JP5611072B2 - ヒートポンプ式車両用空調装置およびその除霜方法 - Google Patents

ヒートポンプ式車両用空調装置およびその除霜方法 Download PDF

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本発明は、電気自動車やハイブリッド車等の空調装置に適用されるヒートポンプ式車両用空調装置およびその除霜方法に関するものである。
電気自動車(EV)では、暖房にエンジン排熱を利用することができない。また、ハイブリッド車(HEV,PHEV等)では、省燃費化のため、極力エンジンを停止するようにしており、しかもエンジンに代わる走行用モータやインバータ、バッテリ等からの排熱を利用する場合でも、排熱量自体が少ないことから、排熱のみを熱源とした暖房システムは成立しない。一方、電気ヒータを用いた暖房システムが考えられるが、バッテリ容量に対して暖房消費電力が大きいことから、車両の走行距離が著しく低下してしまうという問題が発生する。
そこで、電気自動車等に適用する車両用空調装置として、電動圧縮機を備えたヒートポンプ方式の車両用空調装置が考えられているが、暖房時、冷媒回路を切替えて凝縮器を蒸発器、蒸発器を凝縮器として機能させるリバース方式のヒートポンプの場合、冷媒回路を構成する配管類や蒸発器、凝縮器等の熱交換器等を冷房運転および暖房運転の異なる圧力条件下で共用できるようにしなければならず、現行のエンジン駆動方式の車両に適用されている車両用空調装置を大幅に変更しなければならなかった。また、低外気温時、車外側の蒸発器が着霜した場合の除霜が大きな課題となっていた。
こうした中、HVACユニット(Heating Ventilation and Air Conditioning Unit)内に設けられる車内蒸発器に、現行システムの蒸発器を用いながらヒートポンプ暖房を可能とした車両用空調装置の一例として、特許文献1に示されたものが提案されている。これは、現行の冷房用の冷凍サイクルを備えた車両用空調装置におけるHVACユニット内の車内蒸発器の下流側に車内凝縮器を設けたもので、該車内凝縮器を圧縮機の吐出回路に接続し、その出口側に第1電子膨張弁と第1電磁弁を備えたバイパス回路との並列回路を接続するとともに、第2電子膨張弁および車内蒸発器に対して第2電磁弁を備えたバイパス回路を接続した構成とされている。
特開2010−111222号公報
特許文献1に示されたものは、暖房時、車外側の蒸発器が着霜した場合でも、そのまま車外側ファンを停止した状態で空調装置を運転し、圧縮機の仕事量に見合った熱量を車内凝縮器および車外蒸発器で放熱することにより、暖房感を得ながら車外蒸発器の除霜を行えるようにしたものである。しかしながら、特許文献1に示された構成では、車外凝縮器およびそれに接続される冷媒配管類を、凝縮機能と蒸発機能を兼ね備えた熱交換器および高低圧共用の配管類とする必要があり、現行システムを大幅に変更せざるを得ず、現行システムの車外凝縮器や冷媒配管等を共用化して低コストで簡素な構成のヒートポンプ式車両用空調装置を製造することはできなかった。
また、暖房感を得ながら車外蒸発器の除霜を行えるものではあるが、圧縮機の仕事量に見合った熱量を車内凝縮器および車外蒸発器で2分して放熱し、暖房および除霜を行うものであり、熱量不足は否めず、十分な暖房感を得ることや短時間での除霜は難しいと思われる。更に、この除霜運転の間は、内気循環モードとして暖房効率を高めることが望ましいが、窓曇り発生が懸念されることから、外気導入モードで運転せざるを得ず、暖房負荷を軽減することは困難と思われる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、現行の車両用空調装置の冷房サイクルをそのまま共用化し、圧力条件が異なる最小限の暖房用回路および機器を追加するだけで、低コストでかつ搭載性に優れ、しかも車外蒸発器への着霜時の課題をも解消できる、電気自動車やハイブリッド車等に適用して好適なヒートポンプ式車両用空調装置およびその除霜方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるヒートポンプ式車両用空調装置は、電動圧縮機、車外凝縮器、レシーバ、第1膨張弁、HVACユニット内に設けられている車内蒸発器がこの順に接続されている冷房用の冷凍サイクルと、前記電動圧縮機の吐出回路に接続され、前記HVACユニット内の前記車内蒸発器の下流側に配設されている車内凝縮器と、前記車外凝縮器の入口側に設けられている切替え手段を介して前記レシーバに接続される第1暖房用回路と、前記レシーバの出口側と前記電動圧縮機の吸入側との間に接続され、第2膨張弁および車外蒸発器が設けられている第2暖房用回路と、を備え、前記電動圧縮機、前記車内凝縮器、前記切替え手段、前記第1暖房用回路、前記レシーバ、前記第2膨張弁および前記車外蒸発器を備えた前記第2暖房用回路により暖房用のヒートポンプサイクルが構成され、該暖房用ヒートポンプサイクルによる暖房時、前記車外蒸発器に対して着霜が検知されたとき、前記第2暖房用回路側への冷媒流れを遮断して前記車内蒸発器側に冷媒を流通させ、該車内蒸発器を利用した除湿暖房に切替え可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、電動圧縮機、車外凝縮器、レシーバ、第1膨張弁およびHVACユニット内に設けられた車内蒸発器からなる冷房用の冷凍サイクルに対して、車内凝縮器、第1暖房用回路、第2膨張弁および車外蒸発器を備えた第2暖房用回路を追設し、電動圧縮機、車内凝縮器、切替え手段、第1暖房用回路、レシーバ、第2膨張弁および車外蒸発器を備えた第2暖房用回路により暖房用のヒートポンプサイクルを構成しているため、原形となる冷房用の冷凍サイクルに車内凝縮器、第1暖房用回路、第2膨張弁および車外蒸発器を備えた第2暖房用回路等の最小限の暖房用回路と機器を接続することにより、圧力条件が同一となる冷媒回路および機器類を共用化して暖房用のヒートポンプサイクルを構成することができる。従って、冷暖房双方の運転に耐え得る仕様の冷媒回路を新たに開発することなく、エンジン駆動方式の車両に適用されている現行の車両用空調装置の冷房サイクルと圧力条件が同一となる冷媒回路や機器類をそのまま共用化し、圧力条件が異なる最小限の暖房用回路および機器を追加するだけで、構成が比較的簡素で低コストでかつ搭載性に優れ、電気自動車やハイブリッド車等に好適に適用できる信頼性の高い高効率のヒートポンプ式車両用空調装置を提供することができる。また、低外気温時、車外蒸発器に着霜したとしても、第2暖房用回路への冷媒流れを遮断して車内蒸発器側に冷媒を流し、該車内蒸発器を利用した除湿暖房に切替え可能とされているため、車外蒸発器に対する着霜時には、蒸発器を車内蒸発器側に切替えることによって、そのまま効率のよいヒートポンプ暖房運転を継続することができる。従って、走行時の暖房運転中に除霜運転に切替えることによる暖房運転の中断や消費電力のロスを解消することができる。なお、車両走行中に車外蒸発器に着霜した霜が自然にデフロストされた場合、車外蒸発器を用いたヒートポンプ暖房運転を復帰させるようにしてもよい。
さらに、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置は、上記のヒートポンプ式車両用空調装置において、前記車内蒸発器を利用した除湿暖房に切替えられた時、内気循環モードまたは内気/外気混合モードで運転されるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、車内蒸発器を利用した除湿暖房に切替えられた時、内気循環モードまたは内気/外気混合モードで運転されるように構成されているため、車外蒸発器に対する着霜により車内蒸発器を利用した除湿暖房に切替えられた時、内気循環モードまたは内気/外気混合モードとすることにより温度の高い車内空気を熱源としてヒートポンプ暖房運転を行うことができ、従って、暖房能力を十分に確保することができる。また、通常、低外気温時には、窓の曇りを防止するために外気導入モードで暖房しているが、車内蒸発器を利用した除湿暖房とすることによって、内気循環モードまたは内気/外気混合モードとしても窓曇りを防止することができる。
さらに、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置は、上述のいずれかのヒートポンプ式車両用空調装置において、前記車外蒸発器が、前記車外凝縮器用車外ファンの通風路中の前記車外凝縮器および/または車両用ラジエータの下流側に配設されていることを特徴とする。
本発明によれば、車外蒸発器が、車外凝縮器用車外ファンの通風路中の車外凝縮器および/または車両用ラジエータの下流側に配設されているため、車外凝縮器および/または車両用ラジエータによって、降雪時や積雪時における雪をブロックし、車外蒸発器に対する雪の付着を軽減することができる。従って、車外蒸発器での熱交換性能を確保し、暖房性能を向上することができるとともに、車外蒸発器の雪の付着による凍結を防止することができる。また、車両用のラジエータから放熱がある場合には、それを吸熱して暖房能力の向上を図ることができる。
さらに、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置は、上述のいずれかのヒートポンプ式車両用空調装置において、前記HVACユニット内の前記車内蒸発器の上流側に、暖房用の補助電気ヒータが設置され、暖房時、吸熱量が不足している場合、前記補助電気ヒータを作動させ、その熱を吸熱してヒートポンプ暖房運転可能な構成とされていることを特徴とする。
本発明によれば、HVACユニット内の車内蒸発器の上流側に、暖房用の補助電気ヒータが設置され、暖房時、吸熱量が不足している場合、補助電気ヒータを作動させ、その熱を吸熱してヒートポンプ暖房運転可能な構成とされているため、車内蒸発器での吸熱量が不足し、車内温度が十分に上昇しない場合、補助電気ヒータに通電し、その熱を吸熱してヒートポンプ暖房運転を行うことができる。従って、低外気温時で暖房能力が不足しがちとなった場合でも、容易に暖房能力を補うことができる。なお、補助電気ヒータは、車外蒸発器を用いた暖房運転時にも、同様に補助熱源として利用できるものである。
さらに、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置は、上述のいずれかのヒートポンプ式車両用空調装置において、前記電動圧縮機の吸入配管と前記レシーバの出口冷媒配管との間に、前記電動圧縮機に吸入される低圧ガス冷媒と前記レシーバからの高圧液冷媒とを熱交換する内部熱交換器が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、電動圧縮機の吸入配管とレシーバの出口冷媒配管との間に、電動圧縮機に吸入される低圧ガス冷媒とレシーバからの高圧液冷媒とを熱交換する内部熱交換器が設けられているため、冷房、暖房時共に、内部熱交換器で低圧ガス冷媒と高圧液冷媒とを熱交換させて高圧液冷媒を過冷却し、蒸発器での吸熱量を増加させることができる。これによって、冷房効率および暖房効率を高め、ヒートポンプ式車両用空調装置の冷暖房性能を向上することができる。
さらに、本発明にかかるヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法は、上述のいずれかのヒートポンプ式車両用空調装置における前記車外蒸発器の除霜方法において、車両を停止した後、乗員がいない状態で、前記HVACユニットの温調ダンパを最大冷房位置、内外気切替えダンパを内気循環モードとして前記車両用空調装置を前記冷房サイクルで運転し、前記車外凝縮器に流通されるホットガスにより加熱された温風で前記車外蒸発器を除霜することを特徴とする。
本発明によれば、上述のいずれかのヒートポンプ式車両用空調装置における車外蒸発器の除霜方法において、車両を停止した後、乗員がいない状態で、HVACユニットの温調ダンパを最大冷房位置、内外気切替えダンパを内気循環モードとして車両用空調装置を冷房サイクルで運転し、車外凝縮器に流通されるホットガスにより加熱された温風で車外蒸発器を除霜するようにしているため、暖房運転時、車外蒸発器に着霜しても、車両が走行中は除霜運転を行わず、車内蒸発器を用いた除湿暖房に切替えて暖房運転を継続し、車両を停止した後、乗員がいない状態で、HVACユニットの温調ダンパを最大冷房位置、内外気切替えダンパを内気循環モードとして車両用空調装置を冷房サイクルで運転することにより、車外凝縮器に流通されるホットガスで加熱された温風を利用して車外蒸発器の霜を溶かし、除霜することができる。従って、着霜している車外蒸発器に高圧のホットガスを流すことなく、除霜することができ、高低圧双方の冷媒循環に耐え得る仕様の冷媒回路および機器の新たな開発を不要とすることができる。また、除霜時、HVACユニットの温調ダンパを最大冷房位置、内外気切替えダンパを内気循環モードとし、車内空気を熱源とするとともに、車内凝縮器での放熱ロスをなくしながら、ホットガスの熱量を有効に利用して除霜できるため、比較的短時間で除霜することができる。
さらに、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法は、上記のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法において、前記除霜運転は、車両を停止した後、乗員がいない状態で、かつ車両バッテリの充電時もしくは充電後に行うことを特徴とする。
本発明によれば、除霜運転を、車両を停止した後、乗員がいない状態で、かつ車両バッテリの充電時もしくは充電後に行うようにしているため、除霜運転が車両の走行距離に影響を及ぼすことを回避することができるとともに、車両バッテリの充電時もしくは充電後のバッテリ容量に余裕がある時に除霜運転を行うことができる。従って、乗員に何ら影響を及ぼさない状態で効率よく確実に車外蒸発器を除霜することができる。
さらに、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法は、上述のいずれかのヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法において、前記除霜運転時、前記HVACユニットの吹出しモードを、デフモード、フェイスモードもしくはバイレベルモードのいずれかとして行うことを特徴とする。
本発明によれば、除霜運転時、HVACユニットの吹出しモードを、デフモード、フェイスモードもしくはバイレベルモードのいずれかとして行うようにしているため、内気循環モードで行われる除霜運転時、車内蒸発器で吸熱により温度が低下され、フット吹出し口から車内に吹出された空気が、フット吹出し口近くの内気循環用の吸込み口からショートサーキットするのを防ぐことができる。従って、内気循環により車内から吸込まれる空気の温度を可及的に高めにし、短時間で効果的に車外蒸発器を除霜することができる。
さらに、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法は、上述のいずれかのヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法において、前記除霜運転時、車内温度が低い場合、前記補助電気ヒータを作動させ、その熱を前記車内蒸発器で吸熱して除霜能力を高めることを特徴とする。
本発明によれば、除霜運転時、車内温度が低い場合、補助電気ヒータを作動させ、その熱を車内蒸発器で吸熱して除霜能力を高めるようにしているため、内気循環モードで行われる除霜運転時、車内温度が低い場合には、補助電気ヒータ7で循環される内気を加熱することにより、車内蒸発器で十分に吸熱することができる。従って、車内温度が低温時であっても、効率よく短時間で除霜することができる。なお、除霜時、電動圧縮機の回転数を増加し、より高温のホットガスを車外凝縮器に流すことにより、車外蒸発器の除霜時間を更に短くすることができる。
さらに、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法は、上述のいずれかのヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法において、前記除霜運転終了時、前記車外蒸発器を用いたヒートポンプ暖房運転を実施して、着霜検知手段により着霜がないことを確認した時点で除霜運転を終了させることを特徴とする。
本発明によれば、除霜運転終了時、車外蒸発器を用いたヒートポンプ暖房運転を実施して、着霜検知手段により着霜がないことを確認した時点で除霜運転を終了させるようにしているため、除霜の完了を、ヒートポンプ暖房運転を実施することにより、着霜検知手段で車外蒸発器に着霜がないこと、すなわち着霜検知手段が作動しないことを以って確認することができる。従って、除霜残しがないように、確実に車外蒸発器を除霜することができる。
本発明のヒートポンプ式車両用空調装置によると、原形となる冷房用の冷凍サイクルに車内凝縮器、第1暖房用回路、第2膨張弁および車外蒸発器を備えた第2暖房用回路等の最小限の暖房用回路と機器を接続することにより、圧力条件が同一となる冷媒回路および機器類を共用化して暖房用のヒートポンプサイクルを構成することができるため、冷暖房双方の運転に耐え得る仕様の冷媒回路を新たに開発することなく、エンジン駆動方式の車両に適用されている現行の車両用空調装置の冷房サイクルと圧力条件が同一となる冷媒回路や機器類をそのまま共用化し、圧力条件が異なる最小限の暖房用回路および機器を追加するだけで、構成が比較的簡素で低コストでかつ搭載性に優れ、電気自動車やハイブリッド車等に好適に適用できる信頼性の高い高効率のヒートポンプ式車両用空調装置を提供することができる。また、低外気温時、車外蒸発器に着霜したとしても、第2暖房用回路への冷媒流れを遮断して車内蒸発器側に冷媒を流し、該車内蒸発器を利用した除湿暖房に切替え可能とされているため、車外蒸発器に対する着霜時には、蒸発器を車内蒸発器側に切替えることにより、そのまま効率のよいヒートポンプ暖房運転を継続することができ、従って、走行時の暖房運転中に除霜運転に切替えることによる暖房運転の中断や消費電力のロスを解消することができる。
また、本発明のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法によると、暖房運転時、車外蒸発器に着霜しても、車両が走行中は除霜運転を行わず、車内蒸発器を用いた除湿暖房に切替えて暖房運転を継続し、車両を停止後、乗員がいない状態で、HVACユニットの温調ダンパを最大冷房位置、内外気切替えダンパを内気循環モードとして車両用空調装置を冷房サイクルで運転することにより、車外凝縮器に流通されるホットガスで加熱された温風を利用して車外蒸発器の霜を溶かし、除霜することができるため、着霜している車外蒸発器に高圧のホットガスを流すことなく、除霜することができ、高低圧双方の冷媒循環に耐え得る仕様の冷媒回路および機器の新たな開発を不要とすることができる。また、除霜時、HVACユニットの温調ダンパを最大冷房位置、内外気切替えダンパを内気循環モードとし、車内空気を熱源とするとともに、車内凝縮器での放熱ロスをなくしながら、ホットガスの熱量を有効に利用して除霜できるため、比較的短時間で除霜することができる。
本発明の一実施形態にかかるヒートポンプ式車両用空調装置の冷媒回路図である。 図1に示すヒートポンプ式車両用空調装置の冷房時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 図1に示すヒートポンプ式車両用空調装置の暖房時(着霜前)の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 図1に示すヒートポンプ式車両用空調装置の暖房時(着霜後)の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 図1に示すヒートポンプ式車両用空調装置の除霜時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 図1に示すヒートポンプ式車両用空調装置を制御する制御装置のブロック図である。 図6に示す制御装置による運転制御フロー図である。 図6に示す制御装置による冷房運転時の制御フロー図である。 図6に示す制御装置による暖房運転時の制御フロー図の一部分図である。 図6に示す制御装置による暖房運転時の制御フロー図の残りの一部分図である。 図6に示す制御装置による除霜運転時の制御フロー図である。
以下に、本発明の一実施形態について、図1ないし図11を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態にかかるヒートポンプ式車両用空調装置の冷媒回路図が示されている。
本実施形態にかかるヒートポンプ式車両用空調装置1は、HVACユニット(Heating Ventilation and Air Conditioning Unit)2と、冷暖房可能なヒートポンプサイクル3とを備えている。
HVACユニット2は、内外気切替えダンパ4を介して車内からの内気または外気のいずれかを切替え導入し、下流側に圧送するブロア5と、ブロア5に連なる空気流路6中に上流側から下流側にかけて順次配設されている暖房用の補助電気ヒータ(例えば、PTCヒータ)7と、車内蒸発器8と、車内凝縮器9と、温調ダンパ10とを備えている。このHVACユニット2は、車内前方のインストルメントパネル内に設置され、補助電気ヒータ7、車内蒸発器8および車内凝縮器9により温調された空気を、車内に向けて開口されているデフ吹出し口11、フェイス吹出し口12、フット吹出し口13等の複数の吹出し口のいずれかから、吹出しモード切替えダンパ14,15,16により切替えられる吹出しモードに従って車内に吹出し、車内を設定温度に空調するものである。
冷暖房可能なヒートポンプサイクル3は、冷媒を圧縮する電動圧縮機20と、車外凝縮器21と、レシーバ22と、第1電磁弁23および第1膨張弁24と、上記車内蒸発器8と、逆止弁25とがこの順に冷媒配管26を介して接続されている閉サイクルの冷房用の冷凍サイクル(冷媒回路)27を備えている。この冷房用の冷凍サイクル27は、エンジン駆動方式の車両に適用されている現行の車両用空調装置と同様のものである。
上記ヒートポンプサイクル3には、原形となる上記冷房用冷凍サイクル27に対して、電動圧縮機20からの吐出配管(吐出回路)26Aに、HVACユニット2内に設置されている車内凝縮器9が接続されている。また、車外凝縮器21の入口側冷媒配管26Bには、三方切替え弁(切替え手段)28が設けられ、この三方切替え弁28を介して車内凝縮器9で凝縮された冷媒をレシーバ22に導く第1暖房用回路29が接続されている。さらに、レシーバ22の出口冷媒配管26Dと、電動圧縮機20への吸入配管26Eとの間には、第2電磁弁30、第2膨張弁31、車外蒸発器32および逆止弁33が順次設けられている第2暖房用回路34が接続されている。
これにより、電動圧縮機20と、HVACユニット2内に設置されている車内凝縮器9と、三方切替え弁28と、第1暖房用回路29と、レシーバ22と、第2電磁弁30、第2膨張弁31、車外蒸発器32および逆止弁33が設けられている第2暖房用回路34とがこの順に冷媒配管26を介して接続されている閉サイクルの暖房用のヒートポンプサイクル(冷媒回路)35が構成されるようになっている。なお、三方切替え弁28は、2個の電磁弁を組み合わせた構成により代替してもよい。
上記したヒートポンプサイクル3において、暖房用のヒートポンプサイクル35を構成している車外蒸発器32は、冷房用の冷凍サイクル27を構成している車外凝縮器21に対して、外気を通風する車外ファン36の通風路中の下流側に、車外凝縮器21と互いに平行に設置され、車外ファン36を共用化している。なお、本実施形態では、車外蒸発器32の下流側に、更に車両駆動用のエンジン、モータ、インバータおよびバッテリ等の発熱体を冷却する熱媒体(冷却水等)の熱を放熱するラジエータ37が設置された構成とされている。この車外蒸発器32は、このラジエータ37の下流側に設置してもよい。
さらに、本実施形態のレシーバ22は、図1に示されるように、車外凝縮器21からの冷媒配管26Cおよび第1暖房用回路29が接続される2つの冷媒流入口にそれぞれ逆止弁38,39が一体的に組み込まれた逆止弁付きレシーバ22とされている。また、レシーバ22の出口冷媒配管26Dと、電動圧縮機20への吸入配管26Eとの間には、出口冷媒配管26D内を流通する高圧液冷媒と、吸入配管26E内を流通する低圧ガス冷媒とを熱交換させ、高圧液冷媒を過冷却する内部熱交換器40が設けられている。
なお、本実施形態では、第1膨張弁24および第2膨張弁31として、温度式自動膨張弁が使用されており、それぞれの入口側に冷媒回路を開閉する第1電磁弁23および第2電磁弁30を設けた構成としている。しかし、これらの第1電磁弁23および第1膨張弁24、第2電磁弁30および第2膨張弁31については、それぞれ開閉弁の機能を兼ね備えた電子膨張弁を1個ずつ設置した構成に代替してもよい。
次に、上記ヒートポンプ式車両用空調装置1の運転時の冷媒流れを、図2ないし図5を用いて説明する。なお、各図において、運転時の冷媒流れ経路が太線で表されている。
[冷房運転]
冷房運転時、電動圧縮機20で圧縮された冷媒は、図2に示されるように、吐出配管26Aより車内凝縮器9、三方切替え弁28を経由して車外凝縮器21に循環され、車外ファン36を介して通風される外気と熱交換されて凝縮液化される。該液冷媒は、冷媒配管26C、逆止弁38を経てレシーバ22内に導入され、いったん貯留された後、冷媒配管26D、内部熱交換器40、第1電磁弁23を経て第1膨張弁24に導かれ、ここで減圧されて気液二相状態となり、車内蒸発器8に供給される。高圧液冷媒は、内部熱交換器40を流通する際、車内蒸発器8で蒸発された低圧ガス冷媒と熱交換されて過冷却される。
車内蒸発器8でブロア5から送風されてくる内気または外気と熱交換されて蒸発ガス化された冷媒は、逆止弁25、内部熱交換器40を経て電動圧縮機20に吸入され、再圧縮される。以下、同様のサイクルを繰り返す。この冷房サイクル27は、エンジン駆動方式の車両に用いられている現行の車両用空調装置の冷房サイクルと同様のものであり、そのまま共用化することができる。車内蒸発器8で冷媒との熱交換されることにより冷却された内気または外気は、吹出しモード切替えダンパ14,15,16により切替えられる吹出しモードに応じて、デフ吹出し口11、フェイス吹出し口12、フット吹出し口13のいずれかから車内に吹出され、車内の冷房に供されることになる。
なお、冷房運転時、車内凝縮器9への通風は、温調ダンパ10によって遮断され、車内蒸発器8で冷却された冷風がそのまま車内へと吹出されることになるため、冷媒は車内凝縮器9で殆んど凝縮されることなく、車外凝縮器21に循環され、車外凝縮器21で外気と熱交換されることによって凝縮液化されることになる。一方、冷房サイクル27で運転しながら、車内凝縮器9の入口に設けられている温調ダンパ10を開き、車内蒸発器8で冷却された冷風の一部を車内凝縮器9に通風して再熱することによって、再熱除湿運転を行うことができる。
[暖房運転(着霜前)]
暖房運転時、車外蒸発器32に着霜する迄の間は、図3に示されるように、電動圧縮機20で圧縮された冷媒は、吐出配管26Aにより車内凝縮器9に導入され、ここで、ブロア5から送風されてくる内気または外気と熱交換されて放熱される。これによって加熱された空気は、吹出しモードに応じて、デフ吹出し口11、フェイス吹出し口12およびフット吹出し口13のいずれかから車内に吹出され、車内の暖房に供されることになる。なお、通常の暖房運転は、窓の曇りを防止するため、外気導入モードで行われる。
車内凝縮器9で放熱して凝縮液化された冷媒は、三方切替え弁28を介して第1暖房用回路29に導かれ、逆止弁39を経てレシーバ22内に導入される。ここで、いったん貯留された冷媒は、冷媒配管26D、内部熱交換器40を介して第2暖房用回路34に導かれ、第2電磁弁30を経て第2膨張弁31を通過する過程で減圧されることにより気液二相状態となり、車外蒸発器32に供給される。高圧液冷媒は、内部熱交換器40を流通する際、車外蒸発器32で蒸発された低圧ガス冷媒と熱交換されて過冷却される。
車外蒸発器32に供給された冷媒は、車外蒸発器32で車外ファン36により通風される外気と熱交換され、外気から吸熱することで蒸発ガス化された後、逆止弁33、内部熱交換器40を経て電動圧縮機20に吸入され、再圧縮される。以下、同様のサイクルが繰り返され、この暖房用ヒートポンプサイクル35によって、ヒートポンプ暖房が行なわれることになる。この際、暖房能力の不足により、車内温度が十分に上昇しない場合、補助電気ヒータ7に通電することによって、暖房能力を補うことができる。
このように、原形となる冷房用の冷凍サイクル27の吐出配管(吐出回路)26Aに車内凝縮器9、車外凝縮器21の入口側に設けられた三方切替え弁28とレシーバ22との間に第1暖房用回路29、更にレシーバ22の出口側と電動圧縮機20の吸入側との間に第1電磁弁30、第2膨張弁31および車外蒸発器32が設けられている第2暖房用回路34等の最小限の暖房用回路および機器を接続することによって、圧力条件が同一となる回路部分および機器類を共用化して暖房用のヒートポンプサイクル35を構成することができる。
[暖房運転(着霜後)]
上記のように、車外蒸発器32を蒸発器として機能させ、外気から吸熱して暖房運転を行うと、低外気温時、車外蒸発器32の表面に着霜し、着霜が進むに連れて暖房能力が低下して行き、暖房不能に陥るおそれがある。このため、本実施形態では、車外蒸発器32に対して着霜が検知された場合、図4に示されるように、第1電磁弁23を開、第2電磁弁30を閉とし、車内蒸発器8を利用したヒートポンプ暖房サイクル35に切替えるようにしている。
この場合、電動圧縮機20で圧縮された冷媒は、着霜前の暖房運転時と同様、まず吐出配管26Aにより車内凝縮器9に導入され、ここで、ブロア5から送風されてくる内気または内外気の混合気と熱交換されて放熱される。これによって加熱された空気は、吹出しモードに応じて、デフ吹出し口11、フェイス吹出し口12およびフット吹出し口13のいずれかから車内に吹出され、車内の暖房に供されることになる。このように、車外蒸発器32に着霜した後の暖房運転は、車内蒸発器8を蒸発器とした除湿暖房運転となることから、窓曇りの心配がなく、このため、温度が高い車内空気から吸熱して暖房できるように、内気循環モードまたは内気/外気混合モードに切替えて運転するようにしている。
車内凝縮器9で放熱して凝縮液化された冷媒は、三方切替え弁28を介して第1暖房用回路29に導かれ、逆止弁39を経てレシーバ22内に導入される。ここで、いったん貯留された冷媒は、冷媒配管26D、内部熱交換器40および第1電磁弁23を経て第1膨張弁24に導かれ、減圧されて気液二相状態となり、車内蒸発器8に供給される。高圧液冷媒は、内部熱交換器40を流通する際、車内蒸発器8で蒸発された低圧ガス冷媒と熱交換されて過冷却される。
車内蒸発器8において、ブロア5から送風されてくる内気と熱交換されて蒸発ガス化された冷媒は、逆止弁25、内部熱交換器40を経て電動圧縮機20に吸入され、再圧縮される。以下、同様のサイクルを繰り返すことになる。この車内蒸発器8で冷媒に吸熱されることによって冷却除湿された空気(内気)は、上記の如く車内蒸発器8の下流側に設置されている車内凝縮器9で加熱され、デフ吹出し口11、フェイス吹出し口12およびフット吹出し口13のいずれかから車内に吹出されることで、車内の暖房に供される。以上の通り、車外蒸発器32に着霜した後は、車内蒸発器8を蒸発器として利用した除湿暖房運転が行われることになる。
[除霜運転]
上記のように、車外蒸発器32を機能させ、暖房運転しているときに、車外蒸発器32に対して着霜が検知された場合でも、直ちに除霜運転は行わず、車内蒸発器8を利用した除湿暖房運転に切替えることにより、そのまま暖房運転を継続するようにしている。このため、車両が走行(使用)されている間は、強制的な除霜は行わず、外気で自然にデフロストされるのを待つことになる。しかし、外気温の低い状態が続くと、除霜されずに霜が付着したままとなることが想定される。
そこで、車両が停止(駐車)とされ、乗員がいなくなった状態で、望ましくは車両バッテリの充電時または充電後でバッテリ容量に余裕がある時に、空調装置1を運転し、除霜運転を行うようにしている。この除霜運転は、図5に示されるように、電動圧縮機20で圧縮されたホットガス冷媒を、吐出配管26Aにより車内凝縮器9、三方切替え弁28を経由して車外凝縮器21に循環させ、車外ファン36を介して通風される外気に放熱させることによって行う。ホットガス冷媒からの放熱で昇温された外気は、温風となって車外凝縮器21の下流側に配設されている車外蒸発器32に吹き付けられ、霜を融解する。
車外凝縮器21で放熱して凝縮された冷媒は、冷媒配管26C、レシーバ22、冷媒配管26D、内部熱交換器40、第1電磁弁23を経て第1膨張弁24に至り、ここで減圧されて車内蒸発器8に供給される。車内蒸発器8に供給された気液二相冷媒は、ブロア5を介して循環される車内空気(内気)から吸熱して蒸発され、逆止弁25、内部熱交換器40を経て電動圧縮機20に吸入される。以下、この冷房サイクル27を繰り返すことによって、車外凝縮器21で放熱されるホットガス冷媒の熱を利用して間接的に車外蒸発器32の霜を融解し、除霜することができる。
このため、除霜運転時にも、低圧仕様の車外蒸発器32に対して高圧のホットガス冷媒を流通させることなく、その除霜を行うことが可能となる。また、この除霜運転は、乗員がいない状態で行われることから、HVACユニット2側において、車内の空調状態や吹出しモードに対して特段考慮する必要がなく、除霜に適合する最適なモードに設定して運転することができる。本実施形態では、車内蒸発器8で可能な限り温度の高い空気から吸熱できるように、内外気切替えダンパ4を内気循環モードとするとともに、車内凝縮器9での放熱による熱ロスを低減するため、温調ダンパ10を最大冷房位置(MAX COOL位置)に設定して除霜運転するようにしている。
さらに、吹出しモードについても、仮にフットモードを選択してフット吹出し口13から空気を吹出すようにすると、フット吹出し口13から吹出された空気が、フット吹出し口13に近接して開口されている内気循環用の吸込み口にショートサーキットし、車内の温度の高い空気を吸込むことができ難くなる虞がある。そこで、除霜運転時には、吹出しモードをフットモード以外の、デフモード、フェイスモード、バイレベルモードのいずれかを選択するようにしている。
また、除霜運転の終了は、車外蒸発器32を用いたヒートポンプ暖房運転(着霜前の暖房運転)を実施して、着霜検知手段(後述する車外蒸発器冷媒温度センサー(T1)58と外気温度センサー(Tamb)54との温度差が所定値a以上か否かで判定)により着霜がないことを確認した時点で除霜運転を終了させるようにしている。つまり、着霜検知手段が作動しないことを以って除霜が完了していることを確認して、除霜残しがないように確実に車外蒸発器32を除霜できるようにしている。
以上の運転は、図6に示されている空調装置用制御装置50を介して制御されるようになっている。この制御装置50は、車両側の上位制御装置51と接続され、車両側から関係情報が入力可能とされているとともに、コントロールパネル52を備えており、以下のセンサー群からの検出信号と、上位制御装置51およびコントロールパネル52からの入力情報とに基づいて、車両用空調装置1の運転制御を行うものである。
制御装置50には、車両の適所に設置されている車内温度センサー(Tr)53、外気温度センサー(Tamb)54、日射センサー(Ts)55、車速センサー56の他、車両用空調装置1側の車内蒸発器8に設置されているフロストセンサー(FS)57、車外蒸発器32に設置されている車外蒸発器冷媒温度センサー(T1)58、吐出配管26Aに設置されている高圧センサー(HP)59、車内凝縮器9に設置されている車内凝縮器吹出し温度センサー(Tc)60等からの検出信号が入力されるようになっている。
制御装置50は、上記センサー群からの検出信号と、コントロールパネル52および車両側の上位制御装置51からの入力情報とに基づき、予め設定されているプログラムに従って所要の演算、処理等を行い、吹出しモード切替えダンパ14,15,16用のアクチエータ61、内外気切替えダンパ4用のアクチエータ62、温調ダンパ10用のアクチエータ63、ブロア5用のモータ64、車外ファン36用のモータ65、電動圧縮機20用のモータ66、補助電気ヒータ7用のオン/オフスイッチ67、三方切替え弁28用の電磁コイル68および電磁弁23,30用の電磁コイル69等を制御し、上記の如く車両用空調装置1を運転制御する機能を担うものである。
以下に、この制御装置50による車両用空調装置1の運転制御を、図7ないし図11に示すフロー図を参照して説明する。
図7は、車両用空調装置1のメイン制御フロー図であり、制御が開始されると、まずステップS1において、コントロールパネル52の設定を読み込み、更にステップS2において、各種センサー群53ないし60からの検出値を読み込む。これらの設定値および検出値に基づいて、ステップS3では、目標吹出し温度Ttarを算出し、ステップS4に移行する。ここでは、除湿運転ありか否かが判定され、YESであれば、ステップS5に移行して「冷房運転制御」に入り、NOであれば、ステップS6に移行して「暖房運転制御」に入り、その後、ステップS7において、各センサーの検出値を出力し、スタート点に戻る。
上記ステップS5において「冷房運転制御」に入ると、図8に示される冷房運転制御に移行される。冷房運転制御では、まずステップS10において、三方切替え弁28の流路が決定され、冷媒を車外凝縮器21側に流す回路に接続される。続いて、ステップS11において、電磁弁の開閉が決定され、電磁弁23が開、電磁弁30が閉とされる。これによって、冷房用サイクル27が設定される。
引き続き、ステップS12において、電動圧縮機20の回転数、ステップS13において、内外気切替えダンパ4の切替えによる吸込みモード、ステップS14において、吹出しモード切替えダンパ14,15,16の切替えによる吹出しモード、ステップS15において、温調ダンパ10の開度、ステップS16において、ブロア5の駆動電圧、ステップS17において、車外ファン36の駆動電圧等がそれぞれ決定され、モータおよびアクチエータ61−66が駆動されることにより、車内温度が設定温度となるように冷房運転が実行されるようになっている。その後、S1(ステップS7)に移行され、冷房運転が継続される。
また、上記ステップS6において「暖房運転制御」に入ると、図9および図10に示される暖房運転制御に移行される。暖房運転制御では、まずステップ20において、三方切替え弁28の流路が決定され、冷媒を第1暖房用回路29側に流す回路に接続される。続いて、ステップS21において、電磁弁の開閉が決定され、電磁弁23が閉、電磁弁30が開とされる。これにより、着霜前の暖房用ヒートポンプサイクル35が設定され、その後、ステップS22に移行される。ステップS22においては、車外蒸発器32に対する着霜の有無が判定される。
着霜判定は、車外蒸発器冷媒温度センサー58の検出値T1と外気温度センサー54の検出値Tambとの差が、設定値a以下か否か(T1−Tamba)で判定され、YES(着霜あり)と判定されると、ステップS23に移行され、NO(着霜なし)と判定されると、ステップS24(図10参照)に移行される。ここで、着霜なしと判定された場合には、車外蒸発器32を蒸発器として機能させ、着霜前の暖房用ヒートポンプサイクル35により暖房運転されることになる。ステップS24では、内外気切替えダンパ4が外気導入モードと決定され、ステップS25に移行される。
ステップS25においては、目標吹出し温度Ttarと車内凝縮器吹出し温度センサー60の検出値Tcoとの差が、設定値b以下か否か(Ttar−Tco≦b)、またはフロストセンサー57の検出値Fsが、設定値c以下か否か(Fs≦c)が判定される。YESと判定された場合、ステップS26に移行して補助電気ヒータ7がONされ、NOと判定された場合、ステップS27に移行して補助電気ヒータ7がOFFされるようになっている。このように、ヒートポンプによる暖房だけでは能力不足と判断される場合、補助電気ヒータ7により暖房能力を補うようにしている。
引き続き、ステップS28において、電動圧縮機20の回転数、ステップS29において、吹出しモード切替えダンパ14,15,16の切替えるによる吹出しモード、ステップS30において、温調ダンパ10の開度、ステップS31において、ブロア5の駆動電圧、ステップS32において、車外ファン36の駆動電圧等がそれぞれ決定され、モータおよびアクチエータ61,63−66が駆動されることにより、車内温度が設定温度となるように暖房運転が実行されるようになっている。その後、S1(=ステップS7)に移行され、暖房運転が継続される。
一方、ステップS22において、着霜ありと判定され、ステップS23に移行された場合は、ステップS23において、車両電源がONか否かが判定され、NOの場合は、ステップS33に移行され、YESの場合は、ステップS34に移行される。ステップS34では、内外気切替えダンパ4が内気循環モードまたは内気/外気混合モードと決定され、引き続き、ステップS35に移行して電磁弁の開閉が決定され、電磁弁23が開、電磁弁30が閉とされる。これによって、着霜後の車内蒸発器8を利用した除湿暖房用のヒートポンプサイクル35が設定され、車外蒸発器32に着霜しているにもかかわらず、そのまま暖房運転が継続されるようになっている。
ステップS35で電磁弁の開閉が決定されると、ステップS36に移行される。ここでは、目標吹出し温度Ttarと車内凝縮器吹出し温度センサー60の検出値Tcoとの差が、設定値b以下か否か(Ttar−Tco≦b)、またはフロストセンサー57による検出値Fsが、設定値c以下か否か(Fs≦c)が判定される。YESと判定されると、ステップS37に移行して補助電気ヒータ7がONされ、NOと判定されると、ステップS38に移行して補助電気ヒータ7がOFFされるようになっている。このように、ヒートポンプによる暖房だけでは能力が足りないと判断される場合、補助電気ヒータ7により暖房能力を補うようにしている。
これに続いて、ステップS39において電動圧縮機20の回転数、ステップS40において、吹出しモード切替えダンパ14,15,16の切替えによる吹出しモード、ステップS41において、温調ダンパ10の開度、ステップS42において、ブロア5の駆動電圧等がそれぞれ決定され、モータおよびアクチエータ61,63,64,66が駆動されることにより、車内温度が設定温度となるように、車外蒸発器32に着霜後の暖房運転が実行されるようになっている。その後、S1(=ステップS7)に移行され、暖房運転が継続される。
さらに、ステップS23において、NO、すなわち車両電源がOFFと判定され、ステップS33に移行した場合、ステップS33において、車両電源(バッテリ)が充電中または充電完了か否かが判定される。ここで、YESと判定されると、車両が停車中(駐車中)で、乗員が乗っておらず、かつ車両バッテリが充電中もしくは充電完了していると判断し、ステップS43に移行して車外蒸発器32に着霜している霜の「除霜運転制御」が実施される。車外蒸発器32の霜は、着霜後の継続運転中において、自然にデフロストされている可能性もあるが、着霜判定された後の車両電源OFF時、必ず「除霜運転制御」が実行されるようになっている。
この「除霜運転制御」では、図11に示されるように、ステップS44において、三方切替え弁28の流路が決定され、冷媒を車外凝縮器21側に流す回路に接続される。続いて、ステップS45において、電磁弁の開閉が決定され、電磁弁23が開、電磁弁30が閉とされる。これにより、冷房用サイクル27が設定され、その後、ステップS46に移行される。ステップS46においては、車内温度センサー53の検出値Trと外気温度センサー54の検出値Tambとの差が、設定値d以下か否か(Tr−Tamb≦d)、またはフロストセンサー57による検出値Fsが、設定値c以下か否か(Fs≦c)が判定される。
ステップS46で、YESと判定されると、ステップS47に移行して補助電気ヒータ7がONされ、NOと判定されると、ステップS48に移行して補助電気ヒータ7がOFFされるようになっている。このように、車内温度が低く、車内蒸発器8で十分な吸熱が期待できず、除霜に必要な熱量が不足していると判断される場合、補助電気ヒータ7により車内蒸発器8に循環される車内空気を加熱できるようにしている。
次に、ステップS49において、電動圧縮機20の回転数、ステップS50において、内外気切替えダンパ4の切替えによる吸込みモード(内気循環モード)、ステップS51において、吹出しモード切替えダンパ14,15,16の切替えによる吹出しモード、ステップS52において、温調ダンパ10の開度(MAX COOL位置)、ステップS53において、ブロア5の駆動電圧、ステップS54において、車外ファン36の駆動電圧等がそれぞれ決定され、モータおよびアクチエータ61−66が駆動されることにより、温調ダンパ10を最大冷房位置(MAX COOL位置)として車内凝縮器9での放熱を抑制しながら、内気循環モードで除霜運転が実行されるようになっている。
また、本実施形態においては、この除霜運転時、吹出しモードを吹出しモード切替えダンパ14,15,16によりデフモード、フェイスモードもしくはバイレベルモードのいずれかとして運転するようにしている。これは、上記のように、内気循環モードによって行われる除霜運転時、フット吹出し口13から車内に吹出された低温の空気が近くの内気循環用の吸込み口からショートサーキットするのを防ぐためである。
上記ステップS43ないしステップS54の「除霜運転制御」が終了すると、その後、S2(=ステップS55)に移行され、着霜判定が実施される。この着霜判定は、ステップS22での着霜判定と同様、車外蒸発器冷媒温度センサー58の検出値T1と外気温度センサー54の検出値Tambとの差が、設定値a以下か否か(T1−Tamba)で判定され、YES(着霜あり)と判定されると、ステップS43に戻り、「除霜運転制御」が継続され、NO(着霜なし)と判定されると、ステップS55に移行して除霜運転が終了されるようになっている。
斯くして、本実施形態によると、以下の作用効果が奏される。
本実施形態のヒートポンプ式車両用空調装置1によれば、従来から知られている電動圧縮機20、車外凝縮器21、レシーバ22、第1膨張弁24およびHVACユニット2内に設けられた車内蒸発器8からなる冷房用の冷凍サイクルに対し、車内凝縮器9、第1暖房用回路29、第2膨張弁31および車外蒸発器32を備えた第2暖房用回路34等の最小限の暖房用回路と機器を接続することにより、圧力条件が同一となる冷媒回路および機器類を共用化して暖房用のヒートポンプサイクル35を構成することができる。
このため、冷暖房双方の運転に耐え得る仕様の冷媒回路を新たに開発することなく、エンジン駆動方式の車両に適用されている現行の車両用空調装置の冷房サイクルと圧力条件が同一となる冷媒回路や機器類をそのまま共用化し、圧力条件が異なる最小限の暖房用回路および機器を追加するだけで、構成が比較的簡素で低コストでかつ搭載性に優れ、電気自動車やハイブリッド車等に好適に適用できる信頼性の高い高効率のヒートポンプ式車両用空調装置1を提供することができる。
また、低外気温時、車外蒸発器32に着霜したとしても、第2暖房用回路34への冷媒流れを遮断して車内蒸発器8側に冷媒を流し、該車内蒸発器8を利用した除湿暖房に切替え可能とされている。このため、車外蒸発器32に対する着霜時には、蒸発器を車内蒸発器8側に切替えることにより、そのまま効率のよいヒートポンプ暖房運転を継続することができ、従って、走行時の暖房運転中に除霜運転に切替えることによる暖房運転の中断や消費電力のロスを解消することができる。
また、車内蒸発器8を利用した除湿暖房に切替えられた時、内気循環モードまたは内気/外気混合モードで運転されるようにしている。このため、車内蒸発器8を利用した除湿暖房運転時、比較的温度の高い車内空気または内外気の混合気を熱源としてヒートポンプ暖房運転を行うことができ、従って、暖房能力を十分に確保することができる。更に、通常、低外気温時には、窓の曇りを防止するために外気導入モードにより暖房運転しているが、車内蒸発器8を利用した除湿暖房とすることによって、内気循環モードまたは内気/外気混合モードとしても窓曇りを防止することができる。
また、上記車外蒸発器32が、車外凝縮器用車外ファン36の通風路中の車外凝縮器21および/または車両用ラジエータ37の下流側に配設されている。このため、車外凝縮器21および/または車両用ラジエータ37によって、降雪時や積雪時における雪をブロックし、車外蒸発器32に対する雪の付着を軽減することができる。従って、車外蒸発器32での熱交換性能を確保し、暖房性能を向上することができるとともに、車外蒸発器32の雪の付着による凍結を防止することができる。また、車両用のラジエータ37から放熱がある場合には、それを吸熱して暖房能力の向上を図ることができる。
また、HVACユニット2内の車内蒸発器8の上流側に、暖房用の補助電気ヒータ(PTCヒータ)7を設置し、暖房時、吸熱量が不足している場合、補助電気ヒータ7を作動させ、その熱を吸熱してヒートポンプ暖房できるようにしている。このため、車内蒸発器8での吸熱量が不足し、車内温度が十分に上昇しない場合、補助電気ヒータ7を作動させることにより、その熱を吸熱してヒートポンプ暖房運転を行うことができ、従って、低外気温時で暖房能力が不足しがちとなる場合でも、容易に暖房能力を補うことができる。なお、補助電気ヒータ7は、車外蒸発器32を用いた暖房運転時にも、同様に補助熱源として利用することができる。
さらに、本実施形態では、電動圧縮機20の吸入配管26Cとレシーバ22の出口冷媒配管26Dとの間に、電動圧縮機20に吸入される低圧ガス冷媒とレシーバ22からの高圧液冷媒とを熱交換する内部熱交換器40が設けられている。このため、冷房時および暖房時共に、内部熱交換器40で低圧ガス冷媒と高圧液冷媒とを熱交換させて高圧液冷媒を過冷却し、蒸発器8,32での吸熱量を増加させることができ、これによって、冷房効率および暖房効率を高め、ヒートポンプ式車両用空調装置1の冷暖房性能を向上することができる。
また、本実施形態によれば、車外蒸発器32を用いたヒートポンプ暖房運転時に、車外蒸発器32に着霜した場合、それの除霜を、車両を停止後、乗員がいない状態で、HVACユニット2の温調ダンパ10を最大冷房位置(MAX COOL位置)、内外気切替えダンパ4を内気循環モードとして車両用空調装置1を冷房サイクルで運転し、車外凝縮器21に流通されるホットガスで加熱された温風を吹き付けることによって行っている。このため、着霜している車外蒸発器32に高圧のホットガスを流すことなく、除霜することができ、この点からも高低圧双方の冷媒循環に耐え得る仕様の冷媒回路および機器の新たな開発を不要とすることができる。
さらに、除霜時、HVACユニット2の温調ダンパ10を最大冷房位置、内外気切替えダンパ4を内気循環モードとし、車内空気を熱源とするとともに、車内凝縮器9での放熱ロスをなくしながら、ホットガスの熱量を有効に利用して除霜できるため、短時間で除霜することができる。また、除霜運転は、車両を停止した後、乗員がいない状態で、かつ車両バッテリの充電中もしくは充電後に行うようにしている。このため、除霜運転が車両の走行距離に影響を及ぼすことを回避することができるとともに、車両バッテリの充電時もしくは充電後のバッテリ容量に余裕がある時に除霜運転を行うことができ、従って、乗員に何ら影響を及ぼさない状態で効率よく確実に車外蒸発器32を除霜することができる。
また、除霜運転時、HVACユニット2の吹出しモードをデフモード、フェイスモードもしくはバイレベルモードのいずれかにして行うようにしているため、内気循環モードで行われる除霜運転時、車内蒸発器8で吸熱により温度が低下され、フット吹出し口13から車内に吹出された空気が、フット吹出し口13近くの内気循環用の吸込み口からショートサーキットするのを防ぐことができ、従って、内気循環により車内から吸込まれる空気の温度を可及的に高めにし、短時間で効果的に車外蒸発器32を除霜することができる。
また、除霜運転時、車内温度が低い場合、補助電気ヒータ7を作動させ、その熱を車内蒸発器8で吸熱して除霜能力を高めるようにしているため、内気循環モードで行われる除霜運転時、車内温度が低い場合には、補助電気ヒータ7で循環される内気を加熱することにより、車内蒸発器8で十分に吸熱することができる。従って、車内温度が低温時であっても、効率よく短時間で除霜することができる。なお、除霜時、電動圧縮機20の回転数を増加し、より高温のホットガスを車外凝縮器21に流すことによって、車外蒸発器32の除霜時間を更に短くすることができる。
さらに、本実施形態では、除霜運転終了時、車外蒸発器32を用いたヒートポンプ暖房運転を実施して、着霜検知手段により着霜がないことを確認した時点で除霜運転を終了させるようにしている。このため、除霜が完了していることを、ヒートポンプ暖房運転を実施することにより、着霜検知手段で車外蒸発器32に着霜がないこと、すなわち着霜検知手段が作動しないことを以って確認することができる。これによって、除霜残しがないように、確実に車外蒸発器32を除霜することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ヒートポンプ暖房運転時、車外蒸発器32に着霜しても、車両走行中等には除霜運転しないようにしているが、車両走行中に着霜した霜が自然にデフロストされた場合、車外蒸発器32用いたヒートポンプ暖房運転を復帰させるようにしてもよい。また、上記した実施形態では、吹出しモード切替えダンパを、デフダンパ14、フェイスダンパ15、フットダンパ16の3ダンパ方式としているが、デフダンパ14およびフェイスダンパ15を1つのダンパで兼用し、フットダンパ16との2ダンパ方式としてもよい。
さらに、上記実施形態では、第1膨張弁24および第2膨張弁31の入口側に第1電磁弁23および第2電磁弁30を設けているが、これらの第1電磁弁23と第1膨張弁24および第2電磁弁30と第2膨張弁31は、各々を一体化した電磁開閉弁付き温度式自動膨張弁としてもよい。また、上記実施形態では、内部熱交換器40を備えたものについて説明したが、本発明において、内部熱交換器40は必須のものではなく、構成の簡素化やコスト低減を図る場合、これを省略したシステムとしてもよい。
1 ヒートポンプ式車両用空調装置
2 HVACユニット
3 ヒートポンプサイクル
4 内外気切替えダンパ
7 補助電気ヒータ
8 車内蒸発器
9 車内凝縮器
10 温調ダンパ
20 電動圧縮機
21 車外凝縮器
22 レシーバ
24 第1膨張弁
26A 吐出回路(吐出配管)
26D レシーバの出口冷媒配管
26E 吸入配管
27 冷房用冷凍サイクル
28 三方切替え弁(切替え手段)
29 第1暖房用回路
31 第2膨張弁
32 車外蒸発器
34 第2暖房用回路
35 暖房用ヒートポンプサイクル
36 車外ファン
37 ラジエータ
40 内部熱交換器

Claims (10)

  1. 電動圧縮機、車外凝縮器、レシーバ、第1膨張弁、HVACユニット内に設けられている車内蒸発器がこの順に接続されている冷房用の冷凍サイクルと、
    前記電動圧縮機の吐出回路に接続され、前記HVACユニット内の前記車内蒸発器の下流側に配設されている車内凝縮器と、
    前記車外凝縮器の入口側に設けられている切替え手段を介して前記レシーバに接続される第1暖房用回路と、
    前記レシーバの出口側と前記電動圧縮機の吸入側との間に接続され、第2膨張弁および車外蒸発器が設けられている第2暖房用回路と、を備え、
    前記電動圧縮機、前記車内凝縮器、前記切替え手段、前記第1暖房用回路、前記レシーバ、前記第2膨張弁および前記車外蒸発器を備えた前記第2暖房用回路により暖房用のヒートポンプサイクルが構成され、
    該暖房用ヒートポンプサイクルによる暖房時、前記車外蒸発器に対して着霜が検知されたとき、前記第2暖房用回路側への冷媒流れを遮断して前記車内蒸発器側に冷媒を流通させ、該車内蒸発器を利用した除湿暖房に切替え可能とされていることを特徴とするヒートポンプ式車両用空調装置。
  2. 前記車内蒸発器を利用した除湿暖房に切替えられた時、内気循環モードまたは内気/外気混合モードで運転されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式車両用空調装置。
  3. 前記車外蒸発器が、前記車外凝縮器用車外ファンの通風路中の前記車外凝縮器および/または車両用ラジエータの下流側に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のヒートポンプ式車両用空調装置。
  4. 前記HVACユニット内の前記車内蒸発器の上流側に、暖房用の補助電気ヒータが設置され、暖房時、吸熱量が不足している場合、前記補助電気ヒータを作動させ、その熱を吸熱してヒートポンプ暖房運転可能な構成とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のヒートポンプ式車両用空調装置。
  5. 前記電動圧縮機の吸入配管と前記レシーバの出口冷媒配管との間に、前記電動圧縮機に吸入される低圧ガス冷媒と前記レシーバからの高圧液冷媒とを熱交換する内部熱交換器が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のヒートポンプ式車両用空調装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のヒートポンプ式車両用空調装置における前記車外蒸発器の除霜方法において、
    車両を停止した後、乗員がいない状態で、前記HVACユニットの温調ダンパを最大冷房位置、内外気切替えダンパを内気循環モードとして前記車両用空調装置を前記冷房サイクルで運転し、前記車外凝縮器に流通されるホットガスにより加熱された温風で前記車外蒸発器を除霜することを特徴とするヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法。
  7. 前記除霜運転は、車両を停止した後、乗員がいない状態で、かつ車両バッテリの充電時もしくは充電後に行うことを特徴とする請求項6に記載のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法。
  8. 前記除霜運転時、前記HVACユニットの吹出しモードを、デフモード、フェイスモードもしくはバイレベルモードのいずれかとして行うことを特徴とする請求項6または7に記載のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法。
  9. 前記除霜運転時、車内温度が低い場合、前記補助電気ヒータを作動させ、その熱を前記車内蒸発器で吸熱して除霜能力を高めることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法。
  10. 前記除霜運転終了時、前記車外蒸発器を用いたヒートポンプ暖房運転を実施して、着霜検知手段により着霜がないことを確認した時点で除霜運転を終了させることを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載のヒートポンプ式車両用空調装置の除霜方法。
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