JP5612364B2 - 環境水の水質浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素繊維を含む水質浄化材と、炭素材および鉄材の組み合わせになる水質浄化材の2種類の水質浄化材を複合して行う水質の浄化方法に関するものである。
環境水の水質浄化方法には、種々の方法がある。それらのうち代表的なものとしては、水中に空気を吹き込み曝気する方法や、汚染・汚濁物を分解する菌を投入する方法、化学薬品を投入する方法、水生植物を繁殖させる方法などが挙げられる。しかしながら、これらの方法は、駆動のためのエネルギーを必要としたり、その土地に生息しない菌を導入する、化学薬品による新たな汚染の発生、枯渇した植物の処置などを必要とするなどの問題があり、絶対的な解決策とはなっていないのが実情である。
すなわち、これまでのところ、安価で、環境水中に溶解している汚染・汚濁物を除去するためのエネルギーを必要とせず、また化学薬品を使用しないといった水質浄化方法は、見出されていなかった。そのため、環境水の汚染、汚濁の進行を必ずしも止めることができず、深刻な水質汚染を引き起こす場合があった。
このような現状を打破すべく発明者らは鋭意研究を行い、炭素繊維による浄化方法を開発し、これまでにも種々提案してきた。この方法は、主に炭素繊維を用いるもので、環境水中に、炭素繊維を配置すると、水中に生息している菌や微生物がこれに付着し、これらの菌や微生物が水中の汚染・汚濁物を分解し、二酸化炭素、水、および窒素ガスなどの気体状物資に変換する性質を利用して、水質を浄化するものである。
上記した方法は、特に、環境水の透明度の向上、浮遊性懸濁物(以下、SSという)の低減、生物化学的酸素消費量(以下、BODという)および化学的酸素消費量(以下、CODという)の低減などに効果的であった。(特許文献1〜4参照)。
他方、環境水の中でも河川などでは、工業排水や農薬の使用によって、水中に窒素やリンが多く含まれるようになってきている。これら窒素やリンは、肥料としても大量に農地に散布され、畜産業などからもリンが環境水に流れ込んでいる。ここで、公共下水処理場では、リン等を汚泥中に濃縮することで処理しているが、処理水の中にも一定濃度のリンが残留することは避けられなかった。
特に、湖沼・内湾等の閉鎖性水域となる環境水中での富栄養化問題は依然として残っており、環境水の再生が大きな問題となっている。
この問題に対し、上掲した炭素繊維を用いる方法では、窒素やリンの濃度を減少させて、水質浄化を図ることはできなかった。特に、閉鎖性水域をはじめとする環境水中のリンの除去は、大きな問題となっている。というのは、安全な気体状のリン化合物が存在しないからである。
また、窒素を含む汚染・汚濁物は、炭素繊維に付着した菌や微生物によって、ある程度は分解可能であるが、そのためには、2種類の菌(好気性菌と嫌気性菌)が棲息できる環境を構築することが不可欠である。分解ができない場合には、環境水中に窒素化合物が蓄積し、逆に環境水の汚染を引き起こすだけでなく、植物プランクトンの異常増殖を引き起こし、アオコやアカシオの発生原因になっている。すなわち、水中に溶解している窒素化合物は、炭素繊維製の水質浄化材のみでは困難であった。
これらの問題に対し、発明者らは、煩雑な工程を経ることなく、水質の浄化ができる方法についてさらに検討を加えた結果、炭素材と鉄材とを接触させることで、水中のリン濃度が激減することを見い出した(特許文献5および6参照)。それと同時に、水中の窒素濃度も減少することを知見した(特許文献7参照)。さらに、これらの発明を発展させることで、環境水中のリンに起因するアオコの発生を防止することにも成功した(特許文献8参照)。
特許第3328700号公報 特許第2954509号公報 特許第4413879号公報 特許第4344831号公報 特願2009−18799号明細書 国際出願第2009/065109号明細書 国際出願第2009/068634号明細書 特願2009−18799号明細書
しかしながら、炭素繊維を用いた方法は、汚濁物の除去過程で発生するCOが水に溶解すると炭酸イオンCO 2−となる。炭酸イオンの増加によって、長期間の使用等、その使用条件によっては、COD成分さらにはBOD成分の分解が抑制されるといった問題があった。
また、炭素材と鉄材とを接触させる水質浄化方法では、リンおよび窒素の除去にはきわめて有効であり、CODやSSも低減したが、その効果は限定的であった。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、SS、全窒素および全リン濃度の低減化のみならず、CODおよびBODの低減化、特に環境水の汚染の指標として重要なCODの値を、長期間にわたって安定して低減することができる、水質浄化方法を提供することを目的とする。また、地球温暖化の要因とされている二酸化炭素を固定することになり、地球環境の改善にも貢献できる。
発明者らは、前述したように、炭素繊維のみを用いた水質浄化では、水中のリンや窒素が分解除去できないという問題、および、炭素材と鉄材の組み合わせでは、COD、BODおよびSSの低減効果は低いという問題を解決するために、炭素繊維を用いる方法と炭素材と鉄材とを組み合わせる方法の2種類の浄化法を、同時に用いることを試みた。
その結果、それぞれの浄化法に期待した効果については勿論のこと、炭素材と鉄材とを組み合わせて生成するFe2+イオンにより、炭素繊維を用いる際に問題となっていた溶出CO 2−イオンを適切に捉えることが可能となり、ひいては、予想を遥かに超えたCODの低減効果を達成することが究明されたのである。
本発明は、上記した知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.環境水の水質を浄化するに際し、炭素繊維を主体とする第1浄化材と炭素材および鉄材の組み合わせになる第2浄化材とを、環境水中に、同時に浸漬し、さらにその際、流水下の上流側から前記第1浄化材と前記第2浄化材とを交互に配置して、該環境水中の汚染・汚濁成分を除去することを特徴とする、環境水の水質浄化方法。
.前記第1浄化材が、炭素繊維からなることを特徴とする、前記1に記載の環境水の水質浄化方法。
.前記第2浄化材の炭素材が、炭素繊維製織物または可撓性黒鉛シートであり、一方前記鉄材が、Feを80質量%以上含有するものであることを特徴とする、前記1または2に記載の環境水の水質浄化方法。
本発明によれば、窒素やリンを、効果的に除去できるだけでなく、CODやBOD、SSのいずれをも、長期間にわたり安定して低値に止めることができ、特にリンについては、測定器の検出限界以下まで低減することができる。
(a),(b)は、第1浄化材と第2浄化材の作用をそれぞれ単独で示した図である。 第1浄化材と第2浄化材の複合作用を示した図である。 (a),(b)は、本発明に従う第1浄化材と第2浄化材を、環境水中に配置した様子を示した図である。 本発明に従う水質浄化方法を適用した環境水のCOD値の時間変化を示したグラフである。 本発明に従う水質浄化方法を適用した環境水の全窒素濃度の時間変化を示したグラフである。 本発明に従う水質浄化方法を適用した環境水の全リン濃度の時間変化を示したグラフである。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、炭素繊維の生物親和性を利用し、炭素繊維に付着した菌や微生物の働きによって、環境水中に溶けているCODや、BOD、SSの値を増加させる成分を、二酸化炭素や水などの気体状物資として除去し、他方、リンおよび窒素については、炭素材の電気伝導性を利用して、鉄材との接触により生成するFe2+イオンおよびFe3+イオンを活用することで、水に不溶の物質(リン酸鉄、酸化鉄および窒素ガス)に変換することで除去する方法である。
すなわち、本発明は、炭素繊維を主体とした第1浄化材で、菌や微生物を付着させ、水中の炭素、水素、酸素原子を主体とする汚染・汚濁物を分解させると同時に、炭素材に鉄材を接触させた第2浄化材を用いることで、さらにリンや窒素を含む汚染・汚濁物の浄化を可能とするものである。
以下、本発明を由来するに至った経緯について説明する。
汚染・汚濁物中の主成分の一つである炭水化物は、微生物による分解で二酸化炭素を生じる。二酸化炭素は水に溶解することから、水中の炭酸イオン濃度は増加する。炭酸イオンの増加は、菌や微生物の分解速度を抑制することから、水質浄化の速度が低下することになる。ここで、発明者らは、生成した炭酸イオンを別の物質に変化させることで、水質浄化の効果が高められると考えた。
そこで、発明者らは、水に溶解した炭酸イオンを水中から取り除くことについて鋭意検討を行った。その結果、炭酸イオンを水中から取り除くには、水の温度を高め、溶解度を低くし、二酸化炭素として取り除く、あるいは、水に不溶性の物質に変化させて取り除くなどが考えられた。しかし、環境水の場合、水温を高めることは、実際的ではない。そこで、水に不溶性の炭酸塩の生成を検討した。その結果、鉄との化合物である炭酸鉄が最適であるとの結論に達した。
図1および図2に、炭素繊維を主体とする第1浄化材と炭素材および鉄材の組み合わせになる第2浄化材をそれぞれ単独で用いた場合と、複合して用いた場合の作用を比較して示す。
図1(a)に示したとおり、第1浄化材のみの使用では、炭素繊維からCOが生成する。一方、図1(b)に示したとおり、炭素材および鉄材の組み合わせになる第2浄化材からは、Fe2+イオンおよびFe3+イオンが溶け出し、リン酸鉄として環境水中からリンが除去される。
また、窒素を含む物質は、好気性菌で分解され亜硝酸、硝酸になる。さらに、分解して窒素ガスに変化させて大気中に放出する。この窒素ガスへの変化は、嫌気性菌の働きでおこる。すなわち、水中に存在する硝酸を分解するには、嫌気状態にすることが必要である。しかしながら、本発明では、炭素材と鉄材とを組み合わせた浄化材と複合することで、硝酸は窒素ガスに変化する。
炭素材と鉄材とを接触させることで、鉄イオンが溶出する。この鉄イオンは、水中のリン酸イオンと反応する。また、炭酸イオンと反応して炭酸鉄となる。さらに、鉄イオンは酸化されて、水酸化鉄をへて酸化鉄へと変化する。鉄イオンが酸化鉄になるためには、酸素が必要となるが、この酸素は水中にある硝酸から授与される。そのため、硝酸は窒素ガスに、鉄は酸化鉄になる。
上記したメカニズムで、水中にある硝酸は窒素ガスに変化し、大気中に放出されることで、水中の全窒素量を減少させることができる。このように二つの浄化材は、相互の長所と短所を補完することができる。
ここに、2つの浄化材を同時に用いた場合には、図2に示したとおり、炭素材および鉄材の組み合わせになる第2浄化材から発生したFe2+イオンがCO 2−イオンと反応して、炭酸鉄となり環境水から効果的に除去されるのである。その結果、微生物による汚染・汚濁物の分解速度が速くなり、CODの値が格段に低くなるという、従来に比較して優れた効果が得られるのである。
また、2つの浄化材を複合して用いた場合には、それぞれの単独使用の場合よりも浄化能力および浄化速度が高まることも併せて見出した。その理由は、水中の汚染・汚濁物を、微生物分解によって生じた分解物として、また前記した補完作用によって、環境水という液体相から別の相(気体相あるいは固体相)に移動することが安定して可能になったためと考えられる。
本発明は、前述したように、炭素繊維を主体とする第1浄化材と炭素材および鉄材の組み合わせになる第2浄化材とを、環境中水に、同時に浸漬して、該環境中水の有害成分を除去することが特徴である。ここに、本発明における除去の対象となる有害成分とは、水中の汚濁物やSS、COD成分、BOD成分、リン含有物、窒素含有物を想定している。
本発明における第1浄化材は、炭素繊維を主体としているが、この主体とは、炭素繊維が50%以上含まれていることを意味している。望ましくは80%以上である。また、残部は従来公知の繊維材として用いられる材料であれば、綿や化学繊維等、特に制限はない。
本発明では、第1浄化材と第2浄化材を環境水に浸漬するに際し、第1浄化材と第2浄化材とを交互に配置することが望ましい。特に、流水下では、上流側から第1浄化材と第2浄化材を交互に配置することが望ましい。というのは、このような配置とし、同時に環境水中に浸漬させることにより、第1浄化材で発生したCO 2−イオンを第2浄化材で効率良く反応させることができるからである。
また、第1浄化材と第2浄化材をそれぞれ複数個づつ配置することも可能である。
本発明に用いる第1浄化材は、前記したように炭素繊維を主体とし、炭素繊維製織物あるいは炭素繊維が分散したもの、ひも状、帯状、ブラシ状、たわし状、ノレン状、ムカデ状、スダレ状、筒状、房状であることが特に望ましい。というのは、菌や微生物が付着しやすいからである。また、上掲した特許文献1〜4に記載の炭素繊維は、いずれも好適に用いることができる。
本発明に用いる第2浄化材の炭素材としては、従来公知の炭素材を用いることができるが、例えば、上掲した特許文献5〜8に記載された炭素材は、いずれも好適に用いることができる。好ましくは、炭素繊維製織物または可撓性黒鉛シートである。というのは、これらは、鉄材との接触状態を良好に保つことができるため、Fe2+およびFe3+イオンが効率良く生成するからである。
本発明に用いる第2浄化材の鉄材は、Feを50質量%以上含有していれば良く、残部成分は特に制限されない。また、上掲した特許文献5〜8に記載された鉄材は、いずれも好適に用いることができる。なお、好ましくは、Fe含有量が80質量%以上である合金鉄であり、さらに好ましくはFe含有量が100質量%の金属鉄である。
(実施例1)
汚染汚濁の進んだ池(面積約150m2、深さ40〜70cm)の水の浄化を試みた。この池水の水質の分析結果は、pH:7.34、COD:25.0mg/L、全窒素:1.4mg/L、全リン:0.13mg/Lであり、水質汚染の度合いは大であった。また、この池水の透明度は低く、水中に生育している鯉の姿は全く見えなかった。
この池水を浄化すべく、炭素繊維からなる浄化材(ムカデ形、柿文織物製、長さ60cm)を100本、池底に配置した(比較例1)。1ヶ月後、CODは10mg/L程度まで低下し、透明度は少し向上した。ところが、全窒素は1.4mg/L、全リンは0.13mg/Lで、低下は認められなかった。この程度のCODの変化では、水質が良好になったとは言えない。
そこで、上記した炭素繊維からなる浄化材100本を第1浄化材とし10箇所に配置し、そこに新規に炭素材および鉄材からなる浄化材(「すーぱーぴーとる」(登録商標)、石井商事(株)製、50cm×50cm)を第2浄化材として10枚を10箇所に、図3(a)に示すように、それぞれの集合体として池底に設置した。なお、池水の流入方向と流出方向は、図中、矢印で記載している。
また、本発明では図3(b)に示すように、第1浄化材と第2浄化材とを交互に配置することもでき、同様の効果を発現する。
1ヶ月後、池水の透明度は大幅に改善され、鯉の泳ぐ姿が目視で確認できるようになった。水質を分析した結果、CODは3.1mg/Lと設置前の1/7、炭素繊維浄化材のみを用いた場合の1/3にまで低下していた。また、全窒素は、1.02 mg/Lと設置前の5/7に低下し、全リンは、検出限界以下であった。炭素繊維浄化材のみを用いた場合には、全リンおよび全窒素の低下は期待できないが、炭素材および鉄材の組み合わせになる浄化材と併用することで、COD、リン濃度および全窒素濃度も併せて低下することができた。
その後、池水の透明度は著しく向上した。4ヶ月後、透視度計((株)テックジャム、標準型、5型)で透明度を測定したところ80°程度であった。CODは0.7mg/Lで、炭素繊維設置時の1/33、炭素繊維/鉄材からなる浄化材を設置後1ヶ月からさらに1/4に低下した。全窒素は、第2浄化材を設置してから1ヶ月後のときとほぼ同じであった。
この池には、汚染・汚濁物が常に供給されている。浄化材を設置する前は、汚濁物や汚染物が蓄積され、水量が増えるときにのみ、汚染・汚濁物が流れ出ることで、CODの値や全窒素は低下した。本発明に従う第1浄化材および第2浄化材を設置してからは、汚濁物が投入されても浄化作用が進行し、ほぼ一定の水質が維持された。
図4〜6に、CODの値、全窒素および全リン濃度の測定結果を、それぞれ時間の変化を横軸に月として、開始時を1月とし、11ヶ月間の測定データを示す。なお、2月が前記した比較例1のデータであり、3月が前記した本発明に従う実施例の1ヶ月後を示している。以降、4〜11月は2ヶ月〜9ヶ月後をそれぞれ順番に示す。従って、前記した4ヶ月後とは、図の6月のデータである。
炭素繊維浄化材では、COD成分の低下、透明度の向上、浮遊性懸濁物の炭素繊維浄化材への付着によるSSの減少は、ある程度可能であるが、リン濃度を低下させることはできなかった。一方、第1浄化材と第2浄化材を併用した本発明に従う水質浄化方法では、図4〜6に示したように、COD、全窒素および全リン濃度をそれぞれ大幅に低減することができた。すなわち、CODは図4に示したとおり、本発明に従う水質浄化試験の開始後1ヶ月で5mg/Lを下回り、以降、5mg/L以下を維持した。また、全窒素濃度は図5に示したとおり、本発明に従う水質浄化試験中、0.8〜1.0mg/Lの間を推移した。さらに、全リン濃度は図6に示したとおり、本発明に従う水質浄化試験の開始後1ヶ月で測定器の下限値以下まで低減化し、その後も維持された。
上記した結果より、本発明に従う水質浄化方法は、全窒素および全リン濃度の低下のみならず、CODを、測定器の下限値以下まで低減化することができ、9ヶ月間という長期にわたって維持できることが分かる。なお、BODは、実験開始時に、13mg/Lであったものが、炭素繊維のみの第一浄化材を挿入した場合、1月で5mg/Lまで低下した。また、第二浄化材を併用した場合は、BODは1月で1〜2mg/Lとなり、本発明に従う水質浄化方法は、CODの低減効果と同様に、BODに対しても優れた低減効果があることを確認した。
本発明に従う水質浄化方法を用いることにより、環境水中より、リン、COD、窒素等の除去を長期間にわたって安定的かつ効果的に行うことが可能となり、もって自然環境の維持に大きく貢献する。

Claims (3)

  1. 環境水の水質を浄化するに際し、炭素繊維を主体とする第1浄化材と炭素材および鉄材の組み合わせになる第2浄化材とを、環境水中に、同時に浸漬し、さらにその際、流水下の上流側から前記第1浄化材と前記第2浄化材とを交互に配置して、該環境水中の汚染・汚濁成分を除去することを特徴とする、環境水の水質浄化方法。
  2. 前記第1浄化材が、炭素繊維からなることを特徴とする、請求項1に記載の環境水の水質浄化方法。
  3. 前記第2浄化材の炭素材が、炭素繊維製織物または可撓性黒鉛シートであり、一方前記鉄材が、Feを80質量%以上含有するものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の環境水の水質浄化方法。
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