JP5607449B2 - 車輪・車軸重量測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両の車輪重量や車軸重量を測定する車輪・車軸重量測定システムに関し、特に、車輪・車軸重量測定システムを構成する計量器のスパンの良否の点検、スパン校正作業を行うものに関する。
従来、車輪の重量測定システムには、荷重センサを設けた計量台を道路面に埋め込み、計量台上にタイヤが載るタイミングで車輪重量を測定している。具体的には、特許文献1や2に開示されたものがある。特許文献1の技術は、計量台の長さを車輪進行方向についてタイヤの接地面長さよりも充分に長く設定し、計量台を複数個のロードセルで支持し、道路面にタイヤが接触していない状態で車輪の重量を測定するものである。特許文献2の技術は、タイヤの進行方向における計量台の長さタイヤの接地面長さよりも短く設定し、タイヤ接地面が常に道路面に接触しながら車輪の重量を測定するものである。
特公昭53−23099号公報 特開昭63−286724号公報
特許文献1、2に示されているような重量測定システムの計量台は、道路面に埋設されており、夏の直射日光、冬の凍結、年間を通じての風雨に晒され、場合によっては水没することもある。また1日だけ見ても昼夜の気温差が激しい。そのため、計量台に設けられているロードセルにとって周囲の環境条件は極めて厳しい。
特許文献1、2の技術において使用されるロードセルの起歪部200は、図9に示すように金属ケース202によって包囲された気密室204に収容されているが、荷重信号を外部に出力し、電源を内部に取り込むための配線を金属ケース202の外部に取り出す必要がある。そのため、金属ケース202に気密端子板取り付け用金属枠206が溶接され、この金属枠206に気密端子板外枠205がハンダ溶接され、気密端子板外枠に保護されたガラス製の配線取り出し用の気密端子板208が取り付けられている。気密端子板取り付け用金属枠206の外部には、外部機器からの配線を、気密端子板208に接続する防水コネクタ210が取り付けられている。防水コネクタ210内の配線接続室210aにおいて外部配線であるケーブル212が気密端子板208の気密端子208aに接続されている。
防水コネクタ210は金属製であり、ケーブル212の導入部はゴム製のシール部材214によってシールされているが、配線接続室210aの機密性は、金属ケース202内のように完全ではなく、また、配線ケーブル212の内部の隙間を通しても通常の空気が侵入する。通常の空気には水蒸気成分も含まれるので、常に高い絶縁抵抗を保つ必要のある気密端子板208の信号線の間や、信号線と金属ケース202との間において抵抗値の低下が起こり、荷重信号のスパンがドリフトする可能性が高い。しかも、ロードセル周囲の温度差は極めて大きいので、絶縁低下がない状態であっても、温度補償が精確に機能しない。
計量台周辺、計量台への泥の堆積、計量台周辺の道路面の摩耗があって、特に特許文献2の計量台では、道路面と計量台表面との高さに差が生じると、道路面と計量台との間の荷重配分が変化する。
このような使用条件であるので、車輪・車軸重量測定システムでは、他の種類の計量器に比べて、長期安定なスパンの維持が困難であり、故障率も高くなる。従って、短い間隔での定期点検が必要になる。
しかし、スパンの点検と校正作業は、従来、車両の通行を止めて行う必要があり、作業が大がかりになり、車両の通行障害も生じる。
そこで、本発明は、できるだけ容易にかつ早期にスパンの変動を察知し、見過ごせない変動のある場合には、容易にスパンの点検、校正作業が行える車輪・車軸重量測定システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様の車輪・車軸重量測定システムは、道路面上に計量台を設置した少なくとも1台の計量器と、前記計量台上を少なくとも1回通過する試験車両の車輪または車軸の重量を測定する荷重信号測定装置と、前記試験車両に設けられた車載制御装置とを、
備えている。計量器は、複数台を、車両の走行方向に沿って配置することもできる。また、試験車両は、計量器上を複数回にわたって走行することができる。前記試験車両では、前記車輪または車軸の重量が既知である。例えば、この既知の重量は、既知重量の物体を試験車両に載荷したときの車輪または車軸の重量である。この車輪または車軸の重量は、車輪ごと、車軸ごとに求めておくことができる。前記荷重信号測定装置から前記車載制御装置に、前記計量器で測定した前記試験車両の前記車輪または車軸の重量を、無線で送信する無線通信手段が、前記荷重信号測定装置及び前記車載制御装置に設けられている。荷重信号測定装置側にも、車載制御装置側にも送信手段及び受信手段を設ければよい。前記車載制御装置は、前記無線送信された前記試験車両の前記車輪または車軸の重量と、その平均値との一方または双方を、計量器別、車軸別に表示する表示手段を、備えている。平均値は、試験車両の車輪または車軸が計量器上を通過している間に複数回得た車輪または車軸の重量の平均値とすることもできるし、試験車両が複数回にわたって計量器上を通過した際の車輪または車軸の重量の平均値とすることもできる。
車輪または車軸の重量が既知であるので、表示手段に計量器別に表示される車輪または車軸の重量、その平均値を見ることによって計量器別にスパンの変動状態を点検できる。なお、表示手段に既知の車輪または車軸の重量を表示しておくと、この点検をより容易に行うことができる。
前記表示手段は、前記計量器における前記車両による重量測定回数も表示するものとすることができる。これによって、試験車両が計量器上を通過した回数を知ることもできる。
前記試験車両が前記計量台上を通過するとき、前記荷重信号測定装置が前記試験車両の前記車輪別または車軸別の重量値を計量器別に測定することができる。この場合、前記車載制御装置からの指令信号によって、スパン校正手段が、前記試験車両の前記車輪別または車軸別の重量測定値と、前記試験車両の現在の積載荷重に対応する車輪別または車軸別の重量であるスパン校正用基準値とに基づいて、前記計量器スパンを校正する。このスパン校正手段は、前記荷重信号測定装置に設けられている。
このように、試験車両側にある車載制御装置から指令を与えることによって自動的にスパン校正を行うことができる。
以上のように、本発明によれば、試験車両に計量器上を走行させるだけで、試験車両の車載制御装置でスパンの変動状況を把握することができる。従って、容易にかつ早期にスパンの変動を察知することができる。また、車載制御装置から指令を送るだけで、荷重信号測定装置側のスパン校正手段によって自動的にスパン調整を行うことができるので、スパン校正を容易に行うことができる。
本発明の1実施形態の車輪・車軸重量測定システムのブロック図である。 図1の車輪・車軸重量測定システムの計量器上をタイヤが通過するに連れての各計量器の出力信号の変化を示す図である。 図1の車輪・車軸重量測定システムの第2の計量器の構成を示す正面図、平面図及び側面図である。 図1の車輪・車軸重量測定システムの第2の計量器での計量原理の説明図である。 図1の車輪・車軸重量測定システムにおいて使用する車載制御装置のブロック図である。 図1の車輪・車軸重量測定システムにおけるスパン点検処理の一部のフローチャートを示す図である。 図6のフローチャートに続くフローチャートを示す図である。 図1の車輪・車軸重量測定システムにおけるスパン校正処理のフローチャートを示す図である。 従来の車輪・車軸重量測定システムに使用する計量器の部分省略縦断面図である。
本発明の1実施形態の車輪・車軸重量測定システムでは、図1に示すように、道路面2上を図示していない車両が矢印方向に走行することを前提とする。この車輪・車軸重量測定システムは、荷重信号測定装置と、車載制御装置とを、備えている。道路面2に、第1の計量器4が設置されている。この第1の計量器4の近傍に、荷重信号測定装置が設けられている。
第1の計量器4は、図2(a)に示すように計量台6を有し、この計量台6の下面の車両の乗り込み側を複数台、例えば2台の第1の重量値測定手段、例えばロードセル8aが支持し、計量台6の下面の車両の降り口側を、複数台、例えば2台の第1の重量値測定手段、例えばロードセル8bが支持している。この計量台6は、車両の同一の軸に取り付けられている2つの車輪の重量をそれぞれ個別に測定するために、道路面2の幅方向に沿って2台設けられている。なお、第1の計量器4によって車両の1軸に取り付けられている2つの車輪の重量を同時に測定する場合には、道路面2の幅方向の2つの車輪が同時に載る幅寸法を持つ1台の計量台6を使用する。これら計量台6は、図2(a)に示すように車両のタイヤ9の道路面2へ接地面における車両進行方向の長さL’よりも大きな長さ寸法Lを車両の進行方向に有している。
ロードセル8a、8bの出力信号は、増幅器10によって増幅され、A/D変換部12によってデジタル変換され、荷重信号測定装置の処理手段、例えば演算回路14に供給される。演算回路14は、例えばCPU、メモリ、入出力回路等から構成され、操作部14a、表示部14bを備えている。この演算回路14での演算処理の結果は、無線通信手段、例えば無線送受信回路13及びアンテナ15によって試験車両の車載制御装置に送信されることがあり、また、車載制御装置からのデータを受信し、これを演算処理することがある。
第1の計量器4から車両の進行方向に離れた道路面2には、複数、例えば2台の第2の計量器16、18が間隔をおいて設けられている。第2の計量器16、18は、同一構造のものであり、第2の計量器16についてのみ説明する。第2の計量器16は、図3(a)乃至(c)に示すように、車両の進行方向の長さがL2以下で、道路面2の幅方向の長さがL2’の起歪体20からなる第2の重量値測定手段、例えばロードセル22a、22b、22c、22dを道路面2の幅方向に複数台、例えば4台並べ、これらロードセル22a乃至22d上に、車両の進行方向に沿う長さがL2の計量台24を配置したものである。L2は、タイヤ9の接地面の車両進行方向の長さL’よりも短く設定されている。そのため、タイヤ9の接地面が計量台24上に乗り込んだ状態であっても、タイヤ9の全荷重は、或る比率で道路面2と計量台24とに分割して負荷される。
なお、第1の計量器4と第2の計量器16とに跨ってタイヤ9が存在しないように、両者の間隔は設定されているし、第2の計量器16、18間に跨ってタイヤ9が存在しないように、両者の間隔が設定されている。
車両の1つの軸に設けられている2つの車輪の重量を個別に測定する場合には、1つの車輪用にロードセル22a、22bの出力を合成し、他の1つの車輪用にロードセル22c、22dの出力を合成する。1つの軸に設けられている2つの車軸の重量の合計値を車軸重量として測定する場合には、ロードセル22a乃至ロードセル22dの出力を合成する。これらロードセル22a乃至22dの出力信号は、増幅器10によって増幅され、A/D変換部12によってデジタル変換され、演算回路14に供給され、演算回路14で処理される。
演算回路14において行う第1の計量器4の出力信号の処理について図2(a)、(b)を参照して説明する。図2の荷重信号は、タイヤ中心位置の移動に対応するロードセル8a、8bの出力信号とする。なお、以下の説明は、1つの車輪の重量を測定する場合であるが、以下の説明を基に、1つの軸に設けられている2つの車輪の重量(軸重)を測定することは、当業者には自明である。第1の計量器4では、動的重量測定モードと、静的重量測定モードとの2つのモードで測定可能である。
これら両モードで測定するために、計量台6上にタイヤ9が完全に乗り込み、タイヤ9の接地面と道路面2との接触が無くなった直後の位置p1と、計量台6上に乗り込んだタイヤ9が計量台6上を前進して、これよりも進行すると道路面2と接触する位置p2とを、ロードセル8a、8bの出力信号上で定める。位置p1、p2間の距離をL11とすると、タイヤ9が計量台6上のL11区間に滞在する時間が長く継続でき、次に計量台6に進んでくるタイヤの接地面が計量台6に触れる前に、L11からタイヤ9が離れるように計量台6の長さL1と、位置p1、p2が設定されている。
位置p1、p2はロードセル8a、8bの出力信号の比率と予め定めた一定値との間に定めた条件が成立する位置として定義されている。すなわち、ロードセル8aの出力信号をw1、ロードセル8bの出力信号をw2とし、これらは時間間隔Tで同じタイミングでサンプリングされ、サンプリング重量測定値としてw1(k)、w2(k)を得るものとすると、比率Rwはw1(k)/w2(k)によって求められる。そして、位置p1にあるときのw1(k)をw11(k)、同w2(k)をw21(k)として、予め定めた値をw11(k)/w21(k)=f1として定め、比率Rwがf1より大きくなり、次にf1より減少したとき、位置p1に到達したと決定する。
同様に、位置p2におけるw1(k)をw12(k)、w2(k)をw22(k)とし、w22(k)/w12(k)=f2として定め、位置p1が決定された後、Rwがf2より大きくなった時点を位置p2に到達した時点とする。
このようにw1(k)、w2(k)の比率によって位置p1、p2を定義すれば、これらの位置は、車輪重量の大きさに影響を受けない。
位置p1乃至p2間におけるw1(k)、w2(k)を求めることによって、タイヤ9のサンプリング重量値wiは、
wi=w1(k)+w2(k)
によって求められ、位置p1乃至p2間のサンプリング重量値の個数をNとすると、タイヤ9の重量測定値W1dは
W1d=Σwi/N
によって求められる。このようにしてW1dを求めることを動的重力測定モードという。
また、上記の動的重量測定モードは、車両が円滑に計量台6上を通過することを前提としている。しかし、タイヤ9が計量台6上にある状態で車両が停止したり、極めて低速でタイヤ9が計量台6上を通過したりするように車両が走行することがある。また、サンプリング時間間隔Tは、w1(k)、w2(k)に重畳されたノイズを減衰させたり、Rwを感度よく正確に測定したりするために、数m秒の短い時間間隔で設定することが多い。そのため、上述したような場合、ΣWiは極めて大きい値になる。そこで、位置p1が検出された時点から計時するために、カウンタ動作を開始させ、サンプリング時間間隔TごとにインクリメントするタイマT1を設け、このタイマのカウント値Tsが予め定めたNm以上になったとき、wiの累算を中止し、重量測定値W1sとして、
W1s=Σwi/Nm
によって求める。このようにしてW1sを求めることを静的重量測定モードという。
なお、Nmは、w1(k)、w2(k)に低周波ノイズ信号が重畳されていても、上述したように平均化することによって充分に減衰させることができる値に設定してある。
上記の説明から明らかなように、第1の計量器4での重量測定モードは、車両の走行速度状態に応じて、自動的に切り換えられる。
演算回路14において行う第2の計量器16、18の出力信号の処理について説明する。以下の説明は、1つの車輪の重量を測定する場合であるが、以下の説明を基に1つの軸に設けられている2つの車輪の重量(軸重)を測定することは、当業者には自明である。図4(a)は、タイヤ9の接地面を表しており、タイヤ9の接地幅をAi、タイヤ9がサンプリング時間間隔Tごとに移動する距離をDi、タイヤ9の単位面積当たりの荷重をP、接地面積をSとすると、タイヤ9の接地面の全荷重Wは、
W=P*S=P*Σ(Ai*Di)
である。サンプリング時間間隔Tごとにタイヤ9が移動する距離Diは、車速がVであるとすると、図4(a)において
Di=V*T
である。タイヤ9の接地長さL’は、第2の計量器16、18の計量台の長さL2よりも長いので、上述したように、タイヤ接地面全体の荷重はL2部と道路面2とに分割負荷され、タイヤ9の接地面全体の荷重Wに対して、第2の計量器16、18の計量台の長さL2の部分が荷重を受けるとすると、第2の計量器16、18がタイヤ9から受ける荷重の測定値、すなわち第2の計量器16、18の出力信号をサンプリングした重量測定値Wiは、図4(b)より、
Wi=P*Ai*L2
で表される。これを変形すると、
P*Ai=Wi/L2
となり、上記タイヤ接地面の全荷重Wの式、移動距離Diの式、P*Aiの式から、タイヤ9の重量であるタイヤ接地面の全荷重Wは、
W=P*S=P*Σ(Ai*Di)=Σ(P*Ai*Di)=Σ(P*Ai*V*T)
=Σ[(Wi*V*T)/L2]=(V*T/L2)ΣWi
の式で、求められる。第2の計量器16、18の出力信号をw3とし、この出力信号を時間間隔Tごとにサンプリングした重量測定値をw3(k)とすると、
W2d=(V*T/L2)Σw3(k)
と表される。この測定は、車両が一定の速度Vで進行しているときのみタイヤ9の重量を正確に測定可能であり、このようにしてW2dを求めることを第2の計量器における動的重量測定モードという。
上記のようにして、W2dを演算するには、ΣW3(k)の開始タイミング(図2(b)に示す位置p3、p4)を決定する必要がある。p3、p4は、第2の計量器16、18の出力信号w3(k)に対して荷重負荷の方向に予め境界重量Wfを定め、位置p2を決定後に、w3(k)がwfを超えた時点をp3とし、位置p3を決定後であって、w3(k)が零点に戻った後、初めてw3(k)がwfを超えた時点をp4とする。
第2の計量器16、18上にタイヤ9が存在する状態で車両が停止したり、極めて低速でタイヤが計量台上を通過したりするように車両が進行すると、Σw3(k)の値が膨大になる。そこで、タイマカウンタT4、T5を設け、p3点またはp4点を検出したときからサンプリング時間間隔TごとにT4、T5にカウントさせ、カウント値が予め定めた値Nm1、Nm2を超えると、重量測定値の加算を停止させ、第2の計量器16、18での動的重量測定を停止させる。
第2の計量器16、18での動的重量測定には、第2の計量器16、18を通過する車両の速度が必要である。また、後述するように、第1の計量器4での測定と第2の計量器16、18での測定とを切り換えるために、第2の計量器4を車両が通過する速度を使用する。そのために、演算回路14では、これらの速度測定が行われている。
まず、第1の計量器4上を通過する速度V1の検出について述べる。第1の計量器4において、ロードセル8a、8bが計量台6を支持している点を、図2(a)に示すようにqa、qb点とし、点qa、qb間の距離をAとすると、ロードセル8aの出力信号上の位置p1に対応する位置q1とqa点との距離A1は、点qa、qbでのロードセル8a、8bの出力信号がピークであり、かつ等しいと近似した上で、上述したf1を利用することによって、近似的に
A1≒(1/f1)*A
によって求められる。同様にしてロードセル8bの出力信号上の位置p2に対応する位置q2とqb点との距離A2もf2とAとによって近似的に求められる。従って、ロードセル8a、8b間の距離Aと、f1、f2を演算回路14に設定することによって、図2(b)に示すL11(位置p1、p2の距離)をL11=A−(A1+A2)によって自動的に算出する。そして、位置p1からタイマカウンタT1でのカウントを開始し、位置p2でカウントを停止して、カウント値C1が得られると、車速V1は、
V1=L11/C1
によって算出される。
第2の計量器16上を通過する速度V3の検出について述べる。速度V3として、第1の計量器4の計量台6の中央q0から第2の計量器16の入力端q3までを車両が通過する速度を使用する。第2の計量器16の計量台上にタイヤ9が載る直前に速度が急速に変化する可能性は少ないからである。q0点にタイヤ9が到達したとき、ロードセル8a、8bの出力信号w1(k)とw2(k)とは等しくなる。そこで、w1(k)≦w2(k)が始めて成立した時点をq0点とする。また、第2の計量器16の入力端q3にタイヤ9が到達した時点は、位置p3とほぼ一致する。そこで、位置p0からタイマカウンタT3でカウントを開始し、上述した位置p3に到達したときのカウント値C3と、予め設定しておいたq0、q3間の距離L31とを用いて、V3を
V3=L31/(C3*T)
として検出する。Tは上述したサンプリング時間間隔である。
第2の計量器16上を通過する速度V4の検出について述べる。タイマカウンタT3において、位置P4が検出されるまでカウントを継続する。そして、予め設定しておいたq3、q4間の距離L41とし、位置P4でのカウント値をC4とすると、V4は、
V4=L41/[(C4−C3)*T]
によって検出できる。
第1の計量器4に対して車両が停止またはそれに近い状態になることや、遅い場合や、速い場合がある。
車両が停止またはそれに近い状態では、車両の速度を検出するよりも車両が第1の計量台6上に滞在する時間を検出するようにし、滞在時間が上述したNm*Tを超える場合には、上述した静的重量測定モードによる重量測定値W1sを車輪重量測定値とする。静的重量測定モードでの重量測定値W1sは、車両がほぼ停止状態であって、基本的に第1及び第2のロードセル8a、8bの出力信号に含まれる各種ノイズ信号の振幅は小さい上に、ノイズ信号があっても、充分に長いサンプリング測定時間(Nm*T)によってノイズ信号を平滑することができるので、第2の計量器16、18による重量測定値を使用する必要がない。
第1の計量器4に対して車両の速度が遅い場合、車両が走行状態であっても、低速であれば、第1の計量器4では、タイヤ9が道路面2に非接触の状態で或る程度の長さの重量測定時間がとれるので、良好な重量測定値W1dを得ることができる。また測定中に変速しても、1回のサンプリング重量測定値がタイヤ9の荷重を表すので、測定原理上誤差を生じない。
また、第1の計量器4に対して車両の速度が速い場合、第1の計量器4のロードセル8a、8bの出力信号には、車両のバネによる低周波ノイズ信号などによる誤差成分や衝撃荷重によるランダム成分があるが、上述したように車両の速度が速い場合には、測定時間(位置p1からp2を通過する時間)が短くなって、サンプリング数が少なくなるので、ノイズ平滑処理能力が低くなる。従って、第1の計量器4の重量測定値のみを使用すると、誤差が大きくなるので、第1の計量器4の重量測定値に加えて、第2の計量器16、18の重量測定値W2dも使用して、重量測定値を得る。
車両の速度が速くなると、次第にランダムノイズや振動ノイズの振幅が大きくなり、車両の速度が遅い場合に第1の計量器4が持っている高精度という特徴が失われるので、第2の計量器16、18の重量測定値のみを使用することも可能である。但し、車両の速度が速い場合でも、第1の計量器4は、タイヤ9が道路面2に非接触の状態で測定を行っているので、第2の計量器16、18よりも精度が高い場合もあるので、第1及び第2の計量器4、16、18に基づいて重量測定を、この実施形態では行っている。
第1及び第2の計量器4、16、18の重量測定値を使用する場合、各重量測定値の平均値を求めることによって、誤差を相殺することができる。また、低周波ノイズ信号については、計量器の台数が多いほど、周期ノイズ信号の種々の位相点における正負振幅を加算することができるので、ノイズ信号の減衰を大きくできる。ランダムノイズ信号についても、計量器の台数が多ければ多いほど、その標準偏差を小さくすることができる。
車載制御装置は、上述した第1の計量器4、第2の計量器16、18上を通過する試験車両に搭載されている。車載制御装置は、図5に示すように、演算回路30を備え、演算回路30は、例えばCPU、メモリ、入出力回路等から構成され、操作部30a、表示部30bを備えている。演算回路30は、無線送受信手段、例えば無線送受信回路32と、アンテナ34とを備え、荷重信号測定装置の無線送受信回路13及びアンテナ15を介して送信されたデータを、アンテナ34と無線送受信回路32とで受信し、このデータを処理する。また、操作部30aとの操作によって決定された指示を、無線送受信回路32とアンテナ34とによって、荷重信号測定装置に送信する。
上記の説明では、サンプリング測定重量値w1(k)、w2(k)、wiについての説明では、スパンや零点を無視しているが、実際に第1乃至第3の計量器4、16、18において車輪・車軸の重量を測定しようとする場合、零点やスパンを考慮しなければならず、従来の技術の項で述べたようにスパンが変動する可能性もある。そこでこの車輪・車軸重量測定システムでは、第1乃至第3の計量器4、16、18のスパンチェック及びスパン調整を、次のようにして行っている。なお、以下の説明では、車両の各車軸の重量を測定する場合について説明する。
荷重信号測定装置において、A/D変換部12から出力される第1の計量器4のデジタル荷重信号をWa1(ロードセル8a、8bの出力をサンプリングして加算したもの)、第2の計量器16のデジタル荷重信号を、Wa2(ロードセル22a乃至22dの出力をサンプリングして加算したもの)、第3の計量器18のデジタル荷重信号をWa3(ロードセル24a乃至24dの出力をサンプリングして加算したもの)とする。また、これらWa1乃至Wa3は、車両の軸重を測定する場合には、上述したようにして、タイヤが第1乃至第3の計量装置4、16、18に乗っていると判定された後に得られたものとする。第1乃至第3の計量器4、16、18の据え付け時のスパン調整の際に、計量台4、16、18が無負荷の状態のとき、初期荷重記憶操作を行うと、初期荷重操作時点のA/D変換部12から出力される第1乃至第3の計量器4、16、18からのデジタル荷重信号が、演算回路14に設けた計量器別の初期荷重レジスタWi1、Wi2、Wi3に記憶される。
初期荷重レジスタWi1乃至Wi3の記憶値もWi1乃至Wi3で表し、分銅などの既知重量を持つ荷重を計量台4、16、18へ負荷して調整、決定した第1乃至第3の計量器4、16、18のスパン係数をk1、k2、k3とすると、第1乃至第3の計量器4、16、18のサンプリング重量測定値Wn1乃至Wn3は、
Wn1=k1・(Wa1−Wi1)
Wn2=k2・(Wa2−Wi2)
Wn3=k3・(Wa3−Wi3)
と表される。
第1の計量器4を使用中に得られるサンプリング測定重量値Wn1に対して、所定の零点判定レベルWztを設定しておき、演算回路14にサンプリング重量値Wn1に対しU段のシフトレジスタを設けて、常に最新のU個のサンプリング重量値を記憶させ、U個がいずれもWzt以下であれば、これらは第1の計量器4が無負荷であるときのサンプリング重量測定値であるとして、これらの平均値を求めて、演算回路14に設けた零点記憶用レジスタWz1に零点重量値として自動的に記憶させる。第2及び第3の計量器16、18についても同様にして、演算回路14に設けた零点記憶用レジスタWz2、Wz3に零点重量値を記憶させる。
これら零点記憶レジスタWz1乃至Wz3の記憶値をWz1乃至Wz3で表すと、各サンプリング重量測定値Wn1乃至Wn3を、
Wn1=k1・(Wa1−Wi1)−Wz1
Wn2=k2・(Wa2−Wi2)−Wz2
Wn3=k3・(Wa3−Wi3)−Wz3
と表すことによって、零点調整に対応した重量測定値の算出式が得られる。
これらサンプリング重量測定値Wn1乃至Wn3は、表示器14bに表示される重量表示値よりも同じ荷重信号に対する分解能を高く定めてある。例えば第1乃至第3の計量器4、16、18が定格秤量20t、最小表示値10kgの計量器であれば、重量測定値の分解能は4倍の8000カウントと定め、重量測定値を表示するときには1/4にすることで表示重量値に換算している。
この車輪・車軸重量測定システムが通常に使用されている状態でのスパン点検、校正の実施について述べる。使用する試験車両は3軸であるとし、車輪・車軸重量測定システムは、上述したように車軸重量を測定するものとする。予め試験車両の車軸に既知の荷重を与える準備をする。試験車両の荷台に何らかの荷重を積載し、その積載位置が変化しないように固定しておく。点検、校正しようとする車輪・車軸重量測定システムとは別のスパン校正済みの車輪・車軸重量測定システムによって試験車両の第1乃至第3軸の車軸重量WS1、WS2、WS3を測定し、車載制御装置の演算回路30に記憶させる。車軸重量WS1、WS2、WS3は、試験車両の各車軸重量の基準値としてスパン校正に使用する。
試験車両を、一般車両と同様に走行させ、試験車両が点検対象となる車輪・車軸重量測定システムの手前に到着したとき、試験車両に先行する一般車両が車輪・車軸重量測定システムから離れたことを確認して、車載制御装置の操作部30aを操作して、スパン点検準備指令を送信する。荷重信号測定装置は、スパン点検準備指令を受信すると、スパン校正で使用する演算回路14内の累積加算メモリやカウンタをリセットし、車載制御装置へ点検準備OK信号を送信する。車載制御装置が点検準備OK信号を受信すると、表示器30bに点検準備OKの旨を表示する。
先行車両が第1乃至第3の計量器4、16、18上に存在しないことを確認して、図6に示すように、車載制御装置の操作部30aを操作して、零点調整指令を荷重信号測定装置に送信する(ステップS2)。荷重信号測定装置では、零点調整指令を受信すると、第1乃至第3の計量器4、16、18上に車両が存在しない状態での第1乃至第3の計量器4、16、18のサンプリング重量測定値Wa1、Wa2、Wa3をそれぞれR個演算回路14に取り込んで、それぞれの平均値Wb1、Wb2、Wb3を算出して、第1乃至第3の計量器4、16、18の安定な零点重量値を、初期荷重値として求め、演算回路14のメモリに記憶させる(ステップS4)。これによって、第1乃至第3の計量器4、16、18のサンプリング重量測定値Wn1、Wn2、Wn3は、
Wn1=k1・(Wb1−Wi1)−Wz1
Wn2=k2・(Wb2−Wi2)−Wz2
Wn3=k3・(Wb3−Wi3)−Wz3
によって算出され、現時点では、サンプリング重量測定値Wn1、Wn2、Wn3が零点重量測定値を表している。この現在の零点重量測定値Wn1乃至Wn3が車載制御装置に送信される(ステップS6)。このとき、零点重量測定値Wn1乃至Wn3には、第1乃至第3の計量器4、16、18のいずれの零点重量測定値であるかを表す計量器番号コードが付帯させてある。車載制御装置では、受信した零点重量測定値Wn1乃至Wn3を、計量器番号コードと共に表示器30bに計量器別に表示する(ステップS8)。
荷重信号測定装置で零点調整が行われる(ステップS10)。即ち、サンプリング重量測定値Wn1、Wn2、Wn3を零点記憶用レジスタWz1、Wz2、Wz3に加算する。その結果、サンプリング重量測定値Wn1乃至Wn3は零となる。サンプリング重量測定値Wn1、Wn2、Wn3、零点記憶用レジスタWz1、Wz2、Wz3の零点値を、データを表すコードと計量器番号を付帯させて車載制御装置に送信する(ステップS12)。車載制御装置では、受信したサンプリング重量測定値Wn1、Wn2、Wn3を計量器別に表示器30bに表示する(ステップS14)。この表示値は全て零であり、これによって試験車両側で各計量器の零点調整が完了したことを確認できる。
試験車両を第1乃至第3の計量器4、16、18上を順次低速、例えば5乃至10km/hで通過させる。図7に示すように、荷重信号測定装置において、第1乃至第3の軸に対する第1乃至第3の計量器4、16、18のデジタル荷重信号Wa11乃至Wa33をサンプリング周期ごとに測定する。無論、この測定は、上述したようにタイヤが第1乃至第3の計量器4、16、18に乗っていると判断された期間において行われる。第1の計量器4での第1乃至第3の軸のサンプリング重量測定値Wn11乃至Wn13が、第2の計量器16での第1乃至第3の軸のサンプリング重量測定値Wn21乃至Wn23が、第3の計量器18での第1乃至第3の軸のサンプリング重量値Wn31乃至Wn33が、以下のように演算される(ステップS16)。
Wn11=k1・(Wa11−Wi1)−Wz1
Wn12=k1・(Wa12−Wi1)−Wz1
Wn13=k1・(Wa13−Wi1)−Wz1
Wn21=k2・(Wa21−Wi2)−Wz2
Wn22=k2・(Wa22−Wi2)−Wz2
Wn23=k2・(Wa23−Wi2)−Wz2
Wn31=k3・(Wa31−Wi3)−Wz3
Wn32=k3・(Wa32−Wi3)−Wz3
Wn33=k3・(Wa33−Wi3)−Wz3
これらサンプリング重量測定値Wn11乃至Wn33では、例えばWn11が第1の計量器4での第1の軸のサンプリング重量測定値で、Wa11が第1の計量器4での第1軸のサンプリング周期ごとのデジタル荷重信号、Wn12が第1の計量器4での第2軸のサンプリング重量測定値で、Wa12が第1の計量器4での第2の軸のサンプリング周期ごとのデジタル荷重信号、Wn13が第1の計量器4での第3の軸のサンプリング重量値、Wa13が第1の計量器4での第3軸のサンプリング周期ごとのデジタル荷重信号である。Wn11乃至Wn13は、発生順序に従って第1乃至第3の軸いずれのものか判明する。W21乃至W33、Wa21乃至Wa33も同様である。これらサンプリング重量測定値Wn11乃至Wn33には、第1乃至第3の計量器4、16、18でのいずれでの測定値であるかを表す計量器番号コードと発生順序に基づく車軸番号コードとが付帯されている。
サンプリング周期ごとのWa11乃至Wa33と、これらに対応する計量器別の初期荷重値Wb1乃至Wb3を用いてスパン量Ws11乃至Ws33と、これらの累積値Σs11乃至Σs33を算出する(ステップS18)。
即ち、第1の計量器4において、第1の軸についてスパン量Ws11、第2の軸についてのスパン量Ws12、第3の軸についてのスパン量Ws13を、
Ws11=Wa11−Wb1
Ws12=Wa12−Wb1
Ws13=Wa13−Wb1
によって算出し、演算回路14に設けた累積メモリΣs11乃至Σs13において、
Ws11+Σs11=Σs11
Ws12+Σs12=Σs12
Ws13+Σs13=Σs13
の演算を行う。第2及び第3の計量器16、18においても同様にスパン量Ws21乃至Ws33及びスパン量の累積値Σs21乃至Σs33が、以下のように算出される。
Ws21=Wa11−Wb2
Ws22=Wa12−Wb2
Ws23=Wa13−Wb2
Ws31=Wa11−Wb3
Ws32=Wa12−Wb3
Ws33=Wa13−Wb3
Ws21+Σs21=Σs21
Ws22+Σs22=Σs22
Ws23+Σs23=Σs23
Ws31+Σs31=Σs31
Ws32+Σs32=Σs32
Ws33+Σs33=Σs33
このスパン量は、デジタル荷重信号から初期荷重を減算した値であり、スパン係数は乗算されていない。
次に、荷重測定装置の演算回路14に設けた試験車両走行回数のカウンタC1の値を1だけ増加させる(ステップS20)。なお、カウンタC1や累積メモリΣs11乃至Σs33は、スパン点検準備指令を受けたときにリセットされている。
車載制御装置へサンプリング重量測定値Wn11乃至Wn33を、計量器番号コードと車軸番号コードとを付帯させて送信する(ステップS22)。
車載制御装置では、第1乃至第3の計量器4、16、18別に、車軸別に、Wn11乃至Wn33を表示値のカウントレベルに変換して、表示器30bに表示する(ステップS24)。このとき、上述した基準値WS1乃至WS3も表示器30bに表示すると、現時点でのスパンの変動状態が目視できる。
車載制御装置において、Wn11乃至Wn33を演算回路30において累積し、演算回路30に設けた累積メモリΣn11乃至Σn33に記憶させる(ステップS26)。即ち、第1の計量器4における第1乃至3の軸の重量測定値について、
Wn11+Σn11=Σn11
Wn12+Σn12=Σn12
Wn13+Σn13=Σn13
の演算をする。以下同様に、第2及び第3の計量器16、18における第1乃至第3の軸の重量測定値について
Wn21+Σn21=Σn21
Wn22+Σn22=Σn22
Wn23+Σn23=Σn23
Wn31+Σn31=Σn31
Wn32+Σn32=Σn32
Wn33+Σn33=Σn33
の演算をする。
車載制御装置においても、試験車両走行回数のカウンタC2の値を1だけ増加させ(ステップS28)、表示器30bに表示させる(ステップS30)。Σn11乃至Σn33の値を用いて、第1乃至第3の計量器4、16、18における第1乃至第3の軸の測定値の平均値を算出して、計量器別及び車軸別に表示器30bに表示する(ステップS31)。平均値の算出のために、Wn11のサンプリング個数乃至Wn33のサンプリング個数がそれぞれカウントされている。
全ての車輪が、第1乃至第3の計量器4、16、18上の通過を完了すると、その旨が表示器30bに表示され、この表示を確認したことにより、操作部30aが操作されて、荷重信号測定装置に対して測定完了信号が荷重信号測定装置に送信される(ステップS32)。通過完了の検出のため、例えば第3の計量器18に車軸の検出手段を設けて、この検出手段の車軸の検出信号の数が3以上になったとき、通過完了の信号を荷重信号測定装置から車載制御装置に送信する。他の方法によっても、通過の完了の検出は可能である。
これによって1回のスパン点検作業が終了するが、必要に応じて、再び試験車両を第1乃至第3の計量器4、16、18上を通過させて、再度スパン点検を行う。再度、スパン点検を行うごとに、試験車両走行回数カウンタC1、C2のカウント値は1ずつ増加し、Σs11乃至Σs33、Σn11乃至Σn33の累積値も、それに応じて増加している。
表示器30bに表示されている第1乃至第3の計量器4、16、18における第1乃至第3の軸の重量の表示値と、試験車両の走行回数(C2)との値を評価して、スパン校正すると判断された場合、第1乃至第3の計量器4、16、18上に車両が存在しないことを確認して、車載制御装置の操作部30aを操作して、図8に示すように、スパン校正指令と、第1乃至第3の軸の基準重量値WS1、WS2、WS3を荷重信号測定装置に送信する(ステップS34)。スパン校正指令は上記の判断に応じて計量器を指定して、指定した計量器に対してのみ行うこともできる。以下には全ての計量器に対して行う場合を述べる。指令信号に計量器コードを付帯させる。
荷重信号測定装置では、スパン校正指令と基準重量値WS1、WS2、WS3とを受信すると、基準重量値WS1、WS2、WS3を表示重量値のカウントレベルから重量測定値のカウントレベルへ変換し(4倍し)、WS1’、WS2’、WS3’とする(ステップS36)。
次に第1の計量器4での第1乃至第3の軸の累積スパン量Σs11乃至Σs13と試験車両走行回数C1とWS1’とから、第1乃至第3の軸でのスパン係数k11、k12、k13を算出し、これらから計量器4のスパン係数k1を算出する(ステップS38)。即ち、第1の計量器4において、第1の軸の基準重量WS1’が
WS1’=k11・(Σs11/C1)
によって表されるように、スパン係数k11を、
k11=Ws1’/(Σs11/C1)
によって算出する。同様に、第1の計量器4において、第2の軸の基準重量WS2’、第3の軸の基準重量値WS3’が、
WS2’=k12・(Σs12/C1)
WS3’=k13・(Σs11/C1)
によって表されるように、スパン係数k12、k13を、
k12=WS2’/(Σs12/C1)
k13=WS3’/(Σs13/C1)
によって算出する。スパン係数k11乃至k13の平均値(k11+k12+k13)/3を求め、これを第1の計量器4の新たなスパン係数k1とする。
同様に、第2の計量器16での第1乃至第3の軸の累積スパン量と試験車両走行回数とWS1’乃至WS3’から第1乃至第3の軸でのスパン係数k21、k22、k23を算出し、これらから第2の計量器16のスパン係数k2を算出する(ステップS40)。即ち、k21乃至k23を、
k21=WS1’/(Σs21/C1)
k22=Ws2’/(Σs22/C1)
k23=WS3’/(Σs23/C1)
によって算出し、k21乃至k23の平均値(k21+k22+k23)/3を第2の計量器16の新たなスパン係数k2とする。
同様に、第3の計量器18での各軸の重量測定値から各軸でのスパン係数k31、k32、k33を算出し、これらから第3の計量器18のスパン係数k3を算出する(ステップS42)。即ち、k31乃至k33を、
k31=WS1’/(Σs31/C1)
k32=WS2’/(Σs32/C1)
k33=WS3’/(Σs33/C1)
によって算出し、k31乃至k33の平均値(k31+k32+k33)/3を第3の計量器18の新たなスパン係数k3とする。
次に、第1乃至第3の計量器4、16、18に車両が乗っていない状態でのデジタル荷重信号Wa1、Wa2、Wa3を、それぞれ所定個数R個分、演算回路14に取り込んで、それぞれの平均値Wb1、Wb2、Wb3を算出し、これらを第1乃至第3の計量器4、16、18の安定な初期荷重値と定める(ステップS44)。そして、
Wn1=k1・(Wa1−Wi1)−Wz1
Wn2=k2・(Wa2−Wi2)−Wz2
Wn3=k3・(Wa3−Wi3)−Wz3
におけるk1乃至k3を上述したように決定したk1乃至k3に置き換え、初期荷重値Wi1乃至Wi3を上記の如く新たに算出した初期荷重値Wb1乃至Wb3とし、Wz1乃至Wz3をリセットし、スパン校正を終了する(ステップS46)。
このようにしてスパン校正が終了した後の通常の運転中に、上述した試験車両が計量器4、16、18上を通行したとき、上述した計量器別の各車軸の重量測定値Wn1、Wn2、Wn3を荷重信号測定装置から車載制御装置へ送信し、車載制御装置において計量器別及び軸別に重量測定値を表示させる。また、荷重信号測定装置は、計量器4、16、18によって測定した1つの車軸重量を車速に応じた重み係数によって重み平均するなどを行うことによって車輪・車軸重量測定システムとしての重量測定値を各計量器の重量測定値を用いて算出するシステム重量測定値算出手段を備えている。この算出手段が出力する軸別のシステム重量測定値が車載制御装置に送信される。通常、使用者は、このシステム重量測定値を車軸重量とする。車載制御装置では、車軸別にシステム重量測定値の表示も行う。車軸重量が既知である試験車両の走行によって、システム重量測定値と、これを構成する計量器別重量値の表示を併せて、使用者に認識させることによって、システム重量測定値としてのスパン変化と計量器別の内訳との関係を使用者が認識して、スパン再調整や修理作業に役立たせる。
上記の実施形態では、第1乃至第3の計量器4、16、18を使用したが、いずれか1台の計量器を使用することもできるし、第1乃至第3の計量器4、16、18よりも多くの計量器を使用することもできる。また、第1乃至第3の計量器4、16、18と異なる構成であるが、それの計量台上を車両が通過する計量器を使用することもできる。上記の実施形態では、車軸の重量測定におけるスパン点検、校正について説明したが、車輪の重量測定におけるスパン点検、校正についても同様に行える。また、上記の実施形態では、車載制御装置の表示器30bに、第1乃至第3の計量器4、16、18別に、第1乃至第3の軸の重量Wn11乃至Wn33と、これらWn11乃至Wn33それぞれの累積値Σn11乃至Σn33を試験車両の走行回数のカウント値C2とに基づいて算出した平均値とを計量器別及び車軸別に表示したが、いずれか一方のみを表示することもできる。
4 16 18 計量器
13 無線送受信回路(無線通信手段)
14 演算回路(荷重信号測定装置)
30 演算回路(車載制御装置)
30b 表示器(表示手段)
32 無線送受信回路(無線通信手段)

Claims (4)

  1. 道路面上に計量台を設置した少なくとも1台の計量器と、
    前記計量台上を少なくとも1回通過する試験車両の車輪または車軸の重量を測定する荷重信号測定装置と、
    前記試験車両に設けられた車載制御装置とを、
    備え、
    前記試験車両は、前記車輪または車軸の重量が既知であり、
    前記荷重信号測定装置から前記車載制御装置に、前記計量器で測定した前記試験車両の前記車輪または車軸の重量を、無線で送信する無線通信手段が、前記荷重信号測定装置及び前記車載制御装置に設けられ、
    前記車載制御装置は、前記無線送信された前記試験車両の前記車輪または車軸の重量と、その平均値との一方または双方を、表示する表示手段を、備える
    車輪・車軸重量測定システム。
  2. 請求項1記載の車輪・車軸重量測定システムにおいて、前記計量器は、複数設けられ、前記表示手段は、前記車輪または車軸の重量と、その平均値との一方または双方を、前記複数の計量器別に表示する車輪・車軸重量測定システム。
  3. 請求項1または2記載の車輪・車軸重量測定システムにおいて、前記表示手段は、前記計量器における前記車両による重量測定回数も表示する車輪・車軸重量測定システム。
  4. 請求項1または2記載の車輪・車軸重量測定システムにおいて、
    前記試験車両が前記計量台上を通過するとき、前記荷重信号測定装置が前記試験車両の前記車輪または車軸の重量値を測定し、
    前記車載制御装置からの指令信号によって、前記試験車両の前記車輪または車軸の重量測定値と、前記試験車両の現在の積載荷重に対応する車輪または車軸の重量であるスパン校正用基準値とに基づいて、前記計量器のスパンを校正するスパン校正手段を、前記荷重信号測定装置が備える車輪・車軸重量測定システム。
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