JP5606899B2 - ブラシレスモータの駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブラシレスモータを制御する駆動制御装置に関する。
ブラシレスモータの振動騒音の原因の一つにトルク変動がある。特に、120度通電方式の駆動を行う場合は、転流時のトルクの落ち込みが原因となって振動や騒音が発生してしまう。
このような転流時のトルクの落ち込みを低減するために、転流前後での相の切替時に所定のオーバーラップ期間を設ける技術が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、インバータ装置のスイッチング素子をオン/オフするにあたり、オーバーラップ期間内には、上アーム信号と下アーム信号をともにPWM信号にすることで、相の切換時に発生する電流変化の傾きを緩やかにして、振動および騒音の抑制を図っている。
特開2008−118830
しかしながら、特許文献1には以下の問題がある。
すなわち、オーバーラップ期間内のPWM信号は、キャリア周波数に基づいて生成されるため、PWM信号のパルス幅を任意に調整することは困難であり、電流変化の傾きを緩やかにできると言え、段階的な調整しかできないため、振動や騒音の抑制効果も限られたものになる。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、相の切り替え時の振動および騒音を比較的簡易な回路構成で効率よく抑制可能なブラシレスモータの駆動制御装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様では、ステータに設けられた複数相の電機子コイルに対してオーバーラップ通電を行うことにより、複数の磁極を有するロータを回転させるブラシレスモータの駆動制御装置において、
前記複数相の電機子コイルに通電を行うインバータ回路と、
前記インバータ回路を駆動するための駆動信号を生成するモータ駆動回路と、
前記オーバーラップ通電を行うオーバーラップ期間を設定するとともに、前記オーバーラップ期間に基づいて前記モータ駆動回路を制御するモータ制御部と、を備え、
前記インバータ回路は、
前記複数相の電機子コイルの各相ごとに設けられる複数の上アーム側スイッチング素子と、
前記複数相の電機子コイルの各相ごとに設けられ、対応する上アーム側スイッチング素子に直列接続される、複数の下アーム側スイッチング素子と、を有し、
前記モータ駆動回路は、定常駆動時には、前記複数相の電機子コイルの各相ごとに、前記複数の上アーム側スイッチング素子と前記複数の下アーム側スイッチング素子とのいずれか一方を、第1のPWM信号によりオン/オフ制御し、かつ、他方を、定電圧信号によりオン/オフ制御し、
前記モータ制御部は、前記オーバーラップ期間内には、前記オーバーラップ期間の直前に前記第1のPWM信号を供給していた前記上アーム側または下アーム側スイッチング素子に対して、前記第1のPWM信号よりも周波数が高い第2のPWM信号を供給するとともに、前記オーバーラップ期間の直前に前記定電圧信号を供給していた前記下アーム側または上アーム側スイッチング素子に対して、前記第1のPWM信号よりも周波数が高い第3のPWM信号を供給するように、前記モータ駆動回路を制御することを特徴とする駆動制御装置が提供される。
相の切換時の振動および騒音を比較的簡易な回路構成で効率よく抑制可能なブラシレスモータの駆動制御装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るブラシレスモータ2の駆動制御装置の概略構成を示すブロック図。 上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5と下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6の各スイッチング信号の一例を示す信号波形図。 図2のT2〜T3の期間内の詳細な信号波形図。 本実施形態に係る駆動制御装置1を用いたブラシレスモータ2の駆動時の騒音ピーク値と従来の駆動制御装置1を用いた場合の騒音ピーク値の測定結果を比較して示した図。 本発明の第2の実施形態に係るブラシレスモータ2の駆動制御装置1aの概略構成を示すブロック図。 目標回転数と第2のPWM信号SG3のオンデューティとの対応関係を示すテーブルの一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るブラシレスモータ2の駆動制御装置の概略構成を示すブロック図である。図1の駆動制御装置1は、例えば3相のブラシレスモータ2(以下、単にモータ2と呼ぶ)の駆動制御に用いられるものであり、モータ2が有する複数相の電機子コイル3に対してオーバーラップ通電を行って、モータ2のロータ4を回転させる。駆動制御対象であるモータ2は、種々のタイプのものが適用可能であり、2相以上であれば相数も特に問わない。以下では、説明の簡略化のために、3相のモータ2を駆動する例を説明する。以下では、3相を、U相、V相、W相と呼ぶ。
ここで、オーバーラップ通電とは、電流を供給する電機子コイル3の種類を切り替える際、すなわち相の切り替え時に、切り替え前後の2種類の電機子コイル3に同時に電流を供給するオーバーラップ期間を設ける通電方式を指す。オーバーラップ通電自体は、上述した特許文献1にも記載されているように公知であるが、本実施形態は、後述するように、オーバーラップ通電に関する独自の通電方式を採用した点に特徴がある。
オーバーラップ期間は、回転数に応じて、任意に設定することができるが、本実施形態に係る駆動制御装置1では、ロータ4を一定の回転速度(回転数)で駆動しており、相の切り替わり時のオーバーラップ期間は予め所定の値に設定されている。
図1の駆動制御装置1は、インバータ回路5と、モータ駆動回路6と、モータ制御部7と、回転位置検出部8とを備えている。インバータ回路5は、各相ごとに設けられる3つの上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5と、3つの下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6とを有し、対応する上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子とは直列接続されている。
モータ制御部7は、オーバーラップ期間およびオーバーラップ期間内にモータ駆動回路6より各相のスイッチング素子に出力するスイッチング信号(後述する)を設定するオーバーラップ制御部11と、各相の切替制御を行う通電切替タイミング制御部12とを有する。
上アーム側スイッチング素子Q1と下アーム側スイッチング素子Q2との接続ノードにはU相の電機子コイル3の一端が接続され、上アーム側スイッチング素子Q3と下アーム側スイッチング素子Q4との接続ノードにはV相の電機子コイル3の一端が接続され、上アーム側スイッチング素子Q5と下アーム側スイッチング素子Q6との接続ノードにはW相の電機子コイル3の一端が接続されている。
モータ駆動回路6は、定常駆動時(オーバーラップ期間以外の通電期間を指す)に、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5をオン/オフ制御するための第1のPWM信号SG1と、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6をオン/オフ制御するための定電圧信号SG2とを出力する。ここで、第1のPWM信号SG1とは、モータ駆動回路6より出力されるパルス幅を調整可能なPWM(パルス幅変調)信号である。定電圧信号SG2とは、モータ駆動回路6より出力される、特定の相(すなわち、通電相)のみハイレベルになり、それ以外の相ではローレベルを保持する信号である。以下では、第1のPWM信号SG1と定電圧信号SG2を総称して、スイッチング信号と呼ぶ。尚、本実施形態では、第1のPWM信号SG1の周波数およびオンデューティ(スイッチング周期に対するオンの期間の割合)は、ロータ2の回転数によって予め決められた固定値となっている。
図2は上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5と下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6の各スイッチング信号の一例を示す信号波形図である。尚、第1のPWM信号SG1または定電圧信号SG2がハイレベルのときに、対応するスイッチング素子がオンする。
図2(a)はT1〜T10の期間における第1〜第3のPWM信号SG1,SG3,SG4と定電圧信号SG2の信号波形図である。図2(a)では、オーバーラップ期間を破線で図示している。
図2(a)に示すように、本実施形態では、モータ制御部7が備えるオーバーラップ制御部11によって、第1のPWM信号SG1の相が切り替わるタイミングと、定電圧信号SG2の相が切り替わるタイミングとで、必ずオーバーラップ期間を設定している。例えば、期間T3では、上アーム側U相とV相にオーバーラップ期間Aが設定され、期間T2では、下アーム側V相とW相にオーバーラップ期間Bが設定されている。
図2(b)は期間T3のオーバーラップ期間Aの拡大図、図2(c)は期間T2のオーバーラップ期間Bの拡大図である。
図2(b)からわかるように、オーバーラップ制御部11により、期間T3のオーバーラップ期間内には、第1のPWM信号SG1よりも周波数の高い第2のPWM信号SG3が設定されて、第1のPWM信号SG1を第2のPWM信号SG3に置き換える。より詳細には、上アーム側U相には、期間T3内のオーバーラップ期間Aに、上アーム側V相の第1のPWM信号SG1が立ち上がるタイミングに、次に切り替わる相であるV相の第1のPWM信号SG1の2つのハイレベル期間内にそれぞれ、3つのパルスからなる第2のPWM信号SG3がオーバーラップ制御部11にて設定され、モータ駆動回路6から上アーム側U相に出力される。
第2のPWM信号SG3は、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1の各ハイレベル期間ごとにオーバーラップ制御部11にて設定される。したがって、第2のPWM信号SG3は、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1の各ハイレベル期間内のみにモータ駆動回路6から出力されるPWM信号である。
これに対して、期間T2におけるオーバーラップ期間Bでは、図2(c)に示すように、下アーム側W相の定電圧信号SG2のハイレベル期間に、第3のPWM信号SG4が連続的にオーバーラップ制御部11にて設定される。図2(c)の例では、オーバーラップ期間Bにおける定電圧信号SG2のハイレベル期間に、オーバーラップ制御部11にて12個のパルスからなる第3のPWM信号SG4が設定され、モータ駆動回路6から下アーム側V相に出力される。第3のPWM信号SG4は、図2(b)の第2のPWM信号SG3とは異なり、同じ周期で連続的に出力される。
第2および第3のPWM信号SG3,SG4の周波数およびオンデューティは、モータ制御部7により制御され、必ずしも固定の値でなくてもよいが、本実施例では、それぞれ、固定した値としており、一例として、第1のPWM信号SG1は16kHzで、第2および第3のPWM信号SG3,SG4は270kHzに設定される。なお、第2のPWM信号SG3と第3のPWM信号SG4は必ずしも同じ周波数である必要はないが、同じ周波数にした方が、これらの信号を制御するモータ制御部7と、モータ制御部7の制御の下でこれらの信号を出力するモータ駆動回路6の内部構成を簡略化できる。
このように、第2および第3のPWM信号SG3,SG4の周波数とオンデューティは任意に設定してもよいが、一般には、第2および第3のPWM信号SG3,SG4の周波数をできるだけ高くした方が、相の切り替え時に電機子コイル3に流れる相電流の傾斜がより緩やかになり、モータ2の振動および騒音をより効率よく抑制できる。その一方で、周波数を高く設定すると、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング損失が増大するため、両者のトレードオフで最適な周波数を設定するのが望ましい。第2および第3のPWM信号SG3,SG4の周波数を設定する条件としては、スイッチング素子Q1〜Q6およびその周辺回路に用いる各回路素子の種類や電気特性(例えば、立ち上がり/立ち下がり応答など)、オーバーラップ期間の長さ等が考えられる。これらを総合的に勘案して周波数を決定するのが望ましい。
図2(a)の例では、オーバーラップ期間を、電気角30度として定義している。これはあくまで一例であり、オーバーラップ期間は電気角の替わりに時間で定義してもよく、また、具体的なオーバーラップ期間は、駆動対象であるモータ2の設計仕様等を考慮に入れて予め決められた値に設定してもよいし、後述するように、モータ2の回転数により調整してもよい。
図2(a)では、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5に第1のPWM信号SG1を供給して、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6に定電圧信号SG2を供給する例を示しているが、逆に、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5に定電圧信号SG2を供給して、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6に第1のPWM信号SG1を供給してもよい。
図2(a)からわかるように、本実施形態では、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5はPWM制御するのに対し、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6は相ごとに定電圧を供給することを前提としている。下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6には、定常駆動時は、相ごとに二種類の定電圧(ハイレベルとローレベル)のいずれかが供給されるため、以下では、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6の制御を定電圧制御と呼ぶ。
下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6を定電圧制御することで、上下アームともPWM制御する場合よりも、モータ制御部7の内部構成を簡略化できる。
図2で説明した第1〜第3のPWM信号SG1,SG3,SG4と定電圧信号SG2は、モータ制御部7の制御の下でモータ駆動回路6にて出力される。
オーバーラップ制御部11は、上述したように、予め決められた値にオーバーラップ期間を設定してもよいし、モータ2の回転数によりオーバーラップ期間を調整してもよい。通電切替タイミング制御部12は、回転位置検出部8により検出されたモータ2の回転位置により、相の切替タイミングに達したか否かを判断し、第1〜第3のPWM信号SG1,SG3,SG4と定電圧信号SG2の切替タイミングをモータ駆動回路6に通知する。回転位置検出部8は、モータ2の各電機子コイル3の一端Pに誘起する誘起電圧により、センサレス(センサなし)で回転位置を検出する。
図3は、図2のT2〜T3の期間内の詳細な信号波形図である。期間T2では上アーム側U相のスイッチング素子Q1に第1のPWM信号SG1が供給され、期間T3になると、上アーム側V相のスイッチング素子Q3に第1のPWM信号SG1が供給される。期間T2の期間内は、電機子コイル3のU相電流は略一定である。
期間T3に切り替わった直後から所定期間内にオーバーラップ期間が設定されて、上アーム側U相の第1のPWM信号SG1が、より周波数の高い第2のPWM信号SG3に切り替わる。これにより、電機子コイル3のU端子とW端子間の電圧も、図3に示すように、第2のPWM信号SG3に同期して、速い周期で変化する。これにより、U相電流は、UW間電圧に比例して、ほぼ線形に減少していく。このU相電流の傾斜は、オーバーラップ期間を設けない場合の傾斜(図3の破線)と比べて緩やかになる。
同様に、期間T1からT2に切り替わる際も、期間T2になった直後から所定期間内はオーバーラップ期間が設定される。期間T1では、図2に示すように、下アーム側V相の第2のスイッチング素子Q2に定電圧信号SG2が供給され、期間T2になると、下アーム側W相の第3のスイッチング素子Q3に定電圧信号SG2が供給される。期間T2になった直後のオーバーラップ期間内は、下アーム側V相の第2のスイッチング素子Q2に第3のPWM信号SG4が供給される。これにより、オーバーラップ期間内のUV間電圧は、図3に示すように短い周期で変化し、V相電流の傾斜が緩やかになる。このV相電流の傾斜は、オーバーラップ期間を設けない場合の傾斜(図3の破線)と比べて緩やかになる。
図4は、本実施形態に係る駆動制御装置1を用いたブラシレスモータ2の駆動時の騒音ピーク値と従来の駆動制御装置1を用いた場合の騒音ピーク値の測定結果を比較して示した図である。図4では、本実施形態の測定ではモータ2の回転周波数f=490Hzのとき、従来の測定ではモータ2の回転周波数f=472Hzのときに、それぞれ、騒音ピーク値37[dB]、42[dB]を示した。尚、本数値は、モータから約1mの距離での測定値である。
上記のように、本実施形態に係る駆動制御装置1によれば、一例として、従来よりも約5dBの騒音低減効果が得られた。
このように、本実施形態では、オーバーラップ期間の直前の定常駆動時に第1のPWM信号SG1を供給していていた上アーム側スイッチング素子に対して、オーバーラップ期間内で、第1のPWM信号SG1よりも周波数が高い第2のPWM信号SG3を供給して、2相分の上アーム側スイッチング素子を同時にオンする。あるいは、オーバーラップ期間の直前の定常駆動時に定電圧信号SG2を供給していた下アーム側スイッチング素子に対して、オーバーラップ期間内で、第1のPWM信号SG1よりも周波数が高い第3のPWM信号SG4を供給して、2相分の下アーム側スイッチング素子を同時にオンする。これにより、オーバーラップ期間内に流れる相電流の傾斜が緩やかになり、トルク変動を低減でき、ひいてはブラシレスモータ2の振動および騒音を大幅に抑制できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、回転数に応じて、オーバーラップ期間と第2および第3のPWM信号SG3,SG4のオンデューティを調整できるようにしたものである。
図5は本発明の第2の実施形態に係るブラシレスモータ2の駆動制御装置1aの概略構成を示すブロック図である。図5では、図1と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
図5の駆動制御装置1aは、図1の構成に加えて、基準回転数算出部21と、目標回転数算出部22と、速度制御部13とを備えている。基準回転数算出部21は、回転位置検出部8により検出されたロータ4の回転位置に基づいて、所定の基準時刻でのロータ4の回転数(以下、基準回転数と呼ぶ)を算出する。目標回転数算出部22は、駆動制御装置1aの外部から供給される回転数指令に基づいて、ロータ4の回転数の目標値(以下、目標回転数と呼ぶ)を算出する。
モータ制御部7内に設けられる速度制御部13は、基準回転数算出部21で算出された基準回転数と、目標回転数算出部22で算出された目標回転数とに基づいて、ロータ4の回転速度を制御するための速度制御信号を生成し、生成した速度制御信号をモータ駆動回路6に供給する。同じくモータ制御部7内のオーバーラップ制御部11は、基準回転数算出部21で算出された基準回転数と、目標回転数算出部22で算出された目標回転数とに基づいて、オーバーラップ期間と、オーバーラップ期間内にモータ駆動回路6より各相のスイッチング素子に出力するスイッチング信号と、オーバーラップするべき2つの相とを決定して、その決定情報を通電切替タイミング制御部12に通知する。
モータ制御部7内の速度制御部13は、目標回転数算出部22で算出された目標回転数に基づいて、モータ駆動回路6が出力する第2のPWM信号SG3のオンデューティを調整する。ここで、オンデューティとは、スイッチング素子がオンの期間の割合(図2(b)におけるton/tp)を指す。
図6は、目標回転数と第2のPWM信号SG3のオンデューティとの対応関係を示すテーブルの一例を示す図である。
モータ制御部7は、図6に示すように、目標回転数に応じて、第2のPWM信号SG3のオンデューティを目標回転数が高いほど、オンデューティを低くするように切り替えている。
以下では、図6のテーブルが有効である理由を説明する。目標回転数の大きさにかかわらず、オーバーラップ期間の直前に第1のPWM信号SG1を供給していた相にオーバーラップ期間内に供給する第2のPWM信号SG3は、オンデューティを大きくした方がその直前の相の電流傾斜を緩やかにできるはずであるが、実際には、オンデューティが大きすぎると、相切り替え後の新たな相になかなか切り替わらないことになり、また、その直前の相のスイッチング素子に流れる電流量が多くなり、騒音が増える等の不具合が生じる。よって、オンデューティを大きくするのには限界がある。
例えば、目標回転数に近づくようにモータ2の回転数を高くする場合、相切り替え時に、回転数の増加に応じて、新たな相のスイッチング素子のオン/オフを制御する第1のPWM信号SG1のオンデューティを大きくする必要がある。第1のPWM信号SG1のオンデューティが大きい場合と小さい場合で、相切り替え時の上述した第2のPWM信号SG3のオンデューティを同じにしたとすると、第1のPWM信号SG1のオンデューティが大きい方がその直前の相のスイッチング素子に電流が流れる期間が長くなり、結果として、騒音が増えてしまう。
この種の相切り替え時の騒音を低減するには、相切り替え直前の相の電流減少の傾斜と相切り替え直後の相の電流増加の傾斜とを最適化する必要がある。ところが、目標回転数に応じて、第1のPWM信号SG1のオンデューティが変化し、第1のPWM信号SG1のオンデューティにより、相切り替え時の第2のPWM信号SG3のオンデューティの最適値も変化する。
このような事情を鑑みて、本発明者が試行錯誤した結果、一例として、例えば図6のような対応関係が得られた。図6に示すように、目標回転数が高いほど、オンデューティを小さくした方が、相切り替え直前の相の電流減少の傾斜と相切り替え直後の相の電流増加の傾斜とを最適化でき、振動および騒音も抑制できることがわかった。
このように、第2の実施形態では、目標回転数に応じて、第2のPWM信号SG3のオンディーティを調整することで、相電流の傾斜をモータ2の目標回転数に応じて最適化することができ、より効率よくモータ2の振動および騒音を抑制できる。尚、目標回転数ではなく、基準回転数に応じて第2のPWM信号SG3のオンディーティを調整するようにしても、同様な効果が得られる。
また、第2の実施形態では、目標回転数と基準回転数に基づいてオーバーラップ期間を設定するため、モータ2の実際の回転状況を考慮してオーバーラップ通電を行うことができ、より安定にモータ2を駆動しつつ、振動および騒音の抑制効果を高めることができる。
図6では、目標回転数と第2のPWM信号SG3のオンデューティの対応関係を示したが、第3のPWM信号SG4の周波数が第2のPWM信号SG3の周波数と同じであれば、第3のPWM信号SG4についても図6に基づいてオンデューティを設定できる。もし、第3のPWM信号SG4の周波数が第2のPWM信号SG3の周波数と異なっていれば、図6とは別個に、目標回転数と第3のPWM信号SG4のオンデューティの対応関係を示すテーブルを設けて、このテーブルを用いて第3のPWM信号SG4のオンデューティを決定すればよい。
(その他の変形例)
上述した実施形態では、上アーム側のスイッチング素子Q1,Q3,Q5と下アーム側のスイッチング素子Q2,Q4,Q6のスイッチング速度が略同一であることを念頭に置いて、上アーム側と下アーム側を区別せずに、第2のPWM信号SG3のオンデューティを設定した。ところが、上アーム側と下アーム側とでスイッチング速度が異なる場合も考えられる。この場合、上アーム側と下アーム側で、第2のPWM信号SG3のオンデューティを変えるのが望ましい。より具体的には、上アーム側と下アーム側で、スイッチング速度が遅い方のスイッチング素子の第2のPWM信号SG3のオンデューティをより大きくするのが望ましい。これを実現するには、上アーム側と下アーム側で、図6のようなテーブルを別個に設ければよい。
上述した回転位置検出部8は、センサレスで各電機子コイル3に誘起される誘起電圧を検出する例を示したが、ロータ4の回転位置を検出する位置センサを設けて、この位置センサからの信号により回転位置を検出してもよい。
また、第2のPWM信号SG3は、図2(b)に示したオーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1の各ハイレベル期間内のみに出力されるPWM信号に限定されるものではなく、モータの動作条件によっては、第2のPWM信号SG3は、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1の各ローレベル期間のすべての期間あるいは一部期間にも出力されるPWM信号として、相電流の傾斜を微調整するようにしてもよい。
また、第3のPWM信号SG4は、図2(c)に示したオーバーラップ期間内に連続的に出力されるPWM信号に限定されるものではなく、モータの動作条件によっては、第3のPWM信号SG4は、オーバーラップ期間内の一部期間は出力されない、断続的に出力されるPWM信号として、相電流の傾斜を微調整するようにしてもよい。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1,1a 駆動制御装置
2 ブラシレスモータ
3 電機子コイル
4 ロータ
5 インバータ回路
6 モータ駆動回路
7 モータ制御部
8 回転位置検出部
11 オーバーラップ制御部
12 通電切替タイミング制御部
13 速度制御部
21 基準回転数算出部
22 目標回転数算出部

Claims (5)

  1. ステータに設けられた複数相の電機子コイルに対してオーバーラップ通電を行うことにより、複数の磁極を有するロータを回転させるブラシレスモータの駆動制御装置において、
    前記複数相の電機子コイルに通電を行うインバータ回路と、
    前記インバータ回路を駆動するための駆動信号を生成するモータ駆動回路と、
    前記オーバーラップ通電を行うオーバーラップ期間を設定するとともに、前記オーバーラップ期間に基づいて前記モータ駆動回路を制御するモータ制御部と、を備え、
    前記インバータ回路は、
    前記複数相の電機子コイルの各相ごとに設けられる複数の上アーム側スイッチング素子と、
    前記複数相の電機子コイルの各相ごとに設けられ、対応する上アーム側スイッチング素子に直列接続される、複数の下アーム側スイッチング素子と、を有し、
    前記モータ駆動回路は、定常駆動時には、前記複数相の電機子コイルの各相ごとに、前記複数の上アーム側スイッチング素子と前記複数の下アーム側スイッチング素子とのいずれか一方を、第1のPWM信号によりオン/オフ制御し、かつ、他方を、定電圧信号によりオン/オフ制御し、
    前記モータ制御部は、前記オーバーラップ期間内には、前記オーバーラップ期間の直前に前記第1のPWM信号を供給していた前記上アーム側または下アーム側スイッチング素子に対して、前記第1のPWM信号よりも周波数が高い第2のPWM信号を供給するとともに、前記オーバーラップ期間の直前に前記定電圧信号を供給していた前記下アーム側または上アーム側スイッチング素子に対して、前記第1のPWM信号よりも周波数が高い第3のPWM信号を供給するように、前記モータ駆動回路を制御することを特徴とする駆動制御装置。
  2. 前記第2のPWM信号は、前記オーバーラップ期間内において、少なくとも前記第1のPWM信号がハイレベルの期間内に生成されるPWM信号であり、
    前記第3のPWM信号は、前記オーバーラップ期間内において、前記定電圧信号がハイレベルを取る期間内の少なくとも一部期間に連続して生成されるPWM信号であることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. 前記オーバーラップ期間は、各相ごとに、相の切り替え時に設定され、
    前記モータ駆動回路は、前記オーバーラップ期間において、前記第1のPWM信号が供給される上アーム側または下アーム側では、次に切り替わる相のスイッチング素子に前記第1のPWM信号を供給するとともに、前記次に切り替わる相のスイッチング素子のオン期間内に、前記オーバーラップ期間の直前に前記第1のPWM信号を供給していた上アーム側または下アーム側スイッチング素子に前記第2のPWM信号を供給し、前記定電圧信号が供給される上アーム側または下アーム側では、前記オーバーラップ期間の直前に前記定電圧信号を供給していた上アーム側または下アーム側スイッチング素子に前記第3のPWM信号を供給することを特徴とする請求項2に記載の駆動制御装置。
  4. 前記ロータの回転位置を検出する回転位置検出部と、
    前記回転位置検出部で検出された回転位置に基づいて、所定の基準時刻での前記ロータの回転数を表す基準回転数を算出する基準回転数算出部と、
    所定の回転数指令に基づいて、前記ロータの回転数の目標値である目標回転数を算出する目標回転数算出部と、を備え、
    前記モータ制御部は、前記目標回転数と前記基準回転数とに基づいて、前記オーバーラップ期間を設定するとともに、前記目標回転数または基準回転数に基づいて前記オーバーラップ期間内における前記第2および第3のPWM信号のオンデューティを可変制御することを特徴とする請求項3に記載の駆動制御装置。
  5. 前記モータ制御部は、前記上アーム側および下アーム側スイッチング素子のそれぞれごとに別個に、前記第2および第3のPWM信号のオンデューティを可変制御することを特徴とする請求項4に記載の駆動制御装置。
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