充電電流設定部311と、電源40から二次電池10へ供給する充電電流に、所定の電流パターンからなる検出用電流を重畳させるための検出用電流パターンDI(k)を送出する検出用電流重畳部312と、を備える。そして、充電電流設定部311により設定された基準充電電流設定値I(k)が、電源40に送出されることにより、基準充電電流設定値I(k)に基づき、電源40は所定の充電電流を二次電池10に供給する。また、検出用電流重畳部312により、検出用電流パターンDI(k)が送出された場合には、電源40から、二次電池10に供給される充電電流に、検出用電流パターンDI(k)に応じた検出用電流が重畳され、これが二次電池10に供給されることとなる。
総容量推定部320は、図2に示すように、電流計50からの信号に基づき、充放電電流Iを検出する電流検出部321と、電圧計60からの信号に基づき、端子電圧Vを検出する電圧検出部322と、電流検出部321により検出された電流計測値I(k)および電圧検出部322により検出された電圧計測値V(k)から適応デジタルフィルタにより、二次電池10の充電率を推定し、充電率推定値SOC^(k)を算出する適応デジタルフィルタ演算部323と、電流検出部321により検出された電流計測値I(k)の積算を行い、電流積算値DQ(k)を算出する電流積算部324と、充電率推定値SOC^(k)および電流積算値DQ(k)から二次電池10の総容量を推定し、総容量推定値Cap^(k)を算出する総容量演算部325と、を備える。なお、SOC^(k)、Cap^(k)における右肩に付した「^」は、各値が推定値であることを示す。また、図2中では、推定値である「^」を、SOC(k)の「S」、Cap(k)の「C」の真上に示しているが、下記式(1)に示すように、これらはSOC^(k)、Cap^(k)と同義である。以下、θ^(k)、V^(t)、Cap^、SOC^、SOC^、d^も同様である。
Figure 0005625244
このような本実施形態に係る電子制御ユニット30では、充電電流設定部311により設定された基準充電電流設定値I(k)に基づいて、電源40から二次電池10に充電電流を供給し、これにより二次電池10の充電を行う際に、検出用電流重畳部312により、所定のタイミングで、電源40から二次電池10へ供給する充電電流に、検出用電流パターンDI(k)に基づく所定のパターンの検出用電流を重畳する。そして、適応デジタルフィルタ演算部323により、充電電流に検出用電流パターンDI(k)に基づく検出用電流が重畳されたときにおける、電流計測値I(k)および電圧計測値V(k)から、適応デジタルフィルタにより、二次電池10の充電率推定値SOC^(k)を算出する。そして、総容量演算部325により、算出された充電率推定値SOC^(k)と、電流積算部324により積算された電流積算値DQ(k)とから、二次電池10の総容量推定値Cap^(k)を算出することにより、二次電池10の総容量を推定するものである。
ここで、総容量演算部325による、二次電池10の総容量推定値Cap^(k)の推定方法について、説明する。まず、二次電池10の充電率SOCは、二次電池10の総容量Capに対する、現在の充電電気量の比であるため、二次電池10の充電率SOCは、下記式(2)で表すことができる。なお、下記式において、Qは、二次電池10に予め充電されていた初期電気量である。
Figure 0005625244
また、上記式(2)を総容量Capについて整理すると、下記式(3)となる。
Figure 0005625244
なお、上記式(3)において、ΔSOCは、二次電池の充放電による充電率SOCの変化量であり、そのため、ΔSOCは、所定時における充電率SOCと、充電率SOCの状態からさらに充放電を行った後の充電率SOCとの差分と等しくなる。
そして、本実施形態では、上記式(3)における分子、すなわち、電流積算値を電流積算部324により演算し、上記式(3)における分母、すなわち、各充電率SOC、SOCを適応デジタルフィルタ演算部323により演算し、これらの結果を用いることにより、二次電池10の総容量を求めることができる。
次に、適応デジタルフィルタ演算部323により、二次電池10の充電率推定値SOC^(k)を算出する方法について、説明する。まず、本実施形態で用いる「電池モデル」について、説明する。図3は、二次電池10の電池モデルを示す等価回路モデルであり、図3に示す等価回路モデルは、下記式(4)で表される。
Figure 0005625244
ここで、モデル入力は電流I[A](正値は充電、負値は放電)、モデル出力は端子電圧V[V]であり、R〔Ω]は電荷移動抵抗、R[Ω]は純抵抗、C[F]は電気二重層容量、V[V]は開路電圧である。また、上記式中、sは微分オペレータである。なお、本実施形態に係る電池モデルは、正極、負極を特に分離していないリダクションモデル(一次)であるが、実際の電池の充放電特性を比較的正確に示すことが可能である。このように本実施形態においては、電池モデルの次数を1次にした構成を例として説明する。
ここで、R、R、Cを下記式(5)のように表すと、上記式(4)は、下記式(6)で表されることとなる。
Figure 0005625244
Figure 0005625244
次いで、上記式(6)に示される電池モデルから、適応デジタルフィルタを用いた電池パラメータ(K,T,T)の推定方法について、説明する。開路電圧V(t)は、電流I(t)に可変なパラメータdを乗じたものをある初期状態から積分したものと考えれば、開路電圧V(t)は、下記式(7)で表すことができる。
Figure 0005625244
そして、上記式(6)に、上記式(7)を代入すると、下記式(8)となり、これを整理すると下記式(9)となる。
Figure 0005625244
Figure 0005625244
さらに、上記式(9)の両辺に安定なローパスフィルタ1/Glp(s)を乗じて、整理すると下記式(10)となる。
Figure 0005625244
なお、本実施形態においては、ローパスフィルタ1/Glp(s)として、下記式(11)ものを用いたが、下記式(11)に示すものに限定はされない。下記式(11)において、τはフィルタの時定数である。
Figure 0005625244
ここで、電流検出部321で計測した電流計測値I(t)、および電圧検出部322で検出した電圧計測値V(t)に、ローパスフィルタを施した値を下記式(12)で定義する。
Figure 0005625244
上記式(10)を上記式(12)で書き直し、これをV(t)について整理すると、下記式(13)となる。
Figure 0005625244
そして、上記式(13)は、計測可能な値(I(t)、I(t)、I(t)、V(t)、V(t))と未知パラメータ(T,T,K,d)との積和式になっているため、適応デジタルフィルタの標準形である下記式(14)と一致する。
Figure 0005625244
ただし、上記式(14)中、y=V(t)、 ω=[V(t),I(t),I(t),I(t)]、θ=[−T,K・T,K,d] である。
したがって、電流検出部321で検出した電流計測値I(t)、および電圧検出部322で検出した電圧計測値V(t)にフィルタ処理した信号を、適応デジタルフィルタ演算に用いることで、電池内部状態を表す内部抵抗K、時定数TおよびT、パラメータdから構成される未知パラメータベクトルθを一括推定することができる。
本実施形態では、単純な「最小二乗法による適応デジタルフィルタ」の論理的な欠点(一度推定値が収束すると、その後パラメータが変化しても再度正確な推定ができないこと)を改善した「両限トレースゲイン方式」を用いる。すなわち、上記式(14)を前提にすると、適応デジタルフィルタにより未知パラメータベクトルθを推定するためのアルゴリズムは、下記式(15)となる。ここで、k時点の電池パラメータ推定値をθ^(k)とする。
Figure 0005625244
上記式(15)において、trace{Q(k)}は行列Q(k)のトレース(対角要素の和)を意味する。また、λ、λ、γ、γは設計パラメータであり、0<λ<1、0<λ<∞とする。λは適応デジタルフィルタの推定速度を設定する定数(調整ゲイン)であり、値を大きくすることにより推定速度は速くなるが、その反面ノイズの影響を受けやすくなる。γおよびγはそれぞれ行列Q(k)のトレースの上下限を規定するパラメータであり、0<γ<γとなるように設定する。また、P(0)は十分大きな値を初期値とし、θ^(0)は非ゼロな十分小さな値を初期値とする。このようにして、適応デジタルフィルタ演算部323により、適応デジタルフィルタを用いた電池パラメータ(T,T,K,d)の推定が行われる。
そして、適応デジタルフィルタ演算部323は、次のようにして、推定した電池パラメータから、二次電池10の開路電圧Vを算出する。まず、上記式(6)を開路電圧Vについて整理すると、下記式(16)となる。
Figure 0005625244
開路電圧V(t)の変化は比較的に穏やかであるため、上記式(16)の両辺に安定なローパスフィルタ1/Glp(s)を乗じ、1/Glp(s)を乗じて得られた値を開路電圧推定値V^(t)として、下記式(17)によって推定する。
Figure 0005625244
そして、上記式(17)に、上記式(12)を代入すると、下記式(18)となる。
Figure 0005625244
よって、上記式(18)に、適応デジタルフィルタを用いて推定した電池パラメータ推定値(T,T,K)とローパスフィルタの出力(I(k)、I(k)、V(k)、V(k))を代入することで開路電圧の推定を行うことでき、これにより開路電圧推定値V^(t)を求めることができる。
そして、得られた開路電圧推定値V^(t)を用いて、適応デジタルフィルタ演算部323により予め取得した二次電池10の開路電圧−充電率特性に基づいて、二次電池10の充電率を推定することができ、これにより充電率推定値SOC^(t)を得ることができる。なお、二次電池10の開路電圧−充電率特性の一例を図4に示す。本実施形態では、二次電池10の開路電圧−充電率特性は、電子制御ユニット30に備えられたRAMに予め記憶されており、二次電池10について、予め実験などにより、開路電圧と充電率との関係を求めることにより得ることができる。
次に、充電電流制御部310による、電源40から二次電池10へ供給する充電電流の設定方法について、説明する。
充電電流設定部311は、二次電池10を充電するために予め定められた充電電流値である基準充電電流設定値I(k)を設定する。なお、基準充電電流設定値I(k)は、二次電池10を充電するための電流を設定するための値であり、通常、略一定の値が設定される。このような基準充電電流設定値I(k)の設定方法としては、一般的に用いられている方法を採用すればよく、二次電池10の充電率および二次電池10の仕様などに応じて設定すればよいが、たとえば、図5に示すように、二次電池10の充電率が比較的に低い領域においては、定電流充電を行い、その後、二次電池10の端子電圧が目標電圧に到達した後においては、定電圧充電に移行するCC−CV充電方式や、図6に示すように、二次電池10の充電率が比較的に低い領域においては、定電力充電を行い、その後、定電流充電に移行し、段階的に充電電流をゼロに近づけていく多段定電流充電を行う方法などが挙げられる。また、これらを組み合わせたものであってもよい。なお、図5、図6は、二次電池10の充電方法の一例を示すタイムチャートであり、図5、図6においては、時間Tにおいて二次電池10の充電を開始し、その後時間Tにおいて充電制御方法を変更し、時間Tにおいて二次電池10の充電を終了している。
一方、検出用電流重畳部312は、所定のタイミングで、所定の検出用電流パターンDI(k)を、所定時間送出し、基準充電電流設定値I(k)に基づく充電電流に、検出用電流パターンDI(k)基づく検出用電流を重畳する。具体的には、検出用電流重畳部312により検出用電流パターンDI(k)が送出されると、電源40から、二次電池10に供給される充電電流に、検出用電流パターンDI(k)に応じた検出用電流が重畳され、これが二次電池10に供給されることとなる。本実施形態において、検出用電流重畳部312により検出用電流パターンDI(k)を送出するタイミングとしては、特に限定されないが、充電開始時(たとえば、図5、図6において、時間T)、および充電開始時から所定時間経過後、具体的には、充電率が十分上昇した時(たとえば、図5、図6において、時間TからTの間の任意の時間)などとすることができる。
そして、本実施形態においては、適応デジタルフィルタ演算部323による適応デジタルフィルタ演算は、基準充電電流設定値I(k)に基づく充電電流に、検出用電流パターンDI(k)に基づく検出用電流が重畳されたときに行われる。具体的には、基準充電電流設定値I(k)に基づく充電電流に、検出用電流パターンDI(k)に基づく検出用電流が重畳されたときにおける、電流計測値I(k)および電圧計測値V(k)に基づいて、適応デジタルフィルタ演算部323により上述した適応デジタル演算が行われ、これにより、二次電池10の充電率推定値SOC^(k)の算出が行われる。したがって、検出用電流重畳部312は、適応デジタルフィルタ演算部323により適応デジタルフィルタ演算を行う際に用いられる検出用電流を二次電池10に供給するための検出用電流パターンDI(k)を送出するものである。なお、検出用電流重畳部312は、検出用電流パターンDI(k)を送出した際には、適応デジタルフィルタ演算部323に適応デジタルフィルタ演算を行わせるための指令の送出も行う。
検出用電流重畳部312により送出される検出用電流パターンDI(k)としては所定の電流パターンであればよく特に限定されないが、検出用電流パターンDI(k)を供給することにより、図2に示す電流検出部321および電圧検出部322により検出される二次電池10の電流計測値I(k)および電圧計測値V(k)が、適応デジタルフィルタ演算部323による適応デジタルフィルタ演算に適したものとなるように設定すればよい。具体的には、検出用電流パターンDI(k)としては、適応デジタルフィルタ演算における推定精度の向上効果が高いという点より、異なる周波数を有する複数の交流電流を重ね合わせてなるものであることが好ましく、たとえば、このような交流電流としては、M系列信号に基づく交流電流などが挙げられる。また、検出用電流パターンDI(k)の振幅としては、特に限定されず、電流検出部321により検出された電流計測値I(k)、二次電池10の温度、または、総容量演算部325により前回推定した総容量推定値Cap^(k)から選択されるいずれか一つ、またはこれらの組み合わせに基づいて設定すればよい。
図7に、充電電流に、検出用電流パターンDI(k)に基づく検出用電流を重畳した場合の一例を示す。図7においては、時間T〜時間Tにわたって、検出用電流としてのM系列信号に基づく交流電流を、充電電流に重畳させた場合における電流パターン、および検出用電流を重畳した場合における、適応デジタルフィルタ演算部323による適応デジタルフィルタ演算における同定誤差の推移を示す。
なお、図7に示すように、充電電流への検出用電流の重畳する時間としては、適応デジタルフィルタ演算部323による適応デジタルフィルタ演算による演算結果と、二次電池10の実際の内部状態との差である同定誤差が、収束したと判断されたとき(図7に示す時間T)から所定の時間経過後(図7に示す時間T)までとする。検出用電流の重畳時間をこのように設定することにより、検出用電流の重畳時間を不必要に長くすることなく、適応デジタルフィルタ演算部323による開路電圧推定値V^(k)の推定精度、および総容量演算部325による総容量推定値Cap^(k)の推定精度を向上させることができる。
次いで、本実施形態における、総容量推定値Cap^(k)の算出処理を、図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図8に示す処理は一定周期毎(本実施形態では、100msec毎)に実施される。以下の説明においては、I(k)は今回の実行周期の電流値(今回の計測値)、I(k−1)は1回前の実行周期での電流値(前回の計測値)とし、電流以外の値に関しても同様に表記する。また、本実施形態では、図8に示す処理は、二次電池10を搭載した車両が充電設備20に接続され、充電電流設定部311により設定された基準充電電流設定値I(k)に基づいて、電源40から二次電池10への充電電流の供給が開始されることにより開始され、以下に説明する処理は、電子制御ユニット30により行われる。
まず、ステップS1では、充電開始時における、充電電流を供給する前の二次電池10の充電率を推定する。二次電池10の充電率の推定方法としては、たとえば、二次電池10を搭載した車両を充電設備20に接続した時点における二次電池10の開路電圧を計測し、計測した開路電圧から、予め取得した二次電池10の開路電圧−充電率特性に基づいて算出する方法などが挙げられる。または、電子制御ユニット30により、直前の充電率推定値が得られている場合には、それを利用してもよい。
ステップS2では、前回処理時に推定した総容量推定値Cap^を読み出す。なお、総容量推定値Cap^は、たとえば、電子制御ユニット30に備えられたRAMに記憶させておき、これを読み出すことにより取得することができる。
ステップS3では、二次電池10近傍に設けられた温度センサ(不図示)により計測された二次電池10の温度を検出する。
ステップS4では、充電率推定処理を行う。図9に、本実施形態における充電率推定処理のフローチャートを示す。
まず、図9に示すステップS41においては、検出用電流重畳部312により、検出用電流パターンI(k)の振幅を設定する。なお、検出用電流パターンI(k)の振幅は、ステップS1〜S3において取得した充電開始時における二次電池10の充電率、前回処理時の総容量推定値Cap^、および二次電池10の温度に基づいて設定される。たとえば、充電開始時における二次電池10の充電率が高い場合には、充電率が低い場合と比較して、同じ電流振幅に対する端子電圧の変化が大きくなることが予想される。そのため、検出用電流重畳部312により検出用電流パターンI(k)の振幅を設定する際に、振幅を所定の割合で小さく設定する。また、二次電池10の劣化により前回処理時の総容量推定値Cap^が低下している場合、あるいは、二次電池10の温度が予め設定した閾値よりも低い場合においても、同様の傾向にあるため、同様に、振幅を所定の割合で小さく設定する。なお、検出用電流パターンI(k)の振幅は、検出用電流パターンI(k)に基づく検出用電流を充電電流に重畳した場合に、二次電池10に対する電流が放電方向とならないような範囲で設定することが望ましい。
ステップS42では、検出用電流重畳部312により、検出用電流パターンI(k)の送出を行い、検出用電流パターンI(k)に基づく検出用電流を、充電電流に重畳させる。この場合において、検出用電流パターンI(k)の振幅としては、ステップS41において設定した振幅を用いる。
ステップS43では、電流検出部321により、電流計50からの信号から二次電池10の充放電電流Iを検出することで、電流計測値I(k)の取得が行われ、取得された電流計測値I(k)が、適応デジタルフィルタ演算部323および電流積算部324に送信される。また、電圧検出部322により、電圧計60からの信号から二次電池10の端子電圧Vを検出することで、電圧計測値V(k)の取得が行われ、取得された電圧計測値V(k)が、適応デジタルフィルタ演算部323に送信される。
ステップS44では、適応デジタルフィルタ演算部323により、電流検出部321から送信された電流計測値I(k)および電圧検出部322から送信された電圧計測値V(k)に基づき、上述した方法に従い、適応デジタルフィルタ演算により、二次電池10の充電率の推定を行い、充電率推定値SOC^(k)を算出する。
ステップS45では、適応デジタルフィルタ演算部323により、ステップS44における適応デジタルフィルタ演算による演算結果と、二次電池10の実際の内部状態との差である同定誤差が収束し、かつ、同定誤差が収束してから所定時間経過しているか(すなわち、図7の時間Tにおける状態となっているか)の判断がされる。同定誤差が収束し、かつ、同定誤差が収束してから所定時間経過していると判断された場合には、適応デジタルフィルタ演算部323は、ステップS46に進み、検出表電流の重畳を終了し、これにより、充電率推定処理が終了する。そして、図8に示すステップS5に進む。一方、同定誤差が収束していないと判断された場合、または、同定誤差が収束しているものの、同定誤差が収束してから所定時間経過していな場合には、ステップS43に戻り、電流計測値I(k)および電圧検出部322の取得、およびこれらに基づく、適応デジタルフィルタ演算を一定周期毎(本実施形態では、100msec毎)に繰り返す。
ステップS5では、総容量演算部325が、ステップS4(ステップS44)において算出された充電率推定値SOC^(k)を取得し、取得した充電率推定値SOC^(k)を「SOC^」として記憶する。
ステップS6では、電流積算部324により、電流検出部321から送信された電流計測値I(k)に基づき、電流積算値DQ(k)の積算を開始する。
ステップS7では、二次電池10の充電率が十分上昇したか否かの判断が行われる。充電率が十分上昇したか否かの判断は、たとえば、充電電流設定部311により、基準充電電流設定値I(k)が変更された場合、すなわち、充電モードが移行した場合(たとえば、図5、図6に示す例において、時間Tにおいて、定電流充電から定電圧充電に移行した場合や、定電力充電から多段定電流充電に移行した場合)に、充電率が十分上昇したと判断することができる。あるいは、ステップS44において、算出された充電率推定値SOC^(k)、および電流積算部324により積算された電流積算値DQ(k)に基づいて、二次電池10の充電率の変化量を推定し、その結果に基づいて、充電率が十分上昇したか否かの判断を行うことができる。
二次電池10の充電率が十分上昇したと判断された場合には、ステップS8に進み、二次電池10近傍に設けられた温度センサ(不図示)により計測された二次電池10の温度の検出が行われ、次いで、ステップS10に進み、ステップS4と同様に、図9に示すフローチャートにしたがって、充電率推定処理(図9に示すステップS41〜S46)が行われる。
一方、ステップS9では、充電率が十分上昇していないと判断されたため、引き続き、電流検出部321により、電流計50からの信号から二次電池10の充放電電流Iの検出、電流計測値I(k)の取得が行われ、電流計測値I(k)が、電流積算部324に送信される。そして、ステップS7において、充電率が十分上昇したと判断されるまで、を一定周期毎(本実施形態では、100msec毎)に、電流計測値I(k)の取得および電流積算部324による電流積算値DQ(k)の積算が繰り返される。
ステップS11では、総容量演算部325が、ステップS8(ステップS44)において算出された充電率推定値SOC^(k)を取得し、取得した充電率推定値SOC^(k)を「SOC^」として記憶する。
ステップS12では、電流積算部324により行われている電流積算値DQ(k)の積算を終了し、得られた電流積算値DQ(k)が、総容量演算部325に送信される。
ステップS13では、総容量演算部325により、ステップS5において記憶した充電率推定値「SOC^」、ステップS10において記憶した充電率推定値「SOC^」、およびステップ11において受信した電流積算値DQ(k)に基づいて、総容量推定値Cap^(k)を算出する。具体的には、電流積算値DQ(k)は、電流I(t)を積分したものであるため、下記式(19)にしたがって、総容量推定値Cap^(k)を算出する。
Figure 0005625244
なお、上記式(19)は、上述した式(3)において、それぞれ、「Cap」を「Cap^」とし、「SOC」を「SOC^」、「SOC」を「SOC^」に置換することにより得られる式である。
本実施形態では、以上のようにして二次電池10の総容量Capの推定が行われる。
図10に、電池モデルを用いたシミュレーションにより、本実施形態の効果を検証した結果を示す。ここで、図10に示すシミュレーションにおいては、電流計測値I(k)と電圧計測値V(k)に観測ノイズおよび量子化誤差を設定した。また、図10に示すシミュレーションにおいては、それぞれ、0秒付近、および2500秒付近に、検出用電流パターンの重畳および適応デジタルフィルタ演算の実行を行った場合におけるシミュレーション結果を示した。なお、図10においては、上から電流の変化を示すプロファイル、電圧の変化を示すプロファイル、および充電率SOCの推定値と充電率SOCの真値とを、それぞれ示した。
図10に示すように、充電電流に、適応デジタルフィルタ演算に適した検出用電流を重畳することで、二次電池10に対する充電を継続しながら、適応デジタルフィルタ演算により、充電率の推定値を、真値に近いものとすることができるものである。そのため、本実施形態によれば、このような検出用電流重畳時における、適応デジタルフィルタ演算により得られた充電率の推定値を用いて、上述の式(3)、式(19)に従って、二次電池10の総容量を推定することにより、二次電池10に対する充電を継続しながら、二次電池10の総容量を高い精度で推定することができる。
また、本実施形態によれば、適応デジタルフィルタ演算により、二次電池10の充電率推定値SOC^(k)を算出し、これに基づいて、二次電池10の総容量を推定するものであるため、二次電池10の総容量を推定する際に、二次電池10の開路電圧を直接測定する必要がなく、そのため、開路電圧を直接測定する場合と比較して、総容量を推定するために必要となる時間を短いものとすることができる。特に、従来においては、二次電池の総容量を推定する際に、開路電圧を直接測定するために、二次電池を充放電を行っていない休止状態とし、かつ、この休止状態を所定時間以上継続する必要があり、そのため、総容量を推定するために必要となる時間が長くなってしまうという問題があったが、本実施形態は、このような問題を有効に解決するものである。
《第2実施形態》
次いで、本発明の第2実施形態について、説明する。
第2実施形態においては、電子制御ユニット30が、図11に示すような機能ブロック図で示される構成を有し、以下に説明するように機能する以外は、第1実施形態と同様である。
図11に示すように、第2実施形態に係る電子制御ユニット30は、第1実施形態と同様に、電源40から二次電池10へ供給する充電電流を制御する充電電流制御部310と、電流計50および電圧計60から信号に基づいて、二次電池10の総容量を推定する総容量推定部320aと、を備える。
充電電流制御部310は、第1実施形態と同様に、充電電流設定部311と、検出用電流重畳部312と、を備え、これらは第1実施形態と同様に機能する。
総容量推定部320は、電流検出部321と、電圧検出部322と、適応デジタルフィルタ演算部323と、総容量演算部325aと、を備える。電流検出部321および電圧検出部322は、電流検出部321が電流計測値I(k)を適応デジタルフィルタ演算部323aのみに送信する以外は、第1実施形態と同様に機能する。適応デジタルフィルタ演算部323aは、適応デジタルフィルタ演算により算出した充電率推定値SOC^(k)に加え、パラメータdの推定値であるパラメータ推定値d^を、総容量演算部325aに送信する以外は、第1実施形態と同様に機能する。また、総容量演算部325aは、充電率推定値SOC^(k)、およびパラメータ推定値d^に基づいて、二次電池10の総容量推定値Cap^(k)を算出する。
また、第2実施形態の電子制御ユニット30では、第1実施形態と同様に、充電電流に、検出用電流重畳部312により検出用電流パターンDI(k)を重畳し、検出用電流パターンDI(k)が重畳されたときにおける、電流計測値I(k)および電圧計測値V(k)から、適応デジタルフィルタ演算部323により、適応デジタルフィルタ演算によって、二次電池10の充電率推定値SOC^(k)およびパラメータ推定値d^を算出し、これらに基づき、総容量演算部325aにより、総容量推定値Cap^(k)を算出するものである。
ここで、第2実施形態における、総容量演算部325aによる総容量推定値Cap^(k)の推定方法について、説明する。まず、上述した式(7)を時間領域で書き書き直し、これを二次電池10の総容量Capで割ると、下記式(20)となる。
Figure 0005625244
上記式(20)の右辺において、総容量Capに対する電流積算値の比は、充電率の変化量ΔSOCに相当するため、下記式(21)の関係が成り立ち、下記式(21)を基づき、上記式(20)は、下記式(22)と表すことができる。
Figure 0005625244
Figure 0005625244
そして、上記式(22)より、総容量推定値Cap^は、充電率SOCに対する開路電圧Vの傾きと、パラメータ推定値d^とを用いて、下記式(23)で求めることができる。また、下記式(23)と等価な下記式(24)で求めることも可能である。
Figure 0005625244
Figure 0005625244
次いで、第2実施形態の電子制御ユニット30によって行われる総容量推定値Cap^(k)の算出処理を、図12に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図12に示す処理は一定周期毎(本実施形態では、100msec毎)に実施される。また、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、図12に示す処理は、二次電池10を搭載した車両を充電設備20に接続され、充電電流設定部311により設定された基準充電電流設定値I(k)に基づいて、電源40から二次電池10への充電電流の供給が開始されることにより開始する。
まず、ステップS101〜S103では、第1実施形態におけるステップS1〜S3と同様に、充電開始時における、充電電流を供給する前の二次電池10の充電率の推定、前回処理時に推定した総容量推定値Cap^の読み出し、二次電池10の温度の検出が行われる。
次いで、ステップS104では、充電率推定処理が行われる。第2実施形態における充電率推定処理は、第1実施形態と同様に、図9に示すフローチャートにしたがって、行われる。すなわち、ステップS101〜S103において取得した充電開始時における二次電池10の充電率、前回処理時の総容量推定値Cap^、および二次電池10の温度に基づいて、検出用電流パターンI(k)の振幅の設定(ステップS41)、検出用電流パターンI(k)に基づく検出用電流の重畳の開始(ステップS42)、電流計測値I(k)および電流計測値I(k)の取得(ステップS43)、適応デジタルフィルタ演算による充電率推定値SOC^(k)の推定(ステップS44)、同定誤差の収束判定(ステップS45)、および検出用電流の重畳の終了(ステップS46)が行われる。
次いで、ステップS105では、総容量演算部325aが、ステップS104(ステップS44)において算出された充電率推定値SOC^(k)、およびパラメータ推定値d^を取得し、これら充電率推定値SOC^(k)、およびパラメータ推定値d^に基づいて、総容量推定値Cap^(k)を算出する。具体的には、総容量演算部325aは、上記式(23)または(24)を用いて、総容量推定値Cap^(k)を算出する。
第2実施形態では、以上のようにして二次電池10の総容量Capの推定が行われる。
図13に、電池モデルを用いたシミュレーションにより、本実施形態の効果を検証した結果を示す。ここで、図13に示すシミュレーションにおいては、電流計測値I(k)と電圧計測値V(k)に観測ノイズおよび量子化誤差を設定、電流計測値I(k)にはさらに+3[A]の計測オフセットを設定した。また、図13に示すシミュレーションにおいては、0秒付近に、検出用電流パターンの重畳および適応デジタルフィルタ演算の実行を行った場合におけるシミュレーション結果を示した。なお、図13においては、上から電流の変化を示すプロファイル、電圧の変化を示すプロファイル、パラメータdの推定値および真値、ならびに充電率SOCの推定値および真値を、それぞれ示した。
図10に示すように、充電電流に、検出用電流パターンを重畳することで、二次電池10に対する充電を継続しながら、適応デジタルフィルタ演算により、充電率の推定値を、真値に近いものとすることができるものである。そのため、第2実施形態によれば、このような検出用電流パターン重畳時における、適応デジタルフィルタ演算により得られた充電率の推定値を用いて、上述の式(23)または(24)に従って、二次電池10の総容量を推定することにより、総容量を高い精度で推定することができる。しかも、第2実施形態によれば、充電設備20による充電開始直後に、二次電池10の総容量の推定が終了するため、推定された総容量に基づいて、充電設備20による充電電流の設定が可能となり、これを用いて急速充電することも可能である。なお、このような急速充電は、たとえば、充電率推定値SOC^(k)および総容量推定値Cap^(k)に基づいて、二次電池10を満充電状態とするために必要な電気量を算出し、算出した電気量に基づいて、急速充電を行うための電流値を決定することにより行うことができる。
また、第2実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様に、適応デジタルフィルタ演算により、二次電池10の充電率推定値SOC^(k)、d^を算出し、これに基づいて、二次電池10の総容量を推定するものであるため、二次電池10の総容量を推定する際に、二次電池10の開路電圧を直接測定する必要がなく、そのため、開路電圧を直接測定する場合と比較して、総容量を推定するために必要となる時間を短いものとすることができる。特に、従来において、総容量を推定するために必要となる時間が長くなってしまうという問題があったが、第2実施形態においても、このような問題を有効に解決することができる。
なお、上述した実施形態において、充電電流設定部311は本発明の充電制御手段に、検出用電流重畳部は本発明の検出用電流重畳手段に、電流検出部321および電圧検出部322は本発明の検出手段に、適応デジタルフィルタ演算部323は本発明の充電率推定手段、総容量演算部は本発明の容量推定手段に、それぞれ相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述の実施形態においては、電子制御ユニット30、電源40、電流計50、および電圧計60が、充電設備20に備えられている場合を例示したが、これらのうち一部あるいは全てが、二次電池10を搭載する車両に備えられているような構成としてもよい。
10…二次電池
20…充電設備
30…電子制御ユニット
310…充電電流制御部
311…充電電流設定部
312…検出用電流重畳部
320,320a…総容量推定部
321…電流検出部
322…電圧検出部
323…適応デジタルフィルタ演算部
324…電流積算部
325,325a…総容量演算部
40…電源
50…電流計
60…電圧計

Claims (7)

  1. 二次電池に充電電流を供給する充電制御手段と、
    前記充電制御手段により前記二次電池に供給される充電電流に、所定パターンの検出用電流を重畳させる検出用電流重畳手段と、
    前記二次電池の電流および端子電圧をそれぞれ検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記電流および端子電圧の計測値から、適応デジタルフィルタを用いて、前記二次電池の開路電圧を推定し、予め求めた開路電圧と充電率との関係に基づいて、前記推定された開路電圧から、前記二次電池の充電率を推定する充電率推定手段と、
    前記充電率推定手段により推定された充電率に基づいて、前記二次電池の総容量を推定する容量推定手段と、を備え、
    前記検出用電流重畳手段は、前記検出用電流の振幅を、充電開始時における前記二次電池の充電率、前記二次電池の温度、および前記容量推定手段により推定された前記二次電池の総容量の前回値から選択される少なくとも1つに基づいて設定し、
    前記充電率推定手段は、前記検出用電流重畳手段により前記検出用電流が重畳された際における電流および端子電圧の計測値を用いて、前記充電率の推定を行うことを特徴とする二次電池の容量推定装置。
  2. 前記検出用電流は、異なる周波数を有する複数の交流電流を重ね合わせてなることを特徴とする請求項1に記載の二次電池の容量推定装置。
  3. 前記検出用電流重畳手段は、前記充電制御手段による前記二次電池への充電電流の供給開始時T、および前記二次電池への充電電流の供給開始時から所定時間経過後Tにおいて、前記充電電流に前記検出用電流を重畳させることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池の容量推定装置。
  4. 前記充電電流の供給開始時Tにおいて検出された電流および端子電圧の計測値を用いて、推定された充電率をSOC^とし、
    前記充電電流の供給開始時から所定時間経過後Tにおいて検出された電流および端子電圧の計測値を用いて、推定された充電率をSOC^とし、
    前記充電電流の供給開始時Tから、前記充電電流の供給開始時から所定時間経過後Tの間の各時間において、前記検出手段により検出された電流の計測値をI(t)とした場合に、
    前記容量推定手段は、下記式(I)に従って、前記二次電池の総容量の推定値であるCap^を推定することを特徴とする請求項に記載の二次電池の容量推定装置。
    Figure 0005625244
    ただし、SOC^、SOC^、Cap^において、「^」は推定値を意味する。
  5. 前記検出用電流重畳手段は、前記充電制御手段による前記二次電池への充電電流の供給中における任意の時Tにおいて、前記充電電流に前記検出用電流を重畳させ、
    前記充電率推定手段は、前記充電電流の供給中における任意の時Tにおいて検出された電流および端子電圧の計測値を用いて、前記二次電池の充電率の推定値であるSOC^およびパラメータdの推定値であるd^を推定し、
    前記容量推定手段は、前記充電率の推定値SOC^およびパラメータdの推定値d^に基づき、下記式(II)にしたがって、前記二次電池の総容量の推定値であるCap^を推定することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の二次電池の容量推定装置。
    Figure 0005625244
    ただし、SOC^、d^、Cap^において、「^」は推定値を意味する。
    また、パラメータdは、下記式(III)を満足する変数である。
    Figure 0005625244
    上記式(III)中、Vは開路電圧、Iは電流の計測値、sは微分オペレータである。
  6. 前記充電制御手段は、前記充電率推定手段により推定された充電率と、前記容量推定手段により推定された総容量とに基づいて、前記二次電池を満充電にするために必要な電気量を算出し、算出した電気量に基づいて、充電電流の制御を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の二次電池の容量推定装置。
  7. 前記検出用電流重畳手段は、前記検出用電流の重畳開始した後、前記充電率推定手段による適応デジタルフィルタを用いた演算結果の同定誤差が、収束したと判断された時から所定時間経過後に、前記検出用電流の重畳を終了することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の二次電池の容量推定装置。
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