JP5623179B2 - 立ち上がり補助装置 - Google Patents

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Description

本発明は、座位状態の人が起立する際に、立ち上がり動作を補助する立ち上がり補助装置に関し、特に、立ち上がり動作時に、使用者の膝及び腰への負荷を低減できる立ち上がり補助装置に関する。
従来、例えば車椅子等の身体支持装置としては、使用者の立ち上がり動作を補助する機構を有するものが提案されている。
例えば、特許文献1には、車椅子の座部の下方に複数のリンク(部材)により構成されたリンク機構を設置し、このリンク機構により座部を傾動させて、車椅子上の人の立ち上がり動作を補助する技術が開示されている。
図13(a)乃至図13(c)は、座位状態の人が膝及び腰に大きな負荷をかけずに立ち上がる際において、姿勢の推移及び股関節の移動軌跡を示す模式図である。人は、座位状態(図13(a))から体幹を前傾させながら(図13(b))、立ち上がる(図13(c))。このとき、人の股関節(図13中の丸印の部分)は、ほぼ直線的に移動する。
図14(a)乃至図14(c)は、座位状態の人が立ち上がる際の重心位置の推移を示す図である。なお、図14(a)は自ら立ち上がることが困難でない若年者が、座部への反動を利用して立ち上がる場合、図14(b)は前記若年者が、座部への反動を利用せずにゆっくりと立ち上がる場合、図14(c)は自ら立ち上がることが困難でない高齢者が、座位状態から膝及び腰に大きな負荷をかけずに立ち上がる場合を示す。
図14(a)に示すように、人が座部への反動を利用して立ち上がる場合には、腰部を中心として上体を若干前傾させ、足に体重の少なくとも一部が負荷される前に、重心を上昇させ始める。この場合、短時間のうちに、座部への反動を利用して立ち上がるため、人の膝関節及び腰関節への負荷(静的出力トルク)が大きくなり、また、人には、優れた速筋及びバランス維持能力が必要となる。
また、人が座部への反動を利用せずにゆっくりと立ち上がる場合においては、図14(b)に示すように、人は、上体を大きく前傾させて重心位置を前方へと十分に移動させた後、体重の大部分を足に負荷させた状態で、筋力により立ち上がって重心位置を垂直に移動させる。従って、膝及び腰の負荷は低減されるものの、垂直方向の重心の移動については、依然、大きな筋力を必要とする。
一方、自ら立ち上がることが困難でない高齢者が、座位状態から膝及び腰に大きな負荷をかけずに立ち上がる場合においては、図14(c)に示すように、上体を大きく前傾させて重心位置を前方へと移動させていきながら、体重の負荷を足へと移動させていき、上体の前傾と起立動作とを並行して行う。これにより、重心位置は、円弧を描くように移動していき、膝及び腰への負荷を低減しながら、大きな筋力も必要としない起立動作が可能となる。
上記特許文献1の立ち上がり補助装置においては、使用者の背中を支持する部分(バックレスト)が常時一定の傾斜のまま、座部を傾動させることにより、バックレストを持ち上げるように構成している。従って、使用者は、自ら上体を傾動させて重心を前方に移動させるか、又は立位に近い状態になるまでバックレストに背中を支えられたまま、重心を移動させていき、立位に近くなったときに、体重を短時間のうちに足に移動させ、足の筋力により体重を一気に垂直に持ち上げる動作が必要となる。従って、特許文献1の立ち上がり補助装置は、立ち上がり動作が、上記図14(a)又は図14(b)に示す状態と同様になり、膝及び腰の負荷が大きくなったり、大きな筋力を必要とするものとなる。
この問題点を解決するために、本願発明者等は、非特許文献1において、座部の傾動に連動させてバックレストを傾動させるように構成した立ち上がり補助装置を提案した。図15は、本願発明者等が非特許文献1において提案した立ち上がり補助装置のリンク機構を示す模式図である。
図15に示すリンク8a乃至8fにより、所謂チェビシェフリンク機構が構成されている。リンク8a乃至8fからなるチェビシェフリンク機構は1対、相互に離隔して配置されており、少なくともリンク8cは、夫々、使用者の腰部を支持するための例えば座部(図示せず)に固定されている。そして、リンク8aを固定節として、リンク8b乃至8fが相互に連動することにより、座部を傾動させて、使用者の体幹を持ち上げる。このとき、使用者の股関節は、略直線状の軌跡を描くように移動される。また、相互に回転可能に連結されたリンク9a及び9bを、夫々、チェビシェフリンク機構のリンク8c及びリンク8fに連結し、少なくともリンク9aを使用者の背部を支持するための例えばバックレスト等の部材(図示せず)に固定することにより、座部の傾動に整合させてバックレストを傾動させ、使用者の前傾姿勢が誘導される。これにより、使用者の立ち上がり動作を補助する際に、重心の前方への移動と立ち上がり動作とを並行して補助することができ、膝及び腰への負担を低減した立ち上がり動作が可能となる。
特開2002−85458号公報
関東学生会第48回学生員卒業研究発表講演会講演前刷集、日本機械学会、2009年2月20日、第355乃至356頁
しかしながら、上述の従来技術には以下のような問題点がある。上記の如く、特許文献1の立ち上がり補助装置は、バックレストが常時一定の角度に傾斜した状態で持ち上げるように構成しているため、立ち上がり動作時に、使用者の腰及び膝に印加される負荷が大きくなる。
また、非特許文献1において本願発明者等が提案した立ち上がり補助装置は、図15に示すように、チェビシェフリンク機構を構成しているリンク8a及び8dが、側面視で使用者の脚と重複する場所に位置する。従って、例えば車椅子等の身体補助装置に適用する場合においては、リンク機構を装置の左右に配置する必要があると共に、リンク8a及び8dがリンク機構の前方に配置されているため、装置が大型化する。また、使用者が例えば立ち上がり補助装置からベッド又は車椅子等に移乗する際に、使用者の脚がリンク8a又は8dに干渉することにより、使用者の動作がリンク機構により阻害されてしまうという問題点がある。例えば、使用者の脚がリンク8a又は8dに接触して、使用者がつまずく虞がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、立ち上がり動作時に、使用者の膝及び腰への負荷を低減でき、使用者の動作を阻害することがない立ち上がり補助装置を提供することを目的とする。
本発明に係る立ち上がり補助装置は、基台と、人の腰部を支持する座部と、前記基台に対して前記座部を傾動させる第1リンク機構と、人の背部を支持するバックレストと、前記バックレストを前記座部の傾動に対応して上昇、下降及び傾動させる第2リンク機構と、を有し、前記第1リンク機構は、一端部が前記基台の前方部分に設けられた第1固定回動支点に回転可能に連結され前記座部を支持する第1リンクと、前記第1固定回動支点よりも後方に設けられた第2固定回動支点にて一端部が前記基台に回転可能に連結された第2リンクと、前記第1リンクの他端部に設けられた第1可動回動支点と前記第2リンクの他端部に設けられた第2可動回動支点とを連結する第3リンクと、を有し、前記第2リンク機構は、一端部が前記第1リンクの中間に設けられた第3可動回動支点に回転可能に連結され前記バックレストが固定された第4リンクと、前記第4リンクの他端部に設けられた第4可動回動支点と前記第3リンクの中間に設けられた第5可動回動支点とを連結する第5リンクと、を有し、前記第1リンクの長さは、前記第2リンク及び前記第3リンクの総長さよりも長いことを特徴とする。なお、固定回動支点とは、それ自体は移動せずにそれを中心として回動することができる支点であり、可動回動支点とは、それ自体が移動できると共にそれを中心として回動することができる支点である。
上述の立ち上がり補助装置において、例えば、前記座部を起立する方向に傾動させる際に、前記第1可動回動支点を中心とした前記第3リンクの回転方向は一方向であり、この第3リンクの回転により、前記第2可動回動支点は、前記第1リンクに対して、前記バックレスト側から前記基台の後方側へと移動する。
上述の立ち上がり補助装置において、例えば前記バックレストを前記基台の前方側に最も傾斜させた状態から前記第2固定回動支点を中心として前記第2リンクの他端部を前記基台の後方側に回転させることにより、前記座部及び前記バックレストは、水平となるように傾動する。
本発明に係る他の立ち上がり補助装置は、基台と、人の腰部を支持する座部と、前記基台に対して前記座部を傾動させる第1リンク機構と、人の背部を支持するバックレストと、前記バックレストを前記座部の傾動に対応して上昇、下降及び傾動させる第2リンク機構と、を有し、前記第1リンク機構は、一端部が前記基台の前方部分に設けられた第1固定回動支点に回転可能に連結され前記座部を支持する第1リンクと、前記第1固定回動支点よりも後方に設けられた第3固定回動支点にて一端部が前記基台に回転可能に連結された第6リンクと、前記第6リンクの他端部に設けられた第6可動回動支点にて一端部が前記第6リンクに回転可能に連結された第2リンクと、前記第1リンクの他端部に設けられた第1可動回動支点と前記第2リンクの他端部に設けられた第2可動回動支点とを連結する第3リンクと、を有し、前記第2リンク機構は、一端部が前記第1リンクの中間に設けられた第3可動回動支点に回転可能に連結され前記バックレストが固定された第4リンクと、前記第4リンクの他端部に設けられた第4可動回動支点と前記第3リンクの中間に設けられた第5可動回動支点とを連結する第5リンクと、を有し、前記第1リンクの長さは、前記第2リンク及び前記第3リンクの総長さよりも長く、前記第6リンクが拘束された状態で、前記バックレストを前記基台の前方側に最も傾斜させた状態から前記第6可動回動支点を中心として前記第2リンクの他端部を前記基台の後方側に回転させることにより、前記座部及び前記バックレストは、水平となるように傾動し、前記第6リンクは、前記第6可動回動支点側の端部が所定位置よりも後方とならないように、前記第3固定回動支点を中心とした回転角度が規制されており、前記第1リンクは、前記座部が所定位置よりも下方とならないように、前記第1固定回動支点を中心とした回転角度が規制されていることを特徴とする。この場合に、立ち上がり補助装置は、例えば前記第6リンクを駆動する駆動装置を有する。
また、立ち上がり補助装置は、例えば前記座部の前方部分に接続されたフットレストと、前記基台に対して前記フットレストを傾動させる第3リンク機構と、を有し、前記基台の下方には、前方部分に第3固定回動支点が設けられており、後方部分に第4固定回動支点が設けられており、前記第3リンク機構は、前記フットレストの下方に設けられた第7可動回動支点に回転可能に連結されその中間部分に第8可動回動支点及び第9可動回動支点を備えた第7リンクと、前記第3固定回動支点と前記第8可動回動支点とを連結する第8リンクと、前記第4固定回動支点と前記第9可動回動支点とを連結する第9リンクと、を有する。
上述の立ち上がり補助装置は、例えば前記第1リンクを駆動する駆動装置を有する。
本発明に係る身体支持装置は、例えば医療施設、養護施設、介護施設若しくはマッサージ店のベッド若しくは椅子、理髪店、美容室、航空機、自動車、電車、若しくは船舶の椅子又は洋式トイレで使用される。
本発明に係る立ち上がり補助装置は、基台に対して座部を傾動させる第1リンク機構を有し、第2リンク機構は、第1リンク機構の傾動に対応してバックレストを上昇、下降及び傾動させる。よって、使用者が立ち上がる際に、バックレストの傾動により、使用者の体幹を前傾させながら、座部の傾動により、使用者を自然な姿勢で起立させることができる。よって、本発明の立ち上がり補助装置によれば、立ち上がり動作時に、使用者の膝及び腰への負荷を低減することができる。
また、座部に固定された第1リンクは、第2リンク及び第3リンクの総長さ、又は第3リンクと第6リンクの総長さよりも長いため、第1リンクの他のリンクへの連結部は第1固定回動支点よりも後方となり、全てのリンクが座部の後方で連結されている。よって、本発明の立ち上がり補助装置は、各リンクが使用者の動作を阻害することがない。例えば、使用者が座位又は立位の状態で、使用者の脚がいずれのリンクにも干渉することはなく、これにより、例えば使用者がつまずくことはない。そして、本発明の立ち上がり補助装置は、必ずしも電動チェア等の装置の左右に配置する必要がなく、適用する装置全体の大型化を防止することもできる。
(a)乃至(c)は、本発明の実施形態に係る立ち上がり補助装置を電動チェアに適用した場合において、各リンクを示す模式図である。 (a)乃至(e)は、本発明の第1実施形態に係る立ち上がり補助装置において、座位から立位に姿勢を変更する際の各リンクの動きを示す図である。 (a)乃至(e)は、本発明の第1実施形態に係る立ち上がり補助装置において、立位から臥床位に姿勢を変更する際の各リンクの動きを示す図である。 第1実施形態の立ち上がり補助装置において、各リンク長を示す図である。 (a)は、起立時の人の体幹角度、股関節角度及び膝関節角度を示す図、(b)は、座位から立位へと姿勢を変える際の時間と体幹角度及び股関節角度との関係を示すグラフ図である。 背支持面高さ及び座面高さを示す図である。 背支持面高さ及び座面高さによる重心位置の変化を示す図である。 膝関節及び腰関節への負荷(静的トルク)を示す図である。 (a)乃至(f)は、本発明の第2実施形態に係る立ち上がり補助装置において、座位から臥床位に姿勢を変更する際の各リンクの動きを示す図である。 (a)乃至(d)は、本発明の第3実施形態に係る立ち上がり補助装置において、立位から臥床位に姿勢を変更する際の各リンクの動きを示す図である。 (a)乃至(c)は、同じく立位から臥床位に姿勢を変更する際の各リンクの動きを示す図であって、図11(a)は図10(d)に続く動きを示す図である。 立ち上がり動作時における膝関節角度と膝関節トルクとの関係を示す図である。 (a)乃至(c)は、膝及び腰の負荷を小さくした状態で人が立ち上がる際の股関節の位置の推移を示す図である。 座位状態の人が立ち上がる際の重心位置の推移を示す図である。 従来の立ち上がり補助装置を一例として示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る立ち上がり補助装置について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1(a)乃至図1(c)は、本発明の実施形態に係る立ち上がり補助装置を電動チェアに適用した場合において、各リンク機構を示す模式図である。図2(a)乃至図2(e)は、本発明の第1実施形態に係る立ち上がり補助装置において、座位から立位に姿勢を変更する際の各リンク機構の動きを示す図、図3(a)乃至図3(e)は、本発明の第1実施形態に係る立ち上がり補助装置において、立位から臥床位に姿勢を変更する際の各リンク機構の動きを示す図である。図1乃至図3に示すように、本実施形態の立ち上がり補助装置は、例えば電動チェア、電動ベッド等の身体支持装置等に適用することができる。なお、身体支持装置としては、例えば医療施設、養護施設及び介護施設等で使用される種々の設備の他、例えば理髪店及びマッサージ店等の椅子又は寝台、航空機、自動車、電車及び船舶等の旅客用の椅子、並びに洋式のトイレ設備等が挙げられるが、本発明に係る立ち上がり補助装置は、これらの用途に限らず、使用者が座位の状態から立ち上がる場合があるあらゆる身体支持装置に適用することができる。本実施形態においては、立ち上がり補助装置を電動チェアに適用した場合について説明する。
図1に示すように、本実施形態の立ち上がり補助装置1は、例えば電動チェア等の身体支持装置に適用され、身体支持装置において、使用者の立ち上がり動作を補助する。本実施形態の立ち上がり補助装置1は、図1乃至図3に示すように、電動チェアの基台2上に、使用者の腰部を支持する座部4が配置されており、座部4の後方にバックレスト3が接続されている。そして、このバックレスト3にて使用者の背部を支持する。座部4の前方(使用者の足側)にはフットレスト5が接続されており、このフットレスト5にて、使用者の膝よりも下方の部分を支える。本実施形態においては、図2及び図3に示すように、第1リンク11、第2リンク12及び第3リンク13からなる3本のリンクにより、第1リンク機構が構成されており、1対の第1リンク機構が相互に離隔して身体支持装置の左右に夫々配置されている。そして、座部4は、第1リンク機構のうち、一端部が基台の第1固定回動支点2aに回転可能に連結された第1リンク11に、夫々、支持されている。これにより、座部4は、第1リンク機構の各リンクの連動により、第1リンク11とともに傾動可能に構成されている。例えば第1リンク機構の3本のリンクのうち、第1リンク11には、第1リンク11を回転駆動するための駆動装置(図示せず)が接続されており、例えば第1リンク11の固定回転軸と同軸的にモータが接続されているか、又は、第1リンク11の中間の位置に直動シリンダのロッド部が接続されており、モータの回転又は直動シリンダのロッドの進出・退避により、第1リンク11が回転駆動されるように構成されている。そして、この駆動装置による第1リンク11の回動により、各リンクが第1リンク11に連動して駆動される。
バックレスト3の後方には、第4リンク14及び第5リンク15により構成された第2リンク機構が、第1リンク機構の夫々に対応して身体支持装置の左右に設けられており、バックレスト3の後面は、第4リンク14に固定されている。第2リンク機構の各リンクは、夫々の一端部側にて第1リンク機構に接続されており、第1リンク機構の各リンクに連動するように構成されている。よって、バックレスト3は、座部4の傾動に対応して上昇、下降及び傾動可能に構成されている。
第1リンク機構の3本のリンクのうち、第1リンク11は、その長さが、座部4の前後方向の長さよりも長く、長手方向が例えば座部4の前後方向に伸びるように、例えば座部4の下方に配置されて座部4を支持している。そして、第1リンク11は、長手方向の一端部にて基台2の前方に設けられた第1固定回動支点2aに回転可能に連結されており、第1固定回動支点2aへの連結部分から所定の区間にて座部4の下面を支持している。なお、本実施形態においては、左右1対の棒状の第1リンク11により座部4を下方から支持しているが、第1リンク11による座部4の支持は、本実施態様に限定されない。例えば、第1リンク11の夫々を上方又は下方に延出するような形状として、延出部分の端部相互間を平板状の部材で連結し、この平板状部材により座部4を支持するように構成してもよく、棒状の第1リンク11の相互間をコの字状部材又は円弧状に湾曲した部材により連結し、座部4をこれらの連結部材の中央部にて支持するように構成してもよい。第1リンク11間を連結する部材についても、例えば樹脂、金属及び木材等を使用してもよく、繊維等の変形できる素材により構成することができる。第1リンク11間を連結する部材により座部4を支持することにより、連結部材の形状により、第1リンク11の位置に対して使用者の腰部の高さを調整することができる。また、座部4上に例えばマットレス又はクッション等を載置して使用者の腰部の位置を高くすることもできる。
第2リンク12は、第1リンク11よりも長さが短く、長手方向の一端部が、第1固定回動支点2aよりも後方の第2固定回動支点2bにて、基台2に回転可能に連結されている。本実施形態においては、第2固定回動支点2bは、第1固定回動支点2bよりも上方に位置している。第1リンク11の他端部には、第1可動回動支点11aが設けられており、第1可動回動支点11aには、第3リンクの一端部が回転可能に連結されている。また、第2リンク12の他端部には、第2可動回動支点12aが設けられており、第2可動回動支点12aには、第3リンクの他端部が回転可能に連結されている。これにより、第3リンク13は、第1リンク11と第2リンク12とを回転可能に連結している。本実施形態においては、第1リンク11は、例えば第1固定回動支点2aに同軸的に設けられたモータにより駆動され、第1固定回動支点2aを中心として回転し、この第1リンク11の動作に連動して、第3リンクは、第2固定回動支点2bを中心として第2リンク12を回転させるように構成されている。第1リンク11は、第2リンク12及び第3リンクの総長さよりも長くなるように構成されている。従って、第1リンク11は、他のリンクへの連結部が第1固定回動支点2bよりも後方となる。これにより、本発明においては、使用者の動作を阻害することがない領域に各リンクが配置されている。
第2リンク機構の2本のリンクのうち、第4リンク14は、例えばバックレスト3の後面に沿って上下方向に伸びるように配置されており、その一端部は、第1リンクの中間の第3可動回動支点11bに回転可能に連結されている。第3可動回動支点11bは、バックレスト3と座部4との接続位置に近接して設けられている。第5リンク15は、一端部が第4リンク14の他端部に設けられた第4可動回動支点14aに回転可能に連結されており、第5リンク15の他端部は、第3リンクの中間に設けられた第5可動回動支点13aに回転可能に連結されている。従って、第4リンク14及び第5リンク15は、第1リンク11及び第3リンク13の動きに合わせて動く。本実施形態においては、バックレスト3の下端部に座部4が回転可能に連結された第1の回転対偶が形成され、フットレスト5の下端部が基台2(後述する第3実施形態においては第7リンク17)に回転可能に連結された第2の回転対偶が形成されており、第1リンク11の傾動に連動して第4リンク14がバックレスト3と共に上昇及び傾動し、これにより、第1リンク11に支持された座部4は、後方部分がバックレスト3により引き上げられて傾動可能となる。即ち、座部4は、バックレスト3の上昇、下降及び傾動に対応して傾動可能に構成されている。なお、本実施形態においては、左右1対の棒状の第4リンク14によりバックレスト3を後方から支持しているが、第1リンク11の場合と同様に、バックレスト3の第4リンク14の固定位置も、本実施態様に限定されない。例えば、第4リンク14の夫々をその長手方向に垂直に(座位の状態における前方又は後方に)延出した形状とし、延出部分の端部相互間を例えば平板状部材で連結し、この平板状部材によりバックレスト3を支持するように構成してもよく、棒状の第4リンク14の相互間をコの字状部材又は円弧状に湾曲した部材等により連結し、バックレスト3をその中央部にて支持するように構成してもよい。第4リンク14間を連結する部材についても、例えば樹脂、金属及び木材等を使用してもよく、繊維等の変形できる素材により構成することができる。第4リンク14間を連結する部材によりバックレスト3を支持することにより、連結部材の形状により、第4リンク14の位置に対して使用者の背中の位置を調整することができる。また、バックレスト3上に例えばマットレス又はクッション等を設置して使用者が座位の状態における背中の位置を前方へと移動させることもできる。
第1リンク機構の3本のリンク及び第2リンク機構の2本のリンク同士は、夫々、同調する際に、他のリンク又は他の支持部材等と干渉しないように、例えば基台2の左右方向に伸びる回転軸への連結位置が相互に調整されている。
バックレスト3、座部4及びフットレスト5は、夫々、表面が例えば繊維等の触感が柔らかな素材により構成されているか、又はこれらの表面にクッション等が設置されており、例えばバックレスト3、座部4及びフットレスト5の主要部が木材又は金属等の硬い部材により構成されている場合において、この硬い部分に使用者の体が直接接触しないようにして、使用感が高められている。また、バックレスト3、座部4及びフットレスト5の表面に例えば座クッション、背クッション及び足クッション等の柔軟性のある部材を設置する場合においては、その厚さは、例えば10乃至150mmである。バックレスト3と座部、及び座部4とフットレスト5とは、例えば相互に回転可能に連結されている。
第1リンク機構及び第2リンク機構並びにこれらを連結する部材を以上のように構成することにより、本実施形態の立ち上がり補助装置においては、第1リンク11の他のリンクへの連結部は第1固定回動支点2aよりも後方となり、全てのリンクが座部の後方で連結されることになる。よって、本実施形態の立ち上がり補助装置は、必ずしも電動チェア等の左右に配置する必要がなく、電動チェア等の装置全体の大型化を防止することができる。例えば、第1乃至第5リンク11乃至15を1組だけ、例えばバックレスト3の後方及び座部4の下方に配置することができる。
次に、本実施形態の立ち上がり補助装置を適用した電動チェアの動作について説明する。先ず、図2を参照して、使用者が座位から立位となる際の各リンクの動きについて説明する。先ず、座位の状態(図2(a))において、全てのリンク11乃至15は、フットレスト5よりも後方に位置している。従って、使用者が座位の状態から、例えばベッド又は車椅子等に移乗する場合においても、使用者の脚がいずれのリンクにも干渉することはなく、これにより、例えば使用者がつまずくことはない。
図2(a)に示す座位の状態において、第2リンク12は、第3リンク13への連結部(第2可動回動支点12a)が第1リンク11に対してバックレスト3側に位置している。この状態から、例えばモータ等の駆動装置により第1リンク11を駆動し、(図2のように使用者が左向きの座位の状態で)第1リンク11を、第1固定回動支点2aを中心として反時計回りに回転させ、第1固定回動支点2aに対して逆側の端部(第1可動回動支点11a)が基台の後方部分から離隔する方向に移動させる。これにより、第1リンク11の所定区間にて第1リンク11に支持された座部4(及び座クッション)は、第1リンク11の動きにより、後方側が基台2から離隔していき、座部4が傾動し始める。このとき、第3リンク13は、図2(a)に示す状態から、第1リンク11への連結部(第3可動回動支点11b)と第2リンク12への連結部(第2可動回動支点12a)との距離を一定に保持しながら、基台2の後方部分から離隔するように上方へと持ち上げられる。よって、第1リンク11及び第3リンク13に夫々連結された第4リンク14及び第5リンク15も、第1リンク11及び第3リンク13の動きに連動して、基台2の後方部分から離隔するように上方へと持ち上げられる。よって、第4リンク14により支持されたバックレストは、第1固定回動支点2aを中心として傾動するように、傾動し始める。これにより、本実施形態においては、先ず、使用者を前傾姿勢に誘導する。この状態で座部4を傾動させていくことにより、座部4により支持された使用者の腰関節は、例えば直線的に近い移動軌跡を描くように移動していく。これにより、立ち上がり補助時において、使用者の膝及び腰への負荷を低減することができる。
第3リンク13の他端部は、固定節である第2リンク12の第2可動回動支点12aに回転可能に連結されている。よって、第3リンク13の移動により、第2リンク12は、第2固定回動支点2bを中心として反時計回りに回転する。第1リンク11は、傾動により、側面視で、第1固定回動支点2aよりも後方の第2固定回動支点2bの位置を越え(図2(b))、第2リンク12における第3リンク13への連結部(第2可動回動支点12a)へと近づいていく(図2(c))。従って、第3リンク13は、第1可動回動支点11aを中心として一方向(図2においては、反時計回り)に回転するように移動していき、第1リンク11と第3リンク13とがなす角度が徐々に小さくなっていく。
一方、第1リンク11及び第3リンク13に夫々連結された第4リンク14及び第5リンク15も、第1リンク11及び第3リンク13の傾動に対応して徐々に傾動していき、従って、第4リンク14上のバックレスト3(及び背クッション)も傾動していく。これにより、使用者の背中は、バックレスト3(及び背クッション)に支えられた状態で、前方に傾動しながら上昇していく。従って、使用者の前傾と重心の移動とが同時に進行する。よって、本実施形態の立ち上がり補助装置によれば、使用者の重心位置は、例えば円弧を描くように移動していき、大きな筋力を必要とせずに使用者を自然な姿勢で起立させることができる。
第1リンク11の傾斜角度が大きくなり、第1リンク11と第3リンク13とがなす角度が小さくなると、やがて、両者の位置が側面視で重なる位置となる。その後、図2(d)に示すように、第1リンク11は、側面視で、第2リンク12における第3リンク13の連結部(第2可動回動支点12a)の位置を越え、従って、第3リンク13は、第1リンク11に対して基台2の後方側に位置する状態となり、第2リンク12は第2固定回動支点2bを中心として、図2における時計回りに回転し始める。よって、第1リンク1と第3リンク13とがなす角度は、第3リンク13が第1リンク11に対して後方側に位置した状態で大きくなっていく。これにより、第3リンク13に接続された第5リンク15は、第4リンク14を後方側へと牽引し、バックレスト3の傾斜角度も小さくなっていく。そして、使用者が立位となることにより、バックレスト3は、使用者の背を離れる。図2(e)に示すように、使用者が立位となった状態で、全てのリンク11乃至15は、バックレスト3、座部4及びフットレスト5よりも後方に位置する。従って、この状態で、使用者が例えば動作を開始しても、使用者の脚がいずれのリンクにも干渉することはなく、これにより、例えば使用者がつまずくことはない。
なお、本実施形態においては、座位から立位に姿勢を変更する場合を述べたが、第1及び第2リンク機構の各リンクの動作を上記の場合と逆転させることにより、立ち上がり補助装置により、使用者の姿勢を立位から座位へと変更することができる。
また、本実施形態においては、座部4は、バックレスト3に回転可能に連結されている場合について述べたが、座部4はバックレスト3に連結されていなくてもよく、第1リンク11の傾動により、第1リンク11に支持された座部4が傾動するように構成されていてもよい。
次に、本実施形態の立ち上がり補助装置について、各リンクの長さについて説明する。図4は、第1実施形態の立ち上がり補助装置において、各リンクを示す図、図5(a)は、起立時の人の体幹角度、股関節角度及び膝関節角度を示す図、図5(b)は、座位から立位へと姿勢を変える際の時間と体幹角度、股関節角度及び膝関節角度との関係を示すグラフ図である。図4に示す第1実施形態のリンク機構について、図5(a)に示すような人体モデルを使用し、膝関節及び股関節に負荷が小さい体幹角度を検証した。その結果を図5(b)に示す。なお、図5中の股関節及び体幹という記載は、膝及び腰に大きな負荷をかけずに立ち上がることが可能な理想的な股関節角度及び体幹角度の推移を示し、非特許文献2(江原義弘・山本澄子著、「ボディダイナミクス入門 立ち上がり動作の分析」、医歯薬出版株式会社、2001年5月、p.3乃至4)の記載を参考にして、本実施形態の立ち上がり補助装置に合わせて数値を補正したものである。但し、体幹角度について、非特許文献2においては、人の腰部を原点としたときに、鉛直方向下向きの直線と人の腰部から肩峰へと延びる直線とがなす角度を体幹角度としているが、本実施形態においては、図5(a)に示すように、側面視で、人の股関節から後方へと水平方向に延びる直線と人の頭部から肩峰へと延びる直線とがなす角度を体幹角度とした。また、股関節角度について、非特許文献2においては、人の太腿よりも下方部分の角度を股関節角度としているのに対して、本実施形態においては、人の太腿よりも上方部分の角度を膝関節角度とした。図5(b)に示すように、人が膝及び腰に大きな負荷をかけずに立ち上がるためには、体幹角度を股関節角度よりも小さく、且つ股関節角度の変化に連動するように、起立するまでの60%程度の時間まで小さくしていき、その後、徐々に増加させればよい。この数値を基に、3種類の利用者の身長に合わせ、図4に示すリンク機構の各リンク長を検討した。下記表1に、各リンクの長さを一例として示す。また、図5(b)に、夫々のサイズ(Lサイズ、Mサイズ及びSサイズ)のリンク機構について、図5(a)に示す人体モデルにおける体幹角度の推移を示す。
Figure 0005623179
図5(b)に示すように、上記Lサイズ、Mサイズ及びSサイズの夫々のリンク機構を使用した場合の体幹角度は、膝及び腰に大きな負荷をかけずに立ち上がることが可能な体幹角度に近い角度で推移し、起立にかかる時間の60%程度の時点において、体幹角度は最も小さくなり、その後、徐々に増加している。従って、腰に大きな負荷をかけることなく、立ち上がり動作を行うことができる。
図12は、立ち上がり動作時における膝関節角度と膝関節トルクとの関係を示す図である。図12は、非特許文献3(Knapik, J. J. et al., 「Isotonic, and isokinetic torque for variations in four muscle groups through a range of joint motion」,J. Am. Phys. Ther. Assoc.,1983,p.938−947)に記載されたものであり、黒色の三角形のプロットは、膝の筋肉を等尺性収縮(ISOM)させた場合における膝関節角度と膝関節トルクとの関係を示す。なお、等尺性収縮(ISOM)とは、筋長さを変化させずに筋力を発揮させる筋肉の収縮動作のことである。図12に示すように、膝の筋肉を等尺性収縮させる場合において、膝関節トルクを効果的に作用させるためには、膝関節角度を57乃至73度程度の範囲とすればよい。即ち、立ち上がり補助装置においては、使用者の膝関節角度が上記範囲となったときに立ち上がり補助を終了させれば、使用者は、その後、膝の筋肉の等尺性収縮により、膝に大きな負荷をかけることなく、容易に立ち上がることができる。本実施形態においては、上記Lサイズ、Mサイズ及びSサイズのいずれのリンク機構の場合においても、使用者の膝関節角度が上記57乃至73度の範囲となったときに立ち上がり補助を終了させるように、各リンクの長さ及び連結位置等を調節する。
このように、各リンクの長さを調節することによって体幹角度の推移を調整し、更に、膝関節角度が等尺性収縮しやすい角度範囲内にあるときに立ち上がり補助を終了させることにより、本発明においては、膝及び腰への負荷を低減する効果を更に向上させることができる。また、各リンクの長さを調節することにより、使用者の身長によらず、上記効果を得ることができる。
次に、本実施形態の立ち上がり補助装置について、バックレスト3(及び背クッション)により使用者の背中を支持する面(以下、背支持面とよぶ)及び座面の高さについて説明する。図6は、本実施形態の立ち上がり補助装置を電動チェアに適用した場合における背支持面の高さ及び座面高さを示す図である。図6に示す電動チェアにおいて、背支持面の高さxを種々変化させ、更に、座面高さyを変化させて、人が立ち上がり動作を行う際の重心位置の推移を検証した。種々の背支持面高さx及び座面高さyについて、人が立ち上がり動作を行う際の重心位置の変化を図7に示す。なお、図7においては、図6に示すように、側面視において、第3可動回動支点11bを原点として、第3可動回動支点11bと第4可動回動支点14aとを結ぶY座標軸と、これに垂直な方向のX座標軸とを設け、X軸については前方を正、Y軸については上方を正とした場合に、背支持面高さx及び座面高さyを以下のように定義した。即ち、第3可動回動支点11bを背もたれの回転中心とし、座位における高齢者の座位殿・転子距離(臀部及び背部のうちバックレスト3側へ最も突出し、バックレスト3(又は背クッション)に接触する面から股関節までの距離)及び座位転子高(臀部及び大腿部のうち座部4側へ最も突出し、座部4(又は座クッション)に接触する面から股関節までの距離)の平均値を、夫々X、Yとし、股関節位置の座標を(X,Y)としたときに、背支持面高さX及び座面高さYは、次式により示される。
Figure 0005623179
本実施形態においては、座位における高齢者の座位殿・転子距離及び座位転子高の平均値については、非特許文献4(河内まき子、横山一也、山下樹里、横井孝志、小木元、吉岡松太郎、渥美浩章、堀田明裕著、「設計のための人体寸法データ集」、生命工学工業技術研究所技術報告、1994年、第2巻第1号)に記載された数値である(X,Y)=(105,64)を使用した。
図7に示すように、背支持面高さxが低いほど、人の重心位置は直線状に推移するようになり、背支持面高さxが高いほど、人の重心位置の軌跡は、円弧状に近くなる。また、座面高さyが高いほど、重心位置は、水平方向に移動した後、垂直方向に移動するようになり、座面高さyが低いほど、重心位置は、水平方向の移動と垂直方向の移動とが並行して推移するようになる。従って、背支持面高さxを高く、座面高さyを低くすれば、図14(c)に示すような重心位置の推移が得やすくなり、立ち上がり動作時に、膝及び腰への負荷を低減することができる。このように、本発明においては、座面高さ及び背支持面高さを調整することによっても、膝及び腰への負荷を低減する効果を更に向上させることができる。本実施形態においては、股関節位置の座標(X,Y)=(169,54)(単位:mm)のときに、人の重心位置の軌跡が最も円弧状に近づき、更に、股関節の移動軌跡が直線軌道に近づき、最適な立ち上がり補助を行うことができる背支持面高さX及び座面高さYとして、(X,Y)=(64,−10)(単位:mm)という数値を得た。
図8は、上記Mサイズのリンク機構を使用し、背支持面高さxを64mm、座面高さyを−10mmとした場合における膝関節及び腰関節への負荷(静的トルク)と健常高齢者の立ち上がり動作時の膝関節及び腰関節への負荷とを比較して示す図である。なお、図8のグラフ図中において、波線部は、被験者が立ち上がりを開始してから、足が床面に接地して重心位置が移動していき、被験者の全体重が足に負荷されるまでの各負荷を示しており、実線部は、被験者の全体重が足に負荷されてから立ち上がって体幹が一直線状に延びた状態となるまでの各負荷を示している。図8に示すように、健常高齢者が補助なしに立ち上がり動作する場合に比して、本実施形態の立ち上がり補助装置を使用した場合においては、膝関節トルクτの最大値は、207Nmから171Nmへと18%低減され、股関節トルクτの最大値は、75Nmから42Nmへと44%低減された。
次に、本実施形態の立ち上がり補助装置において、立ち上がり動作後に、第1リンク機構の駆動を継続した場合について、図3を参照して説明する。図2(e)の状態から第3リンク13が第1リンク11に対してなす角度が大きくなるように、例えばモータ等の駆動装置により第1リンク11を図2における時計回りに回転駆動すると、第2リンク12は、第3リンク13(第2可動回動支点12a側)側の端部が時計回りに回転していき、やがて、第3リンク13が、第2リンク12に対して一直線状となる状態を越える(図3(a))。この状態から、第1固定回動支点2aを中心として第1リンク11を時計回りに回転させると、第1リンク11の所定区間にて第1リンク11に支持された座部4(及び座クッション)は、後方側が基台2に近づくようにその傾斜角度を小さくしていく。第3リンク13は、第1リンク11に対してなす角度が大きくなるように、第1可動回動支点11aを中心に回転する。これにより、第2リンク12は、第2固定回動支点2bを中心に時計回りに回転し、第3リンク13側の端部が下降していく。よって、第1リンク機構の全てのリンクが、第1リンク11に連動して下降していく(図3(b)及び図3(c))。第1リンク11及び第3リンク13に夫々連結された第4リンク14及び第5リンク15も、第1リンク11及び第3リンク13の動きに連動して、基台2の後方部分に近づくように下降していき、第1リンク11及び第3リンク13の傾動に対応して徐々に傾動する。これにより、第4リンク14上のバックレスト3(及び背クッション)も傾斜角度が小さくなるように傾動し、基台2の後方部分に近づくように下降していく。
その後、第1リンク11は、傾動により、側面視で、第1固定回動支点2aよりも後方の第2固定回動支点2bの位置を越え(図3(d))、第2リンク12における第3リンク13への連結部(第2可動回動支点12a)へと近づいていく。そして、図3(e)に示すように、バックレスト3及び座部4が水平に近い臥床位の状態となる。
なお、第1リンク11を駆動リンクとした場合においては、第2リンク12と第3リンクとが一直線状となる点(特異点と称する)にて第2リンクは、時計回り及び反時計回りのいずれの方向にも回転可能となるため、立ち上がり補助を行う際には、図2(e)に示すように、第2リンク12及び第3リンク13リンク13が一直線状になる前に立ち上がり補助を終了させる。そして、立位から臥床位に姿勢を変更する際には、第2リンク12と第3リンク13とが一直線状にならないように、例えば、第2リンク12及び第3リンク13の夫々が回転する反動を利用して、両者が特異点にて回転が停止しないようにする。又は、例えば第2リンク12を後方に引っ張るアクチュエータ等を設け、第2リンク12の回転が特異点にて停止しないように構成してもよく、第2リンク12と第3リンク13との連結部(第2可動回動支点12a)が特異点に到達した後、前方へと移動しないように、第2リンク12と第3リンク13との連結部(第2可動回動支点12a)にストッパー等を設けてもよい。
以上のように、本実施形態の立ち上がり補助装置は、立位の状態から第1リンク機構を更に傾動させることにより、座部4及びバックレスト3を水平に近づくように傾動させ、臥床位の状態に変形することができる。なお、図3(e)においては、座部4及びバックレスト3は第2固定回動支点1aよりも下方に位置しているが、本発明においては、例えば第2固定回動支点1aの位置及び/又は第2リンク12の長さを調整することにより、座部4及びバックレスト3を第2固定回動支点1aよりも上方に位置させれば、例えば臥床位に姿勢を変更できる電動チェアにおいて、例えば第1乃至第5リンク11乃至15を1組だけ、例えばバックレスト3の後方及び座部4の下方に配置することができ、これにより、装置の大型化を防止することができる。
なお、この場合においても、第1及び第2リンク機構の各リンクの動作を上記の場合と逆転させることにより、立ち上がり補助装置により、使用者の姿勢を臥床位から立位へと変更することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る立ち上がり補助装置について説明する。先ず、本第2実施形態に係る立ち上がり補助装置の構成について説明する。図9(a)乃至図9(f)は、本発明の第2実施形態に係る立ち上がり補助装置において、座位から臥床位に姿勢を変更する際の各リンク機構の動きを示す図である。図9に示すように、本実施形態においては、第1リンク機構は、更に第6リンク16を有しており、その一端部が第1実施形態における第2固定回動支点2bよりも下方の第3固定回動支点2cに回転可能に連結されている。そして、この第6リンク16の他端部の第6可動回動支点16aに第2リンク12の一端部が回転可能に連結されている。即ち、第1実施形態においては、第2リンク12の一端部は、固定回動支点に連結されたものではない。第6リンク16の長さは、第2リンク12と同程度である。そして、本実施形態においては、例えば第6リンク16が略垂直の状態において、第6可動回動支点16aは、第1実施形態における第2固定回動支点2bの位置の近傍に位置するように構成されている。
第3固定回動支点2cの後方には、第6リンク16の回転軌跡上に介在するように、例えば板状の第1規制部材6が例えば鉛直方向に延びて設けられており、これにより、第6リンク16は、第1規制部材6に当接する位置にて回転が規制され、第2リンク12への接続位置(第6可動回動支点16a側の端部)が所定位置よりも後方とならないように、第3固定回動支点2cを中心とした回転角度が規制されている。また、本実施形態においては、基台2には、第3固定回動支点2cよりも後方であって、第1固定回動支点2aよりも若干下方の位置には、第1リンク11の回転軌跡上に介在するように、第2規制部材7が例えば水平方向に延びて設けられており、これにより、第1リンク11は、第2規制部材7に当接する位置にて回転が規制され、座部4が所定位置よりも下方とならないように、第1固定回動支点2aを中心とした回転角度が規制されている。即ち、本実施形態においては、第1リンク機構に新たに第6リンク16を設け、相互間を回転可能に連結することにより、第1リンク機構の自由度は1から2となるが、第1規制部材6及び第2規制部材7によって固定節である第1リンク11及び第6リンク16の回転角度を規制することにより、座位から立位を経ずに臥床位へと姿勢を変えることができる。
次に、本実施形態の立ち上がり補助装置の動作について説明する。本実施形態においては、立ち上がり補助装置1は、座位で使用される状態(図9(a))において、例えば第6リンク16を動かないように拘束した状態とすれば、第6可動回動支点16aは、第1実施形態における第2固定回動支点2bと同様の状態となり、第6可動回動支点16aを中心として第2リンク12を回転させることにより、第1実施形態と同様に、座位の状態から座部4及びバックレスト3を傾動させて、立位の状態へと立ち上がり補助を行うことができる。このとき、第2リンク12は、例えば第6可動回動支点16aに同軸的に設けたモータにより回転駆動させる。このときに得られる効果については、第1実施形態と同様である。
これに加えて、本実施形態においては、第6リンク16の拘束を解除した状態で、例えばモータ等の駆動装置により第1リンク11を駆動し、第1固定回動支点2aを中心として第1リンク11を時計回りに回転させて基台2の後方部分に近づくように移動させると、第3リンク13により牽引され、第2リンク12が同様に基台2の後方部分に近づくように移動し、この第2リンク12により牽引され、第6リンク16は、第3固定回動支点2cを中心として第2リンク12側(第6可動回動支点16a側)の端部が基台2に対して後方側に(時計回りに)回転する。そして、図9(a)に示すように、第6リンク16が第1規制部材6に当接した状態になると、第6リンク16は、第1規制部材6により回転が阻止される。この状態で、第6可動回動支点16aを中心として第2リンク12を回転させて、第2リンク12の第3リンク13との連結部(第2可動回動支点12a)を基台2の後方部分に更に近づけると、この第2リンク12の傾動に連動して、第1リンク11及び第3リンク13も基台2の後方部分に近づくように移動し、やがて、第1リンク11は、長手方向が水平に近くなり、第2規制部材7に当接する(図9(b))。これにより、第1リンク11は、第3リンク13への接続位置が所定位置よりも下方とならないように、回転できる範囲が第2規制部材7により規制される。
引き続き、第1リンク11を第2規制部材7に当接させた状態(第1リンク11における第3リンク13の接続位置を維持した状態)で、第6リンク16を例えばモータ等の駆動装置により駆動し、第3固定回動支点2cを中心として第6リンク16を回転させ、第2リンク12側の端部を基台2に対して前方に移動させていく。すると、この第6リンク16に牽引されて、第2リンク12及び第3リンク13は、基台2に対して前方に移動していく。一方、第3可動回動支点11bにて第1リンク11に連結された第4リンク14、及び第5可動回動支点13aにて第3リンク13に連結された第5リンク15は、第1リンク11及び第3リンク13の動きに連動して、基台2に対して前方に移動していく。このとき、第1リンク11と第3リンク13とがなす角度は小さくなっていくため、第4リンク14と第5リンク15とがなす角度も小さくなっていき、第4リンク14の傾斜角度が小さくなっていく。従って、第4リンクに支持されたバックレスト3(及び背クッション)は傾斜が小さくなっていき(図9(c)乃至図9(e))、やがて、水平の臥床位の状態となる(図9(f))。
このように、本実施形態においては、第1リンク機構に新たに第6リンク16を設け、第1リンク11及び第6リンク16を固定節として、第1リンク機構の各リンクの相互間を回転可能に連結することにより、座位から立位を経ずに臥床位へと姿勢を変形することができる。その他の効果については、第1実施形態と同様である。
なお、第1実施形態と同様に、本実施形態においても、第1及び第2リンク機構の各リンクの動作を上記の場合と逆転させることにより、立ち上がり補助装置により、使用者の姿勢を臥床位から立位を経ずに座位へと変更することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る立ち上がり補助装置について説明する。先ず、本第3実施形態に係る立ち上がり補助装置の構成について説明する。図10(a)乃至図10(d)は、本発明の第3実施形態に係る立ち上がり補助装置において、立位から臥床位に姿勢を変更する際の各リンク機構の動きを示す図、図11(a)乃至図11(c)は、同じく立位から臥床位に姿勢を変更する際の各リンク機構の動きを示す図であって、図11(a)は図10(d)に続く動きを示す図である。図10に示すように、本実施形態においては、第1実施形態に係る立ち上がり補助装置において、更に第3リンク機構が設けられており、この第3リンク機構によりフットレスト5を傾動させることができる。
第3リンク機構は、フットレスト5の下方に設けられた第7可動回動支点5aに回転可能に連結された第7リンク17と、第7リンク17を回転可能に支持する第8リンク18及び第9リンク19とにより構成されており、第7乃至第9リンク17乃至19の全てのリンクがバックレスト3及び座部4よりも下方となるように配置されている。図10に示すように、第8リンク18及び第9リンク19は、長手方向の一端部が、夫々、基台2における第1固定回動支点2a及び第2固定回動支点2bよりも下方に設けられた第4固定回動支点2d及び第5固定回動支点2eに回転可能に連結されている。そして、第8リンク18及び第9リンク19の他端部は、夫々、第7リンク17の長手方向の中央部分の第8可動回動支点17a及び第9可動回動支点17bに回転可能に連結されている。座位及び立位の状態において、第7リンク17におけるフットレスト5に連結された側の端部(第7可動回動支点5a)は、その逆側の端部に対して下方に位置するように、後方へと高さが高くなるように傾斜するように配置されている。これにより、座位及び立位の状態において、第7リンク17の中央部における第7可動回動支点5a側に連結された第8リンク18は、第4固定回動支点2d側の端部が第8可動回動支点17a側の端部よりも前方に位置し、第4固定回動支点2d側から第8可動回動支点17a側へと高さが高くなるように傾斜するように配置されている。また、第7リンク17の中央部の他方の回動支点である第9可動回動支点17bに連結された第9リンク19は、略垂直となるように配置されている。そして、第7リンク17における第7可動回動支点5aに対して逆側の端部は、例えば立位から臥床位に姿勢を変更する際の第1リンク11又は第2リンク12の回転領域内であって、座位から立位に姿勢を変更する際及び立位から座位に姿勢を変更する際に他のリンクとは干渉しない位置に配置されている。そして、第1リンク11又は第2リンク12が傾動してその回転領域内に配置された第7リンク17に当接すると、第7リンク17は当接したリンクにより押圧され、前方のフットレスト5への連結部分(第7可動回動支点5a)が持ち上がるように、第8リンク18及び第9リンク19によって回転可能に支持された状態で傾動するように構成されている。本実施形態においては、第7リンク17のフットレスト5に対して逆側の端部は、図10に示すように、第2リンク12が第2固定回動支点2bを中心として時計回りに回転したときの回転領域に介在するように配置されているものとして説明するが、第1リンク11の回転領域に介在するように配置されている場合においても同様である。
次に、本実施形態の立ち上がり補助装置を適用した電動チェアの動作について説明する。本実施形態においては、第3リンク機構の3本のリンクは、座位から立位へと姿勢を変更する際及び立位から座位へと姿勢を変更する際における他のリンクと干渉しない位置に配置されている。従って、この場合においては、図10(a)に示す位置に留まった状態であり、第1リンク機構の3本のリンク及び第2リンク機構の2本の動作は、第1実施形態と同様である。即ち、第3リンク機構の3本のリンクのうち、第7リンク17は、フットレスト5側の端部が他端部よりも下方にくるように傾斜し、第8リンク18は、第4固定回動支点2d側から基台2の斜め後方へと高さが高くなるように延び、第9リンク19は、第5固定回動支点2e側から略垂直に上方に延びた状態である。よって、立位から臥床位へと姿勢を変更する場合についてのみ、以下に説明する。なお、座位から臥床位へと姿勢を変更する場合においても、以下と同様である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第3リンク13が第1リンク11に対してなす角度が大きくなるように、図10(a)に示す状態から、例えばモータ等の駆動装置により第1リンク11を図10における時計回りに回転駆動すると、第2リンク12は、第3リンク13(第2可動回動支点12a側)側の端部が時計回りに回転していき、やがて、第3リンク13が、第2リンク12に対して一直線状となる状態を越え、その後、第1リンク11の回転により、第1リンク11の所定区間にて第1リンク11に支持された座部4(及び座クッション)は、後方側が基台2に近づくようにその傾斜角度を小さくしていく。第2リンク12及び第3リンク13は、第1リンク11に連動して、基台2に対して後方側へと下降していく(図10(a)及び図10(b))。第1リンク11及び第3リンク13に夫々連結された第4リンク14及び第5リンク15も、第1リンク11及び第3リンク13の動きに連動して、基台2の後方部分に近づくように下降していき、第1リンク11及び第3リンク13の傾動に対応して徐々に傾動する。これにより、第4リンク14上のバックレスト3(及び背クッション)も傾斜角度が小さくなるように傾動し、基台2の後方部分に近づくように下降していく。第2リンク12は、やがて、その回転領域内に介在するように配置された第7リンク17に当接する(図10(c))。第2リンク12は、第7リンク17のフットレスト5とは逆側の端部に当接する。なお、本実施形態においても、第2リンク12及び第3リンク13が特異点(一直線状となる点)を越えて動作するための構成については、第1実施形態と同様である。
図10(c)に示す状態で第1リンク11を更に時計回りに回転させると、第2リンク12は第2固定回動支点2bを中心に時計回りに回転しようとするため、第7リンク17は、第2リンク12により押圧される。第7リンク17の中央部は、第8リンク18及び第9リンク19により、回転可能に支持されている。そして、第8リンク18及び第9リンク19の他端部は、夫々、基部2の第4固定回動支点2d及び第5固定回動支点2eに回転可能に連結されている。従って、第7リンク17は、第2リンク12による押圧により、前方のフットレスト5への連結部分(第7可動回動支点5a)が持ち上がるように傾動する(図10(d))。これにより、フットレスト5の下端部が徐々に持ち上がり始める。
一方、第8リンク18は、第8可動回動支点17a(第7リンク17)側の端部が徐々に持ち上がるように、第4固定回動支点2dを中心に回転し、第9リンク19は、略垂直の状態から、第9可動回動支点17b(第7リンク17)側の端部が徐々に高さが低くなるように、第5固定回動支点2eを中心に回転する。
以後、第1実施形態と同様に第1リンク11の回動に連動して第2リンク12が(時計回りに)回動することにより、第7リンク17は、第2リンク12により端部が押圧され、第8リンク18及び第9リンク19により回転可能に支持された状態で、その傾斜角度が小さくなっていき(図11(a)及び図11(b))、やがて、水平となる(図11(c))。これにより、第7リンク17に連結されたフットレスト5の端部は、第7リンク17によりほぼ水平となるまで持ち上げられる。
以上のように、本実施形態においては、バックレスト3及び座部4よりも下方に3本のリンクを設け、2本のリンク(第8リンク18及び第9リンク19)により1本のリンクを回転可能に支持し、この1本のリンクの一端をフットレストの下端に連結し、他端部を他のリンク機構により押圧するように構成すれば、第1実施形態の電動チェアにおいて、臥床位に姿勢を変更する際の脚上げ機能を付与することができる。
なお、本実施形態においては、第1実施形態の電動チェアに脚上げ機能を付与したが、第2実施形態の電動チェアにおいて、第3リンク機構を設けた場合においても同様である。即ち、座位又は立位から臥床位に姿勢を変更する際に、第1リンク機構又は第2リンク機構のいずれかのリンクが第3リンク機構のいずれかのリンクを押圧することにより、第7リンク17のフットレスト側の端部が持ち上がるように、第7リンク17が傾動するように構成されていればよい。
また、第1及び第2実施形態と同様に、本実施形態においても、第1乃至第3リンク機構の各リンクの動作を上記の場合と逆転させることにより、立ち上がり補助装置により、使用者の姿勢を臥床位から立位又は座位へと変更することができる。
1:立ち上がり補助装置、2:基台、3:バックレスト、4:座部、5:フットレスト、6:第1規制部、7:第2規制部、11:第1リンク、12:第2リンク、13:第3リンク、14:第4リンク、15:第5リンク、16:第6リンク、17:第7リンク、18:第8リンク、19:第9リンク、2a:第1固定回動支点、2b:第2固定回動支点、2c;第3固定回動支点、2d:第4固定回動支点、2e:第5固定回動支点、11a:第1可動回動支点、12a:第2可動回動支点、11b:第3可動回動支点、14a:第4可動回動支点、13a:第5可動回動支点、16a:第6可動回動支点、5a:第7可動回動支点、17a:第8可動回動支点、17b:第9可動回動支点

Claims (8)

  1. 基台と、
    人の腰部を支持する座部と、
    前記基台に対して前記座部を傾動させる第1リンク機構と、
    人の背部を支持するバックレストと、
    前記バックレストを前記座部の傾動に対応して上昇、下降及び傾動させる第2リンク機構と、を有し、
    前記第1リンク機構は、一端部が前記基台の前方部分に設けられた第1固定回動支点に回転可能に連結され前記座部を支持する第1リンクと、前記第1固定回動支点よりも後方に設けられた第2固定回動支点にて一端部が前記基台に回転可能に連結された第2リンクと、前記第1リンクの他端部に設けられた第1可動回動支点と前記第2リンクの他端部に設けられた第2可動回動支点とを連結する第3リンクと、を有し、
    前記第2リンク機構は、一端部が前記第1リンクの中間に設けられた第3可動回動支点に回転可能に連結され前記バックレストが固定された第4リンクと、前記第4リンクの他端部に設けられた第4可動回動支点と前記第3リンクの中間に設けられた第5可動回動支点とを連結する第5リンクと、を有し、
    前記第1リンクの長さは、前記第2リンク及び前記第3リンクの総長さよりも長いことを特徴とする立ち上がり補助装置。
  2. 前記座部を起立する方向に傾動させる際に、前記第1可動回動支点を中心とした前記第3リンクの回転方向は一方向であり、この第3リンクの回転により、前記第2可動回動支点は、前記第1リンクに対して、前記バックレスト側から前記基台の後方側へと移動するものであり、前記座部を立位から座位へと傾動させる際は、前記第1及び第2リンク機構の各リンクの動作を上記の場合と逆転させるものであることを特徴とする請求項1に記載の立ち上がり補助装置。
  3. 前記バックレストを前記基台の前方側に最も傾斜させた状態から前記第2固定回動支点を中心として前記第2リンクの他端部を前記基台の後方側に回転させることにより、前記座部及び前記バックレストは、水平となるように傾動することを特徴とする請求項1又は2に記載の立ち上がり補助装置。
  4. 基台と、
    人の腰部を支持する座部と、
    前記基台に対して前記座部を傾動させる第1リンク機構と、
    人の背部を支持するバックレストと、
    前記バックレストを前記座部の傾動に対応して上昇、下降及び傾動させる第2リンク機構と、を有し、
    前記第1リンク機構は、一端部が前記基台の前方部分に設けられた第1固定回動支点に回転可能に連結され前記座部を支持する第1リンクと、前記第1固定回動支点よりも後方に設けられた第3固定回動支点にて一端部が前記基台に回転可能に連結された第6リンクと、前記第6リンクの他端部に設けられた第6可動回動支点にて一端部が前記第6リンクに回転可能に連結された第2リンクと、前記第1リンクの他端部に設けられた第1可動回動支点と前記第2リンクの他端部に設けられた第2可動回動支点とを連結する第3リンクと、を有し、
    前記第2リンク機構は、一端部が前記第1リンクの中間に設けられた第3可動回動支点に回転可能に連結され前記バックレストが固定された第4リンクと、前記第4リンクの他端部に設けられた第4可動回動支点と前記第3リンクの中間に設けられた第5可動回動支点とを連結する第5リンクと、を有し、
    前記第1リンクの長さは、前記第2リンク及び前記第3リンクの総長さよりも長く、
    前記第6リンクが拘束された状態で、前記バックレストを前記基台の前方側に最も傾斜させた状態から前記第6可動回動支点を中心として前記第2リンクの他端部を前記基台の後方側に回転させることにより、前記座部及び前記バックレストは、水平となるように傾動し、
    前記第6リンクは、前記第6可動回動支点側の端部が所定位置よりも後方とならないように、前記第3固定回動支点を中心とした回転角度が規制されており、
    前記第1リンクは、前記座部が所定位置よりも下方とならないように、前記第1固定回動支点を中心とした回転角度が規制されていることを特徴とする立ち上がり補助装置。
  5. 前記第6リンクを駆動する駆動装置を有することを特徴とする請求項4に記載の立ち上がり補助装置。
  6. 前記座部の前方部分に接続されたフットレストと、
    前記基台に対して前記フットレストを傾動させる第3リンク機構と、を有し、
    前記基台の下方には、前方部分に第4固定回動支点が設けられており、後方部分に第5固定回動支点が設けられており、
    前記第3リンク機構は、前記フットレストの下方に設けられた第7可動回動支点に回転可能に連結されその中間部分に第8可動回動支点及び第9可動回動支点を備えた第7リンクと、前記第4固定回動支点と前記第8可動回動支点とを連結する第8リンクと、前記第5固定回動支点と前記第9可動回動支点とを連結する第9リンクと、を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の立ち上がり補助装置。
  7. 前記第1リンクを駆動する駆動装置を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の立ち上がり補助装置。
  8. 医療施設、養護施設、介護施設若しくはマッサージ店のベッド若しくは椅子、理髪店、美容室、航空機、自動車、電車、若しくは船舶の椅子又は洋式トイレで使用されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の立ち上がり補助装置。
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