JP5622416B2 - 厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、厨芥もしくは厨芥を主に含む廃棄物を水で懸濁し、脱水を行った後、その脱水液を循環再利用し、さらに厨芥類の懸濁液の液化を行うことで、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化を達成することができる工業的に非常に有効な厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法に関するものである。
現在、焼却により処分されている一般廃棄物は、国内において年間約3800万tであり、そのうち厨芥類は家庭系と事業系を併せて600万t以上である。
近年、政府は「食品の売れ残りや食べ残しにより、又は食品の製造過程において大量に発生している食品廃棄物について、発生抑制と減量化により最終的に処分される量を減少させるとともに、飼料や肥料等の原材料として再生利用するため、食品関連事業者(製造、流通、外食等)による食品循環資源の再生利用等を促進する」ことを目的に、食品リサイクル法が制定されている(平成13年5月1日施行、平成19年6月13日改正)。
実際に、食品関連事業から排出される食品廃棄物は、平成19において肥料化37%、飼料化35%の利用が行われ(農林水産統計 食品循環資源の再生利用等実態調査結果の概要 平成19年度結果)、またメタン発酵によるエネルギー回収も検討されている。
近年では、事業系食品廃棄物や給食残渣からバイオエタノールを生産することが、環境省等の補助事業開発により検討されている。しかし、前述の焼却処理されている一般廃棄物中の厨芥類600万tは、事業系だけでなく家庭系をも含めた値であり、これら厨芥類の利活用方法の確立は、以下の理由より非常に重要である。
すなわち、まず多くの厨芥が含まれる廃棄物は、水分が多く、発熱量が低いために、焼却熱を利用した発電能力が低下し、また焼却処理自体が不安定になるために、助燃剤を利用する必要がある。また将来的には、リサイクル等が推進され、現状の廃棄物中に多く含まれているプラスチック類や紙類が減少し、厨芥の比率が多くなることが考えられ、焼却以外の処理方法の確立が望まれている。
つぎに、環境問題を考慮すると、カーボンニュートラルであるバイオマス原料としての厨芥を何かしらのエネルギー代替物やリファイナリー原料に変換することが望まれる。農業が衰退しがちな我が国の事情では、農産廃棄物からのバイオマス資源の確保が困難であり、未利用林地残材等の利活用も、収集方法やコスト等の問題が多い状況であり、バイオマス原料の分散型集積施設として廃棄物処理施設に集積する厨芥類の利活用方法が必要とされている。
また、厨芥もしくは厨芥を主に含んだ廃棄物は、その組成および含水率にムラがあり、バイオマス資源として利用する際には均質化をすることが望ましい。さらに、その価値を高めるためには原料の濃度が高い、すなわち含水量が低いことが望ましい。濃度を高くすることで、バイオマス資源として処理する槽容量を減少し、最終的にエタノールなどの生成物の濃度を高めることが可能になる。また、厨芥類の中に含まれているバイオマス資源として処理するには適さないプラスチック類や、場合によっては割り箸等を取り除く必要があり、これら厨芥類のバイオマス原料の前処理方法が必要とされている。
例えば、下記の特許文献1には、デンプン質を含む廃棄物原料から30〜60%のペレットを形成し、固体発酵による同時糖化発酵を行う方法が記載されている。
また、下記の特許文献2には、生ごみを乳酸等の作用でpHを低下させて糖液を回収しやすくする方法や原料の生ごみを回転ブレードまたは回転ドラムの中で糖化処理する方法について記載されている。
さらに、下記の特許文献3には、生ごみを粉砕後、デンプン濃度を調整し、糖化酵素を加えて糖化を行い、Zymomonas mobilis菌を用いてアルコール発酵を行い、エタノールを得る方法が記載されている。
特開2005−65695号公報 特開2006−325577号公報 特開2007−111590号公報
しかしながら、厨芥類系廃棄物中に多く含まれるバイオマス資源をできるだけ多く回収するためには、厨芥類を多く回収し、かつ発酵不適物や難発酵物質をできるだけ多く取り除き、さらに原料濃度を高くする必要があるが、上記従来の特許文献に記載の技術では、充分な処理を行うことができず、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化を達成することができないという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、厨芥類系廃棄物から最終的に高濃度のバイオマス原料を得ることができるため、結果的に目的生産物の濃度が高くなるとともに、処理設備が小規模になって、設備コストが低減することができ、一般廃棄物である厨芥類系廃棄物由来のバイオマス資源の利用適応範囲が広がることで、炭酸ガス排出量が低減し、排出権取引に利用できる、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、厨芥もしくは厨芥を主に含む廃棄物を水で懸濁し、厨芥類系廃棄物の懸濁液に酵素を加えて液化処理を行い、酵素による液化処理後の厨芥類系廃棄物の懸濁液を脱水した後、その脱水液を循環再利用し、さらに厨芥類の懸濁液に酵素を加えて液化を行うことで、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法の発明は、厨芥類を主に含む厨芥類系廃棄物を希釈水に懸濁させて、懸濁液を生成する工程と、厨芥類系廃棄物の懸濁液に酵素を加えて液化処理を行う工程と、酵素による液化処理後の厨芥類系廃棄物の懸濁液を脱水して、微生物の資化成分が高濃度化された厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料と、細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液とを生成する工程と、脱水により生成した細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程の希釈水として再利用する工程とからなることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法であって、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程において、異物除去処理を行うことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法であって、厨芥類系廃棄物の懸濁液の脱水工程から排出された細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の濃度調整処理に利用することを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法であって、処理温度が、60℃〜95℃であることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法であって、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程および/または厨芥類系廃棄物の懸濁液の液化処理工程において、処理液のpHを調整することを特徴としている。
請求項1の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法の発明は、厨芥類系廃棄物の懸濁液に酵素を加えて液化処理を行う工程と、酵素による液化処理後の厨芥類系廃棄物の懸濁液を脱水して、微生物の資化成分が高濃度化された厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料と、細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液とを生成する工程と、脱水により生成した細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程の希釈水として再利用する工程とからなることを特徴とするもので、請求項1の発明によれば、厨芥類を主に含む厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化が図られ、その後の目的生産物の高濃度化を実現し、また、上記厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化により、処理設備が小規模になり、設備コストが低減し、さらに、上記厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化により、原料としての利用範囲が広まることで、廃棄物からの資源回収量が増え、炭酸ガス排出量の低減につながり、排出権取引に用いることができるうえに、処理中の細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を循環利用することで、排水処理を大幅に低減することができるという効果を奏する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法であって、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程において、異物除去処理を行うことを特徴とするもので、請求項2の発明によれば、厨芥類を一度水で希釈することにより、異物を除去することができ、このように、厨芥類の懸濁液から異物を除去後、脱水することにより、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化が可能であるという効果を奏する。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法であって、厨芥類系廃棄物の懸濁液の脱水工程から排出された細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の濃度調整処理に利用することを特徴とするもので、請求項3の発明によれば、処理中の細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を循環利用することで、排水処理を大幅に低減することができるという効果を奏する。
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法であって、処理温度が、60℃〜95℃であることを特徴とするもので、請求項4の発明によれば、厨芥類系廃棄物の原料は、廃棄物由来であるため、多くの雑菌が含まれており、一連の反応もしくはその一部を60℃〜95℃の温度で処理することにより、雑菌由来の不必要な原料の腐敗および細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液の腐敗を防ぐことができるという効果を奏する。
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法であって、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程および/または厨芥類系廃棄物の懸濁液の液化処理工程において、処理液のpHを調整することを特徴とするもので、請求項5の発明によれば、例えばエタノール発酵に適した厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料を調製することができるという効果を奏する。
本発明の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法の実施の形態を示すブロック図である。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明による厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法の実施の形態を示すブロック図である。
同図を参照すると、本発明による厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法は、厨芥類を主に含む厨芥類系廃棄物を希釈水に懸濁させて、懸濁液を生成する工程と、厨芥類系廃棄物の懸濁液に酵素を加えて液化処理を行う工程と、酵素による液化処理後の厨芥類系廃棄物の懸濁液を脱水して、微生物の資化成分が高濃度化された厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料と、細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液とを生成する工程と、脱水により生成した細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程の希釈水として再利用する工程とからなることを特徴としている。
ここで、廃棄物由来の厨芥類は多くの夾雑物が含まれており、バイオマス資源として活用する際にはその組成および含水率の均質化処理が必要であり、さらにバイオマス資源としての価値を高めるために原料の高濃度化処理および原料不適物の除去処理が必要となる。
本発明では、このような厨芥類の処理方法の確立において、比較的容易と考えられるデンプン質の利用に焦点を当てた、液化すなわち糖化処理のみでは生ごみ中に含まれている野菜くず由来などの繊維分の利用が不十分になる。家庭系や事業系食品廃棄物といった原料の種類に関わらず、バイオマス資源の価値を高めるための処理として、前述の均質化処理、原料不適物の処理、および原料の高濃度化方法の確立とともに、雑菌の影響を受けない方法が必要である。
ところで、一般廃棄物由来の厨芥類は、野菜くずなどの原型を留めているものや、穀類由来の高デンプン質なものが含まれており、さらに厨芥のみでなくプラスチック類や割り箸など、発酵不適物や難発酵基質が含まれている。これを水および循環水で懸濁を行うことで、均質化、微細化を行う。懸濁処理工程中の処理濃度は、原料の水含量や、懸濁処理に用いる機械の能力、原料の性状や形状に左右されるが、固形分濃度が2%から15%程度が望ましく、さらに5%から10%が望ましい。
懸濁処理後、脱水処理により原料の固形分を回収し、脱水した処理用水は厨芥類の懸濁用に再利用する。厨芥類系廃棄物の懸濁液の脱水工程から排出された細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程の希釈水として再利用するのが好ましい。
なお、脱水処理を行う前には、スクリーン等を用いて不適物を除去する。本発明においては、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程において、スクリーンによる異物除去処理を行うことが好ましい。
さらに、これら一連の処理におけるすべてもしくは一部において好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上で行うことにより、雑菌の繁殖を抑制もしくは殺菌を行うことができ、原料の流動性の向上を図ることもできる。
さらに一連の工程中に酵素を用いた液化工程を含むこともでき、脱水率の向上とともに、用水の糖濃度を向上させることもできる。用水中の糖をはじめとする有機物濃度を一定になるように用水の循環利用を行うことで、均質な有機物濃度を持つ水を得ることもできる。
そしてまた、厨芥類系廃棄物の懸濁液の脱水工程から排出された細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の濃度調整処理に利用する。
ここで、上記のように、厨芥類系廃棄物は、野菜くずなど原形を留めているため、水で懸濁することで均一化及び微細化する。この懸濁処理中に、バイオマス原料として不適なものを分離除去する工程を入れることができる。
そして、厨芥類系廃棄物の懸濁液は、機械的な脱水機への導入が可能であり、さらに、機械的な脱水工程で発生した脱水液中には、細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれているため、この用水を懸濁水として再利用することで未回収成分の回収を行うことができる。
各工程の処理温度は、60℃〜95℃とするのが好ましい。ここで、厨芥類系廃棄物の原料は、廃棄物由来であるため、多くの雑菌が含まれており、一連の反応もしくはその一部を60℃〜95℃、好ましくは70℃〜85℃で実施することにより、雑菌由来の不必要な原料の腐敗および用水の腐敗を防ぎ、雑菌の繁殖を抑えることができる。
また、本発明の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法において、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程および/または厨芥類系廃棄物の懸濁液の液化処理工程において、処理液のpHを調整することが好ましく、このように、処理液のpHを調整することにより、例えばエタノール発酵に適した厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料を調製することができる。
本発明の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法によれば、厨芥類を主に含む厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化が図られ、その後の目的生産物の高濃度化が実現する。
本発明の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法によれば、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化により、処理設備が小規模になり、設備コストが低減する。
本発明の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法によれば、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の微生物の資化成分の高濃度化により、原料としての利用範囲が広まることで、廃棄物からの資源回収量が増え、炭酸ガス排出量の低減につながり、排出権取引に用いることができる。
本発明の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法によれば、細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を循環利用することで、排水の処理が少なくなる、もしくは無くなる。
つぎに、本発明の実施例を説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
実施例1
家庭から発生した生ごみ(1)、および食堂から発生した2種類の生ごみ(2)(3)を用いて、ミキサーにより懸濁処理を行った。懸濁時に適宜加水し、ミキシングが可能なギリギリの濃度で懸濁処理を行った。さらに、得られた懸濁物30gに、100mM酢酸バッファー(pH4.5)を5ml加え、酵素(Celic Ctec)2mlを加えることで、厨芥の懸濁物の糖潜在量(グルコース潜在量)、および実際のグルコース濃度を求めた。得られた結果を、下記の表1に示した。
Figure 0005622416
この表1の結果から明らかなように、厨芥類の懸濁物の最終スラリー濃度は、いずれの場合も12%に届かず、実際のグルコース濃度は、最大でも3.5%程度であった。従って、これをエタノール発酵の原料とした場合には、最大でもエタノール濃度が2 vol%に満たなくなるため、蒸留によるエネルギーが多く必要になり、エネルギー回収率が悪くなってしまう。
つぎに、本発明の方法により、厨芥類系廃棄物の懸濁液に酵素を加えて液化処理を行い、さらに、酵素による液化処理後の厨芥類系廃棄物の懸濁液を脱水して、微生物の資化成分が高濃度化された厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料と、細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液とを生成した。ここで、脱水により生成した細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液は、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程の希釈水として再利用した。
そして、酵素による液化処理後、脱水して得られた微生物の資化成分が高濃度化された厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の脱水物について、同様に、酵素によりグルコース潜在量を求めたところ、上記の表1に記載のように、いずれの場合もグルコース濃度が大幅に上昇した。
従って、本発明の方法によれば、厨芥懸濁物の酵素による液化処理後に脱水して得られる微生物の資化成分が高濃度化された厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料は、高濃度バイオマス原料として充分に用いることができることが判明した。

Claims (5)

  1. 厨芥類を主に含む厨芥類系廃棄物を希釈水に懸濁させて、懸濁液を生成する工程と、厨芥類系廃棄物の懸濁液に酵素を加えて液化処理を行う工程と、酵素による液化処理後の厨芥類系廃棄物の懸濁液を脱水して、微生物の資化成分が高濃度化された厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料と、細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液とを生成する工程と、脱水により生成した細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を、厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程の希釈水として再利用する工程とからなることを特徴とする、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法。
  2. 厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程において、異物除去処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法。
  3. 厨芥類系廃棄物の懸濁液の脱水工程から排出された細分化された厨芥類成分や厨芥類の水溶性成分が含まれている脱水液を、厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の濃度調整処理に利用することを特徴とする、請求項1または2に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法。
  4. 処理温度が、60℃〜95℃であることを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法。
  5. 厨芥類系廃棄物の懸濁液の生成工程および/または厨芥類系廃棄物の懸濁液の液化処理工程において、処理液のpHを調整することを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の厨芥類系廃棄物由来バイオマス原料の調製方法。
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