JP5616084B2 - 漆黒性に優れたゴム変性アクリル系樹脂組成物、及びその成形体 - Google Patents
漆黒性に優れたゴム変性アクリル系樹脂組成物、及びその成形体 Download PDFInfo
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Description
前記樹脂組成物中に分散した該カーボンブラックの粒径が10〜40nmであることを特徴とする漆黒のゴム変性アクリル系樹脂組成物に関する。
ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)5〜100重量部、及びアクリル樹脂(A2)95〜0重量部を含み、
前記ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)が、ゴム共重合体(A1c)の内層、及び該内層を覆うグラフト成分(A1s)の外層を、A1c:A1sの重量比が5:95〜85:15で含む多層構造グラフト共重合体であり、
前記ゴム共重合体(A1c)が、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、共重合可能な他のビニル単量体0〜49.9重量%、及び多官能性単量体0.1〜10重量%からなるゴム共重合体用単量体100重量%の重合体であり、
前記グラフト成分(A1s)が、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%、及び共重合可能なメタクリル酸アルキルエステル以外のビニル単量体0〜50重量%からなるグラフト成分用単量体100重量%の重合体であり、かつ、
前記アクリル樹脂(A2)が、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%、及びメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%からなるアクリル樹脂用単量体の重合体である、前記ゴム変性アクリル系樹脂組成物とすることである。
本発明の組成物は、好ましくは、上述のように、本発明に係るカーボンブラックと共に、基材樹脂中に良く分散し、かつ、透明性や耐衝撃性の付与効果に優れた特定のゴム含有アクリル系グラフト共重合体を特定量含むので、耐光性に優れるだけでなく、基材樹脂が加水分解する可能性も低減されているので、耐水性にも優れる。
好ましい実施態様は、前記ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)の数平均粒子径を、30〜400nmとすることである。
好ましい実施態様は、前記ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)が、さらに、最内層重合体(A1a)を、A1a:(A1c、及びA1sの合計量)の重量比が10:90〜40:60で含み、かつ、
前記最内層重合体(A1a)の存在下に、前記ゴム共重合体用単量体が重合されてなる、少なくとも3層構造を有する多層構造グラフト共重合体であり、かつ、
前記最内層重合体(A1a)が、メタクリル酸アルキルエステル、及び芳香族ビニルからなる群から選ばれる1種以上40〜99.9重量%と、共重合可能な他のビニル単量体59.9〜0重量%と、多官能性単量体0.1〜5重量%と、からなる最内層重合体用単量体100重量%の重合体である、前記ゴム変性アクリル系樹脂組成物とすることである。
また本発明は、本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体に関する。
また本発明は、本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体であって、鏡面仕上げの金型で射出成形した平板成形体を、JISZ−8722に規定される0〜45度後分光方式の色差計で測定した場合に、そのL値が0〜8の範囲であることを特徴とする成形体に関する。
また本発明は、本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体であって、鏡面仕上げの金型で射出成形した平板成形体を、JIS K 7350−4に規定する、ブラックパネル63℃、雨有り、255W/m2の条件で1000hの時間、耐候性試験を行った、試験前後での色差計でのL値の変化が0〜1の範囲であることを特徴とする成形体に関する。
本発明のゴム変性アクリル系樹脂組成物は、ゴム変成アクリル系樹脂(A)にカーボンブラック(B)配合してなる漆黒性に優れた樹脂組成物であって、この本発明に係る優れた漆黒性は、前記ゴム変成アクリル系樹脂(A)が、その3mm厚の成形体の全光線透過率が85%以上である透明性を有すること、及び、その樹脂組成物中に分散した前記カーボンブラックの粒径が10〜40nmであること、の2つの要因により特異的に奏される効果である。
本発明のゴム変性アクリル系樹脂組成物は、成形加工性に優れるので、既知の熱可塑性樹脂の成形方法、たとえば射出成形法、押出し成形法等により、自動車部品、電気・電子部品、雑貨、フイルム等に成形され得る。この本発明の成形品は、耐候性、耐衝撃性、外観、及び成形加工性に優れるだけでなく、漆黒性や光沢にも優れるので、例えば高級な外観が必要とされる外観部材として好適であり、このような外観部材として、車両用部材や家電製品部材、フイルム用途に好適である。
本発明に係るゴム変性アクリル系樹脂(A)は、上述したように、その3mm厚の成形体の全光線透過率が85%以上の透明性を有することを要し、優れた衝撃強度を得る観点から、その全体量を100重量として、好ましくは、ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)5〜100重量部、及びアクリル樹脂(A2)95〜0重量部を含む。
本発明に係るカーボンブラックは、十分な漆黒性を本発明のゴム変性アクリル系樹脂組成物に付与する観点から、樹脂中に分散した時の平均粒子径、即ち、分散粒径が10〜40nmであることを要す。分散粒径はより好ましくは10〜30nmである。分散粒径はさらに好ましくは10〜25nmである。分散粒径は最も好ましくは10〜20nmである。平均粒子径が40nmを越えるものは、十分な漆黒度を示さないため好ましくなく、また、平均粒子径が10nm未満のものは、漆黒度を付与する能力は優れるものの一般に入手することが困難である。なお、本発明において、平均粒子径は、電子顕微鏡でカーボンブラック凝集体を観察し、輪郭を有して分離できない成分の大きさを測定しN=50個の算術平均したものである。また、カーボンブラックの供給形態としては、粉末状、あるいは粒状のものがあるが、そのまま添加するより、アクリル系樹脂と高濃度のカーボンブラックとを予備混練して粉砕するいわゆるマスターバッチの顔料を使用する方がカーボンブラックの分散性の観点から好ましい。
本発明に係るゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)は、優れた衝撃強度、透明性を得る観点から、ゴム共重合体(A1c)の内層、及び該内層を覆うグラフト成分(A1s)の外層を、A1c:A1sの重量比が5:95〜85:15となるように含む多層構造グラフト共重合体とすることが好ましく、特に優れた衝撃強度を得る観点から、さらに、最内層重合体(A1a)を、A1a:(A1c、及びA1sの合計量)の重量比が10:90〜40:60となるように含み、かつ、この最内層重合体(A1a)の存在下に、前記ゴム共重合体用単量体が重合されてなるようにした、少なくとも3層構造を有する多層構造グラフト共重合体とすることがより好ましい。
本発明に係るアクリル樹脂(A2)は、前記グラフト成分(A1s)とともに、本発明の組成物の基材樹脂として、前記ゴム共重合体(A1c)、及び本発明に係るカーボンブラック(B)を包む連続層樹脂、即ち、マトリクス樹脂として機能する構成要素であり、優れた透明性を得る観点から、好ましくは、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%、及びメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%からなるアクリル樹脂用単量体の重合体である。
前記ゴム共重合体(A1c)は、そのゴム弾性により本発明に係る耐衝撃性改良効果を主に担う構成要素であり、その屈折率は、グラフト成分(A1s)やアクリル樹脂(A2)の屈折率に近いほど、又その粒径が小さいほど、透明性になり易く、このようなゴム共重合体(A1c)の数平均粒子径は、耐衝撃性と透明性とをバランスさせる観点から、30〜400nmとすることが好ましく、より好ましくは40〜300nmである。
前記グラフト成分(A1s)は、前記アクリル樹脂(A2)とともに、本発明の組成物の基材樹脂として、前記ゴム共重合体(A1c)、及び本発明に係るカーボンブラック(B)を包む連続層樹脂、即ち、マトリクス樹脂として機能する構成要素であり、優れた衝撃強度、透明性、及び成形加工性を得る観点から、好ましくは、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%、及び共重合可能なメタクリル酸アルキルエステル以外のビニル単量体0〜50重量%からなるグラフト成分用単量体100重量%の重合体であるが、より好ましくは、メタクリル酸アルキルエステル80〜100重量%、及び共重合可能なメタクリル酸アルキルエステル以外のビニル単量体20〜0重量%からなるグラフト成分用単量体100重量%の重合体である。本発明の組成物の流動性を向上させ成形加工性より向上させる観点から、グラフト成分用単量体100重量%に、さらに、ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン化合物を0.01〜5重量%加えることが好ましい。
前記最内層重合体(A1a)は、本発明の樹脂組成物の衝撃強度、及び透明性をより向上させるために、前記ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)に付加される構成要素であり、好ましくは、メタクリル酸アルキルエステル、及び芳香族ビニルからなる群から選ばれる1種以上40〜99.9重量%と、共重合可能な他のビニル単量体59.9〜0重量%と、多官能性単量体0.1〜5重量%と、からなる最内層重合体用単量体100重量%の重合体であるが、より好ましくは、メタクリル酸アルキルエステル、及び芳香族ビニルからなる群から選ばれる1種以上55〜90重量%と、共重合可能な他のビニル単量体45〜10重量%と、多官能性単量体0.1〜5重量%と、からなる最内層重合体用単量体100重量%の重合体である。この最内層重合体(A1a)の存在下に、前記ゴム共重合体用単量体が重合されることで、前記ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)において、概ね、その中央部に分布する層となる。
前記アクリル酸アルキルエステルとしては、重合時の反応速度の観点から、そのアルキル基の炭素数が1〜8個であるものが好ましく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)、アクリル酸−n−オクチル(nOA)等が挙げられるが、本発明に係る耐衝撃性を高める観点から、BA、2EHA、及びnOAからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、特に好ましくはBAである。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。前記アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
前記メタクリル酸アルキルエステルとしては、重合時の反応速度の観点から、そのアルキル基の炭素数が1〜4個であるものが好ましく、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げられるが、本発明に係る加工性を高める観点から、好ましくはメタクリル酸メチルである。前記メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基は直鎖状でも分岐鎖上でもよい。
前記芳香族ビニルとしては、好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、及びビニルトルエンからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、より好ましくはスチレンである。
前記多官能性単量体は、1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する単量体であり、架橋剤、又はグラフト交叉剤として機能する成分であり、架橋性の観点から、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ビニル基含有多官能性単量体類、及びアリル基含有多官能性単量体類からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明で使用できるビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の等の芳香族ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の非アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
耐候性をさらに向上させる観点から、本発明の樹脂組成物に紫外線吸収剤を、その成形体の全光線透過率に影響を及ぼさない量、即ち、本発明に係るゴム変成アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜15重量部添加することが好ましく、より好ましくは0.2〜5重量部である。
耐候性をさらに向上させる観点から、本発明の樹脂組成物に光安定剤を、本発明に係るゴム変成アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜3重量部添加するのが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応じて、各種の酸化防止剤、カーボンブラック以外の着色剤を添加することができる。
イオン交換水250.0重量部、ステアリン酸カリウム0.5重量部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01重量部、及び硫酸第一鉄・7水塩0.005重量部をガラス製反応器に仕込み、窒素気流中で攪拌しながら40℃に加熱し、アクリル酸n−ブチル(BA)84重量部、スチレン(ST)15重量部、及びメタクリル酸アリル(ALMA)1重量部からなるゴム共重合体用単量体と、クメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.1重量部と、からなる混合物を、4時間かけて滴下した。また、前記滴下と同時に、5重量%ステアリン酸カリウム水溶液40重量部(ステアリン酸カリウム2重量部)を4時間にわたり連続的に添加した。前記添加終了後、1.5時間攪拌を続け重合を完結させることで、ゴム共重合体A1c−1のラテックスを得た。重合転化率は98%(重合生成量/モノマー仕込量×100%)であり、得られたゴム共重合体A1c−1のラテックス中のゴム共重合体粒子の数平均粒子径は70nm(546nmの波長の光散乱を利用して求めた)であった。
上述の(ゴム共重合体A1c−1の重合)において、ステアリン酸カリウム0.5重量部を、ステアリン酸カリウム0.05重量部に変更し、また、ゴム共重合体用単量体を、BA99部、及びALMA1重量部とし、このゴム共重合体用単量体、及びクメンハイドロパーオキサイド0.1重量部からなる混合物につき、その10%、一括で加え1時間重合後、残りの90%を4時間かけて滴下し、前記滴下と同時に、5重量%ステアリン酸カリウム水溶液30重量部(ステアリン酸カリウム1.5重量部)を4時間にわたり連続的に添加し、前記添加終了後、1.5時間攪拌を続け重合を完結させたこと以外は同様にして、ゴム共重合体A1c−2のラテックスを得た。重合転化率は97.5%(重合生成量/モノマー仕込量×100%)であり、得られたゴム共重合体A1c−2のラテックス中のゴム共重合体粒子の数平均粒子径は220nm(546nmの波長の光散乱を利用して求めた)であった。
イオン交換水220.0重量部、表1に示すゴム共重合のラテックスを固形分で表1に示す重量部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.05重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01重量部、及び硫酸第一鉄・7水塩0.005重量部をガラス製反応器に仕込み、窒素気流中で攪拌することで水性分散液とし、その状態を維持しながら60℃に加熱した。そこに、表1に示すグラフト組成、即ち、グラフト成分用単量体であるメタクリル酸メチル(MMA)、BA、及びアクリル酸メチル(MA)と、重合開始剤であるCHP、及びノルマル−ドデシルメルカプタン(n−DM)とが、表1に示す重量部混合された混合物を2時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、さらに、CHP0.01重量部を添加し1時間攪拌を続けて重合を完結させることで、ゴム含有アクリル系グラフト共重合体A1−1〜A1−4のラテックスを得た。重合転化率は99%であった。得られたゴム含有アクリル系グラフト共重合体はゴム共重合体(A1c)の内層、及びこの内層を覆うグラフト成分(A1s)の外層からなる多層構造を有していた。これらのラテックスを公知の方法で塩析凝固、熱処理、乾燥を行ない白色粉末として、ゴム含有アクリル系グラフト共重合体A1−1〜A1−4を得た。
最内層重合体(A1a)を重合するために、イオン交換水220.0重量部、ほう酸0.3重量部、炭酸ナトリウム0.03重量部、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム0.09重量部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.09重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.006重量部、及び硫酸第一鉄・7水塩0.002重量部をガラス製反応器に仕込み、窒素気流中で撹拌しながら80℃に昇温した後、表2に示す最内層重合体用単量体と、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.1重量部からなる内層成分の混合液につき、まず、その25%を一括して仕込み、45分間重合を行なった。続いて、この混合液の残り75%を1時間に渡って連続追加した。追加終了後、同温度で2時間保持し重合を完結させることで、3層構造のゴム含有アクリル系グラフト共重合体A1−5〜A1−8の最内層重合体(A1a)のラテックスを得た。なお、1時間にわたってモノマーを連続追加している時に、0.2重量部のN−ラウロイルサルコシン酸ナトリウムを追加した。得られた最内層重合体(A1a)のラテックスは、架橋メタクリル系重合体ラテックスであり、その中の重合体粒子の数平均粒子径は、160nmであり、重合転化率は98%であった。但し、A1−8に於ける最内層重合体粒子の数平均粒子径は135nmであった。
カーボンブラックの分散性を向上させるために、平均一次粒子が13nmのカーボンブラック(三菱化学製#2600)40重量部と、アクリル系可塑剤性樹脂(メタクリル酸メチル87重量%、及びアクリル酸メチル13重量%からなる共重合体で、メルトフロー(JIS K7210、230℃*37.3N)が15のもの)60重量部と、酸化防止剤(チバ・ジャパン製のイルガノックス1010)0.5重量部を、44mmの2軸押出機を用いて、240℃で2回ペレット化した後粉砕することで、カ−ボンブラックのマスターバッチ(CB−1)を製造した。
アクリル樹脂(A2)として下記の樹脂を使用した。
A2−1:メタクリル酸メチル97重量%、及びアクリル酸メチル3重量%からなるアクリル樹脂用単量体の共重合体で、メルトフロー(JIS K7210、230℃*37.3N)が2.0のもの。
A2−2:メタクリル酸メチル87重量%、及びアクリル酸メチル13重量%からなるアクリル樹脂用単量体の共重合体で、メルトフロー(JIS K7210、230℃*37.3N)が15のもの。
全光線透過率 日本電色 NDH−300A JIS K−7105
色差計 日本電色 SE2000 JISZ8722 0−45度 後分光方式 反射モード、2回 平均、開口部アタッチメントφ30
JIS K 7350−4に従い、ブラックパネル63℃、雨有り、照射エネルギー255W/m2にて実施した。
アクリル樹脂1 三菱レイヨン アクリペット VH001 (カタログ値:荷重たわみ温度(JISK7191、1.80MPa)100℃、メルトフローレート(JISK7210、230℃、37.3N)2.0g/10min)
アクリル樹脂2 クラレ パラペット F1000
アクリル樹脂3 旭化成 デルペット 80NE (カタログ値:荷重たわみ温度(ISO75−1、75−2)97℃、メルトフローレート(ISO1133 cond13)2.3g/10min)
アクリル樹脂4 720V(カタログ値:荷重たわみ温度(ISO75−1、75−2)93℃、メルトフローレート(ISO1133 cond13)21g/10min)
アクリルゴム1 (株)カネカ製 アクリル系モディファイヤー カネエースM210 (多層構造のゴム粒子、コア:多層構造のアクリルゴム、シェル:メタアクリル酸メチルを主成分とするアクリル系ポリマー、おおよその粒子径:220nm)
平均一次粒子径が13nmのカーボンブラック:40重量部、上記アクリル樹脂2:59重量部、酸化防止剤(イルガノックス1010):0.5重量部、分散剤(アルキル酸エステル):0.5重量部を、44mmの2軸押出機を用いて、260℃で2回ペレット化した後粉砕することで、カーボンブラックのマスターバッチ(CB−3)を製造した。
配合表に記載した以外に、チバ・ジャパン、チヌビン234(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)。旭電化工業、アデカスタブLA−63(ヒンダードアミン系光安定剤)。チバ・ジャパン、イルガノックス1010(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)を、それぞれ0.5重量部ずつ使用した。
40mmの単軸押出機を用いて、ダイヘッド温度を260℃に設定し、ドライブレンドした樹脂材料などを押し出してストランドとして、ペレタイザーでペレット化した。
44mmの2軸押出機JSW−TEX44を用いて、ダイヘッド温度を260℃に設定し、同様にペレット化した。
FANUCオートショットFAS−150B(型締力150トン)射出成形機を用いて、ノズル先端温度を250℃に設定し、150*150*3mmの平板(鏡面仕上げ)を成形した。
東芝IS−75E(型締力75トン)射出成形機を用いて、ノズル先端温度を250℃に設定し、ASTM規格のバ−・ダンベルを成形した。
日精樹脂工業FN−1000(型締力80トン)射出成形機を用いて、ノズル先端温度を250℃に設定し、50*80*2mmのカラープレート(鏡面仕上げ)を成形した。
バーサンプルを用いて、ASTM D−256に準拠して、1/4インチ、ノッチあり、23℃の条件でアイゾット衝撃試験を実施した。単位:J/m
バーサンプルを用いて、ASTM D648に準拠して、0.45MPaの条件で、HDT試験を実施した。単位:℃
成形前のペレットを用いて、ASTM D1238に準拠して、230℃、5kgfの条件で、MFR試験を実施した。単位:g/10min
平板サンプルを用いて、漆黒度を目視で評価した。評価結果を、◎:非常に優れている、○:優れている、X:劣っている(ボケ黒)として示す。
平板およびカラープレート成形体の鏡面を用いて、色差計SE2000(日本電色工業)にて、Lab値を測定した。
表4に示す組成に従い、配合、単軸押出機による押出、成形、評価を行った、各実施例及び比較例の結果を示す。ただし、比較例7は、日産自動車のムラーノの外装部品であるCピラー(黒色鏡面)を取り外し、測定した。加えて、表4における、実施例16、17、18、比較例6には、リン系安定剤として、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトを、0.3重量部配合した。
Claims (6)
- 3mm厚の成形体の全光線透過率が85%以上である透明性を有するゴム変成アクリル系樹脂(A)100重量部にカーボンブラック(B)0.05〜10重量部を配合してなる樹脂組成物であって、
前記ゴム変成アクリル系樹脂(A)100重量部が、
ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)5〜100重量部、及びアクリル樹脂(A2)95〜0重量部を含み、
該ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)が、ゴム共重合体(A1c)の内層、及び該内層を覆うグラフト成分(A1s)の外層を、A1c:A1sの重量比が5:95〜85:15で含む多層構造グラフト共重合体であり、
該ゴム共重合体(A1c)が、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、共重合可能な他のビニル単量体0〜49.9重量%、及び多官能性単量体0.1〜10重量%からなるゴム共重合体用単量体100重量%の重合体であり、
該グラフト成分(A1s)が、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%、及び共重合可能なメタクリル酸アルキルエステル以外のビニル単量体0〜50重量%からなるグラフト成分用単量体100重量%の重合体であり、かつ、
該アクリル樹脂(A2)が、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%、及びメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%からなるアクリル樹脂用単量体の重合体であり、
該樹脂組成物中に分散した該カーボンブラックの粒径が10〜40nmであることを特徴とする漆黒のゴム変性アクリル系樹脂組成物。 - 前記ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)の数平均粒子径が30〜400nmである、請求項1に記載のゴム変性アクリル系樹脂組成物。
- 前記ゴム含有アクリル系グラフト共重合体(A1)が、さらに、最内層重合体(A1a)を、A1a:(A1c、及びA1sの合計量)の重量比が10:90〜40:60で含み、かつ、
該最内層重合体(A1a)の存在下に、前記ゴム共重合体用単量体が重合されてなる、少なくとも3層構造を有する多層構造グラフト共重合体であり、かつ、
該最内層重合体(A1a)が、メタクリル酸アルキルエステル、及び芳香族ビニルからなる群から選ばれる1種以上40〜99.9重量%と、共重合可能な他のビニル単量体59.9〜0重量%と、多官能性単量体0.1〜5重量%と、からなる最内層重合体用単量体100重量%の重合体である、請求項1又は2に記載のゴム変性アクリル系樹脂組成物。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項4に記載の成形体であって、鏡面仕上げの金型で射出成形した平板成形体を、JISZ−8722に規定される0〜45度後分光方式の色差計で測定した場合に、そのL値が0〜8の範囲であることを特徴とする成形体。
- 請求項5に記載の成形体であって、鏡面仕上げの金型で射出成形した平板成形体を、JIS K 7350−4に規定する、ブラックパネル63℃、雨有り、255W/m2の条件で1000hの時間、耐候性試験を行った、試験前後での色差計でのL値の変化が0〜1の範囲であることを特徴とする成形体。
Priority Applications (1)
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