JP5616742B2 - 溝付きスポット溶接電極を用いたスポット溶接方法 - Google Patents

溝付きスポット溶接電極を用いたスポット溶接方法 Download PDF

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本発明は、鉄筋コンクリート用鋼材として用いられている異形棒鋼同士を接合するためのスポット溶接方法に関する。さらに詳しくは、一方の異形棒鋼の縦リブに他方の異形棒鋼が交差するように重ねた状態でスポット溶接を行うのに適したスポット溶接電極の改良に関する。
鉄筋コンクリート構造物においては、その柱、梁、スラブなどに配置されている鉄筋コンクリート用鋼材相互の接合がスポット溶接により行われる。例えば、住宅の鉄筋コンクリート基礎梁においては、主筋側の異形棒鋼に対して直交する状態に一定のピッチであばら筋側の異形棒鋼が配置され、これらの鉄筋の交差部分がスポット溶接によって相互に接合される。特許文献1、2には鉄筋コンクリート用鋼材として用いられる鉄筋のスポット溶接方法、スポット溶接装置が提案されている。
ここで、主筋とあばら筋のスポット溶接は、これらを溶接位置において交差するように重ね合わせ、これらの交差位置の両側から双方の鉄筋をスポット溶接電極によって押圧した状態で通電を行うようにしている。このような主筋とあばら筋のスポット溶接方法は、それらの間の溶接位置(重ね合わせ位置)が主筋側の異形棒鋼の縦リブ上に位置する縦リブ溶接と呼ばれる方法と、溶接位置が主筋側の異形棒鋼の竹節上に位置する竹節溶接と呼ばれる方法に分類される。縦リブ溶接は主筋側の異形棒鋼の縦リブがスポット溶接電極の方向、すなわち、縦向きとなり、竹節溶接は主筋側の異形棒鋼の縦リブがスポット溶接電極の方向に対して直交する方向、すなわち、横向きとなる。
図3(a)は縦リブ溶接の状態を示す説明図であり、図3(b)は竹節溶接の状態を示す説明図である。縦リブ溶接においては、主筋側の異形棒鋼1において、その外周面に沿って180℃の角度間隔で軸線方向に延びている2条の縦リブ11、12の一方の側に溶接対象のあばら筋側の異形棒鋼2を直交するように交差させた状態で重ね合わせ、これらの異形棒鋼1、2を両側からスポット溶接電極3A、4で挟み、通電を行う。主筋側の異形棒鋼1の側に位置するスポット溶接電極3Aの先端面31Aは溶接位置(重ね合わせ位置)とは反対側の縦リブ12に押し付けられる。
これに対して、竹節溶接においては、主筋側の異形棒鋼1において、その外周面における2条の縦リブ11、12を挟み両側部分において軸線方向に沿って一定のピッチで互い違いに形成されている竹節13、14の一方の側に溶接対象のあばら筋側の異形棒鋼2を直交するように交差させた状態で重ね合わせ、これらの異形棒鋼1、2を両側からスポット溶接電極3A、4で挟み、通電を行う。主筋側の異形棒鋼1の側に位置するスポット溶接電極3Aの先端面31Aは溶接位置とは反対側の竹節14に押し付けられる。
特開2006−341260号公報 特開2003−200270号公報
ここで、スポット溶接電極3Aと異形棒鋼1の通電面に不具合(接合面が荒れている、押圧力が弱いなど)があると通電不良(通電異常、ショート)が発生することがある。通電不良が発生すると、スポット溶接電極3Aと異形棒鋼1の接触部分(通電部分)が大きな発熱状態に陥り、当該部分に焼きが発生する。焼きが発生すると、異形棒鋼1の伸び性が低下することが多い。また、溶接時に、異形棒鋼1、2の間の溶接部分以外の部位が発熱状態になり、十分な発熱状態が必要とされる溶接部分の発熱が不十分となり、溶着力が不足してしまう。このように、通電不良はスポット溶接にとって悪影響が大きいので、通電不良を防止することが溶接品質の向上のために極めて重要な要素である。
しかしながら、従来の縦リブ溶接および竹節溶接は、詳細は後述するが、溶接後の異形棒鋼の伸び性、溶接部分の溶着力の双方を同時に満足するものでなかった。
本発明の課題は、この点に鑑みて、異形棒鋼の伸び性を阻害することなく、異形棒鋼同士を良好な溶着力で溶接可能なスポット溶接方法およびスポット溶接装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、
鉄筋コンクリート用棒鋼として用いられる第1異形棒鋼および第2異形棒鋼を、一方の第1異形棒鋼における一方の縦リブに接するように他方の第2異形棒鋼を交差状態に重ね合わせ、これらの重ね合わせ位置を相互に溶接するスポット溶接方法であって、
スポット溶接箇所とは反対側に位置する第1異形棒鋼の他方の縦リブの側に押し付けられるスポット溶接用のスポット溶接電極として、その先端面が縦リブに掛からないように、当該先端面に所定幅および所定深さの溝が形成されている溝付きスポット溶接電極を使用し、
この溝付きスポット溶接電極の先端面における溝の両側の部分を、溶接対象の第1異形棒鋼の縦リブの両側から延びている竹節の部位に押し付け、この状態でスポット溶接を行うことを特徴としている。
ここで、溝付きスポット溶接電極の先端面を、当該溝付きスポット溶接電極の軸線に直交する平坦な先端面とした場合には、前記溝を、当該先端面に沿って当該先端面の中心を通る矩形断面の溝とし、溝付きスポット溶接電極の先端面における溝の両側の直線状の縁端部を、溶接対象の第1異形棒鋼における縦リブの両側の竹節の部位に押し付け、この状態でスポット溶接を行うようにすればよい。
また、溝付きスポット溶接電極の先端面における溝の長さ方向の幅寸法は、溶接対象の第1異形棒鋼における竹節の形成ピッチの3倍以下の寸法に設定することが望ましい。
また、本発明はスポット溶接装置であって、そのスポット溶接電極の一つは、上記のように先端面に溝が形成された溝付きスポット溶接電極であることを特徴としている。
本発明では、一方の第1異形棒鋼を縦向きで他方の第2異形棒鋼に交差状態に重ね合わせてスポット溶接を行うと共に、第1異形棒鋼の縦リブの側の部位に押し付けるスポット溶接電極として、その先端面が縦リブに掛からないように(接触しないように)、当該先端面に溝を付けた溝付きスポット溶接電極を使用している。従来の縦リブ溶接では、溶接部分の溶着力は良好であるが、溶接後の第1異形棒鋼の伸び性が悪い場合が多く、従来の竹節溶接では伸び性は縦リブ溶接の場合よりも改善されるが溶着力が縦リブ溶接の場合よりも弱い。これに対して、本発明によれば、第1異形棒鋼の伸び性を従来の竹節溶接の場合よりも良好に維持でき、しかも、溶接部の溶着力も良好な溶接を行うことが可能になる。
本発明を適用したスポット溶接方法を示す側面図、正面図、底面図および、幅方向の寸法が長い溝付きスポット溶接電極を示す説明図である。 本発明による溶接方法と従来の溶接方法の利点、欠点を比較して示す説明図である。 従来の縦リブ溶接および竹節溶接を示す説明図である。 従来の縦リブ溶接と竹節溶接における入熱の影響を示す説明図である。 従来の縦リブ溶接と竹節溶接におけるあばら筋側の異形棒鋼による主筋側の異形棒鋼への伸び性の影響を示す説明図である。 従来の竹節溶接におけるあばら筋側の異形棒鋼の溶接位置の変動を示す説明図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態に係るスポット溶接方法を説明する。図1は本発明を適用したスポット溶接方法を示す説明図である。この図を参照して説明すると、本例のスポット溶接は縦リブ溶接であり、鉄筋コンクリート梁用の棒鋼として用いられる主筋側の異形棒鋼1とあばら筋側の異形棒鋼2を、主筋側の異形棒鋼1の一方の縦リブ11に接するようにあばら筋側の異形棒鋼2を交差状態に重ね合わせ、これらの重ね合わせ位置を相互に溶接する。なお、以下の説明においては、主筋側の異形棒鋼を「異形棒鋼」あるいは「異形棒鋼(主筋)」と呼び、あばら筋側の異形棒鋼を「あばら筋」と呼ぶものとする。
スポット溶接装置(図示せず)の2本のスポット溶接電極3、4は、異形棒鋼1およびあばら筋2を、これらの重ね合わせ位置(スポット溶接箇所)5の両側から所定の押圧力で挟み込む。一方のスポット溶接電極3の先端面31は、異形棒鋼1のスポット溶接箇所とは反対側に位置する他方の縦リブ12に押し付けられる。他方のスポット溶接電極4の先端面41はあばら筋2の外周面に押し付けられる。この状態でスポット溶接電極3、4の間に通電することにより、異形棒鋼1とあばら筋2の重ね合わせ位置5がスポット溶接される。
ここで、あばら筋2の側に押し付けられるスポット溶接電極4は一般的に使用されている平坦な先端面41を備えたスポット溶接電極である。これに対して、異形棒鋼1の側に押し付けられるスポット溶接電極3は溝付きスポット溶接電極であり、その先端面31が縦リブ12に掛からないように(接触しないように)、当該先端面31に所定幅および所定深さの溝32が形成されている。
スポット溶接電極3は例えば円形断面のものであり、その先端面31は当該スポット溶接電極3の中心軸線3aに直交する円形平坦面である。また、先端面31の直径は、本例では、異形棒鋼1の竹節13、14の形成ピッチpの3倍以下の寸法となるように設定されている。溝32は、先端面31の中心を通る一定幅で一定深さの矩形断面の直線状の溝である。この溝32によって、先端面31が両側の先端面部分33、34に分離されている。
溶接時において、溝32が形成されているスポット溶接電極3の先端面31は、その両側の先端面部分33、34における内側の直線状の縁端部33a、34aが、異形棒鋼1の縦リブ12の両側から延びている竹節13、14の部分に押し付けられる。この状態で、縁端部33a、34aが縦リブ12の両側から所定距離だけ離れるように溝32の幅が設定されている。これにより、縁端部33a、34aと縦リブ12との間でショートが発生しないようにしている。
このようにスポット溶接電極3を異形棒鋼1に押し付けた状態で通電が行われる。したがって、縦リブ12には通電されず、竹節13、14の側に通電される。通電箇所は、両側の縁端部33a、34aの2箇所となり、1か所に通電が集中する場合に比べて鉄筋にかかる負担も軽減される。
また、本例では、スポット溶接電極3の先端面31における溝32の長さ方向の幅寸法を竹節13、14の形成ピッチpの3倍以下としてある。図1(d)に示すように、先端面31を広幅とすると、先端面31がより多くの竹節13、14に接するので、接触部分(通電部分)の押圧力が弱くなってしまう。また、先端面31や鉄筋3の撓みなどにより、各接触部分の押圧力に大きなバラツキが発生しやすい。この結果、接触部分に通電異常(ショート)が発生しやすくなるので好ましくない。このような弊害が発生しないように、スポット溶接電極3の先端面31の幅寸法を設定することが望ましく、本例のように、竹節13、14の形成ピッチpの3倍以下にしておけば、先端面31が少数本(3本から5本)の竹節に接触するので、バラツキのない十分な押圧力を各接触部分に加えることができる。
なお、一般的に使用される異形棒鋼D16〜D22の場合には、溝32の幅を約8mm、溝32の深さを約20mmにすることができる。勿論、これ以外の寸法の溝を形成してもよく、溝の断面形状も矩形断面以外の形状とすることが可能である。また、スポット溶接電極3の断面形状を矩形断面とし、その先端面を平坦な矩形先端面とし、ここに溝を形成してもよい。
図2は、本例の溝付きスポット溶接電極3を用いた縦リブ溶接の場合と、既存の平坦な先端面を備えたスポット溶接電極を用いた縦リブ溶接および竹節溶接の場合とを比較して示す説明図である。この図においては、「通常チップ」は一般的に使用されているスポット溶接電極を意味し、「溝チップ」は本例の溝付きスポット溶接電極3を意味している。従来の縦リブ溶接では、溶接部分の溶着力は良好であるが、溶接後の異形棒鋼の伸び性が悪い場合が多く、従来の竹節溶接では伸び性は縦リブ溶接の場合よりも改善されるが溶着力が弱い。これに対して、本例によれば、異形棒鋼1の伸び性を従来の竹節溶接の場合よりも良好に維持でき、しかも、溶接部の溶着力も良好である。
次に、従来の縦リブ溶接および竹節溶接における利点、欠点を詳しく説明すると共に、これらの既存の溶接に対する本発明の溶接の優位性について説明する。
(従来の縦リブ溶接、竹節溶接の利点、欠点)
(1)ショートの発生
まず、スポット溶接電極と鉄筋の通電面に不具合があるとショート(通電異常)が発生し、鉄筋面が所謂「アバタや花が咲いた」と表現される荒れた状態になることがある。ショートした部分の温度は非常に高くなっており、ショートした部分の鉄筋内部では焼きが発生した状態にあることが多く、引張試験を行った場合に不良品となる可能性が非常に高い。ショートの発生を防止するためには、スポット溶接電極と鉄筋の間の押圧力を上げることや、これらの間の通電面を安定させることが重要である。特に、縦リブ溶接においてはショートが発生しやすい。
図3を参照して説明すると、従来の縦リブ溶接では、異形棒鋼1の縦リブ12にスポット溶接電極3Aの先端面31Aが接触するので、竹節溶接の場合に比べて、これらの接触面積が大きい。接触面積が大きいほど、接触部分の微小な隙間が発生しやすく、微小な隙間ができるとショートが発生しやすい。竹節溶接の場合には、スポット溶接電極3Aの先端面31Aが竹節14の円形外周面に線接触するので、接触面積が狭く、これらの間に微小隙間が出来にくいのでショートの発生も殆どない。
ショートが発生すると、スポット溶接部分が十分に加熱されず溶着不良が発生するおそれがある。また、ショートした部分に焼きが入り引張強度が低下するおそれがある。すなわち、溶接時の通電によって得られる熱量は、電流と通電時間によって決まるが、ショートが発生すると、ショートした鉄筋表面部分に熱量が使用されてしまうので、スポット溶接部分が溶着不良となり、せん断強度が不足してしまう。また、ショートした部分に焼きが発生してしまう。したがって、ショートによる溶接不良の観点からは、縦リブ溶接よりも竹節溶接の方が望ましい。
(2)縦リブへの影響
異形棒鋼1の外周面には縦リブ11、12と竹節13、14が形成されている。これらのうち、伸びなどの機械的性質に対して重要なのが縦リブである。すなわち、縦リブ11、12は異形棒鋼においてその軸線方向に連続している部位であり、有効な連続した断面積部分としての強度を備えているからである。竹節13、14は一定のピッチで形成されているが鉄筋長手方向に連続していないので断続的に部分的な断面積部分としての強度が備わっているのみである。したがって、伸びなどの機械的性質を良好に維持するとう観点からは、縦リブを介して通電する縦リブ溶接よりも、縦リブに影響を及ぼさない竹節溶接の方が望ましいと言える。
(3)スポット溶接電極による入熱の影響
溶接を行うと、スポット溶接電極と鉄筋の接触面が通電により発熱する。通電が1箇所に集中して行われると、大きな深い焼きが鉄筋に生ずるので、通電箇所はなるべく多くした方が望ましい。
図4を参照して説明すると、縦リブ溶接の場合には、電流突入面が1箇所なので発熱が集中しやすく、異形棒鋼1の有効断面積部まで熱が加わる。また、先に述べたように縦リブ溶接の場合にはショートが発生しやすく、ショート発生部分には焼きが発生する。このため、縦リブ溶接は、異形棒鋼1の有効断面積部における通電時の入熱による影響面積が大きくなる。これに対して、竹節溶接の場合には、スポット溶接電極と異形棒鋼の接触面積が小さく、電流突入面が2箇所であるので、入熱が一箇所に集中して、異形棒鋼の有効断面積部に深く熱の影響が及ぶことがない。したがって、入熱の影響という観点からは、竹節溶接の方が望ましいと言える。
(4)あばら筋による異形棒鋼の伸び性への影響
溶接を行うと、異形棒鋼(主筋)とあばら筋の溶着点部分は溶接時の熱により焼きが入った状態になる。溶接電流を高くすればするほど、異形棒鋼に入る焼きの深さが深くなる。ここで、あばら筋の溶着力は溶融した形状および溶け込み深さに比例して一定の強度までは強くなるが、溶け込む深さを大きくし過ぎると異形棒鋼に悪影響を及ぼす。
この観点から検討すると、図5に示すように、溶着強度を確保して、なおかつ異形棒鋼の伸び性への影響を最小限にするには縦リブへ溶接する方が良好な結果が得られる。これは、竹節溶接の場合には、必然的に異形棒鋼の中心に近い位置において溶接を行うことになるので、異形棒鋼の伸びに対して悪影響が及びやすいからである。
(5)溶接位置の変動の問題
図6に示すように、竹節溶接を行った場合には、太径の異形棒鋼(主筋)を溶接する際に、そこにあばら筋をスポット溶接電極によって押圧すると、竹節の山から谷にあばら筋が移動しやすい。異形棒鋼がD22の場合には最大で10mm程度も動くことがあるので、寸法公差から外れてしまう可能性がある。正確な位置に溶接を行うという観点からは、竹節溶接よりも縦リブ溶接が望ましい。
(6)縦リブ溶接と竹節溶接の利点、欠点のまとめ
以上のように、ショートの発生、縦リブへの影響、スポット溶接電極による入熱の影響を考慮すると、竹節溶接の方が縦リブ溶接よりも望ましい。しかるに、あばら筋による異形棒鋼への影響および溶接位置の変動という観点からは、縦リブ溶接の方が竹節溶接よりも望ましい。
ここで、スポット溶接を行った異形棒鋼(主筋)を試験した場合に不合格となるのは伸び性が規格を満たさない場合が殆どである。縦リブ溶接の場合には、異形棒鋼とスポット溶接電極の通電面が1点に集中するのでショートが発生しやすく、伸びに有効な部位の面積に焼きが入りやすいので異形棒鋼の伸び性が劣化しやすい。これに対して、竹節溶接の場合には、スポット溶接電極と異形棒鋼の通電面が非常に安定しており、全打点で良好な通電面が得られ、伸び性が劣化して不合格となることが殆どない。このため、多くの鉄筋溶接メーカーは竹節溶接を採用している。しかしながら、竹節溶接では、伸び性は確保できるものの、溶着力が縦リブ溶接よりも弱く、あばら筋の側に焼きが入りやすく、太径の異形棒鋼の場合には溶接位置が変動しやすいという問題点がある。
(本発明の溶接の優位性)
本発明の溶接では、図1、図2を参照して説明したように、溝付きスポット溶接電極3を用いて縦リブ溶接を行うようにしている。スポット溶接電極3の先端面31の溝32に異形棒鋼1の縦リブ12を位置させることにより、スポット溶接電極3の先端面31は縦リブ12に直接に接触することがなく、両側の先端面部分33、34の内側の縁端部33a、34aのみが竹節13の円形外周面に接触し、これらの接触部分を介して分散通電が行われる。本発明者等の実験によれば、溶接後の異形棒鋼の伸び性が良好であり、従来の竹節溶接の場合よりも伸び性の低下が抑制されることが確認された。
また、本発明の溶接では、従来における竹節溶接の利点を維持しつつ、竹節溶接における問題点を解消することができる。すなわち、あばら筋が異形棒鋼の縦リブに溶接されるので、あばら筋の溶接位置が異形棒鋼の中心から遠くになり、上記の(4)において説明した竹節溶接による弊害を防止でき、また、上記の(5)において説明した溶接位置が変動してしまうという弊害も回避できる。
本発明者らの実験によれば、本発明の溝付きスポット溶接電極を使用した縦リブ溶接によれば、従来の先端が平坦面のスポット溶接電極を使用した竹節溶接および縦リブ溶接に比べて、引張試験の伸び合格率が1〜2割程度向上することが確認された。
1 主筋側の異形棒鋼
2 あばら筋側の異形棒鋼
3 スポット溶接電極
3A スポット溶接電極
4 スポット溶接電極
5 重ね合わせ位置
11、12 縦リブ
13、14 竹節
31、31A 先端面
32 溝
33、34 先端面部分
33a、34a 縁端部

Claims (4)

  1. 鉄筋コンクリート用棒鋼として用いられる第1異形棒鋼と第2異形棒鋼を、第1異形棒鋼の一方の縦リブに接するように第2異形棒鋼を交差状態に重ね合わせ、これらの重ね合わせ位置を相互に溶接するスポット溶接方法であって、
    スポット溶接箇所とは反対側に位置する第1異形棒鋼の他方の縦リブの側に押し付けられるスポット溶接用のスポット溶接電極として、その先端面が縦リブに掛からないように、当該先端面に所定幅および所定深さの溝が形成されている溝付きスポット溶接電極を使用し、
    この溝付きスポット溶接電極の先端面における溝の両側の部分を、溶接対象の第1異形棒鋼の縦リブの両側から延びている竹節の部位に押し付け、この状態でスポット溶接を行うことを特徴とするスポット溶接方法。
  2. 請求項1において、
    溝付きスポット溶接電極の先端面を、当該溝付きスポット溶接電極の軸線に直交する平坦な先端面とし、
    前記溝を、当該先端面に沿って当該先端面の中心を通る矩形断面の溝とし、
    溝付きスポット溶接電極の先端面における溝の両側の直線状の縁端部を、溶接対象の第1異形棒鋼の縦リブの両側から延びている竹節の部位に押し付け、この状態でスポット溶接を行うことを特徴とするスポット溶接方法。
  3. 請求項1または2において、
    溝付きスポット溶接電極の先端面における溝の長さ方向の幅寸法を、溶接対象の第1異形棒鋼における竹節の形成ピッチの3倍以下の寸法に設定することを特徴とするスポット溶接方法。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載のスポット溶接方法によって、第1異形棒鋼と第2異形棒鋼を溶接することを特徴とするスポット溶接装置。
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