JP5624532B2 - 画像処理装置、画像処理方法、眼科システム及びコンピュータプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、眼科システム及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、眼部の画像診断を支援する画像処理装置、画像処理方法眼科システム及びコンピュータプログラムに関する。
生活習慣病や失明原因の上位を占める各種疾病の早期診断を目的として,眼部の検査が広く行われている。光干渉断層計(OCT:Optical Coherence Tomography)などの眼部断層像撮像装置は、網膜層内部の状態を3次元的に観察することが可能であるため、疾病の診断をより的確に行うのに有用であると期待されている。
医師のOCTによる診断の負荷を軽減することを目的として、計算機による画像診断支援(CAD:Computer-Aided-Diagnosis)技術の確立が求められている。OCTのためのCADに求められる機能としては、例えば疾患の進行度を把握するためにOCT画像から病変部の3次元位置、形状、分布の状況を自動で取得する、というものがある。また、その他の例として、疾患に対する治療効果を解析するために、同一被検眼について異なる時刻に撮影された1組のOCT画像から対応する病変部の形状等に関する時間的な変化を提示する、なども挙げられる。
このような高度な診断支援機能を実現する画像処理部では、一般に前処理においてOCT画像から病変部が抽出されていることを前提とする。この病変部の抽出精度に応じて、提示すべき解析結果の精度に影響が出るため、高精度な病変部抽出処理の実現は非常に重要な意味を持つ。本発明では、眼部に生じる病変のひとつとして、白斑に注目する。
3次元OCT画像から白斑を高精度に検出する手法は、現在のところ提案されていない。一般に白斑は周辺に比べて高輝度で塊状構造を有しているといった画像特徴を持つ。しかしながらOCT画像には、神経線維層、視細胞内節外節接合部、網膜色素上皮層境界の周辺など、病変部以外にも局所的に高輝度な領域が存在する。また現在のOCT画像の画質では、病変部とその周辺部との間に必ずしも十分なコントラストがあるとはいえない。そのため上述の画像特徴に注目するだけでは、白斑を高精度に抽出することは困難である。
このような問題に対するひとつの解決策は、他のモダリティにより得られた病変部の情報を用いて、画像解析をする領域をあらかじめ制限することである。このように制限すべき領域を特定する手段が、特許文献1で開示されている。
図1は特許文献1で開示されている発明を説明するための概略図であり、OCT画像の典型的な断面像(Bスキャン画像)を示している。図中、内境界膜101、視神経繊維層とその下側の層との境界102、視細胞内節外節接合部103、網膜色素上皮層境界104、網膜層内の血管105が示されている。特許文献1では、(病変部ではなく)OCT画像の血管検出のために、同一被検眼の眼底画像から血管領域を抽出し、その位置をOCT画像に投影することで、OCT画像内で血管が存在する領域を特定している。図中、破線106と破線107の間の領域が眼底画像で得られた血管領域をOCT画像に投影して得られる領域であり、血管の存在する領域が特定されているのが分かる。
特開2007−325831号公報
特許文献1に記載の発明では、図1に示すOCT画像(Bスキャン画像)の上下方向については、白斑の存在範囲をなんら範囲を特定することができない。それに加えて、OCT画像には病変部とは異なる高輝度領域が存在する、現在のOCT画像の画質では病変部とその周辺部との間のコントラストが不十分である、といった問題がある。そこで、本発明はOCT画像から病変部を高精度に抽出するための技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、画像処理装置であって、
被検眼の眼底画像を取得する眼底画像取得手段と、
前記被検眼の断層画像を取得する断層画像取得手段と、
前記眼底画像から病変領域を抽出する第1の抽出手段と、
前記断層画像を解析する解析手段と、
前記断層画像の所定の層に基づいて、前記断層画像の深さ方向の所定の位置を決定する決定手段と、
前記抽出された病変領域に対応する前記断層画像の領域における前記所定の位置から、所定の輝度以上の領域を前記断層画像の病変領域として抽出する第2の抽出手段と、
前記断層画像と前記第2の抽出手段により抽出された病変領域とを表示手段に表示させる表示制御手段と、を有する。
本発明により、OCT断層像から白斑の領域を高精度に抽出することができる。
OCT画像の典型的な断面像を示す図。 第1実施形態の画像処理システムの機器構成例を示す図。 第1実施形態の画像処理装置210の機能構成例を示す図。 第1実施形態の画像処理装置210の処理例を示すフローチャート。 第1実施形態の白斑存在領域特定部354の動作を説明するための図。 第2実施形態の白斑存在確信度の計算を説明するための図。 画像処理装置210の機能を実現するコンピュータの基本構成を示す図。 眼底写真、網膜ボリュームデータ及び積算画像の関係を説明する図。 第3実施形態の白斑抽出の誤判定を説明するための図。 第4実施形態の白斑存在確信度の計算を説明するための図。 第4実施形態の画像処理装置210の機能構成例を示す図。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されるものではない。
[第1実施形態]
図2を参照して、第1実施形態に係る画像処理システムの機器構成を説明する。画像処理装置210は、断層像撮像装置220や眼底画像撮像装置230で撮像された画像や、データサーバ240が格納されている画像を画像処理する。画像処理装置210の詳細な構成は図3に示す通りである。断層像撮像装置220は、眼部の断層像を撮像する装置で、例えばタイムドメイン方式のOCTやフーリエドメイン方式のOCTからなる。断層像撮像装置220は、不図示の操作者(技師や医師)による操作に応じて不図示の被検者(患者)の眼部の断層像を3次元的に撮像する。取得した断層像は画像処理装置210やデータサーバ240に送信する。
眼底画像撮像装置230は、眼底部の2次元画像を撮像する装置である。眼底画像撮像装置230は、不図示の操作者(技師や医師)による操作に応じて不図示の被検者(患者)の眼底部の画像を2次元的に撮像する。取得した眼底画像は、画像処理装置210やデータサーバ240に送信する。データサーバ240は、断層像撮像装置220で取得した断層像や眼底画像撮像装置230で撮像した眼底画像を格納する。格納画像は、画像処理装置210からの要求や不図示の操作者(技師や医師)からの指示により、画像処理装置210に送信される。また、データサーバ240は画像処理装置210が出力する処理結果を格納する。ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)250は、上述の各装置を相互に接続する。なお、装置間の接続は、USB、IEEE1394、光ファイバ等のインターフェイスを介して行ってもよい。
次に、画像処理装置210における処理を、図3のブロック図と図4のフローチャートとを参照して説明する。当該処理は、画像処理装置210を構成する各ブロックが対応する処理プログラムを実行することで実現される。
まずS401において、断層画像取得部310は断層像撮像装置220から送信される断層像、もしくはデータサーバ240から送信される断層像を取得する。取得した画像は記憶部340へ送信される。S402において、眼底画像取得部320は眼底画像撮像装置230から送信される眼底画像、もしくはデータサーバ240から送信される眼底画像を取得する。取得した画像は記憶部340へ送信される。
S403において、網膜層境界抽出部351は記憶部340に保持されている断層像から網膜層境界の抽出を行う。網膜層は層ごとに層内の輝度値が異なるため、隣接する2層の境界には濃度値のコントラスト(エッジ)が生じる。そこで、このコントラストに注目して、層の境界を抽出する。このようなコントラストの存在する領域を抽出する手法にはさまざまなものがあるが、例えばコントラストをエッジと見なし、エッジを検出することで層境界抽出を実現することができる。具体的には、エッジ検出フィルタを断層像に適用することでエッジ成分を検出し、硝子体側から眼底の深度方向にエッジを探索し最初のピーク位置を硝子体と網膜層との境界、最後のピーク位置を網膜色素上皮層境界とする。また、Snakesやレベルセット法のような動的輪郭法を適用して層の境界を検出してもよい。レベルセット法の場合、検出対象の領域の次元よりも一次元高いレベルセット関数を定義し、検出したい層の境界をそのゼロ等高線であるとみなす。そして、レベルセット関数を更新することで輪郭を制御し、層の境界を検出する。他には、GraphCutのようなグラフ理論を用いて層の境界を検出してもよい。
グラフ理論を用いた層検出処理の場合、画像の各ピクセルに対応したノードと、sinkとsourceと呼ばれるターミナルを設定し、ノード間を結ぶエッジ(n―link)と、ターミナル間を結ぶエッジ(t−link)を設定する。これらのエッジに対して重みを与えて、作成したグラフに対して、最小カットを求めることで、層の境界を検出する。前記層境界抽出手法はいずれも、3次元断層像全体を処理対象として3次元的に適用してもよいし、入力した3次元断層像を2次元断層像の集合と考え、夫々の2次元断層像に対して独立的に適用してもよい。なお、層の境界を検出する方法はこれらに限定されるものではなく、眼部の断層像から層の境界を検出可能な方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。
S404において、眼底画像白斑抽出部352は記憶部340に保持されている眼底画像から白斑の抽出を行う。白斑領域は眼底画像内で局所的に存在し、かつ周辺領域に比べて輝度値が高いという画像特徴を持つ。そこで、このような画像特徴に注目し白斑抽出を行う。抽出手法としては様々なものが考えられるが、例えば眼底画像のRGBのいずれかの成分に対してトップハット演算を適用する方法がある。トップハット演算とは、濃淡画像に対してモルフォロジー演算を適用し、その出力画像と原画像との間で画素ごとに濃度値差分を計算する演算である。トップハット演算適用後の画像において、白斑に含まれる画素はその他の画素に比べて高い信号を持つため、この画像に対してしきい値処理を適用することで、白斑領域を抽出できる。
また白斑領域の抽出方法として、Support Vector Machine(SVM)等の識別器や、AdaBoost等により構築される識別器のアンサンブルを用いてもよい。この場合、眼底画像のRGB各成分の濃度値や、RGBの各成分で輝度値のコントラストが高い領域を強調可能なさまざまな画像フィルタの出力結果を特徴量として、識別器やそのアンサンブルを用いて画素ごとに白斑であるか否かの判定を行う。さらに白斑と判定された全画素をクラスタリングし、クラスタごとに再度白斑領域であるかの識別を行う。このときの特徴量は、クラスタ内の輝度値の平均やその分散、クラスタ内外の輝度値コントラストなどを用いる。以上の処理により、白斑領域を抽出することができる。前記白斑抽出処理により抽出された領域が白斑を十分に内包していない場合には、抽出結果に対する図形膨張処理や、抽出領域を種(シード点)とした領域拡張法を適用することで、白斑を十分に内包する領域を取得することができる。なお、眼底画像から白斑を抽出する方法はこれらに限定されるものではなく、眼底画像から白斑を抽出可能な方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。
S405において、位置合わせ部353は記憶部340に保持されている断層像と眼底画像との間で位置合わせを行う。まず断層像から積算像を生成する。積算像の生成について図8を参照する。図8において、網膜ボリュームデータ801は複数の網膜断層像802から構成される。網膜ボリュームデータ801の座標系は、網膜断層像802(模式図)の横方向をx軸、縦方向をy軸、網膜断層像802が並べられる方向にz軸とする。特に、y軸に沿う方向はAスキャンライン、x−y平面はBスキャン断面、x−z平面はCスキャン断面と呼ばれる。また、眼底画像821の座標系は、横方向をX軸、縦方向をY軸とする。804は内境界膜、805は神経線維層の下側、806は外網状層の上側、807は網膜色素上皮の下側を表している。網膜層803は、内境界膜804と網膜色素上皮の下側の境界に挟まれた組織内に存在する層と定義する。
積算像811は、網膜ボリュームデータ801のボクセルの輝度値を軸方向へ積算して生成される。具体的に、断面像のCスキャン断面に平行な投影平面を考え、網膜断層像802の各Aスキャンラインごとに投影平面上の対応する画素に濃度値の投影を行う。投影する画素値の計算方法は、Aスキャンライン上でのボクセル値の最大値や最小値とする方法でもよいし、Aスキャンライン方向にボクセル値を単純加算する方法や、加算したボクセル値を加算数で割り平均を求める方法などでもよい。またAスキャンライン上のすべてのボクセルを考慮する必要はなく、任意の範囲で投影画素値を計算してもよい。
次に積算像811と眼底画像821から、解剖学的に特徴的な領域を抽出する。代表的な解剖学的特徴のひとつとして、本実施形態では血管に注目する。血管は細い線状構造を有しているため、線状構造を強調するフィルタを用いて血管を抽出する。線状構造を強調するフィルタとしては、SobelフィルタやLaplacianフィルタのような差分型フィルタでもよい。また線分を構造要素としたときに構造要素内での画像濃度値の平均値と構造要素を囲む局所領域内での平均値の差を計算するようなコントラストに基づく線分強調フィルタでもよい。また濃度値画像の画素ごとにヘッセ行列の固有値を計算し、結果として得られる2つの固有値の組み合わせから線分状の領域を抽出してもよい。さらには単純に線分を構造要素とするトップハット演算でもよい。図8では、積算像811から眼底の血管領域812を抽出し、眼底画像821から血管領域822を抽出する。
最後に積算像811と眼底画像821からそれぞれ抽出した血管領域812、822を用いて、眼底画像821の座標系(X,Y)と積算像811の座標系(x,z)の位置合わせを行い、断層像802と眼底画像821との空間的対応関係を算出する。なお、血管投影領域808は、網膜断層像802における座標(x,z)を持つ画素領域である。位置合わせを行う際には、2つの画像間の類似度を表す評価値を事前に定義し、この評価値が最も良くなるように画像の変形を行う。評価値としては、前記処理により得られた積算像血管領域812と眼底画像血管領域822の重なりの程度を表す値や、血管の分岐部など特徴的な幾何形状を有する領域に注目した時の対応ランドマーク間の距離などが利用できる。また、本実施形態では解剖学的に特徴的な領域として血管を利用したが、視神経乳頭領域のようなその他の解剖学的特徴や、疾患により生じた白斑や出血領域を利用しても良い。さらに血管などの解剖学的特徴にのみ注目するのではなく、画像全体から計算される評価値、例えば輝度値の平均2乗誤差、相関係数、相互情報量なども利用可能である。なお、公知の技術により断層像と眼底画像との間ですでに位置合わせがなされている場合には、本S405は省略可能である。
S406において、白斑存在領域特定部354は断層像内での白斑が存在しうる領域を特定する。領域の特定には、網膜層境界抽出部351で得られた網膜層境界の抽出結果、眼底画像白斑抽出部352で得られた眼底画像上の白斑の抽出結果、位置合わせ部353で得られた断層像と眼底画像の空間的対応関係に関する情報を利用する。
図5を用いて白斑存在領域特定部354の動作を説明する。図5は記憶部340に保持されている断層像のうちBスキャン画像の典型的な1スライスと、網膜層境界抽出部351で得られた網膜層境界の抽出結果を重畳表示したものである。本図において、501は内境界膜、514は視神経繊維層とその下側の層との境界、502は視細胞内節外節接合部、503は網膜色素上皮層境界を表している。また504は白斑を表している。さらに505は網膜層境界抽出部351で得られた内境界膜の抽出結果であり、506は網膜層境界抽出部351で得られた網膜色素上皮層境界の抽出結果である。
本発明における白斑存在確信度とは、断層像内の画素ごとに定義される値で、その画素が白斑であるということに対する確かさを表す。すなわち、確信度が高いほどその画素は白斑であり、逆に低い場合には白斑ではないことを示す。存在確信度は白斑を十分に内包していることが期待される局所領域内でのみ定義される。S406では、この局所領域の設定を行う。この局所領域の設定には、眼部断層像から抽出した網膜層境界と眼底画像から抽出した白斑領域を用いる。以下に局所領域を定義するための4つの境界線分507、508、509、510の設定について述べる。
まずAスキャンラインに直交する方向(図5におけるX軸方向)について局所領域を定義するための2本の線分507、508は、眼底画像から抽出した白斑領域を断層像上への投影した白斑領域の対応領域の境界とする。次にAスキャンラインに沿う方向(図5におけるY軸方向)のうち上側の境界線分509については、断層像から抽出した内境界膜505のうち、上述の境界線分507と508で区切られた領域内の線分とする。図5では境界線分509を太い実線で表しているが、これは破線で示した内境界膜抽出結果のうち、境界線分507と508で区切られた部分を示している。最後にAスキャンラインに沿う方向(図5におけるY軸方向)のうち下側の境界線分510の決定では、網膜色素上皮層境界の抽出結果を単純に利用することができない。それは、図5にも示されているように、眼部断層像では、白斑の下側に位置する視細胞内節外節接合部や網膜色素上皮層は、その周辺領域に比べて輝度値が低くなる傾向があるためである。このような場合に、誤って白斑領域を網膜色素上皮層境界として抽出してしまい、この結果を単純に利用すると、白斑を十分に含む領域を設定することができなくなる。
このような問題を解決するために、本発明では境界線分507と508で囲まれた領域の近傍での網膜色素上皮層境界の抽出結果PRPE1 511、PRPE2 512を利用して、境界線分510の定義を行う。具体的にはPRPE1とPRPE2の間を公知の補間方法を用いて補間を行い、補間により生成された線分を境界線分510とする。本実施形態では、境界線分509と境界線分510の決定に内境界膜の抽出結果505と網膜色素上皮層境界の抽出結果506を利用した。しかしながら、本実施形態で利用できる網膜層境界の抽出結果はこれらに限定されるものではない。例えば、視神経繊維層とその下側の層との境界514の抽出結果や視細胞内節外節接合部502の抽出結果を利用してもよい。
S407において、白斑存在確信度計算部355は白斑存在領域特定部354において取得した境界線分507、508、509、510で囲まれた局所領域内の各画素について、白斑の存在確信度を計算する。白斑は一般に外網状層と視細胞内節外節接合部の間に存在することが知られている。本発明では、この解剖学的な知見に基づき存在確信度を割り当てる。存在確信度の設定方法には様々なものが考えられるが、本実施例では補間により取得した線分510から解剖学的に白斑が最も存在しうる位置を推定し、その結果に基づき確信度を割り当てる。具体的には、境界線分510上の各画素からAスキャンラインに沿って上方向に一定距離DRPE-EXUDATEだけ離れた位置513を解剖学的に白斑が存在する位置であるとみなす。DRPE-EXUDATEの値は、白斑の存在する典型的な症例において、白斑から網膜色素上皮層境界までの代表的な距離値から決定してもよい。また、外網状層と視細胞内節外節接合部の中間的な位置から網膜色素上皮層境界までの距離値の平均から計算してもよい。
次に式(1)に示すように、白斑が最も存在しうると推定された位置pEXUDATEを基準位置とし、そこから一定範囲内で1を取り、範囲外では0となるように設定する。
Figure 0005624532
式(1)において、pはあるAスキャンライン上のボクセルの座標を表しており、pEXUDATEはそのAスキャンラインにおいて白斑が最も存在しうると推定された位置513の座標を表す。また、hEXUDATEは白斑の大きさ(白斑の重心から辺縁までの距離値)の平均値であり、事前に取得済みの複数の断層像に存在する白斑領域から取得する。式(1)では確信度を2値(0または1)で定義していたが、確信度は0以上1以下の多値で与えてもよい。式(2)では、ガウス関数に基づき確信度を定義する。
Figure 0005624532
また式(3)や式(4)に示すように、基準となる位置513からの距離値に単純に反比例する値としてもよいし、距離値の2乗に反比例するように設定してもよい。
Figure 0005624532
Figure 0005624532
さらに点集中度フィルタのフィルタ出力値などの画像特徴量を存在確信度としてもよいし、線分509との組み合わせに基づき設定してもよい。
S408において、断層像白斑抽出部356は白斑存在確信度計算部355で取得した白斑の存在確信度に基づき、白斑の抽出を行う。白斑に属しているボクセルは断層像内で比較的高い輝度値を持ち、かつ、白斑全体は断層像内で塊状構造を有している。このような画像特徴と存在確信度を利用して、白斑抽出を行う。ボクセルpの断層像輝度値をI(p)、存在確信度をC(p)とする。また塊状構造を有する領域を強調するフィルタのひとつである点集中度フィルタのフィルタ出力値をF(p)とする。
Figure 0005624532
式(5)においてvは半径r、r+Dの2つの同心円で定義される円環内の各ボクセルを指す方向ベクトルの集合V[r,D]の1つの要素であり、g(p+v)はボクセルp+vにおける断面像の輝度値勾配ベクトルである。また`・'は2つのベクトルの内積を表す。R1、R2は、2つの同心円のうち、内側の同心円の半径であり、点集中度フィルタを同心円の半径を変えて適用することで大きさの異なる白斑を抽出することが可能となる。なお塊状構造を有する領域を強調するフィルタとしては、トップハット演算の出力結果を用いてもよいし、注目ボクセルpを中心とする円とその周辺での輝度値の差で得られる輝度値コントラストを用いてもよい。さらにこれらのフィルタは断層像のBスキャン画像ごとに独立に適用できる2次元フィルタでも構わないし、断層像全体に適用できる3次元フィルタでも構わない。次にC(p)とI(p)またはF(p)のうち少なくとも1つの値に対するしきい値処理により、白斑領域REXUDATEを抽出する。本実施例ではC(p)、I(p)、 F(p)すべてを用いる例について説明する。
Figure 0005624532
ここでVOCTは断層像内のボクセルを要素とする集合を表す。TC、TI、TRは事前に取得済みの複数の断層像を利用した予備実験から決定可能である。具体的には、TC、TI、TRとしてある1組の値を与えた時の白斑の未抽出率EFNと誤抽出率EFPを計算する。そして、その計算結果を用いて次式で定義される評価値Eを計算する。
E = EFN + EFP...(7)
TC、TI 、TRを変更しながら評価値Eを計算する。そして、Eが最も小さくなるようなTC、TI 、TRを、式(6)の閾値とする。白斑抽出方法は、C(p)、I(p)、 F(p)に対するしきい値処理に限定されるものではない。具体的には、C(p)、I(p)、F(p)を特徴量としてSVMやAdaBoost等で識別器を構築し、得られた識別器により白斑抽出を行ってもよい。この場合には、さらに複数の特徴量を追加する。例えば、断層像や存在確信度画像に対する平均値、分散、歪度、尖度、エントロピー、Sobelフィルタ、Laplacianフィルタ、Gaussianフィルタ、最大値フィルタ、最小値フィルタなどである。また、これらの組み合わせからなるフィルタの出力値も特徴量として使用可能である。
S409において、表示部360は断層像取得部310で取得した断層像、眼底画像取得部320で取得した眼底画像、画像処理部350で得られた白斑の領域をモニタに表示する。S410において、処理結果出力部370は被検眼を同定する情報、画像処理部350に入力された断層像と眼底画像、画像処理部350で得られた白斑領域をデータサーバ240へと送信する。
以上で述べた構成によれば、画像処理システムは、はじめにOCT断層像から取得した網膜層境界の抽出結果と眼底画像から取得した白斑の抽出結果を用いて白斑の存在する可能性の高い領域を特定する。次にその領域内で存在確信度を決定する。そして最後に存在存在確信度とOCT断層像から得られる画像特徴に基づき白斑を抽出する。その結果、白斑領域を高精度に抽出することが可能となる。
[第2実施形態]
本実施形態では、第1実施形態のS407における白斑存在確信度を、網膜層境界間距離と存在確信度の相関情報に関する事前知識に基づき設定するように変更した例について説明する。本実施形態に対応する画像処理システムの機器構成は図2及び図3に示したものと同様である。第1実施形態では、網膜色素上皮層境界から一定距離DRPE-EXUDATEだけ離れた位置に最も高い存在確信度を割り当て、この位置から離れるにしたがって小さな存在確信度を割り当てていた。しかしながら、内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離は被検者によってさまざまである。また同一被検者であっても、眼底内の場所により距離は異なる。そのため、上述の存在確信度の設定方法では、白斑が存在する位置に適切に確信度を割り当てることができない可能性がある。そこで本実施形態では、複数の被検眼から内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離と存在確信度との関係を事前に取得し、その情報をデータサーバ240に保存しておく。即ち、データサーバ240には、内境界膜‐網膜色素上皮層境界間の各画素の確信度の集合が、該内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離と関連づけて複数格納されることになる。そしてデータサーバ240に格納されていない新規の被検眼に対して存在確信度を計算する際には、白斑存在確信度計算部355はデータサーバ240内に格納されている内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離と存在確信度の関係を利用する。
内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離と存在確信度の相関情報に関する事前知識は、あらかじめ格納してある多数の断層像から取得する。はじめに、各断層像で白斑が存在する領域を手動で抽出する。抽出した領域を通る各Aスキャンラインについて、内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離を測定する。以上の処理により、内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離と、Aスキャンライン上で白斑に属すボクセルを表す1次元ラベル画像(白斑に属すボクセルの値を1、それ以外のボクセル値を0とする画像)を取得することができる。
すべての断層像に対して上述の処理を適用し、境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離と白斑のラベル画像を取得した後、内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離と白斑の存在位置との間の相関を求める。具体的には、式(8)に示すように内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離が距離値dであるようなAスキャンライン上のラベル画像L[d] i(p)について、ボクセルごとにラベル値の平均M[d](p)を計算する。
Figure 0005624532
式(8)において、Sdは内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離が距離値dであるAスキャンライン上のラベル画像を示すインデックスの集合であり、iはあるインデックスを表す。またN[d]は距離値がdであるようなAスキャンラインの本数を表す。式(8)で得られたラベル値の平均M[d](p)を距離値がdであるようなAスキャンラインにおける白斑の存在確信度とする。
次に、図6を用いて白斑存在確信度の計算S407について説明する。まず、局所領域を通るAスキャンラインごとに、S406で取得した境界線分509と510の間の距離DILM-RPEを求める。図6では具体的にある1本のAスキャンライン605を図示しており、このAスキャンライン605と内境界膜の交点606、および網膜色素上皮層境界の交点607間の距離がDILM-RPEである。次に、内境界膜と網膜色素上皮層境界の間の距離がDILM-RPEである時のAスキャンライン上の各ボクセルでの白斑存在確信度M[DILM-RPE](p)をデータベースから取得する。取得した白斑存在確信度は、対応するボクセルpに代入する。局所領域を通るすべてのAスキャンラインに対してこの操作を実行することで、局所領域内のすべてのボクセルについて白斑存在確信度を設定することができる。
本実施形態では、内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離と白斑の存在位置に関する相関情報に基づき白斑存在確信度を設定したが、その他の解剖学的情報を利用してもよい。例えば断層像内の黄斑からの距離値rを利用することもできる。この場合は、白斑の存在確信度は黄斑からの距離値rにより決まる値M[r](p)となる。さらに2つのパラメータdとrの組み合わせでもよく、この場合存在確信度はdとrで決まる値M[d,r](p)となる。本実施形態では、網膜層境界間距離として内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離を利用した。しかしながら、本実施形態で利用できる網膜層境界間距離はこれに限定されるものではない。例えば、視神経繊維層とその下側の層との境界608と視細胞内節外節接合部602の間の距離を利用してもよい。
以上で述べた構成によれば、本実施形態では被検者間の内境界膜‐網膜色素上皮層境界間距離の違いや、同一被験者における眼底内での距離の違いに影響を受けることなく、高精度に白斑抽出を行うことが可能となる。
[第3実施形態]
本実施形態では、図4のS408の断層像内白斑抽出で抽出した領域に関する誤抽出判定を行う例を説明する。S406では、網膜層抽出結果に加えて、眼底画像から取得した白斑領域を利用して、白斑抽出処理を適用する領域を限定している。そのため、もし眼底画像において白斑以外の領域を誤って白斑として抽出した場合、断層像内で白斑の存在しない領域に対して白斑抽出処理を適用することになる。以下、具体的に説明する。
図9は上述の誤抽出について説明した図である。本図において、901は内境界膜、910は視神経繊維層とその下側の層との境界、902は視細胞内節外節接合部、903は網膜色素上皮層境界を表している。また904は網膜層境界抽出部351で得られた内境界膜の抽出結果であり、905は網膜層境界抽出部351で得られた網膜色素上皮層境界の抽出結果である。眼底画像から白斑の存在しない領域を誤抽出した場合、図9の906と907で囲まれた領域のように、S406において白斑が存在しない正常な領域を白斑が存在しうる領域と設定し、S407ではこの領域内で白斑存在確信度を設定してしまう。その結果としてS408で白斑を抽出する際に、視神経繊維層(図9では901と910で囲まれる領域)の一部908や視細胞内節外節接合部と網膜層境界で囲まれる領域の一部909を白斑として誤抽出する可能性がある。S408では球形の塊状構造を持つ領域を白斑として抽出しているため、このような層構造を持つ領域を誤抽出する可能性は低いが、すべての誤抽出を抑制することは難しい。
そこで、S408において抽出した領域が誤抽出であるかを判定し、もし誤抽出領域であると判定された場合にはその領域を削除し、白斑領域に含めないこととする。具体的には、抽出された連結領域ごとに連結画素数を求め、連結画素数と連結閾値とを比較する。もし、連結画素数が連結閾値より小さい場合には、小領域と見なして削除する。一方、連結画素数が連結閾値以上の領域については、領域ごとに円形度を求め、円形度が所定度合いよりも低い領域を誤抽出であるとみなして削除する。また円形度を用いるかわりに、Bスキャン画像に対するヘッセ行列の固有値を求め、固有値の組み合わせから連結領域が円形状の濃度値分布を持つかを判定し、その判定結果を利用して誤抽出を削除することも可能である。なお本実施形態は、ドルーゼンのように眼底画像において白斑と類似の画像特徴を有しているが断層像においては異なる画像特徴を有している領域に関する白斑誤抽出に対しても適用可能である。
以上で述べた構成によれば、本実施形態では白斑抽出における誤抽出を抑制することが可能であり、高精度な白斑抽出が実現できる。
[第4実施形態]
上述の実施形態に係る画像処理装置210では、はじめに断層像から抽出した網膜層境界と眼底画像から抽出した白斑領域を利用して、白斑の存在する可能性の高い領域を特定していた。そして、その領域内で白斑存在確信度を計算し、最後に白斑の存在確信度と画像特徴に基づき断層像から白斑を抽出していた。本実施形態に係る画像処理装置においても、白斑抽出処理対象領域を限定し、解剖学的知識に基づき存在確信度を計算し、存在確信度と画像特徴に基づき白斑を抽出する点では、第1の実施形態と同様である。ただし第1実施形態では、白斑抽出処理対象領域を限定する際に、断層像網膜層抽出結果に加えて、眼底画像から抽出した白斑領域を断層像に投影して得られる投影領域も用いていた。それに対して本実施形態では、眼底画像等の2次元画像を用いることなく、断層像網膜層抽出結果のみを用いて対象領域を限定する。
図11を用いて、本実施形態に係る画像処理装置210の機能構成を説明する。図11は画像処理装置210の機能ブロック図である。画像処理装置210は、断層像取得部1110、指示取得部1120、記憶部1130、画像処理部1140、表示部1150、および処理結果出力部1160から構成される。さらに画像処理部1140は、網膜層境界抽出部1141、白斑存在領域特定部1142、白斑存在確信度計算部1143、断層像白斑抽出部1144からなる。なお白斑存在領域特定部1142以外は、すべて第1実施形態に係る画像処理装置210の機能構成と同様であるため、説明は省略する。白斑存在領域特定部1142は、網膜層境界抽出部1141が出力する網膜層の抽出結果から、当該断層像内で白斑が存在しうる領域を特定する。
次に本実施形態の画像処理装置210の処理手順を説明する。本実施形態における処理は図4に示したフローチャートの各ステップのうち、S401、S403、S406、S407、S408乃至S410を実行することで実現できる。このうち処理内容はS401、S403、S408乃至S410については同様である。以下、本実施形態に対応するS406及びS407の処理を説明する。
まず、S406において、白斑存在領域特定部1142は、網膜層境界抽出部1141が取得した網膜層境界の情報から、白斑が存在しうる領域を特定する。図10を参照して、ここでの白斑存在領域特定方法を説明する。図10において、1001は内境界膜、1008は視神経繊維層とその下側の層との境界、1002は視細胞内節外節接合部、1003は網膜色素上皮層境界を表している。また1004は白斑を表している。さらに1005は網膜層境界抽出部351で得られた内境界膜の抽出結果であり、1006は網膜層境界抽出部351で得られた網膜色素上皮層境界の抽出結果である。
本実施形態では、白斑存在確信度は網膜層境界抽出部1141で得られた内境界膜の抽出結果1005と網膜色素上皮層境界の抽出結果1006を境界とする領域内で定義される。「白斑は外網状層と視細胞内節外節接合部の間に存在する」という解剖学的な知見に基づき、この領域内のボクセルについて存在確信度を割り当てる。はじめに、Bスキャン画像内のAスキャンラインごとに、白斑が最も存在するであろう位置1007を、内境界膜の抽出結果1005と網膜色素上皮層境界の抽出結果1006から決定する。図10において、白斑が最も存在するであろう位置を線分として結んだものを1007として示している。なお、内境界膜の抽出結果1005と網膜色素上皮層境界の抽出結果1006が白斑を十分に内包していない可能性も考慮して、領域を内境界膜の抽出結果1005の上側と網膜色素上皮層境界の抽出結果1006の下側に、若干広めに設定してもよい。本実施形態では、白斑の存在する領域を特定するための網膜層境界の抽出結果として、内境界膜の抽出結果1005と網膜色素上皮層境界の抽出結果1006を利用した。しかしながら、本実施形態で利用できる網膜層境界の抽出結果はこれらに限定されるものではない。例えば、視神経繊維層とその下側の層との境界1008の抽出結果や視細胞内節外節接合部1002の抽出結果を利用してもよい。
次にS407において、白斑存在確信度計算部1143は白斑存在領域特定部1142において取得した白斑が最も存在するであろう位置1007周辺の各画素について、白斑の存在確信度を計算する。白斑は一般に外網状層と視細胞内節外節接合部の間に存在することが知られている。本発明では、この解剖学的な知見に基づき存在確信度を割り当てる。本実施形態では当該位置1007を第1の実施形態の図5における位置513と見なして、第1の実施形態と同様に白斑存在確信度を計算することができる。
以上で述べた構成によれば、画像処理システムは、はじめにOCT断層像から取得した網膜層境界の抽出結果のみを用いて白斑の存在する可能性の高い領域を特定する。次にその領域内で存在確信度を網膜層境界の抽出結果から決定する。そして最後に存在確信度とOCT断層像から得られる画像特徴に基づき白斑を抽出する。その結果、白斑領域を高精度に抽出することが可能となる。
[その他の実施形態]
上記の各実施形態は、本発明を画像処理装置として実現したものである。しかしながら、本発明の実施形態は画像処理装置のみに限定されるものではない。本実施形態では、本発明をコンピュータ上で動作するソフトウェアとして実現する。
図7は、画像処理装置210の各部の機能をソフトウェアとして実現するためのコンピュータの基本構成を示す図である。CPU701は、RAM702やROM703に格納されたプログラムやデータを用いてコンピュータ全体の制御を行う。また、画像処理装置210の各部に対応するソフトウェアの実行を制御して、各部の機能を実現する。RAM702は、外部記憶装置704からロードされたプログラムやデータを一時的に記憶するエリアを備えると共に、CPU701が各種の処理を行うために必要とするワークエリアを備える。記憶部340の機能はRAM702その他によって実現される。ROM703は、一般にコンピュータのBIOSや設定データなどが格納されている。
外部記憶装置704は、ハードディスクドライブなどの大容量情報記憶装置として機能する装置であって、ここにオペレーティングシステムやCPU701が実行するコンピュータプログラム等を保存する。また本実施形態の説明において既知としている情報はここに保存されており、必要に応じてRAM702にロードされる。モニタ705は、液晶ディスプレイなどにより構成されている。例えば、表示部360が出力する内容を表示することができる。キーボード706、マウス707は入力デバイスであり、操作者はこれらを用いて、各種の指示を画像処理装置210に与えることができる。指示取得部330の機能は、これらの入力デバイスを介して実現される。インターフェイス708は、画像処理装置210と外部の機器との間で各種データのやりとりを行うためのものであり、光ファイバ、IEEE1394、USB、イーサネット(登録商標)ポート等により構成される。インターフェイス708を介して取得したデータは、RAM702に取り込まれる。断層像取得部310、眼底画像取得部320、処理結果出力部370の機能は、インターフェイス708を介して実現される。上述の各構成要素は、バス709によって相互に接続される。
本実施形態では、前記夫々の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前記夫々の実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。

Claims (18)

  1. 被検眼の眼底画像を取得する眼底画像取得手段と、
    前記被検眼の断層画像を取得する断層画像取得手段と、
    前記眼底画像から病変領域を抽出する第1の抽出手段と、
    前記断層画像を解析する解析手段と、
    前記断層画像の所定の層に基づいて、前記断層画像の深さ方向の所定の位置を決定する決定手段と、
    前記抽出された病変領域に対応する前記断層画像の領域における前記所定の位置から、所定の輝度以上の領域を前記断層画像の病変領域として抽出する第2の抽出手段と、
    前記断層画像と前記第2の抽出手段により抽出された病変領域とを表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記決定手段は、前記所定の層から所定の距離の位置を前記所定の位置として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記所定の層は、網膜色素上皮層であり、
    前記第2の抽出手段は、前記網膜色素上皮層から所定の距離の塊状構造を前記断層画像の病変領域として抽出する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記決定手段は、前記所定の層と、前記解析された断層画像の深さ方向の別の層との距離に基づいて、前記所定の位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記決定手段は、前記断層画像における外網状層と視細胞内節接合部との間の位置を前記所定の位置として決定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記第2の抽出手段は、前記所定の位置における前記所定の輝度以上で且つ所定の大きさの領域を前記断層画像の病変領域として抽出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記第2の抽出手段は、前記断層画像から白斑領域を前記断層画像の病変領域として抽出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1の抽出手段は、前記眼底画像から白斑領域を前記病変領域として抽出し、
    前記第2の抽出手段は、前記断層画像の白斑領域を前記断層画像の病変領域として抽出する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 被検眼の眼底画像及び断層画像を処理する画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
    前記被検眼を撮像して得た前記眼底画像を取得する眼底画像取得工程と、
    前記被検眼を撮像して得た前記断層画像を取得する工程と、
    前記眼底画像から病変領域を抽出する第1の抽出工程と、
    前記断層画像を解析する解析工程と、
    前記断層画像の所定の層に基づいて、前記断層画像の深さ方向の所定の位置を決定する決定工程と、
    前記抽出された病変領域に対応する前記断層画像の領域における前記所定の位置から、所定の輝度以上の領域を前記断層画像の病変領域として抽出する第2の抽出工程と、
    前記断層画像と前記第2の抽出工程において抽出された病変領域とを表示部に表示させる表示制御工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  10. 前記決定工程では、前記所定の層から所定の距離の位置を前記所定の位置として決定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
  11. 前記所定の層は、網膜色素上皮層であり、
    前記第2の抽出工程では、前記網膜色素上皮層から所定の距離の塊状構造を前記断層画像の病変領域として抽出する
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理方法。
  12. 前記決定工程では、前記所定の層と、前記解析された断層画像の深さ方向の別の層との距離に基づいて、前記所定の位置を決定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
  13. 前記決定工程では、前記断層画像における外網状層と視細胞内節接合部との間の位置を前記所定の位置として決定することを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
  14. 前記第2の抽出工程では、前記所定の位置における前記所定の輝度以上で且つ所定の大きさの領域を前記断層画像の病変領域として抽出することを特徴とする請求項乃至13のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  15. 前記第2の抽出工程では、前記断層画像から白斑領域を前記断層画像の病変領域として抽出することを特徴とする請求項乃至14のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  16. 前記第1の抽出工程では、前記眼底画像から白斑領域を前記病変領域として抽出し、
    前記第2の抽出工程では、前記断層画像の白斑領域を前記断層画像の病変領域として抽出する
    ことを特徴とする請求項乃至15のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  17. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
    前記断層画像を撮影する断層像撮影装置と
    を備え、
    前記断層画像取得手段は、前記断層像撮影装置が撮影した前記断層画像を取得することを特徴とする眼科システム。
  18. コンピュータを請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
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