JP5622667B2 - ペットのトイレ砂用基材 - Google Patents

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Description

本発明は、ペットのトイレ砂用基材に係り、特に、ベントナイト系のトイレ砂用基材に関する。
従来から、天然のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を炭酸ナトリウム等のナトリウム化合物で処理してなる所謂活性ベントナイトが種々の用途に使用されている。活性ベントナイトは、原料である天然のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土(サブベントナイト乃至酸性白土)と比べて膨潤性や粘性等が高く、水や食塩水を吸収して凝集固化し、固化塊状物を形成する性質を有することからペットのトイレ砂用基材として多用され、「固まる砂」などのキャッチフレーズでよく知られている。なお、この種の活性ベントナイトの用途としては、他にも、土木用、ボーリング用、鋳物砂用、製紙填料用、布製品の柔軟化剤用、ワインの澱下げ剤用、等が知られている。
ペットのトイレ砂用基材として使用される活性ベントナイトの従来製法としては、スメクタイト純度の高い原料粘土(カチオン交換容量が50meq/100g以上であるもの)を選び、炭酸ナトリウムの粉末または水溶液を添加し、よく混練してできるだけ緊密・均質に分散し、多くのナトリウムイオンがスメクタイトの層間に侵入してNa型スメクタイト系粘土に転化できる条件で行う製法、さらには、このようにして得られた活性ベントナイトの粉末化したものに水を加えて再度混練し押出成形してのち乾燥する製法等が知られている(特許文献1〜4参照)。
要するに、従来のペットのトイレ砂用基材としての活性ベントナイトは、他の一般用途向け活性ベントナイトと同様に、スメクタイトのNa型化をより進める方向でアルカリ処理したものであり、膨潤性や粘性が高い方が固化性に優れることから、前述の固まるトイレ砂用基材として高く評価されている。
ここで、活性ベントナイトを用いたペットのトイレ砂用基材が膨潤・固化する過程について簡単に説明する。活性ベントナイトは、尿を吸収すると膨潤を開始し、次いで、この膨潤した活性ベントナイトがゲル化乃至泥化する。このゲル化乃至泥化した活性ベントナイトが、隣接するもの同士が互いにくっつき合い凝結することで固化凝結した活性ベントナイト塊となる。
さて、ペットのトイレ砂製品に表示されるキャッチフレーズとしては、「臭いをとる砂」というものもあり、脱臭性乃至消臭性を改良した発明としては、活性ベントナイトが元来保有している臭いをとる機能をさらに高めるために、吸着によってアンモニア臭やメルカプタン臭等の悪臭をとる脱臭剤、中和やマスキングによって悪臭をなくす消臭剤、抗菌作用により悪臭の発生を抑える防臭剤などを添加すると言った製法が知られている(特許文献5〜7参照)。
ところで、酸性白土やサブベントナイトにアルカリ種を反応させて活性ベントナイトを製造する手法としては、原料粘土やアルカリ種を固体のまま用いる手法と、水性スラリーや水溶液のような液体として用いる手法とがある。原料粘土のスメクタイト層間のイオンをナトリウムイオンと交換し、Na型スメクタイト化を進める場合における効率性の順位は、
1 原料粘土の水性スラリーとナトリウム化合物の水溶液との液−液反応
2 原料粘土の塊状物または粒状物とナトリウム化合物の水溶液との固−液反応
3 原料粘土の塊状物または粒状物とナトリウム化合物の粒状物との固−固反応
の順となると考えられる。
ここで、上記1〜3の反応形態において、Na型スメクタイト化をより効率よく進めるための条件を考えると、1〜3の全てに共通に適用可能な条件としては、水熱条件下で或る程度以上の温度と圧力をかける、というものが考えられる。
また、1(液−液反応)においては、原料粘土スラリーの粘土粒子の微細化(コロイド化)が有効であると考えられる。
2(固−液反応)または3(固−固反応)については、1(液−液反応)よりもNa型スメクタイト化を進めにくい、謂わば非効率的な反応形態であるため、先ずは採掘された大きなブロック状の原料粘土を破砕して塊状物(径2〜5cm)とした上で、さらに押出造粒機等により粗砕して粒状(径5〜20mm)にした含水造粒物とする。この含水造粒物を炭酸ナトリウムなどのナトリウム化合物の粒状物(微小粒、顆粒)または水溶液と混合し、必要に応じて緊密・均質になるように数回の混練・押出工程を経てアルカリ処理済み含水造粒物とした後、加熱して乾燥粒状物とすることで活性ベントナイトとなる。この活性ベントナイトを、用途に応じて適当な径の粉末となるように粉砕することで、粉末状の活性ベントナイトが得られる。
活性ベントナイトの用途のうち、土木用、ボーリング用、鋳物砂用、製紙填料用、さらにはペットのトイレ砂(猫砂)用などのように、大量消費の安価製品用には、前記三つの反応形態のうち、2(固−液反応)、または、3(固−固反応)が製造の容易性とコストの安価性から採用され、一般に広く実施されてきた。これまでの活性ベントナイトの製造手段は用途ごとに異なってはいたが、いずれの製造手段においても、Na型スメクタイト化をより進めるような条件で実施されてきたという点では共通している。これらNa型化が進んだ活性ベントナイトは、膨潤・固化性が向上する反面、原料粘土が本来有している固体酸性が低下しており、原料粘土のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土(サブベントナイト乃至酸性白土)よりも脱臭能は劣るものとなっている。
活性ベントナイトの大きな用途の一つとなっているペットのトイレ砂用基材において、Na型スメクタイト化を効率よく進める製法としては、発明者等も何度か提案してきたように、上記のように製した活性ベントナイト粉末を再度造粒してより均質な活性ベントナイト造粒物となす方法(特許文献1)、天然の原料粘土含水物と無水炭酸ナトリウムを押出造粒機を用いて緊密混合された粒状物となし、密封状態で24時間エージングした後さらに捏和・造粒し、(乾燥温度としては比較的低温の150℃で長時間(10時間)かけて)乾燥して製する方法(特許文献2)、などが現実的である。
市販されているベントナイト系ペット用トイレ砂(猫砂)の成型粒状品の多くはこのような方法で製造され、土木用(水留め)、ボーリング用、鋳物砂用、製紙用など一般的な汎用の用途向けの製品と同程度、またはそれ以上にNa型べントナイト化が進められているものと考えられる。
特に、数社が販売する製品は、特許文献1に記載された方法のように別途製した活性ベントナイト粉末を再度造粒してより均質な活性ベントナイト造粒物となす方法で製造されたものであり、これらの市販ベントナイト系トイレ砂においては、Na型化がかなり進行しているものと考えられる(後述の比較例7、参考例2参照)。
また、特許文献2に記載された方法のように、緊密混合の後にエージング(熟成)と捏和・造粒工程を経て比較的低い温度での加熱乾燥を行い、反応進行に必要な工程を設けて製造された市販品においても、活性ベントナイトのNa型化は或る程度以上進んでおり、従来の特に固まり性を重視したトイレ砂用基材としては優れた特性を有している(後述の比較例5参照)。
特開平01−269440号公報 特開2000−288384号公報 特開2007−236354号公報 特開2004−073053号公報 特開2001−353441号公報 特開2005−176673号公報 特開2009−000086号公報
ベントナイト系ペット用トイレ砂は、「固まる砂」や「臭いをとる砂」のキャッチフレーズとともに、従来技術による改良を重ねてきて現在市場に出回っているものであるが、本願発明者等は、このようなベントナイト系ペット用トイレ砂には、今なお改良を要する2つの点があるとの結論を得た。
発明者等が考える第1の改良点とは、ペットのトイレ砂用基材自体の脱臭能乃至消臭能の改善である。すなわち、脱臭剤、消臭剤、抗菌剤等を添加するのではなく、トイレ砂用基材そのものの脱臭能を高めることで、ペットの尿や糞から発生する臭気成分を吸収・吸着する能力をさらに増強するのである。
また、発明者等が考える第2の改良点とは、ペットの尿の吸収速度を上げること、及び、吸尿後の固化容積(重量)を小さくし、堅く固める能力を維持することである。特に、吸水(吸尿)開始初期の吸収速度に劣ると尿が深さ方向に浸透しやすくなり、その分より多くの基材を湿らせることとなる。逆に、吸水開始初期の吸収速度が高ければ、尿が広がりにくく、少ない量の基材で尿を吸収可能であると考えられる。
つまり、活性ベントナイトは、アルカリ処理を施したことにより膨潤・固化性は確かに向上するものの、その一方で、アルカリ化合物により原料粘土が本来保有している固体酸が中和され、結果として塩基性臭気成分に対する脱臭吸着能は弱まるのである。
従って、従来のNa型スメクタイト化を進行させた活性ベントナイトでは、固化凝結性が向上する一方で、活性ベントナイト粒状物に水分が吸収される際に粒状物表面が急激に膨張・固化し、これにより粒状物内部に水分が浸透しにくくなることがある。粒状物内部に水分が浸透しにくくなると、吸収しきれなかった分の水分が下に流れていき、結果的に濡れる部分が広がり、吸収後の固化容量が増大するのである。
また、脱臭能乃至消臭能を強化する目的で脱臭剤や消臭剤等を添加した場合には、脱臭剤や消臭剤自体は活性ベントナイトのような固化凝結性は有していないため、これらを添加することで製品全体としては固化凝結性等の特性が低下する虞がある。加えて、脱臭剤や消臭剤は一般的に活性ベントナイトよりも原価が高いため、脱臭剤や消臭剤等を添加することで製品全体のコストが上昇する問題もある。
本発明は、従来のベントナイト系ペット用トイレ砂における上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、悪臭ガスに対する脱臭能が高く、吸水時の凝集固化性にも優れたペットのトイレ砂用基材を提供することにある。なお、ここで、「トイレ砂用基材」とは、それ自体のみでも「トイレ砂製品」として機能するものの、必要に応じて他の機能成分を任意に添加してもよいことを意味している。
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
本発明に係るペットのトイレ砂用基材の原料粘土である酸性白土やサブベントナイトを主要に構成している粘土鉱物は、ジオクタヘドラル型スメクタイトに属するものである。ジオクタヘドラル型スメクタイトは、火山灰や溶岩等が海水の影響下に変性されることにより生成したものと考えられており、粘土鉱物分類上ジオクタヘドラル型スメクタイトに属する粘土としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイトなどがある。天然に産する所謂酸性白土やサブベントナイト乃至ベントナイトは、これらのスメクタイトを主要成分として含有している粘土である。
ジオクタヘドラル型スメクタイトは、AlO6八面体層が二つのSiO4四面体層でサンドイッチされた三層構造を基本層単位とし、この基本層単位がc軸方向に積層された積層構造を有している。また、このc軸方向に積層されている基本層単位間の層間には、同形置換による陽電荷の不足(陰電荷の発生)を補う(中和する)形で金属イオンや水素イオンの陽イオンが対座している。
天然産出の酸性白土やサブベントナイトにおいては、その主成分鉱物であるスメクタイトの層状構造粒子の層間あるいは表面には少量のナトリウムイオン(Na+)の他に、水素イオン(H+)、カリウムイオン(K+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)の4種の陽イオンが存在し、これら陽イオンの該層間に対する侵入能はNa+<H+<K+<Mg2+<Ca2+の順に高いことが知られている。即ち、ナトリウムイオンは層間に侵入しにくく、既に層間に入り込んでいる他の陽イオンと置き換わりにくいということである。
また、モンモリロナイトにおいては前記AlO6八面体層のAlの一部がMgやFe(II)で同形置換され、同じくバイデライトにおいてはSiO4四面体層のSiの一部はAlで同形置換されている。
なお、スメクタイトの層状構造粒子の層間あるいは表面に存在する水素イオンは、固体酸(ブレンステッド酸)の素となるものであり、発明者等の鋭意研究によれば、アンモニア等の塩基性臭気成分がこの水素イオンと反応して中和・吸着されることにより、塩基性臭気成分が吸着・脱臭されるものと推定される。すなわち、酸性白土やサブベントナイト等のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、そのままの状態で優れた脱臭性能を有しているものである。
その一方で、酸性白土やサブベントナイトはそのままの状態では吸水による凝集固化性に劣り、ペットのトイレ砂用基材としての実用的な固化性能が得られない。そのため、スメクタイト系粘土を用いてペットのトイレ砂用基材を製する場合には、スメクタイト系粘土にアルカリ処理を施すことで活性ベントナイト化し、固化凝結性を改善してきたものである。
前述したように、現在市場に流通している市販の活性ベントナイト系ペット用トイレ砂においてはNa型化がかなり進行しており、また、従来の特許出願にみられる活性ベントナイト系ペット用トイレ砂基材も、その製造方法から推測する限り、Na型化はある程度以上進んでいるものと考えられる。したがって、これら従来の粒状物基材を粉末にし、水中に投じて24時間後のACC膨潤度を測ると、いずれも膨潤度は高く、固化性に関しては実用上充分な性能を有している。
参考:ACC膨潤度の測定方法
試料2gを、イオン交換水100mlを入れた100mlの共栓付きメスシリンダに内壁に殆ど付着しないように加え、先に加えた試料が殆ど沈着した後に次の試料を加えるようにして、約10回に分けて入れる。試料を加え終わった後にメスシリンダに栓をして24時間静置し、容器内に堆積した試料の見掛け容積(ml/2g)を読み取る。
しかしながら、発明者等の研究によれば、活性ベントナイトのNa型化が進んで膨潤性能が上がりすぎると、粒状物基材が尿で濡れると同時に尿と接した基材の表層が即座に膨潤・泥化して基材表面に防水層(膜)を形成するため、基材内部にそれ以上尿が浸透し難くなり、膨潤開始初期の吸尿性が低下する傾向が見られる。
すなわち、本発明者等は、活性ベントナイト化は固化凝結性の向上をもたらすが、それと同時に脱臭性の低下と吸尿性の低下をももたらしていることを知見したのである。
原料粘土の酸性白土やサブベントナイトを活性ベントナイト化するためのアルカリ処理の工程、特に、最も凝集固化性に優れたNa型ベントナイト化するためのアルカリ処理の工程について、従来の製法では、ナトリウムイオンをのぞく前記4種の陽イオン(H+、K+、Mg2+、Ca2+)の総当量よりやや多い量のアルカリ剤を使用してアルカリ処理を行っている。例えば、アルカリ剤として、ごく一般的に使用される炭酸ナトリウムを用いる場合には、原料粘土100重量部(150℃乾燥基準)当たり2〜4重量部の炭酸ナトリウムを使用して処理を行う。
原料粘土のスメクタイト層間に存在する5種の陽イオンの中ではナトリウムイオンが最もイオン侵入能が低いため、ナトリウム化合物によるアルカリ処理においては、ナトリウムイオンが他4種の陽イオンと入れ換わるためには、或る程度のエネルギーを要する。具体的には、水の存在下で処理を行う、高温高圧下で処理を行う、混合・捏和工程を何回も繰り返す、などの手法が考えられ、現実的には、工業的・経済的見地を踏まえて、従来製法がなされたものである。
従来の活性ベントナイト系ペット用トイレ砂の製造においては、原料粘土が本来保有している固体酸による脱臭能はあまり重視せず、固化性の向上を重視してきた。そのため、他の一般的用途向けの活性ベントナイト製品と同様に最大の膨潤性と粘性を引き出すための条件でアルカリ処理を行い、原料粘土自体が保有している脱臭能が低下するため、損なわれた脱臭性乃至消臭性を補うために脱臭剤、消臭剤、抗菌防臭剤などの他の添加物により付与してきた。
これらの添加剤は、添加量の増大によってベントナイト系基材の膨潤性を損ない固化性能を低下させる傾向にあるため、固化性に優れた活性ベントナイト系トイレ砂を製造するためには、添加剤を使用しないか若しくは使用量を少なくすることが望ましい。また、該基材の脱臭能をより高めることよって、トイレ砂全体としての脱臭性も向上し、添加剤の使用量が低下することで固化性にも優れた活性ベントナイト系トイレ砂基剤が得られるのではないかと考えられる。つまり、発明者等は、好適な吸尿性と固化性とが得られる最適なNa型化の進行度が存在するのではないかと思い至った。
以上の点を考慮した結果、本発明者等は、固化性については、ペット用トイレ砂基材として実用に足りうる程度の数値を満足させながらも、高くなりすぎて膨潤初期の吸尿能が低下しない程度に調製し、且つ、脱臭性については他の添加物を必要としない程度の性能を有する活性ベントナイト系トイレ砂用基材を調製することができれば、安価且つ安全で固化性と脱臭性に優れた極めて有用なペットのトイレ砂用基材を提供できるのではないかと思い至ったのである。
すなわち、本発明の課題は、以下の構成を有するペットのトイレ砂用基材及びその製造方法により解決することができると考えられる。
本発明に係るペットのトイレ砂用基材は、天然のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土をナトリウム化合物にてアルカリ処理してなる活性ベントナイトの粒状品であって、下記の式(1)で定義される置換性水素指数IHが8以上であり、且つ1M酢酸アンモニウム水溶液で抽出される置換性ナトリウム含有量が20meq/100g以上であることを特徴とするものである。

H=(BH−AH)×1010・・・・・・・・・・式(1)
(式中、AHは、前記1重量%水性懸濁液での水素イオン濃度(mol/l)、
Hは、同懸濁液100gに1gの塩化ナトリウムを加えて70℃で
60分間処理したのちの水素イオン濃度(mol/l)である。)
なお、ここで「活性ベントナイト粒状物」とは、活性ベントナイトを成形してなる粒単体のことを表し、「活性ベントナイト粒状品」とは、活性ベントナイト粒状物が多数集まった集合体のことを表している。また、後段にて使用されている「ベントナイト粒塊」とは、活性ベントナイト粒状物を構成する小さな粘土塊のことを表す。
また、ここで、「置換性水素指数IH」とは、置換性水素イオン量の大小の指標を表したものである。より具体的に説明すると、スメクタイト系粘土のスメクタイト構造の層間または構造粒子表面に存在して固体酸性を有する水素原子は、スメクタイト系粘土が塩化ナトリウム水溶液へ浸漬(懸濁)すると、その一部がナトリウムイオンと置換して水素イオンとして水相に浸出し、懸濁液のpHを低下させる。
このpHの低下によって見積もられる浸出水素イオン(H+)のモル濃度を算出し、スメクタイト系粘土がその層間または表面に保持している水素イオン量の大小を知ることができるものである。
また、「置換性ナトリウム含有量」とは、活性ベントナイトを構成するスメクタイト構造粒子の表面に、原子レベル乃至化合物粒子レベルで分散して存在しているイオン交換性を有するナトリウムの合量を示すものである。
スメクタイト系粘土の層間または表面に存在しているナトリウム原子は、その大部分が、水の吸収または水への浸漬によりナトリウムイオン(Na+)と化し、随時、数〜数十秒の早い時間に、周囲に親和水を伴って層間に浸入し、層間拡張を起こし、該スメクタイト系粘土からなる粒状物(例えば、ペットのトイレ砂用基材)そのものの膨張乃至膨潤を引き起こすものである。スメクタイト系粘土の膨潤を引き起こすナトリウム原子は、必ずしもスメクタイト層間に存在している必要はなく、スメクタイト構造粒子の表面に原子レベル乃至化合物粒子レベルで分散して存在していれば十分であると考えられる。
つまり、このナトリウム原子は、1M酢酸アンモニウム水溶液中のアンモニウムイオン(NH4 +)などとイオン交換性を有する置換性ナトリウムとして存在していればよく、「置換性ナトリウム含有量」はこのようなスメクタイト層間にイオン交換されて存在するナトリウムとアルカリ剤(例えば固形炭酸ナトリウム)粒子のまま存在するナトリウムとを合わせた置換性ナトリウムの量を示す指標である。
本願発明者等は、種々のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土(活性ベントナイト)について、置換性水素指数IHと置換性ナトリウム含有量(meq/100g)を測ることにより、次の事実を発見し、本発明を成し遂げたのである。
すなわち、置換性水素指数IHが高い程その活性ベントナイト乃至原料粘土の脱臭性能は高くなり、置換性ナトリウム含有量が或る程度までは多い程、その活性ベントナイト乃至原料粘土の固化性能は高くなるのである。
脱臭性については、置換性水素イオン量が多い程、アンモニアに代表される塩基性悪臭ガスがより多く吸着(脱臭)されるであろうことが直感的にも理解できる。
その一方で、一般には酸性悪臭ガスに分類されているエチルメルカプタンについても、置換性水素イオン量が多い程によく脱臭されている事実は直感的には理解しにくい。この点について発明者等は、エチルメルカプタンのメルカプト基の孤立電子対を有するS原子による電子供与性が塩基性を与えており、塩基性悪臭ガスと近似した傾向を示すためかも知れないと推測する。また、置換性ナトリウムの存在がエチルメルカプタン分子の酸性部位の中和に関与していることも一因ではないかと考えられる。
すなわち、ここで、置換性水素指数IHが高いということはスメクタイト層間に多くの水素イオンが保持されていることを意味しており、本発明者等の知見によれば、スメクタイト層間に保持される水素イオンが多いほど、各種悪臭ガスに対する脱臭能も高いものとなる。
また、置換性ナトリウム含有量が多いということは、活性ベントナイトをNa型スメクタイト化するために必要なナトリウムが多く含まれていることを意味している。
このため、置換性水素指数IHと置換性ナトリウム含有量が所定値以上である本願の活性ベントナイトによれば、スメクタイト構造粒子の表面に水素原子が多く存在しているため悪臭ガスに対する脱臭能が高く、しかも、ナトリウム含有量も所定の量以上であるため、吸水時の凝集固化性にも優れたペット用トイレ砂として好ましいものとなるのである。
本願の好ましい実施の形態においては、前記ナトリウム化合物は、炭酸ナトリウム及び/又は水酸化ナトリウムであってもよい。
本願の他の好ましい実施の形態においては、下記の式(2)で定義される初期膨潤指数SESが130以上、特に140以上であるように構成されてもよい。
ES=(V60/V5)×102・・・・・・・・・・式(2)
(式中、V5は、所定の擬似尿電解質溶液に5秒浸漬した後の見掛堆積量
(ml/2g)、V60は、同電解質溶液に60秒浸漬した後の見掛膨潤量
(ml/2g)。)
また、前記電解質溶液は、各イオンが以下の濃度(meq/kg)で含まれたもの
である。
Ca2+
Mg2+
+ 120
Na+ 250
Cl- 150
SO4 2- 80
HCO3 - 70
2PO4 - 80
ここで、上述の電解質溶液は、ペット尿中の各種電解質濃度を模したものであり、活性ベントナイトがペット尿を吸水する際の挙動を観察するために、発明者等が文献に記されたペット尿中の電解質濃度を参照して調製したものである。
従来、ペット用トイレ砂について固化性の評価を行う際には、清水や生理食塩水などで評価を行ってきた。清水や生理食塩水で固化性の評価を行ってきた理由としては、ペットの尿、特にネコの尿に含まれる成分の濃度と比率の変動が大きいことが挙げられる。特に、スメクタイト系粘土の膨潤性・固化性に大きく影響を及ぼすと思われる尿中の電解質成分の濃度と比率は排尿の度に異なるため学術的な発表データも少なく、特定の数値について、これが「ネコの尿の電解質イオン濃度」であると定めることは実質的に不可能であり、標準化も難しかったからである。
しかしながら、清水や、金属陽イオンとして1価のナトリウムイオンしか含まない生理食塩水と、それ以外に2価のカルシウムイオンやマグネシウムイオン、更に1価のカリウムイオンも含む実際の尿とでは、実際に吸収した際の固化性において、程度の差だけでなく本質的な差異が出てくる可能性も否定できない。このような組成の違いを考慮すると、ペットの尿による吸収固化性の評価には、これまでのような清水や生理食塩水に対する吸収固化性の評価では十分ではなく、擬似尿電解質溶液に対する固化性を評価する必要がある。
そこで、本発明においては、数少ない2つの文献から主にネコの尿に関するデータをピックアップし、足りないところはイヌの尿に関するデータを参考にし、擬似尿として後述の「所定の擬似尿電解質溶液」を処方して吸尿固化実験用に供することとした。該電解質溶液は、ペットの尿の日常的変動範囲内の電解質濃度を有するものである。
そして、このような構成によれば、吸尿開始直後の初期膨潤度が高いため、短時間で多くの尿を吸収する優れた活性ベントナイトが得られる。
また、本願の他の好ましい実施の形態においては、下記の式(3)で示される固化吸尿能CUSが50以上、特に60以上であるように構成されてもよい。
US=[MP/(MA−MP)]×102・・・・・・・・・・式(3)
(式中、MAは、所定の擬似尿電解質溶液MP(g)を吸収した固化塊状物の重量
(g)である。)
また、前記電解質溶液は、各イオンが以下の濃度(meq/kg)で含まれたもの
である。
Ca2+
Mg2+
+ 120
Na+ 250
Cl- 150
SO4 2- 80
HCO3 - 70
2PO4 - 80
そして、このような構成によれば、少ない量で多量の尿を吸収できる吸尿能力の高い活性ベントナイトが得られる。なお、CUS=50という数値は、10gの活性ベントナイトで5gの電解質溶液を吸収可能ということを意味するものである。
また、本願の好ましい実施の形態においては、下記の式(4)で示されるアンモニア脱臭能DODNが99.50以上であり、且つ、下記の式(5)で示されるメルカプタン脱臭能DODSが95.0以上であるように構成されてもよい。
DODN={([AMCB]−[AMCR])/[AMCB]}×100
・・・・・・・・・・式(4)
(式中、AMCRは、密閉容器に粒状活性ベントナイト100(g)を敷き容れ、
これに0.7(w/v)%アンモニア水溶液1mlを滴下して室温で20分間
静置した後のアンモニア濃度(ppm)。
また、AMCBは、同条件で粒状活性ベントナイトを容れなかった場合のブランク
濃度(ppm)である。 )
DODS={([EMCB]−[EMCR])/[EMCB]}×100
・・・・・・・・・・式(5)
(式中、EMCRは、密閉容器に粒状活性ベントナイト100(g)を敷き容れ、
これに0.32(w/v)%エチルメルカプタン水溶液1mlを滴下して室温で
5分間静置した後のエチルメルカプタン濃度(ppm)。
また、EMCBは、同条件で粒状活性ベントナイトを容れなかった場合のブランク
濃度(ppm)である。 )
そして、このような構成によれば、アンモニアとエチルメルカプタンのいずれに対しても脱臭能の高い活性ベントナイトが得られる。なお、本願において、アンモニアは塩基性臭気に分類される窒素系悪臭ガスの代表として、エチルメルカプタンは酸性臭気に分類される硫黄系悪臭ガスの代表としてそれぞれ選択し、脱臭能を求めたものである。
ペットの糞尿に由来する種々の悪臭ガスのうち、尿から最も多く発生する臭気成分はアンモニアであり、尿の主成分である尿素に種々の細菌や酵母由来のウレアーゼ(加水分解酵素)が作用して発生するものである。また、尿に起因する臭気成分の一つであり、オスネコの尿中に特に多く含まれる一種のフェロモン用物質である3−メルカプト−3−メチル−1−ブタノール(3MMB)が最近発見されており、この3MMBの特異臭は人間にとって著しい悪臭となっている。更に、糞から発生する悪臭ガスとしては、エチルメルカプタン、硫化水素、インドール、スカトールなどが知られている。
したがって、ペット用トイレ砂においては、塩基性臭気に分類される窒素(N)系悪臭ガス(アンモニア、インドール、スカトール、等)に対する脱臭能、及び、酸性臭気に分類される硫黄(S)系悪臭ガス(3MMB、エチルメルカプタン、硫化水素、等)に対する脱臭能が求められることとなり、窒素系悪臭ガス及び硫黄系悪臭ガスに対する脱臭能をトイレ砂用基材に付与することが、トイレ砂用基材の脱臭性乃至消臭性の改善に繋がるものと思料される。
このため本願においては、これらの悪臭ガスの中から、窒素系悪臭ガスとしてはアンモニア、硫黄系悪臭ガスとしてはエチルメルカプタンを選び、これらに対する脱臭能を以て悪臭ガスに対する脱臭能乃至消臭能の評価を行ったものである。
また、本願発明は、ペットのトイレ砂用基材の製造方法としても捉えることができる。
すなわち、本願に係るペットのトイレ砂用基材の製造方法は、1重量%水性懸濁液のpHが9.8以下、且つ前記置換性水素指数IHが60以上であるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を5〜20mm程度の塊となるよう粗砕する粗砕工程と、前記粗砕した粘土を、該粘土100重量部(乾燥重量)に対してNa2O換算で0.8〜3.6重量部の粉末状乃至粒状のナトリウム化合物と混合・捏和する混練工程と、前記混練された混合物を長径:4〜7mm、短径:2〜4mmの粒状物となるよう造粒する造粒工程と、前記造粒物を、150〜250℃の雰囲気下で3〜5時間、又は、250℃以上の雰囲気下で0.3〜3時間、のいずれかの条件で含有水分5%以下となるまで乾燥する乾燥工程と、を含むものである。
本願の製造方法において、従来の製造方法との差異が最も顕著なのは原料粘土の選択と乾燥工程である。従来より知られていることだが、アルカリ処理後、すなわち原料粘土とナトリウム化合物を混合・混練して得られた活性ベントナイトを乾燥する際に、比較的低い温度(120〜150℃程度)で長時間(10〜24時間程度)かけて活性ベントナイトの乾燥工程を行うと、Na型スメクタイト化が進行しやすくなる。つまり、Na型スメクタイト化を進行させたい場合には、比較的低い温度で長時間かけて乾燥することが好ましいのである。
これに対して、本願においては、活性ベントナイトの脱臭能を向上させるために、製造の段階ではNa型スメクタイト化をあまり進ませたくないという意図がある。
このため、本願の活性ベントナイト製造方法においては、従来の製造方法よりも造粒後の乾燥時間を短縮させるために、従来の製造方法と比べて高い温度で乾燥を行うものである。
そして、このような製造方法によれば、従来よりも短時間で乾燥を行っているため、製造の段階ではNa型スメクタイト化が進行しにくく、選択された置換性水素指数IH(60以上)を有する原料粘土の臭気成分の吸着に必要な個体酸が有効に残存し、脱臭能に優れた活性ベントナイトが得られる。
本願に係るペットのトイレ砂用基材によれば、悪臭ガスに対する脱臭能が高く、吸水時の膨潤・固化性にも優れた活性ベントナイトが得られる。
また、本願に係るペットのトイレ砂用基材の製造方法によれば、従来よりも短時間で乾燥を行っているため、製造の段階ではNa型スメクタイト化が進行しにくく、選択された置換性水素指数IH(60以上)を有する原料粘土の臭気成分の吸着に必要な個体酸が有効に残存し、脱臭能に優れたペットのトイレ砂用基材を製造することができる。
本願に係るペットのトイレ砂用基材の構造を模式的に示す図である。 本願に係るペットのトイレ砂用基材と従来品の吸水時の挙動を模式的に示す図である。 ペット尿中における電解質濃度の一例、及び擬似尿中の電解質濃度を示す図表である。 各実施例にて得られたペットのトイレ砂用基材の物性及び評価を示す図表である。 各比較例にて得られたペットのトイレ砂用基材の物性及び評価を示す図表である。 市販品中のペットのトイレ砂用基材の物性及び評価を示す図表である。
以下に、本発明に係るペットのトイレ砂用基材及びその製造方法の好適な一実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
先にも述べたように、本発明に係るペットのトイレ砂用基材は、天然のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土をナトリウム化合物にてアルカリ処理してなる活性ベントナイトの粒状品であって、下記の式(1)で定義される置換性水素指数IHが8以上であり、且つ1M酢酸アンモニウム水溶液で抽出される置換性ナトリウム含有量が20meq/100g以上であることを特徴とするものである。

H=(BH−AH)×1010・・・・・・・・・・式(1)
(式中、AHは、前記1重量%水性懸濁液での水素イオン濃度(mol/l)、
Hは、同懸濁液100gに1gの塩化ナトリウムを加えて70℃で
60分間処理したのちの水素イオン濃度(mol/l)である。)
発明者等の鋭意研究によれば、この置換性水素指数IHが高いほどその活性ベントナイト乃至原料粘土は優れた脱臭能を有するものであり、特に、IHが8以上であればペット用トイレ砂基材として好適な脱臭能が得られ、IHが10以上であればより好ましく、IHが15以上であれば特に好ましい。
加えて、置換性ナトリウム含有量が20meq/100g以上であれば吸水時に優れた膨潤・固化性が得られ、更に、置換性ナトリウム含有量が30meq/100g以上であればより優れた膨潤・固化性が得られるものである。
また、本願においては、下記の式(2)で定義される初期膨潤指数SESが130以上であることが好ましく、140以上であることがより好ましい。
ES=(V60/V5)×102・・・・・・・・・・式(2)
(式中、V5は、所定の擬似尿電解質溶液に5秒浸漬した後の見掛堆積量
(ml/2g)、V60は、同電解質溶液に60秒浸漬した後の見掛膨潤量
(ml/2g)。)
また、前記電解質溶液は、各イオンが以下の濃度(meq/kg)で含まれたもの
である。
Ca2+
Mg2+
+ 120
Na+ 250
Cl- 150
SO4 2- 80
HCO3 - 70
2PO4 - 80
また、本願においては、下記の式(3)で示される固化吸尿能CUSが50以上であることが好ましく、60以上であればより好ましい。
US=[MP/(MA−MP)]×102・・・・・・・・・・式(3)
(式中、MAは、所定の擬似尿電解質溶液MP(g)を吸収した固化塊状物の重量
(g)である。)
また、電解質溶液は上述のものと同じものである。
本願のペットのトイレ砂用基材の製造方法としては、一例として次のような手順が考えられる。先ず、原料粘土としては、1重量%水性懸濁液のpHが9.8以下であり、且つ前記置換性水素指数IHが60以上であるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を選択して用いることが好ましい。原料粘土の置換性水素指数IHが60未満であっても後の調製により本願の条件を満たす活性ベントナイトを製造することはできるが、置換性水素指数IHが60以上の原料粘土を用いれば、製造されるペットのトイレ砂用基材の置換性水素指数IHを8以上にすることがより容易となる。
次いで、該原料粘土の保有水分を35重量%以下にコントロールし、必要に応じて混練・造粒を1回以上実施したのち、該造粒物100重量部(150℃乾燥物基準)に対して炭酸ナトリウムおよび/または水酸化ナトリウムの固形アルカリ剤粒子をNa2O換算で0.8乃至3.6重量部、好ましくは1.3乃至2.7重量部以下の量で混合して混練・造粒する。
造粒した活性ベントナイトを150℃より高い温度、好ましくは250℃以上、特に好ましくは350℃以上の熱風または雰囲気下で乾燥して保有水分を5%以下とすることで、1重量%水性懸濁液のpHを10.2以上11.0未満の活性ベントナイトが得られる。本願においては、造粒後の乾燥を長時間かけて行うと活性ベントナイトのNa型スメクタイト化が進行しやすくなるため、乾燥時間は5時間以内が好ましく、3時間以内であることがより好ましい。
本願に係る活性ベントナイト粒状物と従来の活性ベントナイト粒状物との構造上の違いを見出すべく、本願発明者等がこれらの活性ベントナイト粒状物をTB(チモールブルー)溶液にて呈色して顕微鏡で観察したところ、従来の活性ベントナイト粒状物では全体が均一に青く呈色されるのに対して、本願に係る活性ベントナイト粒状物においては、活性ベントナイト粒状物表面や活性ベントナイト粒塊表面が不均一に呈色されることがわかった。これは、以下のような構造の違いに起因するものではないかと発明者等は推測する。
従来の活性ベントナイト粒状物においては、Na型スメクタイト化が進行するように製造を行うため、製造の段階で大半のナトリウム粒子が溶けて活性ベントナイト粒塊の内部にも溶けたナトリウム成分が入り込み、ナトリウム成分が活性ベントナイト粒状物の全体に満遍なく行き渡り、全体が均一に染まるものだと考えられる。
一方、本願の活性ベントナイト粒状物においては、製造の段階でごく一部のナトリウム粒子が溶けて活性ベントナイト粒塊内に入り込むものの、大半のナトリウムはナトリウム粒子のまま活性ベントナイト粒塊の表面及び活性ベントナイト粒状物の表面に分散された状態で存在するため、顕微鏡で見た際に例えば固形炭酸ナトリウム粒子の状態で観察されるものと推測される。このような両者の構造の違いが、本願に係るペットトイレ砂用基材と従来のペットトイレ砂用基材との挙動の違いに繋がっていると思われる。
上述の想定に基づいて、本願に係るペットのトイレ砂用基材と、従前のペットのトイレ砂用基材との構造及び挙動の違いについて、図面を用いて説明する。本願に係るペットのトイレ砂用基材の構造が図1に、本願に係るペットのトイレ砂用基材と従来品の吸水時の挙動が図2に、それぞれ模式的に示されている。図1,2において、1はペットのトイレ砂用基材となる活性ベントナイト粒状物、11aはベントナイト粒塊、11bは吸水固化した状態にあるベントナイト集合粒子、11cは吸水した状態にあるベントナイト粒塊、12は固形炭酸ナトリウム粒子である。なお、これらの図においては、図を簡略化するためにベントナイト粒塊11(11a,11b,11c)を大小の球として表しているが、実際のベントナイト粒塊は多種多様な形状をしており、球に近い形状のもの、角柱に近い形状のもの、歪な形状のものなど、様々な形状のものが混在している。
本願に係るペットのトイレ砂用基材は、一般的には、図1(a)に示されるような円柱状の活性ベントナイト粒状物1が多数集合した活性ベントナイト粒状品として提供される。1つの活性ベントナイト粒状物1は、この例では、長径4〜7mm、短径2〜4mm程度の円柱状に造粒されている。
次いで、図1(b)には、図1(a)のA部の拡大図が示されている。活性ベントナイト粒状物1は、微視的にはベントナイト粒塊11の集合体として構成されている。
次いで、図1(c)には、図1(b)のB部拡大図が示されている。ベントナイト粒塊11の表面(粒界面)には固形炭酸ナトリウム粒子12が付着している。この例では、固形炭酸ナトリウム粒子12の粒径は45〜250μmの範囲に収まるものが90%以上である。
先にも述べたように、本願のトイレ砂用基体となる活性ベントナイト粒状物は製品として市場に出回った時点では従来製品の活性ベントナイト粒状物よりもNa型化の度合いが低いものであるが、本願の活性ベントナイト粒状物においては、小塊状のベントナイト粒塊11の表面(粒界面)に固形炭酸ナトリウム粒子12が点在しており、尿と接触すると、尿がベントナイト粒塊11の内域に吸収されると同時に、その外域または粒界では、尿によって固形炭酸ナトリウム粒子12が溶出し、尿の吸収と水分存在下でのナトリウムイオンの侵入とが並行して進行することとなる。
すなわち、吸尿開始時点では活性ベントナイト内のスメクタイト層間に保持されているナトリウムイオンの量が比較的少ないため、尿と接した活性ベントナイト粒状物の表面が急激に膨潤・泥化して吸尿を妨げるようなことはなく、活性ベントナイト内部まで速やかに尿が浸透する(図2(b)参照)。それと同時に、尿に溶け出したナトリウムイオンが水分存在下で活性ベントナイトと反応することで活性ベントナイトのNa型化が進行し、時間が経つ毎に膨潤・固化性が向上し、最終的には従来品と同様に高い吸水率と固化凝結性を有することとなる。
一般的にペット用トイレ砂は、ペットトイレ用のトレイにある程度の量が敷き詰められ、使用済み部分、即ち濡れた部分のみを取り除くようにして使用される。つまり、本願のトイレ砂用基材を構成する活性ベントナイト粒状品は、吸水開始前〜吸水開始直後の時点ではNa型化の進行度合いが比較的低いため脱臭能に優れ、且つその内部まで尿が浸透しやすいものである。その一方で、吸水後、即ち使用済みの活性ベントナイト粒状品はNa型化が進行し高い固化凝結性を有し、使用済み部分(固化塊状物)のみを容易に取り除くことが可能であるという優れた効果を有するものである。
さて、本願に係るペットのトイレ砂用基材である活性ベントナイト粒状品においては、置換性ナトリウム含有量が或る程度以上含まれていることにより、擬似尿電解質溶液の吸収または該溶液への浸漬による初期(例えば、30〜60秒後)の膨潤量が大きくなる。吸尿した活性ベントナイト粒状品は、急膨張して該活性ベントナイトのマトリックス中に多量の溶液を吸収し、数十秒程度の短い時間に固化凝結する。即ち、置換性ナトリウム含有量が一定以上であることで、固化性能の高いペットのトイレ砂用基材が得られる。
なお、詳しくは後述するが、浸漬初期の膨潤能は「初期膨潤指数」、活性ベントナイト粒状品中にどれだけの尿が吸収されるかは「固化吸尿能」、吸尿した活性ベントナイトが粒状品膨潤・固化凝結するまでの時間は「吸尿固化時間」として、それぞれ評価する。
先にも述べたように、吸尿(吸水)を開始する時点で該活性ベントナイト粒状物1を構成しているスメクタイト系粘土の層間ナトリウムイオン(Na+)が多すぎると、活性ベントナイト粒状物1の表層部分に水が急激に吸収され、即座に表層が膨潤・泥化して止水層を形成する為、それ以後は水が粒状物1の内部に吸収され難くなる。このため、層間ナトリウムイオンが多すぎる、すなわちNa型スメクタイト化が進み過ぎた活性ベントナイト粒状物1は、初期膨潤指数と固化吸尿能のいずれもあまり上がらず、吸尿固化時間も長くなるか固化凝結しなくなる傾向がみられる。
したがって、固化性能の向上の為には、置換性ナトリウム含有量を或る程度高め、且つその置換性ナトリウムは活性ベントナイト粒状物1の内表面(構成するベントナイト粒塊の表面)または外表面に水に溶けやすい状態で存在することが好ましく、粒状物の製造過程で捏和混練を強めたり、水分の多い状態で加熱したり、長時間の熟成をしたり、比較的低温で長時間かけての乾燥を行うなど、スメクタイト系粘土のNa型化(高膨潤性ベントナイト化)を高度に進行させることは、本発明の目的にとっては逆効果ともなり得るものである。
すなわち、本願のペットのトイレ砂用基材となる活性ベントナイト粒状品は吸尿開始前の時点ではNa型スメクタイト化がそれほど進行してないものであるが、吸尿開始後に活性ベントナイト粒状物1の内表面外表面に存在するナトリウムと水分存在下で反応してNa型スメクタイト化が進行することで、30〜60秒後の初期膨潤能においては従来のNa型スメクタイト化が進行した活性ベントナイト粒状品よりもむしろ大きくなり得るのである。
新潟県新発田市所在の鉱床から鉱区を選んで採掘したものであって、1重量%水性懸濁液のpHが9.8であり、且つ置換性水素指数IHが62であるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を原料とし、必要に応じて水を添加し、水分含有率が33%の粗砕物を得た。150℃乾物換算で2.5kgの該粗砕物とアルカリ剤として顆粒状(粒径:45〜250μmが90%以上)の炭酸ナトリウムをNa2CO3として37.5g(外配合率:1.5%;0.88%/Na2O)を同一ポリエチレン製袋に入れてよく振り混ぜてから、孔径10mmの成形板の付いた単軸式横型押出造粒機に3回かけて混合・捏和する。該粗造粒物を孔径3mmの成形板の付いたデスクペレッター(回転ロール式縦型押出造粒機)を用いて造粒し、ステンレス鋼製の網かごに取り入れ、170℃に温度設定した大型送風乾燥器に入れて約4時間かけて乾燥する。放冷後、解砕機と篩分機にかけて、短径:約3mm、長径:4〜7mmの円柱状造粒物からなる活性ベントナイト粒状品を得た。
実施例1において、炭酸ナトリウムの配合量をNa2CO3として56.3g(外配合率:2.25%;1.32%/Na2O)とする以外は同様の方法で実施した。
実施例1において、炭酸ナトリウムの配合量をNa2CO3として75g(外配合率:3.0%;1.75%/Na2O)とする以外は同様の方法で実施した。
実施例1において、炭酸ナトリウムの配合量をNa2CO3として112.5g(外配合率:4.5%;2.63%/Na2O)とする以外は同様の方法で実施した。
新潟県新発田市所在の鉱床から鉱区を選んで採掘したものであって、1重量%水性懸濁液のpHが9.6であり、且つ置換性水素指数IHが77であるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を原料とし、必要に応じて水を添加し、水分含有率が33%の粗砕物を得た。150℃乾物換算で2.5kgの該粗砕物とアルカリ剤として顆粒状(粒径:45〜250μmが90%以上)の炭酸ナトリウムをNa2CO3として75g(外配合率:3.0%;1.75%/Na2O)を同一ポリエチレン製袋に入れてよく振り混ぜてから、孔径10mmの成形板の付いた単軸式横型押出造粒機に3回かけて混合・捏和する。該粗造粒物を孔径3mmの成形板の付いたデスクペレッター(回転ロール式縦型押出造粒機)を用いて造粒し、ステンレス鋼製の網かごに取り入れ、170℃に温度設定した大型送風乾燥器に入れて約4時間かけて乾燥する。放冷後、解砕機と篩分機にかけて、短径:約3mm、長径:4〜7mmの円柱状造粒物からなる活性ベントナイト粒状品を得た。
実施例5において、乾燥を270℃に温度設定した大型送風乾燥器に入れて約2.5時間かけて行う以外は同様の方法で実施した。
実施例5において、アルカリ剤として、顆粒状の炭酸ナトリウムに替えてフレーク状の水酸化ナトリウムを使用し、配合量をNaOHとして56.5g(外配合率:2.26%;1.75%/Na2O)とする以外は同様の方法で実施した。
以上の実施例1〜実施例7によって得られた活性ベントナイト粒状品について各種物性測定と性能試験を行った結果を図4に示した。なお、各種物性測定と性能試験は以下の条件で行ったものである。
<擬似尿電解質溶液の所定処方>
5Lのビーカーに約2kgの脱イオン水を入れ、撹拌下、各々別々に秤取した7種の試薬、
1_CaCl2・2H2O(=147.01;≧99%):0.22g
2_MgCl2・6H2O(=203.30;≧97%):2.83g
3_KCl(=74.55;≧99%):27.11g
4_NaCl(=58.44;≧99%):3.54g
5_Na2SO4(=142.04;≧99%):17.22g
6_NaHCO3(=84.01;≧99.5%):17.73g
7_NaH2PO4・2H2O(=155.99;≧99%):37.82g
を順次加え入れて溶解する。脱イオン水を加えて全量を3kgとなし、さらに撹拌して均質な溶液となしてpHを測定したところ、pH:6.3〜6.4(20〜30℃)であった。
なお、本処方における擬似尿電解質濃度は、文献1,2に示された各種電解質成分のペット(主にネコまたはイヌ)の尿中***量の値を参考にして定めたものである。このようにして調製されたペット擬似尿電解質溶液の電解質濃度が図3に示されている。
註)文献1:生化学データブックI−日本生化学会編−(1979)
文献2:Mitruka, B. M. & Rawnsley, H. M. (1977)(文献名未詳)
<粒状品試料の前処理>
各試験に用いる粒状品試料は、あらかじめ150℃で3時間乾燥した後シリカゲルを敷き詰めたデシケータ中で1時間放冷した後、ポリエチレン製袋に充填してヒートシール処理により密封保存し、3日間以内に試験に供したものである。
[1]pH測定
100mLのビーカーに、150℃乾燥基準で1gの粒状品試料(固形分:a%、有姿(100/a)g)を秤取し、脱イオン水を加えて全量を100gとして、室温(20℃〜30℃)下、マグネチックスターラ―付ホットプレート上で5分間撹拌し、ガラス電極の底部を水面下約3cmの位置まで差し入れて、その時点でのpHを測定(/20℃〜30℃)した(A懸濁液、pH:A)。
ついで、上記pH測定後のA懸濁液に、そのまま、試薬の塩化ナトリウム(NaCl:58.44,min.99.0%)1.0g(1.0g as NaCl)を加えて、マグネチックスターラ―付ホットプレート上で加熱し、液温を70℃±2℃に保ちながら60分間撹拌し、ついで、冷水浴上冷却して、液温が30℃以下に下がったら、脱イオン水を加えて全量を101gとなし、同様にpHを測定(/20℃〜30℃)した(B懸濁液、pH:B)。
尚、原料粘土のpHは、後述の比較例1のように該原料粘土にアルカリ剤を全く加えない以外は同様の工程を経て同様形状の造粒物を得、該造粒物を試料として上記方法により測定したものである。
[2]置換性水素指数:IH
H=(BH−AH)×1010
式中、AHは、粒状品試料が脱イオン水に1重量%濃度で分散された懸濁液での水素イオン濃度(mol/l)、BHは、該懸濁液100gに1gの塩化ナトリウムを加えて、70℃で60分間処理したのちの水素イオン濃度(mol/l)である。

<計算>
上記のpH測定で求められたpH値[A]とpH値[B]より、それぞれの水性懸濁相における水素イオン濃度[AH]と水素イオン濃度[BH]を求めて上記式に代入し、置換性水素指数IHを算出した(小数点以下4捨5入)。
[3]置換性ナトリウム含有量(meq/100g)(日本土壌肥料学会監修「土壌標準分析・測定法」に一部準拠)
粒状品試料約5gを乳鉢で粉砕し、100メッシュの篩を全通させて粉末試料(≦150μm)となし、該粉末試料2gをポリエチレン製密閉フタ付きの50ml遠心管にとり、1M酢酸アンモニウム25mlを加えて1時間浸透する。その後遠心分離機にかけて試料を沈着させる。上澄液を乾燥ろ紙でろ過し、ろ液中のNa濃度を発光分光分析(ICP)により定量し、試料100g(150℃乾燥基準)当たりの置換性ナトリウム(Na)含有量(meq/100g)を算出した。
[4]アンモニア脱臭能:DODN
450ml容の広口ガラス瓶(口径:58.5mm、ポリエチレン製中蓋・ポリプロピレン製ネジ蓋付、中蓋の中央部には注入口ゴム栓を付設)の底部に、粒状品試料100gを秤取して平らに敷き容れる。臭気源として0.7(W/V)%アンモニア水溶液1mlを試料上に垂直に滴下し、直ちに密封して室温(20−30℃)で20分間静置後、北川式ガス検知管(アンモニアガス検知用)を用いてヘッドスペースのアンモニア濃度[AMCR](ppm)を測定した。比較試料の測定は、同場所でほぼ同時に行った。
ブランク濃度[AMCB]の測定は、試料を容れないブランクサンプルを作成し、別個に同場所でほぼ同時に行った。測定の結果、ブランク濃度[AMCB]は4000ppmであった。通常、ブランク濃度[AMCB]は3500〜4500ppmの範囲となる。
得られたアンモニア濃度及びブランク濃度を下記式に代入し、アンモニア脱臭能を算出した。

DODN={([AMCB]−[AMCR])/[AMCB]}×100
=(4000−[AMCR])/40
[5]メルカプタン脱臭能:DODS
450ml容の広口ガラス瓶(口径:58.5mm、ポリエチレン製中蓋・ポリプロピレン製ネジ蓋付、中蓋の中央部には注入口ゴム栓を付設)の底部に、粒状品試料100gを秤取して平らに敷き容れる。臭気源として0.32(W/V)%エチルメルカプタン水溶液1mlを試料上に垂直に滴下し、直ちに密封して室温(20−30℃)で5分間静置後、北川式ガス検知管(エチルメルカプタンガス検知用)を用いてヘッドスペースのエチルメルカプタン濃度[EMCR](ppm)を測定した。比較試料の測定は、同場所でほぼ同時に行った。
ブランク濃度[EMCB]の測定は、試料を容れないブランクサンプルを作成し、別個に同場所でほぼ同時に行った。測定の結果、ブランク濃度[EMCB]は40ppmであった。通常、ブランク濃度[EMCB]は35〜45ppmの範囲となる。
得られたデータを下記式に代入し、メルカプタン脱臭能を算出した。

DODS={([EMCB]−[EMCR])/[EMCB]}×100
=(40−[EMCR])×2.5
[6]脱臭性総合評価
ペットの糞尿から発生する悪臭ガスに対する脱臭性の評価として、塩基性臭気に分類され窒素(N)系悪臭ガスであるアンモニアに対する脱臭能と、酸性臭気に分類され硫黄(S)系悪臭ガスであるエチルメルカプタンに対する脱臭能とを測定し、その結果から、脱臭性について下記評価基準により3段階にて区分評価することとした。

<脱臭性の総合評価基準>
◎:DODN≧99.50 and DODS≧95.0
アンモニア脱臭能とメルカプタン脱臭能の両方ともに極めて高く、ペットの尿と糞から発生する窒素系と硫黄系の全ての高濃度悪臭に対する脱臭効果が期待できるので、基材だけでペット用のトイレ砂として使用でき、他の添加剤は不要。

○:99.50>DODN≧99.00 and 95.0>DODS≧91.0
アンモニア脱臭能とメルカプタン脱臭能の両方ともに或る程度高いが、室内の温度や湿度の環境条件により高濃度の悪臭が発生した時などは基材の脱臭作用だけでは不十分。

△:DODN<99.00 or DODS<91.0
アンモニア脱臭能とメルカプタン脱臭能の一方または両方がやや低く、現在市販のベントナイト系猫砂の最高レベルまで高める為には、他の防臭剤や消臭剤(芳香剤)の添加も必要。
[7]初期膨潤指数:SES
ES=(V60/V5)×102・・・・・・(2)
式中、V5は、所定の擬似尿電解質溶液中での試料の浸漬直後の見掛堆積量(ml/2g)、V60は、同60秒後の見掛膨潤量(ml/2g)である。

<測定法>
100ml容メスシリンダー(内径:27.5mm)に、前述の擬似尿電解質溶液100mlを容れ、粒状品試料2gをシリンダー上部液面から静かに落とし入れる。全試料がシリンダー底部に落下到達した時点より5秒時点の見掛堆積量(V5)と60秒後の見掛膨潤量(V60)を0.5ml刻みで読み取り、上記式(2)に代入して初期膨潤指数SESを算出した。
[8]固化吸尿能:CUS
US=[8/(MA−8)]×102・・・・・・(3)
式中、MAは所定の擬似尿電解質溶液8gを吸収した固化塊状物の重量(g)である。
尚、固化吸尿能CUSは、単位は無次元であるが、擬似尿電解質溶液に対する固化塊状物を構成している粒状品試料の100g当たりの吸液量(g)を意味している。

<測定法>
深さが15cm以上である方形または円筒形のトレイ(容器)に、あらかじめ150℃で3時間乾燥した後シリカゲルを敷き詰めたデシケータ中で1時間放冷した粒状品試料を約15cmの深さに敷き詰め、表面を平らにしてから、擬似尿電解質溶液8gを1cmの高さから10秒間で注下して得られた固化塊状物を10分後に取り出し、重量MA(g)を測定する。前記式(3)に代入して固化吸尿能CUSを算出した。
[9]固化性総合評価
<吸尿固化時間>
容量30ml(内経:28mm)のガラス製サンプル瓶に、粒状品試料2gを秤取し、擬似尿電解質溶液5gを静かに加え入れて静置し、目視により該溶液の大部分が吸収されて泥状化したところで容器を45度前後に傾け、泥状化部分の流動性を観察する。その後10秒間隔ぐらいで同様の操作を行い、流動しなくなった時点を終点としてその間の時間を計測し、吸尿固化時間(sec)を測定した。

<固化性の総合区分評価>
上記吸尿固化時間から判る固化スピードと、前記固化吸尿能測定において擬似尿電解質溶液吸収固化後10分後に取り出した該固化塊状物についての取り出し時の手指の触感と、下記震とう条件下に電磁式ふるい震とう器(形式:AS200/Retsch社製)にかけて部分的に崩壊させた後にふるい面(目開き:13.2mm)上に残存する塊状物の崩壊状態の目視観察等を総合し、固化性について下記評価基準によりA〜Eの5段階にて区分評価した。
〈震とう条件〉
振幅:1.0mm(上下動)×円運動(水平方向)
震とう数:3000回/min(分) 震とう時間:1min(分)

<固化性の総合評価基準>
A:吸尿固化時間が60秒以下と短く、固化塊状物は手指で殆ど乃至全く崩壊することなく堅い塊として取り出せ、震とう試験でも塊状物は外側が部分的に崩壊するものの約75%以上の塊りが残存しており、極めて優れた固化性を示した。

B:吸尿固化時間が120秒以下であり、固化塊状物は手指で殆ど崩壊することなく堅い塊として取り出せ、震とう試験でも塊状物は外側が部分的に崩壊するものの約50%以上の塊が残存しており、優れた固化性を示した。

C:吸尿固化時間が120秒以下であり、固化塊状物は手指で殆ど崩壊することなく堅い塊として取り出せ、震とう試験でも塊状物は外側から崩壊が進むものの約25%以上の塊が残存しており、実用的には十分な固化性を示した。

D:吸尿固化時間が120秒超であり、固化塊状物は手指で静かに扱えば塊として取り出せるが、震とう試験では塊状物が殆ど乃至全く崩壊して塊が残存せず、実用的に十分な固化性は得られなかった。

E:吸尿固化時間が300秒超であり、固化塊状物は手指で静かに扱っても殆ど乃至大半が崩壊して塊としては取り出せず、実用的に不十分な固化性であった。
実施例1〜7で得られた活性ベントナイト粒状品は、いずれも置換性水素指数IHが8以上であり優れた脱臭性能を有するものであった。また、置換性ナトリウム含有量が20meq/100g以上であることから固化性能についても優れた評価が得られた。
加えて、初期膨潤指数SESが130以上であることから短時間で多くの尿を吸収し、固化吸尿能CUSが50以上であることから吸尿能力が高く少ない量で多量の尿を吸収できるものであった
また、実施例1,2,5,6で得られた活性ベントナイト粒状品は、いずれも置換性水素指数の値が非常に高いため脱臭能の点において特に優れており、ペット用トイレ砂基材として十分な固化性と非常に高い脱臭性を併せ持つ優れたものとなった。


また、実施例4で得られた活性ベントナイト粒状品は、各実施例の中で最も置換性ナトリウム含有量が高かったため、ペット用トイレ砂基材として十分な脱臭能を持ちながらも非常に優れた固化性を有し、初期膨潤指数、固化吸尿能、吸尿固化時間のいずれにおいても非常に優れた結果が得られた。
次に、本願の活性ベントナイト粒状品についての比較例を記載し、従来品と本発明品の差異と優劣を明らかにする。
比較例1
実施例1において、同原料粘土にアルカリ剤を全く加えない以外は同様の工程を経て、同様形状の造粒物を得た。アルカリ剤を添加しない本試料は、実施例1〜4の対照例(ブランク)である。
比較例2
新潟県新発田市所在の鉱床で、活性ベントナイト製品の原料用鉱区から採掘されたものであって、1重量%水性懸濁液のpHが10.3であり、且つ置換性水素指数IHが25であるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を原料とし、必要に応じて水を添加し、水分含有率が33%の粗砕物を得た。150℃乾物換算で2.5kgの該粗砕物とアルカリ剤として顆粒状(粒径:45〜250μmが90%以上)の炭酸ナトリウムをNa2CO3として12.5g(外配合率:0.5%;0.29%/Na2O)を同一ポリエチレン製袋に入れてよく振り混ぜてから、孔径10mmの成形板の付いた単軸型押出式造粒機に3回かけて混合・捏和する。該粗造粒物を孔径3mmの成形板の付いたデスクペレッターを用いて造粒し、ステンレス鋼製の網かごに取り入れ、170℃に温度設定した大型送風乾燥器に入れて約4時間かけて乾燥する。放冷後、解砕機と篩分機にかけて、短径:約3mm、長径:4〜7mmの円柱状造粒物を得た。
比較例3
比較例2において、炭酸ナトリウムの配合量をNa2CO3として38g(外配合率:1.50%;0.88%/Na2O)とする以外は同様の方法で実施した。
比較例4
比較例2において、炭酸ナトリウムの配合量をNa2CO3として75g(外配合率:3.00%;1.75%/Na2O)とする以外は同様の方法で実施した。
比較例5
比較例4において、孔径10mmの成形板の付いた単軸型押出式造粒機に3回かけて混合・捏和したものを再びポリエチレン製袋に取り入れ室温で24時間放置・熟成し、該熟成後の粗造粒物を孔径3mmの成形板の付いたデスクペレッターを用いて造粒し、ステンレス鋼製のバットに取り入れ、150℃に温度設定した箱型乾燥器に入れて約10時間かけて乾燥を行う以外は同様の方法で実施した。
(本比較例の製法は、特許文献2(特開2000−288384号)の実施例1に記載された製法に類似の方法である。)
比較例6
比較例4において、アルカリ剤として顆粒状の炭酸ナトリウムに替えて20%水溶液の水酸化ナトリウムを使用し、配合量をNaOHとして56.5g(外配合率:2.26%;1.75%/Na2O)とし、乾燥を150℃に温度設定した箱型乾燥器に入れて約12時間かけて行う以外は同様の方法で実施した。
(本比較例の製法は、特許文献4(特開2004−73053号)の実施例2に記載された製法に類似の方法である。)
比較例7
新潟県新発田市所在の鉱床で、酸性白土製品の原料用鉱区から採掘されたものであって、1重量%水性懸濁液のpHが8.5であり、且つ置換性水素指数IHが1553であるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を原料とし、必要に応じて水を添加し、水分含有率が33%の粗砕物を得た。150℃乾物換算で2.5kgの該粗砕物とアルカリ剤として顆粒状(粒径:45〜250μmが90%以上)の炭酸ナトリウムをNa2CO3として75g(外配合率:3.0%;1.75%/Na2O)を同一ポリエチレン製袋に入れてよく振り混ぜてから、孔径10mmの成形板の付いた単軸型押出式造粒機に3回かけて混合・捏和する。該粗造粒物を孔径3mmの成形板の付いたデスクペレッターを用いて造粒し、ステンレス鋼製のバットに取り入れ、150℃に温度設定した箱型乾燥器に入れて約10時間かけて乾燥する。放冷後、ポットミル粉砕機にかけて粉砕し、100メッシュの篩を通して粒径が150μm以下の粉末を得る。得られた粉末と所要量の水を同一ポリエチレン製袋に入れてよく振り混ぜてから、孔径5mmの成形板の付いた単軸型押出式造粒機に2回かけてよく混合・捏和し、さらに孔径3mmの成形板の付いたデスクペレッターを用いて造粒し、ステンレス鋼製のバットに取り入れ、箱型乾燥器に入れて120℃で約15時間かけて乾燥した。放冷後、解砕機と篩分機にかけて、短径:約3mm、長径:4〜7mmの円柱状造粒物を得た。
(本比較例の製法は特許文献1(特開平1−269440号)の実施例に記載された膨潤性粘土鉱物の製法に類似の方法である。)
以上の比較例1〜比較例7によって得られたペットのトイレ砂用基材について各種物性測定と性能試験を行った結果が図5に示されている。
比較例1は、実施例1〜4の原料粘土であり対照例(ブランク)でもあるが、置換性水素指数IHが62と非常に高いため脱臭性能はかなり高いが、置換性ナトリウム含有量は2meq/100gと極めて少量であるため固化性を殆ど有せず、そのままではペットのトイレ砂用基材として不適である。
比較例2〜4は、置換性水素指数IHが25である従来から活性ベントナイト製品用には好ましく用いられてきたジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を原料にして、炭酸ナトリウムの添加量を変量し、実施例1〜5と同様のアルカリ処理を行ったものである。
比較例2にて得られた活性ベントナイト粒状品は、置換性水素指数IHは15とかなり高いため脱臭性能は高いが、置換性ナトリウムが7meq/100gと極めて少量であるため固化性を殆ど有しなかった。一方、比較例4にて得られた活性ベントナイトは、置換性ナトリウム含有量は49meq/100gと従来品の範囲内であり固化性は実用的に十分であったが、置換性水素指数IHが5と低く脱臭性能は実施例1〜7の活性ベントナイトと比べて低く、ペットのトイレ砂用基材として用いる場合には消臭剤等の添加を必要とするものである。また、比較例3は比較例2と4の中間的な性能を示し、脱臭性と固化性のいずれにおいても、実用的に十分とは言えないものであった。
比較例5は、特許文献2(特開2000−288384号)の実施例1に記載された製法に類似の方法で製造したものであり、置換性ナトリウム含有量は45meq/100gであり固化性は実用的に十分であるが、置換性水素指数IHは4と低く、脱臭性能は本発明の実施例に比べて低く、ペットのトイレ砂用基材として用いる場合には消臭剤等の添加を必要とするものである。
比較例6は、特許文献4(特開2004−73053号)の実施例2に記載された製法に類似の方法で製造したものであり、置換性ナトリウム含有量は43meq/100gであり固化性は優れているが、置換性水素指数IHは5と低く、脱臭性能は本発明の実施例に比べて低く、ペットのトイレ砂用基材として用いる場合には消臭剤等の添加を必要とするものである。
比較例7は、特許文献1(特開平1−269440号)の実施例に記載された膨潤性粘土鉱物の製法に類似の方法で製したものであり、置換性ナトリウム含有量は40meq/100gであり固化性は実用的に十分であるが、置換性水素指数IHは6と低く、脱臭性能は本発明の実施例に比べて低く、ペットのトイレ砂用基材として用いる場合には消臭剤等の添加を必要とするものである。
さらに、他社市販品(ペットのトイレ砂)より取り出したペットのトイレ砂用基材について同様の検討を行い、他社市販品と本発明品の差異と優劣を明らかにする。
参考例1
日本国内のA社から販売されている市販の猫砂商品から、消臭機能や抗菌防臭機能を付与した着色粒などを除去した活性ベントナイト系基材(円柱状造粒物)である。
本品は、水性懸濁液のpHが高く置換性ナトリウム含有量も多いことからアルカリ剤として水酸化ナトリウムを用いている可能性が高いものである。
参考例2
日本国内のB社から販売されている市販の猫砂商品から、消臭機能や抗菌防臭機能を付与した着色粒などを除去した活性ベントナイト系基材(円柱状造粒物)である。
本品は、粒の表面状態の顕微鏡観察等から判断して、前述の比較例7のように、粉砕工程を経たベントナイトの粉末に水を添加して円柱状に押出造粒し、乾燥して製した可能性が高いものである。
以上の参考例1と参考例2によって得られたペットのトイレ砂用基材について各種物性測定と性能試験を行った結果が図6に示されている。
参考例1は、市販の猫砂(A社品)から着色粒を除いて基材だけを集めたものであるが、置換性ナトリウム含有量は78meq/100gであり固化性は実用的に十分であるが、置換性水素指数IHは3と低く、脱臭性能は本発明の実施例に比して低い。
また、参考例2は、市販の猫砂(B社品)から着色粒を除いて基材だけを集めたものであるが、置換性ナトリウム含有量は56meq/100gであり固化性は優れているが、こちらも置換性水素指数IHは6と低く、脱臭性能は本発明の実施例に比して低い。
以上説明したように、本発明に係るペットのトイレ砂用基材は、優れた脱臭能と凝集固化性能を両立するものであり、消臭剤・脱臭剤等を添加せずとも十分な脱臭性能が期待できるものである。
1 活性ベントナイト粒状物
11a ベントナイト粒塊(吸水前)
11b 同ベントナイト粒塊(大量吸水、固化)
11c 同ベントナイト粒塊(軽度の吸水)
12 固形炭酸ナトリウム粒子(アルカリ種)
13 尿(水分)

Claims (8)

  1. 天然のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土をナトリウム化合物にてアルカリ処理してなる活性ベントナイトの粒状品であって、
    下記の式(1)で定義される置換性水素指数IHが8以上であり、且つ1M酢酸アンモニウム水溶液で抽出される置換性ナトリウム含有量が20meq/100g以上であることを特徴とするペットのトイレ砂用基材。

    H=(BH−AH)×1010・・・・・・・・・・式(1)
    (式中、AHは、1重量%水性懸濁液での水素イオン濃度(mol/l)、
    Hは、同懸濁液100gに1gの塩化ナトリウムを加えて70℃で
    60分間処理したのちの水素イオン濃度(mol/l)である。)
  2. 前記ナトリウム化合物は、炭酸ナトリウム及び/又は水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載のペットのトイレ砂用基材。
  3. 前記置換性水素指数IHが10以上であることを特徴とする請求項1に記載のトイレ砂用基材。
  4. 下記の式(2)で定義される初期膨潤指数SESが130以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のペットのトイレ砂用基材。

    ES=(V60/V5)×102・・・・・・・・・・式(2)
    (式中、V5は、所定の擬似尿電解質溶液に5秒浸漬した後の見掛堆積量
    (ml/2g)、V60は、同電解質溶液に60秒浸漬した後の見掛膨潤量
    (ml/2g)、また、前記電解質溶液は、各イオンが以下の濃度
    (meq/kg)で含まれたものである。)
    Ca2+
    Mg2+
    + 120
    Na+ 250
    Cl- 150
    SO4 2- 80
    HCO3 - 70
    2PO4 - 80
  5. 下記の式(3)で示される固化吸尿能CUSが50以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のペットのトイレ砂用基材。

    US=[MP/(MA−MP)]×102・・・・・・・・・・式(3)
    (式中、MAは、所定の擬似尿電解質溶液MP(g)を吸収した固化塊状物の重量
    (g)、また、前記電解質溶液は、各イオンが以下の濃度(meq/kg)で
    含まれたものである。)
    Ca2+
    Mg2+
    + 120
    Na+ 250
    Cl- 150
    SO4 2- 80
    HCO3 - 70
    2PO4 - 80
  6. 下記の式(4)で示されるアンモニア脱臭能DODNが99.50以上であり、且つ、下記の式(5)で示されるメルカプタン脱臭能DODSが95.0以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のペットのトイレ砂用基材。

    DODN={([AMCB]−[AMCR])/[AMCB]}×100
    ・・・・・・・・・・式(4)
    (式中、AMCRは、密閉容器に粒状活性ベントナイト100(g)を敷き容れ、
    これに0.7(w/v)%アンモニア水溶液1mlを滴下して室温で20分間
    静置した後のアンモニア濃度(ppm)、
    また、AMCBは、同条件で粒状活性ベントナイトを容れなかった場合のブランク
    濃度(ppm)である。)

    DODS={([EMCB]−[EMCR])/[EMCB]}×100
    ・・・・・・・・・・式(5)
    (式中、EMCRは、密閉容器に粒状活性ベントナイト100(g)を敷き容れ、
    これに0.32(w/v)%エチルメルカプタン水溶液1mlを滴下して室温で
    5分間静置した後のエチルメルカプタン濃度(ppm)、
    また、EMCBは、同条件で粒状活性ベントナイトを容れなかった場合のブランク
    濃度(ppm)である。)
  7. ペットのトイレ砂用基材の製造方法であって、
    1重量%水性懸濁液のpHが9.8以下、且つ、下記の式(1)で定義される置換性水素指数IHが60以上であるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を5〜20mm程度の塊となるよう粗砕する粗砕工程と、
    前記粗砕した粘土を、該粘土100重量部(乾燥重量)に対してNa2O換算で0.8〜3.6重量部の粉末状乃至粒状のナトリウム化合物と混合・捏和する混練工程と、
    前記混練された混合物を長径:4〜7mm、短径:2〜4mmの粒状物となるよう造粒する造粒工程と
    前記造粒物を、150〜250℃の雰囲気下で3〜5時間、又は、250℃以上の雰囲気下で0.3〜3時間、のいずれかの条件で乾燥する乾燥工程と、を含
    完成品であるペットの砂用基材は、前記置換性水素指数I H が8以上であり、且つ1M酢酸アンモニウム水溶液で抽出される置換性ナトリウム含有量が20meq/100g以上であることを特徴とする、ペットのトイレ砂用基材の製造方法。
    H =(B H −A H )×10 10 ・・・・・・・・・・式(1)
    (式中、A H は、1重量%水性懸濁液での水素イオン濃度(mol/l)、
    H は、同懸濁液100gに1gの塩化ナトリウムを加えて70℃で
    60分間処理したのちの水素イオン濃度(mol/l)である。)
  8. 前記ナトリウム化合物は、炭酸ナトリウム及び/又は水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項7に記載のペットのトイレ砂用基材の製造方法。
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