JP5608892B2 - レンズ評価方法 - Google Patents

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Description

本発明はレンズメータでレンズを測定する際に得られた測定データに基づいて被検レンズを客観的に評価することができるレンズ評価方法に関するものである。
一般に作製したレンズが所定の光学特性を備えているかどうかの出荷の際の検品はレンズメータを使用して行っている。レンズメータは測定光束を被検レンズに投射し、被検レンズを透過した測定光の軌跡を受光素子によって検出し、その検出結果に基づいて被検レンズのS度数、C度数、軸方向、プリズム量等の基本的な光学特性の指標となる指標値を測定するようになっている。出荷の際の検品は日本工業規格(JIS)に基づいて検査を行っており、上記指標値がJISに定められている数値の範囲外になった場合は、出荷の際に排除しなければならない。レンズメータは自動式と手動式があり、手動式、つまり望遠式レンズメータでは接眼レンズを覗き込んでコロナターゲットのような測定用ターゲットを視認してこれのピントを合わせるようにしてピントの合った位置での指標値を当該レンズの指標値として決定するようになっている。手動式レンズメータの一例を特許文献1で示す。
自動式レンズメータは検査員がピント合わせをしなくとも自動的にかつ客観的に上記指標値を得ることができるのに対し、このような手動式レンズメータでは検査員自らがピントを合わせなければならないため面倒であり、かつピントの合わせ方や表示の読み方等において測定結果に検査員の主観が入る余地がある。
ところで、検査員が手動式レンズメータのピント合わせをする際にコロナターゲットのピントが合わない場合がある。いわゆるコロナぼけといわれる現象である。
コロナぼけがある状態とはレンズを通した光線が結ぶ焦点がぼけて見えることであるため、人がこのようなレンズを装用すればコロナぼけのないレンズに比べて明瞭に見えないこととなってしまう。基本的にコロナぼけが大きいレンズは不良品であるため、出荷の際に排除しなければならない。コロナぼけは例えば、レンズの曇り、レンズ面の微妙な歪み等々によるレンズ状態のわずかな変化が原因となって生じる。以下、このようなレンズメータで直接確認できず、かつ眼鏡装用感に影響を与えるレンズの状態を「装用不備因子が内在している状態」というものとする。
上記のように手動式レンズメータは自動式レンズメータに比べて扱いが面倒ではあるものの、コロナターゲットを検査員が視認できるため、装用不備因子の内在状態をコロナターゲットのピントの合致度合いによって評価することが可能である。
すなわち、コロナターゲットのピントが合致できずにぼけていればいくら上記指標値が規格内であっても不良品であるとして出荷することはできない。一方、コロナターゲットが明瞭に視認でき、上記指標値が規格内であれば出荷は可能であるし、コロナターゲットのぼけ具合から経験によってそのまま出荷できる程度のものか、出荷できないものであるという判断も可能となる。自動式レンズメータはレンズの度数や軸、プリズム以外の付加的な情報を得ることが難しいため、手動式レンズメータでの検品は装用不備因子の内在状態の程度を判断するためには非常に意義がある検査である。
特開2006−267109号公報
これまで、そのような装用不備因子の内在状態を評価する手段としては検査員の経験によるほかはなかった。このようなチェックは依然として検査員の主観の入る余地が大きく、検査員によって評価結果が変化してしまう恐れがあり、さらに同じ検査員であっても、検査を行う時間帯等によって評価結果が変化してしまう恐れがある。そのため、このような装用不備因子の内在状態を客観的に評価する方法が求められていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、被検レンズについて検査員によって判断されていた評価内容を客観的に評価することで、検査員の状態によらず、コロナ判定を数値で管理することが可能であり、数値で管理することにより、自動レンズメータのような、従来、レンズのくもりや面の微妙な歪み等のレンズの付加的な情報を得ることが出来なかった装置においても、コロナ判定機能を持たせることも可能になるレンズ評価方法を提供することである。
被検レンズをレンズメータの測定部に配置し、測定用ターゲットを同レンズメータの視野内で視認し、同ターゲットのピントを合致させることで被検レンズのS度数、C度数、軸方向、プリズム量等の光学特性の指標となる指標値を測定する手動式のレンズメータを使用したレンズ評価方法であって、被検レンズの波面収差を測定する測定工程と、同測定工程で得られた波面収差を下記ゼルニケ多項式およびゼルニケ係数を用いた式で表わすとともに、下記式において各項に与えられるゼルニケ係数を算出する算出工程と、同算出工程で求められたゼルニケ係数のうち3次(Z06〜Z09)及び4次(Z10〜Z14)の次数の少なくとも1つ以上の任意のゼルニケ係数に基づいて、当該被検レンズの光学性能を前記ターゲットのピントの合致させやすさと相関性を持つ定量値を算出して評価する評価工程とを有することをその要旨とする。下記式においてW(X,Y)は波面収差、C 2j-iはゼルニケ多項式、Z 2j-iはゼルニケ係数を示す。
Figure 0005608892
また請求項の発明では、請求項に記載の発明の構成に加え、前記3次(Z06〜Z09)及び4次(Z10〜Z14)の次数のゼルニケ係数を少なくとも1つを含むとともに、1次(Z01〜Z02)及び2次(Z03〜Z05)の次数のゼルニケ係数を含まない任意のゼルニケ係数に基づいて当該被検レンズに対してレンズメータでの測定用ターゲットを視認する際のピントの合致させやすさを評価することをその要旨とする。
また請求項の発明では、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記被検レンズを評価する定量値は下記式で算出されることをその要旨とする。
Figure 0005608892
また請求項の発明では請求項に記載の発明の構成に加え、前記重み は任意に変更可能であることをその要旨とする。
また請求項の発明では請求項又は記載の発明の構成に加え、前記任意のゼルニケ係数の決定を行う際に、選択しなかった各ゼルニケ係数の影響度に応じた重みkを0とすることをその要旨とする。
また請求項の発明では請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記5次以上(Z15〜Z∞)の次数のゼルニケ係数を含まないことをその要旨とする。
また請求項の発明では請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記被検レンズの波面収差を測定する測定工程で測定される光束径は4〜20mmであることをその要旨とする。
ここで、自動レンズメータにて製作したレンズの測定を行う場合、S度数、C度数、軸、プリズム等の測定が可能であり、それらの測定値はゼルニケ係数のうち1次(Z01〜Z02)、2次(Z03〜Z05)の次数からなる低次収差の値と近い値である。一方、手動式レンズメータにおいても、検査員がピントをあわせた位置で測定した指標値は、ゼルニケ係数のうち1次(Z01〜Z02)、2次(Z03〜Z05)の次数からなる低次収差の値と近い値であり、更に、コロナ型ターゲットのピントの合致度合い、つまりターゲットの明瞭さを見ることで、レンズの度数以外のレンズ面の曇りやレンズ面の微妙な歪み等の情報も得ることが可能である。
コロナターゲットの明瞭さは低次収差の値が捉えることの出来ない部分、つまり検査員の眼で認識可能な高次収差の影響が出ていると考えられる。高次収差とはゼルニケ係数のうち3次以上(Z06〜Z∞)の次数からなる値である。また、検査員の眼でコロナターゲットの明瞭さを確認できるということは、コロナターゲットのピントの合致度合いが、眼鏡使用時の装用感にも影響を与えると考えられる。よって、コロナターゲットのピントの合致度合いを正確に捉えることが、眼鏡の装用感を考える上で、重要な要素の1つであると考えられる。
上記のような構成においては、測定工程において測定された被検レンズの波面収差を次工程の算出工程にてゼルニケ多項式で数値化し、ゼルニケ係数を算出し、得られたゼルニケ係数のうち、3次(Z06〜Z09)及び4次(Z10〜Z14)の次数から選択される任意のゼルニケ係数を少なくとも1つ含む、3次以上(Z01〜Z∞)のゼルニケ係数に基づいてレンズメータでの測定用ターゲットを視認する際のピントの合致させやすさを評価することが好ましい。そして、1次(Z01〜Z02)及び2次(Z03〜Z05)のゼルニケ係数を含まないことがより好ましい。また、5次以上(Z15〜Z∞)の次数のゼルニケ係数を含まないことがより好ましい。
出願人は手動式レンズメータにおいて、被検レンズをレンズメータの測定部に配置し、測定用ターゲットを同レンズメータの視野内で視認し、そのターゲットのピントが合致しやすい場合は、被検レンズに内在する装用不備因子が少なく、逆にターゲットのピントが合致しにくい場合は、被検レンズに内在する装用不備因子が多く、そして、内在する装用不備因子の多寡は被検レンズの波面収差をゼルニケ多項式で数値化した場合において、収差を示すゼルニケ係数、特に3次以上の次数からなる高次収差の部分との相関関係が大きいことを解明した。人の眼は6次までの高次収差が認識可能であるとされているため、6次までのゼルニケ係数を使用すればターゲットのピントが合致しやすさが判断できるが、特にゼルニケ係数の3次及び4次の次数のゼルニケ係数との相関関係が強いためそれらに基づいて評価することが妥当である。
このようなゼルニケ係数に基づいて得られた所定の値をしきい値として測定用ターゲットのピント合致具合(逆にいえばピントのぼけ具合)の指標とすることができる。これによって、測定用ターゲットのピント合致具合に基づいて検査員が主観的に被検レンズの状態を判定しなくともよくなる。つまり、検査員によって、評価が変化してしまうということも無くなると同時に、同じ検査員であっても、検査を行う時間帯等によって評価結果が変化してしまうという可能性も無くなる。
ここにゼルニケ多項式とは光学分野でよく使われる数式であって、半径が1の単位円上の複素関数であり、極座標の引数(r,θ)を有する。理論上は複素関数を用いるが実用的には実数関数として使用される。ゼルニケ多項式は、光学分野では主としてレンズの収差成分を解析するために使用されており、波面収差をゼルニケ多項式に分解することで収差成分を知ることが可能である。ゼルニケ多項式を用いればコマ収差や球面収差などの各収差成分を例えば白黒,あるいは光の三原色を使用した2次平面上のプロットによって色の濃淡に基づいた画像によって表現することが可能である。
ゼルニケ多項式を用いた被検レンズの波面収差の解析手法について説明する。
上記のように波面収差はゼルニケ多項式によって定義されるため、波面収差におけるパラメータを得ることで各項とゼルニケ係数を算出することが可能である。
波面収差を測定する装置としてはシャックハルトマン波面センサー、干渉計等があるが、ここでは一例としてシャックハルトマン波面センサーによって測定する場合について説明する。例えば、波面収差を測定する装置として、図2に示すような構成の波面センサー2を使用する。波面センサー2ではハルトマンプレート7とCCDカメラ8を備え、ハルトマンプレート7の前方に被検レンズRが配置されている。被検レンズRの後方から平行な光線を投射した際のハルトマンプレート7上のある座標を(X,Y)と置く。座標(X,Y)がCCDカメラ8上において被検レンズRが無収差(理想的な波面)であると仮定した場合の集光点と、実際の到達点とのずれ量をΔx,Δyとし、ハルトマンプレート7とCCDカメラ8との距離をfとすると、波面収差は一般に以下の数式3及び数式4の偏微分方程式の関係が成り立つ。ずれ量Δx,Δyはハルトマンプレート7を構成するレンズアレイの多数のマイクロレンズ毎に測定され、最終的に測点間は補間計算がされる。
Figure 0005608892
Figure 0005608892
また、ゼルニケ多項式は下記式で表される。下記式においてmは各次数中の項目数、nはゼルニケ多項式の各次数である。mは−nからnまで2ステップずつで定義される。
具体的なゼルニケ多項式を分解した各項は図4の通りである。
Figure 0005608892
Figure 0005608892
また、ゼルニケ係数は数式1の両辺を座標(X,Y)で偏微分することで得られるが、より具体的な数値は下記最小自乗誤差の式で得られる。
Figure 0005608892
ゼルニケ多項式は各項毎に異なるゼルニケ係数を伴う。このゼルニケ係数によって例えば図5のような波面収差を個々の収差成分で示したカラーコードマップが得られる(実際はカラーであるが色の制限上から白黒で表示する)。カラーコードマップは1次次数において左方からZ01、Z02、2次次数において左方からZ03、Z04、Z05、3次次数において左方からZ06、Z07、Z08、Z09、4次次数において左方からZ10、Z11、Z12、Z13、Z14、・・・という順に配列されている。上記のように本発明では3次及び4次に含まれる項が測定用ターゲットの明瞭さに大きな影響がある収差部分となる。
任意に選択されたゼルニケ係数はそれらの平均二乗誤差(以下、RMS値)を用いて評価を行うことが好ましい。測定のばらつきを単純に平均化すると、波面の早い部分と遅い部分が相殺されてしまう可能性があるためである。そこで、ばらつきの二乗の総和を求め、その平方根を取るようにする。
RMS値は数式8に基づいて算出を行うことができ、具体的に3次、3次+4次、3次+4次+5次、及び3次+4次+5次+6次、それぞれのRMS値は数式9に基づいて算出することができる。
Figure 0005608892
Figure 0005608892
本発明では少なくとも測定工程と算出工程とはシステム的に連動していることが望ましい。例えば測定工程を実行する測定手段(測定装置)と算出工程を実行する算出手段(コンピュータ)を構成として備えることが望ましい。また、評価工程も評価を実行する手段としてのコンピュータを構成として備えることが好ましい。
上記各請求項の発明では、手動式のレンズメータを使用したレンズ評価方法においてレンズ波面の状態から数値化したゼルニケ多項式の3次(Z06〜Z09)及び4次(Z10〜Z14)の次数の任意のゼルニケ係に基づいて、レンズの光学特性を評価することが可能となる。
以下、図面に従って具体的な実施の形態の説明をする。
まず図1及び図2に基づいて、レンズの評価方法を実施するための周辺装置の概略について説明する。
図1は本発明のレンズの評価方法を実現するための装置の概略ブロック図である。算出手段及び演算手段としての評価算出用コンピュータ1には測定手段としての波面センサー2が接続されている。尚、評価算出用コンピュータ1と波面センサー2はLAN接続のように必ずしも直接つながっていなくても良く、データ記憶装置等(フレキシブルディスクやUSBメモリといったメディアも含め)を使って評価算出用コンピュータ1に渡されるようにしてもよい。
また、評価算出用コンピュータ1には出力手段としてのモニター4と入力手段としてのキーボード5が接続されている。尚、出力手段としてはモニター4以外にプリンタや他の装置へデータを転送する出力手段等が挙げられる。また、入力手段としてはキーボード5以外にバーコードのような2次元コードやLAN接続された他のコンピュータやデータ記憶装置等の他の装置から転送されたデータを入力する手段等が挙げられる。
波面センサー2は図2に示すようにレンズアレイとしてのハルトマンプレート7及び撮像手段としてのCCDカメラ8を備えている。波面センサー2はハルトマンプレート7の前方に配置された被検レンズRの後方から投射された光線をCCDカメラ8によって撮像し画像データとして取り込む。
評価算出用コンピュータ1はCPUからなる演算部10と記憶手段としてのメモリ11を備えており、演算部10によって評価が実行される。以下図3のフローチャートに基づいて演算部10が実行するルーチンを説明する。
ステップS1において、演算部10はCCDカメラ8によって取り込まれた測点となるハルトマンプレート7上の座標(X,Y)のCCDカメラ8上において被検レンズRが無収差であると仮定した場合の集光点と、実際の到達点とのずれ量Δx,Δyを計算し、そして計算によって得られたずれ量を測定データとしてメモリ11に記憶させる。
次いで、演算部10はステップS2において得られた測定データに基づいてゼルニケ多項式に分解し、ゼルニケ係数を算出し、ゼルニケ係数データをメモリ11に記憶させる。また、この段階で演算部10では併せて得られたゼルニケ係数データに基づいて重みを算出し、重みデータをメモリ11に記憶させる。尚、重みの算出においてはキーボード5等を経由して重み算出のパラメータ等の外部データの入力を受け付けることも可能である。
演算部10はステップS3において得られたゼルニケ係数データ及び重みデータに基づいて判定値を算出する。そして、ステップS4において判定値が既定のしきい値と比べ判定した結果をモニター4に表示する。モニター4には判定値としきい値が表示され、更に判定値がしきい値より大きい場合には当該レンズは不良とされ、その旨表示される。また、判定値がしきい値より大きい場合には判定値が小さいレンズに比べて、レンズに内在する装用不備因子が多いことを示す。
上記において具体的な判定値の算出手法について説明する。演算部10はこの算出手法を実行する実行プログラムを有しているものとする。
本実施の形態では上記数式2に基づいて判定値を算出している。ここでkは重みの係数である。
ゼルニケ多項式の3次及び4次の次数における影響度が大きいため、本実施の形態では下記のように3次及び4次のゼルニケ係数のRMS値を計算し、各項の係数をもって判定値に与える重みkとした。すなわち、k6=5、k7=5、k8=5、k9=4、k10=4、k11=4、k12=8、k13=4、k14=4である。本実施の形態ではk15以上、つまり5次の次数以上の部分は収差としての影響度が小さいので0とした。
Figure 0005608892
ここで、乱視成分やプリズムのない同じS度数の8種類の単焦点レンズについて検査員が実施した手動式レンズメータによる判定結果とゼルニケ係数から算出した3次、3次+4次、3次+4次+5次、3次+4次+5次+6次のRMS値を比較した表1を示す。いずれも3次RMS値に4次RMS値を加えたところで、以後は次数が増えても数値は大きくは変わらずRMS値が飽和していることが分かる。このことから、3次収差と4次収差を重視し、分析を行うことで、コロナ状態を確認することが可能であることが分かる。本実施の形態では上記のように3次+4次を採用した。
Figure 0005608892
以下、本発明の効果を確認した実施例を説明する。各実施例では検査員が実施したコロナターゲットを視認した主観的判定結果とそれらレンズに対して実行した上記に従った判定値とを比較した。検査員は良い順(収差のない順)から◎、○、○△、△、×、××の6段階で評価をしている。
(実施例1)
実施例1では乱視成分やプリズムのない同じS度数の8種類の単焦点レンズについて検査員が実施した手動式レンズメータによる判定結果とそれらレンズに対して実行した上記に従った判定値とを比較した。測定光束はφ10mmとした。その結果を表2に示す。判定値はこの検査員の評価と相関関係があることがわかる。
Figure 0005608892
(実施例2)
実施例2では乱視成分やプリズムのない同じS度数の8種類の単焦点レンズについて検査員が実施した主観的判定結果とそれらレンズに対して実行した上記に従った判定値とを比較した。更に、各レンズはそれぞれ8つの異なる測定光束に基づいて計算がされている。その結果を表3に示す。実施例1と同様、検査員の評価と判定値には相関関係がある。但し、測定光束φ2mm の場合、不合理な数値が見られる。これは測定光束径が小さすぎる場合には、コロナぼけに影響を与える因子が全て含まれていないため、結果的に手動式レンズメータによるコロナ評価との相関性は低くなるからである。また、測定光束径φ12mm〜φ20mmの判定値に関しては、主観的判定結果が○や×などの判定は相関性が確認できるが、○△や△など微妙な評価の場合、一部不合理な数値が見られる。
この結果から、コロナ状態を定量化可能な範囲は測定光束径φ4mm〜φ20mm程度であり、φ4mm〜φ10mmの測定光束径の時、最も望ましいと言える。
Figure 0005608892
(実施例3)
実施例3ではS度数とC度数の異なる8種類の単焦点レンズについて検査員が実施した手動レンズメータによる判定結果とそれらレンズに対して実行した上記に従った判定値とを比較した。この目的はレンズ度数の違いに関わらず同じ判定値が使用可能であることを示すものである。その結果を表4に示す。実施例1と同様検査員の評価と判定値には相関関係があることがわかる。
Figure 0005608892
(実施例4)
実施例4では乱視成分やプリズムのない同じS度数の8種類の単焦点レンズについて検査員が実施した主観的判定結果とそれらレンズに対して実行した上記に従った判定値とを比較した。その結果を表5に示す。実施例4は上記判定値において用いた係数を変更した実施例である。具体的にはk6=5、k7=5、k8=5、k9=5、k10=0.1、k11=0.1、k12=0.1、k13=0.1、k14=0.1、k15〜k∞=0で判定値の計算を行った。これは検査員のコロナ判定では、コロナターゲットが斜めにずれている場合、コロナ状態が悪いという評価が多いことから、球面収差などが含まれる、4次の収差項目の影響が少ないと考えられる。そこで、4次の収差項目となるk10〜k14の重みを下げて計算を行った。この場合でも実施例1と同様検査員の評価と判定値には相関関係があることがわかる。この例からも分かるように、製造過程や検査過程などで、ある収差の影響が大きい場合、k値を変更することによって、特定の収差項目の重要度を高め、結果的に人間の感性と合った評価が可能になる。
Figure 0005608892
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施の形態では評価算出用コンピュータ1が判定結果をモニター4に表示させるような構成であったが、手計算で判定値を算出するようにしてもよい。
・しきい値は適宜変更可能である。
その他本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
・この発明の測定工程にて用いられる装置は、シャックハルトマン波面収差センサー、干渉計などの透過波面測定装置には限らない。
本発明のレンズの評価方法を実現するための装置の概略ブロック図。 波面センサーの概念図。 演算部が判定値を算出するために実行するルーチンを説明するフローチャート。 ゼルニケ多項式をXY座標表示形式によって分解して表示した説明図。 波面収差を個々の収差成分で示したカラーコードマップ図。
符号の説明
R…被検レンズ、1…算出工程、評価工程の一部を構成する評価算出用コンピュータ、2…測定工程の一部を構成する波面センサー。

Claims (7)

  1. 被検レンズをレンズメータの測定部に配置し、測定用ターゲットを同レンズメータの視野内で視認し、同ターゲットのピントを合致させることで被検レンズのS度数、C度数、軸方向、プリズム量等の光学特性の指標となる指標値を測定する手動式のレンズメータを使用したレンズ評価方法であって、
    被検レンズの波面収差を測定する測定工程と、同測定工程で得られた波面収差を下記ゼルニケ多項式およびゼルニケ係数を用いた式で表わすとともに、下記式において各項に与えられるゼルニケ係数を算出する算出工程と、同算出工程で求められたゼルニケ係数のうち3次(Z06〜Z09)及び4次(Z10〜Z14)の次数の少なくとも1つ以上の任意のゼルニケ係数に基づいて、当該被検レンズの光学性能を前記ターゲットのピントの合致させやすさと相関性を持つ定量値を算出して評価する評価工程とを有することを特徴とするレンズ評価方法
    Figure 0005608892
  2. 前記3次(Z06〜Z09)及び4次(Z10〜Z14)の次数のゼルニケ係数を少なくとも1つを含むとともに、1次(Z01〜Z02)及び2次(Z03〜Z05)の次数のゼルニケ係数を含まない任意のゼルニケ係数に基づいて評価することを特徴とする請求項1に記載のレンズ評価方法。
  3. 前記被検レンズを評価する定量値は下記式で算出されることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ評価方法。
    Figure 0005608892
  4. 前記重みkは任意に変更可能であることを特徴とする請求項3に記載のレンズ評価方法。
  5. 前記任意のゼルニケ係数の決定を行う際に、選択しなかった各ゼルニケ係数の影響度に応じた重みkを0とする請求項3又は4に記載のレンズ評価方法。
  6. 前記5次以上(Z15〜Z∞)の次数のゼルニケ係数を含まないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレンズ評価方法。
  7. 前記被検レンズの波面収差を測定する測定工程で測定される光束径は4〜10mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレンズ評価方法。
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