[第1の実施の形態]
以下、本発明を流体供給システムに具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、本実施の形態の流体供給システムは、例えば、半導体製造ラインにおいて、シリコン基板(ウェハ)の各種表面処理を行うための複数種類の薬液(例えば、半導体洗浄用薬液)を供給するシステムとして用いられる。
図1に示されるように、流体供給システム1は、超音波流量計2と、複数種類の薬液W1〜W4(流体)がそれぞれ供給される複数本の流体供給用管路3〜6と、超音波流量計2が設けられる流体出力用管路7と、流体供給用管路3〜6と流体供給用管路7とが接続される流路切り替え装置8とを備える。
流路切り替え装置8は、切り替えバルブ9(切り替え手段)と、その切り替えバルブ9を駆動制御するコントローラ10とを備え、コントローラ10によって切り替えバルブ9を動作させることで、各流体供給用管路3〜6から供給される複数種類の流体W1〜W4のうちのいずれか1つの流体Wを流体出力用管路7に供給するよう構成されている。なお、本実施の形態の流体供給システム1では、各流体W1〜W4は、一定の温度(例えば、20℃)となるよう温度調節された状態で供給される。
超音波流量計2は、超音波伝搬時間差方式で流体W(W1〜W4)の体積流量を測定するための第1センサ部11と、流体Wの音響インイーダンスや密度などを測定するための第2センサ部12とを備え、流体出力用管路7の途中に設けられている。
以下、超音波流量計2の具体的な構成について詳述する。
図1に示されるように、超音波流量計2の第1センサ部11は、略コ字状に屈曲形成された配管14と、その配管14の2つのコーナー部14a,14bにそれぞれ固定され配管14の直管部14cを介して対向するよう配置される一対の第1超音波振動子15,16とを備える。第1センサ部11の配管14は、耐薬品性に優れるフッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標))を用いて形成されており、直管部14cの長さは10cm程度である。また、この配管14内に形成される流路の断面形状は円形であり、その口径は10mm程度である。このように、流路の断面形状を円形とすることにより、その流路内において、流体Wの乱流が防止され、流体Wがスムーズに流れるようになっている。
また、図2に示されるように、第2センサ部12は、第1センサ部11の下流側に接続される配管17と、その配管17における上流側及び下流側の外壁面に配置される一対の第2超音波振動子18,19とを備える。第2センサ部12の配管17も、耐薬品性に優れるフッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標))を用いて形成されている。この配管17内に形成される流路の断面形状は四角形であり、各第2超音波振動子18,19から発せられた超音波S0は、流体Wの流れる方向と平行な一対の内壁面17a,17bに対して垂直に交わる角度で入射するようになっている。この配管17では、一対の第2超音波振動子18,19が設けられる上流側と下流側とで内壁面17a,17bの間隔を異ならせている。具体的には、上流側の内壁面17a,17bの間隔d1は下流側の内壁面17a,17bの間隔d2の2倍の間隔となっている。また、一対の第2超音波振動子18,19が設けられている配管17の側壁の厚さは、上流側と下流側とで等しくなっている。
超音波流量計2において、第1センサ部11の各第1超音波振動子15,16及び第2センサ部12の各第2超音波振動子18,19には、制御装置20が電気的に接続されている。
図3は、超音波流量計2の電気的構成を示すブロック図である。図3に示されるように、制御装置20は、CPU21、第1信号処理回路22、第2信号処理回路23、メモリ24、入力装置25、表示装置26、データ出力回路27を備える。
第1信号処理回路22は、切り替え回路31、パルス発生回路32、受信回路33、検波回路34、及びA/D変換回路35を備える。
切り替え回路31は、一対の第1超音波振動子15,16のうちの上流側の第1超音波振動子15をパルス発生回路32に接続するとともに下流側の第1超音波振動子16を受信回路33に接続する第1の接続位置と、下流側の第1超音波振動子16をパルス発生回路32に接続するとともに上流側の第1超音波振動子15を受信回路33に接続する第2の接続位置とを切り替え可能に構成されている。この切り替え回路31における接続位置は、CPU21から出力される切り替え信号によって制御される。
パルス発生回路32は、CPU21からの制御信号に応答して動作し、第1超音波振動子15,16を駆動するための駆動パルスを出力する。この駆動パルスが切り替え回路31を介して各第1超音波振動子15,16に供給される。ここで例えば、切り替え回路31が第1の接続位置に切り替えられた場合、上流側の第1超音波振動子15に駆動パルスが供給され、その第1超音波振動子15が振動することにより、所定周波数(具体的には、1MHzの周波数)の超音波が出力される。そして、その超音波は、配管14の流体W中をその流体Wの流れの正方向に伝搬して下流側の第1超音波振動子16で受信される。また逆に、切り替え回路31が第2の接続位置に切り替えられた場合には、下流側の第1超音波振動子16に駆動パルスが供給され、その第1超音波振動子16が振動することにより、所定周波数(具体的には、1MHzの周波数)の超音波が出力される。そして、その超音波は、配管14の流体W中をその流体Wの流れの逆方向に伝搬して上流側の第1超音波振動子15で受信される。
受信回路33は、図示しない信号増幅回路を含み、各第1超音波振動子15,16で受信された超音波信号を増幅した後、検波回路34に出力する。検波回路34は、図示しないゲート回路を含み、受信信号の中から1パルス分の超音波信号を抽出してA/D変換回路35に出力する。A/D変換回路35では、アナログ信号である超音波信号をデジタル信号にA/D変換する。CPU21は、このA/D変換後の超音波信号を取り込み、メモリ24に一旦記憶する。
第2信号処理回路23は、切り替え回路41、パルス発生回路42、受信回路43、検波回路44、A/D変換回路45、及びタイマ46を備える。
切り替え回路41は、第1スイッチ部41aと第2スイッチ部41bとを備え、第1スイッチ部41aでは、上流側の第2超音波振動子18と下流側の第2超音波振動子19とのいずれか一方に接続位置を切り替え、第2スイッチ部41bでは、パルス発生回路42と受信回路43とのいずれか一方に接続位置を切り替える。この切り替え回路41における接続位置も、CPU21から出力される切り替え信号によって制御される。
パルス発生回路42は、CPU21からの制御信号に応答して動作し、第2超音波振動子18,19を駆動するための駆動パルスを出力する。駆動パルスは、例えば500ms毎に出力され、切り替え回路41を介して上流側の第2超音波振動子18と下流側の第2超音波振動子19とに交互に供給される。そして、駆動パルスによって第2超音波振動子18,19が振動することにより、所定周波数(具体的には、1MHzの周波数)の超音波が出力される。
図2に示されるように、各第2超音波振動子18,19から出力された超音波S0は、配管17の側壁を介してその内側を流れる流体Wに伝搬する。このとき、超音波S0の一部は、配管17と流体Wとの境界面(流路の一方の内壁面17a)で反射するとともに、一部が通過して流体W中に伝搬する。さらに、流体Wを伝搬した超音波S0の一部は、流体Wと配管17との境界面(流路の他方の内壁面17b)で反射する。ここで、上流側において、一方の内壁面17aで反射した反射波S01と他方の内壁面17bで反射した反射波S11とが第2超音波振動子18で受信され、電子信号に変換される。また、下流側において、一方の内壁面17aで反射した反射波S02と他方の内壁面17bで反射した反射波S12とが第2超音波振動子19で受信され、電子信号に変換される。それら反射波S01,S11,S02,S12の信号は、切り替え回路41を介して受信回路43に供給される。
受信回路43は、図示しない信号増幅回路を含み、第2超音波振動子18,19で受信された反射波S01,S11,S02,S12の信号を増幅した後、検波回路44に出力する。検波回路44は、配管17内の各内壁面17a,17bで反射した超音波の反射波S01,S11,S02,S12を検出するための回路であり、図示しないゲート回路や比較回路などを含む。具体的には、検波回路44は、ゲート回路により各反射波S01,S11,S02,S12を抽出し、各反射波S01,S11,S02,S12の信号強度に対応した電圧信号をA/D変換回路45に出力する。A/D変換回路45では、アナログ信号である電圧信号をデジタル信号にA/D変換し、CPU21は、このA/D変換後の電圧信号を取り込み、各反射波S01,S11,S02,S12の信号強度としてメモリ24に記憶する。また、検波回路44は、比較回路により反射波S01,S11,S02,S12の信号が所定のしきい値電圧を超えたタイミングを検出し、その検出信号をタイマ46に通知する。
タイマ46は、検波回路44から出力される検出信号に基づいて、超音波S0の伝搬時間を計測し、その時間に対応したデータを出力する。この伝搬時間のデータは、CPU21によってメモリ24に記憶される。
CPU21は、メモリ24を利用して制御プログラムを実行し、装置全体を統括的に制御する。制御プログラムとしては、音速、密度、及び流量等を算出するためのプログラム、流体Wの種類を特定するためのプログラム、測定値を表示するためのプログラムなどを含む。なお、CPU21が実行するプログラムとしては、メモリカードなどの記憶媒体に記憶されたプログラムや、通信媒体を介してダウンロードしたプログラムでもよく、その実行時には、メモリ24に読み込んで使用する。
表示装置26は、例えば液晶ディスプレイであり、音速、密度、及び体積流量などの測定値を表示するために用いられる。入力装置25は、各種の操作ボタンを含み、測定の開始・終了、表示モードの設定などを行うために用いられる。データ出力回路27は、データ出力用のインターフェース(例えば、RS232などのポート)を含み、測定した流量や流体の種類に関するデータを図示しない外部装置(例えば、半導体製造ラインにおいて各種制御を管理するコンピュータ)に出力する。
次に、本実施の形態における流体W中の音速Cの具体的な算出方法について説明する。
まず、第2センサ部12において、上流側の第2超音波振動子18から超音波S
0を出力する。配管17はフッ素樹脂からなり流体Wと音響インピーダンスが異なるため、一対の内壁面17a,17b(流体Wとの境界面)で超音波S
0がそれぞれ反射する。そして、各反射波S
01,S
11の受信時刻t1,t2から超音波の伝搬時間T1(=t2−t1)を取得する(図4参照)。具体的には、図4に示されるように、各反射波S
01,S
11の受信時刻t1,t2(波形信号が所定のしきい値電圧を超えたタイミング)において検波回路44から検出信号が出力される。タイマ46では、その検出信号に基づいて反射波S
01が受信されてから反射波S
11が受信されるまでの時間が計測され、その計測値が伝搬時間T1として取得される。ここで、超音波S
0の伝搬距離は、各内壁面17a,17bの間隔d
1(流路の幅)の2倍であるため、次式(6)のように、伝搬距離2d
1を伝搬時間T1で除算することで流体W中の音速Cが求められる。
また、流体W中の音速Cは、下流側の第2超音波振動子19を用いても同様に求めることができる。なおこの場合、超音波の伝搬距離は2d2となる。
次に、超音波S0の伝搬時間差から流体Wの流量を算出する方法について説明する。
本実施の形態では、まず、第1センサ部11の一対の第1超音波振動子15,16において、例えば、250μs毎に、正方向、逆方向、逆方向及び正方向の順序となる所定パターンで一方の第1超音波振動子から超音波を送信するとともに、流体W中を伝搬した各超音波を他方の第1超音波振動子で受信する。このとき、第1超音波振動子15,16で電気信号に変換された超音波信号は、さらに第1信号処理回路22において切り替え回路31、受信回路33、検波回路34、及びA/D変換回路35を経てデジタル信号に変換された後、超音波の波形信号としてメモリ24に記憶される。なお、本実施の形態では、上述した所定パターンの超音波の送受信にて取得された4パルス分の波形信号が、流体Wの流量を求めるためのデータの塊としてメモリ24に記憶される。
そして、それら超音波の波形信号を比較することで、波形信号の相関関数を算出する。具体的には、例えば、最初に送受信した第1パルスの波形信号と次に送受信した第2パルスの波形信号とを比較して、第1パルスを基準とした相関関数を求める。また、第1パルスの波形信号と第3パルスの波形信号とを比較して、第1パルスを基準とした相関関数を求める。さらに、第1パルスの波形信号と第4パルスの波形信号とを比較して、第1パルスを基準とした相関関数を求める。同様に、第2パルスの波形信号と第3パルスの波形信号とを比較して第2パルスを基準とした相関関数を求め、第2パルスの波形信号と第4パルスの波形信号とを比較して第2パルスを基準とした相関関数を求める。さらに、第3パルスの波形信号と第4パルスの波形信号とを比較して第3パルスを基準とした相関関数を求める。
ここで、配管14を流れる流体W中に気泡などの異物が含まれる場合、その異物によって超音波が乱反射するため、受信された各超音波はその波形が異なるものとなる。この場合、各波形信号により求められた相関関数の相関値は、1よりも相当小さくなる。一方、流体W中に気泡が含まれない場合には、各超音波の波形は類似したものとなるため、相関関数の相関値が1に近い値(例えば0.97)となる。従って、本実施の形態では、相関関数の相関値が1に近い値(例えば、0.9以上)である場合に、測定に有効な波形信号であると判定する。そして、有効と判定した波形信号に基づいて、超音波の伝搬時間差を求める。
本実施の形態では、第1パルスの超音波及び第4パルスの超音波は、両方とも流体W中を正方向に伝搬している。従って、図5に示されるように、これら超音波の波形信号を比較して求めた相関関数f1は、その時間的なズレ量が0となる。これに対して、第1パルスの超音波及び第2パルスの超音波は、正方向及び逆方向に伝搬している。そのため、これら超音波の波形信号を比較して求めた相関関数f2は、前記相関関数f1と比較すると、超音波の伝搬時間差ΔTのズレが生じる。よって、本実施の形態では、相関関数f2の相関値が最大となる時刻に基づいて、超音波の伝搬時間差ΔTが求められる。
そして、式(6)により求めた流体W中の音速Cとこの伝搬時間差ΔTとを上記の式(5)に代入して流体Wの流速Vを求める。さらに、この流速Vに配管14の断面積Aを乗算することで流体Wの体積流量Q(=V×A)を求める。
なお、第1センサ部11で測定される流速Vは、配管14における略中央部分での測定値となっている。配管14において、流体Wの流れが乱れることにより、その中央部分よりも側壁側の流速Vが遅くなる。このため、流体Wの流速分布を考慮して体積流量Qを補正する必要がある。
また、本実施の形態の流体供給システム1では、複数種類の流体W1〜W4のうちのいずれかの流体Wを供給する構成であり、各流体W1〜W4の種類に応じて流れの特性が異なる。このため、流速Vに基づいて算出した体積流量Qに対して流体W1〜W4の種類に応じた流量補正を行うように構成している。
配管14内における流速分布(流体Wの流れの特性)は、次式(7)で示されるレイノルズ数Reによって決定される。
ここで、Vは特性流速、L1は特性長さ、 は動粘度係数である。特性長さL1は、配管14の形状によって決まる長さである。所定形状の配管14で流体Wの流量を測定する場合、レイノルズ数Reは、流体Wの流速Vに比例し、動粘度係数 に反比例して変化する。従って、流体Wの動粘度係数 によって配管14内での流速分布に違いが生じ、それに応じて誤差が生じて計測値が変化する。
表1には、複数種類の薬液の音速C、密度ρ、動粘度係数 に関するデータを示している。なおここでは、20℃における純水、フッ酸、塩酸、アンモニア水溶液、過酸化水素水を薬液の具体例として示している。
表1にて示されるように、純水とフッ酸とは密度ρが1.00g/cm3であるため、密度ρだけでは、流体Wが純水であるかフッ酸であるかの特定は困難であるが、音速Cを同時に測定することにより、流体Wの特定が可能となる。また、計測した流体Wの音速Cが1493m/sであったとしても、計測誤差によって流体Wが純水かアンモニア水溶液かの判断が困難となることがあるが、密度ρを同時に測定することによって、流体Wの特定を確実に行うことができる。
従って、本実施の形態の超音波流量計2では、流体Wの音速Cに加えて密度ρを求め、それら音速Cと密度ρとに基づいて流体出力用管路7に流れる流体Wの種類を特定し、その特定した種類に応じて流量補正を行うようにしている。なお、本実施の形態では、表1に示されるような複数種類の薬液に関するデータが流量補正を行うためのデータとしてメモリ24に予め記憶されている。
以下、流体Wの密度ρの算出方法について説明する。
第2センサ部12において、各第2超音波振動子18,19から発せられた超音波S
0は、その一部が配管17と流体Wとの境界面(各内壁面17a,17b)で反射する(図2参照)。これら内壁面17a,17bでの反射波S
01,S
11,S
02,S
12の信号強度は、次式(8),(9)の関係が成り立つ。
ここで、αは、流体Wの減衰定数であり、Z0は、配管17を構成するフッ素樹脂の音響インピーダンスであり、Zfは、流体Wの音響インピーダンスである。
これら式(8)及び式(9)により、各反射波S01,S11,S02,S12の信号強度と音響インピーダンスZ0とに基づいて流体Wの音響インピーダンスZfを求めることができる。
そして、流体Wの密度ρは、その音響インピーダンスZ
fと音速Cとに基づいて次式(10)により求められる。
また、本実施の形態の超音波流量計2では、配管14内を流れる流体Wの流量Qや動粘度係数 によって、第1センサ部11で計測される流量Qの計測誤差がどのような関係になるか予め調べ、その関係に応じて作成された補正式や補正テーブルのデータをメモリ24に記憶している。そして、流体Wの音速Cや密度ρを用いて特定した流体Wの動粘度係数 を使用して、流量Qの計測誤差を補正することにより、流体Wの種類に応じた流量Qを正確に計測するようにしている。
次に、本実施の形態において、流体Wの音速Cや密度ρを測定するための処理例について図6のフローチャートを用いて説明する。なお、図6の処理は、作業者が入力装置25に設けられている開始ボタンを操作したときに開始される。
まず、CPU21は、第2信号処理回路23のパルス発生回路42を動作させ、例えば500ms毎に駆動パルスを出力させるとともに、切り替え回路41の接続位置を切り替えて、第2センサ部12における上流側の第2超音波振動子18及び下流側の第2超音波振動子19に対して駆動パルスを順次供給する(ステップ100)。これにより、各第2超音波振動子18,19から超音波S0が照射され、流路の各内壁面17a,17bで反射された各反射波S01,S11,S02,S12の電気信号が検波回路44で抽出される。そして、CPU21は、A/D変換回路45で変換されたデータを取り込み、反射波S01,S11,S02,S12の信号強度のデータとしてメモリ24に記憶する。またこのとき、タイマ46により、反射波S01,S11の受信タイミングに基づいて超音波の伝搬時間T1が計測され、その伝搬時間T1のデータがメモリ24に記憶される。
そして、音速算出手段としてのCPU21は、超音波の伝搬時間T1と伝搬距離2d1とに基づいて、流体Wの音速Cを求める(ステップ110)。また、音響パラメータ算出手段としてのCPU21は、各反射波S01,S11,S02,S12の信号強度と配管17(フッ素樹脂)の音響インピーダンスZ0とに基づいて、流体Wの音響インピーダンスZfを求める(ステップ120)。さらに、CPU21は、流体Wの音響インピーダンスZfを音速Cで除算することにより流体Wの密度ρを求める(ステップ130)。
その後、CPU21は、密度ρの測定処理を継続するか否かを判定する(ステップ140)。具体的には、CPU21は、入力装置25の終了ボタンが操作されているか否かを判定し、終了ボタンが操作されていない場合には、ステップ100の処理に戻り、ステップ100〜ステップ140の処理を再度行う。そして、入力装置25の終了ボタンが操作された場合、CPU21は図6の処理を終了する。
次に、本実施の形態において、流体Wの流量を測定するための処理例について図7のフローチャートを用いて説明する。図7の処理は、図6の処理によって流体Wの音速Cや密度ρが測定された後に実行される。
先ず、CPU21は、第1信号処理回路22のパルス発生回路32を動作させ、250μs毎に駆動パルスを出力させるとともに、切り替え回路31の接続位置を切り替えて、上流側の第1超音波振動子15及び下流側の第1超音波振動子16に対して駆動パルスを順次供給する(ステップ200)。これにより、各第1超音波振動子15,16において、正方向、逆方向、逆方向及び正方向の順序となる所定パターンで超音波の送受信が行われる。そして、各第1超音波振動子15,16で受信された超音波信号は、第1信号処理回路22において切り替え回路31、受信回路33、検波回路34、及びA/D変換回路35を経てデジタル信号に変換される。CPU21は、そのA/D変換後の超音波信号を順次取り込み、超音波の波形信号としてメモリ24に記憶する。なおここでは、上述した所定パターンの4パルス分の波形信号がメモリ24に記憶される。
その後、CPU21は、各超音波の波形信号を読み出し、それら波形信号を比較して相関関数を算出する(ステップ210)。そして、CPU21は、波形信号の相関関数の相関値により測定に有効な波形信号であるか否かを判定する(ステップ220)。具体的には、相関関数の相関値が所定のしきい値(例えば、0.9)以上である場合、CPU21は、測定に有効な波形信号であると判定し、その波形信号のデータをメモリ24に残す。一方、所定のしきい値よりも小さい場合には、比較した波形信号の少なくとも一方が測定に無効な波形信号である。この場合、CPU21は、他の波形信号との比較で求めた相関関数により、測定に無効な波形信号を特定して、その波形信号のデータをメモリ24から削除する。そして、4パルスの超音波において、正方向の第1パルス及び第4パルスの波形信号の両方、または逆方向の第2パルス及び第3パルスの波形信号の両方が無効な波形信号であると判定した場合、液体中に異物の混入ありと判断して、CPU21はその旨を表示装置26に表示させる(ステップ230)。その後、CPU21は、ステップ200の処理に戻り、所定パターンでの超音波の送受信を再度行う。
一方、正方向の第1パルス及び第4パルスの波形信号の少なくとも一方が有効であると判定し、かつ逆方向の第2パルス及び第3パルスの波形信号の少なくとも一方が有効であると判定した場合、CPU21は、有効と判定した波形信号の相関関数に基づいて、正方向に伝搬した超音波と逆方向に伝搬した超音波との伝搬時間差ΔTを求める(ステップ240)。
さらに、CPU21は、図6の処理で求めた流体Wの音速Cとステップ240で求めた伝搬時間差ΔTとを用い、式(5)に対応した演算を行うことにより流体Wの流速Vを求め、さらにその流速Vと配管14の断面積Aとを乗算することにより流体Wの体積流量Qを求める(ステップ250)。
また、流体特定手段としてのCPU21は、図6の処理で求めた流体Wの音速Cと密度ρに基づいて、メモリ24に記憶されているデータを参照することにより、流体Wの種類を特定する(ステップ260)。
その後、流量補正手段としてのCPU21は、特定した流体Wの種類に応じた動粘度係数 のデータをメモリ24から読み出し、そのデータを使用して流量Qの補正を行う(ステップ270)。なおここでは、動粘度係数 とステップ250で算出した補正前の流量Qとに応じた補正率の関係を示す補正曲線のデータを用いて補正率を求め、その補正率によって補正前の流量Qを補正することで補正後の流量Qを求める。
その後、CPU21は、補正後の流量Qを表示装置26に表示させる(ステップ280)。なおこのとき、流量Qに加えて、特定した流体Wの種類に関する情報を表示装置26に表示させてもよい。また、外部装置からの要求時には、補正後の流量Qや特定した流体Wの種類に関する情報をデータ出力回路27から外部装置に転送する。
そして、CPU21は、流量Qの測定処理を継続するか否かを判定する(ステップ290)。具体的には、CPU21は、入力装置25の終了ボタンが操作されているか否かを判定し、終了ボタンが操作されていない場合には、ステップ200の処理に戻り、ステップ200〜ステップ290の処理を再度行う。そして、入力装置25の終了ボタンが操作された場合、CPU21は図7の処理を終了する。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の流体供給システム1では、超音波流量計2により、流体出力用管路7を流れる流体Wの音速Cと密度ρとが求められ、それら音速Cと密度ρとに基づいて流体Wの種類を特定することができる。そして、その特定した流体Wの種類に応じた流量補正を的確に行うことができる。このようにすると、複数本の流体供給用管路3〜6毎に流量計を設けなくても、複数種類の流体W1〜W4の流量Qを正確に測定することができ、システム1の部品コストを低減することが可能となる。
(2)本実施の形態の超音波流量計2では、補正後の流量Qと特定された流体Wの種類とが表示装置26に表示されるので、液体供給システム1の作動状態を的確に把握することができる。
(3)本実施の形態の超音波流量計2では、流体Wの流量Qだけではなく、流体Wの音速Cや密度ρを計測できることから、これらの計測情報に基づいて、製造ラインの異常を速やかに検知することが可能となる。
(4)本実施の形態の超音波流量計2では、波形信号の相関関数が算出され、その相関関数の相関値に基づいて、流体W中に異物が含まれない正常な状態で取得された有効な波形信号であるか否かを判定することができる。そして、有効と判定した波形信号に基づいて、超音波の伝搬時間差ΔTが求められ、その伝搬時間差ΔTにより流体Wの流量Qが求められる。このように、信頼性の高い波形信号のみを使用して流量Qを算出することができるので、測定精度を十分に高めることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図面に基づき説明する。本実施の形態の流体供給システム1は、濃度及び流量を調整した流体W(例えば、エタノール水溶液)を供給するシステムであり、例えば、燃料電池の発電効率を制御するために用いられる。
図8に示されるように、流体供給システム1は、超音波流量計2と、その超音波流量計2が設けられる流体供給用管路51と、濃度調整器52(濃度調整手段)を有し、所定濃度の流体Wを流体供給用管路51に供給する供給タンク53と、流体供給用管路51の途中に設けられる流量調整バルブ54(流量調整手段)と、濃度調整器52及び流量調整バルブ54を制御するコントローラ55(制御手段)とを備えている。なお、本実施の形態の流体供給システム1でも、流体Wは一定の温度(例えば20℃)に温度調節された状態で供給される。
流体供給システム1において、コントローラ55が濃度調整器52を制御することにより、供給タンク53の流体Wの濃度が予め設定された濃度となるよう調整される。そして、濃度の調整後の流体Wが供給タンク53から流体供給用管路51に供給される。また、コントローラ55が流量調整バルブ54の開度を制御することにより、流体供給用管路51に流れる流体Wの流量が予め設定された流量となるよう調整される。
本実施の形態の超音波流量計2は、第1の実施の形態と同じ構成であり、第1センサ部11と第2センサ部12とを備える。この超音波流量計2において、流体供給用管路51を流れる流体Wの密度ρが求められ、その密度ρに基づいて流体Wの濃度が求められる。
表2には、エタノール水溶液の濃度X、音速C、密度ρ、動粘度係数 に関するデータを示している。また、図9には、20℃におけるエタノール水溶液の濃度Xと、音速C、密度ρ、粘度η、動粘度係数 との関係を示している。
本実施の形態の超音波流量計2では、エタノール水溶液の濃度Xに対応した音速C、密度ρ、動粘度係数 に関するデータがメモリ24に記憶されている。そして、第2センサ部12で求めた流体Wの密度ρに基づいて、流体Wの濃度Xが特定される。そして、その流体Wの濃度Xに基づいて動粘度係数 が算出される。さらに、超音波流量計2では、その流体Wの動粘度係数 を使用して、第1センサ部11で計測した流量の計測誤差を補正する。これにより、流体Wの濃度Xに応じた流量を正確に計測することができる。
ここで、従来技術のように音速Cだけでエタノール水溶液の動粘度係数 を求めて流量補正を行う場合、図9に示されるように、測定された流体Wの音速Cが、例えば1500m/sであると、エタノール水溶液の濃度Xは、5%であるのか50%であるのか判断することができない。ここで、50%の濃度のエタノール水溶液を5%の濃度と誤って判断すると、実際の流体Wの流動粘度係数 が2.28cSt程度であるにもかかわらず、1.1cStの数値を使用して流量補正を行うこととなり、計測誤差が大きくなってしまう。これに対して、本実施の形態のように、密度ρを算出してその密度ρを用いれば、エタノール水溶液の濃度Xとその動粘度係数 が一意に求まるため、従来技術のような計測誤差を解消することができる。
また、超音波流量計2は、計測した流体Wの濃度Xと流量Qとをコントローラ55に出力する。そして、コントローラ55は、その濃度Xと流量Qとに基づいて、濃度調整器52及び流量調整バルブ54を制御する。このように流体供給システム1を構成すると、流量計と濃度計とを別々に設けなくても、流体供給用管路51に流れる流体Wの濃度X及び流量Qを的確に制御することができ、システム1の部品コストを低減することが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第3の実施の形態を図面に基づき説明する。本実施の形態では、超音波流量計2における第2センサ部12の配管17の構成を変更した点が上記第1の実施の形態と異なる。なお、本実施の形態の超音波流量計2において、第2センサ部12以外の他の構成(第1センサ部11や制御装置20の電気的構成など)は第1の実施の形態と同様である。
具体的には、図10に示されるように、本実施の形態における第2センサ部12の配管17は、上流側と下流側とで音響インピーダンスが異なる配管部材57,58で形成されている。また、この配管17における内壁面17a,17bの間隔d1(流路の幅)は、上流側と下流側とで等しく形成されている。
この場合、上流側の配管部材57の音響インピーダンスをZ
01、下流側の配管部材58の音響インピーダンスをZ
02とすると、各内壁面15a,15bでの反射波S
01,S
11,S
02,S
12は、次式(11),(12)の関係が成り立つ。
そして、これら式(11)及び式(12)により、各反射波S01,S11,S02,S12の信号強度と音響インピーダンスZ01,Z02とに基づいて、流体Wの音響インピーダンスZfを求めることができる。さらに、流体Wの音速Cは上記第1の実施の形態と同様の手法で求めることができ、その音速Cと音響インピーダンスZfとにより流体Wの密度ρを求めることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第4の実施の形態を説明する。本実施の形態でも、第2センサ部12における配管17の構成を変更した点が上記第1の実施の形態と異なる。なお、本実施の形態の超音波流量計2において、他の構成(第1センサ部11や制御装置20の電気的構成など)は第1の実施の形態と同様である。
具体的には、図11に示されるように、本実施の形態における第2センサ部12の配管17は、長方形状に形成されており、一方の第2超音波振動子18は第1の外壁面17e(図11では短辺側の外壁面)に配置されるとともに、他方の第2超音波振動子19は第1の外壁面17eと直交する第2の外壁面17f(図11では長辺側の外壁面)に配置されている。また、配管17において一対の第2超音波振動子18,19が配置される側壁の厚さは等しく、その配管17内に形成される流路は、水平方向の幅d1(内壁面17a,17bの間隔)が垂直方向の幅d2(内壁面17c,17dの間隔)の2倍となっている。なお、図11の配管17では、紙面の手前側から奥行き方向に流体Wが流れる。
このように第2センサ部12を構成した場合、各内壁面17a,17b,17c,17dで反射する反射波S01,S11,S02,S12は、上式(8),(9)の関係が成り立つ。従って、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様に、流体Wの音響インピーダンスZfを求めることができ、さらには、流体Wの密度ρを求めることができる。また、上記第1の実施の形態のように、各超音波振動子18,19を流体Wの流通方向(上流側または下流側の方向)にずらして配置する必要がないため、超音波流量計2をコンパクトに形成することが可能となる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記第3の実施の形態において、第2センサ部12における配管17の上流側と下流側とは、音響インピーダンスZ01,Z02が異なる配管部材57,58で形成するものであったが、図12に示されるように、超音波の反射面となる内壁面17bの一部を配管17とは音響インピーダンスが異なる材質からなる反射板59で形成してもよい。このように第2センサ部12を形成した場合でも、各内壁面17a,17bにおける反射波S01,S11,S02,S12の信号強度に基づいて、配管17を流れる流体Wの音響インピーダンスZfや密度ρを求めることができる。
・上記各実施の形態では、超音波流量計2の第2センサ部12における第2超音波振動子18,19を用いて流体Wの音速Cを求めるものであったが、これに限定されるものではない。例えば、第1センサ部11の第1超音波振動子15,16を用いて超音波の伝搬時間差から流体Wの音速Cを求めてもよい。その具体的な算出方法について説明する。超音波流量計2において、第1センサ部11の流路長をL、流体Wの音速C、流速Vとした場合、流体Wの流れの正方向に伝搬した超音波の伝搬時間Tdと逆方向に伝搬した超音波の伝搬時間Tuは、上記式(1),(2)で表すことができる。そのため、それら式(1),式(2)により、音速Cは次式(13)のように表すことができる。
従って、第1センサ部11において正逆方向に伝搬した超音波の伝搬時間Td,Tuを計測し、各伝搬時間Td,Tuを上記式(13)に代入して演算することにより、流体Wの音速Cを求めることができる。そして、この音速Cを用いて上記各実施の形態と同様に流体Wの音響インピーダンスZfや密度ρを求めることができる。
・上記第1の実施の形態では、密度ρ及び音速Cにより流体Wの種類を特定するものであったが、これに限定されるものではない。密度ρに代えて音響インピーダンスZfを用いて流体Wの種類を特定するように構成してもよい。ただし、この場合には、複数種類の流体Wの音速C、音響インピーダンスZf、動粘度係数 に関するデータをメモリ24に記憶しておき、そのデータを使用して流体Wの種類を特定する。また、使用する流体Wの種類によっては、密度ρや音響インピーダンスZfのみで特定が可能な場合もあるので、その場合には、音速Cを使用しないで、算出した密度ρや音響インピーダンスZfにより流体Wの特定を行うようにしてもよい。また、第2の実施の形態においても、密度ρに代えて音響インピーダンスZfを用いて流体Wの濃度Xを求めるように構成してもよし、密度ρや音響インピーダンスZfに加えて音速Cを用いて流体Wの濃度Xを求めるように構成してもよい。
・上記各実施の形態では、温度が一定(例えば、20℃)に保たれる流体供給システム1,1Aに具体化していたが、これに限定されるものではない。流体Wの温度が変化する場合には、第1センサ部11の配管14や第2センサ部12の配管17の途中にサーミスタなどの温度センサ56(温度検出手段)を設け(図13参照)、流体Wの温度を流体Wの密度ρと同時に測定する。また、温度に応じた密度ρや動粘度係数 などのデータをメモリ24に記憶しておく。そして、温度センサ56で検出した温度に応じたデータを参照し、必要時には補間や直線近似などの演算を行うことにより、密度ρや動粘度係数 を求める。このようにすれば、流体Wの温度が変化した場合でも、流体Wの種類の特定を確実に行うことができ、温度に応じた流量補正を行うことができる。
上記各実施の形態では、第1センサ部11において、流体Wの流れと平行な方向に超音波が伝搬するよう一対の超音波振動子15,16を配置するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、流体Wの流れ方向に対して所定の角度(例えば、45°の角度)で超音波が伝搬するように各超音波振動子15,16を設けてもよい。
・上記各実施の形態では、波形信号の相関関数を求め、相関値によって測定に有効な波形信号を判定するように構成していたが、これに限定されるものではない。例えば、気泡などを含まない流体Wを測定する場合には、信頼性の高い波形信号を確実に取得できるので、相関関数を算出する必要はなく、取得した波形信号をそのまま利用して伝搬時間差を算出してもよい。
・上記各実施の形態において、第1センサ部11を省略し、第2センサ部12と制御装置20とにより、流体Wの濃度Xまたは動粘度係数 を測定する超音波計測器として具体化してもよい。この超音波計測器では、第2センサ部12で求めた流体Wの音速Cと音響インピーダンスZfとの2つのパラメータを使用して濃度Xまたは動粘度係数 を正確に求めることができる。
・上記各実施の形態では、半導体製造ラインの液体供給システム1や燃料電池の液体供給システム1に超音波流量計2を用いるものであったが、これに限定されるものではない。例えば、所定の化学反応を進行させる装置などに超音波流量計2を用いることにより、流体Wにおいて反応に寄与している成分の濃度Xや流体Wの音響インピーダンスZfを求め、反応の進行度合や反応効率を把握するようにしてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段1において、前記管路に設けられ、前記管路を流れる流体の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記記憶手段には、前記流体の温度に応じた前記音響パラメータのデータが記憶され、前記流体特定手段は、前記温度検出手段が検出した温度に応じたデータを参照することにより、前記流体の種類を特定することを特徴とする超音波流量計。
(2)技術的思想(1)において、前記流量補正手段は、前記流体の種類及び流体の温度に基づいて、前記流体の流量を補正することを特徴とする超音波流量計。
(3)手段1において、前記記憶手段には、複数種類の流体について前記音響パラメータに対応した流体の粘度または動粘度係数のデータが記憶され、前記流量補正手段は、前記流体特定手段が特定した流体の種類に応じた前記データに基づいて、前記流体の粘度または動粘度係数を算出し、その算出結果に基づいて前記流量を補正することを特徴とする超音波流量計。
(4)手段2において、前記流体特定手段は、前記音響インピーダンス及び前記密度のいずれかの音響パラメータ、またはその音響パラメータと前記音速とに基づいて、前記流体の種類を特定することを特徴とする超音波流量計。
(5)手段1または2において、前記補正した流量と、前記特定した流体の種類の情報とを表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする超音波流量計。