JP5620573B2 - オゾン生成システム - Google Patents

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Description

本発明は、高純度酸素を含む原料ガスをオゾン発生装置へ供給する仕組みを有する、オゾン生成システムに関するものである。
オゾン発生装置内に、オゾンガス生成のために、酸素ガスおよび窒素ガスを供給する従来技術として、たとえば特許文献1乃至4などが存在する。
これらの特許文献1乃至4に係る技術では、オゾン発生装置に原料ガスを供給している。ここで、当該原料ガスは、酸素ガスに、数百 PPM(より多くは数千PPM)以上の窒素ガス等が添加されている。そして、当該オゾン発生装置内において、無声放電を利用して、原料ガスからオゾンガスを生成している。このように、酸素ガスに数百、数千PPM以上の窒素ガスを添加することにより、特許文献1−4に係る技術では、高濃度のオゾンガスを生成している。
図12に示すように、特許文献1−4に係るオゾン発生装置330では、無声放電が生じる放電空間に面する放電面(電極301a,301bが対面している主面)がある。当該放電面の少なくとも1方側には、アルミナセラミック材質等の誘電体302が形成されている(だだし、オゾン発生装置330の放電空間に面する放電面は、光触媒物質を伴わない、通常の金属物質や絶縁物質である)。オゾン発生装置330の放電空間に、特許文献1−4に示された多量の窒素を含んだ酸素ガス(原料ガス)に対して交流電圧を印加させ、無声放電が発生する。これにより、当該オゾン発生装置330は、高濃度のオゾンガスを生成している。
特許文献1−4に係るオゾン発生装置330は、粒子衝突解離反応説に基づいて、オゾン発生のメカニズムが説明されている。ここで、粒子衝突解離反応説とは、窒素ガスを添加させた酸素ガスから高濃度のオゾンガスを生成する詳細なメカニズムを説明したものであり、短ギャップ無声放電を発生させることで、高電界放電が実現でき、高エネルギーを有した電子が酸素分子と衝突して、酸素ガスが解離される、というメカニズムを説明したものである。
当該粒子衝突解離反応理論によるオゾン生成では、原料酸素ガスに含まれる窒素添加量(窒素添加の有無)に関わらず、高濃度のオゾンガスが生成できる。しかしながら、原料ガスに多量の窒素ガスを添加しない酸素ガスを原料ガスとした場合には、上記オゾン発生装置330において短ギャップ無声放電を実現したとしても、高濃度のオゾンガスが生成できない事実が実験的に確かめられた。たとえば、実際のオゾン発生装置330では、窒素を含まない酸素ガスを用いると、約200g/m(160000ppm)以上の高濃度のオゾンガスが生成できず、20g/m(9333ppm)程度の低濃度オゾンガスしか生成できない。
以上により、粒子衝突解離反応理論では、図12に示した構成を有するオゾン発生装置330においては、上記高濃度のオゾンガスを生成するメカニズムを十分に説明できない。
オゾン発生装置330におけるオゾンガス発生のメカニズムが、当該粒子衝突解離反応理論によっては説明できないことを、もう少し詳細に述べる。
無声放電(誘電体バリア放電)では、一般的に、放電ギャップ長dとガス圧力Pとに依存して、高電界のプラズマが得られる。一般的に、オゾン発生装置330においては、放電ギャップdは、数mmから短ギャップである0.05mmの範囲であり、ガス圧力Pは、大気圧(0.1MPa)〜0.4MPaの範囲である。当該範囲の放電ギャップ長dと当該範囲のガス圧力Pの下における誘電体バリア放電では、イオン・電子のプラズマ密度は、10(個/cm)〜1010(個/cm)程度である。
プラズマ密度1010(個/cm)のプラズマ中に、多量の窒素(約10000ppm)を酸素ガスに添加した原料ガスを供給した場合、粒子衝突解離反応理論(酸素ガスと電子とが衝突を頻繁に繰り返して、酸素ガスを酸素原子に解離する)では、後述する図13の最大オゾン濃度290g/m(135000ppm)が得られるオゾン分子密度σmax(個/cm)は、下記になる。
つまり、オゾン分子密度σmax={1.35×10/10}×6.02×1023/2.24×10=3.63×1018(個/cm)、である。
また、プラズマ密度1010(個/cm)のプラズマ中に、少量の窒素(約1ppm)を酸素ガスに添加した原料ガスを供給した場合、粒子衝突解離反応理論(酸素ガスと電子とが衝突を頻繁に繰り返して、酸素ガスを酸素原子に解離する)では、後述する図13のオゾン濃度40g/m(32000ppm)が得られるオゾン分子密度σmin(個/cm)は、下記になる。
つまり、オゾン分子密度σmin={3.2×10/10}×6.02×1023/2.24×10=8.6×1016(個/cm)、である。
このように、プラズマ密度が同じだとすると、窒素の多量添加(10000ppm)の場合には、生成されるオゾンの分子密度が3.63×1018(個/cm)となり、窒素の少量添加(1ppm)の場合には、生成されるオゾンの分子密度が8.6×1016(個/cm)となる。
以上のように、窒素添加量に依存して、生成されるオゾンの分子密度が2桁も異なる結果は、高電界放電による粒子衝突解離反応理論では、オゾン発生装置330におけるオゾン生成のメカニズムを十分に説明できていないことを意味している。
そこで、オゾン発生装置330におけるオゾンガス生成のメカニズムは、触媒作用に基づくものであることが、特許文献5に開示されている。
上記したように、プラズマ密度1010(個/cm)であるプラズマ条件下では、粒子衝突解離反応理論を利用した場合、オゾン分子密度は1014〜1016(個/cm)オーダと想定される。一方、実際のオゾン分子密度は、1018(個/cm)と高濃度である。このことから、窒素ガス自身の分子の振る舞いで化学作用効果(たとえば、窒素の触媒反応)が寄与して、上記高濃度オゾンガスが生成できるものと推測される。このような推測を基にして、特許文献5では、高濃度オゾンガスの生成メカニズム(窒素ガスを添加することで、放電中に生成される微量なNOガスとNOガスとの光化学反応で、多量の酸素原子が生成させる作用が働き、結果として高濃度のオゾンガスが生成される)を説明している。ここで、以下において、特許文献5に開示されている内容について、少し説明する。
特許文献5には、多量の窒素ガス(例えば、1%(10000ppm))の添加で、約200g/m(160000ppm)以上の高濃度のオゾンガスが得られる実験事実、および、窒素ガス添加量に応じて、16倍以上の高濃度オゾンガスが生成される実験事実に基づいて、酸素ガスに含まれる多量の窒素ガス自身と放電と間における化学反応的な触媒作用によりオゾンガスが生成されるという、メカニズムを開示されている。
特許文献5では、放電により窒素ガスからNOガスが生成される化学反応が下記で説明されている。
つまり、窒素ガスを含んだ酸素ガスを無声放電が発生している放電空間に供給すると、下記反応式1と下記反応2により、NOガスが生成される。N+e⇒2N (窒素分子のイオン化反応であり、反応式1)、2N+O+M⇒NO(NOの生成反応であり、反応式2)。当該各反応式1,2により、数ppm〜数十ppmのNOガスが生成される。
さらに、特許文献5では、当該反応式1,2で示した反応により生成されたNOガスが、放電光波長エネルギー(hν)により、光解離反応(光化学反応的な触媒作用)を起こし、NOガスと酸素原子(O)とが生成されること(反応式3)、生成したNOガスが酸素分子と酸化反応を起こし、酸素原子(0)とNOガスが生成されること(反応式4)、および反応式3と反応式4とを交互に繰り返すことで、多量の酸素原子(O)が生成されることが開示されている。
ここで、反応式3は、NO+hν⇒NO+O(NOの光解離反応)であり、反応式4は、NO+O(原料ガスの主成分である酸素ガス)⇒NO+O(NOの酸化反応)である。
なお、特許文献5に係る技術では、酸素ガスに対して、窒素添加量を4%以上添加すると、放電によってNOガスが400ppm以上生成され、当該NOガスが酸素(および生成したオゾン)と反応し、例えばN等の窒素化合物ガス(NOxガス)が多く生成されるようになる。そうすると、酸素原子解離反応である反応式3,4よりも、下記に示す反応式5に示すように、生成したオゾンとNOxガスとの化学反応の割合が大きくなり、オゾン分解反応が加速的に起こる。ここで、反応式5は、O+N⇒2O+2NO(不純物によるオゾンの分解)である。
このように、特許文献5に係る技術では、原料ガスに添加される窒素ガスの添加量が4%を超えると、放電で生成した副生成物であるNO等のNOxガスが多く生成されることなり、生成したオゾンガスとNOxガスとの化学反応する割合が増え、生成したオゾンガスを分解させる作用が促進され、高濃度のオゾンガスを取り出すことができなくなる。
以上のように、特許文献5では、粒子衝突解離反応理論によるオゾンガス生成メカニズムでなく、化学反応的な触媒作用によるオゾンガス生成メカニズム(生成した窒素化合物ガスと放電光とを利用した光化学反応により、多量の酸素原子の解離を起こし、当該解離した酸素原子と酸素分子とが効率的に結合することにより、高濃度のオゾンガスが生成さる)が開示されている。
図13には、酸素ガスに含まれる窒素添加率γとオゾン発生装置330で生成されるオゾンガス濃度との関係を示す。ここで、図13の結果を得るに際して、図12に示したオゾン発生装置330において、0.1mmの短ギャップの放電空間、ガス圧力0.25MPaの条件を採用し、無声放電を発生させた。
図13に示すように、図12に示したオゾン発生装置330では、窒素添加率γが低下すると、生成されるオゾンガスの濃度も低下することが分かる。
よって、オゾン発生装置330において、窒素ガスの添加量を少なくしても、生成されるオゾンガスの濃度低下を抑制するためには、放電空間のギャップ、ガス圧力、および放電面の面積等を変更させることが必要である(たとえば、放電面積を大きくすると、より高濃度のオゾンガスが生成できる)。
ここで、放電空間のギャップを0.05mm〜数mmの範囲で変化させ、ガス圧力も変化させ、および/または放電面の面積も変化させたとしても、図13に示すグラフの形は同様であり、前記変化により、図13に示した実線のグラフが上下方向に移動するだけである。
たとえば、図13において、窒素添加率が10000ppmの場合、生成されるオゾンガスの濃度は、290g/m(135000ppm)であり、窒素添加率が1ppmの場合、生成されるオゾンガスの濃度は、40g/m(32000ppm)である。ここで、上記のように、放電空間のギャップ、ガス圧力、および放電面の面積等を変更させたとしても、窒素添加率が10000ppmの場合に生成されるオゾンガスの濃度、および、窒素添加率が1ppmの場合に生成されるオゾンガスの濃度は、各々増減するが、たとえば、「(窒素添加率が10000ppmの場合に生成されるオゾンガスの濃度)/窒素添加率が1ppmの場合に生成されるオゾンガスの濃度)」の割合は、同じである。
また、図12に示したオゾン発生装置330とは異なるオゾンガス生成方式を利用したオゾン発生装置が、特許文献6で示されている。当該特許文献6には、高純度の酸素ガスのみから成る原料ガスを用いて、高濃度のオゾンガスを生成するオゾン発生装置(窒素レスオゾン発生装置と称されている)が、開示されている。
特許文献6に係るオゾン発生装置では、無声放電が生じる放電空間に面する放電面に、光触媒物質が塗布されている。オゾン発生装置の放電空間に供給された酸素ガスに対して交流電圧を印加させ、無声放電を発生させると、可視光領域(428nm〜620nmの可視光)の光波長を有する光が発光(放電)する。当該光触媒物質は、当該放電で発する可視光領域の光波長を吸収する。これにより、ガスが通過する光触媒物質の放電面は励起され、光触媒作用機能を発揮する状態になる。そして、光触媒物質の光触媒効果により酸素ガスが放電空間で解離し、解離した酸素原子と酸素ガスに含まれる酸素分子との化学反応により、高濃度のオゾンガスが生成される。なお、光触媒物質を利用して、高純度の酸素ガスから高濃度のオゾンガスを生成する詳細なメカニズムおよび構成について、特許文献6に開示されているように公知である。
上述した各オゾン発生装置で発生したオゾンガスは、たとえば半導体製造分野においては、当該オゾン発生装置とは別に設けられた処理装置内における、オゾン酸化絶縁膜形成やオゾン洗浄等のオゾン処理工程において、利用される。
ここで、上記異なる2つのオゾンガス発生装置(図12に示したオゾン発生装置330および窒素レスオゾン発生装置)において、放電空間を形成している電極間に印加する電圧をステップ状に印加した場合における、発生するオゾンのオゾン濃度の立上りについて調べたものとして、図14を示す。
図14に示した破線が、図12に示したオゾン発生装置に対して、多量の窒素ガスを添加した原料ガスを供給した場合の、オゾン濃度立上り特性である。他方、図14に示した実線が、後述する図11に示す窒素レスオゾン発生装置に対して、高純度酸素ガスのみから成る原料ガスを供給した場合の、オゾン濃度立上り特性である。
図14の実線が示すように、窒素レスオゾン発生装置では、電圧をステップ状に印加すると、オゾン濃度は即座に立上り、約5秒以内に定常濃度に達する。これに対して、図12に示したオゾン発生装置330では、電圧をステップ状に印加すると、オゾン濃度は数秒遅れで立上り、徐々に定常値に漸近して約2〜3分後に定常濃度に達する。
このように、上記2つのオゾンガス発生装置では、オゾン濃度立上り特性は相違しており、当該オゾン濃度立上り特性の相違は、オゾンガスの生成メカニズムが異なることが起因する。
つまり、図12に示したオゾン発生装置330では、上記反応式1〜4に基づくオゾンガス生成メカニズムから分かるように、一旦放電により、酸素ガスに窒素ガスを添加して成る原料ガスからNOガスを生成し、そして触媒作用によりオゾンガスを生成している。当該オゾンガス生成メカニズムにより、図14の破線に示すように、ステップ状の電圧を印加したとき、オゾン濃度の立上りが遅くなる。
これに対して、窒素レスオゾン発生装置の場合には、ステップ状の電圧を印加して無声放電が発生すると、直ぐに放電光も発光し、当該放電光により光触媒物質(図11の符号303)は即座に励起される。これにより、光触媒効果が直ぐに発揮でき、供給される原料ガス(酸素ガス)を光触媒効果で、酸素原子に解離でき、オゾンガスを生成する。窒素レスオゾン発生装置における当該オゾンガス生成メカニズムにより、ステップ状の電圧を印加したとき、オゾン濃度は即座に立上る。
このように、各オゾン生成メカニズムは、図14に示された実験からも実証されている。
特開平3−294926号公報 特開平1−282104号公報 特開平9−208202号公報 特開平8−59213号公報 特開2004−359537号公報 国際公開第2005/080263号公報
上記特許文献1−4に係る技術では、オゾンガス生成効率向上のために、窒素添加量として、比較的多量の窒素ガスが酸素ガスに添加させている。しかしながら、酸素ガスに窒素ガスが添加されると、オゾン発生装置内において、オゾンガスに加えてNOxなどの副生物も同時に発生される。
オゾン発生装置で発生したオゾンガスを用いて所定の処理(成膜処理、エッチング処理、オゾン洗浄処理等)を実施した場合には、当該副生物は当該所定の処理において意図しない反応等を起こし、当該所定の処理において悪影響を及ぼす(たとえば、異物を含む膜が成膜されてしまい、オゾンガスを利用して酸化絶縁膜成膜した場合には、絶縁性能が悪化する)。また、当該副生物は、オゾン発生装置内における腐食およびCVD等のオゾン処理装置内と周辺機器類における腐食の原因となる。当該腐食は、結果としてオゾン処理システム自身の性能劣化に繋がり、当該オゾン処理システムが短寿命化となる。
当該副生物の生成を防止するためには、窒素ガスが原料ガスに含めないようにすれば良い。しかしながら、引用文献1−4に開示されているオゾン発生装置において、原料ガスに窒素ガスを添加しないと、引用文献5に示されている窒素ガスによる触媒作用がないため、生成されるオゾンガスの濃度は低下する。
一方、窒素ガスを添加しない原料ガス(つまり、高濃度の酸素ガスのみ)を利用して高濃度なオゾンガスを生成することができるオゾン発生装置(いわゆる、窒素レスオゾン発生装置)として、上記特許文献6に開示されているものがある。
しかしながら、引用文献6に係るオゾン発生装置では、実用上の運用において、高純度酸素ガスのみから成る原料ガスを用いた場合に発生する放電光では、以下のような問題が生じることが判明した。つまり、当該放電高では、微量の不純物ガスで放電光強度および光波長が変化するので、光触媒物質の光触媒効果にばらつきが生じる。当該光触媒効果のばらつきは、発生するオゾン濃度が大きく変動する要因になる。
そこで、本発明は、副生物の発生を抑制することができ、低コストのオゾン生成システムを提供することを目的とする。さらに好ましくは、ばらつきの少ない安定したオゾンガスを生成することができるオゾン生成システムを提供することを目的とする。さらに好ましくは、高濃度、高品質のオゾンガスを安定的に生成することができるオゾン生成システムを提供することを目的とする。
本発明に係るオゾン生成システムは、酸素供給口と、窒素供給口と、流入される原料ガスからオゾンを発生させるオゾン発生装置と、前記酸素供給口から供給される酸素および前記窒素供給口から供給される窒素が流入し、前記酸素および前記窒素の流量を調整し、当該調整後の前記酸素および前記窒素を、前記原料ガスとして、前記オゾン発生装置に対して出力するガス流量調整装置とを備えており、前記ガス流量調整装置は、前記酸素供給口と接続され、前記酸素供給口から供給される前記酸素の流量を調整する第一の酸素流量調整器部と、前記酸素供給口と接続され、前記酸素供給口から供給される前記酸素の流量を調整する第二の酸素流量調整部と、前記窒素供給口と接続され、前記窒素供給口から供給される前記窒素の流量を調整する窒素流量調整部と、前記第二の酸素流量調整部から出力される前記酸素と前記窒素流量調整部から出力される前記窒素とから成る、第一の混合ガスの流量を調整する混合ガス流量調整部とを備え、前記ガス流量調整装置は、前記第一の酸素流量調整器から出力される前記酸素と前記混合ガス流量調整器から出力される前記第一の混合ガスとから成る第二の混合ガスを、前記原料ガスとして、前記オゾン発生装置に対して出力し、前記ガス流量調整装置は、前記第一の酸素流量調整器部、前記第二の酸素流量調整部、前記窒素流量調整部および前記混合ガス流量調整部を利用することにより、前記酸素に対する前記窒素の添加率が0ppmより大きく、100ppm以下の範囲に設定された前記第二の混合ガスを生成する。
本発明に係るオゾン生成システムは、オゾンガスの生成量の減少および変動幅を抑制しつつ、副生物の生成を抑制できる。当該副生物の生成抑制により、生成された高品質のオゾンガスを利用したオゾン処理により良質な薄膜性能を得ることができ、また装置内における副生物に起因した腐食を抑制することができる。さらに、複数段の流量調整部を経ることにより、窒素添加率γ(0より大きく100PPM以下を有する原料ガスを安定的に生成している。これにより、窒素流量調整部における微量なガス流量の調整が不要となる。よって、当該窒素流量調整部のコスト低減を図ることができ、結果として、オゾン生成システム全体のコスト低減が実現できる。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
生成されたオゾンガスを用いて成膜処理を行った場合における、窒素添加率と膜内における汚染量(金属コンタミネーション量:金属コンタミ量)との関係を示す図である。 生成されたオゾンガスを用いて成膜処理を行った場合における、窒素添加率と副生物の生成量との関係を示す図である。 本発明に係るオゾン生成システム100の構成を示すブロック図である。 オゾン生成システム100における流量調整動作(窒素添加率γ調整動作)の流れを示す図である。 実施の形態1に係るオゾン生成システム200の構成を示すブロック図である。 オゾン生成システム200における流量調整動作(窒素添加率γ調整動作)の流れを示す図である。 第一の混合ガス流量値Qyを求めるための関係式をグラフ化した図である。 酸素ガス流量値QLを求めるための関係式をグラフ化した図である。 実施の形態2に係るオゾン生成システム300の構成を示すブロック図である。 オゾン生成システム300における流量調整動作(窒素添加率γ調整動作)の流れを示す図である。 窒素レスオゾン装置300の構成を示す図である。 従来タイプの窒素ガス添加型のオゾン装置330の構成を示す図である。 従来タイプの窒素ガス添加型のオゾン装置330における窒素添加率γに対するオゾン濃度特性を示す図である。 窒素ガス添加型のオゾン装置および窒素レスオゾン装置におけるオゾン濃度の立上り特性を示す図である。
上記の通り、窒素レスオゾン発生装置以外のオゾン発生装置(窒素ガス添加型のオゾン装置330)では、オゾンガス生成効率向上の観点から、原料ガスに多量の窒素ガスが添加されることが好ましい。なお、以下の説明では、窒素レスオゾン発生装置以外のオゾン発生装置を、単にオゾン発生装置と称することとする。
しかしながら、多量の窒素ガスが原料ガスに添加されると、多量の副生物が発生し、金属コンタミ量の多いオゾンガスが生成されてしまう(つまり、生成されるオゾンガスの品質が低下する)。そこで、オゾンガスの生成効率向上をある程度維持しつつ、副生物の生成を抑制し、一定量に管理することができる、オゾン生成システムを提供することが望まれている。発明者らは、実験・観測等を試みて、以下の実験結果を得た。
図1は、窒素添加率とオゾン処理が施されたウェハーにおける金属汚染量(金属コンタミ量)との関係を示した実験結果である。ここで、図1の縦軸は、金属汚染量(個/cm)であり、図1の横軸は、酸素に対する窒素の添加の割合である窒素添加率γ(PPM)である。
図1に示す実験では、高純度(99.99%以上)酸素ガス内に高純度(99.99%以上)窒素ガスを添加した原料ガスをオゾン発生装置に供給し、当該オゾン発生装置内で原料ガスからオゾンガスを発生させ、当該オゾンガスをウェハー表面上に数分間噴きつけ、ウェハー表面上に絶縁膜を成膜した。ここで、図1の実験では、原料ガスに含まれる窒素添加率γを変化させ、各窒素添加率γに対して、成膜された絶縁膜における金属汚染量を測定した。
図1に示すように、金属汚染量は、明らかに、原料ガスに含まれる窒素添加率γと相関があることが分った。具体的には、原料ガスに含まれる窒素ガスの添加率γを下げることにより、ウェハー表面上における金属汚染量も少なくなることが分かった。
成膜した薄膜性能から判断して、ウェハー表面上に付着している金属汚染量をある程度許容範囲は、図1に示す領域999以内であることが分かった(金属汚染量が約3.0×10個/cm以下であり、金属汚染による絶縁性能悪化が若干懸念される範囲であり、準許容範囲と称する)。
また、成膜した薄膜性能から判断して、オゾン処理が施されたウェハー表面上に付着している金属汚染量の許容できる範囲は、図1に示す領域99以内である(金属汚染量が約1.0×10個/cm以下であり、金属汚染による絶縁性能悪化が完全に無視できる範囲であり、許容範囲と称する)。
また、図1に示す同じ実験において、原料ガスに含まれる各窒素添加率γに対する、オゾン発生装置から出力されるガス中に含まれる副生物(NOx)量を測定した。当該測定結果を、図2に示す。ここで、図2の縦軸は、生成されたオゾンガスに対する副生物(NOx)の生成率(PPM)であり、図2の横軸は、酸素に対する窒素の添加の割合である窒素添加率γ(PPM)である。
図2に示すように、副生物(NOx)の生成率は、明らかに、原料ガスに含まれる窒素添加率γと相関があることが分った。具体的には、原料ガスに含まれる窒素ガスの添加率を下げることにより、オゾンガスに含まれる副生物(NOx)の量が減少することが分かった。
図1,2に示す実験を通して、良質な薄膜性能を得るためには(オゾンガスに含まれるコンタミの悪影響を抑制と一定量管理とのためには)、副生物(NOx)の生成率を0.01PPM以下に抑制し、一定量として管理することが望ましいことが判明した。さらに、副生物(NOx)の生成率を0.01PPM以下に抑制することにより、装置内における副生物に起因した腐食を抑制することも可能になることが分かった。
また、オゾン発生装置において、より多量のオゾンガスを生成し、変動の少ないオゾンガスを出力するためには、高純度酸素ガスのみから成る原料ガスよりも、高純度酸素ガスに多少でも窒素ガスが添加され、当該添加量が一定管理されている高品質の原料ガスを採用する方が良い。
したがって、オゾンの生成量の減少を抑制しつつ、生成されたオゾンガスを利用したオゾン処理により良質な薄膜性能を得ることができ、また装置内における副生物に起因した腐食を抑制するためには、図1,2等の実験結果より、高純度酸素ガスを主成分とする原料ガスに含まれる高濃度窒素ガスの窒素添加率γは、0より大きく、100PPM以下にする必要性がある(つまり、0<γ≦100PPM)。
オゾン処理を安定的に実施するためには、生成されるオゾンの濃度が安定していることが要される(つまり、上記高品質の原料ガスが必要である)。よって、オゾンの生成量の減少を抑制しつつ、生成されたオゾンガスを利用したオゾン処理により良質な薄膜性能を得ることができ、また装置内における副生物に起因した腐食を抑制し、オゾン発生装置においてオゾン生成を安定的に実施する(一定濃度の高品質なオゾンガスを生成する)ためには、窒素添加率γは、0<γ≦100PPMの範囲で、一定にすることが望ましい。
以上により、オゾンガスの生成量の減少を抑制しつつ、生成されたオゾンガスを利用したオゾン処理により良質な薄膜性能を得ることができ、安定的なオゾンガス生成を可能とし、また装置内における副生物に起因した腐食を抑制するためには、高純度酸素ガスを主成分とする原料ガスに含まれる高濃度窒素ガスの添加割合である窒素添加率γを、0より大きく100PPM以下の範囲で一定とし、当該一定量の窒素ガスを含む原料ガスをオゾン発生装置に供給し続けることが重要である。
<参考例>
上記条件の窒素添加された原料ガスをオゾン発生装置に供給することができるガス流量調整装置を含むオゾン生成システムとして、図3に示す構成のものが考えられる。図3は、オゾン生成システム100の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、オゾン生成システム100は、酸素供給口2、窒素供給口3、ガス流量調整装置7およびオゾン発生装置1を備えている。
オゾン発生装置1には、当該オゾン発生装置1内における電極間に、無声放電(誘電体バリア放電)を発生させるための電圧を印加する、電源装置30が接続されている。また、放電により加熱状態にある電極等を冷却するために、冷媒供給口8からオゾン発生装置1に対して冷媒が供給されている。なお、オゾン発生装置1内での冷却を実施した冷媒は、オゾン発生装置1から冷媒出力口9に向けて出力される。
ガス流量調整装置7内には、図3に示すように、酸素流量調整部71、窒素流量調整部73、ガス混合器76および制御部20が配設されている。
酸素流量調整部71は、マスフローコントローラ(MFC)であり、制御部20からの制御により、酸素供給口2から供給される高純度(99.99%以上)酸素ガスの流量を調整し、調整後の酸素ガスをガス混合器76に向けて出力する。ここで、酸素流量調整部71では、高純度酸素ガスの流量が、1〜20SLMの範囲で制御される。
窒素流量調整部73は、マスフローコントローラ(MFC)であり、制御部20からの制御により、窒素供給口3から供給される高純度(99.99%以上)窒素ガスの流量を調整し、調整後の窒素ガスをガス混合器76に向けて出力する。ここで、窒素流量調整部73では、窒素ガスの流量が、0.01〜2SCCMの範囲で制御される。
ここで、制御部20は、圧力調整器6の圧力も制御可能であり、当該圧力調整器6により、オゾン発生装置1内の圧力が所望の値に調整される。ここで、圧力調整器6は、オートプレッシャコントローラ(APC)である。
ガス混合器76では、酸素流量調整部71から出力された酸素ガスと、窒素流量調整器73から出力された窒素ガスとが混合され、原料ガスが生成される。ここで、酸素流量調整部71による酸素ガス流量の上記流量調整範囲内での調整および窒素流量調整器73による窒素ガス流量の上記流量調整範囲内での調整により、以下の原料ガスが生成される。つまり、酸素ガス内に、0より大きく100PPM以下(より好ましくは、10PPM以上、100PPM以下)の窒素添加率で窒素ガスが含まれている、原料ガスが生成される。
ここで、窒素添加率の下限を10PPMとした方が好ましいのは、10PPM未満の窒素ガスを流量調整し一定に供給することは、流量調整器の性能および流量調整器の高額化等の観点から困難だからである。つまり、現在市販されているMFCでは、10PPM未満での窒素ガスの微量な流量調整は、保障精度範囲外であり、窒素ガスの流量は多少変動し、常に窒素ガスを微量流量で一定値に管理することは、一般的に困難であるとされている。
当該原料ガスは、ガス流量調整装置7のガス混合器76から、オゾン発生装置1内に供給される。オゾン発生装置1内では、当該原料ガスに対する無声放電を発生させ、その無声放電の光化学反応によって、オゾンガスを生成する。そして、当該生成されたオゾンガスは、オゾンガス出力口4から、CVD装置などオゾンガスを利用した所望のオゾン処理が実施されるオゾン処理装置内へと出力される。
図4は、制御部20の動作を示す図である。
ユーザは、まず、制御部20に対して、酸素ガス流量値Q0(SLM)、窒素添加率γ(PPM)、オゾン発生装置1内の圧力値P(MPa)を設定する(ステップS1)。すると、制御部20は、窒素ガス流量値Qx(SCCM)を、Qx=γ×Q0から求める(ステップS2)。
ここで、酸素ガス流量値Q0は1SLM〜20SLMの範囲内で設定され、窒素添加率γは、0<γ≦100PPM(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM)の範囲内で設定される。
その後、制御部20は、ステップS1で設定された酸素ガス流量値Q0を、酸素流量調整部71に対して、制御値として出力する(ステップS3)。また、制御部20は、ステップS1で設定された圧力値Pを、圧力調整器6に対して、制御値として出力する(ステップS3)。さらに、制御部20は、ステップS2で算出した窒素ガス流量値Qxを、窒素流量調整部73に対して、制御値として出力する(ステップS3)。
制御部20から酸素流量調整部71および窒素流量調整部73への各制御値の送信により、ガス混合器76では、酸素ガスにステップS1で設定した窒素添加率γで窒素ガスが添加された原料ガスが生成される。なお、制御値Q0,Qxは一定であれば、MFCである酸素流量調整部71により酸素ガス流量値Q0も一定に保たれ、MFCである窒素流量調整部73により窒素ガス流量値Qxも一定に保たれる。つまり、原料ガスにおける窒素添加率γも一定である。また、圧力調整器6への上記制御値の送信により、オゾン発生装置1内の圧力がP(MPa)に保たれる。
このように、オゾン生成システム100は、上記構成・動作を有するガス流量調整装置7を備えている。したがって、高純度酸素ガスに対する窒素の添加率γが0より大きく100PPM以下の範囲で一定である原料ガスを、オゾン発生装置1に供給し続けることができる。
上記オゾン生成システム100でも、高純度酸素に対する窒素添加率γが0より大きく100PPM以下の範囲で一定である原料ガスを、オゾン発生装置1に供給し続けることができる。しかしながら、窒素流量調整部73は、0.01SCCM〜2SCCMの範囲での流量制御が可能なMFCを採用する必要がある。しかし、このようなMFCは非常に高価であり、オゾン生成システム100のコスト増大となる。
そこで、高純度酸素ガスに対する窒素の添加率γが0より大きく100PPM以下の範囲で一定である原料ガスを、オゾン発生装置1に供給し続けることができ、かつ低コストであるオゾン生成システムを、以下の実施の形態において説明する。
<実施の形態1>
図5は、本実施の形態に係るオゾン生成システム200の概略構成を示すブロック図である。
図5に示すように、オゾン生成システム200は、酸素供給口2、窒素供給口3、ガス流量調整装置7およびオゾン発生装置1を備えている。
酸素供給口2からは、高純度(99.99%以上)の酸素ガスが供給される。また、酸素供給口2とは別に窒素供給口3が設けられ、当該窒素供給口3からは、高純度(99.99%以上)の窒素ガスが供給される。つまり、積極的に窒素ガスを供給する仕組みが、配設されている。
オゾン発生装置1には、当該オゾン発生装置1内における電極間に、無声放電(誘電体バリア放電)を発生させる電圧を印加する、電源装置30が接続されている。オゾン発生装置1は、ガス流量調整装置7から供給される原料ガスに対して無声放電を発生させ、その無声放電の光化学反応によって、オゾンガスを発生させる。ここで、放電により加熱状態にある電極等を冷却するために、冷媒供給口8からオゾン発生装置1に対して冷媒が供給されている。そして、オゾン発生装置1内での冷却を実施した冷媒は、オゾン発生装置1から冷媒出力口9に向けて出力される。
原料ガスは、ガス流量調整装置7の第二のガス混合器76から、オゾン発生装置1内に供給される。上述したように、オゾン発生装置1内では、当該原料ガスに対する無声放電を発生させ、その無声放電の光化学反応によって、オゾンガスを生成する。当該生成されたオゾンガスは、オゾンガス出力口4から、CVD装置などオゾンガスを利用した所望のオゾン処理が実施されるオゾン処理装置内へと出力される。
ガス流量調整装置7には、酸素供給口2から供給される酸素ガスおよび窒素供給口3から供給される窒素ガスが流入される。そして、ガス流量調整装置7内では、酸素ガスの流量および窒素ガスの流量を各々調整する。そして、ガス流量調整装置7は、流量調整後の酸素ガスおよび流量調整後の窒素ガスを混合し、原料ガスとして、オゾン発生装置1に対して出力する。
本実施の形態に係るガス流量調整装置7内には、図5に示すように、第一の酸素流量調整部71、第二の酸素流量調整部72、窒素流量調整部73、第一のガス混合器74、混合ガス流量調整部75、第二のガス混合器76、第一混合ガス圧力調整器77および制御部20が配設されている。
第一の酸素流量調整部71は、マスフローコントローラ(MFC)であり、当該第一の酸素流量調整部71のガス流入側は、酸素供給口2のガス流出側に接続されており、当該第一の酸素流量調整部71のガス流出側は、第二のガス混合器76のガス流入側に接続されている。また、第一の酸素流量調整部71は、通信可能に制御部20と接続されている。
第一の酸素流量調整部71は、制御部20からの制御により、酸素供給口2から供給される酸素ガスの流量を調整し、流量調整後の酸素ガスを第二のガス混合器76に向けて出力する。ここで、第一の酸素流量調整部71では、酸素ガスの流量Q0が、1SLM〜20SLMの範囲内で制御・調整される。
第二の酸素流量調整部72は、マスフローコントローラ(MFC)であり、当該第二の酸素流量調整部72のガス流入側は、酸素供給口2のガス流出側に接続されており、当該第二の酸素流量調整部72のガス流出側は、第一のガス混合器74のガス流入側に接続されている。また、第二の酸素流量調整部72は、通信可能に制御部20と接続されている。
第二の酸素流量調整部72は、制御部20からの制御により、酸素供給口2から供給される酸素ガスの流量を調整し、流量調整後の酸素ガスを第一のガス混合器74に向けて出力する。ここで、第二の酸素流量調整部72では、酸素ガスの流量が、後述する図8に示す「酸素流量QL」の範囲で制御・調整される。
窒素流量調整部73は、マスフローコントローラ(MFC)であり、当該窒素流量調整部73のガス流入側は、窒素供給口3のガス流出側に接続されており、当該窒素流量調整部73のガス流出側は、第一のガス混合器74のガス流入側に接続されている。また、窒素流量調整部73は、通信可能に制御部20と接続されている。
窒素流量調整部73は、制御部20からの制御により、窒素供給口3から供給される窒素ガスの流量を調整し、流量調整後の窒素ガスを第一のガス混合器74に向けて出力する。ここで、窒素流量調整部73では、窒素ガスの流量Qxが、0より大きく、10SCCM以下の範囲で制御・調整される。
混合ガス流量調整部75は、マスフローコントローラ(MFC)であり、当該混合ガス流量調整部75のガス流入側は、第一のガス混合器74のガス流出側に接続されており、当該混合ガス流量調整部75のガス流出側は、第二のガス混合器76のガス流入側に接続されている。また、混合ガス流量調整部75は、通信可能に制御部20と接続されている。
混合ガス流量調整部75は、制御部20からの制御により、第一のガス混合器74から出力される第一の混合ガスの流量を調整し、流量調整後の第一の混合ガスを第二のガス混合器76に向けて出力する。ここで、混合ガス流量調整部75では、第一の混合ガスの流量Qyが、0より大きく、100SCCM以下の範囲で制御・調整される。
なお、上記記載からも分かるように、第一のガス混合器74では、流量調整された酸素ガスと流量調整された窒素ガスとの混合処理を行い、第一の混合ガスが生成され、当該生成された第一の混合ガスを出力する。また、第二のガス混合器76では、流量調整された酸素ガスと流量調整された第一の混合ガスとの混合処理を行い、第二の混合ガス(原料ガス)が生成され、当該生成された第二の混合ガス(原料ガス)を出力する。
ここで、第二のガス混合器76から出力される原料ガスは、高純度酸素ガス内に、0より大きく100PPM以下(より好ましくは、10PPM以上、100PPM以下)の窒素添加率で、一定値の流量に管理された窒素が含まれている。
第一混合ガス圧力調整器77は、オートプレッシャコントローラ(APC)であり、第一の混合器74と混合ガス流量調整部75との間に接続されている(第一のガス混合器74の出力側に接続されている)。また、第一混合ガス圧力調整器77は、通信可能に制御部20と接続されている。
第一混合ガス圧力調整器77は、制御部20からの制御により、第一のガス混合器74から出力される第一の混合ガスの圧力を調整する。
第一の混合器74に流入するガス流量は、QL(第二の酸素流量調整部72により調整された酸素ガス流量)+Qx(窒素流量調整部73により調整された窒素ガス流量)であり、混合ガス流量調整部75から流出されるガス流量Qyは、上記(QL+Qx)の一部である。そうすると、ガス流量が(QL+Qx−Qy)であるガスを、第一混合ガス圧力調整器77を利用してガス排出口5から排出しないなら、第一の混合器74の出力側の圧力Pは、どんどん上昇する。
そうすると、酸素供給口2におけるガス圧力PO2もしくは窒素供給口3におけるガス圧力PN2と同等以上に、上記圧力Pが上昇する。このような、状態になると、酸素供給口2から第二の酸素流量調整部72に向けてのガスの流れが、もしくは窒素供給口3から窒素流量調整部73に向けてのガスの流れが、阻害される。
よって、酸素供給口2および窒素供給口3から、ガス流量調整装置7内にガスが流入し、当該ガス流量調整装置7内を正常にガスが流れた後、ガス流量調整装置7からオゾン発生装置1内にガスが正常に供給できるためには(つまり、符号2→符号72→符号74→符号75→符号76→符号1、および、符号3→符号73→符号74→符号75→符号76→符号1の、各流れを維持するためには)、PO2,PN2>P>P(オゾン発生装置1内の圧力)、の圧力条件が必要となる。
そこで、当該圧力条件を満たすように、また第一のガス混合器74の出力側の圧力値Pが一定に保たれるように、制御部20からの制御により、第一混合ガス圧力調整器77内のバルブが自動調整し、第一の混合ガスの一部(原料ガスとして使用しない第一の混合ガス)を、ガス排出口5から排出させている。
なお、制御部20は、ガス流量調整装置7外の圧力調整器6とも通信可能に接続されている。当該圧力調整器6は、オートプレッシャコントローラ(APC)であり、オゾン発生装置1と接続されている。したがって、制御部20は、圧力調整器6の圧力も制御可能であり、当該圧力調整器6により、オゾン発生装置1内の圧力が所望の圧力値Pに調整される。
次に、図6に示すフロー図を用いて、制御部20の動作(つまり、高純度酸素ガス内に、0より大きく100PPM以下(より好ましくは、10PPM以上、100PPM以下)の窒素添加率で、一定値の流量で管理された窒素が含まれている、原料ガスを生成する動作)を説明する。
ユーザは、まず、制御部20に対して、第一の酸素流量調整部71における酸素ガス流量値Q0(SLM)、窒素流量調整部73における窒素ガス流量値Qx(SCCM)、窒素添加率γ(PPM)、オゾン発生装置1内の圧力値(つまり、圧力調整器6に対して送信する制御圧力値)P(MPa)および第一の混合ガスの圧力値(つまり、第一混合ガス圧力調整器77に対して送信する制御圧力値)Pを各々設定する(ステップS11)。
ここで、酸素ガス流量値Q0は、たとえば1SLM〜20SLMの範囲内で設定され、窒素ガス流量値Qxは0より大きく10SCCM以下の範囲で設定され、窒素添加率γは、0<γ≦100PPM(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM)の範囲内で設定され、圧力値Pは圧力値Pより小さく圧力値PO2,PN2より大きい範囲で設定される。なお、酸素供給口2における酸素ガス圧力PO2および窒素供給口3における窒素ガス圧力PN2は既知であるとする。
次に、制御部20は、予め制御部20内に設定されている第一のデータと、ステップS11で設定された設定値とを用いて、混合ガス流量調整部75における第一の混合ガス流量値Qyを算出する(ステップS12)。
ここでは、上述した、予め制御部20内に設定されている第一のデータとして、比例関係式(Qy=α×Q0×1000)を採用する。このように、酸素ガス流量値Q0に対して、当該比例関係式が成立するように第一の混合ガス流量Qyを決定すれば、酸素ガス流量Q0を可変させても、第一の酸素流量調整部71から出力される高純度酸素ガスに対する第一の混合ガスの添加割合αを一定にすることができる。
図7は、上記比例関係式をグラフ化した図である。図7の縦軸は第一の混合ガスの流量値Qy(SCCM)であり、図7の横軸は酸素ガス流量値Q0(SLM)である。なお、図7における比例関係式内のαは、0.01から0.001の範囲における一定値である。図7に例示する比例関係式では、一例としてα=0.005を採用している。
以上により、ステップS12では、制御部20は、比例関係式(Qy=α×Q0×1000)を示す第一のデータと、ステップS11で設定された酸素ガス流量値Q0とを用いて、第一の混合ガス流量Qyを求める。
次に、制御部20は、予め制御部20内に設定されている第二のデータと、ステップS11で設定された設定値とを用いて、第二の酸素流量調整部72における酸素ガス流量値QLを算出する(ステップS13)。
ここでは、上述した、予め制御部20内に設定されている第二のデータとして、関係式(QL=F{α,γ,Qx})を採用する。ここで、関数Fを構成しているαは、上記比例関係式に含まれるαであり(換言すれば、第二の混合ガスに含まれる第一の混合ガスの添加割合)、関数Fを構成しているγは、ステップS11で設定された窒素添加率γであり、関数Fを構成しているQxは、ステップS11で設定された窒素ガス流量値Qxである。なお、窒素添加率γは、(β・α)×10(PPM)であり、βは、第一の混合ガスに含まれる窒素ガスの添加割合である。
図8は、上記関係式Fをグラフ化した図である。図8の縦軸は酸素ガスの流量値QL(SCCM)であり、図8の横軸は窒素添加率γ(PPM)である。なお、図8における関係式F内のαは、0.01から0.001の範囲における一定値である。図8に例示する関係式では、一例としてα=0.005を採用している。また、図8における関係式Fにおいても、図7で示した比例関係式を用いている。
また、図8には、ステップS11で設定された窒素ガス流量Qxが2SCCMである場合のグラフ、ステップS11で設定された窒素ガス流量Qxが4SCCMである場合のグラフ、ステップS11で設定された窒素ガス流量Qxが6SCCMである場合のグラフ、ステップS11で設定された窒素ガス流量Qxが8SCCMである場合のグラフ、およびステップS11で設定された窒素ガス流量Qxが10SCCMである場合のグラフが、各々図示されている。
以上により、ステップS13では、制御部20は、関係式(QL=F{α,γ,Qx})を示す第二のデータと、ステップS11で設定された窒素ガス流量Qx、ステップS11で設定した窒素添加率γ、ステップS12で利用した第一のデータ等(たとえば、上記比例関係式に含まれる「α」)とを用いて、酸素ガス流量QLを求める。
図8の例で説明すると、α=0.005とし、第一のデータ(上記比例関係式)を設定し、ステップS11で窒素ガス流量Qxとして4SCCMを設定したとする。この場合、窒素添加率γとして10PPMをステップS11で設定した場合には、制御部20は、酸素ガス流量QLとして、2000SCCMを算出する(図8のa点)。また、窒素添加率γとして20PPMをステップS11で設定した場合には、制御部20は、酸素ガス流量QLとして、1000SCCMを算出する(図8のb点)。また、窒素添加率γとして40PPMをステップS11で設定した場合には、制御部20は、酸素ガス流量QLとして、500SCCMを算出する(図8のc点)。
ステップS13の後、制御部20は、ステップS11で設定された酸素ガス流量値Q0を、第一の酸素流量調整部71に対して、一定の制御値として出力する(ステップS14)。また、制御部20は、ステップS11で設定された窒素ガス流量値Qxを、窒素流量調整部73に対して、一定の制御値として出力する(ステップS14)。また、制御部20は、ステップS12で算出した第一の混合ガス流量値Qyを、混合ガス流量調整部75に対して、一定の制御値として出力する(ステップS14)。また、制御部20は、ステップS13で算出した酸素ガス流量値QLを、第二の酸素流量調整部72に対して、一定の制御値として出力する(ステップS14)。
さらに、制御部20は、ステップS11で設定された圧力値Pを、第一混合ガス圧力調整器77に対して、一定の制御値として出力する(ステップS14)。また、制御部20は、ステップS11で設定された圧力値Pを、圧力調整器6に対して、一定の制御値として、出力する(ステップS14)。
ここで、上記各制御値の出力は、システム稼働中随時実施される。
制御部20から酸素流量調整部71,72、窒素流量調整部73および混合ガス流量調整部75への各制御値の送信により、第二のガス混合器76では、高純度酸素ガスにステップS11で設定した窒素添加率γで高純度窒素ガスが添加された原料ガスが生成される。
ここで、制御値Q0,Qx,QL,Qyは一定であり、各流量調整部71,72,73,75は、制御値に従って駆動するMFCであるので、原料ガスにおける窒素の添加率γは一定となる。つまり、生成されるオゾンガスの濃度も安定する(一定である)。
なお、ステップS11における設定値に変更が無ければ、当然ステップS14で出力される各制御値も時系列的に一定である。ただし、ステップS11における設定値に変更が生じた場合には、制御部20は、再度ステップS12,ステップS13の処理を行い、ステップS14において、ステップS11で変更された設定値および、ステップS12,S13で改めて求めた各値が、新たな制御値として出力される。ここで、設定値γが一定であれば、たとえば酸素ガス流量値Q0および/または窒素ガス流量値Qxの設定値を変更したとしても、制御部20は当該変更後の設定値を用いて(当該変更後の設定値に応じて)、酸素ガス流量値QLおよび第一の混合ガス流量値Qyを変更し、生成される原料ガスの窒素添加率γを一定に保つ。
このように、オゾン生成システム200は、上記構成・動作を有するガス流量調整装置7を備えているので、高純度酸素ガスに対する窒素の添加率γが0より大きく100PPM以下(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM)の範囲で常に一定である原料ガスを、オゾン発生装置1に供給し続けることができる。
したがって、オゾン生成システム200では、オゾンガスの生成量の減少を抑制しつつ(変動の少ない比較的濃度の高いオゾンガスを生成でき)、かつ、副生物の生成も抑制できる(つまり、生成される副生物は、微量の一定量である)。よって、生成された高品質のオゾンガスをオゾン処理装置側に供給でき、当該オゾン処理装置内では、当該高品質のオゾンガスを利用したオゾン処理が実施される。したがって、オゾン酸化したより良質な性能を有した薄膜を得ることができる。また一方で、装置内における副生物に起因した腐食を抑制することができ、オゾン生成システム200の性能劣化を防止でき、当該システム200の長寿命化が図れる。
さらに、本実施の形態に係るガス流量調整装置7では、複数段の流量調整部を経ることにより、窒素添加率γ(0より大きく100PPM以下(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM))を有する原料ガスを生成している。よって、窒素流量調整部73におけるガス流量は、10SCCMより小さい範囲で設定すれば良い。よって、非常に小さい流量の調整が窒素流量調整部73において不要となり、当該窒素流量調整部73のコスト低減を図ることができ、結果として、オゾン生成システム200全体のコスト低減が実現できる。
また、本実施の形態では、ガス流量調整装置7は、第一の混合ガスのガス圧を調整する第一混合ガス圧力調整器77を、さらに備えている。したがって、ガス流量調整装置7におけるガスの正常の流れを維持することができる。つまり、第一の混合ガスのガス圧力が、酸素供給口2におけるガス圧力および窒素供給口3におけるガス圧力以上となることを常に防止できるように自動管理されている。
また、本実施の形態では、各流量調整部71,72,73,75としてMFCを採用し、制御部20からの一定の制御値を受けて各流量調整部71,72,73,75の流量が制御されている。よって、ガス流量調整装置7で生成・出力される第二の混合ガス(原料ガス)において、酸素ガスに対する窒素ガスの添加率γが一定となる。
このように、本実施の形態では、酸素ガスに対する窒素ガスの添加率γが一定である第二の混合ガス(原料ガス)が生成可能である(つまり、原料ガスにおける窒素濃度が一定である)。したがって、生成されるオゾンガスの濃度も一定となる。よって、当該オゾンガスを利用したオゾン処理を安定的に実施できる(たとえば、より良質な膜質の酸化膜等を成膜することが可能となる)。
<実施の形態2>
本実施の形態に係るオゾン生成システム300の構成を示すブロック図を、図9に示す。
図9と図5との比較から分かるように、オゾン生成システム300の構成は、以下の相違点において、オゾン生成システム200の構成と異なる。換言すれば、以下の相違点以外は、オゾン生成システム300とオゾン生成システム200とは、構成は同じである。よって、以下では、当該構成の相違点のみについて説明する。
オゾン生成システム200では、窒素流量調整部73はMFCであった。これに対して、オゾン生成システム300では、窒素流量調整部731は、ニードルバルブ73aとガス流量表示計73bとから構成されている。つまり、窒素流量調整部73は、制御部20からの制御値を受けて、窒素ガスの流量値を自動的に調整されている。一方、窒素流量調整部731では、ユーザがニードルバルブ73aの開閉具合を手動で調整することにより、窒素ガスの流動値を調整する。
また、オゾン生成システム200では、混合ガス流量調整部75はMFCであった。これに対して、オゾン生成システム300では、混合ガス流量調整部751は、ニードルバルブ75aとガス流量表示計75bとから構成されている。つまり、混合ガス流量調整部75は、制御部20からの制御値を受けて、第一の混合ガスの流量値を自動的に調整されている。一方、混合ガス流量調整部751では、ユーザがニードルバルブ75aの開閉具合を手動で調整することにより、第一の混合ガスの流動値を調整する。
次に、図10に示すフロー図を用いて、制御部20の動作(つまり、高純度酸素ガス内に、0より大きく100PPM以下(より好ましくは、10PPM以上、100PPM以下)の窒素添加率で、一定値の流量で管理された窒素が含まれている、原料ガスを生成する動作)を説明する。
ユーザは、まず、ニードルバルブ73aの絞りを手動で調整し、0より大きく、10SCCM以下の範囲で、窒素供給口3から供給される高濃度窒素ガスの流量値Qxを決定する(ステップS21)。
また、ユーザは、ニードルバルブ75aの絞りを手動で調整し、0より大きく、100SCCM以下の範囲で、第一のガス混合器74から出力される第一の混合ガスの流量値Qyを決定する(ステップS21)。
次に、ユーザは、設定値として、制御部20に対して、第一の酸素流量調整部71における酸素ガス流量値Q0(SLM)、窒素添加率γ(PPM)、オゾン発生装置1内の圧力値(つまり、圧力調整器6に対する制御圧力値)P(MPa)および第一の混合ガスの圧力値(つまり、第一混合ガス圧力調整器77に対する制御圧力値)Pを、各々設定する(ステップS22)。
ここで、酸素ガス流量値Q0は、1SLM〜20SLMの範囲内で設定され、窒素添加率γは、0<γ≦100PPM(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM)の範囲内で設定され、圧力値Pは、圧力値Pより小さく、圧力値PO2,PN2より大きい範囲で設定される。なお、酸素供給口2における酸素ガス圧力PO2および窒素供給口3における窒素ガス圧力PN2は既知であるとする。
また、ステップS22において、ユーザは、制御部20に対して、ステップS21後における流量表示計73bで表示される窒素ガス流量値Qx(SCCM)を入力値として入力する。
さらに、ステップS22において、ユーザは、制御部20に対して、ステップS21後における流量表示計75bで表示される第一の混合ガス流量値Qy(SCCM)を入力値として入力する。
次に、制御部20は、予め制御部20内に設定されているデータと、ステップS22で設定された設定値およびステップS22で入力された入力値とを用いて、第二の酸素流量調整部72における酸素ガス流量値QL(単位:SCCM)を算出する(ステップS23)。
ここでは、上述した、予め制御部20内に設定されているデータとして、関係式(QL=F{Q0,γ,Qx,Qy})を採用する。
ここで、関数Fを構成しているγは、ステップS22で設定された窒素添加率γである。なお、窒素添加率γは、(β・α)×10(PPM)であり、αは、第二の混合ガスに含まれる第一の混合ガスの添加割合であり、βは、第一の混合ガスに含まれる窒素ガスの添加割合である。
また、関数Fを構成しているQ0は、ステップS22で設定された酸素ガス流量値Q0である。また、関数Fを構成しているQyは、ステップS22で入力された第一の混合ガス流量値Qyである。また、関数Fを構成しているQxは、ステップS22で入力された窒素ガス流量値Qxである。
関係式(QL=F{Q0,γ,Qx,Qy})は、図8でグラフ化した関数と同様の変化を示す。なお、図8におけるαは、第二の混合ガスに含まれる第一の混合ガスの添加割合である。したがって、本実施の形態において、図8に示したαは、ステップS22で入力された第一の混合ガス流量値Qyと、ステップS22で設定された酸素ガス流量値Q0とで表される。
以上により、ステップS23では、制御部20は、関係式(QL=F{Q0,γ,Qx,Qy})を示すデータと、ステップS22で入力された窒素ガス流量Qxと、ステップS22で設定した窒素添加率γと、ステップS22で設定した酸素ガス流量Q0と、ステップS22で入力された第一の混合ガス流量Qyとを用いて、酸素ガス流量QLを求める。
その後、制御部20は、ステップS22で設定された酸素ガス流量値Q0を、第一の酸素流量調整部71に対して、一定の制御値として出力する(ステップS24)。また、制御部20は、ステップS23で算出した酸素ガス流量値QLを、第二の酸素流量調整部72に対して、一定の制御値として出力する(ステップS24)。
さらに、制御部20は、ステップS22で設定された圧力値Pを、第一混合ガス圧力調整器77に対して、一定の制御値として出力する(ステップS24)。また、制御部20は、ステップS22で設定された圧力値Pを、圧力調整器6に対して、一定の制御値として、シ出力する(ステップS24)。
ここで、上記各制御値の出力は、システム稼働中随時実施される。
ステップS21で実施したニードルバルブ731,75aの絞り調整と、制御部20から酸素流量調整部71,72への各制御値の送信により、第二のガス混合器76では、高純度酸素ガスにステップS22で設定した窒素添加率γで高純度窒素ガスが添加された原料ガスが生成される。
なお、ステップS21で調整したニードルバルブ73a,75bの絞り具合は、ステップS22〜S24においても一定であるので、窒素流量調整部731における窒素ガス流量値Qxおよび混合ガス流量調整部751における第一の混合ガス流量値Qyは一定である。また、制御値Q0,QLは一定であり、各流量調整部71,72は、制御値に従って駆動するMFCである。したがって、ガス流量調整装置7で生成される原料ガスにおける、窒素の添加率γも一定となる。
なお、ステップS22における入力および/または設定値に変更が無ければ、当然ステップS24で出力される各制御値も時系列的に一定である。ただし、ステップS22における入力値および/または設定値に変更が生じた場合には、制御部20は、再度ステップS23の処理を行い、ステップS24において、ステップS22で変更された入力および/または設定値と、ステップS23で求めた値とが、新たな制御値として出力される。
ここで、設定値γが一定であれば、たとえば酸素ガス流量値Q0の設定値を変更したとしても、制御部20は当該変更後の設定値を用いて(当該変更後の設定値に応じて)、酸素ガス流量値QLを変更し、生成される原料ガスの窒素添加率γを一定に保つ。
このように、オゾン生成システム300は、上記構成・動作を有するガス流量調整装置7を備えているので、高純度酸素ガスに対する窒素の添加率γが0より大きく100PPM以下(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM)の範囲で一定である原料ガスを、オゾン発生装置1に供給し続けることができる。
したがって、オゾン生成システム300では、オゾンガスの生成量の減少を抑制しつつ(変動の少ない比較的濃度の高いオゾンガスを生成でき)、かつ、副生物の生成も抑制できる(つまり、生成される副生物は、微量の一定量である)。よって、生成された高品質のオゾンガスをオゾン処理装置側に供給でき、当該オゾン処理装置内では、当該高品質のオゾンガスを利用したオゾン処理が実施される。したがって、オゾン酸化したより良質な性能を有した薄膜を得ることができる。また一方で、装置内における副生物に起因した腐食を抑制することができ、オゾン生成システム200の性能劣化を防止でき、当該システム200の長寿命化が図れる。
さらに、窒素流量調整部731はニードルバルブ73aを有し、また混合ガス流量調整部751はニードルバルブ75aを有するので、手動ではあるが、非常に小さい流量の調整が可能となり、さらなる低コスト化およびガス流量調整装置7のコンパクト化も可能となる。
なお、本実施の形態においてもガス流量調整装置7では、複数段の流量調整部を経ることにより、窒素添加率γ(0より大きく100PPM以下(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM))を有する原料ガスを生成している。よって、窒素流量調整部731におけるガス流量は、10SCCMより小さい範囲で設定すれば良い。
また、本実施の形態においても、ガス流量調整装置7は、第一の混合ガスのガス圧を調整する第一混合ガス圧力調整器77を、さらに備えている。したがって、ガス流量調整装置7におけるガスの正常の流れを維持することができる。つまり、第一の混合ガスのガス圧力が、酸素供給口2におけるガス圧力や窒素供給口3におけるガス圧力以上となることを常に防止できるように自動管理されている。
また、本実施の形態では、各流量調整部71,72としてMFCを採用し、制御部20からの一定の制御値を受けて各流量調整部71,72の流量が制御されている。よって、ニードルバルブ73a,75aの絞り具合を固定とし、窒素流量調整部731における窒素ガス流量値Qxおよび混合ガス流量調整部751における第一の混合ガス流量値Qyを固定とするなら、ガス流量調整装置7で生成・出力される第二の混合ガス(原料ガス)において、酸素ガスに対する窒素ガスの添加率γが一定となる。
このように、本実施の形態では、酸素ガスに対する窒素ガスの添加率γが一定である第二の混合ガス(原料ガス)が生成可能である(つまり、原料ガスにおける窒素濃度が一定である)。したがって、生成されるオゾンの濃度変動は、非常に小さくなる。よって、高品質なオゾンガスを利用したオゾン処理が実施できる(たとえば、当該処理の実施により、より良質なオゾン酸化が実現でき、結果としてオゾン処理対象物(ウェハ)に対して、品質の高い酸化膜を成膜することが可能となる)。
<実施の形態3>
さて、実施の形態1,2におけるオゾン発生装置1は、所定の空間(放電空間)を隔てて2枚の電極が配置され、少なくとも一方の電極には、誘電体が配設されている(たとえば、図12の電極301a,301bおよび誘電体302参照)。ここで、誘電体は、放電空間に面する側に配設されている。そして、オゾン発生装置1では、当該電極間に所定の交流電圧を印加し、無声放電を発生させている。オゾン発生装置1には、実施の形態1,2のように窒素添加率γが調整された原料ガスが供給され、当該原料ガスに対する無声放電の作用により、オゾンガスが発生される。
上記構成のオゾン発生装置1では、原料ガスにおける窒素添加率γが小さいと、発生するオゾンガスの濃度に限界がある(図13参照)。一方、上述した窒素レスオゾン発生装置では、原料ガスに窒素ガスが添加されていなくても(つまり、高濃度酸素ガスのみであっても)、高濃度のオゾンを発生させることが可能である(特許文献6参照)。
しかしながら、発明者らは、次のことを見出した。つまり、上述した窒素レスオゾン発生装置では、実用上の運用においては、放電面に塗布した光触媒物質自身の性能変動および、高濃度酸素ガスに含まれる微量の不純物ガスにより、無声放電(誘電体バリア放電)光の光強度や光波長が変動もあるため、光触媒効果の変動が生じる。そして、当該光触媒効果の変動は、発生するオゾン濃度が大きく変動する要因になることが分かった。品質の高いオゾン処理実施の観点から、上述したように、ガス成分が十分に管理された原料ガスから高品質のオゾンガスを提供することが好ましい。
実験等の考察を踏まえ、発明者らは、窒素レスオゾン発生装置において、高濃度の酸素ガスに微量で一定量となる窒素ガスを添加した原料ガス(ガス成分が十分に管理された原料ガス)による無声放電の放電光の方が、光強度、光波長変動が少ない放電になる。そのため、放電面に塗布した光触媒物質と放電高とにより生じる光触媒効果がより安定となることを、見出した。当該光触媒効果が安定となれば、変動の少ない高品質のオゾンガス生成が可能なる。
以上により、実施の形態1,2で示したオゾン発生装置1として、窒素レスオゾン発生装置を採用し、高濃度(99.99%以上)酸素ガスに微量の高濃度(99.99%以上)窒素ガスを添加した原料ガスを当該窒素レスオゾン発生装置に供給することにより、高濃度で、より安定した変動の少ない高品質のオゾンガスを定常的に生成・出力することができる。
上記のように、実施の形態1,2で説明したオゾン発生装置1として、窒素レスオゾン発生装置を採用した場合には、原料ガスに一定で微量の窒素ガスを添加させることが望ましい。しかしながら、窒素ガスの添加率が高くなると、上述したように、副生物が多量に発生し、当該副生物は、オゾン処理の弊害(たとえば、コンタミを含む酸化膜の成膜)や装置内の腐食の原因となり、オゾン生成システムおよびオゾン処理装置の短寿命の要因になる。
ここで、高純度酸素ガスに対する窒素の添加率γが0より大きく100PPM以下(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM)の範囲である原料ガスを、窒素レスオゾン発生装置に供給した場合においても、図1,2を踏まれた考察が成立することを、発明者らは見出した(副生物に起因した悪影響が許容できる範囲で、当該副生物の生成量を抑制できる)。
つまり、当該範囲の窒素添加率γを有する原料ガスを窒素レスオゾン発生装置に供給することにより、高濃度・高品質のオゾンガスの生成が可能となり、生成されたオゾンガスを利用したオゾン処理により良質な薄膜性能を得ることができ、安定的なオゾンガス生成を可能とし、また装置内における副生物に起因した腐食を抑制することができる。
また、生成されるオゾンガスの濃度が定常的(安定的)であるためには、実施の形態1,2でも説明したように、窒素流量調整部73,731における窒素ガス流量の変動を抑制・防止など、ガス流量調整装置7における流動調整の変動を抑制し、生成される原料ガスにおける窒素添加率γを安定させる必要がある。そして、実施の形態1,2に係るオゾン生成システム200,300では、既に説明したように、当該窒素ガス流動の変動抑制・防止を含め、ガス流量調整装置7における流動調整の変動を抑制し、生成される原料ガスにおける窒素添加率γを安定させることが可能である。
ここで、実施の形態1,2に示したオゾン発生装置1の代わりに配設される、窒素レスオゾン発生装置300の構成について、図11を用いて説明する。なお、図11は、窒素レスオゾン装置300の構成の概略が示されている。
図11に示すように、窒素レスオゾン発生装置300は、ガス流量調整装置7から原料ガスが供給され、オゾンガスを生成し、出力する。ここで、ガス流量調整装置7で生成される原料ガスでは、上述したように、主成分である高濃度酸素ガスに対して、高濃度窒素が上記窒素添加率γだけ添加されている。
窒素レスオゾン発生器300内には、平板状の電極301aと平板状の電極301bとが、所定のギャップを隔てて、対面して配設されている。ここで、当該所定のギャップが放電空間となる。なお、電極301aの主面は、電極301bの主面と平行であり、電極301a,301b間の距離は、0より大きく、0.6mm以下である。
また、電極301aにおける所定のギャップ側の主面には、誘電体301が配設されている。なお、図11と異なるが、電極301bにおける所定のギャップ側の主面に、誘電体が配設されていても良く、電極301aおよび電極301bにおける所定のギャップ側の各主面には、各々誘電体301が配設されていても良い。
また、電極301a,301b間におけるガス通路面(放電領域の壁面=反応空間の壁面)にはバンドギャップ2.0eV〜2.9eVの光触媒物質303が配設されている。図11に示す構成例では、誘電体302における所定のギャップ側の主面に、光触媒物質303が設けられており、さらに、電極301bにおける所定のギャップ側の主面に、光触媒物質303が設けられている。
図5,9に示した電源装置30により、電極301a,301b間に高電圧の交流電圧を印加させ、当該電極301a,301b間における放電空間において、誘電体を介した無声放電(誘電体バリヤ放電)を発生させる。ここで、平板状の電極301a,301bが平行に対面しており、誘電体302も電極301aの主面全面に形成されているので、当該無声放電は、放電空間全域において、均一に発生する。
一方、当該無声放電が発生している状態において、ガス流量調整装置7から原料ガスが出力され、窒素レスオゾン発生器300内の電極301a,301b間に流入する。ここで、上記の通り、原料ガスの主成分は酸素ガスであり、窒素添加率γ(0<γ≦100PPM(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM))で窒素ガスが添加されている。
上記無声放電により、放電空間には、波長428〜620nmの放電光が生じる。当該放電光と放電空間に面して設けられている光触媒物質303との相互作用により、原料ガスの1部の酸素ガスを酸素原子に解離する。放電空間のガス圧力Pを例えば0.1MPa〜0.4MPaの圧力に維持して、解離した酸素原子と原料ガスに含まれる他の酸素分子との結合作用(三体衝突現象)を促進させることで、光触媒効果の酸素解離作用と伴って、高濃度のオゾンガスが生成される。
具体的に、無声放電により生じた特定の波長をもった放電光であって、かつ光強度が非常に強い放電光が光触媒物質303に照射されると、光触媒物質303は励起状態になり、光触媒物質303の価電子帯に正孔ができる。この励起状態の光触媒物質303と酸素分子との接触で、光触媒物質303が酸素分子から電子を奪う。そうすると、酸素分子が吸着解離し、2個の酸素原子が生成される。そして、生成された酸素原子と酸素分子との三体衝突でオゾンが生成される。
ここで、放電光と光触媒物質303との相互作用で、酸素ガスを酸素原子に解離するにあたって、酸素原子へ解離させる量を増やすためには、光触媒物質303の表面積を増大させることが有効である。当該表面積増大により、酸素原子に解離させる光触媒の量子効果を高めることができ、高濃度のオゾンガス生成が可能となるからである。
なお、図11の構成例では、最もシンプルな構成を示している。つまり、図11では、電極301a,301bと誘電体302と光触媒物質303とからなる電極セルが、一つのみである構成を図示している。しかし、当該放電セルを多段に積層し、ガス通路を並列的に流せるようにして、複数個の放電セルに放電をさせる構成を採用することも可能である。
以上のように、本実施の形態では、オゾン発生装置として窒素レスオゾン装置300を利用している。したがって、原料ガスに含まれる窒素ガスが微量であったとしても、高濃度のオゾンガスを生成することができる。さらに、微量・一定量で窒素ガスが添加された原料ガスを窒素レスオゾン装置300に供給しているので、光触媒物質303の光触媒効果の変動がより少なくなり、結果として、安定した濃度でオゾンガスが生成される。
また、窒素レスオゾン装置300に供給する原料ガスには、酸素ガスに対して窒素添加率γ(0<γ≦100PPM(より好ましくは、10PPM≦γ≦100PPM))で窒素ガスが添加されている(つまり、一定値で管理された添加量で窒素が酸素ガスに添加されている)。このため高品質なオゾンガスの出力が可能となる。また、オゾン処理装置において良質な薄膜性能を得ることができるようになり、副生物の生成を抑制することができ、当該副生物の生成抑制により、装置内における副生物に起因した腐食を抑制することもできる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 オゾン発生装置
2 酸素供給口
3 窒素供給口
4 オゾンガス出力口
5 ガス排出口
6 圧力調整器
7 ガス流量調整装置
8 冷媒供給口
9 冷媒出力口
20 制御部
30 電源装置
71 第一の酸素流量調整部
72 第二の酸素流量調整部
73,731 窒素流量調整部
73a,75a ニードルバルブ
73b,75b ガス流量表示計
74 第一のガス混合器74
75,751 混合ガス流量調整部
76 第二のガス混合器
77 第一混合ガス圧力調整器77
100,200,300 オゾン生成システム
300 窒素レスオゾン装置
301a,301b 電極
302 誘電体
303 光触媒物質
330 オゾン発生装置
Q0 酸素ガス流量(値)
Qx 窒素ガス流量(値)
QL 酸素ガス流量(値)
Qy 第一の混合ガス流量(値)
γ 窒素添加率

Claims (6)

  1. 酸素供給口(2)と、
    窒素供給口(3)と、
    流入される原料ガスからオゾンを発生させるオゾン発生装置(1,300)と、
    前記酸素供給口から供給される酸素および前記窒素供給口から供給される窒素が流入し、前記酸素および前記窒素の流量を調整し、当該調整後の前記酸素および前記窒素を、前記原料ガスとして、前記オゾン発生装置に対して出力するガス流量調整装置(7)とを、備えており、
    前記ガス流量調整装置は、
    前記酸素供給口と接続され、前記酸素供給口から供給される前記酸素の流量を調整する第一の酸素流量調整器部(71)と、
    前記酸素供給口と接続され、前記酸素供給口から供給される前記酸素の流量を調整する第二の酸素流量調整部(72)と、
    前記窒素供給口と接続され、前記窒素供給口から供給される前記窒素の流量を調整する窒素流量調整部(73,731)と、
    前記第二の酸素流量調整部から出力される前記酸素と前記窒素流量調整部から出力される前記窒素とから成る、第一の混合ガスの流量を調整する混合ガス流量調整部(75,751)とを、備え、
    前記ガス流量調整装置は、
    前記第一の酸素流量調整器から出力される前記酸素と前記混合ガス流量調整器から出力される前記第一の混合ガスとから成る第二の混合ガスを、前記原料ガスとして、前記オゾン発生装置に対して出力し、
    前記ガス流量調整装置は、
    前記第一の酸素流量調整器部、前記第二の酸素流量調整部、前記窒素流量調整部および前記混合ガス流量調整部を利用することにより、前記酸素に対する前記窒素の添加率が0ppmより大きく、100ppm以下の範囲に設定された前記第二の混合ガスを生成する、
    ことを特徴とするオゾン生成システム。
  2. 前記ガス流量調整装置は、
    前記第一の混合ガスのガス圧を調整する圧力調整部(77)を、さらに備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のオゾン生成システム。
  3. 前記ガス流量調整装置は、
    前記酸素に対する前記窒素の前記添加率が一定である前記第二の混合ガスを、前記オゾン発生装置に対して出力する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のオゾン生成システム。
  4. 前記ガス流量調整装置は、
    当該前記ガス流量調整装置内における流量の制御を行う制御部(20)を、さらに備えており、
    前記制御部は、
    前記ガス流量調整装置が、前記酸素に対する前記窒素の前記添加率が一定である前記第二の混合ガスを生成するように、前記第一の酸素流量調整器部における前記酸素の流量値および前記窒素流量調整部における前記窒素の流量値に基づいて、前記第二の酸素流量調整部における前記酸素の流量および前記混合ガス流量調整部における前記第一の混合ガスの流量を制御する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のオゾン生成システム。
  5. 前記窒素流量調整部および前記混合ガス流量調整部は、各々、
    バルブ(73a,75a)と流量表示計(73b,75b)とを含んでおり、
    前記ガス流量調整装置は、
    当該前記ガス流量調整装置内における流量の制御を行う制御部(20)を、さらに備えており、
    前記制御部は、
    前記ガス流量調整装置が、前記酸素に対する前記窒素の前記添加率が一定である前記第二の混合ガスを生成するように、前記第一の酸素流量調整器部における前記酸素の流量値および前記窒素流量調整部における前記バルブ調整後における前記流量表示計から読み取れる前記窒素の流量値および前記混合ガス流量調整部における前記バルブ調整後における前記流量表示計から読み取れる前記第一の混合ガスの流量値に基づいて、前記第二の酸素流量調整部における前記酸素の流量を制御する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のオゾン生成システム。
  6. 前記オゾン発生装置は、
    第一の電極(301a)と、
    前記第一の電極との間にギャップが形成されるように、前記第一の電極に対面して配置される第二の電極(301b)と、
    前記ギャップに面するように配置され、所定のバンドギャップを有する光触媒物質(303)とを、備え、
    前記第一の電極と前記第二の電極との間に交流電圧を印加することにより、前記ギャップ内において放電を発生させ、当該放電の放電光と前記光触媒物質とにより、前記ギャップ内に供給される前記第二の混合ガスに含まれる前記酸素を酸素原子に解離し、前記第二の混合ガスに含まれる前記酸素と前記解離した酸素原子との結合により、オゾンを発生する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のオゾン生成システム。
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