JP5609066B2 - 吊り治具 - Google Patents

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Description

本発明は、吊り治具に関し、特に、コンクリート部材を揚重するのに有効な吊り治具に関する。
建物のコンクリート製の基礎等を解体して撤去する場合に、騒音や粉塵等の発生の問題から現場で粉砕できないため、解体対象の基礎等を切断機等を用いてダンプトラック等で運搬可能な大きさ、重量に切断し、ダンプトラック等によって現場から処分場等に運び、処分場等で粉砕機等を用いて粉砕処理している。
切断したコンクリート部材をダンプトラックに載せる場合は、例えば、図15及び図16に示すように、コンクリート部材17の側面18の上下にアンカーボルト20を打設し、このアンカーボルト20によって吊り治具25を固定し、吊り治具25とクレーン車等の揚重機のフックとの間に玉掛けワイヤ23を取り付け、揚重機によってコンクリート部材17を揚重する。
この場合、吊り治具25は、例えば、四角形板状の基部26と、基部26の表面中央部に一体に設けられるI形状の吊部27とから構成され、基部26の四隅に設けられた各ボルト挿通用孔内に、コンクリート部材17の側面18に打設したアンカーボルト20の頭部をそれぞれ挿通させ、基部26の表面から突出させた各アンカーボルト20の頭部にナットを締め付けることにより、コンクリート部材17の側面18に固定される。また、吊り治具25の吊部27のピン挿通用孔にシャックルを介して玉掛けワイヤ23の一端を取り付け、玉掛けワイヤ23の他端をクレーン車等の揚重機のフックに取り付けることにより、コンクリート部材17の側面18とクレーン車等の揚重機のフックとの間に玉掛けワイヤ23が掛着される。
ところで、上記のような構成の吊り治具25と玉掛けワイヤ23とを用いてコンクリート部材17を揚重する場合、吊り治具25の吊部27の吊点がコンクリート部材17の側面18から距離aだけ離れた位置に設けられているため、吊点周りのモーメントMが発生する。つまり、玉掛けワイヤ23の張力をT、垂直方向分力をT、水平方向分力をTとすると、吊点周りのモーメントM(M=T・a)が生じ、このモーメントMによって下側のアンカーボルト20に引張力が作用し、この引張力によってコンクリート部材17の側面18にコーン状破壊が生じるおそれがあり、このコーン状破壊は、アンカーボルト20をコンクリート部材17の内部配筋のかぶり厚以上に深く打設しても防ぐことは難しい。
この種の吊り治具の一例が特許文献1に記載されている。この吊り治具は、軸受部と、軸受部によって回転自在に支持されるボルトと、軸受部の外周側に溶接により固定される係合部と、軸受部の先端側のボルトの周面上に傾斜可能に設けられる円盤部とを備えている。
この吊り治具は、コンクリート製品に予め埋設しておいたインサートにボルトを螺着させて、軸受部の先端とコンクリート製品の表面との間に円盤部を介在させ、この状態で係合部の穴にシャックルを介して玉掛けワイヤを掛着させることにより、クレーン等の揚重機によって玉掛けワイヤ及び吊り治具を介してコンクリート製品を揚重することができる。
このような構成の吊り治具にあっては、係合部が傾斜しているので、コンクリート製品の上部が外側に張り出た形状であっても玉掛けワイヤがコンクリート製品と接触するおそれはない。また、コンクリート製品を吊り上げる際に、円盤部を介してコンクリート製品の表面を押圧することになるので、インサートに作用する力を軽減させることができ、インサートの周囲のコンクリートが剪断破壊を起こすのを防止することができる。
特開2000−255972号公報
しかし、インサートのコンクリート製品に対する埋設深さによっては、上述したように、インサート周りのモーメントが生じ、このモーメントによってインサート周りのコンクリートがコーン状破壊を起こすおそれがある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、重量物であるコンクリート部材を揚重する際に、コンクリート部材にコーン状破壊が生じるおそれがない、吊り治具を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、側面と、該側面と略直角をなす上面とを有するコンクリート部材の吊り治具であって、横方向に延びるように設けられる腕部と、該腕部の中央部に縦方向に延びるように設けられる脚部とを有し、前記腕部及び前記脚部の裏面側が前記コンクリート部材の側面に当接し、前記脚部の上端部が前記コンクリート部材の側面の上縁部よりも上方に突出するように設けられ前記コンクリート部材の側面に打設された複数のアンカーボルトによって前記腕部の横方向の両端部が前記コンクリート部材の側面に固定される第1当接部該第1当接部の裏面に該第1当接部とのなす角度が略直角となるように一体に設けられるとともに、裏面が前記コンクリート部材の上面に当接する第2当接部と、前記第1当接部の前記脚部の前記コンクリート部材の側面の上縁部よりも上方の部分に設けられる吊部材を掛着させる吊り部とを備えていることを特徴とする。
本発明の吊り治具によれば、コンクリート部材の側面に複数のアンカーボルトによって固定される第1当接部のコンクリート部材の上縁部よりも上方の部分に吊部が設けられ、この吊部に吊部材が掛着されるとともに、第2当接部がコンクリート部材の上面に当接するように設けられているので、コンクリート部材を揚重する際の吊部周りのモーメントは、第2当接部に作用する反力と釣り合うことになるので、各アンカーボルトには、吊部材の張力Tの鉛直方向分力TVに相当するせん断力のみが加わることになり、アンカーボルトに引張力(引き抜き力)が生じるようなことはなく、コンクリート部材にコーン状破壊が生じるようなことはない。
また、第1当接部の腕部の両端部をコンクリート部材の側面に固定するアンカーボルト間の距離を、第1当接部を例えば長方形板状に形成したものに比べて長くとることができるので、各アンカーボルトを中心とするコーン状破壊の範囲が重なるのを防止でき、各アンカーボルトの引張力に対する耐力を高めることができる。
また、本発明は、側面と、該側面と略直角をなす上面とを有するコンクリート部材の吊り治具であって、前記コンクリート部材の側面に当接し、かつ、当該側面の上縁部よりも上方に突出するように設けられるとともに、前記コンクリート部材の側面に打設された複数のアンカーボルトによって当該側面に固定される第1当接部と、該第1当接部の裏面に該第1当接部とのなす角度が略直角となるように一体に設けられるとともに、裏面が前記コンクリート部材の上面に当接する第2当接部と、前記第1当接部の前記コンクリート部材の側面の上縁部よりも上方の部分に設けられる吊部材を掛着させる吊り部とを備え、前記第1当接部には、前記コンクリート部材の側面方向に進退可能、かつ、先端が前記コンクリート部材の側面に当接可能な締結ねじが複数箇所に螺着され、前記第2当接部には、前記コンクリート部材の上面方向に進退可能、かつ、先端が前記コンクリート部材の上面に当接可能な締結ねじが複数箇所に螺着されていることを特徴とする。
本発明の吊治具によれば、コンクリート部材の表面形状により、第1当接部とコンクリート部材の側面との間に隙間が形成されても、締結ねじを介して第1当接部をコンクリ
ート部材の側面と一体化することができる。また、第2当接部とコンクリート部材の上面との間に隙間が形成されても、締結ねじを介して第2当接部をコンクリート部材の上面と一体化することができる。従って、コンクリート部材を揚重した際に、第1当接部とコンクリート部材の側面との隙間、及び第2当接部とコンクリート部材との隙間の存在により、第1当接部及び第2当接部が変形するようなことはなく、吊り部を第1当接部のコンクリート部材の側面よりも上方の部分に保ち続けることができる。
また、本発明において、前記コンクリート部材の前記側面の上縁部から前記吊部の中心まで距離をL、前記コンクリート部材の前記側面の上縁部から前記アンカーボルトの軸心までの距離をLとしたときに、L<Lの関係が成り立つように、前記吊部及び前記アンカーボルトの打設位置が設定されていることとしてもよい。
本発明の吊り治具によれば、吊部における吊部材の張力をT、その水平方向分力をTH1、垂直分力TV1とし、アンカーボルトから吊り治具に作用する力の水平方向分力をTH2としたときに、TH1・L=TH2・Lの関係(梃子の原理)が成り立ち、L<Lにより、TH2<TH1となる。これにより、何らかの原因によって第1当接部の吊部が水平方向に変位し、水平方向分力TH1が生じても、この梃子の原理によってTH2を軽減することができるので、TH2の反力としてアンカーボルトに作用する引張力を軽減することができ、コンクリート部材にコーン状破壊が生じるのを防止できる。
さらに、本発明において、前記第1当接部と前記第2当接部との間には、それらのなす角度を略直角に保つ補強部が一体に設けられていることとしてもよい。
本発明の吊り治具によれば、第1当接部と第2当接部とは、それらのなす角度が補強部によって略直角に保たれることになるので、各アンカーボルトに吊部材の張力Tの鉛直方向分力Tに相当するせん断力のみが加わることになる。
さらに、本発明において、前記第1当接部の端部は所定の角度で屈曲され、この屈曲された部分に前記吊部が設けられていることとしてもよい。
本発明の吊り治具によれば、第1当接部の屈曲角度を、吊部に吊部材を掛着させてコンクリート部材を揚重したときの吊部材の角度に合わせることにより、吊点周りのモーメントを軽減させることができる。
さらに、本発明において、前記吊部には、リング状部材が予め取り付けられ、該リング状部材に前記吊部材が取り付けられることとしてもよい。
本発明の吊り治具によれば、吊部に吊部材を掛着させてコンクリート部材を揚重したときの吊点周りのモーメントを軽減させることができる。
以上、説明したように、本発明の吊り治具によれば、コンクリート部材に打設したアンカーボルトには、吊部材の張力Tの鉛直方向分力Tvに相当するせん断力のみが加わることになるので、アンカーボルトに引張力(引き抜き力)が生じるようなことはなく、コンクリート部材にコーン状破壊が生じるのを防止できる。
本発明による吊り治具の第1の実施の形態を示した正面図である。 図1の平面図である。 図1の左側面図である。 図1の吊り治具の斜視図である。 第1の実施の形態の吊り治具によるコンクリート部材の揚重状態を示した説明図である。 図5のA矢視図である。 図5のB矢視図である。 第1の実施の形態の吊り治具の力関係を示した説明図である。 本発明による吊り治具の第2の実施の形態を示した斜視図である。 第2の実施の形態の吊り治具によるコンクリート部材の揚重状態を示した説明図である。 本発明による吊り治具の第3の実施の形態を示した概略図である。 本発明による吊り治具の第4の実施の形態を示した概略図である。 第4の実施の形態の吊り治具をコンクリート部材に取り付けた状態を示した説明図である。 本発明による吊り治具の第5の実施の形態を示した概略斜視図である。 従来の吊り治具の一例を示した概略図である。 従来の吊り治具によるコーン状破壊が生じた状態を示した説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図7には、本発明による吊り治具の第1の実施の形態が示されている。この吊り治具1は、例えば、建物のコンクリート製の基礎等を解体して撤去する場合に、解体対象の基礎等を現場で切断機等により、図5に示すように、上面19と側面18とのなす角度が略直角をなす形状(図5の例では略直方体状)の複数のコンクリート部材17に切り分け、この切り分けたコンクリート部材17に吊部材である玉掛けワイヤ23を掛着して、クレーン車等の揚重機によって揚重するのに有効なものである。
なお、吊部材として、玉掛けワイヤの代わりにチェーンを用いてもよい。
すなわち、本実施の形態の吊り治具1は、図1〜図7に示すように、コンクリート部材17の側面18に裏面2bが当接した状態に設けられる鋼板からなる第1当接部2と、第1当接部2に一体に設けられるとともに、コンクリート部材17の上面19に裏面9bが当接した状態に設けられる鋼板からなる第2当接部9と、第1当接部2と第2当接部9との間に一体に設けられる鋼板からなる一対の補強部10、10とを備えている。
第1当接部2は、長方形板状をなすものであって、この第1当接部2の裏面2b側に、長方形板状をなす第2当接部9が、第1当接部2の裏面2bとのなす角度が略直角となるように、溶接により一体に連結されている。
各補強部10は、三角形板状をなすものであって、第1当接部2の裏面2bと第2当接部9の表面9aとの間に溶接によって一体に連結され、この一対の補強部10、10により、第2当接部9が第1当接部2に対して略直角に保たれるように補強されている。
図1に示すように、第1当接部2の長手方向の一端近傍における第1当接部2の中心線a上には、円形状の第1孔4が貫通した状態で設けられ、この第1孔4を含む第1当接部2の長手方向の一端部が玉掛けワイヤ23を掛着させる吊部3として構成されている。
第1当接部2の長手方向の他端近傍縁部には、第1当接部2の中心線aを中心として左右対称となるように、長円形状の一対の第2孔6、6が貫通した状態で設けられ、この一対の第2孔6、6内にコンクリート部材17の側面18に打設したアンカーボルト20の頭部を挿通させるようになっている。第2孔6を長円形状とすることにより、第2孔6の長さの範囲内において、コンクリート部材17に内部鉄筋を避けてアンカーボルト20を打設することができる。
第1当接部2の第1孔4と第2孔6との位置関係は、図8に示すように、第1孔4の中心5から第2当接部9の裏面9b(コンクリート部材17の上面19)までの距離をL、第2当接部9の裏面9b(コンクリート部材17の上面19)から第2孔6内に挿通されるアンカーボルト20の軸心bまでの距離をLとしたときに、L<Lの関係が成り立つように、第1孔4及び第2孔6の位置が設定されている。
上記のように構成した本実施の形態の吊り治具1を用い、複数に切り分けた直方体状のコンクリート部材17を揚重するには、まず、コンクリート部材17の対向する2つの側面18、18の中央部の、コンクリート部材17の上面18から下方に所定の距離離れた位置に、各側面18に対して垂直となるように一対のアンカーボルト20、20を、吊り治具1の第1当接部2の一対の第2孔6、6の間隔に相当する間隔で打設し、各アンカーボルト20の頭部を各側面18から所定の長さ突出させる。
次に、図5〜図7に示すように、コンクリート部材17の上記の2つの側面18、18の各々に吊り治具1をそれぞれ配置し、各吊り治具1の第1当接部2の裏面2bをコンクリート部材17の各側面18に当接させ、第2当接部9の裏面9bをコンクリート部材17の上面19に当接させ、第1当接部2の各第2孔6内に各アンカーボルト20の頭部を挿通させ、第1当接部2の表面2aから突出させた各アンカーボルト20の頭部にナット21を螺合させて所定のトルクで締め付け、各吊り治具1をコンクリート部材17の各側面18に固定する。
次に、各吊り治具1の吊部3に第1孔4を利用してシャックル22を取り付け、各吊り治具1の吊部3にシャックル22を介して玉掛けワイヤ23の一端を掛着させ、玉掛けワイヤ23の他端をクレーン車等の揚重機のフックに掛着させる。
そして、揚重機を操作して、玉掛けワイヤ23及び吊り治具1を介してコンクリート部材17を揚重し、コンクリート部材17をダンプトラック等の荷台に載せることにより、コンクリート部材17をダンプトラック等によって現場から処分場等に運搬し、処分場等で粉砕処理することができる。
上記のように構成した本実施の形態の吊り治具1にあっては、コンクリート部材17の側面18にアンカーボルト20によって固定される第1当接部2の、コンクリート部材17の上面19よりも上方の部分に吊部3が設けられ、第1当接部2の裏面2b側に第2当接部9が第1当接部2と略直角をなすように一体に設けられ、第1当接部2の吊部3に玉掛けワイヤ23が掛着されるので、コンクリート部材17を揚重する際の吊部3周りのモーメント(図8の点A周りのモーメント)は、コンクリート部材17の上面から第2当接部9作用する反力R、吊点5における玉掛けワイヤ23の張力をT、その水平方向分力をTH1とし、吊点5から点Aまでの距離をLとし、点AからRまでの距離をLとしたときに、TH1・L=R・Lとなり、釣り合うことになる。
従って、各アンカーボルト20には、玉掛けワイヤ23の張力Tの鉛直方向分力TVに相当するせん断力のみが加わり、アンカーボルト20に引張力(引き抜き力)が生じるようなことはないので、コンクリート部材17にコーン状破壊が生じるのを防止できる。
また、第1当接部2の裏面2bと第2当接部9の表面9aとの間には、一対の補強部10、10が溶接によって一体に設けられているので、コンクリート部材17を揚重した際に、第1当接部2の吊部3及び第2当接部9が変形して、吊部3(吊点5)の位置が第1当接部2の鉛直方向上方からずれるようなことはなく、吊部3周りのモーメントが生じて、アンカーボルト20に引張力(引抜力)が生じるようなことはなく、コンクリート部材17にコーン状破壊が生じるのを防止できる。
さらに、図8に示すように、第1当接部2の吊部3の第1孔4の中心(吊点5)からコンクリート部材17の上面19(第2当接部9の裏面9b)までの距離Lは、コンクリート部材17の上面19(第2当接部9の裏面9b)からアンカーボルト20の軸心bまでの距離Lよりも小さく設定されているので、吊点5における玉掛けワイヤ23の張力をT、その水平方向分力をTH1、垂直分力TV1とし、アンカーボルト20から吊り治具に作用する力の水平方向分力をTH2としたときに、TH1・L=TH2・Lの関係(梃子の原理)が成り立ち、L<Lにより、TH2<TH1となる。これにより、何らかの原因によって第1当接部2の吊部3が水平方向に変位し、水平方向分力TH1が生じても、この梃子の原理によってTH2を軽減することができるので、TH2の反力としてアンカーボルトに作用する引張力を軽減することができ、コンクリート部材にコーン状破壊が生じるのを防止できる。
図9及び図10には、本発明による吊り治具の第2の実施の形態が示されている。この吊り治具1は、第1当接部2の端部(第2当接部9の接合部よりも上方の部分)を所定の角度で屈曲させたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
そして、本実施の形態の吊り治具1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他、第1当接部2の端部の屈曲角度を、吊部3に玉掛けワイヤ23を掛着させてコンクリート部材17を揚重したときの玉掛けワイヤ23の角度に合わせることにより、吊点周りのモーメントを第1の実施の形態に示すものよりも軽減させることができる。
図11には、本発明による吊り治具の第3の実施の形態が示されている。この吊り治具1は、第1当接部2の吊部3の第1孔4に予めリング24を取り付けておき、このリング24にシャックル22を介して玉掛けワイヤ23を取り付けたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
そして、本実施の形態の吊り治具1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他、第1当接部2の吊部3の第1孔4に予めリング24が取り付けられ、このリング24にシャック22を介して玉掛けワイヤ23が取り付けられるので、吊点周りのモーメントを第1の実施の形態に示すものよりも軽減させることができる。
図12及び図13には、本発明による吊り治具の第4の実施の形態が示されている。この吊り治具1は、第1当接部2に全長及び全幅に渡って均等に配置されるように複数のねじ孔11を貫通した状態で設け、第2当接部9に全長及び全幅に亘って均等に配置されるように複数のねじ孔12を貫通した状態で設け、各ねじ孔11、12内にそれぞれ締付ねじ13を螺着させたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
第1当接部2の各ねじ孔11及び第2当接部9の各ねじ孔12は、第1当接部2の裏面2b側及び第2当接部9の裏面9b側が円錐状に形成されている。また、各締付ねじ13は、六角ボルト状のねじ本体14と、ねじ本体14のねじ部の先端に一体に設けられる円錐台状の台座15とから構成されている。さらに、ねじ本体14には、ナット16が螺着され、このナット16によって締結ねじ13に緩みが生じるのが防止され。なお、締結ねじ13に緩みが生じるおそれがない場合には、ナット16は設ける必要はない。
そして、上記のような構成の本実施の形態の吊り治具にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他、コンクリート部材の側面及び上面に不陸があるような場合に有効となる。
つまり、コンクリート部材17の側面18及び上面19の不陸により、コンクリート部27材の側面18に第1当接部2の裏面2bを当接させ、コンクリート部材17の上面19に第2当接部9の裏面9bを当接させたときに、第1当接部2の裏面2bとコンクリート部材17の側面18との間、及び第2当接部9の裏面9bとコンクリート部材17の上面19との間に隙間が形成されるような場合に、第1当接部2の各締付けねじ13を締め付け、その先端の台座15をコンクリート部材17の側面18に当接させ、また、第2当接部9の各締付ねじ13を締め付け、その先端の台座15をコンクリート部材17の上面19に当接させることにより、第1当接部2を各締付ねじ13を介してコンクリート部材17の側面18と一体化でき、第2当接部9を各締付ねじ13を介してコンクリート部材17の上面19と一体化することができる。
従って、玉掛けワイヤ23及び吊り治具1を介してコンクリート部材17を揚重した際に、第1当接部2の裏面2bとコンクリート部材17の側面18との間の隙間、及び第2当接部9の裏面9bとコンクリート部材17の上面19との間の隙間の存在により、第1当接部2及び第2当接部9が変形するようなことはなく、吊部3(吊点5)を第1当接部2の鉛直方向上方に保ち続けることができる。
図14には、本発明による吊り治具の第5の実施の形態が示されている。この吊り治具1は、第1当接部2を横方向の延びる腕部7と、腕部7の中央部に一体に縦方向の延びるように設けられる脚部8とからなる略T字形状に形成し、脚部8の裏面側に第2当接部9を一体に設けたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
本実施形態では、アンカーボルト20の頭部を挿通させる一対の第2孔6、6間の距離は、第1の実施の形態の一対の第2孔6、6間の距離よも長くとることができる。これにより、各アンカーボルト20を中心とするコーン状破壊の範囲が重なるのを防止でき、各アンカーボルト20の引張力に対する耐力を更に高めることができる。また、腕部7と脚部8との境界部は、その部分にクラックが生じるのを防止するためにアール面取りしてある。
そして、本実施の形態による吊り治具1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する。
なお、前記各実施の形態においては、第1当接部2と第2当接部9と、及び第1当接部2と第2当接部9との間の補強部10を溶接により一体に連結したが、これらをボルト等のねじ締結体によって一体に連結してもよい。
また、前記各実施の形態においては、第1当接部2と第2当接部9とを別体に形成して連結したが、第1当接部2と第2当接部9とを鋳造等によって一体に形成してもよい。
さらに、前記各実施の形態においては、第1当接部2の長手方向の一端部によって吊部3を構成したが、吊部3を第1当接部2と別体に形成し、第1当接部2の長手方向の一端部に吊部3を溶接、ボルト等のねじ締結体によって一体に連結するように構成してもよい。
さらに、前記の説明においては、上面と側面とが略直角の直方体状のコンクリート部材17を対象としたが、円柱状等の他の立体形状のコンクリート部材を揚重対象としてもよい。
さらに、吊り治具1を、第1当接部2のみによって構成し、吊部27をコンクリート部材17の側面の上縁部よりも上方に位置するように配置してもよい。その場合には、上面と側面とが略直角でない立体形状(例えば、上面に突起物等が存在する立体形状)のコンクリート部材17を対象とすることができるので、この構成においても、上述した梃子の原理により、アンカーに作用する引張力を軽減することができる。
1 吊り治具
2 第1当接部
2a 表面
2b 裏面
3 吊部
4 第1孔
5 吊点
6 第2孔
7 腕部
8 脚部
9 第2当接部
9a 表面
9b 裏面
10 補強部
11 ねじ孔
12 ねじ孔
13 締付ねじ
14 ねじ本体
15 台座
16 ナット
17 コンクリート部材
18 側面
19 上面
20 アンカーボルト
21 ナット
22 シャックル
23 玉掛けワイヤ
24 リング
25 吊り治具
26 基部
27 吊部
a 中心線
b 軸心

Claims (6)

  1. 側面と、該側面と略直角をなす上面とを有するコンクリート部材の吊り治具であって、
    横方向に延びるように設けられる腕部と、該腕部の中央部に縦方向に延びるように設けられる脚部とを有し、前記腕部及び前記脚部の裏面側が前記コンクリート部材の側面に当接し、前記脚部の上端部が前記コンクリート部材の側面の上縁部よりも上方に突出するように設けられ前記コンクリート部材の側面に打設された複数のアンカーボルトによって前記腕部の横方向の両端部が前記コンクリート部材の側面に固定される第1当接部
    該第1当接部の裏面に該第1当接部とのなす角度が略直角となるように一体に設けられるとともに、裏面が前記コンクリート部材の上面に当接する第2当接部と、
    前記第1当接部の前記脚部の前記コンクリート部材の側面の上縁部よりも上方の部分に設けられる吊部材を掛着させる吊り部とを備えていることを特徴とする吊り治具。
  2. 側面と、該側面と略直角をなす上面とを有するコンクリート部材の吊り治具であって、
    前記コンクリート部材の側面に当接し、かつ、当該側面の上縁部よりも上方に突出するように設けられるとともに、前記コンクリート部材の側面に打設された複数のアンカーボルトによって当該側面に固定される第1当接部と、
    該第1当接部の裏面に該第1当接部とのなす角度が略直角となるように一体に設けられるとともに、裏面が前記コンクリート部材の上面に当接する第2当接部と、
    前記第1当接部の前記コンクリート部材の側面の上縁部よりも上方の部分に設けられる吊部材を掛着させる吊り部とを備え
    前記第1当接部には、前記コンクリート部材の側面方向に進退可能、かつ、先端が前記コンクリート部材の側面に当接可能な締結ねじが複数箇所に螺着され、
    前記第2当接部には、前記コンクリート部材の上面方向に進退可能、かつ、先端が前記コンクリート部材の上面に当接可能な締結ねじが複数箇所に螺着されていることを特徴とする吊治具。
  3. 前記コンクリート部材の前記側面の上縁部から前記吊部の中心まで距離をL1、前記コンクリート部材の前記側面の上縁部から前記アンカーボルトの軸心までの距離をL2としたときに、L1<L2の関係が成り立つように、前記吊部及び前記アンカーボルトの打設位置が設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り治具。
  4. 前記第1当接部と前記第2当接部との間には、それらのなす角度を略直角に保つ補強部が一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の吊り治具。
  5. 前記第1当接部の端部は所定の角度で屈曲され、この屈曲された部分に前記吊部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の吊り治具。
  6. 前記吊部には、リング状部材が予め取り付けられ、該リング状部材に前記吊部材が取り付けられることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の吊り治具。
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