JP5605038B2 - 画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法に関する。
液晶表示装置、プラズマ表示装置、プロジェクター等の画像表示装置は、周辺の照明環境に応じて、明部や暗部の階調つぶれ、コントラスト低下等が引き起こされて表示画像の視認性が低下することがある。特に、プロジェクターは、液晶表示装置及びプラズマ表示装置等とは異なり、スクリーンに画像光を投影することにより画像を表示するものであるため、周辺の照明環境に応じて表示画像の視認性の低下が顕著になる。
以下の特許文献1には、プロジェクター周辺の照度と画像信号のAPL(平均輝度レベル)とを検出し、これらの検出結果に応じて白伸長及び黒伸長の少なくとも一方を行ってコントラストを高くすることで表示画像の視認性の向上を図る技術が開示されている。例えば、周辺が明るいと検出され、且つ検出されたAPLが所定の設定値以下の場合には、白伸長及び黒伸長の双方を行うことで表示画像の視認性を向上させている。
以下の特許文献2には、プロジェクターで用いられるスクリーンであって、部屋が明るい状態でもコントラストの高い画像の表示を可能とする波長選択スクリーンが開示されている。ここで、波長選択スクリーンとは、プロジェクターから射出される発光波長の光のみを観察者に向けて反射し、その他の波長の光を吸収するスクリーンである。この波長選択スクリーンを用いると、外光成分が吸収されることから、部屋が明るい状態でもコントラストの高い画像の表示が可能になる。
特開2009−276424号公報 特開2006−350185号公報
ところで、上述した特許文献1に開示された技術では、照明環境に応じて引き起こされる表示画像の階調つぶれは補正できるものの、照明環境に応じた表示画像の色の変化を補正することはできないという問題がある。例えば、蛍光灯で照明された状態にある表示画像の色と、白熱灯で照明された状態にある表示画像の色とは若干異なるが、この照明環境に応じた色の違いを補正することはできないという問題がある。
また、上述した特許文献2に開示された波長選択スクリーンを用いた場合には、波長選択スクリーンに入射する光のうちの特定の波長の光が吸収されずに反射される。このため、仮に白色光の照明光が波長選択スクリーンに入射したとしても、波長選択スクリーンの反射・吸収特性に応じて反射光が色味を有してしまう。すると、波長選択スクリーンに表示される表示画像の暗部がその反射光の色味に応じて呈色してしまうという問題がある。
ここで、表示画像の暗部の呈色(黒の色味)をプロジェクター側で補正しようとすると、黒の色味とコントラストとはトレードオフの関係になる。このため、黒の色味を優先して解消しようとすると表示画像の暗部の輝度が上昇してコントラストが低下してしまい、逆に表示画像のコントラストを優先すると黒の色味を十分解消することができないという問題がある。尚、従来は、このような表示画像の暗部の色味を補正しようとした場合にはユーザが照明環境に応じて手動で行う必要があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、照明環境に応じて生ずる表示画像の暗部の呈色をコントラストも加味して自動的且つ適切に補正することができる画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法を提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、画像信号に応じた画像を表示面に表示する表示装置に入力される前記画像信号に対する処理を行う画像処理装置であって、前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される画像の色が、完全無光状態における前記表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色となるように、前記画像信号を補正する色補正部を備えることを特徴としている。
この発明によると、画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に表示装置の使用環境下で表示面に表示される画像の色が、完全無光状態における表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色となるように、表示装置に入力される画像信号が色補正部によって補正される。このため、照明環境に応じて生ずる表示画像の暗部の呈色をコントラストも加味して自動的且つ適切に補正することができる。
ここで、前記完全無光状態は、前記表示装置による前記表示面への画像表示が行われず、且つ、前記表示面に外光が照射されていない状態である。
また、前記補正黒色と同視できる色は、均等色空間において前記補正黒色との色差の大きさが1以下の色である。
また、本発明の画像処理装置は、前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される画像の色を、完全無光状態における前記表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色に補正する色補正テーブルを保存する色補正テーブル保存部を備えており、前記色補正部は、前記色補正テーブル保存部に保存された前記色補正テーブルを用いて前記画像信号を補正することを特徴としている。
この発明によると、表示装置の使用環境下において、上記の補正を実現し得る色補正テーブルが生成され、この色補正テーブルを用いて画像信号が補正される。このため、あらゆる照明環境下において、表示画像の暗部の呈色をコントラストも加味して自動的且つ適切に補正することができる。
また、本発明の画像処理装置は、前記表示装置によって前記表示面に表示される画像の色特性を保存する第1色特性保存部と、前記表示面に照射される外光の色特性を保存する第2色特性保存部と、前記第1,第2色特性保存部に保存された色特性を用いて、前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示可能な表示色域を算出する表示色域算出部と、前記表示色域算出部の算出結果を用いて、前記色補正テーブルを生成する色補正テーブル生成部とを備えることを特徴としている。
この発明によると、表示装置によって表示面に表示される画像の色特性と表示面に照射される外光の色特性とを用いて表示装置の使用環境下で表示面に表示可能な表示色域が算出され、算出された表示色域を用いて色補正テーブルが生成される。このため、照明環境のみならず、表示装置の特性も考慮した補正を行うことができ、様々な表示特性を有する表示装置に適用可能である。
また、本発明の画像処理装置は、前記表示色域算出部で算出された前記表示色域を基に、前記画像信号が白色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示させるべき補正白色と、前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示させるべき前記補正黒色或いは前記補正黒色と同視できる色とを求める補正色算出部を備えており、前記色補正テーブル生成部は、前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される白色及び黒色をそれぞれ前記補正白色及び前記補正黒色にする前記色補正テーブルを生成することを特徴としている。
この発明によると、画像信号が白色の画像を表示するものである場合に表示装置の使用環境下で表示面に表示させるべき補正白色と、画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に表示装置の使用環境下で表示面に表示させるべき補正黒色(或いは、補正黒色と同視できる色)とが求められ、表示装置の使用環境下で表示面に表示される白色及び黒色をそれぞれ補正白色及び補正黒色(或いは、補正黒色と同視できる色)にする色補正テーブルが生成される。このため、黒色に加えて、彩度を有しない白色及び灰色の呈色も適切に解消される。
本発明の画像表示装置は、画像信号に応じた画像を表示面に表示する表示装置を備える画像表示装置において、前記表示装置に入力される画像信号に対する処理を行う上記の画像処理装置を備えることを特徴としている。
また、本発明の画像表示装置は、前記表示装置によって前記表示面に表示される画像の色特性、及び前記表示面に照射される外光の色特性を検出する色センサーを備えることを特徴としている。
この発明によると、表示装置によって表示面に表示される画像の色特性、及び表示面に照射される外光の色特性が色センサーによって検出されるため、仮に表示装置の使用環境が変化したとしても、その使用環境の変化に応じた適切な画像信号の補正を即座に行うことができる。
本発明の画像処理方法は、画像信号に応じた画像を表示面に表示する表示装置に入力される前記画像信号に対する処理を行う画像処理方法であって、前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される画像の色が、完全無光状態における前記表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色となるように、前記画像信号を補正する色補正ステップを有することを特徴としている。
この発明によると、画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に表示装置の使用環境下で表示面に表示される画像の色が、完全無光状態における表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色となるように、表示装置に入力される画像信号が補正される。このため、照明環境に応じて生ずる表示画像の暗部の呈色をコントラストも加味して自動的且つ適切に補正することができる。
また、本発明の画像処理方法は、前記色補正ステップが、前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される画像の色を、完全無光状態における前記表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色に補正する色補正テーブルを用いて前記画像信号を補正することを特徴としている。
この発明によると、表示装置の使用環境下において、上記の補正を実現し得る色補正テーブルが生成され、この色補正テーブルを用いて画像信号が補正される。このため、あらゆる照明環境下において、表示画像の暗部の呈色をコントラストも加味して自動的且つ適切に補正することができる。
また、本発明の画像処理方法は、前記表示装置によって前記表示面に表示される画像の色特性を保存する第1色特性保存ステップと、前記表示面に照射される外光の色特性を保存する第2色特性保存ステップと、前記第1,第2色特性保存ステップで保存された色特性を用いて、前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示可能な表示色域を算出する表示色域算出ステップと、前記表示色域算出ステップの算出結果を用いて、前記色補正テーブルを生成する色補正テーブル生成ステップとを有することを特徴としている。
この発明によると、表示装置によって表示面に表示される画像の色特性と表示面に照射される外光の色特性とを用いて表示装置の使用環境下で表示面に表示可能な表示色域が算出され、算出された表示色域を用いて色補正テーブルが生成される。このため、照明環境のみならず、表示装置の特性も考慮した補正を行うことができ、様々な表示特性を有する表示装置に適用可能である。
また、本発明の画像処理方法は、前記表示色域算出ステップで算出された前記表示色域を基に、前記画像信号が白色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示させるべき補正白色と、前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示させるべき前記補正黒色或いは前記補正黒色と同視できる色とを求める補正色算出ステップを有しており、前記色補正テーブル生成ステップは、前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される白色及び黒色をそれぞれ前記補正白色及び前記補正黒色にする前記色補正テーブルを生成するステップであることを特徴としている。
この発明によると、画像信号が白色の画像を表示するものである場合に表示装置の使用環境下で表示面に表示させるべき補正白色と、画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に表示装置の使用環境下で表示面に表示させるべき補正黒色(或いは、補正黒色と同視できる色)とが求められ、表示装置の使用環境下で表示面に表示される白色及び黒色をそれぞれ補正白色及び補正黒色(或いは、補正黒色と同視できる色)にする色補正テーブルが生成される。このため、黒色に加えて、彩度を有しない白色及び灰色の呈色も適切に解消される。
本発明の一実施形態による画像処理装置及び画像表示装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置で行われる処理を説明するための図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置で行われる処理を説明するための図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置で補正された画像の官能評価試験結果を示す図である。 本発明の一実施形態による画像処理方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による画像表示装置が備える表示装置の要部構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
図1は、本発明の一実施形態による画像処理装置及び画像表示装置の要部構成を示すブロック図である。以下では、画像表示装置としてプロジェクターを例に挙げて説明を進める。図1に示す通り、プロジェクター1は、画像処理装置10、表示装置20、及び色センサー30を備えており、画像信号に応じた画像光をスクリーン40(表示面)に向けて投影することによりスクリーン40上に画像を表示する。尚、図1に示す通り、スクリーン40には、プロジェクター1から投影される画像光以外に、プロジェクター1の使用環境下における外光(例えば、蛍光灯からの照明光)が照射されるとする。
画像処理装置10は、スクリーン40に表示される画像のコントラストを悪化させることなく、照明環境(外光)に応じて生ずる画像の暗部の呈色が解消されるように、入力される画像信号を補正する処理を行う。表示装置20は、画像処理装置10で補正された画像信号に基づいて変調した光(画像光)をスクリーン40に向けて投影することにより、画像信号(補正された画像信号)に応じた画像をスクリーン40上に表示する。尚、画像処理装置10及び表示装置20の詳細については後述する。
色センサー30は、スクリーン40からの反射光の色を検出するセンサーであり、表示装置20がスクリーン40に表示する画像の色特性、及びスクリーン40に照射される外光の色特性を検出するために設けられる。色センサー30は、仮にプロジェクター1の使用環境が変化したとしても、その使用環境の変化に応じた適切な画像信号の補正を即座に行うために設けられる。
この色センサー30としては、例えば赤色、緑色、及び青色にそれぞれ感度をもつ3種類のフォトダイオードがパッケージに収められているRGBカラーセンサーを用いることができる。尚、表示装置20からの画像光が投影されるスクリーン40としては、表示装置20から射出される発光波長の光(赤色、緑色、及び青色の光)のみを反射し、その他の波長の光を吸収する波長選択スクリーンを用いることができる。
次に、画像処理装置10について詳細に説明する。まず、画像処理装置10が備える各部の詳細を説明する前に、画像処理装置10で行われる処理を定性的に説明する。図2,図3は、本発明の一実施形態による画像処理装置で行われる処理を説明するための図である。これら図2,図3では、横軸に彩度をとり、縦軸に明度をとった二次元色空間を図示している。一般的に用いられる色空間はL色空間、或いはL色空間等の均等色空間である。ここで、均等色空間とは、色空間上での距離・間隔が、知覚的な色の距離・間隔に類似するよう設計された空間をいう。また、L色空間やL色空間等は三次元色空間である。図2,3に示す色空間は、説明を分かりやすくするために、これらの三次元色空間を二次元に投影したり、L軸を含む平面で切ったりし、彩度と明度とが軸になるようにしたものである。
図2において、直線L1〜L4で囲まれた領域(斜線が付された四角形状の領域)は、プロジェクター1の使用環境下において、表示装置20がスクリーン40に表示可能な表示色域R1を示している。つまり、プロジェクター1は、その使用環境下において、表示色域R1内の色であればスクリーン40上に表示可能であるが、表示色域R1外の色の表示は不可能である。
また、図2において、符号W1が付された点は表示装置20がスクリーン40に表示可能な最大明度の白色(以下、白色W1という)を示す点であり、符号B1が付された点は表示装置20がスクリーン40に表示可能な最小明度の黒色(以下、黒色B1という)を示す点である。尚、画像信号が24ビットのRGB信号(8ビットのR信号、8ビットのG信号、及び8ビットのB信号からなる信号)であるとすると、白色W1は表示装置20に入力されるRGB信号が(255,255,255)である場合に表示される色であり、黒色B1は表示装置20に入力されるRGB信号が(0,0,0)である場合に表示される色である。
前述した通り、図2に示す色空間は横軸に彩度をとり縦軸に明度をとっているため、色味を有しない色(黒色、白色、及び黒色と白色との間の色である灰色)は、本来であれば縦軸(明度の軸)上に位置する。しかしながら、プロジェクター1の使用環境下における外光の影響、或いはスクリーン40の特性によって白色W1及び黒色B1が共に色味を有する(呈色する)ため、図2に示す通り、白色W1及び黒色B1は縦軸上から外れた位置に現れることになる。また、黒色と白色との間の色である灰色の色味も色味を有するため、灰色は図2中の白色W1と黒色B1とを結ぶ直線L11上に現れることになる。
画像処理装置10は、以上の呈色を解消すべく、白色W1を補正白色W2に補正するとともに、黒色B1を補正黒色B2或いは補正黒色B2と同視できる色に補正する処理を行う。尚、白色W1及び黒色B1が補正白色W2及び補正黒色B2にそれぞれ補正されることにより、図2中の直線L11は直線L12に補正される。このような補正がなされることによって、黒色に加えて、彩度を有しない白色及び灰色の呈色も適切に解消される。
ここで、補正白色W2は、縦軸上に位置する彩度を有しない白色であって表示装置20がスクリーン40に表示し得る最も明度が高い白色である。また、補正黒色B2は、完全無光状態におけるスクリーン40の色との色差が最も小さくなる黒色である。上記の完全無光状態とは、表示装置20によるスクリーン40への画像表示が行われず、且つ、スクリーン40に外光が照射されていない状態をいう。このため、完全無光状態におけるスクリーン40の色は、図2に示した色空間における原点の色(以下、完全黒色B0という)になる。上述の通り、補正黒色B2は、完全黒色B0との色差が最も小さくなる黒色であるから、原点から直線L2に対して降ろした垂線の足の位置における黒色である。
ここで、表示装置20がスクリーン40に表示可能な表示色域R1に応じて、図3に示す通り、原点から直線L2に対して降ろした垂線が直線L2の延長線に交わる場合(図3(a)に示す通り色味が少ない場合)と、直線L2に直接交わる場合(図3(b)に示す通り色味が多い場合)とが考えられる。前述の通り、表示色域R1外の色をスクリーン40上に表示することはできないため、画像処理装置10は、図3(a)に示す場合には補正を行わず、図3(b)に示す場合にのみ補正を行う。
以上の通り、黒色B1を完全黒色B0との色差が最も小さくなる補正黒色B2に補正するのは、コントラストが大幅に悪化するのを回避するためである。つまり、黒色B1の呈色を解消するだけであれば、白色W1と同様に、黒色B1を縦軸上に位置する彩度を有しない黒色(図2中で符号B3が付された点における黒色)に補正すれば良い。しかしながら、このような補正を行うと黒色の明度が高くなってコントラストが大幅に低下してしまう。本実施形態では、コントラストも加味しつつ呈色を適切に解消すべく、黒色B1を完全黒色B0との色差が最も小さくなる補正黒色B2に補正することとしている。
ここで、コントラストも加味して呈色を解消する場合には、以上の通り黒色B1を補正黒色B2に補正するのが望ましいが、視覚的にコントラストの低下及び色味の変化を認識することができない色(補正黒色B2と同視し得る色)に黒色B1を補正するようにしても良い。補正黒色B2と同視できる色とは、表示装置20がスクリーン40に表示し得る色であって、均等色空間において補正黒色B2との色差(具体的には、L色空間やL色空間における色差ΔE)の大きさが1以下の色である。
均等色空間は、前述の通り、色空間上での距離・間隔が、知覚的な色の距離・間隔に類似するよう設計された空間であり、一般的にこの空間内において色差の大きさが1以下であれば色の違いを認識することができないとされている。このため、黒色B1を、補正黒色B2との色差が1以下の色である補正黒色B2と同視し得る色に補正しても良い。尚、補正黒色B2と同視できる色は、例えば図3(b)中の領域R2内の色である。
図4は、本発明の一実施形態による画像処理装置で補正された画像の官能評価試験結果を示す図である。尚、図4(a)は表示装置20が図3(a)に示す表示色域R1を有する場合の官能評価試験結果を示す図であり、図4(b)は表示装置20が図3(b)に示す表示色域R1を有する場合の官能評価試験結果を示す図である。これら図4(a),(b)に示す官能評価試験結果は、横軸に黒色B1の補正量を示す変数δをとり、縦軸に官能評価値をとっている。
変数δは「0.0」〜「1.0」の間の値をとる変数である。図3(a),(b)に示す黒色B1は、変数δの値に応じて黒色B1と符号B3が付された点における黒色とを結ぶ直線上の黒色に補正される。変数δの値が「0.0」である場合には黒色B1は補正されず、変数δの値が「1.0」である場合には黒色B1は符号B3が付された点における黒色される。尚、官能評価値は、スクリーン4上に表示される画像の黒の呈色やコントラスト感を定量的に総合評価した値であり、値が大きいほど元の画像に近い画像であることを意味している。
図4(a)に示す官能評価試験結果を参照すると、変数δの値が「0.0」の場合に官能評価値が最も大きく、変数δの値が大きくなるに従って官能評価値が小さくなっているのが分かる。これに対し、図4(b)に示す官能評価試験結果を参照すると、変数δの値が黒色B1を補正黒色B2に補正するδ1の場合に官能評価値が最も大きくなっており、変数δの値がδ1よりも小さくなるに従って、及び変数δの値がδ1よりも大きくなるに従って、官能評価値が小さくなるのが分かる。これは、変数δの値がδ1よりも小さくなると黒の呈色が気になり、変数δの値がδ1よりも大きくなるとコントラストの低下が気になって、官能評価値が下がっていると考えられる。以上から、画像処理装置10は、図3(a)に示す場合には補正を行わず、図3(b)に示す場合にのみ黒色B1を補正黒色B2(補正黒色B2と同視し得る色)に補正するようにしている。
次いで、以上説明した処理を行う画像処理装置10の各部について詳細に説明する。図1に示す通り、画像処理装置10は、表示装置色特性保存部11(第1色特性保存部)、外光色特性保存部12(第2色特性保存部)、表示色域算出部13、補正色算出部14、色補正テーブル生成部15、色補正テーブル保存部16、及び色補正部17を備える。この画像処理装置10は、色センサー30の検出結果を用いて以上説明した色の補正を実現し得る色補正テーブルを生成し、この色補正テーブルを用いて入力される画像信号を補正する。
表示装置色特性保存部11は、プロジェクター1の使用環境下において、表示装置20によってスクリーン40に表示される画像の色特性を保存する。具体的には、表示装置20から赤色、緑色、及び青色の最大輝度の画像光を外光が照射されているスクリーン40にそれぞれ投影したときに色センサー30で検出される検出結果(RGB)から、図示しない変換部で変換されたXYZ三刺激値をそれぞれ保存する。表示装置色特性保存部11に保存される色特性(XYZ三刺激値)は以下の(1)式で表される。
Figure 0005605038
外光色特性保存部12は、スクリーン40に照射される外光の色特性を保存する。具体的には、画像信号が黒色の画像を表示するものである場合(例えば、表示装置20に入力されるRGB信号が(0,0,0)である場合)に、その画像信号に基づいて黒色の画像光が表示装置20によって外光が照射されているスクリーンに投影されているときに色センサー30で検出される検出結果を保存する。外光色特性保存部12に保存される色特性(XYZ三刺激値)は以下の(2)式で表される。
Figure 0005605038
表示色域算出部13は、表示装置色特性保存部11及び外光色特性保存部12に保存された色特性を用いて、プロジェクター1の使用環境下で表示装置20がスクリーン40に表示可能な画像の表示色域を算出する。具体的には、以下の(3)式で示される演算式を用いてXYZ三刺激値で示される表示色域を算出する。尚、以下の(3)式中の変数r,g,bは、表示装置20に入力される画像信号(R信号、G信号、B信号)を規格化した値を基数とし、表示装置20の階調特性を示すガンマ値(γ)を指数とする0〜1の間の値をとり得る変数である。また、以下の(3)式中におけるベクトルXは、外光色特性保存部12に保存された外光のXYZ三刺激値を示したものである。この外光のXYZ三刺激値は図2の黒色B1をXYZ三刺激値で示したものに相当する。
Figure 0005605038
補正色算出部14は、表示色域算出部13で算出された表示色域を基に、図2を用いて説明した補正白色W2と補正黒色B2(或いは、補正黒色B2と同視できる色)とを求める。具体的には、表示装置20がスクリーン40に表示可能な画像の表示色域内において、予め指定された色度(x,y)を有するもっと明るい色を補正白色W2とし、図2中の完全黒色B0との色差が最も小さな色を補正黒色B2とする。
より具体的に、補正色算出部14は、以下に示す(4)式を満たす変数α,r,g,bを計算することで補正白色W2を求める。但し、以下の(4)式中の変数r,g,bについては、少なくとも1つの変数の値が「1」であるという拘束条件付きである。
Figure 0005605038
また、補正色算出部14は、以下の(5)式を満たし、且つ、以下の(6)式で示される均等色空間における完全黒色B0との距離を示すΔEの値を最小にする変数β,δを計算することで補正黒色B2を求める。但し、以下の(5)式中の変数δは図4中に示した0〜1の間の値をとる変数であり、変数rK0,gK0,bK0については、少なくとも1つの変数の値が「0」であるという拘束条件付きである。尚、以下の(5)式中におけるベクトルXK0は、図2中の符号B3が付された点における黒色をXYZ三刺激値で示したものである。
Figure 0005605038
Figure 0005605038
色補正テーブル生成部15は、プロジェクター1の使用環境下でスクリーン40に表示される白色W2及び黒色B2を、表示色域算出部13の算出結果を用いて補正色算出部14で求められた補正白色W2及び補正黒色B2に補正する色補正テーブルを生成する。ここで、色補正テーブルは、画像処理装置10に入力される画像信号であるRGB信号(Rin,Gin,Bin)に対し、補正されて画像処理装置10から表示装置20に出力される画像信号であるRGB信号(Rout,Gout,Bout)が割り当てられたテーブルである。具体的に、色補正テーブル生成部15は、以下の(7)式を用いて色補正テーブルを生成する。尚、以下の(7)式中の変数Dは、画像信号の最大値を示す固定値である。
Figure 0005605038
色補正テーブル保存部16は、色補正テーブル生成部15で生成された色補正テーブルを保存する。色補正部17は、画像処理装置10に入力される画像信号に応じた画像を表示装置20で表示する際に、色補正テーブル保存部16に保存された色補正テーブルを読み出し、読み出した色補正テーブルを用いて画像信号を補正する。
次に、上記構成におけるプロジェクター1の動作について説明する。図5は、本発明の一実施形態による画像処理方法を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理は、例えばユーザがプロジェクター1の電源を投入したとき、或いは、電源が投入された状態にあるプロジェクター1に対してユーザが色補正の指示を行うことにより開始される。
図5に示すフローチャートの処理が開始されると、まず表示装置20の色特性を取得する処理が行われる(ステップS11:第1色特性保存ステップ)。この処理では、表示装置20から外光が照射されているスクリーン40に対して、赤色、緑色、及び青色の最大輝度の画像光が順次照射され、各々の画像光が照射されたときの反射光が色センサー30で順次検出される。そして、色センサー30の検出結果が、前述した(1)式で示される色特性として表示装置色特性保存部11に保存される。
次に、外光の色特性を取得する処理が行われる(ステップS12:第2色特性保存ステップ)。この処理では、表示装置20から外光が照射されているスクリーン40に対して黒色の画像光が照射され、この画像光が照射されたときの反射光が色センサー30で検出される。そして、色センサー30の検出結果が、前述した(2)式で示される色特性として外光色特性保存部12に保存される。
以上の色特性を取得する処理が終了すると、プロジェクター1の使用環境下で表示装置20がスクリーン40に表示可能な画像の表示色域が算出される(ステップS13:表示色域算出ステップ)。具体的には、表示装置色特性保存部11及び外光色特性保存部12に保存された色特性が読み出され、表示色域算出部13によって前述した(3)式で示される演算式を用いてXYZ三刺激値で示される表示色域が算出される。
次いで、表示色域算出部13で算出された表示色域を基に、補正白色W2を算出する処理(ステップS14:補正色算出ステップ)と、補正黒色B2(或いは、補正黒色B2と同視できる色)を算出する処理(ステップS15補正色算出ステップ)とが順に行われる。具体的に、補正白色W2を算出する処理では、補正色算出部14が、前述した(4)式を満たす変数α,r,g,bを、変数r,g,bの少なくとも1つの値が「1」であるという拘束条件の下で計算することにより補正白色W2を求める。
また、補正黒色B2を算出する処理では、正色算出部14が、前述した(5)式を満たし、且つ、前述した(6)式で示される均等色空間における完全黒色B0との距離を示すΔEの値を最小にする変数β,δを計算することで補正黒色B2を求める。但し、(5)式中の変数rK0,gK0,bK0については、少なくとも1つの値が「0」であるという拘束条件付きである。
補正白色W2及び補正黒色B2が求められると、プロジェクター1の使用環境下でスクリーン40に表示される白色W2及び黒色B2を、補正白色W2及び補正黒色B2に補正する色補正テーブルを生成する処理が行われる(ステップS16:色補正テーブル生成ステップ)。この処理では、色補正テーブル生成部15が、ステップS15,S16で求められた補正白色W2及び補正黒色B2と前述した(7)式とを用いて、画像処理装置10に入力される画像信号(Rin,Gin,Bin)と、画像処理装置10から表示装置20に出力される画像信号(Rout,Gout,Bout)との関係を示す色補正テーブルを生成する。尚、生成された色補正テーブルは、色補正テーブル保存部16に保存される。
次に、色補正テーブル保存部16に保存された色補正テーブルが読み出されて色補正部17に適用する処理が行われる(ステップS17)。この処理で色補正テーブルが色補正部17に適用されることにより、色補正部17における色補正テーブルに基づいた補正処理が可能になる。尚、色補正テーブルが色補正部17に適用されていない状態では、画像処理装置10に入力される画像信号が何ら補正されずにそのまま表示装置20に出力されるだけである。
以上の処理が終了すると、色補正部17で画像信号を入力する処理が行われ(ステップS18)、次いでステップS17で適用された色変換テーブルを用いて入力処理が行われた画像信号を補正する処理が行われる(ステップS19:色補正ステップ)。つまり、ステップS18にて前述した(7)式中の画像信号(Rin,Gin,Bin)を入力する処理が行われ、ステップS19にて画像信号(Rin,Gin,Bin)を色補正テーブルを用いて画像信号(Rout,Gout,Bout)に補正する処理が行われる。
色補正部17で補正された画像信号(Rout,Gout,Bout)は表示装置20に出力され、補正された画像信号に応じた画像光がスクリーン40上に向けて投影されることによりスクリーン40上に画像が表示される(ステップS20)。スクリーン40上に表示される画像は、色補正テーブルを用いて補正された画像信号に基づくものであるため、本来であればプロジェクター1の使用環境下で白色W2及び黒色B2として表示されていた色が、それぞれ補正白色W2及び補正黒色B2に補正されてスクリーン40上に表示される。これにより、黒色に加えて、彩度を有しない白色及び灰色の呈色も適切に解消される。
画像処理装置10に入力される画像信号がある場合(ステップS21が「YES」の場合)には、ステップS18〜S20の処理が繰り返される。これに対し、画像処理装置10に入力される画像信号がない場合(ステップS21が「NO」の場合)には、図5に示す一連の処理が終了する。このように、本実施形態では、スクリーン40上に表示される画像のコントラストを低下させることなく暗部の呈色を解消し得る色補正テーブルが作成され、この色補正テーブルを用いて補正された画像信号に応じた画像の表示が表示装置20により行われる。
ここで、色補正テーブルは、照明環境(スクリーン40に照射される外光)に応じたものが作成されるため、あらゆる照明環境下において、表示画像の暗部の呈色をコントラストも加味して自動的且つ適切に補正することができる。また、色補正テーブルは、表示装置20がスクリーン40に表示する画像の色特性、及びスクリーン40に照射される外光の色特性から求められる表示色域を用いて生成されるため、照明環境のみならず、表示装置20の特性も考慮した補正を行うことができ、様々な表示特性を有する表示装置に適用可能である。ここで、上記の色特性は、色センサー30を用いて検出されるため、仮にプロジェクター1の使用環境が変化したとしても、その使用環境の変化に応じた適切な画像信号の補正を即座に行うことができる。
次に、表示装置20について詳細に説明する。図6は、本発明の一実施形態による画像表示装置が備える表示装置の要部構成を示す図である。尚、図6では、表示装置20が、いわゆる3板式の液晶プロジェクターによって構成された例について説明するが、本発明に係る画像表示装置が備える表示装置は、いわゆる3板式の液晶プロジェクターにより構成されるものに限定されるものではない。
図6に示す通り、表示装置20は、光源51、インテグレータレンズ52,53、偏光変換素子54、重畳レンズ55、R用ダイクロイックミラー56R、G用ダイクロイックミラー56G、反射ミラー57、R用フィールドレンズ58R、G用フィールドレンズ58G、R用液晶パネル59R、G用液晶パネル59G、B用液晶パネル59B、リレー光学系60、クロスダイクロイックプリズム61、及び投射レンズ62を備える。R用液晶パネル59R、G用液晶パネル59G、及びB用液晶パネル59Bとして用いられる液晶パネルは、透過型の液晶表示装置である。リレー光学系60は、リレーレンズ71〜73及び反射ミラー74,75を備える。
光源51は、例えば超高圧水銀ランプにより構成され、少なくともR成分の光、G成分の光、及びB成分の光を射出する。インテグレータレンズ52は、光源51からの光を複数の部分光に分割するための複数の小レンズを有する。インテグレータレンズ53は、インテグレータレンズ52の複数の小レンズに対応する複数の小レンズを有する。これらインテグレータレンズ53は、光源51から射出される光の照度を均一化するために設けられる。
偏光変換素子54は、偏光ビームスプリッタアレイとλ/2板とを有しており、光源51からの光を略一種類の偏光光に変換する。偏光ビームスプリッタアレイは、インテグレータレンズ52により分割された部分光をp偏光とs偏光に分離する偏光分離膜と、偏光分離膜からの光の向きを変える反射膜とを、交互に配列した構造を有する。偏光分離膜で分離された2種類の偏光光は、λ/2板によって偏光方向が揃えられる。この偏光変換素子54によって略一種類の偏光光に変換された光が、重畳レンズ55に照射される。重畳レンズ55は、インテグレータレンズ52の複数の小レンズから射出される部分光を液晶パネル上で重畳する。
重畳レンズ55からの光は、R用ダイクロイックミラー56Rに入射される。R用ダイクロイックミラー56Rは、R成分の光を反射してG成分及びB成分の光を透過させる。R用ダイクロイックミラー56Rを透過した光はG用ダイクロイックミラー56Gに入射し、R用ダイクロイックミラー56Rで反射された光は反射ミラー57で反射されてR用フィールドレンズ58Rに入射する。G用ダイクロイックミラー56Gは、G成分の光を反射してB成分の光を透過させる。G用ダイクロイックミラー56Gを透過した光はリレー光学系60に入射し、G用ダイクロイックミラー56Gで反射された光はG用フィールドレンズ58Gに入射する。
リレー光学系60は、G用ダイクロイックミラー56Gを透過したB成分の光の光路長と他のR成分及びG成分の光の光路長との違いをできるだけ小さくするために、リレーレンズ71〜73を用いて光路長の違いを補正する。リレーレンズ71を透過した光は、反射ミラー74で反射されてリレーレンズ144に入射する。リレーレンズ72を透過した光は、反射ミラー75で反射されてリレーレンズ72に入射する。リレーレンズ73を透過した光が、B用液晶パネル59Bに照射される。
他方、R用フィールドレンズ58Rに入射した光は、平行光に変換されてR用液晶パネル59Rに照射される。また、G用フィールドレンズ58Gに照射された光は、平行光に変換されてG用液晶パネル59Gに入射される。R用液晶パネル59R、G用液晶パネル59G、及びB用液晶パネル59Bは、それぞれ光変調素子として機能し、図1に示す画像処理装置10から出力される画像信号(Rout,Gout,Bout)に基づいて透過率(通過率、変調率)がそれぞれ変化する。
このため、R用液晶パネル59Rに照射された光は画像信号Routに基づいて変調され、G用液晶パネル59Gに照射された光は画像信号Goutに基づいて変調され、B用液晶パネル59Bに照射された光は画像信号Boutに基づいて変調される。そして、これらR用液晶パネル59R、G用液晶パネル59G、及びB用液晶パネル59Bで変調された光が、クロスダイクロイックプリズム61にそれぞれ入射される。
ここで、R用液晶パネル59R、G用液晶パネル59G、B用液晶パネル59Bは、それぞれ同様の構成を有している。各液晶パネルは、電気光学物質である液晶を一対の透明なガラス基板に密閉封入したものであり、例えばポリシリコン薄膜トランジスタをスイッチング素子として、各サブ画素の画像信号に対応して各色光の通過率を変調する。本実施形態では、1画素を構成する色成分毎に光変調素子としての液晶パネルが設けられ、各液晶パネルの透過率がサブ画素に対応した画像信号により制御される。
クロスダイクロイックプリズム61は、R用液晶パネル59R、G用液晶パネル59G、及びB用液晶パネル59Bからの光を合成して射出する。投射レンズ62は、クロスダイクロイックプリズム61で合成された光(画像光)をスクリーン40に向けて投影するレンズである。この投影レンズ62で投影された画像光に応じた画像がスクリーン40上に表示される。ここで、R用液晶パネル59R、G用液晶パネル59G、及びB用液晶パネル59Bの透過率を変調する画像信号(Rout,Gout,Bout)は、前述した色補正テーブルを用いて画像処理装置10で補正された画像信号である。このため、スクリーン40上には、コントラストも加味して暗部の呈色が解消された画像が表示される。
以上、本発明の一実施形態による画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、以下に示す変形例が可能である
(1)上記実施形態では、画像表示装置としてプロジェクターを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る画像表示装置は、液晶表示装置やプラズマ表示装置、有機EL表示装置等の画像表示を行う画像表示装置全般に適用可能である。
(2)上記実施形態では、光変調素子として透過型の液晶パネルを用いたライトバルブを用いるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光変調素子として、例えばDLP(Digital Light Processing)(登録商標)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等を採用してもよい。
(3)上記実施形態では、光変調素子として、いわゆる3板式の透過型の液晶パネルを用いたライトバルブを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、単板式の液晶パネルや2板又は4板式以上の透過型の液晶パネルを用いたライトバルブを採用してもよい。
(4)上記実施形態では、図1に示す画像処理装置10が表示装置20に入力される画像信号を補正する形態を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の画像処理方法を実現する手順が記述されたプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませてハードウェアとソフトウェアとの協働により本発明の画像処理方法を実現することによって画像信号を補正する形態であっても良い。
(5)上記実施形態では、プロジェクター1が画像処理装置10、表示装置20、及び色センサー30を備えるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プロジェクター(表示装置)と画像処理装置が別体であっても良い。
1…画像表示装置、10…画像処理装置、11…表示装置色特性保存部、12…外光色特性保存部、13…表示色域算出部、14…補正色算出部、15…色補正テーブル生成部、16…色補正テーブル保存部、17…色補正部、20…表示装置、30…色センサー、40…スクリーン、B0…完全黒色、B1…黒色、B2…補正黒色、W1…白色、W2…補正白色

Claims (11)

  1. 画像信号に応じた画像を表示面に表示する表示装置に入力される前記画像信号に対する処理を行う画像処理装置であって、
    前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される画像の色が、前記表示装置による前記表示面への画像表示が行われず、且つ、前記表示面に外光が照射されていない状態である完全無光状態における前記表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色となるように、前記画像信号を補正する色補正部を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記補正黒色と同視できる色は、均等色空間において前記補正黒色との色差の大きさが1以下の色であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される画像の色を、完全無光状態における前記表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色に補正する色補正テーブルを保存する色補正テーブル保存部を備えており、
    前記色補正部は、前記色補正テーブル保存部に保存された前記色補正テーブルを用いて前記画像信号を補正する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記表示装置によって前記表示面に表示される画像の色特性を保存する第1色特性保存部と、
    前記表示面に照射される外光の色特性を保存する第2色特性保存部と、
    前記第1,第2色特性保存部に保存された色特性を用いて、前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示可能な表示色域を算出する表示色域算出部と、
    前記表示色域算出部の算出結果を用いて、前記色補正テーブルを生成する色補正テーブル生成部と
    を備えることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記表示色域算出部で算出された前記表示色域を基に、前記画像信号が白色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示させるべき補正白色と、前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示させるべき前記補正黒色或いは前記補正黒色と同視できる色とを求める補正色算出部を備えており、
    前記色補正テーブル生成部は、前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される白色及び黒色をそれぞれ前記補正白色及び前記補正黒色にする前記色補正テーブルを生成する
    ことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
  6. 画像信号に応じた画像を表示面に表示する表示装置を備える画像表示装置において、
    前記表示装置に入力される画像信号に対する処理を行う請求項1から請求項5の何れか一項に記載の画像処理装置を備えることを特徴とする画像表示装置。
  7. 前記表示装置によって前記表示面に表示される画像の色特性、及び前記表示面に照射される外光の色特性を検出する色センサーを備えることを特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
  8. 画像信号に応じた画像を表示面に表示する表示装置に入力される前記画像信号に対する処理を行う画像処理方法であって、
    前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される画像の色が、前記表示装置による前記表示面への画像表示が行われず、且つ、前記表示面に外光が照射されていない状態である完全無光状態における前記表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色となるように、前記画像信号を補正する色補正ステップを有することを特徴とする画像処理方法。
  9. 前記色補正ステップは、前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される画像の色を、完全無光状態における前記表示面の色との色差を最も小さくする補正黒色或いは該補正黒色と同視できる色に補正する色補正テーブルを用いて前記画像信号を補正することを特徴とする請求項8記載の画像処理方法。
  10. 前記表示装置によって前記表示面に表示される画像の色特性を保存する第1色特性保存ステップと、
    前記表示面に照射される外光の色特性を保存する第2色特性保存ステップと、
    前記第1,第2色特性保存ステップで保存された色特性を用いて、前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示可能な表示色域を算出する表示色域算出ステップと、
    前記表示色域算出ステップの算出結果を用いて、前記色補正テーブルを生成する色補正テーブル生成ステップと
    を有することを特徴とする請求項9記載の画像処理方法。
  11. 前記表示色域算出ステップで算出された前記表示色域を基に、前記画像信号が白色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示させるべき補正白色と、前記画像信号が黒色の画像を表示するものである場合に前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示させるべき前記補正黒色或いは前記補正黒色と同視できる色とを求める補正色算出ステップを有しており、
    前記色補正テーブル生成ステップは、前記表示装置の使用環境下で前記表示面に表示される白色及び黒色をそれぞれ前記補正白色及び前記補正黒色にする前記色補正テーブルを生成するステップである
    ことを特徴とする請求項10記載の画像処理方法。
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