JP5607357B2 - 抗原特異的b細胞のクローン集団を獲得するための培養方法 - Google Patents

抗原特異的b細胞のクローン集団を獲得するための培養方法 Download PDF

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Description

本願は、2006年5月19日に出願された米国仮特許出願第60/801,412の利益を主張するものである。
(発明の技術分野)
本発明は、抗原特異的な細胞のクローン集団を獲得するための培養方法に関連する。
(発明の背景)
所望の抗原に特異的な抗体を産生するB細胞を培養および同定するための方法は、当該技術分野において周知である。かかるB細胞は、抗原特異的抗体の回収や、かかる抗体をコードする核酸配列の回収において有用である。また、かかるB細胞は、抗原特異的な機能アッセイにも用いることが可能である。
抗体は、毒素、細菌、およびウイルスのような外来性抗原を同定するために、免疫システムによって用いられる。各抗体は、抗原の特異的エピトープに結合する。特異的エピトープを認識して結合する抗体の能力のために、抗体は有用な治療および診断ツールになる。免疫学的役割の他にも、成長因子、ホルモン、および酵素のような他のタンパク質を含む、実質的にあらゆる物質を認識するように、抗体を産生させることが可能である。
モノクローナル抗体を産生する方法としては体細胞雑種形成が挙げられるが、当該方法では、抗原で動物を免疫化して免疫学的応答を誘導し、該動物のB細胞を採取して雑種細胞を形成するために不死細胞株に融合し、該雑種細胞をスクリーニングして抗原特異性を有するクローンを同定する。しかし、抗原特異的B細胞の頻度が低いために、抗原特異的クローンを単離することが困難である。特定のエピトープ特異性または機能活性も呈する抗原特異的B細胞を探そうとする場合には、望ましい候補の頻度はさらに低いものとなる。
また、モノクローナル抗体は、所望の抗原に特異的なモノクローナル抗体を産生するB細胞から、抗体をコードする核酸配列をクローニングし、これらの核酸配列またはそこから由来する修飾配列を、哺乳類細胞または細菌発現系のような好適な組換え発現系内で発現させることにより、産生することができる。所望の抗原特異性を有するモノクローナル抗体の無限に産生することが可能である一方で、かかる抗体の配列をヒト化またはキメラ化等修飾することもできるため、かかる方法は雑種細胞技術よりも好まれる。
本発明は、抗原特異的な細胞のクローン集団を単離するための培養方法を提供する。B細胞のクローン集団は、B細胞の機能アッセイにおいて、また抗原特異的モノクローナル抗体の回収およびかかる抗体をコードする核酸配列の回収において、潜在的に有用である。
図1は、様々な特異的なエピトープが抗体選択プロトコルにより調製された抗IL−6抗体のコレクションによって認識されたことを示す。エピトープの可変性は、抗体−IL−6結合競合試験(ForteBio Octet)により確認した。 図2は、様々な特異的なエピトープが抗体選択プロトコルにより調製された抗TNF−α抗体のコレクションによって認識されたことを示す。エピトープの可変性は、抗体−TNF−α結合競合試験(ForteBio Octet)により確認した。 図3は、抗−TNF−α抗体の結合親和性を表す。 図4は、抗−TNF−α抗体の比較細胞毒性を表す。 図5は、抗−Aβ抗体のエピトープ選択性を表す。 図6は、例示的なIL−6プロトコルにおける、産生IgGと抗原特異性との高い相関関係を示す。11個の内9個のウェルが、IgGと抗原認識との特異的な相関関係を示した。 図7は、例示的なヒトTNF−αプロトコルにおける、産生IgGと抗原特異性との高い相関関係を示す。20個の内18個のウェルが、IgGと抗原認識との特異的な相関関係を示した。
(発明な詳細な説明)
一実施形態において、本発明は、少なくとも1つの抗原特異的な細胞を単離するために用いることができる、抗原特異的B細胞のクローン集団を単離する方法を提供する。以下に説明および例示されるように、これらの方法は、別個に、組み合わせて、連続して、繰り返して、または定期的に用いることができる、一連の培養および選択工程を含む。好ましくは、これらの方法は、所望の抗原に特異的なモノクローナル抗体を産生するため、またはかかる抗体に対応する核酸配列を産生するために用いることができる、少なくとも1つの抗原特異的な細胞を単離するために用いられる。
一実施形態において、本発明は、
a.少なくとも1つの抗原特異的B細胞を含む細胞集団を調製する工程と、
b.少なくとも1つの抗原特異的B細胞を含む富化された細胞集団を形成するために、例えば、クロマトグラフィによって、上記細胞集団を富化する工程と
c.上記富化されたB細胞集団から、単一のB細胞を単離する工程と、
d.上記単一のB細胞が、上記抗原に特異的な抗体を産生するかどうかを決定する工程と、を含む方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、単一の抗体産生B細胞を単離する方法に改良を提供し、当該改良は、抗原に免疫化または自然曝露された宿主から獲得したB細胞集団を富化する工程から成り、上記富化する工程は、少なくとも1つの培養工程を含むいずれかの選択工程に先立ち、上記抗原に特異的な単一のモノクローナル抗体を産生するB細胞のクローン集団をもたらす。
本願を通して、「B細胞のクローン集団」という用語は、所望の抗原に特異的な単一の抗体のみを分泌するB細胞の集団を指す。つまり、これらの細胞は、所望の抗原に特異的な、一つの型のモノクローナル抗体のみを産生するということである。
本出願において、細胞集団の細胞を「富化する」ということは、混合細胞集団(例えば、所望の抗原に対して免疫化された宿主に由来するB細胞を含有する単離物)中に含有される、所望の細胞(典型的には、抗原特異的な細胞)の頻度を増加することを指す。つまり、富化された細胞集団は、富化工程の結果として抗原特異的な細胞をより高い頻度で有する細胞集団を包含するが、この細胞の集団は異なる抗体を含有および産生してもよい。
一般的な用語である「細胞集団」は、富化前および富化後の細胞集団を包含するが、複数の富化工程が行われる場合は、細胞集団は富化前および富化後の両方である可能性があることを留意されたい。例えば、一実施形態において、本発明は、
a.採取された細胞集団を獲得するために、免疫化された宿主から細胞集団を採取する工程と、
b.上記採取された細胞集団から、少なくとも1つの単一細胞懸濁液を作製する工程と、
c.第1の富化された細胞集団を形成するために、少なくとも1つの単一細胞懸濁液を富化する工程と、
d.第2の富化された細胞集団を形成するために、上記第1の富化された細胞集団を富化する工程と、
e.第3の富化された細胞集団を形成するために、前記第2の富化された細胞集団を富化する工程と、
f.上記第3の富化された細胞集団の抗原特異的な細胞によって産生される抗体を選択する工程と、を含む方法を提供する。
各細胞集団は、次の工程で使用されてもよく、または後の工程のために、長期または短期間保存するように部分的にまたは完全に冷凍されてもよい。また、細胞集団からの細胞は、単一細胞懸濁液を得るために単独で懸濁することもできる。単一細胞懸濁液は、単一細胞懸濁液が富化前の細胞集団としての役割を果たすように、富化することができる。その後、1つ以上の抗原特異的な単一細胞懸濁液が、富化された細胞集団をともに形成する;抗原特異的な単一細胞懸濁液は、ともにグループ化されてもよく、例えば、さらなる分析および/または抗体産生のために再播種されてもよい。
一実施形態において、約50%〜約100%、またはその中の増分の抗原特異的な細胞頻度を有する富化された細胞集団を得るために、細胞集団を富化する方法を提供する。好ましくは、富化された細胞集団は、約50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または100%を上回るか同等である抗原特異的な細胞頻度を有する。
別の実施形態において、本発明は、細胞集団を富化する方法を提供し、それにより、抗原特異的な細胞の頻度は、少なくとも2培、5培、10培、20培、50培、100培、またはその中の増分だけ増加する。
本願を通して、「増分」という用語は、様々な精度における数値、例えば、10、1、0.1、0.01等までの概数を定義するために用いられる。増分は、任意の測定可能な精度まで四捨五入することができ、また、範囲の両端が同じ精度になるように増分を四捨五入する必要はない。例えば、1〜100の範囲またはその中の増分は、20〜80、5〜50、および0.4〜98等の範囲を含む。範囲に上限がない場合、例えば、100未満の範囲である場合は、その中の増分は100と測定可能な限界値までの間の増分を意味する。例えば、100未満またはその中の増分は、例えば、温度等の特性が0で制限されない限り、0〜100またはその中の増分を意味する。
抗原特異性は、いずれの抗原に対して測定されてもよい。抗原は、抗体が結合できるいずれの物質であってもよく、ペプチド、タンパク質、またはその断片;炭水化物;有機および無機の分子;動物細胞、細菌細胞、およびウイルスによって産生される受容体;酵素;生物学的経路のアゴニストおよびアンタゴニスト;ホルモン;およびサイトカインを含むが、これらには制限されない。例示的な抗原は、IL−2、IL−4、IL−6、IL−10、IL−12、IL−13、IL−18、IFN−α,IFN−γ、BAFF、CXCL13、IP−10、VEGF、EPO、EGF、HRG、およびAβを含むが、これらに制限されない。好ましい抗原は、IL−6、IL−13、TNF−αおよびVEGF−αである。1つより多くの富化工程を利用する方法において、各富化工程で用いられる抗原は、同一であっても、または互いに異なっていてもよい。同一の抗原を用いる複数の富化工程は、多量のおよび/または様々な抗原特異的な細胞の集団を得ることができ;異なる抗原を用いる複数の富化工程は、異なる抗原に対して交差特異性(cross−specificity)を有する富化された細胞集団を得ることができる。
細胞集団の富化は、抗原特異的な細胞を単離するための、当該技術分野で既知であるいずれの細胞選択手段によっても行うことができる。例えば、細胞集団は、例えば、Miltenyiのビーズや磁気ビーズ技術のような、クロマトグラフィ技術を用いて富化されてもよい。ビーズは、対象となる抗原に直接または間接的に付着することができる。好ましい実施形態において、細胞集団を富化する方法は、少なくとも1つのクロマトグラフィ富化工程を含む。
また細胞集団は、例えば、ELISAアッセイまたはハロアッセイのような、当該技術分野で既知であるいずれの抗原特異性アッセイ技術を用いて行うことにより富化されてもよい。ELISAアッセイは、これらに限定されないが、選択的な抗原の固定化(例えば、ストレプトアビジン、アビジン、またはニュートラアビジンでコーティングしたプレートで捕捉されたビオチン化抗原)、非特異的抗原でプレートをコーティングすることを含み、また抗原堆積ストラテジーを介して(例えば、ヘテロマーのタンパク質‐抗原複合体を生成するために、選択的な抗原捕捉の後に結合パートナーを添加)行われる。ハロアッセイは、抗原を負荷したビーズと、B細胞を採取するために用いられた宿主に特異的な、標識化した抗宿主抗体とに、抗原を細胞を接触させることを含む。標識は、例えば、フルオロフォアであってもよい。一実施形態において、少なくとも1つのアッセイ富化工程は、少なくとも1つの単一細胞懸濁液上で行われる。別の実施形態において、細胞集団を富化する方法は、少なくとも1つのクロマトグラフィ富化工程と、少なくとも1つのアッセイ富化工程とを含む。
細胞集団をサイズまたは密度によって「富化する」方法は、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許第5,627,052号を参照。これらの工程は、抗原特異性による細胞集団の富化に加えて、本発明において用いることができる。
本発明の細胞集団は、抗原を認識することができる、少なくとも1つの細胞を含有する。抗原認識細胞は、これらに限定されないが、B細胞、形質細胞、およびその子孫を含む。一実施形態において、本発明は、単一の型の抗原特異的なB細胞を含有するクローン細胞集団を提供し、すなわち、該細胞集団は、所望の抗原に特異的な単一の、モノクローナル抗体を産生する。
かかる実施形態において、クローン性の抗原特異的B細胞の集団は、本願で提供する新しい培養および選択プロトコルによって獲得される、抗原特異的な、抗体分泌細胞から主に構成されると考えられる。従って、本発明は、少なくとも1つの抗原特異的な、抗体分泌細胞を含有する、富化された細胞集団を獲得するための方法も提供する。一実施形態において、本発明は、約50%〜約100%またはその中の増分、あるいは約60%、70%、80%、90%を上回るかそれと同等、または100%の抗原特異的な抗体分泌細胞を含有する、富化された細胞集団を提供する。
一実施形態において、本発明は、いずれかの選択工程(例えば、細胞集団から特定のB細胞を選択する、および/または、特定の細胞によって産生された抗体を選択する)の前に、宿主から獲得された細胞集団を富化することによって、単一のB細胞を単離する方法を提供する。富化工程は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の工程として行われてもよい。一実施形態において、単一のB細胞は、該単一のB細胞が抗原特異性および/または所望の特性を有する抗体を分泌するかどうかを確認する前に、富化された細胞集団から単離される。
一実施形態において、細胞集団を富化する方法は、抗体産生および/または抗体選択のための方法において用いられる。つまり、本発明は、抗体を選択する前に、細胞集団を富化する工程を含む方法を提供する。当該方法は、少なくとも1つの抗原特異的な細胞を含有する細胞集団を調製する工程と;富化された細胞集団を形成するために、少なくとも1つの抗原特異的な細胞を単離することによって細胞集団を富化する工程と;少なくとも1つの抗原特異的な細胞から抗体産生を誘導する工程とを含んでもよい。好ましい実施形態において、富化された細胞集団は、1つより多くの抗原特異的な細胞を含んでもよい。一実施形態において、そこから抗体産生細胞を単離する前に、および/または、B細胞もしくは抗体に対応する核酸配列を用いてかかる抗体を産生する前に、クローン性の抗原特異的B細胞集団が得られる条件下において、富化された集団の各抗原特異的な細胞が培養される。頻度が低い抗原特異的な細胞を有する細胞集団から抗体が産生される従来の技術とは対照的に、本発明は、頻度が高い抗原特異的な細胞の中から抗体を選択することを可能にする。富化工程が抗体選択より前に用いられるので、抗体産生に用いられる大半の細胞、好ましくは事実上すべての細胞が、抗原特異的である。増加した頻度を有する抗原特異性の細胞の集団から抗体を産生させることにより、抗体の量および多様性が増加される。
本発明の抗体選択方法において、好ましくは、富化工程および抗原特異的B細胞のクローン集団が得られる培養工程の後で、抗体が選択される。当該方法は、1つ以上の単離された、抗原特異的な細胞から選択された抗体、またはその一部を配列決定する工程をさらに含んでもよい。当該技術分野で既知であるいずれの配列決定のための方法が用いられてもよく、それにはH鎖、L鎖、可変領域、および/または相補性決定領域(CDR)の配列決定が含まれてもよい。
富化工程に加えて、抗体選択のための方法は、抗体の機能性について細胞集団をスクリーニングする工程を1つ以上含んでもよい。例えば、所望の抗体は、特定のエピトープまたは特定の構造の類似体への結合;アンタゴニストまたはアゴニスト活性;または中和活性(例えば、抗原とリガンドとの間の結合を抑制)等、特定の構造特性を有してもよい。一実施形態において、抗体の機能性スクリーニングはリガンド依存的である。抗体の機能性についてのスクリーニングは、抗原リガンドと組換え受容体タンパク質との自然の相互作用再現する体外でのタンパク質間相互作用アッセイ;リガンド依存性かつ容易に監視できる細胞に基づく応答(例えば、増殖応答)を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、抗体選択のための方法は、抑制濃度(IC50)を測定することにより、細胞集団を抗体機能性についてスクリーニングする工程を含む。一実施形態において、少なくとも1つの単離された抗原特異的な細胞は、約100、50、30、25、10μg/mL未満、またはその中の増分のIC50を有する抗体を産生する。
富化工程に加えて、抗体選択のための方法は、細胞集団を抗体結合強度についてスクリーニングする工程を1つ以上含んでもよい。抗体結合強度は、当該技術分野で既知であるいずれの方法(例えば、Biacore)によっても測定することができる。一実施形態において、少なくとも1つの単離された抗原特異的な細胞は、高い抗原親和性、例えば、約5×10−10−1未満、好ましくは約1×10−13〜5×10−10、1×10−12〜1×10−10、1×10−12〜7.5×10−11、1×10−11〜2×10−11、約1.5×10−11未満またはその中の増分の乖離定数(K)を有する抗体を産生する。この実施形態において、抗体は親和性成熟であると考えられる。好ましい実施形態において、抗体の親和性は、Panorex(登録商標)(エドレコロマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブ)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ)、ZevalinTM(イブリツモマブ)、ErbituxTM(セツキシマブ)、AvastinTM(ベバシズマブ)、RaptivaTM(エファリズマブ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)、HumiraTM(アダリムマブ)、およびXolairTM(オマリズマブ)のうちのいずれか1つの親和性に相当するか、またはそれよりも高い。好ましくは、抗体の親和性は、HumiraTMの親和性に相当するか、またはそれよりも高い。また、抗体の親和性は、既知の親和性成熟技術を用いて増加させることも可能である。好ましい一実施形態において、少なくとも1つの細胞集団は、抗体機能性および抗体結合強度についてスクリーニングされる。
富化工程に加えて、抗体選択のための方法は、抗体の配列相同性、特にヒトとの相同性について、細胞集団をスクリーニングする工程を1つ以上含んでもよい。別の実施形態において、少なくとも1つの単離された抗原特異的な細胞は、ヒト抗体に対して約50%〜約100%もしくはその中の増分、または約60%、70%、80%、85%、90%、もしくは95%以上相同である相同性を有する抗体を産生する。CDRグラフト技術または選択性決定残基グラフト技術(SDR)のような、当該技術分野で既知である技術を用いて、ヒト配列に対する相同性を増加するために抗体をヒト化することが可能である。
別の実施形態において、IC50、K、および/または相同性に関して上述したいずれの実施形態に従って、本発明は抗体自体も提供する。
本願で開示する本発明のB細胞選択プロトコルは、所望の標的抗原に特異的な抗体分泌B細胞およびモノクローナル抗体を獲得するためのその他の方法に対して、固有の利点を多く有する。これらの利点は、これらに限定されないが、以下を含む:
第一に、これらの選択手順が、IL−6またはTNF−αのような所望の抗原とともに利用される場合に、当該方法により、実質的に包括的な抗体の補体(すなわち、抗体の様々な異なるエピトープに結合する抗体)であると思われるものを産生することができる抗原特異的B細胞が、再現性よく得られるということが分かっている。理論に束縛されることなく、包括的な補体は、最初のB細胞回収前に行われる抗原富化工程に起因し得ると仮定する。さらに、これらの特性は、特定の抗体のエピトープ特異性に依存して異なってもよいため、この利点により、異なる特性を持つ抗体を単離および選択することが可能になる。
第二に、本発明のB細胞選択プロトコルは、概して比較的高い結合親和性(すなわち、
ピコモルまたはそれより良好な抗原結合親和性)を有する所望の抗原に結合する、単一のモノクローナル抗体を分泌する単一のB細胞、またはその子孫を含有する、クローン性のB細胞培養物が再現性よく得られる、ということが分かっている。反対に、従来の抗体選択方法は、親和性の高い抗体はごく少数のみ得られる傾向にあり、従って、治療ポテンシャルを有する抗体を単離するための大規模なスクリーニング手順が必要となる。理論に束縛されることなく、本発明のプロトコルは、インビボでの宿主のB細胞免疫化(一次免疫)と、それに続く2回目のインビトロでのB細胞免疫化(第二次抗原プライミング工程)との両方をもたらし、それにより、回収されたB細胞の、抗原標的に特異的な単一の高親和性モノクローナル抗体を分泌する能力および傾向を強化することができる、と仮定する。
第三に、本発明のB細胞選択プロトコルは、平均して、所望の標的に対して高度に選択的(抗原特異的)であるIgGを産生する、富化されたB細胞が再現性よく得られる、ということが観察されている(本願においてIL−6特異的B細胞に示すように)。そのことに一部基づいて、本発明の方法によって回収された抗原添加B細胞は、上で説明したように、エピトープ特異性の所望の完全な補体を得ることができるB細胞を含有すると考えられる。
第四に、本発明のB細胞選択プロトコルは、たとえ小さな抗原(すなわち、100個のアミノ酸のペプチド、またはより少ない、例えば10〜50個のアミノ酸長)とともに用いられた場合でも、その小さな抗原(例えば、ペプチド)に対して、単一の高親和性抗体を分泌するクローン性のB細胞培養物を再現性よく生じさせる、ということが観察されている。これは、概して非常に困難であり、多大な労力を必要とし、また場合によっては、小さなペプチドに対する高親和性の抗体を産生させることは実現不可能であるため、非常に驚くべきことである。従って、本発明は、所望のペプチド標的(例えば、ウイルス性、細菌性、または自己抗原ペプチド)に対する治療抗体を産生するために用いることができ、それにより、非常に異なる結合特性を有するモノクローナル抗体の産生、または、異なるペプチド標的(例えば、異なるウイルス株)に対するモノクローナル抗体のカクテルの産生さえもが可能になる。この利点は、異なるHPV株に対する防御免疫を誘導するHPVワクチンのように、所望の結合価を有する治療または予防ワクチンを産生する際に、特に有用である可能性がある。
第五に、本発明のB細胞選択プロトコルは、とりわけウサギ由来のB細胞とともに用いられた場合に、内在性ヒト免疫グロブリン(アミノ酸レベルで約90%相似)に非常に相似し、ヒト免疫グロブリンに非常に類似する長さを持つCDRを含む、抗原特異的な抗体の配列が再現性よく得られる傾向にある。従って、免疫原性に関して考えられる問題を取り除くために、配列修飾を行う必要性は極めて少ないか、または必要ない(典型的には、多くても、親抗体の配列においてごくわずかなCDR残基の修飾が行われ、外来性のフレームワーク残基は導入されない)。その結果、本発明のB細胞および抗体選択プロトコルに従って産生された、回収された抗体配列の高い抗原結合親和性は、たとえヒト化を行っても、インタクトまたは実質的にインタクトのままである。
要するに、本発明の方法は、従来既知であるプロトコルよりも効率的なプロトコルを使用することで、より多くの異なるエピトープに対して高い結合親和性を呈する抗体を産生するために用いることができる。
特定の実施形態において、本発明は、以下の工程を含む処理により、所望の抗原に特異的な抗体を分泌し、親和性、結合活性、細胞溶解活性等の所望の機能特性を少なくとも1つ任意選択的に有する、単一のB細胞を同定するための方法を提供する:
a.宿主を抗原に対して免疫化する工程
b.上記宿主からB細胞を採取する工程
c.抗原特異的な細胞の頻度を増加するために、上記採取したB細胞を富化する工程
d.少なくとも1つの単一細胞懸濁液を作製する工程
e.培養ウェルごとに、単一の抗原特異的なB細胞が生存しやすい条件下において、上記単一細胞懸濁液からサブ集団を培養する工程
f.上記サブ集団から12個未満のB細胞を単離する工程
g.上記単一のB細胞が、上記抗原に特異的な抗体を産生するかどうかを決定する工程。
典型的には、本発明の方法は、所望の抗体をコードするポリペプチドおよび核酸配列を、全体的または部分的に、単離および配列決定する付加的工程をさらに含む。これらの配列、またはその修飾版もしくはその一部は、所望の抗原に対する組換え抗体を産生するために、所望の宿主細胞において発現させることができる。
上述のように、B細胞のクローン集団は、所望の抗原に対する抗体を産生する抗体分泌B細胞から主に成っていると考えられる。また、いくつかの抗原および異なるB細胞集団を用いて得られた実験結果に基づいて、本発明に従ってクローン的に産生したB細胞およびそこから由来する単離した抗原特異的B細胞は、典型的に比較的親和性が高く、その上、培養された抗原特異的なB細胞からモノクローナル抗体を得るその他の方法と比較して、より高いエピトープ可変性を有する様々なモノクローナル抗体を、効率的および再現性よく産生することが可能なモノクローナル抗体を分泌する、ということも分かっている。例示的な実施形態において、かかるB細胞選択方法に用いられる免疫細胞の集団は、ウサギ由来である。しかしながら、抗体を産生するその他の宿主(ヒト以外およびヒト宿主を含む)が、免疫B細胞の源として代替的に用いられてもよい。B細胞の源としてウサギを用いることで、本発明の方法によって得ることのできるモノクローナル抗体の多様性を高める可能性がある、と考えられる。また、本発明に従ったウサギ由来の抗体配列は、典型的には、ヒト抗体配列に対して高度に配列相同性を持つ配列を有し、低い抗原性を有するため、ヒトにおいて容易に用いることができる。ヒト化の過程において、最終的なヒト化抗体は、かなり少量の外来性/宿主残基を含有し、グラフトに用いられるヒト標的配列に対する性質のために、通常、大幅に異なる宿主CDR残基のサブセットに限定される。これにより、ヒト化抗体タンパク質における完全な活性回収の確立が向上する。
本願に開示する富化工程を用いた抗体選択の方法は、免疫化した宿主から免疫細胞を含有する細胞集団を獲得する工程を含む。免疫化した宿主から免疫細胞を含有する細胞集団を獲得する方法は、当該技術分野において既知であり、概して宿主の免疫応答を誘導すること、そして、1つ以上の細胞集団を獲得するために.該宿主から細胞を採取することを含む。応答は、宿主を所望の抗原に対して免疫化することによって誘導することができる。あるいは、かかる免疫細胞の源として用いられる宿主は、バクテリアもしくはウイルスのような特定の病原体に感染した個体、または、個体が罹患する癌に対する特定の抗体応答を開始した個体のような、所望の抗原に自然曝露させてもよい。
宿主動物は当該技術分野において周知であり、ヒト、ウサギ、マウス、ラット、ニワトリ、ウシ、ブタ、モルモット、ヤギ、およびヒツジを含むが、これらに限定されない。抗原に曝露されると、その抗原に対する自然免疫応答の一部として、宿主が抗体を産生する。上述したように、免疫応答は、疾患の結果として自然に起こることが可能であり、または抗原を用いた免疫化によって誘導することも可能である。免疫化は、例えば、完全または不完全フロイントアジュバントのような免疫応答を促進するための薬剤を用いてまたは用いずに、抗原を1回以上注入することにより、当該技術分野において既知であるいずれの方法によっても行うことができる。宿主動物をインビボで免疫化する代わりに、当該方法は、宿主細胞の培養物をインビトロで免疫化する工程を含んでもよい。
免疫応答する時間を置いてから(例えば、血清抗体の検出によって測定)、1つ以上の細胞集団を獲得するために、宿主動物細胞を採取する。好ましい実施形態において、採取された細胞集団は、抗体結合強度および/または抗体機能性についてスクリーニングされる。採取された細胞集団は、好ましくは、脾臓、リンパ節、骨髄および/または末梢血単核球(PBMCs)のうちの少なくとも1つに由来する。細胞は、1つより多くの源から採取して貯蔵することができる。ある特定の抗原にはある特定の源が好ましい可能性がある。例えば、IL−6には脾臓、リンパ節、およびPBMCsが好ましく;TNFにはリンパ節が好ましく;Aβには脾臓およびリンパ節が好ましい。細胞集団は、免疫化から約20〜約90日またはその中の増分で採取され、好ましくは約50〜約60日で採取される。採取された細胞集団および/またはその単一細胞懸濁液は、抗体選択のために富化、スクリーニング、および/または培養することができる。採取された細胞集団の抗原特異的な細胞頻度は、通常約1%〜約5%、またはその中の増分である。
一実施形態において、採取された細胞集団からの単一細胞懸濁液は、好ましくはMiltenyiのビーズを用いて富化される。約1%〜約5%の抗原特異的な細胞頻度を有する採取された細胞集団から、100%に近い抗原特異的な細胞頻度を有する富化された細胞集団が得られる。
富化工程を用いた抗体選択の方法は、富化された細胞集団から、少なくとも1つの抗原特異的な細胞から抗体を産生する工程を含む。抗体をインビトロで産生する方法は、当該技術分野で周知であり、いずれの好適な方法を用いてもよい。一実施形態において、採取された細胞集団からの抗原特異的な単一細胞懸濁液のような富化された細胞集団は、ウェル当たり50、100、250、500細胞、または1から1000細胞までの中の間の増分等、様々な細胞密度で播種される。好ましくは、サブ集団は、約10,000以下の抗原特異的な抗体分泌細胞を含み、より好ましくは約50〜10,000、約50〜5,000、約50〜1,000、約50〜500、約50〜250の抗原特異的な抗体分泌細胞、またはその中の増分を含む。その後、これらのサブ集団は、好適な培地を用いてフィーダー層上で、好ましくは、培養ウェル当たり単一の増殖性B細胞が生存しやすい条件下において培養される。フィーダー層は、概して照射された細胞物質から成り、細胞集団の一部は構成しない。細胞は、好適な培地で、抗体産生に十分な時間(例えば約1日〜約2週間、約1日〜約10日、少なくとも約3日、約3日〜5日、約5日〜7日、またはその他の中の増分)培養される。好ましくは、単一の抗体産生細胞およびその子孫が各ウェル内で生存し、それによって各ウェル内に抗原特異的B細胞のクローン集団を提供する。この段階で、クローン集団によって産生された免疫グロブリンG(IgG)は、抗原特異性との相関関係が高い。好ましい実施形態において、IgGsは、約50%を上回る抗原特異性との相関関係を呈し、より好ましくは70%、85%、90%、95%、99%またはその中の増分を上回る相関関係を呈する。IL−6およびhuTNF−αの例示的な相関関係をそれぞれ表す、図6および図7を参照。相関関係は、ウェル当たり単一の抗原特異的な抗体産物を確立するための制限された条件下で、B細胞培養物を得ることにより表した。抗原特異的なIgGと一般的なIgGの合成を比較した。単一の構成の抗原(ビオチン化および直接コーティング)を認識したIgG、検出可能なIgGおよび免疫化に関係のない抗原認識、およびIgG産生のみ、の3つの集団が観察された。IgG産生は、抗原特異性との相関関係が高かった。
抗体を含有する上清は任意選択的に収集され、上述の工程に従って、抗体選択のために富化、スクリーニング、および/または培養されてもよい。一実施形態において、上清は、抗体機能性のために富化(好ましくは、抗原特異性アッセイ、特にELISAアッセイによって)および/またはスクリーニングされる。
別の実施形態において、分泌された所望のモノクローナル抗体の存在を検出するために、上述の上清が任意選択的にスクリーニングされた、富化された、好ましくはクローン性の、抗原特異的なB細胞集団は、少数のB細胞、好ましくは単一のB細胞の単離のために用いられ、次いで、該B細胞は、クローンB細胞集団における単一の抗体産生B細胞の存在を確認するために、適切なアッセイにおいてテストされる。一実施形態において、約1〜約20個の細胞が、クローンB細胞集団から単離され、好ましくは、約15、12、10、5、もしくは3個の細胞、またはその中の増分未満、最も好ましくは、単一の細胞が単離される。スクリーニングは、好ましくは抗原特異性アッセイ、特にハロアッセイの影響を受ける。ハロアッセイは、全長タンパク質、またはその断片を用いて行ってもよい。抗体を含有する上清も、抗原結合親和性;抗原‐リガンド間の結合のアゴニズムまたはアンタゴニズム、特定の標的細胞種の増殖の誘導または抑制;標的細胞の溶解の誘導または抑制、および抗原に関与する生物学的経路の誘導または抑制、のうちの少なくとも1つについて、スクリーニングされてもよい。
同定された抗原特異的な細胞は、所望のモノクローナル抗体をコードする、対応する核酸配列を得るために用いられてもよい。(AluIで消化することで、ウェル当たり単一のモノクローナル抗体種のみが産生されたことが確認可能。)上述したように、これらの配列は、ヒト用の薬物における使用に好適となるように、ヒト化のように突然変異をさせてもよい。
上述のように、本発明のプロセスに用いられる富化されたB細胞集団は、上述した工程(異なる順序で反復または行われてもよい)に従って、抗体選択のためにさらに富化、スクリーニング、および/または培養されてもよい。好ましい実施形態において、富化された、好ましくはクローンの、抗原特異的な細胞集団のうちの少なくとも1つの細胞は、抗体選択のために単離、培養、および用いられてもよい。
従って、一実施形態において、本発明は、
a.採取された細胞集団を獲得するために、免疫化された宿主から細胞集団を採取する工程と、
b.採取された細胞集団から、少なくとも1つの単一細胞懸濁液を作製する工程と、
c.好ましくは、クロマトグラフィによって、第1の富化された細胞集団を形成するために、少なくとも1つの単一細胞懸濁液を富化する工程と、
d.好ましくはクローンである(すなわち、単一の型の抗原特異的なB細胞のみを含有する)第2の富化された細胞集団を形成するために、好ましくはELISAアッセイによって、上記第1の富化された細胞集団を富化する工程と、
e.単一または数個の、所望の抗原に特異的な抗体を産生するB細胞を含有する、第3の富化された細胞集団を形成するために、好ましくはハロアッセイによって、上記第2の富化された細胞集団を富化する工程と、
f.上記第3の富化された細胞集団から単離された抗原特異的な細胞によって、産生される抗体を選択する工程と、
を含む方法を提供する。
当該方法は、採取された細胞集団を、抗体結合強度(親和性、結合活性)および/または抗体機能性についてスクリーニングする1つ以上の工程を、さらに含んでもよい。好適なスクリーニングの工程は、これらに限定されないが、同定された抗原特異的なB細胞によって産生された抗体が、最低限の抗原結合親和性を有する抗体を産生するかどうか;上記抗体が、所望の抗原のリガンドに対する結合を刺激するかまたは拮抗するか;上記抗体が、特定の型の細胞種の増殖を誘導するかまたは抑制するかどうか;上記抗体が、標識細胞に対する細胞溶解反応を誘導または誘発するかどうか;上記抗体が、特定のエピトープに結合するかどうか;および、上記抗体が、抗原に関与する特定の生物学的経路を調節する(抑制または刺激)かどうか、を検出するアッセイ方法を含む。
同様に、当該方法は、第2の富化された細胞集団を、抗体結合強度および/または抗体機能性についてスクリーニングする1つ以上の工程を含んでもよい。
当該方法は、選択された抗体のポリペプチド配列または対応する核酸配列を配列決定する工程をさらに含んでもよい。また当該方法は、配列、その断片、または選択された抗体の遺伝子改変バージョンを用いて、組換え抗体を産生する工程を含んでもよい。所望の特性を保持するために抗体の配列を突然変異させるための方法は、当業者には周知であり、ヒト化、キメラ化、単鎖抗体の産生を含む;これらの突然変異の方法は、所望のエフェクター機能、免疫原性、安定性、糖鎖修飾の除去または追加等を有する組換え抗体をもたらすことができる。組換え抗体は、これらに限定されないが、CHO、COS、BHK、HEK−293等の哺乳類細胞、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、および両生類細胞を含む、いずれの好適な組換え細胞によって産生されてもよい。一実施形態において、抗体は、倍数体の酵母細胞(すなわち、二倍体の酵母細胞、特にピキア)において発現させる。
一実施形態において、当該方法は、
a.宿主抗体を得るために、宿主を抗原に対して免疫化する工程と、
b.上記宿主抗体を、抗原特異性および中和についてスクリーニングする工程と、
c.上記宿主からB細胞を採取する工程と、
d.頻度が増加した抗原特異的な細胞を有する富化された細胞集団を作製するために、上記採取したB細胞を富化する工程と、
e.少なくとも1つの培養ウェル中で、単一のB細胞がクローン集団を産生するために生存しやすい条件下において、上記富化された細胞集団から1つ以上のサブ集団を培養する工程と、
f.上記クローン集団が、上記抗原に特異的な抗体を産生するかどうかを決定する工程と、
g.単一のB細胞を単離する工程と、
h.上記単一のB細胞によって産生された上記抗体の核酸配列の配列を決定する工程と、を含む。
上述した本発明をより明確にするために、以下の制限されない実施例を提供する。
(実施例)
実施例1:富化された抗原特異的B細胞抗体培養物の産生
対象の標的抗原に対する自然免疫応答を利用するために、従来の抗体宿主動物を免疫化することにより抗体パネルを得る。典型的には、免疫化に用いられる宿主は、類似する成熟プロセスを用いて抗体を産生し、同等の多様性(例えば、エピトープの多様性)を有する抗体を産生する抗原特異的B細胞の集団を提供する、ウサギその他の宿主である。最初の免疫化は、完全フロイントアジュバント(CFA)を用いて行ってもよく、後に続く追加免疫は、不完全アジュバントで達成される。免疫化から約50〜60日、好ましくは55日で、抗体力価を測定し、適切な力価が確立されている場合は抗体選択(ABS)プロセスを開始する。ABSを開始するために重要なふたつの判断基準は、強力な抗原認識および多クローン性血清における機能修飾活性である。
陽性の抗体力価が確立された時点で、動物を屠殺してB細胞源を単離する。これらの源は、脾臓、リンパ節、骨髄、および末梢血単核球(PBMCs)を含む。単一細胞懸濁液を生成し、低温長期保存に適合させるために該細胞懸濁液を洗浄する。その後、典型的には細胞を冷凍する。
抗体同定プロセスを開始するために、少量の冷凍細胞懸濁液を解凍し、洗浄して、組織培養培地に接種する。これらの懸濁液を、動物の免疫応答を生成するために使用したビオチン化抗原と混合し、Miltenyi磁気ビーズを用いた選択法を用いて抗原特異的な細胞を回収する。ストレプトアビジンビーズを用いて特異的富化を行う。富化した細胞を回収し、次の段階である特異的B細胞の単離において用いた。
実施例2:クローン性の抗原特異的B細胞含有培養物の産生
実施例1に従って産生させた富化B細胞を、様々なウェル当たりの細胞密度で96ウェルマイクロタイタープレートに播種する。概して、グループ当たり10プレート、ウェル当たり50、100、250、または500細胞である。4%活性化ウサギT細胞馴化培地と、冷凍した照射EL4Bフィーダー細胞50Kを、培地に添加する。これらの培養物を5〜7日間放置した後に、上清を含有する分泌抗体を収集し、別個のアッセイ設定において標的特性について評価する。残りの上清はそのままにして、プレートを−70°Cで冷凍する。これらの条件下での培養プロセスにより、典型的には、抗原特異的B細胞のクローン集団を含む混合細胞集団を含むウェルが得られる(すなわち、単一のウェルは、所望の抗原に特異的な単一のモノクローナル抗体のみを含む)。
実施例3:所望の特異性および/または機能特性を有するモノクローナル抗体についての抗体上清のスクリーニング
実施例2に従って産生させた、クローン性の抗原特異的B細胞集団を含むウェルから得た抗体を含む上清を、ELISA法を用いて、最初に抗原認識についてスクリーニングする。これは、選択的な抗原固定化(例えば、ストレプトアビジンでコーティングしたプレートによるビオチン化抗原の捕捉)、非特異的抗原でプレートをコーティングすることを含み、またあるいは、抗原堆積ストラテジーを介して(例えば、ヘテロマーのタンパク質‐抗原複合体を生成するために、選択的な抗原捕捉の後に結合パートナーを添加)行われる。それから、抗原陽性ウェルの上清を、厳密にリガンド依存的である機能修復アッセイにおいて任意選択的に検査する。かかる例のひとつは、抗原リガンドと組換え受容体タンパク質との自然の相互作用を再現する、インビトロでのタンパク質間相互作用アッセイである。あるいは、リガンド依存性で容易に監視できる、細胞に基づく応答(例えば、増殖応答)を利用してもよい。有意な抗原認識および効力を呈する上清を、陽性ウェルであるとみなす。元の陽性ウェルから得られた細胞を、抗体回収段階へと移行させる。
実施例4:所望の抗原特異性を有する単一の抗体産生B細胞の回収
単一の抗体配列を分泌する抗原特異的B細胞のクローン集団(実施例2または3に従って産生させた)を含むウェルから、数個の細胞を単離する。単一の、抗体分泌細胞を単離するために、単離した細胞を検査する。Dynalストレプトアビジンビーズを、緩衝培地において、ビオチン化した標的抗原でコーティングし、細胞生存率に適合した抗原コーティングマイクロビーズを調製する。次に、抗原負荷ビーズ、陽性ウェルからの抗体産生細胞、およびフルオレセインイソチオシアネート(FITC)で標識した抗宿主H&L IgG抗体(上に述べたように、宿主は、例えば、ウサギ、マウス、ラット等、いずれの哺乳類宿主であってもよい)を、ともに37℃でインキュベートする。この混合物を、各分割量が平均して単一の抗体産生B細胞を有するように、スライドガラスにピペットで一定分量ずつ滴下する。その後、蛍光顕微鏡検査法を用いて、抗原特異的な抗体分泌細胞を検出する。分泌された抗体は、結合した抗原のために隣接するビーズ上で局所的に富化しており、強力な蛍光信号に基づいて局在化情報を提供する。分泌細胞に隣接して形成された抗体‐抗原複合体のFITC検出により、抗体分泌細胞を同定する。この複合体の中心に認められる単一の細胞を、今度はマイクロマニピュレーターを用いて回収する。エッペンドルフPCRチューブ内で細胞を急速冷凍し、抗体配列の回収を開始するまで−80℃で保存する。
実施例5:抗原特異的B細胞からの抗体配列の単離
実施例4に従って産生させた単一の単離B細胞から、組み合わせたRT‐PCRに基づく方法を用いて、または実施例2に従って獲得したクローンB細胞集団から単離した抗原特異的B細胞から、抗体の配列を回収する。プライマーは、ウサギ免疫グロブリン配列のような標的免疫グロブリン遺伝子の保存された定常領域(H領域およびL領域)でアニールするように設計し、2段階方式のネステッドPCR法による回収工程を用いて抗体の配列を獲得する。各ウェルのアンプリコンを、回収およびサイズの完全性について分析する。得られた断片をAluIで消化して、配列のクローン性をフィンガープリント法により確認する。同一の配列は、電気泳動分析において共通の断片化パターンを呈する。驚くべきことに、細胞のクローン性を証明するこの共通する断片化パターンは、初めに1000細胞/ウェルまで播種したウェルにさえも概して観察される。元のH鎖およびL鎖のアンプリコンの断片を、制限酵素HindIIIとXhoI、またはHindIIIとBsiwIで消化し、クローニングのために個々のDNA断片を調製する。得られた消化断片を発現ベクター中に連結し、プラスミドの伝播および産生のために細菌の中に形質転換する。配列の特徴を決定するためにコロニーを選択する。
実施例6:所望の抗原特異性および/または機能特性を有するモノクローナル抗体の組換え産生
単一のモノクローナル抗体を含む各ウェルについて正しい完全長の抗体配列を確立し、ミニプレップDNAをQiagenの固相法を用いて調製する。その後、このDNAは、完全長の組換え抗体を産生するために、哺乳類細胞をトランスフェクトするのに用いられる。未処理の抗体産物を抗原認識および機能特性について検査して、組換え抗体タンパク質中に元の特徴が見られることを確認する。必要に応じて、大規模な哺乳類細胞の一過性トランスフェクションを完了し、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって抗体を精製する。標準的な方法(例えば、Biacore)および効力アッセイにおいてIC50でKを評価する。
実施例7:ヒトIL−6を結合する抗体の調製
本願に記載する抗体選択プロトコルを用いることにより、広範囲におよぶ抗体のパネルを生成することができる。抗体はIL−6に対する高親和性を有し(1〜2桁のpM K)、複数の細胞に基づくスクリーニングシステムにおいて、IL−6の強力なアンタゴニズムを示した(T1165およびHepG2)。さらに、抗体のコレクションが、IL−6を用いたプロセスに対して異なる機序のアンタゴニズムを示した。
免疫化ストラテジー
ウサギをヒトIL−6で免疫化した(R&R)。免疫化は、完全フトイントアジュバント(CFA)(Sigma)に含ませた最初の皮下(sc)注射100μgに続いて、各回50μgずつ2週間の間を空けて、不完全フロイントアジュバント(IFA)(Sigma)に含ませて2回の追加免疫を行った。55日目に動物を放血させ、ELISA法(抗原認識)およびT1165細胞株を用いた非放射性増殖アッセイ(Promega社)により、血清力価を決定した。
抗体選択力価の評価
Immulon4プレート(Thermo)を、リン酸緩衝食塩水(PBS、Hyclon社)中の1μg/mlのヒトIL−6(50ul/ウェル)で、一晩4°Cでコーティングすることにより、抗原認識を決定した。アッセイ当日に、PBS/Tween20(PBST錠剤、Calbiochem)でプレートを3回洗浄した。PBS中の0.5%の魚皮ゼラチン(FSG、Sigma)200ul/ウェルを用いて、プレートを37°Cで30分間ブロックした。ブロッキング溶液を除去し、プレートをブロットした。血清サンプル(放血後および放血前)は、初期希釈率1:100で作製(すべての希釈液はFSG50ul/ウェルで作製)し、プレートに渡って希釈率が1:10になるようにした(カラム12はバックグラウンドコントロールのために空にした)。プレートを37°Cで30分間インキュベートした。プレートをPBS/Tween20で3回洗浄した。1:5000に希釈したヤギ抗ウサギFC−HRP(Pierce)を全ウェルに添加し(50ul/ウェル)、プレートを37°Cで30分間インキュベートした。プレートを上述したように洗浄した。TMB−Stable Stop(Fitzgerald Industries社)50ul/ウェルをプレートに添加し、概ね3〜5分間発色させた。発色反応を50ul/ウェルの0.5M HClで停止させた。プレートは450nmで測定した。光学密度(OD)対希釈率をGraph Pad Prizmソフトウェアを用いてプロッティングし、力価を決定した。
機能力価の評価
サンプルの機能活性をT1165増殖アッセイによって決定した。ヘペス、ピルビン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、L−グルタミン酸、高グルコース、ペニシリン/ストレプトマイシン、10%の加熱不活性化FBS(すべてHycloneより調達)、2−メルカプトエタノール(Sigma)、および10ng/mlのヒトIL−6(R&D)を添加した改変RPMI培地(Hyclone)中で、通常のやり方でT1165細胞を維持した。アッセイ当日に、トリパンブルー(Invitrogen社)を用いて細胞の生存率を決定し、細胞を20,000細胞/ウェルの一定密度で播種した。播種する前に、細胞を上述の培地(ヒトIL−6は含まず)で2回洗浄(13000rpm/5分で遠心分離機にかけて上清を廃棄することにより)した。最後の洗浄後、洗浄に使用したのと同じ培地(50μl/ウェルに相当する体積)に、細胞を再懸濁させた。細胞は室温で放置した。
丸底の96ウェルプレート(Costar)に、血清サンプルを30μl/ウェルずつ、希釈率1:100から始めて、プレートに渡って(2〜10列まで)希釈率が1:10になるように添加し、これを5回繰り返した(B〜F行:ヒトIL−6を含まない上述の培地で希釈)。11列はIL−6コントロールのために培地のみとした。30μl/ウェルのヒトIL−6を最終EC50(以前に決定した濃度)の4倍濃度で全ウェルに添加した(ヒトIL−6は上述した培地中で希釈した)。ウェルを37℃で1時間インキュベートして、抗体結合を発生させた。1時間後、丸底プレートに既定されたプレートマップフォーマットに従って、50μl/ウェルの抗体‐抗原(Ab−Ag)複合体を平底の96ウェルプレート(Costar)に移した。バックグラウンドコントロールのために、50μl/ウェルの培地をG行の全ウェルに添加した(2〜11列)。放置しておいた50μl/ウェルの細胞懸濁液を全ウェルに添加した(2〜11列、B〜G行)。試験ウェルの蒸発を防ぐため、またエッジ効果を最小限に抑えるために、1および12列ならびにAおよびH行に200μl/ウェルの培地を添加した。プレートを37℃、4%COで72時間インキュベートした。72時間後、20μl/ウェルのCellTiter96(Promega)試薬を、製造者のプロトコルに従って全試験ウェルに添加し、プレートを37°Cで2時間インキュベートした。2時間後、プレートをオービタルシェーカー(orbital shaker)で穏やかに撹拌して細胞を分散させ、試験ウェル内で均一化させた。プレートは490nmの波長で測定した。光学密度(OD)対希釈率をGraph Pad Prizmソフトウェアを用いてプロッティングし、機能力価を判定した。陽性アッセイコントロールのプレートを、MAB2061(R&D Systems)を用いて、開始濃度1μg/ml(最終濃度)から始めてプレートに渡って希釈率が1:3になるように、上述のように処理した。
組織採取
許容可能な力価が確立されてから、ウサギを屠殺した。脾臓、リンパ節、および全血を採取して(R&R)、以下の通り処理した。
脾臓およびリンパ節の組織を分離して、20ccシリンジのプランジャーを用いて70μmの滅菌ワイヤーメッシュ(Fisher)を通して処理することで、単一細胞懸濁液を作製した。上述の調製改変RPMI培地(ヒトIL−6は含まないが低グルコースを含む)で細胞を収集した。遠心分離することで細胞を2回洗浄した。最後の洗浄後、トリパンブルーを用いて細胞密度を決定した。細胞を1500rpmで10分間遠心分離機にかけて、上清を廃棄した。FBS(Hyclone)中の適量の10%ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma)に細胞を再懸濁して、1ml/バイアルで分注した。バイアルを−70°Cで24時間保存した後、長期保存のために液体窒素(LN)タンクに収納した。
等量の上記低グルコース培地(FBSは含まない)に全血を混合することにより、末梢血単核球(PBMCs)を単離した。45mlの円錐管(Corning)に入ったLympholyte Rabbit(Cedarlane)8mlの上に、全血混合液35mlを注意深く載せ、室温で30分間2500rpmで休まず遠心分離した。遠心分離した後、ガラス製パスツールピペット(VWR)を用いてPBMC層を注意深く除去し、合わせて、無菌50mlバイアルに注いだ。室温で10分間遠1500rpmで遠心分離することにより上記の調製培地で細胞を2回洗浄し、トリパンブルー染色で細胞密度を決定した。最後の洗浄後、適量の10%DMSO/FBS培地に細胞を再懸濁させ、上記のように冷凍した。
B細胞の培養
B細胞の培養を開始する当日に、PBMC、脾細胞、またはリンパ節のバイアルを使用するために解凍した。LNタンクからバイアルを取り出し、37°Cの水浴中で解凍した。円錐形の遠心分離管(15ml)(Corning社)にバイアルの内容物を移し、上記の調節RPMI10mlを徐々に管に添加した。細胞を1.5Krpmで5分間遠心分離して上清を廃棄した。細胞を新しい10mlの培地に再懸濁させた。トリパンブルーを用いて細胞密度および生存率を決定した。再度細胞を洗浄してから1E07細胞/80μl培地に再懸濁させた。ビオチン化ヒトIL−6を最終濃度3μg/mlで細胞懸濁液に添加し、4°Cで30分間インキュベートした。10mlのリン酸緩衝フッ化物(PBF):Ca/MgフリーPBS(Hyclone)、2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma−ビオチンフリー)で2回洗浄して、非結合BヒトIL−6を除去した。2回目の洗浄後、1E07細胞/80μlのPBFで細胞を再懸濁させた。細胞懸濁液に20μlのMACS(登録商標)ストレプトアビジンビーズ(Milteni社)/10E7細胞を添加した。細胞を4°Cで15分間インキュベートした。2mlのPBF/10E7細胞で細胞を1度洗浄した。洗浄後、1E08細胞/500μlのPBFで再懸濁させて放置した。MACS(登録商標)MSカラム(Milteni)を、磁気スタンド(Milteni)上で500mlのPBFで事前にすすいだ。プレフィルタを通して細胞懸濁液をカラムにかけ、非結合分画を収集した。PBF緩衝液1.5mlでカラムを洗浄した。磁気スタンドからカラムを除去し、きれいに滅菌した5mlのポリプロピレンのファルコンチューブに移した。カラムの頂部にPBF緩衝液1mlを添加し、陽性の選択した細胞を収集した。陽性および陰性の細胞分画の収率および生存率は、トリパンブルー染色で決定した。陽性選択により平均1%の初期細胞濃度が得られた。
培養物の播種レベルに関する情報を提供するために試験的な細胞スクリーニングを確立した。10プレートの群3つ(合計30プレート)を50、100、および200個の富化B細胞/ウェルで播種した。また、各ウェルは、最終体積250μl/ウェルの高グルコース調製RPMI培地中に、細胞50K個/ウェルの照射EL−4.B5細胞(5,000ラド)および適切なレベルのT細胞上清(調製に依存して1〜5%の範囲)を含んでいた。培養物を37℃、4%COで5〜7日間インキュベートした。
選択的抗体分泌B細胞の同定
5日目と7日目の間に、培養物を抗原認識および機能活性について検査した。
抗原認識スクリーニング
使用したELISAフォーマットは、抗体源としてB細胞培養物(BCC)ウェル(全30プレート)からの上清50μlを用いたことを除いて、上記の通りであった。馴化培地を、抗原でコーティングしたプレートに移した。陽性ウェルを同定した後、上清を除去して96ウェルのマスタープレートに移した。40μl/ウェルを除くすべての上清を除去して、60μl/ウェルのFBS中のDMSO(16%)に加えることにより、元の培養プレートを冷凍した。冷凍を遅らせるためにプレートをペーパータオルで包んでから−70℃の温度下においた。
機能活性スクリーニング
上述したように、T1165増殖アッセイにおいてマスタープレートを機能活性についてスクリーニングしたが、B行はバックグラウンドコントロールのために媒体のみ、C行は陽性増殖対照のために媒体+IL−6、D〜G行および2〜11列はBCCからのウェル(50μl/ウェル、単一点)であった。媒体の入った行を除く全ウェルに、40μlのIL−6をアッセイのために決定したEC50濃度の2.5倍で添加した。1時間インキュベートした後、Ab/Ag複合体を、組織培養物(TC)で処理した96ウェル平底プレートに移した。ヒトIL−6を含まない(20,000細胞/ウェルのT1165)改変RPMI培地中の細胞懸濁液20μlを全ウェルに添加した(ウェル当たりの最終体積は100μl)。バックグラウンドを差し引いて、観察されたOD値を抑制率に変換した。
B細胞の回収
対象となるウェルを含むプレートを−70℃から取り出して、各ウェルの細胞を培地5〜200μl/ウェルの洗浄で回収した。洗浄液を滅菌した1.5mlの遠心分離管に入れ、2分間1500rpmで遠心分離して細胞をペレット状にした。
管を反転させて回転を繰り返し、上清を注意深く除去した。細胞を100μl/管の培地に再懸濁させた。ビオチン化IL−6でコーティングしたダイナビーズM280ストレプトアビジン(Invitrogens)100μlと、培地中に1:100で希釈したヤギ抗ウサギH&L IgG−FITC(16μl)を細胞懸濁液に添加した。
細胞/ビーズ/FITC懸濁液(20μl)を除去して、事前にシグマコート(Sigma)および不浸透性バリア(35〜40液滴/スライド)で処理したスライドガラス(Corning)に5μlの液滴を調製した。液滴を浸漬するためにパラフィン油(JT Baker)を添加し、スライドを37℃、4%COで90分間暗所でインキュベートした。
抗体を産生する特異的B細胞は、抗体の分泌、ビーズに関連するビオチン化抗原の認識、およびそれに続く蛍光‐IgG検出試薬を用いた検出により、その周囲を蛍光のリングにより同定することができる。対象細胞が同定されてから、蛍光リングの中心にある細胞をマイクロマニピュレーター(Eppendorf)を用いて回収した。抗体を合成して運搬する単一の細胞を、250μlの微量遠心管に移してドライアイス中に置いた。対象となる細胞をすべて回収した後で、これらを長期保存のために−70℃の温度下に置いた。
実施例8:ヒトTNF−αを結合する抗体の調製
本願に記載する抗体選択プロトコルを用いて、TNF−αの強力な機能性アンタゴニズムを呈する抗体のコレクションを生成することができる。抗体は、様々なTNF−αエピトープを明らかにするため、以前に同定されたTNF−αエピトープを標的とする抗体(Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)等)の有用な代替、または補助を提供する可能性がある。
有意な機能性アンタゴニズムを保持する一方で、代替のTNF−αエピトープを結合する抗体を同定するためのスクリーニングの方法を採用することができる。一次抗原認識スクリーニングの後、TNF−αに対する機能性アンタゴニズム、およびエピトープの競合(インフリキシマブとの競合)について、陽性BCCウェルを検査した。ForteBio Ooctet抗体‐TNF‐α結合競合試験により、独特のエピトープ認識を確立した。図2参照。機能活性および競合の欠如を示したBCCウェルを追跡し、これらのウェルに存在する抗体のコード配列を回収した。回収された配列の大半は、元の標的特徴である、強力な抗原認識、機能性アンタゴニズム、および明確なエピトープ認識を示した。従って、得られた抗体の収集は、強力な機能性アンタゴニズムに関連した複数の新しいエピトープ領域を確立した。
免疫化ストラテジー
ヒトIL−6について記載したのと同一のプロトコルを用いて、ウサギをTNF−α(R&D#210−TA)で免疫化した。
ABS力価の評価
ヒトIL−6について記載したプロトコルに(上記濃度のサイトカインでプレートをコーティングした以外は)よって、TNF−αについての抗原認識アッセイを決定した。
機能力価の評価
サンプルの機能活性を、TNF−αで刺激したL929および/またはWEHI細胞毒性アッセイによって判定した。L929またはWEHI細胞を、ヒトIL−6を含まない上記培地中に通常のやり方で維持した。アッセイ当日に、トリパンブルーを用いて細胞密度を決定した。細胞を1E06細胞/mlで再懸濁させて、50μl/ウェル(体積はサンプルおよび反復数に応じて調製した)で滅菌した平底96ウェル組織培養プレートに播種した。プレートは37°Cで2時間インキュベートした。
別個に、丸底の96ウェルプレートに、血清サンプルを50μl/ウェルずつ、1:100の希釈率で添加し(上述した培地に)、プレートに渡って(2〜10列、11列目はTNF−α対照のためのみの培地)1:10の希釈率になるようにし、それを5回繰り返した(BからF行まで。G行はバックグラウンドコントロールのみの培地)。最終EC50(濃度は各ロットにつき以前決定した)の4倍濃度のTNF−αを含む培地50μl/ウェルずつと、アクチノマイシンD1μg/mlを、F行を除くすべてのサンプルウェルに添加した。プレートは37°Cで1時間インキュベートした。
1時間後、50μlの血清/Ag複合体および対照を、50μl/ウェルの応答細胞を含む96ウェル平底プレートに一定密度で移し(最終体積=100μl/ウェル)、37°Cで24時間インキュベートした(1および12列目と、AおよびH行は、蒸発およびエッジ効果の原因を防ぐために、200μlの培地で充填した)。
24時間後、20μl/ウェルのCellTiter96試薬(Promega)を、製造者のプロトコルに従って全試験ウェルに添加し、プレートを37°Cで2時間インキュベートした。2時間後、プレートを穏やかに振盪させ、試験ウェル内で均一化させた。プレートは490nmの波長で測定した。OD対希釈率をGraph Pad Prizmを用いてプロッティングし、(用量/応答の非線形S字曲線を用いた)機能力価を決定した。
組織採取
ヒトIL−6について上述したように、ウサギの脾臓、リンパ節、および全血を採取、処理、および冷凍した。
B細胞培養物(BCC)
細胞富化は、ビオチン化したヒトTNF−αを用いて行われたことを除いて、ヒトIL−6について記述したようにB細胞培養物を調製した。
抗原認識スクリーニング
抗原認識スクリーニングは、単一点として上述したように実施された。
機能活性スクリーニング
機能活性スクリーニングは、WEHI細胞毒性アッセイによって行った。マスタープレートからの上清をTNF−αで刺激したWEHI細胞毒性アッセイ(上記の通り)で単一点として測定した。以下のテンプレートに従って、上清が適切であることを検査した:
F行は背景対照のための培地のみ(50μl/ウェル)
G行は陽性細胞毒性対照のための培地+TNF−α
B〜E行および2〜11列はBCCからのウェル(40μl/ウェル、単一点)
40μlのTNF−α+アクチノマイシンDを、このアッセイのために決定したEC50濃度の4倍濃度で全ウェル(培地の行を除く)に添加した。1時間インキュベーションした後、Ab/Ag複合体をTC処理した96ウェル平底プレートに移した。細胞懸濁液20μl(1E06細胞/mlのWEHI)を全ウェルに添加し(最終体積:100μl/ウェル)、プレートを37C℃で24時間インキュベートした。24時間後、CellTiter96試薬を、製造者のプロトコルに従って添加した。プレートを490nmの波長で測定して、背景をウェルから減算し、OD値を抑制率に変換した。
組換え抗体についての第2次機能活性アッセイ:HUVEC細胞をヒトTNF−αで処理することによるIL−6発現のブロッキング
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)を、内皮増殖培地(EGM)および適切なHUVECサプリメント(Cambrex)中に通常のやり方で維持した。アッセイ当日に、トリパンブルーを用いてHUVECの生存率を決定した。本アッセイに必要な適量の培地(100μl/ウェル)に細胞を5E05/mlで再懸濁した。細胞を96ウェル平底培養プレートの中心のウェルに播種し、蒸発を防ぐために200μlの培地を外側の全ウェルに添加した。プレートを37℃で24時間インキュベートした。
24時間後、EGM中に所望の最終濃度の4倍の希釈率である適切な抗体希釈物が作製された(最後の行を除いて、開始Ab濃度=lug/ml;1:3の希釈率でプレートを横断して実施)。EGM中の同量のヒトTNF−α(所望の最終濃度の4倍の希釈率)をウェルに添加した。プレートを37℃で1時間インキュベートして、抗体/抗原複合体を形成した。1時間後、HUVEC培養プレートから培地50μlを除去して廃棄した。50μlのAb−Ag混合物を添加し、プレートを37℃で48時間インキュベートした。標準の陽性および陰性コントロールを含めた:ヒトTNF−αのみ(11列目)、バックグラウンド増殖(G行)のために培地のみ(Ab無し/TNF無し)。
48時間後、馴化培地IL−6レベルをELISA法で評価した。イムロン(Immulon)プレートを、1ug/mlのヤギ抗ヒトIL−6を用いて50μl/ウェルずつコーティングし、4℃で一晩、または室温で1時間置いた。プレートをPBS+0.5%のTween20でプレート洗浄機で洗浄した(200μl/ウェル、3回)。プレートを200μl/ウェルのFSGで1時間室温でブロックした。ブロッキング溶液を吸引し、プレートをブロットした。ヒトIL−6標準はAおよびB行に設定し(2連)、1ug/mlから始めてプレートに渡って希釈率は1:3(すべてFSG内で希釈)、12列目は空にした。HUVEC培養からのサンプルを、標準曲線の下のウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。洗浄を繰り返した。1ug/mlのALD515v5(抗ヒトIL−6)を50 μl/ウェルずつプレートに添加して、室温で1時間インキュベートした。洗浄を繰り返した。1:5000倍に希釈した第2次抗ヒトIgG Fc HRPを50μl/ウェルずつ添加して、室温で45分間インキュベートした。洗浄を繰り返した。50μl/ウェルの3,3’,5,5’テトラメチルベンジジン(TMB)を用いて最長5分でアッセイを展開した。50μl/ウェルのHClを用いて反応を停止させ、プレートリーダーを用いてプレートを450nmの波長で測定した。Graph Pad Prizmを用いてデータを分析した。
B細胞の回収
B‐ヒトTNF−αを用いたことを除いて、ヒトIL−6について記載した通り、フォシ(foci)プロトコルを実施した。
実施例9:Aβを結合する抗体の調製
Aβ1−40およびAβ1−42ペプチドの、2つのAβ形態を用いてウサギに免疫応答を生成した。本明細書に記載する抗体選択プロトコルを用いることで、C末端アミノ酸配列に特異的なエピトープ構成により、Aβの各々の形態を選択的に認識する抗体を同定することができる。また、ペプチドの中心領域およびN末端に見られる強力な抗原認識で抗体を同定することができる。スクリーニングのストラテジーは以下の通りである:(1)免疫化プロトコルに特異的な抗原を用いて第1次BCCスクリーニングを実施(2)対象領域を代表する小さなペプチドを用いて選択性スクリーニングを行う(それぞれ、N末端(1−12)、中心部(10−35)、およびC末端(34−40および36−42))。所望の第2次スクリーニング選択性で同定された、ウェル内のBCCによって生成された抗体のコード配列を、回収段階において小さいペプチド種を用いて回収した。このプロセスにおける小さいペプチドの新しい使用法は、非常に効率的であることを証明した。特に制限されたエピトープを標的抗原に所望する場合に、細胞の集団(foci)回収プロセスにおける小さなペプチド(6mersまたはそれ以上)の使用を支持し、強力な選択的抗体の回収を確立した。
免疫化ストラテジー
各Aβペプチドに対する2匹のウサギを、Anaspec社から入手したペプチドAβ1‐40、Aβ1‐42、KLH−Cys−Aβ1‐40、およびAmerican Peptideから入手したAβ1‐42−KLHを用いて免疫化した。免疫化は、ヒトIL−6について記載した手順に従って行った。
ABS力価の評価
抗原認識アッセイは、ヒトIL−6について記載したELISAプロトコルで決定したが、ストレプトアビジンでコーティングしたプレート(Sigma)を採用し、ビオチン化したペプチドAβビオチン−1−40およびAβビオチン−1−42を上述の濃度で1倍のPBS(Hyclone)中で抗原を室温で1時間固定化した。後続工程は上述の通りである。市販の特異的ペプチドに対する抗体を対照として用いた。血清サンプルをすべてのペプチドについてスクリーニングして力価の特異性を決定した。
組織採取
ヒトIL−6について上述した通りに、ウサギの脾臓、リンパ節、骨髄および全血を採取、処理、および冷凍した。
B細胞の培養
B細胞培養をヒトIL−6について記載したように設定したが、B細胞富化には以下の試薬およびストラテジーを使用した。Aβ1−40ペプチドで免疫化した動物には、Aβb−1−40を用いて富化した。Aβ1−42ペプチドで免疫化した動物には、Aβb−1−42を用いて初回通過富化を行い、流出した液はAβb−1−40を用いてさらに富化した。富化手順に従ってプレートを分類した。
抗原認識スクリーニング
プレートは、ビオチン化ペプチドを用いて上述のELISAプロトコルでスクリーニングした。主にAβ1−40およびAβ1−42ペプチドの両方に対して、プレートをスクリーニングした。エピトープの所在をより明確にするため、また各ペプチドのN末端、中央領域、およびC末端に特異的な抗体を同定するために、これらの各領域を代表するペプチド断片を第2次スクリーニングにおいて使用した。陽性ウェルが同定されてから、それらをマスタープレート中で混合し、ELISAサブトラクション法のプロトコルを用いてさらにペプチドのマッピングを行った。
ストレプトアビジンでコーティングしたプレートのウェルを、50μl/ウェルずつlug/mlの1倍PBS中で、以下の各ペプチドを用いてコーティングした(コーティングしたウェルの数は、第1次スクリーニングで同定された陽性ウェルの数に依存した):Aβb−10−35、Aβb−34−40、Aβb−36−44、Aβb−38−42(すべて注文に応じた特別な合成により調製、American peptide)。陽性ウェルからの上清50μl/ウェルを、ウェル上にコーティングされた各ペプチドを用いて連続的に室温で1時間インキュベートした(連続したインキュベーションの各々で、上清の無いウェルをFSGで充填した)。残りのELISAプロトコルは上述の通り行った。所望の抗体特徴を有するウェルをB細胞回収のために選択した。
B細胞の回収
選択したウェルから、上述の通り細胞の集団を回収(focied)したが、ELISAサブトラクション法のプロトコルでマッピングされた領域に適切な陽性の特異的を有する各領域のためにビオチン化したペプチド試薬を採用した。
実施例10:単離B細胞可変L鎖およびH鎖配列の回収ならびに組換え抗体の発現
L鎖およびH鎖のコード配列を、以前に−70℃で保存しておいた単一のB細胞から回収した。2段階方式の逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)プロセスを採用した。工程1では、標準的なRTに基づく方法を用いて対象領域をコードするRNAを回収し、後に増幅した。発現ベクターへの方向性クローニングに適切なDNA断片を生成する、ネステッドプライマーPCR増幅によって工程2を行った(L鎖:Hindlll/BsiWI、H鎖:Hindlll/Xhol)。この回収プロセスのための特異的配列は、宿主動物のゲノムの配列解析から得た。新しい配列の主な源は、ウサギ、マウス、およびラットである。プライマー配列は以下の通りである。
クローン化したcDNAsを、組換えL鎖およびH鎖の発現を可能にする2つの異なる哺乳類発現ベクターに連結した(カッパL鎖定常部およびガンマ1(γ−1)L鎖定常部)。これらのコンストラクトはインフレームで作り、配列回収に含まれる自然の信号配列を組み入れた。各発現プラスミドに対して大規模なDNA調製を行い、両方のプラスミドを用いたHEK293細胞へのトランスフェクションによって、完全長のウサギ/ヒトキメラ抗体の一過性の生成を行った。5日間培養した後で、得られた細胞を遠心分離により除去し、馴化培地を、抗原認識について直接検査するか、またはプロテインAクロマトグラフィを用いて組換え抗体の親和性精製を行った。
次に抗体を、上述のELISA法を用いて抗原認識についてテストした。また、精製した抗体に関しては、ForteBio Octect測定法によってKを確立した。最後に、回収された配列に関連した特定のウェルに起因する、本来の機能修飾特性を検査した。
L鎖およびH鎖配列回収の実験方法
当該方法は、Qiagen One Step RT−PCRキットについての製造元の説明に記載される技術に基づく。共通するマスターミックスが調製され、RNAの分解を防ぐためにRNasin(Promega)を含む。各工程1プライマー(プライマー配列認識番号:1、3、5、および7)0.58μMを含むRT−PCRマスターミックス50μLを、事前に回収された冷凍細胞を含む250μLのエッペンドルフチューブに添加し、氷上で注意深く混合する。以下のサイクルスキームに従ってOne Step RT−PCRを行った:(1)5O℃、30分;(2)95°C、15分;(3)94°C、30秒;(4)54°C、30秒;(5)72℃、1分;(6)工程3に戻る、合計35サイクル;(7)72℃、3分;(8)4℃に保持。
これらのサイクルが完了してから、L鎖およびH鎖可変領域を回復するために、第1次RT−PCR反応液1.5μLを用いて、別個の反応液で第2次PCR増幅を行った。以下のサイクルスキームに従って、0.4μMの第2次ネステッドPCRプライマーL鎖(プライマー配列識別番号:2および4)およびH鎖(プライマー配列識別番号:6および8)を用いてKODポリメラーゼを用いた増幅(Novagen)を行った:(1)94℃、2分;(2)94℃、30秒;(3)60℃、30秒;(4)72℃、45秒;(5)工程2に戻る、合計35サイクル;(6)72℃、3分;(7)4℃に保持。
第2次増幅が完了した時点で、反応液10μLを除去して、2%TAEアガロースゲル電気泳動により分析した。残り40μLの反応液をQiagen Qiaquick PCR Clean−upキットを用いて精製し、75μLで溶出した。
後にこれらのアンプリコンを、以下の条件下でL鎖の場合はHindlll/BsiWIで、H鎖の場合はHindlll/Xholで消化した:精製したPCR産物10μL、New England Biolabs10×制限酵素バッファ2を3μL、HindIII0.5μL(5U)、およびBsiWI0.5μL(5U)またはXhol0.5uLを37°Cで60分、その後55°Cで30分。消化断片をQiagen Qiaquick PCR法を用いて精製した。これらは後に適切な発現ベクターに連結した。この反応液2μLを、TOP10(Invitrogen)またはXL−10(Stratagene)のいずれかを形質転換するために使用して、形質転換した細胞をLB/カナマイシン(50μg/mL)上に播種した。
得られたコロニーを、以下のプライマーを用いたPCRスクリーニング法を用いてインサートについてスクリーニングした。
コロニーを選択してLB/カナマイシン60μLに入れ、30分間インキュベートする。30分経過したところで約1μLを除去して、2μMのプライマー対(配列識別番号:9/10(H鎖)および配列識別番号9/11(L鎖))を有する標準的な30μLKOD増幅反応(Novagen)に使用する。増幅スキームは以下の通りである:(1)96℃、2分;(2)96℃、20秒;(3)68℃、25秒;(4)2に戻り、合計40サイクルを繰り返す;(5)68℃、2分。
5μLを除去して2%のアガロース上で分析した。正しい可変領域インサートが確認された後、最終体積10μLで、各反応液5μLをNew Biolabs制限酵素バッファ2中でAlul(New England Biolabs)で消化し、4%TAEアガロースゲル電気泳動で分析した。回収した各ウェルから固有のAIuパターンを同定した。これらは、配列の特徴について後に処理した。

Claims (39)

  1. 抗原特異的な抗体を発現するB細胞を同定するための方法であって、
    (a)前記の抗原に特異的なB細胞の比率を増加させるために、宿主から採取されたB細胞を富化し、それによって富化されたB細胞集団を形成する工程と、
    (b)前記の富化されたB細胞集団から1以上の細胞のサブ集団を培養する工程と、
    (c)前記の培養されたサブ集団が前記抗原に特異的な抗体を産生するかどうかを決定し、それによって1以上の抗原陽性のサブ集団を同定する工程と;および
    (d)個々のB細胞が、前記抗原に特異的な抗体を産生するかどうかを決定する工程であって、その方法は、
    (i)工程(c)の1以上の前記の抗原陽性のサブ集団から、1以上の個々のB細胞を単離する工程と、
    (ii)前記抗原が直接的にまたは間接的に付着した、マトリックスまたは固体の支持体を含む固定化された抗原を提供する工程と、
    (iii)個々のB細胞を、前記の固定化された抗原と共にインキュベートする工程と、
    (iv)前記の個々のB細胞より分泌された抗体が、前記の固定化された抗原に結合するかどうかを検出する工程と;および
    (v)前記の固定化された抗原と個々の前記B細胞により分泌された抗体を含んでいる抗原抗体複合体が、前記B細胞と隣接していることに基づいて、前記抗原に特異的なB細胞分泌抗体を検出する蛍光分析アッセイにより、前記抗原に特異的な抗体を発現するB細胞を同定する工程と、を含む上記方法。
  2. 前記の固定化された抗原が抗原を負荷したビーズを含み、工程(d)(iv)は前記の固定化された抗原をフルオロフォアと連結した2次抗体と共にインキュベートする工程を含み、ここで前記2次抗体は、工程(a)の宿主の抗体と結合する抗免疫グロブリン抗体である、請求項1記載の方法。
  3. 工程(a)のB細胞が、脾臓、リンパ節、骨髄、および末梢血単核球から選択された少なくとも1つの源から採取されたものである、請求項1記載の方法。
  4. 工程(a)のB細胞を、前記の1つより多くの源から貯蔵する工程を更に含む、請求項3記載の方法。
  5. 工程(d)において抗原に特異的な抗体を作製すると決定された、前記の個々のB細胞由来の抗体鎖をコードする核酸を、単離するかまたは配列を決定する工程と、前記核酸にコードされるポリペプチドを組換え細胞内で発現させる工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  6. 前記組換え細胞は、酵母、細菌、昆虫、両生類、または哺乳類の細胞である、請求項5記載の方法。
  7. 前記組換え細胞は二倍体酵母である、請求項6記載の方法。
  8. 前記二倍体酵母はピキアである、請求項7記載の方法。
  9. 前記宿主は哺乳類である、請求項1記載の方法。
  10. 前記宿主はモルモット、ウサギ、マウス、ラット、ヒト以外の霊長類、ヒト、または齧歯類である、請求項9記載の方法。
  11. 工程(a)は、固体マトリックスまたは支持体に、直接的または間接的に付着した抗原を用いて、抗原特異的なB細胞を親和性精製する工程を含む、請求項1記載の方法。
  12. 固体マトリックスがカラムであるか、または固体マトリックスが磁気ビーズを含む、請求項11記載の方法。
  13. 工程(b)の前記サブ集団は、10,000個以下の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 工程(b)の前記サブ集団は、50〜10,000個の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 工程(b)の前記サブ集団は、50〜5,000個の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 工程(b)の前記サブ集団は、50〜250個の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 工程(b)の前記サブ集団は、フィーダー細胞を含む培地中で培養される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記フィーダー細胞はEL4B細胞である、請求項17記載の方法。
  19. 工程(b)の前記サブ集団は、活性化されたT細胞馴化培地を含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記培地は、1%ないし5%の活性化したウサギT細胞馴化細胞を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 工程(b)の前記サブ集団は少なくとも3日間培養される、請求項1に記載の方法。
  22. 工程(b)の前記サブ集団は3日〜5日間培養される、請求項21に記載の方法。
  23. 工程(b)の前記サブ集団は少なくとも1週間培養される、請求項21に記載の方法。
  24. 工程(b)の培養された前記サブ集団が、結合パートナーへの抗原の結合のアゴニズムまたはアンタゴニズム、特定の標的細胞の型の増殖の誘導または抑制;標的細胞の溶解の誘導または抑制;または前記抗原に関与する生物学的経路の誘導または抑制、を示す抗体を作製するかどうかを決定する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  25. 工程(b)の培養された前記サブ集団により作製された抗体の、抗原結合親和性を決定する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  26. 抗原特異的な抗体を発現するB細胞を同定するための、請求項1記載の工程を含む方法であって、
    ここで工程(a)は、固体マトリックスまたは支持体に直接的または間接的に付着した抗原を用いた抗原に特異的なB細胞の親和性精製により、前記抗原に特異的なB細胞の比率を増加させて採取されたB細胞を富化し、それによって富化されたB細胞集団を形成する工程と;および
    検出工程(iv)は、前記の固定化された抗原を検出可能な標識と連結した2次抗体と共にインキュベートする工程であって、ここで前記2次抗体は宿主特異的な抗免疫グロブリン抗体であって、ここで前記2次抗体は工程(a)の宿主の抗体に結合する抗免疫グロブリン抗体であり、それによって前記の個々のB細胞により分泌された抗体が前記の固定化された抗原と結合するかどうかを検出する、ことを含む上記方法。
  27. 前記の固定化された抗原が抗原を負荷したビーズを含み、工程(d)(iv)における検出可能な標識はフルオロフォアである、請求項26記載の方法。
  28. 工程(a)のB細胞が、脾臓、リンパ節、骨髄、および末梢血単核球から選択された少なくとも1つの源から採取されたものである、請求項26記載の方法。
  29. 工程(a)のB細胞を、前記の1つより多くの源から貯蔵する工程を更に含む、請求項28記載の方法。
  30. 工程(b)の前記サブ集団は、10,000個以下の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項26に記載の方法。
  31. 工程(b)の前記サブ集団は、50〜10,000個の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 工程(b)の前記サブ集団は、50〜5,000個の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 工程(b)の前記サブ集団は、50〜1000個の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 工程(b)の前記サブ集団は、50〜500個の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 工程(b)の前記サブ集団は、50〜250個の抗原特異的な抗体分泌細胞を含む、請求項34に記載の方法。
  36. 工程(b)の前記サブ集団は、少なくとも3日間培養される、請求項26に記載の方法。
  37. 工程(b)の前記サブ集団は、3日〜5日間培養される、請求項36に記載の方法。
  38. 工程(b)の前記サブ集団は、少なくとも1週間培養される、請求項36に記載の方法。
  39. 工程(b)の培養された前記サブ集団が、結合パートナーへの抗原の結合のアゴニズムまたはアンタゴニズム、特定の標的細胞の型の増殖の誘導または抑制;標的細胞の溶解の誘導または抑制、または前記抗原に関与する生物学的経路の誘導または抑制、を示す抗体を作製するかどうかを決定する工程を更に含む、請求項26記載の方法。
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