JP5617136B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技領域が区画形成された遊技盤と、操作ハンドルの操作に応じて前記遊技領域内に遊技球を発射する球発射手段と、前記遊技領域内に植設されて遊技球の流下方向を変化させる釘部材と、前記遊技領域内に配置されて遊技球の入球が可能な入球口と、を備えた遊技機に関するものである。
従来、一般に、遊技機としてのパチンコ機では、遊技盤に区画形成された遊技領域内に遊技球を打ち込み、該遊技球が遊技領域の所定部位に配置された入賞口(例えば、始動入賞口、一般入賞口、大入賞口等)に入賞すると、各入賞毎に予め設定された数の賞球を遊技者に付与することで遊技を行うようになっていた。また、このような入賞口(入球口)としては、例えば、特開2002−854号公報(特許文献1)に示されるように、左右一対の可動翼片(開閉片)の開閉動作によって第一の状態(閉鎖状態、但し遊技球の入賞は可能)と該第一の状態に比べて遊技球の入賞が容易な第二の状態(開放状態)との間で移行可能な普通可変入賞球装置(可変入球装置)で入賞口を構成したものが提案されている。なお、普通可変入賞球装置は、通常の遊技状態で第一の状態にあり、所定条件の成立(例えば、ゲートへの遊技球の通過に基づいて導出される普通図柄の表示結果が当りとなる等)に基づいて第一の状態から第二の状態に移行する制御が行われるようになっている。
特開2002−854号公報(図1)
ところで、上記特許文献1のように第一及び第二の状態間で移行可能な普通可変入賞球装置では、電気的駆動源であるソレノイドを構成するプランジャーの進退移動を可動翼片の回動動作に変換して伝達することで、可動翼片の開閉、即ち入賞口の開閉を行うようになっていた。具体的には、ソレノイド(プランジャー)と連動する駆動伝達部材を設け、該駆動伝達部材の動きを可動翼片の裏面に一体的に設けた係合突起部に伝達することで、可動翼片を回動させて入賞口を開閉するようになっていた。しかしながら、このような構成では、ソレノイドの駆動力、言い換えればプランジャーの進退移動に応じた駆動伝達部材の動きが直接的に可動翼片裏面の係合突起部にかかることになる。このため、係合突起部を含んだ可動翼片を一体的に合成樹脂材料で形成し、然も可動翼片裏面側の設計自由度を高めるために係合突起部を細長棒形状とした場合には、係合突起部が経時変化によってイタミが生じて可動翼片のスムーズな動き(入賞口のスムーズな開閉動作)が阻害され、最悪の場合、係合突起部が破損して入賞口が開閉できなくなる虞があった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ソレノイドの駆動力を開閉片裏面の係合突起部に伝達することで、入球口を開閉する構成において、継続的に入球口の開閉動作をスムーズに行わせることができる遊技機を提供することにある。
(解決手段1)
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、遊技領域が区画形成された遊技盤と、操作ハンドルの操作に応じて前記遊技領域内に遊技球を発射する球発射手段と、前記遊技領域内に植設されて遊技球の流下方向を変化させる釘部材と、前記遊技領域内に配置されて遊技球の入球が可能な入球口と、を備えた遊技機であって、
前記入球口は、第一の状態と該第一の状態に比べて遊技球の入球が容易な第二の状態との間で移行可能な開閉片を備えた可変入球装置から構成され、
前記可変入球装置は、
進退可能なプランジャーを有して前記開閉片を前記第一の状態と前記第二の状態との間で移行するソレノイドと、
前記プランジャーの進退移動を前記開閉片の移行動作として伝達する駆動伝達部材と、を備え、
前記駆動伝達部材は、当該駆動伝達部材を回動自在に取り付ける一対の回動軸部と、前記プランジャーとの係合により前記ソレノイドと当該駆動伝達部材とを連結する連結係合部と、前記開閉片との係合により前記回動軸部を中心とした当該駆動伝達部材の回動動作を前記開閉片に伝達する伝達係合部と、を備え、
前記開閉片は、前記伝達係合部との係合により前記駆動伝達部材の回動動作を当該開閉片の移行動作に変換する係合突起部を備え、
前記係合突起部と前記開閉片の片本体は、透明な合成樹脂材料から一体的に形成されており、前記開閉片の裏面から後方へ突出し、前記可変入球装置の製造段階で係合突起部の内部に気泡が含入されているかを判別する為に前記係合突起部の内部が視認可能となっていることを特徴とする。
この場合、ソレノイドを構成するプランジャーの進退移動を駆動伝達部材の回動動作を介して開閉片に伝達することで、開閉片を第一の状態と第二の状態との間で移行可能な構成にできる。具体的には、第一の状態では、ソレノイドを構成するプランジャーの移動が駆動伝達部材を介して開閉片に伝達されて開閉片が閉鎖状態(遊技球の入球が可能な状態も含む)となる一方、第二の状態では、ソレノイドを構成するプランジャーの移動が駆動伝達部材を介して開閉片に伝達されて開閉片が開放状態となる。また、この構成によれば、駆動伝達部材の回動動作を開閉片の移行動作に変換する開閉片の係合突起部は、内部が視認可能に且つ開閉片の片本体と一体的に合成樹脂材料から形成されて保全部として機能する。具体的には、係合突起部の内部が視認可能な構成から、可変入球装置の製造段階で係合突起部の内部に気泡が含入されているか否かを判別することができる。従って、係合突起部に気泡が含入されて係合突起部の強度が低下した不良品を選別して製造段階で取り除くことが可能になり、ひいては可変入球装置の製造品質を高めることができる。その結果、継続的に可変入球装置(入球口)の開閉動作をスムーズに行わせることができる。また、開閉片の片本体と係合突起部とを一体的に形成する構成から、片本体と係合突起部との境目部分の強度を高めることができる。例えば、開閉片の保全性を高めるために(具体的には、係合突起部のイタミや破損を回避するために)、金属棒等からなる別部材で係合突起部を構成して、これを開閉片の片本体に取り付けるような場合では、開閉片を構成する部品点数が増えると共に、別部材(金属棒等)の差し込み等の取り付けにおいてその取付部分にガタ付きが生じ易くなるという問題が生じる。これに対して、上記した構成では、係合突起部を開閉片の片本体と一体的に形成することで、部品点数を増やすことなく、然も部分的なガタ付きを生じさせることなく開閉片の保全性を高めることができる。また、このように開閉片全体を合成樹脂材料によって一体形成する場合、異物の混入がないので開閉片を溶かしてこれを原材料としてリサイクル使用することが容易になる。
(解決手段2)
解決手段1において、前記開閉片は、前記係合突起部以外であり且つ前記可変入球装置の組み付け状態において遊技者から視認可能となる部分が着色塗装される。
この場合、内部が視認可能な合成樹脂材料で形成された開閉片を着色塗装することで、可変入球装置の装飾性を高めることができる。また、この場合でも、ソレノイドの駆動力を駆動伝達部材を介して受ける係合突起部は、着色塗装されずに内部が視認可能な状態となるので、経時劣化などによる係合突起部のイタミ具合を点検によって確認することができる。また、可変入球装置の装飾性を高めるために係合突起部を別色で塗装するような場合、即ち開閉片の片本体と係合突起部とを二色塗装するような場合では、塗装の性質上、塗装の境目となる部分にひび割れ等が生じ易くなり、係合突起部(特には片本体との境目部分)の強度が劣化するが、上記した構成では、そのような境目部分の劣化を招来することなく可変入球装置の装飾性を高めることができる。
(解決手段3)
解決手段1又は解決手段2において、前記可変入球装置は、前記プランジャーの進退移動に伴って前記駆動伝達部材と係合する係合位置と前記駆動伝達部材との係合を解除する係合解除位置との間で移動可能に設けられると共に、前記係合位置において前記駆動伝達部材の動きを規制することで前記開閉片を前記第一の状態でロックするロック部材を備える。
この場合、第一の状態においては、プランジャーの移動に伴ってロック部材が駆動伝達部材と係合する係合位置に移動する。これにより、ロック部材との係合によって駆動伝達部材の動きが規制され、開閉片が第一の状態でロックされる。また、第二の状態に移行する際は、プランジャーの移動に伴ってロック部材が駆動伝達部材との係合を解除する係合解除位置に移動することで、開閉片の第一の状態でのロックが解除され、開閉片が第二の状態に移行する。従って、第一の状態では、開閉片がロック状態にあるため、プランジャーを移動させ得る程度の外力を開閉片に加えても、開放方向に開閉片を移動させることができず、結果として、不正な外力によって可変入球装置が開放されることを防止することができる。
(解決手段4)
解決手段1乃至解決手段3において、前記ロック部材は、当該ロック部材と前記プランジャーとを連結すると共に、前記開閉片を前記第一の状態から前記第二の状態に移行する前記プランジャーの移動開始と略同時に当該ロック部材の前記係合位置から前記係合解除位置への移動を開始させる連結部を備え、前記連結係合部は、前記開閉片を前記第一の状態から前記第二の状態に移行する前記プランジャーの移動が開始された後に前記ロック部材が前記係合解除位置に移動してから前記プランジャーの移動を前記開閉片の移行動作として伝達する。
この場合、開閉片を第一の状態から第二の状態に移行する際、その原動力となるプランジャーの移動開始と略同時にロック部材の係合位置から係合解除位置への移動が開始され、次いでロック部材が係合解除位置に移動してから、駆動伝達部材によってプランジャーの移動が開閉片の移行動作として伝達される。このため、ロック部材による開閉片のロック解除動作(ロック部材の係合解除位置への移動動作)と、駆動伝達部材による開閉片の第二の状態への移行動作(駆動伝達部材を介してプランジャーの移動を開閉片に伝達する動作)との開始タイミングを異ならせることができる。言い換えれば、ロック解除時及び第二の状態への移行開始時における初動動作の原動力となるプランジャーの出力タイミングをずらすことで、ソレノイドに対する負担を分散軽減することができ、結果として、開閉片のロックを可能にした構成において、よりスムーズな開閉片の開閉動作を招来することができる。
(解決手段5)
解決手段1乃至解決手段4において、前記連結係合部は、前記駆動伝達部材と前記ソレノイドとの連結状態において、前記プランジャーの先端部分との間で若干の隙間を設ける形状に形成され、前記プランジャーとの連結係合において若干の遊びを持った遊嵌状態で取り付けられている。
この場合、不正行為等によって外力が加わった場合、その外力は連結係合部とプランジャーの先端部分との若干の遊びによって吸収されるため、直接的に開閉片、駆動伝達部材、あるいはソレノイドにかかることがないので、開閉片(入球口)のロックに伴う各種構成部材の破損が回避できる。
(解決手段6)
解決手段1乃至解決手段5において、前記ソレノイドは、前記プランジャーの外周を螺旋状に巻回して常時当該プランジャーを進出方向に付勢するコイルスプリングを備え、非通電時には励磁が解除されて前記プランジャーが前記コイルスプリングの付勢力によって進出移動して前記開閉片を前記第一の状態に移行する一方、通電時には励磁されて前記プランジャーが前記コイルスプリングの付勢力に抗して退行移動して前記開閉片を前記第二の状態に移行する。
この場合、第一の状態に比べて遊技球の入球が容易な第二の状態に移行するときに、ソレノイドを通電してプランジャーを退行移動させる構成にできる。このため、可変入球装置を第二の状態に移行する制御を、特別な遊技価値として遊技者に付与する場合にのみ電力を消費することになるので、可変入球装置(開閉片)の開閉動作を経済的に行うことができる。
(解決手段7)
解決手段1乃至解決手段6において、前記開閉片は、相互間の隙間によって前記入球口を形成する左右一対の開閉片からなり、該左右一対の開閉片は、それぞれ前記駆動伝達部材の動きに応じて、前記第一の状態となる垂直位置と前記第二の状態となる傾動位置との間で回動自在に設けられる。
この場合、左右一対の開閉片の垂直位置(第一の状態)と傾動位置(第二の状態)との間での回動動作によって可変入球装置の開閉を行う構成にできる。また、このような構成にすることで、可変入球装置の開放時には、開閉片の少ない移動量(回動量)で効率的に入球口の開放量を稼ぐことができるので、効率良く可変入球装置の開閉を行うことができる。
(解決手段8)
解決手段3乃至解決手段7において、前記可変入球装置は、前記開閉片、前記ソレノイド、前記駆動伝達部材、及び前記ロック部材を一体的に組み付けて当該可変入球装置を前記遊技領域に取り付ける取付基体を備える。
この場合、取付基体に対して各種構成部材(開閉片、ソレノイド、駆動伝達部材、及びロック部材)を組み付けることで、可変入球装置をユニット化して構成することができるので、可変入球装置の遊技領域(遊技盤)への取り付け及び取り外し作業を容易にできる。
(解決手段9)
解決手段1乃至解決手段8において、前記遊技領域内に配置されると共に遊技球の通過検出に基づいて前記可変入球装置を前記第一の状態から前記第二の状態に移行する通過球検出手段を備える。
この場合、遊技領域内への遊技球の打ち込みにおいて、当該遊技球が通過球検出手段によって通過検出されたことに基づいて可変入球装置を第一の状態から第二の状態に移行する構成となる。言い換えれば、打ち込んだ遊技球の球流れに応じて可変入球装置を第二の状態に移行させることができるので、遊技領域内での遊技球の球流れに対する興趣の低減を抑制することができる。
(解決手段10)
解決手段9において、前記通過球検出手段による遊技球の通過検出に基づいて乱数を抽出する乱数抽出手段と、該乱数抽出手段によって抽出された乱数値に基づいて前記可変入球装置を前記第一の状態から前記第二の状態に移行するか否かの判定を行う移行判定手段と、該移行判定手段により前記第二の状態に移行する判定がなされたことに基づいて前記可変入球装置を所定期間で前記第二の状態に移行制御する移行制御手段と、を備える。
この場合、通過球検出手段によって遊技球の通過検出があると必ず可変入球装置を第二の状態に移行するのではなく、通過球検出手段による遊技球の通過検出に基づいて抽選を行い、その抽選結果が当りとなったときにのみ可変入球装置を第二の状態に移行する構成にできるので、可変入球装置を第二の状態に移行させる遊技特典の希少価値を高めることができる。
(解決手段11)
解決手段1乃至解決手段10において、前記遊技領域内に配置されて遊技球の入賞が可能な始動入賞口と、該始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出する入賞検出手段と、少なくとも前記入賞検出手段による遊技球の検出に応じて所定数の遊技球を払い出す球払出手段と、前記入賞検出手段による遊技球の検出に基づいて遊技者に利益を付与すべきか否かの判定を行う当落判定手段と、該当落判定手段により遊技者に利益を付与すべき判定がなされたことに基づいて遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する利益付与状態制御手段と、を備え、前記始動入賞口は、前記可変入球装置から構成される。
この場合、可変入球装置から構成される始動入賞口への入賞に基づいて当落判定を行い、当該判定結果が当りとなったときに遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する。このため、利益付与状態になるか否かの判定においては、始動入賞口への入賞が最も重要な契機となるので、始動入賞口への入賞を大きく左右する可変入球装置の第二の状態への移行に対する遊技者の関心を大きく高めることができる。
(解決手段12)
解決手段11において、前記遊技領域内に配置されて図柄情報を変動表示する表示手段と、前記当落判定手段の判定結果に基づいて前記表示手段にて図柄情報の変動表示を行って所定期間経過後に前記判定結果に応じた図柄情報の表示結果を停止表示すると共に、前記当落判定手段により遊技者に利益を付与すべき判定がなされたときに図柄情報の表示結果として特定表示結果を停止表示する表示制御手段と、を備える。
この場合、始動入賞口への入賞に基づいた当落判定を表示手段による図柄情報の変動表示によって演出することができるので、視覚的な興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段13)
解決手段11及び解決手段12において、前記利益付与状態制御手段により利益付与状態に制御されたときに、閉鎖状態から開放状態に移行して大量の遊技球が入賞し得る大入賞口を有する大入賞口装置を備える。
この場合、大入賞口への入賞に伴って大量の賞球を遊技者に払い出すことを利益付与状態として遊技者に付与することができる。
(解決手段14)
解決手段1乃至解決手段13において、前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする。
なお、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作手段の操作に応じて遊技球を遊技領域に打ち込み、該打ち込んだ遊技球が遊技領域内に設けられた始動口に入賞することを条件として図柄表示手段で図柄情報の変動表示を行い、図柄情報の表示結果を停止表示するものである。また、利益付与状態(例えば、大当り遊技状態)の発生時には、遊技領域内に設けられた大入賞口を所定態様で開放して遊技球の入賞を可能にし、その入賞に基づいて遊技者に遊技特典(例えば、賞球の付与や磁気カードへのポイントの書き込み等)を付与するものである。
本発明の構成によれば、可変入球装置の製造品質を高めることができ、その結果、継続的に可変入球装置(入賞口)の開閉動作をスムーズに行わせることができる。
パチンコ機を示す正面図である。 本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。 遊技盤を示す正面図である。 可変入賞装置を示す組付斜視図である。 可変入賞装置を示す分解斜視図である。 取付基体に対する駆動伝達部材及びスライドロック部材の取り付け状態を示す背面図である。 左右一対の開閉片を示す背面斜視図である。 同図(A)は、閉鎖状態の可変入賞装置の各種構成部材を示す正面図であり、同図(B)は、閉鎖状態の可変入賞装置の各種構成部材を示す側面図である。 同図(A)は、開放状態の可変入賞装置の各種構成部材を示す正面図であり、同図(B)は、開放状態の可変入賞装置の各種構成部材を示す側面図である。 パチンコ機の制御に関する構成を示すブロック図である。 主制御基板に搭載されるCPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御基板に搭載されるCPUにより実行される電源断発生時処理を示すフローチャートである。 主制御基板に搭載されるCPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御基板に搭載されるCPUにより更新される乱数を示す一覧表図である。 主制御基板に搭載されるCPUにより実行される遊技処理を示すフローチャートである。 遊技処理における変動開始処理を示すフローチャートである。 変動開始処理における大当り判定処理を示すフローチャートである。 遊技処理における変動表示パターン設定処理を示すフローチャートである。 変動表示パターンテーブルの一例を示す説明図である。 サブ統合基板に搭載される統合CPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 サブ統合基板に搭載される統合CPUにより実行される16msタイマ割込処理を示すフローチャートである。 サブ統合基板に搭載される統合CPUにより更新される乱数を示す一覧表図である。 16msタイマ割込処理におけるコマンド解析処理を示すフローチャートである。 16msタイマ割込処理における演出制御処理を示すフローチャートである。 演出制御処理における装飾図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 演出制御処理における装飾図柄変動処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤4の盤面(前面)には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられ、該案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成されている。遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、スピーカ装着板13を介して低音用スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。そして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、サイド装飾装置27、上皿28、音響電飾装置29を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置27が、下部に上皿28が、上部に音響電飾装置29が装着されている。サイド装飾装置27は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体33を主体として構成されている。サイド装飾体33には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ34が組み込まれている。音響電飾装置29は、透明カバー体35、スピーカ36、スピーカカバー37、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
次に、遊技盤4に区画形成された遊技領域12内に設けられる各種構成部材について図3を参照して説明する。図3は、遊技盤を示す正面図である。
遊技領域12のほぼ中央には、本実施形態の要部をなす演出装置40が配設されている。演出装置40は、特別図柄を変動表示する特別図柄表示LED41と、演出表示を行う液晶表示器42(表示手段)と、普通図柄を変動表示する普通図柄表示LED43と、特別図柄表示LED41、液晶表示器42、及び普通図柄表示LED43を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための装飾取付基板50(装飾部材)と、を備えている。
演出装置40の下方には、入球口としての始動入賞口72を形成する一対の開閉片73,74を備えた可変入球装置としての可変入賞装置70が配設されている。可変入賞装置70は、普通図柄表示LED43の表示結果が「当り」となったときに、始動入賞口72(開閉片73,74)が所定時間(例えば、通常時0.5秒又は確率変動時3秒)開放されるように制御される。開閉片73,74の開閉動作は、始動口ソレノイド67(図10参照:ソレノイド)の駆動に基づいて行われる。但し、ここでいう始動入賞口72の開放とは、開閉片73,74が傾動位置に移動することで始動入賞口72への入賞が比較的容易に行われる状態のことであり、始動入賞口72の閉鎖時(開閉片73,74が垂直位置に移動したとき)であっても始動入賞口72への入賞は可能になっている。また、始動入賞口72に入賞した遊技球は、始動口スイッチ46(図10参照:入賞検出手段)によって検出され、この検出に基づいて特別図柄表示LED41で特別図柄の変動表示が許可される。なお、特別図柄の変動中に始動入賞口72に入賞した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数は、複数個のLEDからなる特図始動記憶LED68(図10参照)の点灯によって表示される。可変入賞装置70の詳細な構成については後述する。
可変入賞装置70の下方には、横長長方形状の大入賞口61(入賞口)を開閉する開閉板62を有する大入賞口装置60が配設されている。大入賞口装置60は、大入賞口61(開閉板62)の開閉用駆動源となる大入賞口ソレノイド63と、カウントスイッチ64と(共に図10参照)を備えている。大入賞口装置60の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口47が設けられている。
可変入賞装置70の左右側方には、それぞれ普通図柄表示LED43で普通図柄の変動表示を許可するゲート48が設けられており、このゲート48内には、当該ゲート48を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ49(通過球検出手段)が設けられている(図10参照)。なお、普通図柄の変動中にゲートスイッチ49を通過した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数は、複数個のLEDからなる普図始動記憶LED69(図10参照)の点灯によって表示される。また、遊技領域12には、上記した構成以外にも、サイドランプ65を内蔵したサイドランプ飾り66が設けられると共に、多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして植設されている。
次に、演出装置40について説明する。演出装置40は、特別図柄表示LED41、液晶表示器42、及び普通図柄表示LED43を取り付けた装飾取付基板50が取付ビス50aによって遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けられることで、遊技領域12のほぼ中央部分に配置される。装飾取付基板50は、合成樹脂材料から形成され、液晶表示器42の表示画面を遊技者側となる前方に臨設する額縁部51と、該額縁部51の外周を囲むように前方に突出して設けられる装飾突出部52と、該装飾突出部52の外周であり且つ装飾取付基板50の外周端部となる位置に設けられて前記取付ビス50aを取り付けるための取付穴53aが穿設された鍔状取付部53と、を備えている。
額縁部51における左右上端には、それぞれ普通図柄表示LED43及び特別図柄表示LED41を個々に臨設する表示窓54a,54bが穿設されている。また、装飾突出部52における左右側辺には、それぞれ演出装置40の左右側方の遊技領域12を流下する遊技球を受け入れるワープ入口55a,55bと、該ワープ入口55a,55bと個々に連通してワープ入口55a,55bに入った遊技球を下方に誘導するワープ通路56a,56bと、該ワープ通路56a,56bの各下流端となるワープ出口57a,57bと、が形成されており、装飾突出部52における下辺には、ワープ出口57a,57bから排出された遊技球を中央側に誘導するステージ58と、該ステージ58の中央に位置して始動入賞口72の上方位置から遊技球を排出する排出口59と、が形成されている。
遊技盤4に設けられる各種の入賞装置等によって実現される遊技について説明すると、パチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置140(図10参照:球発射手段)によって打ち出されて発射レール15及び案内レール11を通って遊技領域12に放出された遊技球は、遊技領域12を障害釘(釘部材)等に衝突しながらアウト口47に向かって流下する。遊技領域12を流下する遊技球がゲートスイッチ49によって検出されると、普通図柄表示LED43で普通図柄が変動表示され、その表示結果が「当り」であるときに始動入賞口72の開閉片73,74が所定時間(例えば、0.5秒)開放される(移行制御手段)。もちろん、普通図柄表示LED43の表示結果が「ハズレ」の場合、開閉片73,74が開放されることはないが、開閉片73,74が開放しなくても遊技球は、始動入賞口72に入賞し得るようになっている。
そして、始動入賞口72に遊技球が入賞すると、特別図柄表示LED41で特別図柄が変動を開始して、所定時間経過した後に停止する。その停止した時の図柄の表示結果が特定表示結果になると、「大当り遊技状態(利益付与状態)」となって、大入賞口装置60の開閉板62が手前側に倒れて大入賞口61を開放し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、9個)の入賞があるまで大入賞口61を開放した状態に維持する。その後、開閉板62の起立により大入賞口61が一旦閉じられ、再度、開閉板62が手前側に倒れることにより、大入賞口61が開放される開閉サイクル(ラウンド)を15回繰り返すようになっている。
なお、液晶表示器42では、特別図柄表示LED41に表示される特別図柄の変動開始に伴って装飾図柄(図柄情報)の変動表示を開始し、その後、特別図柄の表示結果と対応した装飾図柄の表示結果を停止表示する。即ち、特別図柄が特定表示結果となるときは、装飾図柄を特定の表示態様(特定表示結果)で停止表示する一方、特別図柄が特定表示結果以外の表示結果となるときは、装飾図柄を特定の表示態様(特定表示結果)以外の表示結果で停止表示する。また、液晶表示器42では、装飾図柄の変動表示中、キャラクタを表示する等の演出表示を行うことで、特定表示結果が停止表示されることに対する遊技者の期待感を高めるようになっている。
次に、本実施形態の要部を構成する可変入賞装置70について図4乃至図9を参照して説明する。図4は、可変入賞装置70を示す斜視図である。図5は、可変入賞装置70を示す分解斜視図である。図6は、取付基体71に対する駆動伝達部材76及びスライドロック部材77の取り付け状態を示す背面図である。図7は、左右一対の開閉片73,74を示す背面斜視図である。図8(A)は、閉鎖状態の可変入賞装置70の各種構成部材を示す正面図である。図8(B)は、閉鎖状態の可変入賞装置70の各種構成部材を示す側面図である。図9(A)は、開放状態の可変入賞装置70の各種構成部材を示す正面図である。図9(B)は、開放状態の可変入賞装置70の各種構成部材を示す側面図である。
図4及び図5に示すように、可変入賞装置70は、当該可変入賞装置70を遊技盤4(遊技領域12)に取り付けるための取付基体71と、始動入賞口72を形成する左右一対の開閉片73,74と、始動入賞口72に入った遊技球を下方で受け止める球受部材75と、開閉片73,74の電気的駆動源となる始動口ソレノイド67と、該始動口ソレノイド67の駆動力を開閉片73,74に伝達する駆動伝達部材76と、始動入賞口72の閉鎖時において開閉片73,74をロックする(不正な外力等で開放しないようにする)スライドロック部材77(ロック部材)と、を備えている。なお、前述したように本実施形態でいう始動入賞口72の開放状態とは、始動入賞口72への入賞が比較的容易に行われる状態(始動入賞口72を拡大開放した状態)のことであり、始動入賞口72の閉鎖状態であっても始動入賞口72への入賞は可能になっている。
取付基体71は、当該取付基体71を遊技盤4にビス止めするための一対の取付穴80a,80bが穿設された鍔状基部81を備え、該鍔状基部81のほぼ中央には、始動入賞口72に入った遊技球を遊技盤4の裏面側に送り込む開口部82が穿設されている。鍔状基部81の前面であり且つ開口部82の左右側辺部分には、開閉片73,74を個々に回動自在に軸支するための軸支穴83a,83bが穿設され、鍔状基部81の前面であり且つ開口部82の下辺部分には、取付基体71の前側に球受部材75をビス止めするための一対のビス止めボス84a,84bが突設されている。一方、鍔状基部81の裏面には、開口部82の外周を覆うように筒状収容部85が立設されている。筒状収容部85の上側内壁には、図6に示すように、スライドロック部材77を前後方向となるD1−D2方向(図8(B)、図9(B)参照)にスライド移動可能に取り付けるスライド取付部85aが形成され、筒状収容部85の下側内壁には、開口部82を通して遊技盤4の裏面側に送り込まれた遊技球の通路となる球通路部85bが形成されている。また、筒状収容部85の左右両側壁の後端部分には、それぞれ駆動伝達部材76を回動自在に軸支する一対の軸支切欠部85c,85dが形成されており、当該一対の軸支切欠部85c,85dが形成された筒状収容部85側壁の外周部分には、取付基体71の後側に始動口ソレノイド67をビス止めするための一対のビス止めボス86a,86bが突設されている。
開閉片73,74は、図7に示すように、相互に左右対称の形状に形成されている。このため、以下の説明では、便宜的に、左側の開閉片73についてのみ構造説明を行い、右側の開閉片74については、開閉片73と同一の機能を有する各種構成部に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。開閉片73は、断面が略三角形状をなす片本体87を備え、該片本体87の下側部分には、球受部材75に設けられる後述の軸突起部91a(軸突起部91b)を挿通する軸穴87aが穿設されている。即ち、球受部材75の軸突起部91a(軸突起部91b)が開閉片73(開閉片74)の軸穴87aを挿通した状態で、その先端部分が取付基体71の軸支穴83a(軸支穴83b)に軸支されることで、開閉片73(開閉片74)は、軸突起部91a(軸突起部91b)を回動軸として回動自在に取り付けられる。また、片本体87の後側下端部分には、駆動伝達部材76と係合する係合突起部87bが突設されている。
球受部材75は、取付基体71の開口部82をその前方から被覆する装飾前面部88を備え、該装飾前面部88には、球受部材75を取付基体71のビス止めボス84a,84bに個々にビス止めするための取付穴89a,89bが穿設されている。また、装飾前面部88の裏面側には、始動入賞口72に入った遊技球を受け止めて取付基体71の開口部82から球通路部85bに誘導する誘導部90が設けられると共に、個々に開閉片73,74の軸穴87aを挿通して各開閉片73,74の回動軸をなす一対の軸突起部91a,91bが突設されている。
始動口ソレノイド67は、電気的な励磁及び励磁解除によって前後方向に進退移動するプランジャー67aと、該プランジャー67aの外周を螺旋状に巻回して常時プランジャー67aを進出方向に付勢するコイルスプリング67bと、を備えている。しかして、始動口ソレノイド67は、非通電時には励磁が解除されてプランジャー67aがコイルスプリング67bの付勢力によって前方に進出移動した状態となる一方、通電時には励磁されてプランジャー67aがコイルスプリング67bの付勢力に抗して後方に退行移動した状態となる。なお、始動口ソレノイド67は、合成樹脂製の収容筐体99が一体的に取り付けらている。収容筐体99の前端部分、即ちプランジャー67aの配置側となる端部には、左右一対の鍔状フランジ部99a,99bが形成されており、該鍔状フランジ部99a,99bには、それぞれ始動口ソレノイド67を取付基体71のビス止めボス86a,86bに取り付けるための取付穴100a,100bが穿設されている。
駆動伝達部材76は、取付基体71の軸支切欠部85c,85dへの軸支係合により当該駆動伝達部材76を取付基体71に対して回動自在に取り付ける一対の回動軸部92a,92bと、コの字状をなして開閉片73,74の係合突起部87bと個々に係合する一対の伝達係合部93a,93bと、始動口ソレノイド67のプランジャー67aとの係合により始動口ソレノイド67(プランジャー67a)と当該駆動伝達部材76とを連結する連結係合部94と、スライドロック部材77との係合によって駆動伝達部材76の回動動作をロックする一方、スライドロック部材77との係合を解除することで駆動伝達部材76の回動ロックを解除するロック係合部95と、を備えている。なお、連結係合部94は、プランジャー67aとの連結係合において若干の遊びを持った遊嵌状態で取り付けられている。具体的には、連結係合部94は、駆動伝達部材76と始動口ソレノイド67との連結状態において、プランジャー67aの先端部分との間で若干の隙間を設ける形状に形成されている。
スライドロック部材77は、取付基体71のスライド取付部85a内に遊嵌されることで取付基体71に対して当該スライドロック部材77を前後方向にスライド可能に取り付ける平板状のロック基体96を備え、該ロック基体96の下面には、当該スライドロック部材77の前後方向へのスライド移動に応じて駆動伝達部材76のロック係合部95との係合及び係合解除を行う係合ロック部97と、始動口ソレノイド67のプランジャー67aとの係合により始動口ソレノイド67(プランジャー67a)と当該スライドロック部材77とを連結する連結凹部98(図8(B)、図9(B)参照:連結部)とが設けられている。
そして、可変入賞装置70の組み付けにおいては、球受部材75の軸突起部91a,91bを開閉片73,74の各軸穴87aに挿通し、軸突起部91a,91bの各先端部分を取付基体71の軸支穴83a,83bに個々に軸支して、この状態で球受部材75の装飾前面部88(取付穴89a,89b)を取付基体71(ビス止めボス84a,84b)にビス止めすることで、取付基体71を構成する鍔状基部81の前面側に左右一対の開閉片73,74が軸突起部91a,91bを回動軸として回動自在に取り付けられる。開閉片73は、軸突起部91aを中心にB1−B2方向(図8(A)、図9(A)参照)に回動自在に取り付けられ、開閉片74は、軸突起部91bを中心にC1−C2方向(図8(A)、図9(A)参照)に回動自在に取り付けられる。なお、このとき、各開閉片73,74間の隙間空間が始動入賞口72として形成され、その下方には、始動入賞口72に入った遊技球を受け止めてこれを後方(取付基体71の開口部82から球通路部85b)に誘導する球受部材75の誘導部90が配置される。また、このような取り付けにおいて、開閉片73,74の後側に突設された各係合突起部87bは、取付基体71の開口部82を挿通して筒状収容部85内に突出した状態に配置される。
一方、取付基体71を構成する鍔状基部81の後面側となる筒状収容部85内には、駆動伝達部材76とスライドロック部材77とが取り付けられる。即ち、駆動伝達部材76は、コの字状をなす伝達係合部93a,93bが個々に筒状収容部85内に突出された開閉片73,74の係合突起部87bと係合された状態で、回動軸部92a,92bが取付基体71の軸支切欠部85c,85dに軸支係合されることで、筒状収容部85内に回動自在に取り付けられる。駆動伝達部材76は、回動軸部92a,92bを中心にA1−A2方向(図8(B)、図9(B)参照)に回動自在に取り付けられる。また、スライドロック部材77は、ロック基体96が筒状収容部85内のスライド取付部85aに遊嵌されることで、前後方向にスライド可能に取り付けられる。
また、取付基体71の筒状収容部85の後側には、プランジャー67aが筒状収容部85内の駆動伝達部材76及びスライドロック部材77と連結された状態で始動口ソレノイド67が取り付けられる。即ち、始動口ソレノイド67は、プランジャー67aの先端部分が駆動伝達部材76の連結係合部94及びスライドロック部材77の連結凹部98と連結係合された状態で、収容筐体99の鍔状フランジ部99a,99b(取付穴100a,100b)が取付基体71のビス止めボス86a,86bにビス止めされることで、取付基体71(筒状収容部85)の後側に一体的に取り付けられる。そして、上記したような各種構成部材の組み付けから構成された可変入賞装置70は、取付基体71が取付穴80a,80bを介して遊技盤4の表面にビス止めして取り付けられることで、遊技領域12内の所定領域に配置される。
次に、可変入賞装置70を構成する開閉片73,74(始動入賞口72)の開閉動作について図8及び図9を参照して説明する。但し、以下に説明する開閉片73,74(始動入賞口72)の閉鎖とは、開放時に比べて始動入賞口72への入賞が比較的困難になる状態のことであり、始動入賞口72への入賞自体は可能な状態である。
先ず、開閉片73,74の閉鎖状態(第一の状態)について図8を参照して説明すると、図8(A)(B)に示すように、閉鎖時には、始動口ソレノイド67が非通電状態となり励磁が解除されることで、プランジャー67aがコイルスプリング67bの付勢力によって前方に進出移動した状態となる。これにより、連結係合部94がプランジャー67aの先端部分に連結係合する駆動伝達部材76は、プランジャー67aの進出移動に伴い回動軸部92a,92bを中心としてA1方向に回動する。そして、係合突起部87bが駆動伝達部材76の伝達係合部93a,93bと個々に係合する開閉片73,74は、回動軸部92a,92bを中心とした駆動伝達部材76(伝達係合部93a,93b)のA1方向への回動に伴い係合突起部87bが押し下げられる。従って、左側の開閉片73は、係合突起部87bの押し下げによって軸突起部91aを中心としてB1方向に回動して垂直位置(図8(A)に示すように片本体87が垂直状態となる位置)に移行し、右側の開閉片74は、係合突起部87bの押し下げによって軸突起部91bを中心としてC1方向に回動して垂直位置に移行することで、始動入賞口72への入賞が比較的困難な閉鎖状態となる。
また、このような開閉片73,74(始動入賞口72)の閉鎖状態において、開閉片73,74は、スライドロック部材77と駆動伝達部材76との係合によって軸突起部91a,91bを中心とした回動動作がロックされるようになっている。具体的には、始動口ソレノイド67の励磁解除によるプランジャー67aの進出移動に伴い駆動伝達部材76がA1方向に回動することで、駆動伝達部材76のロック係合部95は、ほぼ垂直位置に移行した状態となる。また、スライドロック部材77は、プランジャー67aの進出移動に伴い前方(D1方向)にスライド移動する。これにより、スライドロック部材77の係合ロック部97が駆動伝達部材76のロック係合部95と係合する。即ち、係合ロック部97の下端部分がロック係合部95の上端部分と当接した状態になる。このため、駆動伝達部材76の回動軸部92a,92bを中心として回動動作がロックされ、結果として、駆動伝達部材76(伝達係合部93a,93b)と係合する開閉片73,74(係合突起部87b)の軸突起部91a,91bを中心として回動動作がロックされる。従って、開閉片73,74(始動入賞口72)の閉鎖時に開閉片73,74を開放する方向(開閉片73のB2方向、開閉片74のC2)に不正行為等によって外力が加わる場合でも、開閉片73,74(始動入賞口72)は、開放することなく閉鎖状態を維持するようになっている。なお、このように不正行為等によって外力が加わった場合、その外力は前述した連結係合部94とプランジャー67aの先端部分との若干の遊びによって吸収されるため、直接的に開閉片73,74、駆動伝達部材76、あるいは始動口ソレノイド67にかかることがないので、開閉片73,74(始動入賞口72)のロックに伴う各種構成部材の破損を回避するようになっている。
次いで、開閉片73,74の開放状態(第二の状態)について図9を参照して説明すると、図9(A)(B)に示すように、開放時には、始動口ソレノイド67が通電状態となり励磁されることで、プランジャー67aがコイルスプリング67bの付勢力に抗して後方に退行移動した状態となる。これにより、連結係合部94がプランジャー67aの先端部分に連結係合する駆動伝達部材76は、プランジャー67aの退行移動に伴い回動軸部92a,92bを中心としてA2方向に回動する。そして、係合突起部87bが駆動伝達部材76の伝達係合部93a,93bと個々に係合する開閉片73,74は、回動軸部92a,92bを中心とした駆動伝達部材76(伝達係合部93a,93b)のA2方向への回動に伴い係合突起部87bが押し上げられる。従って、左側の開閉片73は、係合突起部87bの押し上げによって軸突起部91aを中心としてB2方向に回動して傾動位置(図9(A)に示すように片本体87が傾動状態となる位置)に移行し、右側の開閉片74は、係合突起部87bの押し上げによって軸突起部91bを中心としてC2方向に回動して傾動位置に移行することで、始動入賞口72への入賞が比較的容易な開放状態となる。
なお、このような開閉片73,74(始動入賞口72)の開放時には、自動的にスライドロック部材77と駆動伝達部材76との係合、言い換えれば開閉片73,74の回動ロック状態が解除されて、スムーズに開閉片73,74(始動入賞口72)が開放されるようになっている。具体的には、始動口ソレノイド67の励磁によるプランジャー67aの退行移動に伴い、スライドロック部材77が後方(D2方向)にスライド移動することで、スライドロック部材77の係合ロック部97と駆動伝達部材76のロック係合部95との係合が解除される。これにより、プランジャー67aの退行移動がそのまま駆動伝達部材76のA2方向への回動動作として伝達されて開閉片73のB2方向への回動動作及び開閉片74のC2方向への回動動作が行われることで、開閉片73,74(始動入賞口72)がスムーズに開放するようになっている。
ところで、始動入賞口72を形成する左右一対の開閉片73,74は、それぞれ透明な合成樹脂材料によって形成され、係合突起部87b以外となる片本体87の部分、言い換えれば可変入賞装置70の組み付け状態において遊技者から視認可能となる開閉片73,74の部分は、装飾的に着色塗装されている。このため、可変入賞装置70の製造段階(開閉片73,74を着色塗装する前段階)で合成樹脂材料からなる開閉片73,74の係合突起部87bに気泡が含入されているか否かを判別することができる。従って、係合突起部87bに気泡が含入されて係合突起部87bの強度が低下した不良品を選別して製造段階で取り除くことが可能になり、ひいては可変入賞装置70の製造品質を高めることができる。また、透明な合成樹脂材料で形成された開閉片73,74を着色塗装することで、可変入賞装置70の装飾性を高めることができる。然も、この場合でも、始動口ソレノイド67の駆動力を駆動伝達部材76を介して受ける係合突起部87bは、着色塗装されずに透明な状態となるので、経時劣化などによる係合突起部87bのイタミ具合を点検によって確認することができる。
図10は、パチンコ機1の動作を制御するための構成を概略的に示している。パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板のグループと周辺基板のグループとで分担されており、このうち主基板のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。これら基板類は、いずれもパチンコ機1の背面側に設置されており、通常、本体枠3の施錠を解除した上で本体枠3を開放しない限り前面側から視認されたり、操作されたりすることはない。この他にも、パチンコ機1には電源基板や発射制御基板、インタフェース基板(CR機の場合)等が装備されているが、いずれも公知のものを適用できるため、ここでは図示と共に詳細な説明を省略する。
主基板グループは、主制御基板101と払出基板105とから構成されている。主制御基板101(当落判定手段、利益付与状態制御手段)は、中央演算装置としてのCPU102をはじめ、読み出し専用メモリとしてのROM103や読み書き可能メモリとしてのRAM104等を備えている。このうちCPU102は、ROM103に格納されている遊技制御プログラムを実行し、この実行に伴いパチンコ機1で行われる各種遊技を制御する。またCPU102は、周辺基板グループや払出基板105に送信するコマンドを作成する。また、RAM104には、主制御基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主制御基板101には、始動口スイッチ46、ゲートスイッチ49、カウントスイッチ64が接続されており、主制御基板101には、これらスイッチ類から検出信号が入力される。具体的には、遊技球が流下する過程でゲート58を通過すると、その通過がゲートスイッチ49により検出され、そして検出信号が主制御基板101に入力される。また、遊技球が始動入賞口72に入賞すると、始動口スイッチ46から主制御基板101に検出信号が入力される。また大当り遊技中に大入賞口61に遊技球が入賞すると、カウントスイッチ64から主制御基板101に検出信号が入力される。そして、CPU102は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。即ち、CPU102は、入力された検出信号に基づいて各種ソレノイド63,67、特別図柄表示LED41、普通図柄表示LED43、特図始動記憶LED68、及び普図始動記憶LED69に対し、それぞれの駆動信号を出力する。さらにCPU102は、入賞に応じた遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを払出基板105に対して出力する。
払出基板105もまた、中央演算装置としての払出CPU106をはじめ読み出し専用メモリとしての払出ROM107や読み書き可能メモリとしての払出RAM108を備えている。なお、上述した始動口スイッチ46やカウントスイッチ64により遊技球の入賞が検出されると、各スイッチから検出信号が主制御基板101に入力される。そして、主制御基板101では、入力された検出信号に基づいてCPU102から払出基板105に対して規定個数の遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信される。そして、払出基板105は、主制御基板101から受けとった払出コマンドを処理し、規定個数分の遊技球の払い出しを実行するべく払出装置130(球払出手段)に対して駆動信号を出力する。この結果、実際に払出装置130によって規定個数分の遊技球の払い出しが行われる。
また、払出基板105には、発射モータを備えた発射装置140が接続されており、発射装置140は、発射モータの動力を用いて遊技球を遊技領域12に向けて発射する動作を行うことができる。遊技者が操作ハンドル18を操作(捻り操作)すると、発射装置140の発射モータが駆動され、これにより遊技球が打ち出される。
図10には示されてないが、発射装置140には、遊技者の身体が操作ハンドル18に触れていることを検知するためのタッチセンサが内蔵されている。発射装置140は、遊技者が操作ハンドル18に触れていることが検知されている場合に発射モータを駆動可能な状態となる。そして、この状態で操作ハンドル18が初期の位置から時計回り方向に捻り操作されると、発射装置140は実際に発射モータを駆動して遊技球を発射する。
あるいは、下皿17が満タン、つまり、払い出された遊技球で下皿17が満杯になったことを検出する下皿満タンスイッチを設け、この下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されたときに操作ハンドル18の操作を受付不能な状態とする制御を行い、これにより発射装置140による発射モータの駆動を不可能な状態にすることもできる。即ち、払出装置130から払い出された遊技球はひと先ず上皿28に貯留されるが、上皿28に貯留しきれない数の遊技球が払い出された場合には、その貯留しきれない分の遊技球は上皿28と連通した下皿17に貯留される。この状態でさらに払出装置130により遊技球が払い出され、いよいよ下皿17が満タンになると、上記の下皿満タンスイッチから検出信号が出力されるので、これにより操作ハンドル18の操作が受付不能な状態に制御される。またこの場合、下皿満タンスイッチからの検出信号が出力されなくなると、操作ハンドル18の操作を受付可能な状態に復帰する制御が行われる構成としてもよい。
周辺基板グループは、サブ統合基板111やランプ駆動基板119、役物制御基板115、表示制御基板120等から構成されている。このうちサブ統合基板111(表示制御手段)は、統合CPU112をはじめ統合ROM113、統合RAM114を備えている。また、サブ統合基板111は、音出力に関する制御を行う音源IC128を備えるほか、音出力に関する読み出し専用メモリとしての音ROM127をも備えている。統合CPU112は、統合ROM113に格納されている演出制御プログラムを実行することにより主制御基板101から受信された演出コマンドに基づく処理を実行する。また、統合RAM114には、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号、主制御基板101から受信した演出コマンド等の情報が一時的に記憶される。そして、統合CPU112は、RAM114に記憶されている演出コマンドを読み出すと、この読み出した演出コマンドに基づいて表示制御基板120に対して表示コマンドを送信したり、ランプ駆動基板119にランプ点灯信号やソレノイド駆動信号を送信したり、あるいは、サイド装飾装置(枠ランプ)27に駆動信号を出力したりする。また、サブ統合基板111は、音源IC128によって演出コマンドに基づく音出力態様を音ROM127から読み出し、この読み出した音出力態様に応じた駆動信号を各種スピーカ14,36に出力する。
ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から受信したランプ点灯信号をサイドランプ65に送信する。表示制御基板120は、中央演算装置としての表示CPU121を備えるほか、読み出し専用メモリとしての表示ROM122や読み書き可能メモリとしての表示RAM123を備えている。このうち表示CPU121は、サブ統合基板111からの表示コマンドに基づいて液晶表示器42を制御する。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主制御基板101で実行される種々の制御処理について図11乃至図19を参照して説明する。図11は、主制御基板101に搭載されるCPU102が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。図12は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図13は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図14は、主制御基板101で更新される乱数を示す一覧表図である。図15は、遊技処理の一例を示すフローチャートである。図16は、変動開始処理を示すフローチャートである。図17は、大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。図18は、変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図19は、変動表示パターンテーブルの一例を示す一覧表図である。なお、タイマ割込処理は、主制御基板101に搭載されるCPU102により所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図11に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、CPU102は、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM104に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM104に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM104をクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM104に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM104に記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主制御基板101に搭載されるRAM104にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときにサブ統合基板111に主制御基板101が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板101が起動したことをサブ統合基板111に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM104にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理が終了すると、CPU102は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU102は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板101に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板101に搭載されるCPU102により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では、24V)復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM104にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、即ち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図12は、電源断発生時処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。CPU102は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM104のチェックサムを算出し、RAM104の所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM104の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU102は、RAM104の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、CPU102は、RAM104へのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU102には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、図12の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU102が起動することになる。
図13は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、メイン処理の実行中に主制御基板101に搭載されるCPU102により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU102は、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS19の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ49、始動口スイッチ46、カウントスイッチ64等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出基板105に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。ステップS13の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS14の遊技処理では、遊技の進行状態に応じてパチンコ機1を制御する処理が実行される。ステップS15の普通図柄遊技では、普通図柄表示LED43に関わる制御処理を実行する。ステップS16の普通電動役物遊技では、開閉片73,74の開閉制御するための処理を実行する。ステップS17の特別図柄遊技では、遊技処理(ステップS14)の処理の結果に基づいて特別図柄表示LED41を変動表示する制御を実行する。ステップS18の特別電動役物遊技では、大入賞口ソレノイド63を可動制御して開閉板62の開閉制御を実行する。ステップS19のコマンド伝送出力処理では、遊技処理(ステップS14)でセットされた演出コマンドをサブ統合基板111に送信する処理を実行する。また、コマンド伝送出力処理(ステップS19)では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドをサブ統合基板111に送信する処理も行われる。ステップS20のI/Oポート出力処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶ランプ147に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS11からステップS20の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS21)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS13)及び乱数更新処理2(ステップS3)で主制御基板101に搭載されるCPU102により更新される各種乱数について図14を参照して説明する。図14に示すように、この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定)に用いられる大当り判定乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに確変大当りとするか否かの判定(確変判定)に用いられる確変判定乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定されたときにリーチ態様を伴うはずれとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示LED41に表示されている特別図柄の変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン乱数、始動入賞口72の開閉片73,74を開放状態に制御するか否かの判定(普通図柄当り判定)に用いられる普通図柄当り判定乱数(乱数抽出手段、移行判定手段)、等がある。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定すると共に、液晶表示器42にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定乱数、確変判定乱数、及び始動入賞口72の開閉片73,74を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定乱数の更新を行う。即ち、大当り遊技状態の発生及び条件作動装置(大入賞口装置60)の開閉板62を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、条件作動装置の開閉板62を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生及び普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定乱数及び変動表示パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板101で更新される乱数は、上記したものに限られず、乱数更新処理2では、大当り判定乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる大当り判定乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
図15は、遊技処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU102は、まず、始動入賞口72に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ46から検出信号が出力されたか否かを判別し、始動口スイッチ46から検出信号が出力された場合には始動入賞口72に遊技球が入賞した(ステップS30にてYES)と判別し、始動口スイッチ46からの検出信号が出力されていなければ始動入賞口72に遊技球が入賞していない(ステップS30にてNO)と判別する。ステップS30にて始動入賞口72に遊技球が入賞したと判別したときには、各種乱数(大当り判定乱数、確変判定乱数、等)を取得し、RAM104に設けられている保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS31)。そして、ステップS31で保留球数カウンタが4未満であれば、始動記憶格納処理を行う(ステップS32)。なお、ステップS30で始動口スイッチ46がオンしていない場合、及びステップS31で保留球数カウンタの値が4である場合、には、始動記憶格納処理を実行しない。その後、CPU102は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS40〜ステップS44のうちいずれかの処理を行う。
始動記憶格納処理では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴って特図始動記憶LED68の点灯表示態様(点灯表示させるLEDの個数)を変更する処理と、取得した乱数値(この実施の形態では、大当り判定乱数、確変判定乱数)をRAM104に設けられた始動記憶の保存領域に保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、保留球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS31において保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS30で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS30で始動入賞口72に遊技球が入賞したと判別したときには、ステップS30〜ステップS32の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS30で各種乱数を取得せずに、ステップS31で保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS32)で取得するようにしてもよい。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS40)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する。処理選択フラグが「1」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS41)では、特別図柄及び装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示LED41にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットする。処理選択フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS42)では、変動表示パターン設定処理(ステップS41)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて特別図柄表示LED41における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS40)にて大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、大当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
また、処理選択フラグが「3」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS43:利益付与状態制御手段)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には、サブ統合基板111に大当り遊技状態の開始表示の実行を指示する大当り開始コマンドを送信すると共に、条件作動装置の開放回数等の設定を行う。
処理選択フラグが「4」のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS44:利益付与状態制御手段)では、大当り遊技状態が開始された場合に、カウントスイッチ64によって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数(この実施の形態では、9個)の遊技球が大入賞口62に入賞したとき、又は、所定期間(この実施の形態では、30秒)が経過したとき条件作動装置を閉塞状態にするための処理を行う(実行期間制限手段)と共に、サブ統合基板111に大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)の実行を指示する大当り中コマンドを送信する。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数(この実施の形態では、15回)に達していなければ、再び、条件作動装置を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、サブ統合基板111に大当り遊技状態の終了表示の実行を指示する大当り終了コマンドを送信すると共に処理選択フラグを「0」に更新する。
図16は、変動開始処理(ステップS40)の一例を示すフローチャートである。変動開始処理において、CPU102は、保留球数カウンタの値が0であるか否か判別する(ステップS401)。上述したように、保留球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS401で保留球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて処理を終了する。
一方、ステップS401で保留球数カウンタの値が0でなければ、始動記憶移行処理を実行する(ステップS402)。始動記憶移行処理では、保留球数カウンタを1減算する処理と、RAM104に設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて保留球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における保留球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS402で保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する大当り判定処理を行った後(ステップS403)、処理選択フラグを「1」に更新する(ステップS404)。処理選択フラグを「1」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS41)が実行可能となる。
図17は、大当り判定処理(ステップS404)の一例を示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU102は、大当り遊技中処理(ステップS44)でセットされる確変フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS51)。確変フラグがON状態であれば、確変状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS52:高確率状態制御手段)、確変状態フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、通常・時短状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS53:通常状態制御手段)。なお、確変状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定乱数と一致することにより大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が14個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が1/70となっている。一方、通常・時短状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定値が2個設定され、大当り確率が1/490となっている。
そして、ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、又は、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値と、が一致するか否かによって、大当り遊技状態を発生させるか否か判定する(ステップS54)。ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、又は、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り判定乱数の値)と、が一致することに基づいて大当り遊技状態を発生させると判定したときには、大当りフラグをON状態(セット)とした後に(ステップS55)、所定の判定値が設定された確変判定テーブル(図示しない)に基づいて確変大当りとするか否かを判定する(ステップS56:高確率状態判定手段)。具体的には、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される確変判定乱数の値)と、確変判定テーブルに設定されている判定値と、が一致するか否かに基づいて確変大当りとするか否か判定する。なお、本実施形態では、確変突入率(大当りのうち確変大当りとする割合)が2/3となるように、即ち、0〜8までの9個の確変判定乱数のうち確変大当りとすることに決定される6個の判定値が確変判定テーブルに設定されている。
ステップS56で、確変判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値と、が一致したことに基づいて確変大当りと判定されたときには、確変状態フラグをON状態(セット)とする(ステップS57)。一方、ステップS54で大当りとしない(はずれとする)と判定されたとき、及び、ステップS56で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたとき、には、以下の処理を実行することなく処理を終了する。なお、大当りフラグ及び確変状態フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、大当りフラグ及び確変状態フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグ及び確変状態フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
なお、大当りフラグは、大当り遊技状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態を発生させる。また、確変状態フラグは、大当り遊技状態終了後に確率変動状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときに確変状態フラグがセットされていれば、確変状態フラグをリセットし、確変状態を示す確変フラグをセットする処理が実行される。確変フラグがセットされた状態では、上述した確率変動状態に制御され、例えば、上述したステップS52の確変状態時大当り判定テーブルが選択されて確率変動状態以外の状態(通常状態、時短状態)よりも大当り遊技状態を発生させると判定される確率が高まる。また、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットする処理が実行される。
図18は、変動表示パターン設定処理(ステップS41)の一例を示すフローチャートである。変動表示パターン設定処理において、CPU102は、今回の変動表示の結果、大当りとするか否か、即ち、大当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS410)、大当りフラグがセットされていれば(ON状態であれば)、大当りとなる場合に用いられる変動表示パターンが設定された大当り時変動表示パターンテーブル(図19参照)を選択する(ステップS412)。また、大当りフラグがセットされていなければ(OFF状態であれば)、リーチ判定乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶すると共に、所定の判定値が設定されたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と、取得したリーチ判定乱数の値と、が一致するか否かによって、リーチとするか否かを判定する(ステップS411)。リーチ態様とすると判定されたときには、リーチ態様を伴うはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたリーチ時変動表示パターンテーブル(図19参照)を選択し(ステップS413)、リーチ態様としないと判定されたときには、リーチ態様を伴わないはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたはずれ時変動表示パターンテーブル(図19参照)を選択する(ステップS414)。なお、リーチ判定テーブルでは、リーチ確率(リーチ態様とする割合)が1/12.5となるように、即ち、0〜24までの25個のリーチ判定乱数のうち2個の判定値がリーチ判定テーブルに設定されている。
そして、変動表示パターン乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶すると共に、ステップS411,S413,S414で選択された大当り時変動表示パターンテーブル、リーチ時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブル、のいずれか1つの変動表示パターンテーブルに設定されている判定値と、取得した変動表示パターン乱数の値と、が一致する変動表示パターンに決定する(ステップS415)。
なお、はずれ時変動表示パターンテーブルは、後述する変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルと、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルと、を有し、上述した時短制御が実行されていない場合には、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルが選択され、時短制御が実行されている場合には、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルが選択される。即ち、時短制御が実行されていない場合には、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに決定され、時短制御が実行されている場合には、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンに決定される。また、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターン(テーブル)は、時短制御が実行されていない場合であっても、始動口スイッチ46により検出されたことに基づいて抽出された大当り判定乱数の記憶数を示す保留球数カウンタの値が上限値、確率変動状態、等の条件のうちいずれかが成立したときに選択され得る。
次いで、ステップS415で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして変動表示パターンコマンドをセットし(ステップS416)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主制御基板101に搭載されるRAM104に設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS417)。ステップS417では、ステップS415で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。なお、ステップS416でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理でサブ統合基板111に送信するときには、特別図柄遊技にて特別図柄表示LED41に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。
ここで、変動表示パターンコマンドは、2バイト構成のデータであり、各変動表示パターンコマンドには、特別図柄表示LED41にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの変動時間やリーチ演出を特定するためのデータが含まれる。この2バイト構成の変動表示パターンコマンドのうち、1バイト目は、変動表示パターンであることを特定可能なデータであり、2バイト目は、変動番号(変動表示パターン)を特定可能なデータである。即ち、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、1バイト目のデータに基づいて変動表示パターンであることを認識可能であり、さらに、2バイト目のデータに基づいて変動表示パターンを特定する。
なお、ステップS415で決定される変動表示パターンを図19を参照して説明する。図19は、変動表示パターンの一例を示す一覧表図である。液晶表示器42には、特別図柄の変動時間(特別図柄表示LED41にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)に、変動表示パターンに従った演出態様が画像表示される。
変動番号1の「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動表示パターンである。変動番号2の「短縮変動」とは、特別図柄及び装飾図柄の変動時間が「通常変動」よりも短い変動表示パターンである。変動番号3,4の「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴ってノーマルリーチ演出を実行する変動表示パターンである。変動番号5,6の「ノーマルリーチ(ロング)」とは、リーチ態様を伴って変動番号3,4と同様のノーマルリーチ演出の実行後、さらに継続的にノーマルリーチ演出を実行する変動表示パターンである。即ち、「ノーマルリーチ(ロング)」は、「ノーマルリーチ」に比べてノーマルリーチ演出の実行期間が長く設定された変動パターンとなる。
また、変動番号7,8の「第一スーパーリーチ」とは、リーチ態様を伴って第一スーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンである。変動番号9,10の「第一スーパーリーチ(ロング)」とは、リーチ態様を伴って変動番号7,8と同様の第一スーパーリーチ演出の実行後、発展的に第一スーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンである。変動番号11,12の「第二スーパーリーチ」とは、リーチ態様を伴って第二スーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンである。変動番号13,14の「第二スーパーリーチ(ロング)」とは、リーチ態様を伴って変動番号11,12と同様の第二スーパーリーチ演出の実行後、発展的に第二スーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、各々の変動表示パターンには、特別図柄の変動時間(特別図柄表示LED41にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)が設定されている。特別図柄の変動時間は、サブ統合基板111に送信される変動表示パターンコマンドによって指定される装飾図柄の変動時間とほぼ一致して設定されており、ステップS415では特別図柄の変動時間に応じた装飾図柄の変動時間を有する変動表示パターンに決定される。即ち、特別図柄の変動時間と装飾図柄の変動時間とは、完全に一致していなくてもよい。
具体的に、リーチ演出を実行しない特別図柄の変動時間は、変動番号1の「通常変動」が6sに設定され、変動番号2の「短縮変動」が3sに設定されている。一方、リーチ演出を実行する特別図柄の変動時間は、変動番号3,4の「ノーマルリーチ」、変動番号7,8の「第一スーパーリーチ」、変動番号11,12の「第二スーパーリーチ」がそれぞれ30sに設定され、変動番号5,6の「ノーマルリーチ(ロング)」、変動番号9,10の「第一スーパーリーチ(ロング)」、変動番号13,14の「第二スーパーリーチ(ロング)」がそれぞれ60sに設定されている。即ち、リーチ演出を実行する特別図柄の変動時間のうちロング(継続又は発展)とならないリーチ演出は、一律30sに設定され、リーチ演出を実行する特別図柄の変動時間のうちロング(継続又は発展)となるリーチ演出は、一律60sに設定されている。
また、変動番号3〜14の変動表示パターンでは、当落の結果に応じて大当り時とはずれ時とで同一又は類似した演出態様でリーチ演出が実行され、また、該リーチ演出に応じた特別図柄及び装飾図柄の変動時間がほぼ一致して設定されていることから、演出を見るだけでは当否の認識が困難となり、遊技者をハラハラドキドキさせることができ、遊技の興趣を低下させることがない。
この実施の形態では、ステップS411で選択される大当り時変動表示パターンテーブルには、変動番号3〜14の変動表示パターンのうち当落の結果が大当りとなる変動表示パターン(図19に示す変動表示パターンテーブルの当落にて○が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。また、ステップS413で選択されるリーチ時変動表示パターンテーブルには、変動番号3〜14の変動表示パターンのうち当落の結果がはずれとなる変動表示パターン(図19に示す変動表示パターンテーブルの当落にて×が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。
また、はずれ時変動表示パターンテーブルのうち上述した時短制御が実行されていない場合に選択されるテーブルには、当落の結果がはずれとなる変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに判定値が振り分けられ、はずれ時変動表示パターンテーブルのうち時短制御が実行されている場合に選択されるテーブルには、当落の結果がはずれとなる変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンに全ての判定値が振り分けられている。
また、大当り時変動表示パターンテーブル及びリーチはずれ時変動表示パターンテーブルでは、リーチ演出の種別に応じて大当り期待度(当該リーチ演出が実行される割合(全出現率)のうち大当りとなる割合(大当り時の出現率);大当り期待度=大当り時の出現率/全出現率)が異なるように各々の変動表示パターンに対して判定値が振り分けられている。具体的には、変動番号3,4の「ノーマルリーチ」、変動番号5,6の「ノーマルリーチ(ロング)」、変動番号7,8の「第一スーパーリーチ」、変動番号11,12の「第二スーパーリーチ」、変動番号9,10の「第一スーパーリーチ(ロング)」、変動番号13,14の「第二スーパーリーチ(ロング)」の順で大当り期待度が高くなるように設定されている。
変動表示パターン設定処理のステップS417に次いで、CPU102は、確変状態フラグがセットされているか否か確認し(ステップS418)、確変状態フラグがセットされているときには、確変大当りであることを示す演出コマンドである確変大当りコマンドをセットする(ステップS419)。そして、処理選択フラグを「2」に更新する(ステップS420)。なお、ステップS419にてセットされた確変大当りコマンドは、変動表示パターンコマンドと共にコマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。これによりサブ統合基板111に搭載される統合CPU112に今回の変動表示の結果、確変大当りとなることを認識させることが可能となる。
なお、変動表示パターン設定処理では、当落の結果を示す演出コマンドとして確変大当りコマンド以外にも、大当りフラグ及び確変状態フラグがセットされているか否かを確認し、大当りフラグがセットされているが確変状態フラグがセットされていないときに非確変大当りを示す当落コマンドや、大当りフラグがセットされていないときにはずれを示す当落コマンドをセットする処理が実行される。サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、変動表示パターンコマンドと共に送信された当落コマンドにより今回の変動表示の結果、非確変大当りとなることを認識することができる。この実施の形態では、変動表示パターンコマンドにも当落の結果を示す情報が含まれており、統合CPU112は、変動表示パターンコマンドと当落コマンドとの示す当落の結果が一致するか否かを判別している。これにより、統合CPU112に今回の変動表示の結果を確実に認識させることができ、外部ノイズの影響等が原因でコマンド受信に失敗し、間違った変動表示の結果を表示するといった誤動作を防止することができる。
また、変動表示パターン設定処理では、遊技状態を示す演出コマンドとして、確変フラグ又は時短フラグがセットされているか否かを確認し、確変フラグがセットされているときに遊技状態が確変状態であることを示す遊技状態コマンドや、時短フラグがセットされているときに遊技状態が時短状態であることを示す遊技状態コマンドをセットする処理が実行される。遊技状態コマンドは、変動表示パターンコマンド及び当落コマンドと共にコマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、遊技状態コマンドが確変状態を示すことで遊技状態が確変状態であることを認識することができ、時短状態を示すことで遊技状態が時短状態であることを認識することができる。
なお、時短フラグは、大当り判定処理のステップS56で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたときにセットされるフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときにセットする処理が実行される。時短フラグがセットされている場合には、時短状態に制御され、例えば、ステップS414ではずれ時変動表示パターンテーブルから特別図柄の変動時間を通常状態よりも短縮した変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンが選択される。また、大当り遊技状態終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当り判定処理のステップS54で次回の大当り遊技状態を発生させると判定された場合、又は、大当り遊技状態終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が実行された場合、には、時短フラグをリセットする処理が実行される。なお、時短フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、時短フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、時短フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
また、ステップS417で変動時間がセットされた有効期間タイマは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)で変動表示パターンコマンドをサブ統合基板111に送信するときにスタートし、変動中処理(ステップS42)で有効期間タイマがタイムアウトしたときに特別図柄表示LED41に駆動信号を出力して特別図柄の変動表示をCPU102により停止制御させると共に、サブ統合基板111に装飾図柄の変動表示停止を指示する演出コマンド(変動停止コマンド)を送信する。なお、サブ統合基板111では、変動停止コマンドを受信したことに基づいて装飾図柄の停止を確定表示するための制御を行う。
また、表示装置に複数の表示領域を設け、それぞれの表示領域にて図柄を変動表示する場合には、上述した大当り判定処理にて大当りとする判定がなされたときに、特定の表示結果で停止表示する表示ラインを複数有する場合には、いずれかの表示ラインにて未だ停止していない図柄が所定の図柄で停止することにより当該表示ラインに停止表示される図柄が特定の表示結果となる状態、又は、いずれかの表示ラインにて全ての図柄が特定の表示結果となるような組み合わせで同期して変動表示している状態、をリーチ態様という。即ち、リーチ態様とは、特定の表示結果(大当り表示)の一歩手前を表す態様(大当りとなる直前の態様)である。この実施の形態では、上述した表示ラインを1つだけ有し、液晶表示器42に表示される左・中・右の装飾図柄のうち左装飾図柄と右装飾図柄と(任意の2つの装飾図柄の組み合わせでもよい)が同一の図柄で停止し、中装飾図柄(任意の2つの装飾図柄の組み合わせが停止した状態では残りの装飾図柄)については変動表示している状態、又は、液晶表示器42に表示される全ての装飾図柄が同一の図柄の組み合わせで同期して変動表示している状態(例えば、左・中・右の装飾図柄が常に同一の図柄となるように同期して変動表示している状態)をリーチ態様といい、リーチ態様となった後、枠ランプ27、サイドランプ65、液晶表示器42、上部スピーカ36、及び下部スピーカ14等により実行される演出(例えば、枠ランプ27やサイドランプ65を所定の態様で点灯・点滅、液晶表示器42にて所定の画像表示、上部スピーカ36及び下部スピーカ14にて所定の音声出力)をリーチ演出という。
次に、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112によって実行される処理について説明する。図20はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図21は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、統合CPU112は、初期設定処理を行う(ステップS71)。この初期設定処理は、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS71)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS72)。
この実施の形態では、統合CPU112は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、即ち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS72で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS73)、16ms定常処理を行う(ステップS74)。
この16ms定常処理では、主制御基板101から受信した演出コマンドに基づいて液晶表示器42、枠ランプ27、サイドランプ65、スピーカ14,36等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS72に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS73〜ステップS74を繰り返し行う。一方、ステップS72で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図21は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、統合CPU112は、ステップS91〜ステップS95の処理を実行する。ステップS91のコマンド解析処理では、主制御基板101から受信した演出コマンドを解析する。ステップS92の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドに基づいて液晶表示器42に関わる制御処理を実行する。具体的には、後述する装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS93の音制御処理では、スピーカ14,36に関わる制御処理を実行する。ステップS94のランプ制御処理では、サイドランプ65、枠ランプ27に関わる制御処理を実行する。ステップS95の情報出力処理では、表示制御基板220に表示コマンドを送信すると共に、ランプ駆動基板156に駆動信号及びランプ点灯信号を送信する。ステップS96の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS92)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
ここで、上述した乱数更新処理(ステップS96)でサブ統合基板111に搭載される統合CPU112により更新される各種乱数について図22を参照して説明する。図22に示すように、この実施の形態では、装飾図柄の停止図柄として確変大当り図柄の決定に用いられる確変大当り図柄乱数、装飾図柄の停止図柄として非確変大当り図柄の決定に用いられる非確変大当り図柄乱数、装飾図柄の停止図柄としてはずれ図柄の決定に用いられるはずれ図柄乱数、等がある。なお、各種乱数(確変大当り図柄乱数、非確変大当り図柄乱数、はずれ図柄乱数、等)は、コマンド解析処理(ステップS91)にて主制御基板101から受信した演出コマンドが変動表示パターンであるときに取得される。
また、16ms定常処理におけるステップS91〜ステップS96の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS91のコマンド解析処理から)実行しない。即ち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS72で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS96)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理及び16ms定常処理のいずれか一方又は両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図23は、コマンド解析処理(ステップS91)の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、統合CPU112は、まず、主制御基板101から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS601)。この実施の形態では、主制御基板101から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS601では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、受信コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS602)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS603)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS603にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットすると共に、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS604)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS603にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS605)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS605にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS606)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS605にてNO)、受信した演出コマンド(確変大当りコマンド以外の当落コマンド、遊技状態コマンド、変動停止コマンド、大当り開始コマンド等)に対応したフラグをセットする(ステップS607)。
図24は、演出制御処理(ステップS92)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、統合CPU112は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS700〜ステップS702のうちいずれかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS700)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンド及び確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定すると共に、リーチ演出態様を決定する、等の設定を行い、処理選択フラグを「1」に更新する。
処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS701)では、変動停止コマンドを受信したときに表示制御基板220に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行い、主制御基板101から大当り開始コマンドを受信していれば処理選択フラグを「2」に更新し、主制御基板101から大当り開始コマンドを受信していなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
処理選択フラグが「2」のときに実行される大当り表示処理(ステップS702)では、主制御基板101から送信される大当り開始コマンドに応じて液晶表示器42に大当り遊技状態の開始を示す表示を行うと共に、主制御基板101から送信される大当り中コマンドに応じて大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)を行うための制御を実行し、大当り終了コマンドを受信していれば大当り遊技状態の終了表示を行い、処理選択フラグを「0」に更新する。
図25は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動開始処理において、統合CPU112は、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS710)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主制御基板101から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。即ち、ステップS710で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(ステップS710にてNO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して、そのまま装飾図柄変動開始処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS710にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS711)、受信した当落コマンドが当りを示すコマンドであるか判別すると共に、受信した変動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS712)。当りパターンであるか否かは、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータを参照することにより確認できる。
当落コマンドが当りを示すコマンドでなければ(ステップS712にてNO)、はずれ図柄の停止図柄を決定する(ステップS713)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS712にてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別し(ステップS714)、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS714にてYES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS715)。
一方、ステップS714で確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS714にてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS716)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ステップS702)にて大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。なお、確変大当りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS701)で装飾図柄の変動表示を停止させるとき、具体的には、変動停止コマンドを受信したときにリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS702)で大当り遊技状態を終了するときにリセットするようにしてもよい。
この実施の形態では、装飾図柄の確変大当り図柄として同一の奇数図柄(特定図柄)の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定し、装飾図柄の非確変大当り図柄として同一の偶数図柄(非特定図柄)の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定する。また、ステップS713ではずれ図柄の停止図柄を決定するときに、リーチ態様を伴う変動表示パターンであるかを判別し、リーチ態様を伴う変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のうち左及び右の装飾図柄が同一図柄であり、中の装飾図柄は左及び右の装飾図柄とは異なる図柄となる停止図柄に決定する。一方、リーチ態様を伴わない変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のそれぞれが異なる図柄となる停止図柄に決定する。
次いで、統合CPU112は、主制御基板101側で決定されたリーチ演出の変動表示パターンと、ステップS713,S715,S716で決定した装飾図柄の停止図柄と、に応じた表示コマンドをセットした後(ステップS718:演出形態表示制御手段、リーチ演出実行手段)、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS719)。なお、ステップS718でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板220に送信され、表示制御基板220に搭載される表示CPU221により当該表示コマンドを受信したことに基づいて液晶表示器42にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。
図26は、装飾図柄変動処理(ステップS701)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動処理において、統合CPU112は、先ず、変動停止コマンド受信フラグがセットされているか判別する(ステップS755)。変動停止コマンド受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主基板101から変動停止コマンドを受信したことを示すフラグである。即ち、ステップS755で変動停止コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS755にてNO)、変動停止コマンドを受信していないと判別して処理を終了する。一方、変動停止コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS755にてYES)、変動停止コマンド受信フラグをリセットし、装飾図柄の停止を指示する表示コマンドをセットする(ステップS756)。なお、ステップS756でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板120に送信され、表示制御基板120に搭載される表示CPU121により当該表示コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置50にて装飾図柄の変動表示停止を確定表示する。
次いで、統合CPU112は、大当り開始コマンド受信フラグがセットされているか判別する(ステップS757)。大当り開始コマンド受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主基板101から大当り開始コマンドを受信したことを示すフラグである。即ち、ステップS757で大当り開始コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS757にてNO)、大当り開始コマンドを受信していないと判別し、処理選択フラグを「0」に更新して処理を終了する(ステップS759)。一方、大当り開始コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS757にてYES)、大当り開始コマンド受信フラグをリセットし、処理選択フラグを「2」に更新して処理を終了する(ステップS758)。
以上のように、本実施形態の構成によれば、可変入球装置は、進退可能なプランジャーを有して開閉片を第一の状態と第二の状態との間で移行するソレノイドと、プランジャーの進退移動を開閉片の移行動作として伝達する駆動伝達部材と、プランジャーの進退移動に伴って駆動伝達部材と係合する係合位置と駆動伝達部材との係合を解除する係合解除位置との間で移動可能に設けられると共に、係合位置において駆動伝達部材の動きを規制することで開閉片を第一の状態でロックするロック部材と、を備え、ロック部材は、当該ロック部材とプランジャーとを連結すると共に、開閉片を第一の状態から第二の状態に移行するプランジャーの移動開始と略同時に当該ロック部材の係合位置から係合解除位置への移動を開始させる連結部を備え、駆動伝達部材は、当該駆動伝達部材とプランジャーとを連結すると共に、開閉片を第一の状態から第二の状態に移行するプランジャーの移動が開始された後にロック部材が係合解除位置に移動してからプランジャーの移動を開閉片の移行動作として伝達する連結係合部を備える。この場合、第一の状態では、ソレノイドを構成するプランジャーの移動が駆動伝達部材を介して開閉片に伝達されて開閉片が閉鎖状態(遊技球の入球が可能な状態も含む)となる一方、第二の状態では、ソレノイドを構成するプランジャーの移動が駆動伝達部材を介して開閉片に伝達されて開閉片が開放状態となる。そして、第一の状態においては、プランジャーの移動に伴ってロック部材が駆動伝達部材と係合する係合位置に移動する。これにより、ロック部材との係合によって駆動伝達部材の動きが規制され、開閉片が第一の状態でロックされる。また、第二の状態に移行する際は、プランジャーの移動に伴ってロック部材が駆動伝達部材との係合を解除する係合解除位置に移動することで、開閉片の第一の状態でのロックが解除され、開閉片が第二の状態に移行する。従って、第一の状態では、開閉片がロック状態にあるため、プランジャーを移動させ得る程度の外力を開閉片に加えても、開放方向に開閉片を移動させることができず、結果として、不正な外力によって可変入球装置が開放されることを防止することができる。
また、この構成によれば、開閉片を第一の状態から第二の状態に移行する際、その原動力となるプランジャーの移動開始と略同時にロック部材の係合位置から係合解除位置への移動が開始され、次いでロック部材が係合解除位置に移動してから、駆動伝達部材によってプランジャーの移動が開閉片の移行動作として伝達される。このため、ロック部材による開閉片のロック解除動作(ロック部材の係合解除位置への移動動作)と、駆動伝達部材による開閉片の第二の状態への移行動作(駆動伝達部材を介してプランジャーの移動を開閉片に伝達する動作)との開始タイミングを異ならせることができる。言い換えれば、ロック解除時及び第二の状態への移行開始時における初動動作の原動力となるプランジャーの出力タイミングをずらすことで、ソレノイドに対する負担を分散軽減することができ、結果として、開閉片のロックを可能にした構成において、よりスムーズな開閉片の開閉動作を招来することができる。
なお、実施形態中では、本発明に係る入球口を備えた可変入球装置として、遊技球の入球に伴って賞球の払い出しを行う入賞口を備えた可変入賞装置70を例示しているが、これに限定するものではない。即ち、可変入球装置は、入球口への遊技球の入球に伴い必ずしも賞球の払い出しを行うものでなくてもよい。
また、ソレノイドは、プランジャーの外周を螺旋状に巻回して常時当該プランジャーを進出方向に付勢するコイルスプリングを備え、非通電時には励磁が解除されてプランジャーがコイルスプリングの付勢力によって進出移動して開閉片を第一の状態に移行する一方、通電時には励磁されてプランジャーがコイルスプリングの付勢力に抗して退行移動して開閉片を第二の状態に移行する。この場合、第一の状態に比べて遊技球の入球が容易な第二の状態に移行するときに、ソレノイドを通電してプランジャーを退行移動させる構成にできる。このため、可変入球装置を第二の状態に移行する制御を、特別な遊技価値として遊技者に付与する場合にのみ電力を消費することになるので、可変入球装置(開閉片)の開閉動作を経済的に行うことができる。
また、開閉片は、相互間の隙間によって入球口を形成する左右一対の開閉片からなり、該左右一対の開閉片は、それぞれ駆動伝達部材の動きに応じて、第一の状態となる垂直位置と第二の状態となる傾動位置との間で回動自在に設けられる。この場合、左右一対の開閉片の垂直位置(第一の状態)と傾動位置(第二の状態)との間での回動動作によって可変入球装置の開閉を行う構成にできる。また、このような構成にすることで、可変入球装置の開放時には、開閉片の少ない移動量(回動量)で効率的に入球口の開放量を稼ぐことができるので、効率良く可変入球装置の開閉を行うことができる。
また、駆動伝達部材は、プランジャーとの係合によりソレノイドと当該駆動伝達部材とを連結する連結係合部に加えて、当該駆動伝達部材を回動自在に取り付ける一対の回動軸部と、プランジャーとの係合によりソレノイドと当該駆動伝達部材とを連結する連結係合部と、開閉片との係合により回動軸部を中心とした当該駆動伝達部材の回動動作を開閉片に伝達する伝達係合部と、ロック部材との係合によって当該駆動伝達部材の回動動作をロックする一方、ロック部材との係合を解除することで当該駆動伝達部材の回動ロックを解除するロック係合部と、を備え、開閉片は、伝達係合部との係合により駆動伝達部材の回動動作を当該開閉片の移行動作に変換する係合突起部を備える。この場合、ソレノイドを構成するプランジャーの進退移動を駆動伝達部材の回動動作を介して開閉片に伝達することで、開閉片を第一の状態と第二の状態との間で移行可能な構成にできる。
また、連結係合部は、駆動伝達部材とソレノイドとの連結状態において、プランジャーの先端部分との間で若干の隙間を設ける形状に形成され、プランジャーとの連結係合において若干の遊びを持った遊嵌状態で取り付けられている。この場合、不正行為等によって外力が加わった場合、その外力は連結係合部とプランジャーの先端部分との若干の遊びによって吸収されるため、直接的に開閉片、駆動伝達部材、あるいはソレノイドにかかることがないので、開閉片(入球口)のロックに伴う各種構成部材の破損が回避できる。
また、係合突起部は、内部が視認可能に且つ開閉片の片本体と一体的に合成樹脂材料から形成されることで、開閉片の移行動作時にかかる力に対応した保全部として機能する。この場合、駆動伝達部材の回動動作を開閉片の移行動作に変換する開閉片の係合突起部は、内部が視認可能に且つ開閉片の片本体と一体的に合成樹脂材料から形成されて保全部として機能する。具体的には、係合突起部の内部が視認可能な構成から、可変入球装置の製造段階で係合突起部の内部に気泡が含入されているか否かを判別することができる。従って、係合突起部に気泡が含入されて係合突起部の強度が低下した不良品を選別して製造段階で取り除くことが可能になり、ひいては可変入球装置の製造品質を高めることができる。その結果、継続的に可変入球装置(入球口)の開閉動作をスムーズに行わせることができる。また、開閉片の片本体と係合突起部とを一体的に形成する構成から、片本体と係合突起部との境目部分の強度を高めることができる。例えば、開閉片の保全性を高めるために(具体的には、係合突起部のイタミや破損を回避するために)、金属棒等からなる別部材で係合突起部を構成して、これを開閉片の片本体に取り付けるような場合では、開閉片を構成する部品点数が増えると共に、別部材(金属棒等)の差し込み等の取り付けにおいてその取付部分にガタ付きが生じ易くなるという問題が生じる。これに対して、上記した構成では、係合突起部を開閉片の片本体と一体的に形成することで、部品点数を増やすことなく、然も部分的なガタ付きを生じさせることなく開閉片の保全性を高めることができる。また、このように開閉片全体を合成樹脂材料によって一体形成する場合、異物の混入がないので開閉片を溶かしてこれを原材料としてリサイクル使用することが容易になる。
また、開閉片は、係合突起部以外であり且つ可変入球装置の組み付け状態において遊技者から視認可能となる部分が着色塗装される。この場合、内部が視認可能な合成樹脂材料で形成された開閉片を着色塗装することで、可変入球装置の装飾性を高めることができる。また、この場合でも、ソレノイドの駆動力を駆動伝達部材を介して受ける係合突起部は、着色塗装されずに内部が視認可能な状態となるので、経時劣化などによる係合突起部のイタミ具合を点検によって確認することができる。また、可変入球装置の装飾性を高めるために係合突起部を別色で塗装するような場合、即ち開閉片の片本体と係合突起部とを二色塗装するような場合では、塗装の性質上、塗装の境目となる部分にひび割れ等が生じ易くなり、係合突起部(特には片本体との境目部分)の強度が劣化するが、上記した構成では、そのような境目部分の劣化を招来することなく可変入球装置の装飾性を高めることができる。
また、可変入球装置は、開閉片、ソレノイド、駆動伝達部材、及びロック部材を一体的に組み付けて当該可変入球装置を遊技領域に取り付ける取付基体を備える。この場合、取付基体に対して各種構成部材(開閉片、ソレノイド、駆動伝達部材、及びロック部材)を組み付けることで、可変入球装置をユニット化して構成することができるので、可変入球装置の遊技領域(遊技盤)への取り付け及び取り外し作業を容易にできる。
また、遊技領域内に配置されると共に遊技球の通過検出に基づいて可変入球装置を第一の状態から第二の状態に移行する通過球検出手段を備える。この場合、遊技領域内への遊技球の打ち込みにおいて、当該遊技球が通過球検出手段によって通過検出されたことに基づいて可変入球装置を第一の状態から第二の状態に移行する構成となる。言い換えれば、打ち込んだ遊技球の球流れに応じて可変入球装置を第二の状態に移行させることができるので、遊技領域内での遊技球の球流れに対する興趣の低減を抑制することができる。
また、通過球検出手段による遊技球の通過検出に基づいて乱数を抽出する乱数抽出手段と、該乱数抽出手段によって抽出された乱数値に基づいて可変入球装置を第一の状態から第二の状態に移行するか否かの判定を行う移行判定手段と、該移行判定手段により第二の状態に移行する判定がなされたことに基づいて可変入球装置を所定期間で第二の状態に移行制御する移行制御手段と、を備える。この場合、通過球検出手段によって遊技球の通過検出があると必ず可変入球装置を第二の状態に移行するのではなく、通過球検出手段による遊技球の通過検出に基づいて抽選を行い、その抽選結果が当りとなったときにのみ可変入球装置を第二の状態に移行する構成にできるので、可変入球装置を第二の状態に移行させる遊技特典の希少価値を高めることができる。
また、遊技領域内に配置されて遊技球の入賞が可能な始動入賞口と、該始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出する入賞検出手段と、少なくとも入賞検出手段による遊技球の検出に応じて所定数の遊技球を払い出す球払出手段と、入賞検出手段による遊技球の検出に基づいて遊技者に利益を付与すべきか否かの判定を行う当落判定手段と、該当落判定手段により遊技者に利益を付与すべき判定がなされたことに基づいて遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する利益付与状態制御手段と、を備え、始動入賞口は、可変入球装置から構成される。この場合、可変入球装置から構成される始動入賞口への入賞に基づいて当落判定を行い、当該判定結果が当りとなったときに遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する。このため、利益付与状態になるか否かの判定においては、始動入賞口への入賞が最も重要な契機となるので、始動入賞口への入賞を大きく左右する可変入球装置の第二の状態への移行に対する遊技者の関心を大きく高めることができる。
また、遊技領域内に配置されて図柄情報を変動表示する表示手段と、当落判定手段の判定結果に基づいて表示手段にて図柄情報の変動表示を行って所定期間経過後に判定結果に応じた図柄情報の表示結果を停止表示すると共に、当落判定手段により遊技者に利益を付与すべき判定がなされたときに図柄情報の表示結果として特定表示結果を停止表示する表示制御手段と、を備える。この場合、始動入賞口への入賞に基づいた当落判定を表示手段による図柄情報の変動表示によって演出することができるので、視覚的な興趣の低下を抑制することができる。
また、利益付与状態制御手段により利益付与状態に制御されたときに、閉鎖状態から開放状態に移行して大量の遊技球が入賞し得る大入賞口を有する大入賞口装置を備える。この場合、大入賞口への入賞に伴って大量の賞球を遊技者に払い出すことを利益付与状態として遊技者に付与することができる。
1 パチンコ機
4 遊技盤
12 遊技領域
40 演出装置
41 特別図柄表示LED
42 液晶表示器
43 普通図柄表示LED
46 始動口スイッチ
48 ゲート
49 ゲートスイッチ
50 装飾取付基板
51 額縁部
52 装飾突出部
53 鍔状取付部
55a,55b ワープ入口
56a,56b ワープ通路
57a,57b ワープ出口
58 ステージ
59 排出口
60 大入賞口装置
61 大入賞口
67 始動口ソレノイド
67a プランジャー
70 可変入賞装置
71 取付基体
72 始動入賞口
73,74 開閉片
75 球受部材
76 駆動伝達部材
77 スライドロック部材
101 主制御基板
111 周辺制御基板

Claims (1)

  1. 遊技領域が区画形成された遊技盤と、操作ハンドルの操作に応じて前記遊技領域内に遊技球を発射する球発射手段と、前記遊技領域内に植設されて遊技球の流下方向を変化させる釘部材と、前記遊技領域内に配置されて遊技球の入球が可能な入球口と、を備えた遊技機であって、
    前記入球口は、第一の状態と該第一の状態に比べて遊技球の入球が容易な第二の状態との間で移行可能な開閉片を備えた可変入球装置から構成され、
    前記可変入球装置は、
    進退可能なプランジャーを有して前記開閉片を前記第一の状態と前記第二の状態との間で移行するソレノイドと、
    前記プランジャーの進退移動を前記開閉片の移行動作として伝達する駆動伝達部材と、を備え、
    前記駆動伝達部材は、当該駆動伝達部材を回動自在に取り付ける一対の回動軸部と、前記プランジャーとの係合により前記ソレノイドと当該駆動伝達部材とを連結する連結係合部と、前記開閉片との係合により前記回動軸部を中心とした当該駆動伝達部材の回動動作を前記開閉片に伝達する伝達係合部と、を備え、
    前記開閉片は、前記伝達係合部との係合により前記駆動伝達部材の回動動作を当該開閉片の移行動作に変換する係合突起部を備え、
    前記可変入球装置は、前記プランジャーの進退移動に伴って前記駆動伝達部材と係合する係合位置と前記駆動伝達部材との係合を解除する係合解除位置との間で移動可能に設けられると共に、前記係合位置において前記駆動伝達部材の動きを規制することで前記開閉片を前記第一の状態でロックするロック部材を備え、
    前記開閉片は、前記係合突起部以外であり且つ前記可変入装置の組み付け状態において遊技者から視認可能となる部分が着色塗装されており、
    前記係合突起部と前記開閉片の片本体は、透明な合成樹脂材料から一体的に形成されており、前記係合突起部は、前記開閉片の裏面から後方へ突出した細長棒形状であり、前記可変入球装置の製造段階で係合突起部の内部に気泡が含入されているかを判別する為に前記係合突起部の内部が視認可能となっていることを特徴とする遊技機。
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