JP5613155B2 - 直冷式空調システム及びそれに用いる熱交換天井板 - Google Patents

Description

本発明は一種の直冷式空調システムに関するもので、具体的には、本発明は輻射熱交換天井を使う直冷式空調装置である。

現在の天井板埋込みカセット型空調装置は冷気を供給する際、ホットポンプシステムは直接輻射熱交換により天井板の温度を下げるではなく、水循環システムを通過する冷却水を用いる輻射熱交換により天井板の温度を下げる。もしホットポンプシステムが直接輻射熱交換により天井板の温度を下げれば、輻射熱交換により天井板の下表面は温度が非常に低くなる為、結露現象がおこり、結露が一定程度に達した後は天井板から凝結水が落下し、室内に「人工降雨」現象が生じる。水循環システムを設ければ、乾燥な地区（北ヨーロッパ）でもそのニーズにこたえられる。それは乾燥な地区での空気の湿度は低くて、輻射熱交換天井温度が低くても結露することにはならない。

しかし天井板埋込みカセット型空調装置は湿度の高い地区、例えば中国南部や東南アジアで使われれば、ひどい結露現象が起こる。

中国のマカオ、深セン地区などでその天井板埋込みカセット型空調装置を取り付けると、その結果はひどく結露が生じたり、室内で“人工降雨”になったり、空調システムが結露のせいで自動的に作業を停止したり（空調システムには結露センサーが設置されている）、システムは正常に動かなくなる。

本発明者は長期の観察研究により、現在の輻射熱交換天井板は湿度の高い環境の中で使用し続けると結露しやすいのは以下の理由によることを発見した：
１、 湿度の高い地区では、空気は湿度が高く、通常の空気湿度が７０−８０％ぐらいで、空気中の水蒸気の量は飽和状態に近くなる。その露点温度は環境温度と大体同じくなり、露点温度の低い物体と接触する機会が多くなり、その結果物体上に結露が生ずる；
２、 現有の輻射熱交換天井板は金属の天井板と熱交換コイルを含有し、該熱交換コイルは金属天井板の上方の圧力タンクの中に設置されていて、直接天井板と接触している；接触が生ずる金属天井板の領域の湿度は通常露点温度より低くなる。

このように、蒸し暑い地域で、温度を効果的に下げる為、天井埋込みカセット型空調装置の循環水はできるだけ低く設けられている；しかし熱交換コイルが直接金属天井板と接触するので、循環水は金属天井板の下表面の温度を露点温度より低くさせ、その結果、結露現象が生ずる。

したがって、輻射熱交換天井板を採用しつつ、結露現象を避けることのできる直冷式空調システムの供給が必要となる。

本発明の目的は一種の直冷式空調システム（或いは天井板埋込みカセット型空調システム）を提供することにある。この直冷式空調システムは結露しがたい輻射熱交換天井板を使用し、現有の輻射熱交換天井板及び天井埋込みカセット型空調装置が結露しやすい欠点を克服する。

上述の発明目的を実現する為に、本発明は、一つの面において、直冷式空調システムを提供する。該空調システムはヒートポンプシステムと水循環システムを有する。水循環システムは循環ポンプ、空気熱交換装置と水熱交換装置の水循環回路を有する。空気熱交換装置は外の空気との熱交換を行い、水熱交換装置はヒートポンプシステムと熱交換を行う。その直冷式エアコンシステム中の水循環システムはいくつかの輻射熱交換天井板を有する。その輻射熱交換天井板は金属天井板と熱交換コイルを有する。その熱交換コイルは金属天井板の上方に設置されて、これと近接しているが、直接接触しない。また、熱交換コイルの上方は保温材料層により覆われている。熱交換コイルは水循環システムの水循環回路の中につながる。当直冷式空調システムでは、熱交換コイルは直接に金属の天井板と接触しないので、金属天井板は局部温度が露点温度より低くなることがないため、結露現象は生じない。

その他、前述の直冷式空調システムで、同じ部屋のなかに設けられる輻射熱交換天井板はお互いに直列連結もできるし、並列連結もできるし、もちろん直列と並列の複合連結もできる。

好ましくは、前述の直冷式空調システムで保温材料層の下方に一層あるいは複数層の金属箔を設けることができる。その金属箔は熱交換コイルと保温材料層の間に設ける。このような設計は熱交換コイルの熱交換面積を増大し、熱交換の効率を高めることができる。

本発明の一実施例として、前に述べた直冷式空調システムでは、金属天井板の上表面にコイルホルダーを設置することができる。コイルホルダーは熱伝導しにくく、熱交換コイルはそのコイルホルダー上に架設されている。コイルホルダーは熱伝導性の低い材料、例えばプラスチック等の材料で製造されている。そのような設計により金属天井板と熱交換コイルの間の位置を固定でき、これら両者間の接触を回避し、またその間の距離が過大なることを回避する。

本発明のもう一つの実施例として、前に述べた直冷式空調システム中、保温材料層の上方に密封層を設置することもできる。その密封層を覆い、外の空気と隔離させる。そのような設計では、外の空気が保温材料層に侵入できないし、熱交換コイルが結露することもないし、保温材料層も乾燥状態に保てるし、保温効果が高い。

本発明のさらにもう一つの実施例として、前述の直冷式空調システムでは、金属箔としてアルミ箔を用いることができる。保温材料層として、ガラス・ウール層を用いることができる。アルミ箔、ガラス・ウールと密封層でアルミ箔ガラス・ウール保温材料が構成される。そのような設計では、アルミ箔、ガラス・ウール保温材料はマーケットで現物で小売されているし、組み立ての際はアルミ箔、ガラス・ウール保温材料で金属の天井板上の熱交換コイルを覆うのみで足り、極めて便利である。

本発明の一つの実施例として、本発明の直冷式空調システムでは新鮮空気通気管も含まれる。その新鮮空気通気管には送風機が設けられていて、その給気口は室外と通じ、排気口は室内と通じ、通気管内部には新鮮空気熱交換コイルが設けられている。その新鮮空気熱交換コイルは水循環システム中の循環ポンプと輻射熱交換天井板の熱交換コイルの間に設けられている。そのような設計では、冷却するとき、新鮮空気通気管は室内に新鮮な空気を提供するとともに、輻射熱交換天井板の作業の負担を軽減することができる。その他に、循環水は輻射熱交換天井板の熱交換コイルに入る前に、新鮮な空気により予熱され、その温度が露点温度より高くなって、結露しにくくなる。

本発明の一つの実施例として、本発明の直冷式空調システムでは、水循環回路の中に保温緩衝水箱がポンプと新鮮空気熱交換コイルの間に設けられている。そのような設計では、循環水の温度の差が低くなって、コンプレッサーの頻繁な作動開始停止を繰りかえす必要がない。

本発明の一つの実施例として、本発明の直冷式空調システムでは新鮮空気通気管に電磁弁が設けられている。水循環回路の中で、ポンプと輻射熱交換天井板の熱交換コイルの間にも、電磁弁が設けられる。そのような設計では、装置の調節が便利であり、装置は集中空調システムとして用いられ得る。

上述の本発明の目的を実現するために、別の一面において、本発明は一種の空調システム、特に直冷式空調システム、例えば天井埋込みカセット型空調システムの輻射熱交換天井板を提供する。その輻射熱交換天井板は金属天井板と熱交換コイルを有する。熱交換コイルは金属天井板の上方に設けられ、熱交換コイルは金属天井板と近接しているが、直接接触しない。熱交換コイルの上方はさらに保温材料層により覆われる。

好ましくは、前述の輻射熱交換天井板では、保温材料層の下方には一層の金属箔が設けられ、その金属箔は熱交換コイルと保温材料層の間に設けられる。

好ましくは、前述の輻射熱交換天井板では、金属天井板の上表面には熱伝導性の低いコイルホルダが設けられる。該コイルホルダは熱交換コイルを支持する。コイルホルダは熱伝導性の低い材料、例えばプラスチック等で製造される。このような設計の目的は、金属天井板と熱交換コイルの間の位置を固定でき、しかも両者が直接接触しないがその間の距離が過大とならないようにすることができる点にある。

好ましくは、前述の輻射熱交換天井板では、保温材料層の上方に密封層が設けられ、該密封層は保温材料層上を覆い、これを外の空気と隔離させる。

好ましくは、前述の輻射熱交換天井板では、金属箔はアルミ箔であり、保温材料層はガラス・ウール層である。そのアルミ箔、ガラス・ウール層と密封層がアルミ箔ガラス・ウール保温材料として構成される。

本発明の直冷式空調システム（輻射熱交換天井板空調システム）は使用するとき結露現象が容易に生じない。そのコンプレッサーポンプは室外に取り付けられ、室内には送風機を必要とせず、かくて騒音も生ぜず、本発明の空調システムはまさしく静音空調装置であるということができる。天井埋込みカセット型空調装置は熱交換面積が大きく、その冷媒の入口の温度は普通の空調装置より５℃ぐらい高くてよく、室内空気の温度は伝統的空調装置の温度より３℃ぐらい高くても同じ快適度が得られる。その冷却量、熱量利用率が高く、伝統的な空調システムより、エネルギ節約度が高く（エネルギー節約は約３０％以上である）、広く普及する見込みがある。

本発明の輻射熱交換天井板の模式構造説明図 本発明の直冷式空調システムの模式説明図 本発明の輻射熱交換天井板の分解説明図

図1と図2に示すように、本発明輻射熱交換天井板の実施例の一つとして、当該輻射熱交換天井板は金属天井板１と熱交換コイル２を有する。熱交換コイル2は金属天井板1の上方に設置される。当該熱交換コイル2は金属天井板1と近接しているが金属天井板１とは直接には接触しない。熱交換コイル2の上方はガラス・ウール３により覆われている。金属天井板1の上表面にコイルホルダ4が設けられる。該コイルホルダ４は熱伝導性が低く、熱交換コイル２はコイルホルダ4の上に設けられている。

ガラス・ウール層３の下方に一層のアルミ箔5が設けられている。アルミ箔５は熱交換コイル２とガラス・ウール層３の間に設けられている。さらに、ガラス・ウール層３の上方に密封層６が設けられ、密封層6はガラス・ウール層３上を覆い、ガラス・ウール層を外の空気から隔離する。アルミ箔5の代わりに銅箔を使用してもいいし、ガラス・ウール層3の代わりにほかの保温材料層を使用してもいい。

図3に示すものは、本発明の直冷式空調システムの実施例の一つであり、その直冷式空調システムは輻射熱交換天井板を使用している。その輻射熱交換天井板ヒートポンプシステム7と水循環システム8を有する。水循環システム８は循環ポンプ９、空気熱交換装置１０、水熱交換装置11の水循環回路が含まれる。空気熱交換装置１０は外の空気との熱交換を行い、熱交換装置11はヒートポンプシステムと熱交換を行う。水循環システム8は図1に示す複数個の輻射熱交換天井板１を含有し、その熱交換コイル2は水循環システム８の水循環回路に連接する。

前述の直冷式空調システムには新鮮な空気用の通気管１２も設けることができる。その通気管を１２には送風機13が設けられ、その給気口１４は室外と連通し、排気口１５は室内と連通する。内部には新鮮空気熱交換コイル１６が設けられ、その新鮮空気熱コイル１６はポンプ９と輻射熱交換天井板の熱交換コイル２の間に設けられる。水熱交換装置１１はポンプ９と新鮮空気熱交換コイル１６の間に設置された保温緩衝水箱である。その保温緩衝水箱内にはヒートポンプシステム７の蒸発器コイルが設けられている。新鮮空気通気管１２の上に電磁弁が設けられる。水循環回路にはポンプ９と輻射熱交換天井板の熱交換コイル２の間に電磁弁が設けられる（図示せず）。

本発明の直冷式空調システムのもう一つの実施方法として、水循環回路中には別個の保温緩衝水箱を設置することもできる。

１ 金属天井板
２ 熱交換コイル
３ ガラス・ウール層
４ コイルホルダ
５ アルミ箔
６ 密封層
７ ヒートポンプシステム
８ 水循環システム
９ ポンプ
１０ 空気熱交換装置
１１ 水熱交換装置
１２ 通気管
１３ 送風機
１４ 給気口
１５ 排気口
１６ 空気熱交換コイル
１７ ヒートポンプ
１８ スロットル装置（毛細管や膨張弁）
１９ 密封材
２０ 各部屋毎に複数の輻射熱交換天井板で構成された輻射熱交換天井板群

Claims (10)

1. 一種の直冷式空調システムであり、その空調システムはヒートポンプシステムと水循環システムを有し、該水循環システムは循環ポンプ、空気熱交換装置及び水熱交換装置の水循環回路を有し、前記空気熱交換装置は外の空気と熱交換を行い、前記水熱交換装置は前記ヒートポンプシステムと熱交換を行うように設けられる空調システムにおいて、
   前記水循環システムは複数個の輻射熱交換天井板を有し、該輻射熱交換天井板は金属天井板と熱交換コイルを有し、前記熱交換コイルは前記金属天井板の上方に設けられ、前記熱交換コイルは前記金属天井板と近接しているが直接接触せず、前記熱交換コイルの上方には保温材料層により覆われ、
   前記熱交換コイルは前記水循環システムの水循環回路中に組み込まれており、
   前記金属天井板の上表面にはコイルホルダが設けられ、該コイルホルダは熱伝導性が低く、前記熱交換コイルは該コイルホルダ上に架設されていることを特徴とする空調システム。
2. 請求項１の空調システムにおいて、前記保温材料層の下方に一層あるいは複数層の金属箔が設けられ、該金属箔は前記熱交換コイルと前記保温材料層の間に設けられていることを特徴とする空調システム。
3. 請求項２の空調システムにおいて、前記保温材料層の上方に密封層が設けられ、該密封層は前記保温材料層上を覆い、前記保温材料層を外の空気と隔離させるように設けられることを特徴とする空調システム。
4. 請求項３の空調システムにおいて、前記金属箔はアルミ箔であり、前記保温材料層はガラス・ウール層であり、該アルミ箔、ガラス・ウール層は前記密封層とともにアルミ箔ガラス・ウール保温材料を構成することを特徴とする空調システム。
5. 請求項１〜請求項４の何れか１項に記載の空調システムにおいて、前記空気熱交換装置は新鮮空気通気管を有し、該新鮮空気通気管には送風機が配置され、該送風機の空気入口は室外と連通し、該送風機の空気出口は室内と連通し、前記通気管の内部には新鮮空気熱変換コイルが設けられ、該新鮮空気熱交換コイルは前述の循環ポンプと前述の輻射熱交換天井板上の熱交換コイルとの間に挿入されることを特徴とする空調システム。
6. 請求項５の空調システムにおいて、前記水循環回路中に１個の保温緩衝水箱が設けられ、該保温緩衝水箱は前記ポンプと前記新鮮空気熱交換コイルの間に設けられていることを特徴とする空調システム。
7. 空調システムに用いられる一種の輻射熱交換天井板であって、金属天井板と熱交換コイルを有し、該熱交換コイルは前記金属天井板の上方に配置されるように設けられた熱交換天井板において、
   前記熱交換コイルは前記金属天井板と近接しているが、直接接触せず、
   熱交換コイルの上方は保温材料層により覆われており、
   前記金属天井板の上表面にコイルホルダが設けられ、該コイルホルダは熱伝導性が低く、前記の熱交換コイルが該コイルホルダ上に架設されていることを特徴とする熱交換天井板。
8. 請求項７の輻射熱交換天井板において、前記保温材料層の下方には一層の金属箔が設けられ、該金属箔は前記熱交換コイルと前記保温材料層の間に設けられていることを特徴とする熱交換天井板。
9. 請求項８の輻射熱交換天井板であって、前記保温材料層の上部に密封層が設けられ、これを被覆し、これを外気と隔離させるように設けられる輻射熱交換天井板。
10. 請求項９の輻射熱交換天井板であって、前記金属箔はアルミ箔であり、前記保温材料層はガラス・ウール層であり、該アルミ箔とガラス・ウール層とは前記保温材料層の上部に設けられている前記密封層とともにアルミ箔・ガラス・ウール保温材料を構成するように設けられる輻射熱交換天井板。

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