JP5616834B2 - 磁気記録媒体および磁気記録媒体用結合剤組成物 - Google Patents
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Description
更に本発明は、高い表面平滑性を有する塗布型磁気記録媒体の作製に好適な磁気記録媒体用結合剤組成物に関するものである。
しかし近年、情報伝達手段の著しい発達に伴い磁気記録媒体への高密度記録化への要求は更に高まってきている。かかる状況下、単に結合剤へ極性基を導入するのみでは、更なる高密度記録化に対応することは困難になってきている。
特許文献1等に記載されているように、スルホン酸基(−SO3H)を有するアクリルモノマーを使用することで、極性基を有するアクリル系ポリマー(以下、「プロトン型ポリマー」または「プロトン型アクリル系ポリマー」と呼ぶ)を得ることができる。これに対し本発明者の検討の結果、スルホン酸基が脂肪族三級アミンと塩を形成した状態で存在するアクリル系ポリマー(以下、「対塩型ポリマー」または「対塩型アクリル系ポリマー」と呼ぶ)は、フェノール系化合物と併用することで、上記プロトン型ポリマーやスルホン酸基が他のアミンと塩を形成した状態で存在する対塩型ポリマーと比べて、磁性体を高度に分散することができることが判明した。
本発明者は、以上の知見に基づき更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
[1]非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
前記結合剤は一般式(I):
で表される構造単位を有するアクリルポリマーを構成成分として含み、かつ、
前記磁性層は、フェノール系化合物を更に含むことを特徴とする磁気記録媒体。
[2]前記脂肪族三級アミンは、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンまたはジアザビシクロウンデセンである、[1]に記載の磁気記録媒体。
[3]前記フェノール系化合物は、ベンゼン環またはナフタレン環を含む、[1]または[2]に記載の磁気記録媒体。
[4]前記フェノール系化合物は、キレート型の2価のフェノール系化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[5]前記フェノール系化合物は、カテコールおよびジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される、[1]〜[4]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[6]前記アクリルポリマーは、Y1で表される塩を10〜1000μeq/g含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[7]前記アクリルポリマーは、一般式(II):
で表される構造単位を更に含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[8]前記アクリルポリマーは、一般式(III):
で表される構造単位を更に含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[9]一般式(I):
で表される構造単位を有するアクリルポリマー;および、
フェノール系化合物、
を含むことを特徴とする磁気記録媒体用結合剤組成物。
[10]前記脂肪族三級アミンは、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンまたはジアザビシクロウンデセンである、[9]に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
[11]前記フェノール系化合物は、ベンゼン環またはナフタレン環を含む、[9]または[10]に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
[12]前記フェノール系化合物は、キレート型の2価のフェノール系化合物である、[9]〜[11]のいずれかに記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
[13]前記フェノール系化合物は、カテコールおよびジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される、[9]〜[12]のいずれかに記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
[14]ケトン系溶媒を更に含む、[9]〜[13]のいずれかに記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
[15]前記アクリルポリマーは、Y1で表される塩を10〜1000μeq/g含有する、[9]〜[14]のいずれかに記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
[16]前記アクリルポリマーは、一般式(II):
で表される構造単位を更に含む、[9]〜[15]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
[17]前記アクリルポリマーは、一般式(III):
で表される構造単位を更に含む、[9]〜[16]のいずれかに記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記結合剤は一般式(I):
で表される構造単位を有する重合体を構成成分として含み、かつ、
前記磁性層は、フェノール系化合物を更に含むことを特徴とする磁気記録媒体
に関する。
本発明の磁気記録媒体は、上記一般式(I)で表される、スルホン酸基と脂肪族三級アミンとの塩を含む構造単位を有する重合体を構成成分として含む結合剤をフェノール系化合物とともに磁性層に含むことで、強磁性粉末を高度に分散することができ、これにより優れた表面平滑性を実現し得るものである。
以下、本発明の磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
以下、一般式(I)で表される構造単位を有する重合体について、更に詳細に説明する。
一般式(I)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、メチル基を表すことが好ましい。
X1は酸素原子、硫黄原子または−N(R11)−基を表す。ここでR11は水素原子または置換基を表す。該置換基としては、アルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)、水酸基、アルコキシル基(例えば炭素数1〜6のアルコキシル基)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アシル基、カルボキシル基等を挙げることができる。以下、特記しない限り、本発明における「置換基」については、上記置換基の説明を参照することができる。R11としては、分散性向上の観点からは、水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
なお本発明において、置換基を有する基について「炭素数」とは、置換基を含まない部分の炭素数を意味するものとする。また、本発明において、「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
これに対し本発明者の検討により、一般式(X)で表されるアクリルモノマーは、脂肪族三級アミンと塩を形成すると、ケトン系溶媒に対する溶解性が高まることが新たに見出された。したがって、一般式(X)で表されるアクリルモノマーを脂肪族三級アミンとケトン系溶媒中で反応させ、一般式(X)中のZ1部(スルホン酸基)が脂肪族三級アミンと塩を形成した、下記一般式(X-1)で表される対塩型のアクリルモノマーとすればケトン系溶媒に溶解可能となるため、その後の他の重合性成分との重合反応を、引き続きケトン系溶媒中で行うことが可能となる。ケトン系溶媒中で合成された結合剤は、反応溶媒を除去せずにそのまま磁気記録媒体形成用塗布液の調製に使用することが可能であるため、製造工程の簡略化の観点から極めて有利である。
で表される構造単位を挙げることができる。一般式(II)で表される構造単位を含む重合体は、水酸基を含むことでより一層の分散性向上に寄与することができ、また、ポリイソシアネートを併用する系ではポリイソシアネートと水酸基が架橋することにより塗膜強度向上に寄与するため好ましい。
R2は水素原子またはメチル基を表すことが好ましく、メチル基を表すことがより好ましい。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、ヒドロキシエチルモノ(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシプロピルモノ(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシブチルモノ(メタ)アリルエーテル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、グリセリンモノ(メタ)アリルエーテル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル等の(メタ)アリルエーテル類、(メタ)アリルアルコール。
また、上記m1、m2、およびm3は、溶解性維持の観点から、5以下の整数であることが好ましい。
より一層優れた分散性を得る観点から、前記重合体は、一般式(III)で表される構造単位を5モル%以上75モル%以下含むことが好ましく、15モル%以上60モル%以下含むことがより好ましく、30モル%以上50モル%以下含むことが更に好ましく、一般式(IV)で表される構造単位を、5モル%以上75モル%以下含むことが好ましく、5モル%以上50モル%以下含むことがより好ましく、10モル%以上30モル%以下含むことが更に好ましい。
また、先に説明したように、一般式(I)中のY1を導入するために使用するアクリルモノマーは、原料モノマーの合計量に対して0.1〜10モル%使用することが好ましく、0.5〜6モル%使用することが好ましい。
したがって重合反応時の各モノマーの配合比は、上記好ましい組成を有する重合体が得られるように設定することが好ましい。また、前記したモノマーとともに、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、エチレン性不飽和ニトリル系モノマー、エチレン性不飽和酸系モノマー、アルキルビニルエーテル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物等の公知の重合性成分を使用することもできる。
重合反応は大気中で行ってもよく、窒素、アルゴン等の反応に不活性な気体の雰囲気下で行ってもよい。また、減圧下で行ってもよく、大気圧下で行ってもよい。重合に際しては、上記重合反応系に上述の成分以外に、一般に重合反応に添加される他の成分を添加してもよい。
本発明の磁気記録媒体は、前記重合体とともに磁性層にフェノール系化合物を含む。これにより強磁性粉末が高度に分散することができ、優れた表面平滑性を実現することができる。フェノール系化合物としては、1種のみ用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記重合体と他の樹脂成分とを併用する場合、他の樹脂成分の使用量は、前記重合体100質量部に対し、1〜100質量部とすることが好ましく、10〜100質量部とすることがより好ましい。
前記一般式(I)で表される構造単位を有する重合体;および、
フェノール系化合物、
を含むことを特徴とする磁気記録媒体用結合剤組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう)にも関するものである。
先に説明したように、一般式(I)で表される重合体は、対塩型ポリマーであることにより、プロトン型ポリマーと比べて強磁性粉末を高度に分散することができ、フェノール系化合物と併用することで、より一層優れた分散性向上効果を得ることができる。したがって本発明の組成物は、強磁性粉末等の磁性層の構成成分と混合し磁性層形成用塗布液として使用することが好ましい。前述のように、一般式(I)で表される重合体は磁気記録媒体形成用塗布液に汎用されているケトン系溶媒中で合成可能であるため、合成後に反応溶媒を除去することなく、フェノール系化合物およびその他成分と混合することで、磁性層形成用塗布液を調製できる点で、工程簡略化の観点からきわめて有利である。
(i)強磁性粉末
磁性層に含まれる強磁性粉末としては、針状強磁性体、平板状磁性体、または球状もしくは楕円状磁性体を挙げることができる。高密度記録化の観点から針状強磁性体の平均長軸長は、20nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上45nm以下であることがより好ましい。平板状磁性体の平均板径は、六角板径で10nm以上50nm以下であることが好ましい。磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下であることが好ましい。板径が上記範囲であれば、熱揺らぎがなく安定な磁化が望める。また、ノイズも低くなるため高密度磁気記録に適する。球状もしくは楕円状磁性体は、高密度記録化の観点から、平均直径が10nm以上50nm以下であることが好ましい。
強磁性粉末を、日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いて粒子を撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粒子写真を得る。粒子写真から目的の磁性体を選びデジタイザーで粉体の輪郭をトレースしカールツァイス製画像解析ソフトKS−400で粒子のサイズを測定する。500個の粒子のサイズを測定する。上記方法により測定される粒子サイズの平均値を強磁性粉末の平均粒子サイズとする。
また、該粉体の平均粉体サイズは、上記粉体サイズの算術平均であり、500個の一次粒子について上記の如く測定を実施して求めたものである。一次粒子とは、凝集のない独立した粉体をいう。
そして、粉体の形状が特定の場合、例えば、上記粉体サイズの定義(1)の場合は、平均粉体サイズを平均長軸長と言い、同定義(2)の場合は平均粉体サイズを平均板径と言い、(最大長径/厚さ乃至高さ)の算術平均を平均板状比という。同定義(3)の場合は平均粉体サイズを平均直径(平均粒径、平均粒子径ともいう)という。
本発明の磁気記録媒体は磁性層にフェノール系化合物を含むものであるが、磁性層には、必要に応じてフェノール系化合物とともに他の添加剤を加えることができる。本発明によれば、フェノール系化合物とともに前記一般式(I)で表される構造単位を有する重合体を磁性層に含むことで、他の添加剤が共存する場合にも磁性体を高度に分散することができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤などを挙げることができる。上記添加剤の具体例等の詳細については、例えば特開2009−96798号公報段落[0111]〜[0115]を参照できる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に直接磁性層を有することもでき、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有することもできる。非磁性層の結合剤を構成する樹脂成分として、先に説明した一般式(I)で表される構造単位を有する重合体を使用してもよく、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応性樹脂、これらの混合物等の他の樹脂成分を使用してもよい。
非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜1μmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜1μmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。
これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmが好ましい。5nm〜2μmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。ただし必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。本発明の磁気記録媒体に使用可能な非磁性粉末の詳細については、特開2009−96798号公報段落[0123]〜[0132]を参照できる。
非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗布液は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させることにより形成することができる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。上記バックコート層を形成するために、前述の重合体を使用することも可能である。
本発明の磁気記録媒体において、非磁性支持体の好ましい厚さは3〜80μmである。また、非磁性支持体と非磁性層または磁性層の間に上記平滑化層を設ける場合、平滑化層の厚さは例えば0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。また、上記バックコート層の厚さは、例えば0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
磁性層、非磁性層等の各層を形成するための塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなることが好ましい。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
また、本発明の磁気記録媒体用結合剤組成物に、上記原料を同時または逐次添加することにより、塗布液を製造することもできる。例えば強磁性粉末、非磁性粉末等の粉末成分をニーダにより解砕した後、本発明の磁気記録媒体用結合剤樹脂組成物(更に任意に併用される他の結合剤成分)を添加して混練工程を行い、この混練物に各種添加剤を添加し分散工程を行うことにより塗布液を調製することができる。
得られた磁気記録媒体は、裁断機、打抜機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
500mlフラスコに、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1.0部、α−メチルピリジン0.45部、メチルエチルケトン8.0部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。後述の方法で遊離のα−メチルピリジンを測定したところ検出されなかったことから、上記溶液中でスルホン酸基とα−メチルピリジンが塩を形成した対塩型のアクリルモノマーが形成されたことが確認された。なお、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸はα−メチルピリジンと対塩を形成しない状態ではメチルエチルケトンにほとんど溶解しない。上記操作にて2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とα−メチルピリジンをメチルエチルケトンに添加したところ、未溶解物が確認されず完溶した溶液が得られたことから、添加した2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸は全量がα−メチルピリジンと対塩を形成したことが確認できる。
完溶した溶液に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、イソボロニルメタクリレート14.0部、ステアリルメタクリレート5.0部、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.60部、メチルエチルケトン18.0部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。
500mlフラスコにメチルエチルケトン77部を加え、内温70℃に昇温させた後、内温が65〜72℃の範囲になるように外温を調節しながら、前記混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後さらに5時間反応させ、アクリルポリマーAの溶液を得た。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を後述の方法で求めたところ、Mw=3.7万、Mn=2.3万であった。後述の方法で遊離のα−メチルピリジンを測定したところ検出されなかった。この結果と、アミンがスルホン酸基と酸−塩基相互作用で結合することが後述の合成例13、14と合成例16、17との対比から実証されたことから、重合反応前後でアミンの存在状態は変化せず、得られた樹脂中でスルホン酸基がα−メチルピリジンと対塩を形成していることが確認された。
得られた樹脂中のスルホン酸基とα−メチルピリジンとの塩濃度を後述の方法で測定したところ、150μeq/gであった。
(1)平均分子量の測定
0.3%の臭化リチウムを含有するDMF溶媒を用いてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を使用し、標準ポリスチレン換算で求めた。
(2)樹脂中の塩濃度
蛍光X線分析により硫黄(S)元素のピーク面積から硫黄元素量を定量し、樹脂1kgあたりの硫黄元素量に換算し、樹脂中のスルホン酸基と所定の有機アミンとの塩濃度を求めた。
(3)遊離の有機アミンの測定
得られた反応液を固形分濃度が5質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈し、ガスクロマトグラフィーを用いて以下の条件で遊離の有機アミンを分析した。
装置:島津社製GC−17A
カラム:DB-1
カラム温度:50℃
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
カラム昇温プログラム:50℃/5分→10℃/1分で250℃に昇温→250℃/10分
α−メチルピリジン0.45部を、β−メチルピリジン0.45部に変えた点以外は合成1にしたがってアクリルポリマーBの溶液を得た。前述の方法で遊離のβ−メチルピリジンを測定したところ検出されなかった。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=3.8万、Mn=2.3万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とβ−メチルピリジンとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、150μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のβ−メチルピリジンを測定したところ検出されなかった。
α−メチルピリジン0.45部を、γ−メチルピリジン0.45部に変えた点以外は合成例1にしたがってアクリルポリマーCの溶液を得た。前述の方法で遊離のγ−メチルピリジンを測定したところ検出されなかった。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=3.7万、Mn=2.3万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とγ−メチルピリジンとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、150μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のγ−メチルピリジンを測定したところ検出されなかった。
α−メチルピリジン0.45部を、ジイソプロピルエチルアミン0.62部に変えた点以外は合成例1にしたがってアクリルポリマーDの溶液を得た。前述の方法で遊離のジイソプロピルエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=4.6万、Mn=2.4万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とジイソプロピルエチルアミンとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、150μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のジイソプロピルエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
α−メチルピリジン0.45部を、ジアザビシクロウンデセン0.73部に変えた点以外は合成例1にしたがってアクリルポリマーEの溶液を得た。前述の方法で遊離のジアザビシクロウンデセンを測定したところ検出されなかった。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=3.8万、Mn=2.3万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とジアザビシクロウンデセンとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、150μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のジアザビシクロウンデセンを測定したところ検出されなかった。
α−メチルピリジン0.45部を、N−メチルイミダゾール0.40部に変えた点以外は合成例1にしたがってアクリルポリマーFの溶液を得た。前述の方法で遊離のN−メチルイミダゾールを測定したところ検出されなかった。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=5.7万、Mn=2.7万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とN−メチルイミダゾールとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、150μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のN−メチルイミダゾールを測定したところ検出されなかった。
500mlフラスコに、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1部、トリエチルアミン0.49部、メチルエチルケトン8.0部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
完溶した溶液に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート18.3部、イソボロニルメタクリレート25.0部、ステアリルメタクリレート9.5部、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.81部、メチルエチルケトン38.0部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。
500mlフラスコにメチルエチルケトン138.0部を加え、内温70℃に昇温させた後、内温が65〜72℃の範囲になるように外温を調節しながら、前記混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後さらに5時間反応させ、アクリルポリマーGの溶液を得た。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=3.7万、Mn=2.3万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とトリエチルアミンとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、60μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
500mlフラスコに、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1部、トリエチルアミン0.49部、メチルエチルケトン8.0部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
完溶した溶液に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.1部、イソボロニルメタクリレート21.3部、ステアリルメタクリレート8.2部、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.24部、メチルエチルケトン31部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。
500mlフラスコにメチルエチルケトン114部を加え、内温70℃に昇温させた後、内温が65〜72℃の範囲になるように外温を調節しながら、前記混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後さらに5時間反応させ、アクリルポリマーHの溶液を得た。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=3.7万、Mn=2.3万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とトリエチルアミンとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、100μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
500mlフラスコに、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1部、トリエチルアミン0.49部、メチルエチルケトン8.0部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
完溶した溶液に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7.2部、イソボロニルメタクリレート10.7部、ステアリルメタクリレート4.1部、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.12部、メチルエチルケトン12部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。
500mlフラスコにメチルエチルケトン58.0部を加え、内温70℃に昇温させた後、内温が65〜72℃の範囲になるように外温を調節しながら、前記混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後さらに5時間反応させ、アクリルポリマーIの溶液を得た。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=3.7万、Mn=2.3万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とトリエチルアミンとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、200μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
500mlフラスコに、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1部、トリエチルアミン0.49部、メチルエチルケトン8.0部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
完溶した溶液に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.2部、イソボロニルメタクリレート6.5部、ステアリルメタクリレート2.5部、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.07部、メチルエチルケトン4.4部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。
500mlフラスコにメチルエチルケトン36部を加え、内温70℃に昇温させた後、内温が65〜72℃の範囲になるように外温を調節しながら、前記混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後さらに5時間反応させ、アクリルポリマーJの溶液を得た。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=3.7万、Mn=2.3万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とトリエチルアミンとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、330μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
500mlフラスコに、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1部、トリエチルアミン0.49部、メチルエチルケトン8.0部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
完溶した溶液に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.9部、イソボロニルメタクリレート3.4部、ステアリルメタクリレート1.3部、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.037部を加え、遮光条件下25℃で1時間以上攪拌し完溶させた。
500mlフラスコにメチルエチルケトン19部を加え、内温70℃に昇温させた後、内温が65〜72℃の範囲になるように外温を調節しながら、前記混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後さらに5時間反応させ、アクリルポリマーKの溶液を得た。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=3.7万、Mn=2.3万であった。得られた樹脂中のスルホン酸基とトリエチルアミンとの塩濃度を前述の方法で測定したところ、600μeq/gであった。また、前述の方法で遊離のトリエチルアミンを測定したところ検出されなかった。
100mlフラスコに、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1部、水3.0部、メタノール1.0部を加え遮光条件下25度以下で10分以上攪拌し完溶させた。500mlフラスコに、イソボロニルメタクリレート37部、ステアリルメタクリレート14部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート27部、メチルエチルケトン60部を加え遮光条件下25度以下で1時間以上攪拌し完溶させた後、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の水/メタノール溶液を添加し、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.2部を加え、遮光条件下25℃で10分以上攪拌し完溶させた。
500mlフラスコにメチルエチルケトン30部を加え、内温70℃に昇温させた後、内温が65〜72℃の範囲になるように外温を調節しながら、前記混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後1時間反応させた後、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.4部を添加し、さらに5時間反応させ、樹脂溶液と白色沈殿物を得た。
白色沈殿物を減圧濾過によって除去し、アクリルポリマーLの溶液を得た。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=7.0万、Mn=2.6万であった。得られた樹脂中のスルホン酸塩基濃度を前述の樹脂中の塩濃度の測定方法と同様の方法で測定したところ、スルホン酸濃度=54μeq/gであった。
合成例12で得た樹脂溶液1.0部に、トリエチルアミン0.0034部を添加し1時間攪拌した。得られた液を前述のガスクロマトグラフィー条件にて測定したところトリエチルアミンに由来するピークは確認されなかった。この結果から、添加したトリエチルアミンがアクリルポリマーLのスルホン酸基と塩を形成したことが確認された。
合成例12で得た樹脂溶液1.0部に、ジイソプロピルエチルアミン0.0042部を添加し1時間攪拌した。得られた液を前述のガスクロマトグラフィー条件にて測定したところジイソプロピルエチルアミンに由来するピークは確認されなかった。この結果から、添加したトリエチルアミンがアクリルポリマーLのスルホン酸基と塩を形成したことが確認された。
以下の方法で、合成例12で得たアクリルポリマーLとは、一般式(X)で表されるアクリルモノマー由来のユニットを含まない点で構造的に相違するアクリルポリマーMを合成した。
500mlフラスコに、イソボロニルメタクリレート37部、ステアリルメタクリレート14部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート27部、2−ブタノン60部を加え遮光条件下25度以下で1時間以上攪拌し完溶させた後、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.2部を加え、遮光条件下25℃で10分以上攪拌し完溶させた。
500mlフラスコに2−ブタノン30部を加え、内温70℃に昇温させた後、内温が65〜72℃の範囲になるように外温を調節しながら、前記混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後1時間反応させた後、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.4部を添加し、さらに5時間反応させ、樹脂溶液と白色沈殿物を得た。その後、白色沈殿物を減圧濾過によって除去し、透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を前述の方法で求めたところ、Mw=6.5万、Mn=2.5万であった。
合成例15で得た樹脂溶液1.0部に、トリエチルアミン0.0034部を添加し1時間攪拌した。得られた液を前述のガスクロマトグラフィー条件にて測定したところトリエチルアミンに由来するピークが確認された。この結果から、添加したトリエチルアミンはアクリルポリマーMに導入されなかったことが確認された。
合成例15で得た樹脂溶液1.0部に、ジイソプロピルエチルアミン0.0042部を添加し1時間攪拌した。得られた液を前述のガスクロマトグラフィー条件にて測定したところジイソプロピルエチルアミンに由来するピークが確認された。この結果から、添加したジイソプロピルエチルアミンはアクリルポリマーMに導入されなかったことが確認された。
下記強磁性六方晶フェライト粉末2.2質量部、アクリルポリマーD 1質量部、カテコール0.08質量部をシクロヘキサノン6.0質量部、メチルエチルケトン9.0質量部からなる溶液に懸濁させた。
強磁性六方晶バリウムフェライト粉末
酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1
Hc:176kA/m(2200Oe)、平均板径:25nm、平均板状比:3
BET比表面積:65m2/g
σs:49A・m2/kg(49emu/g)
pH:7
得られた懸濁液に0.1mmΦジルコニアビーズ(ニッカトー製)60質量部を添加し、15時間分散させて磁性塗料を得た。
得られた磁性塗料中の六方晶フェライト粉末の分散粒子径を後述の方法で測定したところ30nmであった。
磁性塗料を、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンを体積比でシクロヘキサノン6.0:メチルエチルケトン9.0の割合で含む混合液で固形分濃度0.2質量%となるように希釈した(固形分とは六方晶フェライト粉末・アクリルポリマー・フェノール系化合物の合計質量を表す)。
HORRIBA社製動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500を用いて測定した上記希釈液中の六方晶フェライト粉末平均粒子径を分散粒子径とした。分散粒子径が小さいほど、六方晶フェライト粉末が凝集せず分散性が良好であることを意味する。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーE 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ33nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーG 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ33nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーH 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ30nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーI 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ29nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーJ 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ29nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーK 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ29.0nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーA 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ44nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーB 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ43nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーC 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ43nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーF 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ54nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーL 1質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ49nmであった。
カテコール0.09質量部を2,3−ジヒドロキシナフタレン0.12質量部に変えた点以外は実施例1と同様の操作で分散粒子径を測定したところ28nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーE 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ33nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーG 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ30nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーH 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ27nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーI 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ26nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーJ 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ26nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーK 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ26nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーA 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ44nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーB 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ43nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーC 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ43nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーF 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ56nmであった。
[比較例10]
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーL 1質量部に変えた点以外は実施例8と同様の操作で分散粒子径を測定したところ46nmであった。
前記強磁性六方晶フェライト粉末2.2質量部、アクリルポリマーD 1質量部、トランス桂皮酸0.10質量部をシクロヘキサノン6.0質量部、メチルエチルケトン9.0質量部からなる溶液に懸濁させた。懸濁液に0.1mmΦジルコニアビーズ(ニッカトー製)60質量部を添加し、15時間分散させて磁性塗料を得た。
得られた磁性塗料中の六方晶フェライト粉末の分散粒子径を前述の方法で測定したところ56nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーF 1質量部に変えた点以外は比較例11と同様の操作で分散粒子径を測定したところ50nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーL 1質量部に変えた点以外は比較例11と同様の操作で分散粒子径を測定したところ52nmであった。
トランス桂皮酸0.10質量部を安息香酸0.11質量部に変更した点以外は比較例11と同様の操作で分散粒子径を測定したところ56nmであった。
トランス桂皮酸0.10質量部をオレイン酸0.21質量部に変更した点以外は比較例11と同様の操作で分散粒子径を測定したところ68nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーE 1質量部に変えた点以外は比較例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ49nmであった。
前記強磁性六方晶フェライト粉末2.2質量部、アクリルポリマーD 1質量部、オレイン酸 0.033質量部、2,3−ジヒドロキシナフタレン 0.13質量部をシクロヘキサノン3.3質量部、メチルエチルケトン4.9質量部からなる溶液に懸濁させた。懸濁液に0.1mmΦジルコニアビーズ(ニッカトー製)27質量部を添加し、15時間分散させて磁性塗料を得た。
得られた磁性塗料中の六方晶フェライト粉末の分散粒子径を前述の方法で測定したところ29nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーE 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ38nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーG 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ33nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーH 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ28nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーI 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ30nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーJ 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ27nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーK 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ26nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーA 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ60nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーB 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ64nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーC 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ69nmであった。
アクリルポリマーD 1質量部をアクリルポリマーF 1質量部に変えた点以外は実施例15と同様の操作で分散粒子径を測定したところ46nmであった。
(1)磁性層塗布液の調製
強磁性板状六方晶フェライト粉末:100部
酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1
Hc:2300Oe、板径:25nm、板状比:3
BET比表面積:80m2/g、
σs:50A・m2/kg(50emu/g)
ポリウレタン樹脂(官能基SO3Na、官能基濃度180eq/t):15部
アクリルポリマーJ:14部
オレイン酸:1部
2,3−ジヒドロキシナフタレン:5部
α−Al2O3(粒子サイズ0.15μm):5部
ダイヤモンド粉末(平均粒径:80nm):2部
カーボンブラック(粒子サイズ 20nm):2部
シクロヘキサノン:110部
メチルエチルケトン:100部
トルエン:100部
ブチルステアレート:2部
ステアリン酸:1部
非磁性無機質粉体:85部
α−酸化鉄
表面処理剤:Al2O3、SiO2、長軸径:0.15μm、タップ密度:0.8
針状比:7、BET比表面積:52m2/g、pH8、
DBP吸油量:33g/100g
カーボンブラック:20部
DBP吸油量:120ml/100g、pH:8
BET比表面積:250m2/g、揮発分:1.5%
ポリウレタン樹脂(官能基SO3Na、官能基濃度180eq/t):15部
フェニルホスホン酸:3部
α−Al2O3(平均粒径0.2μm):10部
シクロヘキサノン:140部
メチルエチルケトン:170部
ブチルステアレート:2部
ステアリン酸:1部
上記磁性層塗布液及び非磁性層塗布液のそれぞれについて、各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、ジルコニアビ−ズ(φ0.5mm)を用いたサンドミルで720分間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部とビスアミノメチルシクロヘキサンを2部加え、更に20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液および非磁性層塗布液を調製した。
厚み5μmのポリエチレンナフタレート製支持体に、上記非磁性層塗布液を乾燥後の厚さが1.5μmになるように塗布し、100℃で乾燥させた。形成した非磁性層上に上記磁性層塗布液を乾燥後の厚さが0.08μmになるようにウェットオンドライ塗布し、100℃で乾燥させた。この時、磁性層が未乾燥の状態で300mT(3000ガウス)の磁石で磁場配向を行った。更に、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃で表面平滑化処理を行った後、70℃で24時間加熱硬化処理を行い1/2インチ幅にスリットし磁気テープを作製した。
上記(3)で作製した磁気テープについて、原子間力顕微鏡(AFM:DIGITAL INSTRUMENT社製のNANOSCOPE III)を用い、コンタクトモードで磁性層面について40μm×40μmの面積を測定し、中心線平均表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さは1.9nmであり高密度記録用磁気記録媒体として好ましい表面平滑性を有することが確認された。
これに対し、表1に示した実施例20(本実施例と同じくアクリルポリマーJを使用)と比較例17〜20(使用したアクリルポリマーのみ相違)の分散粒子径の対比から、本実施例で使用したアクリルポリマーJを比較例17〜20で使用したアクリルポリマーに変更して磁気テープを作製すると、本実施例と比べてテープの平均表面粗さが高く表面平滑性に劣る磁気テープが得られることがわかる。
Claims (17)
- 非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
前記結合剤は一般式(I):
で表される構造単位を有するアクリルポリマーを構成成分として含み、かつ、
前記磁性層は、フェノール系化合物を更に含むことを特徴とする磁気記録媒体。 - 前記脂肪族三級アミンは、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンまたはジアザビシクロウンデセンである、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記フェノール系化合物は、ベンゼン環またはナフタレン環を含む、請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
- 前記フェノール系化合物は、キレート型の2価のフェノール系化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
- 前記フェノール系化合物は、カテコールおよびジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
- 前記アクリルポリマーは、Y1で表される塩を10〜1000μeq/g含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
- 前記アクリルポリマーは、一般式(II):
で表される構造単位を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。 - 前記アクリルポリマーは、一般式(III):
で表される構造単位を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。 - 一般式(I):
で表される構造単位を有するアクリルポリマー;および、
フェノール系化合物、
を含むことを特徴とする磁気記録媒体用結合剤組成物。 - 前記脂肪族三級アミンは、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンまたはジアザビシクロウンデセンである、請求項9に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
- 前記フェノール系化合物は、ベンゼン環またはナフタレン環を含む、請求項9または10に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
- 前記フェノール系化合物は、キレート型の2価のフェノール系化合物である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
- 前記フェノール系化合物は、カテコールおよびジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
- ケトン系溶媒を更に含む、請求項9〜13のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
- 前記アクリルポリマーは、Y1で表される塩を10〜1000μeq/g含有する、請求項9〜14のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
- 前記アクリルポリマーは、一般式(II):
で表される構造単位を更に含む、請求項9〜15のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。 - 前記アクリルポリマーは、一般式(III):
で表される構造単位を更に含む、請求項9〜16のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用結合剤組成物。
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